説明

遊技機の球払出装置

【課題】球詰まりの解消と球の円滑な払い出しとを図る。
【解決手段】払出機構3の配置される払出配置部分の前壁から後方への寸法である前後幅をL1とし、球切検出機構5の配置される球検出配置部分の前壁から後方への寸法である前後幅をL2とし、それ以外の部分の前壁から後方への寸法である前後幅をL3とすると、タンク2の球貯蔵室がL1<L2<L3に構成されたことによって、タンク2の球貯蔵室の前後幅が払出機構3の球入口7に向けて絞られたので、タンク2の底面6を流下する球が多量に球入口7に集中することがなく、タンク2の底面6を流下する球の量が球入口7に向けて徐々に減少し、払出体11に負担がかかり過ぎることがなく、球詰まりも発生しにくく、払出体11が球を円滑に払い出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球詰まりが発生しにくく、球が円滑に払い出される遊技機の球払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
球を遊技媒体として使用するパチンコ遊技機などの遊技機では、賞球または貸球などとしての球を遊技機の前部の受皿に払い出す球払出装置が知られている。図11は、特許文献1で開示された球払出装置を示す。図11において、タンク2の底部には、球入口7と収容部8および庇10が設けられる。収容部8の底部には、球出口9が設けられる。収容部8には、螺旋構造の払出体11が収容される。タンク2の外面には、払出モータ12が固定される。払出モータ12の出力軸が払出体11に連結される。そして、払出体11が払出モータ12によって一方向に回転されると、球が矢印X2で示すようにタンク2から球入口7と収容部8および球出口9を経由して払い出される。しかしながら、タンク2から球入口7に多量の球が集中し、払出体11に負担がかかり過ぎ、球詰まりを発生しやすいという欠点がある。
【特許文献1】特開平8−10415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、球詰まりを発生しやすいという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る遊技機の球払出装置は、タンクの底部に払出機構を備え、上記底部の球の接触する底面が球を払出機構の球入口に向けて流下させる斜面を構成した遊技機の球払出装置において、タンクの球を貯蔵する球貯蔵室の前後幅が払出機構の球入口に向けて絞られたことを最も主要な特徴とする。払出機構が球を1個ずつ前後方向に分離するように収容部に配置された螺旋構造の払出体と払出体を駆動するようにタンクの球貯蔵室の外側で後壁に固定された払出モータとを備えたか、または、タンクの球貯蔵室を上から見た場合に、球貯蔵室の前後幅が払出機構の球入口に向けて階段状に絞られ、前後幅の最も小さな部分には払出機構が配置され、最も小さな部分よりも大きな前後幅の部分には球切検出機構が配置されたか、または、球切検出機構の感知レバーが球貯蔵室に配置された部分に突起を備えてもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る遊技機の球払出装置は、タンクの球貯蔵室の前後幅が払出機構の球入口に向けて絞られたので、底面を流下する球が多量に球入口に集中することがなく、底面を流下する球の量が球入口に向けて徐々に減少し、払出機構に負担がかかり過ぎることがなく、球詰まりも発生しにくく、払出機構が球を円滑に払い出すことができるという利点がある。払出機構が球を1個ずつ前後方向に分離するように収容部に配置された螺旋構造の払出体と払出体を駆動するようにタンクの球貯蔵室の外側で後壁に固定された払出モータとを備えれば、払出モータがタンクよりも後方に突出しないようにタンクに取り付けられるかまたは払出モータがタンクよりも後方に突出する寸法を減少するようにタンクに取り付けられるという利点がある。タンクの球貯蔵室を上から見た場合に、球貯蔵室の前後幅が払出機構の球入口に向けて階段状に絞られ、前後幅の最も小さな部分には払出機構が配置され、最も小さな部分よりも大きな前後幅の部分には球切検出機構が配置されれば、球切検出機構がタンクよりも後方に突出しないようにタンクに取り付けられるかまたは球切検出機構がタンクよりも後方に突出する寸法を減少するようにタンクに取り付けられるという利点がある。球切検出機構の感知レバーが球貯蔵室に配置された部分に突起を備えれば、突起がタンクの底面から球受部の上に到達した球を球受部に留め置くことなく球入口の方に良好に誘導するという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1乃至図9は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、遊技機の球払出装置1の平面を示す。