遊技機島台
【課題】 遊技媒体が必要なときに補給樋から遊技媒体が抜き取られることを防止すると共に、必要に応じて補給樋の遊技媒体の循環を自動で積極的に行なうことにより、補給樋のパチンコ玉が不足する事態を回避すると共に、常に綺麗な遊技媒体を遊技者に提供することができる遊技機島台を提供する。
【解決方法】 パチンコ機の稼働台数に基づいて、玉抜きストッパー装置をパチンコ玉が抜き取られない閉塞状態とパチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段を設けたことにより、稼働台数が多いときには閉塞状態とし、パチンコ玉が必要なときに補給樋のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、多量のパチンコ玉が必要な場合でもパチンコ玉が不足することを回避できる。一方、稼働台数が少ないときには開放状態とし、補給樋のパチンコ玉の循環を自動で積極的に行なうことで補給樋にパチンコ玉が長時間停滞することを防止できる。
【解決方法】 パチンコ機の稼働台数に基づいて、玉抜きストッパー装置をパチンコ玉が抜き取られない閉塞状態とパチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段を設けたことにより、稼働台数が多いときには閉塞状態とし、パチンコ玉が必要なときに補給樋のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、多量のパチンコ玉が必要な場合でもパチンコ玉が不足することを回避できる。一方、稼働台数が少ないときには開放状態とし、補給樋のパチンコ玉の循環を自動で積極的に行なうことで補給樋にパチンコ玉が長時間停滞することを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機で使用する遊技媒体を研磨しながら揚送する遊技媒体研磨揚送装置と、該遊技媒体研磨揚送装置により揚送された前記遊技媒体を受け入れる上部タンクと、該上部タンクの両側方から外側に向けて延設され且つ該上部タンクで受け入れた前記遊技媒体を前記遊技機に補給する一対の補給樋と、該一対の補給樋の下流端部に設けられ且つ該補給樋内の前記遊技媒体を抜き取る玉抜きストッパー装置と、が設けられた遊技機島台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、複数のパチンコ機(遊技機)等が設置されるパチンコ島台(遊技機島台)の内部では、玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)によって上部タンクに揚送されたパチンコ玉(遊技媒体)を補給樋でパチンコ機に補給し、このパチンコ機で使用されて排出されたパチンコ玉(アウト玉)はアウト玉回収樋で回収された後、再び玉磨き揚送装置によって揚送されるというように、パチンコ玉がパチンコ島台内を循環している。このパチンコ玉の循環は、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が多いときには、パチンコ玉の使用数も多くなるためその循環スピードが速くなる。従って、上記したパチンコ機にパチンコ玉を供給するための補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードも速くなる。一方、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードが通常よりも遅くなる。このように、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードは、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数によって左右されるものである。
【0003】
ところで、上記したように、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードが通常よりも遅くなるが、これにより、補給樋内に貯留されているパチンコ玉はその貯留時間が長くなる。このため、補給樋内に貯留されている間にパチンコ玉に塵や埃が付着する等により汚れてしまい、遊技者に綺麗なパチンコ玉を提供できないという問題があった。従って、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、強制的に補給樋内のパチンコ玉の循環を行ない、即ち、強制的に補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードを速くし、補給樋内にパチンコ玉が長時間貯留しないようにすることが理想である。
【0004】
そこで、補給樋の下流側に補給樋内のパチンコ玉を抜き取る玉抜きストッパー装置を設け、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、この玉抜きストッパー装置によって補給樋内のパチンコ玉を抜き取ることにより、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードを強制的に速くさせるパチンコ島台が提案されている。このようなパチンコ島台の一つとして、本出願人は、玉抜きストッパー装置を遠隔操作により手動で開放することにより、補給樋内のパチンコ玉を抜き取り、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードを速くするパチンコ島台を提案した(例えば、特許文献1)。このパチンコ島台では、玉抜きストッパー装置を遠隔操作により動作制御することができるという点で非常に利便性の高いものであった。
【特許文献1】特開平10−118305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記した特許文献1に開示されるパチンコ島台では、玉抜きストッパー装置が遠隔操作により動作制御することができるものの、遊技場の営業中は玉抜きストッパー装置は閉じた状態であり、玉抜きストッパー装置を開放させるか否かは、補給樋内のパチンコ玉の循環状況に関係なく遊技場の係員が判断し、係員の手動により行なわれるものであった。このため、例えば、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が多く、補給樋からのパチンコ玉の補給が必要な状況下であるにも関わらず、係員の判断の誤りによって玉抜きストッパー装置が開放されて補給樋内のパチンコ玉が抜き取られてしまい、補給樋内のパチンコ玉が不足してしまうことが考えられる。
【0006】
一方、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少なく、補給樋からのパチンコ玉の補給があまり必要でない状況下であるにも関わらず、玉抜きストッパー装置が閉塞されて補給樋内のパチンコ玉が抜き取られず、補給樋内にパチンコ玉が長時間停滞してしまい、遊技者に対して綺麗なパチンコ玉を提供することができなくなることが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、補給樋内の遊技媒体が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋内から遊技媒体が抜き取られることを防止すると共に、必要に応じて補給樋内の遊技媒体の循環を自動で積極的に行なうことにより、補給樋内のパチンコ玉が不足してしまう事態を回避すると共に、常に綺麗な遊技媒体を遊技者に提供することができる遊技機島台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る発明について、図面を参照して説明すると、図5,図7及び図8に示すように、パチンコ機(遊技機)2で使用するパチンコ玉(遊技媒体)を研磨しながら揚送する玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)10と、該玉磨き揚送装置10により揚送された前記パチンコ玉を受け入れる上部タンク4と、該上部タンク4の両側方から外側に向けて延設され且つ該上部タンク4で受け入れた前記パチンコ玉を前記パチンコ機2に補給する一対の補給樋80a,80bと、該一対の補給樋80a,80bの下流端部に設けられ且つ該補給樋80a,80b内の前記パチンコ玉を抜き取る玉抜きストッパー装置86a,86bと、が設けられたパチンコ島台(遊技機島台)1において、該パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数に基づいて、前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記パチンコ玉が抜き取られない閉塞状態と、前記パチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段(制御基板115)を設けたことを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0009】
また、請求項2に係る発明では、図面を参照して説明すると、図5及び図7に示すように、請求項1に記載されるパチンコ島台1は、前記パチンコ島台1には、前記パチンコ機2から排出されるアウト玉を回収するアウト玉回収樋90a,90bと、該アウト玉回収樋90a,90bの下流端に設けられ且つ前記アウト玉を検出するアウト玉センサ(検出装置)91a,91bと、該アウト玉センサ91a,91bが検出する前記アウト玉の個数に基づいて前記パチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段(制御基板115)と、が設けられ、前記玉抜きストッパー制御手段は、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記閉塞状態に制御し、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記開放状態に制御することを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0010】
また、請求項3に係る発明では、図面を参照して説明すると、図8に示すように、請求項1に記載されるパチンコ島台1は、前記パチンコ島台1には、前記パチンコ機2から排出されるアウト玉を受け入れるアウトボックス96に設けられ且つ該アウトボックス96で受け入れたアウト玉を検出するアウトボックスアウト玉センサ(アウト玉検出装置)97と、前記パチンコ機2における入賞により払い出されたセーフ玉を検出するセーフ玉センサ(セーフ玉検出装置)95と、前記アウトボックスアウト玉センサ97による検出結果又は前記セーフ玉センサ95による検出結果に基づいて前記パチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、前記玉抜きストッパー制御手段は、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記閉塞状態に制御し、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記開放状態に制御することを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0011】
また、請求項4に係る発明では、図面を参照して説明すると、図11及び図12に示すように、請求項2又は請求項3に記載されるパチンコ島台1は、前記玉抜きストッパー制御手段は、更に前記玉抜きストッパー装置86a,86bが前記開放状態に制御されることによってパチンコ玉が前記補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量を変化させる流下量変更手段(制御基板115)を含み、該流下量変更手段は、前記算出手段によって算出される前記パチンコ機2の稼働台数が増加するに従って、前記補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が減少するように前記玉抜きストッパー装置86a,86bを制御し、前記算出手段によって算出される前記パチンコ機2の稼動台数が減少するに従って、前記補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が増加するように前記玉抜きストッパー装置86a,86bを制御することを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0012】
また、請求項5に係る発明では、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されるパチンコ島台1は、前記補給樋80a,80bには、該補給樋80a,80b内に貯留される前記パチンコ玉を乾燥させるためのヒーターが設けられ、前記ヒーターは、前記玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態のときに加熱状態となり、前記玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返すことを特徴とするパチンコ島台1とした。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明においては、玉磨き揚送装置10によって揚送されたパチンコ玉をパチンコ機2に補給する補給樋80a,80bが設けられ、この補給樋80a,80bの下流部に補給樋80a,80b内のパチンコ玉を抜き取る玉抜きストッパー装置86a,86bが設けられ、該パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数に基づいて、玉抜きストッパー装置86a,86bをパチンコ玉が抜き取られない閉塞状態と、パチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段を設けた。このように構成することにより、例えば、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが速いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態とし、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。一方、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが遅いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態とし、必要に応じて補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環を自動で積極的に行なうことで、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明においては、パチンコ機2から排出されるアウト玉を回収するアウト玉回収樋90a,90bとアウト玉を検出するアウト玉センサ91a,91bとアウト玉の個数に基づいてパチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段とが設けられ、玉抜きストッパー制御手段は、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態に制御し、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態に制御する。このように構成することにより、アウト玉の個数に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、例えば、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数未満のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。一方、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数以上のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。
【0015】
請求項3に係る発明においては、パチンコ機2から排出されるアウト玉を受け入れるアウトボックス96内のアウト玉を検出するアウトボックスアウト玉センサ97と、パチンコ機2における入賞により払い出されたセーフ玉を検出するセーフ玉センサ95と、アウトボックスアウト玉センサ97による検出結果又はセーフ玉センサ95の検出結果に基づいてパチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、玉抜きストッパー制御手段は、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態に制御し、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態に制御する。このように構成することにより、アウトボックスアウト玉センサ97による検出結果又はセーフ玉センサ95の検出結果に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、例えば、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数未満のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。一方、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数以上のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。
【0016】
請求項4に係る発明においては、玉抜きストッパー制御手段は、更にパチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量を変化させる流下量変更手段を含み、この流下量変更手段は、パチンコ機2の稼働台数が増加するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際の流下量が減少するように玉抜きストッパー装置86a,86bを制御し、パチンコ機2の稼動台数が減少するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際の流下量が増加するように玉抜きストッパー装置86a,86bを制御する。このように稼動しているパチンコ機2の台数に応じて補給樋80a,80bから抜き取られるパチンコ玉の流下量が変更されるため、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の貯留量を細かく調整することができ、補給樋80a,80b内のパチンコ玉を常に適切な貯留量にすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明においては、補給樋80a,80bには、補給樋80a,80b内に貯留されるパチンコ玉を乾燥させるためのヒーターが設けられ、このヒーターは、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態のときに加熱状態となり、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返す。このように構成することにより、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が循環しているときには、ヒーターが加熱状態となることで適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができ、一方、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が停滞しているときには、ヒーターが加熱状態と非加熱状態を繰り返すことでパチンコ玉が加熱され過ぎることを防止しながら、適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)10が設置されるパチンコ島台(遊技島)1の概要について説明する。図1は、複数のパチンコ島台1を示す斜視図である。なお、以下の説明において、パチンコ島台1の長手方向(パチンコ機2の左右方向)を左右方向、この左右方向と直交する方向(パチンコ機2の奥行き方向)を前後方向という場合がある。また、玉磨き揚送装置10を挟んで優先貯留タンク102aが設置されている側を優先側、非優先貯留タンク102bが設置されている側を非優先側という場合がある。
【0019】
図1において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機(遊技機)2を背向列設するようになっている。パチンコ島台1のほぼ中央には、玉磨き揚送装置10(図2参照)が内部に設置される玉磨き揚送装置収納部3が設けられている。本実施形態に係る玉磨き揚送装置10は、帯状の搬送ベルト14(図2参照)によってパチンコ玉(遊技媒体)を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルト14がパチンコ島台1の長手方向と直交するように配置されて下部の導入樋20(図2参照)から導入されたパチンコ玉を研磨部材(図示しない)によって研磨しながら上部に揚送し、上部の排出樋部22(図2参照)から上部タンク4に排出するものである。玉磨き揚送装置10により上部タンク4に揚送されたパチンコ玉は、上部タンク4に接続された補給樋80a,80bによってパチンコ機2の背面上部に設けられた賞球タンク(図示しない)に供給され、景品玉や遊技玉として使用される。
【0020】
パチンコ機2で使用されたパチンコ玉は、パチンコ機2毎にその裏面下方に設けられたアウトボックス96(図5参照)で受け入れられ、このアウトボックス96から排出されてアウト玉回収樋90a,90b(図5,8参照)により回収された後、誘導樋107a,107bの下流側に誘導され、後述する貯留タンク(優先貯留タンク)102a,(非優先貯留タンク)102b内に貯留されたパチンコ玉で且つミニコンベア106a,106b(図5,8参照)によって誘導樋107a,107b(図5,8参照)に揚送されたパチンコ玉と誘導樋107a,107bの下流部で合流される。そして、この合流されたパチンコ玉は、導入樋20から玉磨き揚送装置10に誘導され、再び玉磨き揚送装置10によって上部タンク4へ揚送される。これによってパチンコ玉がパチンコ島台1内を循環する。
