説明

遊技機

【課題】複数の始動口によるそれぞれの大当たり遊技の抽選において、遊技者に対する有利度合いの異ならない公平な複数の始動口を備えた遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球が転動する遊技領域に、第1の始動入賞領域と第2の始動入賞領域とを有する遊技盤と、遊技者に有利な大当たり遊技と、第1の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は第1の抽選処理を、第2の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は第2の抽選処理をそれぞれ行う大当たり抽選手段と、複数の大当たり遊技情報を記憶した第1の記憶手段及び第2の記憶手段とを備え、第1の記憶手段にのみ、特定大当たり遊技情報が記憶されており、しかも、第1の記憶手段と第2の記憶手段とにそれぞれ記憶された複数の大当たり遊技情報は、遊技者に対する有利度合いが等しい遊技機とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機に代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機の代表的なものとして、遊技者による発射ハンドルの操作で遊技球を遊技盤の遊技領域に発射させ、遊技領域に植設された多数の遊技釘との衝突を繰り返しながら遊技球を転動流下させつつ、当該遊技領域に設けられた入賞口に遊技球を入賞させることで賞球を獲得するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
【0003】
従来、一般的なパチンコ遊技機には、複数種の入賞領域(所謂「入賞口」)と、所定の演出表示を行う表示手段であるディスプレイとが設けられており、入賞領域の一である始動入賞領域(所謂「始動口」)には、通常は閉鎖状態にあって、所定条件を満たすと遊技球が入球しやすいように所定時間開放される可変部材が設けられている。
【0004】
そして、この始動口に遊技球が入ると、通常遊技から当該通常遊技よりも遊技者にとって有利な大当たり遊技に移行するか否かを決定する大当たり抽選が行われ、前記ディスプレイ上では、識別情報ともなる複数の図柄が変動した後、大当り抽選の結果に応じた組合せで停止表示されるとともに、これらの図柄の変動表示に合わせて、キャラクタ画像などが表示されるなど、演出画像を用いた演出表示が行われるようになっている。また、かかる演出画像を用いた演出表示は、遊技状態が通常遊技の状態、大当たり遊技の状態など、遊技状態が変遷する度に変化したりする。
【0005】
なお、大当たり抽選に当選して大当たり遊技が実行されると、その後に引き続き行われる通常遊技では、前記可変部材が所定期間開閉動作を繰り返す特別遊技モード(所謂「時短モード」)を所定期間実行するのが一般的である。
【0006】
近年、より多くの大当り抽選の機会を遊技者に提供するために、遊技領域に複数の始動口を設けた遊技機が考えられたが、複数の始動口が存在する場合は、識別情報の変動タイミングなどで問題が生じやすい。
【0007】
そこで、複数の始動口に遊技球が入球したことを受けて、複数の識別情報の変動を同期して表示する遊技機が提供されている(特許文献1)。さらに、一方の始動口に遊技球が入球したことを契機に行われた大当り抽選が当選のときには、他方の始動口での識別情報の変動を継続させる遊技機が提供されている(特許文献2)。
【0008】
また、近年では、大当たり遊技としても、その有利度合いが異なる複数の大当たり遊技が、各始動口に応じて適当な振り分け率で設定されている。
【0009】
例えば、
「通常大当たり遊技」:相対的に遊技の実行期間が長く、所定量の賞球獲得が見込まれるが、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる大当たり抽選の当選確率が低確率である大当たり遊技、
「確率変動大当たり」:相対的に遊技の実行期間が長く、所定量の賞球獲得が見込まれ、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率となる、遊技者に最も有利な大当たり遊技、
「突然確率変動突入型大当たり」:相対的に遊技の実行期間が短く、賞球獲得に対する期待は小さいものの、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率となる大当たり遊技、
「時短突入型大当たり」:相対的に遊技の実行期間が短くて賞球獲得に対する期待が小さく、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技には前記時短モードのみの特典が付与され、当該通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率も低確率となる、遊技者には比較的に不利な大当たり遊技、
などがある。
【0010】
また、複数の始動口を備えた遊技機では、例えば、通常の遊技状態で主に入賞するように配置された第1の始動口と、大当たり遊技直後の通常遊技では、遊技球が入賞しやすい開放状態に頻繁に変動する可変部材を付設した第2の始動口とを設け、この第2の始動口に入賞した際に行われる前記大当たり抽選に当選した場合、前記「突然確率変動突入型大当たり」が引き当てられる確率を低くするというように、両始動口への各入賞に対して行われる大当り抽選の条件を変えたものがある。
【0011】
かかる遊技機では、「確率変動大当たり」終了直後の通常遊技で「突然確率変動突入型大当たり」に当選しても、賞球獲得は期待できずに単に当選確率が高確率である現状態が維持されるだけの遊技者にとってはさほど意義のない大当たり遊技への当選を回避しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−26042号公報
【特許文献2】特開2006−181354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述したような2つの始動口を有する遊技機における各始動口に対応する大当たり抽選の条件設定は、通常、両者の差別化を図ったものが多く、そのために、例えば、第1の始動口に遊技球が入賞することによる大当たり抽選結果と、第2の始動口に遊技球が入賞することによる大当たり抽選結果との間で、賞球獲得量に差が出てしまい、遊技者が2つの始動口に対して不公平感を覚えるおそれがあった。
【0014】
また、大当たり遊技の種類にしても、各始動口に応じて適当な振り分け率で設定されているとはいえ、これまでの振り分け率には十分な根拠がなく、そのために、大当たり遊技が連続するような場合が生じても、大当たりの種類が偏ってしまい、そのために画像を用いた演出表示も画一的になりがちであった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決し、遊技者が2つの始動口に対して不公平感を覚えることなく楽しく遊技が行うことのできる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明では、遊技球が転動する遊技領域に、所定の条件を満たしたときに遊技球が入賞しやすい開放状態に変動する可変部材を付設した第1の始動入賞領域と当該第1の始動入賞領域とは異なる仕様の第2の始動入賞領域とを含む複数の入賞領域を有する遊技盤と、前記入賞領域を遊技球が通過した場合に所定数の賞球を払い出すとともに、前記複数の入賞領域のうちの所定の入賞領域に遊技球が入賞しやすい状態となる大当たり遊技と、当該大当たり遊技に移行するか否かの抽選を行う通常遊技とを含む遊技全体の進行を制御する遊技進行制御手段と、前記通常遊技の実行中に前記第1の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は当該第1の始動入賞領域に対応した第1の抽選処理を、前記第2の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は当該第2の始動入賞領域に対応した第2の抽選処理をそれぞれ行う大当たり抽選手段と、大当たり遊技の実行期間がそれぞれ異なる複数の大当たり遊技情報を第1の振り分け率で、前記第1の抽選処理に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、大当たり遊技の実行期間がそれぞれ異なる複数の大当たり遊技情報を前記第1の振り分け率とは異なる第2の振り分け率で、前記第2の抽選処理に対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記第1の抽選処理では前記第1の記憶手段の大当たり遊技情報の中から、前記第2の抽選処理では前記第2の記憶手段の大当たり遊技情報の中から大当たり遊技情報を選択して、選択した大当たり遊技情報に基づく大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、を備え、前記第1の記憶手段にのみ、相対的に大当たり遊技の実行期間が短く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選手段による当選確率が低確率となる特定大当たり遊技情報が記憶されており、前記第1の記憶手段に記憶された複数の大当たり遊技情報のそれぞれに対応する大当たり遊技の実行期間と前記第1の振り分け率とに基づく大当たり遊技の実行期間の期待値と、前記第2の記憶手段に記憶された複数の大当たり遊技情報のそれぞれに対応する大当たり遊技の実行期間と前記第2の振り分け率とに基づく大当たり遊技の実行期間の期待値と、が等しく、前記第1の抽選処理に基づいて実行された大当たり遊技終了直後の通常遊技において前記大当たり抽選手段による当選確率が高確率となる確率と、前記第2の抽選処理に基づいて実行された大当たり遊技終了直後の通常遊技において前記大当たり抽選手段による当選確率が高確率となる確率と、が等しい遊技機とした。
【0017】
また、前記遊技進行制御手段は、前記通常遊技を、前記第1の始動入賞領域に付設された前記可変部材の変動態様が、所定期間遊技者に有利となる特別遊技モードと、いかなる期間であっても相対的に遊技者に不利な通常遊技モードとのいずれかの遊技モードの下で実行するとともに、前記大当たり遊技終了直後は、前記特別遊技モードによる通常遊技に移行させることもできる。
【0018】
また、前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とにそれぞれ記憶された前記複数の大当たり遊技情報として、相対的に遊技の実行期間が短いものの、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率となる突然確率変動突入型大当たり遊技情報があり、当該突然確率変動突入型大当たり遊技情報の振り分け率を前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とで互いに異ならせることもできる。
【0019】
また、前記第2の記憶手段にのみ、相対的に遊技の実行期間が長く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が低確率となる通常大当たり遊技情報が記憶させることもできる。
【0020】
また、前記大当たり遊技情報として、(a)相対的に遊技の実行期間が長く、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率となる確率変動大当たり遊技情報、(b)相対的に遊技の実行期間が短いものの、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率となる突然確率変動突入型大当たり遊技情報、(c)相対的に遊技の実行期間が長く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が低確率となる通常大当たり遊技情報、(d)相対的に遊技の実行期間が短く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が低確率となる前記特定大当たり遊技情報、が設定されており、前記第1の記憶手段には、前記(a)確率変動大当たり遊技情報が70/100、前記(b)突然確率変動突入型大当たり遊技情報が15/100、前記(d)特定大当たり遊技情報が15/100の振り分け率で、前記第2の記憶手段には、前記(a)確率変動大当たり遊技情報が55/100、(b)前記突然確率変動突入型大当たり遊技情報が30/100、前記(c)通常大当たり遊技情報が15/100の振り分け率でそれぞれ記憶させることもできる。
【0021】
また、前記可変部材を付設した前記第1の始動入賞領域を、前記第2の始動入賞領域の直下位置に配設することもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1の始動入賞領域、第2の始動入賞領域のいずれかを遊技球が通過して行われた抽選処理で当選した大当たり遊技では、いずれの始動入賞領域に係る場合であっても、大当たり遊技の実行期間の期待値及び各大当たり遊技終了直後の通常遊技で行われる大当たり抽選の当選確率が高確率となる確率が等しいため、遊技者にとっていずれの始動入賞領域に対しても賞球獲得量の期待値が同じになり、不公平感を覚えさせることのない遊技機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における電飾ユニットを示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される大当たり抽選テーブルである。
【図7】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における第1始動口と第2始動口の位置関係を示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における第1始動口に付設された羽根部材の動作により第1始動口への遊技球の流下の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0025】
本実施形態に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域に、所定の条件を満たしたときに遊技球が入賞しやすい開放状態に変動する可変部材を付設した第1の始動入賞領域と当該第1の始動入賞領域とは異なる仕様の第2の始動入賞領域とを含む複数の入賞領域を有する遊技盤と、前記入賞領域を遊技球が通過した場合に所定数の賞球を払い出すとともに、前記複数の入賞領域のうちの所定の入賞領域に遊技球が入賞しやすい状態となる大当たり遊技と、当該大当たり遊技に移行するか否かの抽選を行う通常遊技とを含む遊技全体の進行を制御する遊技進行制御手段と、前記通常遊技の実行中に前記第1の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は当該第1の始動入賞領域に対応した第1の抽選処理を、前記第2の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は当該第2の始動入賞領域に対応した第2の抽選処理をそれぞれ行う大当たり抽選手段と、大当たり遊技の実行期間がそれぞれ異なる複数の大当たり遊技情報を第1の振り分け率で、前記第1の抽選処理に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、大当たり遊技の実行期間がそれぞれ異なる複数の大当たり遊技情報を前記第1の振り分け率とは異なる第2の振り分け率で、前記第2の抽選処理に対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記第1の抽選処理では前記第1の記憶手段の大当たり遊技情報の中から、前記第2の抽選処理では前記第2の記憶手段の大当たり遊技情報の中から大当たり遊技情報を選択して、選択した大当たり遊技情報に基づく大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、を備え、前記第1の記憶手段にのみ、相対的に大当たり遊技の実行期間が短く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選手段による当選確率が低確率となる特定大当たり遊技情報が記憶されており、前記第1の記憶手段に記憶された複数の大当たり遊技情報のそれぞれに対応する大当たり遊技の実行期間と前記第1の振り分け率とに基づく大当たり遊技の実行期間の期待値と、前記第2の記憶手段に記憶された複数の大当たり遊技情報のそれぞれに対応する大当たり遊技の実行期間と前記第2の振り分け率とに基づく大当たり遊技の実行期間の期待値と、が等しく、前記第1の抽選処理に基づいて実行された大当たり遊技終了直後の通常遊技において前記大当たり抽選手段による当選確率が高確率となる確率と、前記第2の抽選処理に基づいて実行された大当たり遊技終了直後の通常遊技において前記大当たり抽選手段による当選確率が高確率となる確率と、が等しく設定されたものである。
【0026】
すなわち、本実施形態における遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤には、遊技球が入球すると予め定められた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される複数の入賞領域(以下「入賞口」という)が設けられている。そして、複数の入賞口のうち、可変部材が付設された第1の始動入賞領域(以下「第1始動口」という)又は可変部材が付設されていない第2の始動入賞領域(以下「第2始動口」という)に遊技球が入球すると、同じく遊技領域に設けられた複数の入賞口の中から特定の入賞領域(以下「大入賞口」という)を遊技領域に広く開放して、遊技領域を流下転動してきた遊技球の入球を容易とすることで、短時間に所定数の賞球を遊技者に提供することができる大当たり遊技に移行するか否かの抽選を通常遊技において行なっている。そして、大当たり遊技と、この大当たり遊技への移行抽選を行なう通常遊技と、複数の入賞口への遊技球の入球に対する賞球の払い出し等を含む遊技全体の進行を制御する遊技進行制御手段を備えている。
【0027】
さらに、本実施形態においては、通常遊技の実行中に第1始動口を遊技球が通過した場合は当該第1始動口に対応した第1の抽選処理を、第2始動口を遊技球が通過した場合は当該第2始動口に対応した第2の抽選処理をそれぞれ行う大当たり抽選手段を備えている。
【0028】
ここで、上記大当たり遊技は、遊技者に対する有利度合いの異なる複数種類の大当たり遊技が設定されている。すなわち、前記大当たり抽選手段の抽選結果が大当たり遊技に当選した場合は、特定の入賞領域(以下、大入賞口という)を遊技領域に広く開放して、遊技領域を流下転動してきた遊技球の入球を容易とすることで、短時間に所定数の賞球を遊技者に提供するものであるが、その大入賞口の開放期間(つまり、大当たり遊技の実行期間)を異ならせることで、遊技者が獲得できる賞球数に差を設けて、遊技者に対する有利度合いの異なる複数種類の大当たり遊技としているのである。
【0029】
具体的に説明すると、本実施形態における大当たり遊技の実行は、遊技領域に遊技球が入球可能なように大入賞口を開放した後、所定の条件(大入賞口の開放時間(例えば、30秒)の経過、所定個数(例えば、10個)の遊技球の大入賞口への入球)が満たされた場合に、開放した大入賞口を一旦閉鎖する。そして、大入賞口を開放してから閉鎖するまでの動作を1回のラウンドゲームとして、このラウンドゲームを所定回数繰り返すことにより、大当たり遊技を実行するのである。
