説明

遊技機

【課題】 補給装置に不具合があっても、その時点で遊技球の入替処理を中止することにより、遊技を開始できる封入球式遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、封入球の入替え時期を検出する入替時期検出手段と、入替時期検出手段により封入球の入替え時期が検出されると、遊技機本体から封入球を外部に抜く球抜き手段と、球抜き手段により遊技機本体から封入球が抜かれると、球の補給を要求する補給球要求手段と、補給された球を確認する補給球確認手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技を行う封入球式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機(ここでは封入球式遊技機)の封入球を島へ回収し、島に設けた研磨装置を経由して研磨された球を遊技機に補給するシステムがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3739015号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の例にあっては、封入球を回収し、補給する処理中に例えば、補給装置の不具合があった場合、遊技機の遊技球が不足して遊技を開始できないおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、補給装置に不具合があっても、その時点で遊技球の入替処理を中止することにより、遊技を開始できる封入球式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記封入球の入替え時期を検出する入替時期検出手段と、
前記入替時期検出手段により封入球の入替え時期が検出されると、遊技機本体から封入球を外部に抜く球抜き手段と、
前記球抜き手段により遊技機本体から封入球が抜かれると、球の補給を要求する補給球要求手段と、
補給された球を確認する補給球確認手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、封入球の入替を制御する封入球入替制御手段を備え、
前記封入球入替制御手段は、
前記球抜き手段が遊技機本体から封入球を1個ずつ外部に抜く作動をし、
前記補給球確認手段が補給された球を1個ずつ確認する作動をし、
前記補給球要求手段が補給球確認手段により補給された球が1個確認されたら、球の補給を1個要求する作動をするように、前記各手段の作動を制御する構成であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記封入球入替制御手段は、補給球確認手段により一定時間内に球の補給を確認できない場合には、球の入替処理を終了して通常遊技状態に戻すように制御することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、封入球を循環させるための循環流路が形成された循環装置を備え、
該循環装置は、
循環流路に配置され、球を発射位置に送る流路と、球を外部に抜きとる流路とを択一的に切替可能な流路切替手段を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記循環装置は、
前記循環流路に配置され、球を発射位置まで1個ずつ球送りする球送りソレノイドを有する球送り機構を備え、
前記流路切替手段により前記循環流路が球を外部に抜きとる流路に切替えられたとき、前記球送り機構により、封入球を1個ずつ外部に抜きとることが可能な構成であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記循環装置は、
前記循環流路に配置され、前記球送り機構により球が発射位置まで1個ずつ球送りされるときに、発射位置まで1個ずつ送られる球を1個宛てに検出可能な発射球検出スイッチを備えており、
該発射球検出スイッチは、
前記流路切替手段により前記循環流路が球を外部に抜きとる流路に切替えられたとき、前記球送り機構によって外部に抜きとられる球抜き球を1個宛てに検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技球を1個ずつ遊技機、補給装置の双方で確認しながら入れ替えるので、例えば補給装置に不具合があり遊技球を補給できない状態になった場合でも、その時点で入替処理を中止することにより、遊技機は遊技球が1個少ないだけの状態であり、遊技に支障がなく、遊技を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ機の前面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の前面図である。
【図3】パチンコ機の裏機構を示す図である。
【図4】循環装置の構成を示す斜視図である。
【図5】球の補給・研磨経路を説明する図である。
【図6】パチンコ店のシステム構成図である。
【図7】パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図8】操作・表示パネルを示す図である。
【図9】遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図10】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】球送り制御処理を示すフローチャートである。
【図12】封入球入替処理を示すフローチャートである。
【図13】入替開始監視処理を示すフローチャートである。
【図14】球抜き確認処理を示すフローチャートである。
【図15】補給球要求処理を示すフローチャートである。
【図16】補給球確認処理を示すフローチャートである。
【図17】島の補給制御装置の補給処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の実施例1として、封入球式遊技機をパチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図1は本例のパチンコ機1(封入球式遊技機)の前面図である。
このパチンコ機1は、いわゆる封入球式遊技機と称されるもので、封入球制御(持ち玉制御)を行って遊技の進行を管理する遊技制御装置(図7参照)を備え、遊技機本体内に所定数(例えば、20個)の遊技球を封入しておき、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット)より入力された球貸し情報に基づいた持球数を基に、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行い、その遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益(持球数)を増加させ、かつ遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用してパチンコ遊技を行う機構になっている。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤20(図2に示す)が取り付けられている。
【0012】
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤20の後述する遊技領域22が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
このガラス枠5の下側には下部パネル6が設けられ、下部パネル6には操作・表示パネル7が配置されている。
【0013】
また、パチンコ機1には遊技媒体貸出装置としてのカードユニット15(CRユニット:カード式球貸制御ユニット)が併設されている。カードユニット15はカード投入口201に遊技カードを挿入して、遊技者が後述の操作・表示パネル7(パチンコ機1側に配置)の球貸ボタン303(図8参照)を操作することにより、所定度数の球貸しを行うようになっている。
なお、遊技カードは、遊技者の氏名、性別、年齢、暗証番号等の個人情報を登録して発行される会員カードと遊技者を特定しないビジターカードとがある。会員カードには、球貸しに使用可能な金額に関する情報、遊技の結果として得られた持球数(当日限り有効)に関する情報、貯球数(持球数の精算時に発生するもので所定条件の下で翌日以降も使用可能)に関する情報等が記録される。ビジターカードには、球貸しに使用可能な金額に関する情報、遊技の結果として得られた持球数(当日限り有効)に関する情報等が記録される。
カードユニット15には、その他に現金投入口202、暗証番号入力装置203、カードユニットエラー報知LED204が設けられている。現金投入口202は現金を投入可能なもので、ここに所定の紙幣(例えば、1000円、5000円、1万円)を投入することにより、カードユニット15の内部で投入紙幣の金額に対応したプリペイドカードが発行されて、当該プリペイドカードの度数範囲内で遊技球の貸出しが行われる。なお、遊技終了時に度数の残があれば、その球貸残度数情報(球貸しに使用可能な金額に関する情報)を、持球数があれば、その持球数に関する情報を記録したビジターカードがカード投入口201より排出される。
また、カードユニット15は前述の会員カードの使用も可能であり、その場合はカード投入口201に遊技カードとしての会員カードを投入し、球貸残度数情報(球貸しに使用可能な金額に関する情報)や、持球数に関する情報に応じた遊技球の貸出しや遊技を行うことができる。さらに、暗証番号入力装置203にて当該会員の暗証番号を入力することで、前述の貯球数から所定の球数を遊技に使用することができる。なお、暗証番号入力装置203にはLCDタッチパネル方式のものが採用され、遊技者は指でタッチパネルに触れて、暗証番号を入力可能であると共に貯球数の表示や使用する貯球数の入力やその使用指示も可能な構成である。カードユニットエラー報知LED204はカードユニット15に生じたエラーを報知するものである。
【0014】
図2に示すように、遊技盤20は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されたものである。遊技領域22は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球が賞球として遊技者の持球数に加算される構成となっている。
また、前面枠4の開閉側(図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
【0015】
また、ガラス枠5の下部に設けられた操作・表示パネル7は、持球数、球貸度数などを表示したり、球貸し、遊技の精算などの操作を行うためのものである(詳細は図8参照)。操作・表示パネル7の横には、遊技者が操作する押ボタン式の演出操作スイッチ9(図7参照)が設けられている。
また、下部パネル6には、効果音等を出力する下スピーカ10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11と、灰皿12とが設けられている。
さらに、図1において、符号13で示すものは、ガラス枠5の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号14a、14bで示すものは、ガラス枠5の下部前面に設けられた複数のムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト14a、14bは、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ13とムービングライト14a、14bは図7に示す装飾表示LED141を構成する。
また、図1において、符号16a、16bで示すものは、ガラス枠5の上部左右両側に設けられた効果音等を出力する上スピーカである。
【0016】
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号21は遊技盤20のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されている。
遊技領域22には、図2に示すように、アウト球流入口23、センターケース24、第1始動入賞口25、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26、変動入賞装置27、一般入賞口28〜31、普図始動ゲート32、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤20の遊技領域22外には、一括表示装置35が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域22の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
【0017】
センターケース24は、遊技盤20の裏側に取り付けられる表示装置41(図7に示す)の表示部41a(図2に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース24には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤20のセンターケース24以外の部分(遊技領域22外でもよい)にも設けられる。なお、遊技盤20(センターケース24含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤装飾装置を構成する。また、センターケース24に設けられた電動役物は、盤演出装置を構成する。なお、盤演出装置を構成する電動役物は、遊技盤20のセンターケース24以外の箇所に設けられてもよい。
