説明

遊技機

【課題】同一の演出内容が連続することを防止すること。
【解決手段】音声制御基板のサブCPUは、変動パターン指定コマンドを入力する度に予告カウンタのカウント値を「1」ずつ加算更新する一方、予告カウンタのカウント値が閾値である「3」に達した場合には、初期値を設定する。また、予告カウンタで記憶されるカウンタ値には、カウント値毎に異なる音声内容を対応付けた。統括CPUによって予告演出の実行が決定された場合、サブCPUは、予告カウンタに記憶されたカウント値を参照して該カウント値に対応付けられた音声内容で音声をスピーカに出力させる。このことにより、サブCPUが連続して同一の予告パターン指定コマンドを入力した場合であってもカウント値毎に異なる音声内容が対応付けられているため、制御に負担をかけることなく、同一の音声が連続することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、図柄変動ゲームの演出内容を指示する遊技制御手段(例えば、主制御基板)と、その遊技制御手段からの指示に基づき演出を制御する演出制御手段を備えている。そして、図柄変動ゲームの実行に際して、遊技制御手段は、図柄変動ゲームの変動時間を特定する変動パターンを決定し、その変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを演出制御手段に出力する。演出制御手段では前記変動パターンをもとに乱数による抽選を行い、図柄変動ゲームの演出内容を決定する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−210162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1においても、同一の演出が連続する虞がある。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、同一の演出内容が連続することを防止することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技球の入賞を検知する入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に、複数種類の図柄を変動させる図柄変動ゲームを大当りとするか否かの判定を行う大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に遊技者に有利な大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段と、を備えた遊技機において、前記図柄変動ゲームの開始に伴って指示される情報に従って、前記図柄変動ゲームに係わる装飾演出を装飾演出実行手段に実行させる装飾演出制御手段と、前記装飾演出の演出内容を特定するためのカウント値に、前記図柄変動ゲームの開始に伴って指示される情報の種類に関わらず、前記図柄変動ゲームの開始が指示される度に予め定めた同一値を加算又は減算することにより、前記カウント値を更新する変更手段と、前記変更手段により更新された前記カウント値を記憶する記憶手段と、を備え、前記カウント値には1つのカウント値に対して1つの装飾演出の演出内容が1対1の関係で対応付けられており、前記装飾演出制御手段は、前記記憶手段に記憶されたカウント値に対応する演出内容で装飾演出を実行させることを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、遊技機全体を制御する主制御手段と、前記主制御手段の指示内容に従って各種遊技演出を実行させる副制御手段と、を備え、前記副制御手段は、前記装飾演出制御手段、前記変更手段、及び前記記憶手段を含み、前記副制御手段は、前記主制御手段によって前記図柄変動ゲームの開始が指示されると、前記主制御手段によって指示された情報に従って、前記装飾演出を前記装飾演出実行手段に実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、同一の演出内容が連続することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】遊技盤を示す拡大図。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】予告パターン振分けテーブルを示す説明図。
【図5】音声出力処理の流れを示すフローチャート。
【図6】演出振分けテーブルを示す説明図。
【図7】(a)は、図柄変動ゲーム中における予告演出として、予告パターンYAが連続して選択された場合における音声出力態様を示すタイミングチャート、(b)は、図柄変動ゲーム中における予告演出として、予告パターンYA、予告パターンYB、予告パターンYAの順番で予告パターンが選択された場合における音声出力態様を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う装飾演出実行手段及び音声出力手段としてのスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
【0010】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、各種の表示器や各種の飾りを施したセンター役物20が装着されている。また、センター役物20の右下部には、7セグメント型のゲーム実行手段としての特図表示器(特別図柄表示器)H1が配設されている。また、センター役物20の略中央には、液晶ディスプレイ型のゲーム実行手段及び表示手段としての可変表示器(演出図柄表示器)H2が配設されている。特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームが行われる。
【0011】
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
【0012】
そして、特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器H1と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
【0013】
本実施形態において特図表示器H1には、[1]〜[8]までの数字が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[1][2][3]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図における大当り図柄(大当り表示結果)となる。一方、特図表示器H1に確定表示された図柄が[4]〜[8]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図におけるはずれ図柄(はずれ表示結果)となる。
【0014】
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において可変表示器H2は、特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、原則として、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)から原則としてはずれを認識できる。この図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
