説明

遊戯システム

【解決課題】複数の遊戯装置間で一つの遊戯装置から他の遊戯装置への介入を拒否することなく、かつ、この介入が無制限に行われ介入された遊戯装置が行っている遊戯が不当に妨害されないようにした遊戯システムを提供する。
【解決手段】第1の遊戯装置800及び第2の遊戯装置802はそれぞれ一人遊戯であるストーリーモードを実行している。ストーリーモードは複数のミッションがあり、第1の遊戯装置がミッションを終了し、第2の遊戯装置がミッション間の演出中であるとき、第1の遊戯装置は第2の遊戯装置に乱入して第1の遊戯装置と第2の遊戯装置との間で対戦遊戯を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の電子遊戯装置が協同して遊戯を実現可能な遊戯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の電子遊戯装置が協同して遊戯を実現可能な遊戯システムの一例として次のものがある。第1の電子遊戯装置と第2の遊戯装置とが通信回線によって結ばれている。第1の遊戯装置と第2の遊戯装置は、共通した仮想空間にあるオブジェクトをそれぞれ駆使して、オブジェクトを利用した遊戯を行う。例えば、第1の遊戯装置が第1のキャラクタを制御し、第2の遊戯装置が第2のキャラクタを操作し、第1の遊戯装置と第2の遊戯装置は第1のキャラクタと第2のキャラクタとの間の拳闘や射撃などの対戦を展開する電子遊戯用プログラムを実行する。このような遊戯を通信対戦という。
【0003】
オブジェクトとは、仮想空間内に定義される物であり、キャラクタや背景などである。キャラクタとは代表的には人物である。遊戯者によって操作されるキャラクタをプレイヤキャラクタという。
【0004】
第1の遊戯装置及び第2の遊戯装置とも単独で一人対戦遊戯を行うことも可能である。一人対戦とはプレイヤキャラクタと遊戯装置の制御部が操作する敵キャラクタとの間で行う対戦のことである。
【0005】
遊戯装置を収益手段として考えると、複数の遊戯装置は一人対戦遊戯よりも通信対戦遊戯に供された方が遊戯装置の稼働率が上がり好ましい。そこで、一人対戦の状態にある遊戯装置に他の遊戯装置が介入して、複数の遊戯装置間で通信対戦を実行する遊戯システムが存在する。この介入を乱入ともいう。
【0006】
例えば、特開2000−140413号公報には、先行プレーヤPPのゲーム空間に後発プレーヤLPが乱入を申し込んだ場合に、PPに乱入拒否権を認めるゲームシステムが記載されている。PPが乱入を拒否した場合にミニゲームをプレイさせてLPを待たせる。ゲーム成果、プレイ回数、プレイ時間、乱入拒否回数、操作情報に基づいて、PPの乱入拒否権を制限する。PPがコンティニュープレイを選択した場合に、乱入拒否権の制限を緩和したり制限を無くす。乱入拒否の選択のために、後発プレーヤ乱入イベントを発生して、ゲームを中断する。
【特許文献1】特開2000−140413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既述の特開2000−140413号公報に記載されたゲームシステムのように、先行プレーヤに拒否権を認めると、後発プレーヤが対戦ゲームを行うとする意欲が損なわれる問題がある。一方、後発プレーヤからの乱入を無制限に認めると、先行プレーヤが行っている1人対戦の遊戯が不当に妨害されることになり、そもそも遊戯者が電子遊戯を行おうとする意欲を損ないかねない。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するために、複数の遊戯装置間で一つの遊戯装置から他の遊戯装置への介入を拒否することなく、かつ、この介入が無制限に行われ介入された遊戯装置が行っている遊戯が不当に妨害されないようにした遊戯システムを提供することを目的とする。