説明

遊技機

【課題】台板の色彩の自由度を高めて枠状装飾体の装飾性向上を図り得る遊技機を提供する。
【解決手段】図柄表示装置が窓口の内側に臨む枠状装飾体40を遊技盤に配設して、該枠状装飾体を遊技盤に固定する第1の分離台板51の前面をパチンコ球が通過可能に構成する。枠状装飾体の第1の分離台板51の表面に、該枠状装飾体の窓口側に塗装部58が位置する関係でメッキ部57と塗装部58とを隣接して形成する。そして、メッキ部57における塗装部58との境界に段差部59を形成すると共に、遊技盤を透視保護する透明保護板と第1の分離台板51の段差部59との間を、遊技領域を流下するパチンコ球が通過可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄表示装置の表示部を開口内側に臨ませた枠状装飾体が遊技盤に配設された遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に前後に開口する枠状の装飾体(所謂センター役物)が配設されており、この枠状装飾体の窓口(開口)を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動演出を行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾体の下方位置に、図柄表示装置の図柄を変動開始する契機となる始動入賞装置(入賞装置)を配設するよう構成したものが多数提案されている。この種の遊技機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球(遊技球)が前記枠状装飾体の左右側部に形成される球流下経路を流下して、その流下する過程でパチンコ球が前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動演出が開始されてリーチ演出等の各種の遊技演出がなされる。そして、前記図柄変動演出の結果、該図柄表示装置に図柄が所定の組合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い)で停止すると、遊技者に有利な所謂大当りが発生するようになっている。
【0003】
ここで、例えば特許文献1に記載されるように、前記枠状装飾体や各種入賞装置等の遊技盤の盤面(前面)に配設される遊技盤設置部品は、遊技盤に前後に貫通するよう開設された装着口に前側から挿入される構成部分と、該装着口の開口縁部に当接する薄板状の台板とを備えて、該台板を遊技盤にネジ止めして固定されている。また、この遊技盤設置部品の台板は、2〜3mm程度の厚みに形成されると共に、前面側外周縁部にテーパ状の傾斜部が形成されて、前記遊技盤の遊技領域(球流下経路)を流下するパチンコ球が台板の前面を通過し得るよう構成される。すなわち、遊技盤設置部品を遊技盤に固定する台板がパチンコ球の流下に極力影響しないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−202622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記枠状装飾体は、遊技盤の略中央に存在する大型の遊技盤設置部品であることから、該枠状装飾体のデザインがパチンコ機の印象を大きく左右するため、パチンコ機に求められるデザインに基づいて様々な色彩で形成される。また、前記枠状装飾体の台板に関しても遊技者に直接対面することから、遊技者の目にとまりやすく、台板を着色して装飾性を向上する努力がなされている。しかしながら、近年は前記枠状装飾体の開口部に臨む図柄表示装置の大型化に伴い、該枠状装飾体の側部に確保可能な球流下経路が狭くなる傾向にある。これに伴い、前記球流下経路を流下する過程で、前記枠状装飾体の台板上をパチンコ球が通過する頻度が高くなってきている。このため、台板表面を塗装して着色した場合には、パチンコ球の接触に伴い次第に塗装剥げが生じてしまい、台板の基材部分の色彩が表面に露出して装飾性・意匠性を大きく損なう問題が指摘される。
【0006】
ここで、着色剤を混練した合成樹脂材で台板を形成して色彩を付与するよう構成すれば、パチンコ球の接触に伴う台板の変色を抑制することはできる。しかしながら、合成樹脂材に着色剤を混練する関係上、台板に採用し得る色彩が極めて限られたものとなり、枠状装飾体の他の部位に較べて台板装飾の見劣りに繋がり易い。また、台板を塗装により着色した場合であっても、塗装面をコーティングすることで耐久性を高めることはできるものの、製造工数の増加に伴って製造コストが嵩む要因になると共に、コーティングにより塗装面の質感が変化するため、デザインによって現実的に採用できない欠点がある。
【0007】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、台板の色彩の自由度を高めて枠状装飾体の装飾性向上を図り得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に係る遊技機は、
遊技球(P)が流下する遊技領域(20a)が画成された遊技盤(20)に、図柄表示装置(18)が開口(40a)の内側に臨む枠状装飾体(40)が配設されて、該枠状装飾体(40)を遊技盤(20)に固定する台板(51)の前面を遊技球(P)が通過可能に構成された遊技機において、
前記枠状装飾体(40)の台板(51)の表面には、該枠状装飾体(40)の開口(40a)側に塗装部(58)が位置する関係で非塗装部(57)と塗装部(58)とが隣接して形成されて、該非塗装部(57)における塗装部(58)との境界に段差部(59)が形成されると共に、前記遊技盤(20)を透視保護する透明保護板と台板(51)の段差部(59)との間を、前記遊技領域(20a)を流下する遊技球(P)が通過可能に構成されたことを要旨とする。
【0009】
このように、枠状装飾体の開口側に塗装部が位置する関係で非塗装部と塗装部とを隣接して形成することで、遊技盤の遊技領域を流下する遊技球が台板の前面を通過する際に、非塗装部の前面を通って塗装部に至るようになる。そして、非塗装部における塗装部との境界に形成した段差部に、台板の前面を通過する遊技球が接触することで、該段差部を越えて非塗装部から塗装部に至る際の抵抗となり、塗装部に至る遊技球の頻度を低減することができ、当該塗装部の塗装剥げを抑制できる。従って、台板に対する色彩を付与する形態の選択幅が広がり、枠状装飾体の装飾性向上を図り得る。また、台板の塗装部をコーティングする工程が不要であるため、製造コストの増大を招来したり、塗装面の質感を損なうこともない。
【0010】
請求項2に係る遊技機は、前記枠状装飾体(40)は、前記遊技盤(20)の前面に当接した状態で固定される基体(41)に対して着脱可能な台板(51)を備え、少なくとも前記塗装部(58)が該着脱可能な台板(51)に形成されたことを要旨とする。
【0011】
すなわち、少なくとも塗装部を台板の基体から分離可能な分離部材に設けることで、塗装部の塗装剥げが発生した場合に、該分離部材を交換するだけで枠状装飾体の本来の装飾性を回復することができると共に、廃棄部品の低減に大きく寄与し得る。
【0012】
請求項3に係る遊技機は、前記段差部(59)は、前記非塗装部(57)よりも前方へ突出し、該非塗装部(57)および塗装部(58)の境界に沿って延在するよう形成されたことを要旨とする。
【0013】
このように、前記非塗装部よりも前方へ突出するよう段差部を形成することで、台板の前面を通過した遊技球が段差部に確実に接触させることができ、該段差部を越えてて非塗装部から塗装部に至る遊技球の抵抗を高めることができる。
【0014】
請求項4に係る遊技機は、前記段差部(59)における前記非塗装部(57)側の側面(59a)は、該側面(59a)の接線と前記遊技盤(20)との交差角度(θ)が当該側面(59a)の遊技盤(20)側端縁部から突出端部に至るにつれて漸増する曲面形状に形成されたことを要旨とする。
【0015】
このように、段差部の非塗装部側の側面を曲面形状に形成することで、非塗装部から塗装部に至る過程で段差部を乗り越える際の抵抗を高めることができ、塗装部に至る遊技球の頻度を低減して塗装剥げの抑制を図り得る。
【0016】
請求項5に係る遊技機は、前記枠状装飾体(40)は、該枠状装飾体(40)の開口(40a)の側方および上方を囲繞する庇状部(46)が前記遊技盤(20)の前面より前方へ突出するよう設けられて、該庇状部(46)の下端部の下方に位置する前記台板(51)に前記段差部(59)が設けられると共に、
前記遊技盤(20)は、
前記枠状装飾体(40)の下方位置に配設され、遊技球(P)の入賞を契機として前記図柄表示装置(18)での図柄変動が開始される始動入賞装置(27)と、
前記段差部(59)の側方で、かつ前記始動入賞装置(27)より上方に配設されると共に、前記遊技領域(20a)を流下する遊技球(P)の接触に伴って回転可能に軸支され、回転により遊技球(P)を段差部(59)側に放出可能な回転体(29)と、
前記始動入賞装置(27)および回転体(29)の間に延在するよう設けられて該始動入賞装置(27)に向けて下方傾斜し、該回転体(29)の回転により前記段差部(59)側に放出された遊技球(P)を始動入賞装置(27)へ案内する案内手段(31)とを備えたことを要旨とする。
【0017】
このように、回転体の回転により放出される遊技球の放出方向側に段差部を形成することで、回転体の回転により勢いを増した遊技球が塗装部にそのまま接触するのを防止できる。また、前記段差部を庇状部の下端部の下方に位置させたことで、回転体の回転により放出された遊技球以外の遊技球が段差部に到来し難くでき、塗装部に至る遊技球の頻度を低減することができる。更に、遊技球の動きに対する遊技者の関心が高い回転体から始動入賞装置に至る案内部の周辺に塗装部を形成できるから、枠状装飾体の装飾性を高めることができる。
【0018】
請求項6に係る遊技機は、前記段差部(59)は、前記回転体(29)の回転に伴って放出される遊技球(P)が描く放物線に近似した曲線で形成されていることを要旨とする。
【0019】
このように、回転体から放出された遊技球が描く放物線に近似した曲線で段差部を形成することで、該段差部に接触した遊技球を誘導するガイドとして機能し、塗装部に至る遊技球の頻度を低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
すなわち、本発明の遊技機によれば、台板に対する色彩を付与する形態の選択幅が広がり、多彩な色彩で枠状装飾体の装飾性を向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤を示す正面図である。
【図3】実施例に係る枠状装飾体を示す斜視図である。
【図4】実施例に係る枠状装飾体を正面側から視た分解斜視図であって、ステージ、球通路部材および前側装飾部材を省略して示す。
【図5】実施例に係る枠状装飾体の基体と、第1の分離台板とを分解した状態で示す部分拡大図である。
【図6】実施例に係る第1の分離台板を背面側から視た状態で示す斜視図である。
