説明

遊技機

【課題】カード遊技のスムーズな進行を妨げることなく行われる付加遊技を提供することで、遊技者のカード遊技に対する興趣を向上させる遊技機を提供すること。
【解決手段】ドローポーカーの内部抽籤処理(S31)では、ディールされるトランプカードに加えて、ドローされ得るトランプカードも決定されている。従って、今回の単位遊技において成立し得るポーカー役が判明し、その成立し得るポーカー役のうち最大の配当が付与される最適役も判明する。そこで、実際に成立して配当を付与された当選役と最適役とが異なる単位遊技が行われるたびに、最適役と当選役との差額配当を貯留していき、その貯留された差額配当を、実際に成立して配当を付与された当選役が所定役である単位遊技のときに、払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード遊技を行う遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機の一種として、ディスプレイ上にカードを表示することによりカードを遊技者に配付し遊技を行わせる、ビデオポーカー遊技機が知られている。ビデオポーカーにおいては、例えば、5枚のカードが配られた後に、遊技者の選択操作によりカードを1回交換することができる。ここで遊技者が、交換をせずに残すカードすなわちホールドするカードを選択した場合には、ホールドしない残りのカードは裏返しとなり、遊技者がボタンを押すことにより、交換後の新たなカードが表示される(例えば、特許文献1参照)。そして、ホールドしたカードと交換後の新たなカードとの組み合せによって成立する役に応じ、遊技の結果が決定される。
このようにポーカー遊技機は、交換後のカードが表示される際に、遊技者が、高い役に成立するのではないかと期待し、遊技を楽しむようにさせるのである。
【特許文献1】特開2001−70642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そして、カード遊技が単調になることを避けるため、様々な演出や新たな遊技を付加する遊技機あるが、この演出・新たな遊技が派手・複雑になると、かえってカード遊技のリズムが狂ってしまうという遊技者もいた。
【0004】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、カード遊技のスムーズな進行を妨げることなく行われる付加遊技を提供することで、遊技者のカード遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、複数のカードを表示するための表示手段(例えば、下側画像表示パネル6)と、二つ以上の役が成立し得るカード抽籤を行うカード抽籤手段(例えば、メインCPU41,S31)と、前記カード抽籤手段のカード抽籤結果及び遊技者の操作に基づいて前記表示手段に最終的に表示させる複数のカードを決定し、且つ、決定された複数のカードを前記表示手段に最終的に表示させる表示制御手段(例えば、メインCPU41,グラフィックボード68)と、前記表示手段に最終的に表示された複数のカードの組合せによって複数の所定役のうちいずれかが成立する場合に当該所定役に対応した配当を付与する配当付与手段(例えば、メインCPU41,S80)と、を有する遊技機(例えば、ポーカーゲーム機1)であって、前記配当付与手段で付与された配当に対応した所定役が前記カード抽籤手段のカード抽籤結果及び遊技者の操作より成立し得る二つ以上の役のうち最高の配当に対応した最適役と異なる場合には前記最適役に対応した配当と前記配当付与手段で付与された配当との差額を遊技価値として自動的に積み立てる遊技機価値積立手段(例えば、メインCPU41,S72)と、前記遊技価値積立手段で積み立てられた遊技価値を所定条件が成立したときに払い出す遊技価値払出手段(例えば、メインCPU41,S93)と、を備えたこと、を特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する遊技機(例えば、ポーカーゲーム機1)であって、前記表示手段(例えば、下側画像表示パネル6)に最終的に表示された複数のカードの組合せによって特定役が成立する場合を前記遊技価値払出手段(例えば、メインCPU41,S90)の所定条件が成立したとすること、を特徴としている。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載する遊技機(例えば、ポーカーゲーム機1)であって、前記表示手段(例えば、下側画像表示パネル6)に特定のカードが表示された場合を前記遊技価値払出手段(例えば、メインCPU41,S90)の所定条件が成立したとすること、を特徴としている。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載する遊技機(例えば、ポーカーゲーム機1)であって、前記遊技価値払出手段(例えば、メインCPU41)の所定条件が成立するか否かの抽籤を行う遊技価値抽籤手段(例えば、メインCPU41,S101)を備えたこと、を特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
すなわち、本発明の遊技機では、カード抽籤結果及び遊技者の操作に基づいて最終的に表示される複数のカードの組合せによって複数の所定役のうちいずれかが成立する場合に当該所定役に対応した配当を付与するカード遊技が進行するが、このとき、付与された配当に対応した所定役がカード抽籤結果及び遊技者の操作より成立し得る二つ以上の役のうち最高の配当に対応した最適役と異なる場合にはその最適役に対応した配当と実際に付与された配当との差額を遊技価値として自動的に積み立てておき、その積み立てられた遊技価値は所定条件が成立したときに払い出される付加遊技も、カード遊技のスムーズな進行を妨げることなく行われており、もって、遊技者のカード遊技に対する興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本発明の実施の形態では、カード遊技機の一態様として、ポーカーゲーム機を挙げる。そこで、本実施の形態のポーカーゲーム機で行われるポーカーゲームの内容を簡単に説明する。本実施の形態のポーカーゲーム機は、1組のトランプカードを使ってビデオポーカーを行うものであって、ポーカーゲームのある時点で自分のトランプカードを、全てあるいは何枚か捨てて新しいトランプカードをもらえることができるドローポーカーを行うものである。具体的に言えば、ここでは、遊技媒体であるコイン等が供されると、5枚のトランプカードがディール(配付)されて表示される。その後、遊技者は、ポーカーの役(ロイヤルフラッシュ、ストレートフラッシュ、フォーカード、フルハウス、フラッシュ、ストレート、スリーカード、トゥーペア等)を完成させるために、ディール(配付)された5枚のトランプカードの中から必要と判断したトランプカードをホールドする(手元に残す)一方で、不要と判断したトランプカードを新たなトランプカードにドロー(交換)させる。その結果、上記役が成立した場合には、配当として、当該役に対応した枚数のコイン等が付与される。
【0011】
次に、本実施形態のポーカーゲーム機の概略構成について、図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本実施形態のポーカーゲーム機の斜視図である。図2は、本実施の形態のポーカーゲーム機の概略構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態のポーカーゲーム機1は、キャビネット2と、キャビネット2の上側に設置されたトップボックス3と、キャビネット2の前面に設けられたメインドア4とを備えている。
【0013】
また、トップボックス3前面には、上側画像表示パネル7が設けられている。ここで、上側画像表示パネル7は、公知の透明液晶パネルによって構成されており、通常、デモンストレーション画像や、ゲームルールや配当表等のポーカーゲーム機1の遊技に係る情報を表示する。
【0014】
一方、メインドア4の前方には、下側画像表示パネル6が設けられている。ここで、下側画像表示パネル6は、公知の透明液晶パネルによって構成されており、通常、ポーカーゲーム機1で行われるビデオポーカー(ドローポーカー)の遊技内容を表示する。
【0015】
また、下側画像表示パネル6の下方には、遊技者による遊技進行に係る指示が入力される複数のボタンが配設されたコントロールパネル20と、遊技媒体であるコインをキャビネット2内に受け入れるコイン受入口21と、紙幣識別器22とが設けられている。
