説明

連携処理方法、連携処理装置、外部連携システム、プログラム

【課題】画像形成装置と外部装置とでの連携処理時に異常が発生した際にも、データのセキュリティ性能を高く維持できるようにする。
【解決手段】異常検知部150は、複数の装置間で連携処理を行なっている際に生じ得る、自装置内部もしくは連携する他の装置内部に生じる異常を検知する。廃棄制御部160は、相互連携処理途中での異常が発生したことを異常検知部150が検知したときに、自装置内部もしくは連携する他の装置内部に残った連携処理ジョブに関するデータをデータ保持部140から廃棄するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機などの画像形成装置と、画像形成装置では対処不能な所定の処理を行なう外部装置とが連携することで、一方の装置のみでは実現できない所定の処理を実現する連携処理方法、連携処理装置、外部連携システム、およびプログラムに関する。より詳細には、連携処理時に何れかの装置で異常が発生した場合の対処の仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の装置(デバイス)が連携して所定の処理を行なうことで、一方の装置のみでは提供できない様々な処理を行なうようにした外部連携システムがある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、1つの画像形成装置にて読み取った画像情報を他の画像形成装置に一時的に保管した場合において、依頼元の画像形成装置でその画像情報が不要になったときには、依頼先の画像形成装置にその旨を連絡し、依頼先に無駄な記憶がいつまでも残ることを回避し得る仕組みが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−42121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の仕組みでは、デジタル複写機などの画像形成装置を複数台備え、これら画像形成装置が通信装置を介して互いに接続されている画像形成システムでの不要画像残りを回避するために、お互いに通信するように構成されているので、画像形成装置同士の連携ではなく、画像形成装置(特許文献1記載の主画像形成装置に相当)が他のネットワーク上の外部機器(特許文献1記載の副画像形成装置を除く)と繋がっている場合や、相互通信するデータが画像データ以外の対処方法には、依然として課題がある。
【0006】
たとえば、連携するアプリケーションサービスプロバイダ(ASP;Application Service Provider)にデバイスからスキャンデータを送り文字認識(OCR;Optical Character Reader)処理などの後、処理中に異常終了した際に、デバイス内やASP内に中間生成物やデータが残る可能性があり、データが蓄積されメモリを占有することにより処理負担となるという問題を招くだけでなく、その残ったデータのセキュリティの問題も抱えてしまう。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、連携処理時に何れかの装置で異常が発生した場合にも高いセキュリティ性能を保つことができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る仕組みにおいては、少なくとも連携処理の一部の処理を行なう処理装置(たとえば画像を取り扱う画像形成装置)と外部装置とが連携して所定の処理(相互連携処理)を行なっている際に、その相互連携処理途中で何れかの装置に異常が発生したときには、処理装置や外部装置に残った相互連携処理に関するデータを削除するようにした。
【0009】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る仕組みのさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る仕組みを、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介した配信により提供されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、連携処理時に異常が発生すると、処理装置や外部装置に残った相互連携処理に関するデータを削除するようにしたので、文書データ、課金情報、課金処理に関わるユーザ情報、あるいは処理中の中間生成ファイルなど、データの種類を問わず、データ残りを回避することができ、データが蓄積されメモリを占有することにより処理負担となる問題は生じない。加えて、高いセキュリティ性能を保つことができる、すなわち、処理装置と外部装置とでの連携処理時に異常が発生した際にも、データのセキュリティ性能を高く維持できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
<システム構成>
図1は、本発明に係る連携処理装置の一例である画像形成装置と外部装置とがネットワーク接続されてなる外部連携システムの構成例を示す図である。
【0013】
外部連携システム1は、画像を読み取ったり、読み取った画像に基づいて印刷処理を行なったり、クライアント端末から受け取った印刷データに基づいて印刷処理を行なったりする画像形成装置5と、この画像形成装置5では対処し得ない所定のデータ処理を行なう外部装置7とが、ネットワーク9により接続されて構成されている。なお、外部装置7としては、本例では外部装置7_1,7_2、7_3の3種類のものが用意されている。
【0014】
画像形成装置5は、本体に設けられているユーザインタフェース機器からのユーザ操作により、ネットワーク上の外部装置7からの開始指示で所定の連携処理ジョブを起動可能になっている。
【0015】
このような構成の外部連携システム1では、一方の装置が連携処理の少なくとも一部の処理を行ない、他の装置が連携処理の残りの処理を行なうことにより、一方の装置のみでは提供できない様々な処理を互いに連携して連携処理を行なうことができる。
【0016】
画像形成装置5には、画像入力端末3が接続され、処理対象のデータが入力されるようになっている。たとえば、画像入力端末3は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成し、また編集などの処理をする、たとえばパソコン(パーソナルコンピュータ)3a、カラースキャナ3b、デジタルカメラ3c、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置3d、さらにはFAX装置3eなど、任意数の画像入力ソースを含み得る。また、インターネット上のWebサーバ3fも、画像形成装置5に対してホームページなどのデジタルドキュメントを入力する画像入力ソースとなり得る。
【0017】
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像形成装置5で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。
【0018】
またたとえば、パソコン3aで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像形成装置5に送られる。このPDLデータを受け取った画像形成装置5は、印刷前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してから画像出力部(プリンタエンジン部)にラスタデータを出力する。
【0019】
画像形成装置5は、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
【0020】
この画像形成装置5は、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10、入力された画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理機能と端末全体の動作を制御する制御機能とを備えたコントローラ部20、およびコントローラ部20からの画像データに基づいて所定の出力媒体に可視画像を形成して出力する画像出力部30、および内蔵の給紙トレイ82(図では82a,82b,83cの3段構成)あるいは手差しトレイ83の内の何れかから出力媒体としての印刷用紙を画像出力部30に搬送する給紙部80を備える。なお、出力媒体は、紙に限らず、情報を印刷出力できる媒体であればよく、たとえばOHPフィルムも含む。
【0021】
コントローラ部20は、画像読取部10と画像出力部30との境界部分に配された処理基板39上に設けられている。なお、各給紙トレイ82は、通常の使用に際して(たとえば、メンテナンス時を除いて)、装置本体に対して着脱不可能な構成のものであってもよいし、着脱可能なものであってもよい。
【0022】
また画像形成装置5は、課金装置70と接続されている。課金装置70は、複写や印刷などの画像形成装置5単独の処理に対する対価計算や精算処理などの課金処理を行なうだけでなく、当該外部連携システム1を利用した連携処理に対する対価計算や精算処理などの課金処理を行なうこともできるようになっている。
【0023】
また画像形成装置5は、接続ケーブルやネットワークを介して画像入力端末3や外部装置7に接続可能になっている。たとえば、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LANという)によりパソコンなどの画像入力端末3に接続される。なお、有線LANは、無線LANにすることもできる。
【0024】
あるいは一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )を介してFAX装置などの画像入力端末3に接続される。なお、一般加入電話網(PSTN)9に代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
【0025】
また、画像形成装置5は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3gやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3hなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3g,3hからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3g,3hを介してリモートで画像形成装置5を制御することもできるようになっている。
【0026】
このような構成により、画像形成装置5は、前述のように、画像読取部10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコンなどの画像入力端末3から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線やその他の通信インタフェースを介して取得したFAXデータやその他の画像データに基づいて印刷出力する機能も備えるようになる。
【0027】
