説明

遊技機

【課題】遊技盤の裏側へ引き出された電気部品の配線の処理を効率的に行ない得るようにする。
【解決手段】設置部材40の外周壁部42には、該外周壁部42を前端部42Aから設置壁部41まで切り欠いて該前端部42Aに開口する配線挿通口100が形成される。また、外周壁部42における配線挿通口10を挟む第1壁部101の空間側に、配線挿通口100に連通する配線保持部103が設けられる。第1壁部10と遊技盤Dの後面との間に、配線挿通口100に連通する隙間104が設けられる。第1壁部101の配線挿通口100に臨む開口端部101Aに、前端部42Aから設置壁部41に向かうにつれて該配線挿通口100側へ徐々に変位する案内部105が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤の裏面側から、該遊技盤の裏面に配設された設置部材の後側に設けた基板に接続する配線を保持する配線保持部を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、固定枠としての外枠に開閉自在に組み付けられた本体枠としての中枠に、前面にパチンコ球が打ち出される遊技領域が画成された遊技盤が着脱自在に配設される。前記遊技盤の前側には、始動入賞装置や特別入賞装置が遊技領域内に配設されると共に、遊技状態に合わせて発光演出を行う発光演出装置等(以下、電気部品という)が該遊技領域の内外に設けられる。また、前記遊技盤の後側には、箱状の設置部材が配設され、この設置部材には、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶式やドラム式等の図柄表示装置が配設される。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出して該遊技領域内を流下する遊技球が前記始動入賞装置に設けた始動口に入賞することで、図柄表示装置での図柄変動演出を開始させると共に遊技球を賞球として払出すよう構成されている。そして、前記図柄変動演出の結果、図柄表示装置に特定の図柄の組合わせ(大当り図柄)が表示されると、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を発生して、図柄表示装置における演出に合わせて前記特別入賞装置の入賞口を開放した後に、予め設定された所定のラウンド遊技を繰返して、遊技者に多数の賞球を払出す好機を与えるようになっている。
【0003】
前記設置部材は、前方に開放する箱状に形成され、前記遊技盤の後面に所定の間隔をおいて対向する設置壁部と、該設置壁部の周縁部から前方に延出する外周壁部とを備え、該外周壁部の前端縁を遊技盤の後側に当接して該遊技盤の後側に配設される。前記設置部材の設置壁部の前側には、可動演出装置や装飾部材等が配設されると共に、該設置壁部☆の後側には基板設置部が設けられ、この基板設置部には複数のコネクタ受部を備えた中継基板が配設されている。そして、前記遊技盤の前面に配設した前記電気部品から該遊技盤の裏側へ導出した配線は、前記設置部材に前後方向に開放するよう設けた挿通孔に前側から挿通することで、該設置部材の後側に引き出されて前記中継基板のコネクタ受部に接続される。このような遊技機は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−213761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された配線の引き回し形態では、設置部材を遊技盤の裏側に組み付けるに先立ち、遊技盤の裏側へ引き出された配線を、設置部材に設けた前記挿通孔に挿通させる必要がある。しかしながら、前記配線の引き出された部分の長さが短かい場合には、設置部材を該遊技盤に近づけた状態で配設を挿通孔に挿通させなければならず、場合によっては手探りでの作業となるから、該配線の挿通作業が面倒で煩わしいものとなっていた。また、挿通孔に配線を挿通させた状態で設置部材を遊技盤の裏側に組み付ける際に、配線が該挿通孔の開口縁や設置部材の適宜部位に引掛かって該配線の被覆材を傷付けたり、配線が外周壁部の前端縁と遊技盤の裏面との間に挟み込まれて該配線の導線が破断する等の不都合が発生していた。
【0006】
すなわち本発明は、従来技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを解決するべく提案されたものであって、遊技盤の裏側へ引き出された電気部品の配線の処理を効率的に行ない得るようにした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る遊技機は、
前方に開放する箱状に形成されて、遊技盤(D)の後面と所要の空間(SP)を画成して相対する設置壁部(41)の外周囲から前方へ延出する外周壁部(42)の前端部(42A)を該後面に対向した状態で該遊技盤(D)に配設される設置部材(40)と、前記設置部材(40)の前記設置壁部(41)の後側に配設され、前記遊技盤(D)の前面に配設された電気部品(36)から該遊技盤(D)の後側へ引き出された配線(WH2)が接続される基板(85)とを備える遊技機において、
前記外周壁部(42)には、該外周壁部(42)を前記前端部(42A)から前記設置壁部(41)まで切り欠いて該前端部(42A)に開口する配線挿通口(100)が形成されると共に、該外周壁部(42)における該配線挿通口(100)を挟む一方の壁部(101)の前記空間(SP)側に、前記配線挿通口(100)に連通する配線保持部(103)が設けられ、
前記一方の壁部(101)と前記遊技盤(D)の後面との間に、前記配線挿通口(100)に連通するよう前記配線(WH2)を前記空間(SP)から外周壁部(42)の外側へ引き出し可能な隙間(104)が設けられ、
前記一方の壁部(101)の前記配線挿通口(100)に臨む開口端部(101A)には、前記前端部(42A)から前記設置壁部(41)に向かうにつれて該配線挿通口(100)側へ徐々に変位する案内部(105)が設けられ、
前記隙間(104)を介して外周壁部(42)の外側へ引き出した前記配線(WH2)を、前記一方の壁部(101)の案内部(105)に沿わせながら前記配線挿通口(100)へ導き、該配線挿通口(100)を介して配線保持部(103)へ保持させることで前記設置壁部(41)の後方へ引き出すよう構成したことを要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に係る発明によれば、設置部材を遊技盤の裏側に取り付けた後に、遊技盤の裏側から該設置部材の外周壁部の外側へ引き出されていた配線を、該外周壁部に設けた配線挿通口を介して配線保持部へ保持させて該設置部材の裏側へ引き出し、該設置部材の設置壁部の裏側に配設した基板に接続するようにしたので、配線処理が容易となると共に、遊技盤に対する設置部材の組付作業を効率的に行ない得る。前記配線は、外周壁部において配線挿通口を挟む一方の壁部に設けた案内部に沿わせることで配線挿通口へ適切に導くことができ、該配線挿通口を介して配線保持部へ簡易に保持させることができる。また、遊技盤の裏面に設置部材を組み付ける際に、前記配線を一方の壁部の前端部側に設けられる隙間に整合させることで、設置部材と遊技盤の裏面との間に配線が挟み込まれる不都合も回避でき、挟み込みによる該配線の破断を防止し得る。更に、従来の如く、配線を通すための挿通孔を設置部材の設置壁部に設ける必要がないので、該設置壁部に配設される電気部品の配設位置に制約を受けることがない。
【0009】
請求項2に係る遊技機では、
前記一方の壁部(101)の開口端部(101A)に設けた前記案内部(105)は、前記配線挿通口(100)に向けて凸となる曲線状に延在することを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、一方の壁部の開口端部に設けた案内部が、配線挿通口に向けて凸となる曲線状に延在するように形成されているので、該案内部に沿わせて配線を配線挿通口に導く際に、該配線の被覆材が傷付くことを防止し得る。
【0010】
請求項3に係る遊技機では、