図2は、球切検出機構5を分解して示す。図3は、タンク2と球切検出機構5とを分解して示す。図4は、球切検出機構5の取り付けられたタンク2を示す。図5はタンク2における球切検出機構5の周りを示す。図6は、球からの力が作用していない場合における球切検出機構5の動作を示す。図7は、球から錘35の重さよりも大きい力が作用している場合における球切検出機構5の動作を示す。図8は、球払出装置1を搭載したパチンコ遊技機を示す。図9は、球払出装置1を搭載したパチンコ遊技機の背面を示す。本明細書において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図8の状態に遊技機枠を置いて矢印Sで示す前側から見た場合に特定される方向である。
【0007】
図1を参照し、遊技機の球払出装置1について説明する。図1のa図において、球払出装置1は、タンク2に払出機構3、抜取機構4、球切検出機構5などを備える。そして、抜取機構4が人による閉操作でタンク2の底部を閉鎖し、払出機構3が停止した状態において、遊技機設置構造体の補給機構から排出されたパチンコ球と呼ばれる球がタンク2の上方からタンク2の内部に入れられてタンク2に貯蔵される。球がタンク2に貯蔵された状態において、払出機構3が駆動すると、球がタンク2から下方外部に払い出され、あるいは、抜取機構4が人による開操作でタンク2の底部を開放すると、球がタンク2から下方外部に抜き取られる。
【0008】
タンク2は、上方に開口した箱形の球貯蔵室を内部に構成する。タンク2の球貯蔵室は、払出機構3の配置される払出配置部分の前壁から後方への寸法である前後幅をL1とし、球切検出機構5の配置される球検出配置部分の前壁から後方への寸法である前後幅をL2とし、それ以外の部分の前壁から後方への寸法である前後幅をL3とすると、L1<L2<L3に構成される。タンク2の底面6は、球を矢印X1で示す方向たる左から右に向けて流下させるというように、球を球入口7に向けて流下させる斜面を構成する。そして、前後幅L1が最も小さな払出配置部分には払出機構3が配置され、前後幅L2が中間の球検出配置部分には球切検出機構5が配置されているので、前後幅L3の最も大きな部分の後壁に沿ってタンク2の底面6を流下する球が球切検出機構5の感知レバー19で球入口7に向けて斜めに誘導されるという利点がある。つまり、タンク2の球を貯蔵する球貯蔵室の前後幅が払出機構3の球入口7に向けて絞られたので、タンク2の底面6を流下する球が多量に球入口7に集中することがなく、タンク2の底面6を流下する球の量が球入口7に向けて徐々に減少し、払出機構3に負担がかかり過ぎることがなく、球詰まりも発生しにくく、払出機構3が球を円滑に払い出すことができるという利点がある。
【0009】
タンク2の球貯蔵室を上から見た場合に、球貯蔵室の前後幅L1乃至L3がL1<L2<L3のように払出機構3の球入口7に向けて階段状に絞られ、前後幅L1の最も小さな部分には払出機構3が配置され、最も小さな部分よりも大きな前後幅L2の部分には球切検出機構5が配置されたので、球切検出機構5がタンク2よりも後方に突出しないようにタンク2に取り付けられるか、または、球切検出機構5がタンク2よりも後方に突出する寸法を減少するようにタンク2に取り付けられるという利点がある。また、払出機構3が、球を1個ずつ前後方向に分離するように収容部8に配置された螺旋構造の払出体11と、払出体11を駆動するようにタンク2の球貯蔵室の外側で後壁に固定された払出モータ12とを備えたので、払出モータ12が前後幅L1と前後幅L3との差(L1−L3)である部分に配置され、払出モータ12または筐体13がタンク2よりも後方に突出しないようにタンク2に取り付けられるか、または、払出モータ12または筐体13がタンク2よりも後方に突出する寸法を減少するようにタンク2に取り付けられるという利点がある。
【0010】
払出機構3は、タンク2の右端部に設けられ、球入口7、収容部8、球出口9、庇10、払出体11、払出モータ12、筐体13を備える。球入口7は、タンク2の払出配置部分における底面6に上下方向への貫通孔として設けられる。収容部8は、球入口7の周縁部から下方への窪みとして、底面6から下方に突出する。球出口9は、収容部8の前端部における底部に上下方向への貫通孔として形成される。庇10は、球出口9の真上に位置し、球出口9を塞ぐように、底面6に設けられる。庇10の上面は、球をタンク2の前壁から球入口7に向けて流下させる斜面を構成する。払出体11は、収容部8に収容され、払出軸14および螺旋体15を備えた螺旋状である。払出軸14は、前後方向に直線的に延びる丸棒により構成される。螺旋体15は、払出軸14の前後方向に延びる軸心と平行な方向に球を1個ずつ分離する間隔で、払出軸14の外周面から径方向外側に螺旋形状に突出する。払出モータ12は、筐体13に収容され、筐体13は、タンク2の後壁の外面に固定される。払出モータ12のモータケースは、タンク2または筐体13に固定される。払出モータ12の出力軸には、払出体11が連結される。
