説明

遊技機

【課題】液晶表示装置の前面側にシャッター装置が設けられた遊技機において、シャッター装置による演出効果を高め興趣を向上させる。
【解決手段】遊技盤に設けられ、任意の色で発光することが可能な表示領域が設けられている液晶表示装置と、液晶表示装置の表示領域の前面側で表示領域を遮蔽可能な遮蔽板が設けられているシャッター装置とを備える遊技機において、遮蔽板を透光性を有する材料から構成し、遮蔽板に透光性を有する透光性図柄を設ける。そして、液晶表示装置で透光性図柄を透過不能な第1の光と透光性図柄を透過可能な第2の光とを切り替えて遮蔽板に向けて照射可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、組合せ式遊技機(アレンジボール遊技機)、スロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技の進行に応じて種々の演出表示を行う液晶表示装置の前面側にシャッター装置を設けた遊技機が知られている(特許文献1、2参照)。この遊技機は、シャッター装置に設けられた遮蔽板を開閉することで、遊技者からみて液晶表示装置を可視状態と不可視状態とに切り替えることができるように構成されている。
【特許文献1】特開2004−135885号公報
【特許文献2】特開2005−40413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の遊技機では、シャッター装置の遮蔽板が開放または閉鎖するのみで、単調な動作しかすることができず、遊技者に飽きられやすいという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は上記点に鑑み、液晶表示装置の前面側にシャッター装置が設けられた遊技機において、シャッター装置による演出効果を高め興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、遊技盤に設けられ、任意の色で発光することが可能な表示領域が設けられている液晶表示装置と、液晶表示装置の表示領域の前面側で表示領域を遮蔽可能な遮蔽部材が設けられているシャッター装置とを備え、遮蔽部材は透光性を有する材料から構成されており、遮蔽部材には、透光性を有する透光性図柄が設けられており、液晶表示装置は、透光性図柄を視認不能とする第1の表示色と透光性図柄を視認可能とする第2の表示色とを切り替え表示可能であることを特徴としている。
【0006】
このような構成により、遮蔽部材に透光性図柄が表示されない状態と遮蔽部材に透光性図柄が表示される状態とを切り替えることができる。これにより、遮蔽部材上に透光性図柄が突然浮かび上がるような印象を遊技者に与えることができ、遮蔽部材を用いた斬新な演出を行うことができる。
【0007】
また、透光性図柄は、光透過率が異なる複数の図柄を有しており、第2の表示色は、光透過率が異なる複数の図柄のうち一部の図柄のみを視認可能とする第3の表示色と、複数の図柄のすべての図柄を視認可能とする第4の表示色とを含んでおり、液晶表示装置は、第3の表示色と第4の表示色とを切り替え表示可能とすることができる。これにより、透光性図柄を用いて遮蔽部材上で複数の図柄を表示させることができる。
【0008】
また、透光性図柄は、第1の色による図柄と、第1の色とは色系統が異なる第2の色による図柄を有しており、第2の表示色は、第1の色と第2の色とを含んでおり、液晶表示装置は、第1の色と第2の色とを切り替え表示可能とすることができる。これにより、透光性図柄を用いて遮蔽部材上で異なる図柄パターンを表示させることができる。
【0009】
また、遮蔽部材に透光性を有しない非透光性図柄が設けることで、遮蔽部材に透光性図柄が表示されない状態では、遮蔽部材上で非透光性図柄のみを表示させることができ、遮蔽部材に透光性図柄が表示される状態では、遮蔽部材上で非透光性図柄に加えて透光性図柄を表示させることができる。
【0010】
また、遮蔽部材は、透光性図柄より光透過率を低くすることで、遮蔽部材に透光性図柄が表示される状態では、遮蔽部材上で透光性図柄を鮮明に表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図18に示す。
【0012】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0013】
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
【0014】
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する遊技球発射装置を構成する発射装置ユニット、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニットに供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニットから発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニットから発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ(図示略)が設けられている。
【0015】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
【0016】
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。
【0017】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。
【0018】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側には、第2音声出力部6cが設けられている。
【0019】
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニットを操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が遊技球の発射強度を調整するための発射操作部8aが設けられている。発射操作部8aには、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0020】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0021】
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について図2を参照して説明する。図2は遊技盤20の正面図であり、シャッター装置40により図柄表示装置25が不可視状態となっている場合を示している。
【0022】
遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、後述する裏機構盤102(図10参照)によりその背面側が覆われている。
【0023】
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート26、始動口(普通電動役物)28、大入賞装置(特別電動役物)33、左入賞口34、35、右入賞口36、37等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【0024】
図2に示すように、中央装置24は遊技領域21の略中央部に配置されている。中央装置24は、図柄表示装置25とシャッター装置40を備えている。図柄表示装置25は、遊技の進行に応じて種々の演出表示が可能な表示領域を有する表示装置であり、本実施例では12インチ程度の大型液晶表示装置を用いている。図柄表示装置25の表示領域は、任意の色で発光することが可能となっており、任意の識別情報を表示可能となっている。図柄表示装置25の表示領域には、普通図柄を表示する普通図柄表示領域と特別図柄を表示する特別図柄表示領域が設けられている。なお、図柄表示装置25が本発明の液晶表示装置の一具体例を示している。
【0025】
シャッター装置40は、図柄表示装置25の前面側(遊技者に近い側)に配置され、複数の遮蔽板41を用いて図柄表示装置25の前面側を開閉し、遊技者から図柄表示装置25を見ることができる可視状態と図柄表示装置25を見ることができない不可視状態とを切り替えることができる。図柄表示装置25で照射した光は、シャッター装置40の裏面側に照射される。シャッター装置40については後述する。
【0026】
