説明

遊技機

【課題】 遊技機に用いられるヒンジ具の小型化を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 開閉部を枠体に開閉可能に接続するためのヒンジ具として、枠体に固定された固定部と、固定部に連結されているとともに開閉部が接続されるリンク機構と、を備えるヒンジ具を用いる。ここで、固定部は、開閉部が開状態にある場合にリンク機構からの鉛直方向の力を受ける支持部を有し、この支持部は、開閉部が閉状態にある場合にはリンク機構から鉛直方向の力を受けない位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ具を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機やスロット機等の遊技機は、遊技機器などの主要部品を組み付けた前枠や、ガラス窓を組み付けた前面枠などの開閉部を備えている。これらの開閉部は、遊技機内部の点検や修理を行うために、ヒンジ具を用いて開閉可能であるように構成されている。ところで、近年では、遊技機の前面(例えば、前面枠の前面)に、前方に突出する立体的な装飾部材が設けられる傾向にある。そこで、このような立体的な装飾部材が設けられた開閉部(例えば、前面枠)を開ける際に、装飾部材が、遊技機の隣に設けられた機器(例えば、別の遊技機や玉貸機)と接触することを抑制するために、リンク機構を有するヒンジ具を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−253302号公報
【0004】
また、近年の遊技機の開閉部には、種々の装飾部材が設けられ傾向にあるので、開閉部自体の重量も重くなる傾向にある(例えば、7kg程度となる場合がある)。その結果、ヒンジ具の強度を開閉部の重量に耐え得るものとするために、ヒンジ具が大型化する場合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、遊技機に用いられるヒンジ具の小型化を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明による遊技機は、枠体と、開閉部と、前記開閉部を前記枠体に開閉可能に接続するためのヒンジ具と、を備え、前記ヒンジ具は、前記枠体に固定された固定部と、前記固定部に連結されているとともに前記開閉部が接続されるリンク機構と、を備え、前記固定部は、前記開閉部が開状態にある場合に前記リンク機構からの鉛直方向の力を受ける支持部を有し、前記支持部は、前記開閉部が閉状態にある場合には前記リンク機構から鉛直方向の力を受けない位置に設けられている。
【0007】
この遊技機は、開閉部を枠体に開閉可能に接続するヒンジ具を有し、そのヒンジ具は、固定部とリンク機構とを有し、その固定部は支持部を有し、その支持部は、開閉部が開状態にある場合にリンク機構からの鉛直方向の力を受け、また、その支持部は、開閉部が閉状態にある場合には前記リンク機構から鉛直方向の力を受けない位置に設けられているので、遊技機に用いられるヒンジ具の強度が改善され、ヒンジ具の小型化を図ることが可能となる。
【0008】
上記遊技機において、前記リンク機構は、複数のリンク部材で構成されており、前記複数のリンク部材のうちの少なくとも一部は、閉状態の前記開閉部が開く方向とは反対の方向である後方向に延びる突起部を有し、前記支持部は、前記開閉部が開状態にある場合に前記突起部と接して鉛直方向の力を受けるように構成されていることとしてもよい。
【0009】
この構成によれば、支持部が力を受ける位置は、支持部に接するリンク部材からみて、開状態の開閉部の位置とは反対側となるので、開状態における開閉部が傾くことが抑制され、ヒンジ具の小型化を図ることが可能となる。
【0010】
上記遊技機において、前記リンク機構は、複数のリンク部材で構成されており、前記ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記開閉部に固定される開閉固定部を有し、前記複数のリンク部材は、前記開閉固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する軸部材を含み、前記支持部は、前記軸の水平位置と、前記軸の水平位置よりも前記開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置で、前記複数のリンク部材のうちの少なくとも一部からの力を受けるように構成されていることとしてもよい。
【0011】
この構成によれば、支持部が、軸の水平位置と、軸の水平位置よりも開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置で、リンク部材からの力を受けるので、ヒンジ具の強度が改善され、ヒンジ具の小型化を図ることが可能となる。
【0012】
上記遊技機において、前記開閉固定部と前記リンク機構とは複数の軸によって接続され、前記複数の軸のうちの水平位置が前記開閉部の重心の水平位置に最も近い軸を最近軸と呼ぶときに、前記支持部は、前記最近軸の水平位置と、前記最近軸の水平位置よりも前記開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置で、前記複数のリンク部材のうちの少なくとも一部からの力を受けるように構成されていることとしてもよい。
【0013】
この構成によれば、開閉固定部とリンク機構とが複数の軸によって接続され、さらに、支持部は、最近軸の水平位置と、最近軸の水平位置よりも開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置で、リンク部材からの力を受けるので、ヒンジ具の強度が改善され、ヒンジ具の小型化を図ることが可能となる。