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、第1の遊戯装置と第2の遊戯装置とによって協同遊戯が行われるようにした遊戯システムにおいて、前記第1の遊戯装置が行っている一人遊戯について、第2の遊戯装置が前記一人遊戯を妨害しないタイミングで前記第1の遊戯装置にアクセスして、前記第1の遊戯装置が前記一人遊戯を中断して、前記第2の遊戯装置との間で前記協同遊戯を実現することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、一つの遊戯装置に他の遊戯装置が介入することに拒否権を認めなくても、個々の遊戯装置が行う1人遊戯を妨害することなく、複数の遊戯装置間での協同遊戯を可能にする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、複数の遊戯装置間で一つの遊戯装置から他の遊戯装置への介入を拒否することなく、かつ、この介入が無制限に行われて介入された遊戯装置が行っている遊戯が不当に妨害されないようにした、遊戯システム及び遊戯システムのためのデータ処理を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明に係わる、電子遊戯装置全体を示す斜視図である。電子遊戯装置300は、第1の筐体302、第2の筐体304を備え、第1の筐体の上部にはモニタ306が設置されている。第2の筐体304は、コイン投入口や操作装置としての銃型コントローラ308が接続されている。
【0013】
遊戯者はこの銃型コントローラを構えてモニタ306に向け、モニタに表示される敵キャラクタに向けて引き金を引いて弾丸が敵キャラクタに命中するとモニタ内の敵キャラクタを倒すことができる。銃型コントローラ308からは通信線が出ており、通信線は第2の筐体304に接続されている。第2の筐体は304第1の筐体302より高さが低く、遊戯者の視界を妨げないようになっている。第1の筐体304内には電子遊戯装置の制御ボードが収容されている。
【0014】
第2の筐体304の下端の遊戯者側先端から遊戯者に向けてペダルスイッチ310,312が設けられている。ペダルスイッチは左右あり、遊戯者が左右のペダルスイッチを踏み分けることにより、画面上でプレイヤキャラクタを左右に移動させることができる。
【0015】
既述の電子遊戯装置が実現する電子遊戯の一例は、3次元仮想空間内でプレイヤキャラクタが敵キャラクタと交戦するというものである。電子遊戯を実現するプログラムは、一人遊戯のモードと協同遊戯のモードとを備えている。一人遊戯のモードは決められたシナリオにしたがって一人の遊戯者がある遊戯を進めていく。協同遊戯のモードは複数の遊戯装置間で同じ遊戯を進めていく。
【0016】
一人遊戯のとして、例えば、遊戯装置から遊戯者に与えられたミッションにしたがって、遊戯者がプレイヤキャラクタを操作するものがある。ミッションとしては、例えば、「敵を○○人倒せ」である。協同遊戯の一例としては複数の遊戯装置間での対戦遊戯がある。複数の遊戯装置が通信によってデータを交換し、それぞれの遊戯装置によって操作されるキャラクタ間で射撃闘争を行い、各遊戯者がスコアを競う。
【0017】
本発明の一実施形態では、図1に示す遊戯装置を2基接続する。それぞれの遊戯装置は一人遊戯モード又は協同遊戯のモードを選択できる。それぞれの遊戯装置は遊戯者の意思とは別に、互いに協同遊戯のモードになろうとする。
【0018】
図2は、モニタに表示されるモード選択画面である。“ストーリー”とは一人遊戯のモードであり、複数のゲームステージのそれぞれにあるミッションを遊戯者が順次クリアしていく。遊戯者が操作するプレイヤキャラクタは遊戯装置が操作するキャラクタと係わりあって遊戯を進めていく。
【0019】