【0021】
なお、誘導樋107a,107bの下流部で、誘導樋107a,107b内のパチンコ玉と、アウト玉回収樋90a,90bにより回収されたパチンコ玉とが合流するが、パチンコ玉の性質上、誘導樋107a,107bの上方から投入されるアウト玉回収樋90a,90bにより回収されたパチンコ玉の方が、誘導樋107a,107b内のパチンコ玉よりも優先して導入樋20へ誘導される。つまり、パチンコ機2で使用され且つ汚れたパチンコ玉であるアウト玉回収樋90a,90bにより回収されたパチンコ玉の方を優先的に玉磨き揚送装置10へ誘導しているのである。
【0022】
また、上記したアウト玉回収樋90a,90bの下流端には、パチンコ機2から排出されるアウト玉を検出するためのアウト玉センサ(検出装置)91a,91bが設けられている。
【0023】
また、上記した補給樋80a,80bの底面には、補給樋80a,80b内に貯留されるパチンコ玉を乾燥させるためのヒーター(図示しない)が設けられている。このヒーターは、結露等によりパチンコ玉の表面に付着した水分を乾燥させるためのものであり、これにより、パチンコ玉の錆びつきを防止することができる。また、このヒーターは、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態のときに加熱状態となり、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返す。このように構成することにより、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が循環しているときには、ヒーターが加熱状態となることで適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができ、一方、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が停滞しているときには、ヒーターが加熱状態と非加熱状態を繰り返すことでパチンコ玉が加熱され過ぎることを防止しながら、適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができる。
【0024】
また、パチンコ島台1の長手方向の一端部には、遊技者が獲得した賞品玉を返却して計数するための玉返却装置5が備え付けられている。この玉返却装置5は、非優先貯留タンク102bが内蔵される端部に設けられることが望ましい。これは、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先貯留タンク102bの方が、玉返却装置5からの賞球の返却を確実に行うことができるからである。しかして、玉返却装置5に返却されたパチンコ玉は、図5,9に示すように、非優先貯留タンク102bに備えられた誘導樋108によって非優先貯留タンク102b内に誘導され、貯留されることとなる。
【0025】
また、上記した玉返却装置5の上方には、優先貯留タンク102a内のパチンコ玉の貯留状態を示す優先側貯留状態表示器6a及び、非優先貯留タンク102b内のパチンコ玉の貯留状態を示す非優先側貯留状態表示器6bが備えられている。優先側貯留状態表示器6aは、優先貯留タンク102a内に設けられた第1貯留センサ103a,第2貯留センサ104a,第3貯留センサ105aがパチンコ玉を検出することにより発信する検出信号に対応して、点灯されることにより優先貯留タンク102a内のパチンコ玉の貯留状態を把握するためのものである。
【0026】
同様に、非優先側貯留状態表示器6bは、非優先貯留タンク102b内に設けられた第4貯留センサ103b,第5貯留センサ104b,第6貯留センサ105bがパチンコ玉を検出することにより発信する検出信号に対応して、点灯されることにより非優先貯留タンク102b内のパチンコ玉の貯留状態を把握するためのものである。
【0027】
更に、優先側貯留状態表示器6a,非優先側貯留状態表示器6bの上方には、代表ランプ7が設けられている。この代表ランプ7は、パチンコ機2に設けられたスイッチ(図示しない)を遊技者が押すことにより点灯するものであり、パチンコ機2で玉詰まりを起こしたとき等に遊技者が遊技場の係員にその旨を報知するためのものである。
【0028】
次に、上記した玉磨き揚送装置10の全体の構成について図2を参照して説明する。図2は、実施形態に係る玉磨き揚送装置10の斜視図である。
【0029】
図2において、玉磨き揚送装置10は、厚肉の鋼板で形成された支持台11の上部に支持台11と同じ材料で形成された揚送筒支持部材(図示しない)が溶接固定され、この揚送筒支持部材に揚送筒本体12が垂直状に立設されている。そして、揚送筒本体12の下部に位置する下部ローラ13と上部に位置する上部ローラ29との間に掛け渡される革製の搬送ベルト14が、揚送筒本体12の周囲を周回するようになっている。この揚送筒本体12は、その断面形状が一側面の開口した長方形状であり、この開口面には、この開口面を閉塞するための揚送筒カバー(図示しない)が取り付けられるため、開口面の両側には、揚送筒カバーを取り付けるための図示しない取付ネジ穴(図示しない)が穿設されている。また、揚送筒カバーにも図示しない取付穴が穿設されており、取付穴に取付ネジを挿通し、前記取付ネジ穴に螺着することにより揚送筒カバーが揚送筒本体12の開口面に取り付けられる。この揚送筒カバーは、揚送筒本体12の上端から後述するベース部材33の上端に亘って揚送筒本体12の開口面を閉塞するものであり、揚送筒本体12内部の上部及び中央部に位置する中間ローラ(図示しない)や上部ローラ29の清掃,修理,交換時あるいは揚送筒本体12内のトラブル時などに揚送筒カバーを取り外して修理,交換作業あるいはトラブルに対する対処を行うことができるものである。
【0030】
また、前記搬送ベルト14は、モータ内蔵の下部ローラ13の回転により揚送筒本体12の周囲を周回駆動するものである。この搬送ベルト14に張力を付与するために、搬送ベルト14が交互に当接する上部テンションローラ17,中間テンションローラ18及び下部テンションローラ19からなるテンション機構16が、揚送筒本体12の開口面側にベース部材33を介して取り付けられている。また、下部ローラ13の下部には、流入するパチンコ玉を複数列に整列せしめる導入樋20が設置され、揚送筒本体12の上方には、玉磨き後のパチンコ玉が排出される排出樋部22が一体的に形成される上部屈曲樋21が接続されている。
【0031】
しかして、前記導入樋20から流入されたパチンコ玉は、搬送ベルト14の周回駆動により下部ローラ13から上部ローラ29に向かって揚送された後、排出樋部22から排出されるが、その揚送される過程で後述するガイドレール24に周設される布ベルト(図示しない)との摩擦力によってパチンコ玉に付着した汚れが拭き取られ、排出樋部22からは、奇麗にされたパチンコ玉が排出されることとなる。なお、導入樋20には、導入樋20の傾斜角を調整する傾斜角調整ボルト23が取り付けられている。この傾斜角調整ボルト23には、コイルスプリングが周設されており、内部を流れるパチンコ玉によって導入樋20に無理な力が加わったときでもパチンコ玉がスムーズに整列されるような構造になっている。
【0032】
一方、前記した揚送筒本体12の後面側には、揚送筒本体12の一側面に取り付けられた支持ヒンジ32を介して、ガイドレール24が開閉可能に取り付けられている。この支持ヒンジ32は、揚送筒本体12の垂直方向に亘って複数箇所(本実施形態の場合、4箇所)設けられている。また、揚送筒本体12のもう一方の側面には、止め金具25が係止金具26を介して取り付けられており、ガイドレール24には、前記止め金具25に対応する位置にその止め金具25を係止するための係合突起27が設けられている。
【0033】
このガイドレール24には、その後面側に布ベルトの一端を係止する布ベルト固定係止部材28と布ベルトの他端を引張係止する引張係止部材34とが取り付けられ、その上端部に布ベルトを折り返し案内するための布ベルトローラ31が布ベルトローラ固定部材30により取り付けられている。しかして、布ベルト固定係止部材28に係止された布ベルトは、ガイドレール24の下端からガイドレール24内を通って布ベルトローラ31に掛け渡され、引張係止部材34に引張係止される。
【0034】
また、前述のように、ガイドレール24は、揚送筒本体12に対して開閉可能に取り付けられているため、前記搬送ベルト14や布ベルトの玉磨き揚送装置10への装着は、ガイドレール24を支持ヒンジ32の支点を中心に回転させて開くことにより行うことができる。このようにして搬送ベルト14や布ベルトを装着し、ガイドレール24が閉じられた状態で揚送筒本体12とガイドレール24を止め金具25により係止することによって、搬送ベルト14と布ベルトが対面した状態で維持される。このようにガイドレール24が閉じられ、止め金具25により係止された状態では、揚送筒本体12とガイドレール24との間には、隙間が形成されることとなるが、この隙間は、係止金具26の固着位置を調整することによってその寸法を設定することができ、その設定値に応じて揚送されるパチンコ玉への圧力を変化させることができる。
【0035】
しかして、このように搬送ベルト14及び布ベルトを装着した状態でガイドレール24を閉じ、係合突起27に止め金具25を係止させてガイドレール24を揚送筒本体12に装着させた後、搬送ベルト14を周回動作させることにより、パチンコ玉が、布ベルトに汚れを拭き取られながら上昇するものである。
【0036】
なお、営業終了時には、前記布ベルト固定係止部材28を緩めて布ベルトが移動し得るようにした状態で、裏面上部の布ベルトを引っ張って未使用面をガイドレール24の前面側に位置させるようにし、その後、布ベルト固定係止部材28と引張係止部材34とを順次操作して布ベルトを係止することによって、翌日の研磨に対する準備が終了する。また、この布ベルトの巻取作業は、ガイドレール24を揚送筒本体12から開いた状態でも、あるいは閉じたままの状態でも行うことができるが、新規な布ベルトに交換する場合には、ガイドレール24を揚送筒本体12から開いた状態で行う必要がある。
【0037】
次に、パチンコ島台1の構成について、図3乃至図6を参照して説明する。図3は、玉磨き揚送装置10が設置された状態での上部タンク4の内部を示す斜視図であり、図4は、上部タンク4の内部に設置された振分装置60及び上部タンク4内でのパチンコ玉の流れを示す斜視図であり、図5は、第1実施形態に係るパチンコ島台1の構成を示す概略図であり、図6は、第1実施形態に係る制御基板115の制御系を示すブロック図である。
【0038】
まず、パチンコ島台1の中央上部に設けられた上部タンク4について説明すると、上部タンク4は、図3に示すように、玉磨き揚送装置10の上方に位置する上面板40(図2参照),玉磨き揚送装置10の玉排出側に位置する後面板41,玉磨き揚送装置10の背面側に位置する前面板42,玉磨き揚送装置10の両側方にそれぞれ位置する左側板43及び右側板44を組み合わせた立方体形状に形成されるものである。また、上部タンク4は、中仕切板51,左仕切板52及び右仕切板53等によってその内部空間が仕切られて、後述する振分装置60が設置される振分空間45及び、玉磨き揚送装置10の上部が位置する玉磨き揚送装置設置空間55として形成されている。
【0039】
上記した中仕切板51の上部には、玉磨き揚送装置10が設置された際に、玉磨き揚送装置10の排出樋部22が挿通される挿入口54が形成されている。また、上記した後面板41の上部であって、玉磨き揚送装置10の排出樋部22と対面する位置には、排出樋部22から排出されるパチンコ玉が衝突して反射する反射面47が形成された反射板46が突設されている。この反射板46の下方には、玉磨き揚送装置10側に向けて突出する突出部48が形成されており、この突出部48の上面は、玉磨き揚送装置10から排出されたパチンコ玉が転動する転動面49が形成されている。
【0040】
更に、上記した転動面49の下方であって突出部48の表面には、オーバーフロー排出口50が形成されている。このオーバーフロー排出口50は、補給樋80a,80bが玉磨き揚送装置10から排出されたパチンコ玉で充満したとき、補給樋80a,80bに誘導されずに上部タンク4でオーバーフローしたパチンコ玉が誘導されるものである。このオーバーフロー排出口50は、優先貯留タンク102a及び非優先貯留タンク102bにそれぞれ連通する、優先オーバーフロー樋100及び非優先オーバーフロー樋101に連通している。
【0041】
また、上記したオーバーフロー排出口50の下方には、玉磨き揚送装置10から矢印Aに示すように排出され誘導されてきたパチンコ玉を所定の振分割合で左右方向に振り分けるための振分装置60が、その長手方向が補給樋80a,80bと平行となるように補給樋80a,80bの上流端の間に備えられている。この振分装置60は、主として、パチンコ玉を振り分けるための振分部材61と、その上面で振分部材61が左右方向で移動する移動台62と、振分部材61を長手方向である左右方向にスライド移動させるための振分モータ65(図6に符号のみ記載)と、から構成されている。また、振分装置60の前後方向の両側面には、パチンコ玉を左右方向に沿って誘導するための側板63,64が立設されている。
【0042】
上記した振分部材61の上面には、振分部材61の長手方向のほぼ中央から両側方に向けてそれぞれ下り傾斜する優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68で構成される振分山面66が形成されている。
【0043】
しかして、玉磨き揚送装置10によって揚送され、玉磨き揚送装置10の排出樋部22から排出されたパチンコ玉は、反射板46の反射面47に衝突して反射した後に転動面49に落下する。転動面49を転動したパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66に向けて落下すると共に、優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68の2つの傾斜面によってそれぞれの傾斜面側に位置する補給樋80a,80bに振り分けられる。このとき、振分部材61が中央に位置している場合には、振分山面66に向けて落下してきたパチンコ玉は、優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68によって、ほぼ同じ量のパチンコ玉を誘導する振分割合、即ち、補給樋80a,補給樋80b=5:5の振分割合で補給樋80a,80bに振り分けられる。
【0044】
また、振分部材61が補給樋80a側(優先側)に移動している場合には、非優先側傾斜面68上に落下するパチンコ玉の落下量が優先側傾斜面67上に落下するパチンコ玉の落下量よりも多くなるため、即ち、補給樋80a:補給樋80b=1:9若しくは2:8の振分割合となり、補給樋80bに振り分けられるパチンコ玉の量が増加する。一方、振分部材61が補給樋80b側(非優先側)に移動している場合には、優先側傾斜面67上に落下するパチンコ玉の落下量が非優先側傾斜面68上に落下するパチンコ玉の落下量よりも多くなるため、即ち、補給樋80a:補給樋80b=9:1若しくは8:2の振分割合となり、補給樋80aに振り分けられるパチンコ玉の量が増加する。
【0045】
このように、振分部材61が長手方向にスライド移動されて優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68へのパチンコ玉の落下量の割合を変化させることにより、補給樋80a,80bのうちそれぞれの補給樋へ送られるパチンコ玉の量を変化させることができるため、優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68で構成された振分山面66が形成された振分装置60の振分部材61を補給樋80a,80bのいずれかの方向にスライド移動させるというだけの簡単な構成によって、補給樋80a,80bへのパチンコ玉の振り分けを振分装置60の振分割合通りに確実に行なうことができる。
【0046】
また、上記した移動台62の左右方向の両端部には、パチンコ玉を補給樋80a,80bに向けてそれぞれ転動させるための上部導入樋70a,70bがそれぞれ接続されており、この上部導入樋70a,70bの下方には、上部導入樋70a,70bから落下するパチンコ玉を補給樋80a,80bにそれぞれ誘導するための下部導入樋71a,71bがそれぞれ形成されている。
【0047】
また、上述したように、上部タンク4には、図5に示すように補給樋80a,80bがそれぞれ左右両側方に接続されている。この補給樋80a,80bは、底部を構成する底板84a,84b(図4に84bのみ図示)と、底板84a,84bの前後方向の両側方に立設される側板83a,83b(図4に83bのみ図示)と、によってコ字形状に形成されている。そして、補給樋80a,80bの上流端が下部導入樋71a,71bの下流端と接続されている。
【0048】
上記した補給樋80a,80bと下部導入樋71a,71bとは、上部タンク4に形成された連通口56を介して連結されており、図4の矢印Bで示すように、上部導入樋70a,70b上を転動して下部導入樋71a,71bに落下したパチンコ玉は、この連通口56を通って補給樋80a,80bに誘導される。そして、補給樋80a,80b上を流下していく。
【0049】
また、上記した補給樋80a,80bの下流端には、補給樋80a,80b内に貯留されたパチンコ玉を抜き取るための玉抜きストッパー装置86a,86bが設けられている。この玉抜きストッパー装置86a,86bには、玉抜きストッパー87a,87bが備えられており、この玉抜きストッパー87a,87bが開放することにより補給樋80a,80b内のパチンコ玉が玉抜き通路88a,88bを介して、貯留タンク102a,102bへ誘導される。
【0050】
また、補給樋80a,80bの下流端には、補給樋80a,80b内のパチンコ玉を検出する補給樋センサ85a,85bが備えられている。この補給樋センサ85a,85bがパチンコ玉を検出しているとき(ON)には、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が存在していることを示し、パチンコ玉を検出していないとき(OFF)には、補給樋80a,80b内にパチンコ玉がまったく存在していないことを示すものである。
【0051】
なお、上記した優先貯留タンク102a,非優先貯留タンク102bに貯留されたパチンコ玉は、優先貯留タンク102a,非優先貯留タンク102bの側方に設けられているミニコンベア106a,106bによって揚送された後、誘導樋107a,107bを介して玉磨き揚送装置10に送られ、玉磨き揚送装置10によって再び上部タンク4に揚送されることとなる。
【0052】
また、前述したように、補給樋80a,80bがパチンコ玉で充満して上部タンク4からパチンコ玉を補給樋80a,80bへパチンコ玉を誘導できなくなり、上部タンク4が充満状態になったときには、上部タンク4内のパチンコ玉は、オーバーフロー排出口50へ誘導される。オーバーフロー排出口50へ誘導されたパチンコ玉は、まず優先オーバーフロー樋100を通って優先貯留タンク102aへ誘導される。優先貯留タンク102aが満タンとなり、優先オーバーフロー樋100もパチンコ玉で充満した場合には、次に、オーバーフロー排出口50へ誘導されたパチンコ玉は、非優先オーバーフロー樋101を通って非優先貯留タンク102bへ誘導されることとなる。
【0053】
以上、パチンコ島台1及びパチンコ島台1内のパチンコ玉の流れについて説明したが、パチンコ島台1には、図6に示すような、上記した玉抜きストッパー装置86a,86bを制御するための玉抜きストッパー制御手段としての制御基板115が設けられている。この制御基板115は、各種の制御処理を行うCPU116,CPU116で実行される各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM117,CPU116によって作動領域として利用される半導体メモリであるRAM118及び入出力ポート119を備えている。制御基板115には、補給樋センサ85a,85b及びアウト玉センサ91a,91bが入出力ポート119を介して接続され、補給樋センサ85a,85b及びアウト玉センサ91a,91bからの信号を受信するようになっている。また、玉抜きストッパー87a,87b及び振分モータ65が入出力ポート119を介して接続され、玉抜きストッパー87a,87b及び振分モータ65に対してそれぞれ駆動信号を送信するようになっている。
【0054】
なお、上記したように、制御基板115は、補給樋センサ85a,85b及びアウト玉センサ91a,91bの信号に基づいて、玉抜きストッパー87a,87b及び振分モータ65を駆動制御する玉抜きストッパー制御手段としての機能を果たすものであるが、この機能の他、後述するように、アウト玉センサ91a,91bが検出したアウト玉の個数に基づいて、パチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段としての機能も有している。
【0055】
次に、上記した玉抜きストッパー制御手段が玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御することにより、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の貯留量を変化させる制御について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7は、第1実施形態に係る制御基板115によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【0056】
本実施形態に係る玉抜きストッパー制御手段は、アウト玉センサ91a,91bが検出したアウト玉の個数に基づいて、上記した算出手段としての制御基板115が算出したパチンコ機2の稼働台数が「予め定めた台数」以上か否かによって、玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものである。この「予め定めた台数」とは、パチンコ島台1に設置されたパチンコ機2の総台数,パチンコ機2の種類,遊技客の数等によって適宜変更されるものであるが、本実施形態では、この台数を以下のように定めた。なお、本実施形態では、図1に示すように、1つのパチンコ島台1に両面合わせて24台のパチンコ機2が設置されており、優先側に両面合わせて12台、非優先側にも同じく12台設置されている場合である。
【0057】
まずは、優先側の方を考える。パチンコ島台1の優先側には、上記したように、両面合わせて12台のパチンコ機2が設置されている。この12台のパチンコ機2のうち、過半数の台数にあたる8台のパチンコ機2が稼働状態(遊技者によって遊技が行われている状態)であるとき、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが速い場合とし、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多い場合とし、玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態にし、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が玉抜きストッパー装置86a,86bから抜き取られることを防止するようにした。そこで、上記した「予め定めた台数」を「8台」とした。なお、稼働状態のパチンコ機2が8台である場合のアウト玉数は、以下のようにして算出される。
【0058】
通常、パチンコ機2は、1分間に100発のパチンコ玉がアウト回収樋90aに排出されるため、例えば、サンプリング時間を15分間とした場合、優先側から排出されるパチンコ玉数は、8×100×15=12000個となる。この12000個(サンプリング時間15分の場合)を優先側における稼動状態のパチンコ機2が8台である場合のアウト玉数として用いる。なお、言うまでもないが、非優先側も、優先側と同じ12台のパチンコ機2が設置されているため、非優先側における稼動状態のパチンコ機2が8台である場合のアウト玉数も12000個とする。
【0059】
以上のようにして求めた予め定めた稼動台数を「8台」、即ち、算出されるアウト玉数「12000」を用いて、玉抜きストッパー制御手段によって実行される、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環スピード(循環速度)を変化させる制御について以下に説明する。
【0060】
補給樋循環速度制御処理において、まず、ステップS10でアウト玉数を計数する時間が設定されるタイマーに所定の時間(本実施形態の場合、15分)がセットされているか否かが判別される。タイマーに所定の時間がセットされていないと判別された場合(ステップS10のNO)、ステップS11でアウト玉数を検出するためのカウンタがリセットされると共に、ステップS12で上記したタイマーに所定の時間がセットされる。カウンタがリセット及びタイマーがセットされると、ステップS13でアウト玉センサ91a,91bによるアウト玉数の検出が開始された後、ステップS14へ進む。一方、ステップS10でタイマーがセットされていると判別された場合は(ステップS10のYES)、そのままステップS14へ進む。
【0061】
ステップS14では、ステップS12でタイマーにセットした15分が経過したか否かが判別され、15分が経過していないと判別された場合には(ステップS14のNO)、処理を抜けてステップS10に戻る。即ち、ステップS12でタイマーがセットされた後、15分経過するまでは次のステップ以降は実行されない。
【0062】
一方、ステップS14でタイマーにセットした15分が経過したと判別された場合には(ステップS14のYES)、ステップS15で優先側のアウト玉センサ91aによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満であるとステップS15で判別された場合(ステップS15のYES)、ステップS16で優先側の補給樋センサ85aがONしているか否か、即ち、優先側の補給樋80aにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。優先側の補給樋センサ85aがONしていると判別された場合(ステップS16のYES)、ステップS17で優先側の玉抜きストッパー87aが開放された後、ステップS19に進む。
【0063】
一方、ステップS15で検出されたアウト玉数が12000未満でないと判別された場合には(ステップS15のNO)、ステップS18で優先側の玉抜きストッパー87aが閉塞された後、ステップS19に進む。また、ステップS16で優先側の補給樋センサ85aがONしていないと判別された場合も(ステップS16のNO)、ステップS18で優先側の玉抜きストッパー87aが閉塞された後、ステップS19に進む。
【0064】
ステップS19では、非優先側のアウト玉センサ91bによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満であるとステップS19で判別された場合(ステップS19のYES)、ステップS20で非優先側の補給樋センサ85bがONしているか否か、即ち、非優先側の補給樋80bにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。非優先側の補給樋センサ85bがONしていると判別された場合(ステップS20のYES)、ステップS21で非優先側の玉抜きストッパー87bが開放された後、ステップS23に進む。
【0065】
一方、ステップS19で検出されたアウト玉数が12000未満でないと判別された場合には(ステップS19のNO)、ステップS22で非優先側の玉抜きストッパー87bが閉塞された後、ステップS23に進む。また、ステップS20で非優先側の補給樋センサ85bがONしていないと判別された場合も(ステップS20のNO)、ステップS22で非優先側の玉抜きストッパー87bが閉塞された後、ステップS23に進む。
【0066】
上記したステップS10〜S22で示したように、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、12000以上であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台以上という条件が成立して玉抜きストッパー87a,87bが閉塞される。このため、上部タンク4から補給樋80a,80bに誘導されたパチンコ玉が補給樋80a,80b内に貯留されることとなる。
【0067】
また、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台未満という条件が成立して玉抜きストッパー87a,87bが開放される。このため、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0068】
上記のように、アウト玉の個数に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、例えば、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。一方、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。なお、補給樋センサ85a,85bがONしていないときには、補給樋センサ85a,85b内にパチンコ玉が貯留されていなので、玉抜きストッパー87a,87bは開放されることなく閉塞される。
【0069】
次に、ステップS23では、優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満であるか否かが判別される。優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満でない場合、即ち、一方のアウト玉が12000未満か、あるいは両方のアウト玉数が12000以上である場合には(ステップS23のNO)、ステップS24で優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上であるか否かが判別される。
【0070】
優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上でない場合、即ち、一方のアウト玉数が12000以上である場合には(ステップS24のNO)、ステップS25で優先側のアウト玉数が12000以上であるか否かが判別される。優先側のアウト玉数が12000以上でないと判別された場合には(ステップ25のNO)、ステップS26で振分装置60の振分部材61が優先側へ移動される。一方、優先側のアウト玉数が12000以上であると判別された場合には(ステップS25のYES)、ステップS28で振分部材61が優先側へ移動される。また、ステップS23で優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満である場合(ステップS23のYES)又は、ステップS24で優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上である場合には(ステップS24のYES)、ステップS27で振分部材61が中央へ移動される。
【0071】
即ち、上記したステップS23〜S28の処理では、優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満、即ち、優先側及び非優先側のパチンコ機2の稼動台数が8台未満である場合、又は優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上、即ち、優先側及び非優先側のパチンコ機2の稼動台数が8台以上である場合には、振分装置60の振分部材61が中央に位置するため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、優先側の補給樋80a及び非優先側の補給樋80bへ振分部材61によってほぼ均等に振り分けられる。
【0072】
また、優先側のアウト玉数だけが12000以上、即ち、優先側のパチンコ機2の稼動台数だけが8台以上である場合には、振分部材61が非優先側へ移動するため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち優先側傾斜面67へ落下する量が増加する。これにより、優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉が非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0073】
一方、非優先側のアウト玉数だけが12000以上、即ち、非優先側のパチンコ機2の稼動台数だけが8台以上である場合には、振分部材61が優先側へ移動するため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち非優先側傾斜面68へ落下する量が増加する。これにより、非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉が優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0074】
上記したように、本実施形態に係る玉抜きストッパー制御手段においては、該パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数に基づいて、玉抜きストッパー装置86a,86bがパチンコ玉が抜き取られない閉塞状態と、パチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御されることにより、例えば、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが速いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態とし、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。一方、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが遅いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態とし、必要に応じて補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環を自動で積極的に行なうことで、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。
【0075】
以上、本実施形態に係るパチンコ島台1及び玉抜きストッパー制御手段について説明したが、上記した実施形態(第1実施形態)に係る玉抜きストッパー制御手段においては、アウト玉センサ91a,91bが検出するアウト玉の個数に基づいて、算出手段がパチンコ機2の稼動台数を算出するものを示したが、これに限らず、アウトボックス96で受け入れたパチンコ機2からのアウト玉の個数又はパチンコ機2における入賞により払い出されたセーフ玉の個数に基づいて、算出手段がパチンコ機2の稼動台数を算出するものであってもよい。このような実施形態(第2実施形態)について、図8及び図9を参照して以下に説明する。図8は、第2実施形態に係るパチンコ島台1の構成を示す概略図であり、図9は、第2実施形態に係る制御基板115の制御系を示すブロック図である。なお、第1実施形態に係るパチンコ島台1及び貯留量変更装置と同様の機能を有する部材には、同様の符号を付した。
【0076】
図8において、第2実施形態に係るパチンコ島台1は、第1実施形態に係るパチンコ島台1からアウト玉センサ(検出装置)91a,91bが削除されると共に、パチンコ機2にセーフ玉センサ95が、アウトボックス96にアウトボックスアウト玉センサ97が設けられている以外はすべて同様であるため、この構成以外の詳細な説明は省略する。
【0077】
また、図9において、第2実施形態に係る制御基板115は、第1実施形態に係る制御基板115からアウト玉センサ91a,91bが削除されると共に、入出力ポート119を介してセーフ玉センサ95及びアウトボックスアウト玉センサ97が接続されている以外はすべて同様であるため、この構成以外の詳細な説明は省略する。
【0078】
図8において、第2実施形態に係るパチンコ島台1では、上記したように、パチンコ機2にセーフ玉センサ95が、アウトボックス96にアウトボックスアウト玉センサ97が設けられており、セーフ玉センサ95で検出されたセーフ玉数を示す信号及びアウトボックスアウト玉センサ97で検出されたアウト玉数が入出力ポート119を介して制御基板115に送信されるようになっている。
【0079】
また、第2実施形態に係る玉抜きストッパー制御手段は、アウトボックスアウト玉センサ97が検出したアウト玉の個数又はセーフ玉センサ95が検出したセーフ玉の個数に基づいて、算出手段としての制御基板115が算出したパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上か否かによって、玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものである。
【0080】
ここで、上記したアウトボックスアウト玉センサ97でアウト玉の個数を検出する場合に、第1実施形態におけるアウト玉回収樋90a,90bのアウト玉センサ91a,91bでアウト玉の個数を検出する場合とでアウト玉を検出するという点では同様であるが、第1実施形態では稼動しているすべてのパチンコ機2のアウト玉数の総数を検出するのに対し、第2実施形態では稼動しているパチンコ機2のそれぞれについて個別にアウト玉数を検出する点で異なっている。
【0081】
そして、第1実施形態においては、アウト玉センサ91a,91bで検出するアウト玉数が15分間で12000以上のときにパチンコ機2の稼動台数が8台として判別し、玉抜きストッパー87a,87bを開放するようにしているが、第2実施形態においては、アウトボックスアウト玉センサ97で検出するアウト玉数が15分間で1500(12000/8)のときにこのパチンコ機2が稼動していると判断し、稼動台数が8台のときに玉抜きストッパー87a,87bを開放するようにしている。
【0082】
従って、第2実施形態に係る補給樋循環速度制御処理については、第1実施形態に係る補給樋循環速度制御処理において判別するアウト玉数が12000であるところが1500となる以外はすべて同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0083】
上記したように、第2実施形態に係る補給樋循環速度制御処理においては、優先側及び非優先側のいずれも、アウトボックスアウト玉センサ97により検出されたアウト玉数が1500未満でない、即ち、1500以上であると判別されることにより、パチンコ機2が稼動していると判断される。また、アウトボックスアウト玉センサ97により検出されたアウト玉数が1500未満であると判別されることにより、パチンコ機2が稼動していると判断されない。そして、稼動台数が8台以上という条件が成立したときに玉抜きストッパー87a,87bが閉塞されて、上部タンク4から補給樋80a,80bに誘導されたパチンコ玉が、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が貯留されることとなる。一方、稼動台数が8台未満という条件が成立したときに玉抜きストッパー87a,87bが開放されて、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0084】
上記のように、アウト玉の個数に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のとき、即ち、算出手段によって算出されたパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。
【0085】
一方、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数以上のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。
【0086】
なお、補給樋センサ85a,85bがONしていないときには、補給樋センサ85a,85b内にパチンコ玉が貯留されていなので、玉抜きストッパー87a,87bは開放されることなく閉塞される。
【0087】
なお、第2実施形態においてアウトボックス96のアウト玉数ではなく、払い出されるセーフ玉数に基づいてパチンコ機2の稼動台数を判断する場合には、判断の基準となるセーフ玉数を設定すればよく、この設定するセーフ玉数以外は、アウト玉数に基づいてパチンコ機2の稼動台数を判断する場合とまったく同様の補給樋循環速度制御処理である。
【0088】
また、上記した第2実施形態においては、アウトボックス96のアウト玉数に基づいてパチンコ機2の稼働台数を判断するものを示したが、これに限らず、アウトボックス96のアウトボックスアウト玉センサ97がアウト玉を検出すれば、そのアウトボックスアウト玉センサ97に対応するパチンコ機2が稼動していると判断するものや、あるいは、セーフ玉センサ95がセーフ玉を検出すれば、そのセーフ玉センサ95に対応するパチンコ機2が稼動していると判断するものであってもよい。
【0089】
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ島台1及び玉抜きストッパー制御手段によって実行される補給樋循環速度制御処理について説明したが、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ島台1の補給樋80a,80bに設けられる玉抜きストッパー装置86a,86bは、上記したように、アウト玉数又はセーフ玉数から算出されるパチンコ機2の稼動台数によって、パチンコ玉を抜き取らない閉塞状態と、パチンコ玉を抜き取る開放状態との2つの状態に変化させるものである。しかし、このようなものに限らず、補給樋80a,80bからパチンコ玉が抜き取られる際のパチンコ玉の流下量を変化させることができるもの、即ち、パチンコ玉の抜き取り量を変化させることができるものであってもよい。具体的には、算出手段によって算出されるパチンコ機2の稼働台数が増加するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が減少し、一方、算出手段によって算出されるパチンコ機2の稼働台数が減少するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が増加するように、玉抜きストッパー装置87a,87bが制御されるものであってもよい。このような実施形態(第3実施形態)の一例について説明する。
【0090】
なお、以下の第3実施形態については、上記したパチンコ機2の稼働台数によって補給樋80a,80bから抜き取られるパチンコ玉の流下量が変化する実施形態の1つとして、補給樋80a,80bに設けられる玉抜きストッパー装置86a,86bにそれぞれ2個の玉抜きストッパー(第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパー)が備えられ、パチンコ機2の稼働台数によって第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーを段階的に開閉するものについて説明する。
【0091】
また、第3実施形態に係るパチンコ島台1の構成は、第1実施形態に係るパチンコ島台1の玉抜きストッパー87a,87bに替えて、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが設けられている以外はまったく同様の構成であるため、図示及び詳細な説明は省略する。また、第3実施形態に係る制御基板115の制御系を示すブロック図についても、第1実施形態に係るブロック図の玉抜きストッパー87a,87bに替えて、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが設けられている以外はまったく同様の構成であるため、これも図示及び詳細な説明は省略する。
【0092】
第3実施形態に係る玉抜きストッパー装置86a,86bは、上記したように、パチンコ機2の稼働台数によって段階的に開閉する第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが備えられている。この第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーの開閉状態の態様としては、両方とも開放状態、第1玉抜きストッパーが開放状態で第2玉抜きストッパーが閉塞状態、両方とも閉塞状態の3態様がある。両方とも開放状態のときには多量のパチンコ玉が抜き取られ、第1玉抜きストッパーが開放状態で第2玉抜きストッパーが閉塞状態のときには、両方とも開放状態のときよりも少ないパチンコ玉が抜き取られ、両方とも開放状態のときにはパチンコ玉は抜き取られないようになっている。なお、第3実施形態に係る玉抜きストッパー装置86a,86bが上記した3態様のいずれの態様に制御するかは、玉抜きストッパー制御手段に含まれる、流下量変更手段としての制御基板115によって行われるものである。