【0011】
そして、払出体11が払出モータ12で払出軸14の周方向で図1のb図に矢印Wで示す一方向に駆動された場合、払出体11に対する収容部8の左部分8Aは、払出体11が球を収容部8の底部から球入口7の方に押し出す、押出側として構成され(以下、押出側部分8Aと称する)、払出体11に対する収容部8の右部分8Bは、払出体11が球を球入口7から収容部8の底部の方に引き込む、引込側として構成される(以下、引込側部分8Bと称する)。つまり、押出側部分8Aでは、球が矢印Wで示す方向に駆動された払出体11によってタンク2から収容部8に引き込まれにくい。引込側部分8Bでは、球が矢印Wで示す方向に駆動された払出体11によってタンク2から収容部8に引き込まれやすい。
【0012】
よって、底面6を矢印X1で示す方向に流れる球の流下方向に対し、押出側部分8Aが上流側に配置され、引込側部分8Bが下流側に配置されているので、底面6から球を引込側部分8Bよりも押出側部分8Aに優先的に供給し、押出側部分8Aにおいて払出体11に取り込まれないで上方に押し出された球を引込側部分8Bで払出体11に取り込むようになり、払出体11の上で球の攪拌が良好に行われ、収容部8と払出体11との間の空間への球の取り込みが適切に行われるという利点がある。球切検出機構5の感知レバー19には、突起36が球受部31よりも上方に突出しているので、突起36がタンク2の底面6から球受部31の上に到達した球を球受部31に留め置くことなく球入口7の方に良好に誘導するという利点がある。
【0013】
上記払出体11の駆動に伴い、螺旋体15が収容部8と払出体11との間の空間に取り込まれた球を1個ずつ分離しながら図1のa図に矢印X2で示す後から前の方に誘導し、当該誘導された球が庇10の下に潜り込み球出口9に到達するのに伴い図1のc図に矢印X3で示すように球出口9からタンク2の下方下部に払い出される。図1のc図において、球出口9には、球検出器16が設けられる。球検出器16は球出口9から払い出される球を検出した球検出信号を遊技盤の裏面に設けられた主制御装置67(図9参照)に出力する。
【0014】
図2を参照し、球切検出機構5について説明する。球切検出機構5は、機構躯体17、レバー検出器18、感知レバー19を備える。機構躯体17は、支持部20、軸21、取付孔22、取付部23を備える。支持部20は、感知レバー19を前後方向に回転可能に支持するものであって、左右方向に相対峙し、機構躯体17の上部から前方に突出する。軸21は、支持部20の左右に相対峙する面に、同軸状に相対峙するように個別に短円柱に設けられる。取付部23は、機構躯体17の下部に、前後方向への貫通孔として設けられる。取付孔22は、レバー検出器18を取り付けるものであって、前後方向への貫通孔として、機構躯体17の上下方向の中間部に設けられる。
【0015】
レバー検出器18は、凹部25、発光部26、受光部27、取付足28を備える。凹部25は、レバー検出器18の前面から後側の内部に窪み、前方および上下方向に貫通する溝として構成される。発光部26は、凹部25の一側を形成する。受光部27は、凹部25の他側を形成する。取付足28は、レバー検出器18の後部の四隅から後方に個別に突出した弾性片の先端にフックを備える。
【0016】
レバー検出器18は、機構躯体17に次のように取り付けられる。取付足28が機構躯体17の前側から取付孔22に挿入され、取付足28のフックが取付孔22から機構躯体17の後側に突出して機構躯体17に係合することによって、レバー検出器18が機構躯体17の前面に接触して機構躯体17に取り付けられる(図3参照)。
【0017】
図2に戻り、感知レバー19には、斜片部30、球受部31、軸受孔32、錘収容部33、空気逃避孔34、錘35、突起36、被検出部37が設けられる。斜片部30は、感知レバー19の上部から後上方に突出する。球受部31は、感知レバー19の下部から前下方に突出する。軸受孔32は、左右方向への貫通孔として、斜片部30の上部に設けられる。錘収容部33は、軸受孔32よりも後方に位置し、錘35を収容する左に開口した凹部として、斜片部30の上部に設けられる。空気逃避孔34は、左右方向への貫通孔として、錘収容部33の右壁に設けられる。錘35は、錘収容部33に押し込まれて装着される。錘35は、1個の球により構成される。錘35が錘収容部33に押し込まれる場合、錘収容部33の内部から空気が空気逃避孔34を経由して外部に逃げるので、錘35が錘収容部33に容易に押し込まれる。突起36は、感知レバー19の下部の前面から前側および球受部31の上面から上方に突出する。被検出部37は、感知レバー19の後面から後方に突出する。
【0018】
感知レバー19は、機構躯体17に次のように取り付けられる。球受部31が下方に向けられ、錘収容部33が上方に向けられ、被検出部37が後側に向けられ、軸受孔32が左右に相対峙する支持部20の間の隙間に挿入され、軸21と軸受孔32とが互いに嵌め合わされる。これによって、感知レバー19が、軸21を中心として前後方向に回転し得るように、機構躯体17に取り付けられる(図3参照)。
【0019】
図3を参照し、球切検出機構5がタンク2に取り付けられる構造について説明する。タンク2には、検出収容部39、検出逃避部40、取付部41が設けられる。検出収容部39は、タンク2の球切検出機構配置部における後壁42に、後壁42の上面から下方内部に窪み、上方と前後方向とに貫通する溝として構成される。検出逃避部40は、検出収容部39の下辺部に、検出収容部39の下辺部の上面から下方内部に窪み、上方と前後方向とに貫通する溝として構成される。取付部41は、タンク2の後壁42に、後方に突出する筒状に設けられる。
【0020】
機構躯体17は、タンク2に次のように取り付けられる。球受部31が後壁42よりも球貯蔵室の側に位置し、機構躯体17が後壁42よりも後側に配置され、相対峙する支持部20が検出収容部39に配置され、被検出部37が検出逃避部40に配置される。その後、タッピングスクリューのような止ねじ43が、機構躯体17の後方から取付部23を経由して取付部41に締結され、機構躯体17がタンク2に固定される。これによって、球切検出機構5がタンク2に取り付けられる(図4および図5参照)。
【0021】
図5に示すように、球切検出機構5がタンク2に取り付けられた場合、検出収容部39に配置された支持部20と後壁42とが左右方向に対向する間隔L4は、軸21と軸受孔32とが左右方向に嵌り合う寸法L5よりも小さく設定される(L4<L5)。よって、感知レバー19のレバー検出器18(図3参照)に対する動作方向(最良の形態の場合、前後方向である)と直交する方向(最良の形態の場合、左右方向)から外力が感知レバー19に作用し、支持部20が感知レバー19で外側に押し広げられた場合でも、支持部20が後壁42で受け止められ、軸21と軸受孔32との嵌め合いが解除されることなく適切に保持され、感知レバー19が支持部20から脱落することがなく支持部20に適切に支持されるという利点がある。
【0022】
図6および図7を参照し、タンク2に取り付けられた球切検出機構5の動作について説明する。図6において、レバー検出器18に電力が供給され、球からの力が感知レバー19に作用していない場合、錘収容部33が錘35の重さによって軸21を中心として後側下方に回転して機構躯体17の上部に接触して受け止められ、感知レバー19と斜片部30および球受部31が錘35の重さによって軸21を中心として前側上方に回転して後壁42から前側に離れ、被検出部37がレバー検出器18の検出光Lから前側に離れる方向に移動する。これによって、レバー検出器18は球の貯蔵量が減少した信号としての例えば球切信号を払出発射制御装置68(図9参照)に出力し、払出発射制御装置68が球の払出を停止するような遊技中断処理を実行しかつ遊技店の営業を管理する図外のホールコンピュータに球切信号を出力し、ホールコンピュータが補給機構を制御し、補給機構が例えば500個などの規定数の球をタンク2に供給する。
【0023】
図7において、レバー検出器18に電力が供給され、球から錘35の重さよりも大きい力が球受部31に上から下向きに作用した場合、錘収容部33が錘35の重さよりも大きい力によって軸21を中心として前側上方に回転して機構躯体17の上面から上方に離れ、感知レバー19と斜片部30および球受部31が錘35の重さよりも大きい力によって軸21を中心として後側下方に回転し、球受部31がタンク2の底面6または後壁42に接触し、被検出部37がレバー検出器18の検出光Lを遮断し、球の貯蔵量が例えば球切れ以上となる。これによって、レバー検出器18が球切信号を払出発射制御装置68に出しなくなり、払出発射制御装置68が球の払出を停止するような遊技中断処理を実行せずかつ遊技店の営業を管理する図外のホールコンピュータに何の信号も出力しない。
【0024】
