説明

遊戯台

【課題】遊戯客の有無を問わず開店と同時に所定の輝度で発光して、店内の雰囲気を明るくし得るパチンコ等の遊戯台を提供する。
【解決手段】遊戯台の盤面1上に、柔軟性を有する絶縁シート2の表面にパウダー状の発光材料を均一に所定のパターンで散布してなるEL3が、接着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊戯機やスロットルマシン等に用いられる遊戯台の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ遊戯機やスロットルマシン、特にパチンコ台は、遊戯者に対して、手前からガラス板,玉を誘導する釘等を植設した遊戯盤が設けられ、この遊戯盤の裏側には、玉の供給・収納及び光や音響等を発生せしめる装置等が配設されている。そして、盤面中央部には、液晶画面によってアニメ等のキャラクターが表示されている。
このような従来のパチンコ台等においては、遊戯中玉が入賞口に入ると、その等級に応じて、赤,青,黄色等に着色されたプラスチックカバーに収納された電球が点滅すると同時に音響等を発し、更に盤面中央のキャラクターアニメが動作して、玉が入賞口に入ったことを告げ、遊戯者に満足感を与えるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、玉が入賞口に入った時には、この玉が図示していない公知の電気回路中に設けられた光スイッチの光路を遮断し、これによって音響を発するか電飾が点滅して、景気良く賑やかな雰囲気が演出されるが、それ以外の時には遊戯中といえども、アニメ以外は動きがなく、玉を弾く音以外はない。しかも、遊戯中でないパチンコ台では、光の点滅や音響の発生等は全くないから、遊戯客が少ない時のパチンコ店は、比較的暗く寂しい雰囲気となってしまう。これを解消するために、通常は部屋内の照明を極端に明るくしたり、軍艦マーチ等を大音量で流したりしているが、これは電力の浪費となるばかりか、騒音源となって好ましくない。また、かかる雰囲気を少しでも解消するために、遊技機のフロントパネルを、発光材料を含有するプラスチックで形成したものも提案されている(例えば、特許文献1参照)が、それ程の効果を発揮するには至っていない。
【特許文献1】特開2002−28280号公報
【0004】
本発明は、如上の従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊戯客の有無を問わず開店と同時に所定の輝度で発光して、店内の雰囲気を明るくし得るパチンコ等の遊戯台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明による遊戯台は、盤面上に、柔軟性を有する絶縁シートの表面にパウダー状の発光材料を均一に所定のパターンで散布してなるEL皮膜を接着し、該EL皮膜を発光せしめるようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、前記EL皮膜は、盤面に形成された入賞口に遊戯玉が転入したときオン・オフ制御する制御回路の作用によって、発光が点滅せしめられることを特徴とする。
【0007】
また、本発明によれば、前記EL皮膜の表面を被覆する透明又は半透明フィルムに彩色し、盤面を彩色光によって表示するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明によれば、前記盤面に植立された釘は、可塑性,粘性又は固体の絶縁性材料によって、前記EL皮膜に対し電気的に絶縁されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低コストで、店内を常に明るく且つ安定して照明することが出きるのみならず、遊戯者に独特の刺激を与え得る遊戯台を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。
図1は本発明にかかるパチンコ台の一実施例の一部を破断して示す要部正面図、図2は盤面への釘の植設構造の一例を示す断面図、図3は盤面への釘の植設構造の他の例を示す断面図である。図中、1はプラスチック板またはベニア板等からなる所定形状のパチンコ台基盤、2は基盤1上に貼着された基盤1と同一形状のマイラーシート等の絶縁性シート、3は絶縁シート2上にパウダー状の発光材料を均一に散布して形成されたEL(エレクトロルミネッセンス)皮膜、4はEL皮膜3を被覆するマイラーシート等よりなる透明被膜、5は透明被膜4に貼着された透明又は半透明のフィルムである。上記の絶縁性シート2,EL皮膜3及び透明被膜4は面状発光体を構成し、フィルム5のバックライトとなる。
