遊技機
【課題】一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機において、遊技中に使用される遊技球が減少したことを判断できる遊技機を提供する。
【解決手段】封入式遊技機で使用する全ての遊技球にRFタグ70を設け、一方、遊技機1には、RFタグ70に遊技球識別情報を書き込むRFタグライタ39wと、RFタグ70の遊技球識別情報を読み取るRFタグリーダ27r、34rとを設ける。そして、遊技機1の遊技中に発射不能な遊技球があるか否かを、RFタグリーダ27r、34r両者の遊技球識別情報の読み取り状況により、遊技機1に使用される全ての遊技球1個ずつについて判断すると共に、発射不能な遊技球があると判断されたときは、新たな遊技球を補給し、該補給された遊技球にRFタグライタ39wが遊技球識別情報を書き込む。
【解決手段】封入式遊技機で使用する全ての遊技球にRFタグ70を設け、一方、遊技機1には、RFタグ70に遊技球識別情報を書き込むRFタグライタ39wと、RFタグ70の遊技球識別情報を読み取るRFタグリーダ27r、34rとを設ける。そして、遊技機1の遊技中に発射不能な遊技球があるか否かを、RFタグリーダ27r、34r両者の遊技球識別情報の読み取り状況により、遊技機1に使用される全ての遊技球1個ずつについて判断すると共に、発射不能な遊技球があると判断されたときは、新たな遊技球を補給し、該補給された遊技球にRFタグライタ39wが遊技球識別情報を書き込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定数の遊技球を循環して遊技を行うパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、一定数の遊技球を循環して遊技を行う「封入式遊技機」と呼ばれる遊技機がある。また、パチンコ機等の遊技機を設置する島には、一台の遊技機のみを設置して、該遊技機で一定数の遊技球を循環させる「単島」と呼ばれる島がある。これらの封入式遊技機や、単島に設置される遊技機においては、同じ遊技球が何回も循環されるようになっている。
【0003】
しかし、このような遊技機においては、遊技球が、遊技盤面で停止したり、遊技機の裏機構で停止したりして球詰まりを起こすと、或いは、遊技機の点検等、何らかの原因で遊技球が遊技機から抜け落ちてしまうと、遊技領域に発射できる遊技球の数が減少し、その結果、遊技に支障を来す虞がある。
【0004】
そこで、このような不都合に対処するため、発射装置の待機流路に球不足検出センサを設け、この球不足検出センサが所定時間遊技球を検出できなかった場合には、遊技球が不足していると判断する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、遊技球の循環通路に遊技球研磨装置が設けられている場合には、電源オフ時に行う遊技球研磨装置の点検で遊技球が抜け落ちる可能性が高いため、電源投入時に循環通路に設けた複数のスイッチのオンオフ状態を判別することにより、遊技球が不足しているか否かを判断する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−95165号公報
【特許文献2】特開2009−297149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1によれば、発射できる遊技球の数が所定数以下になったとき、球不足検出センサが所定時間遊技球を検出できなくなり、これにより遊技球が不足していると判断するものである。しかしながら、球詰まりを起こしている遊技球や抜け落ちている遊技球が少ない場合には、残りの遊技球の循環により、遊技球が不足していると判断しない場合があり、従って、このような場合には、発射可能な遊技球が減少していることを発見できないという問題点がある。また、特許文献2では、電源投入時しか遊技球が不足しているか否かを判断していないため、遊技中に何らかの原因で発射可能な遊技球が減少しても発見できないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記した課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機において、遊技中に使用される遊技球が減少したことを判断できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような問題を解決するために、本発明の遊技機は、請求項1に記載したように、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、前記遊技球には、それぞれ相違する情報データを含む識別情報が設けられ、該遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記識別情報から前記情報データを読み取る読取装置と、該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項2に記載の遊技機は、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、前記遊技球には、情報データを書き込み可能なデータ記憶手段が設けられ、該データ記憶手段にそれぞれ相違する前記情報データを書き込む書込装置と、外部から前記遊技球を補給する補給手段と、前記遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記データ記憶手段から前記情報データを読み取る読取装置と、該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、を備え、前記書込装置は、前記補給手段により補給された前記遊技球に前記情報データを書き込むことを要旨とする。
【0010】
また、請求項3に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記書込装置が書き込む前記情報データは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データを割り振るようにしたことを要旨とする。
【0011】
また、請求項4に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記書込装置が前記第2記憶手段に記憶されていない新たな前記情報データを書き込むときは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データが前記第2記憶手段の記憶から削除されることを要旨とする。
【0012】
また、請求項5に記載の遊技機は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の遊技機において、前記補給手段は、前記遊技機に電源が投入されていないときは前記遊技球の補給を阻止する補給阻止手段を備えていることを要旨とする。
【0013】
また、請求項6に記載の遊技機は、請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機において、前記書込装置は、前記遊技機の電源投入時に作動することを要旨とする。
また、請求項7に記載の遊技機は、請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機において、前記書込装置を作動させる操作スイッチを備えたことを要旨とする。
【0014】
また、請求項8に記載の遊技機は、請求項7に記載の遊技機において、前記操作スイッチは、前記遊技機の電源投入時から所定時間の間にオン操作された場合のみ有効としたことを要旨とする。
【0015】
また、請求項9に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の遊技機において、前記読取装置は、前記循環経路における、前記発射装置から前記遊技球が発射される前の位置と、前記発射装置により発射後、前記遊技領域から前記遊技球が回収される位置との少なくとも一方に設けたことを要旨とする。
【0016】
また、請求項10に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の遊技機において、前記判断手段により前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断されたときは、その旨を表す信号を出力する出力手段を備えたことを要旨とする。
【0017】
また、請求項11に記載の遊技機は、請求項10に記載の遊技機において、前記出力手段による信号が出力されたときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球がある旨を報知する報知手段を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明は、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行うようになっている。
【0019】
また、遊技機は、読取装置と第1記憶手段とを備え、一方、遊技球には、それぞれ相違する情報データを含む識別情報が設けられ、この遊技球が遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、読取装置が、識別情報から情報データを読み取り、この読取装置が読み取った情報データを、第1記憶手段が記憶する。また、遊技機は、第2記憶手段を備えており、この第2記憶手段が、遊技球毎の情報データを予め記憶している。
【0020】
そして、遊技機は、判断手段を備えており、この判断手段が、第1記憶手段に記憶された情報データと、第2記憶手段に記憶された情報データとを比較し、つまり、読取装置が識別情報から読み取った遊技球の情報データと、予め記憶していた遊技球の情報データとを比較し、第2記憶手段に記憶された情報データが所定期間第1記憶手段に記憶されなかったときは、読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断する。
【0021】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機に使用される遊技球について読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断することができる。
請求項2の発明は、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行うようになっている。
【0022】
また、遊技機は、外部から遊技球を補給するための補給手段と書込装置を備え、一方、遊技球には、情報データを書き込み可能なデータ記憶手段が設けられ、書込装置が、データ記憶手段にそれぞれ相違する情報データを書き込む。つまり、書込装置により、遊技球には、それぞれ相違する情報データが書き込まれる。
【0023】
また、遊技機は、読取装置と第1記憶手段とを備え、この遊技球が遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、読取装置が、データ記憶手段から情報データを読み取り、この読取装置が読み取った情報データを、第1記憶手段が記憶する。また、遊技機は、第2記憶手段を備えており、この第2記憶手段が、遊技球毎の情報データを予め記憶している。
【0024】
また、遊技機は、判断手段を備えており、この判断手段が、第1記憶手段に記憶された情報データと、第2記憶手段に記憶された情報データとを比較し、つまり、読取装置がデータ記憶手段から読み取った遊技球の情報データと、予め記憶していた遊技球の情報データとを比較し、第2記憶手段に記憶された情報データが所定期間第1記憶手段に記憶されなかったときは、読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断する。
【0025】
そして、このように構成される遊技機において、書込装置は、それぞれ相違する情報データを、補給手段により補給された遊技球に書き込むようになっている。
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機に使用される遊技球について読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断することができる。また、遊技機は、書込装置を備えているので、遊技機に新たに遊技球を補給するときに、予め情報データを書き込んだ遊技球を遊技機毎に仕分けする必要がない。また、補給手段により容易に遊技球を補給できると共に、書込装置により補給された遊技球に情報データを迅速に書き込むことができる。即ち、遊技球を遊技機に補給する作業を、極めて容易且つ迅速にすることができる。
【0026】
ここで、補給された遊技球に書込装置が書き込む情報データは、次のようにするとよい。即ち、請求項3の発明は、書込装置が書き込む情報データは、第1記憶手段に所定期間記憶されなかった情報データ、つまり読取装置が所定期間読み取れなかった遊技球の情報データを割り振るようにしている。
【0027】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、新たな遊技球の情報データを発行する必要がなく、その結果、情報データが増えるのを防止して管理し易くなる。
或いは、補給された遊技球に書込装置が書き込む情報データは、次のようにしてもよい。即ち、請求項4の発明は、書込装置が書き込む情報データは、第2記憶手段に記憶されていない新たな情報データとしている。そして、この際、第1記憶手段に所定期間記憶されなかった情報データ、つまり読取装置が所定期間読み取れなかった遊技球の情報データは、第2記憶手段の記憶から削除されるようにしている。
【0028】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、余分な情報データを持つ必要がなくなり、第2記憶手段が記憶する情報データの数は増えることがなく、その結果、第2記憶手段の記憶容量を小さくすることができ、コストダウンとなる。
【0029】
請求項5の発明は、補給手段は、補給阻止手段を備えており、この補給阻止手段が、遊技機に電源が投入されていないときは遊技球の補給を阻止する。つまり、この補給阻止手段により、遊技機に電源が投入されていないときは遊技球の補給を阻止し、遊技機に電源が投入されているときは遊技球の補給を許容する。
【0030】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機の電源が入っていないことによる書込装置による情報データの書き込み不可を防止でき、その結果、補給された遊技球への情報データの書き込みを確実なものにしている。
【0031】
請求項6の発明は、書込装置は、遊技機の電源投入時に作動するようにしている。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、情報データが書き込まれていない遊技球による遊技を防止することができると共に、営業中に書込装置を誤って作動させて、遊技球の情報データを書き換えてしまうことを防止することができる。
【0032】
請求項7の発明は、遊技機が、書込装置を作動させる操作スイッチを備えている。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技場は、所望の時期に操作スイッチをオン操作するだけで容易に情報データを遊技球に書き込むことができる。
【0033】
請求項8の発明は、操作スイッチは、遊技機の電源投入時から所定時間の間にオン操作された場合のみ有効としている。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、営業中に書込装置を作動させる操作スイッチを誤ってオン操作し、遊技球の情報データを書き換えてしまうことを防止することができる。
【0034】
ここで、読取装置を遊技機のどの位置に何個配置するかが問題となるが、これは、次のようにするとよい。即ち、請求項9の発明は、読取装置は、循環経路における、発射装置から遊技球が発射される前の位置と、発射装置により発射後、遊技領域から遊技球が回収される位置との少なくとも一方に設けるようにしている。
【0035】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機は、遊技機のどこで遊技球が詰まっているかが判るようになる。なお、この読取装置は2個以上設けてもよく、このようにした場合には、詰まった遊技球の箇所をより特定し易くなる。
【0036】
請求項10の発明は、遊技機は、出力手段を備えており、この出力手段が、判断手段により読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断されたときは、その旨を表す信号を出力する。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技場は、読取装置で読み取りできなかった遊技球があることを知ることができる。
【0037】
請求項11の発明は、遊技機は、報知手段を備えており、この報知手段が、出力手段による信号が出力されたときは、読取装置で読み取りできなかった遊技球がある旨を報知する。これにより、遊技場は、読取装置で読み取りできなかった遊技球があることを容易に理解することができ、当該遊技機の遊技球の検査や確認作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係わる遊技機1の全体斜視図である。
【図2】本実施形態に係わる遊技盤21の正面図である。
【図3】本実施形態に係わる表示集合板45の正面図である。
【図4】本実施形態に係わる打球発射装置43の構成を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係わる遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100の要部ブロック図である。
【図6】本実施形態に係わる遊技機制御装置100を構成する演出制御基板111を示すブロック図である。
【図7】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する電源投入処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報書込処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報記憶処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込エラー処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係わる遊技球毎に書き込まれる識別情報を示す説明図である。
【図14】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態に係わるRAM141に記憶されるRFタグリーダ27r、34rが読み取った遊技球識別情報を示す説明図である。
【図17】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する電源オフ処理を示すフローチャートである。
【図18】他の実施形態に係わる遊技機1の全体斜視図である。
【図19】他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャートである。
【図20】他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明を実施するための形態を図を用いて説明する。図1は、遊技機1の全体斜視図、図2は、遊技盤21の正面図、図3は、表示集合板45の正面図、図4は、打球発射装置43の構成を示す説明図、図5は、遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100の要部ブロック図、図6は、遊技機制御装置100を構成する演出制御基板111を示すブロック図である。
【0040】
本実施形態の遊技機1は、一定数の遊技球(例えば30個)を循環して遊技を行う封入式遊技機であって、図1乃至図5に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する着脱自在に装着される遊技盤21と、遊技盤21の前面側に開閉自在に装着されるガラス扉枠17と、ガラス扉枠17の下方に配置される皿ユニット24と、ガラス扉枠17の上方に配置され入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知する遊技効果ランプ15とが設けられている。また、内枠23の右上部には、遊技盤21で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に点灯する、エラーLED29aが設けられている。
【0041】
遊技盤21には、後述する打球発射装置43によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球が再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間に戻ってファール球が発生するのを防止するファール球防止弁28と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、演出図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)や所定の遊技状態(例えばリーチ)になったときに様々な演出表示を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された演出図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって演出図柄表示装置6及び後述の特別図柄表示装置47に演出図柄の変動表示及び特別図柄の変動表示を開始させるチャッカー型の始動入賞口11a、電動チューリップ型の始動入賞口11b(以下、両者を単に始動入賞口11ともいう)と、演出図柄表示装置6が演出図柄(特別図柄表示装置47が特別図柄)の変動表示中又は大当り中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、演出図柄表示装置6内において所定の画像を表示する表示部30と、この表示部30において3つの演出図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、演出図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18(図3参照)に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19と、入賞することによって賞品球に相当する後述のクレジット数が与えられる普通入賞口14と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、所定の遊技状態になると回転する星型の可動物32と、所定の遊技状態になると下方に移動するオバケ型の3つの可動物31と、所定の遊技状態になると点灯等の表示を行うLEDが集められた表示集合板45とが設けられている。
【0042】
次に、図3を参照して、遊技領域5の左側中ほどに遊技領域形成レール4に沿って設けられる表示集合板45には、上部に特別図柄を変動表示する7セグメントLEDで構成された特別図柄表示装置47と、特別図柄表示装置47下部の右側に配置され、確率変動状態時に点灯する確変LED48aと時短状態時に点灯する時短LED48bから構成される確変時短表示装置48と、特別図柄表示装置47及び確変時短表示装置48の下側に三連状に配置され、大当りのラウンド数を点灯表示する3つのラウンド表示LED46a、46b、46cから構成されるラウンド表示装置46と、ラウンド表示装置46の下側に配置され、普通図柄を変動表示すると共に、当りである場合に始動入賞口11bとしての電動チューリップの羽根を所定時間開放させる当りLED18aとはずれLED18bで構成される普通図柄表示装置18と、普通図柄表示装置18の下側に配置され、普通図柄表示装置18が普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED26とが設けられている。
【0043】
図1に戻って、内枠23に設けられた皿ユニット24には、遊技者が操作することにより後述する打球発射装置43(発射ソレノイド43a、球送りソレノイド43b)を作動させる打球操作ハンドル2と、遊技球を打球発射装置43に供給するための打球供給皿12と、遊技者が獲得した遊技球数の情報等を表示する情報表示部13とが設けられている。また、皿ユニット24の右上部には、皿ユニット24の背面側に設けられる後述の球供給通路37で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に点灯する、エラーLED29bが設けられている。
【0044】
打球供給皿12には、遊技者が所定の遊技状態になったときに操作するプッシュ式の演出ボタン51と、遊技機1に隣接して設けられる図示しないカードユニットから挿入したプリペイドカードを返却させる返却ボタン58と、プリペイドカードの残度数を表示する度数表示器が設けられる度数表示基板61と、プリペイドカードの残度数の範囲内で後述のクレジット表示装置33にクレジット数を転送して、遊技機1から打球供給皿12に遊技球を貸し出す球貸ボタン59とが設けられている。また、打球供給皿12の上面には、遊技球の飛び出しを防止すると共に、遊技者が遊技球に触れることを防止するための透明な蓋12aが設けられている。なお、演出ボタン51は、内部にランプやLED等を設けて所定の遊技状態になったら点灯するように構成してもよい。
【0045】