図8を参照し、前記球払出装置1を搭載したパチンコ遊技機について説明する。パチンコ遊技機は、遊技機枠51の内部に図外の遊技盤を交換可能に取り付ける形態である。遊技機枠51は、固定枠52の前部に可動枠53を開閉可能に備え、可動枠53の前部に前扉54および皿構造体55を開閉可能に備える。固定枠52は、遊技機設置設備に固定される。遊技機設置設備は、パチンコ遊技機を設置する遊技店の島と呼ばれる設備である。可動枠53は、左側に位置するヒンジ56を中心とし、固定枠52の前で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。可動枠53には、図外の施錠装置、図外の遊技盤を交換可能に取り付けるための機構、図外の球発射機構、球払出装置1が設けられる。前扉54および皿構造体55は、個別に、左側に位置する図外のヒンジを中心とし、可動枠53の前で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。
【0025】
前扉54には、窓57および前面パネル58が設けられる。窓57は、前後方向への貫通孔として構成される。前面パネル58は、窓57を後から塞ぐ大きさのガラスまたは合成樹脂からなる光透過性の有る無色な板状に構成される。皿構造体55は、前扉54よりも下部に配置される。皿構造体55の前部には、受皿59、球発射操作機構60が設けられる。受皿59は、供給口61、払出口62、図外の抜取機構を備える。
【0026】
図8において、可動枠53が閉じられて固定枠52に開閉不能に支持され、前扉54および皿構造体55が閉じられて可動枠53に開閉不能に支持され、遊技者が受皿59にパチンコ球と呼ばれる球を入れて球発射操作機構60を右回りに操作すると、球発射機構が受皿59から供給口61を経由して球発射機構に取り込まれた球を球発射操作機構60の操作量に応じた発射力で1個ずつ遊技盤の前面に向けて発射する。遊技盤の前面に到達した球が、遊技盤の前面を流下する過程において、遊技盤の前面の入賞部品に入賞すると、球払出装置1の払出機構3が賞球としての球を遊技者に払い出すべく払出口62から受皿59に払い出す。
【0027】
図9において、球払出装置1の払出機構3の球出口9は、払出通路64によって払出口62に接続される。球払出装置1の抜取機構4の図外の球出口には、抜取通路65が接続される。可動枠53における遊技盤を装着する部材には、遊技盤の後部品を逃げるための逃避孔66が設けられる。遊技盤の後面には、主制御装置67が設けられる。可動枠53における遊技盤を装着する部材の後面には、払出発射制御装置68および電源装置69が設けられ、可動枠53における遊技盤を装着する部材の前面には、発射機構70が設けられる。
【0028】
電源装置69が遊技機設置構造体に設けられる図外の島電源装置に接続された状態において、図外の電源スイッチが遊技店の店員によって投入されると、電源装置69が島電源装置から供給される24ボルトの交流電源をパチンコ機に使用する電圧の直流電源に変換し、この変換した直流電源と変換しない24ボルトの交流電源とを電源装置69が主制御装置67、払出発射制御装置68、図外の統括制御装置、図外の図柄制御装置、図外の表示制御装置、図外の音制御装置に配電する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
図10は、発明を実施するための異なる形態に係る球払出装置1の平面を示す。図10に示すように、タンク2の球貯蔵室における前後幅L1の後壁と前後幅L3の後壁とを斜壁44で結んでもよい。斜壁44は、実線で示すような直線状の他に、仮想線L6で示すような球貯蔵室の側に凸になる弧状、または、仮想線L7で示すような後側に凸になる弧状であってもよい。この場合、図示しないが、図1のa図の球切検出機構5を除去するかまたは前後幅L2の前壁に設けてもよい。上記のように球切検出機構5をタンク2から除去する場合、当該球切検出機構5がタンク2の周りの部分に設けられるかまたは遊技機設置構造体に設けられればよい。
【0030】
図1において、球出口9が収容部8の後端部における底部に上下方向への貫通孔として形成され、払出体11の螺旋体15が球を1個ずつ分離しながら前から後方に誘導するようにしてもよい。この場合、払出体11の回転方向は、図1のb図に示すW方向と逆向きになる方向である。球出口9は、左右に分かれることなく、互いに左右で連接された1つの孔として構成されてもよい。
【0031】
図1において、払出機構3がタンク2の左端部に設けられ、タンク2の底面6が球を右から左に向けて流下させるというように、球を球入口7に向けて流下させる斜面を構成してもよい。この場合においても、払出体11の螺旋体15が球を1個ずつ分離しながら前から後方に誘導するようにしてもよい。
