遊技場用エアカーテンシステム
【課題】遊技台に隣接して設けられるエアカーテン装置に対する送風状態の調節の手間を必要とせずに遊技者にとって快適な遊技環境を提供することができると共に、遊技場に登録した会員に対する差別化を図ることにより遊技者の囲い込みを行うことができる遊技場用エアカーテンシステムを提供する。
【解決手段】管理装置には、遊技台間に設けられるエアカーテン装置に対する遊技者による風量設定が遊技者に対応付けて優先順位(例えば来店回数)とともに記憶されている。エアカーテン装置に会員カードを挿入したり、風量を変更したりした場合は、エアカーテン装置は、管理装置から対応遊技者と隣接遊技者の風量情報と優先情報を取得し、優先順位が高い遊技者の風量設定を優先して設定すると共に、表示部に比較結果を表示する。
【解決手段】管理装置には、遊技台間に設けられるエアカーテン装置に対する遊技者による風量設定が遊技者に対応付けて優先順位(例えば来店回数)とともに記憶されている。エアカーテン装置に会員カードを挿入したり、風量を変更したりした場合は、エアカーテン装置は、管理装置から対応遊技者と隣接遊技者の風量情報と優先情報を取得し、優先順位が高い遊技者の風量設定を優先して設定すると共に、表示部に比較結果を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台に対応して設けられ、送風手段により遊技台間にエアカーテンを形成するエアカーテン装置を複数備えた遊技場用エアカーテンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店では遊技者が隣り合って遊技を行うため、遊技者が喫煙すると、隣の遊技者に対してその伏流煙等が流れていき不快な思いをさせる虞がある。このような問題を解消するため、例えば特許文献1では遊技台間にエアカーテンを形成するエアカーテン装置を設ける提案がされている。
【特許文献1】特開平10−15220号公報
【特許文献2】特開平2003−38812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなエアカーテン装置は、電源の入切や、風量調節等の調節操作を、遊技者が遊技開始する度に行う必要があった。また、各遊技台に対して、その片側(例えば遊技者が遊技する遊技台の左側)に隣接するエアカーテン装置のみが対応していることから、遊技者による操作対象は限定されている。例えば遊技者が喫煙を開始した場合に、遊技台左側のエアカーテン装置に対する調節操作は可能であるが、右側のエアカーテン装置を調節することができないので、喫煙を開始した遊技者の右側の遊技者が風量調節する必要がある。
【0004】
しかしながら、喫煙の開始に合わせて右側の遊技者が風量調節すると、喫煙に対する不快感を露骨に示すこととなる。このため、エアカーテン装置の風量調節を躊躇することになり、その結果、快適な環境で遊技することができなくなる虞があった。また、右側の遊技者にとっては、喫煙する訳でもないのに風量調節を強いられることとなり、風量調節操作を面倒に感じる虞もあった。さらに、右側の遊技者が喫煙を開始した場合は、喫煙を開始した右側の遊技者が風量調節を行わなければ、伏流煙を遮断することが出来ないことから、快適な遊技環境にて遊技を行えるとは言えなかった。
【0005】
他方、遊技店では遊技者の囲い込みを目的として遊技店会員を募集し、様々な特典を与えているが(例えば特許文献2参照)、会員と非会員、或いは、一般会員と優良会員とで差別化することが今一歩、難しかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、遊技台に隣接して設けられるエアカーテン装置に対する送風状態の調節の手間を必要とせずに遊技者にとって快適な遊技環境を提供することができると共に、遊技場に登録した会員に対する差別化を図ることにより遊技者の囲い込みを行うことができる遊技場用エアカーテンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、遊技者が遊技を開始するために、エアカーテン装置に自分の遊技者識別情報を読取らせると、エアカーテン装置の第1送信手段は、遊技者識別情報に遊技台識別情報を付加した遊技開始情報を管理装置へ送信する。すると、管理装置は、記憶手段に遊技者情報に対応して記憶している送風情報をエアカーテン装置へ送信するので、エアカーテン装置は、管理装置から受信した送風情報に基づいて遊技者が希望する送風状態に自動的に調整するようになる。従って、遊技開始時に、遊技者にとって快適な遊技環境を提供することができる。また、遊技者がエアカーテン装置の送風手段の送風状態を調節した場合は、その送風状態が管理装置の記憶手段に記憶されるので、遊技者の希望する送風状態が変更した場合であっても、その変更に対応することができる。従って、エアカーテン装置の利便性を高めることができる。
【0008】
一方、遊技場にとっては、利便性の高いエアカーテン装置を利用するために、遊技者が登録(会員登録)するようになるので、会員数の増加が見込め、遊技者の囲い込みを期待できる。
【0009】
請求項2の発明によれば、遊技者が喫煙を開始した場合に、副調節手段に対する調節操作により遊技台と反対側に位置するエアカーテン装置の送風手段の送風状態を調整することができるので、隣の遊技者に操作を強いることなく、エアカーテン装置の送風状態を調節することができる。また、隣の遊技者が喫煙した場合であっても、対応するエアカーテン装置の副調節手段を調節するのみで、隣の遊技者からの伏流煙を遮断できるようになり、ますます快適な遊技環境を提供することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、管理装置の記憶手段は、遊技者の遊技場に対する貢献度合いに応じて遊技者の優先順位を示す優先情報を記憶しており、管理装置の第2送信手段は、送風情報をエアカーテン装置へ送信する場合は、送風情報に加えて対応遊技台と反対側に位置する隣接遊技台の遊技者に対応する送風情報を優先情報の付加状態で送信する。そして、エアカーテン装置は、管理装置から受信した送風情報に基づいて対応遊技者の優先情報と隣接遊技台の遊技者の優先情報とを比較し、優先順位の高い遊技者の送風情報に基づいて送風手段の送風状態を調節する。従って、優先順位の高い遊技者にとっては、自身が遊技場にとって隣の遊技者よりも特別は遊技者であることを認識して優越感を覚えると共に、優先順位の低い遊技者は優先順位が高くなるように遊技を行うようになるので、総じて遊技台の稼動を高めることができる。
【0011】
請求項4の発明によれば、表示手段は、調節手段が対応遊技者と隣接遊技台の遊技者の優先情報を比較した結果、隣接遊技台の遊技者の優先順位が高くて送風状態を調節することができない場合に、両方の優先情報を比較可能に表示するので、送風状態が調整されない場合に、遊技者がその要因を把握し、優先順位を高くしようと思うようになることから、遊技者が目標を持つようになり、遊技や来店を動機付けることができる。
【0012】
請求項5の発明によれば、エアカーテン装置は、遊技者が遊技する遊技台の遊技経過に応じて送風手段の送風状態を調節するので、遊技者自身が遊技経過の目安を送風状況でもって把握できるとともに、疲労感や勝敗状況によるストレスなどを発散させたり、励ませたり、或いは気分を高揚させたりすることが可能となる。従って、遊技者自身がメリハリを持って遊技するようになり、遊技意欲を維持したり、遊技意欲を掻き立てたりするようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1は、システム全体の構成を概略的に示す図である。この図1において、遊技台島にはパチンコ機或いはパチスロ機などの複数の遊技台1が設置されている。これらの遊技台1間には台間玉貸機2及びエアカーテン装置3が設置されていると共に、各遊技台1に対応して中継装置4が遊技台島内に設置されている。
【0014】
中継装置4は、対応する遊技台1から出力される各種信号、及び台間玉貸機の売上信号を管理装置5に出力すると共に、管理装置5からの各種情報、或いは遊技台1側から入力した各種信号に基づいて集計した遊技情報をエアカーテン装置3に出力するI/O(Input/Output)の機能を有する。
管理装置(記憶手段、第2送信手段に相当)5は、各台間玉貸機2の売上情報を管理すると共に、各遊技台1の稼動情報を管理するようになっており、それらの情報に基づいて遊技場の経営を管理するための各種データを集計して帳票として出力可能となっている。
【0015】
図2はエアカーテン装置3の斜視図、図3はエアカーテン装置3の内部構造を模式的に示す側面図である。これらの図2及び図3において、エアカーテン装置3の主体をなす装置本体6の前面下部には吸込口7が設けられていると共に、前面上部には吹出口8が設けられている。装置本体6内には吸込口7と吹出口8とを連通するダクト状のファン収納部9が設けられている。このファン収納部9の上部にはファン(送風手段に相当)10が配置されており、そのファン10の駆動状態で、吸込口7から吸込まれた空気がファン収納部9を通じて吹出口8から前方に吹出される。ファン収納部9の中間部には光触媒ユニット11が取出可能に装着されている。光触媒ユニット11に対向して図示しないメイン基板が設けられており、そのメイン基板に搭載された紫外線照射用LEDから光触媒ユニット11に紫外線を照射することにより、光触媒ユニット11の浄化作用を促してファン収納部9を通過する空気を浄化するようになっている。装置本体6内の底面部には電源基板12が配置されている。