【0015】
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
【0016】
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器H1に[2]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器H1に[4]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0017】
以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲーム(1列の図柄を変動表示させる図柄変動ゲーム)に係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
【0018】
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた入賞検知手段としての始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する入賞検知手段としての始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口23が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得る場合がある。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。
【0019】
また、本実施形態のパチンコ機10は、始動入賞口22へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、始動保留球の記憶数(保留記憶数)として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。図柄変動ゲームが行われている場合に累積された保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、始動入賞口22に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口22へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、センター役物20の右下部には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための保留記憶数表示部Rが配設されている。
【0020】
保留記憶数表示部Rは、保留ランプR1、保留ランプR2、保留ランプR3及び保留ランプR4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプR1〜R4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプR1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
【0021】
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では1/300)から高確率(本実施形態では1/60)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、確変図柄を特図[1][3]の2種類と定めている。一方で、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた非確変図柄である場合、大当り遊技終了後、大当りの抽選確率が変動せずに通常確率を維持するようになっている。本実施形態では、非確変図柄を特図[2]の1種類と定めている。
【0022】
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
【0023】
そして、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
【0024】
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて特図表示器H1に大当り図柄が確定停止表示され、図柄変動ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技のオープニング演出が所定の演出時間行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定入賞個数の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技のエンディング演出が所定の演出時間行われ、大当り遊技は終了される。
【0025】
また、本実施形態のパチンコ機10の上球皿15の前面側略中央には、遊技中に遊技者の操作が許容される押し釦式の演出ボタン25が設けられている(図1参照)。この演出ボタン25が押下操作(操作)されると、演出ボタン25は、統括制御基板31(統括CPU31a)に演出ボタン25が操作されたことを示す検知信号を出力する。
【0026】
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0027】
以下、主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32、及び音声制御基板34について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU30aには、保留記憶数表示部Rが接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0028】
大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとする場合に特図表示器H1に確定停止表示させる特図としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。
【0029】
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
【0030】
また、本実施形態のROM30bに記憶されている変動パターンは、図4に示すように、はずれ演出用の変動パターンP1と、はずれリーチ演出用の変動パターンP2と、大当り演出用の変動パターンP3の3種類である。
【0031】
また、はずれ演出用の変動パターンP1に基づく図柄変動ゲームが行われた際、リーチ演出を経ずに、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれを認識できるはずれ図柄([4]〜[8])及びはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP2に基づく図柄変動ゲームが行われた際、可変表示器H2でリーチ演出が行われ、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれを認識できるはずれ図柄([4]〜[8])及びはずれの図柄組み合わが確定停止表示されるようになっている。
【0032】