情報表示部13には、遊技者が獲得した遊技球(クレジット)数を表示するクレジット表示装置33と、遊技者が遊技を終了するときに操作するクレジット精算ボタン35と、クレジット精算ボタン35が操作されたときにクレジット数を記憶したクレジットカードを発行したり、発行されたクレジットカードを挿入したりするクレジットカード装置36とが設けられている。クレジット表示装置33は、リアルタイムでクレジット数を1個単位でデジタル表示する、6個の7セグメントLEDで構成される表示装置であり、遊技球の入賞口への入賞により賞品球数に相当するクレジット数が加算されると共に、球貸ボタン59が操作されたときに規定クレジット数が加算され、一方、遊技領域5に打ち出された遊技球数に相当するクレジット数が減算される。また、クレジットカード装置36は、予め所定枚数の生カードがストックされており、クレジット精算ボタン35操作時に、1枚の生カードにクレジット数が記憶されて排出され、一方、この排出されたクレジットカードをクレジットカード装置36に挿入すると、そのクレジットカードに記憶されたクレジット数がクレジット表示装置33に表示され、これにより遊技者は、所望の遊技機1にて遊技をすることが可能となる。つまり、遊技機1は、クレジット表示装置33に表示されたクレジット数だけ遊技球が発射可能になっている。
【0046】
なお、上記したプリペイドカードやクレジットカードは限定されるものではなく、例えばコイン等、他の媒体で構成するようにしてもよい。また、上記の説明では、プリペイドカードをカードユニットに、クレジットカードをクレジットカード装置36(遊技機1)に挿入する態様で説明したが、これは限定されるものではなく、例えば両者をカードユニット又は遊技機1に挿入して処理する態様にしてもよく、さらにプリペイドカード及びクレジットカードを、両者の機能を持ち合わせた1つの媒体で構成するようにしてもよい。
【0047】
ここで、図4を参照しながら、皿ユニット24の背面側に設けられる打球発射装置43の構成について説明する。打球発射装置43は、ベース板41に構成部品が集約して設けられており、その中央部には球供給通路37が形成されている。球供給通路37は、略つ字状に形成され、その上部には、アウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された遊技球が流入する幅広状の球入口38が形成されている。なお、この球入口38は、遊技機1の点検で遊技球を抜いたときや、何らかの原因(ガラス扉枠17や内枠23を開放したときや、遊技機1裏側の部品を修理点検したとき等)で遊技球が規定数から減少したとき等に、遊技球を補給するための球補給口としての機能も兼ねている。
【0048】
球供給通路37の終端部には、球送りソレノイド43bが設けられており、球入口38から流入して球供給通路37を転動流下する遊技球は、この球送りソレノイド43bにより、一旦、球供給通路37内で停止するようになっている。これにより、球供給通路37内には、図4に示すように、複数の遊技球が一列に整列して貯留されることになる。また、球供給通路37の終端部には、遊技球に設けられた後述するRFタグ70に遊技球識別情報を書き込むためのRFタグライタ39wが設けられている。このRFタグライタ39wは、後述する識別情報書込スイッチ150が操作されたときに、遊技球に設けられたRFタグ70に、所定の遊技球識別情報を書き込む。なお、RFタグライタ39wは、識別情報書込スイッチ150の操作に替えて、遊技機1の電源ON時に、RFタグ70に所定の遊技球識別情報を書き込むようにしてもよい。
【0049】
図中、49は、球発射口であり、球供給通路37内で整列していた遊技球は、球送りソレノイド43bの駆動により1個ずつ球供給通路37から排出されて球発射口49に流下する。図中、43aは、発射ソレノイドであり、球発射口49に流出した遊技球は、発射レール50の発射位置まで流下して停止し、発射ソレノイド43aの駆動により遊技領域5に向かって打ち出される。球送りソレノイド43bと発射ソレノイド43aは、交互にタイミングよく駆動制御されることで、遊技球を所定間隔で1個ずつ発射することが可能になっている。ここで、球発射口49の右奥側壁には、RFタグリーダ34rが設けられており、このRFタグリーダ34rは、発射ソレノイド43aにより発射される遊技球(発射位置の遊技球又は発射位置直前の遊技球)の後述するRFタグ70から遊技球識別情報を読み取るようになっている。なお、発射される速度が遅くファールとなった遊技球は、図示しないリフトや経路を通って、再び球供給通路37に導出され発射されるようになっている。
【0050】
一方、球供給通路37の始端部側壁には、つまり、球入口38との接続部分には、RFタグリーダ27rが設けられており、このRFタグリーダ27rは、球入口38から球供給通路37に流入してくる遊技球、つまり、アウト口16に回収された遊技球や入賞口に入賞した遊技球、或いは、店員等によって補給された遊技球の後述するRFタグ70から遊技球識別情報を読み取るようになっている。さらに、球供給通路37のRFタグリーダ27rと反対側には、球流下ソレノイド52が設けられており、この球流下ソレノイド52は、遊技機1の電源がオンされているときは、球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を許容し、遊技機1の電源がオフされているときは、球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を阻止するようになっている。
【0051】
上記したように構成される遊技機1は、プリペイドカード等を挿入して球貸ボタン59を操作したり、クレジット数が記憶されたクレジットカードをクレジットカード装置36に挿入したりしてクレジット表示装置33にクレジット数が表示された後、打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置43から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。打球発射装置43から発射される遊技球は、発射される前にRFタグリーダ34rにより遊技球識別情報が読み取られる。また、打球発射装置43から発射される速度が遅くファール球防止弁28を通過しない遊技球は、遊技領域5に打ち出されることなく、再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通ってファール球として処理され、再び打球発射装置43から発射される。
【0052】
遊技領域5に打ち出された遊技球は、後述する発射球スイッチ117により検出され、この検出された遊技球数に相当するクレジット数が減算されてクレジット表示装置33に表示される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収される。そして、これらアウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された遊技球は、打球発射装置43の球入口38に誘導され、球入口38から球供給通路37に流下するとき、RFタグリーダ27rにより遊技球識別情報が読み取られながら、再び球供給通路37に集められて遊技領域5に向かって打ち出される。
【0053】
遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、後述する左入賞口スイッチ122a、又は右入賞口スイッチ122bにより遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。そして、後述する始動入賞口スイッチ116a、又は116bにより遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
【0054】
また、遊技球が始動入賞口11に入賞すると、演出図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に複数種類(例えば20種類)の演出図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に演出図柄を停止させて確定表示を行い、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが停止した時点で大当りを構成する演出図柄の組合せ(例えば、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが同一の演出図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、演出図柄表示装置6の表示部30にて所定のリーチアクションが演出表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の演出図柄が停止した時点で確定表示された演出図柄が予め定められた大当り演出図柄の組合せである場合には大当りとなり、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放するようになっている。そしてこれら以外の演出図柄の組合せである場合には、はずれとなる。なお、遊技球が大入賞口7に入賞した場合には、後述する大入賞口スイッチ123により遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
【0055】
ここで、演出図柄表示装置6に演出図柄を変動表示させる過程で、所定の遊技状態になった場合、例えばリーチになった場合には、所定の割合で演出図柄表示装置6にて遊技者に演出ボタン51を所定の態様で操作させる演出表示が実行されるようになっている。なお、演出図柄表示装置6にて左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10の演出図柄を停止させる順序は特に限定するものではなく、また、大当り以外に、中当りや小当りを設け、大入賞口7(アタッカ)を所定の態様で開放するようにしてもよい。
【0056】
また、遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、演出図柄表示装置6が作動するのと同時に特別図柄表示装置47が作動して特別図柄が変動表示され、この特別図柄の変動表示は、演出図柄表示装置6にて変動表示されていた演出図柄が停止して確定表示されたとき、同時に停止して確定表示される。つまり演出図柄表示装置6の変動表示と特別図柄表示装置47の変動表示は同期する。なお、特別図柄表示装置47の変動表示は、7セグメントLEDのセグメントを所定の順序で点灯させていくことで実行している。
【0057】
そして演出図柄表示装置6にて、はずれ又は大当り図柄が確定表示されたときは、特別図柄表示装置47にも予め定められたはずれ又は大当り図柄が表示される。また、特別図柄表示装置47において、はずれのときの特別図柄は1種類であり、一方、大当りの特別図柄は複数種類(例えば20種類)設けられており、これら大当りの特別図柄はそれぞれ大当りの遊技内容(例えばラウンド数、確率変動や時短の有無及び回数等)が異なるようになっている。なお、始動入賞口11aに入賞したときと、始動入賞口11bに入賞したときとで大当りなる確率や、所定の遊技内容の大当りになる確率を異ならせるようにしてもよい。また、特別図柄表示装置47にてはずれの特別図柄や大当りの特別図柄の種類は特に限定されるものではなく、例えば、はずれの特別図柄を複数種類設けるようにしてもよい。
【0058】
また、大当りになると、ラウンド表示装置46のラウンド表示LED46a、46b、46cが当該大当りのラウンド数に応じて点灯する。例えば、今回の大当りの特別図柄が4ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46aが点灯し、大当りの特別図柄が7ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46bが点灯し、大当りの特別図柄が15ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46b、46cが点灯するといった具合である。もちろん、これらラウンド表示LED46a、46b、46cが点灯する組合せは、大当りの特別図柄に応じて適宜設定するようにすればよい。
【0059】
さらに、大当りの特別図柄が確率変動大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇する遊技状態(確変状態)になり、この確変状態になっているときは、確変時短表示装置48の確変LED48aが点灯する。また、大当りの特別図柄が時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(時短状態)になり、この時短状態になっているときは確変時短表示装置48の時短LED48bが点灯する。また、大当りの特別図柄が確率変動且つ時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇且つ特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(確変時短状態)になり、この確変時短状態になっているときは、確変LED48aと時短LED48bが点灯する。そして、大当りの特別図柄がこれら以外の通常大当りである場合には、確変LED48aと時短LED48bは点灯しない。
【0060】
また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、後述する普通作動ゲートスイッチ121によって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、所定時間経過後当りLED18aが点灯して所定の当り図柄(例えば「◎」)が確定表示されれば当りとなり、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根を所定時間開放し、一方所定時間経過後はずれLED18bが点灯して所定のはずれ図柄(例えば「×」)が確定表示されればはずれとなる。なお、遊技状態が確変状態や時短状態になっているときに普通図柄が当りとなったときは、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長するようにしてもよい。この電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長する態様は、例えば羽根を複数回開放して開放時間を延長したり、1回の羽根の開放時間を延長したりすればよく、ただしこの場合、所定個数(例えば8個)の遊技球が入賞したら羽根を閉じるようにすればよい。
【0061】
従って、このような遊技機1を遊技する遊技者は、遊技球が始動入賞口11に入賞したときは大当りを期待することができるので、演出表示のない特別図柄表示装置47の特別図柄よりも、極めて演出効果の高い演出図柄表示装置6に変動表示される演出図柄を注視することになる。そして、演出図柄表示装置6に大当りを構成する演出図柄の組合せが停止して遊技状態がリーチになったときは、遊技者が最も期待する瞬間となり、このとき演出図柄表示装置6に演出ボタン51を操作させる演出が表示されたときは、遊技者は大当りを獲得すべく演出ボタン51を懸命に操作することになる。これにより遊技に参加することができるという満足感を遊技者に与えて遊技機1の趣向性が向上する。
【0062】
次に遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100を図5を用いて説明する。遊技機制御装置100は図5に示すように構成され、遊技機制御装置100を主に構成する主制御基板44は、図示していないが、入力回路、出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ及びこれらを接続するバス(データバス、アドレスバス、コントロールバス等)とを備えており、入力回路を介して取得した各センサやスイッチ等からの信号に基づいて、ワンチップマイクロコンピュータが出力回路に接続されている各種回路や機器等を制御するための所定の制御プログラムを実行する。また、ワンチップマイクロコンピュータは、制御プログラムを実行するCPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM及びCPUが処理するデータを一時的に記憶するRAMが内蔵されている。
【0063】
主制御基板44の入力回路には、電源基板53及びクレジット制御基板40と、始動入賞口11に設けられた遊技球の入賞を検出すると演出図柄及び特別図柄の変動開始信号及びクレジット加算信号を送る始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116bと、普通図柄作動ゲート19に設けられた遊技球の通過を検出すると普通図柄の変動開始信号を送る普通作動ゲートスイッチ121と、大入賞口7に設けられ、大入賞口7を開放することにより大入賞口7内に入賞した遊技球を検出するとクレジット加算信号を送る大入賞口スイッチ123と、普通入賞口14に入賞した遊技球を検出するとクレジット加算信号を送る左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b(左入賞口スイッチ122aは左側の3つの普通入賞口14に、右入賞口スイッチ122bは右側の普通入賞口14に対応)と、ファール球防止弁28の近傍に設けられ、遊技領域5に打ち出された遊技球を検出するとクレジット減算信号を送る発射球スイッチ117とが接続されている。
【0064】
主制御基板44の出力回路には、演出制御基板111及びクレジット制御基板40と、大入賞口7としてのアタッカを開口動作するための大入賞口ソレノイド106と、始動入賞口11bとしての電動チューリップを開放動作するための普通電動ソレノイド107と、図示しないドライバ回路を経由して7セグLEDとしての特別図柄表示装置47と、当りLED18a及びはずれLED18bからなる普通図柄表示装置18と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
【0065】
クレジット制御基板40及び発射基板42は、上記した主制御基板44と同様に、入出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ等を備えて構成されている。クレジット制御基板40の入出力回路には、電源基板53、発射基板42及び主制御基板44と、ガラス扉枠17が開放されると扉開放信号を送る扉開放スイッチ124と、内枠23が開放されると枠開放信号を送る枠開放スイッチ125と、打球発射装置43の発射ソレノイド43a及び球流下ソレノイド52と、情報表示部13のクレジット表示装置33、クレジット精算ボタン35及びクレジットカード装置36と、打球供給皿12の返却ボタン58、球貸ボタン59及び度数表示基板61とが接続されている。
【0066】
また、発射基板42の入出力回路には、クレジット制御基板40と、打球操作ハンドル2が回動操作されて遊技球が発射される時にオンするタッチセンサ119と、打球操作ハンドル2の所定箇所に設けられ押圧操作することにより打球発射装置43の作動をオフさせて遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ120と、打球発射装置43の球送りソレノイド43bとが接続されている。
【0067】
次に、演出制御基板111について、図6を参照しながら説明する。演出制御基板111は、所定の制御プログラムを実行するCPU140、CPU140が実行する制御プログラムを格納するROM142及びCPU140の作業領域を構成するRAM141等からなるワンチップマイクロコンピュータを備えている。また、演出制御基板111は、LCDとしての演出図柄表示装置6に演出表示する画像を制御するVDP143、VDP143が読み出す各コマンドに対応した表示制御データ(変動パターン等)及びキャラクタや図柄や背景等が記憶された画像データ用のCGROM145、VDP143が処理する画像データ等を一時的に記憶保持するための記憶エリアを備えたVRAM144を備えている。これらのCPU140、RAM141、ROM142、VDP143、VRAM144及びCGROM145は、バス115により接続されている。また、バス115と接続される入出力回路147には、電源が切られた場合でもRAM141及びVRAM144の記憶内容を所定時間保持可能なRAM、VRAMバックアップ回路146が接続されている。
【0068】
即ち、演出制御基板111は、主制御基板44のCPUから一方向のストローブ信号や表示制御用コマンド信号等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、表示制御用CPU140は表示制御用コマンドを認識する。するとVDP143は、この表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄や背景等をCGROM145から読み出し、上記画像データを一時記憶するVRAM144に格納する。そしてVDP143は、この格納された画像データを、表示順がくるとVRAM144から読み出し、CPU140からの指令に応じて所定の態様でLCD(演出図柄表示装置6)に演出表示する。
【0069】
また、入出力回路147には、演出図柄表示装置6と、操作されたときに操作信号を送る演出ボタン51と、各種の効果音を拡声させるためのスピーカ113と、オバケ型の可動物31を落下動作するための演出モータ105と、星型の可動物32を回転動作するための演出モータ108と、各種のLEDやランプ(例えば、保留LED25や遊技効果ランプ15)と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
【0070】
さらに、入出力回路147には、エラーLED29a、29bと、識別情報書込スイッチ150と、RFタグリーダ27r、34rと、RFタグライタ39wとが接続されている。エラーLED29aは、遊技盤21の表側や裏側で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に、例えば赤色に点灯して、その旨を外部に報知するLEDであり、エラーLED29bは、皿ユニット24背面側の球供給通路37で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に、例えば青色に点灯して、その旨を外部に報知するLEDである。
【0071】
識別情報書込スイッチ150は、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチであって、遊技機1に電源が投入されてから所定時間(例えば3分)以内に操作されたときのみ有効となる。識別情報書込スイッチ150が有効に操作されると、RFタグライタ39wが遊技球に設けられたRFタグ70に遊技球識別情報を書き込む。
【0072】
つまり、RFタグライタ39wは、識別情報書込スイッチ150が有効に操作されると起動し、RFタグライタ39wが発生するRFフィールド内に遊技球が入ってくると、無線によりRFタグ70に電力と遊技球識別情報を送信する。RFタグ70は、電池を内蔵していないパッシブタイプであって、電気的に書き換え可能なEEPROM71を備えており、RFタグライタ39wからの無線による送信電力により起動して、RFタグライタ39wから無線送信された遊技球識別情報を受信してEEPROM71に記憶する。これにより、遊技球のRFタグ70に所定の遊技球識別情報が書き込まれる。さらに、RFタグライタ39wは、RFタグ70からEEPROM71に記憶された遊技球識別情報を無線送信により受信して読み取る機能も備えている。
【0073】
ここで、上述したように、RFタグライタ39wは、球供給通路37の直ぐ上側に設けられ、この球供給通路37内は、図4に示したように、遊技球が整列して貯留されている。従って、複数のRFタグ70からRFタグライタ39wへのデータの通信が衝突することがなく、これにより、RFタグライタ39wに、これらデータの衝突を回避するためのアンチコリジョン等の機能を備える必要がない。
【0074】
RFタグリーダ27rは、打球発射装置43の球供給通路37に流入する遊技球の遊技球識別情報を読み取り、RFタグリーダ34rは、打球発射装置43から発射される遊技球の遊技球識別情報を読み取る装置であって、これらのRFタグリーダ27r、34rが発生するRFフィールド内に遊技球が入ってくると、無線によりRFタグ70に電力を送信する。RFタグ70は、RFタグリーダ27r、34rからの無線による送信電力により起動して、EEPROM71に記憶している遊技球識別情報を読み出してRFタグリーダ27r、34rに無線送信する。RFタグリーダ27r、34rは、RFタグ70から無線送信された遊技球識別情報を受信して、RAM141の所定の記憶エリアに受信した遊技球識別情報を順次記憶する。
【0075】
ここで、上述したように、RFタグリーダ27rは、球供給通路37の始端部側壁に設けられ、RFタグリーダ34rは、球発射口49の右奥側壁に設けられており、これらRFタグリーダ27r、34rが設けられている箇所は、遊技球が1個ずつ通過するようになっている。従って、複数のRFタグ70からRFタグリーダ27r、34rへのデータの通信が衝突することがなく、これにより、RFタグリーダ27r、34rに、これらデータの衝突を回避するためのアンチコリジョン等の機能を備える必要がない。
【0076】
なお、演出制御基板111は、演出制御基板111を構成する各種装置の機能や配置及び各CPU140の処理速度やROM142、RAM141等の記憶装置の容量等に応じて適宜設計すればよい。
【0077】
次に、このように構成された遊技機1にて実行される本発明の特徴的な処理について、図7乃至図17を参照しながら詳述する。図7は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報処理を示すフローチャート、図8は、演出制御基板111のCPU140が実行する電源投入処理を示すフローチャート、図9は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報書込処理を示すフローチャート、図10は、演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込処理を示すフローチャート、図11は、演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報記憶処理を示すフローチャート、図12は、演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込エラー処理を示すフローチャート、図13は、遊技球毎に書き込まれる識別情報を示す説明図、図14は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャート、図15は、演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャート、図16は、RAM141に記憶されるRFタグリーダ27r、34rが読み取った遊技球識別情報を示す説明図、図17は、演出制御基板111のCPU140が実行する電源オフ処理を示すフローチャートである。なお、これらの処理は遊技機1の電源投入時から所定時間(例えば2msec)毎に繰り返し実行されるようになっている。
