説明

遊技機

【課題】 遊技球誘導領域における遊技球の動きを多様化して遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 遊技球を始動領域に誘導する確率が高い第1の遊技球誘導路21または遊技球を始動領域に誘導する確率が第1の遊技球誘導路21よりも低い第2の遊技球誘導路22に誘導可能な誘導位置に配置される遊技球誘導溝23を有するとともに、遊技球誘導溝23の長さを可動により変化させるように設けられた可動部材24を備え、遊技球誘導溝23の長さの変化に応じて、遊技球誘導溝23による遊技球の誘導状態が、第2の遊技球誘導路22よりも第1の遊技球誘導路21に遊技球が誘導される確率が高くなる第1の状態と、第1の遊技球誘導路21よりも第2の遊技球誘導路22に遊技球が誘導される確率が高くなる第2の状態と、に変化するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示領域を形成する表示領域形成部材と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球の通過により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域と、を有する遊技盤を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として代表されるパチンコ機にあっては、一般的に可変表示装置の下方に配置された始動入賞口に打球が入賞することで前記可変表示部の表示状態が変化し、該可変表示装置の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利となる特定遊技状態が発生するようになっている。
【0003】
この種のパチンコ機において、可変表示装置の可変表示部の周囲を囲むように設けられた表示枠形成部材に形成した球誘導領域に、パチンコ球の進路を変更可能な複数の突没体が昇降自在に設けられており、該突没体とパチンコ球との接触により進路が変化されることにより、パチンコ球が始動入賞口に入賞する確率が変化するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、表示枠形成部材に形成した球誘導領域に、周方向の一部に球保留部が設けられた回転体が回転自在に設けられ、該回転体の回転により、棚板と球保留部との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化するようにすることで、パチンコ球が始動入賞口に入賞する確率が変化するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−70537号公報(第5頁、第4図)
【特許文献2】特開2004−97378号公報(第6−7頁、第7−8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の遊技機にあっては、パチンコ球の流下経路上にパチンコ球と当接自在に設けられた突没体や回転体との当接状態の変化により、球誘導領域におけるパチンコ球の進路が変更させられるものであり、パチンコ球を誘導する状態が変化するものではないため、パチンコ球の突没体や回転体との当接によりパチンコ球の流下速度が抑制され、これによりパチンコ球の動きが単調となって遊技の興趣が低減するばかりか、突没体や回転体等の部材が汚れ易いといった問題を有していた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技球誘導領域における遊技球の動きを多様化して遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
表示状態を変化させることが可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示領域を形成する表示領域形成部材と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球の通過により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域と、を有する遊技盤を備える遊技機において、
前記表示領域形成部材には、遊技球を前記始動領域に誘導する遊技球誘導領域が形成されており、
前記遊技球誘導領域は、
遊技球を前記始動領域に誘導する確率が高い第1の遊技球誘導路と、
遊技球を前記始動領域に誘導する確率が前記第1の遊技球誘導路よりも低い第2の遊技球誘導路と、
前記遊技球誘導領域の遊技球を前記第1の遊技球誘導路または前記第2の遊技球誘導路に誘導可能な誘導位置に配置される遊技球誘導溝を有するとともに、前記遊技球誘導溝の長さを可動により変化させるように設けられた可動部材と、
を備え、
前記遊技球誘導溝の長さの変化に応じて、前記遊技球誘導溝による遊技球の誘導状態が、前記第2の遊技球誘導路よりも前記第1の遊技球誘導路に遊技球が誘導される確率が高くなる第1の状態と、前記第1の遊技球誘導路よりも前記第2の遊技球誘導路に遊技球が誘導される確率が高くなる第2の状態と、に変化するようにしたことを特徴としている。
この特徴によれば、可動部材の可動による遊技球誘導溝の長さの変化に応じて、遊技球誘導溝による遊技球の誘導状態が第1の状態または第2の状態に変化し、これにより遊技球が始動領域に誘導される確率が変わるとともに、遊技球を誘導する誘導路の長さ自体が変わることで遊技球の動きが多様に変化することで、遊技球の流下速度が抑制されて遊技球の動きが単調となることを回避することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記可動部材は、回動軸を中心として回動自在に設けられるとともに、周面の長手方向に向けて前記遊技球誘導溝が形成された円柱形状をなす回動体からなり、