また、大当り演出用の変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームが行われた際、可変表示器H2でリーチ演出が行われ、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に大当りを認識できる大当り図柄([1]〜[3])及び大当りであることを認識できる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、確変大当りの場合は特図表示器H1に特図[1][3]のいずれかが確定停止表示される一方、非確変大当りの場合は特図表示器H1に特図[2]が確定停止表示される。リーチ演出は、センター役物20の飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
【0033】
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数は、通常状態(非確変状態)時の大当り判定値の数よりも多く設定されている。
【0034】
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。
主制御基板30のメインCPU30aは、始動入賞口22へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSE1が出力する検知信号を入力すると、RAM30cに記憶されている始動保留球の記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(始動保留球の記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、始動保留球の記憶数を1加算(+1)し、前記記憶数を書き換える。メインCPU30aは、保留記憶数を書き換えた後、該書き換えた後の保留記憶数を表示するために保留記憶数表示部Rの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値をRAM30cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を始動保留球の記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、メインCPU30aは、保留判定の判定結果が否定(始動保留球の記憶数=4)の場合、上限数を超える始動保留球の記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
【0035】
そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM30cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。なお、大当り判定においてメインCPU30aは、遊技状態が通常状態である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。
【0036】
大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU30aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特図)を決定する。なお、本実施形態では、特図による大当り図柄は、[1]〜[3]のいずれかであり、メインCPU30aはこれらの中から特図を決定する。さらに、前述したように特図の大当り図柄は、確変大当りとなる特図と非確変大当りとなる特図に分類されているため、本実施形態では、メインCPU30aが確変大当りであるか否かを判定することとなる。また、大当りを決定したメインCPU30aは、変動パターン振分用乱数の値をRAM30cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
【0037】
一方、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれ(はずれリーチも含む)を決定する。そして、はずれを決定したメインCPU30aは、特図表示器H1に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値をRAM30cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出(はずれリーチ演出も含む)用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態では、特図によるはずれ図柄は、[4]〜[8]のいずれかであり、メインCPU30aはこれらの中から特図を決定する。
【0038】
特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、メインCPU30aは、特図を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。
【0039】
また、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始時に始動保留球の記憶数を1減算(−1)し、始動保留球の記憶数を書き換える。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特図表示器H1の表示内容を制御する。すなわち、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。本実施形態では、メインCPU30aが、大当り判定を行う大当り判定手段となる。また、メインCPU30aが、大当り判定の判定結果が肯定の場合に大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段となる。さらに、メインCPU30aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段となる。また、メインCPU30aは、図柄変動ゲームをゲーム実行手段に実行させるゲーム制御手段となる。
【0040】
次に、メインCPU30aが実行する制御内容として、大当り遊技時の制御内容を説明する。
メインCPU30aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。
【0041】
また、大当り遊技を終了させたメインCPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの確変判定(状態移行判定)の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。具体的には、メインCPU30aは、最終停止図柄として特図[1][3]を表示した場合、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを設定する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄として特図[2]を表示した場合、遊技状態が通常状態であることを示すために、確変フラグをクリアする。なお、各フラグは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
【0042】