【図7】(a)は実施例に係る第1の分離台板を示す正面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図8】実施例に係る遊技盤を回転案内部材の配設位置で示す拡大図である。
【図9】実施例に係る設置部材に配設された光照射装置と筒状部との関係を示す要部拡大正面図である。
【図10】実施例に係る枠状装飾体において左側の発光装飾部の配設位置を示す拡大図である。
【図11】実施例に係る枠状装飾体の基体と、発光装飾部とを分解した状態を正面側から視た状態で示す拡大図である。
【図12】実施例に係る枠状装飾体の基体と、発光装飾部とを分解した状態を背面側から視た状態で示す拡大図である。
【図13】図10のB−B線断面図であって、遊技盤および発光装飾部の関係を示す。
【図14】実施例に係るステージを示す正面図である。
【図15】実施例に係るステージを正面側から視た状態で示す斜視図である。
【図16】(a)は第1ステージ部材を示す平面図であって、(b)は第2ステージ部材を示す平面図である。
【図17】図14のC−C線断面図である。
【図18】実施例に係る第1ステージ部をパチンコ球が転動する状態を示す要部拡大斜視図である。
【図19】実施例に係る第2ステージ部をパチンコ球が転動する状態を示す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0023】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球Pを貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球Pを貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置18やドットマトリックス式の図柄表示装置18等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置18を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成してもよい。
【0024】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球Pが前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球Pの打球力が強弱変化するよう構成されている。
【0025】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、所定板厚の略矩形状に形成された木材板の前面に、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて形成された板状の部材であって、該遊技盤20の前面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール21により、パチンコ球Pが流下可能な遊技領域20aが画成されている。そして、前記遊技盤20の裏面に、前記図柄表示装置18が取り付けられた設置部材33(後述)が配設されている。また、前記遊技盤20には、ルーター加工等の孔空け加工により前後に貫通する複数の装着口25が開設されて(図13に枠状装飾体40の装着口のみ図示)、各装着口25に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体40、始動入賞装置27、特別入賞装置28等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球Pを排出するアウト口26が開設されている。なお、前記装着口25の形成数は、遊技盤20に対する遊技盤設置部品の配設数や配設位置等に応じて適宜決定される。
【0026】
ここで、前記案内レール21は、遊技盤20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール22と、該外レール22の内側に配置されて、遊技盤20の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール23,24とから構成されている。前記内レール23,24は、遊技盤20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材23と、遊技盤20の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材23の下端部に連接し、前記外レール22の右方に離間して位置するレール部材24とから構成され、該外レール22およびレール部材24により1個のパチンコ球Pが通過可能な発射通路21aが画成されている。ここで、前記内レールを構成するレール部材24は、前記遊技盤20の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球Pが発射通路21aの下方開口から飛翔して、レール部材24の開放端側から遊技領域20a内に打ち出されるようになっている。
【0027】
そして、実施例の前記遊技盤20には、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央の大部分が開口する装着口25に、前後に開口する窓口40aが形成された枠状装飾体40が取り付けられ、該枠状装飾体40の窓口40aを介して図柄表示装置18の表示面が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、前記枠状装飾体40が取り付けられる装着口25の下方には、別の装着口(図示せず)が開設されており、この別の装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが入賞可能な始動入賞口27aを有する始動入賞装置27が取り付けられると共に、パチンコ球Pが入賞可能な特別入賞口28aを有する特別入賞装置28が取り付けられている。
【0028】
そして、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aに対するパチンコ球Pの入賞を契機として、前記図柄表示装置18において図柄が変動表示されて図柄変動演出が展開され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置28が開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるようになっている。ここで、前記始動入賞装置27は、上下の位置関係で2つの始動入賞口27a(図2には上側の始動入賞口のみ図示)を備えており、上側の始動入賞口27aが遊技領域20a内で常に上方に開口してパチンコ球Pが入賞し得る常時開放型の入賞口とされている。また、下側の始動入賞口(図示せず)は、左右両側に備えられた開閉部材27bの開閉動作によりパチンコ球Pの入賞が許容・規制される開閉型の入賞口とされている。そして、前記特別入賞装置28は、開閉扉28bにより特別入賞口28a(図2参照)を常には閉鎖するよう構成され、大当りの発生に伴って特別入賞口28aを開放される。なお、図2では、特別入賞口28aを開放した状態を示してある。
【0029】
図2、図8に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘30が設けられており、遊技釘30との接触によりパチンコ球Pの流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記枠状装飾体40の左側方には、遊技領域20aを流下するパチンコ球Pの接触に伴って回転する回転案内部材29(回転体)が回転自在に支持されている。前記回転案内部材29は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材29を回転自在に支持する支軸29aを中心とした放射状に複数(実施例では3つ)の接触板29bが設けられている(図8参照)。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが接触板29bに接触することで前記回転案内部材29が左右方向に回転されて、パチンコ球Pが回転案内部材29の回転方向に弾くよう放出されるようになっている。
【0030】
また、前記遊技盤20には、図2、図8に示すように、前記始動入賞装置27における上側の始動入賞口27aと前記回転案内部材29との間に、前記遊技釘30が直線状に連続して設けられている。ここで、以下の説明では、前記始動入賞装置27および回転案内部材29の間に直線状に連続する遊技釘30群を案内連釘31と指称するものとする。すなわち、前記回転案内部材29の回転に伴って右方向(始動入賞装置27側)にパチンコ球Pが放出されることで、前記案内連釘31上に移動するようになっている。前記案内連釘31は、前記始動入賞装置27の上側の始動入賞口27aに向けて下方傾斜するよう配置されており、前記回転案内部材29から放出されたパチンコ球Pを始動入賞装置27の上側の始動入賞口27aへ案内するよう構成される。すなわち、前記案内連釘31は、前記回転案内部材29の回転により放出されたパチンコ球Pを始動入賞装置27へ案内する案内部として機能している。なお、前記案内連釘31を構成する遊技釘30は、適宜位置(実施例では2箇所)でパチンコ球Pが通過可能な隙間31aが空くよう設けられており、該案内連釘31上を移動するパチンコ球Pが特別入賞装置28側に流下し得るようになっている。
【0031】
(設置部材33について)
前記遊技盤20の裏面に配設される前記設置部材33は、該遊技盤20の外郭形状と略整合する大きさおよび形状に形成された背面板33aと、該背面板33aの外周縁部から前方に突出する画壁部33bとから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部33bの前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材33とがネジにより固定される。そして、前記設置部材33において前記遊技盤20との間に画成される空間(図示せず)に、可動演出装置(図示せず)や適宜の後側装飾部材34(図9参照)が設置されて、設置部材33を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材33の背面板33aには、前後に開口する開口部33c(図9参照)が前記枠状装飾体40の窓口40aの後方位置に開設されると共に、該背面板33aの裏側に前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、該枠状装飾体40の窓口40aおよび設置部材33の開口部を介して図柄表示装置18の表示部が遊技盤20の前側に露出するようになっている。
【0032】
前記設置部材33の上部位置には、前記枠状装飾体40に形成された発光装飾部65(後述)の後方位置に、前方へ光を照射する光照射装置66(後述)が配設されており(図9、図13参照)、該光照射装置66から照射された光で発光装飾部65が発光(明輝)するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾体40に設けられた発光装飾部65と、前記設置部材33に設けられた光照射装置66とにより前記遊技盤20を発光装飾する発光装置を構成している。
