遊技機
【課題】遊技球が球通路を円滑に流下して球詰まりの発生を抑制し得る遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】裏ユニット36の前側には、一般入賞口84に入賞したパチンコ球を排出する排出用球通路120が形成される。排出用球通路120の前側には、排出用球通路120の前面開口を閉鎖するカバー部材180が配設される。カバー部材180は、第2排出樋112および第3排出樋114に対応する部位に貫通形成され、該排出樋112,114の後端部112a,114aに連通する通過口192,192を備える。また、カバー部材180の周縁部には、該カバー部材180の前面から前方へ突出して、遊技盤18の裏面に当接する線状の当接突部198が形成されている。
【解決手段】裏ユニット36の前側には、一般入賞口84に入賞したパチンコ球を排出する排出用球通路120が形成される。排出用球通路120の前側には、排出用球通路120の前面開口を閉鎖するカバー部材180が配設される。カバー部材180は、第2排出樋112および第3排出樋114に対応する部位に貫通形成され、該排出樋112,114の後端部112a,114aに連通する通過口192,192を備える。また、カバー部材180の周縁部には、該カバー部材180の前面から前方へ突出して、遊技盤18の裏面に当接する線状の当接突部198が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤に設けられた入賞口に入賞した遊技球を、裏ユニットに設けた球通路を介して排出するよう構成された遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置にセンター役物とも称される枠状装飾部材が配設されると共に、該遊技盤の裏側には裏ユニットが配設されている。裏ユニットには、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置が配設され、該図柄表示装置の表示部を前記枠状装飾部材の図柄表示用開口部に臨ませ、この図柄表示装置で図柄組合わせゲームやリーチ演出等の遊技演出を行なうよう構成されている。
【0003】
この種のパチンコ機では、遊技盤の盤面側に、遊技領域に打出されたパチンコ球が入賞可能な入賞装置が配設され、該入賞装置へのパチンコ球の入賞により図柄表示装置での図柄変動演出が開始されるよう構成されている。そして、パチンコ機では、図柄変動演出の結果として図柄表示装置に所定の組合わせで図柄が停止すると、遊技者に有利な大当りが発生するようになっている。
【0004】
また、前記遊技盤には、遊技領域を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口を備えた普通入賞装置が複数配設され、各普通入賞口に入賞したパチンコ球は、前記裏ユニットに設けられた球通路で集合されて機外に排出されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。前記裏ユニットの球通路は、前面側に開放するよう形成されて、当該裏ユニットを遊技盤の裏側に配設することで、該球通路における前面開口の普通入賞口と対応する部位以外の部位が遊技盤の裏面で覆われて球通路として機能するよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2001−149597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すなわち、特許文献1では、裏ユニットを遊技盤に配設した際に、球通路と遊技盤の裏面とが直接当接することで、球通路の前面開口を閉鎖する構成となっている。ところが、遊技盤や裏ユニットには、設計誤差や組付け誤差等が不可避的に生ずるため、裏ユニットを遊技盤に配設した際に、球通路と遊技盤の裏面との間に隙間が生ずることがある。このような隙間が生ずると、パチンコ球が当該隙間を通過する際に流れが乱れ、球通路内で遊技球の球詰まりが発生する虞があった。
【0007】
すなわち、本発明は、従来技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技球が球通路を円滑に流下して球詰まりの発生を抑制し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(16)が画成された遊技盤(18)と、前記遊技盤(18)に配設され、遊技球が入賞可能な入賞口(84,84,84)を備えた入賞装置(86)と、前記入賞装置(86)に設けられ、前記遊技盤(18)を前後方向に貫通する貫通口(82)を介して後方へ延出して前記入賞口(84,84,84)に入賞した遊技球を遊技盤(18)の裏側へ排出する排出樋(110,112,114)と、前記遊技盤(18)の裏側に配設される裏ユニット(36)の前面側に開口して形成され、前記排出樋(110,112,114)を介して前記入賞口(84,84,84)に連通する球通路(120)とを備えた遊技機において、
前記球通路(120)の前側に、該球通路(120)の前面開口における前記排出樋(110,112,114)に対応する部位を除いて閉鎖するカバー部材(180)が配設され、
前記カバー部材(180)は、
前記カバー部材(180)の前記排出樋(112,114)に対応する部位に前後に貫通形成され、該排出樋(112,114)の後端部(112a,114a)に連通する通過口(192,192)と、
前記カバー部材(180)の前面から前方へ突出するよう形成され、前記遊技盤(18)の裏面に当接する線状の当接突部(198)とを有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、球通路の前面にカバー部材を設けたので、球通路の前面開口がカバー部材により閉鎖されて、該球通路およびカバー部材の間に隙間が生じるのを防止し得る。従って、球通路内で遊技球の球詰まりが発生するのを好適に抑制し得る。また、裏ユニットを遊技盤に配設した際に当接突部が遊技盤の裏面に当接するので、カバー部材が裏ユニット側へ押圧されてカバー部材と球通路との密着性が向上される。従って、カバー部材と球通路との間に隙間がより生じ難くなって、球通路内を遊技球が円滑に流下することができる。
【0009】
しかも、線状の当接突部が遊技盤の裏面に線接触する構成としたから、遊技盤の裏面の歪みによる悪影響を軽減し得る。すなわち、カバー部材の前面が遊技盤の裏面に面接触する構成とした場合には、遊技盤の裏面の歪みによりカバー部材の一部が遊技盤の裏面から浮いて、通過口と排出樋との連通に支障を来したり、球通路とカバー部材との間に隙間が生じる虞がある。これに対し、請求項1の発明では、遊技盤の裏面に当接突部が線接触する構成とすることで、カバー部材が遊技盤の裏面から浮き難くなって、通過口と排出樋とが確実に連通することが可能となり、また、球通路とカバー部材との間に隙間が生じ難くなる。
【0010】
請求項2に係る遊技機では、前記カバー部材(180)に、前記通過口(192,192)の周縁から前方へ突出して前記排出樋(112,114)の後端部(112a,114a)に当接する連通突部(196)が形成されている。
請求項2の発明によれば、カバー部材の通過口の周縁に連通突部を形成したので、裏ユニットを遊技盤に配設した際にカバー部材の通過口が排出樋の後端部に確実に連通し得る。従って、通過口と排出樋の後端部との間に隙間が発生し難く、遊技球が通過口を通過する際に、球詰まりが発生するのを抑制し得る。
【0011】
請求項3に係る遊技機では、前記カバー部材(180)の前面に、前記貫通口(82)に臨んで前記入賞装置(86)に対し後方から光を照射する発光装置(116)が設けられている。
請求項3の発明によれば、線状の当接突部を形成することでカバー部材の剛性が高められるので、発光装置から生ずる熱によってカバー部材が加熱されたとしても、カバー部材が変形したり歪んだりするのを抑制し得る。また、発光装置を裏ユニット側のカバー部材に設けたので、該発光装置を遊技盤に配設した場合に較べ、発光装置から導出する配線を遊技機の裏側へ引き出し易くなる利点がある。
【0012】
請求項4に係る遊技機では、前記当接突部(198)は、前記カバー部材(180)の周縁部に設けられる。
請求項4の発明によれば、カバー部材の周縁部に当接突部を設けたので、カバー部材の剛性を高めることができ、該カバー部材の変形や歪みをより効果的に抑制し得る。
【0013】
請求項5に係る遊技機では、前記球通路(120)に遊技球を検知する球検知手段(186)が設けられ、前記カバー部材(180)に、該球検知手段(186)の前端部に前方から当接して位置規制する規制部(204)が設けられている。
請求項5の発明によれば、カバー部材に規制部を設けたので、球検知手段の前方への位置決めをなし得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機によれば、球通路の前面開口をカバー部材が隙間を生ずることなく閉鎖するので、遊技球が球通路を円滑に流下して球詰まりの発生を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図3】実施例に係るパチンコ機を示す斜視図であって、中枠に対し前枠を開放した状態で示す。
【図4】実施例に係る遊技盤および裏ユニットを示す斜視図である
【図5】実施例に係る不正防止部を示す斜視図である。
【図6】実施例に係る遊技盤を裏側から見た斜視図である。
【図7】遊技盤に入賞口用飾り部材を取付ける様子を示す斜視図である。
【図8】実施例に係る不正防止部および透明部材の位置関係を示す縦断面図である。
【図9】実施例に係る不正防止部および透明部材の位置関係を示す縦断面図であって、不正行為により透明部材が遊技盤から離間した状態を示している。
【図10】実施例に係る不正防止部の正面図である。
【図11】裏ユニットにカバー部材を取付ける様子を示す斜視図である。
【図12】実施例に係る裏ユニットの正面図である。
【図13】裏ユニットから演出装置を取外した状態を示す正面図である。
【図14】実施例に係る裏ユニットを後方から見た斜視図である。
【図15】実施例に係る遊技盤および裏ユニットの縦断面図である。
【図16】裏ユニットから演出装置を取外した状態を示す斜視図である。
【図17】実施例に係る裏ユニットの下部構造体を示す縦断面図である。
【図18】カバー部材に入賞口用発光装置およびケース体を取付ける様子を示す斜視図である。
【図19】裏ユニットを遊技盤に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図20】実施例に係る発光演出装置を前側から見た分解斜視図である。
【図21】実施例に係る発光演出装置を後側から見た分解斜視図である。
【図22】発光演出装置から前側ケースを取外した状態を示す正面図である。
【図23】実施例に係る発光演出装置の背面図である。
【図24】実施例に係る左部演出装置を前側から見た分解斜視図である。
【図25】実施例に係る左部演出装置を後側から見た分解斜視図である。
【図26】実施例に係る左部演出装置の正面図である。
【図27】実施例に係る左部演出装置の背面図である。
【図28】実施例に係る左部演出装置の縦断面図である。
【図29】実施例に係る左部演出装置の背面図であって、可動演出体が第2姿勢にある状態を示す。
【図30】可動演出体の駆動ギヤおよび扇状従動ギヤの噛合構造を示す説明図であって、可動演出体が第1姿勢にある状態を示す。
【図31】可動演出体の駆動ギヤおよび扇状従動ギヤの噛合構造を示す説明図であって、可動演出体が第2姿勢にある状態を示す。
【図32】実施例に係る可動演出体を前側から見た分解斜視図である。
【図33】実施例に係る可動演出体を後側から見た分解斜視図である。
【図34】実施例に係る可動演出体を後側から見た斜視図であって、保持部を取外した状態で示す。
【図35】ベース体に押えカバーを組付ける様子を示す斜視図であって、(a)は前側から見た状態を示し、(b)は後側から見た状態を示す。
【図36】ベース体に押えカバーを組付けた状態を示す斜視図であって、(a)は前側から見た状態を示し、(b)は後側から見た状態を示す。
【図37】変更例に係る不正防止部を示す斜視図である。
【図38】変更例に係る不正防止部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」・「後」・「左」・「右」とは、図1に示すようにパチンコ機に設置した遊技盤を正面側(遊技者側)から見た状態を基準として、遊技者側を前方と指称し、遊技盤の裏側を後方と指称するものとする。
【実施例】
【0017】
〔パチンコ機について〕
実施例に係るパチンコ機の概略構成について、図1または図2を参照して説明する。図2に示すように、パチンコ機10は、遊技店に設けられた「島」とも称される設置枠台(図示せず)に固定される外枠12と、該外枠12に対して着脱および開閉可能に枢支された中枠14とを備えている。また中枠14には、パチンコ球が流下可能な遊技領域16が画成された遊技盤18が着脱交換可能に取付けられると共に、中枠14の前面側に前枠20が枢支されている。この前枠20は、全体が合成樹脂成形されており、図3に示すように、前記中枠14の左側部に配置した上下のヒンジ機構14a,14aに前枠20の上下の端部が軸支されて、前枠20は中枠14に対し開閉自在に取付けられている。前記前枠20の右側部裏側には、中枠14の右側部に設けた施錠装置の係合片14bが係脱自在に係合する係合溝20aが上下に複数設けられ、前枠20を中枠14に対し閉成した際に、前枠20の各係合溝20aに対応の係合片14bが係合して前枠20が施錠されるよう構成されている。前記前枠20は、中枠14に配設した遊技盤18の前側に位置して該遊技盤18を透視保護する透明部材22を備えると共に、この透明部材22の下方位置にパチンコ球を貯留可能な上球皿24が設けられており、前枠20の開閉に合わせて前記透明部材22および上球皿24が一体的に開閉するようになっている。更に、中枠14の前側における前枠20の下方には、パチンコ球を貯留可能な下球皿26を形成した球皿部材28が着脱および開閉可能に組付けられている。
【0018】
前記中枠14における球皿部材28の右側部には、操作ハンドル30が設けられており、該操作ハンドル30を操作することで、中枠14に配設した打球発射機構(図示せず)が作動して上球皿24に貯留したパチンコ球を遊技盤18へ向けて打出すよう構成されている。操作ハンドル30は、常には打球発射機構の作動を停止する状態となる方向(反時計回り)に付勢され、遊技者が時計回りに回動操作すると打球発射機構が作動され、回動操作の度合によりパチンコ球の打出し強度が調節可能となっている。
【0019】
〔遊技盤について〕
図1に示すように、実施例の遊技盤18は、盤面に配設されたレール部材32(後述)により前記遊技領域16が画成された平板状の部材で構成されている。前記遊技盤18の裏側には、後述する複数の演出装置136,138,140等が配設されると共に、各種の図柄を変動・停止表示して特別図柄変動ゲームを行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置34(図4参照)が取付けられる裏ユニット36が配設される。前記遊技盤18の盤面には、該遊技盤18の左下隅部、左上隅部および右上隅部にかけて半円形状に配置された外レール38と、該外レール38の内側に離間して遊技盤18の下部中央から左上隅部にかけて配置される円弧状の内レール40とが配設されている。外レール38および内レール40は、何れも内側面が遊技盤18の盤面に対し略直角(交差する)となるよう配設されている。実施例では、前記外レール38は金属薄板から構成され、また、前記内レール40は合成樹脂で成形されている。また、外レール38と内レール40との間に、打球発射機構で打出したパチンコ球が案内される打出し通路42が画成されている。なお内レール40の上端部には、遊技領域16に打出したパチンコ球が打出し通路42に戻ることを防止する弾性部材44が配設されている。
【0020】
前記遊技盤18の盤面における四隅には、樹脂製のコーナー飾り46が複数設けられている。右側のコーナー飾り46の内側面は、前記外レール38の右端部に沿うよう湾曲した第1内側面48と、前記内レール40と同心状に延在すると共に該内レール40と略同一の曲率半径で湾曲した第2内側面50とで構成される。第1内側面48および第2内側面50は、遊技盤18の盤面に対し略直角をなすよう配設されている。また、前記第2内側面50の下端は、遊技盤18の下部中央において前記内レール40の右端部に連結部52を介して連結している。そして、前記外レール38の上部が規定する上に凸の円弧と、内レール40および第2内側面50が規定する下に凸の円弧とにより、前記遊技領域16が略円形状に画成されている。すなわち、実施例では、遊技領域16を画成するレール部材32は、内レール40、外レール38および第2内側面50によって構成されている。
【0021】
図5に示すように、前記遊技領域16の最低部を規定する前記連結部52は、内レール40および第2内側面50に対し一段下がった段差形状をなしている。前記連結部52の上面は、後方へ向かうにつれて下方へ傾斜している。前記連結部52を含む内レール40および第2内側面50の前端には、後述する不正防止部54が一体成形されている。また、前記内レール40および第2内側面50における前記連結部52を含む部位には、当該部位の後縁部から上方へ立ち上がると共に前記遊技盤18の盤面に当接する後板部56が形成され、該後板部56に、前後方向に開放するアウト口58が開設される。すなわち、図1に示すように、前記アウト口58は、前記遊技盤18における遊技領域16の最下部で開口して、後述する始動口70や特別入賞口74、一般入賞口84に入賞しないパチンコ球をアウト口58を介して遊技領域16から排出するよう構成してある。実施例では、前記アウト口58の左右の開口寸法は、前記連結部52の左右の幅寸法と同一に設定されており、該連結部52に到来したパチンコ球は、該連結部52上を後方へ転動してアウト口58へ案内されるよう構成される。なお、前記連結部52の下部には、前記右側のコーナー飾り46の左端部に連設される合成樹脂製の肉厚部60が形成されている。この肉厚部60には、矩形状に前方が開放する矩形凹部62が所要の深さで複数凹設されている。この矩形凹部62は、前記連結部52の成形時にヒケが生ずるのを防止する肉盗みとして機能するものであり、実施例では、矩形凹部62は、左右に並んで4つ形成されている。
【0022】
前記遊技盤18には、前記図柄表示装置34の表示部64が臨む図柄表示用開口部66が開設された枠状装飾部材68が配設されると共に、該枠状装飾部材68の下方位置に、パチンコ球が入賞可能な始動口(入賞口)70を備えた始動入賞装置72が配設されている。そして、前記始動入賞装置72の始動口70にパチンコ球が入賞することで、図柄表示装置34での特別図柄変動ゲームが開始されるよう構成される。この特別図柄変動ゲームの結果、前記図柄表示装置34に特定の図柄組合わせ(例えば、同一図柄の三つ揃え)が表示されることで遊技者に有利な大当り(特別遊技)が発生するよう構成されている。前記遊技盤18における始動入賞装置72の下方位置には、大当り発生時に特別入賞口(入賞口)74を開放してパチンコ球の入賞を許容する特別入賞装置(入賞装置)76が配設され、該特別入賞口74にパチンコ球が入賞することで、球払出装置(図示せず)から前記上球皿24に賞球が払出されるようになっている。
【0023】
図6に示すように、前記遊技盤18には、遊技領域16の略中央から右側部(図6では左側部)に至る大部分が開口する第1の貫通口78と、該第1の貫通口78の下方位置において遊技領域16の左右幅方向の略中央に開設された第2の貫通口80と、遊技領域16の左下方(図6では右側方)に開設された三日月状の第3の貫通口82とが開設されている。前記第1の貫通口78には、該第1の貫通口78の開口縁部を覆うように前記枠状装飾部材68が取付けられると共に、前記第2の貫通口80には、前記始動入賞装置72および特別入賞装置76が取付けられる。また、前記第3の貫通口82には、遊技領域16に開口する複数(実施例では3つ)の一般入賞口84,84,84を備えた合成樹脂製の入賞口用飾り部材(入賞装置)86が配設される。図6に示すように、前記第2の貫通口80に取付けられた前記始動入賞装置72は、該始動入賞装置72の本体部72aが該第2の貫通口80を介して遊技盤18の裏側へ突出している。同様に、特別入賞装置76についても、前記第2の貫通口80に取付けられた状態において、特別入賞装置76の本体部76aが該第2の貫通口80を介して前記遊技盤18の裏側へ突出している。なお、遊技盤18の下部中央には、前記レール部材32のアウト口58に対応する排出凹部88が該遊技盤18の下端部から上方へ凹設されており、アウト口58を通過したパチンコ球を排出凹部88を介して機外へ排出するようになっている。
【0024】
前記枠状装飾部材68の下部には、パチンコ球を一旦取込んで転動させた後に排出するステージ部90が設けられると共に、該図柄表示用開口部66の左側に、遊技領域16に球導入口92aが開口して該遊技領域16を流下するパチンコ球を取込んでステージ部90に案内する球導入部92が設けられている。そして、前記球導入部92からステージ部90に通出されたパチンコ球は、ステージ部90に形成した転動面94上を左右に転動した後に、各入賞口70,74,84が臨む遊技領域16に排出される。前記ステージ部90および転動面94は、全体が光透過性を有する透明部材で構成されている。また、前記転動面94は、全体として下に凸の円弧形状に形成されると共に、転動面94の幅方向中央に、前記始動入賞装置72の始動口70の真上に位置して、パチンコ球を始動口70へ向けて排出する樋状の案内部96が凹設されている。
【0025】
また、前記ステージ部90の前面には、前記案内部96の周辺を装飾する装飾板98が配設されている。この装飾板98は、非透明な材質で形成されており、前記ステージ部90における案内部96周辺の後方を視認不能としている。図7に示すように、前記枠状装飾部材68には、ステージ部90における転動面94の後端縁から上方に立ち上がる後壁部材100が設けられ、該後壁部材100により転動面94を転動するパチンコ球が遊技盤18の後方(図柄表示装置34の表示部64側)へ移動するのを規制している。この後壁部材100は、透明な合成樹脂で成形されており、該後壁部材100を介して後述する発光演出装置142等は視認し得るようになっている。なお、図1は、後壁部材100を枠状装飾部材68から取外した状態で示している。
【0026】
〔不正防止部について〕
前記不正防止部54は、遊技者が上球皿24を手前(遊技盤18から離間する方向)へ引っ張ることで、透明部材22と前記連結部52の前端との間に隙間を形成し、当該隙間に複数のパチンコ球を堆積させる不正行為への対策として設けられるものである。この不正防止部54は、薄板状の非透明部材で構成され、前記連結部52における前端から遊技盤18の盤面と平行に上方へ突出するよう形成されている。図8に示すように、不正防止部54の前面は、内レール40および第2内側面50の前端から該不正防止部54の厚み分だけ前方に位置している。すなわち、透明部材22と不正防止部54の前面との離間距離L1は、透明部材22と前記レール部材32(連結部52)の前端との離間距離L2より不正防止部54の厚み分だけ小さくなっている。不正防止部54の厚み寸法は、内レール40の内側面および第2内側面50の前後幅に較べて小さく形成されており、実施例では、約3mmに設定されている。このように、薄板状の不正防止部54を連結部52の前端に形成することで、図9に示すように、透明部材22と連結部52の前端との間に隙間が形成されたとしても、不正防止部54の上部からパチンコ球を落下させて、不正防止部54の上部にパチンコ球が堆積するのを困難としている。
【0027】
前記不正防止部54の上面102は、後方へ向かうにつれて下方傾斜するよう構成されており、パチンコ球を不正防止部54の上面102から積極的に落下させるよう構成されている。図10に示すように、不正防止部54の上面102の中央部は、左右方向に水平に延在すると共に、該上面102の左右の縁部には、該不正防止部54の左右方向の中央部から離間するにつれて円弧状に下方傾斜する傾斜部102a,102aが形成されている。右側の傾斜部102aは、前記第2内側面50に漸次的に近接するよう下方傾斜しており、当該傾斜部102aの右端部が第2内側面50と滑らかに連なるよう形成されている。また、左側の傾斜部102aは、前記内レール40に漸次的に近接するよう下方傾斜して、当該傾斜部102aの左端部が内レール40と滑らかに連なるよう形成されている。すなわち、不正防止部54の上面102の左右を内レール40または第2内側面50に滑らかに連なるよう構成することで、不正防止部54の左右の縁部と内レール40または第2内側面50との境界部分(図10の破線で囲んだ部分)に上下方向の段差が生じないようにして、当該境界部分にパチンコ球が引っ掛かり難くしている。また、前記不正防止部54の左右の幅寸法L3は、図10に示すように、アウト口58の左右の幅寸法より大きく設定されている。
【0028】
ここで、前記前枠20は、中枠14に対し左右の側部が固定されているため、遊技者が前記上球皿24を手前へ引っ張った場合、前枠20の下部における左右中央部が湾曲して遊技盤18から離間することとなる。従って、前枠20は、上球皿24が設けられた下部側が遊技盤18に対し最も離間するので、前記透明部材22も下部側が連結部52(遊技盤18)から最も離間することとなる。すなわち、図9に示すように、遊技者が上球皿24を手前に引っ張った場合に、透明部材22は、上側から下側に向かうにつれて遊技盤18から離間する傾斜姿勢となる。従って、不正防止部54の連結部52からの突出高さL4を大きくするに従い、傾斜姿勢となった透明部材22と不正防止部54の上面102との離間距離L1は小さくなる。一方、不正防止部54の突出高さL4を大きくすれば、遊技者側から連結部52上のパチンコ球が視認し難くなり、アウト口58付近で球詰まりが発生したか否かについての確認が困難となってしまう。そこで、不正防止部54の突出高さL4は、連結部52上のパチンコ球を確認し得る範囲で極力大きな値に設定されるのが好ましく、実施例では、不正防止部54の突出高さL4をパチンコ球の半径程度に設定してある。
【0029】
〔入賞口用飾り部材について〕
前記入賞口用飾り部材86は、図7に示すように、前記第3の貫通口82を前側から覆い得る寸法および形状に形成された非光透過性の装飾板体104と、該装飾板体104に設けられ、前記一般入賞口84が上部に形成された複数(実施例では3つ)の一般入賞部106,106,106と、該装飾板体104に配設され、光透過性を有すると共に光散乱処理が施された複数の光透過部材108とから構成される。そして、光透過部材108の後端部を第3の貫通口82に対して前側から挿入して遊技盤18の盤面に装飾板体104を当接させ、該装飾板体104を遊技盤18に図示しないネジでネジ止めすることで、入賞口用飾り部材86が遊技盤18に位置決め固定される。図6に示すように、入賞口用飾り部材86を遊技盤18に取付けた状態で、前記光透過部材108は第3の貫通口82に臨むよう構成される。
【0030】
前記一般入賞部106には、前記一般入賞口84に入賞したパチンコ球を後方へ送る断面U字状の排出樋110,112,114が、前記装飾板体104から後方へ突出するよう形成されている。そして、前記装飾板体104を遊技盤18に取付けた際に、前記一般入賞口84が前記遊技領域16に開口すると共に、前記排出樋110,112,114が第3の貫通口82に臨むようなっている。また、第3の貫通口82に臨んだ排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aは、該第3の貫通口82の後方開口縁に位置して、後方に向けて開口している(図6参照)。なお、以下の説明では、最上部に位置する一般入賞部106から最下部に位置する一般入賞部106までを、順に第1〜第3の一般入賞部106,106,106と指称し、また、第1〜第3の一般入賞部106,106,106に対応する一般入賞口84,84,84および排出樋110,112,114を、夫々、第1〜第3の一般入賞口84,84,84および第1〜第3排出樋110,112,114と指称する場合がある。前記光透過部材108は、前記装飾板体104に前後に貫通するよう形成された取付け用開口部(図示せず)に後側から嵌め込まれた状態で該装飾板体104にネジ止めされる。入賞口用飾り部材86を遊技盤18に取付けた状態で光透過部材108の後端面は、図6に示すように、遊技盤18の裏面より前方に位置するよう設定され、第3の貫通口82内には、光透過部材108へ向けて光を照射する入賞口用発光装置(発光装置)116を収容可能な空間が確保されるようになっている。
【0031】
〔裏ユニットについて〕
前記裏ユニット36は、図11,図12,図13に示すように、前方に開口する矩形箱状に形成された箱状本体118と、該箱状本体118の下端部に形成され、排出用球通路(球通路)120や複数の裏基板設置部122が形成された下部構造体124と、箱状本体118の開口前端部および下部構造体124の前端部に形成されて外側へ延出し、前記遊技盤18の裏面に当接する設置固定部126とから基本的に構成される。箱状本体118は、前記遊技盤18に対向する矩形板状に形成された対向面部128と、該対向面部128における上下左右の各縁部から前方に延出する画壁部130とから前方に開口するよう形成されて、上および左右の各画壁部130の前端部から箱状本体118の開口外側へ向けて延出するよう前記設置固定部126が形成されている。また、下部構造体124は、壁部によって前方に開口するよう形成されて、下および左右の壁部の前端から外側へ向けて前記設置固定部126が形成される。そして、各設置固定部126の前面を遊技盤18の裏面に当接した状態で、図示しないネジを介して遊技盤18に裏ユニット36が着脱自在に固定されて、箱状本体118によって前記枠状装飾部材68の図柄表示用開口部66を後側から覆い得るよう構成される。
【0032】
図12に示すように、前記対向面部128には、上下および左右幅の大部分が開口する横長矩形状の開口部132が形成されており、以下の説明において、対向面部128における開口部132に対する上下左右に位置する部分について、上対向面部128a、下対向面部128b、左対向面部128c、右対向面部128dと夫々指称し、該上下左右の対向面部128a〜128dに対応する画壁部130を、上画壁部130a、下画壁部130b、左画壁部130c、右画壁部130dと夫々指称するものとする。図14に示すように、前記裏ユニット36における左対向面部128cの裏面に一対の支持部131,131が設けられると共に、前記右対向面部128dの裏面に一対の固定基部134,134が設けられている。そして、これら支持部131,131および固定基部134,134を介して前記図柄表示装置34が裏ユニット36の後面に取付けられ、該図柄表示装置34の表示部64が前記開口部132に臨んでいる。
【0033】
前記箱状本体118の前側には、図12に示すように、前記開口部132の左縁部、上縁部および右縁部を囲繞するように、左部演出装置136、上部演出装置138および右部演出装置140が配設されると共に、該開口部132の下縁部の略中央位置に発光演出装置142が配設され、遊技状態に合わせて各種の遊技演出を行ない得るようになっている。前記左対向面部128cには、図13に示す如く、前記開口部132の左側縁部の略全体に亘って装飾カバー144が配設されている。この装飾カバー144の左側部には、前方へ向けて立設する装飾壁部144aが形成されている。この装飾壁部144aは、前記左部演出装置136の可動演出体258(後述)における左側部の外郭形状に整合する形状とされる。図15に示すように、前記装飾カバー144における遊技盤18に対向する部位は、後方へ凹んだ凹状部144bとされて、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記装飾カバー144の凹状部144bと遊技盤18の裏面との間に前記可動演出体258を収容可能な収容部146が画成されるようになっている。
【0034】
図13に示すように、前記開口部132の左上隅部に対応する左対向面部128cおよび上対向面部128aの連結部位には、前記左部演出装置136を設置するための装置設置部148が形成されている。この装置設置部148には、前記上対向面部128aおよび左対向面部128cから前方へ突出する複数のボス部148aが設けられている。更に、前記左対向面部128cには、前後方向に開放するモータ用円形孔部150が開設されている。また、左対向面部128cには、前記装飾カバー144と左画壁部130cとの間のスペースに表中継基板152が配設され、該表中継基板152のコネクタ受部152aに、前記左部演出装置136から導出する配線272g,320fが中継接続されるようになっている。なお、前記左画壁部130cにおける前記表中継基板152の上方位置には、配線フック130eが設けられている。
【0035】
前記下対向面部128bにおける左右方向の略中央位置には、前記発光演出装置142を設置するための中央設置部154が形成されている。この中央設置部154は、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記ステージ部90の案内部96の後方に位置するよう構成される。前記中央設置部154には、前記下対向面部128bから前方へ突出する一対の下側ボス部156,156と、同じく下対向面部128bから前方へ突出すると共に該下側ボス部156より上方に位置する一対の上側ボス部158,158とが形成されている(図16参照)。前記下側ボス部156の前方への突出量は、前記上側ボス部158より大きく設定されている。前記中央設置部154には、前後方向に開放する中配線通孔160が形成されており、該中配線通孔160を介して発光演出装置142から導出する配線224c,232e,252gが裏ユニット36の裏側へ引き出されるようになっている(図14参照)。また、前記下対向面部128bにおける中央設置部154の左側に、前後方向に開放する左配線通孔162が形成され、前記表中継基板152から導出する配線152b等が左配線通孔162を介して裏ユニット36の裏側へ引き出される。
【0036】
〔下部構造体の構成について〕
前記下部構造体124の裏面には、前記裏基板設置部122が複数形成され、各裏基板設置部122に裏中継基板164が取付けられている。裏中継基板164には、複数のコネクタ受部164aが設けられており、前記表中継基板152や発光演出装置142等から導出した配線152b,232e,224c,252g,202eが裏中継基板164のコネクタ受部164aに接続されている(図14参照)。
【0037】
図13,16に示す如く、前記下部構造体124の前側中央には、前方および下方に開放して前記始動入賞装置72の本体部72aを収容可能な中収容部166が画成されている。また、下部構造体124の下端部には、上側に向けて凹設された収容凹部168が前記中収容部166の下方に位置して設けられている。前記収容凹部168は、前記特別入賞装置76の本体部76aを収容可能に構成される。そして、図15に示すように、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、該遊技盤18の第2の貫通口80を介して遊技盤18の裏側に突出する始動入賞装置72の本体部72aおよび特別入賞装置76の本体部76aが、夫々、前記中収容部166および収容凹部168に収容される。すなわち、実施例では、前記裏ユニット36の開口部132の下縁部における中央位置から下部構造体124の下端部までの狭小なスペースに、前記中央設置部154、中収容部166および収容凹部168が上下の関係で並んで設けられている。
【0038】
図12に示すように、前記下部構造体124には、磁力を検知可能な磁気センサ(図示せず)を収容する直方体状のセンサ収容ケース170が左右に離間して2つ形成されている。各磁気センサは、長方形状のケーシングの内部に、その長手方向に沿う方向に延在する一対のリード片の一部を接離可能に対向配置して構成されたリードスイッチである。右側のセンサ収容ケース170には、磁気センサが縦方向(上下方向)に設置され、また、左側のセンサ収容ケース170には、磁気センサが横方向(左右方向)に設置される。各センサ収容ケース170は、磁気センサの前側に位置して該センサの前面を保護する矩形板状の前カバー170aを備える。前記前カバー170aの前面は、前記設置固定部126の前面と同一面上に位置している。
【0039】
〔排出用球通路について〕
前記下部構造体124の左部には、一般入賞口84に入賞したパチンコ球を遊技盤18の下方へ排出案内する排出用球通路120が形成されている。前記排出用球通路120は、図11に示すように、前方に開口する3つの通路172,174,176を連通して構成され、各通路172,174,176を画成する通路用壁部178の前端部178aは、前記裏ユニット36の設置固定部126の前面より僅かに後方に位置している。また、図16に示すように、前記排出用球通路120の前面開口は、前記排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに対応する部位を除いてカバー部材180により閉鎖されるようになっている。
【0040】
前記排出用球通路120は、該排出用球通路120の左部に湾曲するよう延在して前記第1の一般入賞口84に連通する第1通路172と、排出用球通路120の右部に湾曲するよう延在して第2の一般入賞口84に連通する第2通路174と、排出用球通路120の左右中央部に位置して上下に直線状に延在し、前記第3の一般入賞口84に連通する第3通路176とから構成される。第1通路172および第2通路174は、下流端側で前記第3通路176に連通しており、各一般入賞口84に入賞したパチンコ球は、第3通路176に集合されて該第3通路176の下流端に形成した球排出口182を介して機外に排出されるよう構成される。前記第1〜第3通路172,174,176の上端部は、夫々、前記裏ユニット36における第1〜第3排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに対応する位置に形成される。また、前記第1通路172の上端部は、前記左側のセンサ収容ケース170の前カバー170a(以下、左前カバー170aという)の左方に隣接している。
【0041】
前記第3通路176における前記球排出口182を画成する下端部には、前後方向に開放するスイッチ設置部184が形成され、該スイッチ設置部184に、パチンコ球を検知する球検知スイッチ(球検知手段)186が前側から設置されるようになっている。図14に示すように、前記スイッチ設置部184の後部には、前記球検知スイッチ186の後端部に係合して該球検知スイッチ186の後方への位置規制を行なう位置決め片188が設けられている。前記球検知スイッチ186は、矩形状に形成された本体部186aと、パチンコ球が通過可能な円形状の貫通孔を有する検知部186bとから構成され、該球検知スイッチ186は、前記検知部186bを前記球排出口182に臨ませた状態でスイッチ設置部184に設置される。前記一般入賞口84に入賞して、前記排出用球通路120を流下したパチンコ球が球検知スイッチ186に検知されると、所定数の賞球が前記上球皿24に払出されるようになっている。図17に示すように、前記スイッチ設置部184の前方開口端は、前記排出用球通路120の通路用壁部178の前端178aと同一面上に位置している。なお、排出用球通路120と下部構造体124の左壁部との間には、図11に示すように、上下方向に延在して、前記カバー部材180に収容される前記入賞口用発光装置116から導出する配線202eを案内する配線通路190が画成されている。
【0042】
〔カバー部材について〕
図18に示すように、前記カバー部材180は、前記排出用球通路120を前側から閉塞する板状の透明部材であって、カバー部材180の周縁部に、ボス受け部180aが複数形成されている。そして、前記ボス受け部180aを下部構造体124および左対向面部128cに形成した対応のボス部124a,128eに整合させて、ボス受け部180aに開設した通孔を介してボス部124a,128eにネジ(図示せず)を螺挿することで、カバー部材180が裏ユニット36に取付けられるようになっている。前記カバー部材180の前後の厚み寸法は、前記排出用球通路120の通路用壁部178の前端178aと前記設置固定部126の前面との前後方向の離間距離より小さく設定されている。
【0043】
前記カバー部材180には、前記第2排出樋112および第3排出樋114の後端部112a,114aに対応する部位に、前後方向に貫通する2つの通過口192,192が形成されている。各通過口192は、前記排出樋110,112の後端部110a,112aに整合するよう下縁部がU字状に形成されている。前記カバー部材180を裏ユニット36に取付けた状態において、前記第2排出樋112に対応する通過口192は、前記第2通路174の上端部の前方で位置すると共に、前記第3排出樋114に対応する通過口192は、前記第3通路176の上端部の前方に位置するよう構成される。また、前記カバー部材180の縁部には、前記第1排出樋110の後端部110aに対応する位置に、該第1排出樋110の後端部110aの下部および左側部に整合する円弧状に形成された通過部194が形成され、該通過部194は、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた状態で、前記第1通路172の上端部の前方に位置するよう構成される。また、前記通過部194は、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた状態で、前記左前カバー170aにおける左側縁部の左方に隣接するようになっている(図12参照)。
【0044】
前記通過口192,192および通過部194の周縁部には、外周縁部から前方へ突出するよう形成されて、対応の排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接可能な連通突部196が夫々形成されている。前記連通突部196におけるカバー部材180の前面からの突出量は、該カバー部材180の前面と前記設置固定部126の前面との前後方向における離間距離と略一致するよう設定される。すなわち、前記連通突部196の前記カバー部材180の前面からの突出量は、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記カバー部材180の前面と各排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aとの前後方向における離間距離に略一致するよう設定されている。そして、図19に示すように、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記連通突部196の前端部が、前記排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに夫々当接するよう構成されている。
【0045】
そして、前記連通突部196が各排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接することで、当該排出樋110,112,114と対応の第1〜第3通路172,174,176とが連通するようになっている。なお、通過部194に設けられた連通突部196は、第1排出樋110の後端部110aにおける左側部および下部に当接するようになっている。一方、第1排出樋110の後端部110aにおける右側部には、前記左前カバー170aの左側縁部が当接する。すなわち、第1排出樋110の後端部110aに、連通突部196および左前カバー170aの左側縁部が当接することで、該第1排出樋110と第1通路172との連通が図られるよう構成される。
【0046】
前記カバー部材180における前記遊技盤18の裏面に対向する周縁部には、該カバー部材180の前面から前方へ突出するよう形成されて該遊技盤18の裏面に当接可能な線状の当接突部198を備えている。前記当接突部198のカバー部材180の前面からの突出量は、前記カバー部材180の前面と前記設置固定部126の前面との前後方向における離間距離と略一致するよう設定される。すなわち、当接突部198の突出量は、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記カバー部材180の前面から遊技盤18の裏面までの離間距離と略一致する値に設定され、図19に示すように、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、当接突部198の前端部が遊技盤18の裏面に当接するよう構成される。前記当接突部198が遊技盤18の裏面に当接することで、カバー部材180の周縁部が遊技盤18によって後方へ押圧され、該カバー部材180の後面と排出用球通路120の各通路用壁部178の前端178aとの密着性が向上されるようになっている。
【0047】
前記カバー部材180の前面には、前記第3の貫通口82に対応する部位に、前記入賞口用発光装置116を設置するための発光装置用設置部200が設けられている。前記発光装置用設置部200には、カバー部材180の前面から突出成形されると共に、前記入賞口用発光装置116の入賞口用発光基板202の外縁に沿うよう延在する位置決めリブ200aが形成されている。また、前記発光装置用設置部200には、カバー部材180の前面から前方へ突出する位置決め突起200bおよび前後方向に開放する位置決め孔200cが複数形成されると共に、前方に開放したネジ孔200dが複数形成されている。
【0048】
また、カバー部材180の下縁部には、下方へ突出するよう規制部204が形成されており、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた際に、前記排出用球通路120のスイッチ設置部184の前方開口を規制部204が閉塞するよう構成される。そして、図17に示すように、前記規制部204は、前記スイッチ設置部184に設置された球検知スイッチ186の前端部に前方から当接して、該球検知スイッチ186を位置規制するようになっている。更に、発光装置用設置部200には、前記カバー部材180を裏ユニット36に取付けた際に配線通路190に対応する部位に、前後方向に開放する矩形開口部206が形成されている。
【0049】
前記入賞口用発光装置116は、前記第3の貫通口82の内部に臨み得る形状および大きさに形成された入賞口用発光基板202と、該発光基板202の前面(実装面)に実装されたLEDからなる複数の発光素子202aとから構成され、該発光素子202aが発光することで前記光透過部材108を後方から照明するものである。前記入賞口用発光基板202の外縁部には、前記発光装置用設置部200の位置決め突起200bに対応する位置決め凹部202bが凹設されると共に、該発光装置用設置部200の前記ネジ孔200dに対応する通孔202cが開設されている。
【0050】
また、入賞口用発光基板202の裏面には、コネクタ受部202dが後方へ突出して設けられており、該発光基板202を発光装置用設置部200に設置した際に、該コネクタ受部202dが前記矩形開口部206を介してカバー部材180の後面から突出するよう構成される。なお、カバー部材180の後面から突出したコネクタ受部202dは、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた際に、前記配線通路190内に臨むよう構成され、コネクタ受部202dに接続された配線202eは、配線通路190を介して上方へ案内されて、裏ユニット36の左配線通孔162から後方へ引き出されるようになっている。
【0051】
前記発光装置用設置部200の前側には、前記入賞口用発光装置116を収容可能なケース体208が配設される。このケース体208は、全体が透明な合成樹脂材から形成されたものであって、前記遊技盤18に形成された第3の貫通口82における各排出樋110,112,114が臨む部位を除く部分の開口形状と略相似する形状に形成されている。前記ケース体208は、平板状の板部の外周縁に後方へ突出する壁部を形成して構成され、ケース体208の後側に前記入賞口用発光装置116を収容し得る空間が画成されている。前記ケース体208の壁部の後端は、該ケース体208をカバー部材180に取付けた際に、前記カバー部材180の位置決めリブ200aの前端に当接するよう構成されている。
【0052】
前記ケース体208には、前記入賞口用発光基板202の通孔202cに整合する通孔208aが開設されると共に、後方に突出する位置決め突起208bが形成される。そして、ケース体208の位置決め突起208bをカバー部材180の位置決め孔200cに挿入したもとで、ケース体208および入賞口用発光基板202の両通孔208a,202cを介して前記カバー部材180のネジ孔200dにネジ(図示せず)を螺挿することで、ケース体208が入賞口用発光装置116を収容した状態でカバー部材180の前側に取付けられる。ここで、前記ケース体208をカバー部材180に取付けた状態では、図16に示すように、カバー部材180(入賞口用発光装置116)は下部構造体124の前面から前方へ突出した状態となる。従って、裏ユニット36を遊技盤18の裏面に取付けた際に、図19に示すように、入賞口用発光装置116が遊技盤18の第3の貫通口82に臨んで、前記入賞口用飾り部材86の光透過部材108の裏側に対向するようになっている。
【0053】
〔発光演出装置について〕
図21,図20に示すように、前記ステージ部90に光を後方から照射して該ステージ部90を明輝させる発光演出装置142は、回転自在に構成されると共に発光領域210が形成された演出部212と、該演出部212の後方に設けられ、該発光領域210へ光を照射する複数の発光素子(発光体)232aを備えた演出部用発光装置214と、該演出部用発光装置214を収容する装置本体216とから構成される。前記演出部212は、全体が光透過性を有する円盤状の部材であって、実施例では、演出部212の前面全体が発光領域210を構成している。前記発光領域210は、演出部212の前面に多数の凹凸による光散乱処理を施すことで構成され、この凹凸で前記発光素子232aからの光を他方向へ散乱して自ら明輝するものである。また、前記演出部212の前面(発光領域210)には、光透過性を有する円形装飾板218が配設されている。
【0054】
この円形装飾板218の前面には、前記演出部212が回転する方向に交差する方向(演出部212の径方向)の装飾が施されており、該円形装飾板218の装飾により発光領域210での光の散乱効果を高めるよう構成される。また、前記演出部212の裏面には、前記装置本体216の内部に回転可能に設けられる円形状の連結部材220が連結される。前記連結部材220には、前記演出部212の裏面に対し交差する方向に延在する連結軸孔222aが開設された演出部用回転軸(回転軸)222が形成され、該連結軸孔222aに前記装置本体216に配設された演出部用モータ(駆動手段)224の駆動軸224aが接続される。すなわち、前記演出部212は、前記連結部材220を介して装置本体216に回転自在に配設されて、前記演出部用モータ224の駆動により正逆方向に回転されるよう構成される。なお、前記連結部材220の外周縁には、径方向へ突出する検知片220aが形成されている。
【0055】
前記装置本体216は、前記演出部用発光装置214が取付けられる前側ケース226と、該前側ケース226の裏側に配設されると共に前記演出部用モータ224が取付けられる後側ケース228とから構成される。前記前側ケース226の前側には、正面視で8角形状に形成されて光散乱処理が施された磨りガラス状の散乱カバー230が配設され、前記演出部用発光装置214から照射された光を散乱カバー230で散乱するよう構成される。前記散乱カバー230には、前後方向に開放する連結用開口部230aが形成され、該連結用開口部230aを介して連結部材220が前記演出部212に連結している。
【0056】
図21に示すように、前記前側ケース226の裏面には、複数のボス部226aが後方へ突出して形成されると共に、前記散乱カバー230の裏面に、前記演出部用発光装置214を設置するための設置用突部230bが複数後方へ突出して形成されている。また、散乱カバー230の裏面には、前記演出部用発光装置214の演出部用発光基板232(後述)を位置決めする位置決め突起230cが左右に離間して2つ形成されている。前記前側ケース226の上縁部には、後方へ延出する庇状壁部226bが形成されると共に、前側ケース226の下部には、前後方向に開放する設置用開口部226cが形成されている。
【0057】
前記演出部用発光装置214は、全体が略半円弧状に延在すると共に上縁部が前記前側ケース226の上部形状に沿う形状とされた演出部用発光基板232と、該発光基板232の前面に配設され前方へ向けて光を照射する複数の前記発光素子232aとから構成される。前記演出部用発光基板232には、前記散乱カバー230の設置用突部230bに対応して通孔232bが複数開設されると共に、該散乱カバー230の位置決め突起230cに対応して位置決め孔232cが複数開設されている。そして、演出部用発光基板232は、該発光基板232の位置決め孔232cに散乱カバー230の位置決め突起230cを挿入すると共に、演出部用発光基板232の通孔232bを介して設置用突部230bにネジ(図示せず)を螺挿することで、演出部用発光基板232が前側ケース226(散乱カバー230)の裏側に取付けられるようになっている。前記演出部用発光基板232は、前記前側ケース226に取付けられた状態で、該前側ケース226の上部側に偏倚して位置するようになっている。なお、前記演出部用発光基板232の裏面における右端部には(図21では左端部)、コネクタ受部232dが後方へ突出して設けられている。
【0058】
前記発光素子232aはLEDから構成され、実施例では、複数の発光素子232aが演出部用発光基板232の前面に円弧形状をなすよう配設されている。前記演出部用発光基板232に設置された発光素子232aは、演出部用発光基板232を散乱カバー230に取付けた際に、散乱カバー230(前側ケース226)の上半分の領域に偏倚している。すなわち、図22に示すように、装置本体216において発光素子232aが設置される領域は、前記演出部212の発光領域210より狭い範囲となっており、発光素子232aからの光は発光領域210の上部側にのみ照射されることとなる。そこで、実施例に係る発光演出装置142では、演出部212を回転させると共に発光領域210および円形装飾板218に光散乱処理を施すことで、発光領域210の上部側に照射された光を効果的に散乱させて、発光領域210全体が発光し得るよう構成される。
【0059】
前記演出部用発光装置214の各発光素子232aは、図示しない制御装置の制御信号に基づいて発光制御されるよう構成される。実施例では、発光素子232aの発光パターンを制御することで、遊技態様に合わせた各種の発光演出を行ない得るようになっている。具体的には、全ての発光素子232aを一斉に点灯または消灯させたり、点滅させたりする発光演出や、前記演出部212の回転方向および回転速度に合わせて、発光素子232aを単位数ずつ順番に点灯および消滅を繰返す発光演出を行ない得るようになっている。
【0060】
前記後側ケース228は、前記散乱カバー230と略相似形の取付けカバー234と、該取付けカバー234の左右および下部側の縁部から前方へ延出する前方壁部236とから構成され、該後側ケース228の前側に前記演出部用発光装置214を収容可能な空間が画成される。前記取付けカバー234には、前記前側ケース226のボス部226aに対応してボス受け部234aが複数形成されており、前側ケース226のボス部226aの後端部を該ボス受け部234aに整合させたもとで、ボス受け部234aの通孔を介してボス部226aにネジ(図示せず)を螺挿することで、後側ケース228が前側ケース226にネジ止めされる。前記後側ケース228が前側ケース226に取付けられた状態では、前記演出部用発光装置214が後側ケース228の前側に収容されると共に、演出部用発光基板232の後面を前記取付けカバー234が裏側から覆うようになっている(図23参照)。また、図22に示すように、前記後側ケース228の前側における前記演出部用発光装置214が設けられていない下部領域には、所要の空間(以下、下部スペース238と指称する)が確保される。
【0061】
前記後側ケース228の前方壁部236には、該前方壁部236から下方へ延出する一対の下側固定片240,240と、前方壁部236における下側固定片240より上方の部位から水平方向に延出する一対の上側固定片242,242とが形成されている。前記下側固定片240には、前記裏ユニット36の下側ボス部156に対応するボス受け部240aが形成されると共に、前記上側固定片242には、裏ユニット36の上側ボス部158に対応するボス受け部242aが形成されている。更に、後側ケース228の前方壁部236には、左下部に位置して、下方に向けて開放する配線用切欠部244が形成されている。図21に示すように、前記取付けカバー234の後部には、前記演出部用モータ224を取付けるための円形状の設置凹部246が、該取付けカバー234の後面から前方へ突出した状態で形成されている。この設置凹部246には、左右に離間してネジ孔246a,246aが形成されると共に、左右方向の中央部分に、前記演出部用モータ224の駆動軸224aが挿通可能な軸挿通孔246bが開設されている。
【0062】
前記設置凹部246に取り付けられる演出部用モータ224は、本体の前側に円形状取付部248が設けられ、該円形状取付部248の前面から前記駆動軸224aが前方へ突出している。前記円形状取付部248の縁部には、左右に離間して一対のモータ取付片248a,248aが突出成形されている。そして、演出部用モータ224の駆動軸224aを設置凹部246の軸挿通孔246bに挿通すると共に、設置凹部246のネジ孔246aに前記モータ取付片248aの通孔を介してネジ(図示せず)をネジ孔に螺挿することで、演出部用モータ224の駆動軸224aが取付けカバー234の前面から突出した状態で、演出部用モータ224が設置凹部246にネジ止めされる。
【0063】
なお、前記演出部用モータ224の本体の下部にコネクタ受部224bが突出して形成されており、該コネクタ受部224bに配線224cが接続されている(図23参照)。そして、発光演出装置142を裏ユニット36の中央設置部154に取付けた際に、前記演出部用モータ224のコネクタ受部224bが中央設置部154の前記中配線通孔160に臨むよう構成される。更に、演出部用モータ224のコネクタ受部224bに接続された配線224cは、中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側に引き出され、前記裏基板設置部122の裏中継基板164に接続される。
【0064】
図23に示すように、前記取付けカバー234における前記設置凹部246の右側(図23では左側)には、前後方向に開放するコネクタ用開口部250が開設されており、前記後側ケース228を前側ケース226に取付けた際に、前記演出部用発光基板232の裏面に設けたコネクタ受部232dがコネクタ用開口部250を介して後方に臨むようになっている。そして、コネクタ受部232dに接続された配線232eは、コネクタ用開口部250を介して後方へ引き出される。なお、コネクタ用開口部250を介して後方へ引き出された配線232eは、前記中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏基板設置部122の裏中継基板164に接続される(図14参照)。
【0065】
前記取付けカバー234の下部スペース238には、図22に示す如く、演出部212の原位置を検知する演出部用原位置スイッチ(原位置スイッチ)252を設置するためのスイッチ設置部254が形成されている。前記スイッチ設置部254は、取付けカバー234に前後方向に開設されたネジ孔254aと、該取付けカバー234から前方に突出した位置決め突起254bと、前記設置凹部246の壁部から前記軸挿通孔246bへ向けて凹設した位置決め凹部254c(図20参照)とから構成される。前記演出部用原位置スイッチ252は、前記取付けカバー234に当接した状態で固定される薄板状の固定部252aと、該固定部252aの長手方向の略中央部から前方に突出成形された直方体状の基部252bと、該基部252bの一面に前後に離間して設けられ、該基部252bから突出するよう成形された一対の検知部252c,252cとから構成されている。
【0066】
前記固定部252aには、一端側に通孔252dが開設されると共に、他端側に位置決め孔252eが開設されている。また、前記検知部252cは、開放端部側が前記位置決め凹部254cに整合し得る形状に形成されている。そして、後方の検知部252cの端部側を前記位置決め凹部254cに臨ませると共に前記固定部252aの通孔252dを前記スイッチ設置部254のネジ孔254aに整合させる。更に、固定部252aの位置決め孔252eにスイッチ設置部254の位置決め突起254bを挿入すると共に、該固定部252aの通孔252dを介して該スイッチ設置部254のネジ孔254aにネジ(図示せず)を螺挿することで、演出部用原位置スイッチ252が後側ケース228のスイッチ設置部254に取付けられる。
【0067】
ここで、前記スイッチ設置部254に設置された演出部用原位置スイッチ252は、図22に示すように、両検知部252c,252cの間の空間を回転時の連結部材220の検知片220aが通過する領域に臨ませている。そして、連結部材220の検知片220aが検知部252c,252cの間を通過することで、演出部用原位置スイッチ252が演出部212の原位置を検知し得るようになっている。図22に示す如く、前記基部252bにおける前記検知部252cとは反対側の面に、コネクタ受部252fが突出して設けられており、演出部用原位置スイッチ252をスイッチ設置部254に設置した際に、コネクタ受部252fが前記配線用切欠部244に臨むよう構成される。そして、演出部用原位置スイッチ252のコネクタ受部252fに接続された配線252gは、前記配線用切欠部244を介して後側ケース228の外部へ引き出され、前記演出部用モータ224の配線224cと同様に前記裏ユニット36の裏中継基板164に接続される(図14参照)。
【0068】
前記発光演出装置142は、後側ケース228の下側固定片240および上側固定片242を介して前記裏ユニット36(下対向面部128b)の中央設置部154に取付けられる。すなわち、両下側固定片240,240のボス受け部240a,240aを前記中央設置部154における対応の下側ボス部156,156の後端部に整合させると共に、両上側固定片242,242のボス受け部242a,242aを対応の上側ボス部158,158の後端部に整合させる。そして、各ボス受け部242aに設けた通孔を介して下側ボス部156および上側ボス部158にネジ(図示せず)を螺挿することで、発光演出装置142が中央設置部154に取付けられる。ここで、前述のように、前記下側ボス部156の前方への突出量は、上側ボス部158の突出量よりも大きく設定されていることから、前記発光演出装置142は、図15に示す如く、該発光演出装置142(演出部212)の下部側を前方に傾斜させた姿勢で中央設置部154に取付けられる。
【0069】
更に、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際には、図1に示すように、発光演出装置142は、前記ステージ部90における案内部96の後方に位置する。また、前記裏ユニット36における前記中央設置部154の下方では、前記遊技盤18の第2の貫通口80を介して該遊技盤18の裏側へ延出する始動入賞装置72や特別入賞装置76の本体部72a,76aが前記中収容部166および収容凹部168に臨んだ状態となる。更に、中央設置部154の上方には、図柄表示装置34の表示部64が臨む開口部132が形成されている。すなわち、裏ユニット36におけるステージ部90の後方は、図15に示すように、前記始動入賞装置72や特別入賞装置76の本体部72a,76aにより下側のスペースが制限されると共に、前記開口部132により上側へのスペースが制限されている。そこで、実施例では、前記演出部用発光装置214を装置本体216の上部側 (発光領域210より狭い範囲)にのみ設置することで、装置本体216のサイズをコンパクトにして、裏ユニット36におけるステージ部90の後方の狭小なスペースにも発光演出装置142を設置し得る構成とされる。
【0070】
更に、図1に示すように、実施例に係る発光演出装置142は、裏ユニット36に設置された状態で、前記発光素子232aが設置されていない領域(すなわち、前記下部スペース238)に対応する前記発光領域210の下部(一部)側が、前記ステージ部90の転動面94より下方に位置している。従って、下部スペース238に設けた演出部用原位置スイッチ252は、前記ステージ部90の転動面94より下方に位置して、前記装飾板98により隠されるようになっている。すなわち、実施例の発光演出装置142は、前記発光領域210における図柄表示用開口部60側に臨む部分(転動面94より上側の部分)に対応して、発光素子232aが配置されている。
【0071】
〔左部演出装置について〕
前記左部演出装置136は、図24,図25に示すように、前記裏ユニット36に取付けられる取付けケース256と、該取付けケース256に回動自在に保持される可動演出体258と、該可動演出体258に設けられた回転演出体260と、取付けケース256に設けられて可動演出体258を回動させる可動体用モータ(駆動手段)262とから基本的に構成される。前記取付けケース256は、前ケース体264および後ケース体266を前後の関係で組付けて構成され、両ケース体264,266の内部に前記可動演出体258の一端側を収容するようになっている。
【0072】
前記前ケース体264は、前記遊技盤18に対向する板状の前ケース基体268と、該前ケース基体268の右側に突出した部位を除く外周縁から後方へ延出する壁部とで構成されており、該前ケース基体268の後面から後方へ向けて複数のボス部268aが突出成形されている。また、前ケース基体268には、前方へ突出すると共に後方へ開放した前軸受け部270が形成されると共に、前記可動演出体258の原位置を検知する可動体用原位置スイッチ(原位置スイッチ)272を設置するためのスイッチ取付部274が前ケース基体268の後面における上部に形成されている。前記スイッチ取付部274は、前記前ケース基体268の後面から後方へ突出成形されたボス部274aと、前ケース基体268の後面におけるボス部274aと所定間隔離間した位置に後方へ突出成形された位置決め突起274bと、該前ケース基体268の後面にコ字状に成形された位置決めリブ274cとから構成されている。更に、前ケース基体268には、前記スイッチ取付部274に近接して前配線用開口部277が前後方向に開放して形成される。
【0073】
前記可動体用原位置スイッチ272は、前記スイッチ取付部274のボス部274aおよび位置決め突起274b間に架設される薄板状の固定部272aと、該固定部272aの長手方向の略中央部から前方へ突出成形された直方体状の基部272bと、該基部272bの一面において前後方向に離間して設けられ、固定部272aの長手方向に交差する方向に突出した一対の検知部272cとから構成されている。前記固定部272aは、一端側に前後方向に開放する通孔272dが開設されると共に、他端側に前後方向に開放する位置決め孔272eが形成されている。また、前記検知部186bの開放端部側は、前記位置決めリブ274cに整合し得る形状に形成されている。そして、前記スイッチ取付部274のボス部274aおよび位置決め突起274bの間に可動体用原位置スイッチ272の基部272bを臨ませ、前側の検知部186bを位置決めリブ274cに整合させたもとで、可動体用原位置スイッチ272の固定部272aの位置決め孔272eに位置決め突起274bを挿入させる。そして、前記固定部272aの通孔272dを介して前記スイッチ取付部274のボス部274aにネジ(図示せず)を螺挿することで、可動体用原位置スイッチ272が、両検知部186b,186bを前記前軸受け部270に指向させた状態で前記スイッチ取付部274に取付けられる。
【0074】
前記基部272bの検知部186bとは反対側の面には、コネクタ受部272fが設けられ、該コネクタ受部272fに接続された配線272gは、前記前配線用開口部277を介して前ケース基体268の前側に引き出される(図26参照)。なお、前記前ケース基体268の前面には、複数の配線フック268bが形成され、前記前配線用開口部277を介して前ケース基体268の前側に引き出された可動体用原位置スイッチ272の配線272gは、配線フック268bに係止されて下方へ案内されるようになっている(図26参照)。
【0075】
前記後ケース体266は、前記前ケース基体268と略相似形に形成された後ケース基体276と、該後ケース基体276の右側に突出した部位を除く外周縁から前方へ延出する壁部とから構成される。後ケース体266の壁部には、外方へ突出する複数の固定片278が形成されており、各固定片278の後面に前記装置設置部148のボス部148aに対応するボス受け部278aが設けられる。そして、固定片278のボス受け部278aに装置設置部148のボス部148aの後端を嵌合させたもとで、ボス受け部278aの通孔を介してボス部148aにネジ(図示せず)を螺挿することで、後ケース体266が装置設置部148にネジ止めされるようになっている。
【0076】
また、後ケース基体276の前面には、前記前ケース体264のボス部268aに対応するボス受け部276aが形成され、各ボス受け部276aに前ケース体264のボス部268aの後端を嵌合させたもとで、ボス受け部276aの通孔を介してボス部268aにネジ(図示せず)を螺挿することで、後ケース体266が前ケース体264にネジ止めされる。ここで、前ケース体264および後ケース体266を組付けた際に、前記後ケース体266の壁部の前端が前ケース体264の壁部の後端に当接して、両ケース体264,266の間に可動演出体258の一端側を収容可能な空間が画成されるよう構成される。また、図28に示すように、前ケース体264および後ケース体266の壁部が形成されていない部位には、右側に開放して前記可動演出体258が回動するのを許容する可動体用開口部280が画成されるようになっている。
【0077】
前記後ケース基体276の前面には、前記前ケース体264の前軸受け部270に対応する後軸受け部282が前方に開放して形成されており、該後軸受け部282に前記可動演出体258の一端部側を回動自在に軸支する第1支軸284の一端が挿入されて連結されている。前記第1支軸284の他端は、前記前ケース体264および後ケース体266を組付けた際に、前記前軸受け部270の内部に筒状の軸支持体286を介して臨むよう構成される。前記後ケース基体276における前記後軸受け部282の左側には、前後方向に開放する後配線用開口部289が開設されている。また、図27に示すように、後ケース基体276の裏面および後ケース体266の壁部には、複数の配線フック266aが上下の関係で形成されている。
【0078】
更に、後ケース基体276における後軸受け部282の左側下方に、前記可動体用モータ262の駆動軸262aが挿通可能な軸挿通孔276bが前後方向に開放して形成されている。前記可動体用モータ262は、該可動体用モータ262の駆動軸262aが軸挿通孔を介して前記後ケース基体276の前方へ突出させた状態で、該後ケース基体276の後面にネジ止めされる。可動体用モータ262の駆動軸262aには、後ケース基体276の前面から所定間隔離間した位置で駆動ギヤ288が軸支されており、該可動体用モータ262が駆動することで、駆動ギヤ288が正逆方向に回転するようになっている。図14に示すように、前記可動体用モータ262は、前記後ケース体266を裏ユニット36の前記装置設置部148に取付けた際に、該装置設置部148のモータ用円形孔部150に後端部が臨むようになっている。
【0079】
前記後ケース基体276には、前記第1支軸284を中心とした円弧状に延在する円弧状溝290が前後方向に開放して形成されている。また、後ケース基体276には、前記円弧状溝290の外側に位置する側縁部に、円弧状に延在するラック部292が歯部を前方に向けた状態で取付けられている。前記ラック部292は、前記円弧状溝290と同じく前記第1支軸284を中心とし、かつ円弧状溝290と同一の中心角をなす円弧状に形成されている。前記第1支軸284には、筒状の軸支持体286を介して扇状従動ギヤ294が前記駆動ギヤ288に噛合した状態で回動自在に軸支されている。この扇状従動ギヤ294は、円盤状の円形基部296と、該円形基部296の外周縁の一部から外方へ延出した扇状部298とから構成され、該扇状部298の外周縁に前記駆動ギヤ288と噛合可能な歯部が形成されている。前記円形基部296には、前記第1支軸284が挿通可能な軸挿通孔296aが前後方向に開放して形成されると共に、該円形基部296の前面に3つのボス受け部296b,296b,296bが設けられている。
【0080】
前記円形基部296の裏面には、後方へ突出する規制突起300が形成されており、扇状従動ギヤ294を第1支軸284に軸支した際に、規制突起300が前記円弧状溝290に臨んで扇状従動ギヤ294の回動を規制している(図27,29参照)。図25に示すように、前記規制突起300は、後端部にネジ孔300aが開設されると共に、前記円弧状溝290に臨んだ規制突起300の後端部に後方から前後方向に開放する筒状の摺動体302が嵌挿されるようになっている。
【0081】
図27に示すように、この摺動体302の後端縁には、円弧状溝290の開口幅(円弧状溝290を規定する外側の円弧と内側の円弧との離間距離)より大径のフランジ部302aが形成されており、摺動体302を規制突起300に嵌挿した際に、摺動体302が円弧状溝290に臨んだ状態でフランジ部302aが後ケース基体276の後面に当接するよう構成される。そして、摺動体302を規制突起300に嵌挿した状態で、該規制突起300の後端部のネジ孔300aに摺動体302の開口面積より大きな頭部を備えたネジ(図示せず)を螺挿することで、規制突起300の円弧状溝290に対する抜け止めがなされるようになっている。前記円弧状溝290に臨んだ摺動体302は、前記規制突起300が移動した際に、円弧状溝290に沿って摺動するよう構成される。
【0082】