普通図柄作動ゲート26は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート26の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ26sが設けられている。普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過することにより、図柄表示装置25の普通図柄領域で普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄表示領域では複数の表示態様を表示することができ、特定の表示態様が当り普通図柄の組合せとなっており、これ以外の組合せが外れ普通図柄の組合せとなっている。
【0027】
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲートを通過した際に、始動口(普通電動役物)28を作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が、当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、図柄表示装置25の普通図柄表示領域で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の組合せに決定される。一方、外れと判定された場合には、図柄表示装置25の普通図柄表示領域で停止表示される普通図柄は外れ図柄の組合せのいずれかに決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
【0028】
図柄表示装置25の普通図柄表示領域では、普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り図柄の組合せで停止表示すると、始動口(普通電動役物)28が所定時間(例えば0.5秒)開放される。
【0029】
始動口28は、図2に示すように中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するように形成されている。始動口28の内部には、遊技球の通過を検知する始動口入賞検知スイッチ28s(図11参照)と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図13参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0030】
遊技球が始動口28に入球することで、図柄表示装置25の特別図柄表示領域で特別図柄が変動表示を開始する。図柄表示装置25の特別図柄表示領域では、複数の特別図柄の組合せを表示可能となっており、これらの特別図柄の組合せのうち、特定の組合せが大入賞装置(特別電動役物)33および条件装置が作動することとなる当り特別図柄の組合せ(特定の組合せ)であり、これら以外の組合せが外れ特別図柄の組合せである。なお、条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、特別図柄が大当り図柄で停止表示することで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。役物連続作動装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、後述の大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする装置である。役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口33aが連続して開放する特別遊技状態が開始される。
【0031】
次に、図柄表示装置25で表示される特別図柄について説明する。図2に示す図柄表示装置25には、図示を省略しているが、複数の特別図柄(識別図柄)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する特別図柄表示領域(識別情報表示領域)が設けられている。具体的には、左図柄を表示する左図柄表示領域、中図柄を表示する中図柄表示領域、及び右図柄を表示する右図柄表示領域が、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、例えば「0」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。また、図柄表示装置25には、特別図柄表示領域の他にも、背景図柄やキャラクタ図柄を表示する背景表示領域や、保留数を表示する保留数表示領域が設けられている。
【0032】
本実施例では、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄当否判定用乱数は、遊技球が始動口28に入球した際に、条件装置を作動させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる。具体的には、特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が、当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、図柄表示装置25の特別図柄表示領域で停止表示される特別図柄は、当り特別図柄の組合せのいずれかに決定される。一方、外れと判定された場合には、図柄表示装置25の特別図柄表示領域で停止表示される特別図柄は、外れ図柄の組合せのいずれかに決定される。なお、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
【0033】
図柄表示装置25の特別図柄表示領域では、始動口28を遊技球が通過することにより特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。そして、特別図柄が予め設定された当り図柄の組合せで停止表示すると、後述の大入賞装置(特別電動役物)33が作動開始する。
【0034】
大入賞装置33は、上記始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド33c(図13参照)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ33s(図13参照)とから主に構成されている。
【0035】
図柄表示装置25の特別図柄表示領域で停止表示した特別図柄が特定図柄であった場合、特別遊技状態発生手段としての主制御部200は遊技者に相対的に有利な特別遊技機状態を発生させる。特別遊技機状態は、大入賞装置33を作動させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。
【0036】
大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定開放時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では9個)に達したときとすることができる。
【0037】
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了したときに作動終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような遊技球受入状態は、所定ラウンドが終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
【0038】
図2に示すように、大入賞装置33の左斜め上方には、第1の左入賞口34及び第2の左入賞口35がそれぞれ設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ34s、35s(図13参照)が設けられている。大入賞装置33の右斜め上方には、第2の右入賞口36と第2の右入賞口37とが設けられている。これらの内部には、右入賞口通過検知スイッチ36s、37s(図13参照)が設けられている。
【0039】
次に、図柄表示装置25の前面側に配置されるシャッター装置40について説明する。図3は、シャッター装置40の内部構成を示す斜視図である。図3は、シャッター装置40が図柄表示装置25の前面側を遮蔽し、図柄表示装置25の画面が不可視状態となっている状態を示している。なお、図3では図示を省略しているが、シャッター装置40の前面側において遮蔽板41全体の周囲を覆うように無色透明のカバー部材が設けられている。
【0040】
シャッター装置40は、図柄表示装置25の前面側を遮蔽するための遮蔽板41を有している。この遮蔽板41は本発明の遮蔽部材に相当するもので、本実施例の遮蔽板41は複数設けられている。複数の遮蔽板41は、互いに並列して配置されている。本実施例では、6枚の長方形板状の遮蔽板41が長手方向を水平として配置され、隣り合う遮蔽板41は互いに近接して隙間なく配置されている。本実施例の遮蔽板41の表面には「ABC」からなる第1装飾図柄60が表示されており、裏面には稲妻模様の第2装飾図柄61が表示されている(図9参照)。これらの装飾図柄60、61については後述する。
【0041】
遮蔽板41の両外側には、複数の遮蔽板41の配列方向(図3における上下方向)に延びるガイド軸42が設けられている。ガイド軸42には、各遮蔽板41に対応して遮蔽板ガイド43がスライド可能に設けられている。遮蔽板ガイド43には、連結アーム44を介して遮蔽板41の端部が接続されている。各遮蔽板41に接続された連結アーム44は、隣り合う遮蔽板41に接続された連結アーム44と互いに連結されている。ガイド軸42の下端には、スライド部材45が設けられている。スライド部材45にはガイド軸42が貫通しており、スライド部材45は、ガイド軸42に沿ってスライド可能になっている。スライド部材45は、ガイド軸42に沿ってスライドすることで、連結アーム44を介して遮蔽板41を上方に移動させる。
【0042】
遮蔽板41の両外側には、スライド部材45をガイド軸42に沿って移動させるためのリードスクリュー46が設けられている。リードスクリュー46はスライド部材45を貫通するように設けられており、スライド部材45はリードスクリュー46に沿って上下方向に移動可能となっている。リードスクリュー46は外周面に螺旋状の凹凸が形成された雄ネジとなっており、スライド部材45は貫通部の内周面にリードスクリュー46の外周面の凹凸に噛み合う溝が形成された雌ネジとなっている。
【0043】
各リードスクリュー46の下部には駆動手段としてのモータ47が設けられており、リードスクリュー46はモータ47により回転駆動される。2本のリードスクリュー46に設けられた各モータ47は、それぞれ同期回転するように構成されている。
【0044】
ガイド軸42の上端付近に第1センサ48が設けられ、ガイド軸42の下端付近に第2センサ49が設けられている。第1センサ48は、スライド部材45がガイド軸42に沿って移動する範囲における上限位置に設けられ、スライド部材45が可動範囲の上限にきたことを検知する。第2センサ49は、スライド部材45がガイド軸42に沿って移動する範囲における下限位置に設けられ、スライド部材45が可動範囲の下限にきたことを検知する。これらのセンサ48、49としては例えば光センサを用いることができる。さらにシャッター装置40には、遮蔽板41を開閉するためのソレノイド50とソレノイドアーム51が設けられている。
【0045】
次に、シャッター装置40の遮蔽板41の移動について説明する。図4は遊技盤20の正面図であり、シャッター装置40が全開状態となり図柄表示装置25が可視状態となっている場合を示している。図5は、すべての遮蔽板41が上方に移動した状態を示している。
【0046】
モータ47によりリードスクリュー46が回転駆動されることで、スライド部材45がリードスクリュー46に沿って上下方向に移動する。この結果、スライド部材45がガイド軸42に沿って上方に移動し、連結アーム44を押し上げる。連結アーム44はスライド部材45で押し上げられる過程で折り畳まれ、連結アーム44に接続されたすべての遮蔽板41が重なり合った状態で上方に移動する。これにより、すべての遮蔽板41が図柄表示装置25の画面より上方に移動し、図4に示すように図柄表示装置25の画面の前面側には遮蔽板41が存在しない状態(全開状態)となる。
【0047】
また、モータ47を逆回転させることで、スライド部材45が下方に移動し、遮蔽板41は自重で下方に移動する。このとき、折り畳まれた連結アーム44が伸びていき、重なり合った遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側で一枚ずつ展開する。これにより、すべての遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側に移動し、図柄表示装置25の画面の前面側が遮蔽板41で覆われた状態(全閉状態)となる。なお、モータ47の回転は後述する演出制御部260により制御される。
【0048】
以上のように、図柄表示装置25の画面より上方に移動したすべての遮蔽板41は互いに重なり合った状態となるので、この互いに重なり合った遮蔽板41を、例えば、図柄表示装置25の画面周囲を囲む図示しないセンター役物の上部裏面側(センター役物の内部)に収納させるようにすれば、遮蔽板41の存在を遊技者に気付かせないようにすることができる。そして、遊技の進行に応じて図柄表示装置25の画面上に表示される演出画像に合わせて遮蔽板41を下降させることにより、図柄表示装置25の画面全体が突然覆い隠されるといった斬新な演出が可能となる。
【0049】
次に、シャッター装置40の遮蔽板41の開閉機構について説明する。図6は遊技盤20の正面図であり、シャッター装置40におけるすべての遮蔽板41が開放した状態を示している。図7は、シャッター装置40におけるすべての遮蔽板41が開放し、図柄表示装置25の画面が可視状態となっている状態を示す斜視図であり、図8は、遮蔽板41の開閉機構を説明するための説明図である。
【0050】
図8に示すように、6枚の遮蔽板41の各々の一側辺(一短辺)には、遮蔽板41の回転中心となる回転軸41aと、外力を受けて遮蔽板41を作動させるための作用軸41bが設けられている。回転軸41aは、遮蔽板41の側辺における中央位置から少しずれて設けられており、遮蔽板41に外力が加わっていない場合では、遮蔽板41が垂直状態になる。なお、回転軸41aおよび作用軸41bはソレノイドアーム51の数に対応して設けられるが、図8では説明が煩雑になるのを避けるために、6枚の遮蔽板41のうち最上部の遮蔽板41に設けられた回転軸41aおよび作用軸41bを図示し、残りの5枚の遮蔽板41に対して設けられた回転軸41aおよび作用軸41bの図示を省略している。
【0051】
作用軸41bは、遮蔽板41の一側辺における端部に設けられている。作用軸41bの上方には、ソレノイドアーム51の先端が位置している。ソレノイドアーム51の他端側はソレノイドスライダ52に接続されている。上下に並んだ2つのソレノイドアーム51の他端側が同一のソレノイドスライダ52に接続される。ソレノイドスライダ52はソレノイド50の可動鉄心と接続されている。ソレノイド50のオンオフを切り替えることで、ソレノイドスライダ52が上下方向に移動し、2つのソレノイドアーム51の先端が上下方向に移動する。なお、ソレノイド50は後述する演出制御部260により制御される。
【0052】
ソレノイド50が通電されていないオフ状態のときには、ソレノイドアーム51の先端が遮蔽板41の作用軸41bの上方に位置しており、遮蔽板41は閉鎖状態となる(図3参照)。このとき、遊技機1の前方側から図柄表示装置25の画面を見ることができない不可視状態となる(図2参照)。
【0053】
そして、ソレノイド54に通電されオン状態となったときには、ソレノイドアーム51の先端が遮蔽板41の作用軸41bを下方に押し下げる(図8の破線で表したソレノイドアーム51を参照)。これにより、遮蔽板41は回転軸41aを中心に回転して垂直状態から水平状態となり、遮蔽板41が開放状態となる(図7参照)。このとき、遊技機1の前方側から図柄表示装置25の画面を見ることができる可視状態となる(図6参照)。
【0054】
また、図7に示すように、本実施例では、ソレノイド50が複数(本例では6枚)の遮蔽板41を複数(本例では3つ)のグループに分けた各グループに対応して設けられており、各ソレノイド50は一のグループに含まれる遮蔽板41を他のグループに含まれる遮蔽板41とは独立して開閉するように構成されている。具体的には、6枚の遮蔽板41に対して3個のソレノイド50と6個のソレノイドアーム51が設けられている。つまり、1個のソレノイド50で2個のソレノイドアーム51を作動させ、2枚の遮蔽板41を同時に開閉するように構成されている。これにより、複数の遮蔽板41のうち一部の遮蔽板41を他の遮蔽板41と独立して開閉させることができ、図柄表示装置25で画面上で行われる演出表示を、遊技者に対して部分的に視認可能とするといった斬新な演出が可能となる。
【0055】
次に、シャッター装置40の遮蔽板41に表示される装飾図柄について説明する。図9は、図柄表示装置25の表示面が不可視状態となっている場合の遊技盤20の正面図である。
【0056】
遮蔽板41としては、透光性を有する着色透明板(半透明板)が用いられる。着色透明板は、例えばポリカーボネート板やアクリル板等の透明板に暗い灰色や黒色等の明度の低い無彩色や、明度・彩度が共に低い有彩色の着色を施して構成することができる。本実施例では、黒色に着色された透明度の低い透明板(例えば、自動車の窓ガラスに紫外線対策や車内温度上昇防止のために採用される、所謂スモークフィルムやプライバシーガラスのような色の透明板)を遮蔽板41としている。