画像読取装置10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙する循環機能のないドキュメントフィーダ(ADF(自動原稿搬送)装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する操作パネル部15aやオペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bを有するユーザインタフェース部15とを有している。なお、操作パネル部15aや操作キー部15bに代えて、あるいはこれらとともに使用される大型ユーザインタフェースあるいはメンテナンス画面を備えたユーザインタフェース装置16を設けてもよい。また、操作パネル部15aの下部であって装置の前面側には、ユーザ認証を行なうためのIDカード挿入口17が設けられている。
【0028】
画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤、緑、青のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
【0029】
このようにして、読取りが完了すると、コントローラ部20の画像処理機能部は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
【0030】
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、通常の搬送用紙(記録済用紙)が排出される複数の排紙トレイ36を具備した排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板39とを含む。
【0031】
画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像形成装置5をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
【0032】
処理基板39には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部や制御部)だけでなく、コントローラ部20の画像処理機能部や画像形成装置5全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像形成装置5内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82などを制御する回路が搭載される。この処理基板39には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
【0033】
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
【0034】
この画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(A4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像出力部30へ給紙されると、画像出力部30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に、コントローラ部20の画像処理機能部から送られたK,Y,M,Cのトナー信号に基づいて可視画像を形成する。
【0035】
両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。
【0036】
画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的にあるいは1ページごとにソートされる。
【0037】
外部装置7は、画像形成装置5では対処し得ない所定のデータ処理を行なうサーバ機能を有するものである。一例として、第1の外部装置7として画像形成装置5から送られた画像データに基づいて文字認識(OCR)処理を行なう第1ASP7_1を、また第2の外部装置7として画像形成装置5から送られた文書データや第1ASP7_1で文字認識された文書データに基づいて翻訳処理を行なう第2ASP7_2を、また第3の外部装置7として当該外部連携システム1を利用した連携処理に対する対価計算や精算処理などの課金処理を行なう課金サーバ7_3が設けられている。
【0038】
画像形成装置5は、IDカード挿入口17にIDカードが挿入されるか、あるいは操作キー部15bにてユーザIDが入力されると、それらのユーザ照合情報を、予め登録してある個人情報のデータベースと照合して、正規のユーザであるか否かを照合する。適正な認証が得られると、外部連携システム1を利用した連携処理に対する対価計算や精算処理などの課金処理を、課金装置70による現金決済だけでなく、課金サーバ7_3にユーザ情報を通知することで、課金サーバ7_3による口座決済にてもできるようになる。
【0039】
これにより、たとえば、画像形成装置5の画像読取部10で読み取った画像やWebサーバ3fからダウンロードした画像などを第1ASP7_1に送り文字認識処理を行なってから、その文書データを第2ASP7_2に送り翻訳処理を行なって、処理後の文書データを画像形成装置5に送り、この連携処理に対する課金処理を課金サーバ7_3もしくは課金装置70にて行なうといった、画像形成装置5単独では実現し得ない連携サービスをユーザに提供できるようになる。
【0040】
<各種装置の基本構成例>
図2は、本発明に係る外部連携処理において異常時のデータ廃棄処理を行なうための機能部分に注目した、画像形成装置5および外部装置7(纏めて連携処理装置ともいう)の機能ブロック図である。
