説明

遊技場用システム

【課題】所定の景品との交換の魅力を高めることで集客力を向上することが可能な遊技場用システムを提供する。
【解決手段】貯玉や持玉を利用して遊技場が提供する一般景品を共同交換により定価から割安な交換対価を設定したり、或いは一般店舗が提供する商品を共同交換の対象としたりするようにした。これにより、遊技場にとっては遊技者を呼び込むための手段として活用したり、他の遊技場との差別化を図ったりすることができる。また、特定の景品に限って大量発注することが出来るので、割安に仕入れることができ、在庫を大量に抱えるリスクも無い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が獲得した遊技価値と所定の景品との交換の促進を図ることが可能な遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場では、遊技者が遊技によって遊技媒体を獲得した場合に、第三者による買取りを前提とした景品である特殊景品やそれ以外の一般景品と交換する処理が行われている(特許文献1参照)。ある遊技場では、一般景品の品揃えを良くすることで、他の遊技場との差別化を図ったり、遊技場来店に結びつけたりする試みも見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−113445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、品揃えを良くするためには、その分のスペースを確保する必要があり、また在庫を大量に抱えなければならないという問題があった。また、品揃えを良くしたとしても特に特殊景品の交換率が高い遊技場では、遊技者にとって一般景品と交換するメリットが乏しいため、品揃えだけでは上記目的を達成するのが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、所定の景品との交換の魅力を高めることで集客力を向上することが可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技場用システムは、遊技者が遊技によって獲得した遊技価値を貯蓄遊技価値として、その数量を当該遊技者が識別可能な遊技者識別情報と対応付けて記憶する貯蓄記憶手段と、所定の景品に対して指定された数量の遊技価値である交換対価と交換するために必要な交換可能条件を記憶する交換可能条件記憶手段と、前記交換可能条件として最低基準値及び受付期限を設定することが可能な交換可能条件設定手段と、前記所定の景品との交換を希望する遊技者が応募のために操作する応募操作手段と、前記応募操作手段が操作された場合に、当該交換を希望する遊技者が前記交換対価を貯蓄しているか否かを判定する貯蓄数量判定手段と、前記貯蓄数量判定手段により前記遊技者が前記交換対価を貯蓄していると判定した場合に当該交換対価以上の前記貯蓄遊技価値を担保として応募を受付け、当該遊技者の前記遊技者識別情報を記憶する受付手段と、担保とされた前記貯蓄遊技価値を他の景品との交換に使用することを禁止する禁止手段と、前記受付手段による受付結果に基づいて、前記受付期限内に前記景品の交換希望者数、前記景品の応募数、又は応募に係る景品数が前記最低基準値以上となった場合に前記交換可能条件が成立したと判定する判定手段と、前記判定手段により前記交換可能条件が成立しなかったと判定された場合に、前記禁止手段による禁止を解除する解除手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1に記載の遊技場用システムにおいて、
前記遊技者が所有する遊技価値のうち前記貯蓄遊技価値を除いた遊技価値である持遊技価値の数量を特定可能な持遊技価値数量特定手段と、前記応募操作手段が操作された場合に、前記持遊技価値数量特定手段により特定された前記持遊技価値の数量が前記交換対価以上であるか否かを判定する持数量判定手段と、前記持数量判定手段により前記持遊技価値の数量が前記交換対価以上であると判定された場合に当該交換対価に相当する数量の前記持遊技価値を回収する回収手段と、を備え、前記受付手段は、前記回収手段が前記持遊技価値を回収した場合に応募を受付け、受付の証明書を発行するか、又は当該遊技者が所有する携帯端末の識別情報を記録するようにしても良い(請求項2)。
【0007】