【0033】
(枠状装飾体40について)
次に、前記遊技盤20の装着口25に配設される前記枠状装飾体40について説明する。図2〜図4に示すように、前記枠状装飾体40は、前記装着口25に沿って延在する環状の基体41と、該基体41の下部(開口下縁部)に設けられ、パチンコ球Pが転動可能なステージ90と、遊技盤20に設けられた前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Pをステージ90に誘導する球誘導部48と、当該基体41の開口内側に設けられ、発光により枠状装飾体40を装飾する発光装飾部65とを備えて、当該基体41が遊技盤20に取り付けられている。そして、前記枠状装飾体40の基体41を前記装着口25に配設した際に、前記設置部材33の開口部33cが基体41の開口内側で開口して、前記図柄表示装置18が遊技盤20の前面に露出するようになっている。すなわち、前記基体41の開口が前記窓口40aを形成している。
【0034】
前記基体41は、図3、図4に示すように、前記装着口25に挿入される環状の枠本体42と、該枠本体42の前端部に形成された設置部42aに取り付けられ、前記遊技盤20の前面に突出する庇状部46と、該枠本体42の前端部に設けられて外方へ延出し、前記遊技盤20の前面に当接する台板50,51,52,60とから構成され、該台板50,51,52,60を遊技盤20の前面からネジ止めすることで、該基体41(枠状装飾体40)が遊技盤20に固定されるようになっている。そして、前記基体41や庇状部46に対して、適宜の装飾形状に形成された前側装飾部材47が前記窓口40aに位置するよう取り付けられている。
【0035】
また、前記枠本体42(枠状装飾体40)には、前記窓口40aの開口内側に位置するよう左右の上部位置に前後に貫通する円筒状の設置筒部44が設けられており、該設置筒部44に対して前記発光装飾部65(具体的には後述する筒状部73)が設置されるようになっている(図4、図11、図12参照)。更に、前記枠本体42の前面において前記設置筒部44の側部位置には、該設置筒部44側および前側に開口する嵌合凹部45が形成されると共に、該設置筒部44の開口前端部に環状凹部44aが形成されており、環状凹部44aおよび嵌合凹部45を介して前記発光装飾部65の筒状部73が位置決め保持される。
【0036】
ここで、前記庇状部46は、図3、図4に示すように、前記枠本体42における左側枠部分から上側枠部分および右側枠部分に亘って、前記台板50,51,52,60より前方へ突出するよう設けられ、前記遊技領域20aに打ち出されて庇状部46に接触したパチンコ球Pを枠状装飾体40の側方に誘導して窓口40aを横切って流下しないようになっている。すなわち、前記枠状装飾体40には、前記遊技盤20の前面より前方へ突出する庇状部46が前記窓口40aの左右側方および上方を囲繞するよう設けられている。なお、図4に示すように、前記庇状部46は、複数の部材(実施例では4つの部材)から構成されて、各部材を基体41にネジ止めすることで一連の庇状に形成される。
【0037】
また、図2、図8に示すように、前記枠状装飾体40の開口左縁部(枠本体42の左側枠部分)に設けられた前記庇状部46の下端部は、前記遊技盤20に設けられた前記回転案内部材29の配設位置よりも上方に位置するよう構成されている。従って、前記回転案内部材29の回転により前記始動入賞装置27側に放出されたパチンコ球Pが庇状部46の下方を通過して前記案内連釘31側へ移動するようになっている。また、前記枠状装飾体40の開口左縁部(枠本体42の左側枠部分)に設けられた前記庇状部46の下端部には、前記遊技領域20a内に開口する球受入れ部材48aが取り付けられると共に、球受入れ部材48aに連通する連通口42bが枠本体42に前後に開口するよう開設されている。そして、前記枠状装飾体40における開口左縁部部(枠本体42の左側枠部分)の後部に、前記連通口42bの後方開口部に連通する球通路部材48bが枠本体42に沿って下方へ延在するよう配設されて、該球通路部材48bの下端部に設けられた球通出口48cが前記ステージ90(後述する第1ステージ部92)に連通するよう構成されている。これにより、遊技盤20の遊技領域20aを流下する過程で前記球受入れ部材48aに通入したパチンコ球Pが前記連通口42bおよび球通路部材48bを介して前記ステージ90(第1ステージ部92)に誘導されるようになっている。すなわち、パチンコ球Pをステージ90に誘導する球誘導部48として前記球受入れ部材48aおよび球通路部材48bが機能している。
【0038】
(台板50,51,52について)
前記台板50,51,52,60は、図2〜図5に示すように、前記枠本体42と一体的に樹脂成形される固定台板50と、該枠本体42に対して着脱可能に取り付けられる分離台板(分離部材)51,52,60とから構成されている。前記固定台板50および分離台板51,52,60の夫々は、一定の厚み寸法T1(例えば2〜3mm)で形成されると共に、表面に適宜の彫刻模様が形成されている。前記枠本体42における分離台板51,52,60の取付位置には、前記分離台板51,52,60の厚み寸法で前面側が凹んだ設置凹部43が形成されており、当該分離台板51,52,60を設置凹部43に取り付けた際に、固定台板50および分離台板51,52,60の前面が略同一面上に位置するよう構成されている。
【0039】
また、前記各分離台板51,52,60において前記遊技盤20の前面に当接する位置(後述するメッキ部57)に通孔51a,52a,60aが形成され、該通孔51a,52a,60aを介して分離台板51,52,60を遊技盤20にネジ止めすることで、当該遊技盤20の前面からの分離台板51,52,60の浮き上がりを防止している。前記固定台板50および分離台板51,52,60において前記枠本体42から外方へ突出する端縁部には、該突出端縁部に向かうにつれて後方傾斜する傾斜案内面53が夫々形成されており、パチンコ球Pが傾斜案内面53を介して固定台板50および分離台板51,52,60の前面に容易に移動し得るよう構成されている。すなわち、前記固定台板50および分離台板51,52,60が前記遊技盤20の遊技領域20aを流下するパチンコ球Pの動きの妨げになることはなく、該固定台板50および分離台板51,52,60の前面をパチンコ球Pがスムーズに通過し得るようになっている。
【0040】
ここで、前記分離台板51,52,60の夫々は、合成樹脂材(例えばABS樹脂等)から形成されたベース材54の表面全体に、電気メッキ等のメッキ処理によってメッキ層54aが形成されており、該分離台板51,52,60の装飾性を高めている。なお、前記枠本体42と一体的に樹脂成形される固定台板50は、合成樹脂材(例えばABS樹脂等)に着色剤を混練することで色彩が付与されている。なお、実施例では、前記枠本体42の左下部位置(回転案内部材29の側方位置)、左右上部位置(発光装飾部65と対応する位置)および前記始動入賞装置27の上方位置の5箇所に前記分離台板51,52,60が設けられている。また、以下の説明において、前記枠本体42の左下部位置(回転案内部材29の側方位置)に位置する分離台板を、第1の分離台板51と指称し、該枠本体42の左右上部位置(発光装飾部65と対応する位置)に位置する分離台板を第2の分離台板52と指称するものとする。
【0041】
前記第1の分離台板51の裏面には、図5、図6に示すように、後方へ突出する複数(実施例では3つ)の固定突部55が形成されると共に、前記枠本体42の外周縁部に沿って延在する嵌合突片56が形成されている。そして、前記枠本体42の左下部位置に形成された前記設置凹部43に、前記固定突部55が嵌合する固定孔43aおよび前記嵌合突片56が嵌合する嵌合溝43bが形成されており、該固定孔43aに固定突部55を嵌合すると共に該嵌合溝43bに嵌合突片56を嵌合させた状態で、該枠本体42の裏側から固定突部55がネジ止めされる。すなわち、前記第1の分離台板51に形成された通孔51a,52aを介して遊技盤20に固定されたネジを外すと共に、前記固定突部55に固定されたネジを外すことで、該第1の分離台板51を前記枠本体42(設置凹部43)から取り外し可能になっている。また、前記第1の分離台板51は、前記嵌合突片56を基準として前記枠状装飾体40の窓口40aより外方に延出する部分が前記遊技盤20の前面に当接するよう構成されている。
【0042】
前記第1の分離台板51の前面は、図7(a),(b)に示すように、前記メッキ層54aの表面の一部を塗装してある。なお、図7(a)では、前記第1の分離台板51の塗装部58に対応する領域に、微小な点を付して表示してある。すなわち、前記分離台板51,52,60には、前記メッキ層54aが直接露出する非塗装部57と、該メッキ層54aの表面を塗装した塗装部58とが隣接して形成されている。また、前記第1の分離台板51の塗装部58は、有色透明な塗料により形成されており、該塗装部58の下地となるメッキ層54aでの光反射により塗装部58が光沢を伴った装飾となっている。なお、以下の説明では、前記第1の分離台板51において、メッキ層54aが直接露出する非塗装部をメッキ部57と指称するものとする。すなわち、前記遊技盤20に固定するネジ用の通孔51aは、前記第1の分離台板51における前記メッキ部57に形成されている。
【0043】
ここで、図7に示すように、前記第1の分離台板51には、前記枠状装飾体40の窓口40a側に前記塗装部58が位置する関係でメッキ部57と塗装部58とが隣接して形成されており、該メッキ部57における塗装部58との境界位置に、該メッキ部57よりも前方へ突出する段差部59が形成されている。ここで、前記段差部59は、前記前枠13に設けられた前記遊技盤20を透視保護する前記前枠13の透視保護板との間を、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが通過し得る突出寸法で形成されており、遊技領域20aを流下する過程で段差部59を越えて移動したパチンコ球Pが前記塗装部58側に移動し得るようになっている。なお、前記メッキ部57および塗装部58の前面からの前記段差部59の突出寸法は、略1〜2mmに設定されて、第1の分離台板51の背面から段差部59の先端までの厚み寸法T2が略3〜4mmとなるよう構成されている(図7(b)参照)。すなわち、前記メッキ部57の前面を移動するパチンコ球Pが前記段差部59の形成位置に到来した際に、該段差部59が抵抗として機能して前記塗装部58側にパチンコ球Pが移動する頻度を低減するようになっている。また、前記メッキ部57および塗装部58の前面からの前記段差部59の突出寸法を、パチンコ球Pの直径寸法(略11mm)に較べて相対的に小さな値(すなわち略1〜2mm)に設定することで、段差部59がパチンコ球Pの動きに与える影響を極めて小さくしている。
【0044】