【0030】
そして、本実施形態においては、上記ラウンドゲームの実行回数の異なる複数の大当たり遊技を設定することにより、大当たり遊技の実行期間が異なるようにしている。例えば、ラウンドゲームの実行回数が15回の大当たり遊技は、ラウンドゲームの実行回数が2回の大当たり遊技と比較すると、相対的にラウンドゲームの実行回数が多いため、結果的に大当たり遊技の実行期間(つまり、大当たり遊技を消化する時間)が長くなるため、設定されたラウンドゲームの実行回数に応じて、大当たり遊技の実行期間が異なることになる。
【0031】
また、前記ラウンドゲーム数の異なる大当たり遊技において、例えば、ラウンドゲーム
における大入賞口の開放時間を異ならせることもできる。例えば、ラウンドゲームの実行
回数が15回の場合は大入賞口の開放時間は30秒に設定して、一方、ラウンドゲームの
実行回数が2回の場合は大入賞口の開放時間は0.3秒に設定するのである。つまり、大
入賞口の開放時間の長い大当たり遊技は、遊技領域を転動流下する遊技球の大入賞口への
入球が充分望めるが、他方、大入賞口の開放時間の短い大当たり遊技は、遊技球の入球が
殆ど期待できない。これにより、遊技者が獲得できる賞球数に大きく差をつけた、遊技者
に対しての有利度合いが大きく異なる大当たり遊技を設定することができる。
【0032】
さらに、本実施形態においては、大当たり遊技実行時のラウンドゲーム数や大入賞口の
開放時間を異ならせるだけではなく、当該大当たり遊技の終了後における通常遊技におい
て、例えば、大当たり抽選手段による大当たり遊技の抽選確率が高確率に設定(所謂「確
率変動」)される大当たり遊技、又は、前記第1の始動口に付設された可変部材の変動態
様が、大当たり遊技終了後の所定期間、遊技者に有利な変動状態となる特別遊技モード(
所謂「時短モード」)が設定される大当たり遊技等により、遊技者に対して有利度合い異
なる複数の大当たり遊技を設定している。
【0033】
そして、本実施形態における複数の大当たり遊技は、上記大当たり遊技の実行条件(つ
まり、ラウンドゲームの実行回数又は大入賞口の開放時間)、当該大当たり遊技の終了後
の通常遊技における大当たり抽選条件を高確率に設定(以下「確率変動」という)、又は
、特別遊技モード(以下「時短モード」という)などに応じて、例えば、ラウンドゲーム
の実行回数は15回、大入賞口の開放時間は通常時間(つまり、30秒)、そして、当該
大当たり遊技の終了後は確率変動が設定される大当たり遊技は「15R確変大当たり遊技
」、ラウンドゲームの実行回数及び大入賞口の開放時間は「15R確変大当たり遊技」と
同じであるが、当該大当たり遊技の終了後は確率変動が設定されない、つまり、確率変動
で設定される高確率と比較すると相対的に低確率といえる通常確率のままの大当たり遊技
は「15R通常大当たり遊技」、ラウンドゲームの実行回数が2回で大入賞口の開放時間
は短時間(例えば、0.3秒)に設定され、当該大当たり遊技の終了後は確率変動が設定
される大当たり遊技は「2R確変大当たり遊技」、ラウンドゲームの実行回数及び大入賞
口の開放時間は「2R確変大当たり遊技」と同じであるが、当該大当たり遊技の終了後は
確率変動が設定されない(つまり、通常確率)大当たり遊技は「2R通常大当たり遊技」
というように区別されている。
【0034】
なお、上記「2R確変大当たり遊技」及び「2R通常大当たり遊技」は、大入賞口の開
放時間は短時間(例えば、0.3秒)に設定されており、当該大当たり遊技中に遊技者が
獲得できる賞球数は殆ど期待できず、当該大当たり遊技の実行時間も極めて短時間で終了
するため、大当たり遊技の実行を伴わず通常遊技における遊技モードが突然変化するよう
な印象を遊技者に与えることから、「2R確変大当たり遊技」は「2R突然確変大当たり
遊技(所謂、突確大当たり遊技)」と、また、「2R通常大当たり遊技」は「2R突然時
短大当たり遊技」又は「突時大当たり遊技」と呼ばれる場合がある。
【0035】
そして、本実施形態においては、上述した遊技者の有利度合いの異なる複数の大当たり
遊技を、前記第1の抽選処理及び第2の抽選処理のそれぞれに所定の振り分け率を設定し
て、第1の記憶手段及び第2の記憶手段に大当たり遊技情報として記憶するとともに、第
1の抽選処理では第1の記憶手段に記憶された大当たり遊技情報の中から、第2の抽選処
理では第2の記憶手段に記憶された大当たり遊技情報の中からそれぞれ所定の振り分け率
に応じて選択して、実行する大当たり遊技を決定するのである。
【0036】
上述してきた構成の遊技機において、本実施形態においては、前記第1の記憶手段にの
み、他の大当たり遊技と比較して相対的に大当たり遊技の実行期間が短く、かつ当該大当
たり遊技の終了直後の通常遊技において、前記大当たり遊技抽選手段による当選確率が低
確率(つまり、前述した相対的に遊技者に有利な確率変動が設定されないため、大当たり
遊技の抽選確率が相対的に低確率となる通常確率)の特定大当たり遊技情報が記憶されて
いる。
【0037】
この、特定大当たり遊技情報とは、上述した「突時大当たり遊技」に相当するもので、
大当たり遊技の実行時に遊技者が獲得できる賞球も見込めず、なおかつ、当該大当たり遊
技の終了後に時短モードが設定されるとはいえ、確率変動のように大当たり遊技の抽選確
率が高確率に設定されない、つまり、通常確率のため、複数の大当たり遊技の中で、最も
遊技者にとっての有利度合いの低い大当たり遊技といえる。そして、本実施形態において
は、第1の記憶手段の大当たり遊技情報にのみ、「突時大当たり遊技」情報が設定されて
いることから、大当たり抽選手段において第1の抽選処理が実行された場合に、「突時大
当たり遊技」が実行される可能性があることになる。
【0038】
しかしながら、本実施形態においては、上述した構成の第1の記憶手段及び第2の記憶
手段において、設定された大当たり遊技情報としての複数の大当たり遊技に対する所定の
振り分け率は、最終的に第1の記憶手段と第2の記憶手段とでは、遊技者に対する有利度
合いに差がつかないようにしている。具体的に説明すると、前記大当たり抽選手段におい
て、第1の記憶手段に基づいて振り分けられる大当たり遊技と、第2の記憶手段に基づい
て振り分けられる大当たり遊技とでは、結果としてラウンドゲームの実行回数の平均値、
及び、当該大当たり遊技の終了後に確率変動に設定される期待値(つまり、確率変動への
突入率)等に差がつかないようにするのである。
【0039】
上述したような、第1の記憶手段及び第2の記憶手段によれば、遊技領域に大当たり抽
選の契機となる複数の始動口(第1始動口及び第2始動口)を備えたパチンコ遊技機にお
いても、それぞれ複数の大当たり遊技に対する所定の振り分け率が異ならせて設定するこ
とにより、それぞれの始動口を契機とした大当たり遊技の発生に特徴を持たせることがで
きるとともに、なおかつ、いずれの始動口を契機とした大当たり遊技においても、遊技者
に対する有利度合いを等しくできるので、異なる始動口に応じた大当たり遊技の発生に、
遊技者が不満を抱く可能性の少ないバランスの取れた遊技機を提供する事ができる。
【0040】
また、前記遊技進行制御手段は、前記通常遊技を、前記第1の始動入賞領域に付設され
た前記可変部材の変動態様が、所定期間遊技者に有利となる特別遊技モードと、いかなる
期間であっても相対的に遊技者に不利な通常遊技モードとのいずれかの遊技モードの下で
実行するとともに、前記大当たり遊技終了直後は、前記特別遊技モードによる通常遊技に
移行させる制御を実行することとなる。
【0041】
すなわち、大当たり遊技の終了後の通常遊技では、第1始動口に付設された可変部材の
開放時間及び開放頻度が向上する前記特別遊技モード(つまり、時短モード)を所定期間
実行するものであるが、前記遊技進行制御手段は、本実施形態における複数の大当たり遊
技において、全ての大当たり遊技の終了後の通常遊技を特別遊技モード(つまり、時短モ
ード)として設定するのである。
【0042】
ここで、前記特別遊技モード(以下、時短モードという)を具体的に説明すると、本実
施形態においては、所定の条件(遊技領域に設けられた特別領域を遊技球が通過)を契機
として、所定の頻度で第1始動口に付設されている可変部材の開放抽選を行ない、その開
放抽選に当選すると、可変部材を開放して第1始動口へ遊技球を入球し易くしている。そ
して、例えば、通常遊技において通常遊技モードが設定されていた場合は、可変部材の開
放時間は0.1秒、開放頻度は30秒に1回と設定されるのに対して、時短モードが設定
されていた場合は、可変部材の開放時間は3秒、開放頻度は10秒に1回と設定されるの
である。
【0043】
すなわち、通常遊技が時短モードに設定されている場合は、第1始動口に付設されてい
る可変部材の開放時間は長く、開放頻度が高くなるため、第1始動口への遊技球の入球率
が向上する。そして、第1始動口を契機とした大当たり抽選手段による抽選回数も増加す
るとともに、遊技球の入球に応じた賞球数も見込めるため、遊技者にとっては通常モード
よりも有利度合いの高い遊技条件といえる。
【0044】
つまり、大当たり遊技の終了後の通常遊技において、前記遊技者の有利度合いの高い確
率変動が設定されなかった場合でも、時短モードを付加することにより、若干遊技者の有
利度合いの高い遊技状態を遊技者に提供するのである。なお、この時短モードは予め作動
期間が定められる場合があり、例えば、大当たり遊技抽選手段により所定の抽選回数(例
えば、100回)が実行されると、通常遊技における時短モードは終了して通常モードが
設定されることとなる。
【0045】
また、この時短モードと確率変動は併用して設定される場合があり、例えば、「15R
確変大当たり遊技」又は「2R確変大当たり遊技」の終了後は、時短モードと確率変動は
併用して設定される。なお、この場合の時短モードの作動期間は、次回の大当たり遊技に
当選するまでと設定されるか、若しくは次回大当たり遊技に当選するのに充分な大当たり
遊技抽選手段による抽選回数(例えば、10000回)が設定される場合がある。
【0046】
また、本実施形態においては、前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とにそれぞれ
記憶された前記複数の大当たり遊技情報として、相対的に遊技の実行期間が短いものの、
大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率とな
る突然確率変動突入型大当たり遊技情報があり、当該突然確率変動突入型大当たり遊技情
報の振り分け率を前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とで互いに異ならせている。
【0047】
この突然確率変動突入型大当たり遊技情報は、上述した「2R確変大当たり遊技」に相
当するもので、大当たり遊技の実行を伴わずにいきなり通常遊技における遊技モードに確
率変動が設定されたような印象を遊技者に与えることから「2R突然確変大当たり遊技」
とよばれる大当たり遊技であり、以下、「突然確変大当たり遊技」又は「突確大当たり遊
技」という。
【0048】
すなわち、本実施形態においては、大当たり抽選手段による大当たり遊技に当選して、
複数の大当たり遊技の中から一つの大当たり遊技に振り分ける場合に、第1の記憶手段に
基づく場合と第2の記憶手段に基づく場合とでは、「突確大当たり遊技」に振り分けられ
る割合を異ならせている。具体的に説明すると、例えば、第1の記憶手段に基づいた場合
では30%の割合で、第2の記憶手段に基づいた場合では15%の割合で振り分けるよう
に第1の記憶手段と第2の記憶手段に記憶されている大当たり遊技情報を設定するのであ
る。
【0049】
これにより、大当たり抽選手段による大当たり遊技の発生割合を、第1始動口に応じた
第1の記憶手段と第2始動口に応じた第2の記憶手段とで異ならせることができるので、
大当たり抽選の契機となる複数の始動口にそれぞれ応じて、「突確大当たり遊技」の発生
する割合の異なる遊技機とすることができる。
【0050】
また、前記第2の記憶手段にのみ、相対的に遊技の実行期間が長く、かつ大当たり遊技
の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が低確率となる通常大当た
り遊技情報が記憶されていることを特徴とする。
【0051】
この通常大当たり遊技情報とは、上記「15R通常大当たり遊技」に相当するもので、
上述したように、「15R通常大当たり遊技」は、所定数の賞球を遊技者が獲得できる大
当たり遊技であるが、当該大当たり遊技の終了後は、確率変動は設定されず作動期間が定
められた時短モードが設定されるものである。そして、本実施形態においては、第2の記
憶手段に記憶された大当たり遊技情報に、この「15R通常大当たり遊技」に振り分けら
れる割合を設定するのである。
【0052】
これにより、第2始動口への遊技球の入球を契機とした、大当たり抽選手段による第2
の記憶手段を用いた大当たり抽選に限り、「15R通常大当たり遊技」が発生する遊技機
とすることができるので、本実施形態における複数の大当たり遊技の中から、複数の始動
口(第1始動口及び第2始動口)を契機として振り分けられる大当たり遊技において、始
動口毎に当選可能とする大当たり遊技を差別化することが可能となる。
【0053】
上述してきた大当たり遊技情報についてまとめると、本実施形態では、(a)相対的に
遊技の実行期間が長く、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選
の当選確率が高確率となる確率変動大当たり遊技情報、(b)相対的に遊技の実行期間が
短いものの、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率
が高確率となる突然確率変動突入型大当たり遊技情報、(c)相対的に遊技の実行期間が
長く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が
低確率となる通常大当たり遊技情報、(d)相対的に遊技の実行期間が短く、かつ大当た
り遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が低確率となる前記
特定大当たり遊技情報、が設定されている。さらに、前記第1の記憶手段には、前記(a
)確率変動大当たり遊技情報が70/100、前記(b)突然確率変動突入型大当たり遊
技情報が15/100、前記(d)特定大当たり遊技情報が15/100の振り分け率で
、前記第2の記憶手段には、前記(a)確率変動大当たり遊技情報が55/100、(b
)前記突然確率変動突入型大当たり遊技情報が30/100、前記(c)通常大当たり遊
技情報が15/100の振り分け率で、それぞれ記憶されている。
【0054】
すなわち、上述してきたように、上記(a)の情報に係る大当たり遊技は「15R確変
大当たり遊技」に、上記(b)の情報に係る大当たり遊技は「突確大当たり遊技」に、上
記(c)の情報に係る大当たり遊技は「15R通常大当たり遊技」に、上記(d)の情報
に係る大当たり遊技は「突時大当たり遊技」に相当するものであり、本実施形態において
は、上記4種類の遊技者にとって有利度合いの異なる大当たり遊技が大当たり遊技情報と
して、第1の記憶手段及び第2の記憶手段に記憶されている。
【0055】
そして、第1の記憶手段には、(a)「15R確変大当たり遊技」の情報が70/10
0、(b)「突確大当たり遊技」の情報が15/100、(d)「突時大当たり遊技」の
情報が15/100の振り分け率で大当たり遊技情報として記憶されており、第2の記憶
手段には、(a)「15R確変大当たり遊技」の情報が55/100、(b)「突確大当
たり遊技」の情報が30/100、(c)「15R通常大当たり遊技」の情報が15/1
00の振り分け率で大当たり遊技情報として記憶されている。
【0056】
上記のような、第1の記憶手段及び第2の記憶手段による大当たり遊技情報の振り分け
において、第1の記憶手段には、第2の記憶手段にはない(d)「突時大当たり遊技」が
記憶されており、第2の記憶手段には、第1の記憶手段にはない(c)「15R通常大当
たり遊技」が記憶されているため、本実施形態においては、第1始動口へ遊技球が入球し
た場合には「突時大当たり遊技」が発生する可能性があり、他方、第2始動口へ遊技球が
入球した場合には「15R通常大当たり遊技」が発生する可能性があるという、それぞれ
の始動口に対して差別化を計っている。
【0057】
しかしながら、本実施形態においては、複数の始動口それぞれに応じて、特有の大当た
り遊技を設定して差別化を図るとともに、第1の記憶手段及び第2の記憶手段に記憶され
ている大当たり遊技情報において、第1の記憶手段及び第2の記憶手段毎のラウンドゲー
ムの実行回数の期待値及び確率変動が設定される期待値で比較すると、第1の記憶手段と
第2の記憶手段とでは同じ期待値が設定されている。
【0058】
具体的に説明すると、ラウンドゲームの実行回数の期待値を比較すると、第1の記憶手
段では、15回のラウンドゲームは「15R確変大当たり遊技」として70/100、2
回のラウンドゲームは、「突確大当たり遊技」の15/100と「突時大当たり遊技」の
15/100とを合計して30/100となる。一方、第2の記憶手段では、15回のラ
ウンドゲームは、「15R確変大当たり遊技」の55/100と「15R通常大当たり遊
技」の振り分け率15/100とを合計して70/100、2回のラウンドゲームは「突
確大当たり遊技」として30/100であるため、15回のラウンドゲームの振り分け率
は70/100と同じであり、さらに、2回のラウンドゲームの振り分け率も30/10
0と同じであるため、第1の記憶手段と第2の記憶手段とにおけるラウンドゲームの実行
回数の期待値は、同じ数値が設定されていることになる。
【0059】
言い換えると、本実施形態の大当たり抽選手段により、第1の記憶手段と第2の記憶手
段とのいずれが用いられた場合でも、15回のラウンドゲームをもつ大当たり遊技に振り
分けられる確率は70%であり、2回のラウンドゲームをもつ大当たり遊技に振り分けら
れる確率は30%であるといえる。
【0060】
さらに、確率変動が設定される期待値を比較すると、第1の記憶手段では、確率変動が
設定される振り分け率は、「突確大当たり遊技」の15/100と「15確変大当たり遊
技」の70/100を合計すると85/100である。一方、第2の記憶手段では、「1
5確変大当たり遊技」の55/100と「突確大当たり遊技」の30/100を合計する
と85/100であるため、第1の記憶手段と第2の記憶手段とでは、確率変動が設定さ
れる期待値は同じ数値(85/100)が設定されていることになる。言い換えると、本
実施形態においては、第1の記憶手段と第2の記憶手段とのいずれの記憶手段により当選
した大当たり遊技を振り分けた場合でも、85%の割合で確率変動が設定される大当たり
遊技が発生することとなる。
【0061】
また、前記可変部材を付設した前記第1の始動入賞領域を、前記第2の始動入賞領域の
直下位置に配設したことを特徴とする。
【0062】
すなわち、上述してきたように、可変部材が付設された第1の始動領域(つまり、第1
始動口)へ遊技球が入球したことを契機として抽選される大当たり遊技には、「突時大当