【0018】
表示装置41は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
また、表示部には、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。なお、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
【0019】
また始動入賞口25,26は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では図2に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口25は常に開口している。下側の第2始動入賞口26は、開閉部材26aを左右両側に有し、これら開閉部材26aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、図2に示すようにこれら開閉部材26aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口25,26は、センターケース24の中央部下方に配置されている。
なお、第2始動入賞口は普通電動役物(普電)ともいい、普通変動入賞装置に相当する。
また変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口27aは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
【0020】
前述したように、表示装置41の表示部41a(画面)には、特図とは別に普図の画像も表示しており、普図ゲームについて説明すると、以下の通りである。したがって、表示装置41は普通図柄可変表示装置に相当する。
遊技球が普図始動ゲート32を通過したとき、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図表示器を配置してもよい)で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われ、停止した普図が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われ、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図始動記憶表示器を配置してもよい)で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。なお、普図の確率を高確率にすれば、普図当たりしやすくなる。
ここで、時短について説明しておくと、以下のようなものである。
時短は「時間短縮」の略で、大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口26)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポートを行うことで、一定の特図の変動表示ゲームの実施回数まで持ち玉(持球数)を減らさずに効率よく特図を変動させる機能である。
【0021】
次に一括表示装置35は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
【0022】
なお、この一括表示装置35の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部等で行われる特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」と表記する。
このように、この一括表示装置35は、遊技者に認識しにくいかもしれないが遊技制御装置101が直接制御するもので、遊技盤20の検査などで使用されるものである。例えば、より遊技者に認識しやすい遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば変動表示装置41の表示部、或いは遊技盤20に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
【0023】
C.パチンコ機の裏機構
次に、図3は本実施例のパチンコ機1の裏機構を示す図である。
図3において、パチンコ機1における裏機構の主要な部品としては、外部情報端子板51、カードユニット接続端子板52、演出制御装置53、遊技制御装置54、循環装置55、補給シュート56、発射制御装置57、電源装置58などがある。
なお、従来の貯留タンク(上タンク)やセーフユニットに相当する構成要素は無い。
【0024】
外部情報端子板51は、ホールコンピュータ96(図7参照)へ信号を出力するためのケーブルが接続されるホールコンピュータ端子51aと、持球管理装置95(図7参照)へ信号やデータを出力するためのケーブルが接続される持球管理装置端子51bと、島に配置されている補給制御装置81(図7参照)へ信号を出力するためのケーブルが接続される補給制御装置端子51cとを有している(これら各信号やデータの詳細は後述)。カードユニット接続端子板52は、パチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板である。
演出制御装置53は、遊技制御装置54から出力される制御コマンドに基づき表示装置41や下スピーカ10や上スピーカ16a、16bなどを駆動制御するもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている(制御の詳細は後述)。
【0025】
遊技制御装置54は遊技盤20に配設されている各種スイッチ、ソレノイド、ランプ等の電気部品(電気式役物)を電気的に制御するとともに、他の制御装置に制御情報を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するもので、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース61内に収納された構成となっている。ケース61は、4つのカシメ部62a、62b、62c、62dによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。また、遊技制御装置54には遊技店設置時に必要に応じて遊技制御装置54が正規品であるかどうかを確認するために使用される検査装置へ信号を出力するためのケーブルが接続される検査装置接続端子63、所定の異常時に点灯(あるいは点滅)するエラー表示LED64、エラーを解除するためのエラー解除スイッチ65が配置されている。
発射制御装置57は球の発射に必要な制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。電源装置58は、上記各制御装置やパチンコ機1の各電子部品に必要な電源を供給する。
【0026】
循環装置55はパチンコ機1の内部に封入された封入球を循環させるためのもので、その循環経路の途中に研磨装置の配置は無い構成である。
その代わりに、本実施例では島設備(以下、単に、島ということがある)の方に研磨装置(図5参照)を配置した構成となっている。島から封入球の補給を受けるために、パチンコ機1の裏機構には、上部側から側方にかけて補給シュート56が配置され、補給シュート56の一端側に補給球入口66が開口するとともに、補給シュート56の途中には補給球検出スイッチ67が設けられ、さらに、補給シュート56の他端側は循環装置55に接続されている。したがって、島から補給される球は補給球入口66から補給シュート56に流入し、補給球検出スイッチ67を通過して循環装置55に流れる構成となっている。なお、循環装置55にの下部には球抜き出口68が設けられ、球抜き出口68を介して封入球を外部に抜くことが可能になっている。
【0027】
図4は、循環装置55の構成を示す断面図である。
図4において、循環装置55は所定の厚さを有する平板構造に形成され、内部に封入球式が循環するための循環流路71が形成されている。また、循環装置55には循環流路71に沿って第2封入球検出スイッチ165(図7では封入球検出2SW)、第1封入球検出スイッチ164(図7では封入球検出1SW)、発射球検出スイッチ161(図7では発射球検出SW)が配置されている。
循環流路71の入口には遊技球入口72が開口し、循環流路71における発射球検出スイッチ161の近傍には球送りソレノイド172(図7参照)、球抜きソレノイド176(図7参照)が設けられており、さらに、循環流路71における球抜きソレノイド176の下流側には球抜き流路73が連なり、球抜き流路73の端部には球抜き出口68が開口している。また、封入球の流路は、透明部材で構成している。透明部材にすることにより、パチンコ機の裏面側から封入球の状態が視認可能になり、封入球の過不足や球づまり等の不具合を確認しやすい。なお、流路の部材は、透明部材の他、半透明、スリット付きなど封入球の状態を視認可能であればよい。
【0028】
循環装置55は遊技球入口72からアウト球、ファール球を循環流路71に流入させて重力によって球を下方に移動させ、第2封入球検出スイッチ165、第1封入球検出スイッチ164を順次通過して球抜きソレノイド176のところに流下していく。
球抜きソレノイド176は循環装置55から球を抜くために設けられているもので、流路の仕切弁としての構造を有しているが、球を抜く必要のないときは、球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内に突出(復帰位置に相当)して、循環流路71の球が球抜き流路73に流れないように発射球検出スイッチ161の後方で循環流路71を塞ぐ。したがって、球を抜く必要のない通常時は、球送りソレノイド172によって球が発射球検出スイッチ161を通過してパチンコ機1の前面側の発射位置に送られ、発射ソレノイド173(図7参照)の作動によって発射される。このとき、発射ボリューム(詳細は後述)の操作によって遊技領域22に発射される球が1個ずつ発射球検出スイッチ161により検出される。
一方、球抜き時は、球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内から引き抜かれて(吸引されて)、循環流路71の球が発射球検出スイッチ161の後方にも通過できるようにし、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から排出されるようにする。したがって、球抜き時は、循環流路71にある球が発射球検出スイッチ161を通過した後、そのまま下方に流れていき、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から排出される。
【0029】
ここで、球抜きソレノイド176としては、ラッチング型ソレノイドが採用されている。ラッチング型は、パルス電圧を印加させるだけで吸引及び復帰をし、保持のための電力の供給は不要なもので、いわゆる省エネルギータイプとなっている。そして、双安定型を使用している。また、停電、給電停止等の無通電状態が発生しても、吸着状態を維持しているため、本実施例のように封入球の循環流路を発射と、球抜きとの何れか1つに切り替えてロックするときには、便利である。
また、球抜きソレノイド176としてラッチング型ソレノイドを採用すれば、省エネに資するとともに、動作も安定する。
具体的には、遊技球入口72から流入した球が発射位置に流入するように流路を切り替える場合には、球抜きソレノイド176にパルス電圧を印加させて変位部材176aを循環流路71内に突出(復帰)させて球が発射球検出スイッチ161を通過してパチンコ機1の前面側の発射位置に送られるように制御する。パルス電圧の印加は短時間の1回で済み、その後は変位部材176aがその位置で安定し、この流路が保持される(以下、この経路を球発射経路という)。
ここで、球送りソレノイド172及び球発射経路は、球を発射位置まで1個ずつ球送りする球送り機構を構成する。
一方、球抜き時には、球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内から吸引され、循環流路71にある球が発射球検出スイッチ161を通過した後、そのまま下方に流れて、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から排出される(以下、この経路を球抜き経路という)ように制御する。この場合も同じくパルス電圧の印加は短時間の1回で済み、その後は変位部材176aがその吸引位置で安定し、この流路が保持される。
【0030】
ここで、上記の発明概念は、以下のように表される。
封入球を循環させるための循環流路が形成された循環装置を備え、
該循環装置は、
循環流路に配置され、球を発射位置に送る流路と、球を外部に抜きとる流路とを択一的に切替可能な流路切替手段を有することを特徴とする封入球式遊技機。
球抜きソレノイド176、変位部材176aは、流路切替手段の機能を実現する。
また、上記の球発射経路は球を発射位置に送る流路に相当し、球抜き経路は球を外部に抜きとる流路に相当する。
【0031】
循環装置55の遊技球入口72からはアウト球、ファール球が流入するが、その他に島から球を補給する場合に補給シュート56に配置されている補給球検出スイッチ67(図3参照)を通過した球が遊技球入口72から流入する。補給球検出スイッチ67の出力を監視することで、島からの封入球の補給が1個単位で分かる。なお、補給球検出スイッチ67の代わりに第2封入球検出スイッチ165で島からの球の補給を1個単位で検出するようにしてもよい。
