説明

遊技機

【課題】遊技球を停留する構成要素が発射装置よりも下方に配置されたとしても、遊技球を発射装置へ支障なく供給することができ、また、発射装置への球送りのために発射装置と球送り装置との間に多数の遊技球を送り込む必要がない遊技機を提供する。
【解決手段】球送り装置30は、発射位置よりも低い位置に遊技球を横に並べた列状態で停留可能な球供給樋69と、該球供給樋69の下流端に設定され、遊技球を1個配置可能な揚送空間部73と、該揚送空間部73内に下方から出没可能な揚送部材65と、揚送空間部73の上方へ向けて延設され、揚送空間部73と発射位置とを連通する揚送流路78とを備え、揚送部材65を揚送空間部73内へ突出すると、球供給樋69内に停留した遊技球列のうち揚送空間部73内に配置された最先の遊技球を持ち上げて遊技球列から外すとともに、持ち上げられた遊技球を揚送流路78へ通して発射位置へ揚送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射位置から遊技球を発射する発射装置と、遊技球を発射装置へ送る球送り装置とを備えたパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、遊技盤の下方に遊技球の停留場所となる球貯留皿と、遊技球を発射する発射装置とを配置し、球貯留皿から発射装置へ遊技球を供給し、この遊技球を発射装置から打ち上げて遊技盤の遊技領域へ飛入している。また、近年では、遊技の興趣の向上を図るべく、遊技盤を大型化して遊技領域を広くする傾向にある。そして、大型化した遊技盤を装着可能とするためには、パチンコ遊技機の内部の構成要素のレイアウトを従来とは異ならせて遊技盤の装着スペースを確保する必要がある。例えば、発射装置を遊技盤の上部の近傍に配置して、遊技盤の装着スペースをパチンコ遊技機の下方に広げることが考えられる。このとき、球貯留皿の近傍には、遊技球を発射装置まで揚送する球送り装置を備え、該球送り装置により球貯留皿内の遊技球を発射装置へ揚送してから遊技領域へ向けて発射することが望ましい(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭60−083684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記特許文献に記載のパチンコ遊技機では、発射装置と球送り装置との間に縦長な揚送パイプを備え、該揚送パイプに多数の遊技球を送り込まなければ発射装置に遊技球を到達させる(供給する)ことができない。このため、遊技球の数が少なくなった場合には、遊技者が最後の1個まで遊技球を発射することができず、遊技の興趣が減衰する虞がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技球を停留する構成要素が発射装置よりも下方に配置されたとしても、遊技球を発射装置へ支障なく供給することができ、また、発射装置への球送りのために発射装置と球送り装置との間に多数の遊技球を送り込む必要がない遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、発射位置から遊技球を発射する発射装置と、遊技球を発射装置へ送る球送り装置と、を備えた遊技機において、
前記球送り装置は、発射位置よりも低い位置に遊技球を横に並べた列状態で停留可能な球供給樋と、該球供給樋の下流端に設定され、遊技球を1個配置可能な揚送空間部と、該揚送空間部内に下方から出没可能な揚送部材と、揚送空間部の上方へ向けて延設され、揚送空間部と発射位置とを連通する揚送流路と、を備え、
前記揚送部材を揚送空間部内へ突出すると、球供給樋内に停留した遊技球列のうち揚送空間部内に配置された最先の遊技球を持ち上げて遊技球列から外すとともに、持ち上げられた遊技球を揚送流路へ通して発射位置へ揚送するように構成されたことを特徴とする遊技機である。
【0006】
請求項2に記載のものは、前記球送り装置は、揚送部材に設けられたカムフォロワと、該カムフォロワを押圧するカムと、該カムを駆動する揚送駆動源と、カムの姿勢を検出可能な検出機構と、を備え、
前記揚送駆動源によりカムを駆動することでカムフォロワを押圧して揚送部材を出没動作させ、検出機構によりカムの姿勢を検出することで揚送部材の出没状態を検出可能としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、発射位置から遊技球を発射する発射装置と、遊技球を発射装置へ送る球送り装置とを備えた遊技機において、球送り装置は、発射位置よりも低い位置に遊技球を横に並べた列状態で停留可能な球供給樋と、該球供給樋の下流端に設定され、遊技球を1個配置可能な揚送空間部と、該揚送空間部内に下方から出没可能な揚送部材と、揚送空間部の上方へ向けて延設され、揚送空間部と発射位置とを連通する揚送流路とを備え、揚送部材を揚送空間部内へ突出すると、球供給樋内に停留した遊技球列のうち揚送空間部内に配置された最先の遊技球を持ち上げて遊技球列から外すとともに、持ち上げられた遊技球を揚送流路へ通して発射位置へ揚送するように構成したので、遊技球を停留する構成要素が発射装置よりも下方に配置されたとしても、遊技球を発射装置へ支障なく供給することができる。