説明

遅延型の自由水吸収性を持つ超吸収性ポリマー

本発明は、約15秒で超吸収性ポリマー1gにつき13g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ被覆超吸収性ポリマーを含む被覆超吸収性ポリマーに関する。本発明は、遅延型吸水性の被覆超吸収性ポリマーであって、a)約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと、約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤とを含む、中和度が約20%を超える組成物と、b)該組成物上に塗布された塩とを含むポリマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、水性液および血液を吸収する超吸収性ポリマーであって、改良された特性を持つ超吸収性ポリマーに関し、特に、許容しうる流体保持特性を保ちながら15秒での遅延型の自由水吸収性が増大している。また本発明は、これらの超吸収性ポリマーの製造および衛生製品および産業分野における吸収剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
超吸収剤は、0.9重量%の塩化ナトリウム溶液を含む水溶液中で、該吸収剤の重さの少なくとも約10倍から約30倍までの重さの水溶液を吸収しうる、水膨潤性で水不溶性の有機または無機材料を言う。超吸収性ポリマーは、大量の水性液および尿や血液などの体液を吸収しうる架橋ポリマーであって、膨潤してヒドロゲルを形成し、超吸収剤の一般的な定義に従ってある圧力下でそれらを保持するものである。
【0003】
現在市販されている超吸収性ポリマーは、架橋ポリアクリル酸類または架橋デンプン−アクリル酸グラフトポリマーであり、該ポリマー中のいくつかのカルボキシル基は水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液で中和されている。これらの特徴的性質の結果、これらのポリマーは、主に赤ん坊のオムツ、失禁製品または生理用ナプキンのような衛生用品中に混入されて使用されている。
【0004】
オムツの製造においては、SAPと繊維とを湿式法で混ぜ合わせることができる必要がある。この目的のため、SAPには、その吸水性を少なくとも1分間延期し、湿式方式でSAPと繊維とを混ぜ合わせて製造する時反応を起こさないようにする特性を必要とする。
【0005】
英国特許出願公開第2,280,115号明細書には、オムツのような吸収剤用品であって、体液が放出される領域に被覆された超吸収剤粒子を含むものが記載されている。塗膜がテスト液または体液に溶解するまで、またはそれらが貫通するまで、超吸収剤粒子は塗膜によって膨潤が防止される。これらは、膨潤が始まるまで活性化時間を持つ超吸収剤粒子であり、該活性化時間は、塗膜の材料および厚さによって変化させることができる。開示されている塗膜材料の中には、ゼラチンのような非反応性多糖類、微結晶セルロースおよびセルロース誘導体が挙げられる。膨潤が始まるまでの活性化時間は、少なくとも5分であるべきで、好ましくは15分、より好ましくは60分である。
【0006】
被覆超吸収性ポリマーには、初期の濡れがたとえ少しでも、あるいはたとえ高膨潤性ポリマーを膨潤させることがなくても、溶解、剥離、膨潤または分解によって、表面処理が破壊されるという欠点がある。ポリマーの周囲の塗膜が一度溶解すれば、そのような超吸収性ポリマーは、表面処理を行っていない従来の材料が持つ高い膨潤速度を示す。このようにして、吸収剤材料における改良された液体管理の所望の効果は失われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、改良された遅延型の自由水吸収性を持ち、同時にたとえ吸収性構造物に対する超吸収性ポリマー重量比率が増加しても、高液体透過性および液体保持性を維持できる能力のような優れた特性も維持する吸収性ポリマー組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g未満の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ被覆超吸収性ポリマー微粒子を含む被覆超吸収性ポリマー微粒子に関する。
【0009】
また本発明は、改良された遅延型の自由水吸収性を持つ被覆超吸収性ポリマー微粒子であって、a)約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと、約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤とを含む、中和度が約20%を超える組成物と、b)該組成物上に塗布された塩とを含み、該被覆超吸収性ポリマーは、約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g未満の水を吸収する遅延型の自由水吸収性を持つ微粒子に関する。
【0010】
さらに本発明は、15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g未満の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ被覆超吸収性ポリマーを製造する方法であって、以下の工程:a)約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと;b)約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤と;c)中和剤とを含む、中和度が約20%を超える組成物;d)少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を有効量添加することによってフリーラジカル重合を開始し、約0℃〜約100℃の温度範囲で重合して微細ヒドロゲルを形成する工程と;e)該ゲル片を約85℃〜210℃の温度範囲で乾燥して乾燥片を形成し、該乾燥片を直径0.05mm〜5.0mmに粉砕して改良された乾燥超吸収性ポリマーを形成する工程と、f)該乾燥超吸収性ポリマー微粒子に被覆剤組成物を添加し、該超吸収性ポリマー微粒子に塗布を施す工程とを含む方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
適切な超吸収性ポリマーは、天然、生分解性、合成および改質天然ポリマーおよび材料から選択される。超吸収性ポリマーに関して使用される架橋という用語は、通常は水溶性である材料を、有効に、実質的に水不溶性であるが膨潤にする任意の手段を言う。このような架橋手段として、たとえば、物理的な絡み合い、結晶性ドメイン、共有結合、イオン性の錯体及び会合体、水素結合のような親水性会合、疎水性会合、ファンデルワールス力を挙げることができる。超吸収性ポリマーは、内部架橋および表面架橋を含む。
【0012】
具体的には、出願人は、特定の被覆剤を超吸収性ポリマー微粒子に加えることによって得られる、改良された遅延型の自由水吸収性を持つ被覆超吸収性ポリマーを発見した。特に本発明は、約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g以下の水を吸収する;または約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり10g以下の水を吸収する;または約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する;または約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約5g以下の水を吸収する;または約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約3g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ被覆超吸収性ポリマー微粒子を含む被覆超吸収性ポリマー微粒子に関する。
【0013】
本発明の被覆超吸収性ポリマー微粒子は、1価の塩類、2価の塩類、3価の塩類およびそれより高い原子価の塩類からなる群から選択される被覆剤;または塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよび塩化第二鉄からなる群から選択される被覆剤を含む。
【0014】
さらに本発明は、改良された遅延型吸水性を持つ被覆超吸収性ポリマーであって、約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと、約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤とを含む、中和度が約20%を超える組成物と、b)組成物上に被覆された塩とを含み、15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ被覆超吸収性ポリマーに関する。
【0015】
また本発明は、改良された遅延型の自由水吸収性を持つ被覆超吸収性ポリマーを製造する方法であって、以下の工程:a)約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと;b)約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤と;c)中和剤とを含み、中和度が約20%を超える組成物;d)少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を有効量添加することによってフリーラジカル重合を開始し、約0℃〜約100℃の温度範囲で重合して微細ヒドロゲルを形成する工程と;e)該ゲル片を約85℃〜210℃の温度範囲で乾燥して乾燥片を形成し、該乾燥片を直径0.05mm〜5.0mmに粉砕して改良された乾燥超吸収性ポリマーを形成する工程と、f)乾燥ゲル片に被覆剤組成物を添加し、ポリマーゲル片に塗布を施す工程とを含む方法に関する。
【0016】
本発明の超吸収性ポリマーにおける自由水吸収の時間は、短時間、すなわち約1分間またはそれ以上の時間内における自由水の吸収を意味するものであるので、遅れた、減少した、または遅くなると表される。これは、これ以上水を吸収することができなくなるまで超吸収性ポリマーに水を吸収させ(通常3〜5分間である)、どれだけ時間がかかったかに関係なく、吸収された水の総量に関するものとして最終自由水吸収と呼ばれる場合の自由水吸収と区別されるものである。
【0017】
本発明の超吸収性ポリマーは、約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーの初期重合によって得られる。適切なモノマーとしてカルボキシル基を含むモノマーが挙げられ、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸があり、ここではこれらのモノマーの混合物が好ましい。酸基の少なくとも約50重量%がカルボキシル基であることが好ましく、少なくとも約75重量%がカルボキシル基であることがさらに好ましい。酸基は、少なくとも約25モル%、好ましくは25モル%〜80モル%程度が中和されており、すなわち、酸基は塩の形で存在する。アクリル酸またはメタクリル酸の重合によって得られるポリマーを得るのが好ましく、該ポリマーのカルボキシル基は、内部架橋剤の存在下で、50〜80モル%程度まで中和されている。