請求項1又は2に記載の遊技場用システムにおいて、
応募操作を行った遊技者を特定可能な遊技者特定情報を取得する遊技者特定情報取得手段と、前記遊技者特定情報取得手段の取得情報に基づいて、同一の景品について同一人物が応募したか否かを判定する同一人物応募判定手段と、1人当たりの景品希望数の上限値を設定する上限値設定手段と、を備えるようにしても良い(請求項3)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、遊技場側は所定の景品(例えば、普段提供している景品や特別に用意した限定品など)に対して通常よりも割安な交換対価を設定することで、遊技者を呼び込むことが可能となる。また、他の遊技場との差別化を図ることができる。さらに、特定の景品に限って大量発注することが出来るので、割安に仕入れることができ、在庫を大量に抱えるリスクも無い。
請求項2の発明によれば、遊技者識別情報に対応付けて遊技価値を貯蓄していない遊技者、例えば非会員の遊技者であっても共同交換に参加することができるので、より多くの参加者を募ることが可能となり、サービスの普及を促進することができる。
請求項3の発明によれば、非会員のような遊技価値が遊技者識別情報と対応付けられていない遊技者に対しても2重応募を判定することができるので、1人当たりの景品希望数を制限することができる。遊技者を特定する手法としては、遊技機に対応してカメラを設ける他、受付の証明書発行時に、遊技者の指紋や虹彩情報を取得することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態における共同交換システムの構成を示す概略図
【図2】共同交換システムの全体構成を概略的に示す図
【図3】遊技場用交換可能条件設定画面を示す図
【図4】貯蓄DBを示す図
【図5】共同交換応募DBを示す図
【図6】引換券DBを示す図
【図7】景品別未引渡し会員DBを示す図
【図8】共同交換用景品管理DBを示す図
【図9】共同交換対象景品一覧画面を示す図
【図10】共同交換可能条件が成立する前の共同交換応募画面を示す図
【図11】共同交換可能条件が成立した状態で示す図10相当図
【図12】サーバによる交換可能条件受付処理を示すフローチャート
【図13】管理装置による交換可能条件設定処理を示すフローチャート
【図14】遊技機側による共同交換受付処理を示すフローチャート
【図15】管理装置による共同交換受付処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を共同交換システムに適用した一実施形態について図面を参照して説明する。
図2は共同交換システムの構成を概略的に示している。共同交換システムは、サービスを提供する業者のサーバ1と、遊技場A〜Cの管理装置2(図1参照)と、一般店舗のパソコン(図示せず)とをインターネット3を介して接続して構成されており、遊技場A〜Cで遊技する遊技者に対して遊技場が提供する景品、或いは一般店舗A〜Cが提供する商品を遊技者が獲得した有価価値を対価とした共同交換により値引販売するものである。つまり、共同交換システムは、遊技者にとっては景品、或いは一般店舗の商品を共同交換により安価に入手可能となり、遊技場にとっては遊技者の来店を動機付けることができ、一般店舗にとっては大量販売による売上増を期待することができる。
【0011】
図1は、遊技場の構成を示す概略図である。遊技場にはパチンコ遊技機(以下、遊技機という)4に対応して貸出装置5、各台計数機(台毎端末)6が設置され、管理室には管理装置2が設置されている。中継装置7は、2台の遊技機4、2台の貸出装置5、2台の各台計数機6、及び管理装置2と接続されている。管理装置2は、遊技機側(遊技機4、貸出装置5、各台計数機6等を含めた総称で、以下同様)から送信される遊技信号を中継装置7を介して受信することにより遊技機4の遊技データを管理する。POS端末8は管理装置2と接続されており、IC会員カード或いはIC持玉券による景品交換時に管理装置2に真偽を確認した上で景品交換を実行する。尚、図1では省略したが、実際には数百台の遊技機4が管理装置2の管理対象となる。
【0012】