前記扇状部298は、扇状従動ギヤ294を第1支軸284に軸支した際に、後ケース基体276の前面に対する離間距離が前記駆動ギヤ288と略同一となるよう設定される。また、前記扇状部298の歯部における前記軸挿通孔296aからの離間距離は、前記駆動ギヤ288の歯部と第1支軸284との離間距離より僅かに大きく設定されている。そして、扇状従動ギヤ294を第1支軸284に軸支した際に、図30に示す如く、前記扇状部298の歯部が駆動ギヤ288の歯部に噛合し、可動体用モータ262の駆動により駆動ギヤ288が回転することで扇状従動ギヤ294が正逆方向に回動するようになっている。前記扇状部298の外周縁(歯部)の円弧形状は、前記ラック部292と同一の中心角で、かつ同一の円弧長さに設定されている。また、扇状部298一端側には、前方へ立ち上がるよう形成された検出片298aが設けられており、扇状従動ギヤ294が原位置にあるときに検出片298aが前記可動体用原位置スイッチ272の両検知部272c,272cの間に臨むよう構成される。
【0083】
ここで、扇状従動ギヤ294が原位置にある場合には、図30に示す如く、前記扇状部298の歯部における検出片298aとは反対側の端部が駆動ギヤ288に噛合した状態となり、また、前記規制突起300は、図27に示す如く、円弧状溝290の下端部に位置する。そして、前記扇状従動ギヤ294の原位置においては、前記可動演出体258は上下方向に延在した第1姿勢となる。一方、図31に示す如く、扇状部298の歯部における検出片298a側の端部が駆動ギヤ288に噛合した状態では、図29に示す如く、前記規制突起300が円弧状溝290の上端部に位置して、扇状従動ギヤ294は回動限界となる。そして、この状態においては、前記可動演出体258は、斜め右下方へ傾斜した第2姿勢となる。
【0084】
前記可動演出体258は、前記裏ユニット36における開口部132の左上隅部において、一端側が前記第1支軸284に回動自在に軸支された状態で裏ユニット36に配設される。前記可動演出体258は、前記第1姿勢では、略全体が前記収容部146に収容されて、図1に示すように、前記図柄表示用開口部66を介して前方から殆ど視認することは不能とされる。一方、前記第2姿勢では、図1の2点鎖線で示すように、前記図柄表示装置34の表示部64の前方に露出して図柄表示用開口部66を介して前方から視認可能となるよう構成されている。前記可動演出体258は、所定長さで延在する長尺可動部304と、該長尺可動部304の他端側の前側に設けられる筒状カバー部306とから基本的に構成され、該筒状カバー部306の前側に前記回転演出体260が回転自在に設けられる。なお、以下の説明では、長尺可動部304における前記第1支軸284に軸支された側を軸支側、反対側を開放端側と指称する。
【0085】
前記長尺可動部304は、図32,図33に示すように、表側に所要の装飾模様が施されると共に、後方に開放する断面U字状に成形された所定長さの本体部308を基本構成とし、該本体部308の後側に後述するリンク手段310を収容可能なリンク機構収容部312が画成されている(図34参照)。図12に示すように、前記長尺可動部304の延在長さは、可動演出体258が第1姿勢にあって、前記裏ユニット36の開口部132の縦辺132a(辺部)132aの長さ寸法の半分以上に設定されている。
【0086】
図25に示すように、前記本体部308の裏側には、軸支側に位置して一対の短尺ボス部308a,308aが形成されている。両短尺ボス部308a,308aは、長尺可動部304の延在方向に交差する方向に離間して設けられる。また、本体部308の裏側には、開放端側に位置して一対の長尺ボス部308b,308bが形成されている。各長尺ボス部308bは、短尺ボス部308aより長尺に設定されると共に、その後端部が短尺ボス部308aより後方に位置している。また、両長尺ボス部308b,308bは、長尺可動部304の延在方向に交差する方向に離間しており、その離間距離は、両短尺ボス部308a,308aの離間距離と同一に設定されている。更に、本体部308の裏側には、前記短尺ボス部308aより支軸側に離間して配線フック308cが形成されている。
【0087】
前記長尺可動部304の支軸側は、後方へ開放する筒状に形成された円形軸支部314が形成され、該円形軸支部314の後面から後方へ突出成形した支軸用ボス部314aに前後方向に開放する軸挿通孔314bが開設されている。前記支軸用ボス部314aには、該支軸用ボス部314aの外周面から径方向に突出して2つの配線フック314c,314cが形成されている。また、円形軸支部314の後面には、後方へ突出する3つのボス部314dが形成されており、円形軸支部314の軸挿通孔314bに前記第1支軸284を挿通させると共に、各ボス部314dの後端部を前記扇状従動ギヤ294の対応するボス受け部296bに嵌合させたもとで、該ボス受け部296bの通孔を介してボス部314dにネジ(図示せず)を螺挿することで、長尺可動部304が扇状従動ギヤ294にネジ止めされる。ここで、円形軸支部314のボス部314dが前記扇状従動ギヤ294のボス受け部296bに嵌合することで、長尺可動部304の扇状従動ギヤ294に対する位置決めがなされる。なお、前記円形軸支部314における後方に延出する壁部には、配線通過部314eが形成されている。
【0088】
前記長尺可動部304の開放端側には、該長尺可動部304の前面から後方へ一段下がって基板設置部316が形成されている。前記基板設置部316は、前後方向に貫通するリング状に形成されている。前記基板設置部316には、前方へ開放するネジ孔316aが複数形成されると共に、該基板設置部316の周縁部には、前側を臨む一対のボス受け部316b,316bが形成されている。また、基板設置部316には、前記ボス受け部316b,316bから軸支側に離間して前後方向に開放する一対の通孔(図示せず)が開設されている。前記本体部308の前面と基板設置部316とを繋ぐ壁部には、前記本体部308の長尺ボス部308bの間において該長尺可動部304の延在方向に開放する窓部318が形成されている(図28参照)。
【0089】
前記基板設置部316の前側には、前記筒状カバー部306を発光させる可動体用発光装置318が配設されている。この可動体用発光装置318は、中央部に円形貫通孔320aが開設されたドーナツ状の可動体用発光基板320と、該発光基板320の前面に複数配設されたLEDからなる発光素子(発光体)320bとから構成される。前記可動体用発光基板320の外縁部は、前記基板設置部316の外郭形状と略一致する形状に形成されている。また、可動体用発光基板320には、前後方向に開放する通孔320cが複数形成されており、該可動体用発光基板320を基板設置部316に設置した際に、該基板設置部316のネジ孔316aに可動体用発光基板320の通孔320cが整合するよう構成される。そして、可動体用発光基板320の各通孔320cを介して前記基板設置部316のネジ孔316aにネジ(図示せず)を螺挿することで、可動体用発光基板320が基板設置部316にネジ止めされるようになっている。
【0090】
前記可動体用発光基板320の周縁部には、前記基板設置部316に設けたボス受け部316bおよび通孔に対応する箇所に円弧状凹部320dが形成されており、可動体用発光基板320を基板設置部316に取付けた際に、該円弧状凹部320dを介して基板設置部316のボス受け部316bおよび通孔が前方に臨むよう構成される。更に、前記可動体用発光基板320の前面には、前記窓部318を臨む縁部にコネクタ受部320eが設けられており、図28に示すように、コネクタ受部320eに接続された配線320fは、窓部318を介して本体部308の裏側へ引き出されるようになっている。
【0091】
前記筒状カバー部306は、所要の装飾が施された円形前部306aと、該円形前部306aの周縁部から後方へ延出する壁部とから構成される。前記筒状カバーの壁部の内周面は、前記可動体用発光基板320の外周縁に略一致する形状とされて、前記筒状カバー部306の裏側に前記可動体用発光装置318および基板設置部316を収容可能な空間が画成されている。また、前記筒状カバー部306の壁部の後縁部には、後方および前記支軸側へ向けて開放する壁部開口部306bが開設されている。前記円形前部306aの裏面には、後方へ突出する一対のカバー長尺ボス部306c,306cが、円形前部306aの中心に対し前記壁部開口部306bとは反対側の縁部に設けられている。更に、前記円形前部306aの裏面には、前記壁部開口部306bに近接する縁部に後方へ突出する一対のカバー短尺ボス部306d,306dが形成されている。このカバー短尺ボス部306dの突出量は、前記カバー長尺ボス部306cより小さく設定されている。
【0092】
前記円形前部306aの裏面には、該円形前部306aの中心部から後方へ突出する軸受けボス部306eが形成されており、該軸受けボス部306eに前後方向に開放して後述する第2支軸322が挿通される軸挿通孔306fが開設されている。そして、可動体用発光装置318が設置された基板設置部316に対し前側から筒状カバー部306を被せ、該筒状カバー部306のカバー長尺ボス部306cの後端部を可動体用発光基板320の円弧状凹部320dを介して基板設置部316のボス受け部316bに整合させると共に、前記カバー短尺ボス部306dの後端部を該円弧状凹部320dを介して基板設置部316の通孔に整合させる。この状態で、基板設置部316のボス受け部316bの通孔を介して筒状カバー部306のカバー長尺ボス部306cにネジ(図示せず)を螺挿すると共に、基板設置部316の通孔を介して筒状カバー部306のカバー短尺ボス部306dにネジ(図示せず)を螺挿することで、筒状カバー部306が基板設置部316にネジ止めされる。
【0093】
前記筒状カバー部306の前側に回転自在に配設される回転演出体260は、所要の形状および装飾が施された演出部材であって、前記可動演出体258の回動時に正逆方向に回転するよう構成される。図33に示すように、前記回転演出体260の裏側には、後方へ突出するよう第2支軸322が固定されている。そして、前記筒状カバー部306の軸挿通孔306fに第2支軸322を挿通させて、筒状カバー部306の裏側に突出した第2支軸322の後端部に後述する第2ギヤ324を連結することで、第2支軸322の筒状カバー部306に対する抜け止めがなされ、回転演出体260が筒状カバー部306の前側に回転自在に取付けられる。前記第2支軸322は、回転演出体260が筒状カバー部306に設けられた状態で、長尺可動部304の延在方向に交差する前後方向に延在する。
【0094】
前記長尺可動部304のリンク機構収容部312には、前記ラック部292に噛合するピニオン部326が回転自在に配設される。また、長尺可動部304のリンク機構収容部312には、前記ピニオン部326に連繋して、可動演出体258の回動に伴うピニオン部326の回転に基づいて前記回転演出体260を回転させるリンク手段310が配設されている。前記リンク手段310は、一端部側に前記ピニオン部326が同軸的に連結されると共に前記可動演出体258の支軸側と開放端側とを結ぶ線分に沿って延在する回転シャフト328と、該回転シャフト328の他端部に同軸的に連結された第1ギヤ330と、前記第2支軸322に同軸的に連結されると共に該第1ギヤ330に噛合した第2ギヤ324とから基本的に構成される。
【0095】
前記ピニオン部326は、軸方向に開放する筒状連結部326aと、径方向に突出する歯部とから構成されており、回転シャフト328の一端部に筒状連結部326aを嵌挿した状態でネジ止めされる。前記ピニオン部326は、歯部の一部が長尺可動部304の本体部308における壁部の後端より後方に位置した状態で長尺可動部304に設けられる(図34参照)。すなわち、ピニオン部326の一部は、前記長尺可動部304のリンク機構収容部312から後方へ突出した状態となって、長尺可動部304を第1支軸284に軸支した際に、前記ラック部292に前側から噛合するよう構成される。そして、長尺可動部304が回動した際に、前記ピニオン部326は、前記ラック部292に噛合状態のまま円弧状に移動して、正逆方向に回転されるようになっている。換言すれば、前記ラック部292は、前記可動演出体258の回動時における前記ピニオン部326の移動軌跡に沿うように延在している。
【0096】
前記回転シャフト328は、前記長尺可動部304の延在方向に沿って延在する丸棒体であって、後述する保持部332によって、前記本体部308における壁部の後端縁より僅か前方(すなわち、前記リンク機構収容部312の内部)で保持されている。前記回転シャフト328の延在長さは、図34に示すように、前記ラック部292の歯部と前記第2支軸322との離間距離より僅かに小さく設定され、前記回転シャフト328の他端部が前記基板設置部316まで延出している。前記第1ギヤ330は、軸方向に開放する筒状連結部330aと、かさ歯車をなす歯部とから構成され、回転シャフト328の他端部が筒状連結部330aに嵌挿された状態でネジ止めされる。
【0097】
前記回転シャフト328に連結された第1ギヤ330は、前記基板設置部316に臨んだ第2支軸322より僅かに支軸側に離間した位置に臨むようになっている。前記第2ギヤ324は、前記第1ギヤ330と同様な構成であって、軸方向に開放する筒状連結部324aと、かさ歯車をなす歯部とから構成され、前記第2支軸322の後端部が筒状連結部324aに嵌挿された状態でネジ止めすることで、第2ギヤ324が第2支軸322に連結されている。前記第2ギヤ324は、筒状カバー部306を前記基板設置部316に取付けた際に、可動体用発光基板320の円形貫通孔320aを介して前記基板設置部316に臨んで、前記第1ギヤ330に対して前側から噛合するようになっている(図34参照)。
【0098】
図35,図36に示すように、回転シャフト328を回転自在に保持する保持部332は、前記回転シャフト328を支持するベース体334と、該ベース体334の裏側に取付けられる押えカバー336とから構成されている。前記ベース体334は、可動演出体258の支軸側に位置する第1板状部338と、該可動演出体258の開放端側に位置して第1板状部338より後方に延在する第2板状部340とから構成され、前記回転シャフト328の延在方向(長尺可動部304の延在方向)に沿って延在している。前記第1板状部338には、開放端部に幅広の取着部338aが形成され、該取着部338aの後面にベース体334の延在方向に交差する方向に離間した一対のボス受け部338b,338bが設けられている。
【0099】
前記第2板状部340の長手方向の両縁部には、該第2板状部340における第1板状部338とは反対側の端部に近接して一対の円弧状支持部340a,340aが第2板状部340の短手方向に離間して形成されている。各円弧状支持部340aは、第2板状部340から後方へ突出するよう形成されている。各円弧状支持部340aには、前記長尺可動部304の長尺ボス部308bが嵌入可能な寸法で前後方向に開放する嵌合孔340bが開設されている。そして、前記第1板状部338のボス受け部338bに長尺可動部304の短尺ボス部308aの後端部を整合させると共に、該長尺可動部304の長尺ボス部308bを第2板状部340の対応の円弧状支持部340aの嵌合孔340bに嵌入したもとで、該ボス受け部338bの通孔を介して短尺ボス部308aにネジ(図示せず)を螺挿することで、前記ベース体334が長尺可動部304(本体部308)にネジ止めされるよう構成される。なお、前記ベース体334が長尺可動部304に取付けられた状態では、前記長尺ボス部308bの後端縁が前記円弧状支持部340aの後端縁に整列するようになっている。
【0100】
前記第2板状部340における第1板状部338側の端部に近接して一対のボス部340c,340cが第2板状部340の短手方向に離間して形成されている。第2板状部340のボス部340cは、前記円弧状支持部340aと同じ突出量で、前記第2支持部から後方へ突出している。第2板状部340の両端部には、夫々、長尺可動部304の延在方向に開放するU字状の支持体342,344が、後方に向けて突出成形されており、両支持体342,344に前記回転シャフト328が回転自在に支持されるよう構成される。なお、以下の説明では、第1板状部338側の支持体を第1支持体342、第1板状部338とは反対側の支持体を第2支持体344と指称する場合がある。
【0101】
前記支持体342,344は、第2板状部340の隅部から後方に突出する一対の突起部342a,342a,344a,344aを備え、両突起部342a,342a,344a,344aの間に回転シャフト328が配設される。各突起部342a,342a,344a,344aの後端面は、前記第2板状部340の円弧状支持部340aおよびボス部340cの後端面より後方に位置している。また、両支持体342,344の外側面(他方の支持体344,342に対向する面とは反対側の面)の離間距離L5(図35(a)参照)は、前記ピニオン部326の筒状連結部326aにおける端縁部と前記第1ギヤ330の筒状連結部330aにおける端縁部との離間距離L6(図34参照)と略一致する寸法に設定されている。
【0102】
前記第2支持体344の突起部344a,344aには、該突起部344a,344aの後端面から第2板状部340の長手方向外方および短手方向外方へ延出する規制片344b,344bが形成されている。この規制片344bにおける第2板状部340の長手方向外方へ延出した外縁部と、第1支持体342の外側面との離間距離L7(図35(b)参照)は、前記ピニオン部326の筒状連結部326aにおける端縁部と前記第1ギヤ330の筒状連結部330aにおける端縁部との離間距離L6より大きく設定されている。そして、回転シャフト328は、前記第1ギヤ330側を第2支持体344に臨ませた後に、ピニオン部326側を第1支持体342に臨ませることで、両支持体342,344間にセットされるようになっている。
【0103】
回転シャフト328が支持体342,344に支持された状態では、図27に示すように、前記規制片344b,344bの端部が第1ギヤ330の筒状連結部330a,330aの開放端より歯部側に位置して、回転シャフト328の第1ギヤ330側が第2支持体344から脱落するのを規制している。更に、図35(a)に示すように、各規制片344bの前面側(第2板状部340側)には、後方へ向かうにつれて第2支持体344から離間する方向に傾斜した傾斜面344cが形成されており、回転シャフト328を支持体342,344に着脱する際に第2ギヤ324が規制片344bに引っ掛かり難くしている。
【0104】
前記押えカバー336は、前記支持体342,344の間に配設される板状部材であって、押えカバー336の長手方向の寸法は、両支持体342,344の内側面(他方の支持体344,342に対向する面)の離間距離と略一致する寸法に設定されている。また、押えカバー336の短手方向の寸法は、前記第2板状部340の短手方向の寸法と略同一に設定される。押えカバー336の一端部側には、前記第2板状部340のボス部340c,340cに対応する一対のボス受け部336a,336aが、該押えカバー336の長手方向の縁部から短手方向の外方に膨出するように形成されている。また、押えカバー336の他端部側は、短手方向に広がった幅広部336bとされて、該幅広部336bに前記長尺可動部304の長尺ボス部308b,308bに対応する通孔336c,336cが開設されている。
【0105】
そして、押えカバー336のボス受け部336a,336aに前記第2板状部340のボス部340c,340cの後端部を嵌合し、該ボス受け部336a,336aの通孔を介してボス部340c,340cにネジ(図示せず)を螺挿することで、押えカバー336が第2板状部340にネジ止めされる。更に、前記押えカバー336の通孔336c,336cを長尺可動部304の長尺ボス部308b,308bに整合させたもとで、該通孔336c,336cを介して長尺ボス部308b,308bにネジ(図示せず)を螺挿することで、押えカバー336が長尺可動部304にネジ止めされるよう構成される。前記押えカバー336が長尺可動部304に取付けられた状態では、該押えカバー336の幅広部336bの前面が長尺可動部304の長尺ボス部308b,308bの後端部および第2板状部340の円弧状支持部340a,340aの後端部に当接して、押えカバー336の位置決めがなされると共に、ベース体334(第2板状部340)が長尺可動部304に固定されようになっている。また、押えカバー336が第2板状部340に取付けられることで、前記支持体342,344に支持された回転シャフト328が押えカバー336により後方から覆われた状態となって、該回転シャフト328の支持体342,344からの脱落が阻止される(図27参照)。
【0106】
前記押えカバー336の短手方向の両縁部には、中央部から長手方向外方へ延出する位置決め突片336d,336dが形成されている。各位置決め突片336dの短手方向の長さは、各支持体342,344の両突起部342a,342a,344a,344aの離間距離に略一致するよう設定されており、押えカバー336を第2板状部340に取付けた際に、各位置決め突片336dが各支持体342,344の突起部342a,342a,344a,344aの間に臨んで、押えカバー336が位置決めされる。また、押えカバー336における前記第2支持体344側の縁部には、一対の係止片336e,336eが前記位置決め突片336dを挟んで形成されている。各係止片336eは、押えカバー336の前面から前方へ突出すると共に、押えカバー336の長手方向外方へ延出している。また、前記係止片336eは、押えカバー336を第2支持体344に取付けた際に、前記第2支持体344の規制片344bに前側から係止可能に構成されている。すなわち、係止片336e,336eを第2支持体344の規制片344b,344bに係止させると共に前記位置決め突片336dを第2支持体344の突起部344a,344aの間に臨ませた後に、押えカバー336の他方の位置決め突片336dを第1支持体342の突起部342a,342aの間に臨ませることで、前記押えカバー336は、第2板状部340にセットされるようになっている(図35,図36参照)。
【0107】
ここで、前記長尺可動部304にベース体334が取付けられた状態においては、図28に示すように、前記第1板状部338の前面および第2板状部340の前面が長尺可動部304の本体部308の裏面から離間して、ベース体334の前面と本体部308の裏面との間に配線スペース346が画成されるようになっている。そして、前記窓部318を介して本体部308の裏側に引き出された可動体用発光装置318の配線320fは、前記長尺ボス部308b,308bの間を通って前記配線スペース346へ引き出される。前記配線スペース346に引き出された配線320fは、該配線スペース346を通って長尺可動部304の支軸側へ案内され、前記短尺ボス部308aの間を通って前記円形軸支部314側へ引き出される。すなわち、可動体用発光装置318から導出する配線320fは、保持部332における回転シャフト328を支持する面とは反対側の面に沿って長尺可動部304の支軸側へ案内されるようになっている。
【0108】
なお、前記配線スペース346から引き出された配線320fは、長尺可動部304の配線フック308cに係止された後、前記円形軸支部314の2つの配線フック314c,314cで右側へ湾曲されて、該円形軸支部314の配線通過部314eを介して長尺可動部304の外部へ引き出される。更に、長尺可動部304の外部へ引き出された配線320fは、図27に示すように、前記後側ケース228の後配線用開口部289から該後側ケース228の裏側へ引き出される。そして、後側ケース228の裏側へ引き出された配線320fは、後側ケース228の配線フック266aを介して下方へ案内され、前記裏ユニット36における表中継基板152に接続される(図12参照)。
【0109】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0110】
〔カバー部材の組付けについて〕
先ず始めに、カバー部材180を裏ユニット36に取付ける場合について説明する。図18に示すように、入賞口用発光装置116の入賞口用発光基板202を前記カバー部材180の発光装置用設置部200にセットする。入賞口用発光基板202の位置決め凹部202bに前記カバー部材180の位置決め突起200bが臨むことで、入賞口用発光基板202が、カバー部材180の位置決めリブ200aの内側に整合した状態で位置決めされる。このとき、入賞口用発光基板202の後面のコネクタ受部202dが、前記矩形開口部206を介してカバー部材180の裏側に臨む。次に、前記ケース体208の後側の空間に前記入賞口用発光装置116を収容した状態で、該ケース体208の壁部の後端を前記カバー部材180の位置決めリブ200aの前端に当接させる。そして、ケース体208の位置決め突起208bをカバー部材180の位置決め孔200cに挿入したもとで、ケース体208の通孔208aおよび入賞口用発光基板202の通孔202cを介してカバー部材180のネジ孔200dにネジを螺挿することで、ケース体208が入賞口用発光装置116を収容した状態でカバー部材180の前側に取付けられる。
【0111】
一方、前記裏ユニット36については、排出用球通路120のスイッチ設置部184の前方開口に球検知スイッチ186を挿入し、該球検知スイッチ186の検知部186bが球排出口182に臨んだ状態で、球検知スイッチ186をスイッチ設置部184にセットする。このとき、図17に示すように、スイッチ設置部184の位置決め片188が球検知スイッチ186における本体部186aの後端部に係合し、該球検知スイッチ186の後方への位置規制がなされる。また、スイッチ設置部184に球検知スイッチ186が設置された状態では、該球検知スイッチ186の前端部がスイッチ設置部184の前方開口に整列した状態となる。
【0112】
次に、前記入賞口用発光装置116およびケース体208が取付けられたカバー部材180を前記裏ユニット36の排出用球通路120の前側に取付ける。すなわち、図11に示すように、カバー部材180のボス受け部180aを下部構造体124および左対向面部128cに形成したボス部124a,128eに嵌合させ、ボス受け部180aの通孔を介してボス部124a,128eにネジを螺挿してカバー部材180が裏ユニット36にネジ止めされる。これにより、図12に示すように、排出用球通路120の前方開口が、前記入賞口用飾り部材86の各排出樋110,112,114に連通する部分(すなわち、第1〜第3通路172,174,176の上端部)を除いて、前記カバー部材180により閉塞される。そして、カバー部材180が裏ユニット36に取付けられた状態では、該カバー部材180の後面が通路用壁部178の前端に当接し、前記通過口192および通過部194が対応の第1〜第3通路172,174,176に連通する。このように、実施例では、排出用球通路120の前面開口がカバー部材180により閉鎖されるので、通路用壁部178およびカバー部材180の間に隙間が生じるのを抑制し得る。従って、排出用球通路120でパチンコ球の球詰まりが発生するのを好適に抑制し、該排出用球通路120をパチンコ球が円滑に流下することが可能となる。
【0113】
カバー部材180が裏ユニット36に取付けられると、図17に示すように、該カバー部材180の規制部204が、前記スイッチ設置部184に設置された球検知スイッチ186の前端部に当接し、該球検知スイッチ186の前方への位置規制がなされる。このように、実施例では、カバー部材180に規制部204を設けることで、カバー部材180を排出用球通路120に取付けた際に、球検知スイッチ186の位置規制を行なうことが可能となる。また、前記カバー部材180が排出用球通路120に取付けられると、入賞口用発光基板202のコネクタ受部202dが裏ユニット36の配線通路190に臨み、該コネクタ受部202dに接続された配線202eは、配線通路190を介して裏ユニット36の上方へ案内される(図12参照)。そして、配線通路190を介して上方へ案内された配線202eは、前記裏ユニット36の左配線通路162を介して該裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏中継基板164に接続される(図14参照)。すなわち、実施例では、入賞口用発光装置116をカバー部材180を介して裏ユニット36側に設ける構成としたので、入賞口用発光装置116を遊技盤18に取付ける構成に較べ、配線202eを裏ユニット36の裏側へ引き回すのが容易となる。ここで、カバー部材180を排出用球通路120の前側に取付けた状態では、図16に示すように、カバー部材180(入賞口用発光装置116)が下部構造体124の前面から前方へ突出した状態となる。
【0114】
〔発光演出装置の組付けについて〕
次に、発光演出装置142を組付ける場合について説明する。図20,図21に示すように、前記演出部212の前側に円形装飾板218を取付けると共に、前記前側ケース226の前側に散乱カバー230を取付け、該散乱カバー230の連結用開口部230aに演出部212の後面を臨ませる。前記連結用開口部230aに臨む演出部212の後面に対し、前記連結部材220を前側ケース226の後側から連結させる。また、前記演出部用発光基板232の位置決め孔232cに散乱カバー230の位置決め突起230cを挿入すると共に、演出部用発光基板232の通孔232bを散乱カバー230の設置用突部230bに整合させる。そして、演出部用発光基板232の通孔232bを介して設置用突部230bにネジを螺挿して、演出部用発光装置214を前側ケース226(散乱カバー230)にネジ止めする。
【0115】
また、前記演出部用原位置スイッチ252を後側ケース228のスイッチ設置部254に設置する。すなわち、演出部用原位置スイッチ252の後方の検知部252cをスイッチ設置部254の位置決め凹部254cに臨ませると共に、該原位置スイッチ252の固定部252aの通孔252dをスイッチ設置部254のネジ孔254aに整合させる。更に、前記固定部252aの位置決め孔252eにスイッチ設置部254の位置決め突起254bを挿入すると共に、該固定部252aの通孔252dを介して該スイッチ設置部254のネジ孔254aにネジを螺挿することで、演出部用原位置スイッチ252が後側ケース228のスイッチ設置部254に取付けられる。このとき、スイッチ設置部254に設置された演出部用原位置スイッチ252は、図22に示すように、両検知部252c,252cの間の空間を回転時における連結部材220の検知片220aの通過領域に臨ませている。
【0116】
前記後側ケース228を前側ケース226に組付ける場合には、該後側ケース228のボス受け部234aに前側ケース226のボス部226aの後端部を嵌合させ、該ボス受け部234aの通孔を介してボス部226aにネジを螺挿して、後側ケース228を前側ケース226にネジ止めする。このとき、図22に示すように、前記演出部用発光装置214の発光素子232aは、装置本体216の上部側に位置して円弧状に並んでいる。すなわち、実施例に係る発光演出装置142では、複数の発光素子232aが演出部212の発光領域210よりも狭い範囲に設けられている。また、演出部用発光装置214が設けられていない後側ケース228の下部の領域には、下部スペース238として所要の空間が画成され、前記スイッチ設置部254に設置された演出部用原位置スイッチ252は、当該下部スペース238に位置する。なお、演出部用原位置スイッチ252のコネクタ受部252fに接続された配線252gは、後側ケース228の配線用切欠部244を介して外部に引き出される。また、前記後側ケース228を前側ケース226に取付けた状態では、図23に示すように、前記演出部用発光基板232のコネクタ受部232dが後側ケース228のコネクタ用開口部250に臨み、該コネクタ受部232dに接続された配線232eは、該コネクタ用開口部250を介して後側ケース228の後方へ引き出される。
【0117】
次に、前記演出部用モータ224を後側ケース228の設置凹部246に取付ける。すなわち、演出部用モータ224の駆動軸224aを設置凹部246の軸挿通孔246bに挿通し、前記連結部材220の連結軸孔222aに接続する。また、演出部用モータ224のモータ取付片248aを前記設置凹部246にネジ止めして、演出部用モータ224を設置凹部246に取付ける。これにより、前記演出部212が前記連結部材220を介して演出部用モータ224に接続されて、該演出部212が装置本体216の前側に回転自在に取付けられる。前記演出部用モータ224が設置凹部246に取付けられた状態で、図23に示すように、演出部用モータ224のコネクタ受部224bに接続された配線224cが下方へ導出している。
【0118】
発光演出装置142を裏ユニット36の中央設置部154に取付ける際には、前記後側ケース228の下側固定片240のボス受け部240aに中央設置部154の下側ボス部156の前端部を嵌合させると共に、後側ケース228の上側固定片242のボス受け部242aに中央設置部154の上側ボス部158(図16参照)の前端部を嵌合させる。そして、下側固定片240および上側固定片242の両ボス受け部240a,242aの通孔を介して下側ボス部156および上側ボス部158にネジを螺挿して、発光演出装置142を中央設置部154にネジ止めする。このとき、前記中央設置部154の下側ボス部156の前方への突出量は、上側ボス部158より大きいので、発光演出装置142は、下部側を前方に位置させた後方傾斜した姿勢となる(図15参照)。
【0119】
発光演出装置142が中央設置部154に取付けられると、前記演出部用モータ224の後端部が前記中配線通孔160に臨む(図14参照)。そして、演出部用モータ224から導出する配線224cは、中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏中継基板164に接続される。また、前記後側ケース228のコネクタ用開口部250から導出する演出部用発光装置214の配線232eおよび前記配線用切欠部244から導出する演出部用原位置スイッチ252の配線252gについても、中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側へ引き出された後、前記裏中継基板164に接続される。
【0120】
〔左部演出装置の組付けについて〕
可動演出体258を組付ける場合には、先ず始めに、前記保持部332のベース体334を本体部308のリンク機構収容部312に取付ける。すなわち、前記第1板状部338のボス受け部338bを前記長尺可動部304(本体部308)の短尺ボス部308aの後端部に嵌合させると共に、前記第2板状部340の円弧状支持部340aの嵌合孔340bに長尺可動部304の長尺ボス部308bを嵌入する。次いで、前記ベース体334の第2支持体344に前記回転シャフト328の第1ギヤ330側を臨ませた後、該回転シャフト328のピニオン部326側を第1支持体342に臨ませる。このとき、前記ピニオン部326の筒状連結部326aおよび第1ギヤ330の筒状連結部330aの離間距離L6(図34参照)は、両支持体342,344の対向する突起部342a,342a,344a,344aの外側面間の離間距離L5(図35(a)参照)と略同一に設定されているので、ピニオン部326および第1ギヤ330の間に両支持体342,344が挾まれた状態で回転シャフト328がセットされる。
【0121】
しかも、前記第2支持体344の規制片344b,344bの外縁部と、第1支持体342の突起部342a,342aの外側面との離間距離L7(図35(b)参照)は、前記ピニオン部326の筒状連結部326aおよび第1ギヤ330の筒状連結部330aの離間距離L6より大きく設定されている。従って、回転シャフト328の第1ギヤ330側が第2支持体344から脱落しようとしたときに該第1ギヤ330が前記規制片344b,344bに接触して、回転シャフト328の脱落を規制する。すなわち、回転シャフト328を両支持体342,344間に一旦セットした後に、該回転シャフト328が第2支持体344から脱落し難くすることで、押えカバー336をベース体334に組付ける作業を効率的に行なうことが可能となる。また、図35(a)に示すように、各規制片344bの第2板状部340を指向する側に傾斜面344cを形成したので、回転シャフト328を第2支持体344に着脱する際に、第1ギヤ330が規制片344b,344bに引っ掛かり難くして、作業性を向上し得る。
【0122】
前記回転シャフト328を両支持体342,344にセットした状態で、前記押えカバー336をベース体334に取付ける。すなわち、図35(a),(b)に示すように、押えカバー336の係止片336e,336eを前記第2支持体344の規制片344b,344bの前側に係合させると共に、両係止片336e,336eの間の位置決め突片336dを第2支持体344の突起部344a,344aの間に臨ませる。次いで、前記押えカバー336の反対側の位置決め突片336dを第1支持体342の突起部342a,342aの間に臨ませる。すると、前記押えカバー336の幅広部336bが前記円弧状支持部340aの後端部および前記長尺可動部304の長尺ボス部308bの後端部に当接し、該幅広部336bの通孔336cが長尺ボス部308bに整合する。また、押えカバー336のボス受け部336aが前記第2板状部340のボス部340cの後端部に嵌合する。そして、押えカバー336の通孔336cを介して前記長尺可動部304の長尺ボス部308bにネジを螺挿すると共に、押えカバー336のボス受け部336aの通孔336cを介して第2板状部340のボス部340cにネジを螺挿して、押えカバー336をベース体334にネジ止めする。
【0123】
すると、図36(a),(b)に示すように、押えカバー336は、第1支持体342および第2支持体344間に整合した状態でベース体334に取付けられて、回転シャフト328が両支持体342,344間に回転自在に支持される。また、押えカバー336が回転シャフト328を後側から閉塞するので、該回転シャフト328に塵埃や異物が接触するのを抑制して、回転シャフト328の回転に不具合が発生するのを防止している。更に、第2支持体344の円弧状支持部344aの後端部が押えカバー336に押さえつけられることで、第2板状部340が長尺可動部304に確実に固定される。なお、第1板状部338側は、該第1板状部338の取着部338aに設けたボス受け部338bの通孔を介して長尺可動部304の短尺ボス部308aにネジを螺挿することでネジ止めされる。前記回転シャフト328がリンク機構収容部312に配設されると、図34に示すように、前記ピニオン部326が長尺可動部304の後端部から僅かに突出すると共に、前記第1ギヤ330が基板設置部316に臨んだ状態となる。また、図28に示すように、前記第1板状部338の前面および第2板状部340の前面が長尺可動部304の本体部308の裏面から離間して、ベース体334の前面と本体部308の裏面との間に配線スペース346が画成される。
【0124】
可動演出体258の基板設置部316に可動体用発光装置318を取付ける際には、図32,図33に示すように、前記可動体用発光基板320の通孔320cを基板設置部316のネジ孔316aに整合させ、該通孔320cを介してネジをネジ孔316aに螺挿することで、可動体用発光基板320が基板設置部316にネジ止めされる。このとき、前記基板設置部316のボス受け部316bおよび通孔が、可動体用発光基板320の周縁部に設けた円弧状凹部320dを介して前方に臨んだ状態となる。また、筒状カバー部306の軸挿通孔306fに前記回転演出体260に接続した第2支軸322を前側から挿通させ、該第2支軸322の後端部に第2ギヤ324を連結させることで、回転演出体260が筒状カバー部306の前面に回転自在に取付けられる。
【0125】
そして、前記基板設置部316の前側から筒状カバー部306を被せるようにセットし、前記可動体用発光基板320の円弧状凹部320dを介して前方に臨む基板設置部316のボス受け部316bに筒状カバー部306のカバー長尺ボス部306cの後端部を嵌合させる。また、前記可動体用発光基板320の円弧状凹部320dを介して前方に臨む基板設置部316の通孔に筒状カバー部306のカバー短尺ボス部306dの後端部を整合させる。そして、基板設置部316のボス受け部316bを介してカバー長尺ボス部306cにネジを螺挿すると共に、基板設置部316の通孔を介してカバー短尺ボス部306dにネジを螺挿して、筒状カバー部306が前記基板設置部316にネジ止めされる。
【0126】
前記筒状カバー部306が基板設置部316に取付けられると、前記第2支軸322および第2ギヤ324が前記可動体用発光基板320の円形貫通孔320aを介して基板設置部316に臨み、該第2ギヤ324が前記第1ギヤ330に前側から噛合する(図34参照)。また、前記可動体用発光基板320に設けられたコネクタ受部320eは、長尺可動部304の窓部318に臨んだ状態となる。そして、図28に示すように、可動体用発光基板320のコネクタ受部320eに接続された配線320fを前記窓部318を介して前記配線スペース346へ引き出し、該配線スペース346を通って長尺可動部304の支軸側へ案内する。すなわち、実施例では、可動体用発光装置318から導出する配線320fを、保持部332における回転シャフト328を支持する面とは反対側の面に沿って長尺可動部304の支軸側へ案内するようにしたので、配線320fが回転シャフト328から分離されて該回転シャフト328に接触するのを防止し得る。また、回転シャフト328を保持する保持部332を配線320fの案内部材として兼用したので、部品点数が増加するのを回避して製造コストを低廉にし得る。
【0127】
次に、図24に示すように、前記後ケース体266の後軸受け部282に第1支軸284を軸支持体286を介して連結する。そして、第1支軸284に対し前記扇状従動ギヤ294の軸挿通孔296aを挿通させ、該扇状従動ギヤ294の規制突起300を前記ラック部292の円弧状溝290に臨ませた状態で、該扇状従動ギヤ294を第1支軸284に回動自在に軸支させる。また、後ケース体266の軸挿通孔276bに可動体用モータ262の駆動軸262aを後方から挿通させ、後ケース体266の後面に可動体用モータ262をネジ止めする。そして、後ケース体266の軸挿通孔276bから前方へ突出する可動体用モータ262の駆動軸262aに駆動ギヤ288を接続させる。すると、図30に示すように、前記扇状従動ギヤ294の歯部と前記駆動ギヤ288の歯部とが噛合する。また、前記扇状従動ギヤ294の規制突起300の後端部に摺動体302を嵌挿させ、該摺動体302を円弧状溝290に臨ませた状態で規制突起300にネジを螺挿し、該規制突起300の円弧状溝290への抜け止めがなされる。
【0128】
次に、前記可動演出体258の円形軸支部314に設けた軸挿通孔314bに前記第1支軸284を挿通し、可動演出体258を第1支軸284に回動自在に軸支させる。すると、図34に示すように、前記長尺可動部304のリンク機構収容部312から僅かに後方に突出したピニオン部326の歯部が、前記後ケース体266に設けたラック部292の歯部に前側から噛合する。また、前記円形軸支部314の配線通過部314eから引き出された可動体用発光装置318の配線320fを、前記後ケース体266の後配線用開口部289を介して該後ケース体266の後側に引き出す。そして、後ケース体266の後側に引き出された配線320fは、該後ケース体266に設けた複数の配線フック266aを介して下方へ案内される(図27参照)。
【0129】
前記可動体用原位置スイッチ272を前ケース体264のスイッチ取付部274に設置するには、該スイッチ取付部274の位置決めリブ274cに前側の検知部272cを臨ませると共に、可動体用原位置スイッチ272の固定部272aの位置決め孔272eにスイッチ取付部274の位置決め突起274bを挿入させる。そして、可動体用原位置スイッチ272の固定部272aに設けた通孔272dを介してスイッチ取付部274のボス部274aにネジを螺挿することで、可動体用原位置スイッチ272がスイッチ取付部274に設置される。可動体用原位置スイッチ272がスイッチ取付部274に設置されると、可動体用原位置スイッチ272の両検知部272c,272cの間の空間が前記扇状従動ギヤ294の検知片298aの移動軌跡に臨んだ状態となる。また、可動体用原位置スイッチ272のコネクタ受部272fに接続された配線272gは、前記前ケース体264の前配線用開口部277を介して該前ケース体264の前側に引き出され、該前ケース体264に設けた配線フック268bを介して下方へ案内される(図26参照)。
【0130】
次に、前ケース体264の前軸受け部270に、軸支持体286を介して前記第1支軸284の前端部を挿入させる。また、前ケース体264の複数のボス部268aの後端部を前記後ケース体266の対応する軸受け部276aに嵌合させ、該軸受け部276aの通孔を介してボス部268aにネジを螺挿して、前ケース体264および後ケース体266をネジ止めする。このとき、図28に示すように、前ケース体264および後ケース体266の右側に可動体用開口部280が画成されて、可動演出体258の回動動作が許容される。左部演出装置136(取付けケース256)を裏ユニット36の装置設置部148に取付ける際には、前記上対向面部128aおよび左対向面部128cに設けたボス部148aの後端部を取付けケース256(後ケース体266)の固定片278のボス受け部278aに嵌合させ、ボス受け部278aの通孔を介してボス部148aにネジを螺挿する。これにより、取付けケース256が装置設置部148にネジ止めされて、左部演出体が裏ユニット36に組付けられる。すなわち、図12に示すように、可動演出体258は、裏ユニット36における開口部132の左上隅部の近傍で軸支される。なお、取付けケース256が装置設置部148に取付けられると、図14に示すように、前記可動体用モータ262の後部が、前記裏ユニット36のモータ用円形孔部150を介して該裏ユニット36の裏側に臨む。
【0131】
前記後ケース体266の配線フック266aを介して下方へ案内された可動体用発光装置318の配線320fは、図12に示すように、左画壁部130cに設けた配線フック130eを介して下方へ案内されて、前記表中継基板152に接続される。また、前ケース体264の配線フック268bを介して下方へ案内された可動体用原位置スイッチ272の配線272gは、同じく前記左画壁部130cの配線フック130eを介して下方へ案内されて、前記表中継基板152に接続される。そして、表中継基板152から導出する配線152bは、図14に示すように、前記左配線通孔162を介して裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏中継基板164に接続される。また、裏ユニット36の後面には、前記支持部131および固定基部134を介して図柄表示装置34が取付けられ、該図柄表示装置34の表示部64が裏ユニット36の開口部132に臨む。
【0132】
〔裏ユニットの組付けについて〕
前記裏ユニット36を遊技盤18に取付ける場合には、裏ユニット36の箱状本体118および下部構造体124に設けた各設置固定部126の前面を遊技盤18の裏面に当接させた状態で、ネジを介して遊技盤18に裏ユニット36が固定される。すると、前記裏ユニット36の箱状本体118によって前記枠状装飾部材68の図柄表示用開口部66が後側から覆われると共に、該図柄表示用開口部66に前記開口部132を介して図柄表示装置34の表示部64が臨む。また、裏ユニット36を遊技盤18に取付けると、該裏ユニット36に設けた前記装飾カバー144の凹状部144bと遊技盤18の裏面との間に収容部146が画成されて、該収容部146に前記可動演出体258が収容される(図1参照)。
【0133】
前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けると、前記カバー部材180の前面から突出して前記設置固定部126の前面より前方に位置する入賞口用発光装置116(ケース体208)が、前記第3の貫通口82の内部に臨んで、前記入賞口用飾り部材86の光透過部材108に対向する。また、図19に示すように、前記通過口192,192および通過部194の連通突部196,196,196が、前記第3の貫通口82の後方開口端に位置する排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接する。すなわち、各通過口192,192に設けた連通突部196,196が第2排出樋112および第3排出樋114の後端部112a,114aに当接し、第2の一般入賞口84および第3の一般入賞口84が、通過口192,192を介して第2通路174および第3通路176に夫々連通する。
【0134】
また、通過部194に設けた連通突部196は、前記第1排出樋110の後端部110aにおける下部および左側部に当接する。第1排出樋110の後端部110aにおける右側部には、前記裏ユニット36に設けたセンサ収容ケース170の左前カバー170aの左側部が当接する。すなわち、通過部194の連通突部196および左前カバー170aが第1排出樋110の後端部110aに当接することで、第1の一般入賞口84が第1通路172に連通する。このように、実施例では、カバー部材180の通過口192,192および通過部194の周縁に連通突部196,196,196を形成したので、裏ユニット36を遊技盤18に配設した際に通過口192,192および通過部194が各排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに確実に連通することが可能となる。従って、通過口192,192および通過部194と排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aとの間に隙間が発生し難く、遊技球が通過口192,192や通過部194を通過する際に、球詰まりが発生するのを抑制し得る。
【0135】
また、裏ユニット36を遊技盤18に取付けると、前記カバー部材180の当接突部198が前記遊技盤18の裏面に当接する。これにより、カバー部材180が後方へ押圧されて、カバー部材180の後面が通路用壁部178に密着して、カバー部材180と第1〜第3通路172,174,176との間に隙間が生じ難くなる。これにより、パチンコ球が第1〜第3通路172,174,176を円滑に流下することができ、排出用球通路120で球詰まりが生じるのを抑制し得る。ここで、実施例では、線状の当接突部198がカバー部材180に設けられており、カバー部材180の全面が遊技盤18の裏面に当接する訳ではない。仮に、カバー部材180が遊技盤18に面接触する構成とした場合には、遊技盤18の裏面の僅かな歪みによりカバー部材180の一部が遊技盤18の裏面から浮いてしまい、カバー部材180と第1〜第3通路172,174,176との密着性が低下する虞がある。また、カバー部材180の一部が遊技盤18の裏面から浮いてしまうと、通過口192,192や通過部194と排出樋110,112,114との連通に支障を来す虞がある。
【0136】
そこで、実施例では、遊技盤18の裏面に不可避的に生ずる僅かな歪みの影響を軽減するべく、カバー部材180の線状の当接突部198が遊技盤18の裏面に線接触する構成が採用されている。これにより、カバー部材180が遊技盤18の裏面から浮き難くなって、第1〜第3通路172,174,176との密着性が低下するのを抑制すると共に、通過口192,192および通過部194と排出樋110,112,114とを確実に連通させることが可能となる。しかも、実施例では、線状の当接突部198を設けることで、カバー部材180の剛性が高められている。従って、実施例の如く、前記カバー部材180に取付けられた入賞口用発光装置116から生ずる熱によってカバー部材180が加熱されたとしても、カバー部材180が変形したり歪んだりするのを抑制し得る。更に、当接突部198は、カバー部材180の周縁部に形成されているので、カバー部材180の剛性をより高めることが可能となる。
【0137】
ここで、図1に示すように、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた状態では、前記中央設置部154に設けた発光演出装置142が前記遊技盤18のステージ部90における案内部96の真後ろに位置する。また、図15に示すように、遊技盤18の第2の貫通口80を介して後方に突出する始動入賞装置72の本体部72aが裏ユニット36の中収容部166に臨むと共に、同じく第2の貫通口80を介して後方に突出する特別入賞装置76の本体部76aが裏ユニット36の収容凹部168に臨んで、両本体部72a,76aが発光演出装置142の下方に位置する。更に、発光演出装置142の上方には、前記裏ユニット36の開口部132の下縁部が位置している。すなわち、発光演出装置142が設置されるステージ部90の後方は、上下のスペースを確保するのが困難となっている。そこで、実施例の発光演出装置142では、図22に示すように、発光演出装置142の発光素子232aを発光領域210より狭い範囲に設置することで、装置本体216が嵩張らないように構成されている。
【0138】
換言すれば、実施例の発光演出装置142では、演出部212を回転させると共に発光領域210および円形装飾板218の光散乱効果により、発光領域210より狭い範囲に設置された発光素子232aの光であっても、発光領域210全体が発光して、ステージ部90を十分に明輝させることが可能となっている。従って、装置本体216のサイズをコンパクトにすることができ、図柄表示装置34や始動入賞装置72等が近接して配置されるステージ部90後方の狭小なスペースであっても、発光演出装置142を設置することが可能となる。また、演出部用原位置スイッチ252は、装置本体216における下部スペース238を利用して設置されるので、該スイッチ252を設置するスペースを装置本体216に別途確保する必要がなく、装置本体216はコンパクトに維持される。しかも、前記下部スペース238は、前記ステージ部90の転動面94より下方に位置するので、下部スペース238に設けた演出部用原位置スイッチ252が前記装飾板98により前側から覆われて視認不能とされる。すなわち、遊技者側から演出部用原位置スイッチ252が視認され難くなって、遊技の興趣が損なわれるのを防止し得る。
【0139】
〔遊技演出について〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の遊技態様について説明する。パチンコ機10では、操作ハンドル30の操作により打出し通路42を介して遊技領域16に打出されたパチンコ球は、遊技盤18に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変化させながら流下する。通常の遊技状態では、図1に示すように、前記可動演出体258は、前記収容部146に収容された第1姿勢に維持されており、可動演出体258は、図柄表示用開口部66を介して前側から殆ど視認し得ないようになっている。遊技領域16を流下したパチンコ球が前記一般入賞口84にパチンコ球が入賞すると、該パチンコ球は、前記排出樋110,112,114を介して遊技盤18の後方へ送られる。そして、前記カバー部材180の通過口192,192または通過部194を介して、排出用球通路120(第1〜第3通路172,174,176)に通入する。このとき、通過口192.192(通過部194)に設けた連通突部196が排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接して、通過口192,192(通過部194)および排出樋110,112,114が確実に連通しているので、通過口192,192(通過部194)を介してパチンコ球を円滑に排出用球通路120に通入させることができ、球詰まりを発生し難くし得る。
【0140】
前記排出用球通路120に通入したパチンコ球は、第1〜第3通路172,174,176の何れかを流下して、球排出口182から機外へ排出される。このとき、前述したように、当接突部198が遊技盤18に当接することで、カバー部材180の後面が通路用壁部178に密着しているので、カバー部材180と通路用壁部178との間に隙間が生じ難く、排出用球通路120で球詰まりが生ずるのを抑制し得る。前記パチンコ球が球排出口182を通過する際に、前記球検知スイッチ186の検知部186bがパチンコ球を検知して、前記上球皿24に所定数の賞球が払出される。
【0141】
遊技領域16を流下したパチンコ球が前記始動入賞装置72の始動口70に入賞すると、図柄表示装置34において所要の特別図柄変動ゲームが開始される。特別図柄変動ゲームにおいては、図柄表示装置34の表示部64にリーチ演出等の各種図柄演出が表示されると共に、前記裏ユニット36に設けられた各演出装置136,138,140,142が当該図柄演出に合わせて演出を行なう。そして、特別図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置34に特定の図柄組合わせが表示されると大当りとなって、特別遊技が発生する。特別遊技が発生すると、特別入賞口74を所定時間(例えば、30秒)開放させる間に、所定数(例えば、10球)のパチンコ球を特別入賞口74に入賞させるラウンド遊技が開始され、多くの賞球が上球皿24に払出される。一方、前記一般入賞口84や始動口70、特別入賞口74に入賞しなかったパチンコ球は、遊技領域16の最下部で開口するアウト口58を介して遊技領域16から排出される。
【0142】
〔発光演出装置の発光演出について〕
次に、発光演出装置142の発光演出について、説明を行なう。前記演出部用モータ224が駆動すると、駆動軸224aに連結された連結部材220が回転して、前記演出部212が回転される。また、前記制御装置からの制御信号に基づいて、演出部用発光装置214が発光制御されて、前記発光素子232aが所要の発光パターンで発光される。例えば、全ての発光素子232aが一斉に点灯されたとすると、該発光素子232aの光は、前記散乱カバー230で散乱されつつ前記演出部212の発光領域210に照射される。
【0143】
このとき、発光素子232aは、図22に示すように、装置本体216の上部において発光領域210より狭い範囲に設けられているので、発光素子232aからの光は発光領域210の上部側に照射される。しかるに、実施例の発光領域210は、演出部用モータ224により所定の回転速度で回転すると共に、光散乱処理が施されているので、発光素子232aの光が発光領域210で多方向に散乱されるようになっている。しかも、発光領域210には、演出部212の回転方向に交差する方向の装飾が施されて高い光散乱効果を有する円形装飾板218が設けられているので、当該円形装飾板218によって光をより効果的に散乱させるようになっている。従って、発光領域210よりも狭い範囲に設けた発光素子232aの光であっても、発光領域210全体が発光して、ステージ部90に対し十分な照明効果を発揮することができる。しかも、発光領域210全体が明輝した演出部212が回転することで、発光演出装置142自体が高い演出効果を発揮し、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、実施例では、ステージ部90の案内部96の後方に発光演出装置142を設けたので、遊技者が最も注目するステージ部90の案内部96を発光演出することができ、遊技の興趣は更に高められる。
【0144】
ところで、前記発光領域210の下部は、前記ステージ部90の転動面94の下方に位置して前記装飾板98の覆われた状態となるので、発光領域210の下部が図柄表示用開口部66を介して前方から視認されることはない。しかるに、前記転動面94は、透明部材22で構成されるので、発光領域210の下部を転動面94を介して斜め上前方から視認することは可能となる。そこで、ステージ部90の転動面94より下方に位置する発光領域210の下部を含む発光領域210全体が発光することで、転動面94を介して発光領域210が視認されたとしても、遊技の興趣が損なわれることはない。なお、ステージ部90の転動面94を透明部材22で構成することで、該転動面94を発光領域210で効果的に明輝させることができるので、演出効果を高め得る。
【0145】
ここで、実施例に係る発光演出装置142では、遊技演出に合わせて発光パターンを適宜変更し得るようになっており、例えば、単位数ずつの発光素子232aを演出部212の回転方向に合わせて順次発光させることが可能である。具体的には、2個ずつの発光素子232a,232aを演出部212の回転方向に合わせて順番に点灯・消滅させることで、発光領域210に円弧状の軌跡をなして光が変位するような発光演出をすることが可能である。すなわち、実施例に係る発光演出装置142では、発光領域210全体を発光させるだけでなく、発光領域210の一部を明輝させて、演出部212の回転に合わせて光が変位する発光演出をすることもでき、意外性のある発光演出をすることができる。しかも、ステージ部90の転動面94より下方に位置して前記装飾板98で隠れる発光領域210の下部についても、発光素子232aの光が順に変位しているかのような錯覚を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0146】
〔左部演出装置の演出について〕
次に、左部演出装置136の演出について説明する。前記左部演出装置136は、遊技演出に合わせて回転演出体260が回転しつつ可動演出体258が回動する演出を行なうものである。すなわち、前記可動体用モータ262が駆動すると、該モータ262の駆動軸262aに連結された駆動ギヤ288が回転し、該駆動ギヤ288に噛合する前記扇状従動ギヤ294が図30の反時計回りに回動する。すると、図27に示す如く、円弧状溝290の下端部に位置する摺動体302が、扇状従動ギヤ294の規制突起300と共に円弧状溝290を摺動し、扇状従動ギヤ294に連結された可動演出体258が第1支軸284を中心として反時計回りに回動する。すなわち、可動演出体258は前記収容部146に収容された第1姿勢から姿勢変化して、前記図柄表示装置34の表示部64の前側に露出する。
【0147】
また、可動演出体258の回動に伴って、前記ピニオン部326がラック部292に噛合したまま移動し、ピニオン部326が回転する。すると、前記回転シャフト328が前記第1ギヤ330と共に回転して、該第1ギヤ330に噛合する第2ギヤ324が回転される。これにより、第2ギヤ324に連結する第2支軸322が回転して、前記回転演出体260が所定の回転速度で回転される。すなわち、回転演出体260は、可動演出体258の回動と同時に回転を開始し、該可動演出体258が回動する間、回転し続けるようになっている。また、前記筒状カバー部306に設けられた可動体用発光装置318が発光制御されて、筒状カバー部306の内側で可動体用発光装置318の発光素子320bが発光する。これにより、筒状カバー部306が明輝されて、該筒状カバー部306に配設された回転演出体260の注目度を高めることが可能となる。
【0148】
扇状従動ギヤ294が更に回動すると、該扇状従動ギヤ294の回動に合わせて可動演出体258が回動し、前記ピニオン部326が円弧状の軌跡をなして移動する。このとき、前記ラック部292はピニオン部326の移動軌跡に沿って延在しているので、該ラック部292とピニオン部326との噛合が解除されることはなく、回転演出体260の回転は継続される。そして、図29に示すように、前記円弧状溝290の上部に摺動体302が到達すると、扇状従動ギヤ294の回動が規制される。すると、図1の2点鎖線で示すように、前記可動演出体258の略全体が図柄表示装置34の表示部64の前側に露出した第2姿勢となって、前記可動体用モータ262の駆動が停止され、可動演出体258の回動および回転演出体260の回転が停止される。このように、実施例に係るパチンコ機10では、可動演出体258が収容部146に収容された第1姿勢から視認可能な第2姿勢に回動することで遊技者に意外性のある遊技演出をすることができ、遊技の興趣を向上し得る。しかも、可動演出体258(長尺可動部304)は、裏ユニット36の開口部132における縦辺132aの半分以上の長さを有する長尺な部材としたので、該開口部132の前方で可動演出体258が大きく回動して、演出効果をより高めることが可能となる。
【0149】
しかも、実施例に係るパチンコ機10では、単一の駆動手段である可動体用モータ262で、可動演出体258および回転演出体260を作動し得るようにしたので、部品点数が少なくなって製造コストを低廉にし得る。また、ラック部292およびピニオン部326による簡易な構成により回転演出体260を回転し得るので、可動演出体258の重量が嵩むのを抑制して、出力の大きな可動体用モータ262を必要とせずにランニングコストを低廉にすることができる。特に、回転シャフト328を用いてピニオン部326の回転を第2ギヤ324へ伝達する簡易な構成を採用することで、複数のギヤを噛合させてピニオン部326の回転を第2ギヤ324へ伝達する構成に較べ、構造をシンプルにし得る。従って、可動演出体258や回転演出体260に不具合や故障が発生するのを抑制し得ると共に、製造コストを低廉にすることができる。また、実施例の如く、可動演出体258を長尺にした場合であっても、回転シャフト328を用いることでピニオン部326の回転を第2ギヤ324に確実に伝達することが可能となる。なお、可動体用発光装置318の配線320fは、ベース体334における回転シャフト328とは反対側の面に沿って案内されているので、配線320fが回転シャフト328に接触して不具合が生ずることは防止される。
【0150】
〔不正行為対策について〕
ここで、遊技者が上球皿24を手前に引っ張って、前枠20を透明部材22と共に遊技盤18から離間させる不正行為を行なったとする。すると、図9に示すように、前記透明部材22は、下方に向かうにつれて遊技盤18から離間する方向に傾斜した姿勢でレール部材32から離間し、該透明部材22とレール部材32(連結部52)との間に隙間が画成される。そして、当該隙間にパチンコ球を滞留させて、多数のパチンコ球を堆積させることができれば、始動口70や一般入賞口84に大量のパチンコ球を入賞させて賞球を不正に獲得することができてしまう。
【0151】
しかるに、実施例に係るパチンコ機10では、レール部材32の連結部52に不正防止部54が形成されているので、不正防止部54と透明部材22との間に隙間が画成されたとしても、不正防止部54の上面102からパチンコ球が落下し易くなっている。すなわち、不正防止部54の上面102は、レール部材32の内側面より薄く形成されるので、不正防止部54の上面102にパチンコ球が滞留するのは困難となり、パチンコ球を堆積させる不正行為は殆ど不可能となる。また、実施例では、薄板状の簡易な構造の不正防止部54をレール部材32に形成する構成としたので、製造コストを抑制し得ると共に、不具合が発生することも殆どなく、メンテナンス費を抑制することが可能となる。
【0152】
しかも、不正防止部54は、連結部52から所定高さで上方に突出するよう形成したので、傾斜姿勢となった透明部材22と不正防止部54の上端縁との離間距離L1は、不正防止部54が上方に突出するにつれて小さくなる。すなわち、不正防止部54が上方に突出することで透明部材22との隙間を小さくして、当該隙間にパチンコ球を滞留させるのをより困難にしている。更に、不正防止部54の前面をレール部材32より前方に位置させたので、レール部材32と透明部材22との間の隙間を不正防止部54の厚み分だけ狭めることができる。すなわち、不正防止部54と透明部材22との隙間は、不正防止部54がレール部材32より前方に位置する分だけ小さくなるので、当該隙間にパチンコ球を滞留させるのは更に困難とされる。
【0153】
ここで、図10に示すように、不正防止部54の上面102の左右には、円弧状に下方傾斜する傾斜部102a,102aが形成されている。この傾斜部102a,102aにより、不正防止部54の上面102にあるパチンコ球を左右に速やかに分散させて、不正防止部54の上面102にパチンコ球が滞留するのをより困難としている。しかも、不正防止部54の左右の傾斜部102a,102aは、内レール40または第2内側面50に滑らかに連なるよう構成したので、不正防止部54の左右の縁部と内レール40または第2内側面50との境界部分(図10の参照)に上下方向の段差が生じることはない。これにより、当該境界部分に生じた段差にパチンコ球が引っ掛かって、パチンコ球が滞留すると云った事態が発生するのを防止している。更に、実施例の不正防止部54は、図10に示すように、左右の幅寸法L3がアウト口58の左右の幅寸法より大きく設定されている。従って、パチンコ球を不正防止部54の上面102で左右に大きく分散させてパチンコ球の堆積をより確実に防止することができる。しかも、アウト口58より広い範囲でパチンコ球の堆積を防止することができるので、不正行為を広範囲で防止し得る。
【0154】
〔変更例〕
図37は、変更例に係る不正防止部350を示す斜視図である。なお、変更例では、実施例と相違する部分についてのみ説明を行ない、実施例と同一の部分については、同じ符号を付して説明を省略する。実施例では、不正防止部54がレール部材32の連結部52に一体的に形成される構成とした。これに対し、変更例に係る不正防止部350は、前記レール部材32の肉厚部60に着脱自在に取付けられる構成とされる。不正防止部350は、前記肉厚部60に着脱自在に取付けられる取着板部352と、該レール部材32(内レール40および第2内側面50)の前後幅より薄く形成された板状部354とから構成される。前記取着板部352は、前記肉厚部60の前面に当接した状態で取付けられる板状の部材であって、図38に示すように、該取着板部352の後面に、肉厚部60に設けられた矩形凹部62(図5参照)に嵌合可能な嵌合突部356が4つ突出成形されている。各嵌合突部356は、矩形凹部62と略同一の寸法に設定されており、矩形凹部62に対し嵌合突部356を圧入することで、不正防止部54がレール部材32に固定されるようになっている。
【0155】
前記板状部354は、取着板部352が肉厚部60に取付けられた状態で、該レール部材32(連結部52)の前端から上方へ突出するよう構成される。また、板状部354の前面は、レール部材32の前端面より前方へ位置している。更に、板状部354の上面358における左右には、実施例と同様な傾斜部358a,358が形成されている。すなわち、傾斜部358a,358aは、内レール40または第2内側面50に滑らかに連なるよう構成されており、板状部354の左右の縁部と内レール40または第2内側面50との境界部分に上下方向の段差が生じないようにしてある。
【0156】
このように、変更例では、不正防止部350をレール部材32の肉厚部60に着脱自在に取付ける構成としたので、不正防止部350を備えていない既存のパチンコ機10のレール部材32に対して不正防止部350を装着することができ、前述した不正行為への対策が可能となる。しかも、変更例の不正防止部350は、矩形凹部62に嵌合突部356を嵌合するだけでレール部材32に容易に取付けることができるので、不正防止部350の取付け作業を効率的にし得る。また、変更例に係る不正防止部350は、実施例と同様に、板状部354と透明部材22との間の隙間にパチンコ球を滞留させるのを困難として、パチンコ球を堆積させる不正行為を好適に防止することができる。
【0157】
(1) 実施例では、発光演出装置をステージ部における案内部の後方に位置するようにしたが、ステージ部に光を照射し得るのであれば、発光演出装置をステージ部の左右に偏倚して設けてもよい。
(2) 実施例では、発光演出装置の複数の発光素子を円弧状に配設した場合を示したが、発光領域より狭い範囲に配置されるのであれば、例えば、発光素子を格子状に設けてもよい、
(3) 実施例では、演出部の前部全体を発光領域としたが、例えば、演出部におけるステージ部の転動面より上方に位置する部位を発光領域として、当該発光領域が発光する構成であってもよい。すなわち、演出部における転動面より下方に位置する部位は、必ずしも発光させる必要はない。
(4) 実施例では、カバー部材の周縁部に当接突部を形成したが、必ずしもカバー部材の周縁部に設ける必要はなく、カバー部材における遊技盤の裏面に対向する部位に当接突部を形成すればよい。
(5) 実施例では、可動演出体を開口部の左上隅部に近接する位置に軸支した場合を示したが、可動演出体を開口部の他の隅部に軸支してもよい。例えば、開口部の右上隅部に近接して可動演出体を軸支して、第1姿勢では、裏ユニットの上対向面部と遊技盤との間に収容されるようにしてもよい。そして、可動演出体が時計回り方向に回動して、第2姿勢では、可動演出体が斜め左下に延在して、図柄表示装置の表示部の前側に露出するようにしてもよい。
(6) 実施例では、前後方向に延在する第2支軸を介して回転演出体が回転する構成としたが、例えば、可動演出体の延在方向に平行な第2支軸を介して回転演出体が回転する構成であってもよい。
(7) 実施例では、ピニオン部の回転を回転演出体に伝達させるリンク手段として、回転シャフトおよび第1,第2ギヤによる構成を採用したが、例えば、一対の回転体と該回転体に巻き掛けられる無端ベルトを利用してリンク手段を構成してもよい。
(8) 実施例では、不正防止部を不透明な部材で構成したが、不正防止部を透明部材で構成してもよい。この場合、不正防止部を介してレール部材(連結部)側を視認し得るので、不正防止部の上方への突出量を実施例よりも大きくすることが可能となり、不正行為をより確実に防止することができる。
(9) 実施例では、不正防止部の上面の左右に傾斜部を形成し、不正防止部の左右中央部は、略水平となるよう構成した。しかしながら、例えば、不正防止部の上面を、左右中央部を頂点とする円弧状や山型状としてもよい。
【符号の説明】
【0158】
16 遊技領域,18 遊技盤,36 裏ユニット
82 第3の貫通口(貫通口),84 一般入賞口(入賞口)
86 入賞口用飾り部材(入賞装置)
110,112,114 第1〜第3排出樋
110a,112a,114a 後端部,116 入賞口用発光装置(発光装置)
120 排出用球通路(球通路),180 カバー部材
186 球検知スイッチ(球検知手段),192 通過口,196 連通突部
198 当接突部,204 規制部
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤に設けられた入賞口に入賞した遊技球を、裏ユニットに設けた球通路を介して排出するよう構成された遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置にセンター役物とも称される枠状装飾部材が配設されると共に、該遊技盤の裏側には裏ユニットが配設されている。裏ユニットには、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置が配設され、該図柄表示装置の表示部を前記枠状装飾部材の図柄表示用開口部に臨ませ、この図柄表示装置で図柄組合わせゲームやリーチ演出等の遊技演出を行なうよう構成されている。
【0003】
この種のパチンコ機では、遊技盤の盤面側に、遊技領域に打出されたパチンコ球が入賞可能な入賞装置が配設され、該入賞装置へのパチンコ球の入賞により図柄表示装置での図柄変動演出が開始されるよう構成されている。そして、パチンコ機では、図柄変動演出の結果として図柄表示装置に所定の組合わせで図柄が停止すると、遊技者に有利な大当りが発生するようになっている。
【0004】
また、前記遊技盤には、遊技領域を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口を備えた普通入賞装置が複数配設され、各普通入賞口に入賞したパチンコ球は、前記裏ユニットに設けられた球通路で集合されて機外に排出されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。前記裏ユニットの球通路は、前面側に開放するよう形成されて、当該裏ユニットを遊技盤の裏側に配設することで、該球通路における前面開口の普通入賞口と対応する部位以外の部位が遊技盤の裏面で覆われて球通路として機能するよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2001−149597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すなわち、特許文献1では、裏ユニットを遊技盤に配設した際に、球通路と遊技盤の裏面とが直接当接することで、球通路の前面開口を閉鎖する構成となっている。ところが、遊技盤や裏ユニットには、設計誤差や組付け誤差等が不可避的に生ずるため、裏ユニットを遊技盤に配設した際に、球通路と遊技盤の裏面との間に隙間が生ずることがある。このような隙間が生ずると、パチンコ球が当該隙間を通過する際に流れが乱れ、球通路内で遊技球の球詰まりが発生する虞があった。
【0007】
すなわち、本発明は、従来技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技球が球通路を円滑に流下して球詰まりの発生を抑制し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(16)が画成された遊技盤(18)と、前記遊技盤(18)に配設され、遊技球が入賞可能な入賞口(84,84,84)を備えた入賞装置(86)と、前記入賞装置(86)に設けられ、前記遊技盤(18)を前後方向に貫通する貫通口(82)を介して後方へ延出して前記入賞口(84,84,84)に入賞した遊技球を遊技盤(18)の裏側へ排出する排出樋(110,112,114)と、前記遊技盤(18)の裏側に配設される裏ユニット(36)の前面側に開口して形成され、前記排出樋(110,112,114)を介して前記入賞口(84,84,84)に連通する球通路(120)とを備えた遊技機において、
前記球通路(120)の前側に、該球通路(120)の前面開口における前記排出樋(110,112,114)に対応する部位を除いて閉鎖するカバー部材(180)が配設され、
前記カバー部材(180)は、
前記カバー部材(180)の前記排出樋(112,114)に対応する部位に前後に貫通形成され、該排出樋(112,114)の後端部(112a,114a)に連通する通過口(192,192)と、
前記カバー部材(180)の前面から前方へ突出するよう形成され、前記遊技盤(18)の裏面に当接する線状の当接突部(198)とを有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、球通路の前面にカバー部材を設けたので、球通路の前面開口がカバー部材により閉鎖されて、該球通路およびカバー部材の間に隙間が生じるのを防止し得る。従って、球通路内で遊技球の球詰まりが発生するのを好適に抑制し得る。また、裏ユニットを遊技盤に配設した際に当接突部が遊技盤の裏面に当接するので、カバー部材が裏ユニット側へ押圧されてカバー部材と球通路との密着性が向上される。従って、カバー部材と球通路との間に隙間がより生じ難くなって、球通路内を遊技球が円滑に流下することができる。
【0009】
しかも、線状の当接突部が遊技盤の裏面に線接触する構成としたから、遊技盤の裏面の歪みによる悪影響を軽減し得る。すなわち、カバー部材の前面が遊技盤の裏面に面接触する構成とした場合には、遊技盤の裏面の歪みによりカバー部材の一部が遊技盤の裏面から浮いて、通過口と排出樋との連通に支障を来したり、球通路とカバー部材との間に隙間が生じる虞がある。これに対し、請求項1の発明では、遊技盤の裏面に当接突部が線接触する構成とすることで、カバー部材が遊技盤の裏面から浮き難くなって、通過口と排出樋とが確実に連通することが可能となり、また、球通路とカバー部材との間に隙間が生じ難くなる。
【0010】
請求項2に係る遊技機では、前記カバー部材(180)に、前記通過口(192,192)の周縁から前方へ突出して前記排出樋(112,114)の後端部(112a,114a)に当接する連通突部(196)が形成されている。
請求項2の発明によれば、カバー部材の通過口の周縁に連通突部を形成したので、裏ユニットを遊技盤に配設した際にカバー部材の通過口が排出樋の後端部に確実に連通し得る。従って、通過口と排出樋の後端部との間に隙間が発生し難く、遊技球が通過口を通過する際に、球詰まりが発生するのを抑制し得る。
【0011】
請求項3に係る遊技機では、前記カバー部材(180)の前面に、前記貫通口(82)に臨んで前記入賞装置(86)に対し後方から光を照射する発光装置(116)が設けられている。
請求項3の発明によれば、線状の当接突部を形成することでカバー部材の剛性が高められるので、発光装置から生ずる熱によってカバー部材が加熱されたとしても、カバー部材が変形したり歪んだりするのを抑制し得る。また、発光装置を裏ユニット側のカバー部材に設けたので、該発光装置を遊技盤に配設した場合に較べ、発光装置から導出する配線を遊技機の裏側へ引き出し易くなる利点がある。
【0012】
請求項4に係る遊技機では、前記当接突部(198)は、前記カバー部材(180)の周縁部に設けられる。
請求項4の発明によれば、カバー部材の周縁部に当接突部を設けたので、カバー部材の剛性を高めることができ、該カバー部材の変形や歪みをより効果的に抑制し得る。
【0013】
請求項5に係る遊技機では、前記球通路(120)に遊技球を検知する球検知手段(186)が設けられ、前記カバー部材(180)に、該球検知手段(186)の前端部に前方から当接して位置規制する規制部(204)が設けられている。
請求項5の発明によれば、カバー部材に規制部を設けたので、球検知手段の前方への位置決めをなし得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機によれば、球通路の前面開口をカバー部材が隙間を生ずることなく閉鎖するので、遊技球が球通路を円滑に流下して球詰まりの発生を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図3】実施例に係るパチンコ機を示す斜視図であって、中枠に対し前枠を開放した状態で示す。
【図4】実施例に係る遊技盤および裏ユニットを示す斜視図である
【図5】実施例に係る不正防止部を示す斜視図である。
【図6】実施例に係る遊技盤を裏側から見た斜視図である。
【図7】遊技盤に入賞口用飾り部材を取付ける様子を示す斜視図である。
【図8】実施例に係る不正防止部および透明部材の位置関係を示す縦断面図である。
【図9】実施例に係る不正防止部および透明部材の位置関係を示す縦断面図であって、不正行為により透明部材が遊技盤から離間した状態を示している。
【図10】実施例に係る不正防止部の正面図である。
【図11】裏ユニットにカバー部材を取付ける様子を示す斜視図である。
【図12】実施例に係る裏ユニットの正面図である。
【図13】裏ユニットから演出装置を取外した状態を示す正面図である。
【図14】実施例に係る裏ユニットを後方から見た斜視図である。
【図15】実施例に係る遊技盤および裏ユニットの縦断面図である。
【図16】裏ユニットから演出装置を取外した状態を示す斜視図である。
【図17】実施例に係る裏ユニットの下部構造体を示す縦断面図である。
【図18】カバー部材に入賞口用発光装置およびケース体を取付ける様子を示す斜視図である。
【図19】裏ユニットを遊技盤に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図20】実施例に係る発光演出装置を前側から見た分解斜視図である。
【図21】実施例に係る発光演出装置を後側から見た分解斜視図である。
【図22】発光演出装置から前側ケースを取外した状態を示す正面図である。
【図23】実施例に係る発光演出装置の背面図である。
【図24】実施例に係る左部演出装置を前側から見た分解斜視図である。
【図25】実施例に係る左部演出装置を後側から見た分解斜視図である。
【図26】実施例に係る左部演出装置の正面図である。
【図27】実施例に係る左部演出装置の背面図である。
【図28】実施例に係る左部演出装置の縦断面図である。
【図29】実施例に係る左部演出装置の背面図であって、可動演出体が第2姿勢にある状態を示す。
【図30】可動演出体の駆動ギヤおよび扇状従動ギヤの噛合構造を示す説明図であって、可動演出体が第1姿勢にある状態を示す。
【図31】可動演出体の駆動ギヤおよび扇状従動ギヤの噛合構造を示す説明図であって、可動演出体が第2姿勢にある状態を示す。
【図32】実施例に係る可動演出体を前側から見た分解斜視図である。
【図33】実施例に係る可動演出体を後側から見た分解斜視図である。
【図34】実施例に係る可動演出体を後側から見た斜視図であって、保持部を取外した状態で示す。
【図35】ベース体に押えカバーを組付ける様子を示す斜視図であって、(a)は前側から見た状態を示し、(b)は後側から見た状態を示す。
【図36】ベース体に押えカバーを組付けた状態を示す斜視図であって、(a)は前側から見た状態を示し、(b)は後側から見た状態を示す。
【図37】変更例に係る不正防止部を示す斜視図である。
【図38】変更例に係る不正防止部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」・「後」・「左」・「右」とは、図1に示すようにパチンコ機に設置した遊技盤を正面側(遊技者側)から見た状態を基準として、遊技者側を前方と指称し、遊技盤の裏側を後方と指称するものとする。
【実施例】
【0017】
〔パチンコ機について〕
実施例に係るパチンコ機の概略構成について、図1または図2を参照して説明する。図2に示すように、パチンコ機10は、遊技店に設けられた「島」とも称される設置枠台(図示せず)に固定される外枠12と、該外枠12に対して着脱および開閉可能に枢支された中枠14とを備えている。また中枠14には、パチンコ球が流下可能な遊技領域16が画成された遊技盤18が着脱交換可能に取付けられると共に、中枠14の前面側に前枠20が枢支されている。この前枠20は、全体が合成樹脂成形されており、図3に示すように、前記中枠14の左側部に配置した上下のヒンジ機構14a,14aに前枠20の上下の端部が軸支されて、前枠20は中枠14に対し開閉自在に取付けられている。前記前枠20の右側部裏側には、中枠14の右側部に設けた施錠装置の係合片14bが係脱自在に係合する係合溝20aが上下に複数設けられ、前枠20を中枠14に対し閉成した際に、前枠20の各係合溝20aに対応の係合片14bが係合して前枠20が施錠されるよう構成されている。前記前枠20は、中枠14に配設した遊技盤18の前側に位置して該遊技盤18を透視保護する透明部材22を備えると共に、この透明部材22の下方位置にパチンコ球を貯留可能な上球皿24が設けられており、前枠20の開閉に合わせて前記透明部材22および上球皿24が一体的に開閉するようになっている。更に、中枠14の前側における前枠20の下方には、パチンコ球を貯留可能な下球皿26を形成した球皿部材28が着脱および開閉可能に組付けられている。
【0018】
前記中枠14における球皿部材28の右側部には、操作ハンドル30が設けられており、該操作ハンドル30を操作することで、中枠14に配設した打球発射機構(図示せず)が作動して上球皿24に貯留したパチンコ球を遊技盤18へ向けて打出すよう構成されている。操作ハンドル30は、常には打球発射機構の作動を停止する状態となる方向(反時計回り)に付勢され、遊技者が時計回りに回動操作すると打球発射機構が作動され、回動操作の度合によりパチンコ球の打出し強度が調節可能となっている。
【0019】
〔遊技盤について〕
図1に示すように、実施例の遊技盤18は、盤面に配設されたレール部材32(後述)により前記遊技領域16が画成された平板状の部材で構成されている。前記遊技盤18の裏側には、後述する複数の演出装置136,138,140等が配設されると共に、各種の図柄を変動・停止表示して特別図柄変動ゲームを行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置34(図4参照)が取付けられる裏ユニット36が配設される。前記遊技盤18の盤面には、該遊技盤18の左下隅部、左上隅部および右上隅部にかけて半円形状に配置された外レール38と、該外レール38の内側に離間して遊技盤18の下部中央から左上隅部にかけて配置される円弧状の内レール40とが配設されている。外レール38および内レール40は、何れも内側面が遊技盤18の盤面に対し略直角(交差する)となるよう配設されている。実施例では、前記外レール38は金属薄板から構成され、また、前記内レール40は合成樹脂で成形されている。また、外レール38と内レール40との間に、打球発射機構で打出したパチンコ球が案内される打出し通路42が画成されている。なお内レール40の上端部には、遊技領域16に打出したパチンコ球が打出し通路42に戻ることを防止する弾性部材44が配設されている。
【0020】
前記遊技盤18の盤面における四隅には、樹脂製のコーナー飾り46が複数設けられている。右側のコーナー飾り46の内側面は、前記外レール38の右端部に沿うよう湾曲した第1内側面48と、前記内レール40と同心状に延在すると共に該内レール40と略同一の曲率半径で湾曲した第2内側面50とで構成される。第1内側面48および第2内側面50は、遊技盤18の盤面に対し略直角をなすよう配設されている。また、前記第2内側面50の下端は、遊技盤18の下部中央において前記内レール40の右端部に連結部52を介して連結している。そして、前記外レール38の上部が規定する上に凸の円弧と、内レール40および第2内側面50が規定する下に凸の円弧とにより、前記遊技領域16が略円形状に画成されている。すなわち、実施例では、遊技領域16を画成するレール部材32は、内レール40、外レール38および第2内側面50によって構成されている。
【0021】
図5に示すように、前記遊技領域16の最低部を規定する前記連結部52は、内レール40および第2内側面50に対し一段下がった段差形状をなしている。前記連結部52の上面は、後方へ向かうにつれて下方へ傾斜している。前記連結部52を含む内レール40および第2内側面50の前端には、後述する不正防止部54が一体成形されている。また、前記内レール40および第2内側面50における前記連結部52を含む部位には、当該部位の後縁部から上方へ立ち上がると共に前記遊技盤18の盤面に当接する後板部56が形成され、該後板部56に、前後方向に開放するアウト口58が開設される。すなわち、図1に示すように、前記アウト口58は、前記遊技盤18における遊技領域16の最下部で開口して、後述する始動口70や特別入賞口74、一般入賞口84に入賞しないパチンコ球をアウト口58を介して遊技領域16から排出するよう構成してある。実施例では、前記アウト口58の左右の開口寸法は、前記連結部52の左右の幅寸法と同一に設定されており、該連結部52に到来したパチンコ球は、該連結部52上を後方へ転動してアウト口58へ案内されるよう構成される。なお、前記連結部52の下部には、前記右側のコーナー飾り46の左端部に連設される合成樹脂製の肉厚部60が形成されている。この肉厚部60には、矩形状に前方が開放する矩形凹部62が所要の深さで複数凹設されている。この矩形凹部62は、前記連結部52の成形時にヒケが生ずるのを防止する肉盗みとして機能するものであり、実施例では、矩形凹部62は、左右に並んで4つ形成されている。
【0022】
前記遊技盤18には、前記図柄表示装置34の表示部64が臨む図柄表示用開口部66が開設された枠状装飾部材68が配設されると共に、該枠状装飾部材68の下方位置に、パチンコ球が入賞可能な始動口(入賞口)70を備えた始動入賞装置72が配設されている。そして、前記始動入賞装置72の始動口70にパチンコ球が入賞することで、図柄表示装置34での特別図柄変動ゲームが開始されるよう構成される。この特別図柄変動ゲームの結果、前記図柄表示装置34に特定の図柄組合わせ(例えば、同一図柄の三つ揃え)が表示されることで遊技者に有利な大当り(特別遊技)が発生するよう構成されている。前記遊技盤18における始動入賞装置72の下方位置には、大当り発生時に特別入賞口(入賞口)74を開放してパチンコ球の入賞を許容する特別入賞装置(入賞装置)76が配設され、該特別入賞口74にパチンコ球が入賞することで、球払出装置(図示せず)から前記上球皿24に賞球が払出されるようになっている。
【0023】
図6に示すように、前記遊技盤18には、遊技領域16の略中央から右側部(図6では左側部)に至る大部分が開口する第1の貫通口78と、該第1の貫通口78の下方位置において遊技領域16の左右幅方向の略中央に開設された第2の貫通口80と、遊技領域16の左下方(図6では右側方)に開設された三日月状の第3の貫通口82とが開設されている。前記第1の貫通口78には、該第1の貫通口78の開口縁部を覆うように前記枠状装飾部材68が取付けられると共に、前記第2の貫通口80には、前記始動入賞装置72および特別入賞装置76が取付けられる。また、前記第3の貫通口82には、遊技領域16に開口する複数(実施例では3つ)の一般入賞口84,84,84を備えた合成樹脂製の入賞口用飾り部材(入賞装置)86が配設される。図6に示すように、前記第2の貫通口80に取付けられた前記始動入賞装置72は、該始動入賞装置72の本体部72aが該第2の貫通口80を介して遊技盤18の裏側へ突出している。同様に、特別入賞装置76についても、前記第2の貫通口80に取付けられた状態において、特別入賞装置76の本体部76aが該第2の貫通口80を介して前記遊技盤18の裏側へ突出している。なお、遊技盤18の下部中央には、前記レール部材32のアウト口58に対応する排出凹部88が該遊技盤18の下端部から上方へ凹設されており、アウト口58を通過したパチンコ球を排出凹部88を介して機外へ排出するようになっている。
【0024】
前記枠状装飾部材68の下部には、パチンコ球を一旦取込んで転動させた後に排出するステージ部90が設けられると共に、該図柄表示用開口部66の左側に、遊技領域16に球導入口92aが開口して該遊技領域16を流下するパチンコ球を取込んでステージ部90に案内する球導入部92が設けられている。そして、前記球導入部92からステージ部90に通出されたパチンコ球は、ステージ部90に形成した転動面94上を左右に転動した後に、各入賞口70,74,84が臨む遊技領域16に排出される。前記ステージ部90および転動面94は、全体が光透過性を有する透明部材で構成されている。また、前記転動面94は、全体として下に凸の円弧形状に形成されると共に、転動面94の幅方向中央に、前記始動入賞装置72の始動口70の真上に位置して、パチンコ球を始動口70へ向けて排出する樋状の案内部96が凹設されている。
【0025】
また、前記ステージ部90の前面には、前記案内部96の周辺を装飾する装飾板98が配設されている。この装飾板98は、非透明な材質で形成されており、前記ステージ部90における案内部96周辺の後方を視認不能としている。図7に示すように、前記枠状装飾部材68には、ステージ部90における転動面94の後端縁から上方に立ち上がる後壁部材100が設けられ、該後壁部材100により転動面94を転動するパチンコ球が遊技盤18の後方(図柄表示装置34の表示部64側)へ移動するのを規制している。この後壁部材100は、透明な合成樹脂で成形されており、該後壁部材100を介して後述する発光演出装置142等は視認し得るようになっている。なお、図1は、後壁部材100を枠状装飾部材68から取外した状態で示している。
【0026】
〔不正防止部について〕
前記不正防止部54は、遊技者が上球皿24を手前(遊技盤18から離間する方向)へ引っ張ることで、透明部材22と前記連結部52の前端との間に隙間を形成し、当該隙間に複数のパチンコ球を堆積させる不正行為への対策として設けられるものである。この不正防止部54は、薄板状の非透明部材で構成され、前記連結部52における前端から遊技盤18の盤面と平行に上方へ突出するよう形成されている。図8に示すように、不正防止部54の前面は、内レール40および第2内側面50の前端から該不正防止部54の厚み分だけ前方に位置している。すなわち、透明部材22と不正防止部54の前面との離間距離L1は、透明部材22と前記レール部材32(連結部52)の前端との離間距離L2より不正防止部54の厚み分だけ小さくなっている。不正防止部54の厚み寸法は、内レール40の内側面および第2内側面50の前後幅に較べて小さく形成されており、実施例では、約3mmに設定されている。このように、薄板状の不正防止部54を連結部52の前端に形成することで、図9に示すように、透明部材22と連結部52の前端との間に隙間が形成されたとしても、不正防止部54の上部からパチンコ球を落下させて、不正防止部54の上部にパチンコ球が堆積するのを困難としている。
【0027】
前記不正防止部54の上面102は、後方へ向かうにつれて下方傾斜するよう構成されており、パチンコ球を不正防止部54の上面102から積極的に落下させるよう構成されている。図10に示すように、不正防止部54の上面102の中央部は、左右方向に水平に延在すると共に、該上面102の左右の縁部には、該不正防止部54の左右方向の中央部から離間するにつれて円弧状に下方傾斜する傾斜部102a,102aが形成されている。右側の傾斜部102aは、前記第2内側面50に漸次的に近接するよう下方傾斜しており、当該傾斜部102aの右端部が第2内側面50と滑らかに連なるよう形成されている。また、左側の傾斜部102aは、前記内レール40に漸次的に近接するよう下方傾斜して、当該傾斜部102aの左端部が内レール40と滑らかに連なるよう形成されている。すなわち、不正防止部54の上面102の左右を内レール40または第2内側面50に滑らかに連なるよう構成することで、不正防止部54の左右の縁部と内レール40または第2内側面50との境界部分(図10の破線で囲んだ部分)に上下方向の段差が生じないようにして、当該境界部分にパチンコ球が引っ掛かり難くしている。また、前記不正防止部54の左右の幅寸法L3は、図10に示すように、アウト口58の左右の幅寸法より大きく設定されている。
【0028】
ここで、前記前枠20は、中枠14に対し左右の側部が固定されているため、遊技者が前記上球皿24を手前へ引っ張った場合、前枠20の下部における左右中央部が湾曲して遊技盤18から離間することとなる。従って、前枠20は、上球皿24が設けられた下部側が遊技盤18に対し最も離間するので、前記透明部材22も下部側が連結部52(遊技盤18)から最も離間することとなる。すなわち、図9に示すように、遊技者が上球皿24を手前に引っ張った場合に、透明部材22は、上側から下側に向かうにつれて遊技盤18から離間する傾斜姿勢となる。従って、不正防止部54の連結部52からの突出高さL4を大きくするに従い、傾斜姿勢となった透明部材22と不正防止部54の上面102との離間距離L1は小さくなる。一方、不正防止部54の突出高さL4を大きくすれば、遊技者側から連結部52上のパチンコ球が視認し難くなり、アウト口58付近で球詰まりが発生したか否かについての確認が困難となってしまう。そこで、不正防止部54の突出高さL4は、連結部52上のパチンコ球を確認し得る範囲で極力大きな値に設定されるのが好ましく、実施例では、不正防止部54の突出高さL4をパチンコ球の半径程度に設定してある。
【0029】
〔入賞口用飾り部材について〕
前記入賞口用飾り部材86は、図7に示すように、前記第3の貫通口82を前側から覆い得る寸法および形状に形成された非光透過性の装飾板体104と、該装飾板体104に設けられ、前記一般入賞口84が上部に形成された複数(実施例では3つ)の一般入賞部106,106,106と、該装飾板体104に配設され、光透過性を有すると共に光散乱処理が施された複数の光透過部材108とから構成される。そして、光透過部材108の後端部を第3の貫通口82に対して前側から挿入して遊技盤18の盤面に装飾板体104を当接させ、該装飾板体104を遊技盤18に図示しないネジでネジ止めすることで、入賞口用飾り部材86が遊技盤18に位置決め固定される。図6に示すように、入賞口用飾り部材86を遊技盤18に取付けた状態で、前記光透過部材108は第3の貫通口82に臨むよう構成される。
【0030】
前記一般入賞部106には、前記一般入賞口84に入賞したパチンコ球を後方へ送る断面U字状の排出樋110,112,114が、前記装飾板体104から後方へ突出するよう形成されている。そして、前記装飾板体104を遊技盤18に取付けた際に、前記一般入賞口84が前記遊技領域16に開口すると共に、前記排出樋110,112,114が第3の貫通口82に臨むようなっている。また、第3の貫通口82に臨んだ排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aは、該第3の貫通口82の後方開口縁に位置して、後方に向けて開口している(図6参照)。なお、以下の説明では、最上部に位置する一般入賞部106から最下部に位置する一般入賞部106までを、順に第1〜第3の一般入賞部106,106,106と指称し、また、第1〜第3の一般入賞部106,106,106に対応する一般入賞口84,84,84および排出樋110,112,114を、夫々、第1〜第3の一般入賞口84,84,84および第1〜第3排出樋110,112,114と指称する場合がある。前記光透過部材108は、前記装飾板体104に前後に貫通するよう形成された取付け用開口部(図示せず)に後側から嵌め込まれた状態で該装飾板体104にネジ止めされる。入賞口用飾り部材86を遊技盤18に取付けた状態で光透過部材108の後端面は、図6に示すように、遊技盤18の裏面より前方に位置するよう設定され、第3の貫通口82内には、光透過部材108へ向けて光を照射する入賞口用発光装置(発光装置)116を収容可能な空間が確保されるようになっている。
【0031】
〔裏ユニットについて〕
前記裏ユニット36は、図11,図12,図13に示すように、前方に開口する矩形箱状に形成された箱状本体118と、該箱状本体118の下端部に形成され、排出用球通路(球通路)120や複数の裏基板設置部122が形成された下部構造体124と、箱状本体118の開口前端部および下部構造体124の前端部に形成されて外側へ延出し、前記遊技盤18の裏面に当接する設置固定部126とから基本的に構成される。箱状本体118は、前記遊技盤18に対向する矩形板状に形成された対向面部128と、該対向面部128における上下左右の各縁部から前方に延出する画壁部130とから前方に開口するよう形成されて、上および左右の各画壁部130の前端部から箱状本体118の開口外側へ向けて延出するよう前記設置固定部126が形成されている。また、下部構造体124は、壁部によって前方に開口するよう形成されて、下および左右の壁部の前端から外側へ向けて前記設置固定部126が形成される。そして、各設置固定部126の前面を遊技盤18の裏面に当接した状態で、図示しないネジを介して遊技盤18に裏ユニット36が着脱自在に固定されて、箱状本体118によって前記枠状装飾部材68の図柄表示用開口部66を後側から覆い得るよう構成される。
【0032】
図12に示すように、前記対向面部128には、上下および左右幅の大部分が開口する横長矩形状の開口部132が形成されており、以下の説明において、対向面部128における開口部132に対する上下左右に位置する部分について、上対向面部128a、下対向面部128b、左対向面部128c、右対向面部128dと夫々指称し、該上下左右の対向面部128a〜128dに対応する画壁部130を、上画壁部130a、下画壁部130b、左画壁部130c、右画壁部130dと夫々指称するものとする。図14に示すように、前記裏ユニット36における左対向面部128cの裏面に一対の支持部131,131が設けられると共に、前記右対向面部128dの裏面に一対の固定基部134,134が設けられている。そして、これら支持部131,131および固定基部134,134を介して前記図柄表示装置34が裏ユニット36の後面に取付けられ、該図柄表示装置34の表示部64が前記開口部132に臨んでいる。
【0033】
前記箱状本体118の前側には、図12に示すように、前記開口部132の左縁部、上縁部および右縁部を囲繞するように、左部演出装置136、上部演出装置138および右部演出装置140が配設されると共に、該開口部132の下縁部の略中央位置に発光演出装置142が配設され、遊技状態に合わせて各種の遊技演出を行ない得るようになっている。前記左対向面部128cには、図13に示す如く、前記開口部132の左側縁部の略全体に亘って装飾カバー144が配設されている。この装飾カバー144の左側部には、前方へ向けて立設する装飾壁部144aが形成されている。この装飾壁部144aは、前記左部演出装置136の可動演出体258(後述)における左側部の外郭形状に整合する形状とされる。図15に示すように、前記装飾カバー144における遊技盤18に対向する部位は、後方へ凹んだ凹状部144bとされて、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記装飾カバー144の凹状部144bと遊技盤18の裏面との間に前記可動演出体258を収容可能な収容部146が画成されるようになっている。
【0034】
図13に示すように、前記開口部132の左上隅部に対応する左対向面部128cおよび上対向面部128aの連結部位には、前記左部演出装置136を設置するための装置設置部148が形成されている。この装置設置部148には、前記上対向面部128aおよび左対向面部128cから前方へ突出する複数のボス部148aが設けられている。更に、前記左対向面部128cには、前後方向に開放するモータ用円形孔部150が開設されている。また、左対向面部128cには、前記装飾カバー144と左画壁部130cとの間のスペースに表中継基板152が配設され、該表中継基板152のコネクタ受部152aに、前記左部演出装置136から導出する配線272g,320fが中継接続されるようになっている。なお、前記左画壁部130cにおける前記表中継基板152の上方位置には、配線フック130eが設けられている。
【0035】
前記下対向面部128bにおける左右方向の略中央位置には、前記発光演出装置142を設置するための中央設置部154が形成されている。この中央設置部154は、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記ステージ部90の案内部96の後方に位置するよう構成される。前記中央設置部154には、前記下対向面部128bから前方へ突出する一対の下側ボス部156,156と、同じく下対向面部128bから前方へ突出すると共に該下側ボス部156より上方に位置する一対の上側ボス部158,158とが形成されている(図16参照)。前記下側ボス部156の前方への突出量は、前記上側ボス部158より大きく設定されている。前記中央設置部154には、前後方向に開放する中配線通孔160が形成されており、該中配線通孔160を介して発光演出装置142から導出する配線224c,232e,252gが裏ユニット36の裏側へ引き出されるようになっている(図14参照)。また、前記下対向面部128bにおける中央設置部154の左側に、前後方向に開放する左配線通孔162が形成され、前記表中継基板152から導出する配線152b等が左配線通孔162を介して裏ユニット36の裏側へ引き出される。
【0036】
〔下部構造体の構成について〕
前記下部構造体124の裏面には、前記裏基板設置部122が複数形成され、各裏基板設置部122に裏中継基板164が取付けられている。裏中継基板164には、複数のコネクタ受部164aが設けられており、前記表中継基板152や発光演出装置142等から導出した配線152b,232e,224c,252g,202eが裏中継基板164のコネクタ受部164aに接続されている(図14参照)。
【0037】
図13,16に示す如く、前記下部構造体124の前側中央には、前方および下方に開放して前記始動入賞装置72の本体部72aを収容可能な中収容部166が画成されている。また、下部構造体124の下端部には、上側に向けて凹設された収容凹部168が前記中収容部166の下方に位置して設けられている。前記収容凹部168は、前記特別入賞装置76の本体部76aを収容可能に構成される。そして、図15に示すように、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、該遊技盤18の第2の貫通口80を介して遊技盤18の裏側に突出する始動入賞装置72の本体部72aおよび特別入賞装置76の本体部76aが、夫々、前記中収容部166および収容凹部168に収容される。すなわち、実施例では、前記裏ユニット36の開口部132の下縁部における中央位置から下部構造体124の下端部までの狭小なスペースに、前記中央設置部154、中収容部166および収容凹部168が上下の関係で並んで設けられている。
【0038】
図12に示すように、前記下部構造体124には、磁力を検知可能な磁気センサ(図示せず)を収容する直方体状のセンサ収容ケース170が左右に離間して2つ形成されている。各磁気センサは、長方形状のケーシングの内部に、その長手方向に沿う方向に延在する一対のリード片の一部を接離可能に対向配置して構成されたリードスイッチである。右側のセンサ収容ケース170には、磁気センサが縦方向(上下方向)に設置され、また、左側のセンサ収容ケース170には、磁気センサが横方向(左右方向)に設置される。各センサ収容ケース170は、磁気センサの前側に位置して該センサの前面を保護する矩形板状の前カバー170aを備える。前記前カバー170aの前面は、前記設置固定部126の前面と同一面上に位置している。
【0039】
〔排出用球通路について〕
前記下部構造体124の左部には、一般入賞口84に入賞したパチンコ球を遊技盤18の下方へ排出案内する排出用球通路120が形成されている。前記排出用球通路120は、図11に示すように、前方に開口する3つの通路172,174,176を連通して構成され、各通路172,174,176を画成する通路用壁部178の前端部178aは、前記裏ユニット36の設置固定部126の前面より僅かに後方に位置している。また、図16に示すように、前記排出用球通路120の前面開口は、前記排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに対応する部位を除いてカバー部材180により閉鎖されるようになっている。
【0040】
前記排出用球通路120は、該排出用球通路120の左部に湾曲するよう延在して前記第1の一般入賞口84に連通する第1通路172と、排出用球通路120の右部に湾曲するよう延在して第2の一般入賞口84に連通する第2通路174と、排出用球通路120の左右中央部に位置して上下に直線状に延在し、前記第3の一般入賞口84に連通する第3通路176とから構成される。第1通路172および第2通路174は、下流端側で前記第3通路176に連通しており、各一般入賞口84に入賞したパチンコ球は、第3通路176に集合されて該第3通路176の下流端に形成した球排出口182を介して機外に排出されるよう構成される。前記第1〜第3通路172,174,176の上端部は、夫々、前記裏ユニット36における第1〜第3排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに対応する位置に形成される。また、前記第1通路172の上端部は、前記左側のセンサ収容ケース170の前カバー170a(以下、左前カバー170aという)の左方に隣接している。
【0041】
前記第3通路176における前記球排出口182を画成する下端部には、前後方向に開放するスイッチ設置部184が形成され、該スイッチ設置部184に、パチンコ球を検知する球検知スイッチ(球検知手段)186が前側から設置されるようになっている。図14に示すように、前記スイッチ設置部184の後部には、前記球検知スイッチ186の後端部に係合して該球検知スイッチ186の後方への位置規制を行なう位置決め片188が設けられている。前記球検知スイッチ186は、矩形状に形成された本体部186aと、パチンコ球が通過可能な円形状の貫通孔を有する検知部186bとから構成され、該球検知スイッチ186は、前記検知部186bを前記球排出口182に臨ませた状態でスイッチ設置部184に設置される。前記一般入賞口84に入賞して、前記排出用球通路120を流下したパチンコ球が球検知スイッチ186に検知されると、所定数の賞球が前記上球皿24に払出されるようになっている。図17に示すように、前記スイッチ設置部184の前方開口端は、前記排出用球通路120の通路用壁部178の前端178aと同一面上に位置している。なお、排出用球通路120と下部構造体124の左壁部との間には、図11に示すように、上下方向に延在して、前記カバー部材180に収容される前記入賞口用発光装置116から導出する配線202eを案内する配線通路190が画成されている。
【0042】
〔カバー部材について〕
図18に示すように、前記カバー部材180は、前記排出用球通路120を前側から閉塞する板状の透明部材であって、カバー部材180の周縁部に、ボス受け部180aが複数形成されている。そして、前記ボス受け部180aを下部構造体124および左対向面部128cに形成した対応のボス部124a,128eに整合させて、ボス受け部180aに開設した通孔を介してボス部124a,128eにネジ(図示せず)を螺挿することで、カバー部材180が裏ユニット36に取付けられるようになっている。前記カバー部材180の前後の厚み寸法は、前記排出用球通路120の通路用壁部178の前端178aと前記設置固定部126の前面との前後方向の離間距離より小さく設定されている。
【0043】
前記カバー部材180には、前記第2排出樋112および第3排出樋114の後端部112a,114aに対応する部位に、前後方向に貫通する2つの通過口192,192が形成されている。各通過口192は、前記排出樋110,112の後端部110a,112aに整合するよう下縁部がU字状に形成されている。前記カバー部材180を裏ユニット36に取付けた状態において、前記第2排出樋112に対応する通過口192は、前記第2通路174の上端部の前方で位置すると共に、前記第3排出樋114に対応する通過口192は、前記第3通路176の上端部の前方に位置するよう構成される。また、前記カバー部材180の縁部には、前記第1排出樋110の後端部110aに対応する位置に、該第1排出樋110の後端部110aの下部および左側部に整合する円弧状に形成された通過部194が形成され、該通過部194は、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた状態で、前記第1通路172の上端部の前方に位置するよう構成される。また、前記通過部194は、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた状態で、前記左前カバー170aにおける左側縁部の左方に隣接するようになっている(図12参照)。
【0044】
前記通過口192,192および通過部194の周縁部には、外周縁部から前方へ突出するよう形成されて、対応の排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接可能な連通突部196が夫々形成されている。前記連通突部196におけるカバー部材180の前面からの突出量は、該カバー部材180の前面と前記設置固定部126の前面との前後方向における離間距離と略一致するよう設定される。すなわち、前記連通突部196の前記カバー部材180の前面からの突出量は、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記カバー部材180の前面と各排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aとの前後方向における離間距離に略一致するよう設定されている。そして、図19に示すように、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記連通突部196の前端部が、前記排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに夫々当接するよう構成されている。
【0045】
そして、前記連通突部196が各排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接することで、当該排出樋110,112,114と対応の第1〜第3通路172,174,176とが連通するようになっている。なお、通過部194に設けられた連通突部196は、第1排出樋110の後端部110aにおける左側部および下部に当接するようになっている。一方、第1排出樋110の後端部110aにおける右側部には、前記左前カバー170aの左側縁部が当接する。すなわち、第1排出樋110の後端部110aに、連通突部196および左前カバー170aの左側縁部が当接することで、該第1排出樋110と第1通路172との連通が図られるよう構成される。
【0046】
前記カバー部材180における前記遊技盤18の裏面に対向する周縁部には、該カバー部材180の前面から前方へ突出するよう形成されて該遊技盤18の裏面に当接可能な線状の当接突部198を備えている。前記当接突部198のカバー部材180の前面からの突出量は、前記カバー部材180の前面と前記設置固定部126の前面との前後方向における離間距離と略一致するよう設定される。すなわち、当接突部198の突出量は、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、前記カバー部材180の前面から遊技盤18の裏面までの離間距離と略一致する値に設定され、図19に示すように、裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際に、当接突部198の前端部が遊技盤18の裏面に当接するよう構成される。前記当接突部198が遊技盤18の裏面に当接することで、カバー部材180の周縁部が遊技盤18によって後方へ押圧され、該カバー部材180の後面と排出用球通路120の各通路用壁部178の前端178aとの密着性が向上されるようになっている。
【0047】
前記カバー部材180の前面には、前記第3の貫通口82に対応する部位に、前記入賞口用発光装置116を設置するための発光装置用設置部200が設けられている。前記発光装置用設置部200には、カバー部材180の前面から突出成形されると共に、前記入賞口用発光装置116の入賞口用発光基板202の外縁に沿うよう延在する位置決めリブ200aが形成されている。また、前記発光装置用設置部200には、カバー部材180の前面から前方へ突出する位置決め突起200bおよび前後方向に開放する位置決め孔200cが複数形成されると共に、前方に開放したネジ孔200dが複数形成されている。
【0048】
また、カバー部材180の下縁部には、下方へ突出するよう規制部204が形成されており、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた際に、前記排出用球通路120のスイッチ設置部184の前方開口を規制部204が閉塞するよう構成される。そして、図17に示すように、前記規制部204は、前記スイッチ設置部184に設置された球検知スイッチ186の前端部に前方から当接して、該球検知スイッチ186を位置規制するようになっている。更に、発光装置用設置部200には、前記カバー部材180を裏ユニット36に取付けた際に配線通路190に対応する部位に、前後方向に開放する矩形開口部206が形成されている。
【0049】
前記入賞口用発光装置116は、前記第3の貫通口82の内部に臨み得る形状および大きさに形成された入賞口用発光基板202と、該発光基板202の前面(実装面)に実装されたLEDからなる複数の発光素子202aとから構成され、該発光素子202aが発光することで前記光透過部材108を後方から照明するものである。前記入賞口用発光基板202の外縁部には、前記発光装置用設置部200の位置決め突起200bに対応する位置決め凹部202bが凹設されると共に、該発光装置用設置部200の前記ネジ孔200dに対応する通孔202cが開設されている。
【0050】
また、入賞口用発光基板202の裏面には、コネクタ受部202dが後方へ突出して設けられており、該発光基板202を発光装置用設置部200に設置した際に、該コネクタ受部202dが前記矩形開口部206を介してカバー部材180の後面から突出するよう構成される。なお、カバー部材180の後面から突出したコネクタ受部202dは、カバー部材180を裏ユニット36に取付けた際に、前記配線通路190内に臨むよう構成され、コネクタ受部202dに接続された配線202eは、配線通路190を介して上方へ案内されて、裏ユニット36の左配線通孔162から後方へ引き出されるようになっている。
【0051】
前記発光装置用設置部200の前側には、前記入賞口用発光装置116を収容可能なケース体208が配設される。このケース体208は、全体が透明な合成樹脂材から形成されたものであって、前記遊技盤18に形成された第3の貫通口82における各排出樋110,112,114が臨む部位を除く部分の開口形状と略相似する形状に形成されている。前記ケース体208は、平板状の板部の外周縁に後方へ突出する壁部を形成して構成され、ケース体208の後側に前記入賞口用発光装置116を収容し得る空間が画成されている。前記ケース体208の壁部の後端は、該ケース体208をカバー部材180に取付けた際に、前記カバー部材180の位置決めリブ200aの前端に当接するよう構成されている。
【0052】
前記ケース体208には、前記入賞口用発光基板202の通孔202cに整合する通孔208aが開設されると共に、後方に突出する位置決め突起208bが形成される。そして、ケース体208の位置決め突起208bをカバー部材180の位置決め孔200cに挿入したもとで、ケース体208および入賞口用発光基板202の両通孔208a,202cを介して前記カバー部材180のネジ孔200dにネジ(図示せず)を螺挿することで、ケース体208が入賞口用発光装置116を収容した状態でカバー部材180の前側に取付けられる。ここで、前記ケース体208をカバー部材180に取付けた状態では、図16に示すように、カバー部材180(入賞口用発光装置116)は下部構造体124の前面から前方へ突出した状態となる。従って、裏ユニット36を遊技盤18の裏面に取付けた際に、図19に示すように、入賞口用発光装置116が遊技盤18の第3の貫通口82に臨んで、前記入賞口用飾り部材86の光透過部材108の裏側に対向するようになっている。
【0053】
〔発光演出装置について〕
図21,図20に示すように、前記ステージ部90に光を後方から照射して該ステージ部90を明輝させる発光演出装置142は、回転自在に構成されると共に発光領域210が形成された演出部212と、該演出部212の後方に設けられ、該発光領域210へ光を照射する複数の発光素子(発光体)232aを備えた演出部用発光装置214と、該演出部用発光装置214を収容する装置本体216とから構成される。前記演出部212は、全体が光透過性を有する円盤状の部材であって、実施例では、演出部212の前面全体が発光領域210を構成している。前記発光領域210は、演出部212の前面に多数の凹凸による光散乱処理を施すことで構成され、この凹凸で前記発光素子232aからの光を他方向へ散乱して自ら明輝するものである。また、前記演出部212の前面(発光領域210)には、光透過性を有する円形装飾板218が配設されている。
【0054】
この円形装飾板218の前面には、前記演出部212が回転する方向に交差する方向(演出部212の径方向)の装飾が施されており、該円形装飾板218の装飾により発光領域210での光の散乱効果を高めるよう構成される。また、前記演出部212の裏面には、前記装置本体216の内部に回転可能に設けられる円形状の連結部材220が連結される。前記連結部材220には、前記演出部212の裏面に対し交差する方向に延在する連結軸孔222aが開設された演出部用回転軸(回転軸)222が形成され、該連結軸孔222aに前記装置本体216に配設された演出部用モータ(駆動手段)224の駆動軸224aが接続される。すなわち、前記演出部212は、前記連結部材220を介して装置本体216に回転自在に配設されて、前記演出部用モータ224の駆動により正逆方向に回転されるよう構成される。なお、前記連結部材220の外周縁には、径方向へ突出する検知片220aが形成されている。
【0055】
前記装置本体216は、前記演出部用発光装置214が取付けられる前側ケース226と、該前側ケース226の裏側に配設されると共に前記演出部用モータ224が取付けられる後側ケース228とから構成される。前記前側ケース226の前側には、正面視で8角形状に形成されて光散乱処理が施された磨りガラス状の散乱カバー230が配設され、前記演出部用発光装置214から照射された光を散乱カバー230で散乱するよう構成される。前記散乱カバー230には、前後方向に開放する連結用開口部230aが形成され、該連結用開口部230aを介して連結部材220が前記演出部212に連結している。
【0056】
図21に示すように、前記前側ケース226の裏面には、複数のボス部226aが後方へ突出して形成されると共に、前記散乱カバー230の裏面に、前記演出部用発光装置214を設置するための設置用突部230bが複数後方へ突出して形成されている。また、散乱カバー230の裏面には、前記演出部用発光装置214の演出部用発光基板232(後述)を位置決めする位置決め突起230cが左右に離間して2つ形成されている。前記前側ケース226の上縁部には、後方へ延出する庇状壁部226bが形成されると共に、前側ケース226の下部には、前後方向に開放する設置用開口部226cが形成されている。
【0057】
前記演出部用発光装置214は、全体が略半円弧状に延在すると共に上縁部が前記前側ケース226の上部形状に沿う形状とされた演出部用発光基板232と、該発光基板232の前面に配設され前方へ向けて光を照射する複数の前記発光素子232aとから構成される。前記演出部用発光基板232には、前記散乱カバー230の設置用突部230bに対応して通孔232bが複数開設されると共に、該散乱カバー230の位置決め突起230cに対応して位置決め孔232cが複数開設されている。そして、演出部用発光基板232は、該発光基板232の位置決め孔232cに散乱カバー230の位置決め突起230cを挿入すると共に、演出部用発光基板232の通孔232bを介して設置用突部230bにネジ(図示せず)を螺挿することで、演出部用発光基板232が前側ケース226(散乱カバー230)の裏側に取付けられるようになっている。前記演出部用発光基板232は、前記前側ケース226に取付けられた状態で、該前側ケース226の上部側に偏倚して位置するようになっている。なお、前記演出部用発光基板232の裏面における右端部には(図21では左端部)、コネクタ受部232dが後方へ突出して設けられている。
【0058】
前記発光素子232aはLEDから構成され、実施例では、複数の発光素子232aが演出部用発光基板232の前面に円弧形状をなすよう配設されている。前記演出部用発光基板232に設置された発光素子232aは、演出部用発光基板232を散乱カバー230に取付けた際に、散乱カバー230(前側ケース226)の上半分の領域に偏倚している。すなわち、図22に示すように、装置本体216において発光素子232aが設置される領域は、前記演出部212の発光領域210より狭い範囲となっており、発光素子232aからの光は発光領域210の上部側にのみ照射されることとなる。そこで、実施例に係る発光演出装置142では、演出部212を回転させると共に発光領域210および円形装飾板218に光散乱処理を施すことで、発光領域210の上部側に照射された光を効果的に散乱させて、発光領域210全体が発光し得るよう構成される。
【0059】
前記演出部用発光装置214の各発光素子232aは、図示しない制御装置の制御信号に基づいて発光制御されるよう構成される。実施例では、発光素子232aの発光パターンを制御することで、遊技態様に合わせた各種の発光演出を行ない得るようになっている。具体的には、全ての発光素子232aを一斉に点灯または消灯させたり、点滅させたりする発光演出や、前記演出部212の回転方向および回転速度に合わせて、発光素子232aを単位数ずつ順番に点灯および消滅を繰返す発光演出を行ない得るようになっている。
【0060】
前記後側ケース228は、前記散乱カバー230と略相似形の取付けカバー234と、該取付けカバー234の左右および下部側の縁部から前方へ延出する前方壁部236とから構成され、該後側ケース228の前側に前記演出部用発光装置214を収容可能な空間が画成される。前記取付けカバー234には、前記前側ケース226のボス部226aに対応してボス受け部234aが複数形成されており、前側ケース226のボス部226aの後端部を該ボス受け部234aに整合させたもとで、ボス受け部234aの通孔を介してボス部226aにネジ(図示せず)を螺挿することで、後側ケース228が前側ケース226にネジ止めされる。前記後側ケース228が前側ケース226に取付けられた状態では、前記演出部用発光装置214が後側ケース228の前側に収容されると共に、演出部用発光基板232の後面を前記取付けカバー234が裏側から覆うようになっている(図23参照)。また、図22に示すように、前記後側ケース228の前側における前記演出部用発光装置214が設けられていない下部領域には、所要の空間(以下、下部スペース238と指称する)が確保される。
【0061】
前記後側ケース228の前方壁部236には、該前方壁部236から下方へ延出する一対の下側固定片240,240と、前方壁部236における下側固定片240より上方の部位から水平方向に延出する一対の上側固定片242,242とが形成されている。前記下側固定片240には、前記裏ユニット36の下側ボス部156に対応するボス受け部240aが形成されると共に、前記上側固定片242には、裏ユニット36の上側ボス部158に対応するボス受け部242aが形成されている。更に、後側ケース228の前方壁部236には、左下部に位置して、下方に向けて開放する配線用切欠部244が形成されている。図21に示すように、前記取付けカバー234の後部には、前記演出部用モータ224を取付けるための円形状の設置凹部246が、該取付けカバー234の後面から前方へ突出した状態で形成されている。この設置凹部246には、左右に離間してネジ孔246a,246aが形成されると共に、左右方向の中央部分に、前記演出部用モータ224の駆動軸224aが挿通可能な軸挿通孔246bが開設されている。
【0062】
前記設置凹部246に取り付けられる演出部用モータ224は、本体の前側に円形状取付部248が設けられ、該円形状取付部248の前面から前記駆動軸224aが前方へ突出している。前記円形状取付部248の縁部には、左右に離間して一対のモータ取付片248a,248aが突出成形されている。そして、演出部用モータ224の駆動軸224aを設置凹部246の軸挿通孔246bに挿通すると共に、設置凹部246のネジ孔246aに前記モータ取付片248aの通孔を介してネジ(図示せず)をネジ孔に螺挿することで、演出部用モータ224の駆動軸224aが取付けカバー234の前面から突出した状態で、演出部用モータ224が設置凹部246にネジ止めされる。
【0063】
なお、前記演出部用モータ224の本体の下部にコネクタ受部224bが突出して形成されており、該コネクタ受部224bに配線224cが接続されている(図23参照)。そして、発光演出装置142を裏ユニット36の中央設置部154に取付けた際に、前記演出部用モータ224のコネクタ受部224bが中央設置部154の前記中配線通孔160に臨むよう構成される。更に、演出部用モータ224のコネクタ受部224bに接続された配線224cは、中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側に引き出され、前記裏基板設置部122の裏中継基板164に接続される。
【0064】
図23に示すように、前記取付けカバー234における前記設置凹部246の右側(図23では左側)には、前後方向に開放するコネクタ用開口部250が開設されており、前記後側ケース228を前側ケース226に取付けた際に、前記演出部用発光基板232の裏面に設けたコネクタ受部232dがコネクタ用開口部250を介して後方に臨むようになっている。そして、コネクタ受部232dに接続された配線232eは、コネクタ用開口部250を介して後方へ引き出される。なお、コネクタ用開口部250を介して後方へ引き出された配線232eは、前記中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏基板設置部122の裏中継基板164に接続される(図14参照)。
【0065】
前記取付けカバー234の下部スペース238には、図22に示す如く、演出部212の原位置を検知する演出部用原位置スイッチ(原位置スイッチ)252を設置するためのスイッチ設置部254が形成されている。前記スイッチ設置部254は、取付けカバー234に前後方向に開設されたネジ孔254aと、該取付けカバー234から前方に突出した位置決め突起254bと、前記設置凹部246の壁部から前記軸挿通孔246bへ向けて凹設した位置決め凹部254c(図20参照)とから構成される。前記演出部用原位置スイッチ252は、前記取付けカバー234に当接した状態で固定される薄板状の固定部252aと、該固定部252aの長手方向の略中央部から前方に突出成形された直方体状の基部252bと、該基部252bの一面に前後に離間して設けられ、該基部252bから突出するよう成形された一対の検知部252c,252cとから構成されている。
【0066】
前記固定部252aには、一端側に通孔252dが開設されると共に、他端側に位置決め孔252eが開設されている。また、前記検知部252cは、開放端部側が前記位置決め凹部254cに整合し得る形状に形成されている。そして、後方の検知部252cの端部側を前記位置決め凹部254cに臨ませると共に前記固定部252aの通孔252dを前記スイッチ設置部254のネジ孔254aに整合させる。更に、固定部252aの位置決め孔252eにスイッチ設置部254の位置決め突起254bを挿入すると共に、該固定部252aの通孔252dを介して該スイッチ設置部254のネジ孔254aにネジ(図示せず)を螺挿することで、演出部用原位置スイッチ252が後側ケース228のスイッチ設置部254に取付けられる。
【0067】
ここで、前記スイッチ設置部254に設置された演出部用原位置スイッチ252は、図22に示すように、両検知部252c,252cの間の空間を回転時の連結部材220の検知片220aが通過する領域に臨ませている。そして、連結部材220の検知片220aが検知部252c,252cの間を通過することで、演出部用原位置スイッチ252が演出部212の原位置を検知し得るようになっている。図22に示す如く、前記基部252bにおける前記検知部252cとは反対側の面に、コネクタ受部252fが突出して設けられており、演出部用原位置スイッチ252をスイッチ設置部254に設置した際に、コネクタ受部252fが前記配線用切欠部244に臨むよう構成される。そして、演出部用原位置スイッチ252のコネクタ受部252fに接続された配線252gは、前記配線用切欠部244を介して後側ケース228の外部へ引き出され、前記演出部用モータ224の配線224cと同様に前記裏ユニット36の裏中継基板164に接続される(図14参照)。
【0068】
前記発光演出装置142は、後側ケース228の下側固定片240および上側固定片242を介して前記裏ユニット36(下対向面部128b)の中央設置部154に取付けられる。すなわち、両下側固定片240,240のボス受け部240a,240aを前記中央設置部154における対応の下側ボス部156,156の後端部に整合させると共に、両上側固定片242,242のボス受け部242a,242aを対応の上側ボス部158,158の後端部に整合させる。そして、各ボス受け部242aに設けた通孔を介して下側ボス部156および上側ボス部158にネジ(図示せず)を螺挿することで、発光演出装置142が中央設置部154に取付けられる。ここで、前述のように、前記下側ボス部156の前方への突出量は、上側ボス部158の突出量よりも大きく設定されていることから、前記発光演出装置142は、図15に示す如く、該発光演出装置142(演出部212)の下部側を前方に傾斜させた姿勢で中央設置部154に取付けられる。
【0069】
更に、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた際には、図1に示すように、発光演出装置142は、前記ステージ部90における案内部96の後方に位置する。また、前記裏ユニット36における前記中央設置部154の下方では、前記遊技盤18の第2の貫通口80を介して該遊技盤18の裏側へ延出する始動入賞装置72や特別入賞装置76の本体部72a,76aが前記中収容部166および収容凹部168に臨んだ状態となる。更に、中央設置部154の上方には、図柄表示装置34の表示部64が臨む開口部132が形成されている。すなわち、裏ユニット36におけるステージ部90の後方は、図15に示すように、前記始動入賞装置72や特別入賞装置76の本体部72a,76aにより下側のスペースが制限されると共に、前記開口部132により上側へのスペースが制限されている。そこで、実施例では、前記演出部用発光装置214を装置本体216の上部側 (発光領域210より狭い範囲)にのみ設置することで、装置本体216のサイズをコンパクトにして、裏ユニット36におけるステージ部90の後方の狭小なスペースにも発光演出装置142を設置し得る構成とされる。
【0070】
更に、図1に示すように、実施例に係る発光演出装置142は、裏ユニット36に設置された状態で、前記発光素子232aが設置されていない領域(すなわち、前記下部スペース238)に対応する前記発光領域210の下部(一部)側が、前記ステージ部90の転動面94より下方に位置している。従って、下部スペース238に設けた演出部用原位置スイッチ252は、前記ステージ部90の転動面94より下方に位置して、前記装飾板98により隠されるようになっている。すなわち、実施例の発光演出装置142は、前記発光領域210における図柄表示用開口部60側に臨む部分(転動面94より上側の部分)に対応して、発光素子232aが配置されている。
【0071】
〔左部演出装置について〕
前記左部演出装置136は、図24,図25に示すように、前記裏ユニット36に取付けられる取付けケース256と、該取付けケース256に回動自在に保持される可動演出体258と、該可動演出体258に設けられた回転演出体260と、取付けケース256に設けられて可動演出体258を回動させる可動体用モータ(駆動手段)262とから基本的に構成される。前記取付けケース256は、前ケース体264および後ケース体266を前後の関係で組付けて構成され、両ケース体264,266の内部に前記可動演出体258の一端側を収容するようになっている。
【0072】
前記前ケース体264は、前記遊技盤18に対向する板状の前ケース基体268と、該前ケース基体268の右側に突出した部位を除く外周縁から後方へ延出する壁部とで構成されており、該前ケース基体268の後面から後方へ向けて複数のボス部268aが突出成形されている。また、前ケース基体268には、前方へ突出すると共に後方へ開放した前軸受け部270が形成されると共に、前記可動演出体258の原位置を検知する可動体用原位置スイッチ(原位置スイッチ)272を設置するためのスイッチ取付部274が前ケース基体268の後面における上部に形成されている。前記スイッチ取付部274は、前記前ケース基体268の後面から後方へ突出成形されたボス部274aと、前ケース基体268の後面におけるボス部274aと所定間隔離間した位置に後方へ突出成形された位置決め突起274bと、該前ケース基体268の後面にコ字状に成形された位置決めリブ274cとから構成されている。更に、前ケース基体268には、前記スイッチ取付部274に近接して前配線用開口部277が前後方向に開放して形成される。
【0073】
前記可動体用原位置スイッチ272は、前記スイッチ取付部274のボス部274aおよび位置決め突起274b間に架設される薄板状の固定部272aと、該固定部272aの長手方向の略中央部から前方へ突出成形された直方体状の基部272bと、該基部272bの一面において前後方向に離間して設けられ、固定部272aの長手方向に交差する方向に突出した一対の検知部272cとから構成されている。前記固定部272aは、一端側に前後方向に開放する通孔272dが開設されると共に、他端側に前後方向に開放する位置決め孔272eが形成されている。また、前記検知部186bの開放端部側は、前記位置決めリブ274cに整合し得る形状に形成されている。そして、前記スイッチ取付部274のボス部274aおよび位置決め突起274bの間に可動体用原位置スイッチ272の基部272bを臨ませ、前側の検知部186bを位置決めリブ274cに整合させたもとで、可動体用原位置スイッチ272の固定部272aの位置決め孔272eに位置決め突起274bを挿入させる。そして、前記固定部272aの通孔272dを介して前記スイッチ取付部274のボス部274aにネジ(図示せず)を螺挿することで、可動体用原位置スイッチ272が、両検知部186b,186bを前記前軸受け部270に指向させた状態で前記スイッチ取付部274に取付けられる。
【0074】
前記基部272bの検知部186bとは反対側の面には、コネクタ受部272fが設けられ、該コネクタ受部272fに接続された配線272gは、前記前配線用開口部277を介して前ケース基体268の前側に引き出される(図26参照)。なお、前記前ケース基体268の前面には、複数の配線フック268bが形成され、前記前配線用開口部277を介して前ケース基体268の前側に引き出された可動体用原位置スイッチ272の配線272gは、配線フック268bに係止されて下方へ案内されるようになっている(図26参照)。
【0075】
前記後ケース体266は、前記前ケース基体268と略相似形に形成された後ケース基体276と、該後ケース基体276の右側に突出した部位を除く外周縁から前方へ延出する壁部とから構成される。後ケース体266の壁部には、外方へ突出する複数の固定片278が形成されており、各固定片278の後面に前記装置設置部148のボス部148aに対応するボス受け部278aが設けられる。そして、固定片278のボス受け部278aに装置設置部148のボス部148aの後端を嵌合させたもとで、ボス受け部278aの通孔を介してボス部148aにネジ(図示せず)を螺挿することで、後ケース体266が装置設置部148にネジ止めされるようになっている。
【0076】
また、後ケース基体276の前面には、前記前ケース体264のボス部268aに対応するボス受け部276aが形成され、各ボス受け部276aに前ケース体264のボス部268aの後端を嵌合させたもとで、ボス受け部276aの通孔を介してボス部268aにネジ(図示せず)を螺挿することで、後ケース体266が前ケース体264にネジ止めされる。ここで、前ケース体264および後ケース体266を組付けた際に、前記後ケース体266の壁部の前端が前ケース体264の壁部の後端に当接して、両ケース体264,266の間に可動演出体258の一端側を収容可能な空間が画成されるよう構成される。また、図28に示すように、前ケース体264および後ケース体266の壁部が形成されていない部位には、右側に開放して前記可動演出体258が回動するのを許容する可動体用開口部280が画成されるようになっている。
【0077】
前記後ケース基体276の前面には、前記前ケース体264の前軸受け部270に対応する後軸受け部282が前方に開放して形成されており、該後軸受け部282に前記可動演出体258の一端部側を回動自在に軸支する第1支軸284の一端が挿入されて連結されている。前記第1支軸284の他端は、前記前ケース体264および後ケース体266を組付けた際に、前記前軸受け部270の内部に筒状の軸支持体286を介して臨むよう構成される。前記後ケース基体276における前記後軸受け部282の左側には、前後方向に開放する後配線用開口部289が開設されている。また、図27に示すように、後ケース基体276の裏面および後ケース体266の壁部には、複数の配線フック266aが上下の関係で形成されている。
【0078】
更に、後ケース基体276における後軸受け部282の左側下方に、前記可動体用モータ262の駆動軸262aが挿通可能な軸挿通孔276bが前後方向に開放して形成されている。前記可動体用モータ262は、該可動体用モータ262の駆動軸262aが軸挿通孔を介して前記後ケース基体276の前方へ突出させた状態で、該後ケース基体276の後面にネジ止めされる。可動体用モータ262の駆動軸262aには、後ケース基体276の前面から所定間隔離間した位置で駆動ギヤ288が軸支されており、該可動体用モータ262が駆動することで、駆動ギヤ288が正逆方向に回転するようになっている。図14に示すように、前記可動体用モータ262は、前記後ケース体266を裏ユニット36の前記装置設置部148に取付けた際に、該装置設置部148のモータ用円形孔部150に後端部が臨むようになっている。
【0079】
前記後ケース基体276には、前記第1支軸284を中心とした円弧状に延在する円弧状溝290が前後方向に開放して形成されている。また、後ケース基体276には、前記円弧状溝290の外側に位置する側縁部に、円弧状に延在するラック部292が歯部を前方に向けた状態で取付けられている。前記ラック部292は、前記円弧状溝290と同じく前記第1支軸284を中心とし、かつ円弧状溝290と同一の中心角をなす円弧状に形成されている。前記第1支軸284には、筒状の軸支持体286を介して扇状従動ギヤ294が前記駆動ギヤ288に噛合した状態で回動自在に軸支されている。この扇状従動ギヤ294は、円盤状の円形基部296と、該円形基部296の外周縁の一部から外方へ延出した扇状部298とから構成され、該扇状部298の外周縁に前記駆動ギヤ288と噛合可能な歯部が形成されている。前記円形基部296には、前記第1支軸284が挿通可能な軸挿通孔296aが前後方向に開放して形成されると共に、該円形基部296の前面に3つのボス受け部296b,296b,296bが設けられている。
【0080】
前記円形基部296の裏面には、後方へ突出する規制突起300が形成されており、扇状従動ギヤ294を第1支軸284に軸支した際に、規制突起300が前記円弧状溝290に臨んで扇状従動ギヤ294の回動を規制している(図27,29参照)。図25に示すように、前記規制突起300は、後端部にネジ孔300aが開設されると共に、前記円弧状溝290に臨んだ規制突起300の後端部に後方から前後方向に開放する筒状の摺動体302が嵌挿されるようになっている。
【0081】
図27に示すように、この摺動体302の後端縁には、円弧状溝290の開口幅(円弧状溝290を規定する外側の円弧と内側の円弧との離間距離)より大径のフランジ部302aが形成されており、摺動体302を規制突起300に嵌挿した際に、摺動体302が円弧状溝290に臨んだ状態でフランジ部302aが後ケース基体276の後面に当接するよう構成される。そして、摺動体302を規制突起300に嵌挿した状態で、該規制突起300の後端部のネジ孔300aに摺動体302の開口面積より大きな頭部を備えたネジ(図示せず)を螺挿することで、規制突起300の円弧状溝290に対する抜け止めがなされるようになっている。前記円弧状溝290に臨んだ摺動体302は、前記規制突起300が移動した際に、円弧状溝290に沿って摺動するよう構成される。
【0082】
前記扇状部298は、扇状従動ギヤ294を第1支軸284に軸支した際に、後ケース基体276の前面に対する離間距離が前記駆動ギヤ288と略同一となるよう設定される。また、前記扇状部298の歯部における前記軸挿通孔296aからの離間距離は、前記駆動ギヤ288の歯部と第1支軸284との離間距離より僅かに大きく設定されている。そして、扇状従動ギヤ294を第1支軸284に軸支した際に、図30に示す如く、前記扇状部298の歯部が駆動ギヤ288の歯部に噛合し、可動体用モータ262の駆動により駆動ギヤ288が回転することで扇状従動ギヤ294が正逆方向に回動するようになっている。前記扇状部298の外周縁(歯部)の円弧形状は、前記ラック部292と同一の中心角で、かつ同一の円弧長さに設定されている。また、扇状部298一端側には、前方へ立ち上がるよう形成された検出片298aが設けられており、扇状従動ギヤ294が原位置にあるときに検出片298aが前記可動体用原位置スイッチ272の両検知部272c,272cの間に臨むよう構成される。
【0083】
ここで、扇状従動ギヤ294が原位置にある場合には、図30に示す如く、前記扇状部298の歯部における検出片298aとは反対側の端部が駆動ギヤ288に噛合した状態となり、また、前記規制突起300は、図27に示す如く、円弧状溝290の下端部に位置する。そして、前記扇状従動ギヤ294の原位置においては、前記可動演出体258は上下方向に延在した第1姿勢となる。一方、図31に示す如く、扇状部298の歯部における検出片298a側の端部が駆動ギヤ288に噛合した状態では、図29に示す如く、前記規制突起300が円弧状溝290の上端部に位置して、扇状従動ギヤ294は回動限界となる。そして、この状態においては、前記可動演出体258は、斜め右下方へ傾斜した第2姿勢となる。
【0084】
前記可動演出体258は、前記裏ユニット36における開口部132の左上隅部において、一端側が前記第1支軸284に回動自在に軸支された状態で裏ユニット36に配設される。前記可動演出体258は、前記第1姿勢では、略全体が前記収容部146に収容されて、図1に示すように、前記図柄表示用開口部66を介して前方から殆ど視認することは不能とされる。一方、前記第2姿勢では、図1の2点鎖線で示すように、前記図柄表示装置34の表示部64の前方に露出して図柄表示用開口部66を介して前方から視認可能となるよう構成されている。前記可動演出体258は、所定長さで延在する長尺可動部304と、該長尺可動部304の他端側の前側に設けられる筒状カバー部306とから基本的に構成され、該筒状カバー部306の前側に前記回転演出体260が回転自在に設けられる。なお、以下の説明では、長尺可動部304における前記第1支軸284に軸支された側を軸支側、反対側を開放端側と指称する。
【0085】
前記長尺可動部304は、図32,図33に示すように、表側に所要の装飾模様が施されると共に、後方に開放する断面U字状に成形された所定長さの本体部308を基本構成とし、該本体部308の後側に後述するリンク手段310を収容可能なリンク機構収容部312が画成されている(図34参照)。図12に示すように、前記長尺可動部304の延在長さは、可動演出体258が第1姿勢にあって、前記裏ユニット36の開口部132の縦辺132a(辺部)132aの長さ寸法の半分以上に設定されている。
【0086】
図25に示すように、前記本体部308の裏側には、軸支側に位置して一対の短尺ボス部308a,308aが形成されている。両短尺ボス部308a,308aは、長尺可動部304の延在方向に交差する方向に離間して設けられる。また、本体部308の裏側には、開放端側に位置して一対の長尺ボス部308b,308bが形成されている。各長尺ボス部308bは、短尺ボス部308aより長尺に設定されると共に、その後端部が短尺ボス部308aより後方に位置している。また、両長尺ボス部308b,308bは、長尺可動部304の延在方向に交差する方向に離間しており、その離間距離は、両短尺ボス部308a,308aの離間距離と同一に設定されている。更に、本体部308の裏側には、前記短尺ボス部308aより支軸側に離間して配線フック308cが形成されている。
【0087】
前記長尺可動部304の支軸側は、後方へ開放する筒状に形成された円形軸支部314が形成され、該円形軸支部314の後面から後方へ突出成形した支軸用ボス部314aに前後方向に開放する軸挿通孔314bが開設されている。前記支軸用ボス部314aには、該支軸用ボス部314aの外周面から径方向に突出して2つの配線フック314c,314cが形成されている。また、円形軸支部314の後面には、後方へ突出する3つのボス部314dが形成されており、円形軸支部314の軸挿通孔314bに前記第1支軸284を挿通させると共に、各ボス部314dの後端部を前記扇状従動ギヤ294の対応するボス受け部296bに嵌合させたもとで、該ボス受け部296bの通孔を介してボス部314dにネジ(図示せず)を螺挿することで、長尺可動部304が扇状従動ギヤ294にネジ止めされる。ここで、円形軸支部314のボス部314dが前記扇状従動ギヤ294のボス受け部296bに嵌合することで、長尺可動部304の扇状従動ギヤ294に対する位置決めがなされる。なお、前記円形軸支部314における後方に延出する壁部には、配線通過部314eが形成されている。
【0088】
前記長尺可動部304の開放端側には、該長尺可動部304の前面から後方へ一段下がって基板設置部316が形成されている。前記基板設置部316は、前後方向に貫通するリング状に形成されている。前記基板設置部316には、前方へ開放するネジ孔316aが複数形成されると共に、該基板設置部316の周縁部には、前側を臨む一対のボス受け部316b,316bが形成されている。また、基板設置部316には、前記ボス受け部316b,316bから軸支側に離間して前後方向に開放する一対の通孔(図示せず)が開設されている。前記本体部308の前面と基板設置部316とを繋ぐ壁部には、前記本体部308の長尺ボス部308bの間において該長尺可動部304の延在方向に開放する窓部318が形成されている(図28参照)。
【0089】
前記基板設置部316の前側には、前記筒状カバー部306を発光させる可動体用発光装置318が配設されている。この可動体用発光装置318は、中央部に円形貫通孔320aが開設されたドーナツ状の可動体用発光基板320と、該発光基板320の前面に複数配設されたLEDからなる発光素子(発光体)320bとから構成される。前記可動体用発光基板320の外縁部は、前記基板設置部316の外郭形状と略一致する形状に形成されている。また、可動体用発光基板320には、前後方向に開放する通孔320cが複数形成されており、該可動体用発光基板320を基板設置部316に設置した際に、該基板設置部316のネジ孔316aに可動体用発光基板320の通孔320cが整合するよう構成される。そして、可動体用発光基板320の各通孔320cを介して前記基板設置部316のネジ孔316aにネジ(図示せず)を螺挿することで、可動体用発光基板320が基板設置部316にネジ止めされるようになっている。
【0090】
前記可動体用発光基板320の周縁部には、前記基板設置部316に設けたボス受け部316bおよび通孔に対応する箇所に円弧状凹部320dが形成されており、可動体用発光基板320を基板設置部316に取付けた際に、該円弧状凹部320dを介して基板設置部316のボス受け部316bおよび通孔が前方に臨むよう構成される。更に、前記可動体用発光基板320の前面には、前記窓部318を臨む縁部にコネクタ受部320eが設けられており、図28に示すように、コネクタ受部320eに接続された配線320fは、窓部318を介して本体部308の裏側へ引き出されるようになっている。
【0091】
前記筒状カバー部306は、所要の装飾が施された円形前部306aと、該円形前部306aの周縁部から後方へ延出する壁部とから構成される。前記筒状カバーの壁部の内周面は、前記可動体用発光基板320の外周縁に略一致する形状とされて、前記筒状カバー部306の裏側に前記可動体用発光装置318および基板設置部316を収容可能な空間が画成されている。また、前記筒状カバー部306の壁部の後縁部には、後方および前記支軸側へ向けて開放する壁部開口部306bが開設されている。前記円形前部306aの裏面には、後方へ突出する一対のカバー長尺ボス部306c,306cが、円形前部306aの中心に対し前記壁部開口部306bとは反対側の縁部に設けられている。更に、前記円形前部306aの裏面には、前記壁部開口部306bに近接する縁部に後方へ突出する一対のカバー短尺ボス部306d,306dが形成されている。このカバー短尺ボス部306dの突出量は、前記カバー長尺ボス部306cより小さく設定されている。
【0092】
前記円形前部306aの裏面には、該円形前部306aの中心部から後方へ突出する軸受けボス部306eが形成されており、該軸受けボス部306eに前後方向に開放して後述する第2支軸322が挿通される軸挿通孔306fが開設されている。そして、可動体用発光装置318が設置された基板設置部316に対し前側から筒状カバー部306を被せ、該筒状カバー部306のカバー長尺ボス部306cの後端部を可動体用発光基板320の円弧状凹部320dを介して基板設置部316のボス受け部316bに整合させると共に、前記カバー短尺ボス部306dの後端部を該円弧状凹部320dを介して基板設置部316の通孔に整合させる。この状態で、基板設置部316のボス受け部316bの通孔を介して筒状カバー部306のカバー長尺ボス部306cにネジ(図示せず)を螺挿すると共に、基板設置部316の通孔を介して筒状カバー部306のカバー短尺ボス部306dにネジ(図示せず)を螺挿することで、筒状カバー部306が基板設置部316にネジ止めされる。
【0093】
前記筒状カバー部306の前側に回転自在に配設される回転演出体260は、所要の形状および装飾が施された演出部材であって、前記可動演出体258の回動時に正逆方向に回転するよう構成される。図33に示すように、前記回転演出体260の裏側には、後方へ突出するよう第2支軸322が固定されている。そして、前記筒状カバー部306の軸挿通孔306fに第2支軸322を挿通させて、筒状カバー部306の裏側に突出した第2支軸322の後端部に後述する第2ギヤ324を連結することで、第2支軸322の筒状カバー部306に対する抜け止めがなされ、回転演出体260が筒状カバー部306の前側に回転自在に取付けられる。前記第2支軸322は、回転演出体260が筒状カバー部306に設けられた状態で、長尺可動部304の延在方向に交差する前後方向に延在する。
【0094】
前記長尺可動部304のリンク機構収容部312には、前記ラック部292に噛合するピニオン部326が回転自在に配設される。また、長尺可動部304のリンク機構収容部312には、前記ピニオン部326に連繋して、可動演出体258の回動に伴うピニオン部326の回転に基づいて前記回転演出体260を回転させるリンク手段310が配設されている。前記リンク手段310は、一端部側に前記ピニオン部326が同軸的に連結されると共に前記可動演出体258の支軸側と開放端側とを結ぶ線分に沿って延在する回転シャフト328と、該回転シャフト328の他端部に同軸的に連結された第1ギヤ330と、前記第2支軸322に同軸的に連結されると共に該第1ギヤ330に噛合した第2ギヤ324とから基本的に構成される。
【0095】
前記ピニオン部326は、軸方向に開放する筒状連結部326aと、径方向に突出する歯部とから構成されており、回転シャフト328の一端部に筒状連結部326aを嵌挿した状態でネジ止めされる。前記ピニオン部326は、歯部の一部が長尺可動部304の本体部308における壁部の後端より後方に位置した状態で長尺可動部304に設けられる(図34参照)。すなわち、ピニオン部326の一部は、前記長尺可動部304のリンク機構収容部312から後方へ突出した状態となって、長尺可動部304を第1支軸284に軸支した際に、前記ラック部292に前側から噛合するよう構成される。そして、長尺可動部304が回動した際に、前記ピニオン部326は、前記ラック部292に噛合状態のまま円弧状に移動して、正逆方向に回転されるようになっている。換言すれば、前記ラック部292は、前記可動演出体258の回動時における前記ピニオン部326の移動軌跡に沿うように延在している。
【0096】
前記回転シャフト328は、前記長尺可動部304の延在方向に沿って延在する丸棒体であって、後述する保持部332によって、前記本体部308における壁部の後端縁より僅か前方(すなわち、前記リンク機構収容部312の内部)で保持されている。前記回転シャフト328の延在長さは、図34に示すように、前記ラック部292の歯部と前記第2支軸322との離間距離より僅かに小さく設定され、前記回転シャフト328の他端部が前記基板設置部316まで延出している。前記第1ギヤ330は、軸方向に開放する筒状連結部330aと、かさ歯車をなす歯部とから構成され、回転シャフト328の他端部が筒状連結部330aに嵌挿された状態でネジ止めされる。
【0097】
前記回転シャフト328に連結された第1ギヤ330は、前記基板設置部316に臨んだ第2支軸322より僅かに支軸側に離間した位置に臨むようになっている。前記第2ギヤ324は、前記第1ギヤ330と同様な構成であって、軸方向に開放する筒状連結部324aと、かさ歯車をなす歯部とから構成され、前記第2支軸322の後端部が筒状連結部324aに嵌挿された状態でネジ止めすることで、第2ギヤ324が第2支軸322に連結されている。前記第2ギヤ324は、筒状カバー部306を前記基板設置部316に取付けた際に、可動体用発光基板320の円形貫通孔320aを介して前記基板設置部316に臨んで、前記第1ギヤ330に対して前側から噛合するようになっている(図34参照)。
【0098】
図35,図36に示すように、回転シャフト328を回転自在に保持する保持部332は、前記回転シャフト328を支持するベース体334と、該ベース体334の裏側に取付けられる押えカバー336とから構成されている。前記ベース体334は、可動演出体258の支軸側に位置する第1板状部338と、該可動演出体258の開放端側に位置して第1板状部338より後方に延在する第2板状部340とから構成され、前記回転シャフト328の延在方向(長尺可動部304の延在方向)に沿って延在している。前記第1板状部338には、開放端部に幅広の取着部338aが形成され、該取着部338aの後面にベース体334の延在方向に交差する方向に離間した一対のボス受け部338b,338bが設けられている。
【0099】
前記第2板状部340の長手方向の両縁部には、該第2板状部340における第1板状部338とは反対側の端部に近接して一対の円弧状支持部340a,340aが第2板状部340の短手方向に離間して形成されている。各円弧状支持部340aは、第2板状部340から後方へ突出するよう形成されている。各円弧状支持部340aには、前記長尺可動部304の長尺ボス部308bが嵌入可能な寸法で前後方向に開放する嵌合孔340bが開設されている。そして、前記第1板状部338のボス受け部338bに長尺可動部304の短尺ボス部308aの後端部を整合させると共に、該長尺可動部304の長尺ボス部308bを第2板状部340の対応の円弧状支持部340aの嵌合孔340bに嵌入したもとで、該ボス受け部338bの通孔を介して短尺ボス部308aにネジ(図示せず)を螺挿することで、前記ベース体334が長尺可動部304(本体部308)にネジ止めされるよう構成される。なお、前記ベース体334が長尺可動部304に取付けられた状態では、前記長尺ボス部308bの後端縁が前記円弧状支持部340aの後端縁に整列するようになっている。
【0100】
前記第2板状部340における第1板状部338側の端部に近接して一対のボス部340c,340cが第2板状部340の短手方向に離間して形成されている。第2板状部340のボス部340cは、前記円弧状支持部340aと同じ突出量で、前記第2支持部から後方へ突出している。第2板状部340の両端部には、夫々、長尺可動部304の延在方向に開放するU字状の支持体342,344が、後方に向けて突出成形されており、両支持体342,344に前記回転シャフト328が回転自在に支持されるよう構成される。なお、以下の説明では、第1板状部338側の支持体を第1支持体342、第1板状部338とは反対側の支持体を第2支持体344と指称する場合がある。
【0101】
前記支持体342,344は、第2板状部340の隅部から後方に突出する一対の突起部342a,342a,344a,344aを備え、両突起部342a,342a,344a,344aの間に回転シャフト328が配設される。各突起部342a,342a,344a,344aの後端面は、前記第2板状部340の円弧状支持部340aおよびボス部340cの後端面より後方に位置している。また、両支持体342,344の外側面(他方の支持体344,342に対向する面とは反対側の面)の離間距離L5(図35(a)参照)は、前記ピニオン部326の筒状連結部326aにおける端縁部と前記第1ギヤ330の筒状連結部330aにおける端縁部との離間距離L6(図34参照)と略一致する寸法に設定されている。
【0102】
前記第2支持体344の突起部344a,344aには、該突起部344a,344aの後端面から第2板状部340の長手方向外方および短手方向外方へ延出する規制片344b,344bが形成されている。この規制片344bにおける第2板状部340の長手方向外方へ延出した外縁部と、第1支持体342の外側面との離間距離L7(図35(b)参照)は、前記ピニオン部326の筒状連結部326aにおける端縁部と前記第1ギヤ330の筒状連結部330aにおける端縁部との離間距離L6より大きく設定されている。そして、回転シャフト328は、前記第1ギヤ330側を第2支持体344に臨ませた後に、ピニオン部326側を第1支持体342に臨ませることで、両支持体342,344間にセットされるようになっている。
【0103】
回転シャフト328が支持体342,344に支持された状態では、図27に示すように、前記規制片344b,344bの端部が第1ギヤ330の筒状連結部330a,330aの開放端より歯部側に位置して、回転シャフト328の第1ギヤ330側が第2支持体344から脱落するのを規制している。更に、図35(a)に示すように、各規制片344bの前面側(第2板状部340側)には、後方へ向かうにつれて第2支持体344から離間する方向に傾斜した傾斜面344cが形成されており、回転シャフト328を支持体342,344に着脱する際に第2ギヤ324が規制片344bに引っ掛かり難くしている。
【0104】
前記押えカバー336は、前記支持体342,344の間に配設される板状部材であって、押えカバー336の長手方向の寸法は、両支持体342,344の内側面(他方の支持体344,342に対向する面)の離間距離と略一致する寸法に設定されている。また、押えカバー336の短手方向の寸法は、前記第2板状部340の短手方向の寸法と略同一に設定される。押えカバー336の一端部側には、前記第2板状部340のボス部340c,340cに対応する一対のボス受け部336a,336aが、該押えカバー336の長手方向の縁部から短手方向の外方に膨出するように形成されている。また、押えカバー336の他端部側は、短手方向に広がった幅広部336bとされて、該幅広部336bに前記長尺可動部304の長尺ボス部308b,308bに対応する通孔336c,336cが開設されている。
【0105】
そして、押えカバー336のボス受け部336a,336aに前記第2板状部340のボス部340c,340cの後端部を嵌合し、該ボス受け部336a,336aの通孔を介してボス部340c,340cにネジ(図示せず)を螺挿することで、押えカバー336が第2板状部340にネジ止めされる。更に、前記押えカバー336の通孔336c,336cを長尺可動部304の長尺ボス部308b,308bに整合させたもとで、該通孔336c,336cを介して長尺ボス部308b,308bにネジ(図示せず)を螺挿することで、押えカバー336が長尺可動部304にネジ止めされるよう構成される。前記押えカバー336が長尺可動部304に取付けられた状態では、該押えカバー336の幅広部336bの前面が長尺可動部304の長尺ボス部308b,308bの後端部および第2板状部340の円弧状支持部340a,340aの後端部に当接して、押えカバー336の位置決めがなされると共に、ベース体334(第2板状部340)が長尺可動部304に固定されようになっている。また、押えカバー336が第2板状部340に取付けられることで、前記支持体342,344に支持された回転シャフト328が押えカバー336により後方から覆われた状態となって、該回転シャフト328の支持体342,344からの脱落が阻止される(図27参照)。
【0106】
前記押えカバー336の短手方向の両縁部には、中央部から長手方向外方へ延出する位置決め突片336d,336dが形成されている。各位置決め突片336dの短手方向の長さは、各支持体342,344の両突起部342a,342a,344a,344aの離間距離に略一致するよう設定されており、押えカバー336を第2板状部340に取付けた際に、各位置決め突片336dが各支持体342,344の突起部342a,342a,344a,344aの間に臨んで、押えカバー336が位置決めされる。また、押えカバー336における前記第2支持体344側の縁部には、一対の係止片336e,336eが前記位置決め突片336dを挟んで形成されている。各係止片336eは、押えカバー336の前面から前方へ突出すると共に、押えカバー336の長手方向外方へ延出している。また、前記係止片336eは、押えカバー336を第2支持体344に取付けた際に、前記第2支持体344の規制片344bに前側から係止可能に構成されている。すなわち、係止片336e,336eを第2支持体344の規制片344b,344bに係止させると共に前記位置決め突片336dを第2支持体344の突起部344a,344aの間に臨ませた後に、押えカバー336の他方の位置決め突片336dを第1支持体342の突起部342a,342aの間に臨ませることで、前記押えカバー336は、第2板状部340にセットされるようになっている(図35,図36参照)。
【0107】
ここで、前記長尺可動部304にベース体334が取付けられた状態においては、図28に示すように、前記第1板状部338の前面および第2板状部340の前面が長尺可動部304の本体部308の裏面から離間して、ベース体334の前面と本体部308の裏面との間に配線スペース346が画成されるようになっている。そして、前記窓部318を介して本体部308の裏側に引き出された可動体用発光装置318の配線320fは、前記長尺ボス部308b,308bの間を通って前記配線スペース346へ引き出される。前記配線スペース346に引き出された配線320fは、該配線スペース346を通って長尺可動部304の支軸側へ案内され、前記短尺ボス部308aの間を通って前記円形軸支部314側へ引き出される。すなわち、可動体用発光装置318から導出する配線320fは、保持部332における回転シャフト328を支持する面とは反対側の面に沿って長尺可動部304の支軸側へ案内されるようになっている。
【0108】
なお、前記配線スペース346から引き出された配線320fは、長尺可動部304の配線フック308cに係止された後、前記円形軸支部314の2つの配線フック314c,314cで右側へ湾曲されて、該円形軸支部314の配線通過部314eを介して長尺可動部304の外部へ引き出される。更に、長尺可動部304の外部へ引き出された配線320fは、図27に示すように、前記後側ケース228の後配線用開口部289から該後側ケース228の裏側へ引き出される。そして、後側ケース228の裏側へ引き出された配線320fは、後側ケース228の配線フック266aを介して下方へ案内され、前記裏ユニット36における表中継基板152に接続される(図12参照)。
【0109】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0110】
〔カバー部材の組付けについて〕
先ず始めに、カバー部材180を裏ユニット36に取付ける場合について説明する。図18に示すように、入賞口用発光装置116の入賞口用発光基板202を前記カバー部材180の発光装置用設置部200にセットする。入賞口用発光基板202の位置決め凹部202bに前記カバー部材180の位置決め突起200bが臨むことで、入賞口用発光基板202が、カバー部材180の位置決めリブ200aの内側に整合した状態で位置決めされる。このとき、入賞口用発光基板202の後面のコネクタ受部202dが、前記矩形開口部206を介してカバー部材180の裏側に臨む。次に、前記ケース体208の後側の空間に前記入賞口用発光装置116を収容した状態で、該ケース体208の壁部の後端を前記カバー部材180の位置決めリブ200aの前端に当接させる。そして、ケース体208の位置決め突起208bをカバー部材180の位置決め孔200cに挿入したもとで、ケース体208の通孔208aおよび入賞口用発光基板202の通孔202cを介してカバー部材180のネジ孔200dにネジを螺挿することで、ケース体208が入賞口用発光装置116を収容した状態でカバー部材180の前側に取付けられる。
【0111】
一方、前記裏ユニット36については、排出用球通路120のスイッチ設置部184の前方開口に球検知スイッチ186を挿入し、該球検知スイッチ186の検知部186bが球排出口182に臨んだ状態で、球検知スイッチ186をスイッチ設置部184にセットする。このとき、図17に示すように、スイッチ設置部184の位置決め片188が球検知スイッチ186における本体部186aの後端部に係合し、該球検知スイッチ186の後方への位置規制がなされる。また、スイッチ設置部184に球検知スイッチ186が設置された状態では、該球検知スイッチ186の前端部がスイッチ設置部184の前方開口に整列した状態となる。
【0112】
次に、前記入賞口用発光装置116およびケース体208が取付けられたカバー部材180を前記裏ユニット36の排出用球通路120の前側に取付ける。すなわち、図11に示すように、カバー部材180のボス受け部180aを下部構造体124および左対向面部128cに形成したボス部124a,128eに嵌合させ、ボス受け部180aの通孔を介してボス部124a,128eにネジを螺挿してカバー部材180が裏ユニット36にネジ止めされる。これにより、図12に示すように、排出用球通路120の前方開口が、前記入賞口用飾り部材86の各排出樋110,112,114に連通する部分(すなわち、第1〜第3通路172,174,176の上端部)を除いて、前記カバー部材180により閉塞される。そして、カバー部材180が裏ユニット36に取付けられた状態では、該カバー部材180の後面が通路用壁部178の前端に当接し、前記通過口192および通過部194が対応の第1〜第3通路172,174,176に連通する。このように、実施例では、排出用球通路120の前面開口がカバー部材180により閉鎖されるので、通路用壁部178およびカバー部材180の間に隙間が生じるのを抑制し得る。従って、排出用球通路120でパチンコ球の球詰まりが発生するのを好適に抑制し、該排出用球通路120をパチンコ球が円滑に流下することが可能となる。
【0113】
カバー部材180が裏ユニット36に取付けられると、図17に示すように、該カバー部材180の規制部204が、前記スイッチ設置部184に設置された球検知スイッチ186の前端部に当接し、該球検知スイッチ186の前方への位置規制がなされる。このように、実施例では、カバー部材180に規制部204を設けることで、カバー部材180を排出用球通路120に取付けた際に、球検知スイッチ186の位置規制を行なうことが可能となる。また、前記カバー部材180が排出用球通路120に取付けられると、入賞口用発光基板202のコネクタ受部202dが裏ユニット36の配線通路190に臨み、該コネクタ受部202dに接続された配線202eは、配線通路190を介して裏ユニット36の上方へ案内される(図12参照)。そして、配線通路190を介して上方へ案内された配線202eは、前記裏ユニット36の左配線通路162を介して該裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏中継基板164に接続される(図14参照)。すなわち、実施例では、入賞口用発光装置116をカバー部材180を介して裏ユニット36側に設ける構成としたので、入賞口用発光装置116を遊技盤18に取付ける構成に較べ、配線202eを裏ユニット36の裏側へ引き回すのが容易となる。ここで、カバー部材180を排出用球通路120の前側に取付けた状態では、図16に示すように、カバー部材180(入賞口用発光装置116)が下部構造体124の前面から前方へ突出した状態となる。
【0114】
〔発光演出装置の組付けについて〕
次に、発光演出装置142を組付ける場合について説明する。図20,図21に示すように、前記演出部212の前側に円形装飾板218を取付けると共に、前記前側ケース226の前側に散乱カバー230を取付け、該散乱カバー230の連結用開口部230aに演出部212の後面を臨ませる。前記連結用開口部230aに臨む演出部212の後面に対し、前記連結部材220を前側ケース226の後側から連結させる。また、前記演出部用発光基板232の位置決め孔232cに散乱カバー230の位置決め突起230cを挿入すると共に、演出部用発光基板232の通孔232bを散乱カバー230の設置用突部230bに整合させる。そして、演出部用発光基板232の通孔232bを介して設置用突部230bにネジを螺挿して、演出部用発光装置214を前側ケース226(散乱カバー230)にネジ止めする。
【0115】
また、前記演出部用原位置スイッチ252を後側ケース228のスイッチ設置部254に設置する。すなわち、演出部用原位置スイッチ252の後方の検知部252cをスイッチ設置部254の位置決め凹部254cに臨ませると共に、該原位置スイッチ252の固定部252aの通孔252dをスイッチ設置部254のネジ孔254aに整合させる。更に、前記固定部252aの位置決め孔252eにスイッチ設置部254の位置決め突起254bを挿入すると共に、該固定部252aの通孔252dを介して該スイッチ設置部254のネジ孔254aにネジを螺挿することで、演出部用原位置スイッチ252が後側ケース228のスイッチ設置部254に取付けられる。このとき、スイッチ設置部254に設置された演出部用原位置スイッチ252は、図22に示すように、両検知部252c,252cの間の空間を回転時における連結部材220の検知片220aの通過領域に臨ませている。
【0116】
前記後側ケース228を前側ケース226に組付ける場合には、該後側ケース228のボス受け部234aに前側ケース226のボス部226aの後端部を嵌合させ、該ボス受け部234aの通孔を介してボス部226aにネジを螺挿して、後側ケース228を前側ケース226にネジ止めする。このとき、図22に示すように、前記演出部用発光装置214の発光素子232aは、装置本体216の上部側に位置して円弧状に並んでいる。すなわち、実施例に係る発光演出装置142では、複数の発光素子232aが演出部212の発光領域210よりも狭い範囲に設けられている。また、演出部用発光装置214が設けられていない後側ケース228の下部の領域には、下部スペース238として所要の空間が画成され、前記スイッチ設置部254に設置された演出部用原位置スイッチ252は、当該下部スペース238に位置する。なお、演出部用原位置スイッチ252のコネクタ受部252fに接続された配線252gは、後側ケース228の配線用切欠部244を介して外部に引き出される。また、前記後側ケース228を前側ケース226に取付けた状態では、図23に示すように、前記演出部用発光基板232のコネクタ受部232dが後側ケース228のコネクタ用開口部250に臨み、該コネクタ受部232dに接続された配線232eは、該コネクタ用開口部250を介して後側ケース228の後方へ引き出される。
【0117】
次に、前記演出部用モータ224を後側ケース228の設置凹部246に取付ける。すなわち、演出部用モータ224の駆動軸224aを設置凹部246の軸挿通孔246bに挿通し、前記連結部材220の連結軸孔222aに接続する。また、演出部用モータ224のモータ取付片248aを前記設置凹部246にネジ止めして、演出部用モータ224を設置凹部246に取付ける。これにより、前記演出部212が前記連結部材220を介して演出部用モータ224に接続されて、該演出部212が装置本体216の前側に回転自在に取付けられる。前記演出部用モータ224が設置凹部246に取付けられた状態で、図23に示すように、演出部用モータ224のコネクタ受部224bに接続された配線224cが下方へ導出している。
【0118】
発光演出装置142を裏ユニット36の中央設置部154に取付ける際には、前記後側ケース228の下側固定片240のボス受け部240aに中央設置部154の下側ボス部156の前端部を嵌合させると共に、後側ケース228の上側固定片242のボス受け部242aに中央設置部154の上側ボス部158(図16参照)の前端部を嵌合させる。そして、下側固定片240および上側固定片242の両ボス受け部240a,242aの通孔を介して下側ボス部156および上側ボス部158にネジを螺挿して、発光演出装置142を中央設置部154にネジ止めする。このとき、前記中央設置部154の下側ボス部156の前方への突出量は、上側ボス部158より大きいので、発光演出装置142は、下部側を前方に位置させた後方傾斜した姿勢となる(図15参照)。
【0119】
発光演出装置142が中央設置部154に取付けられると、前記演出部用モータ224の後端部が前記中配線通孔160に臨む(図14参照)。そして、演出部用モータ224から導出する配線224cは、中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏中継基板164に接続される。また、前記後側ケース228のコネクタ用開口部250から導出する演出部用発光装置214の配線232eおよび前記配線用切欠部244から導出する演出部用原位置スイッチ252の配線252gについても、中配線通孔160を介して裏ユニット36の裏側へ引き出された後、前記裏中継基板164に接続される。
【0120】
〔左部演出装置の組付けについて〕
可動演出体258を組付ける場合には、先ず始めに、前記保持部332のベース体334を本体部308のリンク機構収容部312に取付ける。すなわち、前記第1板状部338のボス受け部338bを前記長尺可動部304(本体部308)の短尺ボス部308aの後端部に嵌合させると共に、前記第2板状部340の円弧状支持部340aの嵌合孔340bに長尺可動部304の長尺ボス部308bを嵌入する。次いで、前記ベース体334の第2支持体344に前記回転シャフト328の第1ギヤ330側を臨ませた後、該回転シャフト328のピニオン部326側を第1支持体342に臨ませる。このとき、前記ピニオン部326の筒状連結部326aおよび第1ギヤ330の筒状連結部330aの離間距離L6(図34参照)は、両支持体342,344の対向する突起部342a,342a,344a,344aの外側面間の離間距離L5(図35(a)参照)と略同一に設定されているので、ピニオン部326および第1ギヤ330の間に両支持体342,344が挾まれた状態で回転シャフト328がセットされる。
【0121】
しかも、前記第2支持体344の規制片344b,344bの外縁部と、第1支持体342の突起部342a,342aの外側面との離間距離L7(図35(b)参照)は、前記ピニオン部326の筒状連結部326aおよび第1ギヤ330の筒状連結部330aの離間距離L6より大きく設定されている。従って、回転シャフト328の第1ギヤ330側が第2支持体344から脱落しようとしたときに該第1ギヤ330が前記規制片344b,344bに接触して、回転シャフト328の脱落を規制する。すなわち、回転シャフト328を両支持体342,344間に一旦セットした後に、該回転シャフト328が第2支持体344から脱落し難くすることで、押えカバー336をベース体334に組付ける作業を効率的に行なうことが可能となる。また、図35(a)に示すように、各規制片344bの第2板状部340を指向する側に傾斜面344cを形成したので、回転シャフト328を第2支持体344に着脱する際に、第1ギヤ330が規制片344b,344bに引っ掛かり難くして、作業性を向上し得る。
【0122】
前記回転シャフト328を両支持体342,344にセットした状態で、前記押えカバー336をベース体334に取付ける。すなわち、図35(a),(b)に示すように、押えカバー336の係止片336e,336eを前記第2支持体344の規制片344b,344bの前側に係合させると共に、両係止片336e,336eの間の位置決め突片336dを第2支持体344の突起部344a,344aの間に臨ませる。次いで、前記押えカバー336の反対側の位置決め突片336dを第1支持体342の突起部342a,342aの間に臨ませる。すると、前記押えカバー336の幅広部336bが前記円弧状支持部340aの後端部および前記長尺可動部304の長尺ボス部308bの後端部に当接し、該幅広部336bの通孔336cが長尺ボス部308bに整合する。また、押えカバー336のボス受け部336aが前記第2板状部340のボス部340cの後端部に嵌合する。そして、押えカバー336の通孔336cを介して前記長尺可動部304の長尺ボス部308bにネジを螺挿すると共に、押えカバー336のボス受け部336aの通孔336cを介して第2板状部340のボス部340cにネジを螺挿して、押えカバー336をベース体334にネジ止めする。
【0123】
すると、図36(a),(b)に示すように、押えカバー336は、第1支持体342および第2支持体344間に整合した状態でベース体334に取付けられて、回転シャフト328が両支持体342,344間に回転自在に支持される。また、押えカバー336が回転シャフト328を後側から閉塞するので、該回転シャフト328に塵埃や異物が接触するのを抑制して、回転シャフト328の回転に不具合が発生するのを防止している。更に、第2支持体344の円弧状支持部344aの後端部が押えカバー336に押さえつけられることで、第2板状部340が長尺可動部304に確実に固定される。なお、第1板状部338側は、該第1板状部338の取着部338aに設けたボス受け部338bの通孔を介して長尺可動部304の短尺ボス部308aにネジを螺挿することでネジ止めされる。前記回転シャフト328がリンク機構収容部312に配設されると、図34に示すように、前記ピニオン部326が長尺可動部304の後端部から僅かに突出すると共に、前記第1ギヤ330が基板設置部316に臨んだ状態となる。また、図28に示すように、前記第1板状部338の前面および第2板状部340の前面が長尺可動部304の本体部308の裏面から離間して、ベース体334の前面と本体部308の裏面との間に配線スペース346が画成される。
【0124】
可動演出体258の基板設置部316に可動体用発光装置318を取付ける際には、図32,図33に示すように、前記可動体用発光基板320の通孔320cを基板設置部316のネジ孔316aに整合させ、該通孔320cを介してネジをネジ孔316aに螺挿することで、可動体用発光基板320が基板設置部316にネジ止めされる。このとき、前記基板設置部316のボス受け部316bおよび通孔が、可動体用発光基板320の周縁部に設けた円弧状凹部320dを介して前方に臨んだ状態となる。また、筒状カバー部306の軸挿通孔306fに前記回転演出体260に接続した第2支軸322を前側から挿通させ、該第2支軸322の後端部に第2ギヤ324を連結させることで、回転演出体260が筒状カバー部306の前面に回転自在に取付けられる。
【0125】
そして、前記基板設置部316の前側から筒状カバー部306を被せるようにセットし、前記可動体用発光基板320の円弧状凹部320dを介して前方に臨む基板設置部316のボス受け部316bに筒状カバー部306のカバー長尺ボス部306cの後端部を嵌合させる。また、前記可動体用発光基板320の円弧状凹部320dを介して前方に臨む基板設置部316の通孔に筒状カバー部306のカバー短尺ボス部306dの後端部を整合させる。そして、基板設置部316のボス受け部316bを介してカバー長尺ボス部306cにネジを螺挿すると共に、基板設置部316の通孔を介してカバー短尺ボス部306dにネジを螺挿して、筒状カバー部306が前記基板設置部316にネジ止めされる。
【0126】
前記筒状カバー部306が基板設置部316に取付けられると、前記第2支軸322および第2ギヤ324が前記可動体用発光基板320の円形貫通孔320aを介して基板設置部316に臨み、該第2ギヤ324が前記第1ギヤ330に前側から噛合する(図34参照)。また、前記可動体用発光基板320に設けられたコネクタ受部320eは、長尺可動部304の窓部318に臨んだ状態となる。そして、図28に示すように、可動体用発光基板320のコネクタ受部320eに接続された配線320fを前記窓部318を介して前記配線スペース346へ引き出し、該配線スペース346を通って長尺可動部304の支軸側へ案内する。すなわち、実施例では、可動体用発光装置318から導出する配線320fを、保持部332における回転シャフト328を支持する面とは反対側の面に沿って長尺可動部304の支軸側へ案内するようにしたので、配線320fが回転シャフト328から分離されて該回転シャフト328に接触するのを防止し得る。また、回転シャフト328を保持する保持部332を配線320fの案内部材として兼用したので、部品点数が増加するのを回避して製造コストを低廉にし得る。
【0127】
次に、図24に示すように、前記後ケース体266の後軸受け部282に第1支軸284を軸支持体286を介して連結する。そして、第1支軸284に対し前記扇状従動ギヤ294の軸挿通孔296aを挿通させ、該扇状従動ギヤ294の規制突起300を前記ラック部292の円弧状溝290に臨ませた状態で、該扇状従動ギヤ294を第1支軸284に回動自在に軸支させる。また、後ケース体266の軸挿通孔276bに可動体用モータ262の駆動軸262aを後方から挿通させ、後ケース体266の後面に可動体用モータ262をネジ止めする。そして、後ケース体266の軸挿通孔276bから前方へ突出する可動体用モータ262の駆動軸262aに駆動ギヤ288を接続させる。すると、図30に示すように、前記扇状従動ギヤ294の歯部と前記駆動ギヤ288の歯部とが噛合する。また、前記扇状従動ギヤ294の規制突起300の後端部に摺動体302を嵌挿させ、該摺動体302を円弧状溝290に臨ませた状態で規制突起300にネジを螺挿し、該規制突起300の円弧状溝290への抜け止めがなされる。
【0128】
次に、前記可動演出体258の円形軸支部314に設けた軸挿通孔314bに前記第1支軸284を挿通し、可動演出体258を第1支軸284に回動自在に軸支させる。すると、図34に示すように、前記長尺可動部304のリンク機構収容部312から僅かに後方に突出したピニオン部326の歯部が、前記後ケース体266に設けたラック部292の歯部に前側から噛合する。また、前記円形軸支部314の配線通過部314eから引き出された可動体用発光装置318の配線320fを、前記後ケース体266の後配線用開口部289を介して該後ケース体266の後側に引き出す。そして、後ケース体266の後側に引き出された配線320fは、該後ケース体266に設けた複数の配線フック266aを介して下方へ案内される(図27参照)。
【0129】
前記可動体用原位置スイッチ272を前ケース体264のスイッチ取付部274に設置するには、該スイッチ取付部274の位置決めリブ274cに前側の検知部272cを臨ませると共に、可動体用原位置スイッチ272の固定部272aの位置決め孔272eにスイッチ取付部274の位置決め突起274bを挿入させる。そして、可動体用原位置スイッチ272の固定部272aに設けた通孔272dを介してスイッチ取付部274のボス部274aにネジを螺挿することで、可動体用原位置スイッチ272がスイッチ取付部274に設置される。可動体用原位置スイッチ272がスイッチ取付部274に設置されると、可動体用原位置スイッチ272の両検知部272c,272cの間の空間が前記扇状従動ギヤ294の検知片298aの移動軌跡に臨んだ状態となる。また、可動体用原位置スイッチ272のコネクタ受部272fに接続された配線272gは、前記前ケース体264の前配線用開口部277を介して該前ケース体264の前側に引き出され、該前ケース体264に設けた配線フック268bを介して下方へ案内される(図26参照)。
【0130】
次に、前ケース体264の前軸受け部270に、軸支持体286を介して前記第1支軸284の前端部を挿入させる。また、前ケース体264の複数のボス部268aの後端部を前記後ケース体266の対応する軸受け部276aに嵌合させ、該軸受け部276aの通孔を介してボス部268aにネジを螺挿して、前ケース体264および後ケース体266をネジ止めする。このとき、図28に示すように、前ケース体264および後ケース体266の右側に可動体用開口部280が画成されて、可動演出体258の回動動作が許容される。左部演出装置136(取付けケース256)を裏ユニット36の装置設置部148に取付ける際には、前記上対向面部128aおよび左対向面部128cに設けたボス部148aの後端部を取付けケース256(後ケース体266)の固定片278のボス受け部278aに嵌合させ、ボス受け部278aの通孔を介してボス部148aにネジを螺挿する。これにより、取付けケース256が装置設置部148にネジ止めされて、左部演出体が裏ユニット36に組付けられる。すなわち、図12に示すように、可動演出体258は、裏ユニット36における開口部132の左上隅部の近傍で軸支される。なお、取付けケース256が装置設置部148に取付けられると、図14に示すように、前記可動体用モータ262の後部が、前記裏ユニット36のモータ用円形孔部150を介して該裏ユニット36の裏側に臨む。
【0131】
前記後ケース体266の配線フック266aを介して下方へ案内された可動体用発光装置318の配線320fは、図12に示すように、左画壁部130cに設けた配線フック130eを介して下方へ案内されて、前記表中継基板152に接続される。また、前ケース体264の配線フック268bを介して下方へ案内された可動体用原位置スイッチ272の配線272gは、同じく前記左画壁部130cの配線フック130eを介して下方へ案内されて、前記表中継基板152に接続される。そして、表中継基板152から導出する配線152bは、図14に示すように、前記左配線通孔162を介して裏ユニット36の裏側へ引き出され、前記裏中継基板164に接続される。また、裏ユニット36の後面には、前記支持部131および固定基部134を介して図柄表示装置34が取付けられ、該図柄表示装置34の表示部64が裏ユニット36の開口部132に臨む。
【0132】
〔裏ユニットの組付けについて〕
前記裏ユニット36を遊技盤18に取付ける場合には、裏ユニット36の箱状本体118および下部構造体124に設けた各設置固定部126の前面を遊技盤18の裏面に当接させた状態で、ネジを介して遊技盤18に裏ユニット36が固定される。すると、前記裏ユニット36の箱状本体118によって前記枠状装飾部材68の図柄表示用開口部66が後側から覆われると共に、該図柄表示用開口部66に前記開口部132を介して図柄表示装置34の表示部64が臨む。また、裏ユニット36を遊技盤18に取付けると、該裏ユニット36に設けた前記装飾カバー144の凹状部144bと遊技盤18の裏面との間に収容部146が画成されて、該収容部146に前記可動演出体258が収容される(図1参照)。
【0133】
前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けると、前記カバー部材180の前面から突出して前記設置固定部126の前面より前方に位置する入賞口用発光装置116(ケース体208)が、前記第3の貫通口82の内部に臨んで、前記入賞口用飾り部材86の光透過部材108に対向する。また、図19に示すように、前記通過口192,192および通過部194の連通突部196,196,196が、前記第3の貫通口82の後方開口端に位置する排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接する。すなわち、各通過口192,192に設けた連通突部196,196が第2排出樋112および第3排出樋114の後端部112a,114aに当接し、第2の一般入賞口84および第3の一般入賞口84が、通過口192,192を介して第2通路174および第3通路176に夫々連通する。
【0134】
また、通過部194に設けた連通突部196は、前記第1排出樋110の後端部110aにおける下部および左側部に当接する。第1排出樋110の後端部110aにおける右側部には、前記裏ユニット36に設けたセンサ収容ケース170の左前カバー170aの左側部が当接する。すなわち、通過部194の連通突部196および左前カバー170aが第1排出樋110の後端部110aに当接することで、第1の一般入賞口84が第1通路172に連通する。このように、実施例では、カバー部材180の通過口192,192および通過部194の周縁に連通突部196,196,196を形成したので、裏ユニット36を遊技盤18に配設した際に通過口192,192および通過部194が各排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに確実に連通することが可能となる。従って、通過口192,192および通過部194と排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aとの間に隙間が発生し難く、遊技球が通過口192,192や通過部194を通過する際に、球詰まりが発生するのを抑制し得る。
【0135】
また、裏ユニット36を遊技盤18に取付けると、前記カバー部材180の当接突部198が前記遊技盤18の裏面に当接する。これにより、カバー部材180が後方へ押圧されて、カバー部材180の後面が通路用壁部178に密着して、カバー部材180と第1〜第3通路172,174,176との間に隙間が生じ難くなる。これにより、パチンコ球が第1〜第3通路172,174,176を円滑に流下することができ、排出用球通路120で球詰まりが生じるのを抑制し得る。ここで、実施例では、線状の当接突部198がカバー部材180に設けられており、カバー部材180の全面が遊技盤18の裏面に当接する訳ではない。仮に、カバー部材180が遊技盤18に面接触する構成とした場合には、遊技盤18の裏面の僅かな歪みによりカバー部材180の一部が遊技盤18の裏面から浮いてしまい、カバー部材180と第1〜第3通路172,174,176との密着性が低下する虞がある。また、カバー部材180の一部が遊技盤18の裏面から浮いてしまうと、通過口192,192や通過部194と排出樋110,112,114との連通に支障を来す虞がある。
【0136】
そこで、実施例では、遊技盤18の裏面に不可避的に生ずる僅かな歪みの影響を軽減するべく、カバー部材180の線状の当接突部198が遊技盤18の裏面に線接触する構成が採用されている。これにより、カバー部材180が遊技盤18の裏面から浮き難くなって、第1〜第3通路172,174,176との密着性が低下するのを抑制すると共に、通過口192,192および通過部194と排出樋110,112,114とを確実に連通させることが可能となる。しかも、実施例では、線状の当接突部198を設けることで、カバー部材180の剛性が高められている。従って、実施例の如く、前記カバー部材180に取付けられた入賞口用発光装置116から生ずる熱によってカバー部材180が加熱されたとしても、カバー部材180が変形したり歪んだりするのを抑制し得る。更に、当接突部198は、カバー部材180の周縁部に形成されているので、カバー部材180の剛性をより高めることが可能となる。
【0137】
ここで、図1に示すように、前記裏ユニット36を遊技盤18に取付けた状態では、前記中央設置部154に設けた発光演出装置142が前記遊技盤18のステージ部90における案内部96の真後ろに位置する。また、図15に示すように、遊技盤18の第2の貫通口80を介して後方に突出する始動入賞装置72の本体部72aが裏ユニット36の中収容部166に臨むと共に、同じく第2の貫通口80を介して後方に突出する特別入賞装置76の本体部76aが裏ユニット36の収容凹部168に臨んで、両本体部72a,76aが発光演出装置142の下方に位置する。更に、発光演出装置142の上方には、前記裏ユニット36の開口部132の下縁部が位置している。すなわち、発光演出装置142が設置されるステージ部90の後方は、上下のスペースを確保するのが困難となっている。そこで、実施例の発光演出装置142では、図22に示すように、発光演出装置142の発光素子232aを発光領域210より狭い範囲に設置することで、装置本体216が嵩張らないように構成されている。
【0138】
換言すれば、実施例の発光演出装置142では、演出部212を回転させると共に発光領域210および円形装飾板218の光散乱効果により、発光領域210より狭い範囲に設置された発光素子232aの光であっても、発光領域210全体が発光して、ステージ部90を十分に明輝させることが可能となっている。従って、装置本体216のサイズをコンパクトにすることができ、図柄表示装置34や始動入賞装置72等が近接して配置されるステージ部90後方の狭小なスペースであっても、発光演出装置142を設置することが可能となる。また、演出部用原位置スイッチ252は、装置本体216における下部スペース238を利用して設置されるので、該スイッチ252を設置するスペースを装置本体216に別途確保する必要がなく、装置本体216はコンパクトに維持される。しかも、前記下部スペース238は、前記ステージ部90の転動面94より下方に位置するので、下部スペース238に設けた演出部用原位置スイッチ252が前記装飾板98により前側から覆われて視認不能とされる。すなわち、遊技者側から演出部用原位置スイッチ252が視認され難くなって、遊技の興趣が損なわれるのを防止し得る。
【0139】
〔遊技演出について〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の遊技態様について説明する。パチンコ機10では、操作ハンドル30の操作により打出し通路42を介して遊技領域16に打出されたパチンコ球は、遊技盤18に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変化させながら流下する。通常の遊技状態では、図1に示すように、前記可動演出体258は、前記収容部146に収容された第1姿勢に維持されており、可動演出体258は、図柄表示用開口部66を介して前側から殆ど視認し得ないようになっている。遊技領域16を流下したパチンコ球が前記一般入賞口84にパチンコ球が入賞すると、該パチンコ球は、前記排出樋110,112,114を介して遊技盤18の後方へ送られる。そして、前記カバー部材180の通過口192,192または通過部194を介して、排出用球通路120(第1〜第3通路172,174,176)に通入する。このとき、通過口192.192(通過部194)に設けた連通突部196が排出樋110,112,114の後端部110a,112a,114aに当接して、通過口192,192(通過部194)および排出樋110,112,114が確実に連通しているので、通過口192,192(通過部194)を介してパチンコ球を円滑に排出用球通路120に通入させることができ、球詰まりを発生し難くし得る。
【0140】
前記排出用球通路120に通入したパチンコ球は、第1〜第3通路172,174,176の何れかを流下して、球排出口182から機外へ排出される。このとき、前述したように、当接突部198が遊技盤18に当接することで、カバー部材180の後面が通路用壁部178に密着しているので、カバー部材180と通路用壁部178との間に隙間が生じ難く、排出用球通路120で球詰まりが生ずるのを抑制し得る。前記パチンコ球が球排出口182を通過する際に、前記球検知スイッチ186の検知部186bがパチンコ球を検知して、前記上球皿24に所定数の賞球が払出される。
【0141】
遊技領域16を流下したパチンコ球が前記始動入賞装置72の始動口70に入賞すると、図柄表示装置34において所要の特別図柄変動ゲームが開始される。特別図柄変動ゲームにおいては、図柄表示装置34の表示部64にリーチ演出等の各種図柄演出が表示されると共に、前記裏ユニット36に設けられた各演出装置136,138,140,142が当該図柄演出に合わせて演出を行なう。そして、特別図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置34に特定の図柄組合わせが表示されると大当りとなって、特別遊技が発生する。特別遊技が発生すると、特別入賞口74を所定時間(例えば、30秒)開放させる間に、所定数(例えば、10球)のパチンコ球を特別入賞口74に入賞させるラウンド遊技が開始され、多くの賞球が上球皿24に払出される。一方、前記一般入賞口84や始動口70、特別入賞口74に入賞しなかったパチンコ球は、遊技領域16の最下部で開口するアウト口58を介して遊技領域16から排出される。
【0142】
〔発光演出装置の発光演出について〕
次に、発光演出装置142の発光演出について、説明を行なう。前記演出部用モータ224が駆動すると、駆動軸224aに連結された連結部材220が回転して、前記演出部212が回転される。また、前記制御装置からの制御信号に基づいて、演出部用発光装置214が発光制御されて、前記発光素子232aが所要の発光パターンで発光される。例えば、全ての発光素子232aが一斉に点灯されたとすると、該発光素子232aの光は、前記散乱カバー230で散乱されつつ前記演出部212の発光領域210に照射される。
【0143】
このとき、発光素子232aは、図22に示すように、装置本体216の上部において発光領域210より狭い範囲に設けられているので、発光素子232aからの光は発光領域210の上部側に照射される。しかるに、実施例の発光領域210は、演出部用モータ224により所定の回転速度で回転すると共に、光散乱処理が施されているので、発光素子232aの光が発光領域210で多方向に散乱されるようになっている。しかも、発光領域210には、演出部212の回転方向に交差する方向の装飾が施されて高い光散乱効果を有する円形装飾板218が設けられているので、当該円形装飾板218によって光をより効果的に散乱させるようになっている。従って、発光領域210よりも狭い範囲に設けた発光素子232aの光であっても、発光領域210全体が発光して、ステージ部90に対し十分な照明効果を発揮することができる。しかも、発光領域210全体が明輝した演出部212が回転することで、発光演出装置142自体が高い演出効果を発揮し、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、実施例では、ステージ部90の案内部96の後方に発光演出装置142を設けたので、遊技者が最も注目するステージ部90の案内部96を発光演出することができ、遊技の興趣は更に高められる。
【0144】
ところで、前記発光領域210の下部は、前記ステージ部90の転動面94の下方に位置して前記装飾板98の覆われた状態となるので、発光領域210の下部が図柄表示用開口部66を介して前方から視認されることはない。しかるに、前記転動面94は、透明部材22で構成されるので、発光領域210の下部を転動面94を介して斜め上前方から視認することは可能となる。そこで、ステージ部90の転動面94より下方に位置する発光領域210の下部を含む発光領域210全体が発光することで、転動面94を介して発光領域210が視認されたとしても、遊技の興趣が損なわれることはない。なお、ステージ部90の転動面94を透明部材22で構成することで、該転動面94を発光領域210で効果的に明輝させることができるので、演出効果を高め得る。
【0145】
ここで、実施例に係る発光演出装置142では、遊技演出に合わせて発光パターンを適宜変更し得るようになっており、例えば、単位数ずつの発光素子232aを演出部212の回転方向に合わせて順次発光させることが可能である。具体的には、2個ずつの発光素子232a,232aを演出部212の回転方向に合わせて順番に点灯・消滅させることで、発光領域210に円弧状の軌跡をなして光が変位するような発光演出をすることが可能である。すなわち、実施例に係る発光演出装置142では、発光領域210全体を発光させるだけでなく、発光領域210の一部を明輝させて、演出部212の回転に合わせて光が変位する発光演出をすることもでき、意外性のある発光演出をすることができる。しかも、ステージ部90の転動面94より下方に位置して前記装飾板98で隠れる発光領域210の下部についても、発光素子232aの光が順に変位しているかのような錯覚を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0146】
〔左部演出装置の演出について〕
次に、左部演出装置136の演出について説明する。前記左部演出装置136は、遊技演出に合わせて回転演出体260が回転しつつ可動演出体258が回動する演出を行なうものである。すなわち、前記可動体用モータ262が駆動すると、該モータ262の駆動軸262aに連結された駆動ギヤ288が回転し、該駆動ギヤ288に噛合する前記扇状従動ギヤ294が図30の反時計回りに回動する。すると、図27に示す如く、円弧状溝290の下端部に位置する摺動体302が、扇状従動ギヤ294の規制突起300と共に円弧状溝290を摺動し、扇状従動ギヤ294に連結された可動演出体258が第1支軸284を中心として反時計回りに回動する。すなわち、可動演出体258は前記収容部146に収容された第1姿勢から姿勢変化して、前記図柄表示装置34の表示部64の前側に露出する。
【0147】
また、可動演出体258の回動に伴って、前記ピニオン部326がラック部292に噛合したまま移動し、ピニオン部326が回転する。すると、前記回転シャフト328が前記第1ギヤ330と共に回転して、該第1ギヤ330に噛合する第2ギヤ324が回転される。これにより、第2ギヤ324に連結する第2支軸322が回転して、前記回転演出体260が所定の回転速度で回転される。すなわち、回転演出体260は、可動演出体258の回動と同時に回転を開始し、該可動演出体258が回動する間、回転し続けるようになっている。また、前記筒状カバー部306に設けられた可動体用発光装置318が発光制御されて、筒状カバー部306の内側で可動体用発光装置318の発光素子320bが発光する。これにより、筒状カバー部306が明輝されて、該筒状カバー部306に配設された回転演出体260の注目度を高めることが可能となる。
【0148】
扇状従動ギヤ294が更に回動すると、該扇状従動ギヤ294の回動に合わせて可動演出体258が回動し、前記ピニオン部326が円弧状の軌跡をなして移動する。このとき、前記ラック部292はピニオン部326の移動軌跡に沿って延在しているので、該ラック部292とピニオン部326との噛合が解除されることはなく、回転演出体260の回転は継続される。そして、図29に示すように、前記円弧状溝290の上部に摺動体302が到達すると、扇状従動ギヤ294の回動が規制される。すると、図1の2点鎖線で示すように、前記可動演出体258の略全体が図柄表示装置34の表示部64の前側に露出した第2姿勢となって、前記可動体用モータ262の駆動が停止され、可動演出体258の回動および回転演出体260の回転が停止される。このように、実施例に係るパチンコ機10では、可動演出体258が収容部146に収容された第1姿勢から視認可能な第2姿勢に回動することで遊技者に意外性のある遊技演出をすることができ、遊技の興趣を向上し得る。しかも、可動演出体258(長尺可動部304)は、裏ユニット36の開口部132における縦辺132aの半分以上の長さを有する長尺な部材としたので、該開口部132の前方で可動演出体258が大きく回動して、演出効果をより高めることが可能となる。
【0149】
しかも、実施例に係るパチンコ機10では、単一の駆動手段である可動体用モータ262で、可動演出体258および回転演出体260を作動し得るようにしたので、部品点数が少なくなって製造コストを低廉にし得る。また、ラック部292およびピニオン部326による簡易な構成により回転演出体260を回転し得るので、可動演出体258の重量が嵩むのを抑制して、出力の大きな可動体用モータ262を必要とせずにランニングコストを低廉にすることができる。特に、回転シャフト328を用いてピニオン部326の回転を第2ギヤ324へ伝達する簡易な構成を採用することで、複数のギヤを噛合させてピニオン部326の回転を第2ギヤ324へ伝達する構成に較べ、構造をシンプルにし得る。従って、可動演出体258や回転演出体260に不具合や故障が発生するのを抑制し得ると共に、製造コストを低廉にすることができる。また、実施例の如く、可動演出体258を長尺にした場合であっても、回転シャフト328を用いることでピニオン部326の回転を第2ギヤ324に確実に伝達することが可能となる。なお、可動体用発光装置318の配線320fは、ベース体334における回転シャフト328とは反対側の面に沿って案内されているので、配線320fが回転シャフト328に接触して不具合が生ずることは防止される。
【0150】
〔不正行為対策について〕
ここで、遊技者が上球皿24を手前に引っ張って、前枠20を透明部材22と共に遊技盤18から離間させる不正行為を行なったとする。すると、図9に示すように、前記透明部材22は、下方に向かうにつれて遊技盤18から離間する方向に傾斜した姿勢でレール部材32から離間し、該透明部材22とレール部材32(連結部52)との間に隙間が画成される。そして、当該隙間にパチンコ球を滞留させて、多数のパチンコ球を堆積させることができれば、始動口70や一般入賞口84に大量のパチンコ球を入賞させて賞球を不正に獲得することができてしまう。
【0151】
しかるに、実施例に係るパチンコ機10では、レール部材32の連結部52に不正防止部54が形成されているので、不正防止部54と透明部材22との間に隙間が画成されたとしても、不正防止部54の上面102からパチンコ球が落下し易くなっている。すなわち、不正防止部54の上面102は、レール部材32の内側面より薄く形成されるので、不正防止部54の上面102にパチンコ球が滞留するのは困難となり、パチンコ球を堆積させる不正行為は殆ど不可能となる。また、実施例では、薄板状の簡易な構造の不正防止部54をレール部材32に形成する構成としたので、製造コストを抑制し得ると共に、不具合が発生することも殆どなく、メンテナンス費を抑制することが可能となる。
【0152】
しかも、不正防止部54は、連結部52から所定高さで上方に突出するよう形成したので、傾斜姿勢となった透明部材22と不正防止部54の上端縁との離間距離L1は、不正防止部54が上方に突出するにつれて小さくなる。すなわち、不正防止部54が上方に突出することで透明部材22との隙間を小さくして、当該隙間にパチンコ球を滞留させるのをより困難にしている。更に、不正防止部54の前面をレール部材32より前方に位置させたので、レール部材32と透明部材22との間の隙間を不正防止部54の厚み分だけ狭めることができる。すなわち、不正防止部54と透明部材22との隙間は、不正防止部54がレール部材32より前方に位置する分だけ小さくなるので、当該隙間にパチンコ球を滞留させるのは更に困難とされる。
【0153】
ここで、図10に示すように、不正防止部54の上面102の左右には、円弧状に下方傾斜する傾斜部102a,102aが形成されている。この傾斜部102a,102aにより、不正防止部54の上面102にあるパチンコ球を左右に速やかに分散させて、不正防止部54の上面102にパチンコ球が滞留するのをより困難としている。しかも、不正防止部54の左右の傾斜部102a,102aは、内レール40または第2内側面50に滑らかに連なるよう構成したので、不正防止部54の左右の縁部と内レール40または第2内側面50との境界部分(図10の参照)に上下方向の段差が生じることはない。これにより、当該境界部分に生じた段差にパチンコ球が引っ掛かって、パチンコ球が滞留すると云った事態が発生するのを防止している。更に、実施例の不正防止部54は、図10に示すように、左右の幅寸法L3がアウト口58の左右の幅寸法より大きく設定されている。従って、パチンコ球を不正防止部54の上面102で左右に大きく分散させてパチンコ球の堆積をより確実に防止することができる。しかも、アウト口58より広い範囲でパチンコ球の堆積を防止することができるので、不正行為を広範囲で防止し得る。
【0154】
〔変更例〕
図37は、変更例に係る不正防止部350を示す斜視図である。なお、変更例では、実施例と相違する部分についてのみ説明を行ない、実施例と同一の部分については、同じ符号を付して説明を省略する。実施例では、不正防止部54がレール部材32の連結部52に一体的に形成される構成とした。これに対し、変更例に係る不正防止部350は、前記レール部材32の肉厚部60に着脱自在に取付けられる構成とされる。不正防止部350は、前記肉厚部60に着脱自在に取付けられる取着板部352と、該レール部材32(内レール40および第2内側面50)の前後幅より薄く形成された板状部354とから構成される。前記取着板部352は、前記肉厚部60の前面に当接した状態で取付けられる板状の部材であって、図38に示すように、該取着板部352の後面に、肉厚部60に設けられた矩形凹部62(図5参照)に嵌合可能な嵌合突部356が4つ突出成形されている。各嵌合突部356は、矩形凹部62と略同一の寸法に設定されており、矩形凹部62に対し嵌合突部356を圧入することで、不正防止部54がレール部材32に固定されるようになっている。
【0155】
前記板状部354は、取着板部352が肉厚部60に取付けられた状態で、該レール部材32(連結部52)の前端から上方へ突出するよう構成される。また、板状部354の前面は、レール部材32の前端面より前方へ位置している。更に、板状部354の上面358における左右には、実施例と同様な傾斜部358a,358が形成されている。すなわち、傾斜部358a,358aは、内レール40または第2内側面50に滑らかに連なるよう構成されており、板状部354の左右の縁部と内レール40または第2内側面50との境界部分に上下方向の段差が生じないようにしてある。
【0156】
このように、変更例では、不正防止部350をレール部材32の肉厚部60に着脱自在に取付ける構成としたので、不正防止部350を備えていない既存のパチンコ機10のレール部材32に対して不正防止部350を装着することができ、前述した不正行為への対策が可能となる。しかも、変更例の不正防止部350は、矩形凹部62に嵌合突部356を嵌合するだけでレール部材32に容易に取付けることができるので、不正防止部350の取付け作業を効率的にし得る。また、変更例に係る不正防止部350は、実施例と同様に、板状部354と透明部材22との間の隙間にパチンコ球を滞留させるのを困難として、パチンコ球を堆積させる不正行為を好適に防止することができる。
【0157】
(1) 実施例では、発光演出装置をステージ部における案内部の後方に位置するようにしたが、ステージ部に光を照射し得るのであれば、発光演出装置をステージ部の左右に偏倚して設けてもよい。
(2) 実施例では、発光演出装置の複数の発光素子を円弧状に配設した場合を示したが、発光領域より狭い範囲に配置されるのであれば、例えば、発光素子を格子状に設けてもよい、
(3) 実施例では、演出部の前部全体を発光領域としたが、例えば、演出部におけるステージ部の転動面より上方に位置する部位を発光領域として、当該発光領域が発光する構成であってもよい。すなわち、演出部における転動面より下方に位置する部位は、必ずしも発光させる必要はない。
(4) 実施例では、カバー部材の周縁部に当接突部を形成したが、必ずしもカバー部材の周縁部に設ける必要はなく、カバー部材における遊技盤の裏面に対向する部位に当接突部を形成すればよい。
(5) 実施例では、可動演出体を開口部の左上隅部に近接する位置に軸支した場合を示したが、可動演出体を開口部の他の隅部に軸支してもよい。例えば、開口部の右上隅部に近接して可動演出体を軸支して、第1姿勢では、裏ユニットの上対向面部と遊技盤との間に収容されるようにしてもよい。そして、可動演出体が時計回り方向に回動して、第2姿勢では、可動演出体が斜め左下に延在して、図柄表示装置の表示部の前側に露出するようにしてもよい。
(6) 実施例では、前後方向に延在する第2支軸を介して回転演出体が回転する構成としたが、例えば、可動演出体の延在方向に平行な第2支軸を介して回転演出体が回転する構成であってもよい。
(7) 実施例では、ピニオン部の回転を回転演出体に伝達させるリンク手段として、回転シャフトおよび第1,第2ギヤによる構成を採用したが、例えば、一対の回転体と該回転体に巻き掛けられる無端ベルトを利用してリンク手段を構成してもよい。
(8) 実施例では、不正防止部を不透明な部材で構成したが、不正防止部を透明部材で構成してもよい。この場合、不正防止部を介してレール部材(連結部)側を視認し得るので、不正防止部の上方への突出量を実施例よりも大きくすることが可能となり、不正行為をより確実に防止することができる。
(9) 実施例では、不正防止部の上面の左右に傾斜部を形成し、不正防止部の左右中央部は、略水平となるよう構成した。しかしながら、例えば、不正防止部の上面を、左右中央部を頂点とする円弧状や山型状としてもよい。
【符号の説明】
【0158】
16 遊技領域,18 遊技盤,36 裏ユニット
82 第3の貫通口(貫通口),84 一般入賞口(入賞口)
86 入賞口用飾り部材(入賞装置)
110,112,114 第1〜第3排出樋
110a,112a,114a 後端部,116 入賞口用発光装置(発光装置)
120 排出用球通路(球通路),180 カバー部材
186 球検知スイッチ(球検知手段),192 通過口,196 連通突部
198 当接突部,204 規制部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域が画成された遊技盤と、前記遊技盤に配設され、遊技球が入賞可能な入賞口を備えた入賞装置と、前記入賞装置に設けられ、前記遊技盤を前後方向に貫通する貫通口を介して後方へ延出して前記入賞口に入賞した遊技球を遊技盤の裏側へ排出する排出樋と、前記遊技盤の裏側に配設される裏ユニットの前面側に開口して形成され、前記排出樋を介して前記入賞口に連通する球通路とを備えた遊技機において、
前記球通路の前側に、該球通路の前面開口における前記排出樋に対応する部位を除いて閉鎖するカバー部材が配設され、
前記カバー部材は、
前記カバー部材の前記排出樋に対応する部位に前後に貫通形成され、該排出樋の後端部に連通する通過口と、
前記カバー部材の前面から前方へ突出するよう形成され、前記遊技盤の裏面に当接する線状の当接突部とを有する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記カバー部材に、前記通過口の周縁から前方へ突出して前記排出樋の後端部に当接する連通突部が形成されている請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記カバー部材の前面に、前記貫通口に臨んで前記入賞装置に対し後方から光を照射する発光装置が設けられている請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記当接突部は、前記カバー部材の周縁部に設けられる請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記球通路に遊技球を検知する球検知手段が設けられ、前記カバー部材に、該球検知手段の前端部に前方から当接して位置規制する規制部が設けられている請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域が画成された遊技盤と、前記遊技盤に配設され、遊技球が入賞可能な入賞口を備えた入賞装置と、前記入賞装置に設けられ、前記遊技盤を前後方向に貫通する貫通口を介して後方へ延出して前記入賞口に入賞した遊技球を遊技盤の裏側へ排出する排出樋と、前記遊技盤の裏側に配設される裏ユニットの前面側に開口して形成され、前記排出樋を介して前記入賞口に連通する球通路とを備えた遊技機において、
前記球通路の前側に、該球通路の前面開口における前記排出樋に対応する部位を除いて閉鎖するカバー部材が配設され、
前記カバー部材は、
前記カバー部材の前記排出樋に対応する部位に前後に貫通形成され、該排出樋の後端部に連通する通過口と、
前記カバー部材の前面から前方へ突出するよう形成され、前記遊技盤の裏面に当接する線状の当接突部とを有する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記カバー部材に、前記通過口の周縁から前方へ突出して前記排出樋の後端部に当接する連通突部が形成されている請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記カバー部材の前面に、前記貫通口に臨んで前記入賞装置に対し後方から光を照射する発光装置が設けられている請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記当接突部は、前記カバー部材の周縁部に設けられる請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記球通路に遊技球を検知する球検知手段が設けられ、前記カバー部材に、該球検知手段の前端部に前方から当接して位置規制する規制部が設けられている請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2011−229684(P2011−229684A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102738(P2010−102738)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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