説明

遊技機およびその遊技システム

【課題】 大当り役を連続して所定の回数発生させた遊技者に、特典を与えることができるようにした遊技機およびその遊技システムを提供する。
【解決手段】 大当り役に入賞したゲームが終了した後に、さらに大当り役に入賞し易いゲームが提供されて、大当り役に連続して入賞可能にされている遊技機において、大当り役に連続して入賞した大当りの連続発生回数をカウントする大当りの連続発生回数カウント手段と、少なくともWebサーバのURLを表す2次元コードを遊技機の表示装置に表示する2次元コード表示手段を備え、この2次元コード表示手段は、大当りの連続発生回数カウント手段がカウントした大当りの連続発生回数が所定の回数に達すると、この2次元コードを表示装置に表示するようにした遊技機である。さらに、本発明は、遊技機の表示装置に表示された2次元コードを携帯電話端末により撮像してWebサイトのURLをアクセスした遊技者に特典を贈呈するようにした遊技システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ等の遊技機に関し、特に、遊技者が大当り役を連続して獲得したときに、2次元コードを用いてこの遊技者に特別なサービスの提供ができるように配慮した遊技機およびこの遊技機を使用したゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なスロットマシンは、前扉に形成された透明な表示窓を通して筐体内の3列のリールが目視される。各リールの周面には複数種類の図柄が配列されて描かれており、リールを回転させることで遊技の入賞またはハズレに係る図柄が変動表示される。また、スロットマシンには、リールを一斉に回転させるスタートレバーと、回転する各リールを個別に停止させるためのストップボタンが設けられ、スタートレバーが傾倒操作されて回転を開始したリールは、ストップボタンの押圧操作を契機にそれぞれ制動されて停止する。そして、各リールが表示する図柄の組合せが入賞役に係る図柄の組合せになって有効ライン上に揃うと入賞が確定し、この入賞図柄の組合せに応じた数の遊技媒体(メダル)が払い出される。
【0003】
このようなスロットマシンにおいては、上述のスタートレバーが傾倒操作された時点で、内部抽選と呼ばれる乱数を使った入賞役の抽選が行なわれる。すなわち、スロットマシンは、内部抽選によってある入賞役に当選したとき、当選した当該入賞役に係る図柄を記憶し、ストップボタンが押圧操作された時点から所定時間(例えば190m秒)内に当該図柄を有効ライン上に停止させることが可能である場合、当該リールの回転を制御して当該入賞に係る図柄を有効ライン上に停止させている(このようなリール制御を「引き込み制御」という)。これにより、スロットマシンの入賞またはハズレを決定づける要素は、乱数を使った内部抽選に大きく依存することとなり、熟練遊技者等による遊技の技術的介入を排除して、公正な遊技が行えるようになっている。
【0004】
上記したスロットマシンの入賞役としては、「小役」と「ビッグボーナス」、「レギュラーボーナス」、「シングルボーナス」といわれる特別入賞役(以下、大当り役という)が設けられている。これら「ビッグボーナス」、「レギュラーボーナス」、「シングルボーナス」の入賞役が成立すると、いわゆる「ボーナスゲーム」と名付けられた通常ゲームより入賞確率が高い特別ゲームを行うことができる。
【0005】
入賞役のうち「小役」は、予め設定されている「小役」を成立させるための図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるとことにより確定する入賞役であって、「小役」を成立させる図柄の組合せに応じて所定枚数のメダルが払い出される。例えば、「ベル」「ベル」「ベル」の3図柄が有効ライン上に停止表示されると10枚、「スイカ」「スイカ」「スイカ」が停止表示されると6枚のメダルが払い出される。
【0006】
入賞役のうち大当り役である「ビッグボーナス」は、例えば、「赤7」「赤7」「赤7」が有効ライン上に停止表示されたときに確定する入賞役であって、メダルが15枚払い出されると共に、以降のゲームがBBゲーム状態に設定される。BBゲーム状態では、小役入賞を高確率で獲得しやすい小役高確率ゲームと、JAC入賞を高確率で獲得しやすいJACゲームとを所定のゲーム回数ほど行うことができる。JAC入賞とは、ゲーム開始時に1枚のメダルをベットするだけで、例えば、15枚等の多数枚のメダルを獲得できるゲーム状態をいう。
【0007】
入賞役のうち大当り役である「レギュラーボーナス」は、例えば、「青7」「青7」「青7」が有効ライン上に停止表示されたときに確定する入賞役であって、メダルが15枚払い出されると共に、以降のゲームがRBゲーム状態に設定される。RBゲーム状態では、上記のJAC入賞を高確率で獲得しやすいJACゲームを所定の回数ほど行うことができる。
【0008】
入賞役のうち大当り役である「シングルボーナス」は、予め設定された図柄が有効ライン上に停止表示されたときに確定する入賞役であって、このシングルボーナスの入賞役が確定すると、次の1ゲームまたは所定のゲーム数ほど、例えば、JAC入賞等の確定を高確率で行うことができる。さらに、この「シングルボーナス」のゲーム状態が終了した次のゲームで、再度、この「シングルボーナス」入賞を乱数値による抽選により高確率で確定するようにしたスロットマシンも提案されている。このような大当り役である「シングルボーナス」入賞を備えたスロットマシンにおいては、一度「シングルボーナス」入賞が確定すると、次回の「シングルボーナス」入賞が高確率で抽選されるので、「シングルボーナス」入賞が連続して発生、いわゆる、「大当りの連チャン」が発生する可能性がある。
【0009】
一方、従来から実用化されているパチンコ遊技機において、複数の図柄を遊技盤に設けた表示装置に変動表示させ、この変動表示させた図柄が予め設定された大当りの図柄の組合せに配列されて停止すると、遊技者に大当り役の権利が与えられる、いわゆる、図柄変動(フィーバ)型のパチンコ遊技機がある。
【0010】
この図柄変動型パチンコ遊技機においては、遊技者が発射した遊技球が始動入賞口に入球すると、動作制御プログラムは、複数の図柄について変動表示を開始させると共に、乱数値による大当り役に入賞するか否かの内部抽選と、大当り役とハズレについてその図柄の抽選処理を行う。そして、大当り役の内部抽選に入賞すると、変動表示していた図柄が大当りの図柄の組合せに揃った状態で停止し、大入賞口が例えば1回当たり10個の遊技球が入球するまでを条件として、最大15回開放されるようになっている。また、大当りした図柄が特定の図柄、例えば、「1」「1」「1」、「3」「3」「3」、「5」「5」「5」、「7」「7」「7」、「9」「9」「9」のように奇数の値の図柄が3個揃った場合には、この大当り役が終了した後、通常のゲームより大当り役が高確率で発生する確率変動状態に設定される、いわゆる確率変動型のパチンコ遊技機も広く知られている。
【0011】
このような確率変動型のパチンコ遊技機においては、一度大当り役が発生して確率変動の状態になると、遊技球が始動入賞口に入球して大当り役の内部抽選回数が少ない間に、大当りが少なくとも2回連続して発生することになる。そして、大当り役に入賞するごとに所定の確率に基いて決定される大当り役の図柄によっては、大当り役が連続して発生(大当りの連チャン)する可能性がある。
【0012】
上記したスロットマシンやパチンコ遊技機において、遊技者が大当り役を連続して獲得した場合には、遊技者は多数個の遊技球や多数枚のメダルを得ることができるが、遊技者にこれ以外の特典を提供することは行われていない。
【0013】
一方、近年の携帯電話機の技術進歩により、カメラ付き携帯電話機によりWebサーバのURLを表している2次元コードを読み取って、インターネットに接続されたこのWebサーバをアクセスすることにより、各種の情報を携帯電話機に提供するシステムが提案されている。例えば、スロットマシンやパチンコ遊技機を多数台設置した遊技ホールにおいて、2次元コードを利用したシステムとして、次の特許文献に記載の発明が提案されている。
【0014】
【特許文献1】特開2003−190570(明細書第3頁〜第10頁、図1、図3)
【0015】
上記特許文献1に記載の発明は、遊技者の貯玉等の利便性を向上させることを目的にしたシステムである。同特許文献に記載のシステムは、まず、遊技者が貯玉等を行うときに、遊技者は自分の携帯電話機を用いてシステム管理装置のWebサイトにアクセスする。すると、Webサイトは、システム管理装置に予め登録されている遊技者の識別情報を2次元コード(画像コード)として遊技者の携帯電話機に表示する処理を行う。そして、遊技者は、遊技ホールに設置さている2次元コード読取装置にこの携帯電話機に表示されている2次元コードを読込ませると、ホール管理装置は読込まれた遊技者の識別情報に対応する貯玉管理等を行うようにしたシステムである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記特許文献1に記載の発明は、遊技者が貯玉等を行うときに、その操作の利便性を向上させるようにしたシステムであって、大当り役を多数回連続して発生させた遊技者に対して、多数の遊技球やメダルを獲得させること以外に、その栄誉を称えるために特典を提供するようなシステムにはなっていない。
【0017】
そこで、本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、大当り役を多数回連続して獲得できた遊技者に対して、さらに、特別な特典を提供することができる遊技機、およびこの遊技機を使用した遊技システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、大当り役に入賞したゲームが終了した後に前記大当り役に入賞し易いゲームが提供されて、前記大当り役に連続して入賞可能にされている遊技機であって、前記遊技機は、
前記大当り役に連続して入賞した大当りの連続発生回数をカウントする大当りの連続発生回数カウント手段と、
少なくともWebサーバのURLを表す2次元コードを前記遊技機の表示装置に表示する2次元コード表示手段を備え、
前記2次元コード表示手段は、前記大当りの連続発生回数カウント手段がカウントした大当りの連続発生回数が所定の回数に達すると、前記2次元コードを前記表示装置に表示するようにされている遊技機である。
【0019】
さらに、本発明は、前記2次元コードは前記大当りの連続発生回数に関する情報を含み、前記2次元コード表示手段は前記大当りの連続発生回数が予め設定された所定の回数に達すると、前記所定の回数に相当する前記大当りの連続発生回数に関する情報を含む2次元コードを前記表示装置に表示するようにされている遊技機である。
【0020】
さらに、本発明は、前記WebサーバのURLは、前記遊技機の製造会社またはその関連会社のURLとされている遊技機である。
【0021】
さらに、本発明は、前記の遊技機を使用した遊技システムであって、前記表示装置に表示された2次元コードを携帯端末により撮像して前記WebサーバのURLをアクセスした遊技者に特典を贈呈するようにした遊技システムである。
【0022】
本発明において前記遊技機とは、所定の条件が成立すると表示装置に図柄を変動表示させ、この変動表示させた図柄が所定の大当りの組合せで停止して表示されると、遊技者は大当り役の権利を獲得できる遊技機を示し、具体的にはスロットマシンおよびパチンコ遊技機を示す。そして、本発明が適用できるスロットマシンは、大当り役として「ビッグボーンス」と「レギュラーボーナス」が設けられている、いわゆる、AタイプとBタイプのスロットマシン、および「シングルボーナス」等が設けられているCタイプのスロットマシンである。また、本発明が適用できるパチンコ遊技機は、いわゆる、確率変動型等の図柄変動型のパチンコ遊技機である。
【0023】
また、遊技者に贈呈する特典とは、景品またはサービスを示す。そして、景品とは市販されている一般の商品等であり、サービスとは、遊技者が自分の居住地区で喜んで使用することができるサービス、例えば、映画観賞券、レストランの食事券等の商品券等、遊技ホールが設置されている地域で使用可能な各種のサービスにするとよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、次のような効果を有している。
(1)スロットマシンや確率変動型のパチンコ遊技機においては、大当りが連続して、例えば、10回以上発生する確率は極めて低いが、実際には発生している。このように、大当りを連続して10回発生させた遊技者に特別な特典である景品やサービスを贈呈するようにすると、遊技者はより興趣を高くして遊技を行うことができるようになる。また、遊技者がこの特典を申請する操作は、自分の携帯電話端末を利用して遊技機に表示された2次元コードを読み取って携帯電話サイトをアクセスすることにより可能になる。従って、遊技者にゲームを長時間中断させて負担をかける必要はなくなる。
【0025】
(2)上記(1)に記載の特典を提供することができる遊技機を設置した遊技ホールは、遊技者の来場数の増加を期待することができるようになる。さらに、遊技機の表示装置に表示する2次元コードに携帯電話でアクセスできるWebサーバのURL(Uniform Resource Locator)の他に、遊技機の機種識別情報を含めておくと、遊技者の携帯電話端末から送信された情報に基づいて、大当りの連続発生回数等の発生情報を把握することができる。これにより、遊技機の製造会社は、これら収集した情報をインターネットや業界誌等を介し広く公開することにより、当該遊技機種のPR効果をより高くすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、スロットマシンを例にして説明する。図1は、スロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2は、前扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を表した図である。
【0027】
図1において、スロットマシン1は、略矩形状の箱体である筐体2と、当該筐体2と蝶番機構により開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。前扉3の前面側は、上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダル(遊技媒体)を貯留する受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
【0028】
上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技者側に突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が一体的に形成されている。なお、上部パネル部4、操作卓7、下部パネル部5、および受皿ユニット6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成される。
【0029】
上部パネル部4の中央には、硬質プラスチック板等で形成されたパネル面41が設けられている。パネル面41のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓42が形成され、表示窓42を通して筐体2内に設けられているリールユニット100の3個のリール101a、101b、101cが目視される。
【0030】
ここで、筐体2内に設置されているリールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられ、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、表示窓42を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄を目視できるようになっている。
【0031】
また、パネル面41には、裏面側に設けられている図示しないランプを点灯させることで、例えば、入賞役への内部当選など遊技状態に関する情報を演出表示する遊技状態表示部43と、複数の発光ダイオードを点灯させてドット画像を演出表示するドットマトリクス表示部44、スロットマシン1にクレジット(貯留)されているメダル数や、入賞によって獲得したメダル数、または入賞役への当選回数等の情報を数値表示する数値情報表示部45が、それぞれ表示窓42の周辺に設けられている。
【0032】
上部パネル部4の上部には、高輝度発光ダイオード等のランプ類を内蔵する演出用照明部46と、ゲームに係る効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部47a、47bがそれぞれ配置されている。
【0033】
また、演出用放音部47a、47bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された液晶表示ユニットからなる表示装置48が配置されている。なお、表示装置48は、ゲームの演出に係る各種の画像を主に表示する。
【0034】
上部パネル部4の側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成された演出用照明部46、49a、49bが設けられている。ゲームの進行に応じて上述した複数の演出用照明部46、49a、49b等が点灯または点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるように形成されている。
【0035】
操作卓7の上面右側には、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部71が設けられている。また、当該上面の左側には、押しボタンスイッチである3個のベットボタン72、73、74が設けられている。
【0036】
ベットボタン72、73、74は、スロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられる。同様に、ベットボタン73が押圧操作されることで2枚のメダルが賭けられ、ベットボタン74が押圧操作されることで3枚のメダルが当該ゲームに賭けられる。なお、ベットボタン74は、最大枚数のメダルを賭けることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
【0037】
操作卓7の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー75が設けられている。スタートレバー75は、先端に球形の操作ノブを有する揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
【0038】
また、操作卓7の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン76a、76b、76cが各リールの配列に対応して並設されている。
【0039】
操作卓7の前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴77が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴77に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
【0040】
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示するパネル51が設けられている。下部パネル部5の下側に配置された受皿ユニット6には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、払い出されたメダルを貯留する受皿部6aと、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部62がそれぞれ配置されている。
【0041】
次に、図2を参照して、筐体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。同図において、筐体2内の上部には、スロットマシン1の全体動作を制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
【0042】
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備えるリールユニット100が設けられている。リールユニット100は、前扉3が筐体2側に閉じられると前扉3の表示窓42にリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取り付けられている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
【0043】
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板(図示せず)が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
【0044】
リールユニット100の下方には、ホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置23が設けられている。主電源装置23の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板24が設けられている。更に、筐体2の上部右側の内壁に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板25が取り付けられている。
【0045】
次に、前扉3の裏面側上部には、演出用照明部46の光源である高輝度の発光ダイオード31が複数配列されると共に、上述の演出用放音部47a、47bに対向してスピーカ32a、32bが取り付けられている。また、図2には示していないが、スピーカ32a、32bの間に、表示装置48が取り付けられている。さらに、表示装置48の裏面側に、サブ制御基板30が取り付けられている。
【0046】
スロットマシン1全体の動作は、マイクロコンピュータから構成される主制御基板20によって統括制御される。同じく、マイクロコンピュータから構成されるサブ制御基板30は、主制御基板20からの制御信号に基づいて表示装置48による演出映像の表示制御、演出用照明部46、49a、49bを使った照明制御、および演出用放音部47a、47b、62を使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
【0047】
サブ制御基板30の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓42が形成されたパネル板が配置され、表示窓42の下方には、前面側のスタートレバー75及びストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
【0048】
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取り付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受付けを示す信号を主制御基板20へ送出する。
【0049】
メダル選別装置34の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(または異物)をメダル排出口61へ案内するガイド部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21から排出されたメダルをメダル排出口61へ案内するガイド部材37が設けられている。さらに、メダル排出口61に隣接して、上述した演出用放音部62に対向するスピーカ38が取り付けられている。
【0050】
次に、リールユニット100の構造を図3を参照して説明する。なお、図3(a)は、リールユニット100に備えられたリール101aを分解して表した平面図、図3(b)は、リールユニット101aの側面図である。リールユニット100は、3個のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられて組み立てられるが、ここでは、一のリール101aについてその構造を代表して説明する。
【0051】
リール101aは、ステッピングモータ110aの回転軸が挿入される軸穴を有するボス部102と、ボス部102を中心に放射状に延在する複数本のアーム部103と、アーム部103の先端部分に接続されボス部102の中心から同心円状に形成された第1リング部104と、第1リング部104と同一径を有し、これと所定の間隔をおいて平行に位置する第2リング部105と、第1リング部104と第2リング部105を複数カ所で連結する棒状の連結部106から構成され、これらを骨組み体として比較的軽質のプラスチックによって一体的に形成されている。また、一つのアーム部103には、内側に向けて延びる舌片状の遮光片107が形成されている。なお、円筒状のリール101aの外周面には、後述する複数種類の図柄が印刷された長尺状のプラスチックシートであるリールテープ108が捲装されている。
【0052】
ステッピングモータ110aの駆動軸にリール101aのボス部102が固着されることで、ステッピングモータ110aによるリール101aの回転駆動が可能となっている。なお、ステッピングモータ110aは、板状の基枠体111にボルト112で固定される。
【0053】
基枠体111に取り付けられるバックランプユニット113には、上下方向に3個のバックランプ114、115、116が設けられている。バックランプユニット113はリール101aの内部に収容され、ランプ114、115、116がリールテープ108の裏面を照射することにより、リールテープ108に描かれた3個の図柄を明るく表示するようになっている。
【0054】
また、バックランプユニット113を介して基準位置センサ120aが基枠体111に取り付けられており、リール101aが一回転する毎にリール101aのアーム部103に形成された遮光片107が基準位置センサ120aを遮光してオン動作させる。なお詳細は後述するが、本実施形態では、リールテープ108に21個の図柄が描かれ、リール101aが回転して先頭の図柄(図柄番号[1])が表示窓42の中央の有効ラインへさしかかると同時に、最後尾の図柄(後述する図柄番号[21])が当該有効ラインを超えた位置を基準位置として、基準位置センサ120aの出力信号が立ち上がるように形成されている。
かかる構成のリール101a、101b、101cが3個配列してリールユニット100が組み立てられている。
【0055】
続いて、図4のブロック図を参照して、スロットマシン1に対するゲーム制御システムについて説明する。
主制御基板20は、CPU201の他にROM、RAM等の半導体メモリからなる記憶部203を備えている。ROMにはスロットマシン1のゲームの動作を制御する動作制御(システム)プログラム204に従ってCPU201が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括制御している。主制御基板20には、ベットボタン72、73、74、スタートレバー75、ストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類、メダル選別装置34のメダルセンサ34a等の検出スイッチ類が配線ケーブルで接続され、これらのスイッチ類からの出力信号によりゲームに係る操作が検出される。
【0056】
また、主制御基板20は、各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ120a、120b、120cの検出信号を入力し、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板130に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板130は、主制御基板20からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ110a、110b、110cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作を行っている。
【0057】
また、主制御基板20には、ホッパ装置21等のメダル払出装置、およびサブ制御基板30がそれぞれ配線ケーブルによって接続されている。入賞が確定した際、主制御基板20はホッパ装置21を制御することで、所定数のメダルを受皿部6aに払い出す。サブ制御基板30は、主制御基板20からの制御信号に基づいて表示装置48、演出用照明部46、49a、49b、演出用放音部47a、47b、62を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
【0058】
なお、主制御基板20には、乱数抽選部202が設けられるとともに、記憶部203に、入賞抽選テーブル205が記憶されている。例えば、動作制御プログラム204は、スタートレバー75が操作された時点で乱数抽選部202を起動させて乱数値を取得し、入賞抽選テーブル205を参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として当選し、記憶部203の内部抽選フラグ206に記憶する。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。
【0059】
また、記憶部203には、図柄配列データ207、リール停止位置検索テーブル208、リール停止位置選択テーブル209等の書き換え不可の参照データテーブルが記憶され、さらにリール停止コマフラグ210、リール制御フラグ211等の書き換え可能なデータフラグ用のメモリ領域が確保されている。これら参照データテーブルおよびデータフラグは、リール101a、101b、101cの回転及び停止制御の際に用いられる。
【0060】
さらに、主制御基板20には、後述する自動停止制御を起動するまでの時間を計測するタイマ212、および各リール101a、101b、101cのステッピングモータ110a、110b、110cを制御するパルス信号(回胴駆動パルスデータ)の同期を取るためのタイマ割込生成部213が設けられている。
【0061】
次に、図5のフローチャートに基づいて、スロットマシン1におけるゲーム動作の概要を説明する。
スロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの配当が完了した時、または先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態においては、当該状態を遊技者に示唆するとともにゲーム操作を促す待機モードの演出が行われる(ステップS101)。遊技者がメダル投入部71にメダルを投入し何れかのベットボタン72、73、74を押圧操作することで、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数のメダルが賭けられゲームが準備される(ステップS102:YES)。
【0062】
ゲーム準備の状態でスタートレバー75が傾倒操作されゲームが開始されると(ステップS103:YES)、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始める(ステップS104)とともに、上述した内部抽選を実行する(ステップS105)。内部抽選の結果は、内部抽選フラグ206に記憶される。
【0063】
次に、遊技者により何れかのストップボタン76a、76b、76cが押圧操作されることで、主制御基板20がリール停止の操作を検出すると(ステップS106:YES)、押圧操作されたストップボタンに対応するリールを停止させる制御を行う(ステップS107)。そして、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS108:YES)、各リールが表示する図柄と上述の内部抽選フラグ206に対応する入賞役に係る図柄の組合せとが一致しているかどうか判定する(ステップS109)。
【0064】
ステップS109の入賞の判定においては、例えば、ベットボタン74が押圧操作されることで当該ゲームに3枚のメダルが賭けられた場合、図6に示されるように、表示窓42を通して目視される縦横3個、計9個の図柄のうち、上中下段のラインL1、L2、L3に沿って横3列に並んだ3組の図柄と、右に下る斜めのラインL4と左に下る斜めのラインL5に沿って対角線上に3列並んだ2組の図柄を調べ、何れか1つの組の図柄が内部抽選フラグ206に対応する入賞役に係る図柄の組合せに一致しているかどうか判定する。このときの有効ラインは、L1、L2、L3、L4、L5になる。また、ベットボタン73が押圧操作され2枚のメダルが賭けられた場合には、入賞役に係る図柄の組合せが判定される有効ラインは上中下段のラインL1、L2、L3のみとなる。更に、ベットボタン72が押圧操作され1枚のメダルが当該ゲームに賭けられた場合には、中央(中段)のラインL1のみを有効ラインとして、入賞役に係る図柄の組合せが判定される。
【0065】
入賞役への入賞が確定すると(ステップS109:YES)、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルを受皿部6aへ払い出す(ステップS110)。または配当数分のメダルを内部貯留しているクレジット数に加算してもよい。
【0066】
なお、主制御基板20は、ステップS102においてスタートレバー75によるゲーム開始操作を検知するとタイマ212を起動し、タイマ212が例えば40秒の既定時間経過を示した時に何れかのリールが回転中である場合(ステップS111)に、当該リールを自動的に停止させる自動停止制御を行っている(ステップS112)。そして、自動停止されたリール101a、101b、101cについても、ステップS109において、それぞれのリールが表示する図柄に基づく入賞判定が行われる。
【0067】
次に、スロットマシン1における入賞形態の一例を図7及び図8を参照し説明する。図7は、各リール101a(左リール)、101b(中央リール)、101c(右リール)の外周に捲装されるリールテープ108に描かれた図柄の名称及びその配列の順番(図柄番号)を示している。また、図8には、スロットマシン1における入賞形態を、図7に表示した図柄の組合せを用いて例示している。
【0068】
図7において、各リール101a、101b、101cのリールテープには、7種類21個の図柄が適宜の順序で描かれ、それぞれの図柄に[1]から[21]の図柄番号が順次連続して割り当てられている。なお、本実施形態によるスロットマシン1においては、各リールは、表示窓42を通して表示される図柄が上から下へ移動する方向に回転するものとしている。このため、図7に示すように、図柄番号の順(昇順)に各図柄が変動表示されるようになっている。
【0069】
図7に示した図柄の配列及び名称を有するスロットマシン1の入賞形態、すなわち、入賞役に係る図柄の組合せについて、その具体的な一例を図8に基づいて説明する。なお、図8(a)は、一般遊技における入賞役に係る図柄の組合せとメダル払出数(メダル配当数)を表している。一般遊技における入賞役の形態は、入賞時に所定枚数のメダルを払い出す小役と、大当たり役である「ボーナス役(以下、BB役という)」から構成されている。
【0070】
なお、図8(a)に示す一般遊技中の「リプレイ」役は、先のゲームで投入したメダルの枚数を維持しつつ再ゲームの権利を遊技者に与える入賞役である。また、大当り役であるBB役に入賞すると、スロットマシン1は動作制御プログラム204の制御により「BBゲーム」のモードに突入する。この「BBゲーム」のモードにおいては、小役とJAC入賞が高確率で獲得できるゲームを所定のゲーム回数、例えば、10回行うことができる。
【0071】
図8(b)は、「BBゲーム」のモードに突入したときの入賞形態の一例を示す。 図8(b)に示すように、「BBゲーム」のモードに突入し、「JAC」「JAC」「JAC」の図柄が揃うと5枚のメダルが払い出されると共に「JACイン」が確定する。そして、「JACイン」が確定した後のJACゲームにおいて、「赤7」「リプレイ」「リプレイ」、または「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄が揃うと15枚のメダルが払い出される。
【0072】
このように、遊技者はBB役に入賞すると、例えば、「BBゲーム」のモードで行う10回のゲームにより、多数のメダルを獲得することができる。さらに、「BBゲーム」のモードが終了した次のゲームにおいては、乱数値による内部抽選により、「BBゲーム」の継続を行うかどうかの決定が行われるようになっている。この「BBゲーム」の継続を決定する内部抽選は、動作制御プログラム204により高確率で継続が確定するように設定されている。このため、遊技者は、BB役に入賞すると、連続して「BBゲーム」を内部抽選により獲得可能な権利を得ることができる。
【0073】
本発明のスロットマシン1の動作制御プログラム204は、BB役の入賞およびBB役に入賞した「BBゲーム」が終了した後に「BBゲーム」の継続を決定する内部抽選の抽選結果のデータを制御コマンドと共にサブ制御基板30に送信する。
【0074】
図9は、サブ制御基板30のROM等に搭載されているプログラムと各種基準データの構成例を示す。図9に示すように、サブ制御基板30のROMに搭載されているプログラムは、メインプログラムP1、表示制御プログラムP2、演出用ランプ制御プログラムP3、演出用音声・効果音出力プログラムP4から構成されている。さらに、ROMおよび画像メモリ等には、各種の基準データP5が記憶されている。
【0075】
メインプログラムP1は、主制御基板20から送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、上記したプログラムP2、P3、P4等の作動を制御するプログラムである。さらに、メインプログラムP1は、大当りが連続して発生した回数をカウントする大当り連続発生回数カウントプログラムP1aを備えている。この大当り連続発生回数カウントプログラムP1aが行う処理は、大当り連続発生回数カウント手段を構成する。
【0076】
表示制御プログラムP2は、演出用の画像等を表示装置48に表示するためのプログラムである。表示制御プログラムP2は、スロットマシン1の電源をONしたときの初期画像の表示、ゲーム進行に伴って各種の演出用の画像等を表示装置48に表示するためのゲーム演出表示プログラムP2aと、2次元コードを表示装置48に表示する2次元コード表示プログラムP2b等を備えている。この2次元コード表示プログラムP2bが行う処理は、2次元コード表示手段を構成する。
【0077】
演出用ランプ制御プログラムP3は、演出用照明部46、49a、49bの点灯と消灯を制御するプログラムである。演出用音声・効果音出力プログラムP4は、演出用放音部47a、47b、62から音声や効果音を出力するためのプログラムである。
【0078】
サブ制御基板30のROMや画像メモリ等に記憶されている基準データP5は、表示制御プログラムP2および演出用音声・効果音出力プログラムP4が出力するためのデータでる2次元コードデータP5a、演出用画像データP5b、演出用音声・効果音データP5cから構成されている。このうち、演出用画像データP5bはその記憶容量が大きくなるので、画像メモリ等に記憶することが望ましい。
【0079】
2次元コードデータP5aは、例えば、QRコード(登録商標)のように多数の情報量を表現できる2次元コードを示し、この2次元コードP5aがイメージ(画像)情報としてROM等に記憶されている。この2次元コードデータP5aで表現する情報は、少なくともインターネットに接続され携帯電話機(以下、携帯電話端末という)からアクセスすることが可能なWebサーバのURL(Uniform Resource Locator)とし、さらに、この2次元コードを記憶しているスロットマシン1の機種を表す機種識別番号、等を含めるようにしてもよい。
【0080】
続いて、上述の入賞形態を有するスロットマシン1において、主制御基板20が実行するリール101a、101b、101cの回転及び停止制御について説明する。図10は、図4に示したスロットマシン1のハードウエア資源を用いて主制御基板20に備えられる、リール101a、101b、101cの回転及び停止制御に係る手段を表すブロック図である。
【0081】
動作制御プログラム204には、内部抽選手段250が備えられている。内部抽選手段250は、上述したように、スタートレバー75の操作を契機に乱数抽選部202を起動して乱数値を取得し、入賞抽選テーブル205を参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。そして、内部抽選の結果を内部抽選フラグ206に記憶する。
【0082】
さらに、動作制御プログラム204は、スタートレバー75の操作を契機に全てのリール101a、101b、101cの回転を開始して、各リールを一定の速度で回転させる制御を行う。そして、動作制御プログラム204は、各リール101a、101b、101cの回転に伴ってサンサーから得られる位置情報および停止制御を行うために必要な制御情報等をタイマー割り込みによりリール制御フラグ211に書き込む処理を行う。このようにして、動作制御プログラム204は、中央のラインL1上に表示する図柄の種類(図柄番号)およびリールの回転位置を正確に把握することが可能になる。
【0083】
次に、動作制御プログラム204が備えているストップ操作停止制御手段260について説明する。ストップ操作停止制御手段260は、ストップボタン76a、76b、76cが押圧操作に応じて対応するリールの回転を停止させる。なお、ストップ操作停止制御手段260のリール制動手段262は、ストップボタンによる停止操作が検出された時点でリール制御フラグ211に記憶されているリールの回転位置情報に基づいて該当する図柄を中央のラインL1上に停止させる、いわゆる「目押し制御」を行うことができる。
【0084】
次に、特定の図柄をラインL1上に停止させる「引き込み制御」と呼ばれるリールの制動制御を説明する。「引き込み制御」は、ストップボタンが操作されると、動作制御プログラム204は、内部抽選フラグ206を判定する。そして、内部抽選フラグ206が図8(a)に示すいずれかの入賞役に当選し、その入賞役に係る図柄がラインL1を通過中の図柄から所定の滑りコマ数(例えば5コマ)だけ先に配置された図柄の中にある場合、その図柄の図柄番号をリール制御フラグ211に記憶する。そして、リール制動手段262は、入賞に係る図柄番号の図柄がラインL1に到達するまで、リールの制動を行わず、その間の図柄を滑らせる。そして、リール制御フラグ211に記憶した図柄番号の図柄がラインL1に到達し、このリールの回転位置情報が所定の値になった時点で、ステッピングモータへの制動を行う。これにより、入賞に係る図柄がラインL1の中央に停止することが可能になる。
【0085】
続いて、本発明の特徴である大当り役の連続発生回数をカウントし、この大当りの連続発生回数が所定の回数に達すると、2次元コードを表示装置48に表示するための処理手順について説明する。主制御基板20とサブ制御基板30は、下記の(手順1)〜(手順11)に基づいて2次元コードを表示装置48に表示する。この手順の処理内容は次のようになる。
【0086】
(手順1)
主制御基板20の動作制御プログラム204は、図8に示す大当り役であるBBボーナス役1」はたは「BBボーナス役2」のいずれかの入賞が確定すると、BBボーナス役が発生したことを示す制御コマンドをサブ制御基板30に送信する。
【0087】
(手順2)
サブ制御基板30は、BBボーナス役が発生したことを示す制御コマンドを受信すると、サブ制御基板30の大当り連続発生回数カウントプログラムP1aは、RAMの大当りの連続発生回数をカウントする領域に「1」を加算する処理を行う。
【0088】
(手順3)
主制御基板20の動作制御プログラム204は、(手順1)に記載の大当り役の「BBゲーム」が終了し、再度、「BBゲーム」を継続するか否かの内部抽選結果の情報を、制御コマンドと共にサブ制御基板30に送信する。
【0089】
(手順4)
サブ制御基板30の大当り連続発生回数カウントプログラムP1aは、「BBゲーム」の継続の抽選結果について、「ハズレ」の制御コマンドを受信すると大当りの連続発生回数をカウントする領域を「0」にクリアする処理を行う。一方、「継続確定」の制御コマンドを受信すると、大当りの連続発生回数を「+1」する処理を行う。
【0090】
(手順5)
サブ制御基板30の大当り連続発生回数カウントプログラムP1aは、大当りの連続発生回数を「+1」するごとに、この連続発生回数が予め設定された回数値、例えば、10回になったか否かをチェックする処理を行う。
【0091】
(手順6)
サブ制御基板30の大当り連続発生回数カウントプログラムP1aは、大当りの連続発生回数が予め設定された回数値、例えば、上記の10回に達したと判定したときには、2次元コード表示プログラムP2bを作動させる。
【0092】
(手順7)
2次元コード表示プログラムP2bは、予めROM等に記憶している2次元コードP5aを表示装置48に表示する処理を行う。図11は、この2次元コードを表示装置48に表示したときの一例を示す図である。図11に示すように、表示装置48の中央部に3個の2次元コードP5a1、P5a2、P5a3を表示するようにする。前記したように、この2次元コードP5a1、P5a2、P5a3は、少なくとも携帯電話端末でアクセスすることができる携帯電話サイトのURLがQRコード(登録商標)で表現されている。図11に示す例では、3個の2次元コードP5a1、P5a2、P5a3を表示するようにしている。この理由は、携帯電話サービス会社ごとに2次元コードを用いて情報を表現する仕様が若干異なるために、各携帯電話サービス会社に対応する2次元コードP5a1、P5a2、P5a3、等を表示する必要があるからである。従って、遊技者は自分が加入している各携帯電話サービス会社に対応する2次元コードを、携帯電話端末から読み取る必要がある。また、この2次元コードP5a1等は、各各携帯電話サービス会社に対応する2次元コードを予めROM等に記憶しておく必要がある。
【0093】
(手順8)
表示装置48に2次元コードが表示されると、図12に示すように、遊技者は自分の携帯電話端末Kを用いて、表示装置48に表示されている2次元コードP5a1、P5a2、P5a3のいずれかを撮像する。遊技者が携帯電話端末Kによりこの2次元コードを撮像すると、携帯電話端末Kの画面にこの2次元コードがURLを表す文字情報として表示されるので、遊技者はこのURLをアクセスする操作を行う。このような操作により、携帯電話端末Kの画面には、インターネットNを介してWebサーバWのWebページが表示されることになる。
【0094】
なお、このような処理を行うことができる携帯電話端末Kは、カメラ機能とこのカメラ機能で撮像した2次元コードを複号化(デコード)し、複号化したURLをアクセスする機能(Webプラウザ機能)を備えている必要がある。また、遊技者の携帯電話端末Kは、携帯電話サービス会社が提供するインターネット接続サービスに加入しておく必要がある。なお、図12において、Dは携帯電話サービス会社のサーバ(インターネット接続用サーバ)、PはインターネットNに接続された遊技者等のパーソナルコンピュータを示す。
【0095】
(手順9)
遊技者の携帯電話端末KがインターネットNを介してWebサーバWをアクセスすると、WebサーバWは、図13に示すようなWebページを携帯電話端末Kの表示装置に表示させるようにする。遊技者はこのWebページに氏名、住所、電話番号、メールアドレス、等を入力してWebサーバWに送信する操作を行う。
【0096】
(手順10)
WebサーバWの管理プログラムは、遊技者の携帯電話端末Kから氏名、住所、電話番号、メールアドレス、等が送信されてくると、この遊技者に対して、例えば、10回の大当り役を連続して獲得したことに対する栄誉を称えるために、景品やサービス等の特典を贈呈するための処理を行う。
【0097】
(手順11)
上記のように、例えば、大当り役が10回連続して発生したとき、2次元コードをスロットマシン1の表示装置48に表示するタイミングは次のようにする。
(1)10回目の大当り役の入賞が確定すると、まず、ゲーム演出表示プログラムP2aにより、大当り役入賞の演出画像を所定の時間ほど表示装置48に表示する。
(2)続いて、2次元コード表示プログラムP2bにより、図11に示すように、2次元コードを表示装置48に表示する。
(3)2次元コードの表示装置48への表示は、遊技者がBBゲームの権利を獲得した後、遊技者が最初にスタートレバー75が押圧するまで表示するようにする。従って、10回の大当り役を連続して獲得した遊技者は、表示装置48に2次元コードが表示されたときに、携帯電話端末Kを使用して2次元コードを撮像してURLをアクセスし、上記(手順9)の操作を行った後に、次のゲームを開始するようにする。
【0098】
上記した(手順6)〜(手順7)の処理においては、大当り役の連続発生回数が10回になったときを例にして説明したが、さらに、大当り役は10回以上連続して発生する可能性がある。この理由は、大当り役は乱数値を使用した内部抽選により決定されるからである。従って、本発明においては、例えば、遊技者が20回、30回、・・・等の連続した大当たり役を獲得した場合にも、遊技者に別の景品やサービスを贈呈するようにすることができる。この場合には、20回目、30回目、・・・等の連続した大当たり役が発生すると、表示装置48に表示する2次元コードP5aにはWebサーバWのURLと、この大当りの連続発生回数である「20」、「30」、・・・、等の大当りの連続発生回数に関する情報を含めるようにする。
【0099】
上記のように、2次元コードP5a1、・・等に、URLの他に大当りの連続発生回数に関する情報も含めておくと、WebサーバWは携帯電話端末Kからこの大当りの連続発生回数に関する情報も取得することができる。これにより、WebサーバWは、大当り役の連続発生回数が、例えば10回の他に、20回、30回、・・・に達成した遊技者の情報についても得ることができるので、本発明は、大当り役の連続発生回数が所定の回数に達するごとに、遊技者に異なった特典を贈呈することが可能になる遊技システムを提供することができる。
【0100】
なお、携帯電話端末を所有していない遊技者も存在する。本発明においては、この対策として次のような手段を採用するとよい。すなわち、大当りして遊技機の表示装置48に2次元コードが表示されると、遊技者は、遊技ホールの店員を呼ぶ。そして、遊技者または遊技ホールの店員は、遊技ホールが所有している携帯電話端末を使用して表示装置48に表示された2次元コードを撮像する。この2次元コードの撮像が終了すると、遊技者はゲームを継続か、適当な合間に、この携帯電話端末に自分の住所等を入力してWebサーバWをアクセスするようにする。
【0101】
また、本発明において、表示装置に表示させる2次元コードP5aには、さらに、遊技機の機種を識別する機種識別情報も含むようにするとよい。特に、WebサーバWの所有者が遊技機製造会社あるいはその関連会社である場合には、2次元コードに遊技機の機種を識別する情報を含めておくと、全国の遊技ホールに販売した遊技機について、WebサーバWは大当り役の連続発生回数が所定の回数に達成した実績を日々把握することが可能になる。これにより、大当り役の連続発生回数等についてインターネットNを介して携帯電話端末KやパーソナルコンピュータPに公開することにより、当該遊技機のPR効果を大きくすることが可能になる。
【0102】
以上に説明した実施形態においては、スロットマシンの大当り役としてシングルボーナスが設定されているスロットマシンについて説明したが、本発明は、大当り役として「ビッグボーナス」および「レギュラーボーナス」が設けられているタイプのスロットマシンについて適用することができる。このようなタイプのスロットマシンにおいては、ビッグボーナス」または「レギュラーボーナス」の大当り役のゲームが終了した後、所定のゲーム回数以内、例えば、30ゲーム以内に再度「ビッグボーナス」または「レギュラーボーナス」の入賞が確定したときに大当りの連続発生回数を「+1」するようにする。
【0103】
さらに、本発明は、前記した確率変動型のパチンコ遊技機にも適用することができる。本発明を確率変動型のパチンコ遊技機に適用した場合、動作制御プログラムは大当り役の連続発生回数を次のような手順によりカウントする処理を行うようにする。
【0104】
(1)まず、遊技者がゲームを開始して、最初に確率変動の大当り役が発生したときには、大当りの連続発生回数を「1」にする処理を行う。そして、この大当り役のゲームが終了して次の大当り役が発生したときに、この大当りが確率変動の大当り、あるいは確率変動でない大当りであった場合でも、大当りの連続発生回数を「+1」する。確率変動の大当りであった場合には、さらに、大当りが継続されることになる。
【0105】
(2)確率変動でない大当りが発生した場合でも、この大当りのゲームが終了した後に所定のゲーム回数(例えば、100回の始動回数)ほど大当り役が発生し易いゲーム、いわゆる、「チャンスタイム」あるいは「時短」を備えているパチンコ遊技機においては、この「チャンスタイム」あるいは「時短」のゲーム中に発生した大当りも、大当りの連続発生回数を「+1」する処理を行う。
【0106】
そして、上記(1)、(2)の手順によりカウントした大当りの連続発生回数が、予め設定された所定の回数になると、前記したスロットマシン1と同様に、パチンコ遊技機の表示装置に2次元コードを表示する処理を行う。この2次元コードを表示するタイミングは、この所定の回数目の大当り役に入賞したときに所定の時間ほど表示するか、あるいは、この所定回数目の大当りのゲームが終了したときに所定の時間ほど表示するようにする。
【0107】
なお、上記した本発明の実施形態の説明において、2次元コードP5aはサブ制御基板30の記憶装置に記憶する例について説明したが、本発明は、サブ制御基板30のROM等に2次元コード作成プログラムを搭載しておき、2次元コードを表示装置に表示させる必要が発生したときにこの2次元コード作成プログラムを作動させて2次元コードを作成し、作成した2次元コードを表示装置に表示させるように制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施形態によるスロットマシンの外観構造を表した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態によるスロットマシンの内部構造を表した図である。
【図3】(a)は、本発明の実施形態による一つのリールの構造を分解して表した平面図、(b)は、一つのリールの側面図である。
【図4】本発明の実施形態によるスロットマシンの制御システムを表したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態によるスロットマシンにおけるゲーム動作の概要を表すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態によるスロットマシンの表示窓に表示される図柄と、ゲーム結果の判定に用いる有効ラインを表す図である。
【図7】本発明の実施形態によるリールの図柄の配列と各図柄の名称を説明するための表である。
【図8】本発明の実施形態によるスロットマシンにおける入賞形態の一例を示す表である。
【図9】本発明の実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板に搭載されているプログラムの構成を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態によるスロットマシンに備えられる、リールの回転動作制御に係る手段を表すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態によるスロットマシンにおいて、大当りの連続発生回数が所定の回数に達したときに、表示装置に表示される画面例を説明するための図である。
【図12】本発明のゲームシステムの構成を説明するための図である。
【図13】本発明のゲームシステムを利用して、遊技者が携帯電話端末によりWebサーバをアクセスしたときに、この携帯電話端末に表示される画面例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0109】
1…スロットマシン
20…主制御基板
30…サブ制御基板
42…表示窓
72、73、74…ベットボタン
75…スタートレバー
76a、76b、76c…ストップボタン
100…リールユニット
101a、101b、101c…リール
110a、110b、110c…ステッピングモータ
120a、120b、120c…基準位置センサ
130…回胴装置基板
201…CPU
202…乱数抽選部
203…記憶部
204…動作制御プログラム
205…入賞抽選テーブル
206…内部抽選フラグ
207…図柄配列データ
250…内部抽選手段
P1a…大当り連続発生回数カウントプログラム
P2b…2次元コード表示プログラム
P5a…2次元コード
K…携帯電話端末
N…インターネット
W…Webサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当り役に入賞したゲームが終了した後に前記大当り役に入賞し易いゲームが提供されて、前記大当り役に連続して入賞可能にされている遊技機であって、前記遊技機は、
前記大当り役に連続して入賞した大当りの連続発生回数をカウントする大当りの連続発生回数カウント手段と、
少なくともWebサーバのURLを表す2次元コードを前記遊技機の表示装置に表示する2次元コード表示手段を備え、
前記2次元コード表示手段は、前記大当りの連続発生回数カウント手段がカウントした大当りの連続発生回数が所定の回数に達すると、前記2次元コードを前記表示装置に表示することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記2次元コードは前記大当りの連続発生回数に関する情報を含み、前記2次元コード表示手段は前記大当りの連続発生回数が予め設定された所定の回数に達すると、前記所定の回数に相当する前記大当りの連続発生回数に関する情報を含む2次元コードを前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記WebサーバのURLは、前記遊技機の製造会社またはその関連会社のURLとされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
請求項1から請求項3に記載の遊技機を使用した遊技システムであって、前記表示装置に表示された2次元コードを携帯端末により撮像して前記WebサーバのURLをアクセスした遊技者に特典を贈呈するようにしたことを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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