【0093】
そこで、玉抜きストッパー制御手段に含まれる流下量変更手段が、パチンコ機2の稼働台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bの第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーを段階的に開閉制御することにより、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量を変化させる制御について、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。図10及び図11は、第3実施形態に係る制御基板115によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。なお、アウト玉センサ91a,91bが検出するアウト玉数が15分間で12000のときに、パチンコ機2の稼働台数が8台であると算出される前提は第1実施形態と同様であり、また、これにより、以下のフローチャートで示すようにアウト玉センサ91a,91bが検出するアウト玉数が15分間で6000のときは、パチンコ機2の稼働台数は4台と算出される。
【0094】
以下、第3実施形態に係る補給樋循環速度制御処理について説明するが、第3実施形態に係る補給樋循環速度制御処理におけるステップS50〜S54は、第1実施形態に係る補給樋循環速度制御処理におけるステップS10〜S14と同様であるため説明を省略し、ステップS55から説明する。
【0095】
ステップS55では優先側のアウト玉センサ91aによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が8台未満であると判別された場合(ステップS55のYES)、ステップS56で優先側のアウト玉センサ91aによって検出されたアウト玉数が6000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が6000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台未満であると判別された場合(ステップS56のYES)、ステップS60で優先側の補給樋センサ85aがONしているか否か、即ち、優先側の補給樋80aにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。優先側の補給樋センサ85aがONしていると判別された場合(ステップS60のYES)、ステップS61で優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放された後、ステップS62に進む。
【0096】
一方、ステップS56で検出されたアウト玉数が6000以上、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台以上8台未満であると判別された場合(ステップS56のNO)、ステップS57で優先側の補給樋センサ85aがONしているか否か、即ち、優先側の補給樋80aにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。優先側の補給樋センサ85aがONしていると判別された場合(ステップS57のYES)、ステップS58で優先側の第1玉抜きストッパーが開放されると共に第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS62に進む。
【0097】
また、ステップS55で検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、パチンコ機2の稼動台数が8台以上と判別された場合には(ステップS55のNO)、ステップS59で優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS62に進む。また、ステップS57及びステップS60で優先側の補給樋センサ85aがONしていないと判別された場合も(ステップS57及びステップS60のNO)、ステップS59で優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS62に進む。
【0098】
ステップS62では、非優先側のアウト玉センサ91bによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が8台未満であると判別された場合(ステップS62のYES)、ステップS63で非優先側のアウト玉センサ91bによって検出されたアウト玉数が6000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が6000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台未満であると判別された場合(ステップS63のYES)、ステップS67で非優先側の補給樋センサ85bがONしているか否か、即ち、非優先側の補給樋80bにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。非優先側の補給樋センサ85bがONしていると判別された場合(ステップS67のYES)、ステップS68で非優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放された後、ステップS69に進む。
【0099】
一方、ステップS63で検出されたアウト玉数が6000以上、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台以上8台未満であると判別された場合(ステップS63のNO)、ステップS64で非優先側の補給樋センサ85bがONしているか否か、即ち、非優先側の補給樋80bにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。非優先側の補給樋センサ85bがONしていると判別された場合(ステップS64のYES)、ステップS65で非優先側の第1玉抜きストッパーが開放されると共に第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS69に進む。
【0100】
また、ステップS62で検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、パチンコ機2の稼動台数が8台以上と判別された場合には(ステップS62のNO)、ステップS59で非優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS69に進む。また、ステップS64及びステップS67で非優先側の補給樋センサ85bがONしていないと判別された場合も(ステップS64及びステップS67のNO)、ステップS66で非優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS69に進む。
【0101】
上記したステップS50〜S68で示したように、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、12000以上であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台以上という条件が成立して第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞される。このため、上部タンク4から補給樋80a,80bに誘導されたパチンコ玉が、補給樋80a,80b内に貯留されることとなる。
【0102】
また、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台未満という条件が成立して第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放される。このため、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量が増加し、多量のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0103】
また、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が6000以上12000未満であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が4台以上8台未満という条件が成立して第1玉抜きストッパーが開放されると共に第2玉抜きストッパーが閉塞される。このため、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放されたときよりもパチンコ玉の流下量が減少し、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放されたときよりも少量のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0104】
上記のように、稼動しているパチンコ機2の台数に応じて補給樋80a,80bから抜き取られるパチンコ玉の流下量が変更されるため、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環速度を細かく調整することができ、補給樋80a,80b内のパチンコ玉を常に適切な循環速度にすることができる。
【0105】
次に、ステップ69では、優先側のアウト玉数が6000未満、6000以上12000未満、12000以上のいずれであるかが判別され、更にそれぞれの場合について、ステップS70〜S72で非優先側のアウト玉数が6000未満、6000以上12000未満、12000以上のいずれであるかが判別される。
【0106】
そして、ステップS69〜S72での判別の結果、優先側及び非優先側のアウト玉数がいずれも6000未満、いずれも6000以上12000未満、いずれも12000以上の場合には、ステップS73で振分装置60の振分部材61が中央に位置する。このため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、優先側の補給樋80a及び非優先側の補給樋80bへ振分部材61によってほぼ均等に振り分けられる。
【0107】
また、ステップS69〜S72での判別の結果、優先側のアウト玉数が6000未満で非優先側のアウト玉数が6000以上12000未満、優先側のアウト玉数が6000未満で非優先側のアウト玉数が12000以上、優先側のアウト玉数が6000以上12000未満で非優先側のアウト玉数が12000以上の場合には、ステップS74で振分部材61が優先側へ移動する。このため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち非優先側傾斜面68へ落下する量が増加する。これにより、非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉が優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0108】
更に、ステップS69〜S72での判別の結果、優先側のアウト玉数が6000以上12000未満で非優先側のアウト玉数が6000未満、優先側のアウト玉数が12000以上で非優先側のアウト玉数が6000未満、優先側のアウト玉数が12000以上で非優先側のアウト玉数が6000以上12000未満の場合には、ステップS75で振分部材61が非優先側へ移動する。このため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち優先側傾斜面67へ落下する量が増加する。これにより、優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉が非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0109】
なお、上記した第3実施形態においては、アウト玉センサ91a,91bによってアウト玉数を検出するものを示したが、これに限らず、第2実施形態と同様にアウトボックスアウト玉センサ97によって検出したアウト玉数、又はセーフ玉センサ95によって検出したセーフ玉数に基づいて玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものであってもよい。
【0110】
また、上記した第3実施形態においては、玉抜きストッパー装置86a,86bに第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーの2つの玉抜きストッパーを備えたものを示したが、これに限らず、玉抜きストッパー装置86a,86bに玉抜きストッパーが3つ以上備えられ、段階的に開閉することによりパチンコ玉の流下量を変化させるものであってもよい。
【0111】
また、上記した第3実施形態においては、玉抜きストッパー装置86a,86bは、補給樋80a,80bの下流端に設けられるものを示したが、これに限らず、補給樋80a,80bの上流側、中央部、下流側にそれぞれ玉抜きストッパー装置86a,86bを設け、段階的に開閉することにより、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量を変化させるものであってもよい。
【0112】
また、上記した第3実施形態においては、玉抜きストッパー装置86a,86bに第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーの2つの玉抜きストッパーを備え、この2つの玉抜きストッパーを段階的に開閉することにより、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量を変化させるものを示したが、これに限らず、例えば、玉抜きストッパーの開放の程度を変化させることにより、パチンコ玉が落下する落下口の面積を変化させてパチンコ玉の流下量を変化させるものであってもよい。
【0113】
また、上記した第1実施形態乃至第3実施形態においては、パチンコ島台1に設置される遊技機としてパチンコ機2を示したが、これに限らず、パチンコ玉を使用する遊技機であれば、例えば、パロット,雀球等の遊技機であってもよい。
【0114】
ところで、上記した第1実施形態乃至第3実施形態に係る玉抜きストッパー制御装置においては、パチンコ機2から排出されるアウト玉数又はセーフ玉数に基づいて、パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数を算出し玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御しているが、これに対し、特開2004−81571号公報で開示されるように、補給樋内のパチンコ玉が多い場合にはシャッターを開放してパチンコ玉を抜き取り、補給樋内のパチンコ玉が少ない場合にはシャッターを閉塞するというように、補給樋内のパチンコ玉を検出することによってシャッターを開閉動作させるものが提案されている。
【0115】
この先願公報に開示されているものは、補給樋内のパチンコ玉を検出することによってシャッターを開閉動作させるという点で本願の発明とは異なるものである。また、この先願公報に開示されるものの場合、例えば、パチンコ島台に設置されるパチンコ機の稼動台数が多く、しかも遊技客がパチンコ島台の玉貸し機からパチンコ玉を借りずに手元の持ち玉を使って遊技をしている場合には、補給樋からパチンコ機及び玉貸し機へパチンコ玉の補給がされないため補給樋内のパチンコ玉が減少しない。このため、パチンコ機の稼動台数が多いにも関わらず、シャッターが開放して補給樋内のパチンコ玉が抜き取られる可能性がある。ところが、パチンコ機の稼動台数が多いということは、そのパチンコ島台に設置されている数多くのパチンコ機で大当りとなる可能性も高くなり、例えば、一斉に複数のパチンコ機で大当りとなったときに、シャッターが開放して補給樋内のパチンコ玉が抜き取られていると、補給樋内でパチンコ玉が不足してパチンコ機へのパチンコ玉の補給が間に合わなくなるという問題がある。
【0116】
これに対し、本願の発明では、パチンコ機2から排出されるアウト玉又はセーフ玉に基づいて、パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数を算出し玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものであるため、このような事態が起こることがない。即ち、本願の発明では、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不要なときに、補給樋80a,80bからパチンコ玉を抜き取るものであり、必要なときにも補給樋80a,80bからパチンコ玉を抜き取ってしまうものではない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】複数のパチンコ島台を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る玉磨き揚送装置の斜視図である。
【図3】玉磨き揚送装置が設置された状態での上部タンクの内部を示す斜視図である。
【図4】上部タンクの内部に設置された振分装置及び上部タンク内でのパチンコ玉の流れを示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るパチンコ島台の構成を示す概略図である。
【図6】第1実施形態に係る制御基板の制御系を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態に係る制御基板によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るパチンコ島台の構成を示す概略図である。
【図9】第2実施形態に係る制御基板の制御系を示すブロック図である。
【図10】第3実施形態に係る制御基板によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る制御基板によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
1 パチンコ島台(遊技機島台)
2 パチンコ機(遊技機)
4 上部タンク
10 玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)
80a,80b 補給樋
86a,86b 玉抜きストッパー装置
90a,90b アウト玉回収樋
91a,91b アウト玉センサ(検出装置)
95 セーフ玉センサ(セーフ玉検出装置)
96 アウトボックス
97 アウトボックスアウト玉センサ(アウト玉検出装置)
115 制御基板(玉抜きストッパー制御手段)(算出手段)(流下量変更手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機で使用する遊技媒体を研磨しながら揚送する遊技媒体研磨揚送装置と、該遊技媒体研磨揚送装置により揚送された前記遊技媒体を受け入れる上部タンクと、該上部タンクの両側方から外側に向けて延設され且つ該上部タンクで受け入れた前記遊技媒体を前記遊技機に補給する一対の補給樋と、該一対の補給樋の下流端部に設けられ且つ該補給樋内の前記遊技媒体を抜き取る玉抜きストッパー装置と、が設けられた遊技機島台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、複数のパチンコ機(遊技機)等が設置されるパチンコ島台(遊技機島台)の内部では、玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)によって上部タンクに揚送されたパチンコ玉(遊技媒体)を補給樋でパチンコ機に補給し、このパチンコ機で使用されて排出されたパチンコ玉(アウト玉)はアウト玉回収樋で回収された後、再び玉磨き揚送装置によって揚送されるというように、パチンコ玉がパチンコ島台内を循環している。このパチンコ玉の循環は、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が多いときには、パチンコ玉の使用数も多くなるためその循環スピードが速くなる。従って、上記したパチンコ機にパチンコ玉を供給するための補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードも速くなる。一方、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードが通常よりも遅くなる。このように、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードは、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数によって左右されるものである。
【0003】
ところで、上記したように、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードが通常よりも遅くなるが、これにより、補給樋内に貯留されているパチンコ玉はその貯留時間が長くなる。このため、補給樋内に貯留されている間にパチンコ玉に塵や埃が付着する等により汚れてしまい、遊技者に綺麗なパチンコ玉を提供できないという問題があった。従って、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、強制的に補給樋内のパチンコ玉の循環を行ない、即ち、強制的に補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードを速くし、補給樋内にパチンコ玉が長時間貯留しないようにすることが理想である。
【0004】
