説明

遊技機用発射ハンドル及びそれを備えた遊技機

【課題】 簡素な構成により回動操作部材の組付ミスを防止し、所定の軸方向隙間や半径方向隙間を形成することによって、サイクルタイムの長期化や製品歩留まりの悪化を抑制し、製造コストの上昇を抑制することのできる遊技機用発射ハンドルとそれを備えた遊技機を提供する。
【解決手段】 回動レバー30の本体部31及び延出部320,321,322は、それらの外径が回動軸線O方向において前方側に向かうほど縮径する形で、単一の円錐台形状を呈している。本体部31の外周面と延出部320,321,322の外周面とは共通のテーパ比を有する連続的なテーパ面を構成し、把持面32は本体部31の外周面と延出部320,321,322の外周面とに跨って形成されている。回動軸線O方向における本体部31及び延出部320,321,322の全幅をL、後端側の延出部320の最大外径をD1、前端側の延出部322の最小外径をD2とすると、テーパ面32のテーパ比は(D1−D2)/Lで表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用発射ハンドル及びそれを搭載した遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機(遊技機)の発射ハンドルは、一方側で開口する擬似半球形状等の椀形状に各々形成され、互いの開口を対向配置させてパチンコ機に固定することによって、遊技者が手のひらや手指で把持できる一対の固定部材を備えている。これら一対の固定部材は、前方側(遊技者側)のキャップと後方側(遊技機側)のグリップ本体とで構成され、さらに両者の間には、前後方向の回動軸線の周りに回動操作可能な回動レバー(回動操作部材)が配置されている。
【0003】
このような発射ハンドルでは、回動レバーを円滑に回動操作できるように、回動レバーとキャップとの間及び回動レバーとグリップ本体との間には、それぞれ回動軸線方向に所定の寸法(幅寸法)を有する軸方向隙間が形成されている。ところが、このような軸方向隙間は、遊技者によってコイン、マッチ棒等の異物を挿入して回動レバーを固定する行為に利用されやすい。このような異物の挿入によって、回動レバーがこじられて円滑に回動操作できなくなったり、固定部材が変形・損傷したり、軸方向隙間が広げられたり、金属部分の変形や剥がれが発生したりすると、回動レバーの回転角の検出不良、人体(遊技者の手)の接触有無(タッチセンシング)の検出不良等を招来し、遊技球の打ち出し不能や打ち出し強度の調整不良を発生しやすくなる。その結果、発射ハンドルの耐久性(寿命)が短縮され、発射ハンドルを頻繁に交換しなければならなくなるので、パチンコ機全体の耐久性にも影響する。
【0004】
そこで、パチンコ機のように遊技媒体(遊技球)の発射操作を行うための発射ハンドルを備える遊技機では、軸方向隙間にコイン、マッチ棒等の異物を挿入して回動レバーを固定するような行為を防止(阻止)することが要請され、解決策も種々提案されている。例えば、回動レバー(操作レバー)の本体部分から回動軸線と平行状に延びて軸方向隙間を覆う延出部によって、軸方向隙間にコイン、マッチ棒等の異物を挿入・固定する行為を防止(阻止)するとともに、軸方向隙間に比べて異物を挿入・固定する行為が実行しにくい半径方向隙間を形成することが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】実開昭61−127780号公報
【0006】
特許文献1によれば、上記した行為の防止に一定の成果を得ることができる。しかし、回動レバーは回動軸線方向(前後方向)に対称な形状を有しているため、作業者が回動レバーをキャップとグリップ本体との間に組み込む際に前後方向を取り違えて組み付けてしまうと、軸方向隙間や半径方向隙間が規定寸法(設定値)からずれてしまう可能性がある。仮に、組立後の検査時や組立作業途中に組付ミスが発見できたとしても、補修のためのサイクルタイム(タクトタイム)が長くなったり、製品歩留まりが悪くなったりする結果、製造コストの上昇を招くことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、簡素な構成により回動操作部材の組付ミスを防止し、所定の軸方向隙間や半径方向隙間を形成することによって、サイクルタイムの長期化や製品歩留まりの悪化を抑制し、製造コストの上昇を抑制することのできる遊技機用発射ハンドルとそれを備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機用発射ハンドルは、
一方側にて開口する椀形状に形成され、遊技機に固定される固定部材と、
遊技者側を前方側とし遊技機側を後方側とする前後方向の回動軸線の周りに回動可能に配置されるとともに、前記固定部材の開口周壁部の端面と、自身の中心部から周辺部へ半径方向に延び、かつ遊技者により把持される把持面が外周面に形成された本体部の端面との間で、回動軸線方向に所定の寸法を有する軸方向隙間が形成されるように配置される回動操作部材と、を備える遊技機用発射ハンドルにおいて、
前記回動操作部材の本体部には、前記軸方向隙間を半径方向外側から覆うように前記回動軸線と平行状に延びる延出部が形成されるとともに、
前記回動操作部材は、前記延出部の内周面が、前記固定部材の開口周壁部の外周面との間で半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間を形成する一方、少なくとも前記本体部の外径が、回動軸線方向において前方側に向かうほど縮径することを特徴とする。