また、発射装置への球送りのために発射装置と球送り装置との間に多数の遊技球を送り込む必要がなく、遊技球を最後の1個まで発射装置へ送って発射することができる。したがって、遊技者が遊技球を全て打ち尽くすことができないという不都合を解消することができ、遊技の興趣が減衰することを抑えることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、球送り装置は、揚送部材に設けられたカムフォロワと、該カムフォロワを押圧するカムと、該カムを駆動する揚送駆動源と、カムの姿勢を検出可能な検出機構とを備え、揚送駆動源によりカムを駆動することでカムフォロワを押圧して揚送部材を出没動作させ、検出機構によりカムの姿勢を検出することで揚送部材の出没状態を検出可能としたので、遊技球を球送り装置から発射装置へ送る準備ができたことを検知することができ、発射装置の発射タイミングに同期させて遊技球を球送り装置から発射装置へ供給し易い。したがって、遊技球の連続発射動作を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の最良の形態を図面に基づき説明する。図1はパチンコ遊技機の斜視図、図2は前面側を開放した状態のパチンコ遊技機の斜視図、図3は前面側の構成要素を取り外した状態のパチンコ遊技機の斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、外枠(機枠あるいは本体枠)2に前面枠(内枠)3を開閉可能に軸着し、この前面枠3のベースとなる前面枠本体4の上部には、前面に遊技領域が区画形成された遊技盤(図示せず)を収納可能とし、遊技盤の下方には変動表示ユニット7を着脱可能な状態で配置している(図2参照)。また、前面枠本体4の前面側には、一側(図1中、左側)が軸着された透明部材保持枠11を前後方向へ開閉(回動)可能に設け、該透明部材保持枠11に透視可能な透明部材12を保持し、透明部材保持枠11の下部には、遊技球を貯留可能な球貯留ユニット13を備えている。そして、透明部材保持枠11を閉じると、遊技盤が透明部材保持枠11に覆われるとともに、透明部材12が遊技領域の前方に配置され、透明部材12を通して遊技領域と変動表示ユニット7とを上下に並んだ状態で前方から視認できるように構成されている。さらに、前面枠本体4のうち閉状態の透明部材保持枠11の下部に隣接する箇所には棚部15を前面枠本体4の下部から前方へ突出した状態で配置している。そして、棚部15の前面の一側(図1中、左側)には、遊技者が遊技中に操作可能な遊技演出用ボタン16を備え、他側(図1中、右側)には、遊技者が遊技球を発射するために操作する発射操作ユニット(発射操作ハンドル)17を備えている。また、棚部15の中央には、球貯留ユニット13内の遊技球をパチンコ遊技機1の下方へ抜き出すための抜き出し口19を上下方向に貫通した状態で開設している(図2参照)。
【0010】
前面枠本体4は、大きな矩形状の開口を上寄りに開設した合成樹脂製枠体であり、図2に示すように、開口に遊技盤と変動表示ユニット7とを上下に並べて収納し、遊技盤の前方には、透明なガラス板で形成された略蒲鉾形状の遊技盤カバー22を配置し、ヒンジ機構(図示せず)を介して遊技盤カバー22の下縁部を前面枠本体4の一部、具体的には遊技盤の下部が載置される箇所の前縁部に軸着し、下方へ回動して倒伏姿勢にすると、遊技盤(遊技領域)の前方を開放できるように構成されている。また、変動表示ユニット7と棚部15との間には表示ユニット載置部24を棚部15よりも後方の位置に配置し、該表示ユニット載置部24を上段とし、棚部15を下段とした所謂ひな壇形状を形成している。そして、前面枠本体4のうち変動表示ユニット7の後方に位置する箇所には、球排出装置25から排出された遊技球を流下可能な球排出流路26を備えている。さらに、該球排出流路26の下流端を変動表示ユニット7と表示ユニット載置部24との間から前方へ臨ませ、透明部材保持枠11を閉じると球排出流路26の下流端と球貯留ユニット13とが前後に並んで連通し、遊技球を球排出流路26から球貯留ユニット13へ供給できるように構成されている。
【0011】
そして、表示ユニット載置部24の下方のうち遊技演出用ボタン16側(図2中、左側)に位置する箇所には、遊技球を遊技領域へ向けて発射可能な発射装置28と、球貯留ユニット13内の遊技球を発射装置28へ送る球送り装置30とを前後に並べた状態で配置している(図3および図4(a)参照)。さらに、発射装置28の上方には縦長な発射案内流路32(図2参照)を配置し、該発射案内流路32の上端を遊技領域へ連通し、発射装置28から発射された遊技球が発射案内流路32を通って遊技領域へ飛入できるように構成されている。なお、発射装置28および球送り装置30については、後で詳細に説明する。
【0012】
球貯留ユニット13は、図1および図2に示すように、前方へ膨出した球貯留皿34を備え、該球貯留皿34の内部を下方へ凹ませて球貯留空間部35を形成し、該球貯留空間部35の後部には、球排出流路26に連通可能な排出連通口36を開設している。さらに、球貯留皿34の後側には、球貯留空間部35から下り傾斜した球整列路37を設け、該球整列路37の下流端には、後方へ下り傾斜する球導出路38を連通している。そして、透明部材保持枠11を閉じると、球導出路38の後端部と球送り装置30とを前後に重ねる状態で連通し、球導出路38、球送り装置30を介して、球貯留皿34内の遊技球を発射装置28へ供給することができるように構成されている。また、球導出路38の下方には球抜き流路39を備え、透明部材保持枠11を閉じた状態で後述する球送り装置30と棚部15の抜き出し口19とを連通するように構成されている。