コントロールパネル20には、スタートボタン13と、チェンジボタン14と、CASHOUTボタン15と、1−BETボタン16と、最大BETボタン17、カード交換ボタン18、第1ホールドボタン91、第2ホールドボタン92、第3ホールドボタン93、第4ホールドボタン94、第5ホールドボタン95とが設けられている。スタートボタン13は、5枚のトランプカードをディール(配付)させる指示を入力するための操作手段である。チェンジボタン14は、遊技場の係員に両替を要求する際に用いられる操作手段である。CASHOUTボタン15は、遊技者が所有するクレジット数に応じたコイン(1クレジットがコイン1枚に相当)をコイン払出口23からコイントレイ24に払い出す指示、又は後述するバーコード付チケット25により払い出す指示を入力するための操作手段である。
1−BETボタン16は、遊技者の所有するクレジットの内、1クレジットを遊技に賭ける(ベットする)指示を受け付けるための操作手段である。また、最大BETボタン17は、遊技者の所有するクレジットのうち、1回の遊技に賭けることが可能な最大クレジット数(本実施形態では40クレジット)を遊技に賭ける指示を受け付けるための操作手段である。
5個のホールドボタン91,92,93,94,95は、ディール(配付)された5枚のトランプカードの中から必要と判断したトランプカードをホールドする(手元に残す)指示を入力するための操作手段である。
カード交換ボタン18は、不要と判断したトランプカードを新たなトランプカードにドロー(交換)させる指示を入力するための操作手段である。
【0016】
コイン受入口21の内部には、リバータ21S及びコインカウンタ21C(図2参照)が設けられている。そして、リバータ21Sによってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別し、正規のコイン以外のものは、コイン払出口23から排出する。また、コインカウンタ21Cによって、受け入れられた正規のコインを検出し、その枚数をカウントする。
【0017】
また、紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット2内に受け入れるものである。そして、キャビネット2内に投入された紙幣はコイン枚数に換算され、換算されたコイン枚数に相当するクレジットが遊技者の所有クレジットとして加算される。尚、紙幣識別器22は、後述するバーコード付チケット25を読み取ることができるように構成されている。メインドア4の下部前面、即ち、コントロールパネル20の下方には、ポーカーゲーム機1のキャラクタ等が描かれたベリーガラス26が設けられている。
【0018】
尚、本実施形態のポーカーゲーム機1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)が用いられる。但し、本発明に適用可能な遊技媒体は、これに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットを挙げることができる。
【0019】
また、上側画像表示パネル7の下側には、チケットプリンタ30と、カードリーダ31と、データ表示器32と、キーパッド33とが設けられている。
ここで、チケットプリンタ30は、クレジット数や日時やポーカーゲーム機1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット25として出力する印刷装置である。そして、遊技者は、出力されたバーコード付チケット25を他の遊技機に読み取らせて当該遊技機で遊技を行ったり、遊技場の所定箇所における手続の際に使用することができる。
カードリーダ31は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行う。スマートカードは、遊技者が所持するカードであり、例えば、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。
データ表示器32は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ31が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド33を介して入力されたデータを表示する。また、キーパッド33は、チケット発行等に関する指示やデータを入力する際に用いられる。更に、トップボックス3の上面にはランプ35が設けられている。ランプ35は、ポーカーゲーム機1でエラーが発生した場合等、遊技場の店員等を呼び出す場合に所定の点灯態様で点灯される。
【0020】
次に、本実施形態のポーカーゲーム機1の制御系に係る構成について図2に基づき説明する。
【0021】
図2に示すように、ポーカーゲーム機1の制御系は、基本的にマザーボード40とゲーミングボード50から構成されている。
先ず、ゲーミングボード50について説明すると、ゲーミングボード50は、内部バスによって互い接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sを備えている。
【0022】
メモリカード53は、不揮発性メモリで構成されており、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラム(以下、ゲームプログラム等という)が記録された記録媒体である。メモリカード53に記録されたゲームプログラムには、抽籤プログラムが含まれている。この抽籤プログラムは、ディール(配付)されて表示される5枚のトランプカードとドロー(交換)されて改めて表示され得る5枚のトランプカードとを決定するためのプログラムである。そして、抽籤プログラムには、複数種類のペイアウト率(例えば、80%、84%、88%)の夫々に対応したシンボル重み付けデータが含まれている。
また、ペイアウト率は、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データに基づいて定められるものであり、このペイアウト率に対応したシンボル重み付けデータに基づいて抽籤が行われる。
【0023】
また、カードスロット53Sは、メモリカード53を挿抜可能なように構成され、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。従って、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム等の書き換えを行うことで、ポーカーゲーム機1で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。又、別のゲームプログラム等が記憶されているメモリカード53と交換することで、ポーカーゲーム機1で行われる遊技の種類や内容を変更することも可能である。
尚、ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラムや遊技中に出力される画像データや音データ等に加えて、ゲームルールや配当表等の画像データ、デモンストレーション画像が含まれている。
【0024】
GAL54は、OR固定型アレイ構造を有するPLDの一種である。GAL54は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えていて、入力ポートに所定のデータが入力されると、該データに対応したデータを出力ポートから出力する。この出力ポートから出力されたデータが上述したペイアウト率設定用データである。
【0025】
また、ICソケット54Sは、GAL54を着脱可能なように構成されていて、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。従って、GAL54の書き換えやGAL54自体の交換を行うことにより、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データを変更することができる。
【0026】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。PCIバスは、マザーボード40とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード40からゲーミングボード50への電力供給を行う。ROM55には、国識別情報及び認証プログラムが記憶される。ブートROM52には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0027】
認証プログラムは、ゲームプログラム等を認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。認証プログラムは、認証取込処理の対象となるゲームプログラム等の改竄チェックの手順に沿って記述されている。予備認証プログラムは、上述した認証プログラムを認証するためのプログラムであり、認証処理の対象となる認証プログラムの改竄チェックの手順に沿って記述されている。
【0028】
続いて、マザーボード40について説明する。マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU41と、ROM42と、RAM43と、通信インターフェイス44とを備えている。