たり遊技」が含まれている。この「突時大当たり遊技」は本実施形態における4種類の大
当たり遊技の中でも、遊技者に対する有利度合いが最も低いものである。そのため、遊技
者が当該遊技機を遊技中において、最初に獲得できた大当たり遊技が「突時大当たり遊技
」の場合は、所定回数の作動期間が設けられた時短モードが通常遊技に設定されるだけな
ので、あまりに遊技者に対して利益が薄く、そのため当該遊技機での遊技を続行する意欲
を減衰させてしまうおそれがある。
【0063】
そこで、本実施形態においては、第2の始動入賞領域(つまり、第2始動口)の下方に
可変部材が付設された第1の始動領域(つまり、第1始動口)を設けることにより、遊技
者に提供できる最初の大当たり遊技は、第2始動口に応じた第2の記憶手段により所定の
振り分け率で決定されるようにして、第2の記憶手段に記憶されている大当たり遊技情報
に基づいて、当選した大当たり遊技を振り分けるのである。
【0064】
これにより、遊技者が最初に獲得できる大当たり遊技は、「15R確変大当たり遊技」
、「突確大当たり遊技」及び「15R通常大当たり遊技」となる可能性が高くなるため、
少なくとも「15R通常大当たり遊技」においては、当該大当たり遊技において所定数の
賞球を獲得でき、「突確大当たり遊技」においては、当該大当たり遊技での賞球の獲得は
望めないが、確率変動が設定されるため次回の大当たり遊技への当選が期待でき、さらに
、本実施形態における遊技者に最も有利度合いの高い「15R確変大当たり遊技」では、
当該大当たり遊技において所定数の賞球を獲得できるとともに、確率変動が設定されるた
め次回の大当たり遊技への当選も期待できるという、何らかの遊技者に利益となる大当た
り遊技とすることができる。
【0065】
なお、本実施形態における第1始動口には、時短モードにおいて開放時間及び解放頻度
が向上する可変部材が設けられているため、第2始動口の下部に配設する場合は、可変部
材が開放した場合にのみ遊技球を入球可能なように設置することもできる。これにより、
第2始動口を契機とした大当たり遊技の終了後に設定される時短モード(確率変動と同時
に設定される場合もある)において、第1の始動口を契機とした大当たり遊技の抽選が実
行されるようにして、通常遊技が通常モードに設定中は、遊技者が最初に獲得できる大当
たり遊技が「突時大当たり遊技」である可能性を低く抑えることができる。
【0066】
上述してきた遊技機によれは、遊技領域に複数の始動口(第1始動口及び第2始動口)
を設けるとともに、遊技球が入球した始動口に応じて、上述した4種類の大当たり遊技の
振り分け率に特徴を持たせることにより、複数の始動口(第1始動口及び第2始動口)の
差別化を図ることが可能で、なおかつ、最終的に第1始動口と第2始動口とのどちらかを
契機として発生する大当たり遊技についても、遊技者の有利度合いの異ならないバランス
の取れた複数の大当たり遊技を発生させられる遊技機を提供することが可能となる。
【0067】
なお、可変部材はソレノイドなどの作動手段を用いて変動させることができ、通常遊技
進行手段、大当たり抽選手段、第1の記憶手段、第2の記憶手段、大当たり遊技実行手段
としては、CPUや遊技プログラムなどを記憶したROM、作業領域用の一時記憶手段と
して利用されるRAMなどの各種メモリを備えた制御部などにその機能を担わせるとよい

【0068】
以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下
では遊技機をパチンコ遊技機としている。
【0069】
[遊技機の構成]
遊技機について、図1〜図4を用いて説明する。図1は本実施形態におけるパチンコ遊
技機10の概観を示す斜視図、図2は同パチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図であ
る。また、図3は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図、図4は電
飾ユニット53の説明図である。
【0070】
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本
体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体
枠12の前方に開閉自在に軸着された前面扉11とから構成されている。そして、前面扉
11の上部略半分は、開閉自在に軸着された扉11aが設けられている。そして、図1に
示すように、通常の遊技状態では、前面扉11は開口12aを前面から閉鎖し、扉11a
も閉鎖された状態で遊技が行われる。また、前面扉11の下方前面には、上皿20、下皿
22、発射ハンドル26等が配設されている。
【0071】
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32
と遊技盤14とスペーサ31等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサ31、液
晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明
を省略する。
【0072】
本実施形態に係る遊技盤14は、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透光性を有
する部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技
盤14は、その正面(前面)側に、発射された遊技球が転動する遊技領域15を有してい
る。この遊技領域15はガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域であり、ガ
イドレール30の外側には遊技領域外域16が形成されている。なお、遊技領域15には
図2に示すように、複数の遊技釘13が打ちこまれている。なお、本実施形態では、遊技
釘13は各種の遊技部材の一つに含まれるものとしている。また、図2においては複数の
遊技釘13を一部省略して示している。
【0073】
遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32は、前記スペ
ーサ31を挟んで遊技盤14の背後に設けられている。なお、本実施形態では、遊技盤1
4の全部が透光性を有する材料で形成されているが、透光性を有する材料が遊技盤14の
一部に用いられていてもよく、その場合、液晶表示装置32は遊技盤14の透光性を有す
る部材の背後に配置されることになる。
【0074】
この液晶表示装置32は、液晶ディスプレイパネル等で構成され、遊技に関する画像の
表示を可能とする表示領域32aを有しており、この表示領域32aは、スペーサ31及
び遊技領域15の全部又は一部、あるいは遊技領域外域16の全部又は一部を透して遊技
者側から視認可能となっている。なお、表示領域32aに表示される遊技に関する画像と
は、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等の各種の画像を指す。
【0075】
スペーサ31は、これも前述の透光性を有する部材で形成されているが、前記液晶表示
装置32の視認性を向上させるために、少なくとも遊技盤14の遊技領域15に相当する
大きさの孔部31aを形成している。
【0076】
このように、本実施形態においては、遊技盤14における透光性領域の背後に液晶表示
装置32などの表示手段を設けており、例えば、遊技釘13の植設領域や役物、装飾部材
といった遊技部材を設ける領域を大きくできるため、レイアウトの自由度も更に大きくす
ることが可能となっている。
【0077】
遊技盤14の外側となる扉11aの所定位置には、発光表示手段としての装飾ランプ1
33a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
【0078】
また、この扉11aには、ガラス板などからなる透光性を有する保護板19が取付けら
れている。この保護板19は、扉11aが閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面する
ように配設されている。また、保護板19の上方位置には、スピーカ46R,46Lが左
右に配設されている。
【0079】
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンド
ル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さら
に、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。この
タッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持
されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向
へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上
皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
【0080】
次に、図3及び図4を参照しながら、パチンコ遊技機10の構成についてさらに詳細に
説明する。なお、図3を用いたパチンコ遊技機10の概観の以下の説明では、図1及び図
2を用いた説明と重複する部分を省略することがある。なお、図3においては遊技釘13
を省略している。
【0081】
図3に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、
第1遊技部材55、第2遊技部材57、通過ゲート54、羽根部材23が付設された第1
始動口24、第2始動口25、開閉自在のシャッタ40を備えた大入賞口39、一般入賞
口56a,56b,56c,56d、アウト口38が設けられている。
【0082】
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(
画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bと
から構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案
内されて、遊技領域15の上部に移動し、複数の遊技釘13(図2参照)、遊技領域15
の上部に設けられた第1遊技部材55等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技
領域15の下方に向かって流下する。そして、遊技領域15に設けられた各種入賞口(第
1始動口24、第2始動口25、大入賞口39、一般入賞口56a〜56d等)に入賞し
なかった遊技球は、遊技領域15の下端中央に設けられたアウト口38で回収されて遊技
盤14の外部に排出される。
【0083】
遊技領域15の最上部に設けられた第1遊技部材55が、左右端が中央付近よりも下方
に位置する傘状に形成されているのに対し、その下部に設けられた第2遊技部材57は左
右端が中央付近よりも僅かに上方に位置して湾曲形成されたステージ状に構成されており
、遊技領域15を転動した遊技球の一部は、この第2遊技部材57に一旦受け止められて
、第2遊技部材57の中央部に凹状に形成された案内溝57a(図15参照)を通過して
、第2遊技部材57の下方に設けられた第2始動口25に向かって流下するようになって
いる。
【0084】
第2始動口25は、遊技領域15の略中央に設けられた第2遊技部材57の下部に設け
られている。そして、ソレノイドなどで駆動する可変部材としての羽根部材23が付設さ
れた第1始動口24は、第2始動口25の直下で、かつ大入賞口39の上方に設けられて
いる。なお、本実施形態においては、第1始動口24は第1の始動入賞領域に規定されて
おり、第2始動口25は第2の始動入賞領域に規定されているものである。
【0085】
そして、遊技領域15に設置された第1遊技部材55や遊技釘13との衝突しながら転
動した遊技球がこの第1始動口24及び第2始動口25へ入賞すると、後述する特別図柄
ゲーム及び大当たり抽選が開始される。すなわち、第1始動口24及び第2始動口25は
、特別図柄ゲーム及び大当たり抽選手段の契機となる始動入賞領域(つまり、第1の始動
入賞領域及び第2の始動入賞領域)である。また、図示するように、第1始動口24は第
2始動口25の直下に近接して設けられており、第1始動口24に付設された羽根部材2
3が開放状態に可動しない状態では、第1始動口24に遊技球が入賞不可な構成としてい
る。
【0086】
また、第1始動口24の下部に設けられた大入賞口39には、その前面側(前方)に開
閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、後に詳述する第1特別図
柄表示器33又は第2特別図柄表示器34(図4)において特別図柄として特定の数字図
柄がそれぞれ停止表示され、停止表示態様が、遊技状態が特別遊技である大当たり遊技に
移行されることを示す態様であった場合に、遊技球を受け入れやすい開放状態となるよう
に駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
【0087】
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39の内部には、カウント
センサ104(図5参照)が設けられ、遊技球を所定個数(例えば10個)検知するか、
又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。
そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過の
いずれかの条件が成立すると、シャッタ40は閉鎖状態になるように駆動される。その結
果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
【0088】
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口
39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームと呼
び、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖すること
になる。本実施形態では、このラウンドゲームを実行する遊技を大当たり遊技という。ま
た、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数され
るため、大当たり遊技における1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目を第2ラ
ウンドと呼称する場合がある。
【0089】
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、所定時間(例えば、1秒
)経過後に再度開放状態に駆動される。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次の
ラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまで
継続した遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、多数の賞球を獲得可
能であることから、遊技者にとって極めて有利な遊技状態である。
【0090】
また、前述した第1始動口24、第2始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞
口39に遊技球が入賞又は入球したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定
されている数の遊技球が遊技球貯留部である上皿20又は下皿22に賞球として払い出さ
れる。
【0091】
また、扉11aの下端部近傍には電飾ユニット53が設けられている。本実施形態に係
る電飾ユニット53は、図4に示すように、その中央に配置された表示器ケース37に、
第1始動口24に対応した第1特別図柄表示器33と第2始動口25に対応した第2特別
図柄表示器34とを収容している。この第1特別図柄表示器33及び第2特別図柄表示器
34は、7セグメントLEDで構成されており、この7セグメントLEDは、第1始動口
24又は第2始動口25に遊技球が入賞した場合に、それぞれ対応した第1特別図柄表示
器33又は第2特別図柄表示器34の7セグメントLEDが点灯・消灯することによって
、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。以上の
ように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が異な
ってくるゲームを、本実施形態では「特別図柄ゲーム」という。
【0092】
表示器ケース37の左右両側には、この表示器ケース37を挟んで第1始動口24に対
応した第1特別図柄保留ランプ33a〜33dと第2始動口25に対応した第2特別図柄
保留ランプ34a〜34dが設けられている。この第1特別図柄保留ランプ33a〜33
dは、第1特別図柄表示器33において、既に特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動
口24へ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口24
への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(所謂、「特別図柄
の保留球数」)を点灯によって表示するものである。そして、変動表示していた特別図柄
が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
【0093】
また、第1特別図柄保留ランプ33a〜33dと同様に、第2特別図柄保留ランプ34
a〜34dは、第2特別図柄表示器34において、既に特別図柄の変動表示中に遊技球が
第2始動口25へ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第2始
動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(所謂、「
特別図柄の保留球数」)を点灯によって表示するものである。そして、変動表示していた
特別図柄が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
【0094】
具体的に説明すると、第1特別図柄保留ランプ33a〜33d及び第2特別図柄保留ラ
ンプ34a〜34dは、特別図柄の変動表示の実行が保留された回数に対応して左から順
番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の
変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別
図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、第1始動口24への
遊技球の入賞に対して4回(個)、そして、第2始動口25への遊技球の入賞に対して4
回(個)、つまり、本実施形態においては最大8回(個)を上限として特別図柄の変動表
