説明

遊技機

【課題】操作線付きの不正用遊技媒体による不正行為を抑制することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のパチンコ遊技機10によれば、先端から基端側かけて受容溝60を有する戻り規制突片50をサイド流下樋37における検出スイッチ37Sの下方に設けることにより、パチンコ遊技機10の外部から操作線Lにて不正球Wを引き戻すと、操作線Lが受容溝60に受容された状態で不正球Wが戻り規制突片50の下面50Tに当接して、戻り規制突片50より上方に移動することができなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入球口への入球に伴って遊技特典を付与する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、入球口に検出スイッチを配置して、遊技球が検出スイッチを通過したことに伴い遊技特典を付与するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−196700号公報(段落[0022]、第3図、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、遊技球に糸などを取り付けて外部から操作して入賞させる不正行為が発生している。このため、例えば、従来の遊技機では、入球口に糸付きの遊技球を打ち込んで、検出スイッチ通過後に糸を引き戻して再び検出スイッチを通過させたりして遊技特典を得る不正行為が行われるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、操作線付きの不正用遊技媒体による不正行為を抑制することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技領域に配設された入球口と、入球口に入球した遊技媒体が流下可能な遊技媒体通路と、遊技媒体通路に配設された検出部とを備え、検出部が遊技媒体の通過を検出したことに起因して遊技者に特典を付与する遊技機において、遊技媒体通路は、斜め下方又は側方に延びた横方向流下通路と、その横方向流下通路の終端部又は途中から下方向に屈曲した下方向流下通路とを有し、下方向流下通路に検出部を配設し、検出部より下方或いは検出部と一体に設けられて、下方向流下通路の内面のうち横方向流下通路から遊技媒体が流下してくる側に位置する第1内面部から第1内面部と対向する第2内面部方向に向けて水平な側方又は斜め下の側方に向かって張り出しかつ先端から基端側に切れ込んだ受容溝を有する戻り規制突片を備え、下方向流下通路の戻り規制突片の先端側と第2内面部との間を少なくとも遊技媒体1個分が通過可能な間隔とし、操作線付きの不正用遊技媒体が遊技媒体通路を流下して、下方向流下通路の少なくとも遊技媒体1個分が通過可能な間隔を通過して戻り規制突片を越えて下方側に流下し、操作線にて引き戻し操作されたときに、横方向流下通路と下方向流下通路との屈曲により操作線を受容溝に受容した状態で不正用遊技媒体を下面に当接させて、不正用遊技媒体の戻り規制突片よりも上方への移動を禁止可能とするところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、受容溝内に、操作線を切断するための切断部を設けたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、戻り規制突片の上面は、遊技媒体が乗り上がった状態に保持されないように下方に向かって傾斜しているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の遊技機において、下方向流下通路における戻り規制突片より下方には、遊技媒体を遊技機の外部に排出する排出口が備えられているところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の遊技機において、遊技媒体が通過可能な貫通孔を有し、その貫通孔への遊技媒体の通過を検出する検出部を戻り規制突片の先端に一体に設けて、貫通孔と受容溝とを連通させたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1請求項に記載の遊技機において、操作線が受容溝の奥側に進むに従って不正用遊技媒体と戻り規制突片との当接可能な範囲が広くなるように構成したところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の遊技機において、受容溝には、受容した操作線が前記受容溝から抜け出ることを規制する抜止規制部が備えられているところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載の遊技機において、受容溝には、奥側に向かって徐々に幅が狭くなった操作線導入部と、操作線導入部の奥側に配置されて、操作線導入部のうちの奥部よりに内部が広くなった溝終端部とが備えられ、溝終端部における操作線導入部との連絡口の開口縁を、抜止規制部としたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の遊技機において、溝終端部の内面に、操作線を切断するための切断部を設けたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