【0029】
ROM42には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU41により実行されるBIOS等のプログラムや配当テーブル(図12参照)等の恒久的なデータが記憶されている。メインCPU41によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われ、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム等の取込処理がゲーミングボード50を介して開始される。
【0030】
RAM43には、メインCPU41が作動する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。また、RAM43は、ゲーミングボード50を介して読み出される認証プログラム、ゲームプログラム等の各種プログラムや、遊技者が現在所有するクレジット数等の各種情報を記憶することができる。
【0031】
また、通信インターフェイス44は、通信回線を介して遊技場内に設置されたサーバ等との通信を行うための通信装置である。ポーカーゲーム機1は、後述する遊技機処理(図13参照)におけるベット情報、ディール処理の内部抽籤結果等を通信インターフェイス44を介してサーバ等との間で通信する。
【0032】
また、マザーボード40には、後述する本体PCB60及びドアPCB80が、夫々USBによって接続されている。更に、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。電源ユニット45からマザーボード40に電力が供給されると、マザーボード40のメインCPU41が起動される。更に、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給され、CPU51が起動される。
【0033】
本体PCB60及びドアPCB80には、メインCPU41に対する入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41からの制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラム等を実行する。そして、所定の演算処理を行うことにより、演算結果のRAM43への記憶や各機器や装置に対する制御処理を行う。
【0034】
本体PCB60には、ランプ35、ホッパー66、コイン検出部67、グラフィックボード68、スピーカ28(図1参照)、タッチパネル11、紙幣識別器22、チケットプリンタ30、カードリーダ31、キースイッチ33S及びデータ表示器32が接続されている。
【0035】
ここで、タッチパネル11は、下側画像表示パネル6の前面に配置され、遊技者により接触された部分の座標位置を特定し、特定した座標位置情報に基づいて遊技者がどこに触れたか、更に、触れた箇所がどの方向に移動したのかを判別することができる。
【0036】
ホッパー66は、キャビネット2内に設置されていて、メインCPU41からの制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口23からコイントレイ24に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口23の内部に配設され、コイン払出口23から所定枚数のコインが払い出されたことを検出すると、メインCPU41に入力信号を出力する。
【0037】
グラフィックボード68は、メインCPU41からの制御信号に基づいて、上側画像表示パネル7、下側画像表示パネル6における画像表示を制御する。
ここで、グラフィックボード68は、メインCPU41からの制御信号に基づいて画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM69等を備えている。尚、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、ゲームプログラム内に含まれている。
【0038】
また、紙幣識別器22は、紙幣やバーコード付チケット25の適否を識別するとともに正規の紙幣やバーコード付チケット25をキャビネット2内に受け入れる。紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。また、正規のバーコード付チケット25に記録されているコインの枚数に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0039】
チケットプリンタ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、RAM43に記憶されたクレジット数等のデータをコード化したバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット25として出力する。
また、カードリーダ31は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行ったりする。キースイッチ33Sは、キーパッド33に設けられていて、キーパッド33が遊技者によって操作されたとき、所定の入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器32は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ31が読み取ったデータや遊技者によってキーパッド33を介して入力されたデータを表示する。
【0040】
一方、ドアPCB80には、コントロールパネル20、リバータ21S、コインカウンタ21C、冷陰極管81が接続されている。コントロールパネル20には、スタートボタン13に対応するスタートスイッチ13S、チェンジボタン14に対応するチェンジスイッチ14S、CASHOUTボタン15に対応するCASHOUTスイッチ15S、1−BETボタン16に対応する1−BETスイッチ16S、最大BETボタン17に対応する最大BETスイッチ17S、カード交換ボタン18に対応するカード交換スイッチ18S、第1ホールドボタン91に対応する第1ホールドスイッチ91S、第2ホールドボタン92に対応する第1ホールドスイッチ92S、第3ホールドボタン93に対応する第1ホールドスイッチ93S、第4ホールドボタン94に対応する第1ホールドスイッチ94S、第5ホールドボタン95に対応する第1ホールドスイッチ95Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンが遊技者によって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0041】
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、遊技者によってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口23から排出され、正規のコインを検出したときには、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0042】
リバータ21Sは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、ポーカーゲーム機1内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)又はホッパー66に振り分ける。冷陰極管81は、下側画像表示パネル6と、上側画像表示パネル7の背面側に設置されており、メインCPU41からの制御信号に基づいて点灯し、バックライトとして機能する。
【0043】
次に、本実施形態のポーカーゲーム機1における遊技手順の具体例を、図3〜図11に基づいて説明する。
図3は、ポーカーゲームが展開される前において、スタンバイ状態にある下側画像表示パネル6の表示画面132(以下、単に「表示画面132」という)の一例を示した図である。また、図4〜図11は、ポーカーゲームが展開されている際において、表示画面132に表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【0044】
先ず、トランプカードに関する用語ついて説明する。「スーツ」とは、トランプカードのマークのことをいい、スペード、ハート、ダイア、クラブの4種類がある。
また、「絵柄」とは、トランプカードのスーツと数字の組合せで決まるカードの種類のことをいい、例えば、ハートのエース、スペードのキングなどがある。
また、「数字」とは、トランプカードの数字のことをいい、A(エース、1に相当)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J(ジャック、11に相当)、Q(クィーン、12に相当)、K(キング、13に相当)の13種類がある。
さらに、「図柄」とは、「スーツ」及び「絵柄」、「数字」を含めたものをいう。
【0045】
そして、本実施形態のポーカーゲーム機1では、図3に示すように、表示画面132がスタンバイ状態のタイトル画面である場合に、コイン受入口21にコインを投入したり、紙幣識別器22に紙幣を投入したり、配当としてコイン等が付与されたりすると、RAM43に確保された記憶領域にクレジットがある状態になり、表示画面132の右上隅のクレジット数表示欄132aにおいて、クレジット数が表示される。例えば、図3に示すように、クレジット数が「100000」である場合には、表示画面132の右上隅のクレジット数表示欄132aにおいて、「100000」の文字が表示される。この状態で、1−BETボタン16が押下されると、その押下毎に、RAM43に確保された記憶領域のベット数が一つ加算される。また、最大BETボタン17が押下されると、その押下によって、RAM43に確保された記憶領域のベット数が「40」となる。そして、当該ベット数が「1」以上であれば、ドローポーカーを行うことができる。さらに、このとき、表示画面132の左上隅のベット数表示欄132bにおいて、現在のベット数が表示される。例えば、当該ベット数が「1」である場合には、図3に示すように、表示画面132の左上隅のベット数表示欄132bにおいて、「1」の文字が表示され、また、当該ベット数が「10」である場合には、図4〜図11に示すように、表示画面132の左上隅のベット数表示欄132bにおいて、「10」の文字が表示される。
【0046】
尚、本実施形態のポーカーゲーム機1において、ポーカーゲームが展開されている最中は、図3〜図11に示すように、表示画面132の中央には、トランプカードを配付するディーラーであるキャラクタ132c(以下、「ディーラー132c」という)が表示される。
【0047】
ここで、ポーカー役について説明する。「ポーカー役」とは、ドローポーカーで5枚のトランプカードのうち一部又は全部が、一定の規則に基づき一致する態様であり、具体的には、ここでは、トゥーペア、スリーカード、ストレート、フラッシュ、フルハウス、フォーカード、ストレートフラッシュ、ロイヤルフラッシュがある(図12参照)。この点、トゥーペアとは、2枚のトランプカードの数字が一致するものが2組ある態様をいう。また、スリーカードとは、3枚のトランプカードの数字が一致するものが1組ある態様をいう。また、ストレートとは、スーツの一致は問わないが、5枚のトランプカードがA、2、・・・、10、J、Q、K、Aの数字順で連続する態様をいう。また、フラッシュとは、5枚全てのトランプカードのスーツが一致する態様をいう。また、フルハウスとは、2枚のトランプカードの数字が一致するものが1組あり、3枚のトランプカードの数字が一致するものが1組ある態様をいう。また、フォーカードとは、4枚のトランプカードの数字が一致するものが1組ある態様をいう。また、ストレートフラッシュとは、ストレートかつフラッシュの態様をいう。また、ロイヤルフラッシュとは、ストレートかつフラッシュで、数字が10、J、Q、K、Aの順で並ぶ態様をいう。
【0048】
そして、各ポーカー役には、図12に示すように、番号及び配当が設けられている。図12は、各ポーカー役に設けられた番号及び配当が示された配当テーブルである。
【0049】
先ず、各ポーカー役に設けられた番号について説明する。
図12の配当テーブルで示すように、トゥーペアのポーカー役には「No.8」の番号が付されている。また、スリーカードのポーカー役には「No.7」の番号が付されている。また、ストレートのポーカー役には「No.6」の番号が付されている。また、フラッシュのポーカー役には「No.5」の番号が付されている。また、フルハウスのポーカー役には「No.4」の番号が付されている。また、フォーカードのポーカー役には「No.3」の番号が付されている。また、ストレートフラッシュのポーカー役には「No.2」の番号が付されている。また、ロイヤルフラッシュのポーカー役には「No.1」の番号が付されている。
【0050】
次に、各ポーカー役に設けられた配当について説明する。
図12の配当テーブルで示すように、ポーカー役としてトゥーペアを確定させたときは、「1」のベット数につき1枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、40枚のコインが付与される。また、ポーカー役としてスリーカードを確定させたときは、「1」のベット数につき2枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、80枚のコインが付与される。また、ポーカー役としてストレートを確定させたときは、「1」のベット数につき5枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、200枚のコインが付与される。
【0051】
また、ポーカー役としてフラッシュを確定させたときは、「1」のベット数につき20枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、800枚のコインが付与される。また、ポーカー役としてフルハウスを確定させたときは、「1」のベット数につき50枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、2000枚のコインが付与される。また、ポーカー役としてフォーカードを確定させたときは、「1」のベット数につき100枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、4000枚のコインが付与される。また、ポーカー役としてストレートフラッシュを確定させたときは、「1」のベット数につき200枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、8000枚のコインが付与される。また、ポーカー役としてロイヤルフラッシュを確定させたときは、「1」のベット数につき1000枚のコインが付与される。従って、「40」の最大ベット数のときは、最大配当として、40000枚のコインが付与される。
【0052】
尚、図12に示す配当テーブルは、上述したように、ROM42に記憶されているが、また、各ポーカー役についても、トランプカードの全ての組合せが記憶されている。
【0053】
<ポーカーのディール>
その後、スタートボタン13が押下されると、ペイアウト率が反映された抽籤プログラムにより発生させた乱数による内部抽籤に基づいて、5枚のトランプカードがディール(配付)される。このとき、ドロー(交換)される5枚のトランプカードも決定される。このとき、表示画面132では、ディール(配付)された5枚のトランプカードは、先ず、図4や図5の表示画面132に示すように、伏せられた状態の伏せ札として表示される。
そして、表示画面132では、伏せられた状態にある5枚のトランプカードが、図6や図7の表示画面132に示すように、左側から順に表側にめくられて表示される。
【0054】
<ポーカーのドロー>
その後は、表示画面132において、例えば、図7の表示画面132に示すように、「HOLD AND DRAW」の文字が表示され、表側にめくられて表示された5枚のトランプカードのうち、ホールドする(手元に残す)トランプカードを遊技者が選択する。その選択には、各トランプカードの真下にそれぞれ位置する各ホールドボタン91,92,93,94,95(図1参照)を使用する。尚、図3〜図11では、表示画面132の下に各ホールドボタン91,92,93,94,95を記載することにより、表示画面132の中央下部に表示されたトランプカードと各ホールドボタン91,92,93,94,95の位置関係を明確にした。
【0055】
従って、このとき、図7に示す表示画面132で言えば、最左端にある「クラブの7」のトランプカードをホールドする場合には、当該「クラブの7」のトランプカードの真下に位置するホールドボタン91を押下する。また、左端から2番目にある「ダイアのA(1)」のトランプカードをホールドする場合には、当該「ダイアのA(1)」のトランプカードの真下に位置するホールドボタン92を押下する。また、右端から3番目にある「ダイアの2」のトランプカードをホールドする場合には、当該「ダイアの2」のトランプカードの真下に位置するホールドボタン93を押下する。また、右端から2番目にある「ダイアの6」のトランプカードをホールドする場合には、当該「ダイアの6」のトランプカードの真下に位置するホールドボタン94を押下する。また、最右端にある「ダイアの7」のトランプカードをホールドする場合には、当該「ダイアの7」のトランプカードの真下に位置するホールドボタン95を押下する。
【0056】