【0041】
画像形成装置5や外部装置7などの連携処理装置は、当該連携処理装置の操作指示を受け付ける指示受付部110と、操作メニューを表示したり装置の動作状態や各種の情報を表示したりする表示部120と、ネットワークとのインタフェース機能をなす通信インタフェース部130と、連携処理ジョブに関するデータを保持するハードディスク装置や半導体製の記憶装置などでなるデータ保持部140とを備えている。
【0042】
また、各連携処理装置は、本実施形態特有の構成として、自装置やネットワーク接続された他の装置の異常発生を検知する異常検知部150と、相互連携処理途中での異常が発生したことを異常検知部150が検知したときに、自装置内部もしくは連携する他の装置内部に残った連携処理ジョブに関するデータをデータ保持部140から廃棄するように制御する廃棄制御部160とを備えている。
【0043】
異常検知部150は、自装置内に生じた異常を自ら検知したり、連携する他の装置内に生じた異常を異常通知送受信機能を利用して検知したりするなど、相互連携処理途中で外部連携システム1の何れかに異常が生じたことを検知できるものであればよく、公知の種々の手法を採用することができる。ここでは、それらの具体的な仕組みについては説明を割愛する。
【0044】
なお、相互連携処理途中で外部連携システム1の何れかに異常が生じたことを検知するに当たっては、連携動作する他の複数の装置のうち、少なくとも1つの装置から一定の応答がないときにも異常が生じたと判定するようにすることができる。
【0045】
また、連携動作する他の複数の装置から一定の応答がないときに異常が生じたと判定するに当たっては、何れか1つの装置から一定の応答がないときに必ず異常であると判定することは必須ではなく、他の装置の特質を考慮して、一定の応答がないときに異常であると判定するか否かを判断するようにすることもできる。たとえば、連携動作する複数の装置のうち、データを残すとセキュリティ上致命的となる装置から一定の応答がないときに異常であると判定するようにしてもよい。データのセキュリティ対策として重要な装置から一定の応答がないときに異常であるとしてデータ廃棄を行なうことで、システム異常に過剰に反応して各種連携装置でデータ廃棄を行なうような事態を回避することができる。
【0046】
廃棄制御部160は、相互連携処理途中での異常が発生すると、自装置内部に残った連携処理ジョブに関するデータを自ら自動的に削除するように自装置に備えられたデータ保持部140を制御する。
【0047】
あるいは、連携する他の装置の内部に残った連携処理ジョブに関するデータを、その他の装置に備えられたデータ保持部140から削除できるように、廃棄制御部160は、連携する他の装置の異常検知部150に対して異常通知を発する。この異常通知を受けた連携する他の装置では、廃棄制御部160は、自装置内部に残った連携処理ジョブに関するデータを削除するように自装置に備えられたデータ保持部140を制御する。なお、ここでは他装置への異常通知を廃棄制御部160を介して行なうようにしているが、異常検知部150が行なうように構成することもできる。
【0048】
つまり、本実施形態の外部連携システム1においては、連携動作する複数の装置のうち、少なくとも1つにて異常が発生すると、異常を検知した自装置自らが自装置内に残る連携処理ジョブに関するデータを削除するし、異常通知を受けた他の装置でも、その異常通知を受けたときに、自装置(連携動作する他の装置)内に残る連携処理ジョブに関するデータを削除するのである。
【0049】
なお、異常通知を受けた他の装置において、その連携動作する他の装置内に残る連携処理ジョブに関するデータを削除するに当たっては、異常通知を受信したときに必ずデータ廃棄処理を行なうことは必須ではなく、異常通知を発した装置の特質を考慮して、データ廃棄処理を行なうか否かを判断するようにすることもできる。たとえば、連携動作する複数の装置のうち、データを残すとセキュリティ上致命的となる装置からの異常が通知されたときに削除するようにしてもよい。データのセキュリティ対策として重要な装置で異常があったときにのみデータ廃棄を行なうことで、各種連携装置で異常に過剰に反応してデータ廃棄を行なうような事態を回避することができる。
【0050】
また、異常時の削除対象となる連携処理ジョブに関するデータとしては、たとえば、画像形成装置5の画像読取部10で読み取った画像やWebサーバ3fからダウンロードした画像などに対する画像形成装置5における処理途中のデータである中間生成ファイルがある。また、第1ASP7_1における文字認識処理済みの文書データや第2ASP7_2における翻訳処理済みの文書データ、あるいは第1ASP7_1や第2ASP7_2における処理途中のデータである中間生成ファイルがある。また、課金サーバ7_3もしくは課金装置70における課金処理に供される課金情報やその課金処理途中のデータである中間生成ファイルもある。また、これら外部連携処理において使用されるユーザ情報も削除対象となる連携処理ジョブに関するデータの一例となる。
【0051】
<電子計算機を利用した連携処理装置の構成例>
なお本実施形態において、外部連携処理を行なっている際の異常発生時にデータ廃棄処理を行なう仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。
【0052】
よって、本発明に係る外部連携処理方法(特に異常時のデータ廃棄処理)や画像形成装置あるいは外部装置7(特に異常時のデータ廃棄処理に関わる機能部分)を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。