示は保留されることになる。
【0095】
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した第1始動口24及び第
2始動口25に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示の開始にあわせて、例え
ば数字などを含む演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変
動表示中に遊技球が第1始動口24及び第2始動口25へ入賞した場合には、変動表示中
の演出用の装飾図柄が停止表示されるまで、第1始動口24及び第2始動口25への遊技
球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)は保留される。その後、変
動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装
飾図柄の変動表示が開始される。つまり、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行
われる演出用の装飾図柄の変動表示と、特別図柄の変動表示とは同期しており、その変動
開始及び変動停止は同じタイミングで行なわれることとなる。
【0096】
本実施形態では、上述した特別図柄及び装飾図柄は、共に識別情報として機能するもの
であり、特別図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした特別図柄ゲームと、特
別図柄と同期して行われる装飾図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとしたゲー
ムとを併せて、「可変表示ゲーム」としている。したがって、本実施形態に係るパチンコ
遊技機10では、第1始動口24及び第2始動口25に遊技球が入賞したことを契機とし
て、可変表示ゲームが行われることになる。そして、この可変表示ゲームを行う遊技を通
常遊技と呼ぶ。
【0097】
また、遊技領域15の略中央の左側に設けられた通過ゲート54(図3参照)を遊技球
が通過すると、第2特別図柄表示器34の右側に設けられた普通図柄表示器35において
、普通図柄を示す“○”、“×”等の記号で構成された2つの表示用ランプが、交互に点
灯・消灯を繰り返すことによって変動表示される。
【0098】
さらに、表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ35a〜35dが設けられ
ている。この普通図柄保留ランプ35a〜35dは、前述した普通図柄(本実施形態では
“○”、“×”等の記号)の変動中に、前記通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、
点灯又は消灯によって、保留されている普通図柄の変動表示の実行可能な回数(所謂、「
普通図柄の保留球数」)を表示する。つまり、普通図柄保留ランプ35a〜35dは、保
留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止
表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通
図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上
限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
【0099】
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、第1始動口
24の左右の両側に可変部材として設けられた羽根部材(所謂「普通電動役物」)23が
閉鎖状態から開放状態に変動して、第1始動口24に遊技球が入りやすくなる。また、羽
根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状
態として、第1始動口24に遊技球が入り難くなるようにする。以上のように、普通図柄
が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が
異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0100】
以上説明してきたように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、第1始動口24
及び第2始動口25へ遊技球が入賞したことを契機として、大当たり遊技へ移行するか否
かの大当たり抽選処理が行なわれるとともに、その抽選結果に基づいて、前記第1特別図
柄表示器33及び第2特別図柄表示器34において特別図柄の変動表示及び停止表示が行
われる。
【0101】
そして、液晶表示装置32の表示領域32aにおいては、停止表示される特別図柄に対
応した複数の識別情報としての装飾図柄が、変動表示された後に所定の組み合わせで停止
表示される可変表示ゲームが実行されるとともに、この可変表示ゲームに伴う演出画像な
どを用いた演出表示が行われる。そして、大当たり遊技の抽選結果が当選の場合、通常遊
技から大当たり遊技に移行するのである。
【0102】
かかる構成において、本実施形態においては、第1始動口24に入賞した場合は第1の
抽選処理を実行して、第2始動口25に入賞した場合は第2の抽選処置が実行される。す
なわち、第1始動口24及び第2始動口25への遊技球の入賞を契機とした大当たり抽選
手段においてはそれぞれの始動口に応じて、独自に大当たり遊技の抽選処理が実行される
のである。
【0103】
具体的に説明すると、本実施形態における複数の大当たり遊技の中から、第1の抽選処
理においては、第1の記憶手段に記憶されている大当たり遊技情報に基づいて大当たり遊
技が決定され、第2の抽選処理においては、第2の記憶手段に記憶されている大当たり遊
技情報に基づいて大当たり遊技が決定されることになる。つまり、第1の記憶手段及び第
2の記憶手段の記憶されている大当たり遊技情報により、複数の大当たり遊技を異なる振
り分け率で決定するようにして、第1始動口24及び第2始動口25における大当たり抽
選を差別化している。
【0104】
なお、上述したように、本実施形態においては、複数の始動口(つまり、第1始動口2
4及び第2始動口25)毎に、異なる大当たり遊技の振り分け率を設定して特徴を持たせ
ているが、結果的に第1始動口24又は第2始動口25とでは、発生する大当たり遊技に
よって遊技者に対する有利度合いが異ならないように、第1の記憶手段及び第2の記憶手
段の記憶されている大当たり遊技情報を設定している。なお、大当たり遊技情報の設定及
び本実施形態における複数の大当たり遊技の構成については後に詳述する。
【0105】
ここで、本実施形態においては、役物の一例として、大当たり遊技時に用いられる大入
賞口39の役物が記載されているが、本発明はこれに限定されず、遊技盤上に2つ以上の
いかなる数の役物が設けられていてもよい。
【0106】
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからな
る液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、例えば、CRT(Cathode Ray Tube
)を含むブラウン管、EL(Electro Luminescence)、プラズマ等、他の形態からなる
ものであってもよい。
【0107】
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について、図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
【0108】
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主
制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路
60は、遊技全般の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演
出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものに位置
付けられている。
【0109】
主制御回路60は、図示するように、制御手段であるメインCPU66、メインROM
(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。
この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0110】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、こ
のメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有す
る。このように、このメインCPU66は、例えば、遊技進行制御手段や大当たり抽選手
段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0111】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御する
ためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする
際に参照される大当たり抽選テーブル(図6参照)等の各種のテーブルが予め記憶されて
いる。
【0112】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値
を記憶する機能を有する。
【0113】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用ク
ロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回
路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用I
C72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセ
ット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。
【0114】
そして、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込
処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
なお、シリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路20
0に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
【0115】
さらに、主制御回路60には、電飾ユニット53(図4参照)の各種表示器、表示ラン
プを制御する表示器制御回路76を備えている。この表示器制御回路76はメインCPU
66からの指示に従い、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて、第1特別図柄表示器3
3、第2特別図柄表示器34、普通図柄表示器35の変動の制御(例えば、変動の開始及
び所定の図柄での表示停止)を行い、さらに、第1特別図柄保留ランプ33a〜33d、
第2特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ35a〜35dの点灯及び
消灯の制御を行うものである。
【0116】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。例えば、図示するように、
カウントセンサ104、一般入賞球センサ106,108,110,112、通過球セン
サ114、第1始動口入賞球センサ116、第2始動口入賞球センサ117、普通電動役
物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が接続されている。
【0117】
カウントセンサ104は、大入賞口39に設けられている。このカウントセンサ104
は、大入賞口39へ遊技球が入賞又は通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60
に供給する。
【0118】
一般入賞球センサ106,108,110,112は、一般入賞口56a,56b,5
6c,56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106,108,110
,112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を
主制御回路60に供給する。
【0119】
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は
、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給す
る。
【0120】
遊技球検出手段である第1始動口入賞球センサ116は、第1始動口24に設けられて
いる。第1始動口入賞球センサ116は、第1始動口24に遊技球が入賞したことを検出
して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0121】
遊技球検出手段である第2始動口入賞球センサ117は、第2始動口25に設けられて
いる。第2始動口入賞球センサ117は、第2始動口25に遊技球が入賞したことを検出
して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0122】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接
続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放
状態又は閉鎖状態とする。
【0123】
大入賞口ソレノイド120は、シャッタ40に接続されており、メインCPU66から
供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉
鎖状態とする。
【0124】
また、主制御回路60には、パチンコ遊技機10の内部に設けられたバックアップクリ
アスイッチ(図示せず)の入力を検知するバックアップクリアセンサ124が接続されて
いる。このバックアップクリアセンサ124は電断時等におけるバックアップデータを遊
技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有し、後述の払出・発射制御回路126に
も接続している。
【0125】
主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制
御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球の発射を行なう発射装
置130、カードユニット150が接続されている。
【0126】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、
カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対し
て所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払
出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊
技球を発射させる制御を行なう。
【0127】
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射
させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ
、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力
が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射
される。
【0128】
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御
回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置3
2における表示制御、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御、装飾ラ
ンプ133a,133bの制御等を行なう。
【0129】
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンド
を供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できない
ように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を
送信できるように構成してもよい。
【0130】
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段等の各種制御手段として機能
するサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210
、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R
,46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ133
a,133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。そして、副制御回
路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0131】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されて
いる。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従っ
て、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、
主制御回路60から供給される各種コマンド信号に従って、各種演出制御を行う。そして
、サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0132】
プログラムROM208には、パチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連してサ
ブCPU206により実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像
データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像デ
ータが記憶されており、その他には、演出表示期間を定めた時間テーブル等各種のテーブ
ルも記憶されている。
【0133】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の
値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出
パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられ
ている。ここで、本実施形態におけるリーチとは、変動中の一の装飾図柄が、他の停止表
示されている装飾図柄と同一図柄で停止表示されると、前述の大当たり遊技に移行する状
態を指す。通常、変動中の装飾図柄が停止するまでの間、液晶表示装置32上では、この
リーチ状態に応じた特別のリーチ演出表示がなされる。
【0134】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連
して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウ
ンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を、液晶
表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
【0135】
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピ
ーカ46R,46Lから音声を発生させるものである。
【0136】
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に
記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うもので
ある。
【0137】
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段
としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成してい
るが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成しても構わない。
【0138】
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主
制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を
用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り
可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−R
OM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等
が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなく
とも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインR
AM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお
、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、
サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限ら
ず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0139】
[遊技機の動作]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技について簡潔に説明する。本実
施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技は、大別して通常遊技(大当たり抽選を行
いながら遊技球を消費する遊技であり、大当たり遊技に比べて遊技者には相対的に不利な
遊技)と大当たり遊技(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂
遊技者にとって有利な遊技)とに分かれる。
【0140】
さらに、前記大当たり遊技においては、後述の特別図柄制御処理において抽選された、
前記第1特別図柄表示器33又は第2特別図柄表示器34に停止表示される特定の数字図
柄により、15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技又は15R通
常大当たり遊技の4種類の大当たり遊技が決定する。
【0141】
そして、前記4種類の大当たり遊技(15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突
時大当たり遊技又は15R通常大当たり遊技)は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図
10参照)において、大当たり抽選テーブル(図6参照)を参照し、通常遊技の通常モー
ド又は確変モードに応じてそれぞれ異なる抽選確率で抽選される。
【0142】
このとき、大当たり遊技に当選すると、前記第1特別図柄表示器33及び第2特別図柄
表示器34(図4参照)に停止表示される特別図柄は、例えば、15R確変大当たり遊技
の場合は“7”の特別図柄、突確大当たり遊技の場合は“3”の特別図柄、突時大当たり
遊技の場合は“1”の特別図柄、そして、15R通常大当たり遊技の場合は“5”の特別
図柄が表示される。
【0143】
さらに、前記4種類の大当たり遊技のいずれか一つに当選した場合に、前記第1特別図
柄表示器33又は第2特別図柄表示器34(図4参照)に特別図柄が停止表示されるのと
同じタイミングで、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、専用の装飾図柄(つ
まり、識別情報としての数字図柄)によって、例えば、15R確変大当たり遊技の場合は
“777”の装飾図柄、突確大当たり遊技の場合は“333”の装飾図柄、突時大当たり
遊技の場合は“111”の装飾図柄、そして、15R通常大当たり遊技の場合は“555
”の装飾図柄が表示される。
【0144】
なお、大当たり遊技に当選した場合に液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示
される装飾図柄(識別情報としての数字図柄)は、必ずしも上述したように、数字図柄の
三つ揃いである必要はなく、例えば、突確大当たり遊技の場合は“123”等の連続した
数字図柄でも構わない。
【0145】
また、前記4種類の大当たり遊技の中でも、15R確変大当たり遊技及び15R通常大
当たり遊技では、15回に亘り大入賞口39に付設されたシャッタ40(図3参照)が、
所定時間(例えば、30秒)の開放を繰り返すことにより、遊技領域15に発射された遊
技球の大入賞口39への入賞が容易となり、遊技者は短時間で大量の賞球を獲得すること
が可能となる。かかる大当たり遊技の獲得(大当たり遊技への当選)は、一般の遊技者の
最大の目的であり、パチンコ遊技の醍醐味ともいえる。
【0146】
なお、本実施形態においては、前記4種類の大当たり遊技の中でも、突確大当たり遊技
又は突時大当たり遊技に当選した場合は、大入賞口39に付設されたシャッタ40(図3
参照)の開放時間は、極端に短時間(例えば、0.3秒)に設定されるので、この場合は
、遊技領域15に発射された遊技球の大入賞口39への入賞は難しく、大当たり遊技の実
行時の賞球の獲得は殆ど望めない。
【0147】
他方、本実施形態における通常遊技は、通常モード、確変モード、時短モード(特別遊
技モード)の3種類の遊技モードの下で実行される。ここで、前記3種類の通常遊技(通
常モード、確変モード、時短モード)のモードの移行及びそれぞれの特徴を、以下に簡単
に説明する。
【0148】
通常モードは、パチンコ遊技機10における基本モードであり、パチンコ遊技機10に
電源を投入すると、この通常モードから遊技が開始され、大当たり遊技の抽選確率も通常
確率で抽選されることとなる。なお、この通常モードにおける大当たり遊技の抽選確率(
つまり、通常確率)は、確変モードにおける大当たり遊技の抽選確率と比較すると相対的
に低確率に設定されるため、通常モード時の大当たり遊技の抽選確率である通常確率は低
確率と呼ばれる場合がある。
【0149】
確変モードは、通常遊技において、前記4種類の大当たり遊技のうち15R確変大当た
り遊技又は突確大当たり遊技に当選すると、当該大当たり遊技の終了後に移行する遊技モ
ードであり、この確変モードの特徴は、前記通常モードにおける大当たりの抽選確率より
も確変モードにおける大当たりの抽選確率の方が高確率に設定されることである。具体的
にいうと、本実施形態においては、通常モードにおける大当たりの抽選確率は「1/40
0」であるのに対して、確変モードにおける大当たりの抽選確率は「1/40」と10倍
の抽選確率が設定(図6、大当たり抽選テーブル参照)されている。
【0150】
つまり、確変モードでは通常モードと比較して、10倍の頻度で大当たり遊技が発生す
ることになるので遊技者にとって有利な遊技状態であり、特に、15R確変大当たり遊技
は、ラウンドゲームが最大15ラウンド継続されるため、最も有利な遊技といえる。一方
、突確大当たり遊技は、ラウンドゲームが2ラウンドしかなく、大当たり遊技の継続時間
が大当たり遊技の中では相対的に最も短い遊技となっているため、当たり遊技終了後の通
常遊技が確変モードになるとはいえ、遊技者にとっては、15R確変大当たり遊技と比べ
ると、好ましい大当たり遊技であるとは言えない。つまり、本実施形態における突確大当
たり遊技は、大当たり遊技の実行時に遊技者が獲得できる賞球は殆ど期待できないが、当
該大当たり遊技の終了後に通常遊技が確変モード(所謂、確率変動)に設定される大当た
り遊技である。
【0151】
最後に、時短モード(特別遊技モード)は、前記4種類の大当たり遊技のいずれに当選
した場合でも、当該大当たり遊技の終了後に設定される遊技モードである。この通常遊技
における時短モードとは、特別図柄及び普通図柄が変動表示を開始して停止表示されるま
での変動時間が、通常モードよりも短く設定され、さらに、前記普通図柄の抽選の結果が
“当たり”の場合(つまり、前述した普通図柄表示器35(図4参照)において、表示用
ランプが“○”で停止表示された場合)、第1始動口24に付設された羽根部材23の開
放時間が通常モードよりも長く設定される。なお、かかる制御を、本実施形態では、「電
チューサポート」と呼ぶ場合がある。
【0152】
このように、「電チューサポート」が実行されると、第1始動口24に遊技球が入賞し
易くなるので、単位時間当たりの大当たり抽選回数が通常モードに比べて著しく増加し、
かつ第1始動口24への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが
少なく(所謂「球持ち」がよい状態となる)、遊技者にとって有利な状態といえる。
【0153】
また、この時短モードは、前記4種類の大当たり遊技に対応して、継続期間が定められ
るものであり、例えば、15R通常大当たり遊技又は突時大当たり遊技の場合は、当該大
当たり遊技終了後に、特別図柄の変動回数(例えば、100回)が継続期間として設定さ
れる。一方、大当たり遊技が15R確変大当たり遊技又は突確大当たり遊技の場合の継続
期間は、当該大当たり遊技終了後、実質的に次回の大当たり遊技への当選が期待できる特
別図柄の変動回数(例えば、10000回)に設定される。
【0154】
以上説明したように、本実施形態においては、「通常モード」、「確変モード」、「通
常モード+時短モード」及び「確変モード+時短モード」の4つの遊技モードの下で通常
遊技が行われることになり、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化(つまり、前記4種類
の大当たり遊技の発生等)に応じて遊技状態が推移してゆくことになる。
【0155】
また、本実施形態においては、詳細は後述するが、第1始動口24又は第2始動口25
へ遊技球が入賞したことを契機として、大当たり遊技へ移行するか否かの大当たり抽選処
理を行なう場合、第1始動口24に遊技球が入賞した場合は第1の抽選処理を実行し、第
2始動口25に遊技球が入賞した場合は第2の抽選処理を実行する。そして、前記第1の
抽選処理と第2の抽選処理とでは、前記4種類の大当たり遊技の振り分け率を異ならせて
いる。
【0156】
つまり、第1始動口24又は第2始動口25に遊技球が入賞した場合に、それぞれの始
動口に対応した大当たり抽選テーブル(図6参照)を設けて、前記4種類の大当たり遊技
(15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技、15R通常大当たり
遊技)への振り分け率を異ならせることにより、第1始動口24と第2始動口25との差
別化を狙っている。
【0157】
さらに、本実施形態においては、大当たり抽選テーブル(図6参照)に示すように、第
1始動口24と第2始動口25に応じて、前記4種類の大当たり遊技の中で特定の大当た
り遊技を振り分けられる構成としている。すなわち、第1始動口24を契機とした場合は
突時大当たり遊技に、第2始動口25を契機とした場合は15R通常大当たり遊技に当選
できるようにして、第1始動口24と第2始動口25とを特徴付けている。
【0158】
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される処理を図7
〜図14に示す。
【0159】
[メイン処理]
図7に示すように、最初に、主制御回路60のメインCPU66は、RAMアクセス許
可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS
11)。そして、詳しくは図9を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、第1特別図
柄表示器33と第2特別図柄表示器34とにそれぞれ表示される特別図柄、液晶表示装置
32において装飾図柄による演出表示に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS
12)。そして、詳しくは、図11を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図
柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS1
3)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後
、ステップS12及びステップS13の処理を繰り返し実行することとなる。
【0160】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を
中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発
生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、
以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図8を
用いて説明する。
【0161】
図8に示すように、最初に、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値等の各抽選値
を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、
第1始動口24や第2始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する
(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球
が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM7
0の所定領域に記憶することとなる。
【0162】
さらに、この入力検出処理(ステップS22)において、メインCPU66は、第1始
動口24又は第2始動口25への遊技球の入賞を検出すると、前記乱数更新処理(ステッ
プS21)において更新された乱数値を読み出して、第1始動口24又は第2始動口25
毎に、最大4個を保留個数の上限として、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そ
して、ここでメインRAM70の所定の領域に記憶された第1始動口24又は第2始動口
25への遊技球の入賞と乱数値は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図10参照)にお
いて、大当たり抽選処理(ステップS64)において参照されることとなる。この処理が
終了するとステップS23へ処理を移す。
【0163】
ステップS23においては、タイマ更新処理を実行する。この処理において、メインC
PU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、
大当たり遊技が発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口
開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。そして、この処理が終了するとステ
ップS24へ処理を移す。
【0164】
ステップS24においては出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66
は、メインRAM70の所定の領域に記憶されている各種の出力要求に基づいて駆動制御
するための信号をソレノイド、モータ等に供給する。すなわち、後述する各処理において
、メインCPU66は、各種駆動遊技部材(パチンコ遊技機10の遊技領域15に配設さ
れており、なおかつ遊技状態に応じて、その形態を変化させる遊技部材)に対する信号出
力要求がメインRAM70の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する
。例えば、第1始動口24に付設されている羽根部材23を開放又は閉鎖するための普通
電動役物ソレノイド118、大入賞口39に付設されているシャッタ40を開放又は閉鎖
するための大入賞口ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御
信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行なう。
【0165】
さらに、この出力処理において、メインCPU66は、電飾ユニット53(図4参照)
に設置されている各種表示器類(第1始動口24に対応した第1特別図柄表示器33、第
2始動口25に対応した第2特別図柄表示器34、普通図柄表示器35、第1始動口24
に対応した第1特別図柄保留ランプ33a〜33d、第2始動口25に対応した第2特別
図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ35a〜35d)のそれぞれに対応
した図柄の変動要求又は停止要求、或いはランプの点灯要求又は消灯要求がメインRAM
70の所定の領域に記憶されていた場合は、それに対応した電飾ユニット53(図4参照
)に設置されている各種表示器類の、図柄の変動又は停止、或いはランプの点灯又は消灯
を制御する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
【0166】
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メイン
CPU66は、各種のコマンド信号を副制御回路200に供給する。これらの各種のコマ
ンド信号としては、例えば、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、導出表示され
るデモ表示コマンド、大当たり抽選手段による抽選結果を表示するための装飾図柄の種類
を指定する導出図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップ
S26に処理を移す。
【0167】
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球
を行わせるための賞球制御コマンド信号を払出・発射制御回路126へ送信する等の払出
処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞するこ
とで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンド信号を払出・発射制
御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込
発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0168】
ここで、本実施形態においては、前記乱数更新処理(ステップS21)において所定の
範囲(例えば1〜40000)内で更新された乱数値を、第1始動口24又は第2始動口
25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、大当たり抽選にかかる乱数値として用い
るようにしている。しかし、乱数値の取得手段は、本実施形態の構成に限定されるもので
はなく、例えば、専用の乱数発生器等を主制御回路60に備え、そこで所定の範囲(例え
ば1〜40000)内でランダムに更新される乱数値を、第1始動口24又は第2始動口
25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、大当たり抽選にかかる乱数値として用い
るようにしてもよい。
【0169】
[特別図柄制御処理]
図7のステップS12において実行される特別図柄制御処理について、図9を用いて説
明する。
【0170】
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを
ロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しス
テップS32に処理を移す。
【0171】
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であ
るか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処
理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移
し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述
するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、“大当たり”の抽選、特別
図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステ
ップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
【0172】
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であ
るか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処
理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理
を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つま
り“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイム
アップした場合は、メインCPU66は、ステップS36へ処理を移す。
【0173】
ステップS36においては、メインCPU66は、特別図柄停止処理を行なう。この特
別図柄停止処理では、メインCPU66は、第1始動口24と第2始動口25とのそれぞ
れに対応して変動表示中の特別図柄の変動停止要求を、メインRAM70の所定の領域に
記憶する。そして、この処理でメインRAM70の所定の領域に記憶された特別図柄の変
動停止要求は、前述したシステムタイマ割込処理の出力処理(図8、ステップS24)に
おいて電飾ユニット53(図4参照)へ出力され、第1始動口24と第2始動口25との
それぞれに対応して変動表示中の特別図柄が変動停止される。この処理が終了するとステ
ップS37へ処理を移す。
【0174】
そして、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判
断し、大当たりでなければステップS39に処理を移す。一方、大当たりであった場合は
、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインC
PU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち
時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして本サブルーチンを終了する。
【0175】
ステップS39においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つま
り特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処
理を終了する。
【0176】
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であ
るか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処
理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ち
タイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を
終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。
この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず大入賞口39の開放をセット(メ
インRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指
示を記憶する)し、次に大当たりの種類によって大入賞口開放タイマに大入賞口39の開
放時間(例えば、突確大当たり遊技又は突時大当たり遊技の場合は0.3秒、15R通常
大当たり遊技又は15R確変大当たり遊技の場合は30秒)をセットする。そして、特別
図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
【0177】
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であ
るか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS49に処
理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行
う。この大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞
口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口39へ規定の個数
の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時
に、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして入
賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞のいず
れか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
【0178】
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM7
0の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する
)を実行してステップS46へ処理を移す。
【0179】
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数
)をカウントし、規定回数(15R通常大当たり遊技又は15R確変大当たり遊技では1
5回、突確大当たり遊技又は突時大当たり遊技では2回)に達したか否かを判断し、規定
回数に達した場合はステップS48で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する
値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が
規定回数に達していなかった場合は、ステップS47において、メインCPU66は、大
入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大入
賞口39の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開
放待ちタイマにセットして処理を終了する。
【0180】
ステップS49においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり
終了処理では、大当たり図柄が15R確変大当たり遊技又は突確大当たり遊技の場合は、
通常遊技を「確変モード+時短モード」とするとともに、時短モードの継続期間として、
所定の特別図柄の変動回数(例えば、10000回)を、メインRAM70の所定の領域
に記憶する。一方、大当たり図柄が15R通常大当たり遊技又は突時大当たり遊技の場合
には、通常遊技を「通常モード+時短モード」とするとともに、所定の特別図柄の変動回
数(例えば、100回)をメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、最後にメ
インCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要
求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
【0181】
[特別図柄記憶チェック処理]
図9のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図10を
用いて説明する。
【0182】
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、第1始動口24又は第2始動
口25に遊技球が入賞した場合に保留された特別図柄の保留個数が“0”であるか否かを
判断し、特別図柄の保留個数が“0”の場合には、ステップS73に処理を移し、特別図
柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動要求がある場合)には、ステ
ップS63に処理を移す。
【0183】
ステップS73においては、メインCPU66は、デモ表示処理を実行する。この処理
において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表
示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の
待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図
柄記憶チェック処理を終了する。
【0184】
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値
(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
【0185】
ステップS64においては、大当たり抽選処理を実行する。この処理において、メイン
CPU66は、大当たり抽選の契機となる遊技球の入賞が、第1始動口24又は第2始動
口25のいずれの始動口への入賞であるかの判断と、パチンコ遊技機10の現在の遊技モ
ード(通常モード、確変モード)とに基づいて、大当たりの抽選値が異なる複数の大当た
り抽選テーブル(図6参照)から1つの大当たり抽選テーブルを選択する。そして、第1
始動口24又は第2始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽選用乱数値
と、前記選択された大当たり抽選テーブルを参照し、大当たり遊技の抽選(つまり、15
R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技、15R通常大当たり遊技へ
の当選又は“はずれ”のいずれかを決定)をしている。すなわち、第1始動口24に遊技
球が入賞した場合は第1の抽選処理を行い、第2始動口25に遊技球が入賞した場合は第
2の抽選処理を行う。
【0186】
ここで、本実施形態に係る大当たり抽選テーブルについて説明する。
【0187】
図6に示すように、例えば、通常モードにおける大当たり抽選テーブルと確変モードに
おける大当たり抽選テーブルでは、1〜40000の間でランダムに取得された抽選値に
おいて、大当たり遊技へ当選するための抽選値の合計は、通常モードでは「100/40
000」に設定されているのに対し、確変モードでは「1000/40000」と設定さ
れている。
【0188】
すなわち、15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技、15R通
常大当たり遊技の抽選値の合計、つまり、大当たり遊技に当選する確率は、通常モードで
は1/400であるのに対し、確変モードでは10/400(1/40)に設定されてい
ることになる。つまり、遊技モード(通常モードと確変モード)によって、大当たり遊技
に移行する確率が異なっており、通常遊技が確変モードの場合には、大当たり遊技に移行
する確率は、通常モードよりも10倍向上することとなる。すなわち、確変モードは遊技
者にとって極めて有利な状態といえる。
【0189】
かかる大当たり抽選テーブルについて、本実施形態においては、第1始動口24に遊技
球が入賞した場合の第1の抽選処理と、第2始動口25に遊技球が入賞した場合の第2の
抽選処理とでそれぞれ選択される大当たり抽選テーブルでは、当選する大当たり遊技の種
類を異ならせている。
【0190】
図示するように、第1の抽選処理では、15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、
突時大当たり遊技の抽選値は設定されているが、15R通常大当たり遊技の抽選値は設定
されていない。これに対して、第2の抽選処理では15R確変大当たり遊技、突確大当た
り遊技、15R通常大当たり遊技の抽選値は設定されているが突時大当たり遊技の抽選値
は設定されていない。
【0191】
すなわち、第1始動口24に遊技球が入賞した場合の第1の抽選処理と、第2始動口2
5に遊技球が入賞した場合の第2の抽選処理とを比較すると、第1の抽選処理では、突時
大当たり遊技に当選する可能性はあるが15R通常大当たり遊技には当選しない、対照的
に第2の抽選処理では、15R通常大当たり遊技に当選する可能性があるが突時大当たり
遊技には当選しないことになる。
【0192】
つまり、大当たり抽選手段の契機となる第1始動口24又は第2始動口25に応じて、
本実施形態における4種類の大当たり遊技の中から、当選する大当たり遊技を異ならせる
ことにより、第1始動口24又は第2始動口25を特徴付けて差別化を図ることにより、
第1始動口24又は第2始動口25に応じた特有の大当たり遊技を楽しむことができる。
【0193】
さらに、本実施形態における大当たり抽選テーブルには、第1始動口24又は第2始動
口25に応じた特有の大当たり遊技を設定するだけではなく、第1始動口24と第2始動
口25に応じた大当たり遊技におけるラウンドゲームの実行回数及び確率変動への突入率
に対して、遊技者に対する有利度合いに差がつかないような数値が設定されている。
【0194】
すなわち、図6に示すように、ラウンドゲームの実行回数が15回の大当たり遊技の振
り分け率は、第1の抽選処理においては、15R確変大当たり遊技の70%であるのに対
して、第2の抽選処理においては、15R確変大当たり遊技の55%と、15R通常大当
たり遊技の15%とを合計すると、第1の抽選処理と同じ70%である。つまり、本実施
形態においては、第1の抽選処理及び第2の抽選処理ともに、ラウンドゲームの実行回数
が15回の大当たり遊技への振り分け率は70%の割合が期待できることとなる。
【0195】
さらに、図6に示すように、確率変動を伴う大当たり遊技への振り分け率は、第1の抽
選処理においては、15R確変大当たり遊技の70%と、突確大当たり遊技の15%とを
合計すると85%であるのに対して、第2の抽選処理においては、15R確変大当たり遊
技の55%と、突確大当たり遊技の30%とを合計すると、やはり第1の抽選処理と同様
の85%である。つまり、本実施形態においては、第1の抽選処理及び第2の抽選処理と
もに、確率変動を伴う大当たり遊技への振り分け率は85%の割合が期待できることとな
る。
【0196】
なお、本実施形態で用いた大当たり抽選テーブルでは、上述したように、確変モードに
おいては、通常モードと比較して大当たり遊技への当選確率が10倍になるように抽選値
が設定されているだけであり、本実施形態における4種類の大当たり遊技へ振り分け率は
、通常モードでも確変モードでも同様となる抽選値が設定されている。
【0197】
以上のように、本実施形態においては、第1始動口24に遊技球が入賞すると第1の抽
選処理を、第2始動口25に遊技球が入賞すると第2の抽選処理を、それぞれ異なる大当
たり抽選テーブルを用いて実行して、遊技球が入賞する始動口によって、特徴のある大当
たり遊技を発生させて差別化を図るとともに、第1の抽選処理と第2の抽選処理による4
種類の大当たり遊技の振り分け率を、ラウンドゲームの実行回数及び確率変動への突入率
が同じになるように抽選値を設定することにより、第1始動口24と第2始動口25とに
おいて、遊技者に対する有利度合いが異なることのない、遊技者に公平なパチンコ遊技機
を提供することができる。
【0198】
なお、上述してきた図6に示す大当たり抽選テーブルでは、第1の抽選処理、第2の抽
選処理ともに、ラウンドゲームの実行回数が15回の大当たり遊技への振り分け率は70
%、確率変動を伴う大当たり遊技への振り分け率を85%になるように、4種類の大当た
り遊技(15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技、15R通常大
当たり遊技)の抽選値を設定している。そして、この抽選値の配分(つまり、複数の大当
たり遊技の振り分け率)は、市場に導入されているパチンコ遊技機の特徴を決定する条件
として重要な要素である。
【0199】
しかしながら、現在市場に導入されるパチンコ遊技機には、大当たり遊技におけるラウ
ンド数の実行回数、確率変動を伴う大当たり遊技への振り分け率等には、一定の規制(所
謂、出玉規制)が設けられており、遊技者の射幸心を過度に刺激することを防いでいる。
そして、例えば、確率変動を伴う大当たり遊技への振り分け率を、本実施形態よりも高確
率(例えば、95%)に設定されたパチンコ遊技機とすることもできるが、これでは一定
の規制を超えてしまうことになり、実際のパチンコ遊技機では実現不可能である。すなわ
ち、本実施形態における第1の抽選処理及び第2の抽選処理に設定されている抽選値の配
分(つまり、複数の大当たり遊技の振り分け率)は、上記一定の規制を満たすとともに、
遊技者にも充分満足のいく複数の大当たり遊技の振り分け率の設定として最適なものであ
るといえる。
【0200】
図10に示す特別図柄記憶チェック処理の説明に戻る。上述した大当たり抽選テーブル
を用いたステップS64の大当たり抽選処理が終了すると、メインCPU66は処理をス
テップS65に移す。
【0201】
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を
行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当たり抽選
処理における抽選結果が大当たりであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当
たりでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
【0202】
ステップS66においては、大当たり図柄である特別図柄の決定処理を実行する。この
処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応
して表示される特別図柄を決定する。例えば、「15R確変大当たり遊技」に対する特別
図柄は“7”、「突確大当たり遊技」に対する特別図柄は“3”、「突時大当たり遊技」
に対する特別図柄は“1”、「15R通常大当たり遊技」に対する特別図柄は“5”が決
定されるというように、それぞれの大当たり遊技に対応して特別図柄は決定される。そし
て、決定された特別図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって
、電飾ユニット53(図4参照)に設置されているそれぞれの始動口(第1始動口24又
は第2始動口25)に対応した第1特別図柄表示器33又は第2特別図柄表示器34にお
いて、大当たり遊技に対応した特別図柄が導出表示されることとなる。
【0203】
さらに、本実施形態においては、このステップS66の処理で、メインCPU66は、
ステップS64で決定された4種類の大当たり遊技(15R確変大当たり遊技、突確大当
たり遊技、突時大当たり遊技、15R通常大当たり遊技)と大当たりの発生回数とを、そ
の抽選契機となる第1始動口24と第2始動口25毎に、メインRAM70の所定の領域
に、「大当たり遊技の履歴」として記憶更新する。そして、この処理が終了した場合には
、ステップS68に処理を移す。
【0204】
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メ
インCPU66は、はずれ図柄に対応した特別図柄(例えば“7”、“3”、“1”、“
5”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、電
飾ユニット53(図4参照)に設置されているそれぞれの始動口(第1始動口24又は第
2始動口25)に対応した第1特別図柄表示器33又は第2特別図柄表示器34において
、はずれに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には
、ステップS68に処理を移す。
【0205】
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メイ
ンCPU66は、現在の通常遊技が、時短モードであるか否か判断し、時短モードの場合
は、ステップS70へ処理を移行する。一方、現在の通常遊技が時短モードでないと判断
した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)
を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして
、ステップS71へ処理を移行する。
【0206】
ステップS70においては、メインCPU66は、確変モード又は時短モードの特別図
柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変
動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。また、このステップS
70の処理において、メインCPU66は、時短モードの継続期間としてメインRAM7
0の所定の領域に記憶された特別図柄の変動回数(例えば、100回)を「−1」減算し
て記憶更新する。そして、特別図柄の変動回数が“0”になった場合、つまり、時短モー
ドの継続期間が終了した場合は、時短モードをリセット(メインRAM70の所定の領域
に記憶された時短モードのフラグをクリア)して、ステップS71へ処理を移行する。
【0207】
ステップS71においては、メインCPU66は、遊技球が入賞した第1始動口24又
は第2始動口25に対応した第1特別図柄表示器33又は第2特別図柄表示器34(図4
参照)に対し、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶してス
テップS72へ処理を移す。
【0208】
この処理によって、前記ステップS69及びステップS70で特別図柄変動タイマにセ
ットされた変動時間にあわせて、それぞれの始動口(第1始動口24又は第2始動口25
)に対応した第1特別図柄表示器33又は第2特別図柄表示器34において特別図柄の変
動表示が行なわれ、所定時間経過後(特別図柄変動タイマがタイムアップした後)、前記
ステップS66及びステップS67で決定された“大当たり”又は“はずれ”の特別図柄
が停止表示されることとなる。
【0209】
ステップS72では、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や
演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66又
はステップS67で記憶された“大当たり”又は“はずれ”のデータ、そしてステップS
69又はステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータに基づいて、液晶表示
装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間を決定し、メインRAM
70の所定の領域に記憶して本サブルーチンを終了する。
【0210】
そして、ここで記憶された液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図
柄や演出時間は、図8のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメ
インCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして
供給される。これによって、副制御回路200において、それぞれの始動口(第1始動口
24又は第2始動口25)に対応した装飾図柄が液晶表示装置32の表示領域32aに導
出表示されるとともに、装飾図柄の変動時間も決定される。つまり、電飾ユニット53(
図4参照)において、それぞれの始動口(第1始動口24又は第2始動口25)に対応し
た第1特別図柄表示器33又は第2特別図柄表示器34で導出表示される特別図柄の変動
時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われるこ
ととなる。
【0211】
[普通図柄制御処理]
図7のステップS13において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明す
る。
【0212】
最初に、メインCPU66は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロー
ドする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この
処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
【0213】
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記
憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)で
ない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合
は、ステップS103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処
理では、詳しくは図12を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄の保留個数
を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の
変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(0
1)をセットして処理を終了する。
【0214】
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)で
あるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ
処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105にお
いて、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアッ
プしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした
場合は、メインCPU66は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行なう。
この普通図柄停止処理においては、メインCPU66は、普通図柄表示器35に対して変
動を停止する要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、
普通図柄表示器35において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の
“当り”又は“はずれ”の判定結果が表示されることとなる。この処理が終了すると、メ
インRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を“1”減少するように
記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
【0215】
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)で
あるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ
処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ
処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄
が当りであると判断した場合は、ステップS109の普通電動役物開放処理に処理を移す
。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110
において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットし
て処理を終了する。
【0216】
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動
役物である羽根部材23の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の開
放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物(羽根部材2
3)の開放時間(例えば、遊技モードが時短モードの場合は3秒、確変モード又は通常モ
ードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(
03)をセットして処理を終了する。
【0217】
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)で
あるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ
処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ
処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する
。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一
方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の
普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインR
AM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御
フラグに(04)をセットして処理を終了する。
【0218】
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つ
まり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
【0219】
[普通図柄記憶チェック処理]
図11のステップS103において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説
明する。
【0220】
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”
であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通
図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留個数はメインRAM70の所定
の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数
(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普
通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインC
PU66は、普通図柄の保留個数が“0”でないと判断した場合には、ステップS122
において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、
ステップS123へ処理を移す。
【0221】
ステップS123においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、
メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過するこ
とによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されてい
る普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通
図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“
○”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、メインCP
U66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない
場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の
領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、電飾ユニット53(図
4参照)において、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。
これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄
を交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS124に処理を移す。
【0222】
ステップS124においては、メインCPU66は、通常遊技が時短モードであるか否
かを判断し、通常遊技が時短モードであった場合は、ステップS126において、メイン
CPU66は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変
動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技モードが時短モードでない(つまり、
確変モード又は通常モード)場合は、ステップS125において、メインCPU66は、
時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセ
ットして処理を終了する。
【0223】
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御
回路メイン処理について図13を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、
電源が投入されたときに開始される処理である。
【0224】
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業
領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入さ
れたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚
、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手
段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0225】
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理
において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の
乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
【0226】
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。この
処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてき
た各種コマンド(例えば、導出図柄指定コマンド等)を解析し、その解析したコマンドに
応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処
理を移す。
【0227】
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理
において、サブCPU206は、前記コマンド解析処理において、主制御回路60のメイ
ンCPU66からの導出図柄指定コマンドを受信した場合に、その導出図柄指定コマンド
に応じた装飾図柄等の画像表示制御を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行う
こととなる。
【0228】
そして、サブCPU206は、スピーカ46R,46Lから発生させる音の制御を行う
音声制御処理(ステップS205)、各種の装飾ランプ133a,133bの発光制御を
行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ス
テップS202に処理を移す。
【0229】
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終
了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる

【0230】
[第1始動口24と第2始動口25]
ここで、本実施形態における第1始動口24と第2始動口25の構成を説明するととも
に、第1始動口24に遊技球が入賞した場合の第1の抽選処理と、第2始動口25に遊技
球が入賞した場合の第2の抽選処理について、さらには、前述した普通図柄制御処理(図
11参照)において制御される第1始動口24に付設された羽根部材23の開閉動作によ
る遊技球の流下の変化について説明する。図14は第2遊技部材57と第1始動口24及
び第2始動口25の位置関係を説明する斜視図、図15は第1始動口24に付設された羽
根部材23の開閉動作による遊技球の流下の変化を示す説明図である。
【0231】
遊技領域15の略中央部には、図14に示すように、第2遊技部材57が設けられ、そ
の下方位置に第2始動口25が適宜間隔をあけて設けられ、さらに、その直下位置に羽根
部材23が付設された第1始動口24が設けられている。つまり、遊技盤14に発射され
た遊技球は、遊技領域15の上部に設けられた複数の遊技釘13及び第1遊技部材55と
の衝突により転動し、その一部は第2遊技部材57に至り、他の遊技球は転動を繰返しな
がら第2始動口25の上方、あるいは遊技領域15の下部へ流下してゆくことになる。第
2遊技部材57は、前述したように緩やかに下方へ湾曲したステージ状に形成され、その
最底部となる中央位置には案内溝57aが形成されているため、第2遊技部材57に受け
止められた遊技球のうち、案内溝57aから落下する遊技球は、他の部分から落下する遊
技球よりも第2始動口25への入賞確率が高くなっている。
【0232】
パチンコ遊技機10においては、第1始動口24及び第2始動口25への遊技球の入賞
が、遊技者にとっての最大の利益である「大当たり遊技」の契機となることから、遊技者
は、通常、第1始動口24及び第2始動口25の周辺に遊技球が集中するように発射ハン
ドル26の発射強度を調整して遊技を行なうこととなる。
【0233】
図15(a)に示すように、遊技領域15に発射された遊技球は、ステージ状に構成さ
れた第2遊技部材57に一旦受け止められ、第2遊技部材57の案内溝57aを通過して
第2始動口25の上部へ流下するように導かれる。そして、第2始動口25に入賞しなか
った遊技球は、第2始動口25への下部へと流下して行く。なお、第2遊技部材57に衝
突しなかった遊技球や、第2遊技部材57の案内溝57aからは流下しなかった遊技球も
、第2始動口25に向けて流下する場合がある。
【0234】
なお、本実施形態では、第1始動口24と第2始動口25との間には間隙がない構成と
している。したがって、第2遊技部材57の案内溝57aから流下した遊技球が第2始動
口25へ入賞しなかった場合は、第1始動口24に付設された羽根部材23が開放されな
い限り第1始動口24への入賞は期待できない構成としている。
【0235】
そして、図15(b)に示すように、第1始動口24に付設された羽根部材23が開放
された状態では、前述した第2遊技部材57の案内溝57aを通過して、第2始動口25
の上部へ流下するように導かれた遊技球は、第2始動口25へ入賞する場合もあるが、そ
の殆どが第1始動口24に付設された羽根部材23の開放により受け止められ、第1始動
口24へと入賞することになる。
【0236】
つまり、本実施形態においては、通常遊技の遊技モードが「時短モード+通常モード」
あるいは「確変モード+時短モード」の場合は、第1始動口24に付設された羽根部材2
3の開放頻度が増し、そして開放時間も長く設定されるため、遊技モードが「通常モード
」の場合と比較して、第1始動口24と第2始動口25への遊技球の入賞率が大きく変化
する(つまり、時短モードの場合は第1始動口24への入賞率が大きく向上する)構成と
している。
【0237】
上述したように、第1始動口24に遊技球が入賞した場合と、第2始動口25へ遊技球
が入賞した場合とでは、4種類の大当たり遊技(15R確変大当たり遊技、突確大当たり
遊技、突時大当たり遊技、15R通常大当たり遊技)への当選確率は同じであるものの、
第1始動口24へ遊技球が入賞した場合は、遊技者に最も不利な突時大当たり遊技が発生
する可能性がある。一方、第2始動口25へ遊技球が入賞した場合においては遊技者に不
利な突時大当たり遊技は発生しない(図6の大当たり抽選テーブルを参照)。すなわち、
上記構成によって、遊技者が初回に獲得できる大当たり遊技として、突時大当たり遊技が
発生する頻度を抑えるのである。
【0238】
これにより、遊技者が獲得した初回の大当たり遊技が、遊技者に対して最も有利度合い
の低い突時大当たり遊技であることで、遊技者の遊技意欲を減衰させることを防ぐことが
できるとともに、突時大当たり遊技と比較して、遊技者の有利度合いの高い大当たり遊技
の実行後の時短モード中において、初めて、第1始動口24に遊技球が入賞した場合に、
突時大当たり遊技が発生することになるため、本実施形態における4種類の大当たり遊技
(15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技、15R通常大当たり
遊技)の発生の履歴が変化のあるバランスの取れたパチンコ遊技機10とすることができ
る。
【0239】
上述してきたように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10においては、大当たり遊
技の抽選にかかる特定の入賞口が、第1始動口24と第2始動口25と二種類設置され、
そして、大当たり抽選手段による第1始動口24への遊技球の入賞を契機とした第1の抽
選処理と第2始動口25への遊技球の入賞を契機とした第2の抽選処理を比較すると、遊
技者に対する有利度合い(例えば、大当たり遊技のラウンドゲームの実行回数の期待値、
又は、確率変動への突入率)は異ならないが、二種類の始動口(第1始動口24及び第2
始動口25)に応じた大当たり遊技、つまり、第1始動口24においては突時大当たり遊
技、第2始動口25においては15R通常大当たり遊技を設定することにより、第1始動
口24と第2始動口25との二種類の始動口を特徴付けて差別化することができる。
【0240】
すなわち、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、4種類の大当たり遊技(15R
確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大当たり遊技、15R通常大当たり遊技)の
発生の振り分け率において、第1始動口24と第2始動口25とで遊技者に対して公平な
振り分け率が設定された大当たり抽選テーブル(図6参照)をもつ今までにない興趣にあ
ふれたパチンコ遊技機10としている。
【0241】
以上の実施形態により、以下の遊技機が実現される。
【0242】
すなわち、遊技球が転動する遊技領域15に、所定の条件を満たしたときに遊技球が入
賞しやすい開放状態に変動する可変部材(例えば、羽根部材23)を付設した第1の始動
入賞領域(例えば、第1始動口)と当該第1の始動入賞領域とは異なる仕様の第2の始動
入賞領域(例えば、第2始動口)とを含む複数の入賞領域(例えば、一般入賞口56a〜
56d)を有する遊技盤14と、前記入賞領域を遊技球が通過した場合に所定数の賞球を
払い出すとともに、前記複数の入賞領域のうちの所定の入賞領域(例えば、大入賞口39
)に遊技球が入賞しやすい状態となる大当たり遊技(例えば、15R確変大当たり遊技、
15R通常大当たり遊技)と、当該大当たり遊技に移行するか否かの抽選を行う通常遊技
とを含む遊技全体の進行を制御する遊技進行制御手段(例えば、主制御回路60、メイン
処理(図7))と、前記通常遊技の実行中に前記第1の始動入賞領域を遊技球が通過した
場合は当該第1の始動入賞領域に対応した第1の抽選処理を、前記第2の始動入賞領域を
遊技球が通過した場合は当該第2の始動入賞領域に対応した第2の抽選処理をそれぞれ行
う大当たり抽選手段(例えば、主制御回路60、特別図柄記憶チェック処理(図10))
と、有利度合いをそれぞれ異ならせて所定の振り分け率で設定した複数の大当たり遊技情
報を、前記各抽選処理に対応付けてそれぞれ記憶した第1の記憶手段及び第2の記憶手段
(例えば、大当たり抽選テーブル(図6))と、前記第1の抽選処理では前記第1の記憶
手段の大当たり遊技情報の中から、前記第2の抽選処理では前記第2の記憶手段の大当た
り遊技情報の中から大当たり遊技情報を選択して、選択した大当たり遊技情報に基づく大
当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段(例えば、主制御回路60、特別図柄制御処
理(図9))と、を備え、前記第1の記憶手段にのみ、相対的に大当たり遊技の実行期間
が短く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選手段による
当選確率が低確率となる特定大当たり遊技情報(例えば、突時大当たり遊技)が記憶され
ており、しかも、当該第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とにそれぞれ記憶された前記
複数の大当たり遊技情報は、前記有利度合いとして、大当たり遊技の実行期間情報の平均
値及び各大当たり遊技終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確
率となる確率が等しい遊技機(パチンコ遊技機10)。
【0243】
前記遊技進行制御手段(例えば、主制御回路60、メイン処理(図7))は、前記通常
遊技を、前記第1の始動入賞領域(例えば、第1始動口)に付設された前記可変部材(例
えば、羽根部材23)の変動態様が、所定期間遊技者に有利となる特別遊技モード(例え
ば、時短モード)と、いかなる期間であっても相対的に遊技者に不利な通常遊技モードと
のいずれかの遊技モードの下で実行するとともに、前記大当たり遊技終了直後は、前記特
別遊技モードによる通常遊技に移行させる遊技機(パチンコ遊技機10)。
【0244】
前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段(例えば、大当たり抽選テーブル(図6))
とにそれぞれ記憶された前記複数の大当たり遊技情報として、相対的に遊技の実行期間が
短いものの、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率
が高確率となる突然確率変動突入型大当たり遊技情報(例えば、突確大当たり遊技)があ
り、当該突然確率変動突入型大当たり遊技情報の振り分け率を前記第1の記憶手段と前記
第2の記憶手段とで互いに異ならせた遊技機(パチンコ遊技機10)。
【0245】
前記第2の記憶手段(例えば、大当たり抽選テーブル(図6))にのみ、相対的に遊技
の実行期間が長く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選
の当選確率が低確率となる通常大当たり遊技情報(例えば、15R通常大当たり遊技)が
記憶されている遊技機(パチンコ遊技機10)。
【0246】
前記大当たり遊技情報として、(a)相対的に遊技の実行期間が長く、大当たり遊技の
終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が高確率となる確率変動大当
たり遊技情報(例えば、15R確変大当たり遊技)、(b)相対的に遊技の実行期間が短
いものの、大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が
高確率となる突然確率変動突入型大当たり遊技情報(例えば、突確大当たり遊技)、(c
)相対的に遊技の実行期間が長く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前
記大当たり抽選の当選確率が低確率となる通常大当たり遊技情報(例えば、15R通常大
当たり遊技)、(d)相対的に遊技の実行期間が短く、かつ大当たり遊技の終了直後の通
常遊技で行われる前記大当たり抽選の当選確率が低確率となる前記特定大当たり遊技情報
(例えば、突時大当たり遊技)、が設定されており、前記第1の記憶手段(例えば、大当
たり抽選テーブル(図6))には、前記(a)確率変動大当たり遊技情報が70/100
、前記(b)突然確率変動突入型大当たり遊技情報が15/100、前記(d)特定大当
たり遊技情報が15/100の振り分け率で、前記第2の記憶手段(例えば、大当たり抽
選テーブル(図6))には、前記(a)確率変動大当たり遊技情報が55/100、(b
)前記突然確率変動突入型大当たり遊技情報が30/100、前記(c)通常大当たり遊
技情報が15/100の振り分け率でそれぞれ記憶されている遊技機(パチンコ遊技機1
0)。
【0247】
前記可変部材(例えば、羽根部材23)を付設した前記第1の始動入賞領域(例えば、
第1始動口)を、前記第2の始動入賞領域(例えば、第2始動口)の直下位置に配設した
遊技機(パチンコ遊技機10)。
【0248】
なお、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば、遊技盤14は必ずし
も透光性を有する部材で形成したものである必要はない。
【0249】
さらに、本実施形態においては、15R確変大当たり遊技、突確大当たり遊技、突時大
当たり遊技、15R通常大当たり遊技と、4種類の大当たり遊技のラウンドゲームの実行
回数(所謂、継続ラウンド数)の異なる大当たり遊技で説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば、もっと詳細にラウンド数を設定した大当たり遊技を4種類
以上設けても構わない。
【0250】
また、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙し
たに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるもので
はない。
【符号の説明】
【0251】
10 パチンコ遊技機
14 遊技盤
15 遊技領域
23 羽根部材
24 第1始動口
25 第2始動口
32 液晶表示装置
33 第1特別図柄表示器
34 第2特別図柄表示器
35 普通図柄表示器
60 主制御回路
200 副制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域に、所定の条件を満たしたときに遊技球が入賞しやすい開放状態に変動する可変部材を付設した第1の始動入賞領域と当該第1の始動入賞領域とは異なる仕様の第2の始動入賞領域とを含む複数の入賞領域を有する遊技盤と、
前記入賞領域を遊技球が通過した場合に所定数の賞球を払い出すとともに、前記複数の入賞領域のうちの所定の入賞領域に遊技球が入賞しやすい状態となる大当たり遊技と、当該大当たり遊技に移行するか否かの抽選を行う通常遊技とを含む遊技全体の進行を制御する遊技進行制御手段と、
前記通常遊技の実行中に前記第1の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は当該第1の始動入賞領域に対応した第1の抽選処理を、前記第2の始動入賞領域を遊技球が通過した場合は当該第2の始動入賞領域に対応した第2の抽選処理をそれぞれ行う大当たり抽選手段と、
大当たり遊技の実行期間がそれぞれ異なる複数の大当たり遊技情報を第1の振り分け率で、前記第1の抽選処理に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
大当たり遊技の実行期間がそれぞれ異なる複数の大当たり遊技情報を前記第1の振り分け率とは異なる第2の振り分け率で、前記第2の抽選処理に対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の抽選処理では前記第1の記憶手段の大当たり遊技情報の中から、前記第2の抽選処理では前記第2の記憶手段の大当たり遊技情報の中から大当たり遊技情報を選択して、選択した大当たり遊技情報に基づく大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、
を備え、
前記第1の記憶手段にのみ、相対的に大当たり遊技の実行期間が短く、かつ大当たり遊技の終了直後の通常遊技で行われる前記大当たり抽選手段による当選確率が低確率となる特定大当たり遊技情報が記憶されており、
前記第1の記憶手段に記憶された複数の大当たり遊技情報のそれぞれに対応する大当たり遊技の実行期間と前記第1の振り分け率とに基づく大当たり遊技の実行期間の期待値と、前記第2の記憶手段に記憶された複数の大当たり遊技情報のそれぞれに対応する大当たり遊技の実行期間と前記第2の振り分け率とに基づく大当たり遊技の実行期間の期待値と、が等しく、
前記第1の抽選処理に基づいて実行された大当たり遊技終了直後の通常遊技において前記大当たり抽選手段による当選確率が高確率となる確率と、前記第2の抽選処理に基づいて実行された大当たり遊技終了直後の通常遊技において前記大当たり抽選手段による当選確率が高確率となる確率と、が等しいことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−48986(P2013−48986A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273021(P2012−273021)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2008−25750(P2008−25750)の分割
【原出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】