そして、このとき、ホールドボタン91が押下されると、表示画面132に表示された最左端の「クラブの7」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HOLD」の文字が表示される。また、ホールドボタン92が押下されると、表示画面132に表示された左端から2番目の「ダイアのA(1)」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HOLD」の文字が表示される。また、ホールドボタン93が押下されると、表示画面132に表示された右端から3番目にある「ダイアの2」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HOLD」の文字が表示される。また、ホールドボタン94が押下されると、表示画面132に表示された右端から2番目にある「ダイアの6」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HOLD」の文字が表示される。また、ホールドボタン95が押下されると、表示画面132に表示された最右端の「ダイアの7」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HOLD」の文字が表示される。
【0057】
尚、図8では、説明の便宜上、遊技者は、「クラブの7」,「ダイアのA(1)」,「ダイアの2」,「ダイアの6」,「ダイアの7」のトランプカードの組合せ(「配付状況」に相当するもの)を見た結果、フラッシュを成立させようと試みて、「ダイアのA(1)」,「ダイアの2」,「ダイアの6」,「ダイアの7」の4枚のトランプカードをホールドすることを決意し、ホールドボタン92,93,94,95を押下したものとする。そのため、表示画面132には、図8に示すように、表示画面132に表示された左端から2番目にある「ダイアのA(1)」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HELD」の文字が表示され、また、表示画面132に表示された右端から3番目の「ダイアの2」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HELD」の文字が表示され、表示画面132に表示された右端から2番目の「ダイアの6」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HELD」の文字が表示され、表示画面132に表示された最右端の「ダイアの7」のトランプカードに重ねて、当該トランプカードがホールドされたことを意味する「HELD」の文字が表示されている。
【0058】
尚、ホールドする(手元に残す)トランプカードを遊技者が選択する際には、各ホールドボタン91,92,93,94,95に代わって、下側画像表示パネル6(表示画面132)の前面に配置されたタッチパネル11を使用してもよい。この場合には、表示画面132に表示された5枚のトランプカードのうち、ホールドする(手元に残す)トランプカードを遊技者がタッチパネル11を介してタッチすることにより行う。
【0059】
そして、ホールドするトランプカードの選択を終えたら、カード交換ボタン18を押下する。
但し、このときに、いずれのトランプカードもホールドしない場合には、ホールドボタン91,92,93,94,95のいずれも押下することなく、カード交換ボタン18を押下する。
【0060】
その後は、ホールドの選択から外れたトランプカードについてドロー(交換)が行われる。このとき、表示画面132では、ドロー(交換)されたトランプカードは、先ず、図9の表示画面132に示すように、伏せられた状態の伏せ札として表示される。
尚、ドロー(交換)されるトランプカードは、上述したように、5枚のトランプカードがディール(配付)される際に既に内部抽籤により決定されているが、この点については後述する。
さらに、伏せられた状態でドロー(交換)されたトランプカードは、表側にめくられて表示される。
そして、表示画面132において、伏せられた状態でドロー(交換)されたトランプカードが、表側にめくられた後は、ドロー(交換)されたトランプカードとホールドされたトランプカード(見せられた状態で「HELD」の文字が重ねられて表示されたもの)とを合わせた遊技者側の5枚のトランプカードでポーカー役のいずれかが成立している場合には、当該ポーカー役の名称とその配当が表示される。例えば、図10の表示画面132に示すように、遊技者側の5枚のトランプカードに重ねて、「FLUSH」や「WIN 200 CREDITS !!」の文字が表示される。
【0061】
一方、ドロー(交換)されたトランプカードとホールドされたトランプカード(見せられた状態で「HELD」の文字が重ねられて表示されたもの)とを合わせた遊技者側の5枚のトランプカードでポーカー役のいずれもが成立していない場合には、表示画面132において、ゲームオーバーの旨が表示された後、スタンバイ状態のタイトル画面に戻る。例えば、図11の表示画面132に示すように、5枚のトランプカードに重ねて、「YOU LOSE...」の文字が表示された後に、図3の表示画面132に示すように、スタンバイ状態のタイトル画面に戻る。
【0062】
次に、本実施の形態のポーカーゲーム機1におけるポーカーゲームの制御動作について、図13〜図18に基づいて説明する。図13〜図18は、ゲーム制御動作を示すフローチャート図である。尚、以下に図13〜図18のフローチャートで示す各プログラムはポーカーゲーム機1が備えているROM42やRAM43に記憶されており、メインCPU41により実行される。
【0063】
ポーカーゲーム機1には、既にゲーミングボード50のカードスロット53Sにメモリカード53が差し込まれ、ICソケット54SにGAL54が取り付けられているものとする。そして、電源ユニット45において電源スイッチの投入(電源の投入)が行われると、マザーボード40、ゲーミングボード50が夫々起動し、マザーボード40、ゲーミングボード50は、それぞれ別個の認証読取を並行して行う。
即ち、ゲーミングボード50では、CPU51が、ブートROM52に格納されている予備認証プログラムの読み出しを行い、その読み出した予備認証プログラムに従い、マザーボード40への取込前に予め認証プログラムの改竄が行われていないことを確認及び証明する予備認証を行う。
一方、マザーボード40では、メインCPU41が、ROM42に格納されているBIOSを実行して、BIOSに組み込まれている圧縮データをRAM43に展開し、RAM43に展開されたBIOSの実行と、各種周辺装置の診断と初期化を行う。
【0064】
その後、メインCPU41は、ROM55に格納されている認証プログラムを読み出し、カードスロット53Sに差し込まれているメモリカード53に格納されているゲームプログラム等が改竄されていないことを確認及び証明する認証を行う。この認証処理が正常に終了すると、メインCPU41は、認証対象となった(認証された)ゲームプログラム等をRAM43に書き込み、ペイアウト率設定用データ及び国識別情報を取得する。
上述した処理を行った後、メインCPU41は、認証読取を終了する。
【0065】
そして、メインCPU41は、前記認証読取で認証されたゲームプログラム等をRAM43より順次読み出して実行し、図13に示す遊技機処理を行う。この遊技機処理を実行することにより、本実施形態のポーカーゲーム機1でのポーカーゲームが行われる。そして、この遊技機処理は、ポーカーゲーム機1に電源が供給されている間、繰り返し実行される。
【0066】
すなわち、本実施の形態のポーカーゲーム機1では、図13の遊技機処理が実行され、先ず、ステップ(以下、「S」と略記する)10において、図14のベット処理が行われる。
【0067】
そこで、図14のベット処理について説明すると、先ず、S11において、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタンの押下がなされたか否かを判定し、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下がなされるまで待機する(S11:NO)。この判定は、1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下に基づく1−BETスイッチ16S又は最大BETスイッチ17Sからの入力信号をメインCPU41が受信したり、コイン受入口21又は紙幣識別器22からの入力信号をメインCPU41が受信したことにより行う。そして、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下がなされたと判定したときは(S11:YES)、S12に進む。
【0068】
S12では、ベット数の加算が行われ、RAM43に確保された記憶領域のベット数に「1」を加算した後、S13に進む。
【0069】