【0053】
電子計算機に一連の外部連携処理(特に異常時のデータ廃棄処理)機能をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU(Central Processing Unit )、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0054】
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの状態変化を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
【0055】
たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクFDを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。
【0056】
また、ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、記録媒体を用いずに、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
【0057】
たとえば、外部連携処理機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウェア処理回路にて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が外部連携処理機能を実現する。
【0058】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、外部連携処理を行なう機能が実現されるだけでなく、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(Operating Systems ;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理により外部連携処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
【0059】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって外部連携処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
【0060】
なお、外部連携処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0061】
たとえば図3は、CPUやメモリを利用してソフトウェア的に外部連携処理を行なう機能を持つ画像形成装置5や外部装置7などの連携処理装置を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどのコンピュータ(電子計算機)の機能を利用して外部連携処理をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
もちろん、このようなコンピュータを用いた構成に限らず、図2を用いて示した画像形成装置5や外部装置7の各機能部の処理をなす専用のハードウェアの組合せにより外部連携処理を行なう構成にすることもできる。ただし、ソフトウェアにより処理を実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
【0063】
たとえば、コンピュータシステム900は、コントローラ部901と、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部902(データ保持部140相当)とを有する。
【0064】
コントローラ部901は、CPU(Central Processing Unit )912、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM(Random Access Memory)915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有している。NVRAM916には、たとえば、一時データなどを格納することができる。この場合、NVRAM916は、一時データ保存部として機能することとなる。
【0065】
上記において“揮発性の記憶部”とは、連携処理装置の主電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、連携処理装置の主電源がオフされた場合でも記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。たとえば、ハードディスク装置を不揮発性の記憶部として利用できる。
【0066】
また、コンピュータシステム900は、ユーザインタフェースをなす機能部として、キーボードやマウスあるいは表示パネル部941aや操作キー部941bを具備した連携処理装置に備えられる操作パネル部941などを利用した指示入力部903(指示受付部110相当)と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部904(表示部120相当)と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部(IF部)909とを有する。
【0067】