[請求項1の発明]
請求項1の遊技機では、操作線付きの不正用遊技媒体が下方向流下通路を流下して戻り規制突片を通過した後に、操作線を引き戻す操作が行われると、横方向流下通路と下方向流下通路との第1内面部側の屈曲部で操作線が曲げられ、その屈曲部より下方に不正用遊技媒体が垂下した状態となる。そして、下方向流下通路の第1内面部に配置された戻り規制突片の方へ操作線が寄せられて、操作線が受容溝に受容された状態で不正用遊技媒体が戻り規制突片の下面に当接して、不正用遊技媒体をそれより上方に引き上げることが困難或いは不可能になる。これにより、不正用遊技媒体を検出部に移動することが困難或いは不可能となり、不正行為を抑制することができる。
【0016】
なお、本発明の戻り規制突片は、操作線が引き戻し操作される過程で、その操作線を受容溝に受容する構成であってもよいし、不正用遊技媒体が戻り規制突片を通過して流下する過程で、操作線を受容溝に受容する構成であってもよい。
【0017】
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、受容溝に備えた切断部にて操作線を切断することで、戻り規制突片が強く引っ張られて変形することを抑制することができる。また、操作線の切断により不正遊技媒体が不正行為者の手から離れるため、不正用遊技媒体を再度使用することを困難或いは不可能にすることが可能である。
【0018】
なお、切断部は、引き戻し操作されている操作線に食い込んで切断するものであってもよいし、不正用遊技媒体が戻り規制突片の下面に当接した状態で操作線が引っ張られたときにその操作線に食い込んで切断するものであってもよい。また、本願の請求項1の発明は、操作線が切れることなく引き戻された場合に戻り規制突片の下面に当接するものであればよく、請求項2の発明のように、受容溝に切断部を備えて、不正用遊技媒体が戻り規制突片に当接する前に操作線を切断部で切断することできるものも請求項1の範囲に含まれる。
【0019】
[請求項3の発明]
請求項3の遊技機によれば、戻り規制突片の上面の傾斜により遊技媒体が下方に流下して、遊技媒体通路の途中で遊技媒体が停滞することを抑制することができる。
【0020】
[請求項4の発明]
請求項4の遊技機によれば、排出口に向かって流下した不正用遊技媒体を操作線の操作により検出部の手前まで引き戻して、検出させることを抑制することができる。また、例えば、戻り規制突片より上方に引き戻す操作ができなくなり手放された不正用遊技媒体や受容溝の切断部によって操作線が切断された不正用遊技媒体などを排出口に回収することができる。
【0021】
[請求項5の発明]
請求項5の遊技機によれば、受容溝と貫通孔とが連通されているため、不正用遊技媒体が検出部を通過すると、操作線が受容溝に受容される。そして、操作線を引き戻す操作が行われると、不正用遊技媒体が戻り規制突片の下面に止められる。これにより、不正に検出部を通過する行為を抑制することができる。
【0022】
[請求項6の発明]
請求項6の遊技機によれば、不正用遊技媒体が戻り規制突片によって覆い隠される範囲が広くなり、戻り規制突片のほぼ全体或いは全体で不正用遊技媒体を止めることができるため、不正用遊技媒体が戻り規制突片から抜け出ることを抑制することが可能となる。
【0023】
[請求項7の発明]
請求項7の遊技機によれば、抜止規制部によって、受容溝に受容された操作線が抜け出ることを抑制することができる。これにより、不正用遊技媒体を戻り規制突片によって止めることが可能となる。
【0024】
[請求項8の発明]
請求項8の遊技機によれば、操作線導入部によって操作線を受容溝の溝終端部に誘導しやすく、また誘導した操作線を溝終端部から抜け出ることを抑制することができる。
【0025】
[請求項9の発明]
請求項9の遊技機によれば、溝終端部の切断部によって操作線を切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図2】遊技盤の正面図
【図3】サイド流下樋の一部を拡大した断面図
【図4】戻し規制突片の斜視図
【図5】戻し規制突片の断面図
【図6】サイド流下樋の一部を拡大した断面図
【図7】第2実施形態に係る検出スイッチの斜視図
【図8】サイド流下樋の一部を拡大した断面図
【図9】第3実施形態に係るサイド流下樋の一部を拡大した断面図
【図10】サイド流下樋の一部を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機10を図1〜図6に基づいて説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10は、前面を前面枠10Zで覆われ、その前面枠10Zの中央部に備えたガラス窓10Wを通して遊技盤11の遊技領域R1が視認可能になっている。
【0028】
図2に示すように、遊技領域R1は、全体が円形状になっていて、ガイドレール12により囲まれている。また、遊技領域R1のうち向かって左側の上端寄り位置には、遊技領域R1に遊技球を打ち込むための遊技領域進入孔12Eが設けられている。
【0029】
なお、以下の説明において、「左」という場合には、その説明対象物に向かって「左」側を指すものとし、「右」という場合には、その説明対象物に向かって「右」側を指すものとする。
【0030】
図1に示すように、前面枠10Zの上端両角部には、1対のスピーカ25S,25Sが備えられてる。前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下側部分には、上皿27Aと下皿27Bが上下2段に並べて設けられている。その上皿27Aの上方には、遊技状態によって遊技者が操作可能なジョグシャトル27Jと、上皿27Aに収容された遊技球を下皿27Bに移動するボタン29が備えられている。また、下皿27Bの上方には、下皿27Bに収容された遊技球をドル箱に流下するための遊技ボタン27Cが設けられている。
【0031】
前面枠10Zの右下角部には、操作ノブ28が設けられ、前面枠10Zの裏面側に備えた図示しない発射装置に操作ノブ28が連結されている。また、発射装置には、上皿27Aから遊技球が供給されるようになっている。そして、操作ノブ28を回動操作すると、その回動操作角に応じた強度で発射装置が遊技球を発射し、その遊技球がガイドレール12に案内されて、遊技領域R1内に遊技領域進入孔12Eから斜め上方に打ち込まれる。
【0032】
図2に示すように、遊技盤11の中央部には表示開口11Hが貫通形成されている。そして、遊技盤11の裏面側に備えた液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)の表示画面34が、表示開口11Hを通して視認することができるようになっている。また、遊技盤11の前面には、表示開口11Hを囲むように表示枠体23が設けられ、表示枠体23はその全体が遊技盤11の前面から突出している。
【0033】
遊技領域R1のうち、表示枠体23の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及びアウト口16が上から順に間隔をあけて並べで配置されている。また、始動ゲート18が表示枠体の左側方に設けられると共に、表示枠体23に一体成形されている。表示枠体23の左側方には、風車19が設けられている。
【0034】
大入賞口15の左右両側には、サイド入賞口21,21が設けられている。始動入賞口14の左側には、ガイドレール12に沿って、一般入賞口20,20が配置されている。また、遊技領域R1には、多数の障害釘11Nが起立して設けられている。
【0035】
以下に、遊技領域R1の各部位について詳説する。始動入賞口14は、遊技盤11の前面から突出した部材によって構成され、その部材の上面に遊技球が1つ通過可能な開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。始動入賞口14に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき4個の遊技球が上皿27Aに払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。そして、その判定結果は、表示画面34に表示される。
【0036】
具体的には、表示画面34には、図1に示すように、通常、3つの特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類の図柄で構成されている。通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類の図柄が停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、これら各特別図柄13A,13B,13Cが上下方向にスクロール表示され、所定時間経過後に特別図柄13A,13B,13Cが、例えば、左、右、中の順番で停止表示される。特別図柄当否判定結果が当たり(以下、「大当たり」という)の場合には、図1に示すように3つの特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄で(ゾロ目)で停止表示され、その後、遊技が「大当たり遊技」に移行する。これに対し、特別図柄当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組合せで停止表示され、通常の遊技状態が続行する。
【0037】
大入賞口15は横長矩形形状をしており、通常の遊技状態では、可動扉15Tによって閉じられている。そして、「大当たり遊技」になったときに、図1に示すように可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放され、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入球可能となる。大入賞口15に遊技球が入球すると、例えば、1個の入球につき15個の遊技球が上皿27Aに払い出される。
【0038】
ここで、可動扉15Tが開放してから閉じるまで間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入球したかの何れかの終了条件が満たされた場合に終了する。また、「大当たり遊技」は、例えば、最大15ラウンドまで継続される。
【0039】
遊技盤11の下方に設けられた一般入賞口20,20及びサイド入賞口21,21に遊技球が入球した場合には、1個の入賞につき所定複数個の賞球が上皿27Aに払い出される。
【0040】
そして、上記した各入賞口14,15,20,20,21,21の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。
【0041】