【0057】
第1装飾図柄60は、遮蔽板41の表面(遊技盤20の前面側の面)に表示されており、第1の色で任意の図柄が表されている。本実施例の第1装飾図柄60は、「ABC」からなる白色の文字図柄となっている。第1装飾図柄60は透光性を有しておらず、例えば遮蔽板41の表面に施される印刷に貼付されるシールにより構成することができる。なお、第1装飾図柄60が本発明の非透光性図柄に相当している。
【0058】
第2装飾図柄61は、遮蔽板41の裏面(遊技盤20の背面側の面)に表示されており、第1の色と異なる第2の色で任意の図柄が表されている。本実施例の第2装飾図柄61は、半透明の青色からなる稲妻模様となっている。第2装飾図柄61は、透光性を有しており、例えば遮蔽板41の裏面に半透明の青色の稲妻模様が印刷されたシールを貼付することにより構成することができる。そして、第2装飾図柄61は黒色透明の遮蔽板41の裏面に設けられていることから、遮蔽板41の表面側から第2装飾図柄61を認識することは通常困難となる。また、本実施例では、第2装飾図柄61の光透過率が遮蔽板41の光透過率よりも高くなっている。なお、第2装飾図柄61が本発明の透光性図柄に相当している。
【0059】
次に、第1装飾図柄60と第2装飾図柄61の表示について説明する。本実施例では、遊技者が第1装飾図柄60のみを視認可能な第1の状態と、遊技者が第1装飾図柄60と第2装飾図柄61を視認可能な第2の状態とを切り替えることができる。なお、装飾図柄60、61を用いた演出表示は、図柄表示装置25で特別図柄等の変動表示が行われてない場合や、特別図柄の変動表示中に行われる。具体的には、例えば、遊技者による遊技が行われていない場合のデモ画面の表示中、特別図柄の変動表示中におけるリーチ発生や大当り発生の可能性を遊技者に報知する予告演出の表示中、リーチ演出が開始されてから終了するまでの間、大当り中におけるラウンドとラウンドの間等が例示できる。
【0060】
まず、シャッター装置40で図柄表示装置25の表示領域を遮蔽すべく、複数の遮蔽板41を上方から下方に移動させる際に、その動きと連動して、図柄表示装置25の表示領域を上方から下方にかけて順次第1の表示色とする。そして、複数の遮蔽板41で図柄表示装置25の表示領域全体を遮蔽した状態(全閉状態)では、図柄表示装置25の表示領域全体を第1の表示色とする。この第1の表示色は、遮蔽板41の第2装飾図柄61を透過することができない表示色であり、暗い灰色や黒色等の明度の低い無彩色や、濃紺等の明度・彩度が共に低い黒色に近い有彩色を例示できる。本実施例では、第1の表示色を無地の黒色としている。
【0061】
図柄表示装置25の表示領域全体を第1の表示色である黒色の表示とした場合には、図柄表示装置25の光源からは光が発せられない状態(非発光状態)となるので、図柄表示装置25の表示領域から遮蔽板41の裏面には光が照射されない状態となる。つまり、第1の表示色である黒色は明度がゼロとなり、図柄表示装置25の光源の光量もゼロになる。このため、図柄表示装置25と遮蔽板41との間は明度の低い状態(暗い状態)となり、この状態では、遮蔽板41の裏面に向けて光が照射されないので、第2装飾図柄61を光が透過することはない。このため、第2装飾図柄61の色(青色)が変化することなく、このような状況下において遊技者が遮蔽板41を表面側から見ると、遊技者は遮蔽板41が黒色であることと、遮蔽板41の表面に第1の装飾図柄が描かれていることは認識できるが、遮蔽板41の裏面側の状態、即ち、遮蔽板41の裏面に第2装飾図柄61が描かれていることは認識できない。この結果、遊技者にとって第2装飾図柄61が視認不能であり、かつ、遮蔽板41の色(黒色)と第1装飾図柄60のみが視認可能な第1の状態となる(図2参照)。これにより、遊技者は図柄表示装置25の全体が遮蔽板41により遮蔽されていると認識することができる。
【0062】
次に、複数の遮蔽板41で図柄表示装置25の表示領域全体を遮蔽した状態(全閉状態)で、図柄表示装置25の表示領域全体を第1の表示色と異なる第2の表示色とする。この第2の表示色は、図柄表示装置25の表示領域で表示された際に遮蔽板41の第2装飾図柄61を透過することができる表示色である。具体的には、第2の表示色は第1の表示色より明度が高い無彩色や、第1の表示色より明度・彩度が共に高い有彩色とすることができ、本実施例では第2の表示色を無地の白色(第1の表示色より明度が高い無彩色)としている。
【0063】
図柄表示装置25の表示領域全体を第2の表示色とした場合には、この第2の表示色を表示するために図柄表示装置25の光源から発せられる光は図柄表示装置25の表示領域を介して遮蔽板41に照射された状態となり、第2装飾図柄61を透過することができる。このため、稲妻模様の第2装飾図柄61が遮蔽板41上に青白い色となって現れ、第1装飾図柄60と第2装飾図柄61が視認可能な第2の状態となる(図9参照)。つまり、第2の表示色である白色は、第1の表示色である黒色に比べて明度が高く、白色の表示色を生成するための光を発する図柄表示装置25の光源の光量は、黒色の表示色を生成する場合に比べて多くなる。このため、図柄表示装置25と遮蔽板41との間は明度の高い状態(明るい状態)となり、この状態では、遮蔽板41の裏面に向けて照射される白色の光は遮蔽板41の裏面に到達し、第2装飾図柄61を透過することとなる。このとき、白色の光が青色の第2装飾図柄61を透過することで白色と青色が混ざり合って、第2装飾図柄61は遮蔽板41の裏面において青白い色に変化する。また、第2装飾図柄61が設けられていない遮蔽板41の黒色部分は、光透過率が低いことから白色の光を吸収することが殆どなく、色の変化はほとんど生じない。このような状況下において遊技者が遮蔽板41を表面側から見ると、遊技者は遮蔽板41が黒色であること、及び遮蔽板41の表面に第1の装飾図柄が描かれていることに加えて、遮蔽板41の裏面に青白い色の第2装飾図柄61が描かれていることを認識できるようになる。この結果、遊技者には、遮蔽板41の表面側で視認不能であった第2装飾図柄61が青白い色で視認可能となり、第2装飾図柄61が遮蔽板41の表面側に出現したように見える。
【0064】
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図10に基づいて説明する。図10は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
【0065】
図10に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。
【0066】
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。
【0067】
タンクレール106の下方には、前面側に図柄表示装置31が取り付けられ、背面側にランプインタフェース基板112、図柄制御基板ケース113、演出制御基板ケース114がそれぞれ取り付けられた裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース115が設けられ、主制御基板ケース115の下方には電源基板ケース116が設けられている。裏機構盤102の右上方部には、大当たり、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
【0068】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図11に基づいて説明する。図11は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0069】
図11に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部230、演出制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、演出制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。
【0070】
主制御部200は、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0071】
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
【0072】