【0078】
図7を参照して、本発明の特徴的な演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報処理は、電源投入処理(ステップS10)、遊技球識別情報書込処理(ステップS20)、遊技中処理(ステップS80)、電源オフ処理(ステップS120)からなっている。この遊技球識別情報処理が実行されると、まずステップS10にて、遊技機1に電源が投入されたときに係わる図8に示す電源投入処理が実行される。この電源投入処理が実行されると、ステップS12にて、遊技機1に電源が投入されたか否かを判定し、ステップS12にてYESのときはステップS13に移行し、ここで、CPU140は、初期化処理として、スタックの設定や以下の処理に必要な各フラグ、各カウンタ、各レジスタ及びRAM141等の記憶エリアの初期化を行う。
【0079】
そして、ステップS14に移行し、球流下ソレノイド52をオンして球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を許容する。つまり、遊技機1の電源がオフされているときは、球流下ソレノイド52のプランジャが球供給通路37に突出して球入口38に遊技球を貯留する状態となっており、この状態から遊技機1の電源が投入されると、球流下ソレノイド52がオンして球供給通路37に突出していたプランジャが引っ込み、球入口38に貯留していた遊技球が1個ずつ球供給通路37に流入する状態となる。
【0080】
そして、ステップS15に移行し、識別情報書込スイッチ150がオン操作されたか否かを判定し、識別情報書込スイッチ150がオン操作されたときは、ステップS16に移行し、遊技機1に電源が投入されてから識別情報書込スイッチ150がオン操作されるまでの時間が、所定時間(例えば3分)以内か否かを判定する。そしてステップS16にてYESのときはステップS18に移行し、ここで上記ステップS15にてYESと判定された識別情報書込スイッチ150のオン操作を有効にする。そして、ステップS18の処理を終えると、又は、ステップS12、S15にてNOの場合には、この電源投入処理を終了する。
【0081】
つまり、図8に示す電源投入処理では、遊技機1の電源が入っていないと後述の遊技球への識別情報の書き込みができないので、遊技機1に電源が投入されてから球供給通路37への遊技球の流入を許容し、これにより、新しく補給された遊技球への識別情報の書き込みを確実なものにしている。また、遊技機1の電源がオフされているときに、何らかの原因で余分な規定外の遊技球が球入口38に入り込んでも、球供給通路37への侵入を阻止して球入口38に貯留することができ、従って電源投入時の点検等で、この余分な遊技球を取り除くこともできる。即ち、当該遊技機1に規定外の遊技球が使用されることも防止できる。加えて、遊技場の関係者以外の者が容易に識別情報書込スイッチ150をオン操作できないようにすると共に、営業中に誤って識別情報書込スイッチ150をオン操作して、遊技球の識別情報を書き換えてしまうことを防止するようにしているので、これにより、後述する当該遊技機1に使用される全ての遊技球について発射可能か否かの判断が容易且つ正確に行われる。
【0082】
また、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効になったときは、その旨を報知するように、例えば、識別情報書込スイッチ150(或いは、識別情報書込スイッチ150に対応して設けたLEDやランプ等)を点灯させるようにするとよい。このようにすれば、識別情報書込スイッチ150の操作者は、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効になったことを容易に確認できる。なお、ステップS16にてNOの場合には、即ち、遊技機1に電源が投入されてから識別情報書込スイッチ150がオン操作されるまでの時間が、所定時間を越えていた場合には、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、図8に示すように、ステップS12に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。
【0083】
図7に戻って、電源投入処理が終了すると、ステップS20に移行し、次に図9に示す遊技球識別情報書込処理が実行される。この遊技球識別情報書込処理が実行されると、まずステップS22にて、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効にされているか否かを判定し、ステップS22にてYESのときはステップS24に移行し、ここでRFタグライタ39wを起動し、ステップS25に移行して発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを所定回数駆動させる。このステップS25の処理は、遊技機1の全ての遊技球に、後述の欠落遊技球識別情報書込処理を行うための処理であり、つまり、遊技機1に電源が投入されたときは、通常、全ての遊技球(30個)が図4に示した球供給通路37内に整列しており、従って、これら全ての遊技球をRFタグライタ39wが発生するRFフィールド内に進入させるため、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させるのである。ここで、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させる回数は、例えば60回(全ての遊技球を2回RFフィールド内に進入させる回数)程度であればよく、また、このステップS25における遊技球の発射速度は、遊技領域5に打ち出されて遊技データに含まれることがないよう、発射した遊技球がファール球となる速度が望ましい。なお、これは、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させることなく、別途リフト装置等を設けて、遊技機1内の遊技球を循環させるようにして行うようにしてもよい。
【0084】
ステップS25の処理を終えるとステップS26に移行して、図10に示す欠落遊技球識別情報書込処理を実行する。この欠落遊技球識別情報書込処理が実行されると、まずステップS30にて欠落遊技球識別情報記憶処理が行われる。図11を参照して、この欠落遊技球識別情報記憶処理では、ステップS32にて、RFタグライタ39wが遊技機1の各遊技球に設けられたRFタグ70から遊技球識別情報を読み取る。
【0085】
ここで、本実施形態の遊技機1は、30個の遊技球を循環して遊技を行う封入式遊技機であるので、図13に示すように、1個の遊技球に対して、その遊技機の台番号(例えば100)と、01〜30の番号の何れかを組み合わせた数字(例えば100−01)が、遊技球識別情報のデータとしてRFタグ70に書き込まれ、RFタグ70の備えるEEPROM71に予め記憶されている(後述する新たに遊技機1に補給された遊技球は、補給されたときにRFタグ70に書き込まれ、EEPROM71にその時点で記憶される)。従って、1台の遊技機1に対して、30種類の遊技球識別情報が、遊技球毎に書き込まれて記憶されることになる。
【0086】
図11に戻って、次にステップS34に移行し、RFタグ70から読み取った遊技球識別情報を、予めRAM141の所定の記憶エリアに記憶している遊技球識別情報と比較する。このRAM141に予め記憶している遊技球識別情報は、上記図13で示した、遊技機1で使用される全ての遊技球30個の遊技球識別情報と同一である。そして、ステップS36に移行し、ここで欠落している遊技球識別情報があるか否か、即ち遊技機1で使用される規定の遊技球があるか否かを判定する。この判定は、予め記憶している遊技球識別情報全てが、RFタグ70から読み取った遊技球識別情報にあるか否かで行う。
【0087】
そして、ステップS36にてYESのときはステップS38に移行し、欠落している遊技球識別情報をRAM141の所定の記憶エリアに記憶し、次にステップS40に移行し、欠落している遊技球識別情報を記憶していることを示すフラグF1に1をセットする。そして、ステップS40を終えると、又は、ステップS36にてNOのときは、この欠落遊技球識別情報記憶処理を終了する。
【0088】
図10に戻って、欠落遊技球識別情報記憶処理が終了すると、ステップS50に移行し、次に図12に示す欠落遊技球識別情報書込エラー処理が実行される。この欠落遊技球識別情報書込エラー処理が実行されると、まずステップS52にて、遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球があるか否かを判定し、ステップS52にてYESのとき、つまり、遊技機1において、初めて遊技球をセットするとき、古い遊技球を交換するとき、或いは、点検等で遊技球を紛失し、新たに遊技球を補充するとき等は、遊技機1に補給される新たな遊技球のRFタグ70には遊技球識別情報が書き込まれていないので、これらの場合にはステップS52にてYESとなり、ステップS54に移行する。なお、これらの場合に遊技機1に遊技球を補給するには、上記図4で示した球入口38に所定数の遊技球を入れて行えばよい。
【0089】
そして、ステップS54に移行すると、フラグF1に1がセットされているか否か、即ち欠落している遊技球識別情報を記憶しているか否かを判定し、ステップS54にてYESのときはステップS60に移行し、ここで、欠落している遊技球識別情報を新たな遊技球のRFタグ70に書き込んでEEPROM71に記憶させる。つまり、遊技機1に補給された新たな遊技球のRFタグ70に、欠落していた遊技球識別情報が割り振られる。これにより、新たな遊技球を遊技機1に補給する作業が極めて容易になると共に、新たな遊技球識別情報を発行する必要がなく、遊技球識別情報が増えるのを防止できる。
【0090】
一方、ステップS54にてNOのときはステップS58に移行し、ここで所定のエラー処理を実行する。つまり、遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球があるにもかかわらず、欠落している遊技球識別情報を記憶していない場合には、ステップS58のエラー処理を実行する。
【0091】
一方、ステップS52にてNOのとき、つまり遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球がないときは、ステップS56に移行し、フラグF1に1がセットされているか否か、つまり欠落している遊技球識別情報を記憶しているか否かを判定し、ステップS56にてYESのときはステップS58に移行してエラー処理を実行する。即ち、遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球がないにもかかわらず、欠落している遊技球識別情報を記憶している場合には、ステップS58のエラー処理を実行する。
【0092】
ここで、ステップS58のエラー処理としては、例えば、遊技機1の所定のLEDやランプ等を点灯させたり、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力してその旨を報知させるようにすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「識別情報が書き込みエラー」「識別情報が書き込みできません(ステップS56にてYESの場合)」「遊技球を補給して下さい(ステップS56にてYESの場合)」「遊技球が余分にあります(ステップS54にてNOの場合)」「余分な遊技球を取り除いて下さい(ステップS54にてNOの場合)」というような表示が考えられる。
【0093】
そして、ステップS58のエラー処理を受けて、店員等が遊技機1に遊技球を補給したり、取り除いたりするような措置を行ったら、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、ステップS12(図8参照)に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。一方、ステップS60の処理を終えたら、又は、ステップS56にてNOと判定されたときは、この欠落遊技球識別情報書込エラー処理を終了し、これにより図10に示す欠落遊技球識別情報書込処理を終了する。
【0094】
図9に戻って、ステップS26の欠落遊技球識別情報書込処理を終えると、ステップS68に移行し、ステップS26の欠落遊技球識別情報書込処理が全て終了したか否か、つまり、遊技機1の全ての遊技球に対して遊技球識別情報が書き込まれているか否かを判定する。この判定は、次のように行う。即ち、RFタグライタ39wは、上記したように、遊技機1で使用される遊技球毎の遊技球識別情報を予め記憶しており、この記憶している遊技球識別情報と、RFタグ70から受信する遊技球識別情報を比較し、これによりRFタグ70から全ての遊技球識別情報を受信したら、RFタグ70への書き込みを終了したと判定し、CPU140に書き込みが終了した旨を示す書込終了信号を送出する。CPU140は、このRFタグライタ39wからの書込終了信号を受信することにより、ステップS68にてYESと判定する。
【0095】
そして、ステップS68にてYESのときはステップS69に移行し、上記ステップS38でRAM141の所定の記憶エリアに記憶した欠落している遊技球識別情報を消去し、次にステップS70に移行し、フラグF1に0をセットする。つまり、フラグF1には、欠落している遊技球識別情報を記憶している場合には1が、欠落している遊技球識別情報を記憶していない場合には0がセットされる。なお、上記した電源投入処理の初期化処理では(ステップS13)、フラグF1には0がセットされるようになっている。
【0096】
そして、ステップS71に移行し、RFタグライタ39wの作動を停止し、ステップS72に移行して、識別情報書込スイッチ150のオン操作を無効にする。なお、識別情報書込スイッチ150が点灯していた場合には、このステップS72の処理にて、識別情報書込スイッチ150を消灯する。このようにすれば、識別情報書込スイッチ150の操作者は、識別情報書込スイッチ150のオン操作が無効になったことを容易に確認できる。
【0097】
一方、ステップS68にてNOのときは、つまり、RFタグライタ39wからの書込終了信号を受信していないときは、この遊技球識別情報書込処理を終了する。また、ステップS72の処理を終えたら、又は、ステップS22にてNOと判定されたときも、遊技球識別情報書込処理を終了する。なお、この遊技球識別情報書込処理は、通常、営業の開始前に行われる。
【0098】
図7に戻って、遊技球識別情報書込処理が終了すると、ステップS80に移行し、次に図14に示す遊技中処理が実行される。この遊技中処理が実行されると、まずステップS81にて、上記したステップS68と同様に、RFタグライタ39wからの書込終了信号を受信しているか否か、即ち遊技機1の全ての遊技球に対して遊技球識別情報が書き込まれているか否かを判定し、ステップS81にてYESのときはステップS82に移行し、ステップS81にてNOのときは、遊技中処理を終了する。つまり、この遊技中処理は、遊技機1の全ての遊技球に対して規定の遊技球識別情報が書き込まれていなければ、実行されないようになっている。これにより、後述する当該遊技機1に使用される全ての遊技球について発射可能か否かの判断が容易且つ正確に行われる。
【0099】
そして、ステップS82に移行すると、RFタグリーダ34rがオンしたか、つまり、RFタグリーダ34rが、発射ソレノイド43aにより発射される遊技球のRFタグ70から遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS82にてYESのときはステップS84に移行し、カウンタKの値をインクリメントする。このカウンタKは、上記した電源投入処理の初期化処理では(ステップS13)、0がセットされ、遊技球が発射される毎にインクリメントされるようになっている。つまりカウンタKは、遊技機1にて発射された遊技球の数を示すようになっている。
【0100】
次にステップS86に移行し、RAM141の所定の記憶エリアに、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報を記憶する。これにより、何発目に発射されたかの遊技球の識別情報が判るようになる。なお、図16には、RAM141の所定の記憶エリアに記憶される、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報を示した例が記載されている。
【0101】
ステップS86を終えると、又は、ステップS82にてNOのときは、ステップS88に移行し、RFタグリーダ27rがオンしたか、つまり、RFタグリーダ27rが、球入口38から球供給通路37に流入してくる、アウト口16に回収された遊技球や入賞口に入賞した遊技球のRFタグ70から遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS88にてYESのときはステップS90に移行し、RAM141の所定の記憶エリアに、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ27rが読み取った遊技球識別情報を記憶する。これにより、発射されるタイミングにおける球供給通路37に流入した遊技球の識別情報が判るようになる。なお、図16には、RAM141の所定の記憶エリアに記憶される、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ27rが読み取った遊技球識別情報を示した例が記載されている。ここで、図16においてカウンタKの値が1〜6に対応するRFタグリーダ27rの読み取った遊技球識別情報が空欄なのは、6発目の遊技球が発射されるまでに、球供給通路37には未だ1個も遊技球が流入していないからである。つまり、6発目の遊技球が発射されるとき、1〜5発目に既に発射された遊技球は、未だ遊技盤21上を落下していたりすること等で、球供給通路37に到達していないからである。
【0102】
ステップS90を終えると、又は、ステップS88にてNOのときは、ステップS100に移行し、ここで、図15に示す報知処理を実行する。図15を参照して、この報知処理が実行されると、まずステップS102にて、所定の発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射されたか否かを判定する。例えば、図16において、所定の発射した遊技球を1発目に発射した遊技球(カウンタK=1、RFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報「100−01」)とした場合には、1発目に発射した遊技球から数えて60発目の遊技球(カウンタK=60、RFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報「100−30」)は既に発射されているので、この場合にはステップS102にてYESとなる。
【0103】
ステップS102にてYESのときはステップS104に移行し、RFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報と、RFタグリーダ27rが読み取った遊技球識別情報とを比較する。ここで、この比較の態様としては、ステップS106の処理とステップS112の処理の2種類あり、まずステップS106の処理では、RFタグリーダ34rが読み取れて、RFタグリーダ27rが読み取れない遊技球識別情報があるか否かを判定する。
【0104】
つまり、ステップS106の処理では、RFタグリーダ34rが読み取った所定の発射した遊技球1個の遊技球識別情報と、この所定の発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射される間にRFタグリーダ27rが読み取った全ての遊技球識別情報とを比較する。例えば、図16において、所定の発射した遊技球を7発目に発射した遊技球とした場合には、RFタグリーダ34rが読み取ったカウンタK=7の遊技球識別情報「100−07」と、RFタグリーダ27rが読み取ったカウンタK=7〜66の遊技球識別情報「100−02」〜「100−30」とを比較する。なお、この60発の理由は、本実施形態の遊技機1では、30個の遊技球を使用しているので、所定の発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射される間には、RFタグリーダ34rで読み取った所定の発射した遊技球の識別情報は、この識別情報の遊技球が遊技盤21等で詰まっていなければ、RFタグリーダ27rで少なくとも1回は読み取れる筈だからである。
【0105】
そして、ステップS106にてYESのときは、即ちRFタグリーダ34rが読み取った識別情報の遊技球が発射されてから、60発の遊技球が発射されてもRFタグリーダ27rが該RFタグリーダ34rの読み取った遊技球の識別情報を読み取れないときは、ステップS108に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力してエラーLED29aを点灯する(例えば赤色)。つまり、このエラーLED29aは、遊技球が遊技盤21等で詰まっている可能性が高い場合に点灯するLEDであって、遊技盤21に遊技球が詰まっていることを示すよう、遊技盤21近傍の内枠23に設けられている。
【0106】
そして、エラーLED29aを点灯したら、ステップS110に移行して第1エラー報知を実行する。この第1エラー報知は、上記エラー信号の出力に基づいて、例えば、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)にエラー信号を出力してその旨を報知したりすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「遊技盤で遊技球が詰まっています」「発射不能な遊技球があります」というような表示が考えられる。なお、この演出図柄表示装置6でエラーを表示する場合には、遊技進行の邪魔にならないよう、所定時間経過したら表示を消去するか、所定時間毎に単発的に表示するとよい。これにより、遊技場は、当該遊技機1の遊技球の検査や確認作業が可能となる。
【0107】
一方、ステップS106にてNOのときはステップS112に移行し、RFタグリーダ27rが読み取れて、RFタグリーダ34rが読み取れない遊技球識別情報があるか否かを判定する。つまり、ステップS112の処理では、RFタグリーダ27rが読み取った所定の球供給通路37に流下した遊技球1個の遊技球識別情報と、この遊技球をRFタグリーダ27rが読み取ったときに発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射される間にRFタグリーダ34rが読み取った全ての遊技球識別情報とを比較する。例えば、図16において、RFタグリーダ27rが読み取った球供給通路37に流下した遊技球をカウンタK=7の遊技球識別情報「100−02」とした場合には、この遊技球識別情報「100−02」と、RFタグリーダ34rが読み取ったカウンタK=7〜66の遊技球識別情報「100−07」〜「100−08」とを比較する。なお、この60発の理由は、上述したとおりであり、つまり、RFタグリーダ27rが読み取った球供給通路37に流下した遊技球が皿ユニット24背面側(球供給通路37等)で詰まっていなければ、RFタグリーダ34rで通常2回読み取れる筈だからである。
【0108】
そして、ステップS112にてYESのときは、即ちRFタグリーダ27rが読み取った識別情報の遊技球が、この遊技球の識別情報をRFタグリーダ27rが読み取ってから60発の遊技球が発射されてもRFタグリーダ34rで読み取れないときは、ステップS114に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力してエラーLED29bを点灯する(例えば青色)。つまり、このエラーLED29bは、皿ユニット24背面側の球供給通路37で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に点灯するLEDであって、皿ユニット24背面側に遊技球が詰まっていることを示すよう、皿ユニット24に設けられている。
【0109】
そして、エラーLED29bを点灯したら、ステップS116に移行して第2エラー報知を実行する。この第2エラー報知は、上記エラー信号の出力に基づいて、上述したステップS110に準じて行えばよい。ここで、演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「皿ユニット裏で遊技球が詰まっています」「発射不能な遊技球があります」というような表示が考えられる。これにより、遊技場は、当該遊技機1の遊技球の検査や確認作業が可能となる。そして、ステップS110、S116の処理を終えたら、又は、ステップS102、S112にてNOと判定されたときは、この報知処理を終了し、図14に示す遊技中処理を終了する。
【0110】
つまり、上述した遊技中処理では、遊技機1に使用される全ての遊技球を、遊技中に1個ずつ発射可能か否かの判断を行うことができ、従って、遊技機1で発射不能な遊技球があれば1個単位で判るので、これにより、遊技機1において遊技球が不足して遊技に支障がでる前に、遊技場が対処することができる。また、遊技盤21下側の遊技球の回収位置にRFタグリーダ27rと、遊技球の発射位置にRFタグリーダ34rとを設け、RFタグリーダ27r、34r両者の遊技球識別情報の読み取り状況によって、どこで遊技球が詰まっているかが判るように報知するので、これにより、遊技場は容易且つ迅速に対処することができる。