【0013】
次に、発射装置28および球送り装置30について説明する。
発射装置28は、図4および図5(a)に示すように、当該発射装置28の基部となる発射ベース40と、当該発射装置28に供給された遊技球を揺動動作(回動動作)により弾発する発射部材41と、該発射部材41を駆動するロータリーソレノイド42等の揺動駆動源(回動駆動源)と、発射部材41の揺動動作を規制する規制部材43とを備えて構成されている。発射ベース40は、縦向き姿勢で配置された平板状部材で構成されており、当該発射ベース40の前面側(表面側)にロータリーソレノイド42を配置し、該ロータリーソレノイド42の出力軸である発射回動軸45を発射ベース40の中央部分よりも上寄りの位置を貫通して後方へ突出し、発射回動軸45の先端(後端)に後述の発射部材41を軸着している。また、発射ベース40のうち発射回動軸45の側方(図5(a)中、右側方)に位置する箇所には、発射ベース40を前後に貫通する発射貫通口46を開設し、該発射貫通口46の前側には、前面枠本体4に設けられた通路ジョイント48(図4(b)参照)を介して後述する球送り装置30を接続し、球送り装置30から送られてきた遊技球を発射貫通口46へ導入できるように構成されている。さらに、発射ベース40の後面側のうち発射貫通口46の下方には、図5(b)に示すように、球誘導部50を発射回動軸45とは反対側に下り傾斜した姿勢で備え、該球誘導部50の傾斜下端の側方(図5(b)中、右側方)には、球誘導部50を流下してきた遊技球を1個保持可能な弾発球保持部51を備え、該弾発球保持部51に保持される遊技球の配置空間部を発射位置52としている。そして、弾発球保持部51の下部を開放して後述する発射部材41の一部を発射位置52へ下方から進入可能とし、弾発球保持部51および発射位置52の上方には、発射案内流路32の下端と発射位置52とを上下に連通可能な発射連通路53を備えている。また、発射連通路53の上端開口縁には、発射ファール球侵入阻止部55を発射連通路53の外方へ向けて下り傾斜した状態で設け、遊技領域へ到達せずに発射案内流路32を逆流してきた遊技球(発射ファール球)が発射連通路53へ侵入することを阻止している。さらに、発射ファール球侵入阻止部55の外方には、発射ファール球を誘導する誘導棚部56を発射装置28の前方へ向けて下り傾斜した状態で備えている。
【0014】
発射部材41は、図5(b)および(c)に示すように、ロータリーソレノイド42の発射回動軸45に止着される軸着部分から縦長な発射杵59を発射位置52側(図5(b)中、右側)へ僅かに屈曲した状態で延設し、該発射杵59の先端部には、遊技球を弾発する弾発部60を発射位置52側(右側)へ突設している。そして、発射回動軸45を揺動中心にして、弾発部60を発射位置52へ向けて前進移動(回動)する第1動作と、発射位置52から後退して離れる第2動作とを行って揺動するように構成されている。具体的に説明すると、ロータリーソレノイド42を駆動(励磁)して発射回動軸45を図5(b)に示す回転方向Aへ回転すると第1動作を行い、発射杵59を横向き姿勢にして弾発部60を弾発球保持部51の内部へ下方から進入させ、弾発球保持部51上に保持された遊技球を上方へ弾発する弾発状態に変換する(図5(c)参照)。一方、ロータリーソレノイド42の駆動を停止(すなわち消磁)してロータリーソレノイド42の復帰スプリング(図示せず)の復元力等により発射回動軸45を図5(c)に示す回転方向Bへ回転すると第2動作を行い、弾発部60を発射位置52および弾発球保持部51の下方へ移動して発射杵59を縦向き姿勢に変えて、次の遊技球を弾発するための弾発準備状態に変換する(図5(b)参照)。さらに、発射部材41のうち軸着部分(発射回動軸45)を挟んで発射杵59と反対側には、後述する規制部材43に衝突可能な発射ストッパー61を発射杵59の延設方向とは異なる方向(発射杵59の延設方向から「へ」字状に屈曲した方向)へ向けて突設し、発射ストッパー61および発射杵59を規制部材43に係合(当接)することで、発射部材41の回動範囲を規制するように構成されている。
【0015】
規制部材43は、該発射部材41と衝突して発射部材41の揺動動作を規制するための厚肉な円筒状の部材であり、衝撃を吸収し易い材料、例えばゴム材等の弾性体で形成されている。また、発射ベース40の後面側のうち発射杵59の回動範囲と発射ストッパー61の回動範囲との間に位置する部分、具体的には、発射部材41の軸着部(発射回動軸45)の下方であって発射杵59を挟んで発射位置52とは反対側(図5(b)中、左側)に配置されている。そして、規制部材43の中心軸と発射回動軸45との距離を発射杵59の延出長さおよび発射ストッパー61の延出長さよりも短く設定し、発射杵59および発射ストッパー61が規制部材43の外周部に係合できるように構成されている。
【0016】
球送り装置30は、図6および図7に示すように、当該球送り装置30の基部となる球送りケース64と、該球送りケース64内に受け入れた遊技球を揚送する揚送部材65と、該揚送部材65を移動させる移動操作機構66とを備えて構成されている。球送りケース64は、前方が開放された略箱形状のケース本体64aと、該ケース本体64aの開放部分を閉塞するケース蓋部64bとを前後に重ねて構成されている。また、ケース本体64aの上部のうち発射装置28の発射位置52よりも低い位置には、横長な凹部67を前方が開放された状態で形成し、該凹部67の開放部分を前方から供給樋カバー68で覆って球供給樋69を構成し、該球供給樋69をケース本体64aの一側となる球貯留皿34側(図6中、右側)から他側となる発射位置52側(図6中、左側)へ向けて下り傾斜した状態に設定している。さらに、供給樋カバー68のうち球供給樋69の上流側に位置する箇所(図6中、供給樋カバー68の右端部)には球導入路71を供給樋カバー68の前方へ向けて延設するとともに、球導入路71の後端を球供給樋69の上流端に連通している。そして、透明部材保持枠11を閉じると、球導入路71が球貯留ユニット13の球導出路38へ接続(連通)し、球貯留ユニット13内に貯留された遊技球が球導出路38、球導入路71を通って球供給樋69内へ流下するように構成されている。また、球供給樋69内へ流下してきた遊技球を発射位置52よりも低い位置に横に並べた列状態で停留できるように構成されている。そして、球供給樋69の下流端には、遊技球を揚送準備球として1個配置可能な揚送空間部73を設定し、該揚送空間部73の下方には縦長な揚送収納空間部74を形成し、該揚送収納空間部74に後述の揚送部材65を上下動可能な状態で収納し、揚送収納空間部74のうち揚送空間部73側(図7(c)中、上側)には、揚送部材65に係合可能な揚送ストッパー75を備えている。
【0017】
また、ケース本体64aのうち揚送空間部73の上方には、前方が開放された断面コ字状の第1流路区画部76を上方へ向けて延設し、該第1流路区画部76に後方が開放された断面コ字状の第2流路区画部77を前方から重合して縦長な揚送流路78を形成している。そして、該揚送流路78の上部を後方へ湾曲して発射装置28側へ向けて開放し、この開放端を通路ジョイント48の前端に接続して揚送空間部73と発射位置52とを連通している。さらに、第2流路区画部77の下部から球導入路71の下方へ向けて前方が開放された樋部材79を延設して球供給樋69の前方に配置し、樋部材79の開放部分をケース蓋部64bの上部で前方から覆って球排出樋80を構成している。また、球排出樋80をケース本体64aの他側(図7(a)中、左側)から一側(図7(a)中、右側)へ向けて下り傾斜した状態、言い換えると、揚送空間部73から下り傾斜した状態で設定し、球排出樋80の上流端を揚送空間部73の前側へ連通し、球排出樋80の下流端を球送り装置30の前方(外方)へ向けて開放して球排出口81を設定している。
【0018】
さらに、図7(b)に示すように、揚送流路78の下端のうち球排出樋80寄りの位置、言い換えると第2流路区画部77の下端には、遊技球が通過可能な揚送ファール球通過空間部83を前方へ膨出した状態で形成している。そして、該揚送ファール球通過空間部83の上流部となる後端を揚送流路78の下部へ向けて開放(連通)し、下流部となる下端を球排出樋80の上流部および揚送空間部73の上部へ向けて開放し、発射装置28まで到達せずに揚送流路78を逆流してきた遊技球(揚送ファール球)が揚送空間部73を迂回して揚送ファール球通過空間部83を通り、球排出樋80へ流下できるように構成されている。
【0019】
揚送部材65は、揚送収納空間部74内に遊嵌可能な縦長なブロック状に構成された部材であり、球供給樋69の延設方向とは異なる方向へ移動、具体的には上下動して揚送空間部73内に下方から出没できるように構成されている。また、揚送空間部73内に臨ませる上端(突出端)には、前方の球排出樋80へ向けて下り傾斜した揚送傾斜部85を設け、揚送傾斜部85の中央部には、遊技球の一部、具体的には揚送空間部73内に配置された揚送準備球の下部が嵌合可能な嵌合凹部86を形成し、該嵌合凹部86のうち揚送傾斜部85の傾斜下端側を球排出樋80へ向けて開放している。そして、下死点まで移動すると、突出端を揚送空間部73内から引き抜き、揚送傾斜部85を球供給樋69の底部(詳しくは、揚送空間部73よりも上流側に位置する球供給樋69の底部)よりも下方、且つ球排出樋80の底部(詳しくは、球排出樋80の上流部の底部)よりも上方に位置させて供給許容状態へ変換し(図8参照)、揚送空間部73内に遊技球(揚送準備球)を球供給樋69の上流側から供給することを許容する。また、下死点から上昇移動すると、突出端を揚送空間部73内へ突出し、揚送傾斜部85を揚送空間部73の上下方向の中央部分まで到達させて供給規制状態へ変換し、揚送準備球を球供給樋69内の遊技球列から離すとともに、球供給樋69内の遊技球列が揚送空間部73から供給されることを規制する(図9参照)。さらに、上死点まで移動すると、揚送空間部73内へ十分に嵌入し、揚送傾斜部85を揚送空間部73の上部の近傍に位置させて揚送空間嵌入状態へ変換する(図10参照)。なお、この揚送空間嵌入状態においても、球供給樋69内の遊技球列が揚送空間部73内へ供給されることを規制する。
【0020】
そして、揚送部材65の下部には円柱状のカムフォロワ87を揚送部材65の前方へ向けて延設し、該カムフォロワ87(詳しくはカムフォロワ87の外周面)に後述する移動操作機構66の一部を係合(当接)できるように構成されている。さらに、揚送部材65の中央部分には、縦長な付勢空間部89を前後に貫通する状態で開設し、該付勢空間部89にコイルばね等の付勢部材90を縦向きに収納している。そして、付勢部材90の上端(一端)を揚送収納空間部74から付勢空間部89内へ延設された係止ボス91に係止し、下端(他端)を付勢空間部89の下縁部に係止して、付勢部材90の付勢力により揚送部材65を押し上げる方向、すなわち揚送部材65が揚送空間部73内へ突出する方向へ常時付勢している。なお、係止ボス91と付勢空間部89の下縁部との間に係止された付勢部材90は、嵌合凹部86に嵌合した状態の遊技球(揚送準備球)の中心を通り、揚送部材65の移動方向に沿って設定される軸線(揚送中心軸)L上に配置されており、揚送部材65により押し上げられる揚送準備球に付勢部材90の付勢力を偏ることなく伝達することができるように構成されている。
【0021】
移動操作機構66は、揚送駆動源となる揚送モータ93(図7(a)参照)を備え、該揚送モータ93の出力軸93aを球送り装置30の前方へ向けて突出する姿勢に設定し、出力軸93aの前端には、カムフォロワ87を押圧する平板状のカム94を止着し、揚送モータ93を駆動すると、球送り装置30の正面から見てカム94を反時計方向(図7(a)中、矢印Yで示す方向)へ回転駆動するように構成されている。また、図7(d)に示すように、カム94を正面から見て略勾玉状に形成し、カム面95(カム94の外周面)と出力軸93aとの距離が時計回りに沿って次第に増大する状態に設定している。さらに、カム面95のうち出力軸93aとの距離が最大となる箇所(最大半径設定点)P1と、最小となる箇所(最小半径設定点)P2との間には段差部95aを形成し、該段差部95aの最大半径設定点P1側の隅部を丸めた形状、言い換えると、カム面95と出力軸93aとの距離が時計方向に沿って次第に減少する形状に形成して揚送突出操作部95bを設定している。
【0022】
したがって、カム面95にカムフォロワ87を当接(係合)したまま揚送モータ93を駆動してカム94を反時計方向に回転すると、カム面95がカムフォロワ87を下方へ押圧し、カムフォロワ87とともに揚送部材65が付勢部材90の付勢力に抗して下方へ移動する。そして、図8に示すように、カム面95上を摺動するカムフォロワ87が最大半径設定点P1に到達すると、揚送部材65が下死点に位置して供給許容状態へ変換する。この供給許容状態から引き続きカム94を反時計方向に回転すると、図9に示すように、カムフォロワ87が揚送突出操作部95b上を摺動し、揚送部材65が下死点から少しずつ上昇して供給規制状態へ変換する。さらにカム94を反時計方向に回転すると、図10に示すように、カムフォロワ87がカム面95から外れ、揚送部材65が付勢部材90の付勢力により勢いよく上昇し、上死点に到達して揚送空間嵌入状態へ変換する。なお、揚送空間嵌入状態の揚送部材65は、その側部を揚送ストッパー75に係合して上死点よりも上方へ移動(すなわち揚送流路78側へ移動)することを阻止される。また、揚送空間嵌入状態における揚送部材65のカムフォロワ87は、出力軸93a(カム94の回転中心)から最小半径設定点P2よりも離れた箇所に位置する。そして、引き続きカム94を反時計方向に回転すると、最小半径設定点P2から時計方向へ位相がずれた位置においてカム面95がカムフォロワ87に再び係合し、カム94の回転に伴ってカムフォロワ87および揚送部材65を下方へ再度移動する。このようにして、移動操作機構66は、揚送部材65を上下に移動することができる。
【0023】
また、移動操作機構66には、カム94の姿勢を検出可能な検出機構100を備えている。検出機構100は、図7(a)に示すように、カム94の前面に係合する横長な係合片101と、ケース本体64aに設けられ、係合片101の状態変換を検出可能な検出センサ102とを備えて構成されている。係合片101は、ケース本体64aのうち揚送モータ93を挟んで揚送部材65と反対側(図7(a)中、右側)に設けられた検出揺動軸103を介して揺動自在な状態で軸着されており、当該係合片101の先端(図7(a)中、左端)をカム94の前方に配置している。そして、係合片101の先端には係合突起104を後方のカム94の前面へ向けて突設し、該係合突起104をカム94の前面に形成された環状の係合溝部105、詳しくは係合溝部105のうち出力軸93aの下方に位置する部分へ摺動可能な状態で係合している。さらに、係合片101の基部(軸着部)から係合突起104とは反対側(図7(a)中、右側)には検出アーム106を延設し、該検出アーム106の先端には、検出センサ102が検出可能な検出突起107をケース本体64aの後側へ向けて突設し、該検出突起107の下部にカウンターウェイト部108を設けている。そして、検出センサ102は、ケース本体64aのうち検出アーム106の後方に位置する箇所にセンサ基板109を配置し、該センサ基板109上に検出アーム106側へ突出する状態で実装されている。
【0024】
なお、カム94に形成された係合溝部105は、図7(d)に示すように、出力軸93aを中心にして円弧状に形成された第1溝部111と、該第1溝部111の始端と終端とを接続するヘアピンカーブ状の第2溝部112とから構成されており、第2溝部112の折り返し部112aを最大半径設定点P1の近傍に位置する箇所、具体的には、最大半径設定点P1から反時計方向へ位相をずらし、且つ出力軸93a寄りに位置する箇所に設定している。そして、第1溝部111に係合突起104を係合している場合には、係合片101が係合突起104を検出揺動軸103よりも僅かに低い位置に設定して第1揺動状態となり、検出突起107をカウンターウェイト部108とともに下方へ移動して検出センサ102から外す(図10参照)。一方、第2溝部112、詳しくは第2溝部112の折り返し部112aに係合突起104を係合している場合では、係合片101が係合突起104を検出揺動軸103と略同じ高さの位置に設定して第2揺動状態となり、検出突起107をカウンターウェイト部108とともに上方へ移動して検出センサ102に検出させる(図8参照)。
【0025】
さらに、球送り装置30は、図7(c)に示すように、ケース本体64aのうち揚送収納空間部74の側方(図7(c)中、右側方)にシャッター駆動源となるソレノイド114をプランジャが揚送収納空間部74側へ向けて突出可能な横向き状態で配置し、該ソレノイド114のプランジャに横長平板状のシャッター部材115を止着している。そして、球貯留ユニット13の上部に設けられた球抜き操作ボタン116(図1参照)を操作してソレノイド114を駆動することで、シャッター部材115が球排出樋80と揚送空間部73との間へ側方から進退できるように構成されている。具体的には、シャッター部材115は、球排出樋80と揚送空間部73との間から後退して揚送準備球の球排出樋80への流下を許容する開放状態(図7(a)参照)と、球排出樋80と揚送空間部73との間に進入して揚送準備球の球排出樋80への流下を規制する閉成状態(図7(c)参照)とに変換可能であり、球抜き操作ボタン116を押すと開放状態へ変換し、球抜き操作ボタン116の押し込み操作を止めると閉成状態へ変換する。また、シャッター部材115の上縁部には、球排出樋80側へ向けて下り傾斜したシャッター傾斜部118を形成し、シャッター部材115を閉成状態へ変換すると、揚送ファール球通過空間部83の下部にシャッター傾斜部118を臨ませ、該シャッター傾斜部118を揚送空間部73内に停留する揚送準備球の頂部よりも低い位置に設定するように構成されている(図7(b)参照)。
【0026】
次に、発射装置28および球送り装置30の作用について説明する。なお、発射装置28の発射位置52および球送り装置30の球供給樋69には遊技球が予め配置(停留)されており、揚送部材65が揚送空間嵌入状態に変換(すなわち上死点に位置)しているものとする。また、シャッター部材115を閉成状態(すなわち球抜き操作ボタン116を操作しない状態)にしておくものとする。
【0027】
まず、発射装置28の作用について説明すると、ロータリーソレノイド42の駆動を停止した常態では、発射装置28は、図5(a)および(b)に示すように、発射部材41を弾発準備状態に設定し、発射杵59を規制部材43に当接する。この状態から発射操作ユニット17の操作に基づいて、ロータリーソレノイド42を駆動して発射部材41が第1動作(すなわち弾発部60を発射位置52へ向けて移動する動作)を行い、弾発部60を発射位置52へ進入させると、弾発部60は発射位置52に配置された遊技球に衝突する。弾発部60により衝突(弾発)された遊技球は、発射連通路53を上昇し、発射案内流路32へ向けて勢いよく飛翔する。このようにして発射装置28は発射位置52から遊技球を発射する。さらに発射部材41が第1動作を続けると、図5(c)に示すように、発射ストッパー61が規制部材43に衝突し、発射部材41の第1動作が規制される。発射部材41の第1動作を規制したならば、ロータリーソレノイド42を消磁して、復帰スプリングの復元力、あるいは自重により発射部材41に発射位置52から離れる第2動作を行わせる。そして、発射杵59を規制部材43へ衝突して発射部材41の第2動作を規制し、次回の遊技球の発射が可能となる。
【0028】
一方、球送り装置30においては、発射操作ユニット17の操作に基づいて揚送モータ93を駆動してカム94を反時計方向に回転し、カム面95によりカムフォロワ87を下方へ押圧して揚送部材65を揚送空間嵌入状態(上死点)から下方へ移動する。このとき、検出機構100は、出力軸93aの下方に位置する第1溝部111に係合突起104を摺動して係合片101を第1揺動状態に維持するとともに、検出突起107を検出センサ102から外した状態、言い換えると検出センサ102のOFF状態を維持する。引き続きカム94を反時計方向に回転してカム面95の最大半径設定点P1がカムフォロワ87に近づくと、係合突起104が第1溝部111から第2溝部112、詳しくは第2溝部112の往路112bへ進入し、係合片101が第1揺動状態から下方へ揺動する。
【0029】
そして、カム面95の最大半径設定点P1がカムフォロワ87に当接すると、図8に示すように、揚送部材65が下死点に到達して供給許容状態へ変換し、球供給樋69内に停留していた遊技球列が流下して最先の遊技球が揚送空間部73へ流入し、この遊技球(揚送準備球)の下部が嵌合凹部86へ嵌合する。このとき、嵌合凹部86を前方の球排出樋80へ向けて下り傾斜させているが、揚送準備球は、閉成状態のシャッター部材115に当接し、球排出樋80への流下を阻止される(図7(b)参照)。また、検出機構100は、第2溝部112の折り返し部112aに係合突起104を係合して係合片101を第2揺動状態へ変換し、検出センサ102により検出突起107を検出する。言い換えると、検出センサ102をON状態に変換して、カム94が揚送部材65を供給許容状態に設定する姿勢になったことを検出する。すなわち、カム94の姿勢を検出することで揚送部材65の出没状態(詳しくは供給許容状態)を検出する。すると、球送り装置30は、揚送部材65が供給許容状態となったことに基づき、揚送モータ93への通電を遮断してカム94の回転動作を一時停止し、揚送部材65を供給許容状態に維持する。そして、発射装置28が既に発射位置52に配置されている遊技球を発射するまで、揚送準備球の揚送動作を保留する。
【0030】
発射装置28が発射位置52上の遊技球を発射すると、球送り装置30は、揚送モータ93への通電を再開してカム94を再び反時計方向へ回転し、カムフォロワ87をカム面95の揚送突出操作部95b上に摺動させる。さらに、図9に示すように、係合突起104が第2溝部112の復路112cへ進入し、カウンターウェイト部108により係合片101が第2揺動状態から第1揺動状態へ変換して係合突起104を検出センサ102から外し、検出センサ102をON状態からOFF状態へ変換する。すると、カムフォロワ87が付勢部材90の付勢力により揚送突出操作部95bを押圧しながら上昇し、揚送部材65が供給規制状態へ変換する。そして、球供給樋69内に停留した遊技球列のうち揚送空間部73内に配置された最先の遊技球、すなわち揚送準備球が揚送部材65により持ち上げられて遊技球列から上方へ外れる。
【0031】
さらにカム94を反時計方向へ回転すると、図10に示すように、カムフォロワ87がカム面95から外れ、揚送部材65が付勢部材90の付勢力により勢いよく上昇し、揚送部材65により持ち上げられた揚送準備球を揚送し、揚送流路78、通路ジョイント48、発射貫通口46を通して発射位置52へ送り込む。そして、付勢部材90の付勢力により上昇した揚送部材65は、上死点に到達して揚送空間嵌入状態へ変換し、揚送空間部73を塞いで球供給樋69内の遊技球列が流下すること、ひいては揚送空間部73に次の揚送準備球が供給されることを阻止する。このようにして、球送り装置30は、揚送準備球を球供給樋69内の遊技球列から外して1個ずつ発射装置28へ送ることができる。したがって、遊技球を停留する構成要素(球供給樋69や球貯留ユニット13)が発射装置28よりも下方に配置されたとしても、遊技球を発射装置28へ支障なく供給することができる。また、発射装置28への球送りのために発射装置28と球送り装置30との間に多数の遊技球を送り込む必要がなく、遊技球を最後の1個まで発射装置28へ送って発射することができる。したがって、遊技者が所謂持ち球としての遊技球を全て打ち尽くすことができないという不都合を解消することができ、遊技の興趣が減衰することを抑えることができる。そして、検出機構100によりカム94の姿勢を検出して揚送部材65の出没状態を検出可能としたので、遊技球を球送り装置30から発射装置28へ送る準備ができたことを検知することができ、発射装置28の発射タイミングに同期させて遊技球を球送り装置30から発射装置28へ供給し易い。このことから、遊技球の連続発射動作を効率よく行うことができる。
【0032】
また、発射装置28から遊技領域までの距離の短距離化、言い換えると発射装置28から弾発された遊技球の飛距離を短くすることができ、ひいては、発射装置28の小型化や、発射装置28から発射した遊技球が遊技領域へ到達するまでの時間の短縮を図ることができる。さらに、長距離飛翔に起因する遊技球の軌道のブレを小さく抑え易い。
【0033】
なお、揚送部材65により揚送された遊技球が発射位置52、詳しくは通路ジョイント48まで到達しなかった場合、すなわち揚送ファール球が発生した場合には、この揚送ファール球は、揚送流路78を逆流して、揚送空間部73に配置された次回揚送予定の揚送準備球の上に落下し、この揚送準備球の頂部およびシャッター傾斜部118を転動して揚送ファール球通過空間部83を通過し、球排出樋80へ流下する。
【0034】
そして、球送り装置30から遊技球を抜き出すには、発射操作ユニット17の操作を止めて球送り装置30の揚送部材65を供給許容状態に変換し、この状態で球抜き操作ボタン116を押してシャッター部材115を開放状態へ変換する。すると、揚送空間部73内に配置された揚送準備球の前方からシャッター部材115が外れ、揚送準備球が揚送傾斜部85、詳しくは揚送傾斜部85の嵌合凹部86を転動して揚送空間部73から前方へ移動し、球排出樋80へ流入する。さらに、球抜き操作ボタン116を押し続けてシャッター部材115の開放状態を維持すると、球供給樋69内に停留していた遊技球が揚送空間部73内に流下し、揚送傾斜部85を転動して揚送空間部73内を通過し、揚送準備球に続いて球排出樋80へ案内される。そして、球排出樋80を通過した遊技球は球排出口81、球抜き流路39、抜き出し口19を通って棚部15の下方へ抜き出される。このようにして、球送り装置30内の遊技球を残らず球排出樋80へ通して球送り装置30の外方、ひいてはパチンコ遊技機1の下方へ排出することができる。