【0018】
本発明の吸収性ポリマーの製造のために使用することのできる別のモノマーとして、0〜約40重量%の、a)たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルアクリレート、ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート、エトキシル化(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドまたはアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドと共重合することができるエチレン性不飽和モノマーがある。これらのモノマーが40重量%を超えるとポリマーの膨潤性を損なう恐れがある。
【0019】
さらに、本発明の超吸収性ポリマーは、約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤を含む。該内部架橋剤は、少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合または1個のエチレン性不飽和二重結合と、重合性不飽和酸基含有モノマーの酸基に対し反応性のある官能基1個または酸基に対して反応性のある官能基数個を含み、内部架橋成分として使用することができ、重合性不飽和酸基含有モノマーの重合の間存在する。
【0020】
内部架橋剤の例として、メチレンビスアクリルあるいはメタクリルアミド、またはエチレンビスアクリルアミドなどの脂肪族不飽和アミン類;さらに、ブタンジオール、エチレングリコール、ポリグリコール類またはトリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート類またはトリ(メタ)アクリレート類、好ましくは1〜30モルのアルキレンオキサイドでオキシアルキル化された、好ましくはエトキシル化されたトリメチロールプロパンのジおよびトリアクリレートエステル類、グリセロールとペンタエリスリトールとの、およびグリセロールと好ましくは1〜30モルのエチレンオキサイドでオキシエチレン化されたペンタエリスリトールとのアクリレートおよびメタクリレートエステル類などの、ポリオール類またはエチレン性不飽和酸類でアルコキシル化されたポリオール類の脂肪族エス
テル;さらに、アリル(メタ)アクリレート、好ましくは1〜30モルのエチレンオキサイドと反応したアルコキシル化アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、マレイン酸のジアリルエステル、ポリアリルエステル類、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、ジオール類、ポリオール類、ヒドロキシアリルまたはアクリレート化合物、およびリン酸または亜リン酸のアリルエステル類などのアリル化合物;さらにメタクリルアミドまたはアクリルアミドのような不飽和アミン類およびそれから誘導されるエーテル類のN−メチロール化合物などの架橋可能なモノマーが挙げられる。多価金属塩類のようなイオン性架橋剤もまた使用してもよい。記載した架橋剤の混合物もまた使用することができる。内部架橋剤の含有量は、重合性不飽和酸基含有モノマーの総量に対し約0.01〜約5重量%であり、好ましくは約0.1〜約3.0重量%である。
【0021】
たとえばアゾまたはペルオキソ化合物、レドックス系またはUV開始剤(増感剤)および/または放射線のような通常の開始剤がフリーラジカル重合の開始のために使用される。
【0022】
本発明による被覆吸収性ポリマーは、被覆剤として約0.5〜約20重量%の塩を含む。被覆剤は、1価の塩類、2価の塩類、3価の塩類およびそれより高い原子価の塩類からなる群から選択され;または塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよび塩化第二鉄からなる群から選択される。金属塩の混合物も使用することができる。
【0023】
ポリマーおよび塩は、当業者によく知られた手段を用いて、乾式混合または好ましくは溶液中で適当に混合される。水溶液が好ましい。乾式混合については、被覆剤と超吸収性ポリマーとの実質的に均一な混合物の維持を確保するために充分な量のバインダーを用いてもよい。
【0024】
吸収性ポリマーを重合後、表面架橋してもよい。表面架橋は、粒子内部の架橋密度について、超吸収剤粒子表面の近くのポリマーマトリックスの架橋密度を増加させる任意の方法である。吸収性ポリマーは、通常、表面架橋剤の添加によって架橋する。好ましい表面架橋剤として、1以上の官能基を持つ化学薬品であって、ポリマー鎖のペンダント基、代表的には酸基に対して反応性のある化学薬品が挙げられる。表面架橋剤の含有量は、乾燥ポリマーの重量に対して約0.01〜約5重量%が好ましく、約0.1〜約3.0重量%でもよい。表面架橋剤を添加した後の加熱工程は好ましい。
【0025】
次いで粒子は、一例として、超吸収性ポリマーの物理的形態で使用されるが、本発明はこれに限定されることなく、他の形状、たとえば、繊維状、泡形状、フィルム状、ビーズ状、棒状などにされてもよい。
【0026】