循環流路71には、第1封入球検出スイッチ164及び第2封入球検出スイッチ165が配置されている。第1封入球検出スイッチ164は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ165は遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機1に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球の最大と最小の封入球の数をチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。
ここで、第1封入球検出スイッチ164は、封入球が所定数封入された状態では、電源投入時に「球あり」の状態になるように配置され、第2封入球検出スイッチ165は、「球なし」の状態になるように配置されている。さらに、第1封入球検出スイッチ164から数個分だけ第2封入球検出スイッチ165側へ球が連続した位置が所定の球数(例えば20個)の位置であり(循環流路71において、所定数の位置に目印をつけておけば、より便利である。)、ここからさらに数個分の空間を空けて第2封入球検出スイッチ165が配置されている。このように配置することにより、封入球の過不足を確実に検出することができると共に補給球の監視をすることも可能となる。
【0032】
図5は、球の補給・研磨経路を説明する図である。
図5においては、パチンコ機1及び島の側面を示している。パチンコ機1の裏面には前述したように、補給シュート56が配置されており、補給シュート56の上部には補給球入口66が開口し、この補給球入口66を臨むように島側の補給制御装置81が近接配置されている。したがって、島から補給される球は島側の補給制御装置81から補給球入口66に流入し、補給シュート56を通過して、補給球検出スイッチ67を通り、遊技球入口72を介して循環装置55に流入する構成となっている。
なお、島側の補給制御装置81には補給ソレノイド82、補給球排出検出スイッチ83が配置されている。補給ソレノイド82は補給制御装置81から球をパチンコ機1側に送り出すときに作動し、補給球排出検出スイッチ83は補給のために補給制御装置81から排出される球を1個ずつ検出する。
【0033】
パチンコ機1に補給された球は、補給シュート56から循環装置55に入り、その後、封入球遊技に使用される、そして、所定のタイミング(例えば、パチンコ機1の電源投入時)で、封入球入れ替えのための球抜きが行われ、そのとき、循環装置55における球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内から吸引されて、循環流路71にある球がそのまま下方に流れて、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から排出され、島にある回収装置84に流入する。
なお、球抜きソレノイド176を球抜き経路側に切替わるようにオンした後、球送りソレノイド172を1回オンすることで、球が1個宛て抜かれる。
回収装置84の下方には回収搬送路85が配置されており、回収装置84に流入した球は回収搬送路85を通り、島に配置された研磨装置86に搬送される。そして、研磨装置86で球が研磨され、その後、補給搬送路87を介して補給制御装置81に搬送されるようになっている。研磨装置86は1つの島に1台が配置されるが、複数台を配置してもよい。
なお、回収装置84には回収球検出スイッチ88が配置され、球抜き出口68から回収装置84に排出される球(回収球)を1個ずつ検出するようになっている。図5で、符号89はパチンコ機1を設置するための設置台である。
上記の発明概念は、以下のように表される。
補給球要求手段は、
球の補給を遊技機外部の補給制御装置に要求し、
前記補給球確認手段は、
遊技機外部の補給制御装置から補給された球を確認し、
該遊技機外部の補給制御装置は、遊技機外部に設置され、球を研磨する研磨装置を介して搬送された球を遊技機に補給することを特徴とする封入球式遊技機。
【0034】
D.遊技店のシステム構成
次に、図6は本実施例のパチンコ機1が多数設置された遊技店のシステム構成を示す図である。
図6において、遊技店にはカード管理装置91、カード発行機92、カード精算機93、景品交換装置94、持球管理装置95、補給制御装置81、ホールコンピュータ96、多数のパチンコ機1a乃至1n及びカードユニット15a乃至15nが配置されている。
カード管理装置91はカード会社(図示略)と電話回線(例えば、ISDN等のデジタル回線)で結ばれており、カード会社はプリペイドカードを遊技カード(記憶媒体)として発行したり、遊技店における遊技カードに関する精算を行ったり、また、必要に応じてカード管理装置91の各種情報を受信したりする。遊技店は、カードの発行情報とか、必要な情報をカード会社から得たり、問い合わせる等のために電話回線を介してカード会社と接続されている。
【0035】
カード管理装置91はカード発行機92、カード精算機93、景品交換装置94、持球管理装置95、多数のカードユニット15a乃至15nに対して情報伝送路97を介して接続されている。カード管理装置91はカード発行機92、カード精算機93、景品交換装置94、持球管理装置95、多数のカードユニット15a乃至15nを端末装置として扱い、これらの各端末装置の情報を管理する制御を行うとともに、各端末装置に挿入/排出される遊技カードの識別情報(つまり、カードID)に基づいて各遊技カードに記憶された金額情報および遊技価値情報と同等の情報を記憶管理するような制御を行う。
【0036】
カード発行機92はカード会社から購入したカードを会員カードとして遊技者に発行するもので、遊技者の会員登録を行うと共に例えば1000円、2000円、3000円、5000円、1万円等の遊技価値を付加して会員カードを発行する。なお、会員登録を行えば、遊技価値の付加を行わずに発行してもよい。この場合、遊技価値の付加はカードユニット15で行うことになる。カード発行機92はカード管理装置91との間で情報伝送路97を介して情報(例えば、会員カードの会員登録情報や売上情報等)の転送を行うとともに、会員カードの発行に必要な制御を行う。
カード精算機93は遊技カードの度数残高に基づいて、遊技カードを精算するためのもので、例えば度数残高に応じた金額を返却したり、また、カード管理装置91との間で情報伝送路97を介して情報(例えば、遊技カード毎の返却金額情報等)の転送を行う。
【0037】
景品交換装置94は遊技カードの持球数に基づいて、遊技者が望む景品と交換するための処理を行うもので、例えば遊技店の店員が景品交換装置94を操作して、遊技者に景品を渡す。その際には、持球管理装置95との間で情報伝送路97を介して情報交換を行い、遊技カードの持球数の照合を行う。また、遊技カードが会員カードの場合は、持球数を景品に交換する他、貯球数に変換することも可能である。貯球数とすることにより、所定の条件の下で翌日以降も使用可能となる。また、カード管理装置91との間で情報伝送路97を介して情報(例えば、景品交換情報、会員カードの貯球情報等)の転送を行う。
持球管理装置95はカード管理装置91、ホールコンピュータ96、多数のパチンコ機1a乃至1nと接続され、パチンコ機1a乃至1nからの情報に基づいて遊技者が獲得している持球数(遊技価値情報)の情報を記憶管理するような制御を行う。例えば、景品交換装置84にて遊技カードの持球数を景品交換する際に、遊技者が獲得した持球数と遊技カードとの情報の双方が合致しているか判断するなどの制御処理も行う。
【0038】
カードユニット15a乃至15nは、遊技カードが挿入されることにより、遊技カードの情報(金額データ、持球数データ等)を読み取って球貸しを行ったり、遊技者の獲得した持球数を遊技カードに記憶したりするもので、カード管理装置91やホールコンピュータ96との間で情報伝送路97を介して情報(例えば、付加金額情報、球貸し使用情報、貯球使用情報等)の転送を行うとともに、遊技カードによる球貸し等に必要な制御を行う。
カードユニット15a乃至15nはそれぞれパチンコ機1a乃至1nに併設されて配置されており、両者の間は信号やデータの伝送が可能になっている。
ホールコンピュータ96は遊技店の管理室に設置されるとともに、各パチンコ機1a乃至1n及び持球管理装置95、カード管理装置91、各カードユニット15a乃至15n等の各装置に対して情報伝送路97を介して接続され、各パチンコ機1a乃至1n及び各カードユニット15a乃至15nからの遊技データ等を収集して、またその他の各装置からの不具合等の情報を収集して遊技店の営業管理を行うものである。具体的には、多数のパチンコ機1a乃至1n及び各カードユニット15a乃至15nから必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させたり、営業上必要なデータの演算処理を行う。各装置の不具合等の情報を収集したら、必要に応じて当該装置の点検を行う等の対処を行うことが可能である。
補給制御装置81は島に設置されるとともに、各パチンコ機1a乃至1nに対して情報伝送路93を介して接続され、各パチンコ機1a乃至1nからの球抜き信号を受信したら回収球検出スイッチ88で回収球が排出されたことを確認し、補給ソレノイド82を作動させて補給制御装置81から球をパチンコ機1側に1個補給する制御を行う。
【0039】
E.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、図7を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味し、「SOL」はソレノイドを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置54(封入球制御を含む)、演出制御装置53、発射制御装置57、電源装置58を備えている。これらの各装置及び図7に示す各電子部品には電源装置58から必要な電源が供給される。
【0040】
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置54の構成と、この遊技制御装置54に接続される機器について説明する。
遊技制御装置54は、遊技を統括的に制御するとともに、封入球制御も行う主制御装置(主基板)であって、CPU111、ROM112、RAM113、RTC114、検査装置のための試射試験端子115及び検査装置接続端子63を備えている。
ここで、遊技制御装置54は封入球制御も行うとしているが、詳しくは、封入球遊技に必要な制御として、主に封入球の発射から回収までの処理を行う他、更に本実施例では球貸し制御も行う構成である。
CPU111は、封入球遊技を管理する遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行う。ROM112は、遊技プログラムを格納しており、RAM113は遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。RTC(リアルタイムクロック)114は正味時刻(現実時刻)を計測するもので、カレンダ機能を備え、年月日を含めて時刻データを出力する。
【0041】
なお、CPU111、ROM112、RAM113は、遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されている。なお、RTC114を含めて遊技用演算処理装置に相当するアミューズメントチップ用のICとして製造してもよい。
試射試験端子115は、CPU111から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子115及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、遊技店で使用される遊技制御装置には未実装となる。
検査装置接続端子63は図3で示したものであるが、これにはパチンコ機1が遊技店に設置された後に、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される。
【0042】
ここで、図7ではスイッチをSWと表記し、ソレノイドをSOLと表記している。
遊技制御装置54には、第1始動口スイッチ120(図7では始動口1SW)、第2始動口スイッチ121(図7では始動口2SW)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、第1枠開放スイッチ125(図7では枠開放1SW)、第2枠開放スイッチ126(図7では枠開放2SW)からの検出信号が入力される。
第1始動口スイッチ120は前記第1始動入賞口25に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ121は前記第2始動入賞口26に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
【0043】
カウントスイッチ124は前記変動入賞装置27の大入賞口に入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。また、入賞口スイッチ123は一般入賞口28〜31に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ122は前記普図始動ゲート32を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ120、121、122、123、124は、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