表示枠体23のうちの左側部分の上下方向の中央部には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18に遊技球が通過した場合には、普通図柄当否判定が行われる。その当否判定の結果は、表示画面34或いは表示画面34とは別の表示装置(図示せず)にて表示され、例えば、当たり(以下、「小当たり」という)のときには、「○」が表示され、外れのときには「×」が表示される。
【0042】
図2に示すように、表示枠体23の右側方には、遊技領域R1のうちの右側の領域を流下した遊技球を受け入れるサイド大入賞口38が備えられている。サイド大入賞口38は、右側の遊技領域R1における最も横幅が広い下端側に位置し、通常はサイド可動扉38Tによって閉じられている。そして、後述するサイド始動入賞口51Nに遊技球が入球し、かつ特別図柄当否判定結果が当たりの場合に、大当たり遊技が実行され、サイド可動扉38Tが所定期間に亘って横に倒される。すると、サイド大入賞口38が側方に開放され、サイド可動扉38Tを案内にして遊技球がサイド大入賞口38に入賞可能となり、その後、「大当たり遊技」に移行する。なお、サイド大入賞口38に入球した遊技球は、表示枠体23に設けられた内部通路(図示せず)を通り、遊技盤11の裏側に回収される。
【0043】
サイド可動扉38Tも可動扉15T同様、1つのラウンドは、サイド大入賞口38の開放時間が30秒に達したか、又は、サイド大入賞口38に遊技球が10個入球したかの何れかの終了条件が満たされた場合に終了する。サイド大入賞口38に遊技球が入球すると、例えば、1個の入球につき15個の遊技球が上皿27Aに払い出される。
【0044】
サイド大入賞口38の下方には、流下樋39が設けられている。流下樋39は、右側の遊技領域R1の下端部に配置されており、サイド大入賞口38に入賞しなかった全ての遊技球が、流下樋39に取り込まれる。流下樋39は、表示枠体23の右側辺部から下辺部に亘って貫通形成され、右側の遊技領域R1から受け入れた遊技球を始動入賞口14の右上方に放出するようになっている。
【0045】
また、表示枠体23の左側部分には、ワープ路40が設けられている。ワープ路40は、表示枠体23の左側辺の上下方向の中間部分から下端部に位置し、上端部の左側方に開口している入球口40Aから遊技領域R1を流下する遊技球を受け入れる。そして、入球口40Aから入球した遊技球は、ワープ路40を通り、ステージ23Sに排出される。
【0046】
ステージ23Sには、例えば、図示しない3つの振り分け孔が設けられており、その中の振り分け孔の1つが、表示枠体23の内部通路を通り、ワープ出口23Yから放出される。ここで、ワープ出口23Yは、始動入賞口14の真上に位置しているため、ワープ出口23Yから放出された遊技球のほとんどが始動入賞口14に入賞するようになっている。
【0047】
また、表示枠体23の左上角部には、上部段差面23Kが形成されており、上部段差面23Kより右側が左側より高くなっている。そして、遊技領域R1に打ち込まれる遊技球は、遊技球の発射速度によって上部段差面23Kを越えて右側の遊技領域R1に流下するものと、上部段差面23Kに衝突して左側の遊技領域R1に流下するものとに打ち分けることができる。
【0048】
表示枠体23における左側部分には、サイド流下樋37が設けられ、そのサイド流下樋37への入球口37Aが上部段差面23Kに開口している。また、入球口37Aには、サイド可動扉37Tが設けられている。サイド可動扉37Tは、通常は閉じられており、前述した始動ゲート18を遊技球が通過し、かつ、普通図柄当否判定の結果が「小当たり」の場合に、サイド可動扉37Tが、例えば、3回に亘って1.5秒ずつ横に倒される。そして、遊技球がサイド流下樋37に入球すると、鉛直経路部37Vを流下して水平経路部37Hに誘導される。
【0049】
図3に示すように、サイド流下樋37は、上端部が略鉛直に延びた鉛直経路部37Vと、その鉛直経路部37Vの下端部から左側に直角に曲げられた水平経路部37Hと、水平経路部37Hから下方に延びた第1流下経路51と第2流下経路52とを備えている。第1と第2の流下経路51,52は、横並びに配置されて水平経路部37Hから鉛直下方にまっすぐ延び、途中から屈曲した形状になっている。
【0050】
第1流下経路51は、第2流下経路52より鉛直経路部37V側に配置され、その第1流下経路51のうち上端開口がサイド始動入賞口51Nになっている。また、サイド始動入賞口51Nは、上部段差面23Kより遊技領域進入孔12E側に配置されている。そして、サイド始動入賞口51Nを通過した遊技球を検出するために、第1流下経路51の上端部には、検出スイッチ37Sが設けられている。
【0051】
詳細には、第1流下経路51は、サイド始動入賞口51Nから下方に均一幅をなして直線状に延びた上端直線部51Aと、その上端直線部51Aに対して左側に幅が広がった状態で下方に延びた中間幅広部51Bと、その中間幅広部51Bの下端部から右斜め下方に屈曲して延びた中間屈曲部51Cと、中間屈曲部51Cから鉛直下方に延びた下端直線部51Dとを備えている。その第1流下経路51の左側の内壁のうち水平経路部37Hから中間屈曲部51Cの上端部までの範囲の裏面側は、第2流下経路52における右側の内壁をなしている。また、第2流下経路52における左側の内壁は鉛直方向にまっすぐ延びている。
【0052】
なお、本実施形態では、サイド流下樋37が本発明の「遊技媒体通路」に相当し、そのサイド流下樋37の水平経路部37Hが本発明の「横方向流下通路」に相当し、さらに、第1流下経路51が本発明の「下方向流下通路」に相当する。また、検出スイッチ37Sが本発明の「検出部」に相当する。
【0053】
第1と第2の流下経路51,52のうち第1流下経路51に遊技球が入球した場合、即ち、水平経路部37Hに入球後、サイド始動入賞口51Nに遊技球が入球した場合には、その遊技球が検出スイッチ37Sによって検出され、始動入賞口14に入球した場合と同様に、一定の賞球が払い出されると共に特別図柄当否判定が行われて、その判定結果が特別図柄13A,13B,13C(図1参照)を用いて表示画面34に表示される。そして、判定結果が当たりであれば、前述したサイド可動扉38Tを開放する「大当たり遊技」が実行されて大きな利益が遊技者に付与される。即ち、サイド始動入賞口51Nへの入球が検出スイッチ37Sによって検出されるたびに、一定数の賞球という確実な利益と共に、大当たりという通常より大きな利益を得るチャンスが遊技者に付与される。これに対し、第1と第2の流下経路51,52のうち第2流下経路52に遊技球が入球した場合、即ち、水平経路部37Hに入球後、サイド始動入賞口51Nに遊技球が入球しなかった場合には、一定数の賞球も大当たりになるチャンスも遊技者には付与されない。なお、第1と第2の流下経路51,52の何れに遊技球が入球しても、その遊技球は再び遊技領域R1を流下することはなく、遊技盤11の裏面側に取り込まれる。また、本発明の「特典」は、上記した普通図柄当否判定結果による「小当たり」や、検出スイッチ37Sの通過に起因した特別図柄当否判定結果による「大当たり」及び遊技球の払出(賞球)に限るものではなく、所謂、「確変遊技」、「時短遊技」などであってもよい。
【0054】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、上記したように始動入賞口14への入賞と同様にサイド始動入賞口51Nへの入賞により通常より大きな利益を得ることができる。そして、サイド始動入賞口51Nは、始動入賞口14に比べて遊技領域進入孔12Eの近くに配置されているので、所謂、「糸玉」を用いた不正行為の標的になり易い。その糸玉は、例えば、正規の遊技球に孔を穿孔して不正球W(本発明の「不正用遊技媒体」に相当する)とし、その孔に操作線L(例えば、ピアノ線)を通して固定した構造になっている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、この糸玉を用いてサイド始動入賞口51Nに不正に入球させる行為を抑制するために本発明に係る戻り規制突片50がサイド流下樋37内に備えられている。
【0055】
図3に示すように、戻り規制突片50は、第1流下経路51の中間幅広部51Bにおける上下方向の中間に配置され、その中間幅広部51Bのうちサイド始動入賞口51Nから鉛直下方にまっすぐ延びた右側の内面から片持ち梁状に張り出している。詳細には、中間幅広部51Bの右側の内面から水平左側に張り出し、先端に向かうに従って徐々に下方側に向かうように湾曲している。これに対し、第1流下経路51のうち左側の内面は、戻り規制突片50より上側位置より下側部分が戻り規制突片50から離れる側(左側)に膨出している。これにより、第1流下経路51に中間幅広部51Bが形成され、その第1流下経路51Bにおける左側の内面と戻り規制突片50との間が、上端直線部51Aと略同一の幅になっている。即ち、中間幅広部51Bの上端から途中位置までは実質的に上端直線部51Aと略同じ幅になっていて、中間幅広部51Bの途中位置より下方が上端直線部51Aより広くなっている。なお、図3における第1流下経路51の右側の内面が本発明の「第1内面部」に相当し、左側の内面が本発明の「第2内面部」に相当する。
【0056】
図5に示すように、中間幅広部51Bの内面からの戻り規制突片50の張り出し量は、遊技球の直径の略1.5倍程度になっていて、戻り規制突片50の下側に遊技球が1つ収まるようになっている。また、戻り規制突片50は、基端から先端に向かうに従って徐々に肉厚が薄くなっている。さらに、戻り規制突片50の先端面50Sは、鉛直方向と平行になっていて、戻り規制突片50の下面50Tと先端面50Sとが交差してなる部分が鋭角に尖って下方を向いている。
【0057】
図4に示すように、戻り規制突片50には、受容溝60が形成されている。受容溝60は、戻り規制突片50の先端部から基端側にかけて設けられており、操作線導入部60A、抜止規制部60B、溝終端部60Cからなる。
【0058】
操作線導入部60Aは、戻り規制突片50の先端部から、戻り規制突片50の長辺方向の先端部から3分の1程度の範囲に亘って設けられ、戻り規制突片50の先端部の左右両角部から戻り規制突片50の幅方向の中心に向かって徐々に幅が狭くなる構成になっている。また、操作線導入部60Aの内側面は、戻り規制突片50の上面50Jから下面50Tに向かうに従って操作線導入部60Aの幅方向の中央側に迫り出すように傾斜した傾斜面61になっている。これにより、戻り規制突片50の下面50Tの面積が広くなり、不正球Wを覆い隠す範囲を大きくすることができ、不正球Wを戻り規制突片50よりも上方側の検出スイッチ37Sに移動することを困難或いは不可能にすることができる。
【0059】
抜止規制部60Bは、例えば、幅が1〜2[mm]の均一幅をなして、操作線導入部60Aの奥部から戻り規制突片50における基端寄り位置まで延びている。
【0060】
溝終端部60Cは、抜止規制部60Bの幅より大きな内径の円形孔になっていて、その一部が抜止規制部60Bに連通している。また、図5に示すように、溝終端部60Cの上面側開口縁には、段付き状に窪んだ環状凹部62Aが形成され、その環状凹部62A内に金属リング62Kが嵌った状態に固定されている。図4に示すように、金属リング62Kは、円形リングの一部を抜止規制部60Bに対応させて切り欠いた形状をなしている。そして、図5に示すように、金属リング62Kの内縁部が先細り状に薄肉になっていて、溝終端部60Cの内面から突出した部分が本発明に係る切断部62になっている。
【0061】
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に本実施形態のパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。操作ノブ28を操作すると、上皿27A(図1参照)の遊技球が遊技領域進入孔12Eから遊技領域R1内に斜め上方に向かって打ち込まれ、表示枠体23の右側か左側を流下する。そして、始動ゲート18への入球に起因してサイド可動扉37Tが横に倒され、入球口37Aが開放すると、遊技領域R1に打ち込まれた遊技球は、入球口37Aからサイド流下樋37内に遊技球が入球可能となり、それらのうちの一部の遊技球がサイド始動入賞口51Nに入球すると、それが検出スイッチ37Sにて検出されて特別図柄当否判定が行われ、その判定結果が当たりになると、サイド可動扉38Tを開放する「大当たり遊技」が実行されて大きな利益が遊技者に付与される。
【0062】
しかしながら、サイド始動入賞口51Nに入球したからといって、特別図柄当否判定が必ず当たりになるわけではないので、特別図柄当否判定が当たりになるまで糸玉によってサイド始動入賞口51Nへの入球を頻発させる不正行為の標的になり得る。具体的には、上皿27A(図1参照)に不正球Wを入れて通常の遊技球と同様に遊技領域R1のサイド流下樋37内に向けて発射し、そのサイド流下樋37のサイド始動入賞口51Nの検出スイッチ37Sを通過したら、操作線Lにて不正球Wをサイド始動入賞口51Nの上方まで引き上げて再度検出スイッチ37Sに通過させる不正行為の標的になり得る。
【0063】
しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機10は、サイド始動入賞口51Nの検出スイッチ37Sを通過した位置に戻り規制突片50が設けられているので、上記した不正行為を抑制することができる。詳細には、上皿27Aからサイド流下樋37内に不正球Wを到達させるために、操作線Lによる不正球Wの失速を防ぐべく、操作線Lを十分に長くした状態で不正球Wが発射装置から打ち出される。
【0064】
すると、図6(A)に示すように、操作線Lが引っ張れることなく不正球Wに追従するように湾曲して、不正球Wがサイド流下樋37に進入する。このとき、操作線Lは十分に長くなっているので、不正球Wがサイド流下樋37のサイド始動入賞口51Nに入球したときには、検出スイッチ37Sを通過して第1流下経路51の奥部にまで到達する。その第1流下経路51の奥部には、戻り規制突片50が備えられていて、その戻り規制突片50はサイド始動入賞口51Nの鉛直下方に位置しているので、不正球Wは、例えば、戻り規制突片50の上面50Jに当接して、戻り規制突片50の左側方に案内され、戻り規制突片50を通過する。そして、不正球Wが戻り規制突片50より下方に位置したところで、図6(B)に示すように、操作線Lの長さの限界に達して、操作線Lに不正球Wの自重によるテンションがかかった状態になる。
【0065】
ここで、サイド始動入賞口51Nは、入球口37Aが形成された上部段差面23Kより遊技領域進入孔12E側に配置されているので、操作線Lは、サイド始動入賞口51Nのうち戻り規制突片50が配置された右側の内面へと押し付けられ、不正球Wも第1流下経路51の右側の内面側へと寄せられる。すると、操作線Lが戻り規制突片50の受容溝60に受容される。
【0066】
このとき、操作線Lが戻り規制突片50の幅方向の中央に位置していない場合には、操作線Lは受容溝60の操作線導入部60Aに案内されて、戻り規制突片50の幅方向の中央に向かって移動する。ここで、操作線導入部60Aの内側面は傾斜面61になって、操作線導入部60Aの下縁部は鋭角に尖っているので、操作線Lは、その操作線導入部60Aの下縁部に点接触することになり、操作線導入部60Aの内側面が鉛直面になっていて、その操作線導入部60Aの内側面に操作線Lが線接触する場合に比べて、スムーズに操作線Lが操作線導入部60Aの奥側に案内される。そして、操作線Lは抜止規制部60Bを通過して溝終端部60Cに収まる。
【0067】
これにより、図6(C)に示すように、操作線Lにて不正球Wを引き上げたときに不正球Wが戻り規制突片50の下面50Tに当接して、それ以上引っ張り上げることができなくなる。つまり、操作線Lにて不正球Wをサイド始動入賞口51Nの上方まで引き上げて再度検出スイッチ37Sに通過させる不正行為を抑制することができる。ここで、戻り規制突片50に不正球Wが引っかかったことを知った不正行為者が、操作線Lをゆるめて戻り規制突片50の下方で振り子動作をさせて操作線Lを受容溝60から外そうとしても、操作線Lが収まっている溝終端部60Cより、出口側の抜止規制部60Bの方が狭いので、溝終端部60Cの内面によって操作線Lが抜止規制部60B側に戻ることが規制され、不正球Wの振り子動作も防がれる。しかも、溝終端部60Cの内面からは切断部62が突出しているので、操作線Lの材質次第では、操作線Lを切断することもできる。
【0068】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、操作線L付きの不正球Wが第1流下経路51に入球し、その後、パチンコ遊技機10の外部から操作線Lの引き戻し操作が行われた場合に、水平経路部37Hと第1流下経路51との右側の屈曲部で操作線Lが曲げられ、その屈曲部より下方に不正球Wが垂下した状態となる。そして、その屈曲部側に設けられた戻り規制突片50側に操作線Lが寄せられ、操作線Lが受容溝60に受容された状態で不正球Wが戻り規制突片50の下面50Tに当接して、それより上方に引き上げることができないため、操作線L付きの不正球Wによる不正行為を抑制することができる。
【0069】
[第2実施形態]
本実施形態は、図7及び図8に示されおり、サイド始動入賞口51Nに備えた検出スイッチ37Wの構造が前記第1実施形態のサイド始動入賞口51Nに備えた検出スイッチ37Sと異なる。以下、前記第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0070】
第1実施形態の検出スイッチ37Sは、詳細は図示されていないが、平板状のベースに遊技球が通過可能な遊技球検知孔を有し、その遊技球検知孔を取り囲むようにベース部に検知コイルが埋設さえた構造になっている。これに対し、本実施形態の検出スイッチ37Wは、図7に示すように、遊技球検知孔71を備えたベース部70に戻り規制突片50Aを一体に固定し、遊技球検知孔71と戻り規制突片50Aの受容溝60とが連通している。
【0071】
具体的には、ベース部70は、四角形の平板状をなし、遊技球検知孔71は遊技球が通過可能な略円形をなし、その遊技球検知孔71の一部がベース部70の一辺で側方に開放している。また、戻り規制突片50Aは、前記した第1実施形態の戻り規制突片50と同様の受容溝60及び切断部62を備えた構造をなし、戻り規制突片50Aのうち受容溝60によって分割された2つの先端部がベース部70の一辺における遊技球検知孔71の開放口の両側に連結されて一体になっている。換言すれば、戻り規制突片50Aは、ベース部70の上面における一側縁部から斜め上方に張り出した状態になっている。
【0072】
ベース部70及び戻り規制突片50Aには、遊技球検知孔71と受容溝60とが連通してなる異形孔74を取り囲むように検知コイル73が埋設されている。これにより、遊技球検知孔71を通過した遊技球を検知コイル73にて検出することができるようになっている。そして、検出スイッチ37Wは、図8(A)に示すように、戻り規制突片50Aを右側に配置した状態で、サイド始動入賞口51Nの内側に固定されている。なお、遊技球検知孔71が本発明の「貫通孔」に相当し、ベース部70が本発明の「検出部」に相当する。
【0073】
本実施形態によって、第1実施形態と同様に、不正行為を抑制することができる。具体的には、図8(A)に示すように不正球Wが第1流下経路51に入球してから、図8(B)に示すように、操作線Lが限界に達して操作線Lに不正球Wの自重によるテンションがかかると右側に寄せられ、操作線Lが戻り規制突片50Aの受容溝60に受容される。そして、図8(C)に示すように、操作線Lを引くと不正球Wが戻り規制突片50Aの下面に当接し、それ以上引き上げることができなくなる。これにより、第1実施形態と同様に不正行為を抑制することができる。
【0074】
[第3実施形態]
本実施形態は、図9及び図10に示されおり、第1及び第2流下経路51V,52Vの構造が前記第1実施形態の第1及び第2流下経路51,52と異なる。以下、前記第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0075】
図9に示すように、第1流下経路51Vは、サイド始動入賞口51Nから下方に均一幅をなして直線状に短く延びた上端直線部51Aと、その上端直線部51Aの下端部から左斜め下方に屈曲しながら徐々に幅が広くなる中間左屈曲部51Bと、その中間左屈曲部51Bの下端部から右斜め下方に屈曲して徐々に幅が狭くなる中間右屈曲部51Cと、中間右屈曲部51Cから鉛直下方に延びた下端直線部51Dとを備えている。その第1流下経路51Vの左側の内壁のうち水平経路部37Hから中間左屈曲部51Bの下端部までの範囲の裏面側は、第2流下経路52Vにおける右側の内壁をなしている。
【0076】
戻り規制突片50は、第1流下経路51Vにおける中間左屈曲部51Bと中間右屈曲部51Cとの屈曲部53に配置され、片持ち梁状に張り出している。屈曲部53は、サイド始動入賞口51Nの下方左側に位置し、戻り規制突片50の最も突出した部分と、戻り規制突片50と対向する内壁との間は、遊技球が1つ通過可能な大きさになっている。
【0077】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、不正行為を抑制することができる。具体的には、図10(A)に示すように、不正球Wが第1流下経路51Vに入球し、戻り規制突片50を通過する。不正球Wの流下に伴って操作線Lが屈曲部53側に寄せられ、図10(B)に示すように、操作線Lの長さの限界に達して操作線Lに不正球Wの自重によるテンションがかかったときに、操作線Lが戻り規制突片50の受容溝60に受容される。そして、図10(C)に示すように、操作線Lを引くと不正球Wが戻り規制突片50の下面50Tに当接し、それ以上引き上げることができなくなる。これにより、第1実施形態と同様に不正行為を抑制することができる。