S13では、再び、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下がなされたか否かを判定する。この判定も、1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下に基づく1−BETスイッチ16S又は最大BETスイッチ17Sからの入力信号をメインCPU41が受信したり、コイン受入口21又は紙幣識別器22からの入力信号をメインCPU41が受信したことにより行う。このとき、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下がなされたと判定したときは(S13:YES)、S12に戻って、上述した処理を繰り返す。一方、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下がなされないと判定したときは(S13:NO)、S14に進む。
【0070】
S14では、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下の操作が終了されたか否かを判定する。この判定は、スタートボタン13の押下に基づくスタートスイッチ13Sからの入力信号をメインCPU41が受信することにより行う。このとき、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下の操作が終了されていないと判定する場合には(S14:NO)、S13に戻って、上述した処理を繰り返す。一方、コイン又は紙幣の投入あるいは1−BETボタン16又は最大BETボタン17の押下の操作が終了されたと判定する場合には(S14:YES)、ベット数が確定するとともに、図13の遊技機処理に戻り、S30において、図15のディール処理が行われる。
【0071】
そこで、図15のディール処理について説明すると、先ず、S31において、ディールされるトランプカードに関する内部抽籤処理を行う。この処理では、メインCPU41は、この抽籤プログラムによって乱数をサンプリングする。サンプリングされた乱数は、抽籤結果を示す乱数としてRAM43に記憶され、メインCPU41は、メモリカード53に記憶された抽籤テーブルを参照し、当該乱数に対するトランプカード(ディール(配付)されるもの及びドロー(交換)され得るもの)の種類及び対応関係を決定する。そして、当該トランプカードの種類及び対応関係に関するデータをRAM43に記憶した後、S32に進む。
【0072】
ここで、上記S31の決定内容についての具体例を図19に基づいて説明する。内部抽籤処理の結果、例えば、図19の具体例では、ディール(配付)されるトランプカードが「クラブの7」,「ダイアのA(1)」,「ダイアの2」,「ダイアの6」,「ダイアの7」と決定され、ドロー(交換)され得るトランプカードが「ダイアのJ(11)」,「ハートの4」,「クラブの10」,「ダイアの9」,「クラブの6」と決定される。
【0073】
さらに、ここでは、説明の便宜上、ディール(配付)されるトランプカードとドロー(交換)され得るトランプカードとの対応関係を同時に決定している。例えば、図19の具体例では、ディール(配付)されたトランプカードの「クラブの7」がホールドされない(手元に残さない)場合には、それに代わってドロー(交換)されるトランプカードは「ダイアのJ(11)」であり、以下、ディール(配付)されたトランプカードの「ダイアのA(1)」,「ダイアの2」,「ダイアの6」,「ダイアの7」のそれぞれがホールドされない(手元に残さない)場合には、それらに代わってそれぞれドロー(交換)されるトランプカードは「ハートの4」,「クラブの10」,「ダイアの9」,「クラブの6」である。
【0074】
このようにして、ディール(配付)されるトランプカードとドロー(交換)され得るトランプカードとがそれらの対応関係を含めて内部抽籤処理で同時に決定されるので、今回の単位遊技において成立し得るポーカー役もこの時点で判明する。例えば、図19の具体例では、ディール(配付)されたトランプカードの「ダイアのA(1)」,「ダイアの2」,「ダイアの6」,「ダイアの7」がホールドされた(手元に残された)場合には、ホールドから除外された(手元に残さない)トランプカードの「クラブの7」は「ダイアのJ(11)」にドロー(交換)されるので、「1」のベット数につき20枚のコインが付与される配当をもつフラッシュ(ダイヤのスイート)が成立する。また、ディール(配付)されたトランプカードの「ダイヤの6」がホールドされ(手元に残され)且つディール(配付)されたトランプカードの「ダイヤの7」がホールドから除外された(手元に残さない)場合には、ホールドから除外された(手元に残さない)トランプカードの「ダイヤの7」は「クラブの6」にドロー(交換)されるので、「1」のベット数につき1枚のコインが付与される配当をもつトゥーペア(「ダイヤの6」と「クラブの6」)が成立する。
従って、今回の単位遊技において成立し得る各ポーカー役の配当間においては大小関係が存在し、ここでは、今回の単位遊技において成立し得る各ポーカー役のうち、最も大きな配当を持つポーカー役を今回の単位遊技における最適役とする。そして、この最適役がペイアウト率の対象となっている。
尚、今回の単位遊技において成立し得る各ポーカー役やそれらに対応する配当、及び、最適役に該当するポーカー役に関するデータは、成立役関連データとしてRAM43に記憶される。
【0075】
もっとも、ディール(配付)されるトランプカードとドロー(交換)され得るトランプカードとが内部抽籤処理により決定された際に、それらの間に対応関係がなくとも、図19の具体例で言えば、ディール(配付)されたトランプカードの「クラブの7」,「ダイアのA(1)」,「ダイアの2」,「ダイアの6」,「ダイアの7」の一部又は全部をホールドから除外させた(手元に残さなかった)後にドロー(交換)されるトランプカードを「ダイアのJ(11)」,「ハートの4」,「クラブの10」,「ダイアの9」,「クラブの6」の中からランダムに抽出させても、内部抽籤処理の結果が出た時点で上記最適役は決定する。
【0076】
次に、S32では、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、ディール(配付)対象の5枚のトランプカードを伏せた状態で配付表示する(図4,図5参照)。そして、S33においても、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、5枚のトランプカードを左端から順番に表側にめくる表示を行う(図6参照)。このとき、5枚のトランプカードの表側の図柄は、上記S32でRAM43に記憶されたディール(配付)対象のトランプカードの種類に関するデータのものと一致させる。
【0077】
その後は、図13の遊技機処理に戻り、S50において、図16のドロー処理が行われる。
【0078】
そこで、図16のドロー処理について説明すると、先ず、S51において、ホールドの操作が終了されたか否かを判定する。この判定は、カード交換ボタン18の押下に基づくカード交換スイッチ18Sからの入力信号をメインCPU41が受信することにより行う。また、同時に、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、「HOLD AND DRAW」の文字を表示する(図7参照)。そして、表示画面132に「HOLD AND DRAW」の文字が表示されてから所定時間が経過しても、カード交換スイッチ18Sからの入力信号をメインCPU41が受信しないと、ホールドの操作が終了されていないと判定し(S51:NO)、S52に進む。
【0079】
S52では、ホールドボタン91,92,93,94,95が押下されたか否かを判定する。この判定は、ホールドボタン91,92,93,94,95の押下に基づくホールドスイッチ91S,92S,93S,94S,95Sからの入力信号をメインCPU41が受信することにより行う。このとき、ホールドボタン91,92,93,94,95が押下されたと判定する場合には(S52:YES)、S53に進む。
尚、ホールドボタン91,92,93,94,95の各押下操作は、単位遊技当り、夫々1回許される。
【0080】
S53では、上記S52で押下されたと判定されたホールドボタン91,92,93,94,95に対応するトランプカードをホールドする(手元に残す)ことを行う。具体的には、ホールドボタン91,92,93,94,95の押下に基づくホールドスイッチ91S,92S,93S,94S,95Sからの入力信号により、メインCPU41は、ホールドするトランプカードを決定し、当該トランプカードの配付位置に関するデータをRAM43に記憶し、S54に進む。
【0081】
S54では、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、ホールドされたトランプカードに対して「HELD」の文字を重ねて表示する(図8参照)。このとき、ホールドされたトランプカードは、上記S53でRAM43に記憶されたトランプカードの配付位置に関するデータのものと一致させる。
【0082】