また、主制御部200には、発射制御部250が接続されており、発射制御部250は発射制御基板250aを備えている。発射制御部250には主制御部200から球送り許可信号、発射許可信号が送信され、発射制御部250は主制御部200から送信された球送り許可信号、発射許可信号に基づいて制御を行うように構成されている。これら主制御部200、払出制御部230、演出制御部260、図柄制御部280および発射制御部250により、遊技機1の動作が制御される。
【0073】
主制御部200は、遊技の進行を司るものであり、CPU400に内蔵されたROMから制御プログラムを読み出して遊技の進行制御を行うように構成されている。そして、主制御部200が、各副制御部230、250、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信することにより、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号等のコマンドが送信される。また、主制御部200から演出制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、演出制御部260を介して、図柄の表示を指示する図柄表示制御コマンド、図柄表示の消灯を指示する図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。
【0074】
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ用の補助電源部(図示略)を電源基板127に備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
【0075】
図12は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図12に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
【0076】
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
【0077】
図11に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、始動口入賞検知スイッチ28s、普通図柄作動ゲート検知スイッチ26s、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。始動口入賞検知スイッチ28sは、始動口28に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ26sは、普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過したことを検知するものである。
【0078】
次に、盤面中継基板210を図13に基づいて説明する。図13は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【0079】
図13に示すように、盤面中継基板210には、入賞口通過検知スイッチ34s、35s、36s、37s、大入賞口入球検知スイッチ33s、各種ソレノイド28c、33cが接続されている。
【0080】
入賞口通過検知スイッチ34s、35s、36s、37sは、各入賞口34、35、36、37への遊技球の入球を検知するものである。大入賞口入球検知スイッチ33sは、大入賞口33aに遊技球が入球したことを検知するものである。これらの遊技球検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド28c、33cとしては、始動口28を開閉するための始動口ソレノイド28c、大入賞口を開閉するための大入賞口ソレノイド33c等がある。
【0081】
次に、遊技枠中継基板220を図14に基づいて説明する。図14は、遊技枠中継基板220に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板220は、主に中枠3に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【0082】
図14に示すように、枠中継基板220には、発射球カウントスイッチ221、ファール球検出スイッチ222が接続されている。さらに枠中継基板220には、後述の球送り中継基板251を介して球送りカウントスイッチ254が接続されている。
【0083】
発射球カウントスイッチ221は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。ファール球検出スイッチ222は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域21に到達しないで、下皿部6に戻ってきた遊技球を検知するものである。球送りカウントスイッチ254は、上皿部5から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするものである。
【0084】
次に、図11に戻り、払出制御部230について説明する。図11に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
【0085】
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図12で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
【0086】
払出制御部230を図15に基づいてさらに説明する。図15は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図15に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13及びCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
【0087】
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109f及び払出センサ109j、109kが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109j、109kは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
【0088】
賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4g及びエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示LED基板242は複数種類のLEDを備えており、エラーLED表示部4hは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーLED表示部4hは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
【0089】
次に、発射制御部250を図16に基づいて説明する。図16は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図16に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチ(図示略)からの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力する。
【0090】
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌を稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。
【0091】
球送り中継端子板253には、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド(図示略)、球送りカウントスイッチ254が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ254からの信号は遊技枠中継基板220を介して主制御部200に送信される。上記原点センサ251の信号は、発射制御部250を介して、払出制御部230に送信される。
【0092】
次に、演出制御部260を図17に基づいて説明する。図17は、演出制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。演出制御部260に設けられた演出制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
【0093】
