説明

連続的な無電解めっき方法

【課題】連続的な無電解めっき方法を提供する。
【解決手段】 フィルム上を無電解めっきにより連続的にめっきする方法であって、
1)導電性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布されたフィルムを前記導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程
3)前記脱ドープ処理されたフィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程
4)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなるか又は
1)還元性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布された樹脂フィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程3)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程数が少なく、且つ基材との密着性に優れる金属めっき膜を形成し得る連続的な無電解めっき方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無電解めっき処理によるガラス製品の無電解めっき方法の報告がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法によれば、(1)ガラス製品の表面に表面調整剤成分を付着させるための表面調整剤水溶液による処理、(2)前記処理された被めっき物にPd等の触媒物質を付与するための触媒物質含有水溶液による処理、(3)付着している触媒物質を還元して金属化するための還元処理、(4)前記処理がなされた被めっき物に対して無電解めっき処理を行う無電解めっき処理
の4工程を行うことによりガラス製品の無電解めっきが達成される。
【0003】
また、対象物がガラス製品でない、シートあるいはフィルムの場合においても、類似の無電解めっき方法が採用されている。
その推奨例であるSn−Pdめっき法に従うフィルムの無電解めっき方法は以下の通りである。
まず、フィルムの前処理としてOPC−1050コンディショナー(奥野製薬工業(株)社製)に60℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次に、ATSプリコンディションPIW−1(奥野製薬工業(株)社製)に45℃で2分間浸漬した後水道水で水洗し、次にATSコンディクリンCIW−2浴(奥野製薬工業(株)社製)に60℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次にプリディップ液として、OPC−SALM浴(奥野製薬工業(株)社製)に20℃で2分間浸漬した後水道水で水洗し、次に、キャタリスト液として、OPC−80キャタリスト浴(奥野製薬工業(株)社製)に25℃で6分間浸漬した後水道水で水洗し、次に活性化剤として、OPC−500アクセレーターMX浴(奥野製薬工業(株)社製)に35℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次に無電解銅めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)に35℃で10分間浸漬し、銅めっきを施すことにより、フィルム上に金属めっきを膜を形成する。
【0004】
上記方法の各工程を纏めると、以下のように示すことができる。
1.表面処理;OPC−1050コンディショナー;60℃ 5分
↓ 水洗
2.表面処理;ATSプリコンディションPIW−1;45℃ 2分
↓ 水洗
3.表面処理;ATSコンディクリンCIW−2;60℃ 5分
↓ 水洗
4.プリディップ;OPC−SALM;20℃ 2分
↓ 水洗
5.Sn−Pd触媒;OPC−80キャタリスト;25℃ 6分
↓ 水洗
6.活性化剤;OPC−500アクセレーターMX;35℃ 5分
↓ 水洗
7.銅めっき浴;ATSアドカッパーIW;35℃ 10分
上記から判るように、フィルムをめっきするこの方法は7工程もの多くの処理工程を必要とするものであり、また、上記方法で得られためっきは、テープ試験で基材のフィルムから剥離されたため、優れた密着性を有するめっきとなっていないことが判った。
また、上記の方法は、触媒にSn(スズ)を含むものを使用しているが、環境問題を考えると、Snの使用は望ましくないものである。
【0005】
このことから、無電解めっき法を用いて連続的な無電解めっきを行うための問題点として以下が考えられる。
1)密着性に優れるめっきが得られにくい。
2)工程数が多く、操作が煩雑である。
3)各工程における処理時間の長さが異なるため、連続的に行うのが困難である。
4)環境に有害なSnを含む触媒を使用する。
【特許文献1】特開2001−59180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しうる、即ち、密着性に優れ、工程数が少なく、操作が簡便で、全体の操作時間が短く、連続化が容易で、且つ環境に有害なSnを含む触媒を使用しない、連続的な無電解めっき方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、事前に樹脂フィルム上に導電性高分子微粒子を含む塗料を塗布しておくと、該フィルムを以下の3工程
1.上記塗料が塗布されたフィルムを前記導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程
2.触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程
3.金属を析出させるためのめっき液に浸す工程
に付すことにより、密着性に優れるめっきを得ることができること、そして、該方法は3工程という少ない工程で且つ各工程の操作は簡便であり、そのため短時間で行うことができ、連続的な無電解めっきを容易に行い得ること、更に、Snを含む触媒を使用を必要としないことを見い出し、
また、事前に樹脂フィルム上に還元性高分子微粒子を含む塗料を塗布しておくと、上記1.の脱ドープ工程を必要としない、さらに簡単な操作で上記と同様の効果が得られることを見い出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、
1.樹脂フィルム上を無電解めっきにより連続的にめっきする方法であって、
1)導電性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布されたフィルムを前記導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程
3)前記脱ドープ処理されたフィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程
4)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなる方法、
2.前記導電性高分子微粒子が導電性のポリピロールである前記1.記載の方法、
3.樹脂フィルム上を無電解めっきにより連続的にめっきする方法であって、
1)還元性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布された樹脂フィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程3)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなる方法、
4.前記還元性高分子微粒子が還元性のポリピロールである前記3.記載の方法、
に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の連続的な無電解めっき方法は、密着性に優れ、工程数が少なく、操作が簡便で、全体の操作時間が短く、連続化が容易で、且つ環境に有害なSnを含む触媒を使用しない、優れた方法である。
また、本発明の連続的な無電解めっき方法の使用により、ロールtoロール法による連続無電解めっきが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の連続的な無電解めっき方法は、
1)導電性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布されたフィルムを前記導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程
3)前記脱ドープ処理されたフィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程
4)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなるか又は
1)還元性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布された樹脂フィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程3)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなる。
【0011】
本発明に使用する還元性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造される。
【0012】
π−共役二重結合を有するモノマーとしては、導電性高分子を製造するために使用されるモノマーであれば特に限定されないが、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体、アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
【0013】
また前記製造に用いるアニオン系界面活性剤としては、種々のものが使用できるが、疎水性末端を複数有するもの(例えば、疎水基に分岐構造を有するものや、疎水基を複数有するもの)が好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができ、重合後において水相と有機溶
媒相との分離がスムーズであり、有機溶媒相に分散した還元性高分子微粒子が入手し易い。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
【0014】
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.05mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.005mol〜0.03molである。0.05mol以上では添加したアニオン性界面活性剤がドーパントとして作用し、得られる微粒子は導電性を発現するため、これを用いて無電解めっきを行うためには脱ドープの工程が必要となる。
【0015】
ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アルキルグルコシド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビダン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類が挙げられる。これらを一種類または複数混ぜて使用してもよい。特に安定的にO/W型エマルションを形成するものが好ましい。
【0016】
反応系中でのノニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し、アニオン系界面活性剤と足して0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では合後において、水相と有機溶媒相との分離が困難になり、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を得る事ができなくなる事から好ましくない。
【0017】
前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した還元性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
【0018】
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
【0019】
前記製造で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。塩化第二鉄等のルイス酸でもを重合できるが、生成した粒子が凝集し、微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
【0020】
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、ポリマー微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集してポリマー微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
【0021】
前記ポリマー微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液しポリマー微粒子を回収する工程。
【0022】
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
【0023】
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子を入手することができる。
【0024】
上記の製造法により得られるポリマー微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くのパラジウムを吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
得られたポリマー微粒子の導電率は0.01S/cm未満であり、好ましくは、0.005S/cm以下である。
【0025】
こうして得られた有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子は、そのままで、濃縮して、又は乾燥させて塗料の還元性高分子微粒子成分として使用することができる。
また、上記のようにして製造された還元性高分子微粒子でなくとも、例えば、市販で入手できる還元性高分子微粒子を塗料の成分として使用することもできる。
【0026】
本発明に使用する導電性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造される。
【0027】
π−共役二重結合を有するモノマー及びアニオン系界面活性剤としては前記で例示したものと同様のものが挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
【0028】
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.2mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では得られた導電性高分子微粒子に導電性の湿度依存性が生じてしまう場合がある。
【0029】
前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。
なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した導電性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
【0030】
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
【0031】
前記製造で使用する酸化剤としては、前記で例示したものと同様のものが挙げられるが、特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して導電性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
【0032】
前記導電性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合しアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し導電性高分子微粒子を回収する工程。
【0033】
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
【0034】
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子を入手することができる。
【0035】
上記の製造法により得られる導電性高分子微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体よりなり、そしてアニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径と、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
【0036】
こうして得られた有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子は、そのままで、濃縮して、又は乾燥させて塗料の導電性高分子微粒子成分として使用することができる。
また、上記のようにして製造された導電性高分子微粒子でなくとも、例えば、市販で入手できる導電性高分子微粒子を塗料の成分として使用することもできる。
【0037】
本発明に使用する導電性高分子微粒子を含む塗料又は還元性高分子微粒子を含む塗料に
は、樹脂フィルムとの密着性を向上させるためにバインダーを添加してもよい。
添加するバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂
、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
バインダーを使用する場合の使用量は、好ましくは還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1質量部ないし10質量部である。バインダーが10質量部を超えると金属めっきが析出せず、バインダーが0.1質量部未満であると、樹脂フィルムへの密着性が弱くなりやすい。
通常、バインダーを使用するのが好ましい。
【0038】
また、本発明に使用する塗料は有機溶媒を含有するのが好ましい。使用する有機溶媒は、微粒子に損傷を与えず、ポリマー微粒子を分散させうるものであれば特に限定はしないが、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
更に、本発明に使用する塗料は用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
【0039】
上記で調製した塗料は、連続的な無電解めっきを行なう前に、樹脂フィルム上に塗布される。
樹脂フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられるが、例えば、ロールtoロール法に使用可能な巻き取りができる樹脂フィルムが好ましい。
【0040】
樹脂フィルムへの塗布方法も特に限定されず、例えばグラビア印刷機、インクジェット印刷機、ディッピング、スピンコーター、ロールコーター等を用いて、印刷またはコーティングすることができ、また、必要に応じて加熱を行って、乾燥させることによって容易に樹脂フィルム上に導電性高分子微粒子を含む塗膜層又は還元性高分子微粒子を含む塗膜層を形成させることができる。
【0041】
前記塗膜層の厚さは、20ないし500nmとなるようにするのが好ましい。
厚さが20nm未満であると金属が析出しにくくめっき膜が形成されにくく、厚さが500nmを超えると塗膜強度が低下しやすくなる。
特に、導電性微粒子を用いた場合は、該粒子を還元性とするために脱ドープするための前処理液に浸す工程を必要とするが、塗膜層の厚さが500nmを超えると前記の処理が長時間となり、それにより膜強度が低下し、結果として得られた金属めっき膜は、基材との密着性が低下することになる。
また、塗膜層の表面上の触媒金属吸着量は0.1μg/cm2以上となるようにするの
が好ましい。
上記吸着量が0.1μg/cm2未満であると、均一な金属めっき膜を得ることが困難
であるか又は金属が析出しにくくめっき膜が形成されにくくなる。
【0042】
導電性高分子微粒子を用いて塗膜層を形成した場合は、無電解めっきを行う前に、該導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程を行う。
前処理液は、還元により脱ドープするための還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン
、及び、ヒドラジン等を含む溶液、又は、アルカリ性溶液が挙げられる。
操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液を使用するのが好ましい。
アルカリ性溶液としては、緩和なアルカリ条件、例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液や、pH9ないし10程度の溶液で処理することができる。
具体的な溶液としては、1M 水酸化ナトリウム水溶液、ATSコンディクリンCIW−2(奥野製薬工業(株)社製)−10質量%水溶液(pH9〜10)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし70℃、好ましくは30ないし60℃であり、処理時間は、2ないし10分、好ましくは、3ないし7分である。
上記の脱ドープ処理により、塗膜層の表面上の触媒金属吸着量が0.1μg/cm2
上となるようにするのが好ましい。
上記吸着量が0.1μg/cm2未満であると、均一な金属めっき膜を得ることが困難
であるか又は金属が析出しにくくめっき膜が形成されにくくなる。
【0043】
導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムに上記の脱ドープ処理を施して得られたフィルム又は還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムは、触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程に付される。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む溶液の安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし10分、好ましくは、1ないし5分である。
【0044】
上記の触媒金属付着処理されたフィルム(脱ドープ処理及び触媒金属付着処理が施された導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルム、触媒金属付着処理が施された還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルム)は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これにより無電解めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル、クロム等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
【0045】
本発明の連続的な無電解めっき方法を用いることにより、ロールtoロール法で無電解金属めっきが施されたフィルムを連続的に製造することができる。
導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図を図1に示した。導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムのロール1は、初めに脱ドープするための前処理液2の中を通過した後水洗3し、次に触媒金属付着のための触媒液4の中を通過した後水洗3し、次に金属を析出させるためのめっき液5の中を通過した後水洗3し、めっきフィルムのロール6に巻き取られる。フィルムの処理速度は、0.1m/分ないし10m/分であり、好ましくは0.5m/分ないし1.5m/分である。また、ロール6に巻き取る前に水洗後のめっきフィルムを乾燥させてもよい。
尚、各工程の条件(温度、時間等)は前記の通りであり、各溶液が入った槽内のロール数或いは槽の大きさを変えることにより、各工程の処理時間を調整する。
【0046】
還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図を図2に示した。還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムのロール7は、初めに触媒金属付着のための触媒液8の中を通過した後水洗3し、次に金属を析出させるためのめっき液9の中を通過した後水洗3し、めっきフィルムのロール10に巻き取られる。フィルムの処理速度は、0.1m/分ないし10m/分であり、好ましくは0.5m/分ないし1.5m/分である。ロール6に巻き取る前に水洗後のめっきフィルムを乾燥させてもよい。
尚、各工程の条件(温度、時間等)は前記の通りであり、各溶液が入った槽内のロール数或いは槽の大きさを変えることにより、各工程の処理時間を調整する。
【実施例】
【0047】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
製造例1:還元性ポリピロール微粒子を含む塗料の調製
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社製)2.1mmol、トルエン50mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子を得た。
上記で得られたトルエン分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、約1.3%であったが、ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ-820(大日本インキ化学
工業(株)社製)を還元性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部加えて還元性微
粒子塗料を得た。
【0048】
製造例2:導電性ポリピロール微粒子を含む塗料の調製
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)1.5mmol、トルエン50mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性高分子微粒子を得た。ここで得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約1.2%であったが、ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ-820(大日
本インキ化学工業(株)社製)を導電性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部加
えて導電性微粒子塗料を得た。
【0049】
製造例3:塗料コーティング
製造例1で調製した還元性ポリピロール微粒子を含む塗料及び製造例2で調製した導電性ポリピロール微粒子を含む塗料をそれぞれマイクログラビアコーターにて幅30cm、厚み100μmの易接着処理ポリエステルフィルム A4100(東洋紡績(株)社製)に100nmの塗膜厚で塗工した。
【0050】
実施例1:ロールtoロール法による連続無電解めっき(製造例1で調製した還元性ポリピロール微粒子を用いたフィルム)