管理対象となる遊技機4は、発射装置を構成する操作ハンドル9に対する操作により盤面10に発射した玉(遊技媒体)が始動口11、始動口12に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部13において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口14を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿15にて受けられ、この上部受皿15が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿16で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0013】
遊技機側からは次の信号が出力される。
アウト信号=使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機4から出力される信号であっても良い。
セーフ信号=遊技機4から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数)を特定可能な信号。遊技機4での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
スタート信号=遊技機4から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口11又は始動口12への入賞により変動(作動)する表示部13(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口11又は始動口12への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
【0014】
大当たり信号=遊技機4から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
特別状態信号=遊技機4から出力される特定状態を特定可能な信号。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)なので、特別状態信号受信中を特別状態中として特定する。尚、確変中だけでなく、始動口11又は始動口12への入賞率が向上する時短中にレベル出力される。
売上信号=貸出装置5から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした売上玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定する。
【0015】
貸出機5は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部、I/Fからなる送受信部、表示部を備えた所謂CRユニットとして構成されており、貨幣投入口17に投入された価額に応じた玉を遊技機4から払出す。タッチパネルを備えた情報表示部18(応募操作手段に相当)は、対応する遊技機4に関する遊技情報等を表示可能である。また、第1カード挿入口19から景品との引換を可能とする引換券を発行すると共に、引換券が挿入された場合は、持玉券として扱うことにより払戻しを可能とする。
各台計数機6は、CPUからなる制御部(貯蓄数量判定手段、持遊技価値数量特定手段、持数量判定手段、回収手段に相当)、CF、RAM、ROMからなる記憶部、I/Fからなる送受信部を備えており、中継装置7を介して管理装置2、及び貸出装置5と接続されて各種情報の送受信が可能となっている。
【0016】
各台計数機6は最下部に旋回式の玉受部20を備えており、遊技機4の下部受皿16から落下した玉を玉受部20で受けて内部に取り込むことで計数する。計数した玉は持数(持玉の数)として記憶し、「払出」釦21の操作に応じてノズル22から玉を払出し、玉の払出に応じて持玉数を減算する。第2カード挿入口23にIC会員カードが挿入された状態で「発券」釦24が操作されると持玉数を管理装置2に出力すると共に、当該持玉数を記憶させたIC会員カードを発行する。一方、IC会員カードが挿入されていない状態で「発券」釦24が操作されると持玉数を管理装置2に出力すると共に、当該持玉数を記憶させたIC持玉券を発行する。
中継装置7は、CPUからなる制御部、CF、RAM、ROMからなる記憶部、I/Fからなる送受信部を備えており、遊技機4、各台計数機6、貸出装置5、管理装置2と接続されて各種情報の送受信が可能となっている。
【0017】
管理装置2は、CPUからなる制御部(交換可能条件設定手段、受付手段、禁止手段、判定手段、解除手段に相当)、HDD、RAM、ROMからなる記憶部(貯蓄記憶手段、交換可能条件記憶手段に相当)、I/Fからなる送受信部を備えており、貯蓄DB、共同交換応募DB、引換券DBが設定されている。
図4は貯蓄DBを示しており、会員ID、玉/メダル、持数、貯蓄数(貯蓄遊技価値に相当)に加えて次の各項目が設定されている。
・担保:共同交換応募のため担保(使用禁止)となっている遊技価値の数量。
・使用可能持数:持数のうち担保となっていない遊技価値の数量(持数のうち使用可能な遊技価値の数量)。
・使用可能貯蓄数:貯蓄数のうち担保となっていない遊技価値の数量(貯蓄数のうち使用可能な遊技価値の数量)。
【0018】
図5は共同交換応募DBを示しており、次の各項目が設定されている。
・景品整理番号:交換可能条件設定時に割当てる整理番号。
・応募個数:現在の応募個数。
・成立状況:現在の交換可能条件成立状況。「未成立」「成立」「不成立」の何れか。
図6は引換券DBを示しており、次の各項目が設定されている。
・発行日:引換券の発行日
・発行時刻:引換券の発行時刻
・成立状況:「未成立」「成立」「不成立」の何れか。
・残遊技価値:成立状況が「不成立」となった場合に交換対価を残遊技価値として表示する。景品交換や再プレイに使用された場合はその分減算。
・引換:成立状況が「成立」となった場合、又は成立状況が「不成立」となった後、残遊技価値が0となった場合に「済」を入力。
【0019】
さて、遊技場の管理者は、遊技者が有する有価価値を交換可能条件として共同交換による値引景品を宣伝する場合は、管理装置2に対して共同交換の交換可能条件を設定する。
図3は遊技場用交換可能条件設定画面を示している。遊技場用交換可能条件設定画面25は、景品名入力部25a、定価入力部(玉)25b、定価入力部(メダル)25c、割引後入力部(玉)25d、割引後入力部(メダル)25e、最低基準値入力部25f、上限数入力部25g、受付開始入力部(年月日)25h、受付開始入力部(時刻)25i、受付終了入力部(年月日)25j、受付終了入力部(時刻)25k、コメント入力部25l、「確定」釦25m、「キャンセル」釦25nが設定されており、各表示項目の意味は次の通りである。
【0020】
・定価:メーカー希望小売価格を玉1個当たりの貸出単価4円、メダル1枚当たりの貸出単価20円で除した値。
・割引後:交換可能条件が成立した場合の交換対価。
・最低基準値:交換可能条件の1つであり、交換可能条件成立となるための最低基準値を設定。尚、本実施形態では応募に係る景品の個数を最低基準値の対象としているが、応募数や応募者数を対象にしても良い。
・上限数:景品の上限数の設定。設定する必要がなければ空欄で可。
・受付開始、受付終了(受付期限に相当):交換可能条件の1つであり、交換可能期間の設定。
【0021】
遊技場の管理者は、遊技場用交換可能条件設定画面に全ての項目を入力した場合は、「確定」釦36をタッチ操作する。
図13は管理装置2による交換可能条件設定処理を示すフローチャートである。管理装置2は、管理装置2にて交換可能条件が設定されたか(B1)、サーバ1側から一般設定信号を入力したか(B3)を判定している。上述のようにして管理装置2にて交換可能条件が設定された場合は(B1:YES)、遊技機側に交換可能条件信号を出力する(B2)。
【0022】
図14は遊技機側による遊技機側共同交換受付処理を示すフローチャートである。遊技機側は、交換可能条件信号、一般設定信号、又は更新信号を入力したか(C1)、IC会員カードを受付けたか(C3)、情報表示部18で景品が選択されたか(C5)、情報表示部18で「応募」釦が操作されたか(C7)、「発券」釦24が押されたか(C14)を判定している。管理装置2から交換可能条件信号を入力したときは(C1:YES)、情報表示部18の共同交換対象景品を更新する(C2)。
【0023】
図9は共同交換対象景品一覧画面の一例を示している。この例では、共同交換対象景品一覧画面26には、景品Aを玉200個又はメダル40枚で20%割引いて共同交換可能であることを示す景品A選択釦26a、景品Bを玉425個又はメダル85枚で15%割引いて共同交換可能であることを示す景品B選択釦26b、景品Cを玉75個又はメダル15枚で50%割引いて共同交換可能であることを示す景品C選択釦26c、景品Dを玉120個又はメダル24枚で20%割引いて共同交換可能であることを示す景品D選択釦26dが表示され、さらに「前」釦26e、「後」釦26fが表示されており、前頁、後頁への移動が可能となっている。尚、景品とは、遊技場が掲載する場合は一般景品のことであり、後述するように一般店舗が掲載する場合は当該店舗が扱う商品のことである。
【0024】
一方、遊技場以外の一般店舗が共同交換サービスを実行したい場合は、サービス提供者のサーバ1が提供するウェブサイトにアクセスする。一般店舗のパソコンには図示しない初期画面が表示され、その表示画面に「新規登録」釦、「ログイン」釦が表示されるので、新規登録する場合は「新規登録」釦を選択する。すると、図示しない新規登録画面が表示されるので、その新規登録画面にて店舗名、住所、電話番号、ログイン時のパスワード等を入力した後、交換可能条件設定画面にて募集を掛けたい景品の情報、最低基準値、受付期限等の各条件を設定する。一般店舗用の交換可能条件設定画面の入力項目は図3の遊技場用の設定画面とほぼ同じであるが、さらに遊技場の選択項目があり、選択された遊技場にて募集を掛けることができる。募集が掛けられた場合、サービス提供者が内容を確認した後、情報表示部18に掲載する。掲載前に各遊技場も確認できるようにしてもよい。また、複数の遊技場を選択した場合、最低基準値を個別に設定することもできるし、合計値で設定することもできるようになっている。
【0025】
図12はサーバ1による交換可能条件受付処理を示すフローチャートである。サーバ1は、新規登録の入力がされたか(A1)、ログインか(A3)を判定している。上述のように新規登録の入力が行われた場合は(A1:YES)、入力情報を登録することにより新規登録する(A2)。このように新規登録した以後においては、ウェブサイトにアクセスして「ログイン」釦を選択してログインすることにより交換可能条件の入力が可能となる。
【0026】
サーバ1は、ログインされた場合は(A3:YES)、アクセスしたパソコンに交換可能条件設定画面を表示するので、一般店舗では、パソコンに表示された交換可能条件設定画面にて、景品の情報、最低基準値、受付期限(受付開始、受付終了)等を設定する。また、必要に応じて、景品の上限数等を設定する。サーバ1は、交換可能条件が入力された場合は(A4:YES)、サーバ1側にて受付完了の処理がされたか(A5)、受付拒否の処理がされたか(A8)を判定するようになる。サービス提供者は、入力情報をチェックし、入力情報が正しい場合はサーバ1に対して受付完了の処理を行い、入力情報が正しくない場合は受付拒否の処理を行う。サーバ1は、受付完了の処理がされた場合は(A5:YES)、申請者に完了のメールを通知してから(A6)、選択された遊技場の管理装置2に交換可能条件を含む一般設定信号を出力する(A7)。一方、受付拒否の処理がされた場合は(A8:YES)、申請者に拒否のメールを通知する(A9)。
【0027】
管理装置2は、サーバ1側から一般設定信号を入力したときは(B3:YES)、遊技機側に一般設定信号を出力する(B4)。
遊技機側は、管理装置2から一般設定信号を入力したときは(C1:YES)、情報表示部18の共同交換対象景品を更新する(C2)。このような設定後においては、貸出装置5の情報表示部18にて設定された情報が自動掲載される。
【0028】
さて、遊技者が図9の共同交換対象景品一覧画面の表示状態で所望の景品を選択した場合は、貸出装置5は、情報表示部18に共同交換応募画面を表示する。
図10は景品A選択釦26aが選択された場合において共同交換可能条件が成立する前の共同交換応募画面を示している。共同交換応募画面27には、上述した景品Aの交換可能条件27aに加えて、受付終了日時27b、残り時間27c、遊技者の貯蓄数(玉)27d、貯蓄数(メダル)27e、持数(玉)27f、持数(メダル)27g、共同交換最低基準値27h、現在の応募数27i、共同交換最低基準値に対する現在の応募数の割合を示すバー表示27j、上限応募数27k、個数入力部27lが表示され、さらに「前」釦27m、「次」釦27n、「コメント」釦27o、「一覧」釦27p、「応募」釦27qが表示されている。図10に示す例では、共同交換最低基準値が200個、現在の応募数が172個、上限応募数が2000個であることを示している。
【0029】
遊技者が情報表示部18に表示された共同交換対象景品を共同交換応募するには、IC会員カードを挿入して行う方法と、IC会員カードを挿入せずに行う方法とがある。
(IC会員カードを挿入して共同交換する場合)
遊技者が各台計数機6にIC会員カードを挿入すると、各台計数機6は、管理装置2側から貯蓄DBに記憶されている貯蓄数と持数を入力して表示する。従って、遊技者は、貯蓄DBに記憶されている貯蓄数或いは持数の範囲内で玉或いはメダルを払い戻して遊技することができる。また、獲得玉を各台計数機6で計数することで、持玉を増やしたり、持玉の範囲内で貯玉することにより貯蓄数を増やしたりすることができる。
【0030】
遊技者が応募個数を入力した状態で「応募」釦27qをタッチすると、貸出装置5は、「応募」釦27qが操作されたと判定する(C7:YES)。このとき、個数が指定され(C8:YES)、ざらにIC会員カードが挿入されていることから(C9:YES)、現在の貯蓄数と持数との加算数が足りるかを判定する(C10)。この場合、景品との交換に必要な数量の貯蓄遊技価値又は持遊技価値(交換対価)があれば(C10:YES)、その数量の遊技価値を担保として使用(景品交換への使用及び再プレイへの使用)を禁止して受付け、管理装置2側に受付信号を出力する(C11)。
【0031】
図15は管理装置2による共同交換受付処理を示すフローチャートである。管理装置2は、受付信号を入力したかを判定しており(D1)、受付信号を入力したときは(D1:YES)、貯蓄DB、共同交換応募DBを更新する(D2)。
図4の貯蓄DBに示す例では、会員ID(遊技者識別情報に相当)がM−000001の会員の玉に関する持数は0、貯蓄数は15991、担保は425、使用可能持数は0、使用可能貯蓄数は15566であることを示している。つまり、当該会員の持数が0であることから、貯蓄数から担保を確保しているのである。一方、会員IDがM−000002の会員の玉に関する持数は2557、貯蓄数は300、担保は425、使用可能持数が2432、使用可能貯蓄数は0であることを示している。つまり、持数が担保数を上回っていることから、持数から担保を確保しているのである。この場合、持数が担保数を下回って不足する場合は、不足分を貯蓄数から確保するようになっている。また、担保が設定された以後においては、使用可能持数が持数として機能し、使用可能貯蓄数が貯蓄数として機能するようになっている。尚、貯蓄数から優先して担保を確保し、貯蓄数が不足する場合に持数から確保するようにしても良い。
【0032】
一方、図5の共同交換応募DBに示す例では、景品Aの応募個数が172で未成立であることを示し、景品Bの応募個数が24で未成立であることを示している。
次に管理装置2は遊技機側に更新信号を出力し(D3)、遊技機側は、更新信号を入力したときは(C1:YES)、情報表示部18の共同交換対象景品を更新する(C2)。そして、「発券」釦24が押された場合は(C14:YES)、IC会員カードを排出する(C15)。
【0033】
さて、管理装置2は、フローチャートには示していないが、受付期限が経過するまでに応募に係る景品数などが最低基準値以上となった場合は交換可能条件が成立したものとして、図11に示すように共同交換応募画面27に共同交換可能条件が成立したことを示すメッセージ27rを表示すると共に、共同交換した遊技者の貯蓄遊技価値から交換対価を差し引く。つまり、図4の貯蓄DBにおける使用可能持数を持数とし、使用可能貯蓄数を貯蓄数とし、担保を0とする。そして、遊技場側は共同交換が成立した景品を発注し、景品の到着予定日を店内の掲示板、ウェブサイト、メールで遊技者に知らせ、景品が届き次第遊技場にて応募者に引き渡す。これにより、遊技者に対して再度来場させる動機付けとなる。尚、遊技者の希望に応じて景品を自宅に配送するようにしても良い。
一方、受付期限経過時点で最低基準値に満たない場合(交換可能条件が成立しなかった場合)には、禁止状態を解除する。つまり、貯蓄DBの使用可能持数に担保を加算した値を持数とし、使用可能貯蓄数を貯蓄数とし、担保を0とする。尚、貯玉からの差引タイミングを景品の受付時にしても良い。この場合、交換可能条件を満たさなければ担保の貯玉(或いは持玉)を返却する。
【0034】
(IC会員カードを挿入することなく共同交換する場合)
