説明

遊技機

【課題】転落抽選に当選した場合であっても、その後の遊技に期待感を抱くことができるようにすることを課題とする。
【解決手段】遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が大当りとなった場合には、その入賞した遊技球の保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される。例えば、特別図柄の変動中に第1始動口に遊技球の入賞があり、入賞した遊技球に対応する4個目の保留が先読抽選に当選して大当りである場合には、保留表示の表示態様として黒い星を表示する。このような場合には、1〜3個目の保留については、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択し、抽選により変動パターンを決定し、変動パターンに対応する演出を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものであり、特に、選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機において、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている図柄を導出表示する制御を行う表示制御手段が備えられ、導出表示された図柄が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたものが提供されている。
【0003】
従来のこの種の遊技機のうち、通常遊技状態と比較して大当りとなる可能性が高い確変遊技状態が転落抽選により終了する遊技機において、リーチ演出を行った後に転落抽選に当選したか否かを報知する遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
このような遊技機においては、リーチが外れた場合であっても、転落抽選に当選していないことが報知されることにより、リーチが外れた場合に遊技者の落胆を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−39217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の遊技機においては、転落抽選に当選したことにより、リーチが外れた後に確変が終了したことを報知された場合には、その後の遊技に対して遊技者が期待を持つことができなくなるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述の問題点を鑑み、転落抽選に当選した場合であっても、その後の遊技に遊技者が期待感を抱くことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域に設けられ、前記遊技球の通過を検出する遊技球通過検出手段と、前記遊技球通過検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、乱数値を抽出する乱数抽出手段と、前記乱数抽出手段により抽出された乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な大当りの抽選を行う大当り抽選手段と、前記大当り抽選手段による抽選の結果に基づいて、特別図柄の変動を所定時間行い、当該所定時間の変動後、特別図柄の変動を停止する特別図柄遊技の制御を行う特別図柄制御手段と、前記特別図柄制御手段による特別図柄遊技中に、前記遊技球通過検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記乱数抽出手段により乱数が抽出された後に、当該抽出された乱数値に係る情報と、前記遊技球通過検出手段により検出された遊技球の数を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、前記特別図柄制御手段による前記特別図柄の変動が特定の態様で停止した場合に、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させ、当該大当り遊技状態が終了した場合に、通常遊技状態と比較して大当り抽選手段による大当りの当選確率が高い確変遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態制御手段と、前記大当り遊技状態が終了した後の所定ゲーム数の間、前記遊技球通過検出手段により遊技球の通過が検出され難い閉鎖状態から遊技球の通過が検出されやすい開放状態へ移行する電動役物と、前記確変遊技状態において、確変遊技状態の転落抽選を行う転落抽選手段と、装飾図柄を含む遊技に係る情報を表示する遊技情報表示手段と、前記遊技情報表示手段の制御を行う遊技情報表示制御手段と、を備え、前記遊技状態制御手段は、前記転落抽選手段により転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に移行させる制御を行い、前記遊技情報表示制御手段は、複数の装飾図柄を表示する制御を行うとともに、前記転落抽選手段による抽選に当選した場合には、前記複数の装飾図柄の組み合わせによるリーチ演出を行い、前記通常遊技状態に対応する通常遊技状態用演出テーブルと確変遊技状態に対応する確変遊技状態用演出テーブルとを設け、前記遊技状態制御手段により制御されている遊技状態に基づいて夫々のテーブルを選択し、当該選択されたテーブルに基づいて演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行い、前記電動役物が開放状態であって、且つ、前記通常遊技状態である場合において、前記保留記憶手段により大当りに係る乱数値が記憶されている場合は、大当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化されるまでの間は、前記通常遊技状態であっても、前記通常遊技状態用演出テーブルに代えて当該通常遊技状態用演出テーブルと比較して前記確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、当該選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、電動役物が開放状態であって、且つ、通常遊技状態である場合において、保留記憶手段により大当りに係る乱数値が記憶されている場合は、大当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、通常遊技状態用演出テーブルに代えて当該通常遊技状態用演出テーブルと比較して確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択するので、転落抽選に当選した場合であっても、その後の遊技に遊技者が期待感を抱くことができる。
【0010】
また、本発明は、前記遊技球通過検出手段とは別に設けられ、前記特別図柄遊技において、特定の態様で停止した場合に、遊技者に不利な第1の状態から、当該第1の状態と比較して有利な第2の状態に制御される大入賞口と、前記大当りとは別に設けられ、前記大入賞口を第1の状態から第2の状態に所定のパターンで前記大入賞口を変位させる小当りと、前記大当りの一部であって、前記所定のパターンで前記大入賞口を変位させる特定の大当りと、を更に設け、前記電動役物が開放状態であって、且つ、前記通常遊技状態である場合において、前記保留記憶手段により小当りに係る乱数値が記憶されている場合又は特定の大当りに係る乱数値が記憶されている場合は、小当り又は特定の大当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化されるまでの間は、前記通常遊技状態であっても、前記通常遊技状態用演出テーブルに代えて当該通常遊技状態用演出テーブルと比較して前記確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、当該選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、電動役物が開放状態であって、且つ、通常遊技状態である場合において、保留記憶手段により小当りに係る乱数値が記憶されている場合又は特定の大当りに係る乱数値が記憶されている場合は、小当り又は特定の大当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、通常遊技状態用演出テーブルに代えて当該通常遊技状態用演出テーブルと比較して確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うので、通常遊技状態に転落後、潜確または小当りの保留がある場合には、転落しても確変用の演出テーブルに基づいて演出を決定するので、確変用の演出テーブルを使用している間は、潜確に当選した可能性に対する期待感を継続させることができる。また、小当りに当選した場合には、潜確当選の期待感を持たせることができ、且つ、潜確に当選した可能性に対する期待感を継続させることができる。
【0012】
また、本発明は、前記遊技情報表示制御手段は、前記電動役物が開放状態中であって、且つ、前記通常遊技状態中である場合において、前記小当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化された後、所定の条件が充足されるまで、前記通常遊技状態用演出テーブルと比較して前記確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、当該選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、小当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化された後、所定の条件が充足されるまで、通常遊技状態用演出テーブルと比較して確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択するので、小当り後所定の条件が充足されるまで、潜確に当選して確変遊技状態へ移行したかもしれないという期待感を継続させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、転落抽選に当選した場合であっても、その後の遊技に遊技者が期待感を抱くことができる遊技機を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における外観を示す正面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態のパチンゴ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態のパチンコ遊伎機における遊技盤の概観を示す正面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における第1、第2特別図柄表示装置を含むLEDユニットを示す正面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における制御回路を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の一実施形態のパチンコ遊5Mteにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本薙明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図17】図17は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図19】図19は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図20】図20は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図21】図21は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図22】図22は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図23】図23は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図24】図24は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図25】図25は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図26】図26は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図27】図27は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図28】図28は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図29】図29は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における特別図柄変動パターン決定テーブルを示す図である。
【図30】図30は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理を実行するためのプログラムを示す図である。
【図31】図31は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される演出表示例を示す説明図である。
【図32】図32は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される演出表示例を示す説明図である。
【図33】図33は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において表示される保留記憶数の表示例を示す図である。
【図34】図34は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における大当り終了後の遊技の流れを示す図である。
【図35】図35は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における転落後の電サポ中に大当りとなった際の特別図柄変動パターン決定テーブルの選択処理を説明する図である。
【図36】図36は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行されるアタッカの開閉処理を説明する図である。
【図37】図37は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における転落後の電サポ中に潜確または小当りとなった際の特別図柄変動パターン決定テーブルの選択処理について説明する図である。
【図38】図38は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における特別図柄変動パターン決定テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[遊技機の構成]
まず、パチンコ遊技機10の概観について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。また、図3は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。また、図4は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤の正面図である。
【0017】
パチンコ遊技機10は、図1から図3に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット20、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、払出ユニット500、基板ユニット600等から構成されている。
【0018】
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、開口11aが形成されており、その開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
【0019】
皿ユニット20は、上皿21及び下皿22を一体化したユニット体であり、ベースドア13におけるガラスドア11の下部に配設されている。また、下皿22は、上皿21の下方に位置している。上皿21及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口21a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿21には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
【0020】
発射装置130は、ベースドア13の右下部に配設される。この発射装置130は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26と、皿ユニット20の右下部に適合するパネル体27とを備えている。発射ハンドル26は、パネル体27の表側に設けられる。パネル体27の裏側には遊技球を発射するための駆動装置が設けられる。ベースドア13に、皿ユニット21及び発射装置130を配設したとき、パネル体27は、皿ユニット20の右下部と一体化する。そして、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。
【0021】
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。遊技盤14の後方には、スペーサー31、液晶表示装置32などが配設されている。ベースドア13の後方には、払出ユニット500、基板ユニット600が配設されている。また、下皿22の下部には、スピーカ46が配設されている。
【0022】
遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図4に示す外レール30aに囲まれ、遊技球が転動可能な領域)である。また、遊技盤14における遊技領城15には、複数の遊技釘18が打ちこまれている。このように、遊技盤14は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
【0023】
液晶表示装置32は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、背面側から重なるように配設される。言い換えると、この表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14における遊技領域15の全部又は一部と重なるように遊技盤14の後方に配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、第1始動口25により通過が検出された遊技球の数である保留記憶数、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。
【0024】
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設され、遊技盤14の後方と液晶表示装置32の前方(前面側)との間に、遊技盤14を転動した遊技球の流路となる空間を構成している。また、スペーサー31の下部には、LEDユニット53(図4参照)が設けられている。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されている。なお、本実施形態においてスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
【0025】
発射ハンドル26は回動自在であり、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。発射ハンドル26の内部には、発射ハンドル26の回動量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
【0026】
タッチセンサ(図示せず)が遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が遊技盤14の遊技領域15に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル26を握持しかつ回動させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
【0027】