前記外周壁部(42)における前記配線挿通口(100)を挟む他方の壁部(102)には、該配線挿通口()に臨む部位から前記空間(SP)側へ変位すると共に、前記一方の壁部(101)の該空間(SP)側まで延出して前記配線保持部(103)に臨む案内壁部(106)が設けられ、
前記一方の壁部(101)の案内部(105)に沿わせて前記配線挿通口(100)へ導いた前記配線(WH2)を、前記案内壁部(106)の前記配線挿通口(100)に臨む外面に沿わせて前記配線保持部(103)へ導くよう構成したことを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、配線挿通口へ導いた配線を案内壁部の外面に沿わせることで、該配線を一方の壁部の空間側に設けた配線保持部に円滑に導くことができ、配線の引き出し作業の簡易化および効率化が図られる。
【0011】
請求項4に係る遊技機では、
前記配線挿通口(100)は、外周壁部(42)の前端部(42A)で、該前端部(42A)に沿う方向における開口幅(W)が最大となるように形成されていることを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、遊技盤の裏側に引き出した配線が配線挿通口に挿通させる際に外周壁部に引っ掛かり難く、該配線を該配線挿通口に挿通させ易い。
【0012】
請求項5に係る遊技機では、
前記設置部材(40)の設置壁部(41)の後面には、前記配線保持部(103)から前記基板(85)に至る間に、可撓変形自在に構成された可変掛止部(110)が設けられ、該配線保持部(103)から引き出した前記配線(WH2)を可変掛止部(110)で保持するよう構成されたことを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、配線保持部に保持された配線を基板に至るまでに可変掛止部で更に係止する構成としたので、配線をより確実に規制して該配線が撓むのを防止し得る。また、可撓変形自在な可変掛止部を採用することで、配線が引き回される態様に応じて可変掛止部を適宜変形させることができ、配線処理を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
請求項6に係る遊技機では、
前記配線保持部(103)は、前記配線(WH2)における前記空間(SP)内への引き出し部分に最も近接する前記外周壁部(42)の部位を含むよう形成されることを要旨とする。
従って、請求項6に係る発明によれば、配線における空間内への引き出し部分から最短距離となる位置に配線保持部を設けたので、空間内を引き回す配線の距離が短くなって、配線処理を容易とし得る。また、空間内を配線を引き回す距離が短くなることで、設置部材や遊技盤に設けた電気部品等の各種部品に配線が干渉するのを抑制し得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機によれば、遊技盤の裏側へ引き出された電気部品の配線を、該遊技盤の裏側に配設した設置部材の後側に容易に引き出すことができ、配線の処理を効率的に行ない得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例に係る基板取付構造が実施されるパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機の背面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤を示す正面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤と、該遊技盤の後側に配設される設置部材と、設置部材の後側に配設される主制御装置とを、前側から見た分解斜視図である。
【図5】実施例に係る遊技盤と、該遊技盤の後側に配設される設置部材と、設置部材の後側に配設される主制御装置とを、後側から見た分解斜視図である。
【図6】設置部材が配設された遊技盤を後側から見た斜視図である。
【図7】設置部材の後側に設けた第1基板設置部に、基板保持部材を介して着脱可能に配設した第1中継基板を示す斜視図である。
【図8】基板保持部材に装着した第1中継基板を、設置部材の後側に設けた第1基板設置部から取り外した状態で示す斜視図である。
【図9】(a)は、第1中継基板を装着した基板保持部材の平面図であり、(b)は、第1中継基板を装着した基板保持部材の背面図であり、(c)は、第1中継基板を装着した基板保持部材の左側面図である。
【図10】(a)は、第1中継基板および基板設置部材を該第1中継基板の表側から見た斜視図であり、(b)は、第1中継基板および基板設置部材を該第1中継基板の裏側から見た斜視図である。
【図11】(a)は、弾性部の背面図であり、(b)は、(a)のX−X線断面図であって、弾性部の変形による係止突部と係止受部との係脱態様を示している。
【図12】第1中継基板を装着した基板保持部材を第1基板設置部に取り付けた状態を示す平断面図である。
【図13】遊技盤の裏側に引き出された配線を、設置部材に設けた配設保持部に配設させた状態で第2中継基板のコネクタ接続端子に接続した状態を示す設置部材の部分背面図である。
【図14】遊技盤の裏側に引き出された配線を、設置部材に設けた配線挿通口を介して配設保持部に保持させた状態を示す説明図である。
【図15】遊技盤の裏側に引き出された配線を、設置部材に設けた配線挿通口を介して配設保持部に保持させる態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る遊技機の基板取付構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機Pを例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機Pを前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0017】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機Pは、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠Aの開口前面側に、遊技盤Dを着脱可能に保持する本体枠としての中枠Bが、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、前記遊技盤Dの裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口30Aへのパチンコ球(遊技球)の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行なう図柄表示装置Hが着脱可能に配設されている。また、前記中枠Bの前面側には、前記遊技盤Dを透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板26で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠Cが開閉可能に組み付けられると共に、該前枠Cの下方にパチンコ球を貯留する下球皿Fが前記中枠Bに組み付けられる。更に、前記前枠Cの下部位置に、パチンコ球を貯留する上球皿Eが一体的に組み付けられており、前枠Cの開閉に合わせて上球皿Eも一体的に開閉するよう構成される。
【0018】
前記中枠Bの右下方位置には、該中枠Bに配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドルGが設けられており、該操作ハンドルGの操作により打球発射装置が作動されることで、前記上球皿Eに貯留されたパチンコ球が所定間隔(例えば、0.6秒間隔)で1球ずつ前記遊技盤Dに向けて連続的に発射されるようになっている。なお実施例では、前記図柄表示装置Hとして、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが(図4、図5参照)、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球皿Eは、前記前枠Cと別体に形成して中枠Bに対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0019】