共同交換応募画面にて「応募」釦27qが押され、個数が指定された場合に、ICカードが挿入されていない場合は(C9:NO)、交換対価である遊技者の現在の持数が足りるかを判定し(C12)、足りる場合は(C12:YES)、相当する遊技価値を回収し、第1カード挿入口19から引換券(「受付の証明書」に相当)を発行してから(C13)、管理装置2側に受付信号を出力する(C11)。引換券はICカードで、引換券ID、景品整理番号等が記録されている。管理装置2は、受付信号を入力したときは(D1:YES)、引換券DBを更新することにより引換券と同じ情報を記憶してから(D2)、遊技機側に更新信号を出力する(D3)。
【0035】
図6の引換券DBに示す例では、引換券IDがH−00001の引換券は共同交換が成立したことから、引換は「済」となる。尚、引換が「済」となっていても実際に景品が引換られたという意味ではなく、引換られた可能性を示すものである。
上述のように引換券を入手した遊技者は、自分の連絡先、連絡方法を遊技場に登録する。そして、遊技場は、交換可能条件が成立した場合は、景品を発注すると共に共同交換の応募者に到着予定日を告知し、景品が届き次第、遊技場に来店した応募者から引換券を受け取って景品を引き渡す。
【0036】
一方、交換可能条件が成立しなかった場合には、引換券を持玉券として利用可能とする。即ち、第1カード挿入口19に引換券が挿入された場合は、交換対価分だけ持玉として加算し、再プレイ及び景品交換に使用可能となる。
図6の引換券DBに示す例では、引換券IDがH−00002の引換券は、不成立であり、残遊技価値が有ることから、引換が「済」とはなっていない。
管理装置2は、景品発注後の景品管理のためのDBとして、景品の未引渡し会員DB、及び共同交換用景品DBを管理するようになっている。
【0037】
図7は景品別未引渡し会員DBを示しており、次の各項目が設定されている。
・到着日:景品が遊技場に到着した日で、遊技場側が手入力する。景品の種類毎に一括入力が可能となっている。
・経過日数:景品が遊技場に到着してからの日数。
図7に示す例では、景品Zが到着後10日経過したことを示している。従って、遊技場は、経過日数が大きな会員、或いは遊技者が存在する場合は、会員、或いは遊技者に対して景品を引き取りに来るように積極的に来店を促す。
【0038】
図8は共同交換用景品管理DBを示しており、次の各項目が設定されている。
・発注数:発注した景品の数
・在庫:景品到着後、遊技者に引き渡していない景品の数
図8に示す例では、景品Zは、発注数が118、在庫が5、景品到着後10日経過したことを示している。従って、遊技場は、経過日数に対して在庫が適切かを一目で確認することができる。
【0039】
このような実施形態によれば、貯玉や持玉を利用して遊技場が提供する景品を共同交換により定価から割安な交換対価を設定したり、或いは一般店舗が提供する商品を共同交換の対象とするようにしたので、遊技場にとっては遊技者を呼び込むための手段として活用したり、他の遊技場との差別化を図ったりしたりすることができる。また、特定の景品に限って大量発注することが出来るので、割安に仕入れることができ、在庫を大量に抱えるリスクも無い。
遊技者が貸出装置5に対してIC会員カードを用いることなく共同交換の受付操作を行った場合は、引換券を発行するようにしたので、より多くの参加者を募ることが可能となり、サービスの普及を促すことができる。
【0040】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態に限定されることなく、次のように変更或いは拡張するようにしても良い。
遊技機4に各台計数機6を設置するのに代えて、島に対応して島端計数機及び共同交換受付端末を設置するようにしても良い。この場合、遊技者が遊技機から玉、或いはメダルを獲得した場合は島端計数機で計数し、島端計数機は、計数値を記録したIC持玉券を発行する。遊技者が共同交換を希望する場合は、IC持玉券を共同交換受付端末に挿入し、共同交換の応募を行う。共同交換受付端末は、共同交換が応募された場合は、景品の交換単価がIC持玉券に記憶された計数値以下であったときは、引換券を発行し、管理装置2は、引換券DBを管理する。つまり、島端計数機は上記実施形態の各台計数機6に相当し、共同交換受付端末は第1表示部に相当する。尚、島端計数機又はPOS端末に共同交換受付の機能を搭載するようにしても良い。
【0041】
島端計数機はIC持玉券でなくレシートを発行し、共同交換受付端末はレシートに記録された情報を読み取り可能としても良い。
引換券を発行した遊技者を特定可能な遊技者特定情報を取得する遊技者特定情報取得手段を備え、その遊技者特定情報取得手段の取得情報に基づいて、同一人物に対して遊技場側が設定した1人当たりの上限数を超えないように上限値設定手段により設定された上限値内で引換券を発行する同一人物応募判定手段を備える構成としても良い。例えば、遊技機毎にカメラを設け、その撮像データに基づいて引換券を発行した遊技者を特定するようにしても良い。
受付の証明書はICカードでなく、例えばレシートでも良い。
受付の証明書を発行せずに、遊技者が所有する携帯端末(例えば携帯電話)のIDと対応付けて記録するようにしても良い。
交換可能条件が設定できる主体を遊技場のみとしても良いし、遊技場以外のみとしても良い。
【符号の説明】
【0042】
図面中、1はサーバ、2は管理装置(交換可能条件設定手段、受付手段、禁止手段、判定手段、解除手段、貯蓄記憶手段、交換可能条件記憶手段)、4は遊技機、5は貸出装置、6は各台計数機(貯蓄数量判定手段、持遊技価値数量特定手段、持数量判定手段、回収手段)、8はPOS端末、18は情報表示部(応募操作手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技によって獲得した遊技価値を貯蓄遊技価値として、その数量を当該遊技者が識別可能な遊技者識別情報と対応付けて記憶する貯蓄記憶手段と、
所定の景品に対して指定された数量の遊技価値である交換対価と交換するために必要な交換可能条件を記憶する交換可能条件記憶手段と、
前記交換可能条件として最低基準値及び受付期限を設定することが可能な交換可能条件設定手段と、
前記所定の景品との交換を希望する遊技者が応募のために操作する応募操作手段と、
前記応募操作手段が操作された場合に、当該交換を希望する遊技者が前記交換対価を貯蓄しているか否かを判定する貯蓄数量判定手段と、
前記貯蓄数量判定手段により前記遊技者が前記交換対価を貯蓄していると判定した場合に当該交換対価以上の前記貯蓄遊技価値を担保として応募を受付け、当該遊技者の前記遊技者識別情報を記憶する受付手段と、
担保とされた前記貯蓄遊技価値を他の景品との交換に使用することを禁止する禁止手段と、
前記受付手段による受付結果に基づいて、前記受付期限内に前記景品の交換希望者数、前記景品の応募数、又は応募に係る景品数が前記最低基準値以上となった場合に前記交換可能条件が成立したと判定する判定手段と、
前記判定手段により前記交換可能条件が成立しなかったと判定された場合に、前記禁止手段による禁止を解除する解除手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技者が所有する遊技価値のうち前記貯蓄遊技価値を除いた遊技価値である持遊技価値の数量を特定可能な持遊技価値数量特定手段と、
前記応募操作手段が操作された場合に、前記持遊技価値数量特定手段により特定された前記持遊技価値の数量が前記交換対価以上であるか否かを判定する持数量判定手段と、
前記持数量判定手段により前記持遊技価値の数量が前記交換対価以上であると判定された場合に当該交換対価に相当する数量の前記持遊技価値を回収する回収手段と、を備え、
前記受付手段は、前記回収手段が前記持遊技価値を回収した場合に応募を受付け、受付の証明書を発行するか、又は当該遊技者が所有する携帯端末の識別情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
応募操作を行った遊技者を特定可能な遊技者特定情報を取得する遊技者特定情報取得手段と、
前記遊技者特定情報取得手段の取得情報に基づいて、同一の景品について同一人物が応募したか否かを判定する同一人物応募判定手段と、
1人当たりの景品希望数の上限値を設定する上限値設定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−249932(P2012−249932A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126250(P2011−126250)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】