また、図7、図8に示すように、前記メッキ部57と塗装部58との境界は、前記第1の分離台板51の側方に位置する前記回転案内部材29の回転に伴って放出されたパチンコ球Pが描く放物線に近似した曲線で形成されると共に、該メッキと塗装部58との境界に沿って前記段差部59が延在するよう構成されている。すなわち、前記回転案内部材29から放出されたパチンコ球Pが描く放物線に近似した曲線で前記段差部59が延在することで、パチンコ球Pを段差部59に沿って前記案内連釘31側へ緩やかに誘導し得るようになっている。また、前記メッキ部57および塗装部58の前面からの前記段差部59の突出寸法は、前記第1の分離台板51の上部から下部(段差部59の上端部から下端部)に向かうにつれて漸増するよう構成されている。なお、前記段差部59が形成される曲線は、前記回転案内部材29の回転に伴って最も勢いよく放出されたパチンコ球Pが描く放物線に近似するよう実験やシミュレーション等によって設定されている。
【0045】
また、前記段差部59は、図7(b)に示すように、前記メッキ部57側の側面59aの接線が前記遊技盤20に交差する交差角度θは、当該側面59aの遊技盤20側の端縁部(メッキ部57側の端縁部)から段差部59の突出端部に至るにつれて漸増するよう形成される。すなわち、前記段差部59は、前記メッキ部57側の側面59aが窪んだ凹状に形成されている。これにより、前記メッキ部57の前面を移動するパチンコ球Pが塗装部58に至る過程でパチンコ球Pが段差部59を乗り越える際の抵抗を高めている。
【0046】
(発光装飾部65について)
図4、図9〜図13に示すように、前記発光装飾部65は、前方へ光を照射するLED70a(発光体)と、該LED70aの前側(光照射方向前側)に設けられた凸レンズ部71と、該凸レンズ部71の前側に配設されて前後方向(光照射方向)に貫通する筒状部73と、該筒状部73の前側に配設されたカバー部75とから構成される。すなわち、前記LED70aを発光した際に、該LED70aの光が前記凸レンズ部71で拡大・拡散されると共に、前記筒状部73内を通過してカバー部75に照射されるようになっている。ここで、前記LED70aおよび凸レンズ部71は、前記設置部材33に配設された前記光照射装置66に設けられる一方で、前記筒状部73およびカバー部75は前記枠状装飾体40に設けられており、前記遊技盤20と設置部材33とを組み付けた際に、凸レンズ部71の前側に筒状部73が位置するよう構成されている。なお、図13では設置部材33の図示を省略してある。
【0047】
前記設置部材33に配設される前記光照射装置66は、図9、図13に示すように、前記設置部材33に固定される前カバー体67と、該前カバー体67の裏側に配設されて当該前カバー体67との間に設置空間69を画成する後カバー体68を備え、該前後のカバー体67,68により画成された設置空間69に前記LED基板70が収容されている。ここで、前記光照射装置66は、前記設置部材33における前記画壁部33bの前端部側(設置部材33の前方開口端部)に位置するよう配設されて、前記前カバー体67が遊技盤20の裏面に当接するようになっている(図13参照)。
【0048】
また、前記前カバー体67は、図13に示すように、前記設置部材33の開口前端部に位置して前記遊技盤20に当接する当接面部67aと、該当接面部67aより前方に突出して遊技盤20に形成された装着口25の内側に臨む膨出状部67bとを備えており、該前カバー体67の外郭形状が前記設置部材33の左側面をなす左画壁部33bおよび該設置部材33の右側面をなす右画壁部33bの間に亘って延在すると共に、当該設置部材33に形成された開口部の上方の略全体を覆う大きさに形成されている。また、前記膨出状部67bの後面側は、後方に開放する凹状に形成されており、該膨出状部67bの凹状部分に前記LED基板70が設置されている。なお、前記後カバー体68は、前記前カバー体67に形成された前記膨出状部67bの後方開口形状に略整合する形状に形成された平板状の部材であって、該後カバー体68を前カバー体67に固定することで、膨出状部67bに前記設置空間69が画成されるようになっている。
【0049】
ここで、前記LED基板70には、前記発光装飾部65を構成するLED70aの他に、複数のLED(図示せず)が実装されており、前記枠状装飾体40に設けられた前記前側装飾部材47に後方から光を照射するよう構成されている。なお、以下の説明でLEDという場合には、前記LED基板70に実装されたLEDの内で、前記発光装飾部65を構成するLED70aを指すものとする。なお、前記前カバー体67は、光透過性の合成樹脂材により形成されて、前記LED基板70のLED70aからの光を透過するよう構成されている。
【0050】
そして、図9、図13に示すように、前記前カバー体67において、前記LED基板70のLED70aの前側に対応する位置に、前方へ突出する前記凸レンズ部71が形成されている。ここで、前記凸レンズ部71は、該凸レンズ部71に対向する前記LED70aの前面全体を覆う大きさで形成されており、該LED70aから照射された光の大部分が凸レンズ部71を透過するよう構成されている。また、前記凸レンズ部71の焦点位置は、前記発光装飾部65を構成するカバー部75(具体的には後述する光透過体79における環状筒部80の前面)よりも後方(すなわち光照射方向後側)に設定されており、凸レンズ部71を透過した光が拡散されてカバー部75(光透過体79における環状筒部80前面)の広範囲に光が照射されるようになっている。
【0051】
前記筒状部73は、図4、図11〜図13に示すように、開口後端部から開口前端部に向かうにつれて開口面積が増大する筒状に形成され、前記枠状装飾体40(枠本体42)に形成した前記設置筒部44に挿入される筒本体73aと、該筒本体73aの開口前端部から外方に突出する挟持片73bとを備え、該筒状部73(筒本体73a)の後方開口部(光照射方向後側の貫通口)に、前記凸レンズ部71が臨んで、該凸レンズ部71を透過した前記LED基板70のLED70aの光が筒状部73(筒本体73a)の内側を通過するようになっている。そして、前記筒状部73の筒本体73aを前記設置筒部44に前側から内挿した際に、該枠状装飾体40(枠本体42)に形成した前記嵌合凹部45に前記挟持片73bが嵌合するよう構成される。そして、前記挟持片73bを嵌合凹部45に嵌合した状態で、前記第2の分離台板52を枠状装飾体40の枠本体42に取り付けることで、該挟持片73bの前面に当接して、当該挟持片73bが枠本体42(嵌合凹部45)および第2の分離台板52との間で挟持固定される。
【0052】
また、前記筒本体73aの開口前端部には、図11〜図13に示すように、前記挟持片73bより小さな突出寸法で外方へ突出する環状突片73cが筒本体73aの略全周に亘って形成されている。この環状突片73cは、前記嵌合凹部45に前記挟持片73bを嵌合した状態で、前記設置筒部44の前端部に形成した環状凹部44aに環状突片73cが当接して後方への移動を規制するようになっている。すなわち、前記筒状部73の環状突片73cを前記環状凹部44aに嵌合させることで、該筒状部73が所定の姿勢で安定的に保持される。また、前記遊技盤20と設置部材33とを組み付けた際に、前記光照射装置66に設けられた前記凸レンズ部71が前記筒状部73(筒本体73a)の後方開口部の内側に臨むよう構成されて、該凸レンズ部71を透過した光が漏れなく筒状部73の内側に照射されるようになっている。
【0053】
前記カバー部75は、図11〜図13に示すように、前記設置筒部44の前方に位置するよう前記枠状装飾体40の基体41(枠本体42)に固定される保持部材76と、該保持部材76に取り付けられ、光透過性の合成樹脂材により形成された光透過体79とから構成されており、当該保持部材76を枠状装飾体40の基体41(枠本体42)に固定した状態で前記筒状部73の前側に光透過体79が位置するよう構成される。なお、前記保持部材76は、光を通さない合成樹脂材により形成されている。前記保持部材76は、前記設置筒部44の前方に位置する前面板部77の縁部近傍に、後方へ突出する連結突部77aが形成されて、前記庇状部46に前後に貫通するよう形成された連結孔46a(図4、図12参照)に連結突部77aを挿入した状態で、前記枠状装飾体40の枠本体42にネジ止めされるようになっている。また、前記保持部材76の前面板部77には、前記連結突部77aの形成側縁部を除く外周縁から後方へ延出する囲繞壁78が形成されており、該囲繞壁78と庇状部46との間に形成される空間に前記光透過体79が配置されている。更に、前記前面板部77には、前記光照射装置66のLED70aの光軸を中心とする周方向に離間して複数(実施例では5つ)の嵌合孔77bが形成されている。
【0054】
前記光透過体79は、図11〜図13に示すように、前記筒状部73(筒本体73a)の前方開口部に整合する筒状に形成されて後方に開口する環状筒部80と、該環状筒部80の前面に形成されて前方へ突出する導光部(光透過部)81とを備え、該環状筒部80の前面80aの中心が前記光照射装置66のLED70aの光軸上に位置するよう前記保持部材76の前面板部77にネジ止めされている。ここで、前記導光部81は、前記光照射装置66のLED70aの光軸を中心とする周方向に離間した複数箇所(実施例では5箇所)に、前記保持部材76の前面板部77に形成された前記嵌合孔77bと前後に整列するよう形成されており、前記光透過体79を保持部材76に固定した際に、各導光部81が対応する嵌合孔77bに嵌合して、該前面板部77の前面が導光部81の先端が突出するよう構成されている。すなわち、前記導光部81は、前記光照射装置66のLED70aの周りを囲うよう配列されると共に、前記筒状部73の前方開口部に臨むよう構成される。
【0055】
また、前記光透過体79の環状筒部80は、筒状の壁部に光拡散加工が施されると共に、該環状筒部80の後端部が前記筒状部73の開口前端部(環状突片73c)に当接するよう構成されている(図13参照)。すなわち、前記光透過体79の環状筒部80の後方開口部が前記筒状部73の前方開口部に整合するよう配置されて、該筒状部73の環状突片73cが前記枠状装飾体40の設置筒部44(環状凹部44a)と光透過体79の環状筒部80とにより挟持される。すなわち、前記光透過体79の全ての導光部81が前記筒状部73の前方開口部の内側に臨むよう構成されており、前記光照射装置66のLED70aを発光して凸レンズ部71を透過した光が筒状部73を介して光透過体79の各導光部81に照射されて、各導光部81を透過した光が前記保持部材76の前方(遊技盤20の前方)へ照射されるようになっている。
【0056】
(ステージ90について)