図17に示すように、演出制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、演出制御基板260aから独立した別基板として構成されている。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
【0094】
さらに、演出制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、演出制御部260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置25における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
【0095】
演出制御部260には、モータ51とソレノイド54が接続されている。モータ51は、シャッター装置40の遮蔽板41を上下方向に移動させるためのものであり、ソレノイド54は、シャッター装置40の遮蔽板41を開閉動作させるためのものである。
【0096】
演出制御部260は、主制御部200から演出用の図柄変動パターンを指示するコマンドを受け取り、このコマンドで指定された図柄変動パターンに従って図柄制御部250を介して図柄表示装置25に表示される図柄の変動制御を行う。そして、演出制御部260は、図柄表示装置25での図柄による演出に対応してモータ51およびソレノイド54を制御し、シャッター装置40を作動させる。
【0097】
例えば図柄表示装置25で大当り発生に対する信頼性が高いリーチ表示等の図柄演出を行う際に、シャッター装置40の遮蔽板41を作動させることで、従来にない画像と可動物とを融合した演出を行うことができる。本実施例のシャッター装置40では、遮蔽板41毎の開閉や遮蔽板41全体の上下移動といった複雑な動作を行うことができ、多彩な演出を行うことができる。例えば一部の遮蔽板41のみを開放して、図柄表示装置25における特定部分のみを遊技者に見せることができる。あるいは複数の遮蔽板41の全体を上方に移動させ、図柄表示装置25の全体を遊技者に見せることができる。
【0098】
次に、図柄制御部280を図18に基づいて説明する。図18は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
【0099】
図18に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置25を作動させる図柄表示装置基板281が接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置25の制御を行う。また、図柄制御基板280aのROMには、特別図柄画像データやリーチ表示態様画像データが格納されている。
【0100】
以上説明したように、本実施例の構成によれば、透光性を有する第2装飾図柄61を遮蔽板41の裏面に設け、図柄表示装置25の表示領域で第2装飾図柄61を視認不能な第1の表示色と第2装飾図柄61を視認可能な第2の表示色とを切り替えることで、遮蔽板41の表面に第2装飾図柄61が表示されない第1の状態と遮蔽板41の表面に第2装飾図柄61が表示される第2の状態とを切り替えることができる。これにより、遮蔽板41上に第2装飾図柄61が突然浮かび上がるような印象を遊技者に与えることができ、遮蔽板41を用いた斬新な演出を行うことができる。
【0101】
また、遮蔽板41に透光性を有しない第1装飾図柄60と透光性を有する第2装飾図柄61を設けることで、第1装飾図柄60を第2装飾図柄61とを組み合わせた演出表示を行うことができる。
【0102】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例を図19に基づいて説明する。本第2実施例は、上記第1実施例に比較して、シャッター装置40の遮蔽板41の裏面に設けられた第2装飾図柄61の構成が異なっている。上記第1実施例と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】
図19は、本第2実施例の中央装置24の正面図であり、(a)は第2装飾図柄61の一部の図柄のみを示しており、(b)は第2装飾図柄61のすべての図柄を示している。
【0104】
本第2実施例の第2装飾図柄61は、濃淡の異なる複数の図柄61a、61bから構成されている。本第2実施例では、第2装飾図柄61は二段階の濃淡を有しており、薄く着色された淡色図柄61aと濃く着色された濃色図柄61bとから構成されている。具体的には、濃色図柄61bを明度の低い(暗い)青色とし、淡色図柄61aを濃色図柄61bよりも明度の高い(明るい)青色としている。淡色図柄61aと濃色図柄61bでは光透過率が異なっており、濃色図柄61bより淡色図柄61aの方が光透過率が高い。
【0105】
このため、図柄表示装置25の表示領域全体の表示色を、淡色図柄61aのみを透過可能な色とすることで、第2装飾図柄61のうち淡色図柄61aのみが表示されている状態(図19(a)参照)にすることができる。また、図柄表示装置25の表示領域全体の表示色を、淡色図柄61aと濃色図柄61bの両方を透過可能な色とを切り替えることで、淡色図柄61aと濃色図柄61bが表示されている状態(図19(b)参照)にすることができる。このように、図柄表示装置25の表示領域全体の表示色を、淡色図柄61aのみを透過可能な色と、淡色図柄61aと濃色図柄61bの両方を透過可能な色とを切り替えるためには、例えば図柄表示装置25の表示領域全体の表示色を黒色から段階的に明度を高くして最終的に白色に変化させるように、明度を複数段階に切り替えればよい。このように、黒色が白色に変化する過程で徐々に明度が高くなると、図柄表示装置25の光源が発する光の光量が徐々に大きくなり、結果的に遮蔽板41の裏面に向けて照射される光の光量が徐々に大きくなる。そして、その光は、淡色図柄61aと濃色図柄61bのうち、淡色図柄61aを先に透過するようになる。この結果、まず、淡色図柄61aが遮蔽板41の表面側から視認可能となる。そして、黒色が完全に白色に変化すると、遮蔽板41の裏面に向けて照射される光の光量も最大となり、その光は淡色図柄61aと濃色図柄61bの両方を透過するようになる。この結果、淡色図柄61aに加えて濃色図柄61bも遮蔽板41の表面側から視認可能となる。なお、淡色図柄61aのみを透過可能な色が本発明の第3の色に相当し、淡色図柄61aおよび濃色図柄61bの両方を透過可能な色が本発明の第4の色に相当している。
【0106】
以上のように、透光性を有する第2装飾図柄61を複数段階の濃淡を設け、図柄表示装置25の表示領域で、第2装飾図柄61のうち一部の図柄のみを透過する色と、第2装飾図柄61のすべての図柄を透過する色とを切り替えることで、第2装飾図柄61を用いて遮蔽板41上で異なる図柄パターンを表示させることができる。
【0107】
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例を図20、図21に基づいて説明する。本第3実施例は、上記第1実施例に比較して、シャッター装置40の遮蔽板41に設けられた第2装飾図柄61の構成が異なっている。上記第1実施例と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
図20は、本第3実施例の中央装置24の正面図である。本第3実施例では、遮蔽板41の裏面に設けられる第2装飾図柄61は互いに色の系統が異なる複数の図柄から構成され、異なる色で異なる図柄が表されている。本実施例の第2装飾図柄61は、青色で表わされる青色装飾図柄61cと赤色で表わされる赤色装飾図柄61dとから構成され、それぞれの装飾図柄61c、61dで異なる図柄が表されている。なお、青色が本発明の第1の色に相当し、赤色が本発明の第2の色に相当している。
【0109】
ここで、「色の系統が異なる」とは、例えば補色の関係にある2つの色のように、一方の色に他方の色が全く混ざっていない状態をいう。例えば、紫色は赤色と青色とを混ぜ合わせた色であるから、紫色には赤色が混ざっていると考えることができるので、紫色と赤色は色の系統が異なるとはいえない。同様に、紫色には青色が混ざっていると考えることができるので、紫色と青色は色の系統が異なるとはいえない。
【0110】
また、緑色は青色と黄色を混ぜて作ることができることから、緑色には青色が混ざっていると考えることができるので、緑色と青色は色の系統が異なるとはいえず、また、緑色には黄色が混ざっていると考えることができるので、緑色と黄色は色の系統が異なるとはいえない。
【0111】
また、赤色に何色を混ぜても青色にはならず、青色に何色を混ぜても赤色にはならず、赤色と青色は色の系統が異なっているといえる。同様に、黄色に何色を混ぜても青色にはならず、青色に何色を混ぜても黄色にはならないので、青色と黄色は色の系統が異なっているといえる。
【0112】