【0078】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0079】
受容溝60における溝終端部60C及び金属リング62K(図4参照)は円形に限るものではなく、抜止規制部60Bとの連通部分が抜止規制部60Bの幅より広く、戻り規制突片50,50Aの基端側に行くほど徐々に先細り状になる三角形状の孔であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 パチンコ遊技機
37 サイド流下樋(遊技媒体通路)
37A 入球口
37H 水平経路部(横方向流下通路)
37S,37W 検出スイッチ(検出部)
37T サイド可動扉
37V 鉛直経路部
50,50A 戻り規制突片
51,51V 第1流下経路(下方向流下通路)
51N サイド始動入賞口
52,52V 第2流下経路
60 受容溝
60A 操作線導入部
60B 抜止規制部
60C 溝終端部
62 切断部
70 ベース部(検出部)
71 遊技球検知孔(貫通孔)
L 操作線
W 不正球(不正用遊技媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に配設された入球口と、
前記入球口に入球した遊技媒体が流下可能な遊技媒体通路と、
前記遊技媒体通路に配設された検出部とを備え、
前記検出部が前記遊技媒体の通過を検出したことに起因して遊技者に特典を付与する遊技機において、
前記遊技媒体通路は、斜め下方又は側方に延びた横方向流下通路と、その横方向流下通路の終端部又は途中から下方向に屈曲した下方向流下通路とを有し、
前記下方向流下通路に前記検出部を配設し、
前記検出部より下方或いは前記検出部と一体に設けられて、前記下方向流下通路の内面のうち前記横方向流下通路から前記遊技媒体が流下してくる側に位置する第1内面部から前記第1内面部と対向する第2内面部方向に向けて水平な側方又は斜め下の側方に向かって張り出しかつ先端から基端側に切れ込んだ受容溝を有する戻り規制突片を備え、
前記下方向流下通路の前記戻り規制突片の先端側と前記第2内面部との間を少なくとも前記遊技媒体1個分が通過可能な間隔とし、
操作線付きの不正用遊技媒体が前記遊技媒体通路を流下して、前記下方向流下通路の前記少なくとも遊技媒体1個分が通過可能な間隔を通過して前記戻り規制突片を越えて下方側に流下し、前記操作線にて引き戻し操作されたときに、前記横方向流下通路と前記下方向流下通路との屈曲により前記操作線を前記受容溝に受容した状態で前記不正用遊技媒体を下面に当接させて、前記不正用遊技媒体の前記戻り規制突片よりも上方への移動を禁止可能とすることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記受容溝内に、前記操作線を切断するための切断部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記戻り規制突片の上面は、前記遊技媒体が乗り上がった状態に保持されないように下方に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記下方向流下通路における前記戻り規制突片より下方には、前記遊技媒体を遊技機の外部に排出する排出口が備えられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技媒体が通過可能な貫通孔を有し、その貫通孔への遊技媒体の通過を検出する前記検出部を前記戻り規制突片の先端に一体に設けて、前記貫通孔と前記受容溝とを連通させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記操作線が前記受容溝の奥側に進むに従って前記不正用遊技媒体と前記戻り規制突片との当接可能な範囲が広くなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記受容溝には、受容した前記操作線が前記受容溝から抜け出ることを規制する抜止規制部が備えられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記受容溝には、奥側に向かって徐々に幅が狭くなった操作線導入部と、前記操作線導入部の奥側に配置されて、前記操作線導入部のうちの奥部よりに内部が広くなった溝終端部とが備えられ、前記溝終端部における前記操作線導入部との連絡口の開口縁を、前記抜止規制部としたことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記溝終端部の内面に、前記操作線を切断するための切断部を設けたことを特徴とする請求項8に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−213546(P2012−213546A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81616(P2011−81616)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】