【0016】
ファン収納部9において吸込口7の背面となる部位にはフィルタ装着部13が形成されており、そのフィルタ装着部13にフィルタ14が装着されている。このフィルタ14は、通過する空気に含まれる微粒子、特には煙草の煙に含まれるヤニなどの微粒子を吸着するようになっている。
装置本体6の前面の上部には会員カード挿入口15が設けられており、その会員カード挿入口15に対応してカードユニット(読取手段に相当)16が装置本体6に内蔵されている。会員カードは、会員登録された遊技者に対してIDカードとして発行されるもので、その会員カードを利用して遊技することにより、遊技場が提供する各種サービス(貯玉、再プレイ、情報提供など)を利用することができる。
【0017】
装置本体6の前面の中間部には表示部(表示手段に相当)17が設けられている。この表示部17は、装置本体6の前方方向から対応する遊技台1と反対側へ例えば30度の範囲で10度ずつ傾き可能に設けられている。表示部17はタッチパネル18を有しており、そのタッチパネル18に対するタッチ操作に応じて会員が現在遊技している遊技台1の遊技データ或いは所望の遊技台1の遊技データを表示可能となっている。従って、会員は、表示部17に表示される遊技データに基づいて遊技台1を選択する目安としたり、現在遊技している遊技台1の遊技を継続するかの判断を行ったりすることができる。エアカーテン装置3の背面には、管理装置5、或いは中継装置4との間で情報を授受するために中継装置4の図示しない入出力コネクタに接続されたケーブルを接続する入出力用コネクタ19が設けられている。
【0018】
図4は、エアカーテン装置3の構成を示す機能ブロック図である。この図4において、エアカーテン装置3は制御装置(調節手段、第1送信手段、副調節手段、判定手段に相当)20を主体として構成されている。制御装置20は、表示部17に設けられたタッチパネル18から操作信号を受けると、ファン10の回転数を調整することによりその風量(送風状態に相当)を「通常」→「強」→「切」→「通常」と順に切り替える。また、制御装置20は、会員の遊技者による操作に応じて、現在遊技している遊技台1の遊技データ或いは所望の遊技台1の遊技データを管理装置5から入力したデータを表示部17に表示する。
【0019】
以上のように構成されたエアカーテン装置3においては、電源が投入された状態でタッチパネル18に対するタッチ操作により風量が選択されると、ファン10が駆動されて設定された風量を送風するようになる。このような送風状態では、吸込口7から空気が吸込まれ、空気中に含まれる塵や埃がフィルタ14で除去されてから、ファン収納部9を通過して吹出口8から前方に吹出されることによりエアカーテン装置3の前方、つまり遊技台1間にエアカーテンが形成される。
【0020】
ここで、エアカーテン装置3の制御装置20には本発明に関連してデータベースが設けられている。
図5は、エアカーテン装置3に設けられたデータベースの一例として2番台のエアカーテン装置3のデータベースを示している。データベースとしては、2番台と左右の遊技台となる1番台と3番台に対応付けて、遊技者、主送風情報、副送風情報、遊技者ID(遊技者識別情報に相当、対応する遊技台のみに設定されている)、優先情報、来店回数が設定されている。これらのデータは、後述する管理装置5のデータベースに記憶された情報と同一であり、遊技者がエアカーテン装置3に会員カードを挿入したことをトリガーとして管理装置5から受信して設定されるようになっている。
【0021】
一方、管理装置5にも本発明に関連してデータベースが設けられている。
図6は、管理装置5のデータベースを示している。データベースとしては、遊技者IDに対応付けて、以下のように定義される来店回数、優先情報、主送風情報、副送風情報、遊技台ID(遊技台識別情報に相当)が設定されている。
(1)来店回数:会員カードが挿入された日数で、営業開始から最初のカード挿入時に計数
(2)優先情報:「A」は来店回数が201以上、「B」は200以下で101以上、「C」は100以下で51以上、「D」は50以下で11以上、「E」は来店回数が10以下、「F」は非会員であり、優先順位は、A>B>C>D>E>Fである。尚、優先情報としては、来店回数をグループ化せずに、来店回数をそのまま優先情報として扱ってもよい。
(3)主送風情報:対応する遊技台1の左側のエアカーテン装置3の送風情報
(4)副送風情報:対応する遊技台1の右側のエアカーテン装置3の送風情報
(5)遊技台ID:会員カードが挿入されているエアカーテン装置3に対応する遊技台1の識別情報で、「−」は何れの遊技台1にも会員カードが未挿入状態であることを示している。尚、本実施例では、遊技台識別情報として遊技台IDとしたが、遊技台1を特定可能な情報、例えばエアカーテン装置3毎にIDを付与するようにしてもよい。
【0022】
これらのデータのうち主送風情報及び副送風情報は、後述するように遊技者がエアカーテン装置3に対して最後に選択した好みの風量である。
エアカーテン装置3は、後述するように対応遊技者(対応する遊技台1で遊技する遊技者)と隣接遊技者(隣接する遊技台1で遊技する遊技者)の優先順位を比較し、優先順位の高い遊技者が好む風量を設定するようになっている。
【0023】
次に上記構成の作用について説明する。
図10は、エアカーテン装置3の処理を示すフローチャートである。この図10において、エアカーテン装置3は、カード挿入処理(S1)、風量調節操作処理(S2)、隣台送信情報受信処理(S3)、カード排出処理(S4)、カード排出情報受信処理(S5)を繰返して実行している。
【0024】
さて、例えば図6で示す管理装置5のデータベースに記憶された遊技者ID「00001」の遊技者が、会員カード(カードID=00001)を2番台の遊技台1に対応したエアカーテン装置3(以下、2番台のエアカーテン装置3)の会員カード挿入口15に挿入すると、2番台のエアカーテン装置3は、図11に示すカード挿入処理において、カードが挿入されたと判断し(A1:YES)、カードIDを読取り(A2)、カードIDを遊技者IDとして対応遊技者の情報を更新し(A3)、次のように規定される遊技開始情報を管理装置5へ送信する(A3)。
【0025】
遊技開始情報=遊技台ID+遊技者ID
図17は、管理装置5の処理を示すフローチャートである。この図17において、管理装置5は、エアカーテン装置3より遊技開始情報を受信するか(G1)、風量変更情報(送風状態変更情報に相当)または遊技終了情報を受信するか(G4)を判断しており、遊技開始情報を受信したときは(G1:YES)、図6に示すデータベースにおける対応遊技者の情報を更新してから(G2)、送信元のエアカーテン装置3へ次のように規定される対応遊技者の管理情報を送信する(G3)。
管理情報=優先情報+主送風情報+副送風情報+来店回数
図6に示す例では、管理装置5のデータベースに遊技者ID「00001」に対応付けて記憶されているデータに基づいて、優先情報として「D」、主送風情報として「強」、副送風情報として「強」、来店回数として「37」が2番台のエアカーテン装置3へ送信される。
【0026】
2番台のエアカーテン装置3は、図11に示すように管理装置5から管理情報を受信したときは(A4:YES)、対応遊技者の情報を更新してから(A5)、風量変更処理を実行する(A6)。
図5に示す例では、データベースにおいて自己の遊技台IDである2番台に対応したデータを更新する。この場合、1番台と3番台に対応したエアカーテン装置3ついては、遊技者が既にエアカーテン装置3に会員カードを挿入しており、各遊技者に対応したデータを管理装置5から取得しているものとする。
【0027】
図16は、エアカーテン装置3の風量変更処理を示している。この図16において、2番台のエアカーテン装置3は、次のように規定される隣台送信情報を両隣となる1番台と3番台のエアカーテン装置3へ送信する(F1)。
隣台送信情報=遊技台ID+優先情報+主送風情報+副送風情報+来店回数
図5に示す例では、自己の遊技台IDである2番台に対応付けて記憶されているデータに基づいて、遊技台IDとして「2」、優先情報として「D」、主送風情報として「強」、副送風情報として「強」、来店回数として「37」が1番台と3番台のエアカーテン装置3へ送信される。
【0028】
次に、2番台のエアカーテン装置3は、対応遊技者の優先順位が左隣遊技者(1番台の遊技者)の優先順位より高いかを判断する(F2)。1番台に遊技者がいない場合、或いは対応遊技者の優先順位が1番台の遊技者の優先順位よりも高い場合は(F2:YES)、対応遊技者の主送風情報に基づいて風量を調整し、その旨を表示する(F3)。また、対応遊技者の優先順位が1番台の遊技者よりも優先順位が低い場合は(F2:NO)、左隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(F4)。
【0029】
図8は、エアカーテン装置3の表示部17の表示例を示している。この図8において、表示部17の表示領域は左右に区切られており、左半部がエアカーテン装置3自身と左隣のエアカーテン装置3との優先情報の比較を表示し、右半部がエアカーテン装置3自身と右隣のエアカーテン装置3との優先情報の比較を表示するものである。図8に示す例では、左隣の1番台で図6に示す遊技者IDが「00002」の遊技者が遊技していると共に、右隣の3番台で非会員の遊技者が遊技している場合に、遊技者IDが「00001」の遊技者が2番台のエアカーテン装置3に会員カードを挿入したときの表示例を示している。この場合、2番台のエアカーテン装置3における対応遊技者の優先情報は「D」、1番台の左隣遊技者の優先情報は「C」であり、対応遊技者は左隣遊技者よりも優先順位が低いことから、図8に示すように表示部17の左半部に謝っているキャラクタを出現させて、優先順位が左隣遊技者よりも低いことを表示する。同時に、現在の風量、お客様の優先情報、左隣の優先順位を表示し、さらに、左隣遊技者よりも優先順位が高くなる条件を表示する。