そこで、補給樋の下流側に補給樋内のパチンコ玉を抜き取る玉抜きストッパー装置を設け、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少ないときには、この玉抜きストッパー装置によって補給樋内のパチンコ玉を抜き取ることにより、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードを強制的に速くさせるパチンコ島台が提案されている。このようなパチンコ島台の一つとして、本出願人は、玉抜きストッパー装置を遠隔操作により手動で開放することにより、補給樋内のパチンコ玉を抜き取り、補給樋内でのパチンコ玉の循環スピードを速くするパチンコ島台を提案した(例えば、特許文献1)。このパチンコ島台では、玉抜きストッパー装置を遠隔操作により動作制御することができるという点で非常に利便性の高いものであった。
【特許文献1】特開平10−118305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記した特許文献1に開示されるパチンコ島台では、玉抜きストッパー装置が遠隔操作により動作制御することができるものの、遊技場の営業中は玉抜きストッパー装置は閉じた状態であり、玉抜きストッパー装置を開放させるか否かは、補給樋内のパチンコ玉の循環状況に関係なく遊技場の係員が判断し、係員の手動により行なわれるものであった。このため、例えば、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が多く、補給樋からのパチンコ玉の補給が必要な状況下であるにも関わらず、係員の判断の誤りによって玉抜きストッパー装置が開放されて補給樋内のパチンコ玉が抜き取られてしまい、補給樋内のパチンコ玉が不足してしまうことが考えられる。
【0006】
一方、パチンコ島台に設置されているパチンコ機の稼働台数が少なく、補給樋からのパチンコ玉の補給があまり必要でない状況下であるにも関わらず、玉抜きストッパー装置が閉塞されて補給樋内のパチンコ玉が抜き取られず、補給樋内にパチンコ玉が長時間停滞してしまい、遊技者に対して綺麗なパチンコ玉を提供することができなくなることが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、補給樋内の遊技媒体が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋内から遊技媒体が抜き取られることを防止すると共に、必要に応じて補給樋内の遊技媒体の循環を自動で積極的に行なうことにより、補給樋内のパチンコ玉が不足してしまう事態を回避すると共に、常に綺麗な遊技媒体を遊技者に提供することができる遊技機島台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る発明について、図面を参照して説明すると、図5,図7及び図8に示すように、パチンコ機(遊技機)2で使用するパチンコ玉(遊技媒体)を研磨しながら揚送する玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)10と、該玉磨き揚送装置10により揚送された前記パチンコ玉を受け入れる上部タンク4と、該上部タンク4の両側方から外側に向けて延設され且つ該上部タンク4で受け入れた前記パチンコ玉を前記パチンコ機2に補給する一対の補給樋80a,80bと、該一対の補給樋80a,80bの下流端部に設けられ且つ該補給樋80a,80b内の前記パチンコ玉を抜き取る玉抜きストッパー装置86a,86bと、が設けられたパチンコ島台(遊技機島台)1において、該パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数に基づいて、前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記パチンコ玉が抜き取られない閉塞状態と、前記パチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段(制御基板115)を設けたことを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0009】
また、請求項2に係る発明では、図面を参照して説明すると、図5及び図7に示すように、請求項1に記載されるパチンコ島台1は、前記パチンコ島台1には、前記パチンコ機2から排出されるアウト玉を回収するアウト玉回収樋90a,90bと、該アウト玉回収樋90a,90bの下流端に設けられ且つ前記アウト玉を検出するアウト玉センサ(検出装置)91a,91bと、該アウト玉センサ91a,91bが検出する前記アウト玉の個数に基づいて前記パチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段(制御基板115)と、が設けられ、前記玉抜きストッパー制御手段は、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記閉塞状態に制御し、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記開放状態に制御することを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0010】
また、請求項3に係る発明では、図面を参照して説明すると、図8に示すように、請求項1に記載されるパチンコ島台1は、前記パチンコ島台1には、前記パチンコ機2から排出されるアウト玉を受け入れるアウトボックス96に設けられ且つ該アウトボックス96で受け入れたアウト玉を検出するアウトボックスアウト玉センサ(アウト玉検出装置)97と、前記パチンコ機2における入賞により払い出されたセーフ玉を検出するセーフ玉センサ(セーフ玉検出装置)95と、前記アウトボックスアウト玉センサ97による検出結果又は前記セーフ玉センサ95による検出結果に基づいて前記パチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、前記玉抜きストッパー制御手段は、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記閉塞状態に制御し、前記算出手段によって算出された前記パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置86a,86bを前記開放状態に制御することを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0011】
また、請求項4に係る発明では、図面を参照して説明すると、図11及び図12に示すように、請求項2又は請求項3に記載されるパチンコ島台1は、前記玉抜きストッパー制御手段は、更に前記玉抜きストッパー装置86a,86bが前記開放状態に制御されることによってパチンコ玉が前記補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量を変化させる流下量変更手段(制御基板115)を含み、該流下量変更手段は、前記算出手段によって算出される前記パチンコ機2の稼働台数が増加するに従って、前記補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が減少するように前記玉抜きストッパー装置86a,86bを制御し、前記算出手段によって算出される前記パチンコ機2の稼動台数が減少するに従って、前記補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が増加するように前記玉抜きストッパー装置86a,86bを制御することを特徴とするパチンコ島台1とした。
【0012】
また、請求項5に係る発明では、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されるパチンコ島台1は、前記補給樋80a,80bには、該補給樋80a,80b内に貯留される前記パチンコ玉を乾燥させるためのヒーターが設けられ、前記ヒーターは、前記玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態のときに加熱状態となり、前記玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返すことを特徴とするパチンコ島台1とした。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明においては、玉磨き揚送装置10によって揚送されたパチンコ玉をパチンコ機2に補給する補給樋80a,80bが設けられ、この補給樋80a,80bの下流部に補給樋80a,80b内のパチンコ玉を抜き取る玉抜きストッパー装置86a,86bが設けられ、該パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数に基づいて、玉抜きストッパー装置86a,86bをパチンコ玉が抜き取られない閉塞状態と、パチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段を設けた。このように構成することにより、例えば、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが速いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態とし、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。一方、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが遅いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態とし、必要に応じて補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環を自動で積極的に行なうことで、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明においては、パチンコ機2から排出されるアウト玉を回収するアウト玉回収樋90a,90bとアウト玉を検出するアウト玉センサ91a,91bとアウト玉の個数に基づいてパチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段とが設けられ、玉抜きストッパー制御手段は、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態に制御し、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態に制御する。このように構成することにより、アウト玉の個数に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、例えば、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数未満のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。一方、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数以上のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。
【0015】
請求項3に係る発明においては、パチンコ機2から排出されるアウト玉を受け入れるアウトボックス96内のアウト玉を検出するアウトボックスアウト玉センサ97と、パチンコ機2における入賞により払い出されたセーフ玉を検出するセーフ玉センサ95と、アウトボックスアウト玉センサ97による検出結果又はセーフ玉センサ95の検出結果に基づいてパチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、玉抜きストッパー制御手段は、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態に制御し、算出されたパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のときに玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態に制御する。このように構成することにより、アウトボックスアウト玉センサ97による検出結果又はセーフ玉センサ95の検出結果に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、例えば、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数未満のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。一方、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数以上のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。
【0016】
請求項4に係る発明においては、玉抜きストッパー制御手段は、更にパチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量を変化させる流下量変更手段を含み、この流下量変更手段は、パチンコ機2の稼働台数が増加するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際の流下量が減少するように玉抜きストッパー装置86a,86bを制御し、パチンコ機2の稼動台数が減少するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際の流下量が増加するように玉抜きストッパー装置86a,86bを制御する。このように稼動しているパチンコ機2の台数に応じて補給樋80a,80bから抜き取られるパチンコ玉の流下量が変更されるため、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の貯留量を細かく調整することができ、補給樋80a,80b内のパチンコ玉を常に適切な貯留量にすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明においては、補給樋80a,80bには、補給樋80a,80b内に貯留されるパチンコ玉を乾燥させるためのヒーターが設けられ、このヒーターは、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態のときに加熱状態となり、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返す。このように構成することにより、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が循環しているときには、ヒーターが加熱状態となることで適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができ、一方、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が停滞しているときには、ヒーターが加熱状態と非加熱状態を繰り返すことでパチンコ玉が加熱され過ぎることを防止しながら、適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)10が設置されるパチンコ島台(遊技島)1の概要について説明する。図1は、複数のパチンコ島台1を示す斜視図である。なお、以下の説明において、パチンコ島台1の長手方向(パチンコ機2の左右方向)を左右方向、この左右方向と直交する方向(パチンコ機2の奥行き方向)を前後方向という場合がある。また、玉磨き揚送装置10を挟んで優先貯留タンク102aが設置されている側を優先側、非優先貯留タンク102bが設置されている側を非優先側という場合がある。
【0019】
図1において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機(遊技機)2を背向列設するようになっている。パチンコ島台1のほぼ中央には、玉磨き揚送装置10(図2参照)が内部に設置される玉磨き揚送装置収納部3が設けられている。本実施形態に係る玉磨き揚送装置10は、帯状の搬送ベルト14(図2参照)によってパチンコ玉(遊技媒体)を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルト14がパチンコ島台1の長手方向と直交するように配置されて下部の導入樋20(図2参照)から導入されたパチンコ玉を研磨部材(図示しない)によって研磨しながら上部に揚送し、上部の排出樋部22(図2参照)から上部タンク4に排出するものである。玉磨き揚送装置10により上部タンク4に揚送されたパチンコ玉は、上部タンク4に接続された補給樋80a,80bによってパチンコ機2の背面上部に設けられた賞球タンク(図示しない)に供給され、景品玉や遊技玉として使用される。
【0020】
パチンコ機2で使用されたパチンコ玉は、パチンコ機2毎にその裏面下方に設けられたアウトボックス96(図5参照)で受け入れられ、このアウトボックス96から排出されてアウト玉回収樋90a,90b(図5,8参照)により回収された後、誘導樋107a,107bの下流側に誘導され、後述する貯留タンク(優先貯留タンク)102a,(非優先貯留タンク)102b内に貯留されたパチンコ玉で且つミニコンベア106a,106b(図5,8参照)によって誘導樋107a,107b(図5,8参照)に揚送されたパチンコ玉と誘導樋107a,107bの下流部で合流される。そして、この合流されたパチンコ玉は、導入樋20から玉磨き揚送装置10に誘導され、再び玉磨き揚送装置10によって上部タンク4へ揚送される。これによってパチンコ玉がパチンコ島台1内を循環する。
【0021】
なお、誘導樋107a,107bの下流部で、誘導樋107a,107b内のパチンコ玉と、アウト玉回収樋90a,90bにより回収されたパチンコ玉とが合流するが、パチンコ玉の性質上、誘導樋107a,107bの上方から投入されるアウト玉回収樋90a,90bにより回収されたパチンコ玉の方が、誘導樋107a,107b内のパチンコ玉よりも優先して導入樋20へ誘導される。つまり、パチンコ機2で使用され且つ汚れたパチンコ玉であるアウト玉回収樋90a,90bにより回収されたパチンコ玉の方を優先的に玉磨き揚送装置10へ誘導しているのである。
【0022】
また、上記したアウト玉回収樋90a,90bの下流端には、パチンコ機2から排出されるアウト玉を検出するためのアウト玉センサ(検出装置)91a,91bが設けられている。
【0023】
また、上記した補給樋80a,80bの底面には、補給樋80a,80b内に貯留されるパチンコ玉を乾燥させるためのヒーター(図示しない)が設けられている。このヒーターは、結露等によりパチンコ玉の表面に付着した水分を乾燥させるためのものであり、これにより、パチンコ玉の錆びつきを防止することができる。また、このヒーターは、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態のときに加熱状態となり、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返す。このように構成することにより、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が循環しているときには、ヒーターが加熱状態となることで適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができ、一方、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉塞して補給樋80a,80b内のパチンコ玉が停滞しているときには、ヒーターが加熱状態と非加熱状態を繰り返すことでパチンコ玉が加熱され過ぎることを防止しながら、適度にパチンコ玉が加熱されてパチンコ玉表面の水分を乾燥させることができる。
【0024】
また、パチンコ島台1の長手方向の一端部には、遊技者が獲得した賞品玉を返却して計数するための玉返却装置5が備え付けられている。この玉返却装置5は、非優先貯留タンク102bが内蔵される端部に設けられることが望ましい。これは、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先貯留タンク102bの方が、玉返却装置5からの賞球の返却を確実に行うことができるからである。しかして、玉返却装置5に返却されたパチンコ玉は、図5,9に示すように、非優先貯留タンク102bに備えられた誘導樋108によって非優先貯留タンク102b内に誘導され、貯留されることとなる。
【0025】
また、上記した玉返却装置5の上方には、優先貯留タンク102a内のパチンコ玉の貯留状態を示す優先側貯留状態表示器6a及び、非優先貯留タンク102b内のパチンコ玉の貯留状態を示す非優先側貯留状態表示器6bが備えられている。優先側貯留状態表示器6aは、優先貯留タンク102a内に設けられた第1貯留センサ103a,第2貯留センサ104a,第3貯留センサ105aがパチンコ玉を検出することにより発信する検出信号に対応して、点灯されることにより優先貯留タンク102a内のパチンコ玉の貯留状態を把握するためのものである。
【0026】
同様に、非優先側貯留状態表示器6bは、非優先貯留タンク102b内に設けられた第4貯留センサ103b,第5貯留センサ104b,第6貯留センサ105bがパチンコ玉を検出することにより発信する検出信号に対応して、点灯されることにより非優先貯留タンク102b内のパチンコ玉の貯留状態を把握するためのものである。
【0027】
更に、優先側貯留状態表示器6a,非優先側貯留状態表示器6bの上方には、代表ランプ7が設けられている。この代表ランプ7は、パチンコ機2に設けられたスイッチ(図示しない)を遊技者が押すことにより点灯するものであり、パチンコ機2で玉詰まりを起こしたとき等に遊技者が遊技場の係員にその旨を報知するためのものである。
【0028】
次に、上記した玉磨き揚送装置10の全体の構成について図2を参照して説明する。図2は、実施形態に係る玉磨き揚送装置10の斜視図である。
【0029】