【0011】
更に図1において、6は遊戯玉の径路をアットランダムに制御するため基盤1上に植設された多数の釘、7は図柄表示装置、8は風車、9は始動入賞口、10は袖入賞口、11は大入賞口で、その他も含めてこれらは何れも基盤1に形成された周知の造作であるが、釘6を除いて上記面状発光体は、これらの造作を避けた形で形成される。従って、上記面状発光体は基盤1上に上記のようにして形成されても良いし、上記造作を避けたパターンに予め形成して、基盤1上に貼着するようにしても良い。
【0012】
図2は、1本ずつ点在する釘6を盤面上に植設する場合を示しているが、この場合には、面状発光体に下孔を明けて電気絶縁性の筒状のカラン12を嵌着し、そのカラン12に釘6を通した状態で基盤1に打ち付けるか、カラン12の代わりに電気絶縁性の可塑性材又は粘体を上記下孔に充填した状態で釘6をその中に通して打ち付けるようにすれば良い。図3は複数の釘6が列設される場合を示しているが、この場合には、列設形態に応じた形態のスロット13を予め面状発光体に形成して(図1参照)、そのスロット13に電気絶縁性の可塑性材又は粘体14を嵌着又は充填し、その中に釘6を打ち込んで打ち付けるようにすれば良い。
【0013】
上記の如く構成された面状発光体は、EL皮膜3に適切な電圧(AC18〜30V)を印加すれば、皮膜全体に亘り均一で斑のない発光が行なわれ、その発光光量は、パチンコ台の大きさで新聞を読むのに充分な程度であり、しかもこの発光量は時間の経過等で低下したりすることがなく、また点灯に支障をきたすようなこともない。従って、パチンコ店等で、開店と共に各パチンコ台を一斉に点灯すようにすれば、比較的低電力で店内を常に明るく保持することができる。
【0014】
また、この種の面状発光体は、電源のオン・オフにより発光が遅延することなく瞬時に点滅し、通電に対して残像等の現象がなく歯切れの良い点滅が行われる。従って、例えば、フィルム5に印刷等により着色や模様を施したり、写真フィルムを用いたりして、遊技中、遊戯者によって弾かれた玉が入賞口に転入し落下する過程で、その玉で図示していない公知の電気回路中に設けられた光スイッチの光路が遮断されてオン・オフ制御する周知の制御回路の作用により、面状発光体への発光を点滅させるようにすれば、従来にも増して遊戯者の興奮を高めることができる。また、写真フィルムとして、パチンコ遊戯に相応しいシーンや題材のものを採用すれば、従来とは違った興味を遊戯者に抱かせることもできる。
【0015】
以上、実施例は本発明をパチンコ台に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スロットルマシンの如き他の遊戯機にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明をパチンコ台に適用した場合の一実施例の一部を破断して示す要部正面図である。
【図2】盤面への釘の植設構造の一例を示す断面図である。
【図3】盤面への釘の植設構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 基盤
2,4 マイラーシート
3 EL皮膜
5 透明または半透明のフィルム
6 釘
7 図柄表示装置、
8 風車
9 始動入賞口
10 袖入賞口
11 大入賞口
12 電気絶縁性のスリーブ
13 スロット
14 電気絶縁性の可塑性材又は粘体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤面上に、柔軟性を有する絶縁シートの表面にパウダー状の発光材料を均一に所定のパターンで散布してなるEL皮膜を接着し、該EL皮膜を発光せしめるようにしたことを特徴とする遊戯台。
【請求項2】
盤面に形成された入賞口に遊戯玉が転入したときオン・オフ制御する制御回路の作用によって、前記EL皮膜の発光が点滅せしめられることを特徴とする請求項1に記載の遊戯台。
【請求項3】
前記EL皮膜の表面を被覆する透明又は半透明フィルムに彩色し、盤面を彩色光によって表示するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊戯台。
【請求項4】
前記盤面に植立された釘は、可塑性,粘性又は固体の絶縁性材料によって、前記EL皮膜に対し電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊戯台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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