【0035】
ところで、上記実施形態では、上下方向へ直動して遊技球を揚送する揚送部材65を備えていたが、本発明はこれに限定されない。要は、供給許容状態と供給規制状態とに変換可能であり、供給許容状態から供給規制状態へ変換する際に、揚送準備球を揚送部材の進入方向に沿って移動して球供給樋69内の遊技球列から離すことができれば、どのような構成の揚送部材であってもよい。例えば、回動して供給許容状態と供給規制状態とに変換可能な揚送部材であってもよい。
【0036】
そして、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、発射位置から遊技球を発射する発射装置と、遊技球を発射装置へ送る球送り装置とを備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
【0037】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】パチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】前面側を開放した状態のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図3】透明部材保持枠および棚部を取り外した状態のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図4】(a)は発射装置と球送り装置とを接続した状態の斜視図、(b)は発射装置と球送り装置とを分離した状態の斜視図である。
【図5】発射装置の説明図であり、(a)は後方から見た斜視図、(b)は弾発準備状態の説明図、(c)は弾発状態の説明図である。
【図6】球送り装置の分解斜視図である。
【図7】球送り装置の内部構造の説明図であり、(a)ケース蓋部を取り外した状態の正面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)はシャッター部材の閉成状態の説明図、(d)はカムの拡大図である。
【図8】揚送部材を供給許容状態へ変換した球送り装置の説明図である。
【図9】揚送部材を供給規制状態へ変換した球送り装置の説明図である。
【図10】揚送部材を揚送空間嵌入状態へ変換した球送り装置の説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 パチンコ遊技機
4 前面枠本体
11 透明部材保持枠
13 球貯留ユニット
15 棚部
17 発射操作ユニット
28 発射装置
30 球送り装置
32 発射案内流路
34 球貯留皿
39 球抜き流路
41 発射部材
42 ロータリーソレノイド
43 規制部材
46 発射貫通口
51 弾発球保持部
52 発射位置
53 発射連通路
59 発射杵
61 発射ストッパー
64 球送りケース
64a ケース本体
64b ケース蓋部
65 揚送部材
66 移動操作機構
69 球供給樋
73 揚送空間部
78 揚送流路
80 球排出樋
83 揚送ファール球通過空間部
85 揚送傾斜部
86 嵌合凹部
87 カムフォロワ
90 付勢部材
93 揚送モータ
93a 出力軸
94 カム
100 検出機構
101 係合片
102 検出センサ
104 係合突起
105 係合溝部
107 検出突起
111 第1溝部
112 第2溝部
115 シャッター部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射位置から遊技球を発射する発射装置と、遊技球を発射装置へ送る球送り装置と、を備えた遊技機において、
前記球送り装置は、発射位置よりも低い位置に遊技球を横に並べた列状態で停留可能な球供給樋と、該球供給樋の下流端に設定され、遊技球を1個配置可能な揚送空間部と、該揚送空間部内に下方から出没可能な揚送部材と、揚送空間部の上方へ向けて延設され、揚送空間部と発射位置とを連通する揚送流路と、を備え、
前記揚送部材を揚送空間部内へ突出すると、球供給樋内に停留した遊技球列のうち揚送空間部内に配置された最先の遊技球を持ち上げて遊技球列から外すとともに、持ち上げられた遊技球を揚送流路へ通して発射位置へ揚送するように構成されたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記球送り装置は、揚送部材に設けられたカムフォロワと、該カムフォロワを押圧するカムと、該カムを駆動する揚送駆動源と、カムの姿勢を検出可能な検出機構と、を備え、
前記揚送駆動源によりカムを駆動することでカムフォロワを押圧して揚送部材を出没動作させ、検出機構によりカムの姿勢を検出することで揚送部材の出没状態を検出可能としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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