その後は、S55に進んで、ホールドの操作が終了されたか否かを判定する。この判定は、カード交換ボタン18の押下に基づくカード交換スイッチ18Sからの入力信号をメインCPU41が受信することにより行う。このとき、ホールドの操作が終了されていないと判定する場合には(S55:NO)、S52に戻って、上述した処理を繰り返す。一方、ホールドの操作が終了されたと判定する場合には(S55:YES)、S56に進む。
【0083】
S56では、再配付処理を行う。この処理では、メインCPU41は、上記S31の決定によりRAM43に記憶されたトランプカードの種類及び対応関係に関するデータに基づいて(図19参照)、ホールドから除外された(手元に残さない)トランプカードに代わってドロー(交換)されるトランプカードの種類を読み出し、そのドロー(交換)されるトランプカード及びホールドされた(手元に残した)トランプカードの種類に関するデータをRAM43に記憶する。その後は、S57に進む。
【0084】
S57では、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、ドロー対象のトランプカードを伏せた状態で配付表示する(図9参照)。そして、S58においても、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、ドロー対象のトランプカードを表側にめくる表示を行う(図10参照)。このとき、ドロー対象のトランプカードの表側の図柄は、上記S56でRAM43に記憶させたトランプカードの種類に関するデータのものと一致させる。
【0085】
その後は、S59に進んで、当選役の判定を行う。また、上述したS51において、表示画面132に「HOLD AND DRAW」の文字が表示されてから所定時間内に、カード交換スイッチ18Sからのスイッチ信号をメインCPU41が受信すると、ホールドを一切行わないものと扱い、ホールドの操作が終了されたと判定し(S51:YES)、このときも、S59に進んで、当選役の判定を行う。そして、S59の判定では、メインCPU41は、表示画面132に表示された5枚のトランプカードの図柄からなる組合せ態様がいずれのポーカー役又ははずれに該当するかを、上記S56でRAM43に記憶させたトランプカードの種類に関するデータとメモリカード53に記憶された判定テーブルとに基づいて行う。
【0086】
その後は、S60に進んで、メインCPU41がグラフィックボード68に対し当選役やはずれに応じた表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、例えば、5枚のトランプカードに重ねて、「FLUSH」や「WIN 200 CREDITS !!」の文字を表示したり(図10参照)、5枚のトランプカードに重ねて「YOU LOSE...」の文字を表示する(図11参照)。
【0087】
その後は、図13の遊技機処理に戻り、S70において、図17の貯留処理が行われる。
【0088】
そこで、図17の貯留処理について説明すると、先ず、S71において、当選役は最適役か否かを判定する。この判定は、上記S31でRAM43に記憶された成立役関連データに基づいてメインCPU41が行う。ここで、当選役は最適役でないと判定したときは(S71:NO)、S72に進んで、メインCPU41は、最適役の配当と当選役の配当の差額を求めて、その差額配当をRAM43に記憶する。このとき、RAM43に差額配当が既に存在する場合(「0」でない場合)には、既に存在する差額配当に加算してRAM43に記憶する。
【0089】
その後は、当選役は最適役であると判定したときも含めて(S71:YES)、図13の遊技機処理に戻り、S80に進む。
【0090】
尚、上述した図17の貯留処理について、図19の具体例を用いて説明すると、図19の具体例では、「1」のベット数につき20枚のコインが付与される配当をもつフラッシュ(ダイヤのスイート)又は「1」のベット数につき1枚のコインが付与される配当をもつトゥーペア(「ダイヤの6」と「クラブの6」)が今回の単位遊技で成立する可能性があり、フラッシュ(ダイヤのスイート)が今回の単位遊技における最適役であるので、フラッシュ(ダイヤのスイート)が当選役のときは差額配当は「0」となり、トゥーペア(「ダイヤの6」と「クラブの6」)が当選役のときは差額配当は「19」となる。尚、ベット数が「2」以上であるときは、差額配当の「19」はベット数で積算される。
【0091】
そして、図13の遊技機処理に戻って、S80が実行されると、当選役に対する配当の払出しが行われる。具体的には、今回の単位遊技で成立した当選役の配当に対応したコインの枚数分の値をRAM43においてクレジットとして加算して記憶する。このとき、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132の右上隅のクレジット数表示欄132aにおいて、クレジット数を変更する。
【0092】
その後は、S90において、図18の貯留配当払出処理が行われる。
【0093】
そこで、図18の貯留配当払出処理について説明すると、先ず、S91において、当選役はフルハウスか否かを判定する。この判定では、上記S59と同様にして、表示画面132に表示された5枚のトランプカードの図柄からなる組合せ態様がフルハウスのポーカー役に該当するかを、メインCPU41が、上記S56でRAM43に記憶させたトランプカードの種類に関するデータとメモリカード53に記憶された判定テーブルとに基づいて行う。ここで、当選役はフルハウスであると判定したときは(S91:YES)、S92に進んで、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、例えば、図20に示すように、「BONUS GET !!」の文字を表示することによって、貯留配当が当たった旨の表示を行う。その後、S93が実行されると、貯留配当の払出しが行われる。具体的には、上記S72でRAM43に加算記憶された差額配当に対応したコインの枚数分の値をRAM43においてクレジットとして加算すして記憶る。このとき、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132の右上隅のクレジット数表示欄132aにおいて、クレジット数を変更する。その後、S94が実行されると、メインCPU41は、RAM43に記憶されている差額配当を「0」にリセットする。
尚、上記S91の判定基準はフルハウスに限るものでなく、その他のポーカーの役等であってもよい。
【0094】
その後は、図13の遊技機処理に戻り、上述したようにして、図13の遊技機処理を繰り返して行う。
【0095】
以上詳細に説明したように、本実施の形態のポーカーゲーム機1では、1組のトランプカードを使ってドローポーカーが行われる。この点、内部抽籤処理(S31)によってディール(配付)されるトランプカードが決定され、遊技者によるホールドボタン91,92,93,94,95の押下操作により、ホールドされる(手元に残される)トランプカードが決定される(S53)。そして、ホールドの選択から外れたトランプカードについてドロー(交換)が行われる(S56〜58)。その後、ドロー(交換)されたトランプカードとホールドされた(手元に残された)トランプカードとを合わせた遊技者側の5枚のトランプカードによってポーカー役のいずれかが成立している場合には、その成立役に対応した配当が付与される(S80)。
【0096】
このとき、内部抽籤処理(S31)では、ディール(配付)されるトランプカードに加えて、ドロー(交換)され得るトランプカードも決定されている(図19参照)。従って、内部抽籤処理(S31)が行われると、今回の単位遊技において成立し得るポーカー役が判明し、その成立し得るポーカー役のうち最大の配当が付与される最適役も判明する。そこで、実際に成立して配当が付与された当選役(ポーカー役の成立役)と最適役とが異なる単位遊技が行われるたびに(S71:NO)、最適役と当選役(ポーカー役の成立役)との差額配当を貯留していき(S72)、その貯留された差額配当を、実際に成立して配当が付与された当選役(ポーカー役の成立役)がフルハウスである単位遊技のときに(S91:YES)、払い出す(S93)。
【0097】
これによって、上記差額配当が付与される付加遊技がドローポーカーのスムーズな進行を妨げることなく行われており、もって、遊技者のドローポーカーに対する興趣を向上させることができる。
【0098】
また、内部抽籤処理(S31)によって決定される最適役はペイアウト率の対象になっていることから、貯留された差額配当を払い出しても(S93)、設定されているペイアウト率の調節するような制御を内部抽籤処理(S31)に対して行う必要がなく、また、期待通りのペイアウト率が維持されることから、ポーカーゲーム機1の設置側が損することがない。
【0099】
また、本実施の形態のポーカーゲーム機1で行われるドローポーカーなどのビデオポーカーは、ある程度の遊技経験を積めば高配当を獲得する遊技技術を身につけることも可能であるので、そのような遊技技術を身につけた遊技者は、差額配当が付与される付加遊技を高配当獲得手段として楽しむことも可能である。