また、第1枠開放スイッチ125はガラス枠5が開放されていることを検出するセンサであり、第2枠開放スイッチ126は前面枠4が開放されていることを検出するセンサである。
【0044】
次に、遊技制御装置54は、遊技の進行や演出に関して必要な機器として、演出制御装置53、普電ソレノイド131、大入賞口ソレノイド132、普図・特図表示器133及び外部情報端子板51と接続されている。なお、普図・特図表示器133は一括表示装置35を構成する表示器である。
普電ソレノイド131は第2始動入賞口26の開閉部材を開閉させるソレノイド、大入賞口ソレノイド132は変動入賞装置27の開閉部材を開閉させるソレノイド、一括表示装置133は前述したように、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示や遊技状態の表示を行うものである。遊技制御装置54は、これらの普電ソレノイド131、大入賞口ソレノイド132、一括表示装置133に対して必要な制御信号を出力する。
また、遊技制御装置54からは演出制御装置53に対して、パラレル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
【0045】
さらに、遊技制御装置54からは外部情報端子板51を介してホールコンピュータ96に遊技情報が出力される。遊技情報としては、例えば遊技制御装置54に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を回動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が回動開始、或いは、図柄の回動停止をトリガに図柄回転を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号等、外部へ報知する信号である。
【0046】
また、遊技制御装置54からは外部情報端子板51を介して持球管理装置95に遊技カードの識別情報(カードID)と遊技者が獲得している持球数(遊技価値情報)の情報が出力される。なお、遊技カードの識別情報(カードID)と持球数の情報は、情報伝送路97を介してカードユニット15から持球管理装置95へ送るようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置54からは外部情報端子板51を介して補給制御装置81に球抜き信号が出力される。
なお、本実施例では遊技制御装置54は封入球制御も行う(球貸し制御も含む)構成であり、遊技制御装置と封入球制御装置とを一体化して遊技制御装置とした構成であるが、これに限るものではなく、例えば遊技制御装置と封入球制御装置とを別体化して、それぞれの回路基板を配置して各ケースで覆うようにしてもよい。
本実施例では、遊技制御装置と封入球制御装置とを一体化して遊技制御装置とした構成であるので、封入球制御装置へ送出していた信号やコマンドが不要となって、制御負担が軽減するとともに、省スペース化、省電力化を図ることもできる。
【0047】
次に、遊技制御装置54は、封入球の発射から回収までの処理、封入球の入れ替え処理及び球貸しに関して必要な機器として、操作・表示パネル7、補給球検出スイッチ67、球抜きソレノイド176、カードユニット接続端子板52と接続されている。
また、封入球制御に必要な各種センサ等からの信号として、遊技制御装置54には、エラー解除スイッチ65、発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163、第1封入球検出スイッチ164(図7は封入球検出1SW)、第2封入球検出スイッチ165(図7では封入球検出2SW)からの検出信号が入力されている。
発射球検出スイッチ161は発射ボリューム(詳細は後述)の操作によって遊技領域22に発射された球を1個ずつ検出するセンサであり、ファール球検出スイッチ162は遊技領域22に達せずにファールとなった球を1個ずつ検出するセンサである。アウト球検出スイッチ163は遊技領域22から回収した球(アウト球及びセーフ球の両方を含む)を1個ずつ検出するセンサである。
【0048】
第1封入球検出スイッチ164及び第2封入球検出スイッチ165は、前述したように、循環装置55の循環流路71に配置され、封入球の最大と最小の封入球の数をチェックするものである。
遊技制御装置54では、上記各スイッチ161乃至165からの検出信号を受けて、封入球の発射から回収までの球の挙動監視、ファール球の有無、封入球の最大と最小の封入球数のチェック等の処理を行うとともに、カードユニット15から送られてくる球貸し情報などに基づいて操作・表示パネル7に貸し球を加えて遊技者の持球数を表示するなどの制御を行う。
【0049】
封入球の入替に関する制御として、遊技制御装置54は通常時は封入球が循環装置55に流入し、循環装置55では球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内に突出して、循環流路71の球が球抜き流路73に流れないように発射球検出スイッチ161の後方で循環流路71を塞ぐように制御する。一方、遊技制御装置54は球抜き時においては、球抜きソレノイド176の変位部材176aを循環流路71内から引き抜いて(吸引して)、循環流路71の球が発射球検出スイッチ161の後方にも通過できるようにし、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から球を1個ずつ排出されるように制御する。
なお、封入球の入替時には、球抜きソレノイド176を球抜き経路側に切替わるようにオンした後、球送りソレノイド172を1回オンすることで、球が1個宛て抜かれ、抜かれる球は発射球検出スイッチ161の通過によって1個ずつ検出される。
また、球抜き時には、遊技制御装置54は外部情報端子板51を介して補給制御装置81に球抜き信号を出力するとともに、島側の補給制御装置81から補給球入口66に流入し、補給シュート56を通過する球を補給球検出スイッチ67で検出し、パチンコ機1に補給される球を1個ずつ確認する制御を行う。この場合、補給球検出スイッチ67で1個目の球の補給を確認したら、その後に、2個目の球抜きを行う(詳細は後述のフローチャート参照)。
【0050】
ここで、上記の発明概念は、以下のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記封入球の入替え時期を検出する入替時期検出手段と、
前記入替時期検出手段により封入球の入替え時期が検出されると、遊技機本体から封入球を外部に抜く球抜き手段と、
前記球抜き手段により遊技機本体から封入球が抜かれると、球の補給を要求する補給球要求手段と、
補給された球を確認する補給球確認手段と、
を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
また、上記のように球を1個ずつ処理する発明概念は、以下のように示される。
循環装置は、
前記循環流路に配置され、球を発射位置まで1個ずつ球送りする球送りソレノイドを有する球送り機構を備え、
前記流路切替手段により前記循環流路が球を外部に抜きとる流路に切替えられたとき、前記球送り機構により、封入球を1個ずつ外部に抜きとることが可能な構成であることを特徴とする封入球式遊技機。
【0051】
また、球抜き球を1個ずつ確認しつつ、補給球も1個ずつ確認しながら行う構成は、以下のように表される。
封入球の入替を制御する封入球入替制御手段を備え、
前記封入球入替制御手段は、
前記球抜き手段は、遊技機本体から封入球を1個ずつ外部に抜くように制御し、
前記補給球確認手段は、補給された球を1個ずつ確認するように制御し、
前記補給球要求手段は、補給球確認手段により補給された球が1個確認されたら、球の補給を1個要求するように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、遊技制御装置54は封入球入替制御手段、入替時期検出手段、補給球要求手段、補給球確認手段の機能を実現する。
遊技制御装置54、球送りソレノイド172及び球抜きソレノイド176は、球抜き手段の機能を実現する。
【0052】
また、遊技制御装置54からはエラー表示LED64に対して所定の異常(例えば、球の発射不能、球詰まりなど)の場合にエラー信号が出力され、エラー信号に応じてエラー表示LED64が点灯(あるいは点滅)する。
【0053】
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置53の構成と、この演出制御装置53に接続される機器について説明する。
演出制御装置53は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
演出制御装置53は遊技制御装置54のCPU111からの制御コマンド(8ビットのデータ信号)を解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をして下スピーカ10及び上スピーカ16a、16bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾表示LED141の駆動制御などの処理を実行するとともに、演出操作スイッチ9からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
【0054】
(発射制御装置関係)
次に、発射制御装置57の構成と、この発射制御装置57に接続される機器について説明する。
発射制御装置57は遊技制御装置54から発射許可信号、停電検出信号を受けるようになっている。発射制御装置57は発射ボリューム171の操作に従って遊技球を発射位置まで送る球送りソレノイド172及び発射位置にある遊技球を発射する発射ソレノイド173を制御するとともに、発射制御装置57にはタッチセンサ174や発射停止スイッチ175からの信号が入力されている。タッチセンサ174は遊技者が発射ボリューム171にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ175は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
なお、タッチセンサ174からの信号は発射制御装置57のみならず、遊技制御装置54にも入力される。これは、遊技制御装置54が研磨装置の作動・非作動を制御する際に、条件の一つとして遊技者がタッチしていることを検出するためである。
【0055】
(操作・表示パネル)
遊技制御装置54は操作・表示パネル7との間で信号の授受を行っており、操作・表示パネル7は図8に示す構成になっている。
図8は、操作・表示パネル7を示す図である。
図8に示すように、操作・表示パネル7には球貸し可能な球貸度数を表示する球貸度数LED301、持球数を表示する持球数表示LED302が設けられているとともに、球貸ボタン303、精算ボタン304、休憩ボタン305、精算スイッチ有効表示LED306、休憩スイッチ有効表示LED307が配置されている。球貸ボタン303、精算ボタン304及び休憩ボタン305は、それぞれ図7の球貸SW、精算SW、休憩SWと対応しており、例えばマイクロスイッチが使用される。なお、これらの各ボタンをタッチパネルとした構成にしてもよい。タッチパネルとした場合は、これらのボタンはタッチパネルの機能として作動し、遊技者がこれらのボタンに触れると、オン(あるいはオン・オフの交互動作)するようになる。
【0056】
球貸ボタン303は遊技者が所定度数の球貸しを望むときに操作するもの、精算ボタン304は遊技者が遊技結果の精算を望むときに操作するもの、休憩ボタン305は遊技者が一定時間(例えば、40分)の休憩を望むときに操作するものである。
遊技者がカードユニット15の現金投入口202に1000円の紙幣を投入すると、カードユニット15の内部で投入紙幣の金額に対応したプリペイドカードが発行されて、当該プリペイドカードの度数(例えば、10)が球貸度数LED301に表示される。遊技者が球貸ボタン303を押すと、プリペイドカードの度数の範囲内で球貸しが行われ、持球数表示LED302に表示される。例えば、球貸ボタン303を1回押すと、5度数の球貸しが行われ、持球数表示LED302に125(125個の球貸しに相当)と表示される。
精算ボタン304を押すと、球貸残度数や持球数の情報が記録された遊技カードがカードユニット15から排出される。球貸残度数(残金額)を精算したい場合は、遊技者は排出された遊技カードを持ってカード精算機93に挿入することで、残金額が返却される。持球数の精算(景品交換)をしたい場合は、遊技者は景品交換装置94に遊技カードを持って行き、例えば遊技店の店員の操作により持球数に対応する景品と交換することができる。会員カードであれば、持球数を貯球数に変換することも可能である。精算スイッチ有効表示LED306は精算可能であるときに点灯する。
休憩ボタン305を押すと、休憩情報が記録された遊技カードが排出され、休憩ボタン305が点灯状態になる。休憩スイッチ有効表示LED307は休憩可能であるときに点灯する。なお、休憩中は、遊技機は遊技不可能状態となる。
【0057】
遊技制御装置54は遊技球が入賞したような場合には、操作・表示パネル7に対して遊技者の持球数を電子的に増加させ、持球数表示LED302に表示させる等の制御を行う。
また、前述した球貸度数LED301、球貸ボタン303はカードユニット接続端子板52を介して遊技制御装置54と接続されており、球貸ボタン303の操作信号はカードユニット接続端子板52を介してカードユニット15に送られて球貸しが行われ、球貸度数LED301はカードユニット接続端子板52を介してカードユニット15から出力される信号に基づいて球貸度数を表示する。