【0014】
上記各遊技機において、前記ヒンジ具として、鉛直方向の比較的上方に設けられた上方ヒンジ具と、鉛直方向の比較的下方に設けられた下方ヒンジ具と、を備え、前記上方ヒンジ具のリンク機構と、前記下方ヒンジ具のリンク機構と、のそれぞれは、複数のリンク部材で構成されており、前記上方ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記開閉部に固定される上方開閉固定部を有し、前記上方ヒンジ具の複数のリンク部材は、前記上方開閉固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する上方軸部材を含み、前記下方ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記開閉部に固定される下方開閉固定部を有し、前記下方ヒンジ具の複数のリンク部材は、前記下方開閉固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する下方軸部材を含み、前記上方開閉固定部と前記上方軸部材とを接続するための前記軸の前記軸穴に挿入される部分の長さは、前記下方開閉固定部と前記下方軸部材とを接続するための前記軸の前記軸穴に挿入される部分の長さよりも短いこととしてもよい。
【0015】
この構成によれば、開閉部を枠体に接続する際に、下側の軸を軸受部に装着した後で、上側の軸を軸受部に装着することができるので、開閉部の接続を容易なものとすることができる。
【0016】
上記各遊技機において、さらに、前記枠体が開閉可能に接続される外枠体を備え、前記ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記外枠体に固定される外枠固定部を有し、前記固定部は、前記外枠固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有することとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、枠体と開閉部との接続と、外枠体と枠体との接続と、でヒンジ具を共用するので、ヒンジ具を取り付けるための枠体の場所が過剰に広くなることを防止することができる。
【0018】
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、遊技機用のヒンジ具、そのヒンジ具を備えた遊技機、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
【0020】
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのパチンコ遊技機の正面図である。このパチンコ遊技機900は、外枠10と、この外枠10の前面に設けられた内枠20と、この内枠20の前面に設けられた前面枠30と、を有している。これらの枠10、20、30のそれぞれは、木材や合成樹脂や金属等を用いて四角く組まれている。また、パチンコ遊技機900の左上には上側ヒンジ具80が設けられ、左下には下側ヒンジ具90が設けられている。これらのヒンジ具80、90は、外枠10と内枠20とを開閉可能に接続し、さらに、内枠20と前面枠30とを開閉可能に接続する。また、前面枠30はガラス窓32を有しており、さらに、ガラス窓32の周囲には立体的な装飾部材34が設けられている。また、内枠20には各種遊技機器が取り付けられている。これらの遊技機器の一部は、ガラス窓32越しに見えるように配置される(図示省略)。
【0021】
図2は、前面枠30を開けた状態のパチンコ遊技機900の斜視図である。外枠前方向10Fは、外枠10の正面へ向かう方向であり、内枠前方向20Fは、内枠20の正面へ向かう方向であり、前面枠前方向30Fは、前面枠30の正面へ向かう方向である。正面から見た前面枠30の左上には上側前面軸受部300が固定され、前面枠30の左下には下側前面軸受部600が固定されている。一方、正面から見た内枠20の左上には上側内軸部200が固定され、左下には下側内軸兼軸受部500が固定されている。上側内軸部200と上側前面軸受部300とは、回動可能に組み付けられ、さらに、下側内軸兼軸受部500と下側前面軸受部600とも、回動可能に組み付けられる(詳細は後述)。
【0022】
図3は、内枠20を外枠10から外した状態のパチンコ遊技機900の斜視図である。正面から見た外枠10の左上には上側外軸受部100が固定され、左下には下側外軸部400が固定されている。上側外軸受部100と上側内軸部200とは、回動可能に組み付けられ、さらに、下側外軸部400と下側内軸兼軸受部500(図2)とも、回動可能に組み付けられる(詳細は後述)。
【0023】
図4は、上側ヒンジ具80の構成を示す斜視図である。上側ヒンジ具80は、上側外軸受部100と、上側内軸部200と、上側前面軸受部300とを有している。
【0024】
上側外軸受部100は軸穴132を有し、上側内軸部200は軸232を有している。この軸232は軸穴132に挿入され、上側外軸受部100(外枠10)と上側内軸部200(内枠20)とは、軸232を中心に回動可能となる。
【0025】
具体的には、上側外軸受部100は、外枠10の上面と左側面とに接した状態で固定されるL字状の固定部120と、固定部120の上面部分から外枠前方向10Fに向かって延びる水平な平板状の軸受部140と、を有している。この軸受部140の端部には、鉛直方向に沿った軸穴132が設けられている。固定部120と軸受部140とは、金属板を折り曲げることによって一体に形成されている。
【0026】
上側内軸部200は、内枠20に固定されるコ字状の固定部202を有している。この固定部202は、内枠20の鉛直な面に固定される平板状の側面部220と、この側面部220の下部から内枠前方向20Fに向かって延びる平板状の底面部210と、側面部220の上部から内枠前方向20Fに向かって延びる平板状の上面部230と、を有している。各面部210、220、230は、金属板を折り曲げることによって、一体に形成されている。また、この上面部230の左前方には、鉛直方向の下に向かって延びる軸232が設けられている。この軸232が上側外軸受部100の軸穴132に挿入される。また、上面部230と側面部220との間の接続部分(折り曲げ部分)の軸232側には、切れ込み233が設けられている。内枠20を外枠10に向かって閉じると、上側外軸受部100の軸受部140は、この切れ込み233に差し込まれる。
【0027】
また、上側内軸部200の底面部210にはリンク機構290が連結され、このリンク機構290は2つの軸252、254を有している。一方、上側前面軸受部300は2つの軸穴352、354を有している。第1前面軸252は第1前面軸穴352へ挿入され、第2前面軸254は第2前面軸穴354へ挿入される。その結果、上側前面軸受部300(前面枠30)と上側内軸部200(内枠20)とは、回動可能となる。
【0028】
具体的には、上側前面軸受部300は、前面枠30の鉛直な面に固定される平板状の固定部320と、固定部320の上部から後面(前面枠前方向30Fとは逆の方向)に向かって延びる平板状の上面部330と、を有している。この上面部330には、鉛直方向に沿った軸穴352、354が設けられている。これらの軸穴352、354は、前面枠前方向30Fとは垂直な方向に沿って並んでいる。また、固定部320と上面部330とは、金属板を折り曲げることによって一体に形成されている。
【0029】
一方、上側内軸部200のリンク機構290は、固定リンク板240と、中間リンク板250と、スライドリンク板260と、を有している。これらのリンク板240、250、260は、金属板を加工して形成されている。固定リンク板240の一端は、固定軸242によって回動可能に底面部210の右前方に接続されている。固定リンク板240の他端は、第1前面軸252によって回動可能に中間リンク板250の一端と接続されている。中間リンク板250の他端は、第2前面軸254によって回動可能にスライドリンク板260と接続されている。スライドリンク板260は、2つのスライド軸266、268によって、スライド可能に底面部210に接続されている。2つのリンク板240、260は、底面部210に載せられており、中間リンク板250は、これら2つのリンク板240、260に載せられている。また、スライドリンク板260には、内枠前方向20Fとは逆の後ろ方向に延びる突起部262が設けられている。この突起部262は、側面部220に水平方向に沿って設けられた溝222に差し込まれている。なお、リンク機構290の動作の詳細については後述する。また、このリンク機構290の2つの軸252、254は、鉛直方向の上に向かって延びており、上側前面軸受部300の2つの軸穴352、354に挿入される。
【0030】
図5は、下側ヒンジ具90の構成を示す斜視図である。下側ヒンジ具90は、下側外軸部400と、下側内軸兼軸受部500と、下側前面軸受部600とを有している。
【0031】
下側外軸部400は軸412を有し、下側内軸兼軸受部500は軸穴512を有している。この軸412は軸穴512に挿入され、下側外軸部400(外枠10)と下側内軸兼軸受部500(内枠20)とは、軸412を中心に回動可能となる。
【0032】
具体的には、下側外軸部400は、外枠10の底辺12の上面に固定される固定部410を有している。この固定部410は、外枠前方向10Fに向かって延びる水平な平板形状を有しており、その左前方には、鉛直方向の上に向かって延びる軸412が設けられている。一方、下側内軸兼軸受部500は、内枠20に固定されるL字状の固定部502を有している。この固定部502は、内枠20の鉛直な面に固定される平板状の側面部520と、この側面部520の下部から内枠前方向20Fに向かって延びる平板状の底面部510と、を有している。各面部510、520は、金属板を折り曲げることによって、一体に形成されている。この底面部510の左前方には、鉛直方向に沿った軸穴512が設けられている。この軸穴512に、下側外軸部400の軸412が挿入される。
【0033】
また、底面部510にはリンク機構590が連結されている。このリンク機構590は、その構成が上述した上側内軸部200(図4)のリンク機構290と同じであり、2つの軸552、554を有している。一方、下側前面軸受部600は2つの軸穴652、654を有している。第1前面軸552は第1前面軸穴652に挿入され、第2前面軸554は第2前面軸穴654に挿入される。その結果、下側前面軸受部600(前面枠30)と下側内軸兼軸受部500(内枠20)とは、回動可能となる。
【0034】
具体的には、下側前面軸受部600は、前面枠30の鉛直な面に固定される固定部620と、固定部620の下部から後面(前面枠前方向30Fとは逆の方向)に向かって延びる平板状の底面部610と、を有している。この底面部610には、鉛直方向に沿った軸穴652、654が設けられている。これらの軸穴652、654は、前面枠前方向30Fと垂直な方向に沿って並んでいる。一方、下側内軸兼軸受部500のリンク機構590は、上述した上側内軸部200(図4)のリンク機構290と同様の、固定リンク板540と、中間リンク板550と、スライドリンク板560と、を有している。中間リンク板550と他のリンク板540、560とを接続する第1前面軸552と第2前面軸554とは、鉛直方向の上に向かって延びており、下側前面軸受部600の2つの軸穴652、654に挿入される。
【0035】
図6は、前面枠30の開閉に伴うリンク機構590の形状変化を示している。図6には、下側内軸兼軸受部500の上面図が示されている。図6では、内枠前方向20Fは下方向となる。また、図6(A)は、前面枠30が閉状態にある場合を示し、図6(B)は、前面枠30を開けた状態を示し、図6(C)は、図6(B)の状態からさらに前面枠30を開けた状態(全開状態)を示している。
【0036】
底面部510と固定リンク板540とは、底面部510の右前方(図中の右下側)において、固定軸542によって回動可能に接続されている。前面枠30の閉状態(図6(A))において、固定リンク板540は、固定軸542から左に向かって延び、その端部は、中間リンク板550と第1前面軸552によって回動可能に連結されている。中間リンク板550は、第1前面軸552から左に向かって延び、その端部はスライドリンク板560と第2前面軸554によって回動可能に連結されている。スライドリンク板560は、後方向(図中の上方向)へ延びており、また、2つのスライド軸566、568によって底面部510に接続されている。第1スライド軸566は、第2前面軸554の後側に位置し、底面部510に設けられた第1スライド溝516に差し込まれ、この溝516に沿って移動することが可能である。また、第2スライド軸568は、第1スライド軸566の右側に位置し、底面部510に設けられた第2スライド溝518に差し込まれ、この溝518に沿って移動することが可能である。この第2スライド溝518は、閉状態(図6(A))の第2スライド軸568の位置から右方向に延びるように形成されている。一方、第1スライド溝516は、閉状態の第1スライド軸566の位置から右斜め前方向に延びた後、右方向に向きを変えて延びるように形成されている。
【0037】
スライドリンク板560の右側には、鉛直方向の上に向かって延びるバネ係合部564が設けられ(図5)、側面部520の右側には、内枠前方向20Fに向かって延びるバネ係合部524が設けられている。このバネ係合部524は、スライドリンク板560のバネ係合部564の右側に位置している。また、これらのバネ係合部524、564には、バネ504が掛けられている。スライドリンク板560は、このバネ504によって、右方向に付勢される。
【0038】
前面枠30を開けると、固定リンク板540が手前に向かって回動し、第1前面軸552(中間リンク板550)も手前に向かって移動する。すると、スライドリンク板560は、中間リンク板550に引っ張られて、右方向に移動する(図6(B))。ここで、中間リンク板550は、バネ504によって右方向に付勢されているので、滑らかに移動することができる。また、第1スライド軸566は、右斜め前方向に移動した後に、右方向に移動する。その結果、第2前面軸554は、右斜め前方向に移動した後に、第1前面軸552の後ろを右方向へ移動する(図6(C))。
【0039】
ところで、前面枠30は、正面から見て左側に位置する第2前面軸554を中心に回動して開く。この際、この軸554は、上述したように、右方向に移動する。その結果、前面枠30を開けると、前面枠30の全体が右方向へ移動するので、この前面枠30に設けられた立体的な装飾部材34(図1)が、パチンコ遊技機900の左に位置する機器(例えば、他のパチンコ遊技機や玉貸機)と接触することを抑制することが可能となる。従って、前面枠30に設けられる装飾部材34の大きさと形状との自由度を高めることが可能となる。
【0040】
また、スライドリンク板560は、閉状態の前面枠30が開く方向(内枠前方向20F)とは逆の後方向へ突出する突起部562を有している。この突起部562は、側面部520に水平方向に沿って設けられた溝522に差し込まれている(図5)。この突起部562は、開状態では溝522の左側に位置し(図6(A))、前面枠30を開けることによって、溝522の右側に移動する(図6(B)(C))。
【0041】
図7は、前面枠30が開状態にある場合(図6(B)(C))の、下側内軸兼軸受部500を左から見た概略側面図である。図7では、内枠前方向20Fは右方向となる。
【0042】
底面部510の上には、スライドリンク板560と固定リンク板540とが載っている。スライドリンク板560の突起部562は、側面部520に設けられた溝522に差し込まれている。なお、内枠20にも、突起部562が移動するための溝が設けられている(図示省略)。
【0043】
固定リンク板540とスライドリンク板560との上には、中間リンク板550が載っている。また、第1前面軸552と第2前面軸554とは、中間リンク板550から、さらに、鉛直方向の上に向かって延びている。中間リンク板550の上には、これらの軸552、554にはめ込まれた底面部610が位置することとなる。
【0044】
前面枠30が開状態にある場合には、中間リンク板550は、底面部610(前面枠30)からの荷重を受けて、内枠前方向20F側が下となるように傾こうとする。すると、中間リンク板550に連結されたスライドリンク板560は、後側が上となるように傾こうとする。このような場合でも、スライドリンク板560の後ろ側に設けられた突起部562が側面部520によって鉛直方向の下向きに押さえられるので、リンク機構590、すなわち、前面枠30が傾くことが抑制される。
【0045】
このように、本実施例のリンク機構590では、前面枠30が開状態である場合に、側面部520がスライドリンク板560からの鉛直方向の力を受けるので、リンク機構590が意図しない形状に変形することを抑制し、リンク機構590の強度を改善することが可能となる。その結果、リンク機構590の小型化を図ることが可能となる。また、より重い前面枠30を組み付けることが可能となるので、より豊富な種類の遊技機を提供することができる。なお、本実施例では、側面部520の、開状態におけるスライドリンク板560から力を受ける部分(溝522の右上の部分)が「支持部」に相当する。