【0009】
上記遊技機用発射ハンドルでは、回動操作部材(例えば回動レバー)の本体部から回動軸線と平行状に延びて軸方向隙間を半径方向外側から覆う延出部が形成され、延出部の内周面は、固定部材(例えばキャップやグリップ本体)の開口周壁部の外周面との間で半径方向隙間を形成する。しかも、本体部の外径を前方側に向かうほど(連続的又は断続的に)縮径するだけで、作業者が回動操作部材を組み込む際に組み付け方向(前後方向)を取り違えにくくなり、簡素な構成であっても軸方向隙間や半径方向隙間は規定寸法(設定値)に維持される。したがって、このようにして形成された半径方向隙間に対して(もちろん軸方向隙間に対しても)、コイン、マッチ棒等の異物を挿入・固定する行為は実行しにくくなる。つまり、回動操作部材の組み付け方向の取り違えに気付いたら作業者は直ちに向きを修正できるので、補修のためのサイクルタイム(タクトタイム)の長期化や製品歩留まりの悪化を抑制し、製造コストの上昇を抑制することができる。
【0010】
また、回動操作部材の本体部の外径は前方側に向かうほど(連続的又は断続的に)縮径しているので、遊技者が回動操作部材を把持して回動操作する際のフィット感が向上し、遊技者の疲労感が軽減される。したがって、半径方向隙間に異物を挿入・固定する行為の実行頻度が低くなり、半径方向隙間の拡大、固定部材(開口周壁部)の変形・損傷、金属部分の変形・剥がれ等が防止され、回動操作部材の円滑な回動操作が可能となり、半径方向隙間を長期にわたり安定して維持し、耐久性の向上を図ることができる。さらに、回動操作部材の回転角の検出不良、人体(遊技者の手)の接触有無(タッチセンシング)の検出不良等も発生しにくくなり、遊技球の打ち出し不能や打ち出し強度の調整不良が発生しにくくなる。その結果、発射ハンドルの耐久性(寿命)が向上し、発射ハンドルを頻繁に交換しなくてもよくなるので、遊技機全体の耐久性も向上する。
【0011】
なお、回動操作部材の回動軸線は、遊技者側を前方側、遊技機側を後方側とする前後方向に配置する際、前後・上下・左右の中間方向(斜め方向)に配置する場合がある。また、遊技機用発射ハンドルを回動操作部材(例えば回動レバー)と一対の固定部材(例えばキャップとグリップ本体)とで構成する以外に、例えば、キャップを兼用する回動操作部材とグリップ本体とで構成する場合がある。
【0012】
よって、例えば、前方側のキャップと後方側のグリップ本体とからなる一対の固定部材の間に、前後方向の回動軸線の周りに回動可能な回動操作部材(回動レバー)を配置して遊技機用発射ハンドルとすることができる。その際、一対の固定部材及び回動操作部材を配置する手法には、例えば、
(1)球体(擬似球体を含む)を、直径を含む平面で切断後に分離し、その間に回動操作部材を配置する手法;
(2)球体(擬似球体を含む)を、直径を含む平面から平行状に離間した2つの切断面で切断し、切断面間の中間体を除去した後に回動操作部材を配置する手法;
(3)回転楕円体(擬似回転楕円体を含む)を、長軸(主軸)を含む平面で切断後に分離し、その間に回動操作部材を配置する手法;
(4)回転楕円体(擬似回転楕円体を含む)を、長軸(主軸)を含む平面から平行状に離間した2つの切断面で切断し、切断面間の中間体を除去した後に回動操作部材を配置する手法;
等がある。もちろん、固定部材は、球体や回転楕円体以外の形状(例えば曲率を異ならせた複数の曲面からなる連結曲面体)であってもよい。
【0013】
したがって、上記した遊技機用発射ハンドルは、具体的には、
一方側にて全面的に開口し他方側にて全体又は一部が閉じる椀形状に各々形成されるとともに、遊技者側を前方側とし遊技機側を後方側としたとき、互いの開口が対向し合掌状に向き合うように前後方向に配置されて、遊技機に固定される一対の固定部材と、
それら一対の固定部材の間において前後方向(かつ水平方向)の回動軸線の周りに回動可能に配置されるとともに、各固定部材の開口周壁部の端面と、自身の中心部から周辺部へ半径方向に延び、かつ遊技者により把持される把持面が外周面に形成された本体部の端面との間で、回動軸線方向に所定の寸法を有する軸方向隙間が各々形成されるように配置される回動操作部材と、を備える遊技機用発射ハンドルにおいて、
前記回動操作部材の本体部には、前記軸方向隙間を半径方向外側から(庇状に)覆うように前記回動軸線と平行状に延びる延出部が形成されるとともに、
前記回動操作部材は、前記延出部の内周面が、前記固定部材の開口周壁部の外周面との間で半径方向に所定の寸法を有する(筒状の)半径方向隙間を形成する一方、少なくとも前記本体部の外径が、回動軸線方向において前方側に向かうほど(連続的又は断続的に)縮径されていてもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の遊技機用発射ハンドルは、
一方側にて全面的に開口し他方側にて全体又は一部が閉じる椀形状に各々形成されるとともに、遊技者側を前方側とし遊技機側を後方側としたとき、互いの開口が対向し合掌状に向き合うように前後方向に配置されて、遊技機に固定される一対の固定部材と、