前記遊技球誘導溝は、
所定長さの第1の遊技球誘導溝と、
前記回動体の回動方向に対して前記第1の遊技球誘導溝とは異なる位置に形成され、該第1の遊技球誘導溝よりも長さが短寸の第2の遊技球誘導溝と、を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、回動体を回動させることで、長さが異なる第1の遊技球誘導溝及び第2の遊技球誘導溝が誘導位置に選択的に配置されることになるため、簡単な機構で遊技球誘導溝の長さを変化させることができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記遊技球誘導溝の長さが長尺となる状態を前記第1の状態としたことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技球誘導溝により長い距離誘導されたときほど始動領域に誘導される確率が高いため、始動領域に誘導されたときの充実感がより高まる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の遊技機は、請求項1または3に記載の遊技機であって、
前記可動部材は、周面の長手方向に向けて前記遊技球誘導溝が形成されるとともに、該遊技球誘導溝の長手方向に向けて往復移動自在に設けられた柱体からなり、
前記往復移動により前記遊技球誘導溝の長さを伸縮可能に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、柱体を伸縮させることで、遊技球誘導溝の長さを簡単に変化させることができる。
【0012】
本発明の請求項5に記載の遊技機は、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技球誘導溝の上流側に配置される遊技球通路は、遊技球の流下経路を左右方向に蛇行させるための蛇行部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技球通路において遊技球の流下速度を抑制することができるため、遊技球誘導溝に遊技球を確実に誘導することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0014】
図1には、本実施例に用いた遊技機であるパチンコ機1の正面図が示されており、該パチンコ機1は、図示しない基枠に対して開閉自在に設けられた前面枠2と、前面枠2の前面側上部に開閉自在に設けられたガラス扉枠3並びに前面板4と、から主に構成され、前面板4の前面には打球供給皿5が設けられているとともに、打球供給皿5よりも下方の前記前面枠2の下部位置には、打球供給皿5から溢れた遊技球としてのパチンコ球を貯留する余剰球受皿6と、打球を発射する打球操作ハンドル7とが設けられている。
【0015】
ガラス扉枠3の後面側には、図2に示されるような遊技盤10が前面板4に着脱可能に取り付けられている。遊技盤10の前面には遊技領域11が設けられており、この遊技領域11の中央付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報(特別図柄)が可変表示される表示領域を形成する可変表示部12を前面に備える液晶表示器と、該可変表示部12の周囲を囲むように設けられた表示領域形成部材としての飾り枠13と、からなる可変表示装置14が設けられている。また遊技盤10には、複数の入賞口や通過ゲート、始動領域を形成する始動入賞口15と可動片16とから構成された可変始動入賞球装置17、大当り状態において開成する開閉板18を備える可変入賞球装置19が設けられているとともに、遊技領域11の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口20が形成されている。
【0016】
打球操作ハンドル7の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打球は、打球レール21を通って遊技領域11に入り、その後、遊技領域11を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域11に達しなかったパチンコ球は図示しない環流経路(図示略)を通じて余剰玉受皿6に環流されるようになっている。
【0017】
始動入賞口15にパチンコ玉が入賞すると、該入賞したパチンコ球が検出され、該検出に基づいて可変表示部12において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、例えば左、中、右の特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777や444)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置19に設けられた開閉板18が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置19の大入賞口内に進入した打球が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
【0018】
また、前記可変表示部12で可変表示された左、中、右の特別図柄が所定の確率変動図柄に一致した大当り図柄の組合せ(たとえば777や333)で停止表示される特別の表示態様となったときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを、前記確率変動図柄以外(たとえば444や888)の「通常の大当り」と区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当りの発生に伴って大当り信号が外部に出力される。
【0019】
これら確率変動状態においては、確率変動状態であることが遊技効果ランプ等の点灯態様が確率変動状態に対応した態様に変更されることで報知されるとともに、次の大当りが発生するまでの間において、前記可変始動入賞球装置17に設けられた可動片16が遊技者にとって有利な第1の状態となる頻度が、前記可変表示部12に表示される普通図柄(図示略)の可変表示開始から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば前記可変表示から停止表示までの時間が通常遊技状態において30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片16が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(通常遊技状態では0.5秒が3秒に延長)されることで、前記可変表示部12での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら確率変動状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
【0020】
これら確率変動状態中において発生した大当りが、再度、確率変動図柄による「確変大当り」である場合には、該大当り状態の終了後に再度確率変動状態となり、これら確率変動状態が該確率変動状態中において発生した大当りが「確変大当り」である場合に継続されることで大当り状態が連続して発生する連荘状態となる。
【0021】
また、確率変動状態中において発生した大当りが、前記確率変動図柄以外の「通常の大当り」であった場合には、該大当り状態の終了後には、前記確率変動状態とならずに、前記可変表示部12が可変表示動作を所定回数(例えば100回)行うまでの間、前記始動入賞口15に設けられた可動片16が、遊技者にとって有利な第1の状態に変化する頻度が向上する時短状態(普通有利状態)が発生する。
【0022】
これら時短状態における遊技者にとって有利な第1の状態である可動片16が開成状態となる頻度の向上は、前記確率変動中における可動片16の開成頻度の向上とほぼ同様に、前記可変表示部12に表示される普通図柄(図示略)の可変表示から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば前記可変表示から停止表示までの時間が通常遊技状態において30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片16が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(通常遊技状態では0.5秒が3秒に延長)されることで、前記可変表示部12での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら時短状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
【0023】
これら本実施例に用いたパチンコ機1の構成を簡単に説明すると、該パチンコ機1には、前記可変表示部12の表示制御を行う表示制御基板(図示略)と、前記打球操作ハンドル7の操作に基づき打球供給皿5に払い出されたパチンコ玉を遊技領域11に発射する打球発射装置(図示略)の制御を行う発射制御基板(図示略)と、図示しない玉タンクに供給されたパチンコ玉の払出を実施する玉払出装置(図示略)に接続され、後述の遊技制御基板(図示略)から出力される賞球信号より入出力される各種信号に基づきパチンコ玉の払出制御を行うとともに、前記玉払出装置(図示略)から払い出された賞球数の情報を出力する賞球制御基板(図示略)と、遊技効果ランプ等の制御を実施するランプ制御基板(図示略)と、スピーカから出力される音声の制御を行う音声制御基板(図示略)と、前記大当り状態や前記時短状態や前記大当り状態或いは確率変動状態或いは時短状態のいずれかである非通常遊技状態を示す情報と、前記可変表示部12における可変表示回数を特定可能な情報や、打玉が前記可変始動入賞球装置17に入賞したことを示す特別始動領域通過情報、並びに各入賞口への入賞情報を、所定の信号形態にて出力する情報出力基板(図示略)と、これら各部の制御を実施する遊技制御基板(図示略)と、が設けられている。
【0024】
次に、前述した可変表示装置14の詳細な構造を、図2〜図5に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、パチンコ機1の前面を正面から見て手前側を前方、奥側を後方として説明する。可変表示装置14は、前述したように、可変表示部12を前面に備える液晶表示器と、該可変表示部12の周囲を囲むように形成された表示領域形成部材としての飾り枠13と、から主に構成されており、遊技盤10の略中央部に形成された開口(図示略)に嵌合された状態で装着されている。液晶表示器は前記表示制御基板(図示略)を介して前記遊技制御基板に接続されており、前述したような表示制御が行われるようになっている。
【0025】
本実施例における飾り枠13は、その前端が可変表示部12の表示面よりも前方に突出するように形成された合成樹脂材製の枠状部材からなり、特に該飾り枠13における左右方向に延びる下辺部13aには、パチンコ球を始動領域としての始動入賞口15に誘導する球誘導領域30が形成されている。
【0026】
また、飾り枠13の左右辺部には、図2に示されるように、遊技領域11内に打ち出された飾り枠13外部のパチンコ球を飾り枠13内の球誘導領域30に流入させる流入口26aに流入したパチンコ球を飾り枠13の左右辺部内を流下させ、流出口26b(図3参照)から球誘導領域30に配設される後述する誘導通路25に流出させるワープ通路26が形成されている。
【0027】
球誘導領域30には、図3に示されるように、球誘導領域30に流出口26bを介して流入または飛入したパチンコ球を始動入賞口15に誘導する確率が高い第1の遊技球誘導路としての特定通路21と、パチンコ球を始動入賞口15に誘導する確率が前記特定通路21よりも低い第2の遊技球誘導路としての非特定通路22と、パチンコ球を特定通路21または非特定通路22に誘導可能な誘導位置に配置される遊技球誘導溝としての球誘導溝23を有するとともに、該球誘導溝23の長さを可動により変化させるように設けられた可動部材としての回転体24と、前記ワープ通路26内を流下して流出口26bから流出したパチンコ球を球誘導溝23に誘導する遊技球通路としての流下通路25と、がそれぞれ球誘導領域30の左右側に対向配置されている。
【0028】
なお、球誘導領域30の右側に配置される特定通路21、非特定通路22、球誘導溝23、回転体24、流下通路25(図2参照)は、図3に示される左側の特定通路21、非特定通路22、球誘導溝23、回転体24、流下通路25と同様に構成されているため、以下の説明において左側の特定通路21、非特定通路22、球誘導溝23、回転体24、流下通路25について説明することで、右側の特定通路21、非特定通路22、球誘導溝23、回転体24、流下通路25の図示及び詳細な説明は省略する。
【0029】
流下通路25は、球誘導領域30の左側端部に設けられるワープ通路26の流出口26bから球誘導領域30の中央に向けて漸次下方に傾斜するように延設されているとともに、通路の途中には、流下するパチンコ球の進路を前方に向けて約90度変更させた後、再び進路を中央に向けて変更させる平面視略S字状のクランク通路部25aが形成されており、下流側の球誘導溝23に流入する際のパチンコ球の流下速度を抑制するようになっている。また、このクランク通路部25aの下流側端部には、球誘導溝23へのパチンコ球の進入をガイドするためのガイド部25bが設けられている。
【0030】
この流下通路25の下方には、所定長さの円柱状の部材からなる回転体24が、球誘導領域30の左右方向に向けて略水平に配設されている。回転体24は、球誘導領域30の左側端部(図3中左側)が、図示しない駆動手段としての駆動モータに連係されており、該駆動モータの駆動により、左右方向を向く軸心を中心として図3中矢印で示される方向(周方向)に回転するように設けられている。
【0031】
回転体24の周面には、所定幅の凹溝からなる前記球誘導溝23が該回転体24の長手方向に向けて形成されている。詳しくは、該球誘導溝23は、所定長さの第1の遊技球誘導溝としての第1誘導溝23aと、該第1誘導溝23aよりも長さが短寸の第2の遊技球誘導溝としての第2誘導溝23bとからなり、これら第1誘導溝23a並びに第2誘導溝23bは、回転体24の回転方向(周方向)に向けて交互に複数配設されている。つまり、第2誘導溝23bは回転体24の回転方向(周方向)に対して第1誘導溝23aとは異なる位置に形成されている。
【0032】
第1誘導溝23aは、回転体24の先端部まで延設されており、その先端部は特定通路21の一部を構成する後述する傾斜面21aまで達しているとともに、第2誘導溝23bは、回転体24の長手方向の中央位置まで延設されており、その先端部は非特定通路22を構成する後述する傾斜面22aまで達している。
【0033】
また、これら第1誘導溝23a並びに第2誘導溝23bの底面は、上流のガイド部25a側から下流の回転体24の先端部に向けて底面が外方に向けて傾斜する傾斜面となっている。つまり、溝の深さが先端部に向けて漸次浅くなっており、それぞれの誘導溝における下流側端部の底面は回転体24の周面とほぼ面一となる深さとなっている。これにより第1誘導溝23a並びに第2誘導溝23bによりパチンコ球が誘導される距離が長くなるほど転動するパチンコ球と凹溝の底面が当接してガイドが不安定になるように形成されている。
【0034】
このように構成される回転体24は、前述したように、前記図示しない駆動モータの駆動により左右方向を向く軸心を中心として図3中矢印で示されるように周方向に回転するようになっており、図3及び図4に示されるように、第1誘導溝23aが上端に位置した状態において、該第1誘導溝23aの上流側端部が前記流下通路25の下流側端部に連設されたガイド部25bと合致する誘導位置に配置される状態(第1の状態)となり、また、図5に示されるように、第2誘導溝23bが上端に位置した状態において前記ガイド部25bと合致する誘導位置に配置される状態(第2の状態)となるように配設されている。なお、ガイド部25bは球誘導溝23に向けて下方に傾斜する傾斜する傾斜面を形成しており、ガイド部25bによる流下作用を受けてパチンコ球が球誘導溝23上を転動するようになっている。
【0035】
回転体24の後方(可変表示部12側)には、前記第1誘導溝23aにより誘導されたパチンコ球は特定通路21に誘導されるように、また、第2誘導溝23bにより誘導されたパチンコ球は非特定通路22に誘導されるように、球誘導溝23により誘導されたパチンコ球を特定通路21または非特定通路22に振り分けるための隆起部27が、回転体24に沿って設けられている。
【0036】
隆起部27の上面は、長手方向の中央の最上位部から左右端部側に向けてそれぞれ下方に傾斜する傾斜面が形成されており、球誘導領域30の中央に向けて下方に傾斜する傾斜面21aは特定通路21の一部を構成し(図3(a)参照)、球誘導領域30の左側に向けて下方に傾斜する傾斜面22aは非特定通路22の一部を構成している(図3(b)参照)。
【0037】
図3(a)及び図4に示されるように、傾斜面21a上を流下したパチンコ球は、球誘導領域30の左右側に離間配置された左右の回転体24、24の先端部間に形成された前後方向を向く流下面21b上に落下するとともに、流下面21b上を流下した後、飾り枠13の下辺部13aの前壁に形成された落下穴28を介して球誘導領域30から落下するようになっている。また、落下穴28は、球誘導領域30の左右方向の略中央位置に形成されており、その鉛直下方には前記始動入賞口15が配設されているため、落下穴28を介して落下したパチンコ球は高確率で始動入賞口15に入賞するようになっている。
【0038】
すなわち、パチンコ球を始動入賞口15に誘導する確率が高い特定通路21は、図3(a)中の斜線で示されるように、傾斜面21a並びに流下面21bとにより構成されている。
【0039】
一方、図3(b)及び図5に示されるように、傾斜面22a上を流下したパチンコ球は、前記流下通路25のクランク通路部25bの下方に入り込んだ位置において、図示しない壁部によって前方に向けて進路変更され、回転体24の上部とその上方の流下通路25との間に形成された前後方向を向く流下面22bを介して前方に向けて流下し、回転体24の前方に該回転体24に沿うように配設された左右方向を向く湾曲面22cに流入するようになっている。
【0040】
湾曲面22cは、左側の流下面22bとの連設部と、球誘導領域30の中央に配設された落下穴28との間に形成される上向き円弧状に形成されており、湾曲面22cの最下位部には飾り枠13の下辺部13aの前壁に凹設された切欠部29が位置しており、該切欠部28の配置位置からパチンコ球が落下するようになっている。この切欠部29は、前記中央の落下穴28よりも側方、つまり始動入賞口15の上方側部位置に形成されているため、切欠部29の配置位置から落下したパチンコ球が始動入賞口15に入賞する確率は、落下穴28を介して落下した場合よりも低い。
【0041】
すなわち、パチンコ球を始動入賞口15に誘導する確率が特定通路21よりも低い非特定通路22は、図3(b)中の斜線で示されるように、傾斜面22a、流下面22b、湾曲面22cにより構成されている。
【0042】
ここで、前述したように構成される球誘導領域30におけるパチンコ球の流れ(動き)について、図4及び図5に基づいて説明する。
【0043】
回転体24は、図示しない駆動モータの駆動により常時一定速度(例えば20秒で1回転)で回転しており、この回転体24の回転により、長尺の第1誘導溝23aと短尺の第1誘導溝23bとがガイド部25bと合致する誘導位置(上端位置)に交互に配置されるようになっている。
【0044】
ここで、まず遊技領域11内に打ち出されたパチンコ球が、飾り枠13の左辺部上方に形成された流入口26a内に流入すると、該流入したパチンコ球はワープ通路26を流下した後、図4に示されるように、流出口26bを介して球誘導領域30内の流下通路25に流出する。流下通路25内に流入したパチンコ球は、クランク通路部25aを通過する際に通路壁との当接により進路変更されることで、流下速度が抑制される。
【0045】
ここで、図4に示されるように、クランク通路部25aを通過したパチンコ球がガイド部25bに位置した際において、第1誘導溝23aがガイド部25bにほぼ合致する誘導位置に位置している場合、回転体24の上部にガイド部25bから連続する第1誘導溝23aが回転体24の上端部に形成されるため、ガイド部25bの傾斜面を流下したパチンコ球が第1誘導溝23a上に乗り移る。
【0046】
第1誘導溝23a上に乗り移ったパチンコ球は、第1誘導溝23aにおけるガイド部25b側から先端部に向けて誘導されて移動するとともに、第1誘導溝23aは回転体24の回転(可動)により隆起部27側に向けて少しずつ傾斜していく。ここで、第1誘導溝23aの下流側の先端部は、隆起部27の最上位部の右側の傾斜面21aまで延設されているため、隆起部27の最上位部を通過して第1誘導溝23aの先端部まで移動したパチンコ球は、第1誘導溝23aが回転体24の回転により隆起部27側に向けて傾斜することにより傾斜面21a上に転動し、傾斜面21a及び流下通路21bを流下して落下穴28から落下するため、始動入賞口15内に高確率で入賞することになる。
【0047】
また、図5に示されるように、クランク通路部25aを通過したパチンコ球がガイド部25bに位置した際において、第2誘導溝23bがガイド部25bにほぼ合致する誘導位置に位置している場合、回転体24の上部にガイド部25bから連続する第2誘導溝23bが回転体24の上端部に形成されるため、ガイド部25bの傾斜面を流下したパチンコ球が第2誘導溝23b上に乗り移る。
【0048】
第2誘導溝23b上に乗り移ったパチンコ球は、第2誘導溝23bにおけるガイド部25b側から先端部に向けて誘導されて移動するとともに、第2誘導溝23bは回転体24の回転(可動)により隆起部27側に向けて少しずつ傾斜していく。ここで、第2誘導溝23bの下流側の先端部は、隆起部27の最上位部の左側の傾斜面22bまで延設されているため、第2誘導溝23bの先端部まで移動したパチンコ球は、隆起部27の最上位部の手前側において第2誘導溝23bが回転体24の回転により隆起部27側に向けて傾斜することにより傾斜面22a上に転動し、傾斜面22a、流下通路22b、湾曲面22cを流下して切欠部29の配設位置から落下するため、始動入賞口15への入賞確率は落下穴28から落下した場合よりも低くなる。
【0049】
また、クランク通路部25aを通過したパチンコ球がガイド部25bに位置した際において、第1誘導溝23a及び第2誘導溝23bのいずれもガイド部25bにほぼ合致する誘導位置に位置していない場合、回転体24の上部にはガイド部25bから連続する球誘導溝23が回転体24の上端部に形成されないため、パチンコ球は誘導溝により誘導されることなく湾曲状の回転体24の周面により前方の傾斜面22cまたは後方の傾斜面22aのいずれかに落下するか、あるいは回転体24の周面上端部を上手く移動すれば傾斜面21aに落下することになる。
【0050】
なお、球誘導領域30の右側に配設された回転体24に形成された球誘導溝23における作用も、上記左側の回転体24に形成された球誘導溝23と同様であるため、説明は省略する。
【0051】
このように、可動体としての回転体24は、パチンコ球を特定通路21または非特定通路22に誘導可能な誘導位置に配置される球誘導溝23(第1誘導溝23a、第2誘導溝23b)を有するとともに、遊技球誘導溝23の長さを可動により変化させるように設けられている。つまり、回転体24が周方向に回転(可動)することで、誘導位置に長尺の第1誘導溝23aと短尺の第2誘導溝23bとが選択的に配置され、これにより誘導位置に配置される球誘導溝23の長さが回転により変化するようになっており、この球誘導溝23の長さの変化に応じて、球誘導溝23によるパチンコ球の誘導状態が、非特定通路22よりも特定通路21にパチンコ球が誘導される確率が高くなる第1の状態(第1誘導溝23aが誘導位置に位置した状態)と、特定通路21よりも非特定通路22にパチンコ球が誘導される確率が高くなる第2の状態(第2誘導溝23bが誘導位置に位置した状態)と、に変化する。
【0052】
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ機1にあっては、回転体24の回転による球誘導溝23の長さの変化に応じて、球誘導溝23によるパチンコ球の誘導状態が前記第1の状態または前記第2の状態に変化し、これによりパチンコ球が始動入賞口15に誘導される確率が変わるとともに、パチンコ球を誘導する誘導路を構成する球誘導溝23の長さ自体が変わることでパチンコ球の動きが多様に変化することで、パチンコ球の流下速度が抑制されてパチンコ球の動きが単調となることを回避することができる。
【0053】
また、特に本実施例における回転体24は、長さの異なる第1誘導溝23aと第2誘導溝23bとが周面に複数形成され、周方向に向けた回転により第1誘導溝23aと第2誘導溝23bとが誘導位置に選択的に配置されるようになっているため、簡単な機構で球誘導溝23の長さを変化させることができる。
【0054】
さらに、本実施例における回転体24は、常時周方向に向けて回転するようになっているため、パチンコ球は球誘導溝23に沿って移動しつつ、かつ、回転体24の回転により周方向に向けて移動するため、パチンコ球の動きをより複雑とすることができるため、遊技の興趣が向上する。
【0055】
なお、本実施例においては、回転体24は一定速度で常時周方向に回転するようになっていたが、周方向に向けた回転により第1誘導溝23aと第2誘導溝23bとが誘導位置に選択的に配置されるようになっていれば、回転体24は一定速度で常時周方向に回転していなくてもよく、例えば各第1誘導溝23a、第2誘導溝23bが誘導位置に位置したときに所定時間(例えば2秒間)停止するようにし、所定角度ずつ間欠的に回転するようにしてもよいし、第1誘導溝23a及び第2誘導溝23bを周面に1本ずつ形成し、回転体24を周方向に正逆回転させることによりこれら両溝を往復動させることで誘導位置に選択的に配置されるようにしてもよい。
【0056】
また、本実施例においては、長尺の第1誘導溝23aによりパチンコ球を誘導する状態を前記第1の状態としている、すなわち、第1誘導溝23aが誘導位置に位置したときにパチンコ球が特定通路21に誘導される確率が高くなる。よって、短尺の第2誘導溝21bよりも長尺の第1誘導溝23aにより長い距離誘導されたときほど始動入賞口15に誘導される確率が高いため、始動入賞口15に誘導されたときの充実感がより高まる。
【0057】
次に、図6には、本発明の可動部材の変形例が示されている。
【0058】
前記実施例においては、回転体24の周面に、長さの異なる第1誘導溝23a並びに第2誘導溝23bが交互に複数形成され、回転体24を周方向に回転させることにより球誘導溝23の長さを変化させるようになっていたが、本発明にあっては、可動部材の可動により遊技球誘導溝の長さを変化させることができれば、本変形例に示される円柱体34のように、長手方向(軸心方向)に向けて往復動自在に設けられた円柱体34を往復動させることによって、周面に形成された長手方向を向く1本の球誘導溝33を伸縮させるようにしてもよい。
【0059】
本変形例においては、図6(a)に示されるように、円柱体34が中央に向けて伸張した状態(球誘導溝33が長尺となる状態)が、非特定通路22よりも特定通路21にパチンコ球が誘導される確率が高くなる第1の状態であり、図6(b)に示されるように、円柱体34が左側に向けて収縮した状態(球誘導溝33が前記第1の状態よりも短尺となる状態)が、特定通路21よりも非特定通路22にパチンコ球が誘導される確率が高くなる第2の状態である。
【0060】
このような本変形例にあっても、円柱体34の長手方向の往復動によって球誘導溝33の長さを伸縮させることができるため、前述と同様の作用・効果を奏する。また、この円柱体34は周方向に向けて回転しないため、球誘導溝33の先端部まで移動したパチンコ球を隆起部27方向に向けて落下するように補助する補助誘導凹部33aを形成しておくことが好ましい。
【0061】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0062】
例えば、前記実施例における回転体24や変形例の円柱体33は円柱形状に形成されていたが、これら可動部材としての回転体24は周方向に回転、また、円柱体33は長手方向に往復動自在に設けられていれば、角柱状の部材により形成されていてもよい。
【0063】
また、前記実施例の回転体24に形成された第1誘導溝23aまたは第2誘導溝23bにより誘導されたパチンコ球は、回転体24の後方に配置された隆起部27の上面に設けられた特定通路21または非特定通路22に向けて誘導されるようになっていたが、例えば第1誘導溝23aにより誘導されたパチンコ球が、回転体24の軸心方向の端部側方に配設された特定通路21の流下通路21bに誘導されるようになっていてもよい。
【0064】
また、前記実施例の回転体24や特定通路21、非特定通路22は、球誘導領域30における左右側に対向配置されていたが(詳細な図示及び説明は省略)、球誘導領域30の左側もしくは右側のいずれか一方に配設されていてもよい。
【0065】
また、前記実施例における特定通路21に連設される落下穴28から流出したパチンコ球が始動入賞口15に入賞する確率は、非特定通路22を流下したパチンコ球が始動入賞口15に入賞する確率よりも高くなるようになっていれば、入賞確率は100%でなくてもよい。
【0066】
また、前記実施例及び前記変形例における球誘導溝23、33は、回転体の周面を凹設することにより形成されていたが、本発明の遊技球誘導溝はパチンコ球を誘導可能な溝であれば、例えば回転体の周面から外方に向けて突設した一対の側壁等により形成されていてもよい。
【0067】
また、前記実施例において、球誘導領域30は、飾り枠13の下辺部13a形成されていたが、下辺部13aに限らず、例えば飾り枠13の上下方向の略中央位置等に形成される横辺部等に設けられていてもよい。
【0068】
また、前記実施例においては、始動領域は、パチンコ球の入賞により可変表示部12を可変表示させる始動入賞口15にて形成されていたが、パチンコ球の通過により可変表示部12を変動表示させるものであれば、例えば通過ゲート等により形成されていてもよい。
【0069】
また、前記実施例においては、可変表示装置として液晶表示器が適用されていたが、表示状態を変化させることが可能な表示装置であれば、例えばCRT、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス、ドットマトリックス表示や7セグメント表示器を利用したもの等、画像表示式のものであってもよいし、周面に図柄等が配列された回転ドラム等の機械式のものであってもよい。
【0070】
また、前記実施例においては、特別図柄(数字)を変動表示させることで表示状態を変化させる可変表示装置14が適用されていたが、表示状態を変化させることが可能であれば、数字や文字等の識別情報を変動表示させるものだけではなく、図形や模様等を変化させることが可能であるもの等も含む。
【0071】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0072】
本発明の請求項1は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(14)と、該可変表示装置の表示領域(可変表示部12)を形成する表示領域形成部材(飾り枠13)と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球(パチンコ球)の通過(入賞)により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域(始動入賞口15)と、を有する遊技盤(10)を備える遊技機(パチンコ機2)において、前記表示領域形成部材には、遊技球を前記始動領域に誘導する遊技球誘導領域(球誘導領域30)が形成されており、前記遊技球誘導領域は、遊技球を前記始動領域に誘導する確率が高い第1の遊技球誘導路(特定通路21)と、遊技球を前記始動領域に誘導する確率が前記第1の遊技球誘導路よりも低い第2の遊技球誘導路(特定通路22)と、前記遊技球誘導領域の遊技球を前記第1の遊技球誘導路または前記第2の遊技球誘導路に誘導可能な誘導位置に配置される遊技球誘導溝{球誘導溝23(第1誘導溝23a、第2誘導溝23b)/球誘導溝33}を有するとともに、前記遊技球誘導溝の長さを可動により変化させるように設けられた可動部材(回転体24、円柱体34)と、を備え、前記遊技球誘導溝の長さの変化に応じて、前記遊技球誘導溝による遊技球の誘導状態が、前記第2の遊技球誘導路よりも前記第1の遊技球誘導路に遊技球が誘導される確率が高くなる第1の状態(第1誘導溝23aが誘導位置に位置した状態/円柱体34が伸張して球誘導溝33が長尺となる状態)と、前記第1の遊技球誘導路よりも前記第2の遊技球誘導路に遊技球が誘導される確率が高くなる第2の状態(第2誘導溝23bが誘導位置に位置した状態/円柱体34が収縮して球誘導溝33が短尺となる状態)と、に変化するようにした。
【0073】
本発明の請求項2は、前記可動部材(回転体24)は、回動軸を中心として回動自在に設けられるとともに、周面の長手方向に向けて前記遊技球誘導溝{球誘導溝23(第1誘導溝23a、第2誘導溝23b)}が形成された円柱形状をなす回動体(回転体24)からなり、前記遊技球誘導溝は、所定長さの第1の遊技球誘導溝(第1誘導溝23a)と、前記回動体の回動方向に対して前記第1の遊技球誘導溝とは異なる位置に形成され、該第1の遊技球誘導溝よりも長さが短寸の第2の遊技球誘導溝(第2誘導溝23b)と、を含む。
【0074】
本発明の請求項3は、前記遊技球誘導溝(球誘導溝23、33)の長さが長尺となる状態(第1誘導溝23aが誘導位置に配置された状態/円柱体34が伸張して球誘導溝33が長尺となる状態)を前記第1の状態とした。
【0075】
本発明の請求項4は、前記可動部材(円柱体34)は、周面の長手方向に向けて前記遊技球誘導溝(球誘導溝33)が形成されるとともに、該遊技球誘導溝の長手方向に向けて往復移動自在に設けられた柱体(円柱体)からなり、前記往復移動により前記遊技球誘導溝の長さを伸縮可能に設けられている。
【0076】
本発明の請求項5は、前記遊技球誘導溝{球誘導溝23(第1誘導溝23a、第2誘導溝23b)}の上流側に配置される遊技球通路(流下通路15)は、遊技球(パチンコ球)の流下経路を左右方向に蛇行させるための蛇行部(クランク通路部25a)を備える。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施例としてのパチンコ機を示す正面図である。
【図2】図1のパチンコ機の可変表示装置を示す正面図である。
【図3】(a)、(b)は球誘導領域の要部を示す斜視図である。
【図4】球誘導領域におけるパチンコ球の流れを示す斜視図である。
【図5】同じく球誘導領域におけるパチンコ球の流れを示す斜視図である。
【図6】(a)、(b)は本発明の変形例としての可動部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1 パチンコ機
12 可変表示部
13 飾り枠
13a 下辺部
14 可変表示装置
15 始動入賞口
21 特定通路
22 非特定通路
23a 第1誘導溝
23b 第2誘導溝
24 回転体
25 流下通路
33 球誘導溝
34 円柱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示状態を変化させることが可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示領域を形成する表示領域形成部材と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球の通過により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域と、を有する遊技盤を備える遊技機において、
前記表示領域形成部材には、遊技球を前記始動領域に誘導する遊技球誘導領域が形成されており、
前記遊技球誘導領域は、
遊技球を前記始動領域に誘導する確率が高い第1の遊技球誘導路と、
遊技球を前記始動領域に誘導する確率が前記第1の遊技球誘導路よりも低い第2の遊技球誘導路と、
前記遊技球誘導領域の遊技球を前記第1の遊技球誘導路または前記第2の遊技球誘導路に誘導可能な誘導位置に配置される遊技球誘導溝を有するとともに、前記遊技球誘導溝の長さを可動により変化させるように設けられた可動部材と、
を備え、
前記遊技球誘導溝の長さの変化に応じて、前記遊技球誘導溝による遊技球の誘導状態が、前記第2の遊技球誘導路よりも前記第1の遊技球誘導路に遊技球が誘導される確率が高くなる第1の状態と、前記第1の遊技球誘導路よりも前記第2の遊技球誘導路に遊技球が誘導される確率が高くなる第2の状態と、に変化するようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動部材は、回動軸を中心として回動自在に設けられるとともに、周面の長手方向に向けて前記遊技球誘導溝が形成された円柱形状をなす回動体からなり、
前記遊技球誘導溝は、
所定長さの第1の遊技球誘導溝と、
前記回動体の回動方向に対して前記第1の遊技球誘導溝とは異なる位置に形成され、該第1の遊技球誘導溝よりも長さが短寸の第2の遊技球誘導溝と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技球誘導溝の長さが長尺となる状態を前記第1の状態としたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記可動部材は、周面の長手方向に向けて前記遊技球誘導溝が形成されるとともに、該遊技球誘導溝の長手方向に向けて往復移動自在に設けられた柱体からなり、
前記往復移動により前記遊技球誘導溝の長さを伸縮可能に設けられていることを特徴とする請求項1または3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技球誘導溝の上流側に配置される遊技球通路は、遊技球の流下経路を左右方向に蛇行させるための蛇行部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate