説明

遊技媒体計数装置

【課題】混在したメダルと遊技球を、メダルを滞留させることなく分別する遊技媒体計数装置を提供する。
【解決手段】投入口から機内に流入する遊技媒体を計数する計数装置であって、遊技球BとメダルMを分別する分別部30を有し、分別部30は、一の遊技球が通過可能な間隔を有して立設する複数の仕切板31a、31bと、隣り合う仕切板31a、31bの間に、各仕切板31a、31bからメダルの厚みを超える空間35を空けて立設される、遊技球Bをその上端部で支持する支持板32と、を備え、少なくともメダル径の範囲内で隣接する仕切板31a、31bは、同じ高さとならないように形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に関し、特に、遊技球とメダルを分別する遊技媒体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコホール,パチスロホール等の遊技場には、遊技客が獲得した遊技球やメダルなどの遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置(以下、計数装置という)が設置されている。
このような計数装置としては、遊技球又はメダルのいずれかの遊技媒体を専ら計数する専用の計数装置が普及している。
このような専用の計数装置に、計数対象と異なる遊技媒体を誤って混入させると(例えば、遊技球を計数する計数装置にメダルを混入させると)、遊技媒体詰まりが発生し、これを解消するには計数装置を分解するなど多大な労力を費やさなければならなかった。
【0003】
このような混入を解消可能な計数装置が特許文献1に提案されている。
この計数装置は、同じ投入口から流入したメダルと遊技球を分別する分別手段を備え、分別したそれぞれの遊技媒体を計数するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−111107号公報(第19頁、第9図及び第10図参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような分別手段を備える計数装置では、以下のような問題を解決することができなかった。
特許文献1記載の分別手段は、図9に示すように、複数の棒部材で構成され、遊技球の通過を規制しつつ、メダルの通過を可能としている。
しかしながら、隣接する棒部材が同じ高さで形成されているため、棒部材にメダルが載置する可能性があり、計数中にメダルが滞留するおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、メダル径の範囲内で隣接する、遊技球を誘導するための仕切板を、それぞれ異なる高さで形成することで、その上端部に載置されるメダルを傾かせて滞留不能とし、メダルと遊技球を分別する分別手段を備える計数装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の遊技媒体計数装置は、投入口から機内に流入する遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置であって、前記投入口の下流側に遊技球とメダルを分別する分別手段を有し、前記分別手段は、一の遊技球が通過可能な間隔を有して立設する複数の仕切板と、隣り合う前記仕切板の間に位置し、これらの仕切板より高さが低く形成されるとともに、各仕切板からメダルの厚みを超える空間を空けて立設される、遊技球をその上端部で支持する支持板と、を備え、隣り合う前記仕切板とそれらの間に位置する前記支持板とが、遊技球が通過する一の遊技球通路となるとともに、前記空間が、メダルが通過するメダル通路となり、少なくともメダル径の範囲内で隣接する前記仕切板は、同じ高さとならないように形成した構成としてある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技媒体計数装置によれば、混在したメダルと遊技球を、メダルを滞留させることなく分別できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の組立斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置において遊技球とメダルが流下する流下経路を模式的に示した断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の計数部を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の分別部を示し、(a)は、メダル径φ25のメダルMを適用可能な分別部の断面図であり、(b)は、メダル径φ25とメダル径φ30のメダルMを適用可能な分別部の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の分別部を示す断面図で、混在した遊技球とメダルが分別される動作を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の回収トレイを示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る回収トレイの組立斜視図である。