表示出力部904は、表示制御部942と表示装置とを備える。表示装置としては、たとえば、連携処理装置に備えられる操作パネル部941を利用することができる。あるいは、CRTやLCDなどでなるその他のディスプレイ部944を利用することもできる。なお、表示面上にタッチパネル943を有するディスプレイ部944とすることで、指先やペンなどで所定の情報を入力する指示入力部903を構成することもできる。
【0068】
なお、画像形成装置5を構成する場合には、コンピュータシステム900には、外部連携処理に供されるデータに対する所定のデータ処理を行なう機能部分も設けられる。たとえば、リンク先のアドレスがコード化されて印刷イメージ中に埋め込まれた画像を所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)に出力する画像出力部30相当の画像形成部906と、その印刷対象となる画像を読み取る画像読取部10相当の画像読取部(スキャナユニット)907とが設けられる構成とする。
【0069】
画像形成部906は、たとえば画像読取部907にて得られた画像信号により表される画像や受信した画像データに基づき、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)。このため、画像形成部906は、たとえばイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの2値化信号などの印刷出力用データを生成する画像処理部962と、たとえばラスタ出力スキャンベースやインクジェット方式などのプリントエンジン964とを備える。
【0070】
画像読取部907は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤R、緑G、青Bのアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換する。
【0071】
インタフェース部909としては、処理データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、画像読取部907とのインタフェース機能をなすスキャナIF部997、画像形成部906や他のプリンタとのインタフェース機能をなすプリンタIF部996、およびインターネットなどのネットワークとの間の通信データの受け渡しを仲介する通信IF部999(通信インタフェース部130相当)を有している。
【0072】
なお、外部連携処理のための各機能部分の全ての処理をソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部を専用のハードウェアにて行なう異常検知部150や廃棄制御部160などを構成するための処理回路908を設けてもよい。ソフトウェアで行なう仕組みは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、その処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。これに対して、ハードウェア処理回路で行なうことで、高速化を図ったアクセラレータシステムを構築することができるようになる。アクセラレータシステムは、処理が複雑であっても、処理速度の低下を防ぐことができ、高いスループットを得ることができる。
【0073】
このような構成において、CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なうものであり、いわゆるコントローラ部に対応する。ROM913は、CPU912の制御プログラムなどを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納する。また、RAM915は、所定のアプリケーションプログラムによって取得した電子ドキュメント(文字データのみに限らず画像データを含んでよい)や自装置に備えられている画像読取部907で取得した画像データ、さらには外部から取得した電子文書などを一時的に格納する領域を含んでいる。
【0074】
たとえば、外部連携処理機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。あるいは、このプログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなど、その他の記録媒体にプログラムを格納してもよい。さらに、他のサーバなどからインターネットなどのネットワークを経由してプログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新したりしてもよい。
【0075】
なお、プログラムを提供するための記録媒体としては、FDやCD−ROMなどの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアカードなどの半導体メモリを用いることができる。記録媒体の一例としてのFDやCD−ROMなどには、外部連携処理機能を実現する際の、一部または全ての機能を格納することができる。
【0076】
また、ハードディスク装置は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、画像読取部907で取得した画像データや外部から受信した画像データなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでいる。また、ハードディスク装置、FDドライブ、あるいはCD−ROMドライブは、たとえば、CPU912にコンテンツ取得やアドレス取得あるいはアドレス設定などの処理をソフトウェアにて実行させるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。