【0030】
次に、2番台のエアカーテン装置3は、図16に示すように対応遊技者の優先順位が右隣遊技者の優先順位よりも高いかを判断する(F5)。3番台に遊技者がいない場合、或いは対応遊技者の優先順位が3番台の遊技者の優先順位よりも高い場合は(F5:YES)、右隣遊技者よりも優先順位が高く風量を切り替える旨を表示する。また、対応遊技者の優先順位が3番台の遊技者よりも優先順位が低い場合は(F5:NO)、右隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(F7)。
【0031】
図8に示す例では、2番台の対応遊技者の優先情報は「D」、3番台の右隣遊技者の優先情報は「F」(非会員)で、対応遊技者の優先順位は右隣遊技者の優先順位よりも高いことから、表示部17の右半部に嬉しそうなキャラクタを出現させて、優先順位が右隣遊技者よりも高いことを表示する。同時に、変更後の風量、お客様の優先情報、右隣の優先順位を表示する。
以上のような表示により、2番台の遊技者は、会員カードをエアカーテン装置3に挿入した際に、現在の風量、或いは変更後の風量と、隣の遊技者と比較した状態での優先情報と、優先情報を上回るための条件とが表示されるので、風量が変更されない理由や、風量を変更することができる条件などを把握できる。
【0032】
一方、1番台及び3番台のエアカーテン装置3においては、2番台のエアカーテン装置3から隣台送信情報を受信するのに応じて、隣台送信情報受信処理を実行する。
図13は、隣台送信情報受信処理を示している。この図13において、1番台及び3番台のエアカーテン装置3は、2番台のエアカーテン装置3から隣台送信情報を受信したときは(C1:YES)、自己のデータベースにおいて送信元である2番台のエアカーテン装置3の対応遊技者の情報を更新してから(C2)、送信元が左隣かを判断する(C3)。この場合、1番台のエアカーテン装置3については、送信元の2番台のエアカーテン装置3は右隣となるから(C3:NO)、右隣遊技者の優先順位が対応遊技者の優先順位よりも高いかを判断し(C7)、高い場合は(C7:YES)、右隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示し(C8)、低い場合は(C7:NO)、何もすることなくリターンする。また、3番台のエアカーテン装置3については、送信元は左側であることから(C3:YES)、左隣遊技者の優先順位は対応遊技者の優先順位よりも高いかを判断し(C4)、高い場合は(C4:YES)、左隣遊技者の副送風情報に基づいて風量を調整すると共に(C5)、左隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(C6)。
以上のような動作により、1番台及び3番台のエアカーテン装置3においては、2番台のエアカーテン装置3に対する風量調整が優先順位に応じて変更されたり、表示が変更されたりする。
【0033】
さて、遊技者がエアカーテン装置3の風量調節を行う場合は、エアカーテン装置3の表示部17に風量調節画面を表示する。
図7は、表示部17に表示される風量調節画面を示している。この図7において、表示部17の表示領域は左半部と右半部に区切られて表示されており、左半部が自分自身に対する左側風量調節表示部17aに設定され、右半部が右隣のエアカーテン装置3に対する右側風量調節表示部17bに設定されている。各風量調節表示部17a,17bには、「強」釦21a、「中」釦21b、「弱」釦21c、「切」釦21d、現在の風量を表示する風量表示部22が表示されており、各釦21a〜21dに対するタッチ操作により風量表示部22に表示されている風量が変更されると共に、右側風量調節表示部17bの上方に表示されている「確定」釦23をタッチ操作することにより風量表示部22に表示されている風量を設定することができる。
【0034】
エアカーテン装置3は、図12に示す風量調節操作処理において、風量調節操作有りと判断した場合は(B1:YES)、風量調節された送風状況に基づき対応遊技者の情報を更新してから(B2)、会員カード挿入中かを判断する(B3)。この場合、会員カード挿入中であるので(B3:YES)、管理装置5へ次のように規定される風量変更情報を送信してから(B4)、図16に示す風量変更処理を実行する(B5)。
風量変更情報(または遊技終了情報)=遊技台ID+主送風情報+副送風情報+副送風情報+遊技者ID
管理装置5は、図17に示すようにエアカーテン装置3から風量変更処理を受信したときは(G4:YES)、対応遊技者の情報を更新する(G5)。つまり、図6に示すデータベースにおける主送風情報及び副送風情報を更新する。
【0035】
一方、エアカーテン装置3は、図16に示す風量変更処理において、隣台送信情報を両隣のエアカーテン装置3へ送信してから(F1)、対応遊技者と隣接遊技者との優先順位を比較し、その優先順位に基づいて風量を調整すると共に、比較結果を表示部17へ表示する(F2〜F7)。
以上のような表示により、2番台の遊技者は、風量を切替える場合は、現在の風量、或いは変更後の風量、隣の遊技者と比較した状態での優先情報、優先情報を上回るための条件などが表示されるので、風量が変更されない理由や、風量を変更することができる条件などが把握でき、目標を持って遊技したり、或いは次も来店しようと思ったりするようになる。
【0036】
さて、1番台の遊技者が遊技を終了するときにエアカーテン装置3から会員カードを排出すると、1番台のエアカーテン装置3は、図14に示すカード排出処理において、会員カードが排出されたと判断し(D1:YES)、管理装置5へ遊技終了情報を送信すると共に(D2)、カード排出情報を右隣のエアカーテン装置3へ送信してから(D3)、現在の送風状況は左隣遊技者の副送風情報と不一致かを判断する(D4)。1番台のエアカーテン装置3に関しては、左隣遊技者が存在しないことから、「NO」と判断してリターンする。
管理装置5は、図17に示すようにエアカーテン装置3から遊技終了情報を受信したときは(G4:YES)、図6に示すデータベースにおける対応遊技者の情報を更新する(G5)。
【0037】
一方、2番台のエアカーテン装置3は、図15に示すカード排出情報受信処理において、1番台のエアカーテン装置3からカード排出情報を受信したときは(E1:YES)、カード排出情報の送信元が左隣のエアカーテン装置3かを判断する(E2)。この場合、左隣であることから(E:YES)、現在の送風状況は対応遊技者の主送風情報と不一致かを判断し(E3)、不一致の場合は(E3:YES)、対応遊技者の主送風情報に基づいて風量を調整してから(E4)、左隣が遊技終了した旨を表示する(E5)。
【0038】
図5に示す2番台のエアカーテン装置3のデータベースの場合は、1番台のエアカーテン装置3の副送風情報は「中」であるのに対して、2番台のエアカーテン装置3の主送風情報は「強」であることから、対応遊技者の主送風情報に基づいて「強」となるように風量調整する。同時に、図9に示すように表示部17の左半部に、風量を変更する旨を表示すると共に、変更後の風量を表示する。従って、2番台の遊技者は、左側のエアカーテン装置の風量が変更される理由を認識することができる。
【0039】
また、3番台の遊技者が会員カードを排出した場合は、3番台のエアカーテン装置3から2番台のエアカーテン装置3へカード排出情報が送信されるので、2番台のエアカーテン装置3は、図15に示すステップE2において「NO」と判断し、右隣が終了した旨を表示する(E6)。
そして、2番台の遊技者よりも優先情報の高い遊技者が会員カードを3番台のエアカーテン装置3に挿入した場合は、3番台のエアカーテン装置3から2番台のエアカーテン装置3にそのことを示す隣台送信情報が送信される。
【0040】
2番台のエアカーテン装置3は、図13に示すステップC3において「NO」と判断し、右隣遊技者の優先順位は対応遊技者の優先順位よりも高いと判断することから(C7:YES)、右隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(C8)。
図9に示す例では、表示部17の右半部に、右隣遊技者の優先順位が高いことが表示されると共に、変更後の風量、お客様の優先情報、右隣の優先情報が表示され、さらに右隣遊技者の優先情報を上回るための条件を表示する。従って、2番台の遊技者は、右側のエアカーテン装置3の風量が変更される理由を認識することができる。
【0041】
そして、2番台の遊技者が遊技を終了するときにエアカーテン装置3から会員カードを排出すると、2番台のエアカーテン装置3は、図14に示すように会員カードが排出されたと判断し(D1:YES)、管理装置5へ遊技終了情報を送信すると共に(D2)、カード排出情報を右隣のエアカーテン装置3へ送信してから(D3)、現在の送風状況は左隣遊技者の副送風情報と不一致かを判断する(D4)。不一致の場合は(D4:YES)、左隣遊技者の副送風情報に基づいて風量を調整してから(D5)、カード排出情報を左隣のエアカーテン装置3へ送信する(D6)。
【0042】