【0111】
図7に戻って、遊技中処理を終えるとステップS120に移行して、次に電源オフ処理を実行する。図17を参照して、この電源オフ処理が実行されると、まずステップS122にて、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチを店員が操作すること等により、遊技機1の電源がオフされたか否かを判定する。そして、ステップS122にてYESのときはステップS124に移行し、ここで球流下ソレノイド52をオフして、球流下ソレノイド52のプランジャを球供給通路37に突出させることにより、球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を阻止する。そして、ステップS124の処理を終えると、又は、ステップS122にてNOのときは、この電源オフ処理を終了し、これにより上述してきた図7に示す遊技球識別情報処理を終了する。
【0112】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係わる封入式の遊技機1は、遊技に使用する全ての遊技球に識別情報がEEPROM71に記憶されたRFタグ70を設け、一方、遊技機1には、RFタグ70に遊技球識別情報を書き込むRFタグライタ39wと、RFタグ70の遊技球識別情報を読み取るRFタグリーダ27r、34rとを設けるようにしている。そして、遊技機1に使用される規定の遊技球が詰まる等して欠落したか否か、即ち遊技機1の遊技中に発射不能な遊技球があるか否かを、RFタグリーダ27r、34r両者の遊技球識別情報の読み取り状況により、遊技機1に使用される全ての遊技球1個ずつについて判断するようにしている。
【0113】
従って、このように構成された遊技機1では、遊技機1に使用される全ての遊技球についてRFタグリーダ27r、34rで読み取りできたかの判断が容易且つ正確に行うことができ、その結果、遊技場は、遊技球が不足する等のトラブルに対し、遊技機1の遊技に支障がでる前に確実に対処することができる。さらに、遊技盤21下側の遊技球の回収位置となる球供給通路37の始端部にRFタグリーダ27rを、遊技機1の遊技球の発射位置となる球発射口49にRFタグリーダ34rをそれぞれ設け、遊技機1のどこで遊技球が詰まっているかが判るように報知するようにしたので、その結果、遊技場は、迅速に対処することができる。
【0114】
また、遊技機1に補給された新たな遊技球のRFタグ70に、欠落していた遊技球識別情報をRFタグライタ39wにより書き込んで割り振るようにしたので、その結果、新たな遊技球を遊技機1に補給する作業が極めて容易になると共に、新たな遊技球識別情報を発行する必要がなく、遊技球識別情報が増えるのを防止して管理し易くなる。しかも、RFタグライタ39wは、球供給通路37に設けるようにしたので、新たに補給された遊技球が発射される前に、確実に該遊技球に遊技球識別情報を書き込むことができる。
【0115】
また、球流下ソレノイド52により、遊技機1に電源が投入されてから球供給通路37への遊技球の流入を許容するようにしたので、その結果、RFタグライタ39wによる新しく補給された遊技球への識別情報の書き込みを確実なものにすると共に、遊技機1の電源オフ時に、余分な規定外の遊技球が球供給通路37へ侵入するのを阻止することができる。さらに、RFタグライタ39wにより、遊技球を補給するとき、予め遊技球識別情報を書き込んだ遊技球を遊技機1毎に仕分けする必要がない。
【0116】
以上、本発明の実施形態に係わる遊技機1を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。例えば、上述した実施形態においては、遊技機1は、封入式遊技機で説明したが、これは、一定数の遊技球を循環させる単島に設置される遊技機としてもよい。また、遊技球としては、従来からの磁石にくっつく鋼等の材質に限定することなく、ガラスやプラスチック等の材質であってもよい。
【0117】
また、上述した実施形態の遊技機1では、遊技球に書き込み可能なEEPROM71を備えたRFタグ70を設け、このRFタグ70に遊技球識別情報をRFタグライタ39wにより書き込む構成を説明したが、これは、遊技球に書き込み不能なROM等を備えたRFタグ70を設け、遊技機1からRFタグライタ39wを除くようにしてもよい。このように遊技機1を構成する場合には、遊技機1で使用される前に、遊技球のRFタグ70毎に相違する遊技球識別情報を、ROMライタ等で予め書き込むようにすればよい。
【0118】
また、RFタグ70は、パッシブタイプのもので説明したが、これは、アクティブタイプのものを使用するようにしてもよい。パッシブタイプは、タグに電池を内蔵せず、タグリーダは電磁誘導等を用いてタグに給電し識別情報(ID)を読み取る構成で、IDの読み取り可能範囲が狭い(数センチ〜最大1メートル程度)ものの、タグの小型化、薄型化が容易になるという特徴を持つ。一方、アクティブタイプは、タグに電池を内蔵し、タグリーダはタグから微弱無線等で一定時間毎に発信される(ID)を読み取る構成で、IDの読み取り可能範囲が広い(数メートル〜最大数十メートル程度)ものの、タグの小型化には限界があるという特徴を持つ。
【0119】
また、RFタグ70に書き込まれる遊技球識別情報のデータは、遊技機毎に全て異なるように、図13に示す遊技機の台番号を含むようにしたが、このデータは、遊技球毎に区別が可能なものであればよく、遊技機の台番号を無くして遊技機内のみを異なるようにしてもよい。
【0120】
また、遊技機1で規定外の余分な遊技球がある場合には、この余分な遊技球を、遊技機1を循環する遊技球から除外する処理を実行するようにしてもよい。具体的には、余分な遊技球を、遊技機1を循環する遊技球の循環経路とは別の経路に誘導して、所定の待機箇所に待機させたりすることが考えられる。或いは、余分な遊技球を、遊技機1の外部に排出するようにしてもよい。これにより、遊技者は、中断することなく遊技を続けることができる。
【0121】
また、図16で示したRAM141の所定の記憶エリアに記憶される、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ27r、34rが読み取った遊技球識別情報のうち、図15の報知処理におけるステップS104、S106、S112にて処理が済んで比較する必要がなくなったものは、その記憶を消去するようにしてもよい。このようにすれば、余分なデータの記憶がなくなり、その結果、RAM141の記憶容量を小さくすることができ、コストダウンとなる。
【0122】
また、欠落していた遊技球識別情報を記憶しておき、遊技機1に補給された新たな遊技球のRFタグ70に、この欠落していた遊技球識別情報をRFタグライタ39wにて書き込んで割り振るようにしたが、これは、欠落していた遊技球識別情報は記憶せず、新たな遊技球識別情報を書き込むようにしてもよい。具体的には、例えば、図13において「100−02」の遊技球が欠落していたときは、この「100−02」は記憶せず、新たな遊技球識別情報として「100−31」を書き込むようにすることである。さらに、この場合には、欠落していた遊技球識別情報を判別するため、予めRAM141の所定の記憶エリアに記憶した遊技機1で使用される全ての遊技球識別情報のうち、欠落した「100−02」は削除し、替わりに「100−31」を記憶するようにすればよい。つまり、「100−02」のデータに「100−31」のデータを上書きすればよい。従って、このようにすれば、余分なデータを持つ必要がなく、記憶する遊技球識別情報の数は増えることがない。
【0123】
また、識別情報書込スイッチ150は、個別に遊技機1の裏面側に設けるようにしたが、これは、もともとある主制御基板44のRAMクリアスイッチが兼ねるようにしてもよい。RAMクリアスイッチは、遊技機1の電源投入時にオン操作されるスイッチであって、もともと遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられているからである。或いは、識別情報書込スイッチ150は、ホール管理コンピュータに設け、外部から外部端子板109を介して遠隔操作できるようにしてもよいし、リモコンスイッチとしてもよい。
【0124】
また、RFタグライタ39w、RFタグリーダ27r、RFタグリーダ34r及び識別情報書込スイッチ150は、演出制御基板111に接続したが、これは限定することなく、例えば、図5に示すクレジット制御基板40や発射基板42(所謂サブ基板と呼ばれる主制御基板44以外の基板)に接続するようにしてもよく、この場合には、図7に示す遊技球識別情報処理は、クレジット制御基板40や発射基板42のマイクロコンピュータが実行するようにすればよい。
【0125】
また、図15の報知処理におけるステップS102の処理では、60発発射してもRFタグリーダ27r、34rが読み取れない識別情報の遊技球を、欠落している遊技球と判断するようにしたが、これは、例えば60秒間発射してもRFタグリーダ27r、34rが読み取れない識別情報の遊技球を、欠落している遊技球と判断するようにしてもよい。つまり、欠落している遊技球の判断基準を、遊技球の発射個数から発射時間に変更してもよい。なお、この発射時間は、打球発射装置43の発射間隔によって適宜設定すればよく、例えば、打球発射装置43が1分間に100発発射する設計であれば、上記60発に相当する発射時間は、36秒となる。勿論、この場合には、打球発射装置43が作動していない時間は除くものとする。
【0126】
また、RFタグリーダは、遊技盤21下側の遊技球の回収位置となる球供給通路37の始端部にRFタグリーダ27rを、遊技機1の遊技球の発射位置となる球発射口49にRFタグリーダ34rをそれぞれ2箇所設けるようにしたが、これは、何れか1箇所でもよい。1箇所にすると、遊技機1のどこで遊技球が詰まったかの判断が困難になるが、その分コストダウンとなる。例えば、RFタグリーダ27rだけにしても、少なくとも遊技盤21で詰まった遊技球は早期に発見でき、一方、RFタグリーダ34rだけにしても、少なくとも遊技機1で発射不能となっている遊技球は早期に発見できる。逆に、RFタグリーダを増加させて、詰まった遊技球の箇所をより特定し易くするようにしてもよい。
【0127】
また、RFタグライタ39wは、遊技球の発射位置となる球発射口49手前の球供給通路37の終端部に設けるようにしたが、これは、球供給通路37であれば、どこに設置してもよく、即ち、RFタグライタ39wは、遊技球の待機位置から発射するまでの間であれば、どこに設置してもよい。或いは、RFタグライタ39wは、球発射口49よりも発射側に設けるようにしてもよいし、上記したステップS25の処理によりファール球となった遊技球が通過するファール球通路に設けるようにしてもよい。
【0128】
なお、遊技機1は、上述した実施形態ではパチンコ機で説明したが、これは限定するものではなく、例えばアレパチ、雀球等、一定数の遊技媒体を循環して遊技を行う全ての遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0129】
また、エラーLED29a、29bを、図18に示す青色エラーLED152a、黄色エラーLED152b、赤色エラーLED152cに変更し、図14、図15に示した遊技中処理、報知処理を図19、図20に示すように変更してもよい。以下、上述してきた実施形態の他の実施形態について図18乃至図20を参照しながら説明する。図18は、他の実施形態に係わる遊技機1の全体斜視図、図19は、他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャート、図20は、他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャートである。なお、この他の実施形態の説明においては、上述した実施形態と同様な構成については同じ符号を付し、それら構成の詳細な説明については省略するものとする。
【0130】
まず、図18を参照して、内枠23の右上部には、遊技盤21で詰まっている等で発射不能な遊技球がある場合に点灯する、青色エラーLED152a、黄色エラーLED152b、赤色エラーLED152cが、縦列状に設けられている。次に、図19を参照しながら他の実施形態に係わる遊技中処理について説明する。この他の実施形態においては、遊技盤21下側の遊技球の回収位置となる球供給通路37のRFタグリーダ27rは省略しており、遊技機1の遊技球の発射位置となる球発射口49のRFタグリーダ34rのみを使用している。この他の実施形態に係わる遊技中処理が実行されると、上述した実施形態と同様にステップS81〜S86の処理を行った後、次にステップS130に移行し、ここで、図20に示す報知処理を実行する。
【0131】
図20を参照して、この報知処理が実行されると、まずステップS132にて、カウンタKの値が1000以上になったか否か、つまり、遊技機1にて発射された遊技球数の累積が1000以上になったか否かを判定する。そして、ステップS132にてYESのときはステップS134に移行し、RFタグリーダ34rが読み取ってRAM141の所定の記憶エリアにカウンタKの値に対応付けて記憶した遊技球識別情報(図16参照)の中で、欠落していると判断した遊技球の識別情報KYBを抽出し、この抽出した遊技球識別情報KYBをRAM141の所定の記憶エリアに記憶する。
【0132】
ここで、欠落しているとした遊技球識別情報KYBの判断は、種々考えられるが、例えば、所定の閾値を設け、RFタグリーダ34rにて読み取られた所定の遊技球識別情報の回数が閾値以下の場合に、該識別情報の遊技球が欠落していると判断するようにしてもよい。具体的には、遊技機1では、30個の遊技球を使用しているので、通常、1000発発射される間にRFタグリーダ34rにて読み取られる遊技球識別情報の平均回数は、33.3回になる。従って、この平均回数を下回る回数、例えば25回等を閾値として設定するようにすればよい。なお、この場合に、遊技球の発射数を1000以上に設定した理由は、あまり平均値を算出するためのデータが少ないと、設定する閾値の精度がよくないからである。勿論、遊技球の発射数を1000以上に限定することはなく、例えば500以上、又は、2000以上や3000以上であってもよい。
【0133】
ステップS134の処理を終えると、ステップS136に移行し、ここで、欠落していると判断された遊技球識別情報KYBの数が、3以上6未満か否かを判定する。この3以上6未満とは、換言すれば、遊技機1に使用されている遊技球数の1割以上2割未満と同義である。そして、ステップS136にてYESのときはステップS138に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力して、エラーLED152a、152b、152cの中で最も下段に位置する青色エラーLED152aを点灯する。
【0134】
一方、ステップS136にてNOのときはステップS140に移行し、ここで、欠落していると判断された遊技球識別情報KYBの数が、6以上9未満か否かを判定する。この6以上9未満とは、換言すれば、遊技機1に使用されている遊技球数の2割以上3割未満と同義である。そして、ステップS140にてYESのときはステップS142に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力して、エラーLED152a、152b、152cの中で中段に位置する黄色エラーLED152bを点灯する。なお、この状態では、青色エラーLED152aも点灯している。
【0135】
一方、ステップS140にてNOのときはステップS144に移行し、ここで、欠落していると判断された遊技球識別情報KYBの数が、9以上か否かを判定する。この9以上とは、換言すれば、遊技機1に使用されている遊技球数の3割以上と同義である。そして、ステップS144にてYESのときはステップS146に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力して、エラーLED152a、152b、152cの中で上段に位置する赤色エラーLED152cを点灯する。なお、この状態では、青色エラーLED152a、黄色エラーLED152bも点灯している(全点灯)。そして、ステップS138、S142、S146の処理を終了したら、又は、ステップS132にてNOのときは、この報知処理を終了し、図19に示した遊技中処理を終了する。
【0136】
つまり、この他の実施形態に係わる遊技中処理では、遊技機1に使用される遊技球のうち、発射不能と判断された遊技球の数が所定割合以上になったときに報知するようになっている。従って、遊技機1で発射不能な遊技球が所定割合以上になったことが判るので、これにより、遊技機1において遊技球が不足して遊技に支障がでる前に、遊技場が対処することができる。しかも、発射不能と判断された遊技球数の割合に応じて、段階的に異なる報知を行うようにしたので、遊技場は、自身の判断基準に則って対処することができる。また、RFタグリーダ27rを省略してRFタグリーダ34rのみを使用するようにしたので、コストダウンとなる。さらに、発射不能と判断された遊技球数の割合が高いほど、目立つ位置や色のエラーLEDを順次点灯するようにしたので、遊技場は、容易に発射不能と判断された遊技球数の割合を確認できる。
【0137】
なお、この他の実施形態では、発射不能と判断された遊技球数の割合に応じて、3つのエラーLED152a、152b、152cを順次、同時に点灯するようにしたが、これは、エラーLED152a、152b、152cの点灯を切り換えて、1個ずつ個別に点灯するようにしてもよい(つまり、ステップS142では青色エラーLED152aを消灯し、黄色エラーLED152bを点灯する。ステップS146では黄色エラーLED152bを消灯し、赤色エラーLED152cを点灯する)。
【0138】
また、エラーLED152a、152b、152cを点灯したら、上記エラー信号の出力に基づいて、例えば、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)にエラー信号を出力してその旨を報知したりすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「遊技球が減っています」「発射不能な遊技球2割あります」というような表示が考えられる。なお、この演出図柄表示装置6でエラーを表示する場合には、遊技進行の邪魔にならないよう、所定時間経過したら表示を消去するか、所定時間毎に単発的に表示するとよい。これにより、遊技場は、当該遊技機1の遊技球の検査や確認作業が可能となる。
【0139】
また、発射不能と判断された遊技球数の割合が所定以上になったときにエラー報知を行うようにしたが、これは、逆に、発射可能な遊技球数の割合が所定以下(例えば9割、8割、7割以下)になったときにエラー報知を行うようにしてもよい。
【0140】
また、RFタグリーダ27rを省略してRFタグリーダ34rのみを使用するようにしたが、これは、逆に、RFタグリーダ34rを省略してRFタグリーダ27rのみを使用するようにしてもよい。この場合、欠落している遊技球識別情報KYBの判断は、上述したRFタグリーダ34rを使用したときと同様に、閾値等を設定して行うようにすればよい。
【0141】
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
遊技領域は、遊技領域5に相当し、発射装置は、打球発射装置43に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、識別情報は、RFタグ70に相当し、循環経路は、球供給通路37に相当し、読取装置は、RFタグリーダ27r、34rに相当し、第1記憶手段は、RAM141に相当し、第2記憶手段は、RAM141に相当し、判断手段は、CPU140が実行する欠落遊技球識別情報記憶処理のステップS32、S36に相当し、データ記憶手段は、EEPROM71に相当し、書込装置は、RFタグライタ39wに相当し、補給手段は、球入口38に相当し、補給阻止手段は、球流下ソレノイド52に相当し、操作スイッチは、識別情報書込スイッチ150に相当し、出力手段は、CPU140が実行する報知処理のステップS106、S112にてYESの処理に相当し、報知手段は、エラーLED29a、29bに相当する。なお、識別情報は、RFタグ70(ICタグ)に限らず、外部から情報が読み取れる媒体であれば何であってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…遊技機、 2…打球操作ハンドル、
3…打球誘導レール、 4…遊技領域形成レール、
5…遊技領域、 6…演出図柄表示装置(LCD)、
7…大入賞口(アタッカ)、 8…左図柄表示部、
9…中図柄表示部、 10…右図柄表示部、
11…始動入賞口、 11a…チャッカー型始動入賞口、
11b…電動チューリップ型始動入賞口、 12…打球供給皿、
12a…蓋、 13…情報表示部、
14…普通入賞口、 15…遊技効果ランプ、
16…アウト口、 17…ガラス扉枠、
18…普通図柄表示装置、 18a…当りLED、
18b…はずれLED、 19…普通図柄作動ゲート、
20…風車、 21…遊技盤、
22…外枠、 23…内枠、
24…皿ユニット、 25…保留LED(特別図柄用)、
26…保留LED(普通図柄用)、 27r…RFタグリーダ、
28…ファール球防止弁、 29a、29b…エラーLED、
30…表示部、 31…可動物(オバケ型)、
32…可動物(星型)、 33…クレジット表示装置、
34r…RFタグリーダ、 35…クレジット精算ボタン、
36…クレジットカード装置、 37…球供給通路、
38…球入口、 39w…RFタグライタ、
40…クレジット制御基板、 41…ベース板、
42…発射基板、 43…打球発射装置、
43a…発射ソレノイド、 43b…球送りソレノイド、
44…主制御基板、 45…表示集合板、
46…ラウンド表示装置、 46a、46b、46c…ラウンド表示LED、
47…特別図柄表示装置(7セグメントLED)、 48…確変時短表示装置、
48a…確変LED、 48b…時短LED、
49…球発射口、 50…発射レール、
51…演出ボタン、 52…球流下ソレノイド、
53…電源基板、 58…返却ボタン、
59…球貸ボタン、 61…度数表示基板、
70…RFタグ、 71…EEPROM、
100…遊技機制御装置、 105…演出モータ、
106…大入賞口ソレノイド、 107…普通電動ソレノイド、
108…演出モータ、 109…外部端子板、
111…演出制御基板、 113…スピーカ、
115…バス、 116a、116b…始動入賞口スイッチ、
117…発射球スイッチ、 119…タッチセンサ、
120…発射停止スイッチ、 121…普通作動ゲートスイッチ、
122a…左入賞口スイッチ、 122b…右入賞口スイッチ、
123…大入賞口スイッチ、 124…扉開放スイッチ、
125…枠開放スイッチ、 130…RAMバックアップ、
140…CPU、 141…RAM、
142…ROM、 143…VDP、
144…VRAM、 145…CGROM、
146…RAM、VRAMバックアップ回路、 147…入出力回路、
150…識別情報書込スイッチ、 152a…青色エラーLED、
152b…黄色エラーLED、 152c…赤色エラーLED
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定数の遊技球を循環して遊技を行うパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、一定数の遊技球を循環して遊技を行う「封入式遊技機」と呼ばれる遊技機がある。また、パチンコ機等の遊技機を設置する島には、一台の遊技機のみを設置して、該遊技機で一定数の遊技球を循環させる「単島」と呼ばれる島がある。これらの封入式遊技機や、単島に設置される遊技機においては、同じ遊技球が何回も循環されるようになっている。
【0003】
しかし、このような遊技機においては、遊技球が、遊技盤面で停止したり、遊技機の裏機構で停止したりして球詰まりを起こすと、或いは、遊技機の点検等、何らかの原因で遊技球が遊技機から抜け落ちてしまうと、遊技領域に発射できる遊技球の数が減少し、その結果、遊技に支障を来す虞がある。
【0004】
そこで、このような不都合に対処するため、発射装置の待機流路に球不足検出センサを設け、この球不足検出センサが所定時間遊技球を検出できなかった場合には、遊技球が不足していると判断する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、遊技球の循環通路に遊技球研磨装置が設けられている場合には、電源オフ時に行う遊技球研磨装置の点検で遊技球が抜け落ちる可能性が高いため、電源投入時に循環通路に設けた複数のスイッチのオンオフ状態を判別することにより、遊技球が不足しているか否かを判断する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−95165号公報
【特許文献2】特開2009−297149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1によれば、発射できる遊技球の数が所定数以下になったとき、球不足検出センサが所定時間遊技球を検出できなくなり、これにより遊技球が不足していると判断するものである。しかしながら、球詰まりを起こしている遊技球や抜け落ちている遊技球が少ない場合には、残りの遊技球の循環により、遊技球が不足していると判断しない場合があり、従って、このような場合には、発射可能な遊技球が減少していることを発見できないという問題点がある。また、特許文献2では、電源投入時しか遊技球が不足しているか否かを判断していないため、遊技中に何らかの原因で発射可能な遊技球が減少しても発見できないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記した課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機において、遊技中に使用される遊技球が減少したことを判断できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような問題を解決するために、本発明の遊技機は、請求項1に記載したように、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、前記遊技球には、それぞれ相違する情報データを含む識別情報が設けられ、該遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記識別情報から前記情報データを読み取る読取装置と、該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項2に記載の遊技機は、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、前記遊技球には、情報データを書き込み可能なデータ記憶手段が設けられ、該データ記憶手段にそれぞれ相違する前記情報データを書き込む書込装置と、外部から前記遊技球を補給する補給手段と、前記遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記データ記憶手段から前記情報データを読み取る読取装置と、該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、を備え、前記書込装置は、前記補給手段により補給された前記遊技球に前記情報データを書き込むことを要旨とする。