【0046】
以上、下側内軸兼軸受部500のリンク機構590について説明したが、上側内軸部200のリンク機構290についても、その構成と機能とは同じである。また、本実施例において、上側前面軸受部300は「上方開閉固定部」に相当し、下側前面軸受部600は「下方開閉固定部」に相当する。
【0047】
ところで、第1前面軸552(図7)には、中間リンク板550と底面部610との間に挟まれる鍔552sが設けられ、第2前面軸554にも、同様の鍔554sが設けられている。その結果、これらの軸552、554は、底面部610が鍔552s、554sに接するまで、軸穴652、654に挿入される。図中の軸の長さLnは、このような、軸穴に挿入される軸の長さ(以下「挿入軸長」と呼ぶ)を示している。図7の例では、2つの軸552、554の挿入軸長Lnは同じである。同様に、上側内軸部200の第1前面軸252と第2前面軸254とについても、挿入軸長を定義することができる。
【0048】
ここで、上側に設けられたリンク機構290の軸252、254(図4)の挿入軸長(以下「上側挿入軸長」と呼ぶ)を、下側に設けられたリンク機構590の軸552、554の挿入軸長(以下「下側挿入軸長」と呼ぶ)よりも短くすることが好ましい。こうすれば、下側の軸552、554を軸穴652、654に挿入した状態を維持しつつ、前面枠30を上側に少しずらして、上側の軸252、254を軸穴352、354に挿入することができる。その結果、前面枠30を内枠20に取り付ける作業を容易なものとすることができる。ここで、上側挿入軸長と下側挿入軸長との差分は、3mm以上が好ましく、5mm以上が特に好ましく、7mm以上が最も好ましい。
【0049】
また、図6に示すように、下側内軸兼軸受部500のスライドリンク板560、すなわち、第2前面軸554は、バネ504によって、固定軸542へ向かう方向(右方向)に付勢されている。ここで、閉状態(図6(A))においては、これらの軸554、542の間に位置する第1前面軸552の中心Cは、これらの軸554、542の中心を結ぶ仮想的な直線Lよりも後側(内枠前方向20Fとは逆の方向)に位置している。この状態から前面枠30を開けると、中心Cは、仮想直線Lを横切って、仮想直線Lの前側(内枠前方向20F)に移動する(図6(B)(C))。
【0050】
従って、閉状態では、バネ504による付勢力は、第1前面軸552を仮想直線Lよりもさらに後側へ移動させる方向、すなわち、前面枠30を閉じる方向の力として働く。一方、開状態(図6(B)(C))では、バネ504による付勢力は、第1前面軸552を仮想直線Lよりもさらに前側へ移動させる方向、すなわち、前面枠30を開ける方向の力として働く。このように、バネ504は、前面枠30が開状態にある場合には開状態を維持する方向に力を付勢し、前面枠30が閉状態にある場合には閉状態を維持する方向に力を付勢する。換言すれば、リンク機構590は、前面枠30を開ける途中で付勢力の向きが閉方向から開方向へ切り替わるように構成されている。従って、前面枠30が意図せず開くことと、意図せず閉まることと、を抑制することが可能となる。これは、上側のリンク機構290(図4)についても同じである。
【0051】
このように、付勢力の向きが、前面枠30を開ける途中で、閉める方向から開ける方向へ切り替わる機構の構成としては、図6に示したリンク機構590の構成に限らず、種々の構成を採用することができる。ただし、ヒンジ具としては、このような力の付勢を行わないリンク機構を採用してもよい。
【0052】
B.第2実施例:
図8は、第2実施例における下側内軸兼軸受部500aの構成を示す説明図である。図8には、下側内軸兼軸受部500aの上面図が示されている。図6に示す第1実施例の下側内軸兼軸受部500との差異は、底面部510aが、内枠前方向20F方向に延長されている点である。また、スライドリンク板560aでは、突起部562が省略され、側面部520aでは、溝522が省略されている。他の部分の構成とリンク機構590aの動作とは、第1実施例の下側内軸兼軸受部500(リンク機構590(図6))と同じである。
【0053】
図8には、前面枠30の開閉に伴う下側内軸兼軸受部500aのリンク機構590aの形状変化が示されている。図8(A)は、前面枠30が開状態にある場合を示し、図8(B)は、前面枠30を開けた状態を示し、図8(C)は、図8(B)の状態からさらに前面枠30を開けた状態(全開状態)を示している。各状態におけるリンク機構590aの形状は、図6に示すリンク機構590の形状と同じである。
【0054】
第2実施例では、リンク機構590aは、鉛直方向に沿って見た場合に、前面枠30の開閉の状態に拘わらずに、底面部510aが占める領域内に含まれている。換言すれば、リンク機構590aの可動な構成要素(リンク板540、550、560aと軸542、552、554、566、568)の、前面枠30の開閉に伴って移動する範囲(軌跡)は、鉛直方向に沿って見た場合に、底面部510aの輪郭で囲まれた範囲内にある。
【0055】
図9は、底面部510aがリンク機構590aを支える位置を示す説明図である。図9には、図8と同様の、下側内軸兼軸受部500aの上面図が示されている。図9(A)は、図8(B)と同じ開状態を示し、図9(B)は、図8(C)と同じ全開状態を示している。
【0056】
図中のハッチングが付された部分は、底面部510aがリンク機構590aを支える部分のうちの、第1前面軸552よりも前面枠30の重心30cに近い部分を示している。具体的には、重心30cとの水平距離が、重心30cと第1前面軸552の中心Cとの水平距離よりも短い部分を示している。ここで、「水平距離」とは、水平位置間の距離を意味している。「水平位置」とは、鉛直方向と直行する水平面上に投影して得られる位置を意味している。また、図中の円弧30arcは、重心30cの水平位置を中心とし、第1前面軸552の中心Cの水平位置を通る円弧である。ハッチングは、底面部510aの固定リンク板540と接する部分のうちの、この円弧30arcの内側部分に付されている。
【0057】
前面枠30の荷重は、主に、前面枠30に固定された下側前面軸受部600に接続される2つの軸552、554にかかる。特に、前面枠30を開けた場合には、前面枠30は、これらの軸552、554によって支えられることとなる。このような場合でも、これらの2つの軸552、554は、底面部510aによって鉛直方向の上向きに支えられるので、前面枠30が傾くことが抑制される。その結果、リンク機構590aの強度が改善され、リンク機構590aの小型化を図ることが可能となる。
【0058】
ここで、第1前面軸552は、下側前面軸受部600とリンク機構590aとを接続する全ての軸552、554の中の、重心30cとの水平距離が最も短い軸(以下「最近軸」と呼ぶ)である。底面部510aは、このような最近軸552の水平位置でリンク機構590aを支持するので、リンク機構590aの強度を改善する効果が顕著となる。
【0059】
さらに、図9の例では、底面部510aは、最近軸552よりも前面枠30の重心30cに近い(重心30cとの水平距離が短い)位置(図9のハッチングが付された位置)で、リンク機構590a(図9の例では、固定リンク板540)からの力を受ける。その結果、開状態で前面枠30が傾くことが抑制され、リンク機構590aの強度を改善する効果が特に顕著となる。その結果、ヒンジ具の小型化を図ることが可能となる。
【0060】
なお、本実施例では、底面部510aの、閉状態のリンク機構590aからは力を受けず、開状態のリンク機構590aから力を受ける部分が「支持部」に相当する。
【0061】
以上、下側内軸兼軸受部500aについて説明したが、上側内軸部についても、その構成と機能とは同様である。
【0062】
C.第3実施例:
図10は、第3実施例における下側内軸兼軸受部500bの構成を示す説明図である。図10には、下側内軸兼軸受部500bの上面図が示されている。図6に示す第1実施例の下側内軸兼軸受部500との差異は、バネ504bが側面部520bの裏側(内枠前方向20Fとは反対方向の側)に設けられている点である。他の部分の構成とリンク機構590bの動作とは、第1実施例の下側内軸兼軸受部500(リンク機構590(図6))と同じである。
【0063】
第3実施例のスライドリンク板560bの突起部562bには、穴563bが設けられている。この穴563bは、突起部562bの、側面部520bの裏側に突き出た部分に設けられている。また、第3実施例のバネ係合部524bは、内枠前方向20Fとは逆の後方向に向かって延びている。バネ504bは、これらの穴563bとバネ係合部524bとに掛けられている。その結果、このバネ504bは、側面部520bの後ろに位置することとなる。
【0064】
このように、第3実施例の下側内軸兼軸受部500bでは、突起部562bが側面部520bの後側に突き抜けており、この突き抜けた部分に、バネ504bが掛けられている。その結果、バネ504bを側面部520bの後面に隠すことができるので、前面枠30を開けた際に異物(例えば、遊技球や、修理用のねじ)がバネ504bに引っかかることを抑制することができる。
【0065】
以上、下側内軸兼軸受部500bについて説明したが、上側内軸部についても、その構成と機能とは同様である。
【0066】
なお、リンク機構としては、図10に示すリンク機構590bに限らず、種々のリンク機構を採用することができる。また、一般に、リンク機構に付勢手段を設ける場合には、リンク機構の後側(開閉部を開く側とは逆側)に、穴を有する壁を設け、リンク部材の一部に、この壁の穴を突き抜ける突起部を設け、その突き抜けた部分に付勢手段を接続することが好ましい。こうすれば、付勢手段を壁の後ろに隠すことができるので、付勢手段に異物が引っかかることを抑制することが可能となる。なお、付勢手段としては、バネに限らず、ゴム等の弾性体を用いてもよい。
【0067】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0068】
変形例1:
リンク機構の構成としては、上述の各実施例の構成に限らず、他の構成を採用することも可能である。いずれの場合も、ヒンジ具が、枠体に固定される固定部と、固定部に連結されたリンク機構と、を有し、開閉部が開状態にある場合に、固定部に設けられた支持部が、リンク機構から鉛直方向の力を受けることが好ましい。また、支持部は、開閉部が閉状態である場合には、リンク機構から鉛直方向の力を受けない位置に設けられていることが好ましい。こうすれば、支持部は、特に開状態におけるリンク機構から力を受けることとなるので、開状態におけるリンク機構、すなわち、開閉部が傾くことを適切に抑制することが可能となる。
【0069】
ここで、図4〜図7に示した第1実施例と同様に、リンク部材の一部が、閉状態の開閉部が開く方向とは逆の方向である後方向に延びる突起部を有し、固定部に設けられた支持部が、この突起部と接して鉛直方向の力を受けることとしてもよい。こうすれば、支持部がリンク部材を支持する位置が、そのリンク部材からみて、開状態の開閉部の位置とは反対側に位置することとなる。その結果、開状態におけるリンク機構、すなわち、開閉部が傾くことが抑制され、ヒンジ具の小型化を図ることが可能となる。また、支持部がヒンジ具の前面に突出することが防止されるので、ヒンジ具が開閉部の前面のデザインに影響を与えることを抑制することができる。
【0070】
なお、リンク部材の突起部は、開閉部の開閉状態に拘わらずに後方に突出しているものに限らず、開状態において、そのリンク部材の後方に延びているものであればよい。例えば、開閉部を開けることによって、そのリンク部材の後方に移動するものであってもよい。
【0071】
また、図8、図9に示した第2実施例と同様に、支持部が、最近軸の水平位置と、最近軸の水平位置よりも開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置でリンク部材を支持する構成としてもよい。ここで、「最近軸」とは、開閉部に固定された開閉固定部と、リンク機構と、の接続に用いられる軸のうち、水平位置が開閉部の重心の水平位置に最も近い軸を意味している。ここで、支持部が最近軸の水平位置において力を受ける場合には、最近軸と直接接して力を受けてもよく、この代わりに、他のリンク部材と接して力を受けてもよい。
【0072】
ここで、支持部が、最近軸の水平位置で力を受け、最近軸よりも開閉部の重心との水平距離が短い水平位置では力を受けない構成を用いてもよい。こうすれば、支持部の小型化を図ることができる。また、最近軸の水平位置では力を受けず、開閉部の重心との水平距離がより短い水平位置で力を受ける構成を用いてもよい。この場合も、開閉部が傾くことが抑制されるので、ヒンジ具全体の小型化を図ることが可能となる。
【0073】
また、開閉固定部と、リンク機構と、を接続するための軸の数は2よりも多くてもよく、また、1つでもよい。いずれの場合も、最近軸の水平位置と、開閉部の重心との水平距離がより短い水平位置と、の少なくとも一方で、支持部がリンク機構から力を受ける構成を採用することが好ましい。なお、開閉固定部とリンク機構とを1つの軸で接続する場合には、軸と軸穴との断面形状を非円形状(例えば、矩形状や楕円形状)とすることが好ましい。こうすれば、リンク機構が動いていないにも拘わらずに、開閉部が回動することを防止することができる。
【0074】
変形例2:
上述の各実施例において、上側内軸部の2つの前面軸(例えば、図4の前面軸252、254)の挿入軸長は、下側内軸兼軸受部の2つの前面軸(例えば、図5の前面軸552、554)の挿入軸長よりも短いことが好ましい。こうすれば、前面枠30を内枠20に接続することを容易なものとすることができる。
【0075】
一般に、鉛直方向の上方と下方との2カ所で、枠体に設けられたリンク機構と、開閉部に固定された開閉固定部とを、軸と軸穴との組み合わせを用いて接続する場合には、上方側の軸の挿入軸長が下方側の軸の挿入軸長よりも短いことが好ましい。この際、下側挿入軸長と上側挿入軸長との差分は、3mm以上が好ましく、5mm以上が特に好ましく、7mm以上が最も好ましい。
【0076】
変形例3:
上述の実施例では、外枠10と内枠20と前面枠30との3つの枠を、共通のヒンジ具(例えば、図4の上側内軸部200や図5の下側内軸兼軸受部500)を用いて接続しているが、別々のヒンジ具を用いて接続することとしてもよい。例えば、内枠20に、外枠10を接続するためのヒンジ具と、前面枠30を接続するためのヒンジ具と、を別々に設けてもよい。ただし、共通のヒンジ具を用いて接続すれば、ヒンジ具を取り付けるために要求される場所が過剰に広くなることを防止することができる。また、ヒンジ具の構成の簡素化を図ることも可能となる。
【0077】
変形例4:
上述の各実施例において、各ヒンジ具の軸と軸穴との関係を逆転させてもよい。ただし、リンク機構(例えば、図5のリンク機構590)に軸を設け、開閉固定部(例えば、図5の下側前面軸受部600)に軸穴を設けることとすれば、リンク機構590の構成が過剰に複雑化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施例としてのパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】前面枠30を開けた状態のパチンコ遊技機900の斜視図である。
【図3】内枠20を外枠10から外した状態のパチンコ遊技機900の斜視図である。
【図4】上側ヒンジ具80の構成を示す斜視図である。
【図5】下側ヒンジ具90の構成を示す斜視図である。
【図6】前面枠30の開閉に伴うリンク機構590の形状変化を示している。
【図7】下側内軸兼軸受部500を左から見た概略側面図である。
【図8】第2実施例における下側内軸兼軸受部500aの構成を示す説明図である。
【図9】底面部510aがリンク機構590aを支える位置を示す説明図である。
【図10】第3実施例における下側内軸兼軸受部500bの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0079】
10...外枠
12...底辺
20...内枠
30...前面枠
30c...重心
32...ガラス窓
34...装飾部材
80...上側ヒンジ具
90...下側ヒンジ具
100...上側外軸受部
120...固定部
132...軸穴
140...軸受部
200...上側内軸部
202...固定部
204...バネ
210...底面部
220...側面部
222...溝
224...バネ係合部
230...上面部
232...軸
233...切れ込み
240...固定リンク板
242...固定軸
250...中間リンク板
252...第1前面軸
254...第2前面軸
260...スライドリンク板
262...突起部
264...バネ係合部
266...第1スライド軸
268...第2スライド軸
290...リンク機構
300...上側前面軸受部
320...固定部
330...上面部
352...第1前面軸穴
354...第2前面軸穴
400...下側外軸部
410...固定部
412...軸
500、500a、500b...下側内軸兼軸受部
502...固定部
504、504b...バネ
510、510a...底面部
512...軸穴
516...第1スライド溝
518...第2スライド溝
520、520a、520b...側面部
522...溝
524、524b...バネ係合部
540...固定リンク板
542...固定軸
550...中間リンク板
552...第1前面軸
552s...鍔
554...第2前面軸
554s...鍔
560、560a、560b...スライドリンク板
562、562b...突起部
563b...穴
564...バネ係合部
566...第1スライド軸
568...第2スライド軸
590、590a、590b...リンク機構
600...下側前面軸受部
610...底面部
620...固定部
652...第1前面軸穴
654...第2前面軸穴
900...パチンコ遊技機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機であって、
枠体と、
開閉部と、
前記開閉部を前記枠体に開閉可能に接続するためのヒンジ具と、を備え、
前記ヒンジ具は、
前記枠体に固定された固定部と、
前記固定部に連結されているとともに前記開閉部が接続されるリンク機構と、を備え、
前記固定部は、前記開閉部が開状態にある場合に前記リンク機構からの鉛直方向の力を受ける支持部を有し、
前記支持部は、前記開閉部が閉状態にある場合には前記リンク機構から鉛直方向の力を受けない位置に設けられている、
遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記リンク機構は、複数のリンク部材で構成されており、
前記複数のリンク部材のうちの少なくとも一部は、閉状態の前記開閉部が開く方向とは反対の方向である後方向に延びる突起部を有し、
前記支持部は、前記開閉部が開状態にある場合に前記突起部と接して鉛直方向の力を受けるように構成されている、
遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記リンク機構は、複数のリンク部材で構成されており、
前記ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記開閉部に固定される開閉固定部を有し、
前記複数のリンク部材は、前記開閉固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する軸部材を含み、
前記支持部は、前記軸の水平位置と、前記軸の水平位置よりも前記開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置で、前記複数のリンク部材のうちの少なくとも一部からの力を受けるように構成されている、
遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機であって、
前記開閉固定部と前記リンク機構とは複数の軸によって接続され、
前記複数の軸のうちの水平位置が前記開閉部の重心の水平位置に最も近い軸を最近軸と呼ぶときに、
前記支持部は、前記最近軸の水平位置と、前記最近軸の水平位置よりも前記開閉部の重心の水平位置に近い水平位置と、の少なくとも一方の水平位置で、前記複数のリンク部材のうちの少なくとも一部からの力を受けるように構成されている、
遊技機。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の遊技機であって、
前記ヒンジ具として、
鉛直方向の比較的上方に設けられた上方ヒンジ具と、
鉛直方向の比較的下方に設けられた下方ヒンジ具と、を備え、
前記上方ヒンジ具のリンク機構と、前記下方ヒンジ具のリンク機構と、のそれぞれは、複数のリンク部材で構成されており、
前記上方ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記開閉部に固定される上方開閉固定部を有し、
前記上方ヒンジ具の複数のリンク部材は、前記上方開閉固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する上方軸部材を含み、
前記下方ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記開閉部に固定される下方開閉固定部を有し、
前記下方ヒンジ具の複数のリンク部材は、前記下方開閉固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する下方軸部材を含み、
前記上方開閉固定部と前記上方軸部材とを接続するための前記軸の前記軸穴に挿入される部分の長さは、前記下方開閉固定部と前記下方軸部材とを接続するための前記軸の前記軸穴に挿入される部分の長さよりも短い、
遊技機。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の遊技機であって、さらに、
前記枠体が開閉可能に接続される外枠体を備え、
前記ヒンジ具は、さらに、軸と軸穴との少なくとも一方を有するとともに前記外枠体に固定される外枠固定部を有し、
前記固定部は、前記外枠固定部を接続するための軸と軸穴との少なくとも他方を有する、
遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−192003(P2006−192003A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4861(P2005−4861)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】