【図9】従来の遊技球とメダルの分別手段を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技媒体計数装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る計数装置1は、各図に示すように、計数対象を遊技球とする計数装置であり、すり鉢形状のホッパー5に投入された遊技球が、その底面に配置された投入口51から機内に流入するとともに、複数の仕切板31により分流・整流されつつ、遊技球を検出する複数の近接センサ34に誘導されて計数されるように構成されている。
また、計数装置1は、遊技球とメダルとを分別する分別手段を備え、ホッパー5に誤って投入されたメダルを容易に回収できるようになっている。
以下、本実施形態の計数装置1の具体的な構成について説明する。
【0012】
計数装置1は、図1に示すように、計数値が記録されたレシートを発行するレシート発行部21と、操作によりレシートの発行が開始される発行ボタン21aと、計数値等を表示するとともに、タッチ操作により所定の入力操作が可能なタッチパネルからなる表示部22と、誤って混入したメダルを回収する回収トレイ6などを外装に備えている。
また、内装には、所定の交流電源から機内各部に適した電源を生成・供給する電源部、計数値などを記憶するEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなる記憶部、異常時に警報を出力するスピーカやアンプ等からなる警報部、ホールコンピュータと通信を行う通信部、上記各部を制御するコンピュータとして構成された制御部などを備えている(いずれも不図示)。
【0013】
計数装置1は、図2に示すように、装置本体2と、計数部3と、案内通路部4と、ホッパー5と、回収トレイ6とにそれぞれ分離可能に構成され、同図に示す順序で積層されて装置本体2に収容されている。
このように構成された計数装置1に遊技球とメダルが投入されたときのそれぞれの流下経路を、図3に模式的に示す。
【0014】
同図に示すように、遊技球BとメダルMの流下経路は、上から順に、ホッパー5と、案内通路部4と、計数部3と、回収トレイ6とで形成されている。ホッパー5に投入された遊技球BとメダルMは、投入口51から機内に流入するとともに、案内通路部4に導入される。次いで、計数部3に導入され、ここで遊技球BとメダルMとに分別されつつ、分別された遊技球Bは近接センサ34で検出される。一方のメダルMは回収トレイ6に回収されるようになっている。以下に、各部の構成について説明する。
【0015】
ホッパー5は、図2、図3に示すように、すり鉢形状に形成されるとともに、その底面に投入口51を備え、ホッパー5に投入された遊技球BとメダルMを、投入口51から機内に流入させるようになっている。
案内通路部4は、図2、図3に示すように、遊技球BとメダルMを計数部3に誘導するための通路として構成され、投入口51と対向するように上方に開口する案内口41と、計数部3の分別部30に対向するように下方に開口する排出口42とを備え、投入口51からの遊技球BとメダルMを、案内口41から案内通路部4内に流入させ、排出口42から流出させる。
【0016】
計数部3は、図2〜図4に示すように、遊技球を分流・整流しつつ検出する装置で、本発明の分別手段を備えている。
計数部3は、遊技球Bを検出する複数の近接センサ34と、遊技球Bを各近接センサ34に誘導する複数の仕切板31と、各仕切板31の間に位置し、その上端部が遊技球Bの転動面となり近接センサ34に向けて傾斜する支持板32と、図3中c方向に回動可能に軸33aに軸止され、支持板32を転動する遊技球Bをその自重により一段にならす球ならし33とを備えている。近接センサ34からの検出信号は、制御部に入力され、制御部がこの入力数をカウントすることで、投入された遊技球数を計数するようになっている。
【0017】
本発明の分別手段は、複数の仕切板31と、その間に位置する支持板32とで構成され、排出口42からの遊技球BとメダルMは、近接センサ34に対して上流側に位置する分別部30から計数部3に流入し、この分別部30で、遊技球BとメダルMとに分別される。
分別された遊技球Bは、図3中a方向に向かい、仕切板31に案内されつつ、支持板32の上端部を転動して、各近接センサ34に誘導される。
一方のメダルMは、図3中b方向に向かい、仕切板31と支持板32との隙間となる空間35を通過し、回収トレイ6に堆積する。
【0018】
分別部30は、排出口42と対向する位置に配置され、支持板32と同様に傾斜させずに、水平に形成されている。
分別部30を支持板32と同様に傾斜させると、メダルMが仕切板31の上端部(面)に載置した状態のまま下流側に滑降することも予想されるが、このように分別部30を水平に形成することで、メダルMが滑降することなく、遊技球BとメダルMをこの分別部30の範囲内で確実に分別することができる。
また、分別部30は、図3に示すように、排出口42より長く形成してある。これにより、排出口42と分別部30との間に遊技球BとメダルMが逃げる隙間があったとしても確実に分別できる。
【0019】
ここで、本実施形態に係る分別部30の具体的な構成について以下に説明する。
図4は、計数部3の斜視図であり、図5は、図4中のA−A断面を示す断面図であり、図5(a)は、メダル径φ25のメダルMを適用可能な分別部30の断面図を示し、図5(b)は、メダル径φ25とメダル径φ30のメダルMを適用可能な分別部30の断面図を示している。
各図に示すように、分別部30は、一の遊技球Bが通過可能な間隔である、例えば、遊技球径Z(例えば、11mm)より僅かに広い間隔(例えば、11+0.1〜2mm)を有して鉛直方向に向かって立設する複数の仕切板31と、隣り合う仕切板31の間(ほぼ中央)に位置し、これらの仕切板31より高さが低く形成されるとともに、各仕切板31からメダルの厚みW(例えば、1.5mm)を超える空間35(例えば、2mm以上)を空けて鉛直方向に向かって立設する、遊技球Bをその上端部で支持する支持板32とで構成され、少なくともメダル径Xの範囲内で隣接する仕切板31は、同じ高さとならないように形成してある。
ここで、メダル径Xの範囲内で隣接する仕切板31とは、メダルMを水平にした場合、そのメダル径Xの範囲内に位置する全ての仕切板31であって、適用するメダル径Xをφ25とした図5(a)では、仕切板31aと仕切板31bがこれに該当し、適用するメダル径Xの最大値がφ30とした図5(b)では、仕切板31aと仕切板31bと仕切板31cがこれに該当する。
【0020】
このように、少なくともメダル径Xの範囲内で隣接する仕切板31を同じ高さとしないこと、すなわち、この範囲内で隣接する仕切板31を異なる高さで形成することで、メダルMを各仕切板31の上端部であって、図5(a)では、仕切板31aと仕切板31bの間、図5(b)では、仕切板31aと仕切板31bの間、又は仕切板31bと仕切板31cの間、又は仕切板31aと仕切板31cの間に亘って載置させても、メダルMは図中の左右いずれかに傾き、バランスを失う。その結果、メダルMは各仕切板31の上端部に滞留不能となり、その自重で分別部30内に流入することになる。
空間35はメダルの厚みWを超える間隔を有することから、この空間35がメダル通路となり、メダルMはここを通過して回収トレイ6に向かって落下する。
なお、隣接する符号が同一の仕切板31(例えば、仕切板31aと仕切板31a)は、メダル径Xを超える範囲に位置するため、メダルMが双方の上端部に跨ることはない。
【0021】
また、各仕切板31は、一の遊技球Bが通過可能な間隔である、例えば、遊技球径Zより僅かに広い間隔Z+S(例えば、S=0.1〜2mm)を有して立設されるとともに、支持板32はそれらの間にメダルの厚みWを超える空間35(例えば、2mm以上)を空けて位置することから、遊技球Bが空間35を通過することはない。その結果、遊技球Bは両側の仕切板31に案内されつつ、支持板32の上端部を転動し、近接センサ34に誘導される。つまり、隣り合う仕切板31とそれらの間に位置する支持板32とで、遊技球Bが通過する一の遊技球通路が形成され、遊技球Bはこの遊技球通路に沿って流下して回収される。
これにより、遊技球BとメダルMの流下経路は異なることとなり、図3に示すように、遊技球Bはa方向、メダルMはb方向にそれぞれ流下して分別される。
【0022】
また、図5(a),(b)に示すように、メダル径Xの範囲内で隣接する仕切板31a〜31cは、その上端部を繋げて形成される断面形状をメダルMが空間35に向けて滑降可能な山切り形状としてある。
この場合の山切り形状とは、メダルMと各仕切板31a〜31cの上端部との摩擦抵抗(鉛直方向成分)よりメダルMの重さの方が大きくなる傾きを有する山切り形状をいう。通常、各仕切板31a〜31cの上端部を繋げた線分の傾きθが水平に対して大きくなるほどメダルMがその上端部に亘って滞留しなくなる。この場合の傾きは、例えば、45度以上となることが好ましいが、摩擦抵抗が少なければ、これ未満でもよい。
【0023】
また、各仕切板31a〜31cの上端部は、鋭角に形成してある。これは、摩擦抵抗を少なくするだけでなく、メダルMの載置する余地をなくすとともに、排出口42から分別部30に導入される遊技球Bを各仕切板31間に効率的に振り分ける効果もある。
なお、各仕切板31の上端部を繋げた線は、一直線でなくてもよい。例えば、図5(b)において、仕切板31bを、仕切板31aに満たないようさらに高く形成し、又は、仕切板31cより低く形成し、仕切板31a〜31cの上端部を繋げた線が折れ線となってもよい。
【0024】
また、同じ高さとなる仕切板31aは、同じ高さとなる仕切板31a間の最小間隔Y、メダル径X、仕切板31の板厚T、遊技球径Z、隣り合う仕切板31間と遊技球Bとの隙間S、最小間隔Yの間にある遊技球通路数n(nは1以上の整数)とすると、
Y>X、かつ、Y=nZ+(n−1)T+nS
となる関係式を満たすように配置されている。
【0025】
例えば、各仕切板31の板厚T=2.5mm、遊技球径Z=11mm、隣り合う仕切板31間と遊技球Bとの隙間S=1.5mmとした場合において、同じ高さとなる仕切板31a間にある遊技球通路数n=1とすると、上式から最小間隔Y=12.5mmと求められる。
しかしながら、一般的な既成メダルのメダル径Xは、φ25又はφ30のいずれかであることから、上式におけるY>Xの関係を満たすことができない。そこで、同じ高さとなる仕切板31a間にある遊技球通路数n=2とすると、上式から最小間隔Y=27.5mmと求められ、メダル径φ25のメダルに対しては、Y>Xの関係を満たすことになる。
すなわち、遊技球Bと混在するメダルMがメダル径φ25のみである場合は、図5(a)に示すように、同じ高さとなる仕切板31aは、遊技球通路を2つ挟む度に配置すればよいことが分かる。
【0026】
なお、上記の例では、メダル径φ25のメダルに対してはY>Xの関係を満たすが、メダル径φ30に対してはY>Xの関係を満たしていない。そこで、例えば、遊技球通路数n=2としたまま、板厚Tを7mmに変更すると、上式から最小間隔Y=32mmと求められ、メダル径φ25のメダルMのみならずメダル径φ30のメダルMに対しても、Y>Xの関係を満たすことができる。
ところが、板厚T=7mmはあまり現実的な数値ではないため、板厚T=2.5mmのままにし、遊技球通路数n=3とすることで、上式から最小間隔Y=42.5mmと求められ、メダル径φ25だけでなくメダル径φ30のメダルMに対しても、Y>Xの関係を満たすことになる。すなわち、遊技球Bと混在するメダルMがメダル径φ25のみならずメダル径φ30もある場合は、図5(b)に示すように、同じ高さとなる仕切板31aは、遊技球通路を3つ挟む度に配置すればよいことが分かる。
【0027】
このように、上記の関係式に基づいて各仕切板31を配置することで、分別部30の設計が容易にできるとともに、従来の計数装置に僅かな設計変更を加えるだけで、本発明の分別手段とすることできる。
すなわち、遊技球を計数する計数装置は従来から遊技球を近接センサに誘導するための複数の通路(レーン)を備え、この通路は仕切板で仕切られている。そこで、この仕切板を、上記の関係式に当てはまるように配置するとともに、各仕切板の高さを違え、さらに、空間35を形成するだけで本発明の分別手段を構成でき、製造コストの低減を図ることができる。
また、同じ高さの仕切板31を一定の間隔毎に配置できるため、部品の共通化が図れ、より一層コストを低減できる。
【0028】
以上のように構成された分別部30により、図6に示すように、排出口42から導入された遊技球BにメダルMが混在していたとしても、メダルMは空間35を通過して回収トレイ6に向けて落下し、一方の遊技球Bは、支持板32で支持されたまま、近接センサ34に向けて誘導され、それぞれ異なる流下経路を選択することとなる。
【0029】
回収トレイ6は、図3に示すように、メダルMの最終的な受け皿として構成されている。
また、回収トレイ6は、メダルMが通過不能、かつ、メダル径Xに満たない異物Dが通過可能なメダル選別手段を備え、メダルMを回収しつつ、メダル以外のゴミ等の異物Dを捕集するようになっている。
【0030】
具体的には、回収トレイ6は、図7、図8に示すように、上方に開口する引き出し形状を有し、外枠61と内枠62で構成されている。
外枠61は、その底面61aにゴミ等の異物Dを堆積させて捕集する矩形状の箱体で、前面に把手611を備え、この把手611を摘んで装置本体2から引き出すことができる。
内枠62は、メダル選別手段の一例であり、メダルMが通過不能、かつ、メダル径Xに満たない異物Dが通過可能な網目を有する選別部621を備えている。
これにより、上記の空間35を通過したメダルMは、選別部621上に堆積し、メダル径Xに満たない異物Dは、選別部621を通過し、外枠61の底面61aに堆積する。
また、内枠62の内壁には、把手622を備え、この把手611を摘んで持ち上げることで、内枠62を外枠61から簡単に取り出すことができる。これにより、メダルMと異物Dの分別が容易となる。
【0031】
このように構成された計数装置1は、以下のように動作する。
遊技球Bをホッパー5に投入すると、投入された遊技球Bは、投入口51から機内に流入する。このとき混在しているメダルMも機内に流入することになる。
流入した遊技球BとメダルMは、案内通路部4を経て、分別部30に導入される。遊技球BとメダルMは、この分別部30で分別され、流下経路がそれぞれa方向又はb方向に分かれる。
a方向に分岐した遊技球Bは、仕切板31と支持板32とで近接センサ34に誘導されるとともに、この近接センサ34で検出された後、遊技機が設置された図示しない遊技機島内に誘導されて回収される。
近接センサ34からの検出信号は制御部に入力され、制御部は、この入力数から計数値を算出し、表示部22を制御して計数値を表示させる。
発行ボタン21aを操作することで、制御部は、レシート発行部21を制御して、計数値が印字されたレシートを発行させる。
一方、b方向に分岐したメダルMは、空間35を通過し選別部621上に堆積する。装置本体2から回収トレイ6を引き出すことで、この堆積したメダルMを容易に取り出すことができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る計数装置1によれば、遊技球を誘導するための仕切板31の上にメダルMが滞留することがないため、投入された遊技球BとメダルMを余すことなく分別できる。
【0033】
以上、本発明の遊技媒体計数装置において、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技媒体計数装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、本発明に係る分別手段を、遊技球を計数対象とする遊技球計数装置に適用したが、メダルを計数対象とするメダル計数装置に適用することもできる。
また、本実施形態の回収トレイ6に代わって、メダルを検出するメダル計数部を設ければ、メダルと遊技球の双方を計数する汎用計数装置とすることもできる。
また、本実施形態では、分別手段を計数部と一体的に形成したが、着脱自在に別体とすることもできる。例えば、案内通路部4に仕切板31と支持板32を設けてもよい。
また、本実施形態では、投入口51と分別部30との間に案内通路部4を設けたが、案内通路部4をなくすとともに、投入口51と分別部30とを近接させ、投入口51からの遊技媒体が分別部30に直接導入されるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、遊技球及び/又はメダルを計数する遊技媒体計数装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 計数装置(遊技媒体計数装置)
2 装置本体
21 レシート発行部
22 表示部
3 計数部
30 分別部(分別手段)
31 仕切板(分別手段)
32 支持板(分別手段)
34 近接センサ
35 空間
4 案内通路部
5 ホッパー
51 投入口
6 回収トレイ
61 外枠
62 内枠
621 選別部(メダル選別手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口から機内に流入する遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置であって、
前記投入口の下流側に遊技球とメダルを分別する分別手段を有し、
前記分別手段は、
一の遊技球が通過可能な間隔を有して立設する複数の仕切板と、
隣り合う前記仕切板の間に位置し、これらの仕切板より高さが低く形成されるとともに、各仕切板からメダルの厚みを超える空間を空けて立設される、遊技球をその上端部で支持する支持板と、を備え、
隣り合う前記仕切板とそれらの間に位置する前記支持板とが、遊技球が通過する一の遊技球通路となるとともに、前記空間が、メダルが通過するメダル通路となり、
少なくともメダル径の範囲内で隣接する前記仕切板は、同じ高さとならないように形成した
ことを特徴とする遊技媒体計数装置。
【請求項2】
前記メダル径の範囲内で隣接する仕切板は、その上端部を繋げて形成される断面形状をメダルが前記空間に向けて滑降可能な山切り形状としてある請求項1記載の遊技媒体計数装置。
【請求項3】
前記メダル径Xと、前記仕切板の板厚Tと、前記遊技球径Zと、隣り合う前記仕切板間と遊技球との隙間Sと、同じ高さで形成される仕切板間の最小間隔Yと、前記最小間隔Yの間にある前記遊技球通路数nとが、
Y>X、かつ、Y=nZ+(n−1)T+nS
となる関係を満たす請求項1又は2記載の遊技媒体計数装置。
【請求項4】
前記仕切板の上端部であって、少なくとも前記投入口から機内に流入した遊技球とメダルが前記分別手段に導入される部分を、水平に形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項5】
前記分別手段の下側に前記空間を通過したメダルを回収する回収トレイを設け、
前記回収トレイは、メダルが通過不能、かつ、メダル径に満たない異物が通過可能なメダル選別手段を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−156318(P2011−156318A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22868(P2010−22868)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】