また、超吸収性ポリマーは、部分または完全加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、デンプンまたはデンプン誘導体、ポリグリコール類またはポリアクリル酸のような水溶性ポリマーを、好ましくは重合された形態で、0〜約30重量%含んでもよい。これらのポリマーの分子量は、水溶性である限りそう重要ではない。好ましい水溶性ポリマーは、デンプンおよびポリビニルアルコールである。本発明による吸収性ポリマー中のこのような水溶性ポリマーの好ましい含有量は、成分全量に対して0〜30重量%、好ましくは0〜5重量%である。水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールのような合成ポリマーは、重合させるべきモノマーのグラフトベースとしても働きうる。
【0027】
本発明による超吸収性ポリマーには状況に応じて別の添加剤を使用してもよく、たとえば、シクロデキストリン、ゼオライト、無機または有機塩類、類似の物質のような臭気結
合物質; 凝集防止添加剤、流れ調整剤などがある。
【0028】
本発明によるポリマーは、2つの方法により製造されるのが好ましい。ポリマーは、前記公知の方法によって大規模な工業的方式で連続してあるいは非連続で製造することができ、本発明による後架橋もそれに従って行われる。
【0029】
第一の方法によれば、部分的に中和されたモノマー、好ましくはアクリル酸を、架橋剤および状況に応じて他の成分の存在下、水溶液中でラジカル重合によってゲルに変換し、該ゲルを細分し、乾燥し、粉砕し、ふるいにかけ、所望の粒子径とする。この溶液重合は連続的にあるいは非連続的に行うことができる。
【0030】
逆懸濁重合および乳化重合もまた本発明による製品を製造するために使用することができる。これらの方法によれば、水性の部分的に中和されたモノマー、好ましくはアクリル酸の溶液を、疎水性の有機溶剤中に保護コロイドおよび/または乳化剤の助けを借りて分散し、フリーラジカル開始剤によって重合を開始する。内部架橋剤は、モノマー溶液に溶解され、この溶液と一緒に供給されるか、あるいは重合中に別個にあるいは状況に応じて加えられる。次いで、混合物から水を共沸的に取り除き、ポリマーをろ別し、場合によっては乾燥する。内部架橋は、重合工程中に、モノマー溶液中に溶解する多官能性架橋剤中で重合および/または適切な架橋剤とポリマーの官能基との反応によって行うことができる。
【0031】
とりわけ、本発明の超吸収性ポリマーは、その自由水吸収特性のため、繊維状成分と混合され衛生用品中のコア成分として有用な超吸収性ポリマー成分を持つ湿式織布を製造する湿式法において非常に有用である。湿式法の例は、前記欧州特許出願公開第0437816号明細書および米国特許第4,605,401号明細書に記載されている。湿式法は超吸収性ポリマーの水性スラリーを繊維と混合するので、その工程中に水が吸収される。その結果、湿式法の最後で、使い捨てオムツのような最終使用製品におけるコア複合材料として配置する前に湿式織布を乾燥しなければならない。
【0032】
本発明の超吸収性ポリマーを使用することによって、織布の湿式製造中水はあまり吸収されない。したがって、乾燥中、より少ない水を除去することになり、濡れている織布の乾燥時間が短くなる。これは大規模工場生産設定には非常に有利なことである。
【0033】
さらに、湿式織布の乾燥後、超吸収性ポリマーの自由水吸収特性のため、従来技術の超吸収性ポリマーを含む湿式織布と比べて、該織布は、高い固形含量を持つことになる。通常、本発明の湿式織布は、約18%を超える固形含量を持つ。
【0034】
一実施形態では、超吸収性ポリマーは離散粒子の形で使用される。超吸収性ポリマー粒子は、たとえば、渦巻き状または半渦巻き状、立方体、棒状、多面体状粒子などの任意の適切な形態とすることができる。針状、薄片状または繊維状のような最大径/最小径比が大きな粒子形状の使用もまた本発明では意図される。
【0035】
試験方法
渦時間膨潤比試験を行う方法。別に記載がない限り、以下に記載する全ての試験で使用した試験流体は、リッカーケミカル社(アーリントン、テキサス州)から入手できるもののような0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液である。全ての試験は、約70°F、相対湿度10と60%との間で行った。
【0036】
下記の実験室例に記載されている超吸収性ポリマー(本発明の超吸収性ポリマーおよび比較超吸収性ポリマーの双方)を特徴付けるために、遠心保持容量(CRC)、荷重下吸
収度(AUL)および自由水吸収(FWA)を以下の方法で測定した。
遠心保持容量(CRC)試験 試験は、室温の環境条件で行った。0.9%食塩水の保持量をティーバッグ試験法に従って測定し、2つの測定値の平均値で記録した。篩にかけられ粒度分布が約300〜600マイクロメーターの範囲にあるSAP粒子約200mgをティーバッグに詰め、食塩水中に30分間浸漬した。次に該ティーバッグを1600rpmで3分間遠心分離し、秤量した。遠心分離装置の直径は20cmであった。また、粒子の入っていない2個のティーバッグをブランクとして使用した。
【0037】
具体的な手順は以下の通りである。
1.ティーバッグ素材を3×5インチの長方形に切る。該片を半分に折り、3ヵ所の開放端のうち2箇所を固着し、固着した内側は、ティーバッグの縁から約1/4インチとする。
【0038】
2.各測定に関し、0.200+/−0.005gのSAPを秤量し、ティーバッグに詰める。初期重量をWとして記録する。
【0039】
3.ヒートシーラーを使用してティーバッグの開放端を固着する。最初の秤量時と測定時の間が30分を超える場合は、ティーバッグをデシケーター中で保存する。
【0040】
4.SAP試料がない空の2個のティーバッグを熱処理することによって、2個の試験法ブランクを用意する。