【0010】
また、請求項3に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記書込装置が書き込む前記情報データは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データを割り振るようにしたことを要旨とする。
【0011】
また、請求項4に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記書込装置が前記第2記憶手段に記憶されていない新たな前記情報データを書き込むときは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データが前記第2記憶手段の記憶から削除されることを要旨とする。
【0012】
また、請求項5に記載の遊技機は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の遊技機において、前記補給手段は、前記遊技機に電源が投入されていないときは前記遊技球の補給を阻止する補給阻止手段を備えていることを要旨とする。
【0013】
また、請求項6に記載の遊技機は、請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機において、前記書込装置は、前記遊技機の電源投入時に作動することを要旨とする。
また、請求項7に記載の遊技機は、請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機において、前記書込装置を作動させる操作スイッチを備えたことを要旨とする。
【0014】
また、請求項8に記載の遊技機は、請求項7に記載の遊技機において、前記操作スイッチは、前記遊技機の電源投入時から所定時間の間にオン操作された場合のみ有効としたことを要旨とする。
【0015】
また、請求項9に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の遊技機において、前記読取装置は、前記循環経路における、前記発射装置から前記遊技球が発射される前の位置と、前記発射装置により発射後、前記遊技領域から前記遊技球が回収される位置との少なくとも一方に設けたことを要旨とする。
【0016】
また、請求項10に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の遊技機において、前記判断手段により前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断されたときは、その旨を表す信号を出力する出力手段を備えたことを要旨とする。
【0017】
また、請求項11に記載の遊技機は、請求項10に記載の遊技機において、前記出力手段による信号が出力されたときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球がある旨を報知する報知手段を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明は、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行うようになっている。
【0019】
また、遊技機は、読取装置と第1記憶手段とを備え、一方、遊技球には、それぞれ相違する情報データを含む識別情報が設けられ、この遊技球が遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、読取装置が、識別情報から情報データを読み取り、この読取装置が読み取った情報データを、第1記憶手段が記憶する。また、遊技機は、第2記憶手段を備えており、この第2記憶手段が、遊技球毎の情報データを予め記憶している。
【0020】
そして、遊技機は、判断手段を備えており、この判断手段が、第1記憶手段に記憶された情報データと、第2記憶手段に記憶された情報データとを比較し、つまり、読取装置が識別情報から読み取った遊技球の情報データと、予め記憶していた遊技球の情報データとを比較し、第2記憶手段に記憶された情報データが所定期間第1記憶手段に記憶されなかったときは、読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断する。
【0021】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機に使用される遊技球について読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断することができる。
請求項2の発明は、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行うようになっている。
【0022】
また、遊技機は、外部から遊技球を補給するための補給手段と書込装置を備え、一方、遊技球には、情報データを書き込み可能なデータ記憶手段が設けられ、書込装置が、データ記憶手段にそれぞれ相違する情報データを書き込む。つまり、書込装置により、遊技球には、それぞれ相違する情報データが書き込まれる。
【0023】
また、遊技機は、読取装置と第1記憶手段とを備え、この遊技球が遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、読取装置が、データ記憶手段から情報データを読み取り、この読取装置が読み取った情報データを、第1記憶手段が記憶する。また、遊技機は、第2記憶手段を備えており、この第2記憶手段が、遊技球毎の情報データを予め記憶している。
【0024】
また、遊技機は、判断手段を備えており、この判断手段が、第1記憶手段に記憶された情報データと、第2記憶手段に記憶された情報データとを比較し、つまり、読取装置がデータ記憶手段から読み取った遊技球の情報データと、予め記憶していた遊技球の情報データとを比較し、第2記憶手段に記憶された情報データが所定期間第1記憶手段に記憶されなかったときは、読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断する。
【0025】
そして、このように構成される遊技機において、書込装置は、それぞれ相違する情報データを、補給手段により補給された遊技球に書き込むようになっている。
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機に使用される遊技球について読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断することができる。また、遊技機は、書込装置を備えているので、遊技機に新たに遊技球を補給するときに、予め情報データを書き込んだ遊技球を遊技機毎に仕分けする必要がない。また、補給手段により容易に遊技球を補給できると共に、書込装置により補給された遊技球に情報データを迅速に書き込むことができる。即ち、遊技球を遊技機に補給する作業を、極めて容易且つ迅速にすることができる。
【0026】
ここで、補給された遊技球に書込装置が書き込む情報データは、次のようにするとよい。即ち、請求項3の発明は、書込装置が書き込む情報データは、第1記憶手段に所定期間記憶されなかった情報データ、つまり読取装置が所定期間読み取れなかった遊技球の情報データを割り振るようにしている。
【0027】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、新たな遊技球の情報データを発行する必要がなく、その結果、情報データが増えるのを防止して管理し易くなる。
或いは、補給された遊技球に書込装置が書き込む情報データは、次のようにしてもよい。即ち、請求項4の発明は、書込装置が書き込む情報データは、第2記憶手段に記憶されていない新たな情報データとしている。そして、この際、第1記憶手段に所定期間記憶されなかった情報データ、つまり読取装置が所定期間読み取れなかった遊技球の情報データは、第2記憶手段の記憶から削除されるようにしている。
【0028】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、余分な情報データを持つ必要がなくなり、第2記憶手段が記憶する情報データの数は増えることがなく、その結果、第2記憶手段の記憶容量を小さくすることができ、コストダウンとなる。
【0029】
請求項5の発明は、補給手段は、補給阻止手段を備えており、この補給阻止手段が、遊技機に電源が投入されていないときは遊技球の補給を阻止する。つまり、この補給阻止手段により、遊技機に電源が投入されていないときは遊技球の補給を阻止し、遊技機に電源が投入されているときは遊技球の補給を許容する。
【0030】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機の電源が入っていないことによる書込装置による情報データの書き込み不可を防止でき、その結果、補給された遊技球への情報データの書き込みを確実なものにしている。
【0031】
請求項6の発明は、書込装置は、遊技機の電源投入時に作動するようにしている。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、情報データが書き込まれていない遊技球による遊技を防止することができると共に、営業中に書込装置を誤って作動させて、遊技球の情報データを書き換えてしまうことを防止することができる。
【0032】
請求項7の発明は、遊技機が、書込装置を作動させる操作スイッチを備えている。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技場は、所望の時期に操作スイッチをオン操作するだけで容易に情報データを遊技球に書き込むことができる。
【0033】
請求項8の発明は、操作スイッチは、遊技機の電源投入時から所定時間の間にオン操作された場合のみ有効としている。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、営業中に書込装置を作動させる操作スイッチを誤ってオン操作し、遊技球の情報データを書き換えてしまうことを防止することができる。
【0034】
ここで、読取装置を遊技機のどの位置に何個配置するかが問題となるが、これは、次のようにするとよい。即ち、請求項9の発明は、読取装置は、循環経路における、発射装置から遊技球が発射される前の位置と、発射装置により発射後、遊技領域から遊技球が回収される位置との少なくとも一方に設けるようにしている。
【0035】
従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技機は、遊技機のどこで遊技球が詰まっているかが判るようになる。なお、この読取装置は2個以上設けてもよく、このようにした場合には、詰まった遊技球の箇所をより特定し易くなる。
【0036】
請求項10の発明は、遊技機は、出力手段を備えており、この出力手段が、判断手段により読取装置で読み取りできなかった遊技球があると判断されたときは、その旨を表す信号を出力する。従って、このように構成される本発明の遊技機においては、遊技場は、読取装置で読み取りできなかった遊技球があることを知ることができる。
【0037】
請求項11の発明は、遊技機は、報知手段を備えており、この報知手段が、出力手段による信号が出力されたときは、読取装置で読み取りできなかった遊技球がある旨を報知する。これにより、遊技場は、読取装置で読み取りできなかった遊技球があることを容易に理解することができ、当該遊技機の遊技球の検査や確認作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係わる遊技機1の全体斜視図である。
【図2】本実施形態に係わる遊技盤21の正面図である。
【図3】本実施形態に係わる表示集合板45の正面図である。
【図4】本実施形態に係わる打球発射装置43の構成を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係わる遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100の要部ブロック図である。
【図6】本実施形態に係わる遊技機制御装置100を構成する演出制御基板111を示すブロック図である。
【図7】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する電源投入処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報書込処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報記憶処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込エラー処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係わる遊技球毎に書き込まれる識別情報を示す説明図である。
【図14】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態に係わるRAM141に記憶されるRFタグリーダ27r、34rが読み取った遊技球識別情報を示す説明図である。
【図17】本実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する電源オフ処理を示すフローチャートである。
【図18】他の実施形態に係わる遊技機1の全体斜視図である。
【図19】他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャートである。
【図20】他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明を実施するための形態を図を用いて説明する。図1は、遊技機1の全体斜視図、図2は、遊技盤21の正面図、図3は、表示集合板45の正面図、図4は、打球発射装置43の構成を示す説明図、図5は、遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100の要部ブロック図、図6は、遊技機制御装置100を構成する演出制御基板111を示すブロック図である。
【0040】
本実施形態の遊技機1は、一定数の遊技球(例えば30個)を循環して遊技を行う封入式遊技機であって、図1乃至図5に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する着脱自在に装着される遊技盤21と、遊技盤21の前面側に開閉自在に装着されるガラス扉枠17と、ガラス扉枠17の下方に配置される皿ユニット24と、ガラス扉枠17の上方に配置され入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知する遊技効果ランプ15とが設けられている。また、内枠23の右上部には、遊技盤21で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に点灯する、エラーLED29aが設けられている。
【0041】
遊技盤21には、後述する打球発射装置43によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球が再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間に戻ってファール球が発生するのを防止するファール球防止弁28と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、演出図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)や所定の遊技状態(例えばリーチ)になったときに様々な演出表示を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された演出図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって演出図柄表示装置6及び後述の特別図柄表示装置47に演出図柄の変動表示及び特別図柄の変動表示を開始させるチャッカー型の始動入賞口11a、電動チューリップ型の始動入賞口11b(以下、両者を単に始動入賞口11ともいう)と、演出図柄表示装置6が演出図柄(特別図柄表示装置47が特別図柄)の変動表示中又は大当り中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、演出図柄表示装置6内において所定の画像を表示する表示部30と、この表示部30において3つの演出図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、演出図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18(図3参照)に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19と、入賞することによって賞品球に相当する後述のクレジット数が与えられる普通入賞口14と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、所定の遊技状態になると回転する星型の可動物32と、所定の遊技状態になると下方に移動するオバケ型の3つの可動物31と、所定の遊技状態になると点灯等の表示を行うLEDが集められた表示集合板45とが設けられている。
【0042】
次に、図3を参照して、遊技領域5の左側中ほどに遊技領域形成レール4に沿って設けられる表示集合板45には、上部に特別図柄を変動表示する7セグメントLEDで構成された特別図柄表示装置47と、特別図柄表示装置47下部の右側に配置され、確率変動状態時に点灯する確変LED48aと時短状態時に点灯する時短LED48bから構成される確変時短表示装置48と、特別図柄表示装置47及び確変時短表示装置48の下側に三連状に配置され、大当りのラウンド数を点灯表示する3つのラウンド表示LED46a、46b、46cから構成されるラウンド表示装置46と、ラウンド表示装置46の下側に配置され、普通図柄を変動表示すると共に、当りである場合に始動入賞口11bとしての電動チューリップの羽根を所定時間開放させる当りLED18aとはずれLED18bで構成される普通図柄表示装置18と、普通図柄表示装置18の下側に配置され、普通図柄表示装置18が普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED26とが設けられている。
【0043】
図1に戻って、内枠23に設けられた皿ユニット24には、遊技者が操作することにより後述する打球発射装置43(発射ソレノイド43a、球送りソレノイド43b)を作動させる打球操作ハンドル2と、遊技球を打球発射装置43に供給するための打球供給皿12と、遊技者が獲得した遊技球数の情報等を表示する情報表示部13とが設けられている。また、皿ユニット24の右上部には、皿ユニット24の背面側に設けられる後述の球供給通路37で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に点灯する、エラーLED29bが設けられている。
【0044】
打球供給皿12には、遊技者が所定の遊技状態になったときに操作するプッシュ式の演出ボタン51と、遊技機1に隣接して設けられる図示しないカードユニットから挿入したプリペイドカードを返却させる返却ボタン58と、プリペイドカードの残度数を表示する度数表示器が設けられる度数表示基板61と、プリペイドカードの残度数の範囲内で後述のクレジット表示装置33にクレジット数を転送して、遊技機1から打球供給皿12に遊技球を貸し出す球貸ボタン59とが設けられている。また、打球供給皿12の上面には、遊技球の飛び出しを防止すると共に、遊技者が遊技球に触れることを防止するための透明な蓋12aが設けられている。なお、演出ボタン51は、内部にランプやLED等を設けて所定の遊技状態になったら点灯するように構成してもよい。
【0045】
情報表示部13には、遊技者が獲得した遊技球(クレジット)数を表示するクレジット表示装置33と、遊技者が遊技を終了するときに操作するクレジット精算ボタン35と、クレジット精算ボタン35が操作されたときにクレジット数を記憶したクレジットカードを発行したり、発行されたクレジットカードを挿入したりするクレジットカード装置36とが設けられている。クレジット表示装置33は、リアルタイムでクレジット数を1個単位でデジタル表示する、6個の7セグメントLEDで構成される表示装置であり、遊技球の入賞口への入賞により賞品球数に相当するクレジット数が加算されると共に、球貸ボタン59が操作されたときに規定クレジット数が加算され、一方、遊技領域5に打ち出された遊技球数に相当するクレジット数が減算される。また、クレジットカード装置36は、予め所定枚数の生カードがストックされており、クレジット精算ボタン35操作時に、1枚の生カードにクレジット数が記憶されて排出され、一方、この排出されたクレジットカードをクレジットカード装置36に挿入すると、そのクレジットカードに記憶されたクレジット数がクレジット表示装置33に表示され、これにより遊技者は、所望の遊技機1にて遊技をすることが可能となる。つまり、遊技機1は、クレジット表示装置33に表示されたクレジット数だけ遊技球が発射可能になっている。
【0046】
なお、上記したプリペイドカードやクレジットカードは限定されるものではなく、例えばコイン等、他の媒体で構成するようにしてもよい。また、上記の説明では、プリペイドカードをカードユニットに、クレジットカードをクレジットカード装置36(遊技機1)に挿入する態様で説明したが、これは限定されるものではなく、例えば両者をカードユニット又は遊技機1に挿入して処理する態様にしてもよく、さらにプリペイドカード及びクレジットカードを、両者の機能を持ち合わせた1つの媒体で構成するようにしてもよい。
【0047】
ここで、図4を参照しながら、皿ユニット24の背面側に設けられる打球発射装置43の構成について説明する。打球発射装置43は、ベース板41に構成部品が集約して設けられており、その中央部には球供給通路37が形成されている。球供給通路37は、略つ字状に形成され、その上部には、アウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された遊技球が流入する幅広状の球入口38が形成されている。なお、この球入口38は、遊技機1の点検で遊技球を抜いたときや、何らかの原因(ガラス扉枠17や内枠23を開放したときや、遊技機1裏側の部品を修理点検したとき等)で遊技球が規定数から減少したとき等に、遊技球を補給するための球補給口としての機能も兼ねている。
【0048】
球供給通路37の終端部には、球送りソレノイド43bが設けられており、球入口38から流入して球供給通路37を転動流下する遊技球は、この球送りソレノイド43bにより、一旦、球供給通路37内で停止するようになっている。これにより、球供給通路37内には、図4に示すように、複数の遊技球が一列に整列して貯留されることになる。また、球供給通路37の終端部には、遊技球に設けられた後述するRFタグ70に遊技球識別情報を書き込むためのRFタグライタ39wが設けられている。このRFタグライタ39wは、後述する識別情報書込スイッチ150が操作されたときに、遊技球に設けられたRFタグ70に、所定の遊技球識別情報を書き込む。なお、RFタグライタ39wは、識別情報書込スイッチ150の操作に替えて、遊技機1の電源ON時に、RFタグ70に所定の遊技球識別情報を書き込むようにしてもよい。
【0049】
図中、49は、球発射口であり、球供給通路37内で整列していた遊技球は、球送りソレノイド43bの駆動により1個ずつ球供給通路37から排出されて球発射口49に流下する。図中、43aは、発射ソレノイドであり、球発射口49に流出した遊技球は、発射レール50の発射位置まで流下して停止し、発射ソレノイド43aの駆動により遊技領域5に向かって打ち出される。球送りソレノイド43bと発射ソレノイド43aは、交互にタイミングよく駆動制御されることで、遊技球を所定間隔で1個ずつ発射することが可能になっている。ここで、球発射口49の右奥側壁には、RFタグリーダ34rが設けられており、このRFタグリーダ34rは、発射ソレノイド43aにより発射される遊技球(発射位置の遊技球又は発射位置直前の遊技球)の後述するRFタグ70から遊技球識別情報を読み取るようになっている。なお、発射される速度が遅くファールとなった遊技球は、図示しないリフトや経路を通って、再び球供給通路37に導出され発射されるようになっている。
【0050】
一方、球供給通路37の始端部側壁には、つまり、球入口38との接続部分には、RFタグリーダ27rが設けられており、このRFタグリーダ27rは、球入口38から球供給通路37に流入してくる遊技球、つまり、アウト口16に回収された遊技球や入賞口に入賞した遊技球、或いは、店員等によって補給された遊技球の後述するRFタグ70から遊技球識別情報を読み取るようになっている。さらに、球供給通路37のRFタグリーダ27rと反対側には、球流下ソレノイド52が設けられており、この球流下ソレノイド52は、遊技機1の電源がオンされているときは、球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を許容し、遊技機1の電源がオフされているときは、球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を阻止するようになっている。
【0051】
上記したように構成される遊技機1は、プリペイドカード等を挿入して球貸ボタン59を操作したり、クレジット数が記憶されたクレジットカードをクレジットカード装置36に挿入したりしてクレジット表示装置33にクレジット数が表示された後、打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置43から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。打球発射装置43から発射される遊技球は、発射される前にRFタグリーダ34rにより遊技球識別情報が読み取られる。また、打球発射装置43から発射される速度が遅くファール球防止弁28を通過しない遊技球は、遊技領域5に打ち出されることなく、再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通ってファール球として処理され、再び打球発射装置43から発射される。
【0052】
遊技領域5に打ち出された遊技球は、後述する発射球スイッチ117により検出され、この検出された遊技球数に相当するクレジット数が減算されてクレジット表示装置33に表示される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収される。そして、これらアウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された遊技球は、打球発射装置43の球入口38に誘導され、球入口38から球供給通路37に流下するとき、RFタグリーダ27rにより遊技球識別情報が読み取られながら、再び球供給通路37に集められて遊技領域5に向かって打ち出される。
【0053】
遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、後述する左入賞口スイッチ122a、又は右入賞口スイッチ122bにより遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。そして、後述する始動入賞口スイッチ116a、又は116bにより遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
【0054】
また、遊技球が始動入賞口11に入賞すると、演出図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に複数種類(例えば20種類)の演出図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に演出図柄を停止させて確定表示を行い、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが停止した時点で大当りを構成する演出図柄の組合せ(例えば、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが同一の演出図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、演出図柄表示装置6の表示部30にて所定のリーチアクションが演出表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の演出図柄が停止した時点で確定表示された演出図柄が予め定められた大当り演出図柄の組合せである場合には大当りとなり、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放するようになっている。そしてこれら以外の演出図柄の組合せである場合には、はずれとなる。なお、遊技球が大入賞口7に入賞した場合には、後述する大入賞口スイッチ123により遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
【0055】
ここで、演出図柄表示装置6に演出図柄を変動表示させる過程で、所定の遊技状態になった場合、例えばリーチになった場合には、所定の割合で演出図柄表示装置6にて遊技者に演出ボタン51を所定の態様で操作させる演出表示が実行されるようになっている。なお、演出図柄表示装置6にて左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10の演出図柄を停止させる順序は特に限定するものではなく、また、大当り以外に、中当りや小当りを設け、大入賞口7(アタッカ)を所定の態様で開放するようにしてもよい。
【0056】
また、遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、演出図柄表示装置6が作動するのと同時に特別図柄表示装置47が作動して特別図柄が変動表示され、この特別図柄の変動表示は、演出図柄表示装置6にて変動表示されていた演出図柄が停止して確定表示されたとき、同時に停止して確定表示される。つまり演出図柄表示装置6の変動表示と特別図柄表示装置47の変動表示は同期する。なお、特別図柄表示装置47の変動表示は、7セグメントLEDのセグメントを所定の順序で点灯させていくことで実行している。
【0057】
そして演出図柄表示装置6にて、はずれ又は大当り図柄が確定表示されたときは、特別図柄表示装置47にも予め定められたはずれ又は大当り図柄が表示される。また、特別図柄表示装置47において、はずれのときの特別図柄は1種類であり、一方、大当りの特別図柄は複数種類(例えば20種類)設けられており、これら大当りの特別図柄はそれぞれ大当りの遊技内容(例えばラウンド数、確率変動や時短の有無及び回数等)が異なるようになっている。なお、始動入賞口11aに入賞したときと、始動入賞口11bに入賞したときとで大当りなる確率や、所定の遊技内容の大当りになる確率を異ならせるようにしてもよい。また、特別図柄表示装置47にてはずれの特別図柄や大当りの特別図柄の種類は特に限定されるものではなく、例えば、はずれの特別図柄を複数種類設けるようにしてもよい。
【0058】
また、大当りになると、ラウンド表示装置46のラウンド表示LED46a、46b、46cが当該大当りのラウンド数に応じて点灯する。例えば、今回の大当りの特別図柄が4ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46aが点灯し、大当りの特別図柄が7ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46bが点灯し、大当りの特別図柄が15ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46b、46cが点灯するといった具合である。もちろん、これらラウンド表示LED46a、46b、46cが点灯する組合せは、大当りの特別図柄に応じて適宜設定するようにすればよい。
【0059】
さらに、大当りの特別図柄が確率変動大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇する遊技状態(確変状態)になり、この確変状態になっているときは、確変時短表示装置48の確変LED48aが点灯する。また、大当りの特別図柄が時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(時短状態)になり、この時短状態になっているときは確変時短表示装置48の時短LED48bが点灯する。また、大当りの特別図柄が確率変動且つ時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇且つ特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(確変時短状態)になり、この確変時短状態になっているときは、確変LED48aと時短LED48bが点灯する。そして、大当りの特別図柄がこれら以外の通常大当りである場合には、確変LED48aと時短LED48bは点灯しない。
【0060】
また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、後述する普通作動ゲートスイッチ121によって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、所定時間経過後当りLED18aが点灯して所定の当り図柄(例えば「◎」)が確定表示されれば当りとなり、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根を所定時間開放し、一方所定時間経過後はずれLED18bが点灯して所定のはずれ図柄(例えば「×」)が確定表示されればはずれとなる。なお、遊技状態が確変状態や時短状態になっているときに普通図柄が当りとなったときは、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長するようにしてもよい。この電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長する態様は、例えば羽根を複数回開放して開放時間を延長したり、1回の羽根の開放時間を延長したりすればよく、ただしこの場合、所定個数(例えば8個)の遊技球が入賞したら羽根を閉じるようにすればよい。
【0061】
従って、このような遊技機1を遊技する遊技者は、遊技球が始動入賞口11に入賞したときは大当りを期待することができるので、演出表示のない特別図柄表示装置47の特別図柄よりも、極めて演出効果の高い演出図柄表示装置6に変動表示される演出図柄を注視することになる。そして、演出図柄表示装置6に大当りを構成する演出図柄の組合せが停止して遊技状態がリーチになったときは、遊技者が最も期待する瞬間となり、このとき演出図柄表示装置6に演出ボタン51を操作させる演出が表示されたときは、遊技者は大当りを獲得すべく演出ボタン51を懸命に操作することになる。これにより遊技に参加することができるという満足感を遊技者に与えて遊技機1の趣向性が向上する。
【0062】
次に遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100を図5を用いて説明する。遊技機制御装置100は図5に示すように構成され、遊技機制御装置100を主に構成する主制御基板44は、図示していないが、入力回路、出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ及びこれらを接続するバス(データバス、アドレスバス、コントロールバス等)とを備えており、入力回路を介して取得した各センサやスイッチ等からの信号に基づいて、ワンチップマイクロコンピュータが出力回路に接続されている各種回路や機器等を制御するための所定の制御プログラムを実行する。また、ワンチップマイクロコンピュータは、制御プログラムを実行するCPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM及びCPUが処理するデータを一時的に記憶するRAMが内蔵されている。
【0063】
主制御基板44の入力回路には、電源基板53及びクレジット制御基板40と、始動入賞口11に設けられた遊技球の入賞を検出すると演出図柄及び特別図柄の変動開始信号及びクレジット加算信号を送る始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116bと、普通図柄作動ゲート19に設けられた遊技球の通過を検出すると普通図柄の変動開始信号を送る普通作動ゲートスイッチ121と、大入賞口7に設けられ、大入賞口7を開放することにより大入賞口7内に入賞した遊技球を検出するとクレジット加算信号を送る大入賞口スイッチ123と、普通入賞口14に入賞した遊技球を検出するとクレジット加算信号を送る左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b(左入賞口スイッチ122aは左側の3つの普通入賞口14に、右入賞口スイッチ122bは右側の普通入賞口14に対応)と、ファール球防止弁28の近傍に設けられ、遊技領域5に打ち出された遊技球を検出するとクレジット減算信号を送る発射球スイッチ117とが接続されている。
【0064】
主制御基板44の出力回路には、演出制御基板111及びクレジット制御基板40と、大入賞口7としてのアタッカを開口動作するための大入賞口ソレノイド106と、始動入賞口11bとしての電動チューリップを開放動作するための普通電動ソレノイド107と、図示しないドライバ回路を経由して7セグLEDとしての特別図柄表示装置47と、当りLED18a及びはずれLED18bからなる普通図柄表示装置18と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
【0065】
クレジット制御基板40及び発射基板42は、上記した主制御基板44と同様に、入出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ等を備えて構成されている。クレジット制御基板40の入出力回路には、電源基板53、発射基板42及び主制御基板44と、ガラス扉枠17が開放されると扉開放信号を送る扉開放スイッチ124と、内枠23が開放されると枠開放信号を送る枠開放スイッチ125と、打球発射装置43の発射ソレノイド43a及び球流下ソレノイド52と、情報表示部13のクレジット表示装置33、クレジット精算ボタン35及びクレジットカード装置36と、打球供給皿12の返却ボタン58、球貸ボタン59及び度数表示基板61とが接続されている。
【0066】
また、発射基板42の入出力回路には、クレジット制御基板40と、打球操作ハンドル2が回動操作されて遊技球が発射される時にオンするタッチセンサ119と、打球操作ハンドル2の所定箇所に設けられ押圧操作することにより打球発射装置43の作動をオフさせて遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ120と、打球発射装置43の球送りソレノイド43bとが接続されている。
【0067】
次に、演出制御基板111について、図6を参照しながら説明する。演出制御基板111は、所定の制御プログラムを実行するCPU140、CPU140が実行する制御プログラムを格納するROM142及びCPU140の作業領域を構成するRAM141等からなるワンチップマイクロコンピュータを備えている。また、演出制御基板111は、LCDとしての演出図柄表示装置6に演出表示する画像を制御するVDP143、VDP143が読み出す各コマンドに対応した表示制御データ(変動パターン等)及びキャラクタや図柄や背景等が記憶された画像データ用のCGROM145、VDP143が処理する画像データ等を一時的に記憶保持するための記憶エリアを備えたVRAM144を備えている。これらのCPU140、RAM141、ROM142、VDP143、VRAM144及びCGROM145は、バス115により接続されている。また、バス115と接続される入出力回路147には、電源が切られた場合でもRAM141及びVRAM144の記憶内容を所定時間保持可能なRAM、VRAMバックアップ回路146が接続されている。
【0068】
即ち、演出制御基板111は、主制御基板44のCPUから一方向のストローブ信号や表示制御用コマンド信号等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、表示制御用CPU140は表示制御用コマンドを認識する。するとVDP143は、この表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄や背景等をCGROM145から読み出し、上記画像データを一時記憶するVRAM144に格納する。そしてVDP143は、この格納された画像データを、表示順がくるとVRAM144から読み出し、CPU140からの指令に応じて所定の態様でLCD(演出図柄表示装置6)に演出表示する。
【0069】
また、入出力回路147には、演出図柄表示装置6と、操作されたときに操作信号を送る演出ボタン51と、各種の効果音を拡声させるためのスピーカ113と、オバケ型の可動物31を落下動作するための演出モータ105と、星型の可動物32を回転動作するための演出モータ108と、各種のLEDやランプ(例えば、保留LED25や遊技効果ランプ15)と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
【0070】
さらに、入出力回路147には、エラーLED29a、29bと、識別情報書込スイッチ150と、RFタグリーダ27r、34rと、RFタグライタ39wとが接続されている。エラーLED29aは、遊技盤21の表側や裏側で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に、例えば赤色に点灯して、その旨を外部に報知するLEDであり、エラーLED29bは、皿ユニット24背面側の球供給通路37で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に、例えば青色に点灯して、その旨を外部に報知するLEDである。
【0071】
識別情報書込スイッチ150は、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチであって、遊技機1に電源が投入されてから所定時間(例えば3分)以内に操作されたときのみ有効となる。識別情報書込スイッチ150が有効に操作されると、RFタグライタ39wが遊技球に設けられたRFタグ70に遊技球識別情報を書き込む。
【0072】
つまり、RFタグライタ39wは、識別情報書込スイッチ150が有効に操作されると起動し、RFタグライタ39wが発生するRFフィールド内に遊技球が入ってくると、無線によりRFタグ70に電力と遊技球識別情報を送信する。RFタグ70は、電池を内蔵していないパッシブタイプであって、電気的に書き換え可能なEEPROM71を備えており、RFタグライタ39wからの無線による送信電力により起動して、RFタグライタ39wから無線送信された遊技球識別情報を受信してEEPROM71に記憶する。これにより、遊技球のRFタグ70に所定の遊技球識別情報が書き込まれる。さらに、RFタグライタ39wは、RFタグ70からEEPROM71に記憶された遊技球識別情報を無線送信により受信して読み取る機能も備えている。
【0073】
ここで、上述したように、RFタグライタ39wは、球供給通路37の直ぐ上側に設けられ、この球供給通路37内は、図4に示したように、遊技球が整列して貯留されている。従って、複数のRFタグ70からRFタグライタ39wへのデータの通信が衝突することがなく、これにより、RFタグライタ39wに、これらデータの衝突を回避するためのアンチコリジョン等の機能を備える必要がない。
【0074】
RFタグリーダ27rは、打球発射装置43の球供給通路37に流入する遊技球の遊技球識別情報を読み取り、RFタグリーダ34rは、打球発射装置43から発射される遊技球の遊技球識別情報を読み取る装置であって、これらのRFタグリーダ27r、34rが発生するRFフィールド内に遊技球が入ってくると、無線によりRFタグ70に電力を送信する。RFタグ70は、RFタグリーダ27r、34rからの無線による送信電力により起動して、EEPROM71に記憶している遊技球識別情報を読み出してRFタグリーダ27r、34rに無線送信する。RFタグリーダ27r、34rは、RFタグ70から無線送信された遊技球識別情報を受信して、RAM141の所定の記憶エリアに受信した遊技球識別情報を順次記憶する。
【0075】
ここで、上述したように、RFタグリーダ27rは、球供給通路37の始端部側壁に設けられ、RFタグリーダ34rは、球発射口49の右奥側壁に設けられており、これらRFタグリーダ27r、34rが設けられている箇所は、遊技球が1個ずつ通過するようになっている。従って、複数のRFタグ70からRFタグリーダ27r、34rへのデータの通信が衝突することがなく、これにより、RFタグリーダ27r、34rに、これらデータの衝突を回避するためのアンチコリジョン等の機能を備える必要がない。
【0076】
なお、演出制御基板111は、演出制御基板111を構成する各種装置の機能や配置及び各CPU140の処理速度やROM142、RAM141等の記憶装置の容量等に応じて適宜設計すればよい。
【0077】
次に、このように構成された遊技機1にて実行される本発明の特徴的な処理について、図7乃至図17を参照しながら詳述する。図7は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報処理を示すフローチャート、図8は、演出制御基板111のCPU140が実行する電源投入処理を示すフローチャート、図9は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報書込処理を示すフローチャート、図10は、演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込処理を示すフローチャート、図11は、演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報記憶処理を示すフローチャート、図12は、演出制御基板111のCPU140が実行する欠落遊技球識別情報書込エラー処理を示すフローチャート、図13は、遊技球毎に書き込まれる識別情報を示す説明図、図14は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャート、図15は、演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャート、図16は、RAM141に記憶されるRFタグリーダ27r、34rが読み取った遊技球識別情報を示す説明図、図17は、演出制御基板111のCPU140が実行する電源オフ処理を示すフローチャートである。なお、これらの処理は遊技機1の電源投入時から所定時間(例えば2msec)毎に繰り返し実行されるようになっている。
【0078】
図7を参照して、本発明の特徴的な演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報処理は、電源投入処理(ステップS10)、遊技球識別情報書込処理(ステップS20)、遊技中処理(ステップS80)、電源オフ処理(ステップS120)からなっている。この遊技球識別情報処理が実行されると、まずステップS10にて、遊技機1に電源が投入されたときに係わる図8に示す電源投入処理が実行される。この電源投入処理が実行されると、ステップS12にて、遊技機1に電源が投入されたか否かを判定し、ステップS12にてYESのときはステップS13に移行し、ここで、CPU140は、初期化処理として、スタックの設定や以下の処理に必要な各フラグ、各カウンタ、各レジスタ及びRAM141等の記憶エリアの初期化を行う。
【0079】
そして、ステップS14に移行し、球流下ソレノイド52をオンして球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を許容する。つまり、遊技機1の電源がオフされているときは、球流下ソレノイド52のプランジャが球供給通路37に突出して球入口38に遊技球を貯留する状態となっており、この状態から遊技機1の電源が投入されると、球流下ソレノイド52がオンして球供給通路37に突出していたプランジャが引っ込み、球入口38に貯留していた遊技球が1個ずつ球供給通路37に流入する状態となる。
【0080】
そして、ステップS15に移行し、識別情報書込スイッチ150がオン操作されたか否かを判定し、識別情報書込スイッチ150がオン操作されたときは、ステップS16に移行し、遊技機1に電源が投入されてから識別情報書込スイッチ150がオン操作されるまでの時間が、所定時間(例えば3分)以内か否かを判定する。そしてステップS16にてYESのときはステップS18に移行し、ここで上記ステップS15にてYESと判定された識別情報書込スイッチ150のオン操作を有効にする。そして、ステップS18の処理を終えると、又は、ステップS12、S15にてNOの場合には、この電源投入処理を終了する。
【0081】
つまり、図8に示す電源投入処理では、遊技機1の電源が入っていないと後述の遊技球への識別情報の書き込みができないので、遊技機1に電源が投入されてから球供給通路37への遊技球の流入を許容し、これにより、新しく補給された遊技球への識別情報の書き込みを確実なものにしている。また、遊技機1の電源がオフされているときに、何らかの原因で余分な規定外の遊技球が球入口38に入り込んでも、球供給通路37への侵入を阻止して球入口38に貯留することができ、従って電源投入時の点検等で、この余分な遊技球を取り除くこともできる。即ち、当該遊技機1に規定外の遊技球が使用されることも防止できる。加えて、遊技場の関係者以外の者が容易に識別情報書込スイッチ150をオン操作できないようにすると共に、営業中に誤って識別情報書込スイッチ150をオン操作して、遊技球の識別情報を書き換えてしまうことを防止するようにしているので、これにより、後述する当該遊技機1に使用される全ての遊技球について発射可能か否かの判断が容易且つ正確に行われる。
【0082】
また、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効になったときは、その旨を報知するように、例えば、識別情報書込スイッチ150(或いは、識別情報書込スイッチ150に対応して設けたLEDやランプ等)を点灯させるようにするとよい。このようにすれば、識別情報書込スイッチ150の操作者は、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効になったことを容易に確認できる。なお、ステップS16にてNOの場合には、即ち、遊技機1に電源が投入されてから識別情報書込スイッチ150がオン操作されるまでの時間が、所定時間を越えていた場合には、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、図8に示すように、ステップS12に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。