【0077】
<処理事例>
図4は、上記構成の外部連携システム1における外部連携処理と異常発生時のデータ廃棄処理の具体例の一例を説明する図である。画像形成装置5,第1ASP7_1,第2ASP7_2、および課金サーバ7_3は、異常通知を相互に通知可能になっており、自装置で異常が生じたことを異常検知部150にて検知すると、異常検知部150自身もしくは廃棄制御部160が他の装置の異常検知部150にネットワーク9を介して、異常が生じた旨を通知するようになっている。
【0078】
Webサーバ3fからホームページデータをダウンロードして操作パネル部15aやユーザインタフェース装置16の表示画面上に表示したり、そのホームページの情報を用紙に印刷したりするなどのブラウザ機能を有する画像形成装置5で、画像読取部10にて読み取った文書画像やWebサーバ3fからダウンロードした画像などを文字認識サービスを行なう第1ASP7_1に転送する(S10)。
【0079】
第1ASP7_1は、画像形成装置5から転送された画像中に存在する文字部分を認識してテキスト情報でなる文書データを作成し、この文書データを画像形成装置5に転送するとともに(S12)、翻訳サービスを行なう第2ASP7_2にも転送する(S14)。また、第1ASP7_1は、この文字認識処理に要した負荷情報(たとえば処理時間など)を課金サーバ7_3に送る(S16)。
【0080】
また、画像形成装置5は、Webサーバ3fからホームページデータ(文書データの一例)をダウンロードして翻訳サービスを行なう第2ASP7_2に転送する(S18)。
【0081】
翻訳サービスを行なう第2ASP7_2は、第1ASP7_1から転送された文書データや画像形成装置5から転送されたホームページデータを、異なる言語体系の文書データに変換し(つまり翻訳し)、翻訳済みの文書データを画像形成装置5に転送する(S20)。また、第2ASP7_2は、この翻訳処理に要した負荷情報(たとえば処理時間など)を課金サーバ7_3に送る(S22)。
【0082】
課金サーバ7_3は、この外部連携システム1における連携処理に対する課金処理要求を画像形成装置5から受け付けると(S30)、第1ASP7_1や第2ASP7_2から転送された文字認識処理や翻訳処理に要した負荷情報に基づいて、この外部連携システム1における連携処理に対する課金処理を行ない、その課金処理過程の中間生成ファイルや課金処理結果の情報を画像形成装置5に通知する(S32)。
【0083】
ここで、たとえば画像形成装置5の画像読取部10にて読み取った文書画像を第1ASP7_1で文字認識した後第2ASP7_2に転送後に、翻訳サービスを行なう第2ASP7_2に異常が発生した場合(S40)、第2ASP7_2は、自装置内のデータ保持部140に保持している翻訳処理に関わる中間生成ファイルを削除するとともに(S42)、異常通知を画像形成装置5や第1ASP7_1、課金サーバ7_3に送る(S44)。
【0084】
この異常通知を受けた画像形成装置5は、廃棄制御部160が、自動的に、当該画像形成装置5のデータ保持部140に残った翻訳サービスの課金のためのユーザ情報を削除させる(S46)。
【0085】
また、画像形成装置5の廃棄制御部160は、異常を発生した第2ASP7_2以外の連携ASP(残余装置の一例)である第1ASP7_1内のデータ保持部140に残った文字認識処理に関わる中間生成ファイルを削除するように、第1ASP7_1の廃棄制御部160に要求する、すなわち削除依頼を行なう(S50)。この要求を受けた第1ASP7_1の廃棄制御部160は、当該第1ASP7_1のデータ保持部140に残った文字認識処理に関わる中間生成ファイルを削除させる(S52)。
【0086】
また、画像形成装置5の廃棄制御部160は、異常を発生した第2ASP7_2以外の連携ASPで(残余装置の一例)ある課金サーバ7_3内のデータ保持部140に残った文字認識処理や翻訳処理の課金のための課金情報(たとえばユーザ情報)や中間生成ファイルを削除するように、課金サーバ7_3の廃棄制御部160に要求する、すなわち削除依頼を行なう(S60)。この要求を受けた課金サーバ7_3の廃棄制御部160は、当該課金サーバ7_3のデータ保持部140に残った課金情報(たとえばユーザ情報)や中間生成ファイルを削除させる(S62)。
【0087】
なお、この例では、相互連携処理途中で第2ASP7_2にて異常が発生したときの画像形成装置5と連携する外部機器である第1ASP7_1や課金サーバ7_3内部に残った当該連携処理ジョブに関するデータの廃棄処理を、画像形成装置5からの廃棄要求を受けてから行なうようにしていたが、それぞれ第2ASP7_2からの異常通知を受けてから行なうようにすることもできる。
【0088】
これにより、連携処理が異常な状態になった際に、各自装置内の処理途中で残った中間生成ファイルやデータを削除することができ、その装置自身として高いセキュリティを保つことができる。また、連携処理が異常な状態になった際に、連携処理を行なっている他の装置内に残った中間生成ファイルやデータも削除することができ、他の装置としても、高いセキュリティを保つことができる。また、連携処理が正常に完了しなかったのに不当に課金されるという不具合を防ぐこともできる。
【0089】
特許文献1に記載の仕組みでは、複数の画像形成装置を接続してなるシステム構成で、お互いに通信することで、不要画像残りを回避することができるが、画像形成装置(特許文献1記載の主画像形成装置に相当)が他のネットワーク上の外部機器(特許文献1記載の副画像形成装置を除く)と繋がっている場合や相互通信するデータが画像データ以外については、連携処理での異常発生時に不要データを削除することができない。