【0041】
5.皿に0.9%食塩水を約4cmの高さまで入れる。
6.SAP粒子がティーバッグ全体に均一に分布するように試料を静かに振ることによって、固着したティーバッグを浸漬するための準備をする。
【0042】
7.ティーバッグを0.9%食塩水中に浸漬する。
8.30分後、試験液からティーバッグを取り出す。
【0043】
9.ティーバッグを遠心分離機に置き、遠心分離機中でティーバッグの位置が正しくバランスを取っていることを確かめる。1600rpmで3分間遠心分離する。
【0044】
10.遠心分離後、各試料の重量を測定する。試験試料のない試験ブランクの重量(W)および試験試料入りのティーバッグの重量(W)を0.01の位まで正確に測定する。
【0045】
次いで、CRC特性(粒子1g当たりの吸収された液体のg数の測定)を以下の式に従って計算した。
【0046】
CRC=(W−W−W)/W
(式中、
CRC=30分間浸漬後の保持量(g/g)
= SAP粒子の初期重量(g)
=遠心分離後の2個のブランクの平均重量(g)
=遠心分離後の試験ティーバッグの重量(g)
【0047】
荷重下吸収度(AUL)
荷重下における液体を吸収する超吸収剤材料の能力を、以下のようにして測定する。AUL測定システムは、1)寸法は、内径=25mm、高さ=33mmであって、底に400メッシュ(36ミクロン)サイズの金属スクリーンをはめた、面取りした縁を持つプレ
キシグラスシリンダー;2)プラスチックスペーサー(直径=24+/−1mm;重量=5.20+/−0.015g);3)ステンレス鋼の重り(直径=24+/−1mm;重量=98.35+/−0.05g(0.3psi圧力AUL測定用)および315.3+/−0.09g(0.9psi圧力AUL測定用);4)フリットディスク(クノーテガラスから入手、カタログ番号9520001223);5)円形フィルターペーパー(ワットマン3);6)ペトリ皿(直径=150mm、高さ=20mm);7)化学天秤(0.001gの位まで正確に測定);および8)ストップウォッチを備える。
【0048】
一般的なAUL測定手順は以下の通りである。
1.ペトリ皿にフリットディスクを置く。この時、試験に使用するフリットディスクは、試験使用前に最低1時間は塩化ナトリウム溶液中に浸されている必要がある。
【0049】
2.0.9%塩化ナトリウム溶液を、フリットディスクの上面から僅かに下になるようにペトリ皿に加える。
【0050】
3.ろ紙をフリットディスクの上面に置き、上澄み液を避けながら、ろ紙を塩化ナトリウム溶液で充分濡らす。
【0051】
4.トップローディング秤でシリンダーの風袋を計る。清潔で乾燥させたフレクシグラスシリンダーのメタルスクリーン上に0.160+/−0.005gのSAP試料を均一に分布する。SAP試料実重量(SA)を記録する。
【0052】
5.プラスチックスペーサー、次に適当なステンレス鋼重りをシリンダー内に気を付けて置く。完成した装置の重量(A)を記録する。
【0053】
6.AUL装置を湿ったろ紙上に置き、装置に1時間吸収させる。全試験期間を通して、塩化ナトリウム溶液のレベルは、フリットディスクの上面から僅かに下に来るように保つ。
【0054】
7.1時間後にAUL装置をもう一度計測し、重量(B)を記録する。
計算:
0.3または0.9psiAUL(g/g)=(B−A)/SA
(式中、A=SAPを持つAUL装置の乾燥重量
B=1時間吸収後のSAPの入ったAUL装置の重量)
【0055】
15秒自由水吸収(FWA15秒)試験 SAPの自由水吸収を測定するために、真空装置を組み立てた。さらに具体的には、タイゴンチューブを使用して真空ポンプを真空フラスコに取り付け、フラスコの上部をブフナー漏斗の底部に配置し、一穴ゴム製ストッパーを使用してフラスコに正しく固着した。マグネティックスターラーを装置のそばに置いた。装置を組み立てた後、真空ポンプをはめ込み、FWA15秒試験の間中、放置した。
【0056】
250ml容メスシリンダーを使用し、23.0+/−0.5℃の水道水を150ml+/−0.1ml軽量し、1インチ撹拌棒を入れた250ml容ビーカーに入れた。水の入ったビーカーを撹拌プレート上に置き、液体の表面から約2〜3cmになる渦ができるまで撹拌を行った。
【0057】
乾燥した80メッシュ(180ミクロンメーター)の篩を秤量し、漏斗装置の先端に置き、次いで真空ポンプのスイッチを入れた。篩が吸引によって漏斗にしっかりとくっつくまで篩を押し付けた。約3.00+/−0.05gのSAPをアルミニウム皿の中で秤量した。次いで秤量したSAPを撹拌されている水の渦の中に注ぎ入れると同時にストップ
ウォッチをスタートさせた。撹拌を15秒続け、その後湿ったポリマーを早急に5インチHgの一定の真空下でろ過した。湿ったSAPの移動時間がさらに3秒を超えないように気を付けた。SAPを載せた篩を真空吸引下で30秒保ち、次いで篩を真空漏斗から取り外し、篩の下側をペーパータオルで拭いて、付いているかもしれない全ての残留水を取り除いた。次いで、湿ったSAPを載せた篩を秤量した。この重量から乾燥篩の重量を引いて、湿ったSAPの重量を決定した。
【0058】
次いで、FWA15秒(吸収された液体のg/SAP1g)を以下の式に従ってゲルの重量から計算した。
FWA15秒(g/g)=(ゲルの重量(g)−SAP(g))/(SAP(g))
【実施例】
【0059】
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。ただし、実施例は決して本発明の範囲を限定するものではない。逆に、この明細書の記載を読んだ後、当業者には、本発明の精神および/または添付の請求項の範囲を逸脱しない限り、種々の別の実施形態、変更および均等物があることがはっきりと理解される。