“対戦”とは、他の遊戯装置、即ち他の遊戯装置が操作する敵キャラクタと対戦する(第1対戦)、または、遊戯装置のCPUが操作する敵キャラクタと対戦する(第2対戦)モードである。遊戯者が“対戦”を選択した際にこの対戦を受け付けることができる他の遊戯装置が存在しない場合、或いは、他の遊戯装置がこの対戦を受け付けることが出来る状態になっていない場合には、“第2の対戦”が進行する。“第2の対戦”中に状況が整えば、“第1の対戦”に移行する。遊戯者はモードを選択するために、所望のモードの表示位置に銃型コントローラ308を向けて引き金をひく。
【0020】
図3は遊戯者が“対戦”“を選択した画面である。遊戯者が操作する銃を構えたプレイヤキャラPLクが同じく銃を構えた敵キャラクタECと対峙している。図4は遊戯者が“ストーリー”を選択した際にモニタに表示される画面である。モニタには10番目のミッションとして「奴等を30体倒せ」とのミッションが表示され、図5に示すように、モニタには複数の敵キャラクタECが表示される。1番から9番のミッションが遊戯者によってクリアされると、図4のミッションが表示される。
【0021】
遊戯者がミッションをクリアする都度次のミッションに進む。ミッションが変わる際に、図4のようにミッション内容を遊戯者に表示するミッション間演出が行われる。一つのステージには例えば1−10のミッションがあり、遊戯者が全てのミッションをクリアするとそのステージが終了して次のステージに進む。この途中でプレイヤキャラクタが敵キャラクタからの銃弾を浴びて体力値が低下するとゲームオーバーとなる。
【0022】
“ストーリー”では、一定の体力値(ミッションポイント)がプレイヤキャラクタに与えられいて、プレイヤキャラクタはこのポイントを使い果たすまで継続して“ストーリー”を進むことができる。遊戯者は敵キャラクタに銃型コントローラの照準をうまく合わせてこれを射撃すると、遊戯装置は敵キャラクタが被弾した映像をモニタに表示する。
【0023】
通信回線で結ばれた2基の遊戯装置は、それぞれの遊戯が“ストーリー”か“対戦”かに拘わらず、“第1対戦”を行うように仕向けられている。第1及び第2の遊戯装置の一方が他方の遊戯装置に“第1対戦”の要求を出すことができるか否かを判断し、次いで他方の遊戯装置にこの要求を出す。
【0024】
一方、この要求を受けた他方の遊戯装置はこれを受け入れて良いかを判断し、次いでこの要求を受け入れることにより、第1の遊戯装置と第2の遊戯装置との間で“第1対戦”での遊戯が実現する。この過程で遊戯者には、要求に対して拒否権が与えられていない。
【0025】
遊戯装置がこの要求を出してよいか、或いはこの要求を受け入れてよいかは、遊戯装置が行っている“ストーリー”のステイタスに依存する。ミッションを実行している最中に要求が出たり、或いは要求を受け入れると、ミッションが強制的に中断される。そこで、遊戯装置がミッション間の演出中、或いはミッションを終了したタイミングで要求を出したり、要求を受け入れれば良い。第1の遊戯装置と第2の遊戯装置とのマッチングが出来た段階で、両者が一時的に“第1対戦”を行い、この対戦が終了した時点で“ストーリー”の途中だった遊戯装置は“ストーリー”に復帰する。このようにすることによって、遊戯装置が行っていた一人遊戯を妨害することなく、かつ遊戯者に協同遊戯の楽しさを一時的にせよ体験させることができる。
【0026】
遊戯者が“対戦”を選択した遊戯装置では、他の遊戯装置との間で“第1対戦”を行えない場合には、他の遊戯装置とのマッチングができるまで“第2対戦”を行なう。他の遊戯装置との間でマッチングが出来た後は“第1対戦”に復帰する。
【0027】
図6は、ゲーム装置の概略を示すブロック図である。プログラム・データ記憶部600は、ゲームプログラムやゲームプログラムに基づく処理に必要なデータを格納している。ゲームプログラムやデータは、光ディスクなどの記録媒体、ハードディスク、或いは、フラッシュメモリなどの半導体メモリに記憶されている。制御部602は遊戯者が操作する装置からの出力と、ゲームプログラムと、記憶部600に格納されているデータによって、プレイヤキャラクタの挙動を決定する。操作装置は銃型コントローラの引き金604、銃型コントローラが向いている方向(照準)を検出する検出部606、左右のペダルスイッチ310,312である。