図2、図3、図14〜図19に示すように、前記ステージ90は、前記球誘導部48の球通出口48cに連通し、該球誘導部48の球通路を通過したパチンコ球Pが転動する第1ステージ部92(上段に位置する第1の球転動部)と、該第1ステージ部92より下方に位置して当該第1ステージ部92からパチンコ球Pが移動可能で、パチンコ球Pを遊技盤20の遊技領域20aに排出する第2ステージ部122(下段に位置する第2の球転動部)と、第1ステージ部92に到来したパチンコ球Pを異なる複数の方向(具体的には第2ステージ部122、始動入賞口27aの直上、始動入賞口27aの直上から外れた位置)へ案内する振分案内部100とを備え、ステージ90に受入れたパチンコ球Pが最終的に遊技盤20の遊技領域20aに排出されるようになっている。すなわち、前記ステージ90は、パチンコ球Pを左右方向に案内する球転動面92a,122aを備えたステージ部92,122が上下に離間する関係で複数段(実施例では2段)設けられて、上段に位置するステージ部92から下段に位置するステージ部122へパチンコ球Pが順次移動し得るよう構成されている。なお、実施例では、図16に示すように、前記第1ステージ部92および第2ステージ部122は、独立した部材で夫々形成されて、該第1ステージ部92および第2ステージ部122が形成された部材の夫々を、第1ステージ部材91および第2ステージ部材121と指称するものとする。
【0057】
(第1ステージ部材91について)
前記第1ステージ部材91は、図14〜図16に示すように、前記第1ステージ部92の第1球転動面92aが左右方向に延在するよう形成されると共に、該第1ステージ部92の下面に、前記第2ステージ部材121に固定される固定部92bが下方へ突出するよう複数箇所(実施例では4箇所)に形成されている。そして、前記第1ステージ部92の前側に位置するよう前記振分案内部100が第1ステージ部材91に一体的に形成されている。ここで、前記第1ステージ部92は、図15、図16(a)、図17に示すように、前記第1球転動面92aの前後の端縁の夫々から上方へ延出する前後の壁部93,94が形成されて、1個のパチンコ球Pが転動可能な通路を構成している。すなわち、前記球誘導部48の球通出口48cを通出したパチンコ球Pは、前記第1球転動面92a上を左右方向に転動するよう構成されている。なお、前記第1第1球転動面92aの前端縁には、下方へ垂下する支持板95が設けられており、前記第1ステージ部材91と第2ステージ部材121との接続部分を支持板95で目隠しするようになっている。
【0058】
ここで、前記第1ステージ部92の第1球転動面92aは、図14、図15に示すように、前記球誘導部48の球通出口48cに接続する左端部から右方向へ離間するにつれて下方傾斜し、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aの鉛直上方位置で最も下方に位置すると共に、該最下部位置から右方向へ離間するにつれて上方傾斜する上下方向に緩やかに起伏した湾曲形状に形成されている。そして、前記第1ステージ部92には、前記第1球転動面92aにおける最も下方へ湾曲した最下部位置に、前方へ下方傾斜する傾斜面96が形成されており、該第1球転動面92aを転動するパチンコ球Pの動きが最終的に傾斜面96上で収束して前壁部93側に移動するよう構成されている。ここで、前記傾斜面96の左右の幅寸法は、パチンコ球Pの直径3個分程度に設定されている。
【0059】
また、図14〜図16に示すように、前記第1ステージ部92の前壁部93は、前記傾斜面96と対応する位置に、前後に開放する切欠口97が形成されており、該前壁部93の切欠口97に前記振分案内部100が臨むよう構成されている。従って、前記球誘導部48から第1ステージ部92に移動したパチンコ球Pは、最終的に前記傾斜面96の傾斜によって前記切欠口97を介して前記振分案内部100へ案内されるようになっている。すなわち、前記前壁部93の切欠口97が、前記第1ステージ部92と振分案内部100とを連通する連通部として機能している。また、前記第1ステージ部92における前壁部93の後面には、前記切欠口97を挟む両端部に、後方へ突出する案内突片98が形成されている。前記各案内突片98における前記切欠口97から離間する端部(第1ステージ部92の傾斜方向上側に位置する端部)は、該切欠口97に近づくにつれて後方へ傾斜する傾斜状のテーパ面98aが形成されており、前記第1ステージ部92の前壁部93に沿って切欠口97に近接転動するパチンコ球Pを、該テーパ面98aにより切欠口97から離間する後壁部94側に誘導するよう構成されて、該第1ステージ部92でパチンコ球Pが転動する時間を長くしている。
【0060】
(振分案内部100について)
前記振分案内部100は、図14〜図16に示すように、前記第1ステージ部92の支持板95から前方へ突出するよう形成された球転動板101上に、前記切欠口97に連通する第1〜第3案内ルート105,110,115が形成されている。具体的には、前記球転動板101には、図15〜図17に示すように、前記連通口42bの前側位置に、上方へ突出すると共に前後方向の全長に亘って延在する区画壁102,103が左右方向に離間する位置に形成されている。すなわち、前記球転動板101の上面は、前記左右の区画壁102,103により左右方向に隣接する3つの領域に区切られて、区切られた領域毎に第1〜第3案内ルート105,110,115が形成されている。従って、前記第1ステージ90の第1球転動面92aを転動したパチンコ球Pは、前記切欠口97を介して第1〜第3案内ルート105,110,115の何れかに振り分けられて移動するようになっている。すなわち、前記切欠口97は、前記第1ステージ90の第1球転動面92aを前記第1〜第3案内ルート105,110,115の夫々に接続する第1〜第3接続口97a,97b,97c(図16参照)から構成されたものである。なお、前記球転動板101の前端部は、前記第2ステージ部122の前端部より前方まで延在するよう形成されて、該球転動板101の前端部から落下したパチンコ球Pが第2ステージ部122に移動しないようになっている。
【0061】
ここで、前記振分案内部100には、図14〜図16に示すように、前記切欠口97(第1接続口97a)を通過したパチンコ球Pを前記始動入賞装置27の始動入賞口27aの直上で排出する第1案内ルート105が前記左右の区画壁102,103の間に形成され、該切欠口97(第2接続口97b)を通過したパチンコ球Pを前記第2ステージ部122へ案内する第2案内ルート110が左側区画壁102の左方に形成されると共に、当該切欠口97(第3接続口97c)を通過したパチンコ球Pを遊技領域20aにおける始動入賞口27aの直上から外れた位置で排出する第3案内ルート115が該右側区画壁103の右方に形成されている。すなわち、前記第1ステージ部92の第1球転動面92aに繋がる前記切欠口97の前側に、前記第1案内ルート105を間に挟んで第2案内ルート110および第3案内ルート115が位置するよう構成されている。なお、以下の説明では、前記球転動板101において、前記第1案内ルート105に対応する板部分を第1球案内面106と指称し、前記第2案内ルート110に対応する板部分を第2球案内面111と指称し、前記第2案内ルート110に対応する板部分を第3球案内面116と指称するものとする。また、前記傾斜面96には、図15〜図16に示すように、前記第2接続口97bおよび第3接続口97cに対応する位置に、該傾斜面96の前端部から後方へ延在する誘導溝96aが形成されると共に、各誘導溝96aに向けて下方傾斜する誘導面96bが形成されている。
【0062】
前記第1球転動面92a(傾斜面96)の前側位置には、図15〜図17に示すように、前記右側区画壁103と前後に整列する位置に、上方へ突出する突出部96cが前記切欠口97(傾斜面96)の前端部から後方へ延在するよう形成されている。前記突出部96cは、前記傾斜面96上を左右に転動するパチンコ球Pが乗り越えられる突出寸法で形成されており、該傾斜面96上をパチンコ球Pが転動する際の抵抗として機能するようになっている。すなわち、前記第1球転動面92aを転動して前記傾斜面96をパチンコ球Pが左右方向に横切るよう移動する際に、パチンコ球Pに勢いがある間は前記突出部96cを乗り越えて左右方向に移動し、突出部96cを乗り越えるだけの勢いがパチンコ球Pから失われると、傾斜面96上において突出部96cの左側または右側にパチンコ球Pが留まるようになっている。従って、前記突出部96cの左側に留まったパチンコ球Pが、前記第1接続口97aから第1案内ルート105へ移動するか或いは前記第2接続口97bから第2案内ルート110に移動する一方、該突出部96cの右側に留まったパチンコ球Pが、前記第3接続口97cから第3案内ルート115に移動するようになっている。
【0063】
(第1案内ルート105について)
前記第1案内ルート105の底面を形成する前記第1球案内面106は、図17、図18に示すように、前方へ向けて一様に下方傾斜するよう形成されると共に、該第1球案内面106の上面に、前記左右の区画壁102,103に沿って前後方向に延在する一対の案内リブ107,107が左右方向に離間して形成されている。すなわち、前記傾斜面96から第1接続口97aを介して前記第1案内ルート105に移動したパチンコ球Pは、前記一対の案内リブ107,107に支持されつつ案内リブ107,107に沿って前方へ誘導されて、当該案内リブ107,107の前端部から落下するようになっている。ここで、前記一対の案内リブ107,107間の中間線上に、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aが上方に開口するよう構成されており、該案内リブ107,107(第1案内ルート105)の前端部からパチンコ球Pが始動入賞装置27の始動入賞口27aに向けて落下するようになっている。また、前記第1球案内面106の前端部には、前方および上下に開口するV字状の第1案内溝108が形成されており、前記一対の案内リブ107,107の前端部まで転動したパチンコ球Pが前記第1球案内面106に接触するのを防止することで、該第1球案内面106の前端部から落下するパチンコ球Pが前記始動入賞装置27の始動入賞口27aに向けて安定して落下するよう構成されている。
【0064】
(第2案内ルート110について)
前記第2案内ルート110を形成する前記第2球案内面111は、図14、図15、図18、図19に示すように、前記第2接続口97bから左方(第1案内ルート105から離間する方向)へ向けて一様に下方傾斜するよう形成されると共に、該第2球案内面111の前端部に上方へ突出する規制突部(規制リブ)112が形成されている。前記規制突部112は、前記左側区画壁102から第2球案内面111の左端部まで延在するよう形成されており、前記傾斜面96から第2接続口97bを介して前記第2案内ルート110に移動したパチンコ球Pが、前記規制突部112に接触して前記第2球案内面111の傾斜に沿って左方向に移動するよう構成されている。ここで、前記第2球案内面111は、前記第2ステージ部122の第2球転動面122a上に位置するよう構成されており、該第2球案内面111の傾斜下端部(左端部)から落下したパチンコ球Pが第2球転動面122a上に移動するよう構成されている(図14、図15、図18参照)。
【0065】
そして、前記第2球案内面111からの前記規制突部112の突出高さは、該第2球案内面111からの前記左側区画壁102の突出高さよりも高くなるよう設定されており、前記第2接続口97bを介して第2案内ルート110に移動したパチンコ球Pが規制突部112を越えて前方移動するのを確実に規制する一方で、第2案内ルート110に移動したパチンコ球Pの勢い等によって左側区画壁102を越えて第1案内ルート105にパチンコ球Pが移動するのを許容している。すなわち、前記傾斜面96から第2案内ルート110に移動したパチンコ球Pであっても、前記第1案内ルート105に移動する可能性を残すことで、第2案内ルート110に移動するパチンコ球Pの行き先に対する注意を惹き付けるようになっている。