図柄表示装置25の表示領域の表示色を第2装飾図柄61を構成する複数の図柄の各色(本実施例では青色と赤色)にすることで、第2装飾図柄61のうち青色装飾図柄61cのみが表示される状態(図21(a)参照)と、第2装飾図柄61のうち赤色装飾図柄61dのみが表示される状態(図21(b)参照)とを切り替えることができる。
【0113】
つまり、青色の光は青色装飾図柄61cを透過するが、赤色装飾図柄61dでは吸収されてほとんど透過することができない。このため、図柄表示装置25の表示領域の表示色を青色とした場合には、遊技者は第2装飾図柄61のうち青色装飾図柄61cのみを視認することができる。また、赤色の光は赤色装飾図柄61dを透過するが、青色装飾図柄61cでは吸収されてほとんど透過することができない。このため、図柄表示装置25の表示領域の表示色を赤色とした場合には、遊技者は第2装飾図柄61のうち赤色装飾図柄61dのみを視認することができる。
【0114】
以上のように、透光性を有する第2装飾図柄61を色の系統が異なる複数の図柄から構成し、図柄表示装置25の表示領域全体の表示色を、第2装飾図柄61のうち第1の色の図柄のみを透過する第1の色と、第2装飾図柄61のうち第2の色の図柄のみを透過する第2の色とに切り替えることで、第2装飾図柄61を用いて遮蔽板41上で異なる図柄パターンを表示させることができる。
【0115】
(第4実施例)
次に、本発明の第4実施例を図22〜図26に基づいて説明する。本第4実施例は、上記第1実施例に比較して、主にシャッター装置40における遮蔽板41を開閉する遮蔽板開閉手段が異なっている。以下、上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、上記各実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0116】
図22、図23は、本第4実施例のシャッター装置40の正面図である。図22は、遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側を遮蔽し、図柄表示装置25の前面側が不可視状態となっている状態を示し、図23は、遮蔽板41が図柄表示装置25の表示領域の上方に移動し、図柄表示装置25の前面側が可視状態となっている状態を示している。
【0117】
図22に示すように、連結アーム44は、各遮蔽板41に設けられている。本実施例の連結アーム44は、折り畳み可能となっておらず、略直線状に形成され、遮蔽板41の移動方向(図22における上下方向)にスライド可能となっている。また、図22における最下端に設けられている連結アーム44がベルト53に固定されている。
【0118】
図22、図23に示すように、本第4実施例のシャッター装置40では、遮蔽板41を移動させる移動手段として、遮蔽板41の両外側に遮蔽板41の移動範囲に渡って環状のベルト53が設けられている。ベルト53は、ガイド軸42の近傍においてガイド軸42と平行に設けられている。スライド部材45は、ベルト53に固定されている。ガイド軸42の上端付近にアイドル側の第1プーリ54が設けられ、ガイド軸42の下端付近に駆動側の第2プーリ55が設けられており、ベルト53は第1プーリ54と第2プーリ55との間を結ぶように配置されている。2つの第2プーリ55は連結軸56で連結されており、同期回転するように構成されている。第2プーリ55はギア57を介してモータ58と接続されている。本実施例では、1つのモータ58で2つのベルト53を回転させるように構成されている。モータ58は演出制御部260により制御される。
【0119】
モータ58を駆動することで、ギア57を介して第2プーリ55が回転し、ベルト53が回転し、スライド部材45はラック58に沿って上下方向に移動可能となっている。この結果、スライド部材45がガイド軸42に沿って上方に移動し、連結アーム44が押し上げられ、連結アーム44に接続されたすべての遮蔽板41が重なり合った状態で上方に移動する。これにより、すべての遮蔽板41が図柄表示装置25の画面より上方に移動し、図柄表示装置25の画面の前面側には遮蔽板41が存在しない状態となる。
【0120】
また、モータ58を逆回転させることでベルト53が逆回転し、スライド部材45が下方に移動し、遮蔽板41は自重で下方に移動する。このとき、折り畳まれた連結アーム44が伸びていき、重なり合った遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側で一枚ずつ展開する。これにより、すべての遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側に移動し、図柄表示装置25の画面の前面側が遮蔽板41で覆われた状態となる。
【0121】
図24は、シャッター装置40の枠部分を示す正面図であり、遮蔽板41、ソレノイド50、ベルト53等を取り除いた状態を示している。図24に示すように、シャッター装置40の枠部分には、連結アーム44を案内するための案内溝40aが形成されている。案内溝40aは、各連結アーム44に対応して設けられており、連結アーム44が嵌り込むことができる幅を有している。各案内溝40aは、対応する連結アーム44を案内するとともに、連結アーム44の移動範囲を規制する。
【0122】
案内溝40aは、複数の遮蔽板41が、図柄表示装置25の表示領域の上方に移動した状態(全開状態)から、図柄表示装置25の前面側を遮蔽する状態(全閉状態)まで移動させることができるように形成されている。各案内溝40aの上端位置は、図23に示す遮蔽板41が図柄表示装置25の表示領域の上方に移動した状態(全開状態)に対応し、各案内溝40aの下端位置は、図22に示す遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側を遮蔽する状態(全閉状態)に対応している。
【0123】
図25、図26は、図22における連結アーム44、ソレノイド50等を拡大した斜視図である。図25は、遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側を遮蔽する状態(全閉状態)を示し、図26は、遮蔽板41が上方に移動中の状態を示している。
【0124】
図25に示すように、連結アーム44は、直線部44aと円筒部44bとを有している。直線部44aには、係合部44c、44dが形成されている。隣り合う連結アーム44は、係合部44c、44dにより互いに係合可能となっており、これにより連結アーム44の図22における下方向への移動が規制される。円筒部44bには、遮蔽板41の回転軸41aが貫通する貫通孔が形成されている。円筒部44bの上部には、連結アーム44が移動する際に直上の連結アーム44の円筒部44bが接触する受部44eが形成されている。
【0125】
ここで、遮蔽板41の移動について説明する。モータ58を駆動することで、ベルト53が回転し、ベルト53に固定された最下端の連結アーム44が案内溝40aに沿って上方に移動する。このとき、図26に示すように、上方に移動した連結アーム44の受部44eが直上の連結アーム44の円筒部44bの下方に接触する。そして、各連結アーム44が直上の連結アーム44を押し上げ、連結アーム44に接続されたすべての遮蔽板41が重なり合った状態で、案内溝40aの上端位置まで移動する。これにより、すべての遮蔽板41が図柄表示装置25の表示領域より上方に移動し、図柄表示装置25の表示領域の前面側には遮蔽板41が存在しない状態となる(図23参照)。
【0126】
また、モータ58を逆回転させることでベルト53が逆回転し、ベルト53に固定された最下端の連結アーム44が案内溝40aに沿って下方に移動する。他の連結アーム44は、それぞれの遮蔽板41の自重で下方に移動し、案内溝40aの下端位置で停止する。このとき、遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側で一枚ずつ展開する。これにより、すべての遮蔽板41が図柄表示装置25の前面側に移動し、図柄表示装置25の表示領域が遮蔽板41で覆われた状態となる(図22参照)。
【0127】
次に、シャッター装置40の遮蔽板41の開閉機構について図25を用いて説明する。本実施例のソレノイド50は、可動鉄心(図示略)が紙面奥側に設けられており、この可動鉄心(図示略)が紙面垂直方向、つまりシャッター装置40の板面に対して直交する方向である表裏方向に移動する。
【0128】
ソレノイド50の可動鉄心(図示略)には、ブラケット61が接続されている。ブラケット61は、断面コの字状であり、溝状の凹部が遮蔽板41の移動方向に沿って形成され、遮蔽板41の移動方向の両端と遮蔽板41の回転軸41aに対向する側は開口している。