カードユニット接続端子板52はパチンコ機1側と球を貸し出すカードユニット15側との配線接続のための基板であるが、この基板で両者の配線接続がされていないと、パチンコ機1では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
【0058】
なお一般に、パチンコ機1の機種交換などの場合には、カードユニット15を除くパチンコ機全体を交換するか、或いはパチンコ機の枠側を残して遊技盤側(遊技盤と遊技制御装置などの主要な制御装置含む)だけを交換する場合もある。ただし、貸球4円であれば、何れも4円のものが使用されるが、例えば貸球1円専用台であれば、遊技盤側も枠側も貸球1円専用のものが使用されることを前提としている。
【0059】
F.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
まず、パチンコ機1には所定数の封入球が封入されて、通常時には封入球は循環装置55を流れて循環し、封入球遊技が行われる。すなわち、球を抜く必要のない通常時は、球送りソレノイド172によって球が発射球検出スイッチ161を通過してパチンコ機1の前面側の発射位置に送られ、発射ソレノイド173の作動によって発射される。このとき、封入球は循環装置55を経由して循環し、球の研磨は行われない。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置54のバッファから演出制御装置53に送信され、表示装置41の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、遊技者がカードユニット15に遊技カードを挿入して、所定単位度数の球貸し操作(例えば、操作・表示パネル7の球貸ボタン303を押す:図8参照)を行うと、所定数の持球数(例えば、125個)が加算されて、操作・表示パネル7の持球数表示LED302に表示される。
【0060】
遊技者が発射ボリューム171を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール21を介して遊技領域22に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aにおいて特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口23に流入する。
遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に回収されて循環し、再び発射位置に導かれることになる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
【0061】
この発明概念は、以下のように示される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機という概念である。
【0062】
ここで、遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させるとは、遊技球がセーフになるか、アウトになるかの判定を行い、セーフには、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26を含む)に球が入ることが対応する。
また、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させる場合には、セーフ球に基づいて賞球が持球数に加算される他に、大当りが発生して大量の賞球が大入賞口に入って持球数に加算される場合も含み、これらは遊技者の利益を増加させることに相当する。
遊技結果が表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になるとは、表示装置の図柄が「7,7,7」などの大当り図柄に揃って大当りが発生することで、大当りには、16R大当り、15R大当り、10R大当り、2R確変大当り、2R突確大当りなどの各種大当りが含まれる。
なお、封入された遊技球による遊技結果がセーフ又はアウトとの判定は、所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定に相当する。セーフ球による賞球や大当りの発生による賞球などは、所定の利益状態の場合に遊技者の利益(持球数)を増加させることに相当する。
この場合、大当りや大当り後の一定期間ではない通常モードでは遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される一方、入賞があれば、入賞毎に当該入賞口に対応する賞球数が持球数に加算される封入球遊技が行われる。
【0063】
そして、この変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、通常モードにおいて、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、いわゆる時短(特図等の変動表示時間を短くして変動表示ゲームの頻度を高め当り易くするもの)も行われる。
【0064】
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置27の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり、大当りラウンド数などを遊技者に報知するための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
【0065】
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
【0066】
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口25又は26にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
【0067】
なお本形態例では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特図1保留表示と特図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口25に入賞すると、第1始動記憶(特図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。また、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口26に入賞すると、第2始動記憶(特図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口26に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
【0068】
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、表示部41a等で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われる。そして、この普図変動表示ゲーム結果(停止した普図)が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
この普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われる。これにより、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
そして、本実施例では封入球式遊技の制御が行われるので、遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される一方、一般入賞があれば、入賞毎に当該入賞口に対応する賞球数が持球数に加算される。また、始動入賞口(特図の始動入賞口25又は26)に遊技球が入ると、予め決められた所定の賞球数が持球数に加算され、特図変動が開始される。そして、大当りが発生すると、大当り遊技が行われ、多くの賞球数が持球数に加算されることになる。大当り終了後には再び通常遊技に戻り、高確率(確率変動時)あるいは通常の低確率で封入球遊技が行われる。
【0069】
次に、封入球の入れ替え開始要求があるとき(例えば、遊技店の開店時の電源投入時や停電からの復旧時など)には、遊技制御装置54から補給制御装置81に補給球の要求が出される。これにより、循環装置55の封入球が1個ずつ抜かれて、島にある回収装置84に排出され、回収搬送路85を介して研磨装置86に搬送されて研磨される。その後、球は補給搬送路87を介して補給制御装置81に搬送され、さらに、補給制御装置81からパチンコ機1の補給球入口66に流入し、補給シュート56を通過して循環装置55に補給される(制御の詳細はフローチャートで後述)。このようにして、封入球の入れ替えが行われる。
【0070】
G.制御系の動作
次に、遊技制御装置54の制御内容を説明する。
(a)遊技制御装置のメイン処理
まず、図9により、遊技制御装置54のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、CPU111に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、遊技制御装置54に電源を供給している電源装置58の電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置58からリセット信号が遊技制御装置54に入力されてCPU111のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU111が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU111が起動する。また、作業者が遊技制御装置54のRAM113等の初期化をしようとする場合には、電源装置の初期化スイッチをオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
【0071】
そしてCPU111が起動すると、まず割込みを禁止し、CPU111に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、RAM113へのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS1乃至S4)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS4が設けられている。
【0072】
次いで、ステップS5に進んで、この時点での待機中(ウェイト中)に停電が発生したか否かを判別する。停電が発生していればステップS30にジャンプしてRWMアクセス(RAM113へのアクセス)を禁止した後、待機し、停電が発生していなければ、次のステップS6で演出制御基板(演出制御装置53)の起動待ちのウェイト時間が経過したか否かを判断する。起動待ちのウェイト時間が経過していなければ、ステップS5に戻ってルーチンを繰り返し、同ウェイト時間が経過すると、ステップS7に進んで電源装置58の初期化スイッチを押しながらの電源投入であるかを判断する。
【0073】
初期化スイッチを押しながらの電源投入であれば、ステップS13にジャンプする。一方、初期化スイッチを押さないで電源投入したのであれば、ステップS8に進んでRAM113の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時であるとしてステップS9に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS13に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS28で設定されるものである。このステップS8では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
【0074】
次にステップS9では、RAM113(図9ではRWMと表記、以下同様)のデータのチェックサムを算出し、ステップS10で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM113のデータが壊れているとき)には、ステップS13に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS11に進む。
ステップS11では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップS12で特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を演出制御装置53に送信する。このステップS12を経ると、ステップS16に進む。
【0075】
初期化スイッチを押しながらの電源投入でステップS13にジャンプした場合やステップS8、S10からステップS13にジャンプした場合には、このステップS13を含めてステップS13〜15の処理を行う。
ステップS13以降の処理に進むと、遊技制御装置54のRAM113内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップS13では使用する全てのRAM113の領域をクリアする。具体的には、RAM113において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップS14で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブし、ステップS15で電源投入時のコマンド(電源投入コマンド)を演出制御装置53に送信する処理を行う。電源投入コマンドが送信されると、他の制御装置は、この電源投入コマンドを受けて、例えば演出制御装置53であれば枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行う。
【0076】
ステップS15を経ると、ステップS16に進んでホールコンピュータ96に起動報知信号オンデータを出力する。これは、遊技制御装置54からホールコンピュータ96に片方向で上記オンデータを出力するもので、ホールコンピュータ96は一方的に当該パチンコ機1が起動したことを知ることになり、当該パチンコ機1に対応するRAMエリアをクリアして情報収集に備える。
次いで、ステップS17で持球管理装置95に起動報知コマンドを送信する。これは、同様に遊技制御装置54から持球管理装置95に片方向で上記起動報知コマンドを送信するもので、持球管理装置95は一方的に当該パチンコ機1が起動したことを知ることになり、当該パチンコ機1に対応するRAMエリアをクリアして情報収集に備える。
なお、カードユニット15との間は双方向通信であるので、このような片方向での上記オンデータの出力やコマンドの送信はない。
次いで、ステップS18でRTC(リアルタイムクロック)114を初期化する。これにより、RTCから時刻データを読み出しできるようになる。
【0077】
ステップS18を経ると、ステップS19に進み、例えばCPU111の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップS20では、CPU111に内蔵されるCPU周辺回路に設けられた乱数生成回路の起動設定を行う。この乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数のうち一部の乱数の初期値は、後述するステップS22の処理によってソフト的に設定される。
【0078】
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップS20,22で対象とする乱数は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
【0079】
次いでステップS21では、割込みを許可し、次のステップS22では、初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に当り等をねらうことが困難になるように、乱数の初期値を更新する処理である。
次いでステップS23に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS24で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS25に進み、オンしていなければステップS22に戻る。通常運転中は、ステップS22〜S24を繰り返す。
【0080】
そして、ステップS25に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS26に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS24に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS26以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS25で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
【0081】
そしてステップS26に進むと、割込を禁止した後、次のステップS27で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS28で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS28を経ると、次のステップS29で、RAM113のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS30でRAM113へのアクセスを禁止した後、待機する。なお図9において、「RWM」とあるのはRAM113を意味する。
なお、以上のステップS26〜S30の停電処理は、停電によって電源電圧がCPU111の動作電圧未満に低下する前に行われる。
【0082】
(b)遊技制御装置のタイマ割込処理
次に、遊技制御装置54のタイマ割込処理を図10により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップS19,S21の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
【0083】
このタイマ割込処理では、まずステップS41で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップS42の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ120、121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
【0084】
次に、ステップS43で、後述するステップS50、S52、S57、S58,S59,S60、S61で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、その後、ステップS44でカードユニット接続確認処理を行う。これは、カードユニット15に電源が入っているか、パチンコ機1に電源が入っているか、カードユニット15とパチンコ機1との間の通信が正常であるか等をカードユニット接続端子板52を介して確認するものである。
次いで、ステップS45,S46で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」ずつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
【0085】
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類が有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置53が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置53が具体的な変動態様を決定する。
【0086】
次いで、ステップS47でタイマ更新処理を行う。これにより、遊技プログラム内の処理で扱われる各種タイマの更新が統括的に行われる。
次いで、ステップS48でスイッチ監視処理を行う。これは、発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163からの信号を監視して、発射に伴う持球数の減算や盤面球数の増減など封入球制御のための処理を行うものである。
次いで、ステップS49でエラー監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、賞球加算の過剰エラーや、ガラス枠5の開放状態などを監視するための処理である。また、エラー解除スイッチの押下を監視し、対応するエラーの発生中かつ全ての解除条件を満たしていればエラーの解除設定も行う。
【0087】
例えば、この処理で監視するエラーの種類は、以下の通りである。
・前枠開放(ガラス枠5開放)
・遊技枠開放(前面枠4開放)
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・磁石不正
・振動不正
・電波不正
・浮遊球発生
・封入球異常(第1封入球検出スイッチ164及び第2封入球検出スイッチ165の信号に基づいて封入球の最大と最小の封入球の数をチェックし、異常を判定する。異常のときには、エラー表示LED64で報知する)
封入球異常には、下記がある。
(a)封入球不足
(b)封入球過剰
(c)通路球詰まり
【0088】
次いで、ステップS50で発射許可信号編集処理を行う。これは、発射可能な状態になったら発射許可信号オンデータを設定し、例えば、カードユニット15が接続されていない場合や、持球数が0の時、ガラス枠や前面枠の開放中の時などの遊技条件を満たしていない場合や、磁石不正など不正行為の発生中の場合には発射許可信号オフデータ(発射できない)を設定し、全ての発射条件を満たしていれば発射許可信号オンデータを設定するものである。ここには、例えば停電時に発射杵先(発射杵は発射ソレノイド173で作動する)に残った球を電源投入時に空打ち発射する強制発射の処理も含まれる。
次いで、ステップS51でカードユニット通信ライン確認がOKか否かを判別する。これは、パチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板(カードユニット接続端子板52)が接続されて、通信ラインの確認結果がOKであるかを判断するものである。カードユニット通信ライン確認がOKであれば、ステップS52、ステップS53、ステップS54を順次実行してステップS55に進み、OKでなければ、ステップS59にジャンプする。
カードユニット通信ライン確認がOKの場合には、ステップS52で球送り制御処理を行う。これには、球を発射位置まで送る条件が整った場合に球送りソレノイド172のオンデータを設定して、球を発射位置まで送る処理を行う他、停電時に発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射して対処するために球送りソレノイド172をオフにしておく処理も含まれる。
【0089】
次いで、ステップS53で操作パネル監視制御処理を行う。これは、操作・表示パネル7の精算ボタン304や休憩ボタン305の挙動を監視して、精算や休憩に関する処理を行うものである。次いで、ステップS54でカードユニット受信解析処理を行う。これは、遊技制御装置54とカードユニット15との間で通信を行うときに平文や暗号化で信号の授受を行う場合の通信方式や信号の解析などを行うものである。ステップS54を経ると、ステップS55に進む。
ステップS55では精算中あるいは休憩中であるかを判定する。遊技者が精算中あるいは休憩中であれば、ステップS56乃至ステップS58をジャンプしてステップS59に進む。これは、遊技者が精算中あるいは休憩中であれば、封入球遊技を行わないので、ステップS59にジャンプするものである。
精算中あるいは休憩中でなければ、ステップS56に進み、入賞口スイッチ監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ120、121、入賞口スイッチ123、及びカウントスイッチ124)を監視し、例えばカウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、15個の賞球の持球数加算を行う前準備などの処理を実行するものである。また、大入賞口27a、普電26の開放中以外での不正入賞の監視も行う。
【0090】
次に、ステップS57では、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置53などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
【0091】
次いで、ステップS58では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置53などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
次いで、ステップS59では外部情報編集処理を実行する。これは、遊技制御装置54からホールコンピュータ96、持球管理装置95、補給制御装置81などの外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。次いで、ステップS60でLED編集処理を行う。これは、各種LED(例えば、エラー表示LED64、持球数表示LED302、精算スイッチ有効表示LED306、休憩スイッチ有効表示LED307、一括表示装置35の本特図の表示器(LED、7セグメントの表示器)などの各LEDの表示に関する処理を行うものである。次いで、ステップS61で封入球入替処理を行う。これは、封入球の入替え監視時期のタイミングを監視し、入替えタイミングになると、封入球の入替えを実行するものである(詳細は図12で後述)。
ステップS61を経ると、その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS62でタイマ割込み要求をクリアし、ステップS63で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS64で割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0092】
(c)球送り制御処理
次に、前記タイマ割込処理における球送り制御処理S52を図11により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS71で電源投入時強制発射タイマが「0」でないか否かを判定し、NOのときはステップS72に進む。これは、停電時に発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射して対処するべく球送りをしないために、電源投入時強制発射タイマが「0」を判断するものである。したがって、電源投入時強制発射タイマは停電時に発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射するために必要な時間となる。そのため、電源投入時強制発射タイマが「0」であれば、発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射するのに必要な時間は経過していると判断してステップS72に進むことになる。