【0083】
図7に戻って、電源投入処理が終了すると、ステップS20に移行し、次に図9に示す遊技球識別情報書込処理が実行される。この遊技球識別情報書込処理が実行されると、まずステップS22にて、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効にされているか否かを判定し、ステップS22にてYESのときはステップS24に移行し、ここでRFタグライタ39wを起動し、ステップS25に移行して発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを所定回数駆動させる。このステップS25の処理は、遊技機1の全ての遊技球に、後述の欠落遊技球識別情報書込処理を行うための処理であり、つまり、遊技機1に電源が投入されたときは、通常、全ての遊技球(30個)が図4に示した球供給通路37内に整列しており、従って、これら全ての遊技球をRFタグライタ39wが発生するRFフィールド内に進入させるため、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させるのである。ここで、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させる回数は、例えば60回(全ての遊技球を2回RFフィールド内に進入させる回数)程度であればよく、また、このステップS25における遊技球の発射速度は、遊技領域5に打ち出されて遊技データに含まれることがないよう、発射した遊技球がファール球となる速度が望ましい。なお、これは、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させることなく、別途リフト装置等を設けて、遊技機1内の遊技球を循環させるようにして行うようにしてもよい。
【0084】
ステップS25の処理を終えるとステップS26に移行して、図10に示す欠落遊技球識別情報書込処理を実行する。この欠落遊技球識別情報書込処理が実行されると、まずステップS30にて欠落遊技球識別情報記憶処理が行われる。図11を参照して、この欠落遊技球識別情報記憶処理では、ステップS32にて、RFタグライタ39wが遊技機1の各遊技球に設けられたRFタグ70から遊技球識別情報を読み取る。
【0085】
ここで、本実施形態の遊技機1は、30個の遊技球を循環して遊技を行う封入式遊技機であるので、図13に示すように、1個の遊技球に対して、その遊技機の台番号(例えば100)と、01〜30の番号の何れかを組み合わせた数字(例えば100−01)が、遊技球識別情報のデータとしてRFタグ70に書き込まれ、RFタグ70の備えるEEPROM71に予め記憶されている(後述する新たに遊技機1に補給された遊技球は、補給されたときにRFタグ70に書き込まれ、EEPROM71にその時点で記憶される)。従って、1台の遊技機1に対して、30種類の遊技球識別情報が、遊技球毎に書き込まれて記憶されることになる。
【0086】
図11に戻って、次にステップS34に移行し、RFタグ70から読み取った遊技球識別情報を、予めRAM141の所定の記憶エリアに記憶している遊技球識別情報と比較する。このRAM141に予め記憶している遊技球識別情報は、上記図13で示した、遊技機1で使用される全ての遊技球30個の遊技球識別情報と同一である。そして、ステップS36に移行し、ここで欠落している遊技球識別情報があるか否か、即ち遊技機1で使用される規定の遊技球があるか否かを判定する。この判定は、予め記憶している遊技球識別情報全てが、RFタグ70から読み取った遊技球識別情報にあるか否かで行う。
【0087】
そして、ステップS36にてYESのときはステップS38に移行し、欠落している遊技球識別情報をRAM141の所定の記憶エリアに記憶し、次にステップS40に移行し、欠落している遊技球識別情報を記憶していることを示すフラグF1に1をセットする。そして、ステップS40を終えると、又は、ステップS36にてNOのときは、この欠落遊技球識別情報記憶処理を終了する。
【0088】
図10に戻って、欠落遊技球識別情報記憶処理が終了すると、ステップS50に移行し、次に図12に示す欠落遊技球識別情報書込エラー処理が実行される。この欠落遊技球識別情報書込エラー処理が実行されると、まずステップS52にて、遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球があるか否かを判定し、ステップS52にてYESのとき、つまり、遊技機1において、初めて遊技球をセットするとき、古い遊技球を交換するとき、或いは、点検等で遊技球を紛失し、新たに遊技球を補充するとき等は、遊技機1に補給される新たな遊技球のRFタグ70には遊技球識別情報が書き込まれていないので、これらの場合にはステップS52にてYESとなり、ステップS54に移行する。なお、これらの場合に遊技機1に遊技球を補給するには、上記図4で示した球入口38に所定数の遊技球を入れて行えばよい。
【0089】
そして、ステップS54に移行すると、フラグF1に1がセットされているか否か、即ち欠落している遊技球識別情報を記憶しているか否かを判定し、ステップS54にてYESのときはステップS60に移行し、ここで、欠落している遊技球識別情報を新たな遊技球のRFタグ70に書き込んでEEPROM71に記憶させる。つまり、遊技機1に補給された新たな遊技球のRFタグ70に、欠落していた遊技球識別情報が割り振られる。これにより、新たな遊技球を遊技機1に補給する作業が極めて容易になると共に、新たな遊技球識別情報を発行する必要がなく、遊技球識別情報が増えるのを防止できる。
【0090】
一方、ステップS54にてNOのときはステップS58に移行し、ここで所定のエラー処理を実行する。つまり、遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球があるにもかかわらず、欠落している遊技球識別情報を記憶していない場合には、ステップS58のエラー処理を実行する。
【0091】
一方、ステップS52にてNOのとき、つまり遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球がないときは、ステップS56に移行し、フラグF1に1がセットされているか否か、つまり欠落している遊技球識別情報を記憶しているか否かを判定し、ステップS56にてYESのときはステップS58に移行してエラー処理を実行する。即ち、遊技球識別情報が書き込まれていない遊技球がないにもかかわらず、欠落している遊技球識別情報を記憶している場合には、ステップS58のエラー処理を実行する。
【0092】
ここで、ステップS58のエラー処理としては、例えば、遊技機1の所定のLEDやランプ等を点灯させたり、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力してその旨を報知させるようにすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「識別情報が書き込みエラー」「識別情報が書き込みできません(ステップS56にてYESの場合)」「遊技球を補給して下さい(ステップS56にてYESの場合)」「遊技球が余分にあります(ステップS54にてNOの場合)」「余分な遊技球を取り除いて下さい(ステップS54にてNOの場合)」というような表示が考えられる。
【0093】
そして、ステップS58のエラー処理を受けて、店員等が遊技機1に遊技球を補給したり、取り除いたりするような措置を行ったら、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、ステップS12(図8参照)に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。一方、ステップS60の処理を終えたら、又は、ステップS56にてNOと判定されたときは、この欠落遊技球識別情報書込エラー処理を終了し、これにより図10に示す欠落遊技球識別情報書込処理を終了する。
【0094】
図9に戻って、ステップS26の欠落遊技球識別情報書込処理を終えると、ステップS68に移行し、ステップS26の欠落遊技球識別情報書込処理が全て終了したか否か、つまり、遊技機1の全ての遊技球に対して遊技球識別情報が書き込まれているか否かを判定する。この判定は、次のように行う。即ち、RFタグライタ39wは、上記したように、遊技機1で使用される遊技球毎の遊技球識別情報を予め記憶しており、この記憶している遊技球識別情報と、RFタグ70から受信する遊技球識別情報を比較し、これによりRFタグ70から全ての遊技球識別情報を受信したら、RFタグ70への書き込みを終了したと判定し、CPU140に書き込みが終了した旨を示す書込終了信号を送出する。CPU140は、このRFタグライタ39wからの書込終了信号を受信することにより、ステップS68にてYESと判定する。
【0095】
そして、ステップS68にてYESのときはステップS69に移行し、上記ステップS38でRAM141の所定の記憶エリアに記憶した欠落している遊技球識別情報を消去し、次にステップS70に移行し、フラグF1に0をセットする。つまり、フラグF1には、欠落している遊技球識別情報を記憶している場合には1が、欠落している遊技球識別情報を記憶していない場合には0がセットされる。なお、上記した電源投入処理の初期化処理では(ステップS13)、フラグF1には0がセットされるようになっている。
【0096】
そして、ステップS71に移行し、RFタグライタ39wの作動を停止し、ステップS72に移行して、識別情報書込スイッチ150のオン操作を無効にする。なお、識別情報書込スイッチ150が点灯していた場合には、このステップS72の処理にて、識別情報書込スイッチ150を消灯する。このようにすれば、識別情報書込スイッチ150の操作者は、識別情報書込スイッチ150のオン操作が無効になったことを容易に確認できる。
【0097】
一方、ステップS68にてNOのときは、つまり、RFタグライタ39wからの書込終了信号を受信していないときは、この遊技球識別情報書込処理を終了する。また、ステップS72の処理を終えたら、又は、ステップS22にてNOと判定されたときも、遊技球識別情報書込処理を終了する。なお、この遊技球識別情報書込処理は、通常、営業の開始前に行われる。
【0098】
図7に戻って、遊技球識別情報書込処理が終了すると、ステップS80に移行し、次に図14に示す遊技中処理が実行される。この遊技中処理が実行されると、まずステップS81にて、上記したステップS68と同様に、RFタグライタ39wからの書込終了信号を受信しているか否か、即ち遊技機1の全ての遊技球に対して遊技球識別情報が書き込まれているか否かを判定し、ステップS81にてYESのときはステップS82に移行し、ステップS81にてNOのときは、遊技中処理を終了する。つまり、この遊技中処理は、遊技機1の全ての遊技球に対して規定の遊技球識別情報が書き込まれていなければ、実行されないようになっている。これにより、後述する当該遊技機1に使用される全ての遊技球について発射可能か否かの判断が容易且つ正確に行われる。
【0099】
そして、ステップS82に移行すると、RFタグリーダ34rがオンしたか、つまり、RFタグリーダ34rが、発射ソレノイド43aにより発射される遊技球のRFタグ70から遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS82にてYESのときはステップS84に移行し、カウンタKの値をインクリメントする。このカウンタKは、上記した電源投入処理の初期化処理では(ステップS13)、0がセットされ、遊技球が発射される毎にインクリメントされるようになっている。つまりカウンタKは、遊技機1にて発射された遊技球の数を示すようになっている。
【0100】
次にステップS86に移行し、RAM141の所定の記憶エリアに、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報を記憶する。これにより、何発目に発射されたかの遊技球の識別情報が判るようになる。なお、図16には、RAM141の所定の記憶エリアに記憶される、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報を示した例が記載されている。
【0101】
ステップS86を終えると、又は、ステップS82にてNOのときは、ステップS88に移行し、RFタグリーダ27rがオンしたか、つまり、RFタグリーダ27rが、球入口38から球供給通路37に流入してくる、アウト口16に回収された遊技球や入賞口に入賞した遊技球のRFタグ70から遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS88にてYESのときはステップS90に移行し、RAM141の所定の記憶エリアに、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ27rが読み取った遊技球識別情報を記憶する。これにより、発射されるタイミングにおける球供給通路37に流入した遊技球の識別情報が判るようになる。なお、図16には、RAM141の所定の記憶エリアに記憶される、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ27rが読み取った遊技球識別情報を示した例が記載されている。ここで、図16においてカウンタKの値が1〜6に対応するRFタグリーダ27rの読み取った遊技球識別情報が空欄なのは、6発目の遊技球が発射されるまでに、球供給通路37には未だ1個も遊技球が流入していないからである。つまり、6発目の遊技球が発射されるとき、1〜5発目に既に発射された遊技球は、未だ遊技盤21上を落下していたりすること等で、球供給通路37に到達していないからである。
【0102】
ステップS90を終えると、又は、ステップS88にてNOのときは、ステップS100に移行し、ここで、図15に示す報知処理を実行する。図15を参照して、この報知処理が実行されると、まずステップS102にて、所定の発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射されたか否かを判定する。例えば、図16において、所定の発射した遊技球を1発目に発射した遊技球(カウンタK=1、RFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報「100−01」)とした場合には、1発目に発射した遊技球から数えて60発目の遊技球(カウンタK=60、RFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報「100−30」)は既に発射されているので、この場合にはステップS102にてYESとなる。
【0103】
ステップS102にてYESのときはステップS104に移行し、RFタグリーダ34rが読み取った遊技球識別情報と、RFタグリーダ27rが読み取った遊技球識別情報とを比較する。ここで、この比較の態様としては、ステップS106の処理とステップS112の処理の2種類あり、まずステップS106の処理では、RFタグリーダ34rが読み取れて、RFタグリーダ27rが読み取れない遊技球識別情報があるか否かを判定する。
【0104】
つまり、ステップS106の処理では、RFタグリーダ34rが読み取った所定の発射した遊技球1個の遊技球識別情報と、この所定の発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射される間にRFタグリーダ27rが読み取った全ての遊技球識別情報とを比較する。例えば、図16において、所定の発射した遊技球を7発目に発射した遊技球とした場合には、RFタグリーダ34rが読み取ったカウンタK=7の遊技球識別情報「100−07」と、RFタグリーダ27rが読み取ったカウンタK=7〜66の遊技球識別情報「100−02」〜「100−30」とを比較する。なお、この60発の理由は、本実施形態の遊技機1では、30個の遊技球を使用しているので、所定の発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射される間には、RFタグリーダ34rで読み取った所定の発射した遊技球の識別情報は、この識別情報の遊技球が遊技盤21等で詰まっていなければ、RFタグリーダ27rで少なくとも1回は読み取れる筈だからである。
【0105】
そして、ステップS106にてYESのときは、即ちRFタグリーダ34rが読み取った識別情報の遊技球が発射されてから、60発の遊技球が発射されてもRFタグリーダ27rが該RFタグリーダ34rの読み取った遊技球の識別情報を読み取れないときは、ステップS108に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力してエラーLED29aを点灯する(例えば赤色)。つまり、このエラーLED29aは、遊技球が遊技盤21等で詰まっている可能性が高い場合に点灯するLEDであって、遊技盤21に遊技球が詰まっていることを示すよう、遊技盤21近傍の内枠23に設けられている。
【0106】
そして、エラーLED29aを点灯したら、ステップS110に移行して第1エラー報知を実行する。この第1エラー報知は、上記エラー信号の出力に基づいて、例えば、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)にエラー信号を出力してその旨を報知したりすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「遊技盤で遊技球が詰まっています」「発射不能な遊技球があります」というような表示が考えられる。なお、この演出図柄表示装置6でエラーを表示する場合には、遊技進行の邪魔にならないよう、所定時間経過したら表示を消去するか、所定時間毎に単発的に表示するとよい。これにより、遊技場は、当該遊技機1の遊技球の検査や確認作業が可能となる。
【0107】
一方、ステップS106にてNOのときはステップS112に移行し、RFタグリーダ27rが読み取れて、RFタグリーダ34rが読み取れない遊技球識別情報があるか否かを判定する。つまり、ステップS112の処理では、RFタグリーダ27rが読み取った所定の球供給通路37に流下した遊技球1個の遊技球識別情報と、この遊技球をRFタグリーダ27rが読み取ったときに発射した遊技球から数えて60発の遊技球が発射される間にRFタグリーダ34rが読み取った全ての遊技球識別情報とを比較する。例えば、図16において、RFタグリーダ27rが読み取った球供給通路37に流下した遊技球をカウンタK=7の遊技球識別情報「100−02」とした場合には、この遊技球識別情報「100−02」と、RFタグリーダ34rが読み取ったカウンタK=7〜66の遊技球識別情報「100−07」〜「100−08」とを比較する。なお、この60発の理由は、上述したとおりであり、つまり、RFタグリーダ27rが読み取った球供給通路37に流下した遊技球が皿ユニット24背面側(球供給通路37等)で詰まっていなければ、RFタグリーダ34rで通常2回読み取れる筈だからである。
【0108】
そして、ステップS112にてYESのときは、即ちRFタグリーダ27rが読み取った識別情報の遊技球が、この遊技球の識別情報をRFタグリーダ27rが読み取ってから60発の遊技球が発射されてもRFタグリーダ34rで読み取れないときは、ステップS114に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力してエラーLED29bを点灯する(例えば青色)。つまり、このエラーLED29bは、皿ユニット24背面側の球供給通路37で遊技球が詰まっている可能性が高い場合に点灯するLEDであって、皿ユニット24背面側に遊技球が詰まっていることを示すよう、皿ユニット24に設けられている。
【0109】
そして、エラーLED29bを点灯したら、ステップS116に移行して第2エラー報知を実行する。この第2エラー報知は、上記エラー信号の出力に基づいて、上述したステップS110に準じて行えばよい。ここで、演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「皿ユニット裏で遊技球が詰まっています」「発射不能な遊技球があります」というような表示が考えられる。これにより、遊技場は、当該遊技機1の遊技球の検査や確認作業が可能となる。そして、ステップS110、S116の処理を終えたら、又は、ステップS102、S112にてNOと判定されたときは、この報知処理を終了し、図14に示す遊技中処理を終了する。
【0110】
つまり、上述した遊技中処理では、遊技機1に使用される全ての遊技球を、遊技中に1個ずつ発射可能か否かの判断を行うことができ、従って、遊技機1で発射不能な遊技球があれば1個単位で判るので、これにより、遊技機1において遊技球が不足して遊技に支障がでる前に、遊技場が対処することができる。また、遊技盤21下側の遊技球の回収位置にRFタグリーダ27rと、遊技球の発射位置にRFタグリーダ34rとを設け、RFタグリーダ27r、34r両者の遊技球識別情報の読み取り状況によって、どこで遊技球が詰まっているかが判るように報知するので、これにより、遊技場は容易且つ迅速に対処することができる。
【0111】
図7に戻って、遊技中処理を終えるとステップS120に移行して、次に電源オフ処理を実行する。図17を参照して、この電源オフ処理が実行されると、まずステップS122にて、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチを店員が操作すること等により、遊技機1の電源がオフされたか否かを判定する。そして、ステップS122にてYESのときはステップS124に移行し、ここで球流下ソレノイド52をオフして、球流下ソレノイド52のプランジャを球供給通路37に突出させることにより、球入口38から球供給通路37への遊技球の流入を阻止する。そして、ステップS124の処理を終えると、又は、ステップS122にてNOのときは、この電源オフ処理を終了し、これにより上述してきた図7に示す遊技球識別情報処理を終了する。
【0112】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係わる封入式の遊技機1は、遊技に使用する全ての遊技球に識別情報がEEPROM71に記憶されたRFタグ70を設け、一方、遊技機1には、RFタグ70に遊技球識別情報を書き込むRFタグライタ39wと、RFタグ70の遊技球識別情報を読み取るRFタグリーダ27r、34rとを設けるようにしている。そして、遊技機1に使用される規定の遊技球が詰まる等して欠落したか否か、即ち遊技機1の遊技中に発射不能な遊技球があるか否かを、RFタグリーダ27r、34r両者の遊技球識別情報の読み取り状況により、遊技機1に使用される全ての遊技球1個ずつについて判断するようにしている。
【0113】
従って、このように構成された遊技機1では、遊技機1に使用される全ての遊技球についてRFタグリーダ27r、34rで読み取りできたかの判断が容易且つ正確に行うことができ、その結果、遊技場は、遊技球が不足する等のトラブルに対し、遊技機1の遊技に支障がでる前に確実に対処することができる。さらに、遊技盤21下側の遊技球の回収位置となる球供給通路37の始端部にRFタグリーダ27rを、遊技機1の遊技球の発射位置となる球発射口49にRFタグリーダ34rをそれぞれ設け、遊技機1のどこで遊技球が詰まっているかが判るように報知するようにしたので、その結果、遊技場は、迅速に対処することができる。
【0114】
また、遊技機1に補給された新たな遊技球のRFタグ70に、欠落していた遊技球識別情報をRFタグライタ39wにより書き込んで割り振るようにしたので、その結果、新たな遊技球を遊技機1に補給する作業が極めて容易になると共に、新たな遊技球識別情報を発行する必要がなく、遊技球識別情報が増えるのを防止して管理し易くなる。しかも、RFタグライタ39wは、球供給通路37に設けるようにしたので、新たに補給された遊技球が発射される前に、確実に該遊技球に遊技球識別情報を書き込むことができる。
【0115】
また、球流下ソレノイド52により、遊技機1に電源が投入されてから球供給通路37への遊技球の流入を許容するようにしたので、その結果、RFタグライタ39wによる新しく補給された遊技球への識別情報の書き込みを確実なものにすると共に、遊技機1の電源オフ時に、余分な規定外の遊技球が球供給通路37へ侵入するのを阻止することができる。さらに、RFタグライタ39wにより、遊技球を補給するとき、予め遊技球識別情報を書き込んだ遊技球を遊技機1毎に仕分けする必要がない。
【0116】
以上、本発明の実施形態に係わる遊技機1を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。例えば、上述した実施形態においては、遊技機1は、封入式遊技機で説明したが、これは、一定数の遊技球を循環させる単島に設置される遊技機としてもよい。また、遊技球としては、従来からの磁石にくっつく鋼等の材質に限定することなく、ガラスやプラスチック等の材質であってもよい。
【0117】
また、上述した実施形態の遊技機1では、遊技球に書き込み可能なEEPROM71を備えたRFタグ70を設け、このRFタグ70に遊技球識別情報をRFタグライタ39wにより書き込む構成を説明したが、これは、遊技球に書き込み不能なROM等を備えたRFタグ70を設け、遊技機1からRFタグライタ39wを除くようにしてもよい。このように遊技機1を構成する場合には、遊技機1で使用される前に、遊技球のRFタグ70毎に相違する遊技球識別情報を、ROMライタ等で予め書き込むようにすればよい。
【0118】
また、RFタグ70は、パッシブタイプのもので説明したが、これは、アクティブタイプのものを使用するようにしてもよい。パッシブタイプは、タグに電池を内蔵せず、タグリーダは電磁誘導等を用いてタグに給電し識別情報(ID)を読み取る構成で、IDの読み取り可能範囲が狭い(数センチ〜最大1メートル程度)ものの、タグの小型化、薄型化が容易になるという特徴を持つ。一方、アクティブタイプは、タグに電池を内蔵し、タグリーダはタグから微弱無線等で一定時間毎に発信される(ID)を読み取る構成で、IDの読み取り可能範囲が広い(数メートル〜最大数十メートル程度)ものの、タグの小型化には限界があるという特徴を持つ。