図2において、玉磨き揚送装置10は、厚肉の鋼板で形成された支持台11の上部に支持台11と同じ材料で形成された揚送筒支持部材(図示しない)が溶接固定され、この揚送筒支持部材に揚送筒本体12が垂直状に立設されている。そして、揚送筒本体12の下部に位置する下部ローラ13と上部に位置する上部ローラ29との間に掛け渡される革製の搬送ベルト14が、揚送筒本体12の周囲を周回するようになっている。この揚送筒本体12は、その断面形状が一側面の開口した長方形状であり、この開口面には、この開口面を閉塞するための揚送筒カバー(図示しない)が取り付けられるため、開口面の両側には、揚送筒カバーを取り付けるための図示しない取付ネジ穴(図示しない)が穿設されている。また、揚送筒カバーにも図示しない取付穴が穿設されており、取付穴に取付ネジを挿通し、前記取付ネジ穴に螺着することにより揚送筒カバーが揚送筒本体12の開口面に取り付けられる。この揚送筒カバーは、揚送筒本体12の上端から後述するベース部材33の上端に亘って揚送筒本体12の開口面を閉塞するものであり、揚送筒本体12内部の上部及び中央部に位置する中間ローラ(図示しない)や上部ローラ29の清掃,修理,交換時あるいは揚送筒本体12内のトラブル時などに揚送筒カバーを取り外して修理,交換作業あるいはトラブルに対する対処を行うことができるものである。
【0030】
また、前記搬送ベルト14は、モータ内蔵の下部ローラ13の回転により揚送筒本体12の周囲を周回駆動するものである。この搬送ベルト14に張力を付与するために、搬送ベルト14が交互に当接する上部テンションローラ17,中間テンションローラ18及び下部テンションローラ19からなるテンション機構16が、揚送筒本体12の開口面側にベース部材33を介して取り付けられている。また、下部ローラ13の下部には、流入するパチンコ玉を複数列に整列せしめる導入樋20が設置され、揚送筒本体12の上方には、玉磨き後のパチンコ玉が排出される排出樋部22が一体的に形成される上部屈曲樋21が接続されている。
【0031】
しかして、前記導入樋20から流入されたパチンコ玉は、搬送ベルト14の周回駆動により下部ローラ13から上部ローラ29に向かって揚送された後、排出樋部22から排出されるが、その揚送される過程で後述するガイドレール24に周設される布ベルト(図示しない)との摩擦力によってパチンコ玉に付着した汚れが拭き取られ、排出樋部22からは、奇麗にされたパチンコ玉が排出されることとなる。なお、導入樋20には、導入樋20の傾斜角を調整する傾斜角調整ボルト23が取り付けられている。この傾斜角調整ボルト23には、コイルスプリングが周設されており、内部を流れるパチンコ玉によって導入樋20に無理な力が加わったときでもパチンコ玉がスムーズに整列されるような構造になっている。
【0032】
一方、前記した揚送筒本体12の後面側には、揚送筒本体12の一側面に取り付けられた支持ヒンジ32を介して、ガイドレール24が開閉可能に取り付けられている。この支持ヒンジ32は、揚送筒本体12の垂直方向に亘って複数箇所(本実施形態の場合、4箇所)設けられている。また、揚送筒本体12のもう一方の側面には、止め金具25が係止金具26を介して取り付けられており、ガイドレール24には、前記止め金具25に対応する位置にその止め金具25を係止するための係合突起27が設けられている。
【0033】
このガイドレール24には、その後面側に布ベルトの一端を係止する布ベルト固定係止部材28と布ベルトの他端を引張係止する引張係止部材34とが取り付けられ、その上端部に布ベルトを折り返し案内するための布ベルトローラ31が布ベルトローラ固定部材30により取り付けられている。しかして、布ベルト固定係止部材28に係止された布ベルトは、ガイドレール24の下端からガイドレール24内を通って布ベルトローラ31に掛け渡され、引張係止部材34に引張係止される。
【0034】
また、前述のように、ガイドレール24は、揚送筒本体12に対して開閉可能に取り付けられているため、前記搬送ベルト14や布ベルトの玉磨き揚送装置10への装着は、ガイドレール24を支持ヒンジ32の支点を中心に回転させて開くことにより行うことができる。このようにして搬送ベルト14や布ベルトを装着し、ガイドレール24が閉じられた状態で揚送筒本体12とガイドレール24を止め金具25により係止することによって、搬送ベルト14と布ベルトが対面した状態で維持される。このようにガイドレール24が閉じられ、止め金具25により係止された状態では、揚送筒本体12とガイドレール24との間には、隙間が形成されることとなるが、この隙間は、係止金具26の固着位置を調整することによってその寸法を設定することができ、その設定値に応じて揚送されるパチンコ玉への圧力を変化させることができる。
【0035】
しかして、このように搬送ベルト14及び布ベルトを装着した状態でガイドレール24を閉じ、係合突起27に止め金具25を係止させてガイドレール24を揚送筒本体12に装着させた後、搬送ベルト14を周回動作させることにより、パチンコ玉が、布ベルトに汚れを拭き取られながら上昇するものである。
【0036】
なお、営業終了時には、前記布ベルト固定係止部材28を緩めて布ベルトが移動し得るようにした状態で、裏面上部の布ベルトを引っ張って未使用面をガイドレール24の前面側に位置させるようにし、その後、布ベルト固定係止部材28と引張係止部材34とを順次操作して布ベルトを係止することによって、翌日の研磨に対する準備が終了する。また、この布ベルトの巻取作業は、ガイドレール24を揚送筒本体12から開いた状態でも、あるいは閉じたままの状態でも行うことができるが、新規な布ベルトに交換する場合には、ガイドレール24を揚送筒本体12から開いた状態で行う必要がある。
【0037】
次に、パチンコ島台1の構成について、図3乃至図6を参照して説明する。図3は、玉磨き揚送装置10が設置された状態での上部タンク4の内部を示す斜視図であり、図4は、上部タンク4の内部に設置された振分装置60及び上部タンク4内でのパチンコ玉の流れを示す斜視図であり、図5は、第1実施形態に係るパチンコ島台1の構成を示す概略図であり、図6は、第1実施形態に係る制御基板115の制御系を示すブロック図である。
【0038】
まず、パチンコ島台1の中央上部に設けられた上部タンク4について説明すると、上部タンク4は、図3に示すように、玉磨き揚送装置10の上方に位置する上面板40(図2参照),玉磨き揚送装置10の玉排出側に位置する後面板41,玉磨き揚送装置10の背面側に位置する前面板42,玉磨き揚送装置10の両側方にそれぞれ位置する左側板43及び右側板44を組み合わせた立方体形状に形成されるものである。また、上部タンク4は、中仕切板51,左仕切板52及び右仕切板53等によってその内部空間が仕切られて、後述する振分装置60が設置される振分空間45及び、玉磨き揚送装置10の上部が位置する玉磨き揚送装置設置空間55として形成されている。
【0039】
上記した中仕切板51の上部には、玉磨き揚送装置10が設置された際に、玉磨き揚送装置10の排出樋部22が挿通される挿入口54が形成されている。また、上記した後面板41の上部であって、玉磨き揚送装置10の排出樋部22と対面する位置には、排出樋部22から排出されるパチンコ玉が衝突して反射する反射面47が形成された反射板46が突設されている。この反射板46の下方には、玉磨き揚送装置10側に向けて突出する突出部48が形成されており、この突出部48の上面は、玉磨き揚送装置10から排出されたパチンコ玉が転動する転動面49が形成されている。
【0040】
更に、上記した転動面49の下方であって突出部48の表面には、オーバーフロー排出口50が形成されている。このオーバーフロー排出口50は、補給樋80a,80bが玉磨き揚送装置10から排出されたパチンコ玉で充満したとき、補給樋80a,80bに誘導されずに上部タンク4でオーバーフローしたパチンコ玉が誘導されるものである。このオーバーフロー排出口50は、優先貯留タンク102a及び非優先貯留タンク102bにそれぞれ連通する、優先オーバーフロー樋100及び非優先オーバーフロー樋101に連通している。
【0041】
また、上記したオーバーフロー排出口50の下方には、玉磨き揚送装置10から矢印Aに示すように排出され誘導されてきたパチンコ玉を所定の振分割合で左右方向に振り分けるための振分装置60が、その長手方向が補給樋80a,80bと平行となるように補給樋80a,80bの上流端の間に備えられている。この振分装置60は、主として、パチンコ玉を振り分けるための振分部材61と、その上面で振分部材61が左右方向で移動する移動台62と、振分部材61を長手方向である左右方向にスライド移動させるための振分モータ65(図6に符号のみ記載)と、から構成されている。また、振分装置60の前後方向の両側面には、パチンコ玉を左右方向に沿って誘導するための側板63,64が立設されている。
【0042】
上記した振分部材61の上面には、振分部材61の長手方向のほぼ中央から両側方に向けてそれぞれ下り傾斜する優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68で構成される振分山面66が形成されている。
【0043】
しかして、玉磨き揚送装置10によって揚送され、玉磨き揚送装置10の排出樋部22から排出されたパチンコ玉は、反射板46の反射面47に衝突して反射した後に転動面49に落下する。転動面49を転動したパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66に向けて落下すると共に、優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68の2つの傾斜面によってそれぞれの傾斜面側に位置する補給樋80a,80bに振り分けられる。このとき、振分部材61が中央に位置している場合には、振分山面66に向けて落下してきたパチンコ玉は、優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68によって、ほぼ同じ量のパチンコ玉を誘導する振分割合、即ち、補給樋80a,補給樋80b=5:5の振分割合で補給樋80a,80bに振り分けられる。
【0044】
また、振分部材61が補給樋80a側(優先側)に移動している場合には、非優先側傾斜面68上に落下するパチンコ玉の落下量が優先側傾斜面67上に落下するパチンコ玉の落下量よりも多くなるため、即ち、補給樋80a:補給樋80b=1:9若しくは2:8の振分割合となり、補給樋80bに振り分けられるパチンコ玉の量が増加する。一方、振分部材61が補給樋80b側(非優先側)に移動している場合には、優先側傾斜面67上に落下するパチンコ玉の落下量が非優先側傾斜面68上に落下するパチンコ玉の落下量よりも多くなるため、即ち、補給樋80a:補給樋80b=9:1若しくは8:2の振分割合となり、補給樋80aに振り分けられるパチンコ玉の量が増加する。
【0045】
このように、振分部材61が長手方向にスライド移動されて優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68へのパチンコ玉の落下量の割合を変化させることにより、補給樋80a,80bのうちそれぞれの補給樋へ送られるパチンコ玉の量を変化させることができるため、優先側傾斜面67及び非優先側傾斜面68で構成された振分山面66が形成された振分装置60の振分部材61を補給樋80a,80bのいずれかの方向にスライド移動させるというだけの簡単な構成によって、補給樋80a,80bへのパチンコ玉の振り分けを振分装置60の振分割合通りに確実に行なうことができる。
【0046】
また、上記した移動台62の左右方向の両端部には、パチンコ玉を補給樋80a,80bに向けてそれぞれ転動させるための上部導入樋70a,70bがそれぞれ接続されており、この上部導入樋70a,70bの下方には、上部導入樋70a,70bから落下するパチンコ玉を補給樋80a,80bにそれぞれ誘導するための下部導入樋71a,71bがそれぞれ形成されている。
【0047】
また、上述したように、上部タンク4には、図5に示すように補給樋80a,80bがそれぞれ左右両側方に接続されている。この補給樋80a,80bは、底部を構成する底板84a,84b(図4に84bのみ図示)と、底板84a,84bの前後方向の両側方に立設される側板83a,83b(図4に83bのみ図示)と、によってコ字形状に形成されている。そして、補給樋80a,80bの上流端が下部導入樋71a,71bの下流端と接続されている。
【0048】
上記した補給樋80a,80bと下部導入樋71a,71bとは、上部タンク4に形成された連通口56を介して連結されており、図4の矢印Bで示すように、上部導入樋70a,70b上を転動して下部導入樋71a,71bに落下したパチンコ玉は、この連通口56を通って補給樋80a,80bに誘導される。そして、補給樋80a,80b上を流下していく。
【0049】
また、上記した補給樋80a,80bの下流端には、補給樋80a,80b内に貯留されたパチンコ玉を抜き取るための玉抜きストッパー装置86a,86bが設けられている。この玉抜きストッパー装置86a,86bには、玉抜きストッパー87a,87bが備えられており、この玉抜きストッパー87a,87bが開放することにより補給樋80a,80b内のパチンコ玉が玉抜き通路88a,88bを介して、貯留タンク102a,102bへ誘導される。
【0050】
また、補給樋80a,80bの下流端には、補給樋80a,80b内のパチンコ玉を検出する補給樋センサ85a,85bが備えられている。この補給樋センサ85a,85bがパチンコ玉を検出しているとき(ON)には、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が存在していることを示し、パチンコ玉を検出していないとき(OFF)には、補給樋80a,80b内にパチンコ玉がまったく存在していないことを示すものである。
【0051】
なお、上記した優先貯留タンク102a,非優先貯留タンク102bに貯留されたパチンコ玉は、優先貯留タンク102a,非優先貯留タンク102bの側方に設けられているミニコンベア106a,106bによって揚送された後、誘導樋107a,107bを介して玉磨き揚送装置10に送られ、玉磨き揚送装置10によって再び上部タンク4に揚送されることとなる。
【0052】
また、前述したように、補給樋80a,80bがパチンコ玉で充満して上部タンク4からパチンコ玉を補給樋80a,80bへパチンコ玉を誘導できなくなり、上部タンク4が充満状態になったときには、上部タンク4内のパチンコ玉は、オーバーフロー排出口50へ誘導される。オーバーフロー排出口50へ誘導されたパチンコ玉は、まず優先オーバーフロー樋100を通って優先貯留タンク102aへ誘導される。優先貯留タンク102aが満タンとなり、優先オーバーフロー樋100もパチンコ玉で充満した場合には、次に、オーバーフロー排出口50へ誘導されたパチンコ玉は、非優先オーバーフロー樋101を通って非優先貯留タンク102bへ誘導されることとなる。
【0053】
以上、パチンコ島台1及びパチンコ島台1内のパチンコ玉の流れについて説明したが、パチンコ島台1には、図6に示すような、上記した玉抜きストッパー装置86a,86bを制御するための玉抜きストッパー制御手段としての制御基板115が設けられている。この制御基板115は、各種の制御処理を行うCPU116,CPU116で実行される各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM117,CPU116によって作動領域として利用される半導体メモリであるRAM118及び入出力ポート119を備えている。制御基板115には、補給樋センサ85a,85b及びアウト玉センサ91a,91bが入出力ポート119を介して接続され、補給樋センサ85a,85b及びアウト玉センサ91a,91bからの信号を受信するようになっている。また、玉抜きストッパー87a,87b及び振分モータ65が入出力ポート119を介して接続され、玉抜きストッパー87a,87b及び振分モータ65に対してそれぞれ駆動信号を送信するようになっている。
【0054】
なお、上記したように、制御基板115は、補給樋センサ85a,85b及びアウト玉センサ91a,91bの信号に基づいて、玉抜きストッパー87a,87b及び振分モータ65を駆動制御する玉抜きストッパー制御手段としての機能を果たすものであるが、この機能の他、後述するように、アウト玉センサ91a,91bが検出したアウト玉の個数に基づいて、パチンコ機2の稼動台数を算出する算出手段としての機能も有している。
【0055】
次に、上記した玉抜きストッパー制御手段が玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御することにより、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の貯留量を変化させる制御について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7は、第1実施形態に係る制御基板115によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【0056】
本実施形態に係る玉抜きストッパー制御手段は、アウト玉センサ91a,91bが検出したアウト玉の個数に基づいて、上記した算出手段としての制御基板115が算出したパチンコ機2の稼働台数が「予め定めた台数」以上か否かによって、玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものである。この「予め定めた台数」とは、パチンコ島台1に設置されたパチンコ機2の総台数,パチンコ機2の種類,遊技客の数等によって適宜変更されるものであるが、本実施形態では、この台数を以下のように定めた。なお、本実施形態では、図1に示すように、1つのパチンコ島台1に両面合わせて24台のパチンコ機2が設置されており、優先側に両面合わせて12台、非優先側にも同じく12台設置されている場合である。
【0057】
まずは、優先側の方を考える。パチンコ島台1の優先側には、上記したように、両面合わせて12台のパチンコ機2が設置されている。この12台のパチンコ機2のうち、過半数の台数にあたる8台のパチンコ機2が稼働状態(遊技者によって遊技が行われている状態)であるとき、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが速い場合とし、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多い場合とし、玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態にし、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が玉抜きストッパー装置86a,86bから抜き取られることを防止するようにした。そこで、上記した「予め定めた台数」を「8台」とした。なお、稼働状態のパチンコ機2が8台である場合のアウト玉数は、以下のようにして算出される。
【0058】
通常、パチンコ機2は、1分間に100発のパチンコ玉がアウト回収樋90aに排出されるため、例えば、サンプリング時間を15分間とした場合、優先側から排出されるパチンコ玉数は、8×100×15=12000個となる。この12000個(サンプリング時間15分の場合)を優先側における稼動状態のパチンコ機2が8台である場合のアウト玉数として用いる。なお、言うまでもないが、非優先側も、優先側と同じ12台のパチンコ機2が設置されているため、非優先側における稼動状態のパチンコ機2が8台である場合のアウト玉数も12000個とする。
【0059】
以上のようにして求めた予め定めた稼動台数を「8台」、即ち、算出されるアウト玉数「12000」を用いて、玉抜きストッパー制御手段によって実行される、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環スピード(循環速度)を変化させる制御について以下に説明する。
【0060】
補給樋循環速度制御処理において、まず、ステップS10でアウト玉数を計数する時間が設定されるタイマーに所定の時間(本実施形態の場合、15分)がセットされているか否かが判別される。タイマーに所定の時間がセットされていないと判別された場合(ステップS10のNO)、ステップS11でアウト玉数を検出するためのカウンタがリセットされると共に、ステップS12で上記したタイマーに所定の時間がセットされる。カウンタがリセット及びタイマーがセットされると、ステップS13でアウト玉センサ91a,91bによるアウト玉数の検出が開始された後、ステップS14へ進む。一方、ステップS10でタイマーがセットされていると判別された場合は(ステップS10のYES)、そのままステップS14へ進む。
【0061】
ステップS14では、ステップS12でタイマーにセットした15分が経過したか否かが判別され、15分が経過していないと判別された場合には(ステップS14のNO)、処理を抜けてステップS10に戻る。即ち、ステップS12でタイマーがセットされた後、15分経過するまでは次のステップ以降は実行されない。
【0062】
一方、ステップS14でタイマーにセットした15分が経過したと判別された場合には(ステップS14のYES)、ステップS15で優先側のアウト玉センサ91aによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満であるとステップS15で判別された場合(ステップS15のYES)、ステップS16で優先側の補給樋センサ85aがONしているか否か、即ち、優先側の補給樋80aにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。優先側の補給樋センサ85aがONしていると判別された場合(ステップS16のYES)、ステップS17で優先側の玉抜きストッパー87aが開放された後、ステップS19に進む。
【0063】
一方、ステップS15で検出されたアウト玉数が12000未満でないと判別された場合には(ステップS15のNO)、ステップS18で優先側の玉抜きストッパー87aが閉塞された後、ステップS19に進む。また、ステップS16で優先側の補給樋センサ85aがONしていないと判別された場合も(ステップS16のNO)、ステップS18で優先側の玉抜きストッパー87aが閉塞された後、ステップS19に進む。
【0064】
ステップS19では、非優先側のアウト玉センサ91bによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満であるとステップS19で判別された場合(ステップS19のYES)、ステップS20で非優先側の補給樋センサ85bがONしているか否か、即ち、非優先側の補給樋80bにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。非優先側の補給樋センサ85bがONしていると判別された場合(ステップS20のYES)、ステップS21で非優先側の玉抜きストッパー87bが開放された後、ステップS23に進む。
【0065】