【0100】
また、ドローポーカーのスムーズな進行を妨げることについて配慮しなければ、差額配当が付与される付加遊技をボーナスゲーム的な取り扱いにすることによって、差額配当が付与される機会をプログレッシブボーナスよりも多くすることができる。
【0101】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、図13のS90において、図18の貯留配当払出処理に代えて、図21のミステリー処理を行ってもよい。そこで、図21のミステリー処理について説明すると、先ず、S100において、メインCPU41は、所定図柄のトランプカードが表示画面132に表示されているか否かの判定を、上記S56でRAM43に記憶させたトランプカードの種類に関するデータに基づいて行う。この点、所定図柄しては、例えば、「ハートのA(1)」などがある。ここで、所定図柄のトランプカードが表示画面132に表示されていると判定したときには(S100:YES)、S101に進んで、メインCPU41は、貯留抽籤を行う。この貯留抽籤は、例えば、本プログラムによって所定範囲の乱数値を一つ抽出することによって行う。その後、S102に進むと、メインCPU41は、当りか否かを判定する。この判定は、メインCPU41が、例えば、メモリカード53に予め設定された判定テーブルと上記S101で抽出した乱数値とに基づいて行う。ここで、当りであると判定したときは(S102:YES)、S103に進む。
【0102】
そして、S103では、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132において、例えば、図20に示すように、「BONUS GET !!」の文字を表示することによって、貯留配当が当たった旨の表示を行う。その後、S104が実行されると、貯留配当の払出しが行われる。具体的には、上記S72でRAM43に加算記憶された差額配当に対応したコインの枚数分の値をRAM43においてクレジットとして加算して記憶する。このとき、メインCPU41がグラフィックボード68に対し表示命令を送信し、当該命令を受信したグラフィックボード68は、表示画面132の右上隅のクレジット数表示欄132aにおいて、クレジット数を変更する。その後、S105が実行されると、メインCPU41は、RAM43に記憶されている差額配当を「0」にリセットする。
【0103】
その後は、所定図柄のトランプカードが表示画面132に表示されていないと判定したときや(S100:NO)、当りでないと判定したときも含めて(S102:NO)、図13の遊技機処理に戻り、上述したようにして、図13の遊技機処理を繰り返して行う。
このような場合であっても、差額配当が付与される付加遊技がドローポーカーのスムーズな進行を妨げることなく行うことができ、もって、遊技者のドローポーカーに対する興趣を向上させることができる。
【0104】
また、本実施形態ではポーカーゲーム機に対して適用した例について説明したが、例えば、国内専用のパチスロ機等に対して適用することも可能である。尚、国内専用のパチスロ機等に適用する場合には、子役と大役が同時当選できる構成にしておき、子役と大役が同時当選を持ち越している最中に子役が入賞したときには、子役に加えて大役の当選の持ち越しをリセットすると同時に大役と子役の配当差額を貯留しておき、貯留された配当差額を所定条件成立のときに払い出すようにする。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、遊技機で実行されるカードゲームにおける配当技術に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本実施形態のポーカーゲーム機の斜視図である。
【図2】同ポーカーゲーム機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開される前に下側画像表示パネルに表示されるスタンバイ状態の一例を示した図である。
【図4】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図5】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図6】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図7】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図8】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図9】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図10】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図11】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図12】各ポーカー役に設けられた番号及び配当が示された配当テーブルである。
【図13】同ポーカーゲーム機における遊技機処理プログラムのフローチャートである。
【図14】同ポーカーゲーム機におけるベット処理プログラムのフローチャートである。
【図15】同ポーカーゲーム機におけるディール処理プログラムのフローチャートである。
【図16】同ポーカーゲーム機におけるドロー処理プログラムのフローチャートである。
【図17】同ポーカーゲーム機における貯留処理プログラムのフローチャートである。
【図18】同ポーカーゲーム機における配当払出処理プログラムのフローチャートである。
【図19】同ポーカーゲーム機の今回の単位遊技で内部抽籤により決定されたトランプカード(ディール(配付)されるもの及びドロー(交換)され得るもの)の種類及び対応関係について、その具体例を示した図である。
【図20】同ポーカーゲーム機において、ポーカーゲームが展開されている際に下側画像表示パネルに表示されるゲーム内容の一例を示した図である。
【図21】同ポーカーゲーム機におけるミステリー処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0107】
1 ポーカーゲーム機
6 下側画像表示パネル
13 スタートボタン
16 1−BETボタン
17 最大BETボタン
18 カード交換ボタン
41 メインCPU
42 ROM
43 RAM
53 メモリカード
68 グラフィックボード
91 第1ホールドボタン
92 第2ホールドボタン
93 第3ホールドボタン
94 第4ホールドボタン
95 第5ホールドボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカードを表示するための表示手段と、
二つ以上の役が成立し得るカード抽籤を行うカード抽籤手段と、
前記カード抽籤手段のカード抽籤結果及び遊技者の操作に基づいて前記表示手段に最終的に表示させる複数のカードを決定し、且つ、決定された複数のカードを前記表示手段に最終的に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段に最終的に表示された複数のカードの組合せによって複数の所定役のうちいずれかが成立する場合に当該所定役に対応した配当を付与する配当付与手段と、を有する遊技機であって、
前記配当付与手段で付与された配当に対応した所定役が前記カード抽籤手段のカード抽籤結果及び遊技者の操作より成立し得る二つ以上の役のうち最高の配当に対応した最適役と異なる場合には前記最適役に対応した配当と前記配当付与手段で付与された配当との差額を遊技価値として自動的に積み立てる遊技機価値積立手段と、
前記遊技価値積立手段で積み立てられた遊技価値を所定条件が成立したときに払い出す遊技価値払出手段と、を備えたこと、を特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記表示手段に最終的に表示された複数のカードの組合せによって特定役が成立する場合を前記遊技価値払出手段の所定条件が成立したとすること、を特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記表示手段に特定のカードが表示された場合を前記遊技価値払出手段の所定条件が成立したとすること、を特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記遊技価値払出手段の所定条件が成立するか否かの抽籤を行う遊技価値抽籤手段を備えたこと、を特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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