それら一対の固定部材の間において前後方向(かつ水平方向)の回動軸線の周りに回動可能に配置されるとともに、各固定部材の開口周壁部の端面と、自身の中心部から周辺部へ半径方向に延び、かつ遊技者により把持される把持面が外周面に形成された本体部の端面との間で、回動軸線方向に所定の寸法を有する軸方向隙間が各々形成されるように配置される回動操作部材と、を備える遊技機用発射ハンドルにおいて、
前記回動操作部材の本体部には、各々の軸方向隙間を半径方向外側から(庇状に全周にわたって)覆うように前記回動軸線と平行状に延びる延出部が前後にそれぞれ形成されるとともに、
前記回動操作部材は、各延出部の内周面が、対応する固定部材の開口周壁部の外周面との間で半径方向に所定の寸法を有する(筒状の)半径方向隙間をそれぞれ形成する一方、少なくとも前記本体部の外径が、回動軸線方向において前方側に向かうほど(連続的又は断続的に)縮径し、
さらに、前方側の延出部の内径は後方側の延出部の内径よりも小であり、かつ、前方側に配置された固定部材の開口周壁部の外径は後方側に配置された固定部材の開口周壁部の外径よりも小に形成されることを特徴とする。
【0015】
このような遊技機用発射ハンドルにおいても、回動操作部材の組み付け方向の取り違えに気付いたら作業者は直ちに向きを修正できるので、補修のためのサイクルタイム(タクトタイム)の長期化や製品歩留まりの悪化を抑制し、製造コストの上昇を抑制することができる。また、回動操作部材の本体部の外径は前方側に向かうほど(連続的又は断続的に)縮径しているので、遊技者が回動操作部材を把持して回動操作する際のフィット感が向上し、遊技者の疲労感が軽減される。したがって、半径方向隙間に異物を挿入・固定する行為の実行頻度が低くなる。その結果、発射ハンドルの耐久性(寿命)が向上し、発射ハンドルを頻繁に交換しなくてもよくなるので、遊技機全体の耐久性も向上する。
【0016】
しかも、前方側の延出部の内径を後方側の延出部の内径よりも小に形成し、かつ、前方側に配置された固定部材の開口周壁部の外径を後方側に配置された固定部材の開口周壁部の外径よりも小に形成することによって、回動操作部材の組み付け方向の取り違えを明確に認識でき、組付ミスを未然に防止できるようになる。また、本体部の前後に配置される軸方向隙間や半径方向隙間を、異物が挿入・固定されにくい微小寸法に形成することも容易になる。
【0017】
そして、上記したような寸法差を設けると、前方側の半径方向隙間の平均径と後方側の半径方向隙間の平均径とを対比したとき、前者を後者より小にすることも容易となる。これによって、前後の開口周壁部や前後の延出部の厚みが均等に保たれ、特定の部位に肉薄部が形成されないようになるので、発射ハンドル全体の耐久性をバランスよく高めることが可能となる。
【0018】
さらに、上記遊技機用発射ハンドルでは、
本体部の外周面と延出部の外周面とは連続的又は断続的なテーパ面を構成し、把持面は本体部の外周面と延出部の外周面とに跨って形成されていることが望ましい。
【0019】
このように、本体部の外周面と延出部の外周面とが連続的又は断続的なテーパ面を構成することによって、回動操作部材の組み付け方向の取り違えは一層発生しにくくなり、把持面の形成も容易となるので、製造コストをさらに抑制することができる。具体的には、本体部の外周面と延出部の外周面とを、共通のテーパ比を有するテーパ面に連続形成したり、異なるテーパ比を有するテーパ面に断続形成したりすれば、回動操作部材の本体部及び延出部は円錐台形状を呈することになり、例えば一体成形による回動操作部材の製造が容易となる。
【0020】
なお、ここでの「テーパ」は、射出成形等による高分子材料(例えば合成樹脂)の一体成形時等に、成形品を型から取り出しやすくするために設けられる抜き勾配(抜け勾配、抜き代)よりも、一般的に大きく設定される。通常、抜き勾配は1/60〜1/40(テーパ比では1/30〜1/20、テーパ角度では約2°〜3°相当)程度とされているが、上記「テーパ」では、例えばテーパ比が1/10〜1/3(テーパ角度で約5°〜20°)程度とすることによって、作業時の組立性、遊技時の操作性に加えて、デザイン性も向上する。
【0021】
また、半径方向隙間が延出部の全周にわたって形成されていると、異物の挿入を一層防止しやすくなる。さらに、本体部の把持面(外周面)から半径方向外側に突出形成された指掛部を、回動軸線方向における本体部の全幅内に配置する場合には、指掛部を支点に回動操作部材をこじることによって半径方向隙間を広げることが一層困難になる。
【0022】
上記のような半径方向隙間は、延出部における回動軸線方向の幅に対して少なくとも部分的に、延出部の先端に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間を構成してもよい。
【0023】
これによって、拡開隙間へ挿入されたコイン、マッチ棒等の異物は自身の重力により、主として半径方向の内側又は外側に倒れやすくなって、異物の挿入・固定を防止しやすくなる。なお、拡開隙間は、固定部材の湾曲によりその外径が徐々に縮径することによって形成してもよい。
【0024】
その際、固定部材の開口周壁部には、その開口周壁部の端面から回動軸線方向であって開口とは反対側に所定距離隔てた位置に至るまでの区間において外径が段階的に拡径することにより、延出部の先端位置(端面位置)よりも基部側に位置する形で、(開口周壁部を端面側から見たとき開口周壁部の見かけ上のトータルな厚みを半径方向に増大させる)段差部が形成され、
半径方向隙間は、延出部の基部側において段差部に至る第一の隙間形成部では、回動軸線と平行状で半径方向の寸法が一定となる平行隙間を構成するとともに、段差部から延出部の先端(端面)に至る第二の隙間形成部では、延出部の先端に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間を構成してもよい。
【0025】
これによって、異物の挿入先端が段差部で引っ掛かり、回動操作部材をこじって軸方向隙間を広げることが困難になる。のみならず、異物は段差部によって半径方向隙間にも挿入しにくくなり、半径方向隙間を広げることも困難になる。また、段差部では開口周壁部の見かけ上のトータルな厚みが半径方向に増大するから、回動操作部材との接触可能面積が大きくなって開口周壁部の強度が増加し、変形・損傷等が起こりにくくなる。さらに、半径方向隙間を2段階に形成することによって、拡開隙間へ挿入されたコイン、マッチ棒等の異物は自身の重力により、主として半径方向の内側又は外側に倒れやすくなって、異物の挿入・固定を防止しやすくなる。
【0026】
なお、「開口周壁部を端面側から見たとき開口周壁部の見かけ上のトータルな厚み」は、「開口周壁部を回動軸線に直交する面に投影したときに表される、開口周壁部の見かけ上のトータルな厚み」と言い換えることができる。
【0027】
そして、拡開隙間に対応する第二の隙間形成部の回動軸線方向の幅寸法が、平行隙間に対応する第一の隙間形成部の回動軸線方向の幅寸法よりも小である場合には、拡開隙間へ挿入された異物が一層倒れやすくなって、異物の挿入・固定をさらに防止しやすくなる。また、段差部は固定部材の開口周壁部の全周にわたって形成されていることが望ましく、これによって異物の挿入・固定を一層防止しやすくなる。
【0028】
あるいは、上記した半径方向隙間は、延出部の内周面が先端に向かうほど半径方向外側に傾斜する傾斜面に形成されることによって、回動軸線方向における延出部の全幅にわたり、延出部の先端に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間を構成してもよい。
【0029】
延出部の内周面に形成される傾斜面によって、拡開隙間の半径方向の寸法を相対的に大きくすることができ、拡開隙間へ挿入されたコイン、マッチ棒等の異物は自身の重力により、主として半径方向の内側又は外側に倒れやすくなって、異物の挿入・固定を防止しやすくなる。なお、固定部材の湾曲によりその外径が徐々に縮径することによって形成される拡開隙間と併用すれば、拡開隙間の半径方向の寸法はさらに大きくなるので、異物の挿入・固定を一層防止しやすくなる。
【0030】
そこで、上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
以上のような遊技機用発射ハンドルを備えたことを特徴とする。
【0031】
このように、回動操作部材(例えば回動レバー)の本体部の外径を前方側に向かうほど縮径するだけで、作業者が回動操作部材を組み込む際に組み付け方向(前後方向)を取り違えにくくなり、簡素な構成であっても軸方向隙間や半径方向隙間は規定寸法(設定値)に維持される。したがって、半径方向隙間に対してコイン、マッチ棒等の異物を挿入・固定する行為は実行しにくくなる。また、遊技者が回動操作部材を把持して回動操作する際のフィット感が向上し、遊技者の疲労感が軽減される。したがって、半径方向隙間に異物を挿入・固定する行為の実行頻度が低くなり、発射ハンドルの耐久性(寿命)が向上し、発射ハンドルを頻繁に交換しなくてもよくなるので、遊技機全体の耐久性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る遊技機用発射ハンドル(以下、単に発射ハンドルともいう)を備えたパチンコ機を例示する正面図である。図1に示すように、パチンコ機1(遊技機)の遊技盤2の盤面(前面)には、ほぼ左半周が内外2本の発射レール2bによって区画され、全体として円形の遊技領域2aが形成されている。遊技領域2aの中央には液晶表示部3が搭載され、液晶表示部3の下方(遊技領域2aの中央下部)に大入賞装置4(入賞装置)が配置されている。また、液晶表示部3と大入賞装置4との間には、電動チューリップ(電チュー)にて構成される始動入賞装置5が配置されている。また、パチンコ機1の右側下部には、電動モータ等の駆動手段(図示せず)により打球槌(発射装置;図示せず)を作動させて遊技球を発射するために、遊技者によって操作される発射ハンドル6が取り付けられている。
【0033】
本明細書において、上下方向とは遊技盤2の盤面に沿う形で遊技球が流下する方向(例えば、鉛直方向)を意味する。また、左右方向とは遊技盤2の盤面に沿う形で上下方向と交差する方向(例えば、水平方向)を意味し、遊技者側からみて左側、右側をいう。さらに、前後方向とは遊技盤2と交差(例えば、直交)する方向を意味し、遊技者側(手前側)が前方側であり、その反対側である遊技機1側(奥側)が後方側となる。
【0034】
図2は本発明に係る発射ハンドルの一例を示す正面図及び底面図、図3はその発射ハンドルを分解して示す斜視図、図4は側面視半断面図である。図2及び図3に示すように、グリップ本体10(固定部材)とキャップ20(固定部材)とがパチンコ機1に固定され、グリップ本体10とキャップ20との間に回動レバー30(回動操作部材)が配置されて、これらは発射ハンドル6の主要部を構成している。
【0035】
グリップ本体10は、一方側にて全面的に円形状に開口し他方側にて一部が閉じる椀形状に形成され、その取付部13が遊技機1(図1参照)に固定されている。キャップ20は、一方側にて全面的に円形状に開口し他方側にて全体が閉じる椀形状に形成され、複数(例えば3本)の取付ビスB(締結部材)によってグリップ本体10に固定されている。具体的には、グリップ本体10を後方側、キャップ20を前方側として、互いの開口が対向し合掌状に向き合うように配置されている。
【0036】
回動レバー30は、前後方向(例えば水平方向)の回動軸線Oの周りに回動可能に配置され、中心部から周辺部へ半径方向に延び、遊技者により把持される把持面32が外周面に形成された本体部31を有する。本体部31の把持面32(外周面)から半径方向外側に向けて複数(例えば3個)の指掛部33が角状に突出形成され、これらの指掛部33は回動軸線O方向における本体部31(把持面32)の全幅内に配置されている(図2(b)参照)。また、回動レバー30を回動基準位置(遊技の待機状態)に引き戻すために、回動レバー30とキャップ20との間にねじりコイルばね34(付勢手段)が掛け渡されている。さらに、回動レバー30の回転角を検出して遊技球の打ち出し強度を調整するために、可変抵抗器35(回転角度検出器)の回転軸35aが、その中心を回動軸線Oに一致させる形で、回動レバー30に固定されている。
【0037】
なお、キャップ20の内側に固定される内部キャップ23(固定部材)は、回動レバー30、ねじりコイルばね34等を保持する(図4参照)ためのものである。また、遊技者の手が接触しているか否かを検出するために、グリップ本体10や回動レバー30の外周面の一部にめっきを施す場合がある。
【0038】
図4に示すように、グリップ本体10に対して回動レバー30を回動可能とするために、グリップ本体10の開口周壁部11の端面11aと、回動レバー30の本体部31の後端部側の切欠底面31b(端面)との間には、回動軸線O方向に所定の寸法(例えば0.5mm)を有する軸方向隙間SAが前後方向において円環状に形成されている。
【0039】
回動レバー30の本体部31は、軸方向隙間SAを半径方向外側から覆うように回動軸線Oと平行状に後方側に延びて延出部320を形成している。グリップ本体10に対して回動レバー30を回動可能とするために、延出部320の切欠壁面320b(内周面)と、グリップ本体10の開口周壁部11の外周面11bとの間には、半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間SRが前後方向において円筒状に形成されている。半径方向隙間SRは、グリップ本体10の湾曲により外径が徐々に縮径するのに伴って、延出部320の後端(端面320c)に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間SR2を構成している。したがって、軸方向隙間SAと半径方向隙間SRとは断面視L字状を呈する。
【0040】
このようなパチンコ機1において遊技を開始するには、遊技者は発射ハンドル6のキャップ20を手のひらで包むように保持しつつ、回動レバー30の本体部31(把持面32)を把持し、指掛部33に指をかけて回動レバー30を回動操作する。このとき、可変抵抗器35で検出された回動レバー30の回転角に応じて打ち出し強度が調整され、打球槌(図示せず)が作動して遊技球がパチンコ機1の遊技領域2aに向けて発射される(打ち出される)。
【0041】
図4の拡大図に示すように、遊技者によっては、回動レバー30の本体部31(把持面32)を把持せず、延出部320の切欠壁面320b(内周面)と、グリップ本体10の開口周壁部11の外周面11bとの間に形成された拡開隙間SR2にコインC等の異物を横方向から挿入して回動レバー30を固定した状態で、遊技球を発射させる行為を試みようとする場合がある。ところが、拡開隙間SR2へ挿入されたコインC等の異物は自身の重力により、矢印で示す下方(半径方向の内側又は外側)へ落下するので、拡開隙間SR2に異物を固定することが困難になる。
【0042】
一方、キャップ20に対して回動レバー30を回動可能とするために、キャップ20の開口周壁部21の端面21aと、回動レバー30の本体部31の前方側の端面31aとの間には、回動軸線O方向に所定の寸法(例えば0.5mm)を有する軸方向隙間SAが前後方向において円環状に形成されている。
【0043】
キャップ20の開口周壁部21には、開口周壁部21の端面21aから回動軸線O方向であって前方側(開口とは反対側)に所定距離(例えば4.5mm)隔てた位置に至るまでの区間において、外径が段階的(階段状)に拡径する段差部22が全周にわたって形成されている。したがって、この段差部22の形成によって、開口周壁部21を端面21a側から見たとき、開口周壁部21の(見かけ上のトータルな)厚みが半径方向(上下方向)に増大することになる。また、キャップ20の段差部22において前方側(開口とは反対側)の終端位置は、回動軸線O方向において回動レバー30における延出部321,322の前端位置(端面320c位置)よりも後方側(基部側)に配置されている。
【0044】
回動レバー30の本体部31は、軸方向隙間SAを半径方向外側から覆うように回動軸線Oと平行状に前方側に延びて延出部321,322を形成している。延出部321,322は、軸方向隙間SAよりも先端側(前端側)に位置する段差部22も半径方向外側から覆っている。キャップ20に対して回動レバー30を回動可能とするために、延出部321,322の内周面320dと、キャップ20の段差部22の外周面22b及び開口周壁部21の外周面21bとの間には、半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間SRが前後方向において円筒状に形成されている。
【0045】
具体的には、半径方向隙間SRは、延出部の後部側(基部側)において段差部22に至る第一の隙間形成部321では、回動軸線Oと平行状で半径方向の寸法が一定(例えば0.5mm)となる平行隙間SR1を構成している。一方、段差部22から延出部の前端(端面320c)に至る第二の隙間形成部322では、延出部の前端に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間SR2を構成している。そして、第二の隙間形成部322(拡開隙間SR2の形成区間)の回動軸線O方向の幅寸法b(例えば1.0mm)は、第一の隙間形成部321(平行隙間SR1の形成区間)の回動軸線O方向の幅寸法a(例えば4.0mm)よりも小(b<a)に形成されている。ここでは、キャップ20の湾曲により外径が徐々に縮径し拡開隙間SR2が形成されている。なお、軸方向隙間SAと平行隙間SR1とは断面視L字状を呈する。
【0046】
図4の拡大図に示すように、第二の隙間形成部322の内周面320dと、開口周壁部21の外周面21bとの間に形成された拡開隙間SR2に対しても、コインC等の異物を横方向から挿入して回動レバー30を固定した状態で、遊技球を発射させる行為が試みられる場合がある。ところが、半径方向隙間SRを平行隙間SR1と拡開隙間SR2との2段階に形成することによって、拡開隙間SR2へ挿入されたコインC等の異物は自身の重力により、矢印で示す下方(半径方向の内側又は外側)へ落下するので、拡開隙間SR2に異物を固定することが困難になる。
【0047】
また、平行隙間SR1では、回動レバー30の第一の隙間形成部321(内周面320d)と段差部22の外周面22bとが平行状で一定間隔に位置するので、平行隙間SR1を小さく(薄く)形成でき、コインC等の挿入を防止しやすくなる。さらに、段差部22では開口周壁部21の(見かけ上のトータルな)厚みが半径方向に増大するから、回動レバー30(本体部31)の端面31aとの接触可能面積が大きくなって開口周壁部21の強度が増加し、変形・損傷等が起こりにくくなる。
【0048】
再び図4において、回動レバー30の本体部31及び延出部320,321,322は、それらの外径が回動軸線O方向において前方側に向かうほど縮径する形で、単一の円錐台形状を呈している。つまり、本体部31の外周面と延出部320,321,322の外周面とは共通のテーパ比を有する連続的なテーパ面(傾斜面)を構成し、把持面32は本体部31の外周面と延出部320,321,322の外周面とに跨って形成されている。具体的には、回動軸線O方向における本体部31及び延出部320,321,322の全幅をL、後端側の延出部320の最大外径をD1、前端側の延出部322の最小外径をD2とすると、このテーパ面32のテーパ比は(D1−D2)/Lで表され、通常の抜き勾配よりも大きく(例えば、テーパ比≒1/10、テーパ角度α≒5°)設定されている。
【0049】
また、前端側の延出部322の内径d2は後端側の延出部320の内径d1よりも小(d2<d1)に形成され、さらに、キャップ20の段差部22の外径D22は、グリップ本体10の開口周壁部11の最大外径D11よりも小(D22<D11)に形成されている。これにより、回動レバー30の本体部31の前後に形成された半径方向隙間SRのうち、前方側の平行隙間SR1の平均径は後方側の拡開隙間SR2の平均径よりも小に形成されている。
【0050】
このように、内径d2<内径d1かつ外径D22<最大外径D11に形成されているので、作業者が回動レバー30を組み込む際に組み付け方向(前後方向)を取り違えにくくなり、組付ミスを未然に防止できるようになる。また、回動レバー30の本体部31の外径は前方側に向かうほど縮径しているので、遊技者が回動レバー30を把持して回動操作する際のフィット感が向上し、遊技者の疲労感が軽減される。したがって、拡開隙間SR2に異物を挿入・固定する行為の実行頻度が低くなり、その結果、発射ハンドル6の耐久性(寿命)が向上し、発射ハンドル6を頻繁に交換しなくてもよくなるので、遊技機1全体の耐久性も向上する。
【0051】
(変形例1)
図5は回動レバーの変形例を示す拡大断面図である。図5に示すように、グリップ本体10(固定部材)に対して回動レバー30(回動操作部材)を回動可能とするために、グリップ本体10の開口周壁部11の端面11aと、回動レバー30の本体部31の後端部側の切欠底面31b(端面)との間には、回動軸線O(図4参照)方向に所定の寸法(例えば0.5mm)を有する軸方向隙間SAが前後方向において円環状に形成されている。
【0052】
回動レバー30の本体部31は、軸方向隙間SAを半径方向外側から覆うように回動軸線Oと平行状に後方側に延びて延出部320を形成している。グリップ本体10に対して回動レバー30を回動可能とするために、延出部320の切欠壁面320b(内周面)と、グリップ本体10の開口周壁部11の外周面11bとの間には、半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間SRが前後方向において円筒状に形成されている。半径方向隙間SRは、グリップ本体10の湾曲により外径が徐々に縮径するのに伴って、延出部320の後端(端面320c)に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間SR2を構成している。したがって、軸方向隙間SAと半径方向隙間SRとは断面視L字状を呈する。
【0053】
一方、キャップ20(固定部材)に対して回動レバー30を回動可能とするために、キャップ20の開口周壁部21の端面21aと、回動レバー30の本体部31の前方側の端面31aとの間には、回動軸線O方向に所定の寸法(例えば0.5mm)を有する軸方向隙間SAが前後方向において円環状に形成されている。
【0054】
回動レバー30の本体部31は、軸方向隙間SAを半径方向外側から覆うように回動軸線Oと平行状に前方側にも延びて延出部320を形成している。キャップ20に対して回動レバー30を回動可能とするために、延出部320の内周面320dと、キャップ20の開口周壁部21の外周面21bとの間には、半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間SRが前後方向において円筒状に形成されている。半径方向隙間SRは、キャップ20の湾曲により外径が徐々に縮径するのに伴って、延出部320の前端(端面320c)に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間SR2を構成している。したがって、軸方向隙間SAと半径方向隙間SRとは断面視L字状を呈する。
【0055】
回動レバー30の本体部31及び前後の延出部320,320は、それらの外径が回動軸線O方向において前方側に向かうほど縮径する形で、複数(ここでは2個)の円錐台を前後に積層した形状を呈している。つまり、本体部31の外周面と延出部320,320の外周面とは、回動軸線O方向の中途部(テーパ変化点P)でテーパ比(テーパ角度)が変化する断続的なテーパ面(傾斜面)を構成し、把持面32は本体部31の外周面と延出部320,320の外周面とに跨って形成されている。
【0056】
具体的には、後方端面320cからテーパ変化点Pまでの回動軸線O方向の幅をL1、後方側の延出部320の最大外径をD1、テーパ変化点Pにおける本体部31の外径をD0とすると、後方側テーパ面32のテーパ比は(D1−D0)/L1で表され、通常の抜き勾配よりも相当大きく(例えば、テーパ比≒1/4、テーパ角度α1≒15°)設定されている。一方、テーパ変化点Pから前方端面320cまでの回動軸線O方向の幅をL2、テーパ変化点Pにおける本体部31の外径をD0、前方側の延出部320の最小外径をD2とすると、前方側テーパ面32のテーパ比は(D0−D2)/L2で表され、通常の抜き勾配よりもやや大きく(例えば、テーパ比≒1/10、テーパ角度α2≒5°)設定されている。
【0057】
また、前方側の延出部320の内径d2は後方側の延出部320の内径d1よりも小(d2<d1)に形成され、さらに、キャップ20の開口周壁部21の最大外径D21は、グリップ本体10の開口周壁部11の最大外径D11よりも小(D21<D11)に形成されている。これにより、回動レバー30の本体部31の前後に形成された半径方向隙間SRのうち、前方側の拡開隙間SR2の平均径は後方側の拡開隙間SR2の平均径よりも小に形成されている。
【0058】
(変形例2)
図6は回動レバーの他の変形例を示す拡大断面図である。図6に示すように、回動レバー30(回動操作部材)の本体部31及び前後の延出部320,320は、それらの外径が回動軸線O(図4参照)方向において前方側に向かうほど縮径する形で、単一の成層火山(横向き噴火口)形状を呈している。つまり、本体部31の外周面と延出部320,320の外周面とは、曲率が回動軸線O方向に連続的に変化する曲面(傾斜面)を構成し、把持面32は本体部31の外周面と延出部320,320の外周面とに跨って形成されている。具体的には、把持面32は、回動軸線O方向における本体部31及び延出部320,320の全幅Lにおいて、後方側の延出部320の最大外径D1から、前方側の延出部322の最小外径D2へとなだらかに変化する曲面(傾斜面)を呈する。
【0059】
(実施例2)
図7は発射ハンドルの他の例を示す側面視半断面図である。図7に示す発射ハンドル106(遊技機用発射ハンドル)の回動レバー30(回動操作部材)において、本体部31の外周面及び前後の延出部320,320の外周面にて構成されるテーパ面32(把持面)の形態は、実施例1(図4)と同様である。また、軸方向隙間SA及び半径方向隙間SRの形態は、基本的に変形例1(図5)と同様である。
【0060】
ただし、後方側の半径方向隙間SRは、グリップ本体10の湾曲により外径が徐々に縮径するのに加え、後方側の延出部320の切欠壁面320b(内周面)が後端(端面320c)に向かうほど半径方向外側に傾斜する傾斜面に形成されるのに伴って、延出部320の後端(端面320c)に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間SR2を構成している。同様に、前方側の半径方向隙間SRは、キャップ20の湾曲により外径が徐々に縮径するのに加え、前方側の延出部320の内周面320dが前端(端面320c)に向かうほど半径方向外側に傾斜する傾斜面に形成されるのに伴って、延出部320の前端(端面320c)に向かうほど半径方向の寸法が大きくなる拡開隙間SR2を構成している。また、前方側の延出部320の最大内径d2は後方側の延出部320の最大内径d1よりも小(d2<d1)に形成されている。
【0061】
このように、グリップ本体10やキャップ20の湾曲による縮径に加え、前後の延出部320,320の内周面320b,320dに形成される傾斜面によって、拡開隙間SR2の半径方向の寸法は相対的に大きくなる。図7の拡大図に示すように、拡開隙間SR2へ挿入されたコインC等の異物は自身の重力により、矢印で示す下方(半径方向の内側又は外側)に倒れやすくなって、異物を挿入・固定する行為を防止しやすくなる。
【0062】
なお、変形例1,2(図5,6)及び実施例2(図7)において実施例1(図2〜図4)と共通する機能を有する部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る発射ハンドルを備えたパチンコ機を例示する正面図。
【図2】本発明に係る発射ハンドルの一例を示す正面図及び底面図。
【図3】図2の発射ハンドルを分解して示す斜視図。
【図4】図2の側面視半断面図。
【図5】回動レバーの変形例を示す拡大断面図。
【図6】回動レバーの他の変形例を示す拡大断面図。
【図7】発射ハンドルの他の例を示す側面視半断面図。
【符号の説明】
【0064】
1 パチンコ機(遊技機)
6 発射ハンドル(遊技機用発射ハンドル)
10 グリップ本体(固定部材)
11 開口周壁部
11a 端面
11b 外周面
13 取付部
20 キャップ(固定部材)
21 開口周壁部
21a 端面
21b 外周面
22 段差部
22b 外周面
23 内部キャップ(固定部材)
30 回動レバー(回動操作部材)
31 本体部
31a 端面
31b 切欠底面(端面)
32 把持面(外周面;テーパ面;傾斜面)
320 延出部
320b 切欠壁面(内周面)
320c 端面
320d 内周面
321 第一の隙間形成部(延出部)
322 第二の隙間形成部(延出部)
33 指掛部
34 ねじりコイルばね(付勢手段)
35 可変抵抗器(回転角度検出器)
35a 回転軸
B 取付ビス(締結部材)
C コイン(異物)
SA 軸方向隙間
SR 半径方向隙間
SR1 平行隙間(半径方向隙間)
SR2 拡開隙間(半径方向隙間)
O 回動軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側にて開口する椀形状に形成され、遊技機に固定される固定部材と、
遊技者側を前方側とし遊技機側を後方側とする前後方向の回動軸線の周りに回動可能に配置されるとともに、前記固定部材の開口周壁部の端面と、自身の中心部から周辺部へ半径方向に延び、かつ遊技者により把持される把持面が外周面に形成された本体部の端面との間で、回動軸線方向に所定の寸法を有する軸方向隙間が形成されるように配置される回動操作部材と、を備える遊技機用発射ハンドルにおいて、
前記回動操作部材の本体部には、前記軸方向隙間を半径方向外側から覆うように前記回動軸線と平行状に延びる延出部が形成されるとともに、
前記回動操作部材は、前記延出部の内周面が、前記固定部材の開口周壁部の外周面との間で半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間を形成する一方、少なくとも前記本体部の外径が、回動軸線方向において前方側に向かうほど縮径することを特徴とする遊技機用発射ハンドル。
【請求項2】
一方側にて全面的に開口し他方側にて全体又は一部が閉じる椀形状に各々形成されるとともに、遊技者側を前方側とし遊技機側を後方側としたとき、互いの開口が対向し合掌状に向き合うように前後方向に配置されて、遊技機に固定される一対の固定部材と、
それら一対の固定部材の間において前後方向の回動軸線の周りに回動可能に配置されるとともに、各固定部材の開口周壁部の端面と、自身の中心部から周辺部へ半径方向に延び、かつ遊技者により把持される把持面が外周面に形成された本体部の端面との間で、回動軸線方向に所定の寸法を有する軸方向隙間が各々形成されるように配置される回動操作部材と、を備える遊技機用発射ハンドルにおいて、
前記回動操作部材の本体部には、各々の軸方向隙間を半径方向外側から覆うように前記回動軸線と平行状に延びる延出部が前後にそれぞれ形成されるとともに、
前記回動操作部材は、各延出部の内周面が、対応する固定部材の開口周壁部の外周面との間で半径方向に所定の寸法を有する半径方向隙間をそれぞれ形成する一方、少なくとも前記本体部の外径が、回動軸線方向において前方側に向かうほど縮径し、
さらに、前方側の延出部の内径は後方側の延出部の内径よりも小であり、かつ、前方側に配置された固定部材の開口周壁部の外径は後方側に配置された固定部材の開口周壁部の外径よりも小に形成されることを特徴とする遊技機用発射ハンドル。
【請求項3】
前記本体部の外周面と前記延出部の外周面とは連続的又は断続的なテーパ面を構成し、前記把持面は前記本体部の外周面と前記延出部の外周面とに跨って形成されている請求項1又は2に記載の遊技機用発射ハンドル。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機用発射ハンドルを備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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