一方、ステップS19で検出されたアウト玉数が12000未満でないと判別された場合には(ステップS19のNO)、ステップS22で非優先側の玉抜きストッパー87bが閉塞された後、ステップS23に進む。また、ステップS20で非優先側の補給樋センサ85bがONしていないと判別された場合も(ステップS20のNO)、ステップS22で非優先側の玉抜きストッパー87bが閉塞された後、ステップS23に進む。
【0066】
上記したステップS10〜S22で示したように、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、12000以上であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台以上という条件が成立して玉抜きストッパー87a,87bが閉塞される。このため、上部タンク4から補給樋80a,80bに誘導されたパチンコ玉が補給樋80a,80b内に貯留されることとなる。
【0067】
また、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台未満という条件が成立して玉抜きストッパー87a,87bが開放される。このため、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0068】
上記のように、アウト玉の個数に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、例えば、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。一方、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。なお、補給樋センサ85a,85bがONしていないときには、補給樋センサ85a,85b内にパチンコ玉が貯留されていなので、玉抜きストッパー87a,87bは開放されることなく閉塞される。
【0069】
次に、ステップS23では、優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満であるか否かが判別される。優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満でない場合、即ち、一方のアウト玉が12000未満か、あるいは両方のアウト玉数が12000以上である場合には(ステップS23のNO)、ステップS24で優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上であるか否かが判別される。
【0070】
優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上でない場合、即ち、一方のアウト玉数が12000以上である場合には(ステップS24のNO)、ステップS25で優先側のアウト玉数が12000以上であるか否かが判別される。優先側のアウト玉数が12000以上でないと判別された場合には(ステップ25のNO)、ステップS26で振分装置60の振分部材61が優先側へ移動される。一方、優先側のアウト玉数が12000以上であると判別された場合には(ステップS25のYES)、ステップS28で振分部材61が優先側へ移動される。また、ステップS23で優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満である場合(ステップS23のYES)又は、ステップS24で優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上である場合には(ステップS24のYES)、ステップS27で振分部材61が中央へ移動される。
【0071】
即ち、上記したステップS23〜S28の処理では、優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000未満、即ち、優先側及び非優先側のパチンコ機2の稼動台数が8台未満である場合、又は優先側及び非優先側のアウト玉数が両方とも12000以上、即ち、優先側及び非優先側のパチンコ機2の稼動台数が8台以上である場合には、振分装置60の振分部材61が中央に位置するため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、優先側の補給樋80a及び非優先側の補給樋80bへ振分部材61によってほぼ均等に振り分けられる。
【0072】
また、優先側のアウト玉数だけが12000以上、即ち、優先側のパチンコ機2の稼動台数だけが8台以上である場合には、振分部材61が非優先側へ移動するため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち優先側傾斜面67へ落下する量が増加する。これにより、優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉が非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0073】
一方、非優先側のアウト玉数だけが12000以上、即ち、非優先側のパチンコ機2の稼動台数だけが8台以上である場合には、振分部材61が優先側へ移動するため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち非優先側傾斜面68へ落下する量が増加する。これにより、非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉が優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0074】
上記したように、本実施形態に係る玉抜きストッパー制御手段においては、該パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数に基づいて、玉抜きストッパー装置86a,86bがパチンコ玉が抜き取られない閉塞状態と、パチンコ玉が抜き取られる開放状態とに制御されることにより、例えば、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが速いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを閉塞状態とし、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。一方、補給樋80a,80b内でのパチンコ玉の循環スピードが遅いとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bを開放状態とし、必要に応じて補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環を自動で積極的に行なうことで、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。
【0075】
以上、本実施形態に係るパチンコ島台1及び玉抜きストッパー制御手段について説明したが、上記した実施形態(第1実施形態)に係る玉抜きストッパー制御手段においては、アウト玉センサ91a,91bが検出するアウト玉の個数に基づいて、算出手段がパチンコ機2の稼動台数を算出するものを示したが、これに限らず、アウトボックス96で受け入れたパチンコ機2からのアウト玉の個数又はパチンコ機2における入賞により払い出されたセーフ玉の個数に基づいて、算出手段がパチンコ機2の稼動台数を算出するものであってもよい。このような実施形態(第2実施形態)について、図8及び図9を参照して以下に説明する。図8は、第2実施形態に係るパチンコ島台1の構成を示す概略図であり、図9は、第2実施形態に係る制御基板115の制御系を示すブロック図である。なお、第1実施形態に係るパチンコ島台1及び貯留量変更装置と同様の機能を有する部材には、同様の符号を付した。
【0076】
図8において、第2実施形態に係るパチンコ島台1は、第1実施形態に係るパチンコ島台1からアウト玉センサ(検出装置)91a,91bが削除されると共に、パチンコ機2にセーフ玉センサ95が、アウトボックス96にアウトボックスアウト玉センサ97が設けられている以外はすべて同様であるため、この構成以外の詳細な説明は省略する。
【0077】
また、図9において、第2実施形態に係る制御基板115は、第1実施形態に係る制御基板115からアウト玉センサ91a,91bが削除されると共に、入出力ポート119を介してセーフ玉センサ95及びアウトボックスアウト玉センサ97が接続されている以外はすべて同様であるため、この構成以外の詳細な説明は省略する。
【0078】
図8において、第2実施形態に係るパチンコ島台1では、上記したように、パチンコ機2にセーフ玉センサ95が、アウトボックス96にアウトボックスアウト玉センサ97が設けられており、セーフ玉センサ95で検出されたセーフ玉数を示す信号及びアウトボックスアウト玉センサ97で検出されたアウト玉数が入出力ポート119を介して制御基板115に送信されるようになっている。
【0079】
また、第2実施形態に係る玉抜きストッパー制御手段は、アウトボックスアウト玉センサ97が検出したアウト玉の個数又はセーフ玉センサ95が検出したセーフ玉の個数に基づいて、算出手段としての制御基板115が算出したパチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数以上か否かによって、玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものである。
【0080】
ここで、上記したアウトボックスアウト玉センサ97でアウト玉の個数を検出する場合に、第1実施形態におけるアウト玉回収樋90a,90bのアウト玉センサ91a,91bでアウト玉の個数を検出する場合とでアウト玉を検出するという点では同様であるが、第1実施形態では稼動しているすべてのパチンコ機2のアウト玉数の総数を検出するのに対し、第2実施形態では稼動しているパチンコ機2のそれぞれについて個別にアウト玉数を検出する点で異なっている。
【0081】
そして、第1実施形態においては、アウト玉センサ91a,91bで検出するアウト玉数が15分間で12000以上のときにパチンコ機2の稼動台数が8台として判別し、玉抜きストッパー87a,87bを開放するようにしているが、第2実施形態においては、アウトボックスアウト玉センサ97で検出するアウト玉数が15分間で1500(12000/8)のときにこのパチンコ機2が稼動していると判断し、稼動台数が8台のときに玉抜きストッパー87a,87bを開放するようにしている。
【0082】
従って、第2実施形態に係る補給樋循環速度制御処理については、第1実施形態に係る補給樋循環速度制御処理において判別するアウト玉数が12000であるところが1500となる以外はすべて同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0083】
上記したように、第2実施形態に係る補給樋循環速度制御処理においては、優先側及び非優先側のいずれも、アウトボックスアウト玉センサ97により検出されたアウト玉数が1500未満でない、即ち、1500以上であると判別されることにより、パチンコ機2が稼動していると判断される。また、アウトボックスアウト玉センサ97により検出されたアウト玉数が1500未満であると判別されることにより、パチンコ機2が稼動していると判断されない。そして、稼動台数が8台以上という条件が成立したときに玉抜きストッパー87a,87bが閉塞されて、上部タンク4から補給樋80a,80bに誘導されたパチンコ玉が、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が貯留されることとなる。一方、稼動台数が8台未満という条件が成立したときに玉抜きストッパー87a,87bが開放されて、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0084】
上記のように、アウト玉の個数に基づいて算出されたパチンコ機2の稼動台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bが自動的に開閉するため、パチンコ機2の稼動台数が予め定めた台数未満のとき、即ち、算出手段によって算出されたパチンコ機2の稼働台数が少ないときには、玉抜きストッパー装置86a,86bが開放状態となって補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環が自動で積極的に行なわれ、補給樋80a,80b内にパチンコ玉が長時間停滞することを防止し、常に綺麗なパチンコ玉を遊技者に提供することができる。
【0085】
一方、算出手段によって算出された稼動台数が予め定めた台数以上のとき、即ち、パチンコ島台1に設置されているパチンコ機2の稼働台数が多いときには玉抜きストッパー装置86a,86bが閉鎖状態となって、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が必要な状況下であるにも関わらず、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が抜き取られることを防止することで、例えば、複数のパチンコ機2で一斉に大当たりし、多量のパチンコ玉が必要になる場合が発生したとしても、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不足するという事態を回避することができる。
【0086】
なお、補給樋センサ85a,85bがONしていないときには、補給樋センサ85a,85b内にパチンコ玉が貯留されていなので、玉抜きストッパー87a,87bは開放されることなく閉塞される。
【0087】
なお、第2実施形態においてアウトボックス96のアウト玉数ではなく、払い出されるセーフ玉数に基づいてパチンコ機2の稼動台数を判断する場合には、判断の基準となるセーフ玉数を設定すればよく、この設定するセーフ玉数以外は、アウト玉数に基づいてパチンコ機2の稼動台数を判断する場合とまったく同様の補給樋循環速度制御処理である。
【0088】
また、上記した第2実施形態においては、アウトボックス96のアウト玉数に基づいてパチンコ機2の稼働台数を判断するものを示したが、これに限らず、アウトボックス96のアウトボックスアウト玉センサ97がアウト玉を検出すれば、そのアウトボックスアウト玉センサ97に対応するパチンコ機2が稼動していると判断するものや、あるいは、セーフ玉センサ95がセーフ玉を検出すれば、そのセーフ玉センサ95に対応するパチンコ機2が稼動していると判断するものであってもよい。
【0089】
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ島台1及び玉抜きストッパー制御手段によって実行される補給樋循環速度制御処理について説明したが、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ島台1の補給樋80a,80bに設けられる玉抜きストッパー装置86a,86bは、上記したように、アウト玉数又はセーフ玉数から算出されるパチンコ機2の稼動台数によって、パチンコ玉を抜き取らない閉塞状態と、パチンコ玉を抜き取る開放状態との2つの状態に変化させるものである。しかし、このようなものに限らず、補給樋80a,80bからパチンコ玉が抜き取られる際のパチンコ玉の流下量を変化させることができるもの、即ち、パチンコ玉の抜き取り量を変化させることができるものであってもよい。具体的には、算出手段によって算出されるパチンコ機2の稼働台数が増加するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が減少し、一方、算出手段によって算出されるパチンコ機2の稼働台数が減少するに従って、パチンコ玉が補給樋80a,80bから抜き取られる際のパチンコ玉の流下量が増加するように、玉抜きストッパー装置87a,87bが制御されるものであってもよい。このような実施形態(第3実施形態)の一例について説明する。
【0090】
なお、以下の第3実施形態については、上記したパチンコ機2の稼働台数によって補給樋80a,80bから抜き取られるパチンコ玉の流下量が変化する実施形態の1つとして、補給樋80a,80bに設けられる玉抜きストッパー装置86a,86bにそれぞれ2個の玉抜きストッパー(第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパー)が備えられ、パチンコ機2の稼働台数によって第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーを段階的に開閉するものについて説明する。
【0091】
また、第3実施形態に係るパチンコ島台1の構成は、第1実施形態に係るパチンコ島台1の玉抜きストッパー87a,87bに替えて、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが設けられている以外はまったく同様の構成であるため、図示及び詳細な説明は省略する。また、第3実施形態に係る制御基板115の制御系を示すブロック図についても、第1実施形態に係るブロック図の玉抜きストッパー87a,87bに替えて、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが設けられている以外はまったく同様の構成であるため、これも図示及び詳細な説明は省略する。
【0092】
第3実施形態に係る玉抜きストッパー装置86a,86bは、上記したように、パチンコ機2の稼働台数によって段階的に開閉する第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが備えられている。この第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーの開閉状態の態様としては、両方とも開放状態、第1玉抜きストッパーが開放状態で第2玉抜きストッパーが閉塞状態、両方とも閉塞状態の3態様がある。両方とも開放状態のときには多量のパチンコ玉が抜き取られ、第1玉抜きストッパーが開放状態で第2玉抜きストッパーが閉塞状態のときには、両方とも開放状態のときよりも少ないパチンコ玉が抜き取られ、両方とも開放状態のときにはパチンコ玉は抜き取られないようになっている。なお、第3実施形態に係る玉抜きストッパー装置86a,86bが上記した3態様のいずれの態様に制御するかは、玉抜きストッパー制御手段に含まれる、流下量変更手段としての制御基板115によって行われるものである。
【0093】
そこで、玉抜きストッパー制御手段に含まれる流下量変更手段が、パチンコ機2の稼働台数によって玉抜きストッパー装置86a,86bの第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーを段階的に開閉制御することにより、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量を変化させる制御について、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。図10及び図11は、第3実施形態に係る制御基板115によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。なお、アウト玉センサ91a,91bが検出するアウト玉数が15分間で12000のときに、パチンコ機2の稼働台数が8台であると算出される前提は第1実施形態と同様であり、また、これにより、以下のフローチャートで示すようにアウト玉センサ91a,91bが検出するアウト玉数が15分間で6000のときは、パチンコ機2の稼働台数は4台と算出される。
【0094】
以下、第3実施形態に係る補給樋循環速度制御処理について説明するが、第3実施形態に係る補給樋循環速度制御処理におけるステップS50〜S54は、第1実施形態に係る補給樋循環速度制御処理におけるステップS10〜S14と同様であるため説明を省略し、ステップS55から説明する。
【0095】
ステップS55では優先側のアウト玉センサ91aによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が8台未満であると判別された場合(ステップS55のYES)、ステップS56で優先側のアウト玉センサ91aによって検出されたアウト玉数が6000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が6000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台未満であると判別された場合(ステップS56のYES)、ステップS60で優先側の補給樋センサ85aがONしているか否か、即ち、優先側の補給樋80aにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。優先側の補給樋センサ85aがONしていると判別された場合(ステップS60のYES)、ステップS61で優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放された後、ステップS62に進む。
【0096】
一方、ステップS56で検出されたアウト玉数が6000以上、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台以上8台未満であると判別された場合(ステップS56のNO)、ステップS57で優先側の補給樋センサ85aがONしているか否か、即ち、優先側の補給樋80aにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。優先側の補給樋センサ85aがONしていると判別された場合(ステップS57のYES)、ステップS58で優先側の第1玉抜きストッパーが開放されると共に第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS62に進む。
【0097】
また、ステップS55で検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、パチンコ機2の稼動台数が8台以上と判別された場合には(ステップS55のNO)、ステップS59で優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS62に進む。また、ステップS57及びステップS60で優先側の補給樋センサ85aがONしていないと判別された場合も(ステップS57及びステップS60のNO)、ステップS59で優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS62に進む。