【0028】
銃型コントローラの照準を検出する検出部606は、次のように構成されている。特開平11−86038号公報の図24に示すように、表示パネルの周囲に複数のLEDを設けてこれを順次発光させ、模型コントローラにある複数の受光部で光を受け、制御部10が各受光部からの信号を解析して銃型コントローラの銃口の向きを検出する。制御部602は、ゲームプログラムに基づいて仮想空間内における仮想視点の位置を決定し、仮想視点の位置から仮想空間を見た映像を投影変換して表示部608に表示する。さらに、弾丸の発射音や命中音などの各種効果音をゲームプログラムが生成して、これらを音発生部610で再生する。
【0029】
図7は図6に示した遊戯装置の詳細なブロック図である。既述の制御部602は、CPUブロック10,ビデオブロック11およびサウンドブロック12を備えている。
【0030】
CPUブロック10は、ゲームプログラムに基づく画像処理の主体であり、バスアビータ100、CPU101、メインメモリ102、ROM103、プログラム・データ記憶部600を備えている。バスアビータ100は、バスを介して相互に接続されるデバイスにバス占有時間を割り振ることにより、データの送受信を制御可能に構成されている。
【0031】
CPU101は、電源投入時にROM103に格納されたイニシャルプログラム(初期実行プログラム)を実行し、ゲームプログラム・データ記憶部600に格納されているオペレーティングシステム用プログラムデータをメインメモリ102に転送する。その後、CPU101はオペレーティングシステムに従って動作するようになり、引き続きプログラム・データ記憶部に格納されているアプリケーションプログラムデータをメインメモリ102に転送し、そのプログラムを実行する。
【0032】
また、CPU101は、画像データをグラフィックメモリ111に転送し、音声データをサウンドメモリ121に転送可能になっている。CPU101が実行するプログラムデータによる処理は、主として操作装置107からの操作信号の入力や通信装置130からの通信データの解釈と、それに基づいてビデオブロック11に行わせる画像処理およびサウンドブロック12に行わせる音声処理である。
【0033】
メインメモリ102は、主として上記オペレーティングシステム用プログラムデータおよびアプリケーションプログラムデータを格納する他、静的変数や動的変数等を格納するワークエリアをCPUに提供する。ROM103は、イニシャルプログラムローダの格納領域である。
【0034】
プログラム・データ記憶部には、本ゲーム装置に本発明の画像処理方法を実行させるためのプログラムデータ、画像表示のための画像データおよび音声出力のための音声データなどが格納されている。なお、ゲーム装置は、通信装置130経由で他のゲーム装置とデータを交換して、共通の仮想三次元空間でプレイヤキャラクタを対戦相手である対戦遊戯者が操作する敵キャラクタと戦わせることができる。対戦遊戯者がいない場合には敵キャラクタはCPU101が操作する。
【0035】
操作装置107は、遊戯者による遊技者の操作ボタン等の操作状況に対応した操作信号をCPUブロック10のバスに出力する。ビデオブロック11は、VDP(Video Display Processor)110、グラフィックメモリ111およびビデオエンコーダ112を備えている。グラフィックメモリ111には、上記したように、プログラム・データ記憶部から読み取られた画像データが格納されている。
【0036】
VDP110は、グラフィックメモリ111に格納されている画像データのうち、画像表示に必要な画像データを読み取って、CPU101から供給される画像表示に必要な情報、すなわちコマンドデータ、視点位置データ、光源位置データ、オブジェクト指定データ、オブジェクト位置データ、テクスチャ指定データ、テクスチャ濃度データ、視野変換マトリクスデータ等に従って、座標変換(ジオメトリ演算)、テクスチャマッピング処理、表示優先処理、シェーディング処理等を実行可能になっている。
【0037】
なお、前記座標変換等の処理は、CPU101が行うように構成してもよい。すなわち、各デバイスの演算能力を勘案してどの処理をどのデバイスにさせるかを割り振ればよい。ビデオエンコーダ112は、VDP110が生成した画像データをモニタ装置4に出力可能に構成されている。
【0038】
サウンドブロック12は、サウンドプロセッサ120、サウンドメモリ121およびD/Aコンバータ122を備えている。サウンドメモリ121には、上記したようにCD−ROMから読み取られた音声データが格納されている。サウンドプロセッサ120は、CPU101から供給されるコマンドデータに基づいて、サウンドメモリ121に格納されている波形データ等の音声データを読み取って、DSP(Digital Signal Processor)機能に基づく各種エフェクト処理、デジタル/アナログ変換処理等を行うようになっている。そしてD/Aコンバータ122は、サウンドプロセッサ120により生成された音声データをアナログ信号に変換し、外部に接続されるスピーカ5に出力可能に構成されている。
【0039】
図8は、第1の遊戯装置800と第2の遊戯装置802との間でマッチングを行う第1の実施形態を説明するブロック図である。第1の遊戯装置800はストーリーモード(一人遊戯モード)Aの状態にある。第2の遊戯装置802は同様にストーリーモードBの状態にある。そして、第1の遊戯装置800が一つのステージを終了し、第2の遊戯装置がミッション間演出の状態にある。
【0040】
第1の遊戯装置から対戦遊戯の要求804が第2の遊戯装置802に送られ、第2の遊戯装置がこれを受け入れることにより両者の間で“第1対戦”遊戯を実現するための条件が成立する。
【0041】
各遊戯装置は、遊戯状態を特定する制御フラグをメインメモリ102にセットする。第1の遊戯装置800は、この制御フラグをリードして要求を他の遊戯装置に向けて発行して良いかをチェックする。この要求を受信した第2の遊戯装置802は制御フラグをチェックして要求を受け入れて良いかをチェックする。第2の遊戯装置が要求804を受け入れることによって第1の遊戯装置と第2の遊戯装置間でマッチングが成立する。図8に示す遊戯システムでは、第2の遊戯装置が行なっているストーリーモード(シナリオモード)時に、第1の遊戯装置からの対戦要求が来ると強制的に第2の遊戯装置とのマッチングが成立する。
【0042】
一つの遊戯装置から他の遊戯装置への要求が競合した場合には、優先される方の要求を定めておけばよい。要求を発行するのも、要求を受け入れるのも、遊戯装置がミッションを実行中で無い時である。第1の遊戯装置と第2の遊戯装置との間で対戦遊戯を実現させるために、遊戯装置が一つのステージを終了して他のステージに進む間、一つのミッションが終了して他のミッションに移行する間には、対戦遊戯を成立させるために所望の時間間隔が設定されている。遊戯装置はこの間隔を利用して、演出映像を遊戯者に提供する。この間隔が長すぎると遊戯者を退屈させ、一方短すぎると複数の遊戯装置間でのマッチングが円滑に成立しない可能性がある。よって、妥当な時間が経験的或いは遊戯状態に応じて計算によって決定される。
【0043】
第1の遊戯装置と第2の遊戯装置との間でマッチングが成立した場合に行なわれる対戦は、1ラウンドと1本先取りのルールで行なわれる。対戦が終了した後、各遊戯装置はストーリーモードの元の位置に復帰する。例えば、ミッション間演出の状態で対戦に移動した場合、遊戯装置はミッション間演出の最初に戻ってストーリーモードを再開する。この対戦に勝った方の遊戯装置に、ポイントが付加される。遊戯装置が他の遊戯装置に乱入して行なわれる対戦は、一時的なものである。これに対して、モード選択画面で“対戦”を選択した場合、複数の対戦シーンが実行される。乱入での対戦をこのように制限したのは、他の遊戯装置との対戦が長引くとそもそもストーリーモードを妨害することになるからである。ストーリーモードを実行していた遊戯装置が一時対戦に負けてもゲームオーバーとはならずストーリーモードに復帰できる。
【0044】
第1の遊戯装置と第2の遊戯装置との間のマッチングを規制しても良い。例えば、一度マッチングが成立すると、各遊戯装置は、ストーリーモードが終了するまで再度マッチングがされない。このようにする理由は、マッチングが何度も行なわれると、そもそもストーリーモードを嗜好している遊戯者の意思を損なうからである。各遊戯装置はマッチングフラグを備え、マッチングが成立した段階でメインメモリにセットする。各遊戯装置は、ストーリーモードが終了するまでこのフラグをリセットしない。各遊戯装置は、このフラグがセットされている間、マッチングのための要求を出したり、及び要求を受け入れることをしない。
【0045】
図9は、第1の遊戯装置800がミッションを終了し、第2の遊戯装置802がミッション間演出の状態にあり、第1の遊戯装置からミッションを終了した段階でマッチングの要求804が第2の遊戯装置に発行されていることを示している。
【0046】
図10は、第1の遊戯装置800が遊戯者によってモード選択画面で“対戦”を選択し、第2の遊戯装置802がミッション間演出の状態にあることを示している。この場合第1の遊戯装置からの要求が優先されて第2の遊戯装置に発行される。次いで、第1の遊戯装置と第2の遊戯装置との間でマッチングが確立される。
【0047】
図11に示すように、第1の遊戯装置からの要求が第2の遊戯装置がミッションを実行している最中に発行された場合には、この要求804は第2の遊戯装置によって暫定的に拒否される。第1の遊戯装置がミッションを終了した際に新たな要求806を第1の遊戯装置に向けて発行する。第1の遊戯装置は対戦モードを開始したものの、対戦相手となる遊戯装置とのマッチングが成立しないために、既述の“第2対戦”の状態にある。“第2対戦”では、プレイヤキャラクタは遊戯装置のCPUが操作する敵キャラクタとの対戦を行なっている。要求806を受けた第1の遊戯装置では、CPUが敵キャラクタを操作することを止め、第2の遊戯装置によって操作される敵キャラクタとプレイヤキャラクタとを対戦させる。第2の遊戯装置802からの要求806を第1の遊戯装置800が受領するのは、“第2の対戦”のフェーズだけではなく、対戦シーン間の演出の期間であっても良い。また、第1の遊戯装置800から発行される要求804は“対戦”が遊戯者(プレイヤー)によって選択されたタイミングの他、対戦間演出の間、“第2対戦”(CPU対戦)の期間中でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係わる電子遊戯装置の全体斜視図。
【図2】モニタに表示される遊戯画面の第1の例。
【図3】モニタに表示される遊戯画面の第2の例。
【図4】モニタに表示される遊戯画面の第3の例。
【図5】モニタに表示される遊戯画面の第4の例。
【図6】電子遊戯装置の概要構成を示したブロック図。
【図7】電子遊戯装置の詳細構成を示したブロック図。
【図8】遊戯システムにおける乱入の第1の例を示すブロック図。
【図9】遊戯システムにおける乱入の第2の例を示すブロック図。
【図10】遊戯システムにおける乱入の第3の例を示すブロック図。
【図11】遊戯システムにおける乱入の第4の例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0049】
101 CPU、300 電子遊戯装置、308 銃型コントローラ、602 制御部,PL プレイヤキャラクタ、EC 敵キャラクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の遊戯装置と第2の遊戯装置とによって協同遊戯が行われるようにした遊戯システムにおいて、前記第1の遊戯装置が行っている一人遊戯について、第2の遊戯装置が前記一人遊戯を妨害しないタイミングで前記第1の遊戯装置に要求を発行して、前記第1の遊戯装置が前記一人遊戯を中断し前記第2の遊戯装置との間で前記協同遊戯を実現する遊戯システム。
【請求項2】
前記第2の遊戯装置が行っている一人遊戯について、第2の遊戯装置が当該一人遊戯を妨害しないタイミングで前記第1の遊戯装置に前記要求を発行して、前記第1の遊戯装置と前記第2の遊戯装置との間で前記協同遊戯を実現する、請求項1記載の遊戯システム。
【請求項3】
前記第1の遊戯装置及び第2の遊戯装置は、前記協同遊戯を終了後それぞれ前記一人遊戯に復帰する、請求項2記載の遊戯システム。
【請求項4】
前記第2の遊戯装置の前記第1の遊戯装置への要求の発行が前記タイミングでない場合、前記第1の遊戯装置は前記要求を拒否し、次いで、前記第1の遊戯装置がこのタイミングに至った際に前記第2の遊戯装置に要求を発行する、請求項1記載の遊戯システム。
【請求項5】
前記第2の遊戯装置に対して遊戯者が前記協同遊戯を選択し、前記第1の遊戯装置との間で当該協同遊戯が成立していない場合、前記第2の遊戯装置は前記第1の間で協同遊戯が成立するまで、前記一人遊戯を行なっている、請求項1記載の遊戯システム。
【請求項6】
前記第2の遊戯装置の一人遊戯は遊戯者が当該第2の遊戯装置の制御手段との間で、前記協同遊戯に類した擬似遊戯である、請求項5記載の遊戯システム。
【請求項7】
第1の遊戯装置と第2の遊戯装置とを備え、当該第1の遊戯装置及び第2の遊戯装置はお互いに相手からの要求を拒否することなく、互いにアクセスし合いながら協同して遊戯を実行可能な電子遊戯システムであって、
前記第1の遊戯装置及び前記第2の遊戯装置は、電子遊戯用プログラムに基づいて電子遊戯のためのデータ処理を行う制御装置を備え、
前記電子遊戯用プログラムは、
前記第1の遊戯装置及び第2の遊戯装置がそれぞれ単独でシナリオに沿った遊戯を進める第1のモードと、
第1の遊戯装置及び第2の遊戯装置がアクセスし合いながら遊戯を進める第2のモードと、
を備え、
前記第1の遊戯装置の前記制御装置が前記第1のモードで前記電子遊戯用プログラムを実行し、かつ、前記シナリオを実行している最中でない場合に、前記第1の遊戯装置の前記制御装置が前記第2の遊戯装置の制御装置からの前記アクセスのための要求を受け入れて、前記第1の遊戯装置と前記第2の遊戯装置が協同して前記第2のモードを実行する、
電子遊戯システム。
【請求項8】
前記シナリオが複数のシーンからなり、前記第2の遊戯装置からの前記第1の遊戯装置に対する前記要求が、前記第1の遊戯装置の制御装置が前記シーンとシーンとの間のタイミングで発生した場合、前記第1の遊戯装置の前記制御装置が前記第2の遊戯装置の制御装置からのアクセスを受け入れて、前記第1の遊戯装置と前記第2の遊戯装置が協同して前記第2のモードを実行する、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の遊戯装置の前記制御装置が前記第1のモードで前記電子遊戯用プログラムを実行し、かつ、前記シナリオを実行している最中に無い場合に、前記第1の遊戯装置の前記制御装置が前記第2の遊戯装置の制御装置からのアクセスを受け入れて、前記第1の遊戯装置と前記第2の遊戯装置が協同して前記第2のモードを実行する、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のシステムの前記第1の遊戯装置及び第2の遊戯装置に、前記第1の遊戯装置が行っている一人遊戯について、第2の遊戯装置が前記一人遊戯を妨害しないタイミングで前記第1の遊戯装置に要求を発行して、前記第1の遊戯装置が前記一人遊戯を中断し前記第2の遊戯装置との間で前記協同遊戯を実現する処理を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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