【0090】
これに対して、本実施形態の外部連携システム1と、この外部連携システム1を構成する外部連携装置によれば、連携処理時に何れかの装置で異常が発生すると、自装置でデータを削除するし、他の連携処理装置に異常通知を行なってデータを削除するので、文書データ、課金情報、課金処理に関わるユーザ情報、あるいは処理中の中間生成ファイルなど、データの種類を問わず、不要データを削除することができ、高いセキュリティ性能を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る画像形成装置と外部装置とがネットワーク接続されてなる外部連携システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る連携処理装置の機能ブロック図である。
【図3】連携処理装置を電子計算機を用いて構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図4】外部連携システムにおける外部連携処理と異常発生時のデータ廃棄処理の具体例の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0092】
1…外部連携システム、3…画像入力端末、5…画像形成装置、7…外部装置、7_1…第1ASP、7_1…第2ASP、7_1…課金サーバ、9…ネットワーク、70…課金装置、110…指示受付部、120…表示部、130…通信インタフェース部、140…データ保持部、150…異常検知部、160…廃棄制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも連携処理の一部の処理を行なう処理装置と、当該処理装置では対処不能な所定の処理を行なう外部装置とを備えてなる外部連携システムにおいて、一方の装置のみでは実現できない所定の処理を、前記処理装置と前記外部装置とが連携して行なうことで実現する連携処理方法であって、
連携処理途中で何れかの装置に異常が発生したときには、装置内部に残った当該連携処理に関するデータを削除する
ことを特徴とする連携処理方法。
【請求項2】
一方の装置と当該一方の装置では対処不能な所定の処理を行なう他方の装置とを備えてなる外部連携システムに使用される連携処理装置であって、
前記一方の連携処理装置は少なくとも連携処理の一部の処理を行なう処理装置であり、
前記他方の連携処理装置は前記処理装置では対処不能な所定の処理を行なう外部装置であり、
連携処理途中での異常発生を検知する異常検知部と、
前記異常検知部が異常発生を検知したときに、自装置内部もしくは連携する他の装置内部に残った連携処理に関するデータを廃棄するように制御する廃棄制御部と
を備えたことを特徴とする連携処理装置。
【請求項3】
前記廃棄制御部は、他の連携処理装置から異常通知を受けた際に、自装置内部に残った連携処理に関するデータを廃棄するように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の連携処理装置。
【請求項4】
前記廃棄制御部は、他の連携処理装置から異常通知を受けた際に、当該他の連携処理装置を除くさらに他の連携処理装置である残余装置内部に残った連携処理に関するデータを廃棄するように当該残余装置に要求する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の連携処理装置。
【請求項5】
前記異常検知部は、連携動作する他の装置から一定の応答がないときに異常が生じたと判定する
ことを特徴とする請求項2〜4のうちの何れか1項に記載の連携処理装置。
【請求項6】
前記異常検知部は、データを残すとセキュリティ上致命的となる装置から一定の応答がないときに異常であると判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の連携処理装置。
【請求項7】
少なくとも連携処理の一部の処理を行なう処理装置と、
前記処理装置では対処不能な所定の処理を行なう外部装置とを備え、
一方の装置のみでは実現できない所定の処理を、前記処理装置と前記外部装置とが連携して行なうことで実現する連携処理の途中で、何れかの装置に異常が発生したときには、装置内部に残った当該連携処理に関するデータを削除する
ことを特徴とする外部連携システム。
【請求項8】
少なくとも連携処理の一部の処理を行なう処理装置と、当該処理装置では対処不能な所定の処理を行なう外部装置とを備えてなる外部連携システムにおいて、一方の装置のみでは実現できない所定の処理を、前記処理装置と前記外部装置とが連携して行なうことで実現する連携処理を、コンピュータを用いて行なうためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
連携処理途中での異常発生を検知する異常検知部と、
前記異常検知部が異常発生を検知したときに、自装置内部もしくは連携する他の装置内部に残った連携処理に関するデータを廃棄するように制御する廃棄制御部と
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−60186(P2007−60186A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242022(P2005−242022)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】