製造例3で製造したフィルム(製造例1で調製した還元性ポリピロール微粒子を用いた)をロールにし、このロールからのフィルムを、初めに35℃に調整した0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)が入った容積20Lの塩化ビニール製の槽、次に、35℃に調整した無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業
(株)社製)が入った容積20Lの塩化ビニール製の槽を1m/分の速度で通過させ、この際、槽内のロール数を変えて、初めの槽の通過時間が1分となるように調整し、次の槽の通過時間が10分となるように調整し、各槽通過後には水洗を行った。結果として、膜厚0.3μmで銅めっきが施されたポリエステルフィルムが連続的に得られた。
【0051】
実施例2:ロールtoロール法による連続無電解めっき(製造例2で調製した導電性ポリピロール微粒子を用いたフィルム)
製造例3で製造したフィルム(製造例2で調製した導電性ポリピロール微粒子を用いた)をロールにし、このロールからのフィルムを、初めに60℃に調整したATSコンディクリンCIW−2(奥野製薬工業(株)社製)10質量%水溶液(pH9〜10)が入った容積20Lの塩化ビニール製の槽、次に35℃に調整した0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)が入った容積20Lの塩化ビニール製の槽、最後に、35℃に調整した無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)が入った容積20Lの塩化ビニール製の槽を1m/分の速度で通過させ、この際、槽内のロール数を変えて、初めの槽の通過時間が5分となるように調整し、次の槽の通過時間が3分となるように調整し、最後の槽の通過時間が10分となるように調整し、各槽通過後には水洗を行った。結果として、膜厚0.3μmで銅めっきが施されたポリエステルフィルムが連続的に得られた。
【0052】
比較例1:Sn−Pdめっき法による無電解めっき(製造例2で調製した導電性ポリピロール微粒子を用いたフィルム)
製造例3で製造したフィルム(製造例2で調製した導電性ポリピロール微粒子を用いた)を用い、前処理としてOPC−1050コンディショナー(奥野製薬工業(株)社製)に60℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次に、ATSプリコンディションPIW−1(奥野製薬工業(株)社製)に45℃で2分間浸漬した後水道水で水洗し、次にATSコンディクリンCIW−2浴(奥野製薬工業(株)社製)に60℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次にプリディップ液として、OPC−SALM浴(奥野製薬工業(株)社製)に20℃で2分間浸漬した後水道水で水洗し、次に、キャタリスト液として、OPC−80キャタリスト浴(奥野製薬工業(株)社製)に25℃で6分間浸漬した後水道水で水洗し、次に活性化剤として、OPC−500アクセレーターMX浴(奥野製薬工業(株)社製)に35℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次に無電解銅めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)に35℃で10分間浸漬し、銅めっきを施すことにより、フィルム上に金属めっきを膜を形成させた。
【0053】
試験例1
上記で製造した実施例1、2及び比較例1で製造しためっきフィルムにおいて、各種の評価試験を行いその結果を表1に纏めた。
尚、評価試験項目及びその評価方法・評価基準は以下の通りである。
・めっき外観
めっき皮膜の状態を目視で観察し、基材露出面積を測定した。
尚、評価基準は以下の通りとした。
○:完全に被覆され、基材露出なし
△:50%程度基材の露出あり
×:100%基材露出
・めっき膜厚
めっき面の3点を、(株)電測社製電解式膜厚計(CT−1)で測定し、平均値を膜厚とした。
・テープ試験
JIS H8504テープ試験方法に準じて、カッターで2mm角の条こんを100個した後にテープによる引き剥がし試験を実施した。
尚、評価基準は以下の通りとした。
○:剥離なし
△:50%程度剥離有り
×:90%以上剥離
・ピール強度
JIS C6741に準じて測定を実施した。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図である。
【図2】還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図である。
【符号の説明】
【0055】
1:導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムロール
2:前処理液(脱ドープ)
3:水洗
4:触媒液(Pd付着)
5:めっき液(Cu析出)
6:めっきフィルムロール(製品)
7:還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムロール
8:触媒液(Pd付着)
9:めっき液(Cu析出)
10:めっきフィルムロール(製品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルム上を無電解めっきにより連続的にめっきする方法であって、
1)導電性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布されたフィルムを前記導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程
3)前記脱ドープ処理されたフィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程
4)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなる方法。
【請求項2】
前記導電性高分子微粒子が導電性のポリピロールである請求項1記載の方法。
【請求項3】
樹脂フィルム上を無電解めっきにより連続的にめっきする方法であって、
1)還元性高分子微粒子を含む塗料を樹脂フィルムに塗布する工程
2)前記塗料が塗布された樹脂フィルムを触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程3)前記触媒金属付着処理されたフィルムを金属を析出させるためのめっき液に浸す工程からなる方法。
【請求項4】
前記還元性高分子微粒子が還元性のポリピロールである請求項3記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−163371(P2008−163371A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351807(P2006−351807)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】