【0060】
被覆超吸収性ポリマーを製造する一般的な手順
以下の一般的な手順が以下の実施例において使用された。20〜50重量%の範囲の塩濃度の所望の被覆剤溶液を、室温で塩を脱イオン水中で撹拌することによって製造した。50〜200gの市販の乾燥超吸収性ポリマーのアリコートを混合ボール中に置いた。ミキサーを高速に設定した。微粒子超吸収性ポリマーを激しく撹拌しながら、予め製造した計算量の塩の水溶液をエアブラシで噴霧した。塩被覆超吸収性ポリマー粒子を対流式オーブン中で100℃、約1時間乾燥するか、室温で12〜24時間放置した。次いで、FWA15秒、CRC、AUL0.3psiおよびAUL0.9psiを含む被覆超吸収性ポリマーの特性を、本明細書に記載する試験に従って測定した。
【0061】
実施例1(NaClでの被覆) 約50gのシュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーに、上記した手順を用いて、25重量%NaCl水溶液20gを噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0062】
比較例1 SAPを被覆しない以外は実施例1と同様。
実施例2(KClでの被覆) 約50gのシュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーに、上記した手順を用いて、30重量%KCl水溶液16.67gを噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0063】
50gのシュトックハウゼンSXM−77超吸収性ポリマーの2個のアリコートに、上記した手順を用いて、25重量%KCl水溶液をそれぞれ20gおよび40g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0064】
比較例2 SAPを被覆しない以外は実施例2と同様。
実施例3(CaClでの被覆) 約200gのシュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーに、上記した手順を用いて、25重量%CaCl水溶液を8g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し
、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0065】
約50gのシュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーに、上記した手順を用いて、25重量%CaCl水溶液を10g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0066】
約50gのシュトックハウゼンSXM−77超吸収性ポリマーに、上記した手順を用いて、25重量%CaCl水溶液を2g噴霧した。同様に、100gのSXM−77に同じCaCl溶液を8g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0067】
比較例3 SAPを被覆しない以外は実施例3と同様。
実施例4(Ca(NOでの被覆) 50gのシュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーのアリコートに、上記した手順を用いて、50重量%のCa(NO水溶液を2〜10g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0068】
比較例4 SAPを被覆しない以外は実施例4と同様。
実施例5(MgClでの被覆) シュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーの約50gアリコートに、上記した手順を用いて、50重量%MgCl水溶液を2〜10g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0069】
シュトックハウゼンSXM−71およびSXM−880超吸収性ポリマーの約50gアリコートに、上記した手順を用いて、50重量%MgCl水溶液を1〜5g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0070】
比較例5 SAPを被覆しない以外は実施例5と同様。
実施例6(Al(SOでの被覆) シュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーの約50gアリコートに、上記した手順を用いて、50重量%Al(SO・xHO水溶液を2〜10g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0071】
比較例6 SAPを被覆しない以外は実施例4と同様。
実施例7(AlClでの被覆) シュトックハウゼンSXM−71超吸収性ポリマーの約50gのアリコートに、上記した手順を用いて、50重量%AlCl水溶液を2〜10g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0072】
比較例7 SAPを被覆しない以外は実施例7と同様。
実施例8(FeCl・6HOでの被覆) シュトックハウゼンSXM−71超吸収
性ポリマーの約50gのアリコートに、上記した手順を用いて、25重量%FeCl・6HO水溶液を4〜10g噴霧した。該被覆ポリマーを対流式オーブン中で100℃、1時間乾燥した。乾燥ポリマーを粉砕し、20と100の間の標準メッシュサイズスクリーンでふるいにかけた。次いで特性を測定した。表1に示す。
【0073】
比較例8 SAPを被覆しない以外は実施例8と同様。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
実施例9 洗浄実験
被覆超吸収性ポリマーを15秒FWA測定方法に記載したように、水に曝した。湿ったポリマーを真空下でろ過し、次いで対流式オーブン中、100℃で乾燥した。次いで、特性を再び測定した。結果を表2に示す。
【0078】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ被覆超吸収性ポリマー微粒子を含む被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項2】
被覆剤が、1価の塩類、2価の塩類、3価の塩類およびそれより高い原子価の塩類からなる群から選択される請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項3】
被覆剤が、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよび塩化第二鉄からなる群から選択される請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項4】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約10g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項5】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項6】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約5g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項7】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約3g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項8】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約10g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり28g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり13gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項9】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり25g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり18gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項1記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項10】
a)約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤とを含む、組成物の中和度が約20%を超える超吸収性ポリマー微粒子と、
b)該超吸収性ポリマー微粒子を塗布する塩とを含み、
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約13g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収性を持つ被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項11】
被覆剤が、1価の塩類、2価の塩類、3価の塩類およびそれより高い原子価の塩類からなる群から選択される請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項12】
被覆剤が、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよび塩化第二鉄からなる群から選択される請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項13】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約10g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項14】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項15】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約5g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項16】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約3g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項17】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約10g