【0098】
ステップS62では、非優先側のアウト玉センサ91bによって検出されたアウト玉数が12000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が12000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が8台未満であると判別された場合(ステップS62のYES)、ステップS63で非優先側のアウト玉センサ91bによって検出されたアウト玉数が6000未満であるか否かが判別される。検出されたアウト玉数が6000未満、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台未満であると判別された場合(ステップS63のYES)、ステップS67で非優先側の補給樋センサ85bがONしているか否か、即ち、非優先側の補給樋80bにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。非優先側の補給樋センサ85bがONしていると判別された場合(ステップS67のYES)、ステップS68で非優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放された後、ステップS69に進む。
【0099】
一方、ステップS63で検出されたアウト玉数が6000以上、即ち、パチンコ機2の稼働台数が4台以上8台未満であると判別された場合(ステップS63のNO)、ステップS64で非優先側の補給樋センサ85bがONしているか否か、即ち、非優先側の補給樋80bにパチンコ玉が貯留されているか否かが判別される。非優先側の補給樋センサ85bがONしていると判別された場合(ステップS64のYES)、ステップS65で非優先側の第1玉抜きストッパーが開放されると共に第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS69に進む。
【0100】
また、ステップS62で検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、パチンコ機2の稼動台数が8台以上と判別された場合には(ステップS62のNO)、ステップS59で非優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS69に進む。また、ステップS64及びステップS67で非優先側の補給樋センサ85bがONしていないと判別された場合も(ステップS64及びステップS67のNO)、ステップS66で非優先側の第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞された後、ステップS69に進む。
【0101】
上記したステップS50〜S68で示したように、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満でない、即ち、12000以上であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台以上という条件が成立して第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが閉塞される。このため、上部タンク4から補給樋80a,80bに誘導されたパチンコ玉が、補給樋80a,80b内に貯留されることとなる。
【0102】
また、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が12000未満であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が8台未満という条件が成立して第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放される。このため、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量が増加し、多量のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0103】
また、優先側及び非優先側のいずれも、アウト玉センサ91a,91bにより検出されたアウト玉数が6000以上12000未満であると判別され、これにより、算出されるパチンコ機2の稼動台数が4台以上8台未満という条件が成立して第1玉抜きストッパーが開放されると共に第2玉抜きストッパーが閉塞される。このため、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放されたときよりもパチンコ玉の流下量が減少し、第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーが開放されたときよりも少量のパチンコ玉が抜き取られることとなる。
【0104】
上記のように、稼動しているパチンコ機2の台数に応じて補給樋80a,80bから抜き取られるパチンコ玉の流下量が変更されるため、補給樋80a,80b内のパチンコ玉の循環速度を細かく調整することができ、補給樋80a,80b内のパチンコ玉を常に適切な循環速度にすることができる。
【0105】
次に、ステップ69では、優先側のアウト玉数が6000未満、6000以上12000未満、12000以上のいずれであるかが判別され、更にそれぞれの場合について、ステップS70〜S72で非優先側のアウト玉数が6000未満、6000以上12000未満、12000以上のいずれであるかが判別される。
【0106】
そして、ステップS69〜S72での判別の結果、優先側及び非優先側のアウト玉数がいずれも6000未満、いずれも6000以上12000未満、いずれも12000以上の場合には、ステップS73で振分装置60の振分部材61が中央に位置する。このため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、優先側の補給樋80a及び非優先側の補給樋80bへ振分部材61によってほぼ均等に振り分けられる。
【0107】
また、ステップS69〜S72での判別の結果、優先側のアウト玉数が6000未満で非優先側のアウト玉数が6000以上12000未満、優先側のアウト玉数が6000未満で非優先側のアウト玉数が12000以上、優先側のアウト玉数が6000以上12000未満で非優先側のアウト玉数が12000以上の場合には、ステップS74で振分部材61が優先側へ移動する。このため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち非優先側傾斜面68へ落下する量が増加する。これにより、非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉が優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0108】
更に、ステップS69〜S72での判別の結果、優先側のアウト玉数が6000以上12000未満で非優先側のアウト玉数が6000未満、優先側のアウト玉数が12000以上で非優先側のアウト玉数が6000未満、優先側のアウト玉数が12000以上で非優先側のアウト玉数が6000以上12000未満の場合には、ステップS75で振分部材61が非優先側へ移動する。このため、玉揚送装置10から排出されるパチンコ玉は、振分部材61の振分山面66のうち優先側傾斜面67へ落下する量が増加する。これにより、優先側の補給樋80aへ誘導されるパチンコ玉が非優先側の補給樋80bへ誘導されるパチンコ玉よりも多くなるように振り分けられる。
【0109】
なお、上記した第3実施形態においては、アウト玉センサ91a,91bによってアウト玉数を検出するものを示したが、これに限らず、第2実施形態と同様にアウトボックスアウト玉センサ97によって検出したアウト玉数、又はセーフ玉センサ95によって検出したセーフ玉数に基づいて玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものであってもよい。
【0110】
また、上記した第3実施形態においては、玉抜きストッパー装置86a,86bに第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーの2つの玉抜きストッパーを備えたものを示したが、これに限らず、玉抜きストッパー装置86a,86bに玉抜きストッパーが3つ以上備えられ、段階的に開閉することによりパチンコ玉の流下量を変化させるものであってもよい。
【0111】
また、上記した第3実施形態においては、玉抜きストッパー装置86a,86bは、補給樋80a,80bの下流端に設けられるものを示したが、これに限らず、補給樋80a,80bの上流側、中央部、下流側にそれぞれ玉抜きストッパー装置86a,86bを設け、段階的に開閉することにより、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量を変化させるものであってもよい。
【0112】
また、上記した第3実施形態においては、玉抜きストッパー装置86a,86bに第1玉抜きストッパー及び第2玉抜きストッパーの2つの玉抜きストッパーを備え、この2つの玉抜きストッパーを段階的に開閉することにより、補給樋80a,80bからのパチンコ玉の流下量を変化させるものを示したが、これに限らず、例えば、玉抜きストッパーの開放の程度を変化させることにより、パチンコ玉が落下する落下口の面積を変化させてパチンコ玉の流下量を変化させるものであってもよい。
【0113】
また、上記した第1実施形態乃至第3実施形態においては、パチンコ島台1に設置される遊技機としてパチンコ機2を示したが、これに限らず、パチンコ玉を使用する遊技機であれば、例えば、パロット,雀球等の遊技機であってもよい。
【0114】
ところで、上記した第1実施形態乃至第3実施形態に係る玉抜きストッパー制御装置においては、パチンコ機2から排出されるアウト玉数又はセーフ玉数に基づいて、パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数を算出し玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御しているが、これに対し、特開2004−81571号公報で開示されるように、補給樋内のパチンコ玉が多い場合にはシャッターを開放してパチンコ玉を抜き取り、補給樋内のパチンコ玉が少ない場合にはシャッターを閉塞するというように、補給樋内のパチンコ玉を検出することによってシャッターを開閉動作させるものが提案されている。
【0115】
この先願公報に開示されているものは、補給樋内のパチンコ玉を検出することによってシャッターを開閉動作させるという点で本願の発明とは異なるものである。また、この先願公報に開示されるものの場合、例えば、パチンコ島台に設置されるパチンコ機の稼動台数が多く、しかも遊技客がパチンコ島台の玉貸し機からパチンコ玉を借りずに手元の持ち玉を使って遊技をしている場合には、補給樋からパチンコ機及び玉貸し機へパチンコ玉の補給がされないため補給樋内のパチンコ玉が減少しない。このため、パチンコ機の稼動台数が多いにも関わらず、シャッターが開放して補給樋内のパチンコ玉が抜き取られる可能性がある。ところが、パチンコ機の稼動台数が多いということは、そのパチンコ島台に設置されている数多くのパチンコ機で大当りとなる可能性も高くなり、例えば、一斉に複数のパチンコ機で大当りとなったときに、シャッターが開放して補給樋内のパチンコ玉が抜き取られていると、補給樋内でパチンコ玉が不足してパチンコ機へのパチンコ玉の補給が間に合わなくなるという問題がある。
【0116】
これに対し、本願の発明では、パチンコ機2から排出されるアウト玉又はセーフ玉に基づいて、パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2の稼働台数を算出し玉抜きストッパー装置86a,86bを開閉制御するものであるため、このような事態が起こることがない。即ち、本願の発明では、補給樋80a,80b内のパチンコ玉が不要なときに、補給樋80a,80bからパチンコ玉を抜き取るものであり、必要なときにも補給樋80a,80bからパチンコ玉を抜き取ってしまうものではない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】複数のパチンコ島台を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る玉磨き揚送装置の斜視図である。
【図3】玉磨き揚送装置が設置された状態での上部タンクの内部を示す斜視図である。
【図4】上部タンクの内部に設置された振分装置及び上部タンク内でのパチンコ玉の流れを示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るパチンコ島台の構成を示す概略図である。
【図6】第1実施形態に係る制御基板の制御系を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態に係る制御基板によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るパチンコ島台の構成を示す概略図である。
【図9】第2実施形態に係る制御基板の制御系を示すブロック図である。
【図10】第3実施形態に係る制御基板によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る制御基板によって実行される補給樋循環速度制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
1 パチンコ島台(遊技機島台)
2 パチンコ機(遊技機)
4 上部タンク
10 玉磨き揚送装置(遊技媒体研磨揚送装置)
80a,80b 補給樋
86a,86b 玉抜きストッパー装置
90a,90b アウト玉回収樋
91a,91b アウト玉センサ(検出装置)
95 セーフ玉センサ(セーフ玉検出装置)
96 アウトボックス
97 アウトボックスアウト玉センサ(アウト玉検出装置)
115 制御基板(玉抜きストッパー制御手段)(算出手段)(流下量変更手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機で使用する遊技媒体を研磨しながら揚送する遊技媒体研磨揚送装置と、該遊技媒体研磨揚送装置により揚送された前記遊技媒体を受け入れる上部タンクと、該上部タンクの両側方から外側に向けて延設され且つ該上部タンクで受け入れた前記遊技媒体を前記遊技機に補給する一対の補給樋と、該一対の補給樋の下流端部に設けられ且つ該補給樋内の前記遊技媒体を抜き取る玉抜きストッパー装置と、が設けられた遊技機島台において、
該遊技機島台に設置される遊技機の稼働台数に基づいて、前記玉抜きストッパー装置を前記遊技媒体が抜き取られない閉塞状態と、前記遊技媒体が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段を設けたことを特徴とする遊技機島台。
【請求項2】
前記遊技機島台には、前記遊技機から排出されるアウト玉を回収するアウト玉回収樋と、該アウト玉回収樋の下流端に設けられ且つ前記アウト玉を検出する検出装置と、該検出装置が検出する前記アウト玉の個数に基づいて前記遊技機の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、
前記玉抜きストッパー制御手段は、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記閉塞状態に制御し、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記開放状態に制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機島台。
【請求項3】
前記遊技機島台には、前記遊技機から排出されるアウト玉を受け入れるアウトボックスに設けられ且つ該アウトボックスで受け入れたアウト玉を検出するアウト玉検出装置と、前記遊技機における入賞により払い出されたセーフ玉を検出するセーフ玉検出装置と、前記アウト玉検出装置による検出結果又は前記セーフ玉検出装置による検出結果に基づいて前記遊技機の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、
前記玉抜きストッパー制御手段は、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記閉塞状態に制御し、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記開放状態に制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機島台。
【請求項4】
前記玉抜きストッパー制御手段は、更に前記玉抜きストッパー装置が前記開放状態に制御されることによって遊技媒体が前記補給樋から抜き取られる際の遊技媒体の流下量を変化させる流下量変更手段を含み、
該流下量変更手段は、
前記算出手段によって算出される前記遊技機の稼働台数が増加するに従って、遊技媒体が前記補給樋から抜き取られる際の遊技媒体の流下量が減少するように前記玉抜きストッパー装置を制御し、
前記算出手段によって算出される前記遊技機の稼動台数が減少するに従って、 遊技媒体が前記補給樋から抜き取られる際の遊技媒体の流下量が増加するように前記玉抜きストッパー装置を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技機島台。
【請求項5】
前記補給樋には、該補給樋内に貯留される前記遊技媒体を乾燥させるためのヒーターが設けられ、
前記ヒーターは、前記玉抜きストッパー装置が開放状態のときに加熱状態となり、前記玉抜きストッパー装置が閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返すことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機島台。
【請求項1】
遊技機で使用する遊技媒体を研磨しながら揚送する遊技媒体研磨揚送装置と、該遊技媒体研磨揚送装置により揚送された前記遊技媒体を受け入れる上部タンクと、該上部タンクの両側方から外側に向けて延設され且つ該上部タンクで受け入れた前記遊技媒体を前記遊技機に補給する一対の補給樋と、該一対の補給樋の下流端部に設けられ且つ該補給樋内の前記遊技媒体を抜き取る玉抜きストッパー装置と、が設けられた遊技機島台において、
該遊技機島台に設置される遊技機の稼働台数に基づいて、前記玉抜きストッパー装置を前記遊技媒体が抜き取られない閉塞状態と、前記遊技媒体が抜き取られる開放状態とに制御する玉抜きストッパー制御手段を設けたことを特徴とする遊技機島台。
【請求項2】
前記遊技機島台には、前記遊技機から排出されるアウト玉を回収するアウト玉回収樋と、該アウト玉回収樋の下流端に設けられ且つ前記アウト玉を検出する検出装置と、該検出装置が検出する前記アウト玉の個数に基づいて前記遊技機の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、
前記玉抜きストッパー制御手段は、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記閉塞状態に制御し、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記開放状態に制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機島台。
【請求項3】
前記遊技機島台には、前記遊技機から排出されるアウト玉を受け入れるアウトボックスに設けられ且つ該アウトボックスで受け入れたアウト玉を検出するアウト玉検出装置と、前記遊技機における入賞により払い出されたセーフ玉を検出するセーフ玉検出装置と、前記アウト玉検出装置による検出結果又は前記セーフ玉検出装置による検出結果に基づいて前記遊技機の稼動台数を算出する算出手段と、が設けられ、
前記玉抜きストッパー制御手段は、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数以上という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記閉塞状態に制御し、
前記算出手段によって算出された前記遊技機の稼動台数が予め定めた台数未満という条件が成立したときに前記玉抜きストッパー装置を前記開放状態に制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機島台。
【請求項4】
前記玉抜きストッパー制御手段は、更に前記玉抜きストッパー装置が前記開放状態に制御されることによって遊技媒体が前記補給樋から抜き取られる際の遊技媒体の流下量を変化させる流下量変更手段を含み、
該流下量変更手段は、
前記算出手段によって算出される前記遊技機の稼働台数が増加するに従って、遊技媒体が前記補給樋から抜き取られる際の遊技媒体の流下量が減少するように前記玉抜きストッパー装置を制御し、
前記算出手段によって算出される前記遊技機の稼動台数が減少するに従って、 遊技媒体が前記補給樋から抜き取られる際の遊技媒体の流下量が増加するように前記玉抜きストッパー装置を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技機島台。
【請求項5】
前記補給樋には、該補給樋内に貯留される前記遊技媒体を乾燥させるためのヒーターが設けられ、
前記ヒーターは、前記玉抜きストッパー装置が開放状態のときに加熱状態となり、前記玉抜きストッパー装置が閉塞状態のときに加熱状態と非加熱状態とを繰り返すことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機島台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−351(P2006−351A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179217(P2004−179217)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
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