一方、管理装置5は、図17に示すようにエアカーテン装置3より遊技終了情報を受信したときは(G4:YES)、2番台のエアカーテン装置3の対応遊技者の情報を更新する(G5)。従って、以後においては、1番台の遊技者が右側(2番台)のエアカーテン装置3の風量を調節操作したときは、その調節操作は2番台のエアカーテン装置の風量に直ちに反映されるようになる。
【0043】
このような実施例によれば、遊技台1の台間に設置するエアカーテン装置3は、会員カードが挿入されたときは、管理装置5から遊技者に対応付けて記憶されている風量を取得して当該風量となるようにファン10を調節することにより、遊技者が前回の風量調節時と同じ風量で送風するようにしたので、風量を一々調節しなければならない従来例のものと違って、遊技者の好みにカスタマイズでき、会員に対して快適な遊技環境を提供できるようになる。
【0044】
また、エアカーテン装置3は、当該エアカーテン装置3を挟んで隣接する二人の遊技者が好む風量が異なる場合は、会員の実績により優先順位を付け、優先順位の高い遊技者の好みを優先して風量を調節するようにしたので、遊技場への貢献度合いが高い優良顧客へ快適な遊技環境を提供することができ、優良顧客の満足度を高めて遊技者の囲い込みを図ることができる。
また、遊技者がエアカーテン装置3の風量を切替える場合は、現在の風量、或いは変更後の風量と、隣の遊技者と比較した状態での優先情報と、優先情報を上回るための条件とを表示するようにしたので、風量が変更されても、その理由や条件などが把握できるため、遊技者が目標を持って遊技したり、来店したりするようになる。
【0045】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
エアカーテン装置3の送風情報を遊技経過と対応させるようにしても良い。例えば、大当り5回までは風量を「弱」、10回までは「中」、20回以上は「強」としたり、遊技者毎に「売上玉数+払出玉数−打込玉数」から持玉数を演算し、その演算した持玉数と景品交換玉単価から仮想交換金額を演算して、その仮想景品交換金額と売上金額とから遊技者の勝ち負けの金額を演算し、その演算した金額に対応させて風量調整などを行うことにより送風状態を変更するようにしてもよい。例えば3万円以上勝っている場合は風量を「強」としたり、2万円以上負けているときは送風空気にマイナスイオンを混入したりすることによりリラックスさせるなどである。これらの送風情報は、実施例同様に遊技者が選択可能に構成され、遊技者自身が遊技経過の目安を送風状況でもって把握できると共に、送風により気分を高揚させたり、リラックスさせたりすることが可能となる。勿論、この場合も隣台との優先情報を比較すれば、更に遊技客に来店や、遊技を動機付ける機会が多くなる。
【0046】
優先情報(会員貢献度)を来店日数により定めたが、使用遊技媒体数、大当り回数などの稼動情報、売上金額、所謂貯玉(貯蓄遊技媒体)残数、ポイント数など、どのような情報、或いはこれらの情報の組合わせにより優先情報を定めるようにしてもよい。また、優先情報を特定付ける情報の範囲は実施例の数値に限定されることはない。
主送風情報及び副送風情報を各々設定するようにしたが、主送風情報のみを管理し、両隣のエアカーテン装置3の風量を主送風情報の変更をもって変更してもよい。
エアカーテン装置3の表示部17に対応遊技者と隣接遊技者の情報を表示するようにしたが、何れか一方のみを表示するようにしてもよい。
【0047】
送風情報としては風量を選択可能としたが、送風の有無のみを選択可能としたり、送風する空気の清浄機能の有無や、送風する空気に芳香剤や消臭剤やマイナスイオンなどを混入するか否か、或いはその種類など、遊技者にどのような送風情報を選択可能としてもよい。また、優先情報に応じて混入できる芳香剤や消臭剤などを制限、或いは変更するようにしてもよい。
【0048】
管理装置5のデータベースの記憶態様については例示であり、管理装置5にて一元的に記憶してもよいし、中継装置4や、会員カードなどにて記憶してもよく、どのような記憶態様を採用するかは任意である。
管理装置5が管理する遊技者IDについては、会員カードを用いて特定したが、生体認証や遊技者が所有する携帯電話機の電話番号などにより遊技者IDを特定するようにしてもよい。
【0049】
管理装置5から隣接遊技台の優先情報を該当する遊技機端末3へ送信するようにしてもよい。
エアカーテン装置3に表示部17を設けたが、操作部を別途設ければ、表示部17を省略するようにしてもよい。
対応するエアカーテン装置3としては遊技台1に向かって左側のエアカーテン装置3としたが、右側のエアカーテン装置3としてもよい。この場合、主送風情報と副送風情報とが入替わる(主送風情報が右側に対応する)。
遊技台1はパチンコ遊技機に限らずスロットマシンなど他の遊技機としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例におけるシステム構成を示す図
【図2】エアカーテン装置の斜視図
【図3】エアカーテン装置の縦断側面を示す模式図
【図4】エアカーテン装置の構成を示すブロック図
【図5】エアカーテン装置のデータベースを示す図
【図6】管理装置のデータベースを示す図
【図7】エアカーテン装置の表示部を示す正面図
【図8】エアカーテン装置の表示部の表示例を示す図
【図9】図8相当図
【図10】エアカーテン装置の処理を示すフローチャート
【図11】エアカーテン装置のカード挿入処理を示すフローチャート
【図12】エアカーテン装置の風量調節操作処理を示すフローチャート
【図13】エアカーテン装置の隣台送信情報受信処理を示すフローチャート
【図14】エアカーテン装置のカード排出処理を示すフローチャート
【図15】エアカーテン装置のカード排出情報受信処理を示すフローチャート
【図16】エアカーテン装置の風量変更処理を示すフローチャート
【図17】管理装置の処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0051】
図面中、1は遊技台、2は台間玉貸機、3はエアカーテン装置、5は管理装置(記憶手段、第2送信手段)、10はファン(送風手段)、16はカードユニット(読取手段)、17は表示部(表示手段)、20は制御装置(調節手段、第1送信手段、副調節手段、判定手段)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台に対応して設けられ、送風手段により遊技台間にエアカーテンを形成するエアカーテン装置を複数備えた遊技場用エアカーテンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店では遊技者が隣り合って遊技を行うため、遊技者が喫煙すると、隣の遊技者に対してその伏流煙等が流れていき不快な思いをさせる虞がある。このような問題を解消するため、例えば特許文献1では遊技台間にエアカーテンを形成するエアカーテン装置を設ける提案がされている。
【特許文献1】特開平10−15220号公報
【特許文献2】特開平2003−38812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなエアカーテン装置は、電源の入切や、風量調節等の調節操作を、遊技者が遊技開始する度に行う必要があった。また、各遊技台に対して、その片側(例えば遊技者が遊技する遊技台の左側)に隣接するエアカーテン装置のみが対応していることから、遊技者による操作対象は限定されている。例えば遊技者が喫煙を開始した場合に、遊技台左側のエアカーテン装置に対する調節操作は可能であるが、右側のエアカーテン装置を調節することができないので、喫煙を開始した遊技者の右側の遊技者が風量調節する必要がある。
【0004】
しかしながら、喫煙の開始に合わせて右側の遊技者が風量調節すると、喫煙に対する不快感を露骨に示すこととなる。このため、エアカーテン装置の風量調節を躊躇することになり、その結果、快適な環境で遊技することができなくなる虞があった。また、右側の遊技者にとっては、喫煙する訳でもないのに風量調節を強いられることとなり、風量調節操作を面倒に感じる虞もあった。さらに、右側の遊技者が喫煙を開始した場合は、喫煙を開始した右側の遊技者が風量調節を行わなければ、伏流煙を遮断することが出来ないことから、快適な遊技環境にて遊技を行えるとは言えなかった。
【0005】
他方、遊技店では遊技者の囲い込みを目的として遊技店会員を募集し、様々な特典を与えているが(例えば特許文献2参照)、会員と非会員、或いは、一般会員と優良会員とで差別化することが今一歩、難しかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、遊技台に隣接して設けられるエアカーテン装置に対する送風状態の調節の手間を必要とせずに遊技者にとって快適な遊技環境を提供することができると共に、遊技場に登録した会員に対する差別化を図ることにより遊技者の囲い込みを行うことができる遊技場用エアカーテンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、遊技者が遊技を開始するために、エアカーテン装置に自分の遊技者識別情報を読取らせると、エアカーテン装置の第1送信手段は、遊技者識別情報に遊技台識別情報を付加した遊技開始情報を管理装置へ送信する。すると、管理装置は、記憶手段に遊技者情報に対応して記憶している送風情報をエアカーテン装置へ送信するので、エアカーテン装置は、管理装置から受信した送風情報に基づいて遊技者が希望する送風状態に自動的に調整するようになる。従って、遊技開始時に、遊技者にとって快適な遊技環境を提供することができる。また、遊技者がエアカーテン装置の送風手段の送風状態を調節した場合は、その送風状態が管理装置の記憶手段に記憶されるので、遊技者の希望する送風状態が変更した場合であっても、その変更に対応することができる。従って、エアカーテン装置の利便性を高めることができる。
【0008】
一方、遊技場にとっては、利便性の高いエアカーテン装置を利用するために、遊技者が登録(会員登録)するようになるので、会員数の増加が見込め、遊技者の囲い込みを期待できる。
【0009】
請求項2の発明によれば、遊技者が喫煙を開始した場合に、副調節手段に対する調節操作により遊技台と反対側に位置するエアカーテン装置の送風手段の送風状態を調整することができるので、隣の遊技者に操作を強いることなく、エアカーテン装置の送風状態を調節することができる。また、隣の遊技者が喫煙した場合であっても、対応するエアカーテン装置の副調節手段を調節するのみで、隣の遊技者からの伏流煙を遮断できるようになり、ますます快適な遊技環境を提供することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、管理装置の記憶手段は、遊技者の遊技場に対する貢献度合いに応じて遊技者の優先順位を示す優先情報を記憶しており、管理装置の第2送信手段は、送風情報をエアカーテン装置へ送信する場合は、送風情報に加えて対応遊技台と反対側に位置する隣接遊技台の遊技者に対応する送風情報を優先情報の付加状態で送信する。そして、エアカーテン装置は、管理装置から受信した送風情報に基づいて対応遊技者の優先情報と隣接遊技台の遊技者の優先情報とを比較し、優先順位の高い遊技者の送風情報に基づいて送風手段の送風状態を調節する。従って、優先順位の高い遊技者にとっては、自身が遊技場にとって隣の遊技者よりも特別は遊技者であることを認識して優越感を覚えると共に、優先順位の低い遊技者は優先順位が高くなるように遊技を行うようになるので、総じて遊技台の稼動を高めることができる。
【0011】
請求項4の発明によれば、表示手段は、調節手段が対応遊技者と隣接遊技台の遊技者の優先情報を比較した結果、隣接遊技台の遊技者の優先順位が高くて送風状態を調節することができない場合に、両方の優先情報を比較可能に表示するので、送風状態が調整されない場合に、遊技者がその要因を把握し、優先順位を高くしようと思うようになることから、遊技者が目標を持つようになり、遊技や来店を動機付けることができる。
【0012】
請求項5の発明によれば、エアカーテン装置は、遊技者が遊技する遊技台の遊技経過に応じて送風手段の送風状態を調節するので、遊技者自身が遊技経過の目安を送風状況でもって把握できるとともに、疲労感や勝敗状況によるストレスなどを発散させたり、励ませたり、或いは気分を高揚させたりすることが可能となる。従って、遊技者自身がメリハリを持って遊技するようになり、遊技意欲を維持したり、遊技意欲を掻き立てたりするようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1は、システム全体の構成を概略的に示す図である。この図1において、遊技台島にはパチンコ機或いはパチスロ機などの複数の遊技台1が設置されている。これらの遊技台1間には台間玉貸機2及びエアカーテン装置3が設置されていると共に、各遊技台1に対応して中継装置4が遊技台島内に設置されている。
【0014】
中継装置4は、対応する遊技台1から出力される各種信号、及び台間玉貸機の売上信号を管理装置5に出力すると共に、管理装置5からの各種情報、或いは遊技台1側から入力した各種信号に基づいて集計した遊技情報をエアカーテン装置3に出力するI/O(Input/Output)の機能を有する。
管理装置(記憶手段、第2送信手段に相当)5は、各台間玉貸機2の売上情報を管理すると共に、各遊技台1の稼動情報を管理するようになっており、それらの情報に基づいて遊技場の経営を管理するための各種データを集計して帳票として出力可能となっている。
【0015】
図2はエアカーテン装置3の斜視図、図3はエアカーテン装置3の内部構造を模式的に示す側面図である。これらの図2及び図3において、エアカーテン装置3の主体をなす装置本体6の前面下部には吸込口7が設けられていると共に、前面上部には吹出口8が設けられている。装置本体6内には吸込口7と吹出口8とを連通するダクト状のファン収納部9が設けられている。このファン収納部9の上部にはファン(送風手段に相当)10が配置されており、そのファン10の駆動状態で、吸込口7から吸込まれた空気がファン収納部9を通じて吹出口8から前方に吹出される。ファン収納部9の中間部には光触媒ユニット11が取出可能に装着されている。光触媒ユニット11に対向して図示しないメイン基板が設けられており、そのメイン基板に搭載された紫外線照射用LEDから光触媒ユニット11に紫外線を照射することにより、光触媒ユニット11の浄化作用を促してファン収納部9を通過する空気を浄化するようになっている。装置本体6内の底面部には電源基板12が配置されている。
【0016】
ファン収納部9において吸込口7の背面となる部位にはフィルタ装着部13が形成されており、そのフィルタ装着部13にフィルタ14が装着されている。このフィルタ14は、通過する空気に含まれる微粒子、特には煙草の煙に含まれるヤニなどの微粒子を吸着するようになっている。
装置本体6の前面の上部には会員カード挿入口15が設けられており、その会員カード挿入口15に対応してカードユニット(読取手段に相当)16が装置本体6に内蔵されている。会員カードは、会員登録された遊技者に対してIDカードとして発行されるもので、その会員カードを利用して遊技することにより、遊技場が提供する各種サービス(貯玉、再プレイ、情報提供など)を利用することができる。
【0017】
装置本体6の前面の中間部には表示部(表示手段に相当)17が設けられている。この表示部17は、装置本体6の前方方向から対応する遊技台1と反対側へ例えば30度の範囲で10度ずつ傾き可能に設けられている。表示部17はタッチパネル18を有しており、そのタッチパネル18に対するタッチ操作に応じて会員が現在遊技している遊技台1の遊技データ或いは所望の遊技台1の遊技データを表示可能となっている。従って、会員は、表示部17に表示される遊技データに基づいて遊技台1を選択する目安としたり、現在遊技している遊技台1の遊技を継続するかの判断を行ったりすることができる。エアカーテン装置3の背面には、管理装置5、或いは中継装置4との間で情報を授受するために中継装置4の図示しない入出力コネクタに接続されたケーブルを接続する入出力用コネクタ19が設けられている。
【0018】
図4は、エアカーテン装置3の構成を示す機能ブロック図である。この図4において、エアカーテン装置3は制御装置(調節手段、第1送信手段、副調節手段、判定手段に相当)20を主体として構成されている。制御装置20は、表示部17に設けられたタッチパネル18から操作信号を受けると、ファン10の回転数を調整することによりその風量(送風状態に相当)を「通常」→「強」→「切」→「通常」と順に切り替える。また、制御装置20は、会員の遊技者による操作に応じて、現在遊技している遊技台1の遊技データ或いは所望の遊技台1の遊技データを管理装置5から入力したデータを表示部17に表示する。
【0019】
以上のように構成されたエアカーテン装置3においては、電源が投入された状態でタッチパネル18に対するタッチ操作により風量が選択されると、ファン10が駆動されて設定された風量を送風するようになる。このような送風状態では、吸込口7から空気が吸込まれ、空気中に含まれる塵や埃がフィルタ14で除去されてから、ファン収納部9を通過して吹出口8から前方に吹出されることによりエアカーテン装置3の前方、つまり遊技台1間にエアカーテンが形成される。
【0020】
ここで、エアカーテン装置3の制御装置20には本発明に関連してデータベースが設けられている。
図5は、エアカーテン装置3に設けられたデータベースの一例として2番台のエアカーテン装置3のデータベースを示している。データベースとしては、2番台と左右の遊技台となる1番台と3番台に対応付けて、遊技者、主送風情報、副送風情報、遊技者ID(遊技者識別情報に相当、対応する遊技台のみに設定されている)、優先情報、来店回数が設定されている。これらのデータは、後述する管理装置5のデータベースに記憶された情報と同一であり、遊技者がエアカーテン装置3に会員カードを挿入したことをトリガーとして管理装置5から受信して設定されるようになっている。
【0021】
一方、管理装置5にも本発明に関連してデータベースが設けられている。
図6は、管理装置5のデータベースを示している。データベースとしては、遊技者IDに対応付けて、以下のように定義される来店回数、優先情報、主送風情報、副送風情報、遊技台ID(遊技台識別情報に相当)が設定されている。
(1)来店回数:会員カードが挿入された日数で、営業開始から最初のカード挿入時に計数
(2)優先情報:「A」は来店回数が201以上、「B」は200以下で101以上、「C」は100以下で51以上、「D」は50以下で11以上、「E」は来店回数が10以下、「F」は非会員であり、優先順位は、A>B>C>D>E>Fである。尚、優先情報としては、来店回数をグループ化せずに、来店回数をそのまま優先情報として扱ってもよい。
(3)主送風情報:対応する遊技台1の左側のエアカーテン装置3の送風情報
(4)副送風情報:対応する遊技台1の右側のエアカーテン装置3の送風情報
(5)遊技台ID:会員カードが挿入されているエアカーテン装置3に対応する遊技台1の識別情報で、「−」は何れの遊技台1にも会員カードが未挿入状態であることを示している。尚、本実施例では、遊技台識別情報として遊技台IDとしたが、遊技台1を特定可能な情報、例えばエアカーテン装置3毎にIDを付与するようにしてもよい。
【0022】
これらのデータのうち主送風情報及び副送風情報は、後述するように遊技者がエアカーテン装置3に対して最後に選択した好みの風量である。
エアカーテン装置3は、後述するように対応遊技者(対応する遊技台1で遊技する遊技者)と隣接遊技者(隣接する遊技台1で遊技する遊技者)の優先順位を比較し、優先順位の高い遊技者が好む風量を設定するようになっている。
【0023】
次に上記構成の作用について説明する。
図10は、エアカーテン装置3の処理を示すフローチャートである。この図10において、エアカーテン装置3は、カード挿入処理(S1)、風量調節操作処理(S2)、隣台送信情報受信処理(S3)、カード排出処理(S4)、カード排出情報受信処理(S5)を繰返して実行している。
【0024】
さて、例えば図6で示す管理装置5のデータベースに記憶された遊技者ID「00001」の遊技者が、会員カード(カードID=00001)を2番台の遊技台1に対応したエアカーテン装置3(以下、2番台のエアカーテン装置3)の会員カード挿入口15に挿入すると、2番台のエアカーテン装置3は、図11に示すカード挿入処理において、カードが挿入されたと判断し(A1:YES)、カードIDを読取り(A2)、カードIDを遊技者IDとして対応遊技者の情報を更新し(A3)、次のように規定される遊技開始情報を管理装置5へ送信する(A3)。
【0025】
遊技開始情報=遊技台ID+遊技者ID
図17は、管理装置5の処理を示すフローチャートである。この図17において、管理装置5は、エアカーテン装置3より遊技開始情報を受信するか(G1)、風量変更情報(送風状態変更情報に相当)または遊技終了情報を受信するか(G4)を判断しており、遊技開始情報を受信したときは(G1:YES)、図6に示すデータベースにおける対応遊技者の情報を更新してから(G2)、送信元のエアカーテン装置3へ次のように規定される対応遊技者の管理情報を送信する(G3)。
管理情報=優先情報+主送風情報+副送風情報+来店回数
図6に示す例では、管理装置5のデータベースに遊技者ID「00001」に対応付けて記憶されているデータに基づいて、優先情報として「D」、主送風情報として「強」、副送風情報として「強」、来店回数として「37」が2番台のエアカーテン装置3へ送信される。
【0026】
2番台のエアカーテン装置3は、図11に示すように管理装置5から管理情報を受信したときは(A4:YES)、対応遊技者の情報を更新してから(A5)、風量変更処理を実行する(A6)。
図5に示す例では、データベースにおいて自己の遊技台IDである2番台に対応したデータを更新する。この場合、1番台と3番台に対応したエアカーテン装置3ついては、遊技者が既にエアカーテン装置3に会員カードを挿入しており、各遊技者に対応したデータを管理装置5から取得しているものとする。
【0027】
図16は、エアカーテン装置3の風量変更処理を示している。この図16において、2番台のエアカーテン装置3は、次のように規定される隣台送信情報を両隣となる1番台と3番台のエアカーテン装置3へ送信する(F1)。
隣台送信情報=遊技台ID+優先情報+主送風情報+副送風情報+来店回数
図5に示す例では、自己の遊技台IDである2番台に対応付けて記憶されているデータに基づいて、遊技台IDとして「2」、優先情報として「D」、主送風情報として「強」、副送風情報として「強」、来店回数として「37」が1番台と3番台のエアカーテン装置3へ送信される。
【0028】
次に、2番台のエアカーテン装置3は、対応遊技者の優先順位が左隣遊技者(1番台の遊技者)の優先順位より高いかを判断する(F2)。1番台に遊技者がいない場合、或いは対応遊技者の優先順位が1番台の遊技者の優先順位よりも高い場合は(F2:YES)、対応遊技者の主送風情報に基づいて風量を調整し、その旨を表示する(F3)。また、対応遊技者の優先順位が1番台の遊技者よりも優先順位が低い場合は(F2:NO)、左隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(F4)。
【0029】
図8は、エアカーテン装置3の表示部17の表示例を示している。この図8において、表示部17の表示領域は左右に区切られており、左半部がエアカーテン装置3自身と左隣のエアカーテン装置3との優先情報の比較を表示し、右半部がエアカーテン装置3自身と右隣のエアカーテン装置3との優先情報の比較を表示するものである。図8に示す例では、左隣の1番台で図6に示す遊技者IDが「00002」の遊技者が遊技していると共に、右隣の3番台で非会員の遊技者が遊技している場合に、遊技者IDが「00001」の遊技者が2番台のエアカーテン装置3に会員カードを挿入したときの表示例を示している。この場合、2番台のエアカーテン装置3における対応遊技者の優先情報は「D」、1番台の左隣遊技者の優先情報は「C」であり、対応遊技者は左隣遊技者よりも優先順位が低いことから、図8に示すように表示部17の左半部に謝っているキャラクタを出現させて、優先順位が左隣遊技者よりも低いことを表示する。同時に、現在の風量、お客様の優先情報、左隣の優先順位を表示し、さらに、左隣遊技者よりも優先順位が高くなる条件を表示する。
【0030】
次に、2番台のエアカーテン装置3は、図16に示すように対応遊技者の優先順位が右隣遊技者の優先順位よりも高いかを判断する(F5)。3番台に遊技者がいない場合、或いは対応遊技者の優先順位が3番台の遊技者の優先順位よりも高い場合は(F5:YES)、右隣遊技者よりも優先順位が高く風量を切り替える旨を表示する。また、対応遊技者の優先順位が3番台の遊技者よりも優先順位が低い場合は(F5:NO)、右隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(F7)。
【0031】
図8に示す例では、2番台の対応遊技者の優先情報は「D」、3番台の右隣遊技者の優先情報は「F」(非会員)で、対応遊技者の優先順位は右隣遊技者の優先順位よりも高いことから、表示部17の右半部に嬉しそうなキャラクタを出現させて、優先順位が右隣遊技者よりも高いことを表示する。同時に、変更後の風量、お客様の優先情報、右隣の優先順位を表示する。
以上のような表示により、2番台の遊技者は、会員カードをエアカーテン装置3に挿入した際に、現在の風量、或いは変更後の風量と、隣の遊技者と比較した状態での優先情報と、優先情報を上回るための条件とが表示されるので、風量が変更されない理由や、風量を変更することができる条件などを把握できる。
【0032】
一方、1番台及び3番台のエアカーテン装置3においては、2番台のエアカーテン装置3から隣台送信情報を受信するのに応じて、隣台送信情報受信処理を実行する。
図13は、隣台送信情報受信処理を示している。この図13において、1番台及び3番台のエアカーテン装置3は、2番台のエアカーテン装置3から隣台送信情報を受信したときは(C1:YES)、自己のデータベースにおいて送信元である2番台のエアカーテン装置3の対応遊技者の情報を更新してから(C2)、送信元が左隣かを判断する(C3)。この場合、1番台のエアカーテン装置3については、送信元の2番台のエアカーテン装置3は右隣となるから(C3:NO)、右隣遊技者の優先順位が対応遊技者の優先順位よりも高いかを判断し(C7)、高い場合は(C7:YES)、右隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示し(C8)、低い場合は(C7:NO)、何もすることなくリターンする。また、3番台のエアカーテン装置3については、送信元は左側であることから(C3:YES)、左隣遊技者の優先順位は対応遊技者の優先順位よりも高いかを判断し(C4)、高い場合は(C4:YES)、左隣遊技者の副送風情報に基づいて風量を調整すると共に(C5)、左隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(C6)。
以上のような動作により、1番台及び3番台のエアカーテン装置3においては、2番台のエアカーテン装置3に対する風量調整が優先順位に応じて変更されたり、表示が変更されたりする。
【0033】
さて、遊技者がエアカーテン装置3の風量調節を行う場合は、エアカーテン装置3の表示部17に風量調節画面を表示する。
図7は、表示部17に表示される風量調節画面を示している。この図7において、表示部17の表示領域は左半部と右半部に区切られて表示されており、左半部が自分自身に対する左側風量調節表示部17aに設定され、右半部が右隣のエアカーテン装置3に対する右側風量調節表示部17bに設定されている。各風量調節表示部17a,17bには、「強」釦21a、「中」釦21b、「弱」釦21c、「切」釦21d、現在の風量を表示する風量表示部22が表示されており、各釦21a〜21dに対するタッチ操作により風量表示部22に表示されている風量が変更されると共に、右側風量調節表示部17bの上方に表示されている「確定」釦23をタッチ操作することにより風量表示部22に表示されている風量を設定することができる。
【0034】
エアカーテン装置3は、図12に示す風量調節操作処理において、風量調節操作有りと判断した場合は(B1:YES)、風量調節された送風状況に基づき対応遊技者の情報を更新してから(B2)、会員カード挿入中かを判断する(B3)。この場合、会員カード挿入中であるので(B3:YES)、管理装置5へ次のように規定される風量変更情報を送信してから(B4)、図16に示す風量変更処理を実行する(B5)。
風量変更情報(または遊技終了情報)=遊技台ID+主送風情報+副送風情報+副送風情報+遊技者ID
管理装置5は、図17に示すようにエアカーテン装置3から風量変更処理を受信したときは(G4:YES)、対応遊技者の情報を更新する(G5)。つまり、図6に示すデータベースにおける主送風情報及び副送風情報を更新する。
【0035】
一方、エアカーテン装置3は、図16に示す風量変更処理において、隣台送信情報を両隣のエアカーテン装置3へ送信してから(F1)、対応遊技者と隣接遊技者との優先順位を比較し、その優先順位に基づいて風量を調整すると共に、比較結果を表示部17へ表示する(F2〜F7)。
以上のような表示により、2番台の遊技者は、風量を切替える場合は、現在の風量、或いは変更後の風量、隣の遊技者と比較した状態での優先情報、優先情報を上回るための条件などが表示されるので、風量が変更されない理由や、風量を変更することができる条件などが把握でき、目標を持って遊技したり、或いは次も来店しようと思ったりするようになる。
【0036】
さて、1番台の遊技者が遊技を終了するときにエアカーテン装置3から会員カードを排出すると、1番台のエアカーテン装置3は、図14に示すカード排出処理において、会員カードが排出されたと判断し(D1:YES)、管理装置5へ遊技終了情報を送信すると共に(D2)、カード排出情報を右隣のエアカーテン装置3へ送信してから(D3)、現在の送風状況は左隣遊技者の副送風情報と不一致かを判断する(D4)。1番台のエアカーテン装置3に関しては、左隣遊技者が存在しないことから、「NO」と判断してリターンする。
管理装置5は、図17に示すようにエアカーテン装置3から遊技終了情報を受信したときは(G4:YES)、図6に示すデータベースにおける対応遊技者の情報を更新する(G5)。
【0037】
一方、2番台のエアカーテン装置3は、図15に示すカード排出情報受信処理において、1番台のエアカーテン装置3からカード排出情報を受信したときは(E1:YES)、カード排出情報の送信元が左隣のエアカーテン装置3かを判断する(E2)。この場合、左隣であることから(E:YES)、現在の送風状況は対応遊技者の主送風情報と不一致かを判断し(E3)、不一致の場合は(E3:YES)、対応遊技者の主送風情報に基づいて風量を調整してから(E4)、左隣が遊技終了した旨を表示する(E5)。
【0038】
図5に示す2番台のエアカーテン装置3のデータベースの場合は、1番台のエアカーテン装置3の副送風情報は「中」であるのに対して、2番台のエアカーテン装置3の主送風情報は「強」であることから、対応遊技者の主送風情報に基づいて「強」となるように風量調整する。同時に、図9に示すように表示部17の左半部に、風量を変更する旨を表示すると共に、変更後の風量を表示する。従って、2番台の遊技者は、左側のエアカーテン装置の風量が変更される理由を認識することができる。
【0039】
また、3番台の遊技者が会員カードを排出した場合は、3番台のエアカーテン装置3から2番台のエアカーテン装置3へカード排出情報が送信されるので、2番台のエアカーテン装置3は、図15に示すステップE2において「NO」と判断し、右隣が終了した旨を表示する(E6)。
そして、2番台の遊技者よりも優先情報の高い遊技者が会員カードを3番台のエアカーテン装置3に挿入した場合は、3番台のエアカーテン装置3から2番台のエアカーテン装置3にそのことを示す隣台送信情報が送信される。
【0040】
2番台のエアカーテン装置3は、図13に示すステップC3において「NO」と判断し、右隣遊技者の優先順位は対応遊技者の優先順位よりも高いと判断することから(C7:YES)、右隣遊技者よりも優先順位が低い旨を表示する(C8)。
図9に示す例では、表示部17の右半部に、右隣遊技者の優先順位が高いことが表示されると共に、変更後の風量、お客様の優先情報、右隣の優先情報が表示され、さらに右隣遊技者の優先情報を上回るための条件を表示する。従って、2番台の遊技者は、右側のエアカーテン装置3の風量が変更される理由を認識することができる。
【0041】
そして、2番台の遊技者が遊技を終了するときにエアカーテン装置3から会員カードを排出すると、2番台のエアカーテン装置3は、図14に示すように会員カードが排出されたと判断し(D1:YES)、管理装置5へ遊技終了情報を送信すると共に(D2)、カード排出情報を右隣のエアカーテン装置3へ送信してから(D3)、現在の送風状況は左隣遊技者の副送風情報と不一致かを判断する(D4)。不一致の場合は(D4:YES)、左隣遊技者の副送風情報に基づいて風量を調整してから(D5)、カード排出情報を左隣のエアカーテン装置3へ送信する(D6)。
【0042】
一方、管理装置5は、図17に示すようにエアカーテン装置3より遊技終了情報を受信したときは(G4:YES)、2番台のエアカーテン装置3の対応遊技者の情報を更新する(G5)。従って、以後においては、1番台の遊技者が右側(2番台)のエアカーテン装置3の風量を調節操作したときは、その調節操作は2番台のエアカーテン装置の風量に直ちに反映されるようになる。
【0043】
このような実施例によれば、遊技台1の台間に設置するエアカーテン装置3は、会員カードが挿入されたときは、管理装置5から遊技者に対応付けて記憶されている風量を取得して当該風量となるようにファン10を調節することにより、遊技者が前回の風量調節時と同じ風量で送風するようにしたので、風量を一々調節しなければならない従来例のものと違って、遊技者の好みにカスタマイズでき、会員に対して快適な遊技環境を提供できるようになる。
【0044】
また、エアカーテン装置3は、当該エアカーテン装置3を挟んで隣接する二人の遊技者が好む風量が異なる場合は、会員の実績により優先順位を付け、優先順位の高い遊技者の好みを優先して風量を調節するようにしたので、遊技場への貢献度合いが高い優良顧客へ快適な遊技環境を提供することができ、優良顧客の満足度を高めて遊技者の囲い込みを図ることができる。
また、遊技者がエアカーテン装置3の風量を切替える場合は、現在の風量、或いは変更後の風量と、隣の遊技者と比較した状態での優先情報と、優先情報を上回るための条件とを表示するようにしたので、風量が変更されても、その理由や条件などが把握できるため、遊技者が目標を持って遊技したり、来店したりするようになる。
【0045】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
エアカーテン装置3の送風情報を遊技経過と対応させるようにしても良い。例えば、大当り5回までは風量を「弱」、10回までは「中」、20回以上は「強」としたり、遊技者毎に「売上玉数+払出玉数−打込玉数」から持玉数を演算し、その演算した持玉数と景品交換玉単価から仮想交換金額を演算して、その仮想景品交換金額と売上金額とから遊技者の勝ち負けの金額を演算し、その演算した金額に対応させて風量調整などを行うことにより送風状態を変更するようにしてもよい。例えば3万円以上勝っている場合は風量を「強」としたり、2万円以上負けているときは送風空気にマイナスイオンを混入したりすることによりリラックスさせるなどである。これらの送風情報は、実施例同様に遊技者が選択可能に構成され、遊技者自身が遊技経過の目安を送風状況でもって把握できると共に、送風により気分を高揚させたり、リラックスさせたりすることが可能となる。勿論、この場合も隣台との優先情報を比較すれば、更に遊技客に来店や、遊技を動機付ける機会が多くなる。
【0046】
優先情報(会員貢献度)を来店日数により定めたが、使用遊技媒体数、大当り回数などの稼動情報、売上金額、所謂貯玉(貯蓄遊技媒体)残数、ポイント数など、どのような情報、或いはこれらの情報の組合わせにより優先情報を定めるようにしてもよい。また、優先情報を特定付ける情報の範囲は実施例の数値に限定されることはない。
主送風情報及び副送風情報を各々設定するようにしたが、主送風情報のみを管理し、両隣のエアカーテン装置3の風量を主送風情報の変更をもって変更してもよい。
エアカーテン装置3の表示部17に対応遊技者と隣接遊技者の情報を表示するようにしたが、何れか一方のみを表示するようにしてもよい。
【0047】
送風情報としては風量を選択可能としたが、送風の有無のみを選択可能としたり、送風する空気の清浄機能の有無や、送風する空気に芳香剤や消臭剤やマイナスイオンなどを混入するか否か、或いはその種類など、遊技者にどのような送風情報を選択可能としてもよい。また、優先情報に応じて混入できる芳香剤や消臭剤などを制限、或いは変更するようにしてもよい。
【0048】
管理装置5のデータベースの記憶態様については例示であり、管理装置5にて一元的に記憶してもよいし、中継装置4や、会員カードなどにて記憶してもよく、どのような記憶態様を採用するかは任意である。
管理装置5が管理する遊技者IDについては、会員カードを用いて特定したが、生体認証や遊技者が所有する携帯電話機の電話番号などにより遊技者IDを特定するようにしてもよい。
【0049】
管理装置5から隣接遊技台の優先情報を該当する遊技機端末3へ送信するようにしてもよい。
エアカーテン装置3に表示部17を設けたが、操作部を別途設ければ、表示部17を省略するようにしてもよい。
対応するエアカーテン装置3としては遊技台1に向かって左側のエアカーテン装置3としたが、右側のエアカーテン装置3としてもよい。この場合、主送風情報と副送風情報とが入替わる(主送風情報が右側に対応する)。
遊技台1はパチンコ遊技機に限らずスロットマシンなど他の遊技機としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例におけるシステム構成を示す図
【図2】エアカーテン装置の斜視図
【図3】エアカーテン装置の縦断側面を示す模式図
【図4】エアカーテン装置の構成を示すブロック図
【図5】エアカーテン装置のデータベースを示す図
【図6】管理装置のデータベースを示す図
【図7】エアカーテン装置の表示部を示す正面図
【図8】エアカーテン装置の表示部の表示例を示す図
【図9】図8相当図
【図10】エアカーテン装置の処理を示すフローチャート
【図11】エアカーテン装置のカード挿入処理を示すフローチャート
【図12】エアカーテン装置の風量調節操作処理を示すフローチャート
【図13】エアカーテン装置の隣台送信情報受信処理を示すフローチャート
【図14】エアカーテン装置のカード排出処理を示すフローチャート
【図15】エアカーテン装置のカード排出情報受信処理を示すフローチャート
【図16】エアカーテン装置の風量変更処理を示すフローチャート
【図17】管理装置の処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0051】
図面中、1は遊技台、2は台間玉貸機、3はエアカーテン装置、5は管理装置(記憶手段、第2送信手段)、10はファン(送風手段)、16はカードユニット(読取手段)、17は表示部(表示手段)、20は制御装置(調節手段、第1送信手段、副調節手段、判定手段)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に対応して設けられ、送風手段により遊技台間にエアカーテンを形成するエアカーテン装置を複数備えた遊技場用エアカーテンシステムにおいて、
前記エアカーテン装置を管理する管理装置を備え、
前記エアカーテン装置は、
前記遊技台で遊技する遊技者の遊技者識別情報を読取る読取手段と、
遊技者による調節操作に応じて前記送風手段の送風状態を調節する調節手段と、
前記読取手段が前記遊技者識別情報を読取った場合に、前記遊技者識別情報が付加された遊技開始情報を前記管理装置へ送信すると共に、遊技者が前記調節手段に対して調節操作した場合に、遊技者が調節操作した送風状態を前記遊技者識別情報に付加した送風状態変更情報を送信する第1送信手段とを備え、
前記管理装置は、
前記エアカーテン装置から前記送風状態変更情報を受信した場合に、当該送風状態変更情報が示す送風情報を前記遊技者識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記エアカーテン装置から前記遊技開始情報を受信した場合に、当該遊技開始情報が示す遊技者識別情報に対応付けて前記記憶手段が記憶している送風情報を前記エアカーテン装置へ送信する第2送信手段とを備え、
前記エアカーテン装置の前記調節手段は、前記管理装置から前記送風情報を受信した場合に、当該送風情報に応じて前記送風手段の送風状態を調節することを特徴とする遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項2】
前記エアカーテン装置は、
遊技者による調節操作に応じて対応する対応遊技台を挟んで反対側に位置する隣接エアカーテン装置の送風手段の送風状態を調節する副調節手段を備え、
前記エアカーテン装置の前記第1送信手段は、遊技者が前記副調節手段に対して調節操作した場合に、その送風状態を示す隣台送信情報を送信し、
前記エアカーテン装置の前記調節手段は、前記隣台送信情報を受信した場合に、当該隣台送信情報が示す送風状態となるように前記送風手段を調節することを特徴とする請求項1記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項3】
前記管理装置の前記記憶手段は、前記遊技者識別情報に対応して遊技者の遊技店への貢献度に応じた優先順位を示す優先情報を記憶しており、
前記エアカーテン装置の前記調節手段は、前記管理装置から受信した送風情報に基づいて前記対応遊技台で遊技する対応遊技者の優先情報と当該対応遊技台に隣接する隣接遊技台で遊技する隣接遊技者の優先情報とを比較し、優先順位の高い遊技者の送風情報に基づいて前記送風手段の送風状態を調節することを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項4】
前記エアカーテン装置は表示手段を備え、
前記表示手段は、前記調節手段が前記対応遊技者と前記隣接遊技者の優先情報を比較した結果、前記隣接遊技者の優先順位が高くて送風状態を調節することができない場合に、両方の優先情報を比較可能に表示することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項5】
前記エアカーテン装置は、前記対応遊技台の遊技情報を入力して遊技経過を判定する判定手段を備え、
前記調節手段は、遊技者による調節操作に代えて前記判定手段が判定した遊技経過に応じて前記送風手段の送風状態を調節することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項1】
遊技台に対応して設けられ、送風手段により遊技台間にエアカーテンを形成するエアカーテン装置を複数備えた遊技場用エアカーテンシステムにおいて、
前記エアカーテン装置を管理する管理装置を備え、
前記エアカーテン装置は、
前記遊技台で遊技する遊技者の遊技者識別情報を読取る読取手段と、
遊技者による調節操作に応じて前記送風手段の送風状態を調節する調節手段と、
前記読取手段が前記遊技者識別情報を読取った場合に、前記遊技者識別情報が付加された遊技開始情報を前記管理装置へ送信すると共に、遊技者が前記調節手段に対して調節操作した場合に、遊技者が調節操作した送風状態を前記遊技者識別情報に付加した送風状態変更情報を送信する第1送信手段とを備え、
前記管理装置は、
前記エアカーテン装置から前記送風状態変更情報を受信した場合に、当該送風状態変更情報が示す送風情報を前記遊技者識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記エアカーテン装置から前記遊技開始情報を受信した場合に、当該遊技開始情報が示す遊技者識別情報に対応付けて前記記憶手段が記憶している送風情報を前記エアカーテン装置へ送信する第2送信手段とを備え、
前記エアカーテン装置の前記調節手段は、前記管理装置から前記送風情報を受信した場合に、当該送風情報に応じて前記送風手段の送風状態を調節することを特徴とする遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項2】
前記エアカーテン装置は、
遊技者による調節操作に応じて対応する対応遊技台を挟んで反対側に位置する隣接エアカーテン装置の送風手段の送風状態を調節する副調節手段を備え、
前記エアカーテン装置の前記第1送信手段は、遊技者が前記副調節手段に対して調節操作した場合に、その送風状態を示す隣台送信情報を送信し、
前記エアカーテン装置の前記調節手段は、前記隣台送信情報を受信した場合に、当該隣台送信情報が示す送風状態となるように前記送風手段を調節することを特徴とする請求項1記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項3】
前記管理装置の前記記憶手段は、前記遊技者識別情報に対応して遊技者の遊技店への貢献度に応じた優先順位を示す優先情報を記憶しており、
前記エアカーテン装置の前記調節手段は、前記管理装置から受信した送風情報に基づいて前記対応遊技台で遊技する対応遊技者の優先情報と当該対応遊技台に隣接する隣接遊技台で遊技する隣接遊技者の優先情報とを比較し、優先順位の高い遊技者の送風情報に基づいて前記送風手段の送風状態を調節することを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項4】
前記エアカーテン装置は表示手段を備え、
前記表示手段は、前記調節手段が前記対応遊技者と前記隣接遊技者の優先情報を比較した結果、前記隣接遊技者の優先順位が高くて送風状態を調節することができない場合に、両方の優先情報を比較可能に表示することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【請求項5】
前記エアカーテン装置は、前記対応遊技台の遊技情報を入力して遊技経過を判定する判定手段を備え、
前記調節手段は、遊技者による調節操作に代えて前記判定手段が判定した遊技経過に応じて前記送風手段の送風状態を調節することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用エアカーテンシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−148992(P2008−148992A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341185(P2006−341185)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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