【0066】
(第3案内ルート115について)
前記第3案内ルート115を形成する前記第3球案内面116は、図14、図15、図18に示すように、前方へ向けて下方傾斜すると共に、該第3球案内面116の左右方向の中央位置が最も窪む湾曲形状に形成されている。また、前記第3球案内面116の右端縁には、上方へ突出する球落下規制片117が形成されて、前記傾斜面96から第3接続口97cを介して前記第3案内ルート115へ移動したパチンコ球Pが第3球案内面116の右端縁から落下するようの規制している。更に、前記第3球案内面116には、前記第3接続口97cの前方位置に、前記右側区画壁103から離間するにつれて前方へ傾斜する案内片118(案内部)が形成されている。すなわち、前記第3接続口97cから第3案内ルート115へ移動したパチンコ球Pは、前記案内片118に沿って前記右側区画壁103(第1案内ルート105)から離間する方向(すなわち始動入賞口27aから離れる側方)へ案内されるようになっている。
【0067】
ここで、前述のように、前記第3球案内面116は、前記球落下規制片117が形成された右端部側では左方向に向けて下方傾斜している。これにより、前記第3案内ルート115は、前記案内片118により前記球落下規制片117側へ案内されたパチンコ球Pが、第3球案内面116の傾斜によって右側区画壁103(第1案内ルート105)に近づく方向(すなわち始動入賞口27aに近づく側方)へ再び誘導され得るようになっている。すなわち、前記第3接続口97cを介して前記傾斜面96から第3案内ルート115に移動したパチンコ球Pは、前記案内片118および前記第3球案内面116の傾斜によって左右方向に転動方向を変えつつ前方へ移動し、最終的に第3球案内面116の前端部から落下して遊技領域20aに排出されるようになっている。
【0068】
(第2ステージ部材121について)
前記第2ステージ部材121は、図14〜図16に示すように、前記第2ステージ部122の第2球転動面122aが左右方向に延在するよう形成されると共に、前記第1ステージ部材91が固定される固定支持板124が後方へ延出するように形成されている。ここで、前記第2ステージ部122は、図15に示すように、左右方向に延在する第2球転動面122aの後端縁から上方へ延出する後壁部123が形成されて、該第2ステージ部122の後壁部123の上端部に、前記固定支持板124が後方へ延在するよう形成されている。前記固定支持板124には、前記第1ステージ部92に形成された各固定部92bと対応する位置に嵌合部124aが夫々形成されており、当該嵌合部124aの内底面に形成した通孔124bを介して固定部92bをネジ止めすることで、第1ステージ部材91と第2ステージ部材121とが連結固定される。すなわち、前記第2ステージ部122は、前記第1ステージ部92の下方に位置すると共に、該第1ステージ部92より前側に位置するよう配置されて、該前記振分案内部100(第1〜第3案内ルート105,110,115)が第2ステージ部122(第2球転動面122a)の上方に離間する位置に上下に重なるよう位置している。また、前記第2ステージ部材121には、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが枠状装飾体40の窓口40aを介して飛込む飛込み球案内面125が前記第2球転動面122aの左方に連続して形成されている(図15、図19参照)。
【0069】
実施例に係る第2球転動面122aは、図14〜図16、図18、図19に示すように、上方に突出した凸形状部分(山状の部分)が1箇所設けられると共に、下方に突出した凹形状部分(谷状の部分)を凸形状部分の左右両側部の2箇所に備えた起伏形状に形成されている。なお、前記第2球転動面122aは、左右の端部が大きな曲率で凹状に湾曲するよう形成されており、パチンコ球Pが該第2球転動面122a上を上下方向に変位しながら左右に転動するようになっている。そして、前記第2球転動面122aの左上端部に、該第2球転動面122aに向けて下方傾斜するよう形成された前記飛込み球案内面125が連設されて、該飛込み球案内面125に到来したパチンコ球Pを第2球転動面122aへ案内するよう構成されている。また、前記第2球転動面122aおよび飛込み球案内面125の前端部には、上方へ突出する球移動規制壁126が連続して形成されており、該第2球転動面122aおよび飛込み球案内面125を転動するパチンコ球Pの前方移動を規制している。
【0070】
そして、図15、図16(b)に示すように、前記第2球転動面122aの凸形状部分には、前方および上方に開口するV字状の第2案内溝127(第4案内ルート)が形成されると共に、第2球転動面122aの両凹形状部分には、前方へ下方傾斜する凹溝部128,128(第5案内ルート)が夫々形成されている。ここで、前記球移動規制壁126は、前記第2案内溝127および凹溝部128,128の形成位置と対応する位置で切り欠かれており、前記第2球転動面122a上を転動するパチンコ球Pが第2案内溝127および凹溝部128,128の何れか1つから前方(遊技領域20a)へ排出(落下)されるようになっている。
【0071】
また、前記第2案内溝127は、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aの鉛直上方位置に形成されており、該第2案内溝127から始動入賞装置27の始動入賞口27aに向けてパチンコ球Pが落下するよう構成されている(図19参照)。一方で、前記凹溝部128,128は、前記始動入賞装置27における始動入賞口27aの左右側部の上方に位置するよう形成されており、該凹溝部128,128からは始動入賞口27aの左右側部に向けて排出されるようになっている。従って、前記凹溝部128,128から遊技領域20a内に排出されたパチンコ球Pは、遊技釘30との接触により弾かれることで始動入賞口27aへ入賞し得るようになっている。すなわち、前記第2案内溝127を介して遊技領域20aに排出されるパチンコ球Pに較べて、前記凹溝部128,128を介して遊技領域20aに排出されるパチンコ球Pは、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aに入賞し難くなっている。
【0072】
そして、前記第2球転動面122aに形成された前記第2案内溝127は、前記第1球転動面92aに形成された第1案内溝108の下方に位置しており、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aとの距離が近いことから、該第2案内溝127から遊技領域20aに排出されるパチンコ球Pは、第1案内溝108から排出されるパチンコ球Pに較べて始動入賞口27aに入賞し易くなっている。また、前記右側に位置する凹溝部128,128における左右の中心線は、前記第3案内ルート115における第3球案内面116の左右の中心線よりも外側(始動入賞装置27から離間する位置)に設定されており、該第3案内面から遊技領域20aに排出されるパチンコ球Pは、凹溝部128,128から排出されるパチンコ球Pに較べて始動入賞口27aに入賞し易くなっている。
【0073】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0074】
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球Pが前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された発射通路21aを介して遊技領域20a内に打ち出されて、遊技釘30等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域20a内をパチンコ球Pが流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが前記始動入賞装置27の始動入賞口27aに入賞すると、前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、前記遊技盤20の下方に設けられた特別入賞装置28が開放されると共に、図柄表示装置18において大当り演出が行なわれる。
【0075】
実施例に係る遊技盤20に設けられた前記発光装飾部65では、前記設置部材33に配設された光照射装置66のLED70aからの光が凸レンズ部71を透過して前記光透過体79の導光部81に照射されるようになっている。すなわち、前記光照射装置66のLED70aからの光を凸レンズ部71で拡散するよう構成したから、指向性が高いLED70aによる光の照射範囲が拡がり、当該LED70aと光透過体79の導光部81とを前後の関係で直線的に配列しなくても、複数の導光部81に光を照射することができる。また、前記保持部材76の嵌合孔77bに嵌合した前記各導光部81が遊技盤20の前面に露出するよう構成されているから、前記導光部81に後端部に照射されたLED70aからの光は、該導光部81の内部を透過した光が遊技盤20の前方へ照射されて、発光装飾部65による発光演出を行なうことができる。
【0076】
また、前記筒状部73の後端部を前記光照射装置66(前カバー体67の膨出状部67b)の前面に近接させて、前記凸レンズ部71を筒状部73の後方開口部の内側に臨むよう構成してあるから、当該凸レンズ部71を透過した光を洩れなく筒状部73内を通過させることができる。しかも、前記筒状部73は、後方から前方に向かうにつれて開口面積が増大する形状に形成されているから、該凸レンズ部71を透過した光以外に筒状部73の内部に入る光量を抑制でき、前記光照射装置66のLED70aの点灯・消灯に応じて導光部81を発光させることができる。
【0077】
更に、前記筒状部73が後方から前方に向かうにつれて開口面積が増大することで、該筒状部73の内周面を前記光透過体79に対向するから、該光透過体79で反射した光を筒状部73の内周面で更に光透過体79側に反射することができる。また、前記光透過体79の環状筒部80には、光を拡散する光拡散加工が施されているので、該環状筒部80で拡散された光が導光部81に照射されて、当該光導光部81をより効果的に明輝させることができる。
【0078】