【0129】
遮蔽板41が図柄表示装置25の表示領域を覆っている状態では、遮蔽板41の作用軸41bがブラケット61の凹部内に位置している。ブラケット61の凹部は、遮蔽板41の移動方向の両端が開口しているので、ベルト53が回転して遮蔽板41が移動する際に、遮蔽板41の作用軸41bはブラケット41の凹部を通過することができる。
【0130】
ソレノイド50が通電されていないオフ状態のときには、遮蔽板41が垂直状態であり、図柄表示装置25の表示領域を遮蔽している閉鎖状態となる。そして、通電によりソレノイド50がオン状態となり、ブラケット61が遮蔽板41の作用軸41bを押圧する。これにより、遮蔽板41は回転軸41aを中心に回転して垂直状態から水平状態となり、遮蔽板41が開放状態となる。
【0131】
以上の構成によれば、ソレノイド50の可動鉄心(図示略)がシャッター装置40の表裏方向に移動するので、上記各実施例に比べて、遮蔽板41の移動方向(図22における上下方向)におけるソレノイド50の配置スペースを小さくすることができる。また、本実施例では、ソレノイドアーム51を用いることなく遮蔽板41を開閉するので、遮蔽板41の開閉機構を簡素にできる。さらに、ソレノイドアーム51を用いない本実施例の構成によれば、ソレノイドアーム51に起因するガタツキがない。このため、上記各実施例の構成に比較して、遮蔽板41が開閉する際の動きを円滑にすることができ、遮蔽板41が開閉する際の動作音を小さくすることができる。
【0132】
(他の実施形態)
なお、上記実施例では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例について説明したが、これに限らず、本発明は液晶表示装置を備える遊技機であれば適用可能であり、例えばスロットマシンやアレンジボール遊技機(組合せ式遊技機)等の他の種類の遊技機にも適用可能である。
【0133】
また、上記実施例では、シャッター装置40が複数の遮蔽板41を備えるように構成したが、遮蔽板41は図柄表示装置25の前面側を遮蔽できればよく、遮蔽板41の枚数は1枚でも複数枚でもよい。
【0134】
また、上記実施例では、黒色に着色した透明板により遮蔽板41を構成したが、遮蔽板41の色(透明板に着色する色)は、暗い灰色、暗い茶色、暗い緑色など、透明度が低く、かつ光透過率が第2装飾図柄61の光透過率よりも低くなる色であればよく、第2装飾図柄61についても、上記実施例では半透明の青色としていたが、光透過率が遮蔽板41よりも高くなる色であれば、その色は特に問わない。
【0135】
また、上記実施例では、第2の装飾図柄61を視認不能とするために、図柄表示装置25の光源の光量をゼロにして、図柄表示装置25の表示領域全体を黒色で表示する例を説明したが、第2の装飾図柄61を視認不能とすることができるのであれば、図柄表示装置25の表示領域全体の表示色は黒色に限定されるものではなく、図柄表示装置25の光源の光量をゼロにする必要性もない例えば、図柄表示装置25の光源の光量を「1」としても、黒色に近い表示色を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】各実施例による遊技機を示す正面図である。
【図2】各実施例による遊技機の盤面構成を示す正面図であり、シャッター装置により図柄表示装置の表示領域が遮蔽されている状態を示している。
【図3】各実施例によるシャッター装置の斜視図である。
【図4】各実施例による遊技機の盤面構成を示す正面図であり、シャッター装置のすべての遮蔽板が上方に移動した状態を示している。
【図5】各実施例によるシャッター装置において、すべての遮蔽板が上方に移動した状態を示す斜視図である。
【図6】各実施例による遊技機の盤面構成を示す正面図であり、シャッター装置のすべての遮蔽板が開放した状態を示している。
【図7】各実施例によるシャッター装置において、すべての遮蔽板が開放した状態を示す斜視図である。
【図8】各実施例による遮蔽板の開閉機構を説明するための斜視図である。
【図9】第1実施例による遊技機の盤面構成を示す正面図であり、第2装飾図柄を説明するための図である。
【図10】各実施例の遊技機を示す背面図である。
【図11】各実施例の電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図12】各実施例の主制御部のCPUの構成を示すブロック図である。
【図13】各実施例の盤面中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図14】各実施例の遊技枠中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図15】各実施例の払出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図16】各実施例の発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図17】各実施例の演出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図18】各実施例の図柄制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図19】第2実施例の中央装置の正面図である。
【図20】第3実施例の中央装置の正面図である。
【図21】第3実施例の中央装置の正面図である。
【図22】第4実施例のシャッター装置の正面図であり、遮蔽板が図柄表示装置の前面側を遮蔽し、図柄表示装置の前面側が不可視状態となっている状態を示している。
【図23】第4実施例のシャッター装置の正面図であり、遮蔽板が図柄表示装置の表示領域の上方に移動し、図柄表示装置の前面側が可視状態となっている状態を示している。
【図24】図22におけるシャッター装置の枠部分を示す正面図である。
【図25】図22におけるシャッター装置の遮蔽板の開閉機構を拡大した斜視図である。
【図26】図22におけるシャッター装置の遮蔽板の開閉機構を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
【0137】
1…遊技機、20…遊技盤、25…図柄表示装置、40…シャッター装置、41…遮蔽板、60…第1装飾図柄、61…第2装飾図柄、200…主制御部、230…払出制御部、250…発射制御部、260…演出制御部、280…図柄制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられ、任意の色で発光することが可能な表示領域が設けられている液晶表示装置と、
前記液晶表示装置の表示領域の前面側で前記表示領域を遮蔽可能な遮蔽部材が設けられているシャッター装置とを備え、
前記遮蔽部材は、透光性を有する材料から構成されており、
前記遮蔽部材には、透光性を有する透光性図柄が設けられており、
前記液晶表示装置は、前記透光性図柄を視認不能とする第1の表示色と前記透光性図柄を視認可能とする第2の表示色とを切り替え表示可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記透光性図柄は、光透過率が異なる複数の図柄を有しており、
前記第2の表示色は、前記光透過率が異なる複数の図柄のうち一部の図柄のみを視認可能とする第3の表示色と、前記複数の図柄のすべての図柄を視認不能とする第4の表示色とを含んでおり、
前記液晶表示装置は、前記第3の表示色と前記第4の表示色とを切り替え表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記透光性図柄は、第1の色による図柄と、前記第1の色とは色系統が異なる第2の色による図柄を有しており、
前記第2の表示色は、前記第1の色と前記第2の色とを含んでおり、
前記液晶表示装置は、前記第1の色と前記第2の色とを切り替え表示可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遮蔽部材には、透光性を有しない非透光性図柄が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項5】
前記遮蔽部材における前記透光性図柄が設けられていない部位は、前記透光性図柄より光透過率が低いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−12147(P2008−12147A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187629(P2006−187629)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】