【0032】
図8において、遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなくスロットマシンでもよい。つまり、遊技盤を図柄表示器に置換し、球発射操作機構60を球取込操作機構に置換し、球発射機構を球取込機構に置換し、遊技開始操作機構および図柄停止操作機構を可動枠53の前部に設ければ、球払出装置1はスロットマシンにも適用できる。
【0033】
図9において、払出発射制御装置68が払出機構3を制御する発射機構70を制御する払出制御装置と発射制御装置とに分別構成されてもよい。このように払出制御装置と発射制御装置とが互いに異なる構造体として構成された場合、レバー検出器18が球切信号を払出制御装置と発射制御装置との双方に出力してもよいが、払出制御装置に出力することなく、発射制御装置に出力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】a図は遊技機の球払出装置の平面図、b図はa図のA−A線断面図、c図はa図のB−B線断面図(最良の形態)。
【図2】球切検出機構の分解斜視図(最良の形態)。
【図3】タンクと球切検出機構との分解斜視図(最良の形態)。
【図4】球切検出機構の取り付けられたタンクの斜視図(最良の形態)。
【図5】タンクにおける球切検出機構の周りの平面図(最良の形態)。
【図6】球が作用していない球切検出機構の側面図(最良の形態)。
【図7】球が作用した球切検出機構の側面図(最良の形態)。
【図8】球払出装置を搭載したパチンコ遊技機の斜視図(最良の形態)。
【図9】球払出装置を搭載したパチンコ遊技機の背面図(最良の形態)。
【図10】遊技機の球払出装置の平面図(異なる形態)
【図11】遊技機の球払出装置の平面図(従来)
【符号の説明】
【0035】
1は球払出装置、2はタンク、3は払出機構、4は抜取機構、5は球切検出機構、6は底面、7は球入口、8は収容部、9は球出口、10は庇、11は払出体、12は払出モータ、13は筐体、14は払出軸、15は螺旋体、16は球検出器、17は機構躯体、18はレバー検出器、19は感知レバー、20は支持部、21は軸、22は取付孔、23は取付部、24は欠番、25は凹部、26は発光部、27は受光部、28は取付足、29は欠番、30は斜片部、31は球受部、32は軸受孔、33は錘収容部、34は空気逃避孔、35は錘、36は突起、37は被検出部、38は欠番、39は検出収容部、40は検出逃避部、41は取付部、42は後壁、43は止ねじ、44は斜壁、45乃至50は欠番、51は遊技機枠、52は固定枠、53は可動枠、54は前扉、55は皿構造体、56はヒンジ、57は窓、58は前面パネル、59は受皿、60は球発射操作機構、61は供給口、62は払出口、63は欠番、64は払出通路、65は抜取通路、66は逃避孔、67は主制御装置、68は払出発射制御装置、69は電源装置、70は発射機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの底部に払出機構を備え、タンクの底面が球を払出機構の球入口に向けて流下させる斜面を構成した遊技機の球払出装置において、タンクの球を貯蔵する球貯蔵室の前後幅が払出機構の球入口に向けて絞られたことを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項2】
請求項1記載の払出機構が球を1個ずつ前後方向に分離するように収容部に配置された螺旋構造の払出体と払出体を駆動するようにタンクの球貯蔵室の外側で後壁に固定された払出モータとを備えたことを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項3】
請求項1記載のタンクの球貯蔵室を上から見た場合に、球貯蔵室の前後幅が払出機構の球入口に向けて階段状に絞られ、前後幅の最も小さな部分には払出機構が配置され、最も小さな部分よりも大きな前後幅の部分には球切検出機構が配置されたことを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項4】
請求項3記載の球切検出機構の感知レバーが球貯蔵室に配置された部分に突起を備えたことを特徴とする遊技機の球払出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−200094(P2008−200094A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36366(P2007−36366)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】