【0119】
また、RFタグ70に書き込まれる遊技球識別情報のデータは、遊技機毎に全て異なるように、図13に示す遊技機の台番号を含むようにしたが、このデータは、遊技球毎に区別が可能なものであればよく、遊技機の台番号を無くして遊技機内のみを異なるようにしてもよい。
【0120】
また、遊技機1で規定外の余分な遊技球がある場合には、この余分な遊技球を、遊技機1を循環する遊技球から除外する処理を実行するようにしてもよい。具体的には、余分な遊技球を、遊技機1を循環する遊技球の循環経路とは別の経路に誘導して、所定の待機箇所に待機させたりすることが考えられる。或いは、余分な遊技球を、遊技機1の外部に排出するようにしてもよい。これにより、遊技者は、中断することなく遊技を続けることができる。
【0121】
また、図16で示したRAM141の所定の記憶エリアに記憶される、カウンタKの値に対応付けてRFタグリーダ27r、34rが読み取った遊技球識別情報のうち、図15の報知処理におけるステップS104、S106、S112にて処理が済んで比較する必要がなくなったものは、その記憶を消去するようにしてもよい。このようにすれば、余分なデータの記憶がなくなり、その結果、RAM141の記憶容量を小さくすることができ、コストダウンとなる。
【0122】
また、欠落していた遊技球識別情報を記憶しておき、遊技機1に補給された新たな遊技球のRFタグ70に、この欠落していた遊技球識別情報をRFタグライタ39wにて書き込んで割り振るようにしたが、これは、欠落していた遊技球識別情報は記憶せず、新たな遊技球識別情報を書き込むようにしてもよい。具体的には、例えば、図13において「100−02」の遊技球が欠落していたときは、この「100−02」は記憶せず、新たな遊技球識別情報として「100−31」を書き込むようにすることである。さらに、この場合には、欠落していた遊技球識別情報を判別するため、予めRAM141の所定の記憶エリアに記憶した遊技機1で使用される全ての遊技球識別情報のうち、欠落した「100−02」は削除し、替わりに「100−31」を記憶するようにすればよい。つまり、「100−02」のデータに「100−31」のデータを上書きすればよい。従って、このようにすれば、余分なデータを持つ必要がなく、記憶する遊技球識別情報の数は増えることがない。
【0123】
また、識別情報書込スイッチ150は、個別に遊技機1の裏面側に設けるようにしたが、これは、もともとある主制御基板44のRAMクリアスイッチが兼ねるようにしてもよい。RAMクリアスイッチは、遊技機1の電源投入時にオン操作されるスイッチであって、もともと遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられているからである。或いは、識別情報書込スイッチ150は、ホール管理コンピュータに設け、外部から外部端子板109を介して遠隔操作できるようにしてもよいし、リモコンスイッチとしてもよい。
【0124】
また、RFタグライタ39w、RFタグリーダ27r、RFタグリーダ34r及び識別情報書込スイッチ150は、演出制御基板111に接続したが、これは限定することなく、例えば、図5に示すクレジット制御基板40や発射基板42(所謂サブ基板と呼ばれる主制御基板44以外の基板)に接続するようにしてもよく、この場合には、図7に示す遊技球識別情報処理は、クレジット制御基板40や発射基板42のマイクロコンピュータが実行するようにすればよい。
【0125】
また、図15の報知処理におけるステップS102の処理では、60発発射してもRFタグリーダ27r、34rが読み取れない識別情報の遊技球を、欠落している遊技球と判断するようにしたが、これは、例えば60秒間発射してもRFタグリーダ27r、34rが読み取れない識別情報の遊技球を、欠落している遊技球と判断するようにしてもよい。つまり、欠落している遊技球の判断基準を、遊技球の発射個数から発射時間に変更してもよい。なお、この発射時間は、打球発射装置43の発射間隔によって適宜設定すればよく、例えば、打球発射装置43が1分間に100発発射する設計であれば、上記60発に相当する発射時間は、36秒となる。勿論、この場合には、打球発射装置43が作動していない時間は除くものとする。
【0126】
また、RFタグリーダは、遊技盤21下側の遊技球の回収位置となる球供給通路37の始端部にRFタグリーダ27rを、遊技機1の遊技球の発射位置となる球発射口49にRFタグリーダ34rをそれぞれ2箇所設けるようにしたが、これは、何れか1箇所でもよい。1箇所にすると、遊技機1のどこで遊技球が詰まったかの判断が困難になるが、その分コストダウンとなる。例えば、RFタグリーダ27rだけにしても、少なくとも遊技盤21で詰まった遊技球は早期に発見でき、一方、RFタグリーダ34rだけにしても、少なくとも遊技機1で発射不能となっている遊技球は早期に発見できる。逆に、RFタグリーダを増加させて、詰まった遊技球の箇所をより特定し易くするようにしてもよい。
【0127】
また、RFタグライタ39wは、遊技球の発射位置となる球発射口49手前の球供給通路37の終端部に設けるようにしたが、これは、球供給通路37であれば、どこに設置してもよく、即ち、RFタグライタ39wは、遊技球の待機位置から発射するまでの間であれば、どこに設置してもよい。或いは、RFタグライタ39wは、球発射口49よりも発射側に設けるようにしてもよいし、上記したステップS25の処理によりファール球となった遊技球が通過するファール球通路に設けるようにしてもよい。
【0128】
なお、遊技機1は、上述した実施形態ではパチンコ機で説明したが、これは限定するものではなく、例えばアレパチ、雀球等、一定数の遊技媒体を循環して遊技を行う全ての遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0129】
また、エラーLED29a、29bを、図18に示す青色エラーLED152a、黄色エラーLED152b、赤色エラーLED152cに変更し、図14、図15に示した遊技中処理、報知処理を図19、図20に示すように変更してもよい。以下、上述してきた実施形態の他の実施形態について図18乃至図20を参照しながら説明する。図18は、他の実施形態に係わる遊技機1の全体斜視図、図19は、他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャート、図20は、他の実施形態に係わる演出制御基板111のCPU140が実行する報知処理を示すフローチャートである。なお、この他の実施形態の説明においては、上述した実施形態と同様な構成については同じ符号を付し、それら構成の詳細な説明については省略するものとする。
【0130】
まず、図18を参照して、内枠23の右上部には、遊技盤21で詰まっている等で発射不能な遊技球がある場合に点灯する、青色エラーLED152a、黄色エラーLED152b、赤色エラーLED152cが、縦列状に設けられている。次に、図19を参照しながら他の実施形態に係わる遊技中処理について説明する。この他の実施形態においては、遊技盤21下側の遊技球の回収位置となる球供給通路37のRFタグリーダ27rは省略しており、遊技機1の遊技球の発射位置となる球発射口49のRFタグリーダ34rのみを使用している。この他の実施形態に係わる遊技中処理が実行されると、上述した実施形態と同様にステップS81〜S86の処理を行った後、次にステップS130に移行し、ここで、図20に示す報知処理を実行する。
【0131】
図20を参照して、この報知処理が実行されると、まずステップS132にて、カウンタKの値が1000以上になったか否か、つまり、遊技機1にて発射された遊技球数の累積が1000以上になったか否かを判定する。そして、ステップS132にてYESのときはステップS134に移行し、RFタグリーダ34rが読み取ってRAM141の所定の記憶エリアにカウンタKの値に対応付けて記憶した遊技球識別情報(図16参照)の中で、欠落していると判断した遊技球の識別情報KYBを抽出し、この抽出した遊技球識別情報KYBをRAM141の所定の記憶エリアに記憶する。
【0132】
ここで、欠落しているとした遊技球識別情報KYBの判断は、種々考えられるが、例えば、所定の閾値を設け、RFタグリーダ34rにて読み取られた所定の遊技球識別情報の回数が閾値以下の場合に、該識別情報の遊技球が欠落していると判断するようにしてもよい。具体的には、遊技機1では、30個の遊技球を使用しているので、通常、1000発発射される間にRFタグリーダ34rにて読み取られる遊技球識別情報の平均回数は、33.3回になる。従って、この平均回数を下回る回数、例えば25回等を閾値として設定するようにすればよい。なお、この場合に、遊技球の発射数を1000以上に設定した理由は、あまり平均値を算出するためのデータが少ないと、設定する閾値の精度がよくないからである。勿論、遊技球の発射数を1000以上に限定することはなく、例えば500以上、又は、2000以上や3000以上であってもよい。
【0133】
ステップS134の処理を終えると、ステップS136に移行し、ここで、欠落していると判断された遊技球識別情報KYBの数が、3以上6未満か否かを判定する。この3以上6未満とは、換言すれば、遊技機1に使用されている遊技球数の1割以上2割未満と同義である。そして、ステップS136にてYESのときはステップS138に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力して、エラーLED152a、152b、152cの中で最も下段に位置する青色エラーLED152aを点灯する。
【0134】
一方、ステップS136にてNOのときはステップS140に移行し、ここで、欠落していると判断された遊技球識別情報KYBの数が、6以上9未満か否かを判定する。この6以上9未満とは、換言すれば、遊技機1に使用されている遊技球数の2割以上3割未満と同義である。そして、ステップS140にてYESのときはステップS142に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力して、エラーLED152a、152b、152cの中で中段に位置する黄色エラーLED152bを点灯する。なお、この状態では、青色エラーLED152aも点灯している。
【0135】
一方、ステップS140にてNOのときはステップS144に移行し、ここで、欠落していると判断された遊技球識別情報KYBの数が、9以上か否かを判定する。この9以上とは、換言すれば、遊技機1に使用されている遊技球数の3割以上と同義である。そして、ステップS144にてYESのときはステップS146に移行し、CPU140は、その旨を示すエラー信号を出力して、エラーLED152a、152b、152cの中で上段に位置する赤色エラーLED152cを点灯する。なお、この状態では、青色エラーLED152a、黄色エラーLED152bも点灯している(全点灯)。そして、ステップS138、S142、S146の処理を終了したら、又は、ステップS132にてNOのときは、この報知処理を終了し、図19に示した遊技中処理を終了する。
【0136】
つまり、この他の実施形態に係わる遊技中処理では、遊技機1に使用される遊技球のうち、発射不能と判断された遊技球の数が所定割合以上になったときに報知するようになっている。従って、遊技機1で発射不能な遊技球が所定割合以上になったことが判るので、これにより、遊技機1において遊技球が不足して遊技に支障がでる前に、遊技場が対処することができる。しかも、発射不能と判断された遊技球数の割合に応じて、段階的に異なる報知を行うようにしたので、遊技場は、自身の判断基準に則って対処することができる。また、RFタグリーダ27rを省略してRFタグリーダ34rのみを使用するようにしたので、コストダウンとなる。さらに、発射不能と判断された遊技球数の割合が高いほど、目立つ位置や色のエラーLEDを順次点灯するようにしたので、遊技場は、容易に発射不能と判断された遊技球数の割合を確認できる。
【0137】
なお、この他の実施形態では、発射不能と判断された遊技球数の割合に応じて、3つのエラーLED152a、152b、152cを順次、同時に点灯するようにしたが、これは、エラーLED152a、152b、152cの点灯を切り換えて、1個ずつ個別に点灯するようにしてもよい(つまり、ステップS142では青色エラーLED152aを消灯し、黄色エラーLED152bを点灯する。ステップS146では黄色エラーLED152bを消灯し、赤色エラーLED152cを点灯する)。
【0138】
また、エラーLED152a、152b、152cを点灯したら、上記エラー信号の出力に基づいて、例えば、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)にエラー信号を出力してその旨を報知したりすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「遊技球が減っています」「発射不能な遊技球2割あります」というような表示が考えられる。なお、この演出図柄表示装置6でエラーを表示する場合には、遊技進行の邪魔にならないよう、所定時間経過したら表示を消去するか、所定時間毎に単発的に表示するとよい。これにより、遊技場は、当該遊技機1の遊技球の検査や確認作業が可能となる。
【0139】
また、発射不能と判断された遊技球数の割合が所定以上になったときにエラー報知を行うようにしたが、これは、逆に、発射可能な遊技球数の割合が所定以下(例えば9割、8割、7割以下)になったときにエラー報知を行うようにしてもよい。
【0140】
また、RFタグリーダ27rを省略してRFタグリーダ34rのみを使用するようにしたが、これは、逆に、RFタグリーダ34rを省略してRFタグリーダ27rのみを使用するようにしてもよい。この場合、欠落している遊技球識別情報KYBの判断は、上述したRFタグリーダ34rを使用したときと同様に、閾値等を設定して行うようにすればよい。
【0141】
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
遊技領域は、遊技領域5に相当し、発射装置は、打球発射装置43に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、識別情報は、RFタグ70に相当し、循環経路は、球供給通路37に相当し、読取装置は、RFタグリーダ27r、34rに相当し、第1記憶手段は、RAM141に相当し、第2記憶手段は、RAM141に相当し、判断手段は、CPU140が実行する欠落遊技球識別情報記憶処理のステップS32、S36に相当し、データ記憶手段は、EEPROM71に相当し、書込装置は、RFタグライタ39wに相当し、補給手段は、球入口38に相当し、補給阻止手段は、球流下ソレノイド52に相当し、操作スイッチは、識別情報書込スイッチ150に相当し、出力手段は、CPU140が実行する報知処理のステップS106、S112にてYESの処理に相当し、報知手段は、エラーLED29a、29bに相当する。なお、識別情報は、RFタグ70(ICタグ)に限らず、外部から情報が読み取れる媒体であれば何であってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…遊技機、 2…打球操作ハンドル、
3…打球誘導レール、 4…遊技領域形成レール、
5…遊技領域、 6…演出図柄表示装置(LCD)、
7…大入賞口(アタッカ)、 8…左図柄表示部、
9…中図柄表示部、 10…右図柄表示部、
11…始動入賞口、 11a…チャッカー型始動入賞口、
11b…電動チューリップ型始動入賞口、 12…打球供給皿、
12a…蓋、 13…情報表示部、
14…普通入賞口、 15…遊技効果ランプ、
16…アウト口、 17…ガラス扉枠、
18…普通図柄表示装置、 18a…当りLED、
18b…はずれLED、 19…普通図柄作動ゲート、
20…風車、 21…遊技盤、
22…外枠、 23…内枠、
24…皿ユニット、 25…保留LED(特別図柄用)、
26…保留LED(普通図柄用)、 27r…RFタグリーダ、
28…ファール球防止弁、 29a、29b…エラーLED、
30…表示部、 31…可動物(オバケ型)、
32…可動物(星型)、 33…クレジット表示装置、
34r…RFタグリーダ、 35…クレジット精算ボタン、
36…クレジットカード装置、 37…球供給通路、
38…球入口、 39w…RFタグライタ、
40…クレジット制御基板、 41…ベース板、
42…発射基板、 43…打球発射装置、
43a…発射ソレノイド、 43b…球送りソレノイド、
44…主制御基板、 45…表示集合板、
46…ラウンド表示装置、 46a、46b、46c…ラウンド表示LED、
47…特別図柄表示装置(7セグメントLED)、 48…確変時短表示装置、
48a…確変LED、 48b…時短LED、
49…球発射口、 50…発射レール、
51…演出ボタン、 52…球流下ソレノイド、
53…電源基板、 58…返却ボタン、
59…球貸ボタン、 61…度数表示基板、
70…RFタグ、 71…EEPROM、
100…遊技機制御装置、 105…演出モータ、
106…大入賞口ソレノイド、 107…普通電動ソレノイド、
108…演出モータ、 109…外部端子板、
111…演出制御基板、 113…スピーカ、
115…バス、 116a、116b…始動入賞口スイッチ、
117…発射球スイッチ、 119…タッチセンサ、
120…発射停止スイッチ、 121…普通作動ゲートスイッチ、
122a…左入賞口スイッチ、 122b…右入賞口スイッチ、
123…大入賞口スイッチ、 124…扉開放スイッチ、
125…枠開放スイッチ、 130…RAMバックアップ、
140…CPU、 141…RAM、
142…ROM、 143…VDP、
144…VRAM、 145…CGROM、
146…RAM、VRAMバックアップ回路、 147…入出力回路、
150…識別情報書込スイッチ、 152a…青色エラーLED、
152b…黄色エラーLED、 152c…赤色エラーLED
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、
前記遊技球には、それぞれ相違する情報データを含む識別情報が設けられ、該遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記識別情報から前記情報データを読み取る読取装置と、
該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、
前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、
前記遊技球には、情報データを書き込み可能なデータ記憶手段が設けられ、該データ記憶手段にそれぞれ相違する前記情報データを書き込む書込装置と、
外部から前記遊技球を補給する補給手段と、
前記遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記データ記憶手段から前記情報データを読み取る読取装置と、
該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、
前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、
を備え、
前記書込装置は、前記補給手段により補給された前記遊技球に前記情報データを書き込むことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記書込装置が書き込む前記情報データは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データを割り振るようにしたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記書込装置が前記第2記憶手段に記憶されていない新たな前記情報データを書き込むときは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データが前記第2記憶手段の記憶から削除されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記補給手段は、前記遊技機に電源が投入されていないときは前記遊技球の補給を阻止する補給阻止手段を備えていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記書込装置は、前記遊技機の電源投入時に作動することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記書込装置を作動させる操作スイッチを備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記操作スイッチは、前記遊技機の電源投入時から所定時間の間にオン操作された場合のみ有効としたことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記読取装置は、前記循環経路における、前記発射装置から前記遊技球が発射される前の位置と、前記発射装置により発射後、前記遊技領域から前記遊技球が回収される位置との少なくとも一方に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記判断手段により前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断されたときは、その旨を表す信号を出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記出力手段による信号が出力されたときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球がある旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、
前記遊技球には、それぞれ相違する情報データを含む識別情報が設けられ、該遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記識別情報から前記情報データを読み取る読取装置と、
該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、
前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置を備え、一定数の遊技球を循環して遊技を行う遊技機であって、
前記遊技球には、情報データを書き込み可能なデータ記憶手段が設けられ、該データ記憶手段にそれぞれ相違する前記情報データを書き込む書込装置と、
外部から前記遊技球を補給する補給手段と、
前記遊技球が前記遊技機の所定の循環経路を通過する毎に、前記データ記憶手段から前記情報データを読み取る読取装置と、
該読取装置が読み取った前記情報データを記憶する第1記憶手段と、
前記情報データを予め記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記情報データと、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データとを比較し、前記第2記憶手段に記憶された前記情報データが所定期間前記第1記憶手段に記憶されなかったときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断する判断手段と、
を備え、
前記書込装置は、前記補給手段により補給された前記遊技球に前記情報データを書き込むことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記書込装置が書き込む前記情報データは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データを割り振るようにしたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記書込装置が前記第2記憶手段に記憶されていない新たな前記情報データを書き込むときは、前記第1記憶手段に所定期間記憶されなかった前記情報データが前記第2記憶手段の記憶から削除されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記補給手段は、前記遊技機に電源が投入されていないときは前記遊技球の補給を阻止する補給阻止手段を備えていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記書込装置は、前記遊技機の電源投入時に作動することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記書込装置を作動させる操作スイッチを備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記操作スイッチは、前記遊技機の電源投入時から所定時間の間にオン操作された場合のみ有効としたことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記読取装置は、前記循環経路における、前記発射装置から前記遊技球が発射される前の位置と、前記発射装置により発射後、前記遊技領域から前記遊技球が回収される位置との少なくとも一方に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記判断手段により前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球があると判断されたときは、その旨を表す信号を出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記出力手段による信号が出力されたときは、前記読取装置で読み取りできなかった前記遊技球がある旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−106793(P2013−106793A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254140(P2011−254140)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
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