ここで、前記遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球Pは、前記枠状装飾体40の左側方を流下して前記回転案内部材29の接触板29bに接触することで、該回転案内部材29を回転させ、該回転案内部材29の回転方向に応じて枠状装飾体40側に放出される。前記枠状装飾体40において回転案内部材29の右側方に位置する前記第1の分離台板51に、該枠状装飾体40の窓口40a側に塗装部58が位置する関係でメッキ部57と塗装部58とが隣接して形成されており、パチンコ球Pが第1の分離台板51の前面を通過する際には、メッキ部57の前面を通った後に塗装部58に至るようになる。前記第1の分離台板51には、前記メッキ部57における塗装部58との境界位置に前記段差部59を形成してあるから、該第1の分離台板51の前面をメッキ部57から塗装部58に向けて移動するパチンコ球Pが段差部59に接触し、該段差部59を越えてメッキ部57から塗装部58に至る際に抵抗となる。このため、前記第1の分離台板51の前面を移動するパチンコ球Pがメッキ部57を越えて塗装部58に至る頻度を低減させることができ、当該塗装部58の塗装剥げが抑制される。すなわち、前記第1の分離台板51に形成した前記塗装部58の耐久性が高められる。
【0079】
また、前記回転案内部材29の回転に伴ってパチンコ球Pが勢いよく放出されることもあることから、該回転案内部材29の回転により放出されるパチンコ球Pの放出方向側に前記段差部59が位置することで、パチンコ球Pが塗装部58にそのまま接触するのを防止でき、該塗装部58の塗装剥げを効果的に抑制できる。更に、前記段差部59を庇状部46の下端部の下方に位置するよう設けたことで、前記回転案内部材29の回転により放出されたパチンコ球P以外のパチンコ球Pが段差部59に到来し難くでき、パチンコ球Pが塗装部58に至る頻度を低減することができる。また、前記回転案内部材29から始動入賞装置27の始動入賞口27aまでは直線的に遊技球が連続した案内連釘31が設けられており、該回転案内部材29から放出されるパチンコ球Pの動きに対する遊技者の関心が高くなる。すなわち、遊技者の注目度が高い回転案内部材29から始動入賞装置27に至る案内連釘31の周辺に塗装部58を形成できるから、枠状装飾体40の装飾性を高めることができる。
【0080】
このように、前記第1の分離台板51のベース材54を形成する合成樹脂材に着色剤を混練する形態の他に、該第1の分離台板51に対して塗装して彩色することが可能となるから、当該第1の分離台板51を色彩で装飾する形態の選択幅が広がり、枠状装飾体40の装飾性向上を図り得る。また、前記第1の分離台板51の塗装部58をコーティングすることなく耐久性向上を図り得るから、製造コストの増大を招来するのを防止し得ると共に、コーティングにより塗装面の質感が損なわれるのを防止できる。
【0081】
また、前記段差部59は、前記メッキ部57よりも前方へ突出するよう形成されているから、第1の分離台板51の前面をメッキ部57から塗装部58に向けて移動するパチンコ球Pを段差部59に確実に接触させることができ、該段差部59を越えて塗装部58に至るパチンコ球Pの抵抗を高めることができる。更に、メッキ部57から塗装部58に至る過程で、前方へ突出する段差部59を乗り越えて移動するため、該段差部59を通過したパチンコ球Pは遊技盤20の前方側(すなわち塗装部58から離間するの前方)へ誘導され、塗装部58に対するパチンコ球Pの接触頻度をより低下して塗装剥げの抑制を図り得る。また、前記段差部59の側面59aは、該側面59aの接線と前記遊技盤20との交差角度が遊技盤20側端縁部から突出端部に至るにつれて漸増する曲面形状に形成されているから、メッキ部57から塗装部58に至る過程で段差部59を乗り越える際の抵抗が大きくなる。すなわち、前記段差部59のメッキ部57側の側面59aを曲面形状に形成することで、塗装部58に至るパチンコ球Pの頻度を低減して塗装剥げの抑制を図り得る。
【0082】
更に、前記段差部59は、前記回転案内部材29から放出されるパチンコ球Pが描く放物線に近似した曲線で形成してあることで、該段差部59に接触したパチンコ球Pを誘導するガイドとして機能し、塗装部58に至るパチンコ球Pの頻度を低減することができる。また、前記塗装部58が形成された第1の分離台板51は、前記枠状装飾体40の基体41から分離可能に構成されている。このため、前記塗装部58の塗装剥げが発生した場合には、前記第1の分離台板51を交換するだけで枠状装飾体40の本来の装飾性を回復することができると共に、廃棄部品の低減に大きく寄与し得る。
【0083】
また、前記遊技盤20に打ち出されて遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが、前記庇状部46に形成した球誘導部48に通入すると、前記枠状装飾体40の内周下部に設けられた前記ステージ90の第1ステージ部92に移動する。ここで、前記第1ステージ部92に到来したパチンコ球Pは、該第1ステージ部92の第1球転動面92aに形成した傾斜面96で収束して、該傾斜面96に対応して設けられた切欠口97から第1〜第3案内ルート105,110,115の何れかに案内される。このように、第1ステージ部92を転動するパチンコ球Pが第1〜第3案内ルート105,110,115を介して位置に案内されるので、遊技者がパチンコ球Pの流下経路を予想し難くなり、ステージ90上のパチンコ球Pの動きに対する遊技者の関心を強く惹き付けることができる。しかも、前記第1〜第3案内ルート105,110,115の夫々に接続する第1〜第3接続口97a,97b,97cが1つの切欠口97に臨んでいるから、パチンコ球Pが案内される経路の予想がつき難く、遊技者の関心を強く惹くことができる。
【0084】
ここで、第1ステージ部92を転動するパチンコ球Pが第3案内ルート115を通った場合には、前記始動入賞装置27の始動入賞口27aから外れた位置でそのまま排出される。すなわち、実施例のステージ90では、前記第1ステージ部92から始動入賞装置27の始動入賞口27aにパチンコ球Pが入賞する入賞期待感の高い第1案内ルート105や、下段側の第2ステージ部122にパチンコ球Pが排出されて始動入賞口27aへ入賞期待感が残された第2案内ルート110とは別に、当該始動入賞口27aへ入賞期待感が低い第3案内ルート115を設けてあるから、該第1ステージ部92上のパチンコ球Pの動きに適度な緊張感を与えることができ、前記ステージ90に到来したパチンコ球Pの動きに対する遊技者の注意を従来になく強く惹きつけることができるようになる。また、前記第2ステージ部122には、パチンコ球Pを排出する第2案内溝127および凹溝部128,128が設けられて、該第2ステージ部122に移動したパチンコ球Pを何れかのルートから排出されるよう構成されているから、第2ステージ部122に移動したパチンコ球Pが移動する経路の予想もつき難く、遊技者の関心を最後まで強く惹き付けることができる。
【0085】
また、前記第1ステージ部92の第1球案内面106の前縁に設けた前壁部93に沿って転動するパチンコ球Pは、前記切欠口97の開口端縁部に位置する前記案内突片98によって前記傾斜面96の後方(切欠口97から離れた位置)へ向けて案内される。従って、前記第1ステージ部92の前壁部93に沿って転動するパチンコ球Pがそのまま切欠口97から排出されるのを防止でき、該第1ステージ部92でのパチンコ球Pの滞留時間を長くして、該パチンコ球Pの動きに対する興趣を持続させ得る。
【0086】
ここで、前記第1〜第3案内ルート105,110,115が形成された前記振分案内部100を、前記第1ステージ部92の第1球転動面92a(傾斜面96)の前側に設けてあるので、該第1球案内面106(傾斜面96)から振分案内部100に移動するパチンコ球Pが視認し易い。しかも、前記第1ステージ部92の第1球案内面106と第2ステージ部122の第2球転動面122aとを前後にずらして設けると共に、該第2球転動面122aの上方に離間する位置に振分案内部100を設けてある。従って、前記第2ステージ部122の第2球転動面122aの上方のスペースを有効利用して振分案内部100(第1〜第3案内ルート105,110,115)を設けることができ、ステージ90構成のコンパクト化を図ることができ、枠状装飾体40の窓口40a内に臨む図柄表示装置18の視認性を損なうことはない。
【0087】
また、前記傾斜面96には、前記第1案内ルート105と第3案内ルート115とを区画する右側区画壁103と整列する位置に、上方に突出する突出部96cが形成されている。このため、第1ステージ部92上のパチンコ球Pは、前記傾斜面96上において右側区画壁103の左左右何れか側方で収束する。すなわち、前記右側区画壁103の左側で収束したパチンコ球Pは、前記第1案内ルート105または第2案内ルート110の何れかに移動する一方で、該右側区画壁103の右側で収束したパチンコ球Pは、前記第3案内ルート115に移動する、該傾斜面96上において突出部96cを越えて左右に転動するパチンコ球Pの動きに対して遊技者の関心が強く惹き付けられる。このため、前記第1ステージ部92(第1球転動面92aの傾斜面96)に到来したパチンコ球Pが切欠口97を介して移動する案内ルート105,110,115は、前記突出部96cにより限定されるから、該第1ステージ部92上におけるパチンコ球Pの動きに対する関心を強く惹き付けることができる。しかも、前記突出部96cの左側(2つの案内ルートに接続する側部側)に収束したパチンコ球は、第1案内ルート105にパチンコ球Pが移動する可能性が高くなるから、前記第1ステージ部92上でのパチンコ球Pの動きの重要度が増し、パチンコ球Pの動きに対する関心を高められる。
【0088】
ここで、前記傾斜面96から第3接続口97c介して前記第3案内ルート115に移動したパチンコ球Pは、該第3接続口97cの前方位置に設けられた案内片118によって前記第3球案内面116上を始動入賞口27aから離間する方向へ案内されるものの、該第3球案内面116の傾斜によって始動入賞口27a側へ向けて移動する可能性がある。このため、前記第3案内ルート115にパチンコ球Pが移動した場合でも始動入賞口27aに対する入賞の期待感があり、第3案内ルート115に移動したパチンコ球Pの動きに対する遊技者の関心が失われることはない。
【0089】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、第1の球転動部(第1ステージ部)と第2の球転動部(第2ステージ部)とを備えた上下2段のステージを示したが、これに限られるものではなく、遊技球を左右方向に案内する球転動部を3段以上の備えるステージ構成も採用し得る。ここで、3段以上の球転動部を設けた構成では、下段側に遊技球が移動可能な何れかの上段側の球転動部(すなわち最下段に位置する球転動部を除く球転動部の何れか)に、第1〜第3案内ルートが接続するよう構成し、該上段側の球転動部の球転動面を転動する遊技球が、第1案内ルート、第2案内ルートまたは第3案内ルートの何れかに振り分けられるよう構成される。また、下段側に遊技球が移動可能な上段側の球転動部の全てに第1〜第3案内ルートを対応して設けるようにしてもよい。
(2) 実施例では、第1〜第3案内ルートを1つの連通部(切欠口)に接続するよう構成したが、これに限られるものではなく、第1の球転動部に対する第1〜第3案内ルートの各接続口を異なる位置に設けてもよい。また、第1〜第3案内ルートの内の2つが1つの連通部に接続するよう構成してもよい。
(3) 実施例では、第1の球転動部の前壁部に連通部(切欠口)を形成したが、該第1の球転動部に球転動面に上下に貫通するよう連通部を形成することも可能である。