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり28g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり13gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項18】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり25g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり18gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項19】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約5g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり28g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり16gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項10記載の被覆超吸収性ポリマー微粒子。
【請求項20】
改良された遅延型の自由水吸収性を持つ被覆超吸収性ポリマーを製造する方法であって、以下の工程:
a)約55〜約99.9重量%の重合性不飽和酸基含有モノマーと;
b)約0.001〜約5.0重量%の内部架橋剤と;
c)中和剤とを含み、中和度が約20%を超える組成物;
d)少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を有効量添加することによってフリーラジカル重合を開始し、約0℃〜約100℃の温度範囲で重合し微細ヒドロゲルを形成する工程と;
e)該超吸収性ポリマー微粒子を約85℃〜210℃の温度範囲で乾燥して乾燥片を形成し、該乾燥粒子を直径0.05mm〜5.0mmに粉砕して改良された乾燥超吸収性ポリマーを形成する工程と、
f)該乾燥超吸収性ポリマー微粒子に被覆剤組成物を添加し、該超吸収性ポリマー微粒子に塗布を施す工程と
を含む方法。
【請求項21】
被覆剤が、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよび塩化第二鉄からなる群から選択される請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項22】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約10g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項23】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項24】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約5g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項25】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約3g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項26】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約10g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり28g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり13gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項27】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約8g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり25g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり18gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。
【請求項28】
約15秒で超吸収性ポリマー1g当たり約5g以下の水を吸収する遅延型の自由水吸収特性、超吸収性ポリマー1g当たり28g以上の食塩水を保持する遠心保持容量、および超吸収性ポリマー1g当たり16gを超える食塩水を保持する0.9psi荷重下吸収度を持つ請求項20に記載の超吸収性ポリマー微粒子を製造する方法。

【公表番号】特表2007−510804(P2007−510804A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539774(P2006−539774)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/037422
【国際公開番号】WO2005/049102
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(505396084)ストックハウゼン・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】STOCKHAUSEN, INC.
【Fターム(参考)】