遊技盤14の左下方には、一般入賞口56a、56b、56cを形成する部材が配置されており、この部材におけるLEDユニット53との対向部位は透明になっている。このため、図4に示されるように、遊技盤14の左下方から、LEDユニット53が視認可能となる。図5はLEDユニット53の詳細を示す正面図であり、LEDユニット53には、特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、第1特別図柄保留表示LED34a、34b、第2特別図柄保留表示LED34c、34d、普通図柄保留表示LED50a、50b等が設けられている。普通図柄表示装置33は、普通図柄表示LED33a、33bからなる。
【0028】
特別図柄表示装置35は、16個によって構成されている。これら16個のLEDは、8個のLEDからなる2つのグループに分かれており、詳細は後述するが、一方のグループは、第1始動口25への始動入賞を契機として変動表示を行うものであり、他方のグループは、第2始動口44への始動入賞を契機として変動表示を行うものである。なお、以下の説明の便宜上、一方のLEDのグループを第1特別図柄表示装置35a(図6参照)、他方のLEDのグループを第2特別図柄表示装置35b(図6参照)と称する。
【0029】
第1、第2特別図柄表示装置35a、35bのLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、グループ単位で点灯・消灯を繰り返す変動表示を行う。そして、8つのLEDの点灯・消灯によって形成される表示パターンが、特別図柄(識別図柄ともいう)として停止表示される。この停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この当り遊枝状態となった場合には、後述するように、アタッカ40(図4参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。言い換えれば、大入賞口39が開放される遊技が当り遊技であり、本実施形態によれば、大当り遊技と小当り遊技の2種類の当り遊技がある。また、特別図柄が大当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが大当り、特別図柄が小当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが小当りである。大当りと小当りの違いについては後述するが、大当りの場合には、多くの出球を獲得する可能性が高くなり、小当りの場合には、出球獲得があまり期待できない。一方、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示された場合は、遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
【0030】
特別図柄表示装置35の下方には、普通図柄表示装置33が設けられている。普通図柄表示装置33は、2つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。そして、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物48(図4参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0031】
普通図柄表示装置33の下方には、普通図柄保留表示LED50a、50bが設けられている。この普通図柄保留表示LED50a、50bは、点灯、消灯又は点減によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。具体的には、普通図柄の変動表示の実行が、1回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点灯し、普通図柄保留表示LED50bが消灯する。普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点灯し、普通図柄保留表示LED50bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点減し、普通図柄保留表示LED50bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点滅し、普通図柄保留表示LED50bが点減する。
【0032】
普通図柄保留表示LED50a、50bの下方には、第1特別図柄保留表示LED34a、34b、第2特別図柄保留表示LED34c、34dが設けられている。これら第1特別図柄保留表示LED34a、34b及び第2特別図柄保留表示LED34c、34dは、点灯、消灯又は点減によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。第1特別図柄保留表示LED34a、34b及び第2特別図柄保留表示LED34c、34dによる特別図柄に関する保留個数の表示態様は、普通図柄保留表示LED50a、50bによる、普通図柄の保留個数の表示態様と同一である。
【0033】
普通図柄表示装置33の側方には、大当り、小当りを問わずに点灯する当り報知LEDなどが設けられる。本実施形態によれば、ラウンド数が一定なのでラウンド数表示用のLEDはない。このため、主制御回路60によって制御される当り報知LEDの表示上では、大当り、小当りの報知上の差別はない。また、突確大当りと小当りは、後述するようにその当りが発生したときのアタッカ40の開閉パターンも同一のものから選択され、また副制御回路200によって制御される液晶表示装置32等における演出も同一である。このため、突確大当りと小当りは、遊技者は見た目上の区別が付かない。
【0034】
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域では、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
【0035】
例えば、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bで表示される特別図柄の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、数字からなる識別図柄(演出用の識別情報でもある)、例えば、“1〜8”のような数字が変動表示される。また、第1特別図柄表示装置35a(図6参照)及び第2特別図柄表示装置35b(図6参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用としての識別図柄が停止表示される。また、後に図33等を用いて詳述するが、液晶表示装置32の表示領域32aは、保留記憶数に対応する保留記憶表示領域32cを有する。
【0036】
また、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bのいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。なお、出球を得ることが困難な当り(小当り、突確大当り)の場合は、当りであることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示しなくてもよい。
【0037】
図4に示すように、遊技機10の遊技盤14上には、二つのガイドレール30(30a及び30b)、ステージ55、第1始動口25、第2始動口44、通過ゲート54、アタッカ40、大入賞口39、一般入賞口56a、56b、56c、56d、普通電動役物48等の遊技部材が設けられている。
【0038】
遊技盤14の上部には、略逆L字形状のステージ55が設けられている。また、遊技領域15を囲むように、ガイドレール30が設けられている。
【0039】
ガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、前述した複数の遊技釘(図示せず)、遊技盤14上に設けられたステージ55などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。具体的には、ステージ55の左側を流下する系統(所謂、左打ち)と、発射ハンドル26を右側に最大に回転させて、ステージ55の右側に遊技球を打ち込み、ステージ55の右側を流下する系統(所謂、右打ち)がある。
【0040】
また、ステージ55の下方でかつ遊技盤14の中央の下方には、第1始動口25が設けられている。また、ステージ55の右側上部に通過ゲート54が設けられており、通過ゲート54の下方に第2始動口44が設けられている。第2始動口44には普通電動役物48が設けられている。普通電動役物48は、遊技盤14の板面に対して前後方向に、突出、引き込みを行う舌状部材48aを備えている。舌状部材48aが突出している時に舌状部材48aに乗った遊技球が第2始動口44に入賞し、舌状部材48aが引き込んでいる場合には遊技球が第2始動口44に入賞することは不可能である。そして、普通図柄表示装置33において普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、普通電動役物48における舌状部材48aが、所定の時間、引込状態から突出状態となり、第2始動口44に遊技球が入りやすくなる。なお、普通電動役物48は、舌状部材48aの突出、引き込みを行うものに限らず、例えば、一対の羽根部材が開放、閉鎖するもの(所謂、電動チューリップ)であってもよい。
【0041】
また、ステージ55の右側に遊技球を打ち込んだ場合には、ステージ55の右側から第1始動口25に遊技球が転動する経路に、遊技釘18が打ち込まれており、この遊技釘18によって、遊技球がステージ55の右側から第1始動口25に入賞不可能になっている。
【0042】
普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示LED50a、50bによる表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
【0043】
なお、普通図柄表示装置33において普通図柄として特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示されるようにしてもよい。
【0044】
また、第1始動口25の直下には、大入賞口39を開閉するアタッカ40が配置されている。アタッカ40の直下の遊技領域15の最下部位には、アウト口57が形成されている。遊技領城15の左側下部には、一般入賞口56a、56b、56cが設けられている。また、遊技領域15の右側下部には、一般入賞口56dが設けられている。
【0045】
また、前述した第1始動口25内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には第1始動入賞ロスイッチ116(図6参照)が備えられている。第2始動口44内には入賞領城が設けられており、この入賞領域には第2始動入賞口スイッチ117(図6参照)が備えられている。遊技球等の遊技媒体が、第1始動入賞口スイッチ116によって検出された場合、第1特別図柄表示装置35aによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に第1始動口25へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口25への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、以降の説明において、第1始動口25への遊技球の入球に基づいて第1特別図柄表示装置35aに変動表示される特別図柄を第1特別図柄と称する。
【0046】
また、遊技球等の遊技媒体が、第2始動入賞口スイッチ117によって検出された場合、第2特別図柄表示装置35bによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に第2始動口44へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口44への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、以降の説明において、第2始動口44への遊枝球の入球に基づいて第2特別図柄表示装置35bに変動表示される特別図柄を第2特別図柄と称する。ここで、第1特別図柄表示装置35aと第2特別図柄表示装置35bとは同時に特別図柄が変動することはない。また、本実施形態においては、第2始動口44への始動入賞を優先に特別図柄の変動表示が行われる。このように、第1始動口25、第2始動口44は、遊技盤14の遊技領域15に設けられ、遊技球の通過を検出する遊技球通過検出手段の一例である。
【0047】
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施形態においては、第1始動口25、第2始動口44への入球による特別図柄の変動表示の保留数は、4回を上限としている。具体的には、第1特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM70(図6参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。
【0048】
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
【0049】
第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、アタッカ40が、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。このように、特別図柄表示装置35は、抽選手段(メインCPU66)による抽選の結果を表示する抽選結果表示手段の一例である。
【0050】
一方、アタッカ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントスイッチ104(図6参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊妓球が所定個数(例えば7個)通過するか、又は、所定時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)が経過するまでアタッカ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、アタッカ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。なお、一定時間において、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている遊技をラウンドゲームという。したがって、アタッカ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。なお、本実施形態においては、1ラウンドにおいて、複数回アタッカ40を開閉して、開放状態となる時間を一定時間とする場合がある。
【0051】
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたアタッカ40は、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームが終了した場合には、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技あるいは大当り遊技という。なお、本実施形態においては、全ての大当りは15ラウンドである。また、本実施形態においては、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が小当り遊技状態に移行された場合は大入賞口39が2回遊技球を受け入れやすい開放状態となるように、アタッカ40が駆動される。なお、小当り遊技は、大入賞口39を2回開放する遊技であり、大当りのようにラウンドゲームという概念はない。このように、大入賞口39は、有利遊技状態発生制御手段(メインCPU66)により有利遊技状態(大当り状態)か発生している状態の場合に、所定の開閉動作を行う大入賞口の一例である。
【0052】
また、前述した第1始動口25、第2始動口44、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿21又は下皿22に払い出される。
【0053】
また、本実施形態においては、大当り遊技終了後、転落抽選に当選するまでの間、特別図柄抽選の当選確率が高確率状態となる。また、大当り遊技終了後から100ゲーム消化するまでの間、普通電動役物48によるサポートによって特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなる電サポ(以下、電サポと称する)がONの状態に移行する。なお、大当り遊技終了後の遊技の流れについては、後に図34を用いて詳述する。ここで、電サポがONの状態においては、通過ゲート54に遊技球を通過させることが、普通図柄抽選を実行させる条件となるため、右打ちをしながら遊技を進行することになる。また、右打ち状態で大当りが発生した場合には、そのまま右打ちを継統することにより、大入賞口39へ入賞させることが可能である。また、普通電動役物48によるサポートが受けられない場合には、左打ちをしながら遊技を進行することになる。
【0054】
なお、本実施形態において、演出手段の一例として、液晶表示装置を記載したが、本発明はこれに限定されない。演出手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプや、スピーカや可動役物等の演出手段であってもよい。
【0055】
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図6に示す。
【0056】
図6に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
【0057】
主制御回路60は、メインCPU66、メインROM68(読み出し専用メモリ1)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を備えている。
【0058】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。例えば、メインCPU66は、確変遊技状態において、確変遊技状態の転落抽選を行う。そして、メインCPU66は、転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に移行させる制御を行う。
【0059】
また、メインCPU66は、遊技状態に基づいて特別図柄変動パターン決定テーブルを選択し、選択された特別図柄変動パターン決定テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、決定された演出をサブCPU206に実行させるように制御する処理を行う。
【0060】
また、メインCPU66は、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が大当りとなった場合には、その入賞した遊技球の保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択する。そして、選択された特別図柄変動パターン決定テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、決定された演出をサブCPU206に実行させるように制御する処理を行う。なお、大当たりに係る保留については、どの特別図柄変動パターン決定テーブルを選択してもよく、例えば、後述する通常時ハズレ時用のテーブル(図29の(b))を選択してもよいし、専用のテーブル(図示せず)を選択してもよい。なお、専用のテーブルを使用すれば、通常遊技状態に転落後の時短中に引き戻しした旨を報知する演出等を表示することができる。
【0061】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラム、例えば、図7〜図22に示す処理をメインCPU66に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。例えば、メインROM68には、転落抽選テーブルや、各遊技状態に対応する特別図柄変動パターン決定テーブルが記憶されている。
【0062】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。例えば、メインRAM70は、特別図柄の変動が行われているときにおいて、第1始動口25により遊技球の通過が検出された場合に(つまり、第1始動口25へ遊技球が入球した場合に)、検出された遊技球の数を保留記憶数として記憶する。具体的には、メインRAM70は、第1始動口25により遊技球の通過が検出される毎に、4つを上限として、保留記憶数を加算する処理を行うとともに、一の特別図柄遊技が終了したことに基づいて、保留記憶数を減算する処理を行う。また、メインRAM70は、先読抽選に当選したことを示す先読抽選当選フラグを記憶する。この先読抽選当選フラグについては、入賞球、1個目の保留球、2個目の保留球、及び、3個目の保留球それぞれに対応するフラグを格納する領域が設けられている。
【0063】
また、この主制御回路60は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、I/Oポート71、コマンド出カポート72を備えている。また、初期リセット回路64は、メインCPU66に接続されている。I/Oポート71は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU66に、メインCPU66からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。コマンド出力ポート72は、メインCPU66からのコマンドを副制御回路200に送信するものである。また、主制御回路60は、バックアップコンデンサ74を備えている。このバックアップコンデンサ74は、電断時において、例えば、メインRAM70に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM70に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
【0064】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
【0065】
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35b、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示LED34a、34b及び第2特別図柄保留表示LED34c、34d、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示LED50a、50b、普通電動役物48の舌状部材48aを突出状態又は引込状態とする始動口ソレノイド118、アタッカ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120等が接続されている。また、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板310が接続されている。
【0066】
また、例えば、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントスイッチ104、各一般入賞口56を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞ロスイッチ106、108、110、112、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過ゲートスイッチ114、第1始動口25を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する第1始動入賞口スイッチ116、第2始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する第2始動入賞ロスイッチ117、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124等が接続されている。
【0067】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット300が接続されている。カードユニット300は、遊技者の操作によって、カードユニット300に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル155との間で送受信可能である。
【0068】
払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かっ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
【0069】
さらには、コマンド出カポート72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
【0070】
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
【0071】
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ等を含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、演出ボタン80a、80b、80cの操作によってオン、オフされる演出ボタンスイッチ134、136、138が接続されている。
【0072】
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
【0073】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
【0074】
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0075】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0076】
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
【0077】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
【0078】
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
【0079】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
【0080】
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
【0081】
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記載されている装飾データROM等から構成されている。
【0082】
[メイン処理]
図7、図8を用いて、メイン処理について以下に説明をする。
【0083】
ステップS10において、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグタイマをディセーブルに設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移す。
【0084】
ステップS11において、入出カポートの設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移す。
【0085】
ステップS12において、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電断検知信号がHI(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判定してステップS12に処理を移し、電断検知信号がHIでない場合には電断検知状態でないと判定してステップS13に処理を移す。
【0086】
ステップS13において、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU66は、副制御回路200が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS14に処理を移す。
【0087】
ステップSl4において、RAMの書き込み許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS15に処理を移す。
【0088】
ステップS15において、バックアップクリアスイッチ124(図6参照)がオンであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、バックアップクリアスイッチ124(図6参照)がオンであると判定した場合には、ステップS30(図8参照)に処理を移し、バックアップクリアスイッチ124がオンでないと判定した場合には、ステップS16に処理を移す。
【0089】
ステップS16において、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電断検知フラグがあると判定した場合には、ステップS17に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、ステップS30(図8参照)に処理を移す。
【0090】
ステップS17において、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS18に処理を移す。
【0091】
ステップS18において、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、ステップS20に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値であると判定しない場合には、ステップS30(図8参照)に処理を移す。
【0092】
ステップS20においては、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS21に処理を移す。
【0093】
ステップS21においては、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS22に処理を移す。
【0094】
ステップS22においては、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。具体的には、特別図柄ゲームの大当り確率が高確率の遊技状態(所謂、確率変動状態)の場合には、次回の大当りが発生するまで、高確率状態であることを報知する表示が行われるようになる。この処理が終了した場合、ステップS23に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
【0095】
ステップS23においては、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、副制御回路200に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS24に処理を移す。
【0096】
ステップS24においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインCPU66周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合には、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
【0097】
図8に示すように、ステップS30においては、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS31に処理を移す。
【0098】
ステップS31においては、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS32に処理を移す。
【0099】
ステップS32においては、全作業領域クリア処理を行う。この処理において、メインCPU66は、全作業領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS33に処理を移す。
【0100】
ステップS33においては、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS34に処理を移す。
【0101】
ステップS34においては、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の初期化時における作業領域の初期設定を行う。この処理が終了した場合、ステップS35に処理を移す。
【0102】
ステップS35においては、RAMの初期化時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の初期化時のコマンドを副制御回路200に送信する処理を行う。また、副制御回路200においては、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理が終了した場合、ステップS36に処理を移す。
【0103】
ステップS36においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインCPU66周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合、ステップS40に処理を移す。
【0104】
ステップS40においては、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場含、ステップS41に処理を移す。
【0105】
ステップS41においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS42に処理を移す。
【0106】
ステップS42においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移す。
【0107】
ステップS43において、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS44に処理を移す。
【0108】
ステップS44において、メインCPU66は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、ステップS45に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、ステップS40に処理を移す。
【0109】
ステップS45においては、システムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS46に処理を移す。
【0110】
ステップS46においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
【0111】
ステップS47においては、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU66は、第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117からの検知信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽選(大当り又は小当り)に当選したか否かを判症し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS48に処理を移す。
【0112】
ステップS48においては、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過ゲートスイッチ114からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物48が突出状態となって、第2始動口44に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS49に処理を移す。
【0113】
ステップS49においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS47、ステップS48でメインRAM70に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bと、普通図柄表示装置33とを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。メインCPU66は、制御信号を特別図柄表示装置35に制御信号を送信する。第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bは受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置33は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS50に処理を移す。
【0114】
ステップS50においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、台コンピュータ又はホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS51に処理を移す。
【0115】
ステップS51においては図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、後述するタイマ割込処理におけるスイッチ入力処理(図20、ステップS840)にて検出される第1始動入賞ロスイッチ116、第2始動入賞ロスイッチ117及び通過ゲートスイッチ114からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM70に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示LED34a、34b、第2特別図柄保留表示LED34c、34d及び普通図柄保留表示LED50a、50bを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS52に処理を移す。
【0116】
ステップS52においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、上記のステップなどでメインRAM70に記憶される制御信号を各ポートより出力する処理を行う。具体的には、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や大入賞口39の開閉や普通電動役物48の舌状部材48aの開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。
【0117】
ステップS53においては、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS54に処理を移す。
【0118】
ステップS54においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39、第1始動口25、第2始動口44、一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路126に送信する。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
【0119】
[特別図柄制御処理]
図8のステップS47において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図9を用いて説明する。なお、図9において、ステップS101からステップS108の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM70における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
【0120】
最初に、ステップS100において、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS101に処理を移す。
【0121】
なお、後述するステップS101からステップS108において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS101からステップS108における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0122】
ステップS101においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
【0123】
ステップS102においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS103の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS103に処理を移す。
【0124】
ステップS103においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。メインCPU66は、当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS104の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、ステップS108の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS104に処理を移す。
【0125】
ステップS104においては、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図8のステップS52の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞ロソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを15ラウンド繰り返し行う大当り遊技、又は大入賞口39を2回開放させる小当り遊技が実行されることになる。
【0126】
さらに、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS106の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
【0127】
ステップS105においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS106の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
【0128】
ステップS106においては、大入賞口開放処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU66は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS107に処理を移す。
【0129】
ステップS107においては、当り終了インターバル処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS108の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS108に処理を移す。
【0130】
ステップS108においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、ステップS101の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0131】
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“07H”と順にセットすることにより、図9に示すステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS108の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“03H”と順にセットすることにより、図9に示すステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップSl04の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU66は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04H”、“05H”と順にセットすることにより、図9に示すステップS106、ステップS105の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行することとなる。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、“04H”、“06H”、“07H”と順にセットすることにより、図9に示すステップS105、ステップS107からステップS108の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了することになる。
【0132】
ところで、特別図柄制御処理は、上述したように、ステータスに応じて処理を分岐させている。また、詳述しないが、普通図柄制御処理も同様にステータスに応じて処理を分岐させている。本実施形態においては、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合のコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能なように、プログラミングされている。このプログラムの一例については、図30を用いて後述する。このようにプログラミングすることで、ジャンプテーブルを配置する場合と比較して、プログラムの容量を削減することができる。
【0133】
[特別図柄記憶チェック処理]
図9のステップS101において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図10を用いて説明する。
【0134】
最初に、図10に示すように、ステップS110において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS111に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判定しなかった揚合には、本サブルーチンを終了する。
【0135】
ステップS111において、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合には、ステップS112に処理を移す。一方、メインCPU66は、始動記憶があると判定した場合には、ステップS113に処理を移す。
【0136】
ステップS112において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された揚合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU66は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、デモ表示が液晶表示装置32において実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0137】
ステップS113において、第2特別図柄に対応する始動記憶が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶頒域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領或(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS115に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS114に処理を移す。
【0138】
ステップS114において、メインCPU66は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM70の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
【0139】
ステップS115において、メインCPU66は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM70の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
【0140】
ステップS116において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS117に処理を移す。
【0141】
ステップS117において、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領城(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS118に処理を移す。
【0142】
ステップS118において、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。すなわち、高確率フラグが所定の値である場合には、大当り判定値の数が多い高確率用の当り判定テーブルが参照され、高確率フラグが所定の値でない場合には、大当り判定値が少ない通常用の当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。このように、メインCPU66は、遊技球通過検出手段(第1始動口25、第2始動口44)により遊技球の通過が検出された場合に、遊技者にとって有利な遊技状態への移行契機となる第1の当り又は第1の当りに比較して、遊技者にとって有利となる度合いか低い第2の当りであるか否かの抽選を行う抽選手段の一例である。
【0143】
そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU66は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合には、大当りであると判定する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終丁した場合には、ステップSl19に処理を移す。このように、メインCPU66は、抽選手段による抽選の結果が第1の当り(大当り1又は第2の当り(小当り)の場合に、遊技者にとって有利な有利遊技状態を発生させる制御を行う有利遊技状態発生制御手段の一例である。
【0144】
ステップS119において、小当り判定処理を実行する。この小当り判定処理は、ステップS118における大当り判定処理において、大当り判定ではなかった場合に実行される。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、予め設定されている小当りの判定値が一致しているか否かを判定し、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合には、小当りであると判定する。一致していない場合にはハズレであると判定する。
【0145】
本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、合計4種類の当り判定テーブルが用意されている。なお、通常用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じであり、また高確率用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じである。その一方で、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。また、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。
【0146】
なお、通常遊技の第1始動口25への入賞による小当り確率は、第2始動口44への入賞による小当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。通常遊技の第1始動口25への入賞による大当り確率は、第2始動口44への入賞による大当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
【0147】
このように、ステップS118、S119の処理によって、特別図柄ゲームの結果として大当り、小当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理が終了した場合には、ステップS120に処理を移す。
【0148】
ステップS120において、メインCPU66は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、当り判定の結果が大当りの場合には、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合には、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合には、ハズレ図柄を決定する処理を行う。なお、特別図柄決定処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS121に処理を移す。
【0149】
ステップS121において、メインCPU66は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS120の処理において決定された特別図柄と、ステップS118の処理において決定された当り判定の結果と、現在の遊技状態に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブル(図29参照)を選択する。
【0150】
例えば、原則として、確変遊技状態であって大当り判定がハズレである場合には、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブル(図29(a)参照)が選択され、通常遊技状態であって大当り判定がハズレである場合には、通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブル(図29(b)参照)が選択される。ここで、本実施形態では、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間においては、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが選択される場合がある。つまり、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球の抽選の結果が大当りとなった場合には、その入賞した遊技球の保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが選択される。
【0151】
そして、メインCPU66は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bにおける特別図柄の変動表示態様を決定する。
【0152】
このように記憶された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bに供給される。これによって、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bに、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特図変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した特図変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS122に処理を移す。
【0153】
ステップS122において、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、決定した特別図柄変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS123に処理を移す。
【0154】
ステップS123において、メインCPU66は、転落抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、確変遊技状態を終わらせて通常遊戯状態に移行するか否かを抽選する処理を行う。なお、転落抽選処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS124に処理を移す。
【0155】
ステップS124において、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS125に処理を移す。
【0156】
そして、ステップS125において、メインCPU66は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0157】
[特別図柄決定処理]
図10のステップS120において実行されるサブルーチン(特別図柄決定処理)について図11を用いて説明する。
【0158】
最初に、ステップS150において、メインCPU66は、大当り判定(ステップS118)の結果、大当りか否かを判定する処理を行う。大当りであると判定した場合には、ステップS151に処理を移す。大当りであると判定しない場合には、ステップSl56に処理を移す。
【0159】
ステップS151において、メインCPU66は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、ステップS152に処理を移す。変動状態番号が(01H)であると判定しない場合には、ステップS154に処理を移す。
【0160】
ステップSl52において、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS153に処理を移す。
【0161】
ステップS153において、第1特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第1特別図柄表示装置35aに供給する。第1特別図柄表示装置35aは第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU66は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
【0162】
ステップS154において、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS155に処理を移す。
【0163】
ステップS155において、第2特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第2特別図柄表示装置35bに供給する。第2特別図柄表示装置35bは第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU66は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。副制御回路200の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
【0164】
ステップS156において、メインCPU66は、小当り判定(ステップS119)の結果、小当りか否かを判定する処理を行う。小当りであると判定した場合には、ステップS157に処理を移す。小当りであると判定しない場合には、ステップS164に処理を移す。
【0165】
ステップS157において、メインCPU66は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、ステップS158に処理を移す。変動状態番号が(01H)であると判定しない場合には、ステップS160に処理を移す。
【0166】
ステップS158において、第1特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に応じて、第1特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS159に処理を移す。
【0167】
ステップS159において、第1特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第1特別図柄表示装置35aに供給する。また、メインCPU66は、第1特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領城にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が小当り停止表示態様で識別図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。このように、メインCPU66は、抽選手段(メインCPU66)による抽選の結果に基づいて、抽選結果表示手段(特別図柄表示装置35)の制御を行う抽選結果表示制御手段の一例である。
【0168】
ステップS160において、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に基づいて、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS161に処理を移す。
【0169】
ステップS161において、第2特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領城にセットし、第2特別図柄表示装置35bに供給する。また、メインCPU66は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が小当り停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
【0170】
ステップS162において、当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データセットを行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領城に当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS163に処理を移す。
【0171】
ステップS163において、大入賞口開放回数関連データセットを行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開放回数関連データをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0172】
ステップS164において、ハズレ図柄のデータセット及びハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、変動している特別図柄が第1特別図柄か第2特別図柄かに応じて、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bに供給する。第2特別図柄表示装置35bは第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄のハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU66は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄がハズレ停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0173】
[転落抽選処理]
図10のステップS123において実行されるサブルーチン(転落抽選処理)について図12を用いて説明する。
【0174】
最初に、ステップS180において、メインCPU66は、確変中であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、現在の遊技状態が確率変動状態であるか否かを判定する処理を行う。この結果、確変中であると判定した場合には、ステップS181に処理を移す。また、確変中でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0175】
ステップS181において、メインCPU66は、後述のステップS1030やステップS1100で抽出した乱数値を抽出し、抽出された乱数値と転落抽選テーブルに基づいて転落抽選を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数値を抽出し、抽出された乱数値とメインROM68に記憶された転落抽選テーブルとに基づいて、確変遊技状態を終了されるか否かを決定するための転落抽選を行う。この処理が終了した場合には、ステップS182に処理を移す。
【0176】
ステップS182において、メインCPU66は、転落抽選に当選したか否かを判定する処理を行う。この結果、転落抽選に当選したと判定した場合には、ステップS183に処理を移す。また、転落抽選に当選していないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0177】
ステップS183において、メインCPU66は、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に移行させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0178】
[特別図柄変動時間管理処理]
図9のステップS102において実行されるサブルーチン(特別図柄変動時間管理処理)について図13を用いて説明する。
【0179】
最初に、ステップS200において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行い、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、ステップS201に処理を移し、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0180】
ステップS201において、メインCPU66は、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行い、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS202に処理を移す。待ち時間タイマが“0”であるとは判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0181】
ステップS202においては、制御状態フラグとして特別図柄表示時間管理を示す値(02H)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
【0182】
ステップS203においては、図柄停止コマンドのセットを行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、図柄停止コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。そして、図柄停止コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に図柄停止コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
【0183】
ステップS204において、確定後、待ち時間としての待ち時間タイマをセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間を記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0184】
[特別図柄表示時間管理処理]
図9のステップS103において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図14を用いて説明する。
【0185】
最初に、ステップS300において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、ステップS301に処理を移行する。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0186】
ステップS301において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS302に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0“でない場合には、ステップS304の処理を移す。
【0187】
ステップS302において、メインCPU66は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。大当りである場合には、ステップS303に処理を移す。大当りでない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0188】
ステップS303において、メインCPU66は、メインRAM70の遊技状態フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0189】
ステップS304において、メインCPU66は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。大当りである場合には、ステップS311に処理を移す。大当りでない場合には、ステップS305に処理を移す。
【0190】
ステップS305において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。時短回数カウンタの値が“0”である場合には、ステップS310に処理を移す。時短回数カウンタの値が“0”でない場合には、ステップS306に処理を移す。
【0191】
ステップS306において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS307に処理を移す。
【0192】
ステップS307において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。時短回数カウンタの値が“0”である場合には、ステップS308に処理を移す。時短回数カウンタの値が“0”でない場合には、ステップS310に処理を移す。
【0193】
ステップS308において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS309に処理を移す。
【0194】
ステップS309において、メインCPU66は、時短終了コマンドデータをメインRAM70にセットする処理を行う。この時短終了コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に時短終了コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が時短終了を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS310に処理を移す。
【0195】
ステップS310において、メインCPU66は、小当りであるか否かを判走する処理を行う。小当りである場合には、ステップS311に処理を移す。小当りでない場合には、ステップS316に処理を移す。
【0196】
ステップS311において、メインCPU66は、当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM70の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS312に処理を移す。
【0197】
ステップS312において、メインCPU66は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS313に処理を移す。
【0198】
ステップS313において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタの値として、「FFH」をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS314に処理を移す。ここで、大入賞口開放回数カウンタの値として「FFH」をセットすると言うことは、「−1」をセットしたことに相当する。
【0199】
ステップS314において、メインCPU66は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS315に処理を移す。
【0200】
ステップS315において、メインCPU66は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理において、大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が大当り又は小当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0201】
ステップS316において、メインCPU66は、メインRAM70における制御状態フラグとなる所定領域に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS317に処理を移す。
【0202】
ステップS317において、メインCPU66は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0203】
[当り開始インターバル管理処理]
図9のステップS104において実行されるサブルーチン(当り開始インターバル管理処理)について図15を用いて説明する。
【0204】
当り開始インターバル管理処理は、図15に示すように、ステップS401において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合には、ステップS402に処理を移行する。制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0205】
ステップS402において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS403の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0206】
ステップS403において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする処理を行う。具体的には、本実施形態によれば、全ての当りが15ラウンドなので「15」をセットする。なお、開放回数カウンタのカウント値はラウンド数と同義である。この処理が終了した場合には、ステップS404に処理を移す。このように、メインCPU66は、抽選手段(メインCPU66)による抽選の結果が、第1の当り及び第2の当りの場合に、大当りラウンド数の初期値として所定値を設定する初期値設定処理を実行していることの一例である。なお、本実施形態によれば、図柄停止表示後(ステップS203)に初期値が設定される処理順になっているが、抽選手段による抽選の結果が第1の当り及び第2の当りの場合に(例えば、図10のステップS120の次に)、大当りラウンド数の初期値として大入賞口開放回数カウンタ上限値を設定してもよい。
【0207】
ステップS404において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS405に処理を移す。
【0208】
すなわち、図14のステップS313の処理によって、大入賞口開放回数カウンタの値に大当りの最初として「FFH(すなわち−1)」が設定されているため、ステップS404の処理によって大入賞口開放回数カウンタの値は「0」になる。
【0209】
ここで、大当りの最初のラウンド(1ラウンド目)には、大入賞口開放回数カウンタの値として「0」を対応させることによって、ラウンド数の管理を行っている。
【0210】
仮に、最初から大入賞口開放回数カウンタの値に「0」がセットされている場合には、1ラウンド目の開放処理を行い、その後に、ラウンド数が最終ラウンド(N−1)か否かを判定する。そして、最終ラウンド数がN−1で無い場合に、ラウンド間インターバル処理を行い、大入賞口開放回数カウンタに+1して、2ラウンド目以降の開放処理を行う。このような処理を、最終ラウンド数がN−1になるまで繰り返される。すなわち、1ラウンド目の開放処理だけ別に行う必要がある。
【0211】
これに対し、大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」が設定されている場合には、当り開始インターバル管理処理までの間まで大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」が設定されており、実際のラウンド数の管理には初期値(FFH)が関与しないようになる。その結果、大当り、小当りに関わらず1ラウンドからNラウンドまでの開放処理を1つの処理に集約させることが可能となり、メインROM68の使用領域を削減することが可能になる。このように、特別図柄制御処理における大入賞口開放関連の処理は、大入賞口39の開閉動作を、第1の当り開放テ一ブル及び第2の当り開放テーブルに基づいて、プログラムにおける同一のルーチン(ステップS104におけるステップS404移行〜ステップS106の処理)で処理していることの一例である。
【0212】
ステップS405において、メインCPU66は、大当り図柄の穣類に応じたラウンド毎又は小当りの開閉パターンをセットする処理を行う。
【0213】
ステップS406において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは1ラウンド目を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS407に処理を移す。
【0214】
ステップS407において、メインCPU66は、メインRAM70おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS408に処理を移す。
【0215】
ステップS408において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS409に処理を移す。
【0216】
ステップS409において、メインCPU66は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS410に処理を移す。このように、メインCPU66は、初期値設定処理(ステップS403)の後に所定時間の間隔をおくインターバル処理を実行することの一例である。
【0217】
ステップS410において、メインRAM70の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、図8のステップS52の処理により、大入賞ロソレノイド120を駆動して大入賞口39を開放状態とすることとなる。この処理を終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0218】
[大入賞口再開放前待ち時間管理処理]
図9のステップS105において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。
【0219】
大入賞口再開放前待ち時間管理処理は、図16に示すように、ステップS500において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であると判定した場合には、ステップS501に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0220】
ステップS501において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS502の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0221】
ステップS502において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS503に処理を移行する。このように、メインCPU66は、インターバル処理(ステップS104(図9参照)の後に、大当りラウンド数を演算する大当りラウンド数演算処理を実行していることの一例である。
【0222】
ステップS503において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領城に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは2ラウンド目以降を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この大入賞口開放中表示コマンドには、サブCPU206に対してラウンドカウンタ+1を行う旨の指示が含まれている。この処理が終了した場合には、ステップS504に処理を移行する。
【0223】
ステップS504において、メインCPU66は、メインRAM70おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS505に処理を移行する。このように、メインCPU66は、大当りラウンド数演算処理の後に、大当りラウンド数演算処理による演算の結果のラウンド数に応じた大入賞口39の開放を制御するラウンド開放処理を実行していることの一例である。
【0224】
ステップS505において、メインCPU66は、大当り判定(ステップS118)の結果、大当りか否かを判定する処理を行う。大当りであると判定した場合には、ステップS506に処理を移す。大当りであると判定しない場合には、ステップS507に処理を移す。
【0225】
ステップS506において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した揚合には、ステップS507に処理を移す。
【0226】
ステップS507において、メインCPU66は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS508に処理を移す。
【0227】
ステップS508において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0228】
[大入賞口開放処理]
図9のステップS106において実行されるサブルーチン(大入賞口開放処理)について図17を用いて説明する。
【0229】
大入賞口開放処理は、図17に示すように、ステップS600において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定した場合には、ステップS601に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0230】
ステップS601においては、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であると判定した場合には、ステップS603に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“7”以上とは判定しなかった場合には、ステップS602に処理を移す。
【0231】
ステップS602においては、大入賞口開放時間タイマとしての待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU66は、メインRAM70における大入賞口開放時間タイマとして機能する所定領域の待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS603に処理を移し、待ち時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であると判定した場含、又は、大入賞口開放時間タイマが“0”であると判定した場合に、ステップS603に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるとは判定しなかった場合、かつ、大入賞口開放時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合に、本サブルーチンを終了する。
【0232】
ステップS603においては、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、図8のステップS52の処理により、大入賞口ソレノイド120を閉鎖状態とすることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS604に処理を移す。
【0233】
ステップS604において、メインCPU66は、小当り判定(ステップS119)の結果、小当りか否かを判定する処理を行う。小当りであると判定した場合には、ステップS610に処理を移す。小当りであると判定しない場合には、ステップS605に処理を移す。
【0234】
ステップS605においては、大入賞口開放回数カウント値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている大入賞口開放回数カウント値と大入賞口開放回数上限値とを比較して、大入賞口開放回数カウント値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する。入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合には、ステップS609に処理を移し、入賞口開放回数上限値以上であると判定しなかった場合には、ステップS606に処理を移す。このように、メインCPU66は、ラウンド開放処理の後に、ラウンド数が最終ラウンド数か否かを判定する終了判定処理を実行していることの一例である。
【0235】
ステップS606において、メインCPU66は、開放時間インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS607に処理を移す。
【0236】
ステップS607において、メインCPU66は、メインRAM70における制御状態フラグとして機能する所定領城に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS608に処理を移行する。このように、メインCPU66は、ラウンド開放処理の後に、ラウンド数が最終ラウンド数か否かを判定する終了判定処理を実行していることの一例である。
【0237】
ステップS608において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、ラウンド間表示コマンドデータをセットする処理を行う。ラウンド間表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206にラウンド間表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0238】
ステップS609において、メインCPU66は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS610に処理を移す。
【0239】
ステップS610において、メインCPU66は、メインRAM70における制御状態フラグとして機能する所定領域に、当り終了インターバル処理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS611に処理を移す。
【0240】
ステップS611において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、特別図柄当り終了表示コマンドデータをセットする処理を行う。具体的には、大当りの場合には大当り終了表示コマンドデータ、小当りの場合には小当り終了表示コマンドデータがセットされる。大当り終了表示コマンドデータ、小当り終了表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大当り終了表示コマンド、小当り終了表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0241】
[当り終了インターバル処理]
図9のステップS107において実行されるサブルーチン(当り終了インターバル処理)について図18を用いて説明する。
【0242】
最初に、ステップS700において、メインCPU66は、メインRAM70の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定した場合には、ステップS701に処理を移行する。制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0243】
ステップS701において、メインCPU66は、メインRAM70の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)である場合に、当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS702に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0244】
ステップS702において、メインCPU66は、メインRAM70の特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS703に処理を移す。
【0245】
ステップS703において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄に応じた制御データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。ここで、本実施形態では、大当り後は、常に確変遊技状態となるので、制御データとして確変がセットされる。
【0246】
[特別図柄ゲーム終了処理]
図9のステップS108において実行されるサブルーチン(特別図柄ゲーム終了処理)について図19を用いて説明する。
【0247】
最初に、ステップS710において、メインCPU66は、メインRAM70の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定した場合には、ステップS711に処理を移す。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0248】
ステップS711において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0249】
[システムタイマ割込処理]
メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図20を用いて、システムタイマ割込処理について以下に説明する。
【0250】
ステップS800においては、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU66は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS810に処理を移す。
【0251】
ステップS810においては、システムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS820に処理を移す。
【0252】
ステップS820においては、ウォッチドッグ出カデータにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグ出カデータにクリアデータをセットする。さらに、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路64に送信する。初期リセット回路64は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路64に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路64に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100msec)が経過すると、初期リセット回路64からメインCPU66ヘシステムリセット信号が出力される。メインCPU66はこの初期リセット回路64からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、ステップS830に処理を移す。
【0253】
ステップS830においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msec毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS840に処理を移す。
【0254】
ステップS840においては、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU66は、大入賞口39(図4参照)に設けられたカウントスイッチ104(図6参照)や、一般入賞口56a、56b、56c、56d(図4参照)に設けられた一般入賞口スイッチ106、108、110、112(図6参照)や、通過ゲート54(図4参照)に設けられた通過ゲートスイッチ114(図6参照)や、第1始動口25、第2始動口44(図4参照)に設けられた第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117(図6参照)からの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU66は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS850に処理を移す。
【0255】
ステップS850においては、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0256】
[スイッチ入力処理]
図20に示すステップS840のスイッチ入力処理について、図21を用いて説明する。
【0257】
ステップS900において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントスイッチ104、一般入賞ロスイッチ106、108、110、112及び第1始動入賞ロスイッチ116、第2始動入賞ロスイッチ117の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU66は、カウントスイッチ104の入力があったと判定した場合には、大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、一般入賞口スイッチ106、108、110、112の入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動入賞ロスイッチ116、第2始動入賞ロスイッチ117の入力があったと判定した場合には、始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS910に処理を移す。
【0258】
ステップS910において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS920に処理を移す。
【0259】
ステップS920において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過ゲートスイッチ114の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)であるか否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しない場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決走用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM70の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS930に処理を移す。
【0260】
ステップS930において、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、異常関連スイッチに異常があったか否か、例えばガラスドア11の開閉スイッチが開放してガラスドア11が開放されていることが検知されたか否かを判定する。異常が検知された場合には、異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0261】
[特別図柄関速スイッチチェック処理]
図21に示すステップS910の特別図柄関連スイッチチェック処理について、図22を用いて説明する。
【0262】
ステップS1000において、第1始動口25への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1始動入賞口スイッチ116の入力があった否かを判定する。第1始動入賞ロスイッチ116の入力があったと判定した場合には、ステップS1010に処理を移し、第1始動入賞ロスイッチ116の入力があったと判定しない場合には、ステップS1070に処理を移す。
【0263】
ステップS1010において、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS1020に処理を移す。
【0264】
ステップS1020において、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1030に処理を移す。
【0265】
ステップS1030において、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(所謂、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM70の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記燎領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS1040に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技球通過検出手段(第1始動口25)により遊技球の通過が検出された場合に、遊技者にとって有利な遊技状態への移行契機となる第1の当り又は第1の当りに比較して、遊技者にとって有利となる度合いが低い第2の当りであるか否かの抽選を行う抽選手段の一例である。
【0266】
ステップS1040において、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1050に処理を移す。
【0267】
ステップS1050において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、ステップS1060に処理を移す。
【0268】
ステップS1060において、メインCPU66は、始動口入賞コマンドをメインRAM70の所定領域にセットする。始動口入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が、始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動口入賞コマンドのデータには、ステップS1050の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、ステップS1070に処理を移す。
【0269】
ステップS1070において、第2始動口44への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2始動入賞ロスイッチ117の入力があった否かを判定する。第2始動入賞口スイッチ117の入力があったと判定した場合には、ステップS1080に処理を移し、第2始動入賞口スイッチ117の入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0270】
ステップS1080において、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS1090に処理を移す。
【0271】
ステップS1090において、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1100に処理を移す。
【0272】
ステップS1100において、各種乱数値の取得処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数を抽出(所謂、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値とを抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM70の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領城(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種乱数値は、第2特別図柄始動記憶領城(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS1110に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技球通過検出手段(第2始動口44)により遊技球の通過が検出された場合に、遊技者にとって有利な遊技状態への移行契機となる第1の当り又は第1の当りに比較して、遊技者にとって有利となる度合いが低い第2の当りであるか否かの抽選を行う抽選手段の一例である。
【0273】
ステップS1110において、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1120に処理を移す。
【0274】
ここで、第1特別図柄変動状態データ、第2特別図柄変動状態データは、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)及び第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動記憶において、変動表示させる順番を決定するためのデータである。
【0275】
ステップS1120において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入賞演出を行うか否かを判定する。入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させる入賞演出コマンドデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。入賞演出コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に入賞演出コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が入賞演出の内容を認識するようになる。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、ステップS1130に処理を移す。
【0276】
ステップS1130において、メインCPU66は、始動口入賞コマンドをメインRAM70の所定領域にセットする。始動口入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が、始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動口入賞コマンドのデータには、ステップS1120の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂[先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
【0277】
尚、本実施形態において、図示はしていないが、主制御回路60のメインRAM70にセットされた各種コマンドは、主制御回路60の各処理において副制御回路200に供給されている。
【0278】
[サブ制御メイン処理]
図23を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。副制御回路200は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
【0279】
ステップS1610においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、初期化設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1620に処理を移す。
【0280】
ステップSl620においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1630に処理を移す。
【0281】
ステップS1630においては、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1640に処理を移す。
【0282】
ステップSl640においては、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80を用いたミニゲームの演出制御を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1650に処理を移す。
【0283】
ステップS1650においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP(図示せず)は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1660に処理を移す。
【0284】
ステップS1660においては、音・ランプ等制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理、各種のランプ(図示せず)の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(ステップS1620)に処理を移す。
【0285】
[タイマ割り込み処理]
図23に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。図24を用いて、タイマ割り込み処理について以下に説明する。
【0286】
ステップS1710においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1720に処理を移す。
【0287】
ステップS1720においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶されるタイマを更新する処理を行う。具体的には、ラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1730に処理を移す。
【0288】
ステップS1730においては、演出ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80(80a、80b、80c)の操作による演出ボタンスイッチ134、136、138の入力の有無を検出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1740に処理を移す。なお、この演出ボタンスイッチ入力検出処理をタイマ割り込み処理において実行しているが、他の割り込みでもよい。
【0289】
ステップS1740においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1710で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0290】
[コマンド割り込み処理]
図23に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、コマンド割り込み処理を実行する場合がある。図25を用いて、コマンド割り込み処理について以下に説明する。
【0291】
ステップS1810においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1820に処理を移す。
【0292】
ステップS1820において、サブCPU206は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1830に処理を移す。
【0293】
ステップS1830においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1810で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0294】
[コマンド解析処理]
図23のステップS1630において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)に
ついて図26を用いて説明する。
【0295】
ステップS2000において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、ステップS2010に処理を移し、サブCPU206が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0296】
ステップS2010において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、特別図柄演出開始コマンドであると判定した場合には、ステップS2020に処理を移し、特別図柄演出開始コマンドであると判定しない場合には、ステップS2030に処理を移す。
【0297】
ステップS2020において、サブCPU206は、特別図柄演出開始コマンドを受信した際に行う各種処理を実行する。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回数のデータが含まれる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0298】
ステップS2030において、サブCPU206は、受信したコマンドが特別図柄演出停止コマンドであるか否かを判定する。特別図柄演出停止コマンドであると判定した場合には、ステップS2040に処理を移し、特別図柄演出停止コマンドであると判定しない場合には、ステップS2050に処理を移す。
【0299】
ステップS2040において、サブCPU206は、特別図柄演出停止コマンドを受信した際に行う各種処理を実行する。特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄、1減算された残り時短回数のデータが含まれる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0300】
ステップS2050において、サブCPU206は、受信したコマンドが特別図柄当り終了インターバル表示コマンドか否かを判定する処理を行う。特別図柄当り終了インターバル表示コマンドであると判定した場合には、ステップS2060に処理を移し、特別図柄当り終了インターバル表示コマンドであると判定しない場合には、ステップS2070に処理を移す。
【0301】
ステップS2060において、サブCPU206は、特別図柄当り終了インターバル表示コマンドを受信した際に行う各種処理を実行する。特別図柄当り終了インターバル表示コマンドには、遊技状態、当りの種類のデータが含まれる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0302】
ステップS2070において、サブCPU206は、受信したコマンドが始動口入賞コマンドか否かを判定する処理を行う。始動口入賞コマンドであると判定した場合には、ステップS2080に処理を移し、始動口入賞コマンドであると判定しない場合には、ステップS2090に処理を移す。
【0303】
ステップS2080において、サブCPU206は、始動口入賞コマンド受信時処理を行う。始動口入賞コマンドには、遊技状態、当りの内容(変動パターンは含まない)、保留球数のデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0304】
ステップS2090において、サブCPU206は、その他受信したコマンドに対応する受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0305】
[始動口入賞コマンド受信時処理]
図26のステップS2080において実行されるサブルーチン(始動口入賞コマンド受信時処理)について図27を用いて説明する。
【0306】
ステップS2600において、入賞した遊技球による当否に基づいて現在実行中の演出内容を変更する演出変更抽選を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32に現在表示されている演出を変更するか否かを乱数抽選によって決定する処理を行う。例えば、保留球の大当り判定用乱数値を先読みして、大当りの場合には、高確率で現在実行中の演出を変更し、ハズレの場合には低確率で演出を変更するように抽選する。この処理が終了した場合には、ステップS2610に処理を移す。
【0307】
ステップS2610において、演出変更抽選に当選したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出変更抽選に当選したか否かを判定し、当選したと判定した場合には、ステップS2620に処理を移す。当選したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0308】
ステップS2620において、演出内容変更処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32に現在表示されている演出内容を変更する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0309】
[演出制御処理]
図23のステップS1640において実行されるサブルーチン(演出制御処理)について図28を用いて説明する。
【0310】
ステップS2700において、ミニゲーム実行時の演出パターンか否か判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ミニゲーム実行時の演出パターンか否か判定し、ミニゲーム実行時の演出パターンであると判定した場合には、ステップS2710に処理を移す。また、ミニゲーム実行時の演出パターンでないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0311】
ステップS2710において、演出ボタンスイッチ検出か否か判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタンスイッチ134、136、138により演出ボタン80a、80b、80cが押下されたことを検出したか否か判定し、演出ボタン80a、80b、80cが押下されたことを検出したと判定した場合には、ステップS2720に処理を移す。また、演出ボタン80a、80b、80cが押下されなかったと判定した場合には、ステップS2740に処理を移す。
【0312】
ステップS2720において、スイッチ検出有効期間フラグがオンであるか否か判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間フラグがオンであるか否か判定し、スイッチ検出有効期間フラグがオンであると判定した場合には、ステップS2730に処理を移す。また、スイッチ検出有効期間フラグがオンでないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0313】
ステップS2730において、演出ボタン押下時演出実行処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80a、80b、80cが押下された際の演出内容を液晶表示装置32に表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0314】
ステップS2740において、スイッチ検出有効期間が終了か否か判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間が終了か判定し、スイッチ検出有効期間が終了であると判定した場合には、ステップS2750に処理を移す。また、スイッチ検出有効期間が終了でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0315】
ステップS2750において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間フラグをオフにする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0316】
[特別図衲変動パターン決定テーブル]
図29は、特別図柄変動パターン決定テーブルを示す図であり、図29(a)は、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを示すものであり、図29(b)は、通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを示すものである。図29(a)、図29(b)に示すデータは、メインROM68にテーブルとして記憶されている。なお、図29(a)、図29(b)に示す特別図柄変動パターン決定テーブルは、一例であり、その他に、確変中大当り時用、通常時大当り時用、確変中潜確(潜伏確変)時用、通常時潜確時用、確変中突確時用、通常時突確時用、確変中小当り時用、及び、通常時小当り時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが、メインROM68に記憶されている。
【0317】
この特別図柄変動パターン決定テーブルは、図柄変動パターン決定処理において、図柄の変動時間値を求めるためのデータであり、変動パターンn(nは1〜149の整数)のデータからなる。例えば、図29の例では、変動パターン2と変動パターン3とは、変動時間が同じであり、変動パターン12と変動パターン13とは、変動時間が同じであるものとする。また、特別図柄変動パターン決定テーブルでは、各変動パターンに対応付けて抽選値が記憶されている。本実施形態では、メインCPU66は、抽選値を抽出し、抽出した抽選値に対応する変動パターンを決定し、決定した変動パターンをサブCPU206に特図変動パターン指定コマンドとして送信する。サブCPU206は、変動パターンに対応するリーチ演出を決定する。なお、メインCPU66が、変動パターンをサブCPU206に特図変動パターン指定コマンドとして送ってから、サブCPU206が、変動パターンに対応する変動時間の中からリーチ演出を決定するようにしてもよい。
【0318】
ここで、図29(a)と図29(b)とを比較すると、図29(a)の確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルは、図29(b)の通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定されている。具体的には、図29(a)の確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルの方が、図29(b)の通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、変動パターン2、12に割り当てられた抽選値が小さく、変動パターン3、13に割り当てられた抽選値が大きく設定されている。このため、例えば、変動パターン3に対応する演出B(またはリーチB)は、変動パターン2に対応する演出A(またはリーチA)に比べて、現在が確変遊技状態である期待度が高く、変動パターン13に対応する演出D(またはリーチD)は、変動パターン12に対応する演出C(またはリーチC)に比べて、現在が確変遊技状態である期待度が高い。
【0319】
[特別図柄制御処理のプログラム]
図30は、特別図柄制御処理を実行するプログラムの一例を示す図である。図30に示すプログラムによれば、まず、(0000)において、HLレジスタにリターンアドレスをロードする。次に(0001)において、以下の(0003)で行われるケースジャンプ処理において、指定された番号のジャンプ先での処理完了時の戻り先をセットする。次に(0002)において、特別図柄制御状態フラグ領域の内容をロードする。次に(0003)において、ケースジャンプ処理を行う。次に、(0004)において、ループ回数を3回にセットする。次に(0005)から(0007)のそれぞれの処理において、アドレスを一つ登録する。次に(0008)において、イリーガル時の処理を行う。
【0320】
イリーガル時の処理において、具体的には、ケースジャンプ処理において定義した最大番号異常が入力されたときに、異常処理として定義した最大番号が示すジャンプ先の処理を行う。
【0321】
[演出表示例]
図31は、液晶表示装置32における演出表示の一例を示す説明図である。液晶表示装置32の表示領域32aには、3つの識別図柄94が並列表示されており、3つの識別図柄94がそれぞれ変動、停止表示することにより、大当り、小当り、ハズレが遊技者に報知される。識別図柄94の左側には、石版95が表示されており、この石版95は、特別図柄抽選が低確率状態の場合には右側に回転しており、低確率状態(通常状態)の場合には、右側に回転しており、高確率状態(確変状態)の場合には、左側に回転している。
【0322】
また、突確時短無し、小当り終了後、時短終了後からの遊技回数が規定カウント数に到達する毎に、石版95の表示色が変化する。例えば、遊技回数が、30回、50回、100回、200回、300回に到達する毎に、青、黄、縁、赤、灰色に変化する。
【0323】
ここで、本実施形態においては、識別図柄94の停止表示態様に特徴を備えている。例えば、1−ハテナ−3が揃っている表示態様の場合には、疑似連演出(図柄の変動、仮停止を繰り返し、繰り返し回数が多いほど大当り期待度が高くなる予告)が行われる。なお、擬似連の表示態様は、どのようなものでもよく、例えば、112のようなズレ目でも良いし、123のような数字が連続するものであっても良い。
【0324】
また、459のように「地獄」を連想される語呂合わせの表示態様には、リーチ発展が確定する。例えば、「459」が割れて、リーチに発展するというパターンが表示される。
【0325】
また、664のように、予め定めたリーチ目の場合には、疑似連演出から大当りが確定する。なお、非確変中は大当り確定、確変中は確変大当り確定としてもよい。リーチ目としては、例えば、223(富士山)、184(イワシ)、123(連続)などがある。
【0326】
また、455のように2番目の数字と3番目の数字が揃っている表示態様(ケツテンパイ)は、演出モード1〜4においては、非確変中よりも確変中の方が、ケツテンパイの選択率が高くなるように設定されている。すなわち、ケツテンパイが出ると確変期待度が高まることになる。なお、ケツテンパイは、保留球内に大当りがあるときに出やすくなってもよい。
【0327】
7−変動中−7(7テンパイ)となった場合には、大当り確定である。なお、保留球内に大当りがあるときには、ハズレで7テンパイを出現させてもよい。この場合、100%のプレミア演出でハズレとなり、他の保留で大当りになる、ということが確定している。
【0328】
また、演出モード3は、20回、30回、50回、次回大当りまで継続する演出モードだが、通常の識別図柄94による演出は実行せず、演出モード3の期間においては、液晶全体に表示される敵と戦って倒すという演出が実行される。そして、戦いにおける攻撃の種類によって確変期待度、保留内大当り期待度を示唆する。敵を倒した場合は確変大当りが確定し、敵が逃げた場合は通常又は確変大当りが確定する。なお、保留球を先読みして大当りがあったときには、ハズレの変動時に強い攻撃を行うといったパターンをセットしてもよい。
【0329】
[演出表示例]
図32は、液晶表示装置32における演出モード3(G−ZONEモード)の演出表示の一例を示す説明図である。演出モード3において、液晶表示装置32の表示領域32aには、敵キャラクタ92と味方キャラクタ93とによる戦闘画面が演出表示される。演出モード3の期間に特別図柄抽選が大当りとなった場合に、味方キャラクタ93が勝利する演出表示(敵を倒す、敵が逃げる)が実行される。また、演出モード3が終了する時の特別図柄抽選がハズレとなった場合には、味方キャラクタ93が撤退して、演出モード2に移行する演出表示が実行される。
【0330】
また、演出モード3においては、大当り期待度に応じて味方キャラクタ93が繰り出す攻撃の種類が異なるように設定されている。例えば、最も期待度が低い技が、石を投げるであり、火炎放射、吹雪、目から光線の順で期待度が高くなる。
【0331】
また、演出モード3において、演出表示の実行中に、保留球が増えてその中に当りが含まれている場合には、現在表示されている演出内容が変更される。例えば、図32(a)に示すように、味方キャラクタ93が目から光線を発射している演出表示中に、保留球に当りが出た場合には、図32(b)に示すように、光線を太くしたり、衣装の模様を変化させる、というように演出内容が変えられる。
【0332】
[保留記憶数の表示例]
図33は、表示される保留記憶数の表示例を示す図である。液晶表示装置32の表示領域32aは、数字からなる識別図柄が変動表示される識別図柄表示領域32bとともに、保留記憶数に対応する保留記憶表示領域32cを有する。例えば、図33に示すように、識別図柄表示領域32bには、演出用としての3つの識別図柄が並列表示されており、図33の例では、擬似連演出が行われる1−ハテナ−3が停止表示されている。
【0333】
また、図33に示すように、保留記憶表示領域32cには、保留表示が最大4つ表示される。また、保留記憶表示領域32cには、保留表示の通常の表示態様として「黒丸」が表示され、先読抽選に当選した場合の特定の表示態様として「黒い星」が表示される。また、特別図柄ゲームが終了すると、保留記憶表示領域32cに表示された保留数が1つ減り、最も右側にある黒丸または黒い星が白丸に変更して表示される。なお、図面における黒は、点灯していることを示しており、白は、消灯していることを示している。
【0334】
[大当り終了後の遊技の流れ]
図34は、大当り終了後の遊技の流れを示す図である。図34に例示するように、本実施形態では、大当り終了後は、必ず確変遊技状態に移行し、且つ、大当り終了後の100ゲームの間に電サポがONとなる(図34の(a)参照)。かかる確変遊技状態においては、確変遊技状態の転落抽選を毎ゲームで行う。
【0335】
そして、確変遊技状態の転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に移行(転落)させる制御を行う。また、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に移行した場合であっても、大当り終了後の100ゲームまでは、電サポがONのままとなる(図34の(b)参照)。その後、大当り終了後の100ゲームを消化した場合には、電サポがOFFとなる(図34の(c)参照)。
【0336】
尚、原則として、確変遊技状態において大当り抽選がハズレの場合には、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用され、通常遊技状態において大当り抽選がハズレの場合には、通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される。しかし、本実施形態では、上記した図34(b)の期間においては、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される場合がある。かかる処理については、図35の例を用いて、以下に説明する。
【0337】
[特別図柄変動パターン決定テーブルの選択]
図35は、転落後の電サポ中に大当りとなった際の特別図柄変動パターン決定テーブルの選択処理を説明する図である。本実施形態では、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間(上記した図34(b)の期間)において、入賞した遊技球が大当りとなった場合には、その入賞した遊技球の保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される。
【0338】
例えば、図35に例示するように、特別図柄の変動中に第1始動口25に遊技球の入賞があり、入賞した遊技球に対応する4個目の保留が先読抽選に当選して大当りである場合には、保留表示の表示態様として黒い星を表示する。このような場合には、1〜3個目の保留については、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択し、抽選により変動パターンを決定し、変動パターンに対応する演出を表示する。なお、ここでは、先読抽選を行う場合を例にして説明したが、先読抽選を行わなくともよい。
【0339】
上述したように、通常遊技状態に転落後、大当りの保留がある場合には、通常遊技状態であっても、確変用の特別図柄変動パターン決定テーブルに基づいて演出を決定するので、確変用の特別図柄変動パターン決定テーブルを使用している間は、その後の遊技に期待感を抱かせることができる。このため、転落抽選に当選した場合であっても、その後の遊技に遊技者が期待感を抱くことが可能となる。
【0340】
[その他の実施形態]
なお、上記した実施形態においては、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が大当りとなった際には、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が潜確又は小当りとなった際に、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを使用するようにしてもよい。
【0341】
ここで、潜確と小当りについて、図36を用いて説明する。図36に示すように、潜確に当選した場合には、アタッカ40が2回開閉し、遊技状態が確変遊技状態に移行する。また、小当りに当選した場合には、アタッカ40が2回開閉し、遊技状態は変化しない。つまり、潜確に当選した場合であっても小当りに当選した場合であっても、アタッカ40が2回開閉するため、遊技者は潜確に当選したのか小当りに当選したのかすぐに判別できず、潜確への期待感を抱かせることができる。
【0342】
図37は、転落後の電サポ中に潜確または小当りとなった際の特別図柄変動パターン決定テーブルの選択処理について説明する。本実施形態では、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間(上記した図34(b)の期間)において、入賞した遊技球が潜確または小当りとなった場合には、その入賞した遊技球の保留が消化されるまでの間は、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される。
【0343】
例えば、図37に例示するように、特別図柄の変動中に第1始動口25に遊技球の入賞があり、入賞した遊技球に対応する4個目の保留が先読抽選に当選して潜確または小当りである場合には、保留表示の表示態様として黒い三角を表示する。このような場合には、1〜3個目の保留については、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択し、抽選により変動パターンを決定し、変動パターンに対応する演出を表示する。なお、ここでは、先読抽選を行う場合を例にして説明したが、先読抽選を行わなくともよい。
【0344】
これにより、通常遊技状態に転落後、潜確または小当りの保留がある場合には、転落しても確変用の特別図柄変動パターン決定テーブルに基づいて演出を決定するので、確変用の特別図柄変動パターン決定テーブルを使用している間は、潜確に当選した可能性に対する期待感を継続させることができる。また、小当りにより潜確の期待感を持たせることができ、且つ、期待感を継続させることができる。
【0345】
また、小当りに当選した場合には、小当りの保留が消化された後、所定の条件が充足されるまで、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択するようにしてもよい。例えば、所定の条件として、50ゲームの消化や、10回リーチが表示されるまで、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択する。そして、所定の条件が充足された後は、通常通り、通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを選択する。
【0346】
これにより、小当り後所定の条件が充足されるまで、潜確に当選して確変遊技状態へ移行したかもしれないという期待感を継続させることができる。
【0347】
また、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が大当りとなった際には、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が大当りとなった際には、専用の特別図柄変動パターン決定テーブルを使用するようにしてもよい。
【0348】
この場合には、専用の特別図柄変動パターン決定テーブルとして、転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルとは別に、メインROM68に記憶されている。なお、メインCPU66が、変動パターンに対応する変動時間をサブCPU206に送り、サブCPU206が、変動時間に対応する複数の演出の中から演出を決定するようにしてもよい。
【0349】
図38は、転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルを示す図である。図38のテーブルと図29(a)のテーブルと図29(b)のテーブルとを比較すると、転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルは、図29(b)の通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定されている。
【0350】
具体的には、図38の転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルの方が、図29(b)の通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、変動パターン2、12に割り当てられた抽選値が小さく、変動パターン3、13に割り当てられた抽選値が大きく設定されている。ここで、変動パターン3に対応する演出B(またはリーチB)は、変動パターン2に対応する演出A(またはリーチA)に比べて、現在が確変遊技状態である期待度が高く、変動パターン13に対応する演出D(またはリーチD)は、変動パターン12に対応する演出C(またはリーチC)に比べて、現在が確変遊技状態である期待度が高い。
【0351】
また、転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルは、図29(a)の確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が低く設定されている。尚、転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルは、図29(b)の通常時ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定されていればよく、例えば、転落後大当り電サポ中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルは、図29(a)の確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルと比べて、確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定されていてもよい。
【0352】
このように、専用の特別図柄変動パターン決定テーブルを設けた場合には、変動パターンに対応付けられた抽選値を任意に設定することができる結果、多彩で自由度の高い演出制御を行うことができる。
【0353】
なお、上記の実施形態では、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に転落し、且つ、電サポがONである期間において、入賞した遊技球が大当りとなったことを条件に、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用される場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記の条件に加えて、さらに演出ボタンが押下された場合にのみ、通常遊技状態であっても、確変中ハズレ時用の特別図柄変動パターン決定テーブルが使用されるようにしてもよい。
【0354】
なお、上記の実施形態では、メインCPU66が変動パターンを決定し、メインCPU66により決定された変動パターンに対応する演出をサブCPU206が実行する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、サブCPU206が変動パターンに対応する複数の演出のなかから演出を選択し、選択した演出を実行するようにしてもよい。例えば、メインCPU66が抽選値を抽出し、抽出した抽選値に対応する変動パターンを決定し、変動パターンをサブCPU206に送信する。そして、サブCPU206は、変動パターンに対応する複数の演出のうち、いずれかの演出を実行するか選択し、選択した演出を実行するようにしてもよい。
【0355】
なお、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、主制御回路60と副制御回路200とをワンボートに構成してもよい。
【0356】
なお、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0357】
10 パチンコ遊技機
14 遊技盤
25 第1始動口
32 液晶表示装置
33 普通図柄表示装置
34a、34b 第1特別図柄保留表示LED
34c、34d 第2特別図柄保留表示LED
35 特別図柄表示装置
39 大入賞口
40 アタッカ
44 第2始動口
48 普通電動役物
50 普通図柄保留表示LED
56 一般入賞口
60 主制御回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
80 演出ボタン
94 識別図柄
104 カウントスイッチ
106、108、110、112 一般入賞口スイッチ
114 通過ゲートスイッチ
116 第1始動入賞口スイッチ
117 第2始動入賞口スイッチ
118 始動口ソレノイド
120 大入賞口ソレノイド
128 払出装置
130 発射装置
134、136、138 演出ボタンスイッチ
200 副制御回路
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
230 音声制御回路
240 ランプ制御回路
250 表示制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技盤の遊技領域に設けられ、前記遊技球の通過を検出する遊技球通過検出手段と、
前記遊技球通過検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、乱数値を抽出する乱数抽出手段と、
前記乱数抽出手段により抽出された乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な大当りの抽選を行う大当り抽選手段と、
前記大当り抽選手段による抽選の結果に基づいて、特別図柄の変動を所定時間行い、当該所定時間の変動後、特別図柄の変動を停止する特別図柄遊技の制御を行う特別図柄制御手段と、
前記特別図柄制御手段による特別図柄遊技中に、前記遊技球通過検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記乱数抽出手段により乱数が抽出された後に、当該抽出された乱数値に係る情報と、前記遊技球通過検出手段により検出された遊技球の数を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
前記特別図柄制御手段による前記特別図柄の変動が特定の態様で停止した場合に、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させ、当該大当り遊技状態が終了した場合に、通常遊技状態と比較して大当り抽選手段による大当りの当選確率が高い確変遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態制御手段と、
前記大当り遊技状態が終了した後の所定ゲーム数の間、前記遊技球通過検出手段により遊技球の通過が検出され難い閉鎖状態から遊技球の通過が検出されやすい開放状態へ移行する電動役物と、
前記確変遊技状態において、確変遊技状態の転落抽選を行う転落抽選手段と、
装飾図柄を含む遊技に係る情報を表示する遊技情報表示手段と、
前記遊技情報表示手段の制御を行う遊技情報表示制御手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記転落抽選手段により転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に移行させる制御を行い、
前記遊技情報表示制御手段は、
複数の装飾図柄を表示する制御を行うとともに、前記転落抽選手段による抽選に当選した場合には、前記複数の装飾図柄の組み合わせによるリーチ演出を行い、
前記通常遊技状態に対応する通常遊技状態用演出テーブルと確変遊技状態に対応する確変遊技状態用演出テーブルとを設け、前記遊技状態制御手段により制御されている遊技状態に基づいて夫々のテーブルを選択し、当該選択されたテーブルに基づいて演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行い、
前記電動役物が開放状態であって、且つ、前記通常遊技状態である場合において、前記保留記憶手段により大当りに係る乱数値が記憶されている場合は、大当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化されるまでの間は、前記通常遊技状態であっても、前記通常遊技状態用演出テーブルに代えて当該通常遊技状態用演出テーブルと比較して前記確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、当該選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球通過検出手段とは別に設けられ、前記特別図柄遊技において、特定の態様で停止した場合に、遊技者に不利な第1の状態から、当該第1の状態と比較して有利な第2の状態に制御される大入賞口と、
前記大当りとは別に設けられ、前記大入賞口を第1の状態から第2の状態に所定のパターンで前記大入賞口を変位させる小当りと、
前記大当りの一部であって、前記所定のパターンで前記大入賞口を変位させる特定の大当りと、
を更に設け、
前記電動役物が開放状態であって、且つ、前記通常遊技状態である場合において、前記保留記憶手段により小当りに係る乱数値が記憶されている場合又は特定の大当りに係る乱数値が記憶されている場合は、小当り又は特定の大当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化されるまでの間は、前記通常遊技状態であっても、前記通常遊技状態用演出テーブルに代えて当該通常遊技状態用演出テーブルと比較して前記確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、当該選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技情報表示制御手段は、
前記電動役物が開放状態中であって、且つ、前記通常遊技状態中である場合において、前記小当りに係る乱数値が記憶されている保留が消化された後、所定の条件が充足されるまで、前記通常遊技状態用演出テーブルと比較して前記確変遊技状態で選択されやすい演出が抽選される確率が高く設定された演出テーブルを選択し、当該選択された演出テーブルに基づいて抽選により演出を決定するとともに、当該決定された演出を実行する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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