(4) 第1〜第3案内ルートの構成・形態は、実施例に示したものに限られるものではない。すなわち、遊技領域における始動入賞口の直上で遊技球を排出するよう第1案内ルートが構成され、下段側の球転動部へ遊技球を案内するよう第2案内ルートが構成されると共に、遊技領域における始動入賞口の直上から外れた位置で遊技球を排出するよう第3案内ルートが構成されていれば、各案内ルートを遊技球が通過するパイプ形状に形成したり、その他遊技球を案内し得る構成・形態に形成することができる。
(5) 同様に、第2の球転動部に設けられる第4案内ルートおよび第5案内ルートの構成・形態に関しても、実施例に示したものに限られるものではない。すなわち、遊技領域における始動入賞口の直上で遊技球を排出するよう第4案内ルートが構成されると共に、遊技領域における始動入賞口の直上から外れた位置で遊技球を排出するよう第5案内ルートが構成されていれば、各案内ルートを遊技球が通過するパイプ形状に形成したり、その他遊技球を案内し得る構成・形態に形成することができる。
(6) 実施例では、下段に位置する第2の球転動部の球転動面を、上段側の第1の球転動部の球転動面より前側に位置するよう構成したが、該第2の球転動部の球転動面を、第1の球転動部の球転動面の後方に形配置してもよく、また第1の球転動部の球転動の真下に重なるよう配置してもよい。また、前記第1〜第3案内ルートに関しても同様に、前記第2の球転動部の球転動面の上方に離間する位置にする構成に限られるものでもない。
(7) 実施例では、前記第1の球転動部において第1案内ルートと第3案内ルートとを区画する区画壁と前後に整列する位置に、連通部から球転動面側に延出する突出部を形成したが、第1案内ルートと第2案内ルートとを区画する区画壁と前後に整列する位置に突出部を形成してもよい。この場合には、第1の球転動部上を第1案内ルート側で収束した遊技球は、該第1案内ルートまたは第3案内ルートから排出されるようになる。
(8) 実施例では、前記第1案内ルートの左側に第2案内ルートが位置すると共に、第1案内ルートの右側に第3案内ルートが位置するよう構成した、これに限られるものではなく、任意の配置にすることができる。
【0090】
(9) 実施例では、発光装飾部の凸レンズ部が1つの発光体の光照射方向前側を覆うよう構成したが、これに限られるものではなく、複数の発光体の光照射方向前側を凸レンズ部で覆うよう構成してもよい。
(10) 実施例では、発光装飾部のカバー部を保持部材と光透過体とから構成したが、これに限られるものではなく、筒状部における光照射方向前側の貫通口を覆うようカバー部を設けて、発光体の周りを囲うように配列された複数の光透過部が該光照射方向前側の貫通口に臨むよう備えた構成であればよい。
(11) 実施例では、遊技盤の裏側に配設された設置部材に光照射装置を配設して、該光照射装置に発光装飾部を構成する発光体および凸レンズ部を設けるよう構成したが、該発光体および凸レンズ部の夫々を枠状装飾体に設けるようにしてもよく、凸レンズ部のみを枠状装飾体に設けるよう構成することもできる。また反対に、実施例では、発光装飾部を構成する筒状部およびカバー部を枠状装飾体に設けるよう構成したが、該筒状部およびカバー部の夫々を設置部材側の光照射装置に設けるようにしてもよい。
(12) 実施例では、発光装飾部を枠状装飾体に設けるよう構成したが、これに限られるものではなく、遊技盤の前面に露出する位置であれば任意の位置に設けることができる。
【0091】
(13) 実施例では、枠状装飾体に固定台板および分離台板を設けて、該分離台板に非塗装部と塗装部と形成すると共に、該非塗装部における塗装部との境界に段差部を形成する構成を示したが、これに限られるものではく、固定台板に同様の非塗装部、塗装部および段差部を形成してもよい。
(14) 実施例では、分離台板の表面に露出するメッキ層が非塗装部を構成するよう構成したが、該分離台板のベース材自体を露出させて非塗装部を構成するようにしてもよい。すなわち、非塗装部は、塗装に較べて遊技球の接触により塗装剥げを来し難い手段により彩色された構成部分であればよい。
(15) 実施例では、段差部を非塗装部の前面に突出するよう形成したが、該非塗装部の前面に段差部を凹設するようにしてもよい。この場合でも、非塗装部における塗装部との境界に形成した段差部に台板の前面を通過する遊技球が接触して、該段差部を越えて非塗装部から塗装部に至る際の抵抗とすることができ、塗装部に至る遊技球の頻度を低減することが可能である。
(16) 実施例では、前記遊技盤の前面に当接した状態で固定される基体に対して着脱可能な分離台板に、非塗装部および塗装部の夫々を形成したが、少なくとも塗装部を基体から着脱可能な分離部材で形成するようにすれば、塗装部の塗装剥げが発生した場合に、該分離部材を交換するだけで枠状装飾体の本来の装飾性を回復することができる。
(17) 実施例では、前記非塗装部よりも前方へ突出する段差部を、該非塗装部および塗装部の境界に沿って連続的に延在するよう形成したが、これに限られるものではなく、該非塗装部および塗装部の境界に沿って断続的に段差部を形成するようにしてもよい。
(18) 実施例では、前記段差部における非塗装部側の側面を曲面形状に形成したが、これに限られるものではなく、任意の形状に形成することができる。すなわち、例えば、前記段差部における前記非塗装部側の側面を一様に傾斜する傾斜面に形成したり、該側面に凹凸部を形成してもよい。
(19) 実施例では、遊技盤に設けられた回転体による遊技球の放出方向に設けられた分離台板に段差部を設けるよう構成したが、枠状装飾体の開口側に塗装部が位置する関係で非塗装部と塗装部とが隣接して形成された台板に段差部を形成すればよい。
(20) 実施例では、回転体の回転に伴って放出される遊技球が描く放物線に近似した曲線で段差部が延在するよう形成したが、直線的に延在するよう段差部を形成したり、円弧を描くよう段差部を延在させることも可能である。すなわち、非塗装部における塗装部との境界に、段差部を任意の形態で形成することができる。
(21) 実施例では、図柄表示装置が開口(窓口)の内側に臨む枠状装飾体に設けられた台板に、非塗装部における塗装部との境界に段差部を形成したが、これに限られるものではない。すなわち、遊技盤の前面に固定される遊技盤設置部品の台板に対して、非塗装部と塗装部とを隣接して形成すると共に該非塗装部における塗装部との境界に段差部を形成して、遊技盤を透視保護する透明保護板と台板の段差部との間を遊技領域を流下する遊技球が通過可能に構成するようにしてもよい。すなわち、遊技盤に固定される各種入賞装置(始動入賞装置、一般入賞装置等)や遊技球が通過する球通過ゲート等のように、平板状の台板を介して遊技盤の前面に固定される遊技盤設置部品において、非塗装部、塗装部および段差部の夫々を形成するようにしても、該段差部を越えて非塗装部から塗装部に至る際の抵抗となり、塗装部に至る遊技球の頻度を低減することができ、当該塗装部の塗装剥げを抑制し得ると共に、台板に対する色彩を付与する形態の選択幅が広がり、枠状装飾体の装飾性向上を図り得る。この場合は、前記遊技盤設置部品において台板の外周縁側に非塗装部が位置する関係で非塗装部と塗装部とを隣接して形成することが、塗装部への遊技球の接触を低減する上でより好ましい形態となる。なお、前記一般入賞装置とは、遊技球の入賞により賞球の払出しのみが行なわれる入賞装置である。
【0092】
(22) 実施例では、遊技盤の裏側に箱状部材を設けるよう構成したが、該箱状部材を本体枠としての中枠に設置する構成も採用できる。
(23) 実施例では、遊技盤を木材板で形成したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から透明または不透明に形成するようにしてもよい。
(24) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
【符号の説明】
【0093】
18 図柄表示装置
20 遊技盤
20a 遊技領域
27 始動入賞装置
27a 始動入賞口
29 回転案内部材(回転体)
31 案内連釘(案内手段)
40 枠状装飾体
40a 窓口(枠状装飾体の開口)
41 基体
46 庇状部
51 第1の分離台板(台板)
57 メッキ部(非塗装部)
58 塗装部
59 段差部
59a 側面
P パチンコ球(遊技球)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が画成された遊技盤に、図柄表示装置が開口の内側に臨む枠状装飾体が配設されて、該枠状装飾体を遊技盤に固定する台板の前面を遊技球が通過可能に構成された遊技機において、
前記枠状装飾体の台板の表面には、該枠状装飾体の開口側に塗装部が位置する関係で非塗装部と塗装部とが隣接して形成されて、該非塗装部における塗装部との境界に段差部が形成されると共に、前記遊技盤を透視保護する透明保護板と台板の段差部との間を、前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能に構成された
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記枠状装飾体は、前記遊技盤の前面に当接した状態で固定される基体に対して着脱可能な台板を備え、少なくとも前記塗装部が該着脱可能な台板に形成された請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記段差部は、前記非塗装部よりも前方へ突出し、該非塗装部および塗装部の境界に沿って延在するよう形成された請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記段差部における前記非塗装部側の側面は、該側面の接線と前記遊技盤との交差角度が当該側面の遊技盤側端縁部から突出端部に至るにつれて漸増する曲面形状に形成された請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
前記枠状装飾体は、該枠状装飾体の開口の側方および上方を囲繞する庇状部が前記遊技盤の前面より前方へ突出するよう設けられて、該庇状部の下端部の下方に位置する前記台板に前記段差部が設けられると共に、
前記遊技盤は、
前記枠状装飾体の下方位置に配設され、遊技球の入賞を契機として前記図柄表示装置での図柄変動が開始される始動入賞装置と、
前記段差部の側方で、かつ前記始動入賞装置より上方に配設されると共に、前記遊技領域を流下する遊技球の接触に伴って回転可能に軸支され、回転により遊技球を段差部側に放出可能な回転体と、
前記始動入賞装置および回転体の間に延在するよう設けられて該始動入賞装置に向けて下方傾斜し、該回転体の回転により前記段差部側に放出された遊技球を始動入賞装置へ案内する案内手段とを備えた請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記段差部は、前記回転体の回転に伴って放出される遊技球が描く放物線に近似した曲線で形成されている請求項5記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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