前記中枠Bの後側上方には、図2に示すように、設置枠台等に設けられた外部球供給設備(図示せず)から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク10が配設されると共に、後側の上下中央より下方には、前記上下の球皿E,Fに連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路が夫々形成されたセット部材11が配設されている。また、中枠Bの裏側における左方には、前記球タンク10とセット部材11とを連通接続する球通路ユニット12が上下に架設され、該球通路ユニット12に配設された球払出装置13の駆動により球タンク10に供給されたパチンコ球を上下の球皿E,Fへ給出するよう構成されている。前記セット部材11には、前記球払出装置13を駆動制御する払出制御装置124や、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御装置123等が配設されている。前記払出制御装置124は、遊技盤Dの裏側に配設される設置部材40(後述)の後側に取り付けられた主制御装置120に第2中継基板85(後述)を介して電気的に接続されており、該主制御装置120からの制御信号に基づいて払出制御装置124が前記球払出装置13を制御する。また前記発射制御装置123も、前記主制御装置120に電気的に接続されており、該主制御装置120からの制御信号に基づいて発射制御装置123が前記打球発射装置を制御する。
【0020】
(遊技盤)
前記遊技盤Dは、図3〜図5に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂製板やベニア等の木製合板を材質とし、前記中枠Bに設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側には前記遊技領域20が設けられると共に、その後側には後述する設置部材40が配設されている。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール21と、この外レール21の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール22と、外レール21の右上部から内レール22の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材23等が配設されており、両レール21,22および盤面飾り部材23で囲まれた内側が前記遊技領域20として構成されている。これにより、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、外レール21と内レール22との間を通って遊技領域20の左上部に打ち出された後、該遊技領域20内を流下する。但し、前記内レール22の延在長を大きく設定して、前記外レール21および該内レール22で遊技領域20を形成するようにしてもよい。
【0021】
前記遊技盤Dには、図5に示すように、中央に大きな貫通口24が形成され、前後に開口して遊技演出領域とされる表示窓口25Aが形成された枠状装飾部材25が、該貫通口24の開口縁に配設されている。この枠状装飾部材25の前部には、図柄表示装置Hで行なわれる遊技内容に合わせた装飾が施されている。そして、前記設置部材40に対して後側から着脱可能に配設された図柄表示装置Hの表示部H1や、該設置部材40の前側に配設される装飾部材46および第1〜第3の可動演出装置47,48,49等が、枠状装飾部材25の表示窓口25Aに臨むように配設されている。また遊技盤Dには、図5に示すように、前記貫通口24の下方において、該遊技盤Dの左右中央に第1装着口26が開設されると共に、該第1装着口26の右側に第2装着口27が開設されている。第1装着口26には始動入賞装置30および特別入賞装置31が配設されると共に、前記第2装着口27には、4つの入賞口32Aが左右に配列された普通入賞具32が配設されている。なお、図3に示すように、遊技盤Dの前面における前記遊技領域20内には、多数の球案内釘33、球通過ゲート34、回転球案内具35等が配設されている。
【0022】
前記始動入賞装置30、特別入賞装置31および普通入賞具32には、各々に入賞したパチンコ球を検出する球検出スイッチが個別に配設され、各球検出スイッチからの球検出信号は、前記設置部材40の後側に取り付けられて当該パチンコ機Pを総合的に制御する前記主制御装置120に送出される。前記主制御装置120は、前記始動入賞装置30の球検出スイッチからの検出信号を受けると、大当たり抽選を行なうと共に、前記設置部材40の後側に取り付けられた統括制御装置121に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hに図柄変動演出を行なわせると共に、前記中枠Bの後側に配設された払出制御装置124に制御信号を出力して、前記球払出装置13に所定数の賞球を払い出させる。そして、前記主制御装置120における前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生した場合には、図柄表示装置Hの表示部H1での図柄変動演出の後に、該表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示され、前記特別入賞装置31の開閉扉31Aが開放位置に姿勢変位して多数のパチンコ球の入賞が可能となる。また主制御装置120は、前記特別入賞装置31の球検出スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置124に制御信号を出力して前記球払出装置13に所定数の賞球を払い出させる。更に主制御装置120は、前記普通入賞具32の球検出スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。
【0023】
(設置部材)
前記設置部材40は、図4〜図6に示すように、前方に開放する略矩形のバケット状に形成された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。この設置部材40は、遊技盤Dの後面に対して後方から所要の間隔で対向して該遊技盤Dの後面を構成する設置壁部41と、この設置壁部41の周縁から前方へ延出形成された外周壁部42と、この外周壁部42の前端から外方に向けて屈曲形成された縁板部43等を備えている。すなわち設置部材40は、外周壁部42で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が矩形状に形成されると共に、縁板部43の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。このような設置部材40は、縁板部43を遊技盤Dの後面にネジ止めすることで該遊技盤Dに固定され、遊技盤Dの後面から離間した設置壁部41の前側に、装飾部材46や、第1〜第3の各可動演出装置47,48,49等の配設を可能とする空間SPを画成するよう構成されている。
【0024】
前記設置部材40の設置壁部41には、図4〜図6に示すように、前後に貫通する略矩形の表示開口44が形成されている。また、設置壁部41の後側には、前記図柄表示装置Hを固定するための取付部45が設けられ、表示部H1を表示開口44に臨ませた状態で該図柄表示装置Hが着脱可能に取り付けられる。前記図柄表示装置Hは、各種図柄を表示可能な表示部H1をなす液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、図2に示すように、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置Hの表示部H1の表示制御を行なう表示制御装置122と、当該パチンコ機Pの遊技演出を統括的に制御する前記統括制御装置121が配設される。統括制御装置121には、設置壁部41の後側に配設した第2中継基板85を介して前記図柄表示装置H、前記前枠Cに配設されたランプ装置や前記中枠Bに配設されたスピーカ等が電気的に接続されており、該統括制御装置121から出力される制御信号に基づいて各装置が作動制御される。また統括制御装置121には、第2中継基板85を介して、設置壁部41の前側に配設された前記装飾部材46に配設された照明装置や前記第1〜第3の各可動演出装置47,48,49等に配設された駆動装置や照明装置から導出した配線が電気的に接続されており、該統括制御装置121から出力される制御信号に基づいて各照明装置の点灯制御や各可動演出装置47,48,49の作動が制御される。
【0025】
前記設置壁部41において、前記表示開口44の上側に位置する上板部41Aの前方には装飾部材46および第1可動演出装置47が配設され、該表示開口44の左右に位置する左板部41Bおよび右板部41Cの前方には前面には第2可動演出装置48が配設されると共に、該右板部41Cおよび左板部41Bの前面には第3可動演出装置49が配設されている。前記装飾部材46および第1〜第3の各可動演出装置47,48,49から導出された配線は、前記設置壁部41の所要位置から設置部材40の裏側へ引き出され、前記第2中継基板85のコネクタ接続端子に接続される。
【0026】
(基板設置部)
前記設置部材40には、図6に示すように、前記設置壁部41において前記表示開口44の下側に位置する下板部41Dの後側に、複数(実施例では2つ)の基板設置部50,80が形成されている。なお、以下の説明において、左側(図6では右側)に位置する基板設置部50を「第1基板設置部」と指称し、左右中央に位置する基板設置部80を「第2基板設置部」と指称する。第1基板設置部50には第1中継基板75が保持され、第2基板設置部80には第2中継基板85が保持される。なお、前記下板部41Dの後側には、前記主制御装置120が取り付けられる取付部材115(図2、図5参照)が着脱自在に配設されており、該取付部材115で各基板設置部50,80が後方から覆われている。
【0027】
(第1基板保持部)
前記第1基板設置部50は、図7および図8に示すように、前記第1中継基板75を取り付けた基板保持部材(後述)60の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状に形成された設置凹部51と、前記設置凹部51の右上角部および右下角部(図7および図8では左側)に設けられた保持片部(保持部)52,52と、前記設置凹部51の左側において前記下板部41Dに設けられた係止受部(被係止部)53とを備えている。この第1基板設置部50は、設置部材40の後側から前記基板保持部材60を着脱可能に取り付け得るように構成されている。
【0028】
(設置凹部)
前記設置凹部51は、前記設置壁部41における前記下板部41Dの後面に開口して前方へ凹んだ縦長の矩形状の凹状部分で、前記下板部41Dから前方へ延出した略矩形枠状の外周壁部51Bと、前記外周壁部51Bの前端に連設されて略垂直に形成された底壁部底壁部51Aとで形成されている。図8に示すように、前記外周壁部51Bの上下間隔S1は、前記基板保持部材60の縦寸法T1と同じに設定され、該外周壁部51Bの左右間隔S2は、基板保持部材60の横寸法T2と同じに設定されると共に、前記下板部41Dの後面から前記底壁部51Aの外面までの深さS3は、前記基板保持部材60の厚さ寸法T3と同じに設定されている。そして前記設置凹部51は、図8に示すように、当該パチンコ機Pの検査時に検査機器(スイッチ等)を一時的に装着する検査部54の後方に設けられていて、該検査部54が底壁部51Aに開口しており、設置凹部51から基板保持部材60を取り外した状態で、該検査部54に対する検査機器の着脱を行ない得るようになっている。
【0029】
(保持片部)
前記各保持片部52,52は、図7および図8に示すように、前記設置壁部41Bの下板部41Dの後面から前記設置凹部51の後側へ延出した庇状部で、各保持片部52における底壁部51Aと対向する面は、該底壁部51Aと平行な平面に形成されている。前記保持片部52,52と前記底壁部51Aとの前後方向の間隔は、前記深さS3と同じになっており、保持片部52と底壁部51Aとの間に、前記基板保持部材60の右側縁部を左側から差し込むことが可能となっている。すなわち各保持片部52は、設置凹部51に装着した前記基板保持部材60の右側部分に後側から当接して、該基板保持部材60を該設置凹部51に保持するように機能する。
【0030】
(係止受部)
前記設置凹部51の左側には、図7および図8に示すように、設置壁部41の下板部41Dを前記外周壁部51Bの左縁から左方向へ切り欠いて該設置凹部51に開口する略矩形の開口55が形成されている。この開口55には、前記基板保持部材60に左へ突出するように設けた弾性部(後述)67が整合するようになっている。そして、図7、図8および図11に示すように、前記開口55の開口縁における上縁には、前記係止受部53が下方へ突出した状態で形成されていると共に、該開口縁における下縁には、前記係止受部53が上方へ突出した状態で形成されており、両係止受部53は上下に対向して設けられている。前記各係止受部53,53の上下方向の間隔K1は、図11(a)に示すように、に示すように、前記基板保持部材60に設けた弾性部67の操作部70の上下幅K2より僅かに大きく設定されており、両係止受部53,53の間に該操作部70が右側から入り込むことが可能となっている(図11(a)参照)。
【0031】
前記各係止受部53,53は、図11(a)および図11(b)に示すように、前記設置凹部51を指向した部位に形成された当接面53Aと、前側を指向した部位に形成された係止面53Bとを備えている。そして前記係止受部53,53は、前記設置凹部51に前記基板保持部材60を正規の姿勢でセットした際に、前記弾性部67が変形していない常態において、該弾性部67に設けた後述する係止突部(係止部)71,71の後側に位置するように設けられている。すなわち、前記各係止受部53は、前記設置凹部51に前記基板保持部材60を取り付ける際に前記弾性部67の変位部69に前記当接面53Aが左方から当接して、該弾性部67を弾性変形させ得るようになっている。また各係止受部53は、前記設置凹部51に前記基板保持部材60を適切にセットした際に、前記弾性部67に設けた前記係止突部71に前記係止面53Bが後方から当接して、該弾性部67に係止するようになっている。
【0032】
(基板保持部材)
前記基板保持部材60は、図8〜図10に示すように、後方へ開放するトレー状の部材で、前記第1中継基板75を設置する板状の設置面部61と、該設置面部61の外周縁に沿って延在して後方へ突出した外周突壁部62と、該外周突壁部62の後端における左上角部および左下角部から右方へ延出するように形成した基板係止部63とを備えている。また基板保持部材60は、前記設置面部61の左側に、弾性変形が可能に形成されて、前記係止受部53,53に係脱可能に係止する弾性部67を備えている。
【0033】
(設置面部)
前記設置面部61には、外周突壁部62に臨む外縁に沿って設置段部61Aが形成されており、図12に示すように、前記第1中継基板75の裏面75Bの外縁部分が該設置段部61Aに当接する。これにより基板保持部材60は、第1中継基板75の裏面75Bが前記設置面部61に直接に接触しないように該第1中継基板75が取り付けられるように構成されている。図10(a)に示すように、前記外周突壁部62の内周面における上下間隔L1は、前記第1中継基板75の縦寸法M1と同じに設定され、該外周突壁部62の内周面における左右間隔L2は、該第1中継基板75の横寸法M2と同じに設定されると共に、前記外周突壁部62の後端から前記設置段部61Aまでの深さL3は、該第1中継基板75の板厚M3と同じに設定されている。また、図10(a)および図10(b)に示すように、前記設置面部61の上部左側には、後方へ突出した係止ボス64が設けられると共に、該設置面部61の上部右側には、後方へ突出したネジ締結ボス65が設けられている。前記係止ボス64は、前記第1中継基板75の上部左側に設けた係止孔73に前側から整合して突入係止すると共に、前記ネジ締結ボス65は、前記第1中継基板75の上部右側に設けたネジ挿通孔74に前側から整合するようになっている。更に、前記設置面部61における右縁には、図8〜図10に示すように、該設置面部61の外面から外周突壁部62の外面に向けて斜めに面取りされた形状の傾斜面66が形成されている。この傾斜面66は、基板保持部材60を第1基板設置部50の設置凹部51へ装着する際に、該設置凹部51の底壁部51Aに摺接させるガイド面として機能する。
【0034】
(基板係止部)
前記各基板係止部63,63は、図8〜図10に示すように、前記外周突壁部62の後端から前記設置面部61の後側へ延出した庇状部で、各基板係止部63における設置面部61と対向する面は、該設置面部61と平行な平面に形成されている。前記各基板係止部63と前記設置段部61Aとの前後方向の間隔は、前記深さL3と同じになっており、基板係止部63と設置段部61Aとの間に、前記第1中継基板75の左側縁部を右側から差し込むことが可能となっている。すなわち各基板係止部63は、設置段部61Aで支持された前記第1中継基板75の左側部分に後側から当接して、該第1中継基板75を該設置面部61に保持するように機能する。なお、各基板係止部63は、外周突壁部62の左上角部および右上角部に設けられており、基板保持部材60を前記第1基板設置部50の設置凹部51に装着した際に、前記保持片部52と干渉しない。
【0035】
(弾性部)
前記基板保持部材60は、図8〜図12に示すように、前記設置面部61の左縁に一体的に形成されて、左方および前方へ突出した前記弾性部67を備えている。この弾性部67は、前述したように、前記第1基板設置部50として構成された前記係止受部53,53に係脱可能に変形することで、前記設置凹部51に対する前記基板保持部材60の着脱を可能とするものである。前記弾性部67は、前記設置面部61の左縁から前方へ延出する基部68と、前記基部68の前部から左方へ屈曲して後方へ延出して、該基部68の左側に位置する変位部69を備え、前記変位部69の後部には、後方へ延出する操作部70を備え、平面視において略J形に形成されている。従って弾性部67は、前記操作部70を設置面部61の左縁側へ指先等で押すことで、前記変位部69と前記基部68とを連設する屈曲部分が変形して、該変位部69が該設置面部61の側へ近接移動するようになると共に、該操作部70に対する外力を解除することで、変位部69が設置面部61から離間移動して元の状態に弾性復帰するように構成されている。
【0036】
(係止突部)
図9(b)、図9(c)、図10および図11(a)に示すように、上下幅K2の前記操作部70は、前記変位部69の上下幅より小さく設定されており、該変位部69の上縁後端は該操作部70より上方へ突出していると共に該変位部69の下縁後端は該操作部70より下方へ突出しており、該変位部69と操作部70との上下の段差部が、前記係止突部71,71となっている。そして、前記係止突部71,71は、前述したように、前記操作部70に対する操作を行なわない前記弾性部67の常態においては、前記各係止受部53,53と前後方向で重なって該係止受部53,53の係止面53Bに係止する(図7、図11および図12)。また前記係止突部71,71は、前記操作部70を設置面部61側へ押した前記弾性部67の変形状態においては、前記係止受部53,53から設置面部61側へ移動して、該係止受部53との係止が解除されるようになっている。
【0037】
(配線挿通部)
図7、図8および図12に示すように、前記設置部材40における前記第1基板設置部50と隣接する部位に、該設置部材40の前側と後側とを貫通する配線挿通部56が、該第1基板設置部50に連通するよう開設されている。前記配線挿通部56には、前記設置部材40の前側から後側へ引き出されて、前記第1中継基板75の前記コネクタ接続端子77に接続される配線WH1が挿通されるよう構成されている。前記配線挿通部56は、前記設置凹部51の左側において前記設置壁部41の下板部41Dに形成した開口55の左側に形成され、該開口55の右側部分は該開口55に連通している。従って、図8に示すように、第1基板設置部50の設置凹部51に前記基板保持部材60を装着していない状態では、前記設置部材40の前側から後側へ引き出された前記配線WH1を、該設置凹部51に設けられた前記検査部54側から配線挿通部56へ移動させることが可能となっている。
【0038】
また前記配線挿通部56は、図11(a)および図11(b)に示すように、第1基板設置部50の設置凹部51に前記基板保持部材60を設置した状態において、前記開口55に整合した前記弾性部67の操作部70により、該開口55との連通部分が閉口するようになっている。従って、配線挿通部56に挿通された配線WH1は、操作部70により該配線挿通部56から離脱することが防止されて、該配線挿通部56に適切に保持される。
【0039】
(第1中継基板)
前記第1中継基板75には、前記基板保持部材60から露出する表面75Aに、前記始動入賞装置30、特別入賞装置31および普通入賞具32に入賞したパチンコ球を検出する各球検出スイッチからの配線(図示せず)が接続されるコネクタ接続端子76や、前記配線挿通部56から設置部材40の後側へ引き出された配線WH1が接続されるコネクタ接続端子77等が配設されている。また表面75Aには、前記主制御装置120からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子78等が配設されている。従って第1中継基板75は、前記始動入賞装置30、特別入賞装置31および普通入賞具32の球検出スイッチや各種センサ等と主制御装置120とを電気的に接続する。
【0040】
前述のように構成された基板保持部材60に対して、前記第1中継基板75は、次のようにして装着される。すなわち、前記第1中継基板75を、その裏面75Bを前記設置面部61に対向させた状態で、該第1中継基板75の左端上部および左端下部を前記各基板係止部63の前側に差し込むと共に、該第1中継基板75の右部を設置面部61に向けて押し込むことで、当該第1中継基板75が基板保持部材60の設置段部61Aに支持される。そして、前記係止孔73に前記係止ボス64が係合すると共に、前記ネジ挿通孔74に挿通させたネジ79を前記ネジ締結ボス65に締結することで、第1中継基板75が設置面部61に固定される。そして、前述すると共に図10(a)に示すように、前記外周突壁部62の内周面における上下間隔L1が前記第1中継基板75の縦寸法M1と同じに設定され、該外周突壁部62の内周面における左右間隔L2が該第1中継基板75の横寸法M2と同じに設定されると共に、前記外周突壁部62の後端から前記設置段部61Aまでの深さL3が該第1中継基板75の板厚M3と同じに設定されていることで、前記外周突壁部62が、該第1中継基板75の端部75Cの略全周に亘って接触した状態で囲繞するようになる(図8、図9(b)参照)。そして、第1中継基板75の裏面75Bに形成されたプリント回路部が前記設置面部61に被覆保護される。
【0041】
また、前述のように構成された第1基板設置部50に対して、前記第1中継基板75を装着した前記基板保持部材60は、次のようにして装着される。すなわち、前記基板保持部材60の右端上部および右端下部を前記保持片部52の前側に差し込むと共に、該基板保持部材60の右部を設置凹部51に向けて押し込むことで、前記弾性部67の変位部69が前記各係止受部53,53の当接面53Aに当接して該変位部69が設置面部61側へ移動し、これにより基板保持部材60が設置凹部51に収容される。このとき、前記基板保持部材60の前記傾斜面66を前記設置凹部51の底壁部51Aに当てることで該基板保持部材60の差し込み時の姿勢が安定し、第1基板設置部50に対して該基板保持部材60を簡易に差し込むことができる。そして、基板保持部材60が設置凹部51に適切にセットされると、前記前記変位部69に対する前記各当接受部53,53の当接が解除され、該係止受部53,53の係止面53Bに前記係止突部71,71が係止される。また、前述すると共に図8に示すように、前記外周壁部51Bの上下間隔S1が前記基板保持部材60の縦寸法T1と同じに設定され、該外周壁部51Bの左右間隔S2が基板保持部材60の横寸法T2と同じに設定されると共に、前記下板部41Dの後面から前記底壁部51Aの外面までの深さS3が前記基板保持部材60の厚さ寸法T3と同じに設定されていることで、前記外周壁部51Bが、該基板保持部材60の外縁の略全周に亘って接触した状態で囲繞するようになる(図7、図12参照)。更に、前記設置凹部51に設けた前記検査部54が前記基板保持部材60で被覆されると共に、外周壁部51Bと基板保持部材60の外縁との間から針状や薄板状の異物を挿入することが不可能であるから、該基板保持部材60は不正防止部材として機能する。
【0042】
(第2基板保持部)
第2基板設置部80は、図6および図15に示すように、矩形状に形成された第2中継基板85の外縁形状に合致する内縁形状に形成されて後方へ開口する矩形の枠状部81と、この枠状部81の内壁面に形成されて第2中継基板85を裏側から支持する支持部(図示せず)と、枠状部81の下縁部において左右に離間して配設されて下方へ突出した2つの係止爪82,82と、該枠状部81の上縁部において左右に離間して配設されて後方へ突出した2つの係止フック83,83とを備える。各係止フック83は、第2中継基板85の上縁部に係止する爪部が先端側において下方へ突設されると共に、先端側が上方へ変位するように弾性変形が可能となっている。従って第2中継基板85は、その下縁部を前記各係止爪82,82の前側へ差し込むと共に上縁部を前方へ押すことで、前記各係止フック83の弾性変形により枠状部81の内側にセットされる。そして、前記各係止爪82が第2中継基板85の下縁部に後方から係止すると共に、各係止フック83が該第2中継基板85の上縁部に後方から係止することで、該第2中継基板85は第2基板設置部80に着脱可能に係止保持される。
【0043】
(第2中継基板)
前記第2中継基板85は、図6、図13および図15に示すように、前記主制御装置120からの配線、前記統括制御装置121からの配線、前記表示制御装置122からの配線、前記第1〜第3可動演出装置47,48,49からの配線等が多数接続され、これらを電気的に接続するものである。すなわち第2中継基板85の表面85Aには、主制御装置120からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子86や、統括制御装置121からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子87や、表示制御装置122からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子88が配設されている。また第2中継基板85には、前記第1〜第3の各可動演出装置47,48,49からの各配線が各々接続される複数のコネクタ接続端子89や、遊技盤Dの遊技領域20の外側右下部に配設された電気部品36(図3、図5参照)に接続されて該遊技盤Dの後面に引き出された配線WH2(後述)が接続されるコネクタ接続端子90等も配設されている。従って第2中継基板85は、前記主制御装置120、統括制御装置121、表示制御装置122、第1〜第3可動演出装置47,48,49および電気部品36等を電気的に接続する。
【0044】
ここで、実施例における前記電気部品36としては、特図表示器や普図表示器である。前記電気部品36としての特図表示器とは、前記始動入賞装置30の始動入賞口30Aへのパチンコ球の入賞を契機として変動表示を開始する発光表示部から構成されて、該発光表示部で複数種類の特別図柄(大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄)を表示するものである。また、前記電気部品36としての普図表示器とは、前記球通過ゲート34でのパチンコ球の通過を契機として変動表示を開始する発光表示部から構成されて、該発光表示部で複数種類の普通図柄を表示するものである。
【0045】
(配線保持構造)
次に、前記設置部材40に設けた配線保持構造について、図面を引用して説明する。実施例のパチンコ機Pは、図6および図13〜図15に示すように、前記設置部材40の右部下側(図6、図13〜図15では左側)に、配線保持部103が設けられている。この配線保持部103は、前記電気部品36から前記遊技盤Dの裏側と前記設置部材40の設置壁部41との間に画成された前記空間SPを介して外側へ引き出された前記配線WH2を保持するようになっている。
【0046】
(配線挿通口)
前記設置部材40の外周壁部42における右側部分は、前記配設保持部103よりも上方において上下に分離していて、この分離した部分の下方を構成する第1壁部(一方の壁部)101と、該分離した部分の上方を構成する第2壁部(他方の壁部)102とに分かれている。そして、前記第1壁部101と第2壁部102との間には、前記外周壁部42の前端部42Aに開口して該先端部42Aから前記設置壁部41まで延在する配線挿通口100が形成されている。前記配線挿通口100は、後述するように、遊技盤Dの後面に引き出された配線WH2を挿通することが可能な開口広さ、開口形状に形成されている。
【0047】
(隙間)
また、図6および図14に示すように、前記遊技盤Dの裏側に設置部材40を装着した状態において、前記第1壁部101と前記遊技盤Dの後面との間には、前記配線挿通口100に連通すると共に、前記配線WH2を前記空間SPから外周壁部42の外側へ引き出し可能な隙間104が設けられている。すなわち、第1壁部101における外周壁部42の前端部42A側は、該前端部42Aより後方へ切り欠かれており、該第1壁部101の前端部101Bは、遊技盤Dの後面から後方へ離間している。従って、図5および図15に示すように、遊技盤Dの後面に前記設置部材40を取り付ける際には、該遊技盤Dの後側へ引き出された前記配線WH2を前記隙間104に整合させることで、該配線WH2を外周壁部42の外方へ引き出した状態で該設置部材40を該遊技盤Dに取り付けることが可能となっている。
【0048】
また、図13〜図15に示すように、前記第1壁部101の前記配線挿通口100に臨む開口端部には、案内端部(案内部)105が形成されている。この案内端部105は、外周壁部42の前記前端部42A側から前記設置壁部41側に近づくにつれて前記第2壁部102側へ徐々に近づくように延在する第1湾曲形状部105Aと、該第1湾曲形状部105Aから該設置壁部41に近づくにつれて該第2壁部102から徐々に離れるように延在する第2湾曲形状部105Bとで構成されている。すなわち前記配線挿通口100は、前記第1壁部101の案内端部105の形状により外周壁部42の前端部42Aにおいて上下方向の開口幅Wが最大となっていると共に、該前端部42Aと設置壁部41との間の中途部分に狭窄部が設けられている。そして、前記案内端部105の前記第1湾曲形状部105Aは、前記第1壁部101の前記前端部101Bに連なっており、図15に示すように、前記隙間104を介して外周壁部42の外方へ引き出された前記配線WH2は、前記第1壁部101の前端部101Bから第1湾曲形状部105Aに沿わせることで、前記配線挿通口100の前記狭窄部へ円滑に導かれるよう構成されている。また、前記案内端部105の前記第2湾曲形状部105Bは、前記第1壁部101における前記配線保持部103に臨む後端部に連なっており、図15に示すように、前記配線挿通口100に導かれた前記配線WH2は、第2湾曲形状部105Bに沿わせることで、前記配線保持部103へ円滑に導かれるよう構成されている。
【0049】
(案内壁部)
図6および図13〜図15に示すように、前記外周壁部42における前記第2壁部102には、該配線挿通口100に臨む部位から前記空間SP側へ変位すると共に、前記第1壁部101の該空間SP側まで延出する案内壁部106が設けられている。すなわち案内壁部106は、前記配線挿通口100に臨む部分において、前記第2壁部102から前記空間SP側へ傾斜状に延出する第1案内面106Aと、この第1案内面106Aの端縁に連なり、前記第1壁部101より空間SP側に位置して該第1壁部101の裏面と平行に下方へ延在する第2案内面106Bとを備えている。すなわち、前記第1壁部101と前記案内壁部106とは、所要の間隔をおいて左右方向に対向した状態で設けられている。なお、前記案内壁部106の第1案内面106Aおよび第2案内面106Bは、外周壁部42の前端部42A側から設置壁部41側に近づくにつれて前記第1壁部101とは反対側(空間SP側)へ傾斜するように形成されており(図13参照)、配線挿通口100に挿通させた配線WH2を配線保持部103へ保持させる際に、該配線WH2を設置壁部41の後側(図13の右側)へ移動させ易くなっている。
【0050】
また、図13および図14に示すように、前記案内壁部106における前記第2壁部102と反対側の下端部から、前記第1壁部101の裏面に向けて、水平に延在する壁部107が設けられている。この壁部107は、設置壁部41の下板部41Dから遊技盤Dの裏面側へ略水平に延出している(図14参照)。また、前記案内壁部106は、外周壁部42前端部42Aに近づくつれて第2壁部102側へ変位する傾斜面108が形成されている。すなわち前記傾斜面108は、前記第1壁部101に設けた前記案内端部105とは反対方向へ変位しており、図14から明らかなように、案内壁部106が前記隙間104から上方へ退避するように形成されているから、該隙間104に挿通させる前記配線WH2が該案内壁部106で挟み込まれ難く構成されている。
【0051】
(配線保持部)
そして、図13〜図15に示すように、前記第1壁部101と、前記案内壁部106および前記壁部107で囲まれた領域が、前述した配線保持部103として構成されている。すなわち配線保持部103は、前記配線挿通口100と空間的に連通するように画成されており、該配線挿通口100を介して前記外周壁部42の側方および設置壁部41の後側へ開口している。従って、前記第1壁部101の案内端部105に沿わせて前記配線挿通口100へ導かれた前記配線WH2は、前記案内壁部106の前記第1案内面106Aおよび第2案内面106Bに沿わせることで、前記配線保持部103に導かれるように構成されている。そして、前記配線保持部103に保持されて設置部材40の後側へ引き出された前記配線WH2は、図13および図15に示すように、前記第2中継基板85のコネクタ接続端子90に接続することが可能となっている。
【0052】
なお、前記配線保持部103は、前記外周壁部42において、前記配線WH2における前記空間SP内への引き回し部分に最も近接する該外周壁部42の部位を含むよう形成されている。従って、前記配線WH2は、前記空間SP内を最短距離で延在した後に配線保持部103に保持されるようになり、該配線WH2が前記空間SP内で長く引き回されることを防止し得る。
【0053】
(可変掛止部)
前記設置部材40の設置壁部41の後面には、前記配線保持部103から前記第2中継基板85に至る間に、可撓変形自在に構成された可変掛止部110が設けられている。この可変掛止部110は、該配線保持部103から引き出された前記配線WH2において、該配線保持部103と前記第2中継基板85との間の部分を係止して保持するためのものである。すなわち可変掛止部110は、例えばゴムやウレタン等を材質とした柔軟性を有するもので、上方が分離した環状の配線掛止部111と、該配線掛止部111に一体成形されて設置板部にネジ等で固定される固定部112とを備えてする。前記配線掛止部111は、上方が拡開するように弾性変形が可能となっており、前記配線WH2を挿脱可能に掛止し得るようになっている。従って、配線WH2における設置部材40の後側に引き出された部分を、前記可変掛止部111に挿通して掛止させることで、この引き出された部分が下方へ垂れ下がったり揺れ動くことが防止される。
【0054】
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、前述したように、第1中継基板75が取り付けられた基板保持部材60は、該基板保持部材60を第1基板設置部50の設置凹部51に整合させながら後方から押し込むことで、前記弾性部67の変位部69が設置面部61に近接するように該弾性部67が変形するので、該第1基板設置部50に簡単かつ確実に設置することが可能である。すなわち、第1中継基板75を第1基板設置部50の設置凹部51に取り付けるに際して、ネジ等を締結する必要がない。そして、第1中継基板75が取り付けられた基板保持部材60を第1基板設置部50にセットすると、弾性部67に設けた係止突部71が該第1基板設置部50に設けた係止受部53に係止することで、設置凹部51を挟んだ左右両側に位置する保持片部52,52および係止受部53に基板保持部材60が係止されるので、第1中継基板75を第1基板設置部50に確実かつ安定的に保持することができる。
【0055】
また、第1中継基板75が取り付けられた基板保持部材60を第1基板設置部50から取り外す際には、前記操作部70を操作して弾性部67を弾性変形させることで、第1基板設置部50に設けた前記係止受部53と基板保持部材60の弾性部67に設けた係止突部71との係合が解除されるので、第1中継基板75を取り付けた該基板保持部材60を第1基板設置部50から簡単かつ容易に取り外すことができる。
【0056】
また、設置部材40の前側から該設置部材40の後側へ引き出されて第1中継基板75のコネクタ接続端子77に接続される配線WH1を、第1基板設置部50に隣接する部位に設けられた配線挿通部56に挿通させるようにしたので、該配線WH1が第1中継基板75の隣接した部位に引き出されるようになり、該配線WH1を第1中継基板75のコネクタ接続端子77に簡単かつ容易に接続することができる。そして前記配線挿通部56は、前記第1基板設置部50へ開口した形状に形成されているので、基板保持部材60を第1基板設置部50に取り付ける前に、設置部材40の前側から後側へ引き出した配線WH1を、該第1基板設置部50側から配線挿通部56へ簡易に挿通させることができ、該配線WH1の挿通作業を簡単かつ短時間で行なうことができる。また前記配線挿通部56は、第1基板設置部50に基板保持部材60を取り付けると、操作部70により第1基板設置部50に対して閉口するよう構成されているので、基板保持部材60を第1基板設置部50に取り付けた後には、配線挿通部56に挿通させた配線WH1を適切に保持することができる。
【0057】
また、前記第1中継基板75を前記基板保持部材60に装着することで、該基板保持部材60における前記外周突壁部62の内周面が、該第1中継基板75の端部75Cの略全周に亘って接触した状態で囲繞するから、該外周突壁部62と第1中継基板75の端部75Cとの間から針状や薄板状の異物を挿入することが不可能であり、該異物を挿入することによる不正行為を好適に防止し得る。また、第1中継基板75の裏面75Bに形成されたプリント回路部が、基板保持部材60の前記設置面部61により好適に被覆保護される。
【0058】
更に、前記第1中継基板75を装着した前記基板保持部材60を前記第1基板設置部50の設置凹部51に装着することで、前記外周壁部51Bの内周面が該基板保持部材60の外縁の略全周に亘って接触した状態で囲繞するから、該外周壁部51Bと基板保持部材60の外縁との間から針状や薄板状の異物を挿入することが不可能であり、該異物を前記検査部54へ挿入することによる不正行為を好適に防止し得る。
【0059】
また実施例のパチンコ機Pでは、前記設置部材40を遊技盤の裏側に取り付けた後に、前記空間SPから該設置部材40の外周壁部42の外側へ引き出されていた配線WH2を、該外周壁部42に設けた配線挿通口100を介して配線保持部103へ保持させて該設置部材40の後側へ引き出し、該設置部材40の設置壁部41の裏側に配設した前記第2中継基板85のコネクタ接続端子90に接続するように構成されているので、該配線WH2の配線処理が容易となると共に、遊技盤Dに対する設置部材40の組付作業を効率的に行ない得る。そして、遊技盤Dの後面に設置部材40を組み付ける際に、前記配線WH2を第1壁部101の前端部41A側に設けられる隙間104に整合させることで、設置部材40と遊技盤Dの後面との間に配線WH2が挟み込まれる不都合も回避でき、挟み込みによる該配線WH2の破断を防止し得る。更に、前記配線WH2を通すための挿通孔を設置部材40の設置壁部41に設ける必要がないので、該設置壁部41に配設される電気部品の配設位置に制約を受けることがない。
【0060】
そして、前記隙間104から外方へ引き出した前記配線WH2は、前記第1壁部101に設けた案内端部105の第1湾曲形状部105Aに沿わせることで配線挿通口100へ適切に導くことができ、該案内端部105の第2湾曲形状部105Bに沿わせると共に前記第2案内壁部106の第1案内面106Aおよび第2案内面106Bに沿わせることで配線保持部103へ簡易に保持させることができる。しかも、前記案内端部105が、配線挿通口100に向けて凸となる曲線状に延在するように形成されているので、該案内端部105に沿わせて配線WH2を配線挿通口100に導く際に、該配線WH2の被覆材が傷付くことを防止し得る。また前記配線挿通口100は、外周壁部42の前端部42A側の開口幅Wが最大になっているので、案内端部105に沿わせた配線WH2を該配線挿通口100へ適切に挿通させることができる。
【0061】
また、前記第2壁部102には、配線挿通口100に臨む部位から前記空間SP側へ変位すると共に、前記第1壁部101の該空間SP側まで延出する案内壁部106が設けられているので、該配線挿通口100へ導かれた前記配線WH2は、該案内壁部106の前記第1案内面106Aおよび第2案内面106Bに沿わせることで、前記配線保持部103に適切に導いて保持させることができる。従って前記配線WH2を配線保持部103へ簡単かつ容易に保持させることが可能である。
【0062】
更に、配線保持部103に臨む前記壁部107が前後に延在するように形成されているので、該配線保持部103に保持させた配線WH2に対して前記壁部107が広い面で接触するので、該配線WH2の被覆材が傷付くことを防止し得る。
【0063】
また更に、配線WH2における配線保持部103と第2中継基板85との間の部分を、設置部材40の設置壁部41の後側に配設した可変掛止部110の配線掛止部111に掛止するようにしたので、該配線WH2が設置部材40の後側において垂れ下がって撓んだり揺れ動くことを好適に防止することができる。従って、配線WH2が第2中継基板85のコネクタ接続端子90から脱抜して接続が解除されたり、該配線WH2が断線する等の不都合が発生することを防止し得る。しかも、可撓変形自在な前記可変掛止部110を採用することで、配線WH2が引き回される態様に応じて該可変掛止部110を適宜変形させることができ、配線処理を効率的に行うことが可能となる。
【0064】
(変更例)
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、基板保持部材60の左端に弾性部67を設けた形態を例示したが、この弾性部67の形成位置はこれに限らず、、該基板保持部材60の右端に弾性部67を設けてもよいし、上端または下端に設けてもよい。
(2)実施例では、前記配線挿通部56を、前記弾性部67に設けた操作部70に相対する位置(第1基板設置部50の左側)に設けたが、該配線挿通部56の形成位置はこれに限らず、第1基板設置部50の周囲において設置凹部51に隣接する部位であれば、該第1基板設置部50の右側、上側または下側であってもよい。
(3)配線掛止部110は、ゴムやウレタンを材質としたものに限定されず、ピアノ線や熱可塑性エラストマ等を材質としたものであってもよい。また配線掛止部110は、前記設置壁部41の下板部41Dに直接に形成したものであってもよい。
(4)前記配線挿通口100が設けられる位置は、前述したように、実施例で例示した外周壁部42の右側部分に限定されるものではなく、遊技盤Dの後面と設置部材40の間の空間SPに引き回されて配線保持部103に保持される前記配線WH2の引き出し位置に近い位置であればよく、外周壁部42の左側部分、上側部分または下側部分であってもよい。
(5)前記電気部品36は、実施例に例示した特図表示器や普図表示器に限らず、前記遊技盤Dに配設される電気機器や電子機器の全てが対象とされる。また電気部品36は、設置部材40の前側に配設された電気機器や電子機器等であってもよい。
(6)前記配線保持部103に保持される配線は、第1中継基板75に配設したコネクタ接続端子に接続されるものや、設置部材40の設置壁部41の後側に配設される別の基板に配設されたコネクタ接続端子に接続されるものであってもよい。
(7)前記案内端部105は、実施例で例示したような配線挿通口100側へ凸となる曲線状に限定されず、前端部42Aから設置壁部41に近づくにつれて配線挿通口100側へ徐々に延出する直線状としてもよいし、配線挿通口100に対して凹となる曲線状に形成してもよい。
(8)前記隙間104を第2壁部102側に設けると共に、前記案内端部105を、該第2壁部102の配線挿通口100に臨む開口端部に設けるようにしてもよい。
(9)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機等であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
36 電気部品,40 設置部材,41 設置壁部,42 外周壁部,42A 前端部
85 第2中継基板(基板),100 配線挿通口,101 第1壁部(一方の壁部)
101A 開口端部,102 第2壁部(他方の壁部),103 配線保持部
104 隙間,105 案内端部(案内部),106 案内壁部,110 可変掛止部
D 遊技盤,SP 空間,W 開口幅,WH2 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開放する箱状に形成されて、遊技盤の後面と所要の空間を画成して相対する設置壁部の外周囲から前方へ延出する外周壁部の前端部を該後面に対向した状態で該遊技盤に配設される設置部材と、前記設置部材の前記設置壁部の後側に配設され、前記遊技盤の前面に配設された電気部品から該遊技盤の後側へ引き出された配線が接続される基板とを備える遊技機において、
前記外周壁部には、該外周壁部を前記前端部から前記設置壁部まで切り欠いて該前端部に開口する配線挿通口が形成されると共に、該外周壁部における該配線挿通口を挟む一方の壁部の前記空間側に、前記配線挿通口に連通する配線保持部が設けられ、
前記一方の壁部と前記遊技盤の後面との間に、前記配線挿通口に連通するよう前記配線を前記空間から外周壁部の外側へ引き出し可能な隙間が設けられ、
前記一方の壁部の前記配線挿通口に臨む開口端部には、前記前端部から前記設置壁部に向かうにつれて該配線挿通口側へ徐々に変位する案内部が設けられ、
前記隙間を介して外周壁部の外側へ引き出した前記配線を、前記一方の壁部の案内部に沿わせながら前記配線挿通口へ導き、該配線挿通口を介して配線保持部へ保持させることで前記設置壁部の後方へ引き出すよう構成した
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記一方の壁部の開口端部に設けた前記案内部は、前記配線挿通口に向けて凸となる曲線状に延在する請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記外周壁部における前記配線挿通口を挟む他方の壁部には、該配線挿通口に臨む部位から前記空間側へ変位すると共に、前記一方の壁部の該空間側まで延出して前記配線保持部に臨む案内壁部が設けられ、
前記一方の壁部の案内部に沿わせて前記配線挿通口へ導いた前記配線を、前記案内壁部の前記配線挿通口に臨む外面に沿わせて前記配線保持部へ導くよう構成した請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記配線挿通口は、外周壁部の前端部で、該前端部に沿う方向における開口幅が最大となるように形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記設置部材の設置壁部の後面には、前記配線保持部から前記基板に至る間に、可撓変形自在に構成された可変掛止部が設けられ、該配線保持部から引き出した前記配線を可変掛止部で保持するよう構成された請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記配線保持部は、前記配線における前記空間内への引き出し部分に最も近接する前記外周壁部の部位を含むよう形成される請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−59480(P2013−59480A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199394(P2011−199394)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】