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、統括CPU31aの統括制御プログラムを格納するROM31b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。また、統括CPU31aには、演出ボタン25が接続されており、演出ボタン25から検知信号を入力することにより、演出ボタン25が操作されたことを検知することができる。 次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。同様に、統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドに対応した演出指示コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。
【0043】
また、統括CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて可変表示器H2に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾図を決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、特図の停止図柄指定として大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特図の大当り図柄をRAM31cに記憶する。このとき、統括CPU31aは、特図の停止図柄指定が確変大当りとなる特図の場合には確変大当りを認識し得る飾図の大当り図柄を決定し、特図の停止図柄指定が非確変大当りとなる特図の場合には非確変大当りを認識し得る飾図の大当り図柄を決定する。そして、飾図を決定した統括CPU31aは、飾図を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。
【0044】
また、統括CPU31aは、演出ボタン25の押下操作を検知した場合、ボタン操作されたことを示すボタン操作コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34にそれぞれ出力する。
【0045】
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができるサブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、サブCPU32aの表示制御プログラムを格納するROM32b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0046】
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。このとき、サブCPU32aは、選択した演出内容をもとにROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
【0047】
そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに可変表示器H2に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を可変表示器H2に確定停止表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
【0048】
また、サブCPU32aは、大当り遊技が付与されている場合、統括制御基板31が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。このとき、サブCPU32aは、ROM32bの画像データを用いて各演出の演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、サブCPU32aは、生成した表示用データをもとに可変表示器H2に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0049】
次に、図3に基づき音声制御基板34について説明する。
音声制御基板34には、制御動作を所定の手順で実行することができるサブCPU34aが備えられている。該サブCPU34aには、サブCPU34aの音声制御プログラムを格納するROM34b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM34cが接続されている。また、音声制御基板34(サブCPU34a)には、スピーカ17が接続されている。ROM34bには、スピーカ17の演出内容を制御するための音声制御プログラムが記憶されている。また、ROM34bには、音声演出用の音声データ(音楽用データ)が記憶されている。
【0050】
次に、音声制御基板34のサブCPU34aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU34aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、音声制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU34aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容をもとに、音声データを選択する。そして、サブCPU34aは、選択した音声データで音声演出を行わせるようにスピーカ17を制御する。そして、サブCPU34aは、図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って音声演出を終了させる。
【0051】
また、サブCPU34aは、大当り遊技が付与されている場合、統括制御基板31が出力する演出指示コマンドをもとに音声データを選択する。そして、サブCPU34aは、選択した音声データでオープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させるようにスピーカ17を制御する。
【0052】
そして、本実施形態では、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆する装飾演出としての予告演出(大当り予告)が実行される。この予告演出が実行されると、可変表示器H2には、所定のキャラクタ画像が表示されるようになっている。予告演出において出現するキャラクタ画像は、複数種類存在し(本実施形態では3種類)、キャラクタ画像の種類によって大当りとなる可能性の大小を示す大当り信頼度が異なるようになっている。これにより、予告演出を実行することで、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆するようになっている。
【0053】
以下、統括制御基板31が行う予告演出の実行に係る制御内容について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、ROM31bに記憶された予告パターン振分けテーブルを参照して、予告演出の実行に係る予告パターンを決定する。
【0054】
図4に示すように、予告パターン振分けテーブルには、変動パターンP1〜P3にパターン選択用乱数の値が所定個数ずつ振分けられており、その乱数値の振分けによって「予告パターンYA」、「予告パターンYB」、及び「予告パターンYC」の何れかが決定されるようになっている。なお、予告パターンYAは、可変表示器H2に表示される演出内容としてキャラクタAを特定するパターンであり、予告パターンYBは、可変表示器H2に表示される演出内容としてキャラクタBを特定するパターンである。また、予告パターンYCは、可変表示器H2に表示される演出内容としてキャラクタCを特定するパターンである(図6参照)。つまり、各予告パターンYA〜YCでは、1つの予告パターンで1つの表示演出としての演出内容が特定される。本実施形態では、予告パターンYAに基づく予告演出が最も大当り信頼度の高い演出として位置付けられており、続いて、予告パターンYBに基づく予告演出、予告パターンYCに基づく予告演出の順に大当り信頼度が低くなるように設定されている。なお、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンP3が選択される割合が最も低く、ついで、はずれリーチ演出用の変動パターンP2が選択される割合が低くなるように設定されている。そして、はずれ演出用の変動パターンP1が選択される割合が最も高くなるように設定されている。また、はずれ演出用の変動パターンP1には、パターン選択用乱数の値が1つも振分けられていないので、はずれ演出用の変動パターンP1が選択された場合、予告パターンYAに基づく予告演出は実行されない。
【0055】
また、パターン選択用乱数とは、統括CPU31aが所定の周期毎に更新する乱数であって、更新後の値はRAM31cの設定領域に記憶(設定)される。本実施形態では、パターン選択用乱数の取り得る数値を0〜49までの全50通りの整数としている。
【0056】
そして、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分けテーブルを参照してパターン選択用乱数の値をRAM31cから抽出し、予告パターンYA〜YCのいずれかを決定する。また、予告パターンを決定した統括CPU31aは、予告パターンを指示する予告パターン指定コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34にそれぞれ出力する。つまり、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力して予告パターン振分けテーブルから予告パターンを選択することで、特定の予告演出(本実施形態では、予告パターンYAに基づく予告演出)を実行させるか否かを判定することになる。本実施形態では、統括CPU31aが、変動パターンに基づき図柄変動ゲームをゲーム実行手段に実行させるゲーム制御手段となる。また、統括CPU31aは、予告パターンYAに基づく予告演出(装飾演出)を実行させるか否かを判定する装飾演出判定手段となる。なお、本実施形態では、予告パターンYAが対応付けられている変動パターンP2,P3が所定の変動パターンとなる。
【0057】
次に、表示制御基板32が行う予告演出の実行に係る制御内容について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から予告パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン指定コマンドにより指定された予告パターンで予告演出を表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。具体的には、サブCPU32aは、予告パターンYAを指示する予告パターンYA指定コマンドを入力すると、可変表示器H2に「キャラクタA」を表示させるように制御する。また、サブCPU32aは、予告パターンYBを指示する予告パターンYB指定コマンドを入力すると、可変表示器H2に「キャラクタB」を表示させるように制御する。また、サブCPU32aは、予告パターンYCを指示する予告パターンYC指定コマンドを入力すると、可変表示器H2に「キャラクタC」を表示させるように制御する。
【0058】
そして、本実施形態では、予告演出の演出内容である音声演出に関し、特定の予告パターン(本実施形態では予告パターンYA)では複数の音声内容が特定されるようになっている。そして、統括CPU31aが予告パターンYAを選択、決定すると、当該予告パターンYAを指示する予告パターンYA指定コマンドを入力したサブCPU34aが、該コマンドに基づいて複数の音声内容から1つの音声内容を選択、決定するようになっている。
【0059】
以下、音声制御基板34が実行する音声出力処理について説明する。 図5に示すように、サブCPU34aは、統括制御基板31から変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10の判定結果が否定(変動パターン指定コマンドを入力していない)の場合、サブCPU34aは音声出力処理を終了する。一方、ステップS10の判定結果が肯定(変動パターン指定コマンドを入力した)の場合、サブCPU34aは、RAM34cに設定された予告演出の演出内容を特定するための予告カウンタのカウント値に所定値として1加算(+1)し、その値を記憶させる(ステップS11)。
【0060】
次に、サブCPU34aは、予告カウンタのカウント値が「3」未満であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定結果が肯定(予告カウンタのカウント値<3)の場合、次に、サブCPU34aは、予告パターンYA指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS13)。
【0061】
ステップS13の判定結果が肯定(予告パターンYA指定コマンドを入力した)の場合、サブCPU34aは、予告カウンタのカウント値を参照し、スピーカ17から出力される音声内容を特定する(ステップS14)。本実施形態では、図6に示すように、予告カウンタに格納されるカウント値毎にそれぞれ異なる音声内容を対応付けている。具体的には、図6に示すように、カウント値が「0」である場合には、音声内容として「ニャー」というネコの鳴き声が特定されるようになっている。また、カウント値が「1」である場合には、音声内容として「ワン」というイヌの鳴き声が特定されるようになっている。また、カウント値が「2」である場合には、「チャンス」という音声が特定されるようになっている。そして、ステップS14で予告カウンタのカウント値を参照して音声内容を特定したサブCPU34aは、特定した音声内容で音声演出を実行させるようにスピーカ17を制御し、音声出力処理を終了する。
【0062】
なお、本実施形態では、予告パターンYA指定コマンドにて特定される音声内容は、予告パターンYAが特定する演出の有効期間中に演出ボタン25が操作されないとスピーカ17から出力されないようになっている。つまり、サブCPU34aはステップS14にて予告カウンタのカウント値を参照し、出力する音声内容を特定した後、ボタン操作コマンドを入力したか否かを判定し、その判定結果が肯定(ボタン操作コマンドを入力した)の場合のみ、予告カウンタのカウント値に対応付けられた音声内容で音声演出を行わせるようにスピーカ17を制御する。
【0063】
また、ステップS13の判定結果が否定(予告パターンYA指定コマンドを入力していない)の場合、サブCPU34aは、音声出力処理を終了する。一方、ステップS12の判定結果が否定(予告カウンタのカウント値=3)の場合、サブCPU34aは、ステップS15に移行し、予告カウンタのカウント値を初期値である「0」にリセットして該値を記憶させてからステップS13に移行して、予告パターンYA指定コマンドを入力したか否かを判定し、前述同様に音声出力処理を実行する。なお、当該音声出力処理は、如何なる遊技状態(確変状態、通常状態)においても実行される。
【0064】
本実施形態では、サブCPU34aが、変動パターン指定コマンドを入力する度に予告カウンタのカウンタ値を更新する変更手段となる。また、サブCPU34aが、カウント値が予め定めた閾値になったか否かを判定するカウント値判定手段となる。また、サブCPU34aが、カウント値が予め定めた閾値になった場合に初期値に戻す初期化手段となる。また、RAM34cが、更新された予告カウンタのカウント値を記憶する記憶手段となる。なお、装飾演出としての予告演出の中でも、特に、予告パターンYAに対応付けられた音声内容で行われる音声演出が本実施形態で示すところの装飾演出となる。
【0065】
ちなみに、予告カウンタのカウント値毎に対応付けられた各音声内容には、大当り信頼度は設定されていない。つまり、予告パターンYAが選択されて上記のいずれの音声内容が決定された場合であっても、各音声内容は予告パターンYAで特定される演出内容であり、各音声内容の大当り信頼度は予告パターンYAに基づくため同一となっている。
【0066】
また、予告パターンYB,YCには、予告カウンタが対応付けられていない。そして、予告パターンYBでは、音声内容として「当るかも」という音声が特定されるようになっている。さらに、予告パターンYCでは、音声内容として「残念」という音声が特定されるようになっている。つまり、予告パターンYAには1つのパターンに対して複数の音声内容が対応付けられているが、予告パターンYB,YCには、1つのパターンに対して1つの音声内容しか対応付けられていない。このため、サブCPU34aは、予告パターンYBが指定された場合には、「当るかも」という音声内容を出力させるようにスピーカ17を制御する。また、サブCPU34aは、予告パターンYCが指定された場合には、「残念」という音声内容を出力させるようにスピーカ17を制御する。
【0067】
次に、図柄変動ゲーム中における予告演出としての音声出力態様及び表示態様について図7にしたがって説明する。
図7(a)では、複数回の図柄変動ゲームで毎回予告パターンYAが選択されるものとして、すなわち、連続して予告パターンYAが選択されるものとして説明する。また、図7(a)の開始時におけるカウンタ値は、「0」であるものとして説明する。
【0068】
図柄変動ゲームが開始すると、表示制御基板32のサブCPU32a及び音声制御基板34のサブCPU34aは、前提より予告パターンYA指定コマンドを入力する。これにより、サブCPU32aは、「キャラクタA」が表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する(時点a1)。一方、サブCPU34aは、音声出力処理を実行し、変動パターン指定コマンドを入力すると、カウント値「0」に所定値「1」加算する。そして、サブCPU34aは、予告パターンYA指定コマンドを入力すると、カウント値「1」に基づき、イヌの鳴き声を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点a1)。これにより、時点a1において、可変表示器H2に「キャラクタA」が表示されつつ、イヌの鳴き声が出力される。
【0069】
次の図柄変動ゲームが開始すると、同様に、サブCPU32a及びサブCPU34aは、前提より予告パターンYA指定コマンドを入力する。これにより、サブCPU32aは、「キャラクタA」が表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する(時点a2)。一方、サブCPU34aは、音声出力処理を実行し、変動パターン指定コマンドを入力すると、カウント値「1」に所定値「1」加算する。そして、サブCPU34aは、予告パターンYA指定コマンドを入力すると、カウント値「2」に基づき、「チャンス」という音声内容を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点a2)。これにより、時点a2において、可変表示器H2に「キャラクタA」が表示されつつ、「チャンス」という音声が出力される。
【0070】
また、次の図柄変動ゲームが開始すると、同様に、サブCPU32a及びサブCPU34aは、前提より予告パターンYA指定コマンドを入力する。これにより、サブCPU32aは、「キャラクタA」が表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する(時点a3)。一方、サブCPU34aは、音声出力処理を実行し、変動パターン指定コマンドを入力すると、カウント値「2」に所定値「1」加算する。本実施形態では、予告カウンタの閾値が「3」であるため、サブCPU34aは、予告カウンタのカウント値「3」を「0」にリセットする。そして、サブCPU34aは、予告パターンYA指定コマンドを入力すると、カウント値「0」に基づき、ネコの鳴き声を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点a3)。これにより、時点a3において、可変表示器H2に「キャラクタA」が表示されつつ、ネコの鳴き声が出力される。
【0071】
さらに、図柄変動ゲームが開始すると、前述同様、可変表示器H2では「キャラクタA」が表示される一方、サブCPU34aが、カウント値「1」に基づき、イヌの鳴き声を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点a4)。これにより、時点a4において、可変表示器H2に「キャラクタA」が表示されつつ、イヌの鳴き声が出力される。
【0072】
このように、複数回の図柄変動ゲームで毎回予告パターンYAが選択されたとしても、音声出力内容が異なるようになっている。このため、予告パターンYAが連続して決定された場合、可変表示器H2では同一の表示演出が行われるが、スピーカ17からは同一の音声が連続して出力されることを防止することができる。また、サブCPU34aは、予告カウンタのカウント値を更新し、閾値に達するとカウント値に初期値を設定するため、カウント値を記憶するための容量が増えることがない。また、予告カウンタのカウンタ値にのみ複数の音声内容を対応付けたため、予告カウンタに記憶されるデータの容量を削減することができる。
【0073】
次に、図7(b)に基づき、説明する。図7(b)では、予告パターンYA、予告パターンYB、予告パターンYAの順番で、予告パターンが選択されるものとして説明する。また、図7(b)の開始時におけるカウンタ値は、「0」であるものとして説明する。
【0074】
図柄変動ゲームが開始すると、表示制御基板32のサブCPU32a及び音声制御基板34のサブCPU34aは、前提より予告パターンYA指定コマンドを入力する。これにより、サブCPU32aは、「キャラクタA」が表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する(時点b1)。一方、サブCPU34aは、音声出力処理を実行し、変動パターン指定コマンドを入力すると、カウント値「0」に所定値「1」加算する。そして、サブCPU34aは、予告パターンYA指定コマンドを入力すると、カウント値「1」に基づき、イヌの鳴き声を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点b1)。これにより、時点b1において、可変表示器H2に「キャラクタA」が表示されつつ、イヌの鳴き声が出力される。
【0075】
次の図柄変動ゲームが開始すると、サブCPU32a及びサブCPU34aは、前提より予告パターンYB指定コマンドを入力する。これにより、サブCPU32aは、「キャラクタB」が表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する(時点b2)。一方、サブCPU34aは、音声出力処理を実行し、変動パターン指定コマンドを入力すると、カウント値「1」に所定値「1」加算する。しかしながら、予告パターンYA指定コマンドを入力していないので、サブCPU34aは、予告パターンYB指定コマンドに基づき、「当たるかも」という音声内容を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点b2)。これにより、時点b2において、可変表示器H2に「キャラクタB」が表示されつつ、「当たるかも」という音声が出力される。
【0076】
また、図柄変動ゲームが開始すると、サブCPU32a及びサブCPU34aは、前提より予告パターンYA指定コマンドを入力する。これにより、サブCPU32aは、「キャラクタA」が表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する(時点b3)。一方、サブCPU34aは、音声出力処理を実行し、変動パターン指定コマンドを入力すると、カウント値「2」に所定値「1」加算する。本実施形態では、予告カウンタの閾値が「3」であるため、サブCPU34aは、予告カウンタのカウント値「3」を「0」にリセットする。そして、サブCPU34aは、予告パターンYA指定コマンドを入力すると、カウント値「0」に基づき、ネコの鳴き声を特定し、当該音声内容を出力させるようにスピーカ17の音声内容を制御する(時点b3)。これにより、時点b3において、可変表示器H2に「キャラクタA」が表示されつつ、ネコの鳴き声が出力される。
【0077】
このように、サブCPU34aは、変動パターン指定コマンドを入力する度に予告カウンタのカウント値を更新するため、予告パターンYA指定コマンドを連続して入力した場合においても同一の音声が出力されることなく、異なる音声が出力されるようになる。
【0078】
さらに、予告パターンYAが選択される確率は、予告パターンYB又は予告パターンYCが選択される確率よりも大幅に低い。すなわち、予告パターンYAに基づく予告演出は、通常、複数回の図柄変動ゲームを挟んで実行される確率が高い。従って、大当り信頼度が高い予告パターンYAに基づく予告演出が、続けて同じ演出内容で、頻発することはなくなり、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0079】
したがって、本実施形態では以下に示す効果を得ることができる。
(1)音声制御基板34のサブCPU34aは、変動パターン指定コマンドを入力する度に予告演出の演出内容を特定するための予告カウンタのカウント値を所定値「1」ずつ加算更新する。また、予告カウンタのカウント値が閾値である「3」に達した場合には、カウント値に初期値である「0」を設定する。また、予告カウンタで記憶されるカウンタ値には、カウント値毎に異なる音声内容が対応付けられている。そして、サブCPU34aは、統括CPU31aが予告パターンYAに基づく予告演出を実行すると判定した場合には、予告カウンタに記憶されたカウント値を参照して該カウント値に対応付けられた音声内容で音声演出を行わせるようにスピーカ17を制御する。以上のように、サブCPU34aは、予告カウンタのカウント値を更新し、閾値に達するとカウント値に初期値を設定するため、カウント値を記憶するための容量が増えることがない。また、予告パターンYAの演出内容を特定する予告カウンタのカウンタ値にのみ複数の音声内容を対応付けたため、予告カウンタに記憶されるデータの容量を削減することができる。また、統括CPU31aによって連続して予告パターンYAが決定され、該予告パターンに基づく予告演出の実行が決定された場合であっても、サブCPU34aは、変動パターン指定コマンドを入力する度に予告カウンタのカウント値を更新するので、同一の音声内容が連続することを防止することができる。
【0080】
さらに、予告カウンタのカウント値には変動パターン指定コマンドによって特定される値が加算されるのではなく、どの変動パターンが決定された場合であっても所定値ずつ(本実施形態では「1」)加算更新されるため、サブCPU34aは、変動パターンを特定するための制御を行わずに済み、サブCPU34aにかかる負担を減少させることができる。また、従来の遊技機では、変動パターン指定コマンドを入力する度に該コマンドに基づいて決定される値を演出内容決定用カウンタに加算更新していたため、同一の演出の連続発生を防止するためには該カウンタの格納値を少なくとも変動パターン指定コマンドの種類よりも多くしなければならなかった。一方、上記実施形態では、どの変動パターン指定コマンドを入力しても予告カウンタには所定値が加算されるため、予告カウンタのカウント値を予告パターンYAで特定される音声内容の種類と同じ数まで減らしても同一の音声が連続することを防ぐことができ、RAM34cの使用領域を削減することができる。
【0081】
(2)予告演出としての音声演出に関し、予告カウンタのカウント値毎に異なる音声内容を対応付け、カウント値毎に異なる音声内容で音声演出が行われるようにした。その一方、可変表示器H2では、図柄変動ゲームにおいて同一の表示内容で行われるようにした。このことにより、統括CPU31aによって予告パターンYAが連続して決定された場合、可変表示器H2では同一の表示演出が行われるが、スピーカ17からは同一の音声が連続して出力されることを防止することができる。
【0082】
(3)予告パターンYAの出現率を予告パターンYB,YCの出現率よりも低くなるようにした。図柄変動ゲームにおいて予告パターンYAが選択される確率が低くなることで、予告パターンYAで特定される音声が連続して実行される確率を低くすることができる。
【0083】
(4)サブCPU34aは、予告カウンタに記憶されるカウント値を、変動パターン指定コマンドを入力する度に所定値(本実施形態では「1」)ずつ加算更新するようにした。変動パターン指定コマンド毎に特定される値を予告カウンタに加算する場合は、どの変動パターン指定コマンドを入力したかを、該コマンド入力する度に特定しなければならなかったが、このようにすることで、予告カウンタのカウント値を更新する際に、どの変動パターン指定コマンドを入力したかを特定する制御を行わずに済む。
【0084】
(5)サブCPU34aは、どの遊技状態(確変状態、通常状態)であっても変動パターン指定コマンドを入力すると、予告カウンタのカウント値を加算更新する。このようにすることで、確変状態中は予告パターンYAが選択されないように構成されている場合であっても、確変状態中だけ変動パターン指定コマンドを入力しても予告カウンタのカウント値を加算更新しないという制御を行わずに済むので、サブCPU34aにかかる負担を減らすことができる。
【0085】
(6)予告パターンYAには複数の音声内容を対応付けた一方、予告パターンYB,YCには1種類の音声内容しか対応付けなかった。この場合、サブCPU34aが連続して予告パターンYA指定コマンドを入力した場合、カウント値を参照して前回出力した音声とは異なる音声を出力させるようにスピーカ17を制御する一方で、連続して予告パターンYB指定コマンドを入力した場合、連続して同一の音声を出力させるようにスピーカ17を制御することになる。このことにより、サブCPU34aが連続して予告パターンYA指定コマンドを入力した場合には、音声演出が単調ではなくなるとともに、音声が変化することによって遊技者に当該音声変化が大当りに当選する演出かもしれないと思わせることができる。
【0086】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態において、サブCPU34aは予告カウンタのカウント値を加算更新するものとしたが、該値を減算更新するようにしても良い。
【0087】
○ 上記実施形態において、変動パターンの種類は、変動パターンP1〜P3の3種類に限られず、3種類以上であっても良い。また、すべての変動パターンに対して予告パターンが選択されるようにパターン選択用乱数の値を振分けても良いし、予告パターンが選択されないようにパターン選択用乱数の値が振分けられない変動パターンを設定しても良い。
【0088】
○ 上記実施形態において、複数の音声が対応付けられる予告パターンは予告パターンYAに限られず、予告パターンYB,YCに対応付けても良い。このようにすることで、どの予告パターンが連続して決定された場合であっても、同一の音声が連続して出力されることを防止することができる。
【0089】
○ 上記実施形態において、予告カウンタのカウント値の閾値は「3」に限られず、「2」でも「3」以上であっても良い。「3」以上の場合、さらに異なる音声内容を対応付けることができるので、音声演出の幅が広がる。
【0090】
○ 上記実施形態において、装飾演出は予告演出に限られず、リーチ演出等の表示演出であっても良い。また、上記実施形態では、予告パターンYAで特定される複数の音声を装飾演出としたが、例えば、予告パターンYAで特定される表示演出を複数種類、設定するといったように変更しても良い。つまり、スピーカ17以外の遊技演出装置で装飾演出が実行されるようにしても良い。
【0091】
○ 上記実施形態において、音声出力処理は、時短状態においても実行されるようにしても良い。なお、時短状態とは、変動時間短縮状態のことであり、図柄変動ゲームとは異なる普通図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮される状態のことである。それに加えて、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動条件付与手段(例えば、作動ゲート)を遊技球が通過し、検知された場合に行われる普通図柄変動ゲームの抽選の抽選確率(当りの当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する状態のことでもある。
【0092】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記変更手段は、前記カウント値を減算更新することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【0093】
(ロ)前記所定の変動パターンの選択率がそれ以外の変動パターンの選択率よりも低くなるように構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、及び前記技術的思想(イ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0094】
(ハ)前記図柄変動ゲームにおいて前記装飾演出の出現率がそれ以外の装飾演出の出現率よりも低くなるように構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、及び前記技術的思想(イ),(ロ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0095】
H1…特図表示器(ゲーム実行手段)、H2…可変表示器(ゲーム実行手段、表示手段)、SE1…始動口センサ(入賞検知手段)、10…パチンコ機(遊技機)、17…スピーカ(装飾演出実行手段、音声出力手段)、20…センター役物、22…始動入賞口(入賞検知手段)、25…演出ボタン、30…主制御基板、30a…メインCPU(大当り判定手段、大当り遊技付与手段、変動パターン決定手段、ゲーム制御手段)、30c…RAM、31…統括制御基板、31a…統括CPU(ゲーム制御手段、装飾演出判定手段)、31b…ROM、31c…RAM、32…表示制御基板、32a…サブCPU、34…音声制御基板、34a…サブCPU(装飾演出制御手段、変更手段、カウント値判定手段、初期化手段)、34b…ROM、34c…RAM(記憶手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の入賞を検知する入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に、複数種類の図柄を変動させる図柄変動ゲームを大当りとするか否かの判定を行う大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に遊技者に有利な大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段と、を備えた遊技機において、
前記図柄変動ゲームの開始に伴って指示される情報に従って、前記図柄変動ゲームに係わる装飾演出を装飾演出実行手段に実行させる装飾演出制御手段と、
前記装飾演出の演出内容を特定するためのカウント値に、前記図柄変動ゲームの開始に伴って指示される情報の種類に関わらず、前記図柄変動ゲームの開始が指示される度に予め定めた同一値を加算又は減算することにより、前記カウント値を更新する変更手段と、
前記変更手段により更新された前記カウント値を記憶する記憶手段と、を備え、
前記カウント値には1つのカウント値に対して1つの装飾演出の演出内容が1対1の関係で対応付けられており、
前記装飾演出制御手段は、前記記憶手段に記憶されたカウント値に対応する演出内容で装飾演出を実行させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技機全体を制御する主制御手段と、
前記主制御手段の指示内容に従って各種遊技演出を実行させる副制御手段と、を備え、
前記副制御手段は、前記装飾演出制御手段、前記変更手段、及び前記記憶手段を含み、
前記副制御手段は、前記主制御手段によって前記図柄変動ゲームの開始が指示されると、前記主制御手段によって指示された情報に従って、前記装飾演出を前記装飾演出実行手段に実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−59670(P2013−59670A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284421(P2012−284421)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2008−84402(P2008−84402)の分割
【原出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】