一方、電源投入時強制発射タイマが「0」でなければ、発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射する必要があり、そのときは発射位置に球送りをしないようにするため、ステップS78にジャンプし、球送りソレノイド172のオフデータを設定してリターンする。これにより、タイマ割込みの外部情報編集処理で球送りソレノイド172がオフ(停止)となり、発射位置への球送りは行われない(空打ち発射される)。
【0093】
ステップS72に進んだ場合は、このステップS72で封入球入替モード中か否かを判定し、NOのときは、ステップS73で球送り制御タイマ=0か否かを判定する。球送り制御タイマ=0であれば、ステップS74で球の発射中か否かを判定する。これは、球の発射許可中であり、かつタッチセンサ174がオンのときに球の発射中であると判定するもので、YESのときは、ステップS75に進む。次いで、ステップS75では球送り制御タイマをセットする。球の発射は、1分間に100発を超えないという制限があるので、例えば球送りソレノイド172のオン時間が200ms、オフ時間が400msに制御するとして、球送り制御タイマは600msに設定される。
次いで、ステップS76で球送り制御タイマを「−1」だけデクリメント(更新)する。遊技制御装置54のタイマ割込処理は所定のタイマ割込周期(例えば、4ms)で繰り返されるので、「−1」更新すると、4msだけ減算されていく。
次いで、ステップS77で球送り制御タイマは球送りオンタイミングか否かを判定し、NOのときは、ステップS78で球送りソレノイド172のオフデータを設定してリターンする。そして、ルーチンを繰り返して、ステップS77で球送り制御タイマが球送りオンタイミングになると、ステップS82に分岐して球送りソレノイド172のオンデータを設定してリターンする。これにより、球が発射位置へ球送りされ、球の発射が行われることになる。
【0094】
このように、球の入替モード中でないとき(通常モード中)は、遊技者が発射ボリューム171に触れている間、球の発射が継続しており、その発射中は連続して球送りを行うことになる。また、球送りアクションに入った後は、発射ボリューム171から手を離しても、球を送りきらないと、誤動作の元になるので、一旦、球送り制御タイマがセットされたら、発射中でなくても球送りを最後まで完了させるために、図11のようなフローにしている。
一方、ステップS72で封入球の入替モード中と判定したとき(YESのとき)は、ステップS79に分岐し、球送り制御タイマが「0」でないか否かを判定する。球送り制御タイマが「0」でなければ、ステップS80に進み、球送り制御タイマを「−1」だけデクリメント(更新)し、ステップS81で球送り制御タイマは球送りオンタイミングか否かを判定し、NOのときは、ステップS78で球送りソレノイド172のオフデータを設定してリターンする。そして、ルーチンを繰り返して、ステップS81で球送り制御タイマが球送りオンタイミングになると、ステップS82に分岐して球送りソレノイド172のオンデータを設定してリターンする。これにより、球が発射位置へ球送りされる動作がなされるが、封入球の入替モード中の場合は球抜きソレノイド176が球抜き側に設定されているため、球は発射球検出スイッチ161通過後、そのまま下方の球抜き流路73へ流下していくことになる(詳細は後述)。
【0095】
一方、ステップS79で球送り制御タイマ=0であれば、ステップS78に分岐して球送りソレノイド172のオフデータを設定してリターンする。したがって、球送りソレノイド172がオフとなり、球抜きのための球送りは行われない。
このように、封入球の入替モード中のときは、入替の要求があったときに(封入球入替処理(図12)で球送り制御タイマをセットしたとき)に、1パルスだけ球送りの制御を行えばよい制御になっている。
【0096】
(d)封入球入替処理
次に、前記タイマ割込処理における封入球入替処理S61を図12により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS91で封入球入替処理番号による分岐を行う。すなわち、処理番号1でステップS92(入替開始監視処理)へ、処理番号2でステップS93(球抜き確認処理)へ、処理番号3でステップS94(補給球要求処理)へ、処理番号4でステップS95(補給球確認処理)へ進む。
そして、ステップS92(入替開始監視処理)では、封入球の入替開始要求があるかを監視し、同要求があれば、開始に必要な処理を行う。ステップS93(球抜き確認処理)では、球抜き球を検出することで、球抜きを確認する。ステップS94(補給球要求処理)では、島へ球の補給を要求する。ステップS95(補給球確認処理)では、島から補給される球の確認を行う。なお、上記ステップS92〜ステップS95の詳細はサブルーチンで後述する。処理番号に応じた上記何れかの処理が終了すると、リターンする。
【0097】
(e)入替開始監視処理
次に、前記封入球入替処理における入替開始監視処理S92を図13により説明する。
まず、ステップS101で入替開始要求ありか否かを判定し、なければリターンし、入替開始要求を待つ。入替開始要求は、例えばパチンコ機1の電源投入時(遊技店の開店時)、あるいは停電からの復旧時などに出力される。
ここで、上記の発明概念は、以下のように表される。
入替時期検出手段は、
開店時における遊技機の電源投入時、停電からの復旧時の何れかの状態を検出したときに、封入球の入替え時期と判断することを特徴とする封入球式遊技機。
【0098】
ステップS101で入替開始要求があれば、ステップS102に進んで入替開始要求フラグをクリアし、ステップS103で入替球数(例えば、20個)をセットする。次いで、ステップS104で球送り制御タイマをセットし、ステップS105で球抜き球監視タイマをセットする。球抜き球監視タイマは球抜きを確認するために設けられている。
次いで、ステップS106で球抜きソレノイド出力データを球抜き側に設定する。これにより、球抜き時は、図4に示すように球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内から引き抜かれて(吸引されて)、循環流路71の球が発射球検出スイッチ161の後方にも通過できるようになり、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から封入球が排出されることになる。
次いで、ステップS107で遊技球入替モード中フラグをセットし、ステップS108で球抜き確認処理移行の封入球入替処理番号(図12に示す次回移行の番号)を設定してリターンする。
【0099】
(f)球抜き確認処理
次に、前記封入球入替処理における球抜き確認処理S93を図14により説明する。
まず、ステップS111で球抜き球を検出したか否かを判定し、検出していなければ、ステップS112に進んで球抜き球監視タイマを「−1」だけデクリメント(更新)し、ステップS113で球抜き球監視タイマ=0か否かを判定する。球抜き球の検出は発射球検出スイッチ161を兼用して用いる。これは、球抜き時には、球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内から吸引され、循環流路71にある球が発射球検出スイッチ161を通過した後、そのまま下方に流れて、球抜き流路73を通過して球抜き出口68から排出されることから、球抜き球は発射球検出スイッチ161の通過により検出できるからである。球抜き球監視タイマは封入球1個の球抜きに必要な時間に設定される。
なお、球抜き球の検出信号(以下、球抜き信号ともいう)は、島側にも送られ、これはパチンコ機1から外部に出力される補給球の要求に相当する。
ただし、球抜き信号自体を補給球の要求に使用する例に限らず、これとは別に、例えばパチンコ機1側では球抜き球を検出したら、封入球が外部に排出されて1個不足と判断し、島側へ独立した補給球の要求信号を生成し、この補給球の要求信号を島へ出力するようにしてもよい。
【0100】
ここで、上記の発明概念は、以下のように表される。
循環装置は、
前記循環流路に配置され、前記球送り機構により球が発射位置まで1個ずつ球送りされるときに、発射位置まで1個ずつ送られる球を1個宛てに検出可能な発射球検出スイッチを備えており、
該発射球検出スイッチは、
前記流路切替手段により前記循環流路が球を外部に抜きとる流路に切替えられたとき、前記球送り機構によって外部に抜きとられる球抜き球を1個宛てに検出することを特徴とする封入球式遊技機。
【0101】
ステップS113で球抜き球監視タイマ=0でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、球抜き球監視タイマ=0になれば、ステップS114に進み、球抜き球未検出のエラーフラグをセットする。これは、球抜き球監視タイマ=0になるまでの期間に球抜き球を検出できなかったので、エラーフラグを立てるものである。次いで、ステップS115で入替球数をクリアし、ステップS116で球抜きソレノイド出力データを通常側(つまり、通常遊技側)に設定する。これにより、通常時は、図4に示すように球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内に突出し、循環流路71の球が発射球検出スイッチ161を通過してパチンコ機1の前面側の発射位置に送られるようになる。これは、今回、球抜き球監視タイマ=0になるまでの期間に球抜き球を検出できなかったので、通常遊技のモードに戻すものである。
【0102】
そのため、ステップS117では遊技球入替モード中フラグをクリアして通常遊技のモードに戻し、ステップS118で入替開始監視処理移行の封入球入替処理番号(図12に示す次回移行の番号)を設定してリターンする。したがって、再び、入替開始監視処理のルーチンに戻ることになる。
そして、ルーチンを繰り返し、ステップS111の判定結果がYES(すなわち、球抜き球を検出した)になると、ステップS119に分岐し、補給球要求処理移行の封入球入替処理番号(図12に示す次回移行の番号)を設定してリターンする。したがって、次回は補給球要求処理に進むことになる。
【0103】
(g)補給球要求処理
次に、前記封入球入替処理における補給球要求処理S94を図15により説明する。
まず、ステップS121で球送り制御タイマ=0か否かを判定し、球送り制御タイマ=0でなければリターンしてルーチンを繰り返す。そして、球送り制御タイマ=0になると、ステップS122に進んで、球抜き信号出力回数を「+1」だけインクリメント(更新)する。また、ここでは、先のステップS111(図14)で球抜き球を検出したことに応じて島側へパチンコ機1側から封入球が外部に排出されて1個不足と判断し、補給球の要求信号を出力するようになっている。
次いで、ステップS123で補給球監視タイマをセットし、ステップS124で補給球確認処理移行の封入球入替処理番号(図12に示す次回移行の番号)を設定してリターンする。したがって、次回は補給球確認処理に進むことになる。
このように、補給球要求処理では、球をパチンコ機1の前面側の発射位置に送るための球送りソレノイド172の一連の作動が終了(球送り制御タイマ=0で判定)したら、球抜き信号の出力を開始するように同期させる処理が行われる。球抜き信号はタイマ割込みの外部情報編集処理で出力されることになる。また、球抜き信号のパルス形状は球抜きソレノイド176と同様にオン・オフがセットになっているものである。
【0104】
(h)補給球確認処理
次に、前記封入球入替処理における補給球確認処理S95を図16により説明する。
まず、ステップS131で補給球を検出したか否かを判定する。これは、島から補給される球は島側の補給制御装置81からパチンコ機1の補給球入口66に流入し、補給シュート56を通過して、補給球検出スイッチ67を通り、遊技球入口72を介して循環装置55に流入することで補給球が補給されるから、その補給球を補給シュート56に配置されている補給球検出スイッチ67で検出したかどうかで判断する。
【0105】
ステップS131で補給球を検出していなければ、ステップS132に進み、補給球監視タイマを「−1」だけデクリメント(更新)し、ステップS133で補給球監視タイマ=0か否かを判定する。補給球監視タイマは、封入球1個の補給に必要な時間に設定される。ステップS133で補給球監視タイマ=0でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、補給球監視タイマ=0になると、ステップS134に進んで補給球未検出のエラーフラグをセットする。これは、球抜き球監視タイマ=0になるまでの期間に補給球を検出できなかったので、エラーフラグを立てるものである。次いで、ステップS135で入替球数をクリアし、ステップS136で球抜きソレノイド出力データを通常側(つまり、通常遊技側)に設定する。これにより、通常時は、図4に示すように球抜きソレノイド176の変位部材176aが循環流路71内に突出し、循環流路71の球が発射球検出スイッチ161を通過してパチンコ機1の前面側の発射位置に送られるようになる。これは、今回、補給球監視タイマ=0になるまでの期間に補給球を検出できなかったので、通常遊技のモードに戻すものである。
そのため、ステップS137では遊技球入替モード中フラグをクリアして通常遊技のモードに戻し、ステップS138で入替開始監視処理移行の封入球入替処理番号(図12に示す次回移行の番号)を設定してリターンする。したがって、再び、入替開始監視処理のルーチンに戻ることになる。
【0106】
そして、ルーチンを繰り返し、ステップS131の判定結果がYES(すなわち、補給球を検出した)になると、ステップS139に分岐し、入替球数を「−1」だけデクリメント(更新)する。島の補給制御装置81からパチンコ機1へ封入球として1個の補給球の補給を確認したので、必要な入替球数を「1」だけ減算するものである。
次いで、ステップS140で入替球=0か否かを判定し、これは、今回の入替球(例えば、20個)を全て入替え終了したかどうかを判断するものである。入替球=0でなければ、未だ全ての入替え球の処理が終了していないと判断して、ステップS141に進み、球送り制御タイマをセットし、ステップS142で球抜き球監視タイマをセットする。次いで、ステップS143で球抜き確認処理移行の封入球入替処理番号(図12に示す次回移行の番号)を設定してリターンする。したがって、球抜き確認処理が繰り返される。
【0107】
そして、ルーチンを繰り返し、ステップS140の判定結果がYES(すなわち、今回の入替球を全て入替え終了した)になると、ステップS140からステップS136に分岐する。そして、ステップS136、ステップS137、ステップS138を実行してリターンする。
すなわち、今回の入替球を全て入替え終了したなら、ステップS136で球抜きソレノイド出力データを通常側(つまり、通常遊技側)に設定して通常遊技のモードに戻し、ステップS137では遊技球入替モード中フラグをクリアし、ステップS138で入替開始監視処理移行の封入球入替処理番号を設定してリターンする。したがって、再び、入替開始監視処理のルーチンに戻ることになる。
【0108】
(i)島側の補給制御装置の補給処理
次に、島側にある補給制御装置81の補給処理を図17により説明する。
まず、ステップS151で遊技機(パチンコ機1)から補給球の要求があるか否かを判定し、なければリターンしてルーチンを繰り返す。遊技機からの補給球の要求は一方通信(双方向でない)であり、遊技機側では球抜き球を検出したら、封入球が外部に排出されて1個不足と判断し、島側へ球抜き球の検出信号(球抜き信号)を出力する。これは、パチンコ機1から外部に出力される補給球の要求に相当している。
ルーチンを繰り返して、ステップS151で補給球の要求ありと判定した場合には、ステップS152に進み、補給球の払い出し動作を行う。このとき、補給制御装置81では、球をパチンコ機1側に送り出すために補給ソレノイド82を作動させて、球を補給球排出検出スイッチ83を通過させて、パチンコ機1の補給球入口66に流入させることで、補給球の払い出し動作を行う。補給球排出検出スイッチ83は補給のために補給制御装置81から排出される球を1個ずつ検出している。
【0109】
次いで、ステップS153では補給球を検出したか否かを判定する。これは、上述したように補給球排出検出スイッチ83の出力に基づいて判断する。補給球を検出したならば、リターンする。
一方、補給球を検出していなければ、ステップS154に進んで払い出し動作(補給ソレノイド82の作動)をリトライし、ステップS155で再び補給球を検出したか否かを判定する。ステップS155で補給球を検出していなければ、ステップS156に進んで、補給球の払い出し動作がリトライ回数がMAX(最大)(例えば、MAX=3回)まで行ったか否かを判定する。補給球の払い出し動作がリトライ回数がMAX(最大)まで行っていないときは、ステップS154に戻ってルーチンを繰り返し、その過程でステップS155で補給球を検出したならば、リターンする。
しかし、補給球の払い出し動作がリトライ回数がMAX(最大)まで行ったにも拘わらず、補給球を検出しない場合には、ステップS156の判定結果がYESとなり、次いで、ステップS157に進んで補給球エラーを報知し、補給球の払い出しを終了する。したがって、この時点で遊技球の入替処理は中止される。
補給球エラーの報知は、島側に配置した報知ランプやLEDを用いて外部(例えば、店員、遊技者など)に分かるように報知する。
【0110】
このように、補給球の払い出し動作がNGの場合には、補給球エラーの報知が行われるとともに、その時点で遊技球の入替処理は中止される。これに対してパチンコ機1側では何もできない。また、遊技機からの補給球の要求は一方通信(双方向でない)であり、島側からパチンコ機1に対して通信はできない。しかし、封入球入替えの場合の補給球の要求に対して、島側からの封入球の補給は球を1個ずつ確認しながら行っているので、仮に補給球の払い出し動作がNGで補給球エラーが報知されたとしても、1個の封入球不足が発生するだけである。
封入球として、所定数(例えば、20個)の球を封入して遊技を行っているので、1個の封入球不足が発生するに過ぎない。したがって、封入球遊技は19個で行うことになるが、遊技に支障があるものではなく、通常通りに遊技が行える。
【0111】
ここで、上記の発明概念は、以下のように表される。
遊技機外部の前記補給制御装置は、
遊技機の補給球要求手段から球の補給の要求があったとき、球を1個ずつ遊技機に補給するとともに、球の補給が困難であるときは、補給球エラーの報知を行い、かつ補給を終了し、
前記封入球入替制御手段は、補給球確認手段により一定時間内に球の補給を確認できない場合には、球の入替処理を終了して通常遊技状態に戻すように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
【0112】
本実施例によれば、以下のような効果がある。
本実施例のパチンコ機1では、封入球の入れ替え開始要求があるとき(例えば、遊技店の開店時の電源投入時など)には、遊技制御装置54から補給制御装置81に補給球の要求が出され、循環装置55の球抜きソレノイド176を球抜き側に切替えた後、球送りソレノイド172を1回オンして封入球が1個ずつ抜かれて(球を抜くと、その都度、球抜きソレノイド176を通常側へ切替えるようにしてもよい)、島にある回収装置84に排出されるとともに、補給制御装置81から球が1個ずつパチンコ機1の補給球入口66に流入し、補給シュート56を通過して循環装置55に補給される。このようにして、封入球の入れ替えが1個単位で行われる。
また、球抜き時には、遊技制御装置54は補給制御装置81に球抜き信号を出力して補給球を要求し、これに応じて島側の補給制御装置81から補給のための球が補給球入口66に流入し、補給シュート56を通過する球は補給球検出スイッチ67で検出され、パチンコ機1に補給される球を1個ずつ確認する制御を行い、補給球検出スイッチ67で1個目の球の補給を確認したら、その後に、2個目の球抜きを行い、所定数(ここでは20個)の封入球の入替を終了したら、球抜きソレノイド176を通常側へ切替えて、循環装置55の流路が通常状態にもどって遊技可能状態になる。
一方、島側からの補給球の払い出し動作が異常の場合には、補給球エラーの報知が行われ、その時点で遊技球の入替処理は中止される。
したがって、補給装置(島側の補給装置全体を指す)に不具合があっても、パチンコ機1は遊技球が1個少ないだけの状態であり、遊技に支障がなく、通常通りに遊技が行えるという効果がある。
特に、遊技球を1個ずつパチンコ機1及び補給制御装置81の双方で確認しながら入れ替えるので、例えば島側の補給制御装置81に不具合があり、遊技球を補給できない状態になった場合でも、その時点で入替処理を中止すれば、パチンコ機1は遊技球が1個少ないだけの状態であり、遊技を開始することができる。
【0113】
また、本実施例では封入球の入替時に、パチンコ機1の球送り機構における球送りソレノイド172の作動により1個ずつ球を抜くので、1個ずつ抜くために新たな特別な駆動源は必要ないという効果がある。つまり、球送り機構は球を発射位置まで送るための装置であり、その元来存在する装置を球抜きに流用しているので、新たに球抜き用の装置(及び駆動源)を設ける必要がない。
さらに、封入球の入替制御において、島の補給制御装置81側からのパチンコ機1への入力が一切ないので、セキュリティが高いという効果がある。例えば、島側からの信号の入力があると、不正に利用されるおそれがある。
【0114】
次に、本発明の変形例について説明する。
(1)上記実施例では、封入球の入替時期として、遊技店の開店時の電源投入時や停電からの復旧時としているが、これに限るものではなく、リアルタイムクロックを利用して入替する時間を特定するようにしてもよい。例えば、午前中の電源投入時ならば、封入球の入替処理を行うが、営業時間中に遊技機の電源をOFF→ONした場合には、入替しないようにしてもよい。
(2)封入球の入替を操作するものとして、遊技機に入替スイッチを設け、遊技場側の操作により切替処理を行うようにしてもよい。その場合には、封入球入替制御手段の作動を入替スイッチで操作すればよい。
この発明概念は、以下のように表わされる。
外部から操作可能な入替スイッチを設け、
入替スイッチの操作により、前記封入球入替制御手段の作動を制御することを特徴とする封入球式遊技機。
(3)電源投入時、表示装置41(LCD)に封入球の入替処理を「行う/行わない」の選択画面を表示し、店員が操作可能な構成にしてもよい。
例えば、画面操作の内容は、以下の通りである。
所定時間内に「行う」を選択すれば、入替処理をする。
所定時間内に「行わない」を選択すれば、入替処理をしない。
所定時間内にどちらの選択もしなければ、入替処理をする。
上記変形例(2)、(3)によれば、店員の判断で封入球の入替操作ができ、便利である。
この発明概念は、以下のように表わされる。
複数の識別情報を変動表示させる表示装置を備え、
前記表示装置は、
封入球の入替を外部タッチで操作可能な操作ボタンを画面上に表示する構成とし、
該操作ボタンの操作により、前記封入球入替制御手段の作動を制御することを特徴とする封入球式遊技機。
【0115】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1、1a乃至1n パチンコ機(封入球式遊技機)
7 操作・表示パネル
15、15a乃至15n カードユニット(遊技媒体貸出装置)
20 遊技盤
25 第1始動入賞口
26 第2始動入賞口(普通電動役物(普電))
27 変動入賞装置
41 表示装置
53 演出制御装置
54 遊技制御装置(封入球入替制御手段、入替時期検出手段、補給球要求手段、補給球確認手段、球抜き手段)
55 循環装置
57 発射制御装置
71 循環流路(球送り機構)
81 補給制御装置
83 補給球排出検出スイッチ
86 研磨装置
88 回収球検出スイッチ
161 発射球検出スイッチ
172 球送りソレノイド(球送り機構)
176 球抜きソレノイド(球抜き手段、流路切替手段)
176a 変位部材(流路切替手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記封入球の入替え時期を検出する入替時期検出手段と、
前記入替時期検出手段により封入球の入替え時期が検出されると、遊技機本体から封入球を外部に抜く球抜き手段と、
前記球抜き手段により遊技機本体から封入球が抜かれると、球の補給を要求する補給球要求手段と、
補給された球を確認する補給球確認手段と、
を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
【請求項2】
封入球の入替を制御する封入球入替制御手段を備え、
前記封入球入替制御手段は、
前記球抜き手段が遊技機本体から封入球を1個ずつ外部に抜く作動をし、
前記補給球確認手段が補給された球を1個ずつ確認する作動をし、
前記補給球要求手段が補給球確認手段により補給された球が1個確認されたら、球の補給を1個要求する作動をするように、前記各手段の作動を制御する構成であることを特徴とする請求項1記載の封入球式遊技機。
【請求項3】
前記封入球入替制御手段は、補給球確認手段により一定時間内に球の補給を確認できない場合には、球の入替処理を終了して通常遊技状態に戻すように制御することを特徴とする請求項1又は2記載の封入球式遊技機。
【請求項4】
封入球を循環させるための循環流路が形成された循環装置を備え、
該循環装置は、
循環流路に配置され、球を発射位置に送る流路と、球を外部に抜きとる流路とを択一的に切替可能な流路切替手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の封入球式遊技機。
【請求項5】
前記循環装置は、
前記循環流路に配置され、球を発射位置まで1個ずつ球送りする球送りソレノイドを有する球送り機構を備え、
前記流路切替手段により前記循環流路が球を外部に抜きとる流路に切替えられたとき、前記球送り機構により、封入球を1個ずつ外部に抜きとることが可能な構成であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の封入球式遊技機。
【請求項6】
前記循環装置は、
前記循環流路に配置され、前記球送り機構により球が発射位置まで1個ずつ球送りされるときに、発射位置まで1個ずつ送られる球を1個宛てに検出可能な発射球検出スイッチを備えており、
該発射球検出スイッチは、
前記流路切替手段により前記循環流路が球を外部に抜きとる流路に切替えられたとき、前記球送り機構によって外部に抜きとられる球抜き球を1個宛てに検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の封入球式遊技機。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate