遊技装置
【課題】 遊技価値のデータにより遊技が可能な遊技機において、遊技中にデータとしての遊技価値を用いて景品交換を可能とする。
【解決手段】 遊技店システムは、遊技者が保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機1と、遊技者を特定するIDをICカードにより入力可能なカードユニット20と、景品交換の処理を行うための携帯情報端末60とを備える。遊技者が保有する遊技価値は、遊技球を発射可能とし、上限値が設定された発射可能球数と、発射可能球数との間で遊技媒体数を移動可能な持球数とに分けている。発射可能球数は遊技機1に記憶され、持球数はカードユニット20に記憶される。発射可能球数は遊技球を発射すると減算され、賞球が発生すると加算される。発射可能球数の上限値を超えた超過分は、持球数に加算される。携帯情報端末60は、カードユニット20に記憶された持球数を景品に交換する。
【解決手段】 遊技店システムは、遊技者が保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機1と、遊技者を特定するIDをICカードにより入力可能なカードユニット20と、景品交換の処理を行うための携帯情報端末60とを備える。遊技者が保有する遊技価値は、遊技球を発射可能とし、上限値が設定された発射可能球数と、発射可能球数との間で遊技媒体数を移動可能な持球数とに分けている。発射可能球数は遊技機1に記憶され、持球数はカードユニット20に記憶される。発射可能球数は遊技球を発射すると減算され、賞球が発生すると加算される。発射可能球数の上限値を超えた超過分は、持球数に加算される。携帯情報端末60は、カードユニット20に記憶された持球数を景品に交換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機、及び前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機を備えた遊技装置と、前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバと、前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置と、を備えた遊技店の遊技店システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチンコ機など設置される遊技店では、サービス員が遊技店内を巡回して遊技中の遊技者から飲み物やタバコなどの景品と遊技者の保有する遊技媒体(遊技球、メダル)との交換で注文を受け、注文された景品を遊技中の遊技者に届けるサービス(例えば、所謂ワゴンサービス)が行われている。すなわち、計数して景品交換用の遊技球数に確定される前の遊技に使用可能な遊技媒体を、遊技中に景品と交換するサービスが行われている。なお、交換に使用された遊技球は、その後、計数されて景品交換された遊技球として処理される。
この場合、パチンコ機であれば下皿又は球箱に貯留されている遊技球をサービス員に渡し、スロットマシンであれば受け皿又はメダル箱に貯留されているメダルをサービス員に渡すことになる。
【0003】
一方、遊技者が遊技で獲得した遊技媒体数を計数した際に、ICカード等の記憶媒体に記憶されたIDに対応づけて計数された遊技媒体数を貯球数として記憶可能とするとともに、前記IDに基づいて記憶された貯球数を読み出し可能とし、該貯球数を遊技に使用する遊技媒体もしくは景品に交換可能な遊技場の景品交換システムが知られている。
なお、ここで、交換とは、交換すべき遊技媒体数や景品に対応する遊技媒体数を記憶されている貯球数から減算し、それに応じて遊技媒体や景品を遊技者に引き渡すことである。
【0004】
そして、上述のような景品交換システムにおいて、遊技中の遊技者が、サービス員を呼び出して景品を注文するとともに、前記IDに対応して記憶された貯球数を注文した景品と交換可能とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、この場合は、遊技に使用可能な遊技媒体ではなく、計数されて景品交換用(遊技に使用可能な遊技媒体数に変換可能)に確定された貯球数を景品と交換することになり、遊技者が景品交換カウンタに出向かないことを除いては、通常の景品交換と同様の処理となる。
【0005】
また、遊技媒体を払い出すことなく、遊技機内に封入された遊技球を循環使用し、データとしての、遊技者が所有する持球数を遊技球の発射に応じて減算し、当該持球数に遊技における入賞の発生に基づく賞球数を加算する封入球式遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記封入球式遊技機においては、遊技者が保有する全ての持球数が表示され、遊技者はこの表示により自分の持球数を知ることができ、また、持球数が0となるまで遊技球の発射が可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−276519号公報
【特許文献2】特開平9−000725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、封入球式遊技機の場合には、遊技媒体が払い出されないため遊技媒体と景品を交換するサービスが利用できない。
そこで、特許文献1におけるデータとしての貯球数を用いて遊技中の遊技者が景品交換を行う構成を、データとしての持球数で遊技を行う特許文献2の封入球式遊技機の構成に組合わせることで、封入球式遊技機を遊技中の遊技者が、その場で持球数のデータを用いて景品交換を可能とすることが考えられる。
しかしながら、この場合次のような問題が有る。
ここで、従来、遊技中に景品と遊技媒体を交換するワゴンサービスを利用する場合には、通常、そのままの状態で発射可能な上皿上の遊技球ではなく、上皿に移動しないと発射できない下皿又は球箱に貯留されている遊技球をサービス員に渡していたので、景品交換により上皿上の遊技球が一度に大きく減ってしまい遊技球が発射できなくなるようなことがなく、かつ、上皿や下皿や球箱にある遊技球が遊技者の目に入り、特に注意していなくても遊技球の量がだいたいわかるので、遊技球があまりないことに気付かずに誤って遊技者がワゴンサービスを利用する可能性は極めて低い。
【0008】
それに対して、封入球式遊技機では、遊技者が所有する全ての持球数が一つの数値(複数桁の数値)として表示されているだけなので、持球数の表示を見ていなかったり、持球数の数値を見誤っていたりした状態で、景品を注文してしまう可能性がある。特に、従来のように所有する遊技球が多くなった場合に、上皿以外に下皿や球箱に遊技球が貯留される場合と異なり、遊技球数が少なくても多くても一つの持球数として表示されるだけなので、下皿や球箱等の遊技球を交換する場合とことなり、直接、発射可能な遊技球数が景品交換により減少してしまうことになる。
【0009】
このような場合に持球数が残り少ないにも拘わらず、ワゴンサービスを利用して持球数を景品と交換してしまい、さらに、持球数が減ってしまうことで、持球数がほとんど無い状態で大当たりが発生し、持球数がほとんどないことにより大当たりでの遊技ができなくなったり、大当たりでの遊技を実行するために、さらにお金を払って遊技球を借りなければならなくなったりする可能性がある。さらに、大当たりが発生しなくても、注文した飲み物が届く前に持球数が無くなってしまい遊技をせずに飲み物が届くのを待っていなければならなくなる可能性もある。
また、遊技中に、遊技球の発射や遊技球の入賞に基づいて持球数は常に変動しており、この状態で景品に対応する球数を持球数から減算されても正規の球数が減算されたか確認するのが困難である。
【0010】
更に、持球数が少ない状態であえて景品交換するような場合に、景品の交換に必要な球数に近い持球数が遊技中に増減していると、景品と交換可能な持球数があるか否かが分からず、遊技を中断して、持球数を確認してから景品交換しなければならない。
また、景品交換の際に、サービス員によって景品交換による持球数の減算の操作を可能とするためには、例えば、封入球式遊技機に外部から通信して持球数の減算を行わせる必要があるが、外部から封入球式遊技機に直接通信できるようにした場合、すなわち、外部からの通信により、直接、封入球式遊技機に記憶されている持球数の数値を変更可能とした場合には、不正防止の面で問題になる。
【0011】
また、安全性を高めるために、封入球式遊技機と直接通信せずに、例えば、封入球式遊技機に隣設して設けられた遊技媒体変換装置(例えば、球貸機等)を介して封入球式遊技機に記憶された持球数を減算するようにした場合には、通信が煩雑になり処理時間がかかる。すなわち、景品交換のために、遊技媒体変換装置と通信し、かつ、遊技媒体変換装置と封入球式遊技機との間での通信が必要となり、さらに、安全性を高めるためには、遊技店の管理装置(管理サーバ)とも通信してデータの確認やバックアップを行う必要がある。
【0012】
本発明の目的は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、第2遊技価値に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる遊技店システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機と、
前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機と、
を備えた遊技装置と、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバと、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置と、
を備えた遊技店の遊技店システムにおいて、
前記遊技装置は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、
前記遊技機は、
前記第1遊技価値を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段と、
前記第1遊技価値から遊技に使用した遊技価値量を減算し、且つ、前記第1遊技価値に入賞に対応した遊技価値を加算する第1遊技価値演算手段と、
前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段と、
前記上限値判定手段で前記演算結果が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値として前記遊技設備機へ送信する超過遊技価値送信手段と、
前記第1遊技価値記憶手段に記憶されている第1遊技価値を表示する第1遊技価値表示手段と、
遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記第1遊技価値が所定値以下の場合に、前記遊技設備機に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記第2遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、
前記超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値を受信する超過遊技価値受信手段と、
前記超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値とを加算する第2遊技価値演算手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値を表示する第2遊技価値表示手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている全ての第2遊技価値を、景品交換するための景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信する景品交換遊技価値送信手段と、
前記景品交換遊技価値移動中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、前記景品交換端末装置に景品交換遊技価値の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値送信手段から送信された前記景品交換遊技価値を記憶する景品交換遊技価値記憶手段と、
前記強制返送要求送信手段からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値を前記遊技設備機に送信する景品交換遊技価値返送手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、遊技機は、例えば、発射位置に供給した遊技球を発射装置が遊技領域に向けて発射するように制御し、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環使用する封入球式遊技機、または、メダルを払い出さないカード式スロットマシン等である。
また、遊技設備機は、例えば、遊技者を特定する情報として、会員カード等のICカードに記憶されたIDを遊技店システムに入力する機能を有するものである。なお、遊技設備機は、例えば、ICカードのID等の遊技者を特定する情報を入力するものとして、前記情報を例えば管理サーバに送信可能となっていれば良く、カードリーダ等の情報入力装置が外部に別対として配置されていても良い。また、遊技設備機が球貸機(ここでは、入金に対してデータとしての遊技価値を貸し出す)としての機能を有していても良い。また、遊技設備機が遊技機に内蔵された状態となっていても良い。すなわち、遊技機と遊技設備機とが一体の遊技装置となっていても良い。
【0015】
この発明によれば、例えば、遊技設備機に遊技者を特定する情報を入力し、遊技機において、入力された情報で特定される遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技が実行される。
そして、遊技が実行されるのに対応して、遊技機の第1遊技価値演算手段によって、遊技価値のうちの遊技機の第1遊技価値記憶手段に記憶される第1遊技価値から遊技に使用される遊技価値量が減算され、かつ、遊技において入賞が発生すると、発生した入賞に対応する遊技価値量が前記第1遊技価値に加算される。
【0016】
また、第1遊技価値演算手段により遊技価値量を第1遊技価値に加算する場合に、遊技機の上限値判定手段は、加算後の第1遊技価値が、第1遊技価値に設定された上限値を超えるか否かを判定し、上限値を超えると判定された場合に、遊技機の超過遊技価値送信手段が、加算後の第1遊技価値の上限値を超えた部分を超過遊技価値として遊技設備機の超過遊技価値受信手段に送信する。
この場合に、超過遊技価値は、加算後の第1遊技価値から上限値を減算した値となり、超過遊技価値を送信後の第1遊技価値は、その上限値となる。
【0017】
一方、遊技設備機では、当該遊技設備機の超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値が遊技設備機の第2遊技価値演算手段により、遊技設備機の第2遊技価値記憶手段により記憶されている第2遊技価値に加算される。
従って、遊技者が保有する遊技価値は、遊技機と遊技設備機とからなる遊技装置で管理されるが、遊技機で管理される第1遊技価値と、遊技設備機で管理される第2遊技価値とに分けられる。また、第1遊技価値は遊技機の第1遊技価値表示手段で表示され、第2遊技価値は遊技設備機の第2遊技価値表示手段で表示される。なお、遊技機と、遊技設備機とが一体の場合に、見かけ上は、遊技機に第1遊技価値表示手段と第2遊技価値表示手段とが設けられた状態となる。
【0018】
そして、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置は、遊技価値を景品に交換する場合に、第2遊技価値に基づいて景品交換を行う。すなわち、景品交換においては、景品に対応する遊技価値量を第2遊技価値から減算する。そして、上述のような景品交換の処理が行われた後に、景品がサービス員から遊技者に引き渡されることになる。なお、景品交換端末装置による景品交換は、例えば、遊技中として、遊技装置で遊技者を特定する情報を入力してから遊技を終了するまで、例えば、遊技設備機にカードリーダを設け、カードリーダにICカードが挿入された後でICカードが排出される前に行われる。
【0019】
従って、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、第2遊技価値に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる。従来の遊技機と同じ感覚とは、例えば、第1遊技価値が従来のパチンコ遊技機の上皿に貯留されて発射位置に誘導される遊技球数に対応し、第2遊技価値が下皿もしくは球箱の遊技球に対応し、第2遊技価値が景品交換により減少しても、直ぐに遊技球の発射には影響を与えない点である。
【0020】
また、直接遊技に使用できない第2遊技価値を景品交換に利用するので、直接遊技に使用される第1遊技価値は、なんら景品交換によって影響を受けることがなく、景品交換の処理が遊技に影響を与えることがないので、上述のように景品交換の処理を行っている間、遊技を続行することができる。
言い換えれば、第1遊技価値の遊技価値量に加えて、第2遊技価値に景品交換可能な遊技価値量が有るということは、遊技者の保有する遊技価値量が、景品交換により減少しても、遊技者が保有する遊技価値量にある程度の期間遊技を実行可能な余裕がある可能性が高く、保有する遊技価値量が少ないことに気付かずに、景品交換してしまい、大当たりが発生した場合に、大当たり開始時の遊技を実行するための遊技価値量が不足したり、景品として飲み物の注文を行った後に直ぐに遊技価値量が無くなって、飲み物が届くまで遊技できない状態で待っていたりすることを防止することができる。
【0021】
更に、封入球式遊技機で第1遊技価値を記憶して表示するとともに、遊技設備機で第2遊技価値を記憶して表示するようにしたので、直接遊技に使用可能な第1遊技価値と直接は遊技に使用できない第2遊技価値とをはっきりと区別して持ち球数(遊技価値)を把握できる。また、第1遊技価値は、基本的に、上限値までの数値となり、桁数等にも大きく差がでる可能性がある遊技者が保有する遊技価値量の全体に対して、遊技者が把握しやすい数値となる。
【0022】
また、第2遊技価値は遊技設備機側で管理し、遊技機は第1遊技価値だけを管理するので、遊技価値を2つに分けて処理するものとしても、第1遊技価値と第2遊技価値との両方を遊技機で管理する場合に比較して遊技機の処理負担を小さくできる。
また、景品交換に関して第1遊技価値を記憶する遊技機は、全く関与しなくていいので、例えば、景品交換端末装置が、遊技機と直接通信する必要はなく、遊技機に対する不正防止を強化できる。また、景品交換端末装置と遊技設備機が更新して景品交換する際に、特に問題がなければ、遊技設備機と遊技機との間で通信する必要もなく、通信は景品交換端末と遊技設備機とだけで行えば良く、通信が煩雑になるのを防止することができる。
【0023】
なお、第2遊技価値は、従来の景品交換用の遊技価値(貯球数)に同等のものではない。すなわち、第2遊技価値は、所謂ワゴンサービス(遊技に使用可能な遊技価値を遊技中に景品に交換するサービス)以外での景品交換に使用するためのものではなく、あくまでも遊技に使用する遊技価値のうち、上限値を超えるなどして第1遊技価値として記憶されなかった分の遊技価値である。従って、第1遊技価値が残り少なくなったり、無くなったりした場合に、遊技者の操作により、随時第1遊技価値に第2遊技価値の遊技価値量を移動可能となっていることが好ましい。また、第2遊技価値は、遊技終了後に、第1遊技価値と合わせて、景品交換にも使用可能な遊技価値(例えば、貯球数と同等で、さらに、遊技に使用可能であっても良い)となることが好ましい。すなわち、本発明では、遊技者が所有する遊技価値を遊技中(特に第1遊技価値が上限値を超えた後)だけ、第1遊技価値と第2遊技価値とに分けて管理するが、遊技終了後の景品交換時等においては、再び、第1遊技価値と第2遊技価値とを合わせて遊技者の所有する遊技価値としても良い。
【0024】
さらに、この発明によれば、遊技機において大当たりが発生した場合に、第1遊技価値が所定値以下の場合に、遊技機の遊技価値不足送信手段により、遊技設備機に第1遊技価値が所定値以下であることを示す遊技価値不足情報が送信される。なお、ここでの所定値とは、例えば、大当たり状態の開始時に遊技球を確実に入賞させる個数以下であり、例えば、遊技球として10個程度の遊技価値量である。
そして、遊技設備機は、遊技価値不足情報が受信され際に、景品交換中、すなわち、上述の景品交換遊技価値移動中である場合に、強制返送要求送信手段が景品交換端末装置に景品交換遊技価値を遊技設備機に返送することを指示する強制返送要求を送信する。
なお、遊技価値不足送信手段は、大当たりが発生した場合で、かつ、景品交換遊技価値移動中の場合に遊技価値不足情報を遊技設備装置に送信するものとしても良い。
【0025】
そして、強制返送要求を受信した景品交換端末装置の景品交換遊技価値変動手段は、景品交換端末の景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値を遊技設備機に送信する。なお、この場合に、景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値は0とされる。また、例えば、景品交換端末で、景品の選択等や景品交換遊技価値の減算が行われていた場合には、これを無効とし、減算される前の景品交換遊技価値を遊技設備機の第2遊技価値に移動するものとしても良い。すなわち、実際に景品が遊技者に受け渡される前であれば、減算される前の景品交換遊技価値を返送可能である。
なお、大当たり状態では、発射された遊技球が高い確率で入賞し、直ぐに遊技者の保有する遊技価値量が増加するので、大当たり状態が開始した後に遊技価値量が増加し始めるまでの間、遊技球を発射可能とする比較的僅かな遊技価値があれば、大当たり状態の遊技を実行可能となるので、景品交換遊技価値が減算された後の場合に、減算された景品交換遊技価値を返送するものとしても良い。
【0026】
また、遊技設備機に返送された景品交換遊技価値は、第2遊技価値演算手段により、第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値に加算される。
【0027】
そして、遊技者は、景品交換遊技価値が加算された第2遊技価値を第1遊技価値に移動することで、第1遊技価値を所定値以上にすることが可能となり、大当たり開始時に遊技機に使用可能な遊技価値が少ないことにより、大当たり中の遊技を続行できない状態となるのを防止することができる。なお、この発明は、第2遊技価値の全てを景品交換遊技価値として景品交換端末装置に移動してしまう場合に特に有効となる。従って、第2遊技価値から第1遊技価値への遊技価値の移動が可能となっていることが好ましい。
【0028】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技店システムにおいて、
前記遊技設備機は、
前記景品交換端末装置から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、
前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバに送信する景品注文送信手段と、
前記第2遊技価値記憶手段の第2遊技価値が景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に移動している景品交換遊技価値移動中は、前記第2遊技価値と前記超過遊技価値との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段と、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている前記景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、
前記景品減算手段の減算結果を第2遊技価値とし、当該第2遊技価値と前記景品選択手段に選択された景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記遊技設備機に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段と、
を備え、
前記第1遊技価値記憶手段は、
前記超過遊技価値加算不能動化手段で前記超過遊技価値の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶するようにしたことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、遊技中に景品交換を行う際に、遊技設備機の景品交換遊技価値送信手段が、第2遊技価値記憶手段に記憶されている全ての第2遊技価値を景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信する。
そして、景品交換遊技価値を受信した景品交換端末装置において、受信した景品交換遊技価値が景品交換遊技価値記憶手段に記憶される。
【0030】
この際、すなわち、第2遊技価値記憶手段の第2遊技価値が景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信されることで、第2遊技価値が遊技設備機から景品交換端末装置に移動している状態である景品交換遊技価値移動中は、遊技機及び遊技設備機からなる遊技装置において、遊技設備機の超過遊技価値加算不能動化手段により、前記第2遊技価値と前記超過遊技価値との加算が不能動化され、かつ、遊技機の第1遊技価値記憶手段は、超過遊技価値加算不能動化手段で前記超過遊技価値の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶する。
【0031】
すなわち、景品交換遊技価値移動中は、実質的に第2遊技価値の管理が遊技設備機から景品交換端末に移行しているので、遊技設備機では、第2遊技価値を増減するような処理(超過遊技価値の加算や第1遊技価値への移動)を行わない。この場合に、超過遊技価値が発生した場合の処理が行えないので、遊技機側で、超過遊技価値を遊技設備機に送らずに、例外的に第1遊技価値記憶手段に、上限値を超える遊技価値を記憶可能とするようになっている。
【0032】
なお、遊技に直接使用されているのは第1遊技価値なので、第2遊技価値が景品交換中に完全に遊技から切り離された状態(遊技設備機で加減できない状態)となっても、第1遊技価値が無くなるまで遊技続行可能となる。
【0033】
そして、景品交換遊技価値移動中に、遊技者の要望に対応して、例えば、景品交換端末装置を操作するサービス員によって景品選択手段を介して選択された景品に対応する遊技価値が、景品交換端末装置の景品減算手段により景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値から減算される。なお、景品の選択は、景品交換遊技価値(第2遊技価値)の移動前に行うものとしても良いし、移動後に行うものとしても良い。
【0034】
次いで、景品交換端末装置の景品注文実行手段が、選択された景品に対応する遊技価値が減算された景品交換遊技価値を第2遊技価値として遊技設備機に送信するとともに、選択された景品の情報(景品の品種を特定可能(識別可能)な情報)を遊技設備機に送信する。
【0035】
一方、遊技設備機では、景品に対応する遊技価値が減算されて景品交換端末装置から送信された第2遊技価値と、選択された景品を識別する情報とを景品注文に関する情報として景品注文受信手段が受信する。
【0036】
そして、遊技設備機では、減算された景品交換遊技価値を第2遊技価値として受信することになり、第2遊技価値が景品交換に使用された遊技価値だけ減少した状態の受信した第2遊技価値に更新されることになる。これにより、景品交換遊技価値移動中の超過遊技価値加算不能動化状態が解除されることになり、遊技設備機において、第2遊技価値への超過遊技価値の加算等の処理が許可された状態となる。
【0037】
従って、遊技機においても、超過遊技価値を遊技設備機側に送信可能となり、第1遊技価値が上限値を超えることが禁止された状態に戻る。例えば、第1遊技価値は、遊技球の発射により減算されて上限値内に復帰するか、上限値を超えた状態で第1遊技価値に賞球が加算される場合に、上限値を超えた超過遊技価値が第2遊技価値に移動されることで上限値以下となる。
【0038】
また、遊技設備機で受信された景品の情報は、遊技設備機の景品注文送信手段により管理サーバに送られ、管理サーバが景品交換が行われたことを記憶して管理する。なお、景品自体は、例えば、ワゴン等の搬送手段により遊技者のそばまで搬送されている場合に、サービス員から遊技者に手渡されるが、そうでない場合に、管理サーバに送られた際に、管理サーバ側にいるサービス員が管理サーバに受信された景品の情報を確認して遊技者のところまで景品を搬送して手渡すものとしても良い。
【0039】
全ての第2遊技価値を景品交換端末装置に移動するので、現在景品交換できる上限まで景品交換することができる。また、第2遊技価値を遊技から完全に切り離した状態とし、景品交換分の遊技価値を減算するので、処理中に遊技の進行状況に対応して第2遊技価値が増減することがなく、処理を単純化することができるとともに、景品交換による第2遊技価値の減少量を明確に遊技者が把握することができる。
【0040】
また、第2遊技価値が遊技から完全に切り離された状態でも、景品交換遊技価値の移動中は、超過遊技価値は第1遊技価値に加算されていくので、景品交換遊技価値と第1遊技価値とを見ることで、遊技者の保有する遊技価値を容易に把握できる。
【0041】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技店システムにおいて、
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値と、前記景品選択手段で選択した景品の情報と、前記景品減算手段の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段を備えたことを特徴とする。
【0042】
この発明によれば、景品交換表示手段の表示により、景品の情報とともに、景品交換後に遊技設備機に第2遊技価値もしくはその一部として戻される遊技価値(減算された景品交換遊技価値)を見ることができ、かつ、景品交換による遊技価値の減少量(景品交換遊技価値から減算後の景品交換遊技価値を差し引いた値)を容易に把握することができる。
すなわち、景品交換が実行される前に、景品交換の内容を景品交換表示手段の表示により確認できる。なお、景品交換端末装置に設けられる景品交換表示手段は、例えば、サービス員が遊技者に提示することで、遊技者が見ることも可能である。
【0043】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技店システムにおいて、
前記景品交換端末装置は、
前記景品注文実行手段で注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段と、
前記受渡操作手段が操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、
前記景品注文実行手段からの情報を受信してから前記受渡送信手段からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技価値をサービスとして前記第2遊技価値に加算する景品価値加算手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0044】
この発明によれば、上述のように遊技中の景品交換の処理を行うとともに、サービス員が遊技者に景品を受け渡した場合に、景品交換端末装置の受渡操作手段をサービス員が操作し、受渡操作手段が操作されると、景品交換端末装置の受渡送信手段が遊技設備機に受渡操作手段が操作されたことを示す情報が送信される。これにより遊技設備機において、景品の受け渡しが終了したことを確認可能となっている。なお、受渡操作手段の操作を示す情報を遊技設備機からさらに管理サーバに送信するものとしても良い。
【0045】
また、遊技設備機では、遊技機から大当たり状態を示す情報が送信されると、この情報を大当たり状態受信手段が受信する。なお、遊技機には、基本的に大当たり状態を示す情報を遊技設備機に送信する機能(大当たり状態送信手段)を備えている。
【0046】
そして、遊技設備機においては、景品交換する景品が選択された後に景品交換端末の景品注文実行手段から景品の情報や、景品交換遊技価値が景品交換に関する情報として受信されてから、上述のよう景品の受け渡しが終了して受渡送信手段から景品受渡操作手段が操作されたことを示す情報が受信されるまでの間に、大当たり状態受信手段が遊技機での遊技が大当たり状態となったことを示す情報を受信すると、景品価値加算手段が、選択されて注文された景品に対応する遊技価値を第2遊技価値に加算する。
これにより、遊技者は、景品交換をしても所有する遊技価値が減少せず、特典を受けたことになる。
【0047】
従って、遊技者は、例えば、景品を注文してから景品が届くまで時間がかかっても、その間に大当たりが発生すれば、特典を得られることから、景品が届くのが遅くなった場合に、遊技者が不満を抱くのを防止することができる。
【0048】
また、遊技中の景品交換により特典が得られるチャンスが発生することから、遊技者への景品交換を促すことができる。なお、遊技店では、通常、遊技者が所有する遊技価値で長い期間に亘って遊技を続行されてしまうと、その間、遊技者は新たに遊技価値を借りるための支払いを行わないことになり、利益が得られにくい可能性があり、遊技者に景品交換を促すことで、遊技店の利益を確保しやすくなる。
【0049】
また、サービス員は、景品交換の受け渡しが遅くなって、その間に大当たりが発生してしまうと、遊技店の利益が減少してしまうことから、景品の受け渡しを早く行うようになる。
【0050】
なお、全ての大当たりに対して、景品価値加算手段が遊技価値を加算する必要はなく、所謂初当たりの場合にだけ、遊技価値を加算する用にしても良い。
なお、初当たりとは、例えば、遊技が所謂確率変動中や時短中でない場合の大当たりである。ここで、確率変動中及び時短中、特に確率変動中は、通常時よりも時間当たりの大当たりとなる確率が極めて高くなっているので、確率変動中に遊技者が景品注文を行うと、上述の期間中に大当たりが発生する確率がかなり高くなり、遊技者が上述の得点を得られる確率が高くなりすぎてしまい、遊技店側が不利になりすぎてしまう可能性がある。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、第2遊技価値に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる。
更に、封入球式遊技機で第1遊技価値を記憶して表示するとともに、遊技設備機で第2遊技価値を記憶して表示するようにしたので、直接遊技に使用可能な第1遊技価値と直接は遊技に使用できない第2遊技価値とをはっきりと区別して持ち球数(遊技価値)を把握できる。
また、第2遊技価値は遊技設備機側で管理し、遊技機は第1遊技価値だけを管理するので、第1遊技価値と第2遊技価値との両方を遊技機で管理する場合に比較して遊技機の処理負担を小さくできる。
景品交換に関して第1遊技価値を記憶する遊技機は、全く関与しなくていいので、例えば、景品交換端末装置が、遊技機と直接通信する必要はなく、遊技機に対する不正防止を強化できる。
【0052】
さらに、遊技者は、景品交換遊技価値が加算された第2遊技価値を第1遊技価値に移動することで、第1遊技価値を所定値以上にすることが可能となり、大当たり開始時に遊技機に使用可能な遊技価値が少ないことにより、大当たり中の遊技を続行できない状態となるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の遊技店システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記遊技店システムの遊技装置を構成する遊技機及びカードユニットを示す正面図である。
【図3】前記遊技機及びカードユニットの制御系を説明するためのブロック図である。
【図4】前記カードユニットのカードユニット制御装置及び遊技機の本体制御装置のメインフローとなる処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】前記カードユニット制御装置によるカード処理及び入金処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による球貸処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による持球移動処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】前記本体制御装置による遊技処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による超過球処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による遊技終了処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置によるワゴンサービス処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートの続きとなるフローチャートである。
【図13】前記ワゴンサービス処理における情報の移動を説明するためのブロック図である。
【図14】前記ワゴンサービス処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図15】前記超過球処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図16】前記球貸処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図17】前記持球移動処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図18】本発明の実施形態の変形例となるワゴンサービス処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図19】本発明の実施形態の別の変形例となる遊技装置を構成する遊技機及びカードユニットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技店システムは、図1に示すように、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な複数の遊技機1,1と、前記遊技機1,…と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機としての複数のカードユニット20,20とを備えた遊技装置21を有する。
【0055】
また、遊技店システムは、カードユニット20,20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバ40と、前記カードユニット20,20と通信可能で、遊技中の遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60を備える。
また、遊技システムは、携帯情報端末60により後述のように選択された景品の情報(景品を識別するための景品名や景品コード等)を表示するための景品モニタ装置81と、主に遊技終了後に景品交換の処理を行う景品POS端末82と、後述するようにカードユニット20に投入した貨幣のうちの未使用分の金額を精算して払い出す精算機83とを有する。
【0056】
また、遊技システムでは、各カードユニット20,20と、管理サーバ40、景品モニタ装置81、景品POS端末82、精算機83等がハブ84を介して互いに通信可能に接続(LANを構成するように接続)されている。また、携帯情報端末60は、カードユニット20(もしくは管理サーバ40)と無線通信可能とされており、カードユニット20(もしくは管理サーバ40)には、無線通信ユニット(例えば、後述の携帯情報端末送受信部26)が設けられている。
【0057】
次ぎに、図2及び図3を参照して、遊技機1とカードユニット20とからなる遊技装置21を説明する。
遊技装置21は、この例において、遊技機1と遊技機1とは別体に設けられるとともに、遊技機1と隣設して配置されるカードユニット20とからなるが、カードユニット20の後述する第2遊技価値(持球数)に関する処理を行う遊技設備機としての部分が遊技機1内に内蔵され、遊技装置21と遊技設備機の少なくとも一部とが一体となった状態で遊技装置21を構成しても良い。
【0058】
遊技機1は、この例において、パチンコ遊技機であるが、発射位置(図示略)に供給した遊技球を発射装置(図示略)が遊技領域(図示略)に向けて発射するように制御し、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環使用する封入球式遊技機となっている。なお、遊技機1がメダルを排出することなくデータとしての遊技価値で遊技可能なスロットマシン(パチスロ遊技機)であっても良い。
この遊技機1は、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。
【0059】
また、遊技機1は、球貸機等(例えば、カードユニット20)への現金の投入等により発生する遊技価値を示す情報(例えば、金額情報)を入力し、この金額情報を、遊技価値を示す情報であり、かつ、遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)を示す遊技媒体数情報に変換し、この遊技媒体数情報(遊技者が保有する遊技価値としての後述の発射可能球数及び持球数の情報のうちの発射可能球数)に対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して遊技媒体数情報(発射可能球数)の値を減算するようになっている。
また、この例では、遊技装置21が、遊技者の保有する遊技価値情報である遊技媒体数情報を遊技を実行するための発射可能球数情報(第1遊技価値)と、発射可能球数以外の持球数情報(第2遊技価値)とに分けて記憶するようになっている。なお、後述するように発射可能球数情報は、遊技機1に記憶されて遊技機1で管理され、持球数情報は、遊技設備機としてのカードユニット20で記憶されて管理されるようになっている。
【0060】
従って、発射可能球数情報に示される発射可能球数が0以上の場合に遊技球を発射可能となり、遊技球を一球発射する毎に、発射可能球数から1が減算されるようになっている。また、遊技球が入賞すると、この入賞により発生する賞球数が発射可能球数に加算されるようになっているが、発射可能球数には上限値が設定されており、賞球数の加算により発射可能球数が上限値を超えてしまう場合には、発射可能球数の上限値を超えた部分を、超過球数(超過遊技価値)とし、この超過球数を持球数情報の持球数に加算し、発射可能球数を上限値の数とするようになっている。
【0061】
また、後述するように遊技者の操作により、持球数情報の持球数から発射可能球数情報の発射可能球数に遊技媒体数を移動可能となっており、発射可能球数が残り少なくなったり、無くなったりしたような場合に、持球数から遊技媒体数を発射可能球数に移動することで、持球数を減らして発射可能球数を上限値の範囲内で増やすことが可能となっている。
【0062】
そして、発射可能球数情報に基づいて発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域(図示略)に入賞して遊技盤(図示略)の裏面側に導かれてセーフ球として回収されるとともに、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機としての遊技機1内で循環するようになっている。
【0063】
また、所謂ファールとなった遊技球も循環流路に回収されるとともに、ファールとなった遊技球は発射された後に遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、発射可能球情報の発射可能球数にファール球数が加算される。これは、封入球式でない通常の遊技機において、ファール球が再び発射位置に戻されて発射されることに対応している。
【0064】
本実施形態の遊技機1は、後述の封入球循環ユニットを備え、外部からの遊技球の供給と外部への遊技球の排出を行わないこと以外は、従来の遊技機と同様の構成を有したものとなっている。
すなわち、遊技機1は、矩形枠状に構成された機枠(図示略)と、該機枠内に嵌め込まれるとともに、該機枠に対し回動可能に矩形状の前面枠(図示略)が軸支されている。すなわち、前面枠は、機枠に対してドア状に開閉可能とされている。また、遊技盤等の各種部材が取り付けられた前面枠の本体である前面枠本体には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部が設けられ、該開口部に前面側が遊技領域とされた遊技盤が嵌め込込まれている。
【0065】
また、前面枠本体には、該前面枠本体に取り付けられた遊技盤の前面の遊技領域を視認可能な開口窓部2を有し、この開口窓部2を覆う透明部材としての二重のガラス板3を保持する透明部材保持枠としてのガラス枠4が設けられている。
前面枠本体に嵌め込まれた遊技盤の前面と前記ガラス枠4に嵌め込まれた二重のガラス板3の裏面との間で、遊技盤の前面に設けられたガイドレールに囲まれた部分が遊技球が発射されて流下する遊技領域とされている。
【0066】
また、ガラス枠4の前面側には、遊技領域の視認を妨げない位置に、複数の装飾ランプ5,…、スピーカ6,6等が設けられている。
【0067】
前面枠本体の遊技盤が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体の下部の前面側、すなわち、ガラス枠4の下側には、操作表示パネル7が設けられ、操作表示パネル7の上部の中央部には、上述の前記第1遊技価値記憶手段としてのRAM143に記憶されている発射可能球数情報の発射可能球数(第1遊技価値)を表示する第1遊技価値表示手段としての発射可能球数表示部8が設けられている。
また、操作表示パネル7の下部の例えば向かって右側部分には、遊技者が遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル9が設けられている。操作ハンドル9は、遊技者の手が触れていることを検出するタッチセンサ9a(図3に図示)を備え、遊技者がタッチセンサ9aにタッチすることで遊技球の発射を行うとともに、遊技者が操作ハンドル9を回転操作することで遊技球の発射勢を調整可能としたものである。
【0068】
また、図示しない前面枠本体の下部の前面側には、遊技球を発射する遊技球発射装置(図示略)が設けられ、該遊技球発射装置の発射位置から遊技球が遊技領域に向けて発射されるようになっている。発射装置は、遊技球を発射させる際の駆動源となる発射モータ2g(図3に図示)を備える。また、前面枠本体の下部の裏面側には、遊技領域に向けて発射された遊技球のうちの何れの入賞領域(入賞口、入賞装置)にも入賞せずに、図示しないアウト口から回収されたアウト球と、入賞領域に入賞したセーフ球と、発射されたにも拘わらず入賞領域に入賞することもアウト口に回収されることもなく発射装置側に戻ってしまったファール球とを回収し、再び、発射位置に誘導する封入球循環ユニット(図示略)が設けられている。
【0069】
この封入球循環ユニットは、遊技領域に発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口と、回収口から発射装置の遊技球の発射位置まで遊技球を導いて遊技球を循環使用する循環流路と、この循環流路の上流側の一部として、回収口から後述の待機流路まで遊技球を流下させる回収球流路と、この回収球流路を流下する遊技球を検出する入球検出センサ1a(図3に図示)と、循環流路の下流側の一部分であり、発射位置に送られる前の遊技球を待機させる待機流路と、待機流路に待機する遊技球の量を検出する球量検出センサ1b(図3に図示)と、待機流路の下流側の端部に設けられ、発射装置の遊技球の発射位置に遊技球の発射のタイミングに応じて順次遊技球を一個宛送球する球送り装置(図示略)とを備える。
【0070】
また、封入球循環ユニットは、発射装置により遊技領域に向けて発射したにも係わらず、再び発射装置側に向かって戻ってしまったファール球を回収するファール球回収口(図示略)と、回収されたファール球を検知する戻り球検出センサ1c(図3に図示)と、ファール球回収口から回収されたファール球(遊技球)を待機流路(循環流路)に流下させるファール球流路とを備える。
【0071】
また、封入球循環ユニットは、封入球循環ユニット内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球の球量が減少したことを上述の球量検出センサ1bからの信号に基づいて検出した場合に、貯量した遊技球を待機流路に補給する球補充装置を備え、該球補充装置には、遊技球を貯留する貯留部を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補給する状態との間で切り替える球量調節ソレノイド1d(図3に図示)が設けられている。
【0072】
また、待機流路に待機する遊技球を発射装置の発射位置に1個ずつ発送する球送り装置には、遊技球を発射位置に送るために球送り装置を駆動する球送りソレノイド1e(図3に図示)と、発射位置に送られて発射される遊技球を検出する発射球検出センサ1f(図3に図示)とが設けられている。
そして、発射球検出センサ1fが発射される遊技球(発射球)を検出すると、上述の発射可能球数が1減算される。また、戻り球検出センサがファール球となった遊技球を検出すると発射可能球数に1加算されるが、この際に発射可能球数がその上限値となっている場合には、発射可能球数に代えて持球数に1加算され、発射可能球数は上限値を超えることなく上限値のままとされる。
【0073】
そして、以上のような遊技機1において、遊技盤の前面側の遊技領域において遊技が行われることになる。
すなわち、遊技機1では、遊技盤のガイドレールで囲まれた遊技領域内に遊技球(遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域には、図示しないが普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を付与するための普図始動ゲート(図示略)、この普図始動ゲートを遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普図変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与する普通変動入賞装置、この普通変動入賞装置に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特図変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置10(図3に図示)、特別変動入賞装置(図示略)、一般入賞口(図示略)、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)、遊技領域をその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球としてのアウト球を回収するアウト口などが設けられている。
【0074】
前記普通変動入賞装置は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド2a(図3に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が特別の停止表示態様(例えば、普通図柄としての識別情報が変動表示された後に停止した際に識別情報として「7」が表示された状態など)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ2b(図3に図示)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0075】
また、普図始動ゲート内には、該普図始動ゲートを通過した遊技球を検出するためのゲートセンサ2c(図3に図示)が設けられている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート内を通過してゲートセンサ2cに検出されると、普図変動表示器において普図変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などの識別情報)の変動表示ゲームは、普図変動表示器で普通図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が上述のような特別の停止表示態様(結果態様)となれば、普図変動表示ゲームの当たりとなって、普通変動入賞装置の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0076】
また、特図の変動表示装置10は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示画面を有している。この表示画面における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置11(図3に図示)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置へ進入して始動口センサ2bに検出されて始動条件が成立することに基づき、表示画面にて複数種類の特図としての識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームを実行可能となっている。
そして、この特図変動表示ゲームの結果として、表示画面の表示態様が特別の停止表示対応(結果態様として例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れかなど)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
【0077】
ここで、特別変動入賞装置は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド2d(図3に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ2e(図3に図示)が配設されている。
なお、各一般入賞口の内部(入賞領域)には、該入賞口に入った遊技球を検出するための入賞口センサ2f(図3に図示)が配設されている。
【0078】
前記サイクル遊技とは、大入賞口が開いてから所定の時間が経過するか、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するかの条件のうち、いずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定のラウンド回数繰り返して行う遊技の形態である。
また、遊技領域を構成する遊技盤や変動表示装置10の液晶ディスプレイの周囲等には、遊技を光により演出するためのランプ・LED2hが設けられている。
【0079】
ここで、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口、普通変動入賞装置、特別変動入賞装置の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の発射可能球数に加算される。なお、賞球数の加算により発射可能球数が上限値を超える場合には、上述のように、上限値を超える部分となる超過球数が持球数に加算され、発射可能球数はその上限値を超えることなく上限値とされる。
【0080】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は多くの遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式の遊技機1はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態(特別遊技状態)を発生可能に構成されている。
【0081】
次に、以上のような遊技機1の制御系について図3の制御ブロック図を参照して説明する。
遊技機1の制御系としては、遊技の進行を制御する遊技制御装置12と、この遊技制御装置12の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置11と、遊技球の発射を制御する発射制御装置13とを備え、さらに、上述の封入球循環ユニット及び発射制御装置13の制御を行うとともに、上述の発射可能球数を管理する処理を行う本体制御装置14を備える。また、これら、遊技制御装置12、演出制御装置11、発射制御装置13、本体制御装置14に電力を供給する電源装置15が備えられるとともに、電源装置15には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源16が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存された第1遊技価値などのデータの消失を防止するようになっている。
【0082】
このうち遊技制御装置12は、CPU,RAM,ROM等を有するパチンコ遊技機において周知のものであり、遊技の制御として、遊技における入賞の発生の検出や各変動入賞装置の作動等の制御の他に、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。
例えば、各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置12は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
【0083】
また、遊技制御装置12には、入出力インターフェースを介して各入賞口センサ2fゲートセンサ2c、始動口センサ2b、カウントセンサ2eが接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ2f、始動口センサ2b、カウントセンサ2e等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになる。
遊技制御装置12は、各入賞領域に設けられたセンサの遊技球の検出信号に基づいて、各センサ毎にあらかじめ設定された数値(賞球数)を示す賞球に関する情報を発生して出力する。
遊技機1においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が本体制御装置14に出力されるようになっており、本体制御装置14においては、賞球に関する情報に基づいて、後述のように発射可能球数に上限値まで賞球数を加算する処理と、上限値を超えた分をカードユニット20に送信する処理が行われる。
また、遊技制御装置12においては、ゲートセンサ2c、始動口センサ2bから入力される信号に基づいて、上述のように特図及び普図の変動表示ゲームの進行(始動)の制御が行われる。
【0084】
また、遊技制御装置12には、I/Oを介して普電ソレノイド2a、大入賞口ソレノイド2dが接続されて制御されるようになっており、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、上述のように特別変動入賞装置や普通変動入賞装置の開閉が制御される。なお、普電ソレノイド2aが普通変動入賞装置を開閉駆動するもので、大入賞口ソレノイド2dが特別変動入賞装置を開閉駆動するものである。
また、遊技制御装置12は、I/Oを介して本体制御装置14及び演出制御装置11に接続され、本体制御装置14及び演出制御装置11に後述する各種データを遊技機情報として送信している。
【0085】
例えば、遊技制御装置12は、上述の賞球に関するデータとして、遊技球の入賞に基づく賞球がある場合に、賞球数を示す賞球数コマンドを遊技機情報の1つとして本体制御装置14に出力する。
【0086】
また、遊技制御装置12は、特図の始動入賞に基づく特図の変動表示ゲームの開始及び停止、大当り外れの判定等の制御に基づいて、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の開始(確変での大当り開始)、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の開始(非確変での大当り開始)、その他変動表示ゲームの停止図柄や変動表示時間等を含む変動表示ゲームの演出に関するデータを演出制御装置11に送信する。
【0087】
また、遊技制御装置12は、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ2b及びゲートセンサ2cから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で特図及び普図の変動表示ゲームを始動する始動条件の成立の回数を特図及び普図の始動記憶数(保留数)としてカウントするようになっている。そして、遊技制御装置12は、特図もしくは普図の始動入賞が有る度に上限値の範囲内で特図もしくは普図の始動記憶数を1増加し、特図もしくは普図の変動表示ゲームを開始する度に特図もしくは普図の始動記憶数を1減少する制御を行っており、この始動記憶数に関するデータを、演出制御装置11に送信している。
【0088】
演出制御装置11は、CPU,ROM,RAM等を備えるとともに、ビデオ出力制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置12における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置10における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤等に設けられたランプ・LED2hを有する装飾基板におけるランプ・LED2hの発光による演出制御等を行う。また、演出制御装置11は、音声出力制御用の各種ICを備え、例えば、スピーカ6から出力される音声による演出の制御を行う。
【0089】
本体制御装置14は、例えば、マイコンチップからなる主制御部141を備え、主制御部141には、CPU142,RAM143,ROM144等を備えている。
このうち、CPU142は、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、封入球循環ユニット及び発射制御装置13の制御、発射可能球数の管理、カードユニット20との通信の制御を行う。
RAM143は、各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU142の作業領域等を備えている。また、RAM143には、発射可能球数を示す発射可能球数情報が記憶されて、CPU142の処理により後述のように発射可能球数が更新記憶されるようになっている。従って、本体制御装置14のRAM143は、遊技者の保有する遊技価値のうちの第1遊技価値となる発射可能球数情報を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段となる。
【0090】
ROM144には、封入球循環ユニット及び発射制御装置13の制御、通信の制御、発射可能球数の処理に関するプログラムやデータ等が記憶されている。
【0091】
そして、本体制御装置14は、I/Oを介して、封入球循環ユニットの発射球検出センサ1f、戻り球検出センサ1c、入球検出センサ1a、球量検出センサ1b、球量調節ソレノイド1dが接続されている。
そして、本体制御装置14は、球量検出センサ1bからの信号に基づいて、封入球循環ユニット内で待機する遊技球が不足していることを検出した場合には、球量調節ソレノイド1dを作動させて、封入球循環ユニット内で、循環使用されることなく貯留されている遊技球を貯留状態から供給状態とし、封入球循環ユニットの循環経路に遊技球を補充する処理を行う。
【0092】
さらに、本体制御装置14は、I/Oを介して発射制御装置13に接続され、発射可能球数が0より大きければ、発射制御装置13を介して発射装置による遊技球の発射を許可し、発射可能球数が0となった場合に、遊技球の発射を禁止する。
【0093】
また、本体制御装置14は、上述のように発射球検出センサ1fからの遊技球の検出信号が入力した場合に、発射可能球数を1減算し、戻り球検出センサ1cから遊技球の検出信号が入力した場合に、発射可能球数を1加算するが、発射可能球数が上限値の場合には、発射可能球数の上限値を上回って超過した遊技媒体数としての超過球数(ここでは1)の情報をカードユニット20に送信する。本体制御装置14は、遊技制御装置12から賞球数を示す賞球数コマンドが入力した場合に、賞球数コマンドに示される賞球数を発射可能球数に加算し、加算結果が発射可能球数の上限値を超える場合に、上限値を超えた部分の遊技媒体数、すなわち、加算結果から上限値を除算した遊技媒体数を超過球数として、カードユニット20に送信し、発射可能球数を上限値とする。
【0094】
また、本体制御装置14は、カードユニット20を介して管理サーバ40に上述の各種情報を外部情報として送信可能であり、例えば、遊技制御装置12から入力される特図の変動表示ゲームの実行(例えば、開始)を示す信号、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の実行(開始)を示す信号、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の実行(開始)を示す信号等と、上述の入球検出センサ1aからの信号入力に基づく入球信号、発射球検出センサ1fから信号入力に基づく出球信号、戻り球検出センサ1cからの信号入力に基づく戻り球信号を送信する。これにより、管理サーバ40側で各遊技機1の変動表示ゲームの実行回数、非確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、入球数、出球数、戻り球数、入球数から出球数を減算した差球数を管理可能としている。なお、後述するように発射可能球数も本体制御装置14からカードユニット20を介して管理サーバ40に送られる。そして、上述の各情報が管理サーバ40で例えば、遊技機毎、会員遊技者毎で管理されるとともに、各情報を管理サーバ40においてバックアップすることができる。
【0095】
発射制御装置13は、CPU,RAM,ROM等を有するマイコンチップを備えるとともに、発射装置の発射モータ2gのドライバ回路を備え、このドライバ回路が発射モータ2gに接続されている。また、発射制御装置13には、封入球循環ユニットに設けられ封入された遊技球を発射位置に送るための球送りソレノイド1eが接続されている。また、発射制御装置13には、操作ハンドル9のタッチセンサ9aが接続されている。
そして、発射制御装置13は、図示しないROMに記憶されたプログラムに基づいて、本体制御装置14からの発射許可の制御信号を受信した状態で、タッチセンサ9aにおいて、遊技者の手が検出された場合(タッチセンサ9aから信号が入力した場合)に、発射モータ2gを制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置13は、発射装置による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送りソレノイド1eを作動させて、封入球循環ユニットから発射装置の発射位置に遊技球を供給する制御を行う。
【0096】
カードユニット20は、遊技機1の左右側方のうちの一方側に隣設して配置される所謂サンド装置(台間機)であり、IDを記憶したICカード、すなわち、記憶媒体としてのICカードから記憶されているデータとしてのIDを読み取り可能となったものであり、ICカードとして、会員遊技者の会員カードと、会員以外の遊技者のゲストカートから遊技者を特定する情報としてのIDを読み取り可能となっている。なお、会員カードの場合は、予め登録された遊技者の情報とIDとが管理サーバ40で対応づけられて記憶されていることで、いつでも遊技者を特定可能であるが、ゲストカードの場合は、ゲストカードのIDを会員でない遊技者のものとして特定するものであり、例えば、カードユニット20にゲストカードを挿入してゲストとしての遊技者が遊技中の場合に遊技者とゲストカードのIDが対応付けられ、遊技者を特定可能となる。なお、本発明を会員遊技者だけに適用するものとして、会員でない遊技者には本発明を適用しないものとしても良い。また、この例において、カードユニット20は、後述するように球貸機としての機能も有するものとなっている。
【0097】
カードユニット20は、作動状態を示すパイロットランプ27と、上述のICカードのデータの読み込み及びデータのICカードへの書き出しが可能なICカードリーダライタ21(図3に図示)と、球貸機として紙幣が挿入される紙幣識別機22(図3に図示)と、後述の各種表示を行うディスプレイと各種操作用のボタンとを備える操作表示パネル23(図2に図示)と、カードユニット20に備えられた各装置を制御するカードユニット制御装置24と、カードユニット制御装置24等に電力を供給する電源装置25と、携帯情報端末60との無線通信を可能とする携帯情報端末送受信部26とを備える。
【0098】
ICカードリーダライタ21は、周知のものであり、カード挿入口21aから挿入されたICカードのデータを読み取ってカードユニット制御装置24に出力するとともに、カードユニット制御装置24の制御の下にカードユニット制御装置24から入力したデータをICカードに書き込み可能となっている。また、ICカードに入出力される情報は、カードユニット制御装置24から管理サーバ40に送信される。すなわち、ICカードがカードユニット20に挿入されると、IDが読み取られて、IDが管理サーバ40に送信され、以後、ICカードが排出されるまで、カードユニット20から管理サーバ40に送信される情報(遊技機1から送信されるカードユニット20を介して送信される情報を含む)は、前記IDに対応づけて管理サーバ40に記憶される。従って、カードユニット20は、遊技者を特定する情報としてのIDを遊技店システムに入力するためのICカードリーダライタ21を備える遊技設備機である。
なお、遊技に関する各種情報のうちの一部を、情報のバックアップの一つとしてICカードに書き込んでも良い。
【0099】
紙幣識別機22は、球貸機に設けられる周知のもので、紙幣挿入口22aから挿入された紙幣の金額を識別してカードユニット制御装置24に出力し、かつ、挿入された紙幣を保持する。これによりカードユニット20は球貸機として機能する。
操作表示パネル23は、外観が矩形板状で、カードユニット20に隣設する遊技機1の遊技領域より下側に設けられ、カードユニット20から遊技機1側に延出するように設けられている。なお、カードユニット20の前面部に対して操作表示パネル23を例えば回動移動可能としても良く、遊技機1の前面側からどけるように移動可能となっていても良い。
【0100】
操作表示パネル23には、例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイからなる入金表示部29(図3に図示)と、金額(度数)表示部30と、持球数表示部31とが備えられている。
入金表示部29は、紙幣挿入口22aに紙幣を挿入して紙幣識別機22で識別された金額、すなわち、遊技者が支払った金額を表示するためのものである。
【0101】
金額(度数)表示部30は、入金表示部29に表示された入金額に対して、球貸操作により金額を示す遊技価値から遊技媒体数を示す遊技価値に変換した場合の残額を表示するもので、例えば、1万円札を挿入し、入金額が10000の状態で、金額情報としての1000を例えば遊技媒体数情報として250に変換すると、金額表示部30では、10000が表示されていたものが1000だけ減算され9000となる。なお、この例では、上述のように球貸操作により金額情報を遊技媒体数情報に変換した場合に、遊技媒体数情報は、第1遊技価値としての発射可能球数か第2遊技価値としての持球数かのいずれかに選択的に加算される。
【0102】
持球数表示部31は、遊技者が所有する遊技価値である遊技媒体数情報(金額情報を含まない)のうちの発射可能球数を除いた第2遊技価値としての持球数を表示するものである。従って、持球数表示部31は、後述する前記第2遊技価値記憶手段としてのカードユニット制御装置24のRAM243に記憶されている第2遊技価値を表示する第2遊技価値表示手段となる。
【0103】
なお、操作表示パネル23のディスプレイは、一つの液晶ディスプレイであっても良く、入金表示部29(図3に図示)と、金額(度数)表示部30と、持球数表示部31は、一つの液晶ディスプレイの表示画面のそれぞれ一部の表示領域を示すものであっても良い。この場合に、入金表示部29は、カードユニット20に紙幣が投入された場合に一時的に短時間だけ液晶ディスプレイに表示されるものであっても良い。また、操作表示パネル23のディスプレイを一つの液晶ディスプレイとした場合に、後述するワゴンサービス中や景品待ち等の表示を行うことも可能となっている。また、操作表示パネル23のディスプレイが一つの液晶ディスプレイでない場合に、ワゴンサービス中等の遊技者に情報を報知するための情報表示部を操作表示パネル23に設けることが好ましい。
【0104】
また、操作表示パネル23には、操作ボタン(スイッチ)である持球移動操作部32(持球移動ボタン)、球貸操作部33(球貸ボタン)、休憩操作部34(休憩ボタン)、遊技終了操作部35(遊技終了ボタン)が備えられている。持球移動操作部32は、カードユニット20で管理している第2遊技価値としての持球数情報の持球数のうちの所定数の持球数を、遊技機1で管理している第1遊技価値としての発射可能球数情報の発射可能球数に移動するためのものであり、基本的には、持球移動操作部32を操作するとカードユニット20において持球数から所定数が減算され、遊技機において発射可能球数に所定数が加算される。しかし、発射可能球数には上限値があるため、発射可能球数に所定数を加算した場合に上限値を超過してしまう場合には、発射可能球数の上限値から現在の発射可能球数を減算した値を持球数から減算し、発射可能球数を上限値とする。
【0105】
球貸操作部33は、上述の入金に基づく金額情報を遊技媒体数情報である持球数情報もしくは発射可能球数情報に変換するものであり、球貸操作部33を操作することで、金額情報から所定額が減算され、持球数に所定額に対応する所定数の遊技媒体数が加算される。
休憩操作部34は、遊技者が休憩等のために席を離れる際に用いられるもので、休憩操作部34を操作すると、例えば、カードユニット20のカード挿入口21aからICカードを排出させるとともに、その後、所定期間内は、排出されたICカード以外のICカード(IDの異なるICカード)が挿入されるとICカードを排出するように設定され、所定期間だけ遊技が行われていないにも係わらず、休憩操作部34を操作した際に挿入されていたICカードを保有する遊技者に遊技機を占有できるようにしたものである。
【0106】
これにより、カードユニット20のカード挿入口21aにICカードを挿入したまま遊技機1を離れることで、ICカードを取られるようなことがなく、また、ICカードを排出して遊技機1を離れることで遊技機1を他の遊技者に取られてしまうことがなく、遊技者は安心して休憩等のために遊技機を離れることができる。
【0107】
遊技終了操作部35は、遊技者が遊技を終了し、カードユニット20から遊技者のICカードを排出させる処理を開始するためのスイッチである。遊技終了操作部35の操作により、管理サーバ40で前記IDに対応して管理されている遊技者の遊技価値において、例えば、第1遊技価値としての発射可能球数と第2遊技価値としての持球数とが合算されるものとしても良いし、さらに、この合算された遊技媒体数が景品交換用の遊技媒体数としての景品交換遊技球数に変換されるものとしても良い。また、発射可能球数と持球数とに分けたまま管理されるものとしても良い。
【0108】
また、携帯情報端末送受信部26は、携帯情報端末60とのデータ通信を行う無線通信装置であり、この例では、カードユニット20で管理される持球数情報の持球数を携帯情報端末60に送信し、携帯情報端末60において受信された持球数に基づいて景品交換の処理を可能にし、景品交換後に携帯情報端末60から送信される景品交換のために減算された景品交換球数(持球数)と交換された景品を特定する景品情報を受信するためのものである。
【0109】
カードユニット20の制御装置24は、CPU242,RAM243,ROM244等を有する主制御部241を備え、主制御部241にI/Oを介して、上述の操作表示パネル23の入金表示部29、金額表示部30、持球数表示部31、持球移動操作部32、球貸操作部33、休憩操作部34、遊技終了操作部35が接続され、さらに、ICカードリーダライタ21、紙幣識別機22が接続されている。そして、カードユニット制御装置24には、ICカードリーダライタ21からICカードが挿入された際にIDが入力され、紙幣識別機22から紙幣が挿入された際に金額情報が入力される。そして、カードユニット制御装置24では、ICカードリーダライタ21から遊技者を特定する情報としてIDが入力される処理、紙幣識別機22から入力される入金額情報に示される金額を金額情報に加算する処理、入金額情報を入金表示部29に表示する処理、持球移動操作部32からの操作信号に基づき金額情報を持球数情報に変換する処理、金額情報を金額表示部30に表示する処理、遊技機1から送信される超過球数情報の超過球数を持球数情報の持球数に加算する処理、持球数情報を遊技機1に送信する処理、持球数情報を携帯情報端末60に送信する処理、携帯情報端末60から送信される景品交換球数情報(景品交換後の残り持球数)を受信して、このデータに示される景品交換球数を持球数に加算する処理、持球数を持球数表示部31に表示する処理等を行う。
【0110】
また、RAM243には、上述の入金額情報、金額情報、第2遊技価値としての持球数情報が記憶され、上述の各処理により更新記憶されるととともに、表示等のために出力されるようになっている。RAM243は、第2遊技価値としての持球数情報を記憶することから、第2遊技価値を記憶する第2遊技価値憶手段となる。なお、RAM243に記憶される上述の各データは、管理サーバ40に出力され、管理サーバ40でも上述のIDに対応して記憶される。
【0111】
電源装置25は、カードユニット20の各装置に電力を供給するとともに、バックアップ電源251を備え、バックアップ電源251によって停電時等のように外部からの電力が遮断された際に、カードユニット制御装置24に電力を供給し、RAM243に記憶された上述のデータの消失を防止するようになっている。
【0112】
景品POS端末82は、例えば、ICカードリーダライタ及びバーコードリーダを備え、後述するように記憶媒体であるICカードに記憶されたIDに対応して管理サーバ40に記憶された景品交換媒体数情報を抽出可能となっているとともに、景品に付けられたバーコードに対応して景品のデータ(景品を交換するのに必要な遊技媒体数を含む)を抽出可能となっている。そして、景品POS端末82は、景品交換媒体数を景品に交換した際に、景品交換媒体数から交換した景品に対応する遊技媒体数を減算して、景品交換による遊技媒体数の精算と、景品の管理(在庫管理等)を行うものである。
【0113】
精算機83は、ICカードからIDを読み取り、IDに対応して管理サーバ40に記憶されている金額情報を読み出し、遊技媒体数に変換されることなく未使用状態の金額情報がある場合に、該金額情報に対応する貨幣を払い出すことにより、金額情報の精算を行うものである。なお、精算機83でIDに対応する金額情報が精算されると管理サーバ40において、IDに対応する金額情報が0とされる。
【0114】
携帯情報端末60は、カードユニット20の携帯情報端末送受信部26から送信される持球数情報の持球数を景品交換球数情報の景品交換球数として記憶し、記憶された景品交換球数に基づいて景品交換を行うもので、演算処理を行うCPU,RAM,ROM等を備えた制御部(図示略)と、カードユニット20とのデータの無線通信を行う通信部(図示略)と、図14等に示すように、景品の情報等の表示を行う液晶ディスプレイ61と、景品の選択等を行う操作部62とを有する。操作部62には、押下された際に景品交換を開始するものとし、カードユニット20に景品交換を開始することを示す信号を送信するように指示するためのサービスボタン63と、景品名等の景品の情報を液晶ディスプレイ61に表示させるメニューボタン64と、液晶ディスプレイ61上に表示され、かつ、カーソルにより指示された景品(情報)を選択する選択ボタン65と、選択された景品をキャンセルして選択されていない状態に戻すキャンセルボタン66と、液晶ディスプレイ61上のカーソルを移動するカーソル移動ボタン67と、選択された景品を景品球数と交換することを決定するための交換ボタン68と、景品球数と交換された景品を遊技者に手渡した際に押下して景品交換が終了したことを入力するための景品受渡ボタン69とを有する。
【0115】
そして、携帯情報端末60は、前記第2遊技価値(持球数)に基づいて景品交換可能とする装置であり、例えば、フラッシュROM等のメモリに、複数の景品の景品情報として、各景品毎に、景品の種類を特定する景品名、景品コード、景品の交換に必要な景品交換球数(遊技媒体数)等を記憶し、これらの情報を液晶ディスプレイ61に表示する処理を行う。なお、景品情報は、管理サーバ40等からカードユニット20を経由して受信して記憶するものとしても良い。景品また、液晶ディスプレイ61上で操作部62の操作に基づき、交換する景品を選択する処理を行う。また、カードユニット20から受信された持球数情報の持球数を景品交換球数情報として記憶し、かつ、景品が選択されて、景品交換球数と交換することが決定された場合に、景品に対応する遊技媒体数を景品交換球数から減算し、減算された景品交換球数を選択されて交換される景品の情報とともにカードユニット20に送信する処理を行う。
【0116】
また、表示部として液晶ディスプレイ61においては、減算された景品交換球数をカードユニット20に送信する前に、表示部に選択された景品の情報と、減算された景品交換球数を表示する処理を行う景品交換表示手段としての機能を有する。また、景品受渡ボタンは、注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段として機能する。
【0117】
そして、図示しない携帯情報端末60の制御部には、カードユニット20から景品交換用に送信される持球数(遊技媒体数)を受信して景品交換球数(景品交換遊技価値)として記憶する景品交換遊技価値記憶手段としてのRAMを有する。また、前記制御部は、後述する処理に示されるように、景品を選択する景品選択手段と、前記景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、減算結果となる残り持球数と前記景品選択手段に選択された景品の情報とを含む景品注文に関する情報をカードユニット20に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段と、受渡ボタンが操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段と、として機能する。
【0118】
以上のような遊技店システムは、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機1と前記遊技機1と1対1に設けられ遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機としてのカードユニット20とを備えた遊技装置21と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバ40と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60とを備えた遊技店の遊技店システムである。
【0119】
次に、以上のような遊技店システムにおける遊技中の景品交換処理を含む遊技者の保有する遊技価値の処理について説明する。
ここで、遊技中の景品交換処理(ワゴンサービス処理)を説明するが、遊技者の保有する遊技価値(遊技媒体数、金額として管理される遊技価値を含まず)を、遊技中は、遊技機1で管理する第1遊技価値である発射可能球数と、カードユニット20で管理する第2遊技価値である持球数とに分けて管理する処理の全体について説明する。なお、ここで説明する処理は、主に遊技機1の本体制御装置14、カードユニット20のカードユニット制御装置24、携帯情報端末60の図示しない制御部で行われる。
図4にカードユニット20のカードユニット制御装置24における処理のメインフローとなるフローチャート(図4(A))と、遊技機1の本体制御装置14における処理のメインフローとなるフローチャート(図4(B))を並記し、カードユニット20と遊技機1とで相互に関連して行われる遊技価値に関する処理を説明する。
【0120】
カードユニット制御装置24においては、電源投入時に各種設定を予め決められた初期状態とする初期設定処理を行う(ステップC1)。また、遊技機1においても、電源投入時に初期設定処理(ステップY1)が行われる。
次ぎに、カードユニット制御装置24において、遊技者が遊技を開始する際に、カードユニット20に会員カードもしくはゲストカードとしてのICカードを挿入した際の処理となるカード処理が行われる(ステップC2)。なお、本発明の遊技機1は、この遊技機1に隣接して設けられた対応するカードユニット20にIDを記憶した記憶媒体としてのICカードを挿入すること(IDに対応する遊技価値が存在し、さらに遊技価値の少なくとも一部が発射可能球数とされていること)で遊技可能となる。従って、カードユニット20のICカードリーダライタ21にICカードが挿入されている状態が基本的にICカードを所有する遊技者に遊技機1が占有され、遊技機1が遊技中の状態となる(より厳密には、遊技球がほぼ所定時間毎に発射されている際に遊技中となる)。
【0121】
そして、図5(A)のフローチャートに示すように、カード処理では、ICカードがセットされているか、すなわち、既に、ICカードがカードユニット20に挿入され、挿入されたICカードに対するカード処理が終了しているか否かが判定される(ステップC21)。
そして、ICカードがセットされている場合には、現在の遊技機1で遊技する遊技者のICカードに関してカード処理が終了していることになり、カード処理を終了し、メインフローに戻る。
【0122】
一方、カードがセットされていない場合には、ICカードが挿入されたか否かを判定し(ステップC22)、ICカードが挿入されていない場合には、処理を終了してメインフローに戻る。
また、ICカードが挿入された場合には、ICカードに記憶されたIDをICカードリーダライタ21で読み取り(ステップC23)、管理サーバ40に送信する。管理サーバ40では、受信したIDを発行済みICカードのIDが登録されたデータベース(例えば、管理サーバ40の記憶装置に記憶されたもの)から検索してデータベース中にIDが存在するか否か、もしくは、予め設定されたIDの生成方法(ICカードのIDを生成するときに用いた方法)に対応したIDか否か等の周知のID(キー・コード)の確認方法で、IDの真偽を判定する。なお、カードユニット20と管理サーバ40とのデータ通信においては、各カードユニット20(カードユニット20に1対1で対応する遊技機1)を個別に特定可能な情報が含まれているものとし、管理サーバ40においては、受信されたIDとこのIDを送信されたカードユニット20を特定する情報とが対応付けられた状態となっている。
【0123】
そして、管理サーバ40は、IDの真偽の判定結果をカードユニット20に送信し、カードユニット20は、受信した真偽の判定結果に対応してICカードの真偽を確認する(ステップC24)。すなわち、受信した判定結果が真の場合に挿入されたICカードを真とし、受信した判定結果が偽の場合に挿入されたICカードを偽とする。
そして、確認された判定結果が真か否かを判定し(ステップC25)、真でない場合に、カード挿入口21aからICカードを排出する(ステップC26)。
【0124】
一方、ICカードが真と判定された場合には、管理サーバ40からICカードのIDに対応して記憶された金額情報及び持球数情報(ここでは、例えば、遊技終了時に持球数に発射可能球数を加算したもの)を読み出し、これをRAM243に記憶するとともに、記憶された金額情報の金額の値を金額表示部30に表示し、記憶された持球数情報の持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC27)。なお、IDに対応する金額情報や持球情報が無い場合(0の場合)には、これらに対応して0が表示される。以上のことからカードユニット20は、遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報(ID)を入力するための遊技設備機となる。
【0125】
そして、カードユニット20においてカード処理が終了すると、次ぎに、図5(B)のフローチャートに示す、入金処理が行われる(ステップC3)。
入金処理では、まず、ICカードがカードユニット20のカード挿入口21aに挿入され、上述のカード処理が終了した状態、すなわち、ICカードがセットされた状態か否かを判定する(ステップC31)。そして、ICカードがセットされていなければ処理を終了してメインフローに戻る。
すなわち、カードユニット20にICカードがセットされていなければ、紙幣挿入口22aへの紙幣の挿入を受け付けず、ICカードなしでの遊技を受け付けないようになっている。
【0126】
そして、ICカードがセットされている場合には、紙幣挿入口22aに紙幣が挿入(投入)されたか否かが判定される(ステップC32)。
そして、紙幣が投入されていない場合は、処理を終了してメインフローに戻る。
紙幣が挿入された場合には、紙幣識別機22で挿入された紙幣の金額が識別され、識別された金額が入金額情報として管理サーバ40に送信される。なお、この処理では、実際には入金額情報が送信用データとしてメモリ(RAM243等)にセットされ(ステップC33)、メインフローのステップC9の管理サーバ送信処理において入金額情報が管理サーバ40に送信される。上述のID等の情報も実際には、送信処理において送信される。
【0127】
また、紙幣識別機22において、紙幣の識別ができなかった場合には、挿入された紙幣を排出して処理を終了する。
また、管理サーバ40において、入金額情報が受信された場合には、前記IDに対応づけて入金額情報を記憶するとともに、入金額情報に示される金額を前記IDに対応する金額情報の金額に加算して金額情報を更新記憶する。
【0128】
なお、金額情報の管理は、カードユニット20にICカードが挿入されている間は、カードユニット20側で行うものとしても良い。すなわち、カード処理時にIDに対応する金額情報を管理サーバ40からカードユニット20に読み込み、カードユニット20で紙幣の投入や後述の貸球処理により金額情報の金額の加算及び減算の演算処理を行い、後述の遊技終了処理でICカードを排出する際に、演算処理結果となる金額情報を管理サーバ40に送信し、管理サーバ40において受信した金額情報を、IDに対応する金額情報として更新記憶するものとしても良い。この例では、基本的に遊技価値に関する各情報の全てを管理サーバ40で記憶するとともに、遊技価値情報のうちの入金額情報、金額情報、持球数情報をカードユニット20(制御装置24)で管理記憶し、遊技価値情報のうちの発射可能球数情報を遊技機1(本体制御装置14)で管理記憶する。
【0129】
次に、カードユニット20において、識別された入金額情報が示す金額を入金表示部29に表示するとともに、管理サーバ40もしくはカードユニット20において、IDに対応する金額情報の金額に入金額情報の金額を加算した結果を新たな金額情報とし、この金額情報を金額表示部30に表示する(ステップC34)。そして、入金処理を終了してメインフローに戻る。
【0130】
次に、カードユニット20と遊技機1とで図6のフローチャートに示す球貸処理(ステップC4、ステップY2)が行われる。
まず、カードユニット20において、球貸操作部33が操作されて、それによる操作信号がカードユニット制御装置24に入力したか否かを判定する(ステップC41)。球貸操作部33が操作されていない場合には、処理を終了しメインフローに戻る。
ここで、球貸操作部33は、自動復帰する押しボタン式のスイッチである球貸ボタンとなっており、球貸操作部33の操作とは、球貸ボタンの押下となる。そして、球貸ボタンが押されている間、球貸ボタンからカードユニット制御装置24にON信号が続けて出力される。
【0131】
そして、球貸ボタンが押下された場合には、球貸ボタンからのON信号が所定時間以上連続して入力される状態となる長押しがされたか否か、すなわち、所定時間内にON信号が途切れなかったか否かが判定される(ステップC42)。
この例においては、遊技者の保有する遊技価値としての遊技媒体数が遊技機1で管理される第1遊技価値である発射可能球数と、カードユニット20で管理される第2遊技価値である持球数とに分けられるが、球貸処理において、金額情報を遊技媒体数に変換する場合に、変換された遊技媒体数としての貸球数を発射可能球数にするか持球数にするか遊技者が選択可能となっている。
【0132】
そして、球貸ボタンを長押しした場合には、貸球数が持球数に加算され、球貸ボタンを長押しせずに、短時間だけ押下した場合には、貸球数が発射可能球数に加算される。なお、発射可能球数には上限値があり、発射可能球数に貸球数を加算した場合に発射可能球数が上限値を超える場合には、遊技者が発射可能球数への加算を選択しても、後述のワゴンサービスフラグが有る場合を除いて上限値を超える分の遊技媒体数が超過球数として、持球数に加算される。
【0133】
そして、長押しではない場合に、金額情報の金額から500を減算し、貸球数125を遊技機1に送信する(ステップC43)。なお、ここでは、遊技媒体数(遊技球数)1個を4円としたものとする。なお、遊技球の換算レートは、4円に限定されるものではなく、決められた範囲の中で任意に設定可能である。なお、カードユニット20と遊技機1との通信は、1対1で接続された配線で行われるので、送信データを一旦セットした後に送信処理で送信されるのではなく、送信用データが作成された際に、カードユニット制御装置24から遊技機1に送信される。また、この例において、入金は紙幣により行われ最低単位が1000円となるが、球貸処理における金額情報から貸球数への変換は、500円単位となる。従って、球貸処理において、金額情報に500より小さい端数が生じることがない。なお、球貸ボタンが押下された際に記憶された金額情報に示される金額が0の場合は球貸処理を終了し、メインフローに戻る。
【0134】
次に、減算された金額情報を更新記憶するとともに、金額表示部に表示する(ステップC44)。また、減算された金額情報を管理サーバ40に送信するためにセットし(ステップC45)、管理サーバ送信処理で送信する。
一方、球貸ボタンを押下した際に、それが長押しの場合に、ワゴンサービスフラグ有りか否かが判定される(ステップC46)。ワゴンサービスフラグは、後述のワゴンサービス処理で、持球数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信して景品交換に関する処理を行っていることを示すものである。なお、後述の変形例では、ワゴンサービスフラグの有無を判定しないものとなっており、ステップC46のブロックが破線で図示されている。これ以降に説明するフローチャートにおいても、変形例で使用しないブロックが破線で図示されている。
【0135】
そして、ワゴンサービスフラグがある場合には、後述するようにカードユニット20で管理されていた持球数情報が、携帯情報端末60で景品交換のために管理されるようになっており、ワゴンサービスフラグが有る間、カードユニット20では、持球数に対する加算や減算の処理を行わない。従って、ワゴンサービスフラグが有る間は、遊技者が貸球数を持球数に加算することを選択しても貸球数が持球数に加算されずに遊技機1に送信されて発射可能球数に加算されることになる。
すなわち、ワゴンサービスフラグが有る場合には、長押しでない場合と同様にステップC43に進む。
【0136】
一方、ワゴンサービスフラグが無い場合には、持球数情報の持球数に上述の貸球数125個が加算される(ステップC47)。なお、上述の金額情報の減算も行われる。そして、加算された持球数を持球数情報として更新記憶するとともに、更新された持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC48)。次ぎに、ステップC44に移行して上述のように減算された金額情報を表示し、ステップC45で減算された金額情報を管理サーバ40に送信するための処理を行い、球貸処理を終了してメインフローに戻る。
【0137】
一方、遊技機1の本体制御装置の球貸処理においては、カードユニット20のステップC43で、貸球数が送信され、この貸球数が受信されたか否かを判定する(ステップY21)。そして、貸球数が受信されていない場合には、処理を終了してメインフローに戻る。
貸球数が受信された場合には、記憶されている発射可能球数情報の発射可能球数に所定の貸球数として125を加算する(ステップY22)。
【0138】
ここで、発射可能球数に貸球数を加算した加算結果が予め設定された発射可能球数の上限値としての250を超えているか否かを判定する(ステップY23)。
そして、加算後の発射可能球数が上限値を超えていない場合は、発射可能球数を確定し、加算後の発射可能球数を示す発射可能球数情報を更新記憶し、更新された発射可能球数を遊技機1の発射可能球数表示部8に表示し(ステップY24)、球貸処理を終了してメインフローに戻る。
【0139】
一方、発射可能球数が上限値を超えている場合には、後述の超過球処理により発射可能球数を確定するものとし、超過球処理を開始するための超過球フラグをセットして(ステップY25)、遊技機1における球貸処理を終了し、発射可能球数が未確定のままメインフローに戻る。
【0140】
次ぎに、カードユニット20と遊技機1において、カードユニット20の持球数のうちの所定数を遊技機1の発射可能球数に移動する持球移動処理が行われる(ステップC5、ステップY3)。
図7のフローチャートに示すように、カードユニット20においては、持球移動処理として最初にワゴンサービスフラグが有るか否かを判定する(ステップC51)。この例では、景品交換中の処理を行っている場合は、上述のように持球数情報の管理が携帯情報端末60に移管されており、カードユニット20で持球数情報の持球数の加算、減算ができない状態なので、ワゴンサービスフラグが有る場合には、後述のステップC5Cで現状の持球数を持球数表示部31に表示し、ステップC5Dで管理サーバ40に送信する持球数をセットして持球移動処理を終了しメインフローに戻る。
【0141】
ワゴンサービスフラグが無い場合には、持球移動操作部32が操作されたか否かを判定する。なお、持球移動操作部32も球貸ボタンと同様の構成の持球移動ボタンとなっており、持球移動ボタンからON信号が入力したか否かを判定する(ステップC52)。持球移動ボタンが押下されていない場合には、上述のステップC5C及びC5Dの処理を行ってから持球移動処理を終了しメインフローに戻る。
また、この例では、持球数と発射可能球数との間の移動が持球数から発射可能球数への一方向ではなく、双方向となっており、遊技者が持球数から発射可能球数に遊技媒体数を移動するか、発射可能球数から持球数に遊技媒体数を移動するかを選択できるようになっている。
また、持球移動ボタンも球貸ボタンと同様の制御で、長押しを判定できるようになっている。
そして、持球移動ボタンが押下された場合には、発射可能球数と持球数との間でどちらに向かって遊技媒体数を移動するかを長押しか否かで選択可能となっており、持球移動ボタンが長押しされたか否かが判定される(ステップC53)。
【0142】
そして、持球移動ボタンの操作が長押しでなく、短時間の押下の場合には、持球数から発射可能球数への遊技媒体数の移動となり、持球数が発射可能球数への持球移動時に設定されている一定数としての所定数である例えば250以上か否かを判定する(ステップC54)。そして、持球数が所定数以上ある場合には、持球数のうちの所定数を遊技機1に送信し(ステップC55)、記憶さている持球数情報が示す持球数から所定数の持球数を減算し、減算結果を新たな持球数情報として更新記憶する(ステップC56)。
【0143】
また、記憶されている持球数情報が示す持球数が所定数より小さい場合には、所定数ではなく所定数より小さい現状の持球数を遊技機1に送信し(ステップC57)、全ての持球数を遊技機1に移動したものとして持球数を0とした新たな持球数情報を更新記憶する(ステップC58)。
一方、所定数もしくは所定数以下の現状の持球数が送信された遊技機1(本体制御装置14)の持球移動処理(ステップY3)においては、持球数を受信したか否かが判定される(ステップY31)。持球数が受信されない場合には、後述の発射可能球数から持球数に遊技媒体数を移動するためのステップY36以降の処理に進む。
【0144】
そして、持球数が受信された場合には、遊技機1(RAM143)に記憶されている発射可能球数情報が示す発射可能球数に受信した持球数を加算する(ステップY32)。
従って、カードユニット制御装置24は、所定操作により、前記第2遊技価値記憶手段(RAM243)に記憶されている第2遊技価値(持球数)のうち所定数の遊技価値(遊技媒体数)を前記第1遊技価値(発射可能球数)として前記遊技機1に送信する遊技価値移動手段としての機能を有する。一方、遊技機1の本体制御装置14は、カードユニット20から送信された遊技価値(遊技媒体数)を受信する遊技価値受信手段として機能し、且つ、前記第1遊技価値演算手段として、前記第1遊技価値(発射可能球数)に前記遊技価値受信手段で受信した遊技価値(遊技媒体数)を加算する。
【0145】
次に持球数を加算された発射可能球数が上限値より大きいか否かを判定する(ステップY33)。そして、発射可能球数が上限値以下の場合には、持球数が加算された発射可能球数を確定し、加算された発射可能球数を示す新たな発射可能球数情報を更新記憶し、更新された発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示し(ステップY34)、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動の処理となるステップY36に進む。
【0146】
発射可能球数が上限値より大きい場合には、発射可能球数を確定せずに、超過球フラグをセットし(ステップY35)、後述の超過球処理で発射可能球数を決定する。また、超過球フラグをセットした後に、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動の処理となるステップY36に進む。
【0147】
一方、カードユニット20の処理において、ステップC53で、持球移動ボタンを長押ししたと判定された場合には、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動が行われることになり、カードユニット20(カードユニット制御装置24)から遊技機1(本体制御装置14)に、発射可能球数移動要求が送信される(ステップC59)。
遊技機1の処理においては、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動の処理として、カードユニット20からの発射可能球数移動要求が受信されたか否かを判定する(ステップY36)。
【0148】
そして、発射可能球数移動要求が受信されない場合には、持球移動処理を終了し、メインフローに戻る。
発射可能球数移動要求が受信された場合には、現在の発射可能球数情報の発射可能球数をカードユニット20に送信する(ステップY37)。また、現在の発射可能球数を全てカードユニット20に移動したものとしてて、発射可能球数を0とするとともに、この0となった発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY38)。なお、ここでは、現在の発射可能球数を全て持球数に移動するものとしたが、発射可能球数が予め決められた所定数(例えば、100)以上の場合に、所定数だけカードユニット20に移動するものとしても良い。また、発射可能球数が0の場合には、発射可能球数として0であることを示す信号を出力する。
【0149】
カードユニット20では、発射可能球数移動要求を送信した後に、発射可能球数が受信されたか否かを判定し(ステップC5A)、受信されない場合に、この判定を繰り返して行うことで、発射可能球数の受信を待機する状態となる。そして、発射可能球数が受信された場合には、現在記憶されている持球数情報の持球数に受信された発射可能球数を加算し、加算結果を新たな持球数情報として更新記憶する(ステップC5B)。
そして、持球移動処理の以上の処理で確定した持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC5C)。
この新たな持球数情報を管理サーバ40に送信するようにセットし(ステップC5D)、管理サーバ送信処理で管理サーバ40に送信する。管理サーバ40では、新たな持球数情報を持球数情報として更新記憶する。
カードユニット20では、持球移動処理を終了し、メインフローに戻る。
【0150】
次ぎに、遊技機1では、図8のフローチャートに示す遊技処理(ステップY4)が行われる。
遊技処理では、発射可能か否かが判定される(ステップY41)。ここで発射可能な状態とは、カードユニット20にICカードがセットされていること、発射可能球数が1以上であること、操作ハンドル9のタッチセンサ9aに遊技者の手が触れていることなどの遊技球の発射に必要な条件が揃っていることである。発射可能で無い場合には、後述のステップY4Bに進み、現状の発射可能球数等の情報をカードユニット20に送信する。
【0151】
次に、発射球発生か否かが判定される(ステップY42)。ここでは、発射球検出センサ1fからの遊技球の検出信号が入力された場合に発射球発生(遊技球発射)と判定される。
そして、発射球が発生した場合にだけ、記憶されている発射可能球数情報の発射可能球数を1デクリメントする(ステップY43)。
【0152】
次ぎに、ファール球発生か否かが判定される(ステップY44)。ここでは、戻り球検出センサ1cから遊技球の検出信号が入力された場合にファール球発生と判定される。
そして、ファール球が発生した場合にだけ、発射可能球数を1インクリメントする(ステップY45)。
次ぎに、賞球発生か否かが判定される(ステップY46)。ここでは、遊技機1において、遊技制御装置12から本体制御装置14に賞球数を示す賞球コマンドが入賞した場合に賞球発生と判定される。そして、賞球が発生した場合にだけ、賞球コマンドに示される賞球数が発射可能球数に加算される(ステップY47)。なお、以上の処理では、発射可能球数の加算、減算を行っても発射可能球数は確定されていない状態となっている。
【0153】
次ぎに、発射可能球数がその上限値である250を超えたか否かが判定され(ステップY48)、発射可能球数が250以下の場合にだけ、発射可能球数を確定して、発射可能球数情報として更新記憶し、確定した発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY49)。
また、発射可能球数が250を超えている場合には、超過球フラグをセットし(ステップY4A)、後述の超過球処理で発射可能球数を確定する。
次ぎに、発射可能球数、エラーが発生した場合のエラー情報、その他の情報をカードユニット20に送信し(ステップY4B)、カードユニット20を介して管理サーバ40に情報を送信する。そして、遊技処理を終了してメインフローに戻る。
この遊技処理を行う本体制御装置14は、前記第1遊技価値(発射可能球数)から遊技に使用した遊技価値量(発射球数)を減算し、且つ、前記第1遊技価値に入賞に対応した遊技価値(賞球数)を加算する第1遊技価値演算手段として機能する。また、本体制御装置14は、前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段として機能する。
【0154】
次ぎに、カードユニット20及び遊技機1において、図9のフロチャートに示す超過球処理が行われる(ステップC6、ステップY5)。
遊技機1の超過球処理においては、発射可能球数への遊技媒体数の加算により発射可能球数が上限値を超える場合にセットされる上述の超過球フラグが有るか否かが判定される(ステップY51)。超過球フラグが無い場合には、超過球処理を終了し、メインフローに戻る。
超過球フラグがある場合には、超過球フラグをクリアし(ステップY52)、上述のように数値が加算された後に上限値としての250より大きいことにより、未確定状態だった発射可能球数から上限値である250を減算して(ステップY53)、発射可能球数の上限値を超えた部分としての超過球数を算出する。
そして、算出された超過球数を超過球数情報としてカードユニットに送信する(ステップY54)。
【0155】
一方、カードユニット20では、超過球数情報受信したか否かが判定され(ステップC61)、超過球数情報を受信しない場合には、超過球処理を終了する。
超過球数情報を受信した場合には、次ぎに上述のワゴンサービスフラグが有るか否かを判定し(ステップC62)、ワゴンサービスフラグがセットされている場合には、ワゴンサービス中情報を遊技機1に送信して(ステップC63)、超過球処理を終了する。従って、ワゴンサービス中すなわち、遊技中の景品交換の処理を携帯情報端末60を用いて行うために、携帯情報端末60に持球数情報を移動している場合には、超過球数情報を受信しても持球数に超過球数を加算することなく、超過球処理を終了する。従って、持球数情報を景品交換のために携帯情報端末60に移動している間は、カードユニット20において持球数情報に対する演算処理を行なわず、カードユニット20のカードユニット制御装置24は、前記第2遊技価値記憶手段としてのRAM243に記憶された第2遊技価値としての持球数が景品交換遊技価値(景品交換球数)として前記景品交換端末装置としての携帯情報端末60に移動している景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)は、持球数と前記超過遊技価値としての超過球数との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段として機能する。
【0156】
遊技機1においては、超過球数情報を送信した後に、ワゴンサービス中情報を受信したか否かが判定され(ステップY55)、ワゴンサービス中情報が受信されない場合には、カードユニット20において後述のように持球数に超過球数を加算する処理が行われるものとして、発射可能球数を超過球数を含まない上限値(例えば250)として、この上限値の発射可能球数を発射可能球数情報として更新記憶し(ステップY56)、更新された発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY57)。
【0157】
また、ワゴンサービス中情報を受信した場合には、後述のようにカードユニット20において持球数に超過球数が加算されないことから発射可能球数をその上限値(250)に超過球数を加算したもの、すなわち、発射可能球数に遊技媒体数を加算して上限値を超過した場合の加算結果として発射可能球数情報を更新記憶し(ステップY58)、更新された発射可能球数を通常の表示色とは異なる表示色で発射可能球数表示部8に表示する(ステップY59)。
【0158】
このような処理により、カードユニット20において景品交換中は、持球数情報に関する演算処理を行わず、発射可能球数の上限値を超えた分となる超過球数を持球数に加算できない場合に、例外的に発射可能球数が上限値を超えるようにし、遊技中の景品交換により遊技に支障が生じるのを防止することができる。
すなわち、前記第1遊技価値記憶手段としてのカードユニット制御装置24のRAM243は、前記超過遊技価値加算不能動化手段としてのカードユニット制御装置24により持球数への前記超過遊技価値としての超過球数の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値としての発射可能球数を記憶する。
【0159】
また、発射可能球数が例外的に上限値を超えた場合に、発射可能球数の表示の表示色を発射可能球数が上限値以下の場合と異なるものとすることにより、遊技者に発射可能球数が上限値を超えていることを報知することができる。なお、遊技者に発射可能球数が上限値を超えていることを報知する方法としては、表示色を変更するだけではなく、発射可能球数の表示を点滅させたり、数字を示す書体を太字にするなど変更したり、上限値を超えていることを示すメッセージを表示したり、音や音声により報知したりしても良い。
【0160】
そして、カードユニット20において、ワゴンサービスフラグがセットされていない場合には、カードユニット20に記憶されている持球数情報の持球数に受信した超過球情報の超過球数を加算し、加算結果を持球数情報として更新記憶し(ステップC64)、更新された持球数情報を持球数表示部31に表示する(ステップC65)。また、管理サーバ40に対して、更新された持球数と、発射可能球数をセットし(ステップC66)、管理サーバ送信処理で送信する。なお、この際の発射可能球数は、ワゴンサービス中でないかぎり、超過球数を除いた発射可能球数の上限値となることが決まっているので、特に、遊技機1から発射可能球数を送信される必要はなく、発射可能球数を上限値として送信すれば良い。
【0161】
以上の超過球処理により、遊技機1の本体制御装置14は、前記上限値判定手段(本体制御装置14)で前記演算結果(発射可能球数へ遊技媒体数を加算した結果)が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値(超過球数)として前記遊技設備機(カードユニット20)へ送信する超過遊技価値送信手段としての機能を有する。また、カードユニット20のカードユニット制御装置24は、超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値を受信する超過遊技価値受信手段と、前記超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値とを加算する第2遊技価値演算手段として機能する。
【0162】
次ぎに、カードユニット20及び遊技機1における遊技終了処理(ステップC7、ステップY6)を説明する。
遊技終了処理は、カードユニット20の操作表示パネル23の遊技終了操作部35(遊技終了ボタン)が操作(押下)された場合に、発射可能球数を持球数に加算して、発射可能球数を0とし、カードユニット20からICカードを排出して遊技機1での遊技を禁止する状態とする処理である。
【0163】
カードユニット20においては、ワゴンサービスフラグが有るか否かが判定される(ステップC71)。ここで、遊技中の景品交換処理を行っている場合には、カードユニット20における持球数の演算処理が禁止された状態となっているので、遊技終了処理が行えない状態となっており、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。従って、遊技中の景品交換処理においては、遊技終了操作部35が無効となっており、遊技者が遊技終了操作部35を操作しても、遊技終了処理は開始されず、遊技を終了することはできない。
【0164】
ワゴンサービスフラグがセットされていない場合には、遊技終了操作部35が操作されたか否か、すなわち、遊技終了操作部35からの操作信号がカードユニット制御装置24で受信されたか否かが判定され(ステップC72)、受信されていない場合には、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
遊技終了操作部35から操作信号を受信した場合には、遊技機1に対して遊技終了要求を送信する(ステップC73)。
【0165】
遊技機1においては、遊技終了処理において、カードユニット20から遊技終了要求を受信したか否かが判定され(ステップY61)、遊技終了要求が受信されない場合には、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
遊技終了要求を受信した場合には、遊技動作終了か否かを判定する(ステップY62)。ここで、遊技終了ボタンを押下した遊技者は、基本的に、操作ハンドル9から手を離して遊技を辞めた状態となっており、操作ハンドル9に設けられたタッチセンサ9aから発射制御装置13への信号がオフ(タッチしていないことを示す信号状態)となっており、発射制御装置13の制御により発射装置の発射モータ2gが停止した状態となる。これを例えば、発射制御装置13からの信号や、発射球検出センサ1fから所定時間以上遊技球の検出信号の出力がないことなどにより、本体制御装置14において、遊技動作終了を判定する。また、遊技動作終了の判定として、発射された後に未だ回収されていない浮遊球(遊技領域に発射されてから回収されるまでの遊技球)数を監視し、浮遊球数が0となった場合に、遊技動作終了と判定しても良い。なお、浮遊球数の監視は、上述のICカード挿入による遊技開始時から、発射球検出センサ1fからの検出信号によりカウントされる発射球数(発射した遊技球数)と、入球検出センサ1a及び戻り球検出センサ1cからの検出信号によりカウントされる回収球数(回収された遊技球数)との差を算出して浮遊球数とし、この浮遊球数が0になるのを監視する。
【0166】
なお、遊技者が遊技終了ボタンを押下したにも拘わらず、操作ハンドル9から手を離すことなく、遊技球の発射操作を行っている場合には、遊技動作終了とならず、遊技動作終了を待機する状態となる。なお、実際の処理としては、ここで、一旦、遊技終了処理を終了してメインフローに戻り、再び、遊技処理(ステップY4)が可能な状態とし、再び、メインフローにおいて遊技終了処理が開始された際に、再び、遊技動作終了か否かを判定し、遊技動作が終了していたら次ぎの処理に以降するようになっていることが好ましい。
【0167】
そして、遊技動作が終了した場合には、遊技動作終了を送信し(ステップY63)、現状の発射可能球数をカードユニット20に送信する(ステップY64)とともに、発射可能球数情報として記憶されている発射可能球数を0として更新記憶し、更新された発射可能球数すなわち0を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY65)。これにより、遊技動作を終了した時点で、発射可能球数が0となり、再び、遊技者が操作ハンドル9を持つことにより、タッチセンサ9aから発射制御装置13にタッチを示す信号が入力しても、発射制御装置13は、本体制御装置14により、発射可能球数が0となっていることから発射を禁止するように制御されており遊技動作(遊技球の発射)が再開されることはない。そして、遊技機1における遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
【0168】
遊技終了要求を送信したカードユニット20においては、次ぎに、遊技機1から上述の遊技動作終了情報を受信したか否かを判定し(ステップC74)、遊技動作終了情報を受信しない場合には、遊技動作終了情報の受信を待機する状態となる。ここで、遊技動作終了を判定する遊技機1側と同様に、遊技動作終了情報が受信できない場合には、一旦、遊技終了処理を終了し、次回以降の遊技動作終了処理において、遊技動作終了情報を受信できた際に、次ぎの処理に以降し、受信できない場合は、遊技動作処理を終了するものとしても良い。
【0169】
そして、遊技動作終了情報を受信した場合は、次ぎに発射可能球数情報を受信したか否かを判定し(ステップC75)、発射可能球数情報の受信を待機する状態となる。そして、発射可能球数を受信した場合には、持球数情報として記憶された現状の持球数に受信した発射可能球数情報の発射可能球数を加算し、加算結果を持球数情報として更新記憶し(ステップC76)、更新された持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC77)。
また、更新された持球数情報を管理サーバ40に送信するようにセットし、管理サーバ送信処理で送信する(ステップC78)。なお、この際には、発射可能球数が0となっていることを示す情報も送信されるが、この情報とは、例えば、遊技終了時に発射可能球数を必ず0とするならば遊技終了を示す情報であっても良い。
【0170】
また、金額情報も管理サーバ40に送信されて管理される。管理サーバ40では、更新された持球数情報や金額情報を管理し、景品POS端末82でICカードからIDデータが読み取られた場合に、持球数情報に対応する持球数の範囲で景品交換可能とするとともに、景品交換された遊技媒体数を持球数情報の持球数から減算し、減算結果を更新記憶する。また、景品交換に際しては、持球数情報を景品交換媒体数情報(遊技後の景品交換用の遊技媒体数)に変換した後に景品交換可能とするものとしても良い。
【0171】
また、金額情報に関しては、精算機83においてICカードからIDデータが読み込まれた際に、管理サーバ40から精算機83にIDに対応する金額情報を送信し、精算機83で未使用分の金額情報を貨幣として払い出し、精算終了時に管理サーバ40では、金額情報を0として更新記憶する。
【0172】
次いで、カードユニット20のICカードリーダライタ21によりICカードにデータの書込が行合われる(ステップC79)。ここでの書込は、例えば、遊技終了を示す情報で、例えば、遊技した遊技機を示す遊技機番号(台番号)や遊技終了時刻等を含むものとしても良い。また、ICカードに持球数情報や金額情報を書き込むものとしても良い。なお、ICカードに持球数情報や金額情報等の遊技価値情報を書き込むものとした場合に、遊技価値情報を使用する場合に、ICカードに書き込まれた遊技価値情報と管理サーバ40でIDに対応づけて記憶している遊技価値情報とが異なる場合に、管理サーバ40に記憶されている遊技価値情報が使用される。なお、上述のように遊技価値情報が異なる場合に遊技価値情報の使用を一時的に禁止するものとしても良い。
そして、データの書込が行われたICカードを排出して(ステップC7A)、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
【0173】
ここで、遊技者がカードユニット20にICカードを挿入した状態での景品交換を可能とするワゴンサービス処理を説明する。遊技機1は、ワゴンサービス処理に直接関与せず、上述のようにワゴンサービスフラグがあり、ワゴンサービス処理が行われる状態で、発射可能球数の上限値を超える超過球が発生した場合に、発射可能球数を上限値以上とする例外的処理を行うだけである。そして、カードユニット20と携帯情報端末60との間で、無線通信を行いながら、カードユニット20(カードユニット制御装置24)と携帯情報端末60(制御部)とでワゴンサービス処理(ステップC8)が行われる。
【0174】
したがって、遊技機1と携帯情報端末60との間で無線通信を必要とせず、遊技機1には、無線通信機器が設けられず、遊技機1が外部からの無線信号により動作させられるようなことが起こりえないようになっており、無線通信に対応して携帯情報端末60を使用して遊技者が保有する遊技価値情報を用いて遊技中に景品交換可能としても、遊技機1のセキュリティが低下するのを防止することができる。
【0175】
まず、遊技中の景品交換を行うには、例えば、遊技者が巡回しているサービス員に景品交換を要求するか、もしくは、遊技者が、遊技機1が設置された島設備の遊技機1の上に設けられた呼出ボタンを押下してサービス員を呼び出し、サービス員に景品交換を要求する。
サービス員は、携帯情報端末60を携帯しており、携帯情報端末60のサービスボタン63を押下する。なお、この際に、景品交換を行う遊技者が遊技している遊技機1とそれに対応するカードユニット20を特定する必要がある。ここで、管理サーバにおいては、会員遊技者に対応するIDに関連して、会員登録時に設定された暗証番号を記憶しており、携帯情報端末60にテンキーを設け、遊技者に暗証番号を入力してもらうものとしても良い。
【0176】
この場合に、携帯情報端末60から近くカードユニット20に、携帯情報端末60毎に予め設定された端末IDと入力された暗証番号に対応する暗証番号情報が送信され、カードユニット20から管理サーバ40に端末IDと暗証番号が送信される。管理サーバ40では、暗証番号に対応するIDを検索して抽出し、次ぎに、抽出されたIDが記憶されたICカードがセットされているカードユニット20を検索する。そして、これにより暗証番号を入力した遊技者が遊技する遊技機1に対応するカードユニット20が特定され、該カードユニット20と、端末IDで特定される携帯情報端末60との通信を可能とする処理を行う。
【0177】
なお、暗証番号を用いずに例えば、サービスボタン63を押下する前に遊技機1毎に設定された遊技機番号のうち景品交換を要求している遊技者が遊技する遊技機1の遊技機番号を入力することで、景品交換を要求した遊技者が遊技する遊技機1に対応するカードユニット20を特定し、このカードユニット20と遊技機番号を入力した携帯情報端末60との間で通信を可能とするものとしても良い。なお、携帯情報端末60と通信するカードユニット20が特定されていない場合には、例えば、最初に通信状態が確立したカードユニット20と通信し、次いで、上述のように暗証番号や遊技機番号により特定されたカードユニット20と通信するものとしても良い。
【0178】
なお、複数の通信装置が存在する状態で、遊技機1とカードユニット20とで1対1で通信を行う場合には、例えば、複数の通信装置と通信可能なブルートゥース(商標)等の通信規格や、それに類似する周知の通信規格を用いるものとし、該通信規格に基づいて、通信相手を確定するものとしても良い。また、携帯情報端末60は、直接カードユニット20と無線通信を行うのではなく、管理サーバ40に接続された無線通信装置を介してカードユニット20と通信するようにしても良い。この場合には、管理サーバ40が携帯情報端末60から入力される暗証番号や遊技機番号等により、携帯情報端末60と通信するカードユニット20を特定する。
【0179】
そして、図11及び図12のフローチャートに示すように、携帯情報端末60において、前の処理で、後述の景品選択フラグがセットされているか否かが判定される(ステップK11)。ここでは、未だ景品選択フラグがセットされていないので、次ぎに、サービスボタン63が押下されたか、すなわち、携帯情報端末60において、サービスボタン63となるスイッチから制御部に信号が入力されたか否かが判定され(ステップK12)、サービスボタン63が押下されていなければ、後述のステップK1Gに進むことになるが、最終的に携帯情報端末60におけるワゴンサービス処理は終了する。サービスボタン63が押下されるとともに、通信相手となるカードユニット20が特定された際に、特定のカードユニット20に対して持球数移動要求が送信される(ステップK13)。
【0180】
カードユニット20においては、後述の処理により既にワゴンサービスフラグがセットされているか否かが判定される(ステップC81)。ここでは、未だワゴンサービスフラグがセットされていないものとして、持球数移動要求が受信されたか否かが判定される(ステップC82)。ここで、持球数移動要求が受信されていない場合には、ステップC8Jに進むが、最終的に持球数移動要求が受信されていないことによりカードユニット20におけるワゴンサービス処理を終了する。
【0181】
持球数移動要求が受信された場合には、カードユニット20に記憶されている持球数の値が、予め設定された最低景品交換球数以上であるか否かが判定される(ステップC83)。なお、遊技中に景品交換を行うサービスであるワゴンサービスにおいては、遊技店にある全ての景品を交換可能としても良いが、遊技者が遊技中に交換する可能性が高いものだけを交換可能としても良く、例えば、ジュース、珈琲等の飲料や、タバコを交換可能としても良い。どちらにしても、景品交換に必要な遊技媒体数が少ないのは、例えば、ジュースなどであり、ジュースが交換可能な遊技媒体数、例えば、30を最低景品交換球数としても良い。
【0182】
そして、持球数が最低景品交換球数より少ない場合には、携帯情報端末60に球不足情報を送信し(ステップC84)、ステップC8Jに進むが、基本的に球不足情報を送信した場合には、ワゴンサービス処理を終了する。
最低景品交換球数が有ると判定された場合には、ワゴンサービスフラグをセットし(ステップC85)、持球数、遊技機番号(台番号)を携帯情報端末60に送信する(ステップC86)。また、操作表示パネル23の表示部にワゴンサービス中であることを示す表示を行うための情報をセットする(ステップC87)。なお、カードユニット制御装置24は、セットされた情報に基づいて、操作表示パネル23の表示部にワゴンサービス中を示す表示を行う。従って、カードユニット制御装置24は、第2遊技価値記憶手段(RAM243)に記憶されている全ての第2遊技価値(持球数)を景品交換遊技価値(景品交換球数)として前記景品交換端末装置に送信する景品交換遊技価値送信手段として機能する。
【0183】
携帯情報端末60においては、持球数移動要求を送信した後に、球不足情報を受信したか否かを判定し(ステップK14)、球不足情報を受信した場合には、球不足であることを報知する。この際には、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に球不足であることを表示して、球不足を報知する。そして、球不足を報知した後に、後述のステップK1Gに進むことになるが、最終的に携帯情報端末60におけるワゴンサービス処理は終了する。
一方、球不足情報を受信していない場合には、持球数、遊技機番号(台番号)を受信したか否か判定し(ステップK16)、受信していない場合には、ステップK14に戻る。すなわち、球不足情報も、持球数及び遊技機番号も受信していない場合は、球不足情報もしくは持球数及び遊技機番号のいずれかを受信するまで待機する状態となる。
【0184】
なお、受信した遊技機番号は、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に表示されるようになっており、サービス員が景品交換を行う遊技者が遊技する遊技機1が設置された島設備の遊技機1の近傍(例えば、上)に表示されている遊技機番号と、携帯情報端末60に表示された遊技機番号とを見比べて一致しているか否かを確認することができる。すなわち、携帯情報端末60とカードユニット20とが正しい組合わせで無線通信を行っているか否かを判断することができる。
そして、持球数等を受信した場合には、景品選択フラグをセットする(ステップK17)。次いで、景品選択処理を行う(ステップK18)。ここでは、例えば、図14に示すように、持球数を受信した携帯情報端末60において、サービス員が携帯情報端末60のメニューボタン64を押下することで、景品名等の景品を特定する情報の一覧が液晶ディスプレイ61に表示する処理を行う。また、遊技者からの要望に応じてサービス員が、カーソル移動ボタン67を操作して、一覧として表示された景品を特定する情報から交換する景品を特定する情報の表示にカーソルを合わせて選択ボタン65を押下することにより交換する景品を選択する処理を行う。なお、携帯情報端末60の景品を特定する情報の一覧が表示された液晶ディスプレイ61を遊技者に見せて、遊技者に景品を選択させるようにしても良い。
この処理により、携帯情報端末60の制御部は、複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段として機能する。
【0185】
カードユニット20では、ワゴンサービス中表示のセットを行った後(ワゴンサービスフラグをセットした後)に、フローチャートには図示しないが、カードユニット20から遊技機1にワゴンサービス中情報(超過球処理の場合とは別)が送信され、ワゴンサービス中情報を受信した遊技機1は、発射可能球数が予め設定されたワゴンサービス中最低遊技媒体数以上か否かを判定し、ワゴンサービス中最低遊技媒体数以上でない場合に、遊技価値不足情報を送信する。なお、最低遊技媒体数は、ここでは、例えば、景品交換時に景品の選択等のため遊技者が遊技球の発射を停止していたとしても、変動表示ゲームが行われ、変動表示ゲームが大当たりとなる可能性があるので、大当たりが発生しても大当たり発生後に遊技球を入賞させることが可能な遊技媒体数であり、例えば、10個が設定されている。
【0186】
なお、遊技価値不足情報は、遊技機1において、大当たり状態が発生した際にだけ送信するものとすることが好ましい。
従って、カードユニット制御装置24は、遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記第1遊技価値(発射可能球数)が所定値以下の場合に、カードユニット20に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段として機能する。
【0187】
そして、カードユニット20においては、遊技機1に対するワゴンサービス中の送信に対して遊技価値不足情報が返信されるか否かを判定する(ステップC88)。
そして、遊技価値不足情報を受信した場合には、ワゴンサービス処理を中止するために、持球数を送信し、持球数を携帯情報端末60に移動した状態となっているのを解消するため、強制返送要求を携帯情報端末60に送信する(ステップC89)。
すなわち、カードユニット制御装置24は、前記景品交換遊技価値移動中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、前記景品交換端末装置に景品交換遊技価値の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段として機能する。
【0188】
それに対して、携帯情報端末60では、強制返送要求を受信したか否かを判定し(ステップK19)、強制返送要求を受信した場合には、先に受信した持球数をカードユニット20に送信し(ステップK1A)、ワゴンサービス処理を終了する(次ぎに景品選択フラグがセットされるまで、景品選択処理を行わない)ために景品選択フラグをクリアする(ステップK1B)。従って、携帯情報端末60の制御部は、強制返送要求送信手段としてのカードユニット制御装置24からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段として記憶している景品交換遊技価値(景品交換遊技球数)をカードユニット20に送信する景品交換遊技価値返送手段としての機能を有する。
【0189】
なお、強制返送要求を受信した場合には、例えば、携帯情報端末60において、その制御部の処理により、景品を選択するための前記一覧の表示が消されたり、景品交換中止を示すような表示が行われたりすることで、景品交換を続行できない状態となる。
その後、ステップK1C、ステップK1Gに進むことになるが、強制返送要求を受信した場合には、最終的にワゴンサービス処理を終了することになる。
【0190】
強制返送要求を送信したカードユニット20においては、通信等にエラーが発生しない限り携帯情報端末60から強制返送要求に対応して持球数が受信されるので、持球数が受信されたか否かを判定し(ステップC8A)、持球数が受信されない場合は、持球数の受信を待機する状態となる。
そして、持球数を受信した場合には、ワゴンサービス処理を終了する(次ぎにサービスフラグがセットされるまで、以下に説明する景品情報及び持球数の受信を行わない)ために、ワゴンサービスフラグをクリアする(ステップC8B)。なお、携帯情報端末60から受信された持球数は、先に携帯情報端末60に送信した持球数と同じ値となっており、カードユニット20に記憶される持球数情報の持球数は変化せず、持球数表示部31における持球数の表示も変化しない。従って、カードユニット20と携帯情報端末60とにおいて、ワゴンサービス処理(遊技中の景品交換処理)がキャンセルされた状態となれば、必ずしも携帯情報端末60からカードユニット20に持球数を送信する必要がないが、携帯情報端末60から送信される持球数によりエラーのチェックを行うものとしても良い。
カードユニット20のワゴンサービス処理においては、ワゴンサービスフラグをクリアされた後、ステップC8C、ステップC8J、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。
【0191】
そして、携帯情報端末60において、景品選択処理後、強制返送要求を受信することがなかった場合には、景品交換ボタン68が押下されたか否か、すなわち、景品交換ボタン68からその押下に対応する信号が制御部に受信されたか否かを判定する(ステップC8C)。
なお、この段階で、強制変換要求を受信していない場合には、液晶ディスプレイ61に上述の景品を特定する情報の一覧が表示されるとともに、景品を特定する情報の少なくとも一つが選択ボタン65により選択された状態となっており、景品交換ボタン68を押下すると、カードユニット20から受信した持球数から景品の情報に含まれる交換用の遊技媒体数を減算する処理が行われるようになっている。すなわち、携帯情報端末60の制御部は、前記景品交換遊技価値記憶手段として記憶している前記景品交換遊技価値(景品交換球数)から前記選択した景品に対応する遊技価値(遊技媒体数)を減算する景品減算手段として機能する。
【0192】
また、景品交換ボタン68が押下されない場合は、ステップK1Gに進み最終的にワゴンサービス処理を終了することになるが、この場合には、景品選択フラグがクリアされず残った状態となる。従って、次回のワゴンサービス処理のステップK11において、景品選択フラグ有りと判定され、景品選択処理を行うことになる。従って、景品選択フラグがセットされた後は、ワゴンサービス処理が繰り返し行われる度に、強制返送要求を受信するかと、景品交換ボタン68が押下されるかを判定することになり、強制返送要求の受信と景品交換ボタン68の押下を待機する状態となる。そして、強制返送要求を受信するか、景品交換ボタン68が押下されると景品選択フラグがクリアされ、これらを待機する状態が終了することになる。また、携帯情報端末においては、上述の景品選択処理において、景品の情報の一覧をカーソルで選択した際に、景品交換前の持球数、景品を示す景品名、選択された景品の交換に必要な遊技媒体数、景品交換後の持球数として景品交換前の持球数から景品交換に必要な遊技媒体数を減算した値を景品交換ボタン68を押下する前に液晶ディスプレイ61に表示するようになっている。
【0193】
従って、液晶ディスプレイ61は、景品交換遊技価値記憶手段(携帯情報端末60の制御部)に記憶されている景品交換遊技価値(景品交換球数としての持球数)と、前記景品選択手段(携帯情報端末60の制御部)で選択した景品の情報と、前記景品減算手段(携帯情報端末60の制御部)の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段として機能する。
【0194】
そして、景品交換ボタン68が押下されると、上述のように持球数が景品交換分だけ減算され、減算された持球数と、交換される景品に関する景品情報(例えば、景品を特定する景品名、コード等と交換に必要な遊技媒体数)とが景品注文に関する情報としてカードユニット20に送信され(ステップK1D)、持球数移動要求送信後に受信した遊技機番号を実際に景品が受け渡されるのを待っている景品待ち遊技機番号としてディスプレイに表示するように表示データをセットし(ステップK1E)、景品選択フラグをクリアする(ステップK1F)。すなわち、携帯情報端末60の制御部は、前記景品減算手段としての減算結果を第2遊技価値(持球数)とし、当該持球数と前記景品選択手段として選択した景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記カードユニット20に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段として機能する。
【0195】
カードユニット20においては、携帯情報端末60から交換される景品の景品情報と、交換される景品に対応する遊技媒体数が減算された持球数情報が受信されたか否かが判定される(ステップC8C)。ここで、景品情報及び持球数情報が入力されないと、ステップC8J、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。そして、次回のワゴンサービス処理のステップC81において、ワゴンサービスフラグ有りとされて、ステップC88を経た後に、再び、ステップC8Cで、景品情報及び持球情報の受信を待つ状態となり、ワゴンサービス処理が繰り返される度に、景品情報及び持球数の受信を判定して景品情報及び持球数の受信を待つ状態となる。
この処理により、カードユニット制御装置24は、前記携帯情報端末60から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段として機能する。
【0196】
景品情報及び持球数を受信した場合には、持球数情報が戻ってきたことにより景品交換処理が終了することから、遊技中の景品交換を示すワゴンサービス中表示をクリアする(ステップC8D)。
そして、景品交換用に交換する景品に対応する遊技媒体数が減算された持球数を新たな持球数として持球数情報を更新記憶するとともに、更新された持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC8E)。
【0197】
また、持球数情報と景品情報を管理サーバ40に送信し(ステップC8F)、管理サーバ40で更新された持球数を管理させるとともに、識別情報により特定される遊技者が景品情報に示される景品名、景品コード、交換に必要な遊技媒体数等を有する景品交換を行ったことを管理させるようにする。この処理により、カードユニット制御装置24は、景品注文受信手段として受信した景品注文に関する情報を管理サーバ40に送信する景品注文送信手段として機能する。
【0198】
また、管理サーバ40を介して、景品情報は、景品モニタ装置81及び景品POS端末82にも送信される。景品モニタ装置81は、例えば、景品交換カウンタや珈琲等の飲料を用意するカウンタに設けられ、景品情報が受信されると、そのモニタに景品情報が表示されることになり、例えば、ワゴンサービス用のワゴンには常備されていない景品が選択されたような場合に、景品モニタ装置81を見たサービス員が交換用の景品を用意する。なお、遊技機番号も景品モニタ装置81に送信するようにし、サービス員が用意した景品を遊技機番号で指定された遊技機1の遊技者まで運ぶようにしても良い。
【0199】
また、景品情報を受信した景品POS端末では、受信した景品情報に示される景品を遊技者に渡すものとして、景品情報に示される景品の景品交換処理を行い、景品が引き渡されて在庫が減少したこと、景品交換に持球数が使用されたことなど、景品の管理の処理を行う。
【0200】
次ぎに、上述のように景品交換の処理が終了することからワゴンサービスフラグをクリアする(ステップC8G)。ここで、ワゴンサービスを行うサービス員が遊技者に持球数と交換された景品を引き渡した際に、サービス員が携帯情報端末60の景品受渡ボタン69を押下し、それを示す景品受渡情報が携帯情報端末60からカードユニット20に送信されるようになっている。
これにより、カードユニット20及び携帯情報端末60における景品交換の処理と、実際の景品交換とが終了することになるが、景品受渡情報を待つ間、カードユニット20の操作表示パネル23の表示部において景品待ち表示を行うように景品待ち表示をセットする(ステップC8H)。また、景品受渡情報の受信を待っている状態であることを示す景品待ちフラグをセットする(ステップC8I)。
【0201】
次ぎに、景品待ちフラグがセットされているか否かを判定する(ステップC8J)。ここで、ステップC81でワゴンサービスフラグ無しと判定され、かつ、ステップC82で持球数移動要求を受信していないと判定された場合、すなわち、景品交換を行っていない場合と、ステップC8Cで景品情報及び持球数情報を受信していないと判定され、景品情報及び持球数情報の受信を待機している場合に、ステップC8Jに至るが、この場合は、ステップC8Iで景品待ちフラグがセットされていないので、ステップ8jで景品待ちフラグ無しと判定され、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。
【0202】
景品待ちフラグがセットされている場合には、大当たり状態が発生したか否かが判定され(ステップC8K)、大当たり状態が発生していない場合には、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。
ここで、景品待ちフラグがある状態、すなわち、景品交換処理が行われた後に、実際に景品が遊技者に引き渡されていない場合には、記憶された持球数情報が示す持球数に景品情報に示される景品の交換に必要な遊技媒体数が加算されて(ステップC8L)、加算結果となる持球数が持球情報として更新記憶され、更新記憶された持球数が持球数表示部31に表示され、さらに、更新された持球数情報が管理サーバ40に送信される。
【0203】
従って、カードユニット制御装置24は、前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、前記景品注文実行手段(携帯情報端末60の制御部)からの景品注文に関する情報を受信してから後述の受渡送信手段としての携帯情報端末60の制御部からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技価値をサービスとして前記第2遊技価値(持球数)に加算する景品価値加算手段と、として機能する。
【0204】
ここで、景品交換に必要な遊技媒体数を持球数に加算したのは、交換した景品を受け取るのを待っている間に、大当たりを発生させたことに対する特典(サービス)を与えるためである。これにより、遊技者は、景品交換を行うことにより特典を得られる可能性が生じることから、遊技者に景品交換を促すことになる。
また、ワゴンサービスの場合には、ワゴンに商品の在庫があれば、珈琲、茶等のポットに入れられた飲料も含めて短時間で商品を引き渡せるようになっており、たまたま在庫がなかった場合に、商品を取りに戻ったり、珈琲や紅茶を入れ直したりすると、景品交換に時間がかかる場合がある。また、注文を受けてから珈琲や紅茶を入れる場合にも時間がかかる場合がある。
【0205】
この場合に、遊技者が長い時間景品が引き渡されるのを待つことになり、遊技者が不満を抱く可能性があるが、待ち時間が長くなるほど、その間に大当たりが発生し、持球数を減らすことなく、景品を得られる可能性が高くなるので、前記不満を抑制することができる。また、ワゴンサービスのサービス員もできるだけ早く景品を受け渡すように努力するようになる。
【0206】
携帯情報端末60においては、景品選択フラグがクリアされた後、携帯情報端末60の景品受渡ボタン69が押下されたか否かが判定され(ステップK1G)、押下されない場合にワゴンサービス処理を終了する。なお、ステップK11で景品選択フラグ無しと判定され、かつ、ステップK12で、サービスボタン63が押下されていないと判定された場合、すなわち、サービスボタン63が押下されず景品交換が行われない場合と、ステップK14でカードユニット20から球不足情報を受信し、ステップK15で球不足を報知した場合、すなわち、景品交換が中止されて景品交換が行われない場合と、ステップK1Cで景品交換ボタン68が押下されないと判定された場合、すなわち、景品交換において景品選択の後に景品交換を確定する景品交換ボタン68が押下されるのを待機している場合に、ステップK1Gに至るが、これらの場合は、景品交換が行われないか、未だ、景品交換ボタン68の押下を待っている状態なので、景品受渡ボタン69が押下されることなく、ワゴンサービス処理を終了する。なお、実際には、これらの場合は、景品受渡ボタン69が無効にされる処理が行われており、誤ってこのタイミングで景品受渡ボタン69が押下されてもそれ以後の処理は行われずワゴンサービス処理が終了する。
【0207】
景品受渡ボタンが押下された場合には、景品待ち遊技機番号の表示がクリアされ(ステップK1H)、景品受渡情報を送信して(ステップK1I)ワゴンサービス処理を終了する。
すなわち、携帯情報端末60の制御部は、受渡操作手段が操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段として機能する。
【0208】
そして、カードユニット20においては、景品受渡情報を受信したか否かが判定され(ステップC8M)、受信しない場合には、ワゴンサービス処理を終了する。なお、上述のように景品交換を行っていない場合と、景品情報及び持球数の受信待ちの場合にもステップC8Mに至るが、この場合は、景品受渡情報を受信することなく、ワゴンサービス処理を終了する。なお、景品待ちフラグが有る状態で処理を終了した場合には、ワゴンサービス処理が行われるたびに景品受渡情報の受信を待機する状態となる。また、景品受渡情報を受信した場合には、景品待ち表示をクリアし(ステップC8N)、景品待ちフラグをクリア(ステップC8O)してワゴンサービス処理を終了し、メインフローに戻る。
【0209】
メインフローにおいては、カードユニット20において、ステップC9の管理サーバ送信処理が行われ、メインフローの各処理で管理サーバ40に送信するデータがセット(メモリに一時記憶)された際に、これを管理サーバ40に送信する処理が行われる。
以上で、カードユニット20及び遊技機1のメインフローの処理が終了し、所定の割り込みの発生によりメインフローの処理を、例えば、数十msec毎に繰り返し行うために、カートユニット20及び遊技機1において、ステップC10、ステップY7で割り込み発生を待機し、割り込みが発生した場合に再びメインフローの処理を行う。
【0210】
以上のような遊技機1、カードユニット20及び携帯情報端末60における発射可能球数及び持球数に関する処理うちの遊技中の景品交換を行うためのワゴンサービス処理を説明するための処理ブロックを図13に示す。
上述のように、携帯情報端末60では、遊技者からの依頼に基づいて、サービスボタン63を押下する(丸1)が、この際には、携帯情報端末60を操作するサービス員に対応して設定された暗証番号を入力してから(ワゴン)サービスボタン63を押下するものとしても良い。このようにすれば、どのサービス員が操作したかを特定することができ、これによりワゴンサービスに関する労働負荷を各サービス員毎に算出したり、各サービス員の業務状況等をワゴンサービスを行った回数から推測したりすることができる。これにより、必要なサービス員の数を算出したり、サービス員を査定するための資料を作成したりすることができる。
また、暗証番号を入力するようにすることで、サービス員以外のものが、携帯情報端末60を不正利用するのを防止することができる。
【0211】
また、携帯情報端末60においてサービスボタン63が押下されると、持球数移動要求がカードユニット20に送られるが、この際に携帯情報端末60毎に予め設定された端末識別番号を、持球移動要求とともに、カードユニット20に送信しても良い。携帯情報端末60を識別可能な端末識別番号をカードユニット20に送信することで、カードユニット20からさらに管理サーバに携帯識別番号を送信して、この携帯識別番号に対応する携帯情報端末を使用しているサービス員やサービス業務を外部委託された業者毎に景品交換等の業務に関するデータを管理することができる。
これにより、携帯情報端末60において、サービスボタン63が押下されると、持球数要求情報とともに、入力された暗証番号、携帯情報端末識別番号が送られる(丸2)。
【0212】
なお、携帯情報端末60の通信相手となるカードユニット20は、遊技店では、比較的に互いに近接して多数配置されることになり、サービスボタン63が押下された携帯情報端末60と通信するカードユニット20を特定する必要があり、上述のように携帯情報端末60を遊技者に渡して、会員登録した遊技者に設定された暗証番号を、入力させるようにして、遊技者を特定し、特定された遊技者のIDから、該IDが読み取られたICカードが挿入されているカードユニット20を特定しても良い。
また、サービスボタン63の押下時に、遊技機番号を入力することで、カードユニット20を特定するものとしても良いし、カードユニット20側に景品交換を要請するボタン等の操作部を設け、該操作部が操作されたカードユニット20を特定するものとしても良い。
【0213】
そして、携帯情報端末60から持球移動要求があると、カードユニット20は、上述のように現在の持球数を示す持球数情報と、カードユニット20に1対1で対応する遊技機1に付されかつ遊技機1近傍に表示された遊技機番号とを携帯情報端末60に送信する(丸3)。
持球数と遊技機番号とを受信した携帯情報端末60では、液晶ディスプレイ61上に表示される景品の情報を用いて景品の選択を行う(丸4)。
そして、景品の選択が終了した後に、景品交換ボタン68を押下することにより(丸5)、選択された景品の景品情報と、選択された景品の交換に必要な遊技媒体数を減算した持球数を示す持球数情報(残り持球数)がカードユニット20に送信される(丸6)。
そして、この持球数情報及び景品情報を受信したカードユニット20は、記憶されている持球数を受信した持球数情報の持球数に更新するとともに、受信した持球数情報及び景品情報は、管理サーバ40に送信される(丸7)。
【0214】
管理サーバ40では、識別情報に基づいて遊技者毎に管理されている持球数情報を受信した持球数情報に更新する。また、景品情報を景品モニタ装置81及び景品POS端末82に送信し(丸8)、景品モニタ装置81に景品を表示させることで、景品モニタ装置81の設置場所にいるサービス員に交換される景品を知らせる。また、景品POS端末82では、景品の在庫等のデータを送信された景品情報に基づいて更新する。
【0215】
そして、サービス員は、実際の景品を前記カードユニット20に対応する遊技機1で遊技する遊技者に引き渡す(丸9)。
その際に、サービス員は、携帯情報端末60の景品受渡ボタン69を押下して、景品受渡ボタン69がONとなる(丸10)。これにより、携帯情報端末60からカードユニット20に景品受渡情報が送信され、一連のワゴンサービス処理が終了する。
【0216】
次ぎに、ワゴンサービス処理をカードユニット20の操作表示パネル23のディスプレイ及び操作部と、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61及び操作部62とを図示した図14を参照して説明する。
上述のように携帯情報端末60において(ワゴン)サービスボタン63を押下すると、カードユニット20に記憶された持球数を示す持球数情報と景品交換を行う遊技者が遊技する遊技機番号がカードユニット20から携帯情報端末60に送信され、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に遊技機番号と、この遊技機番号の現在の持球数が表示される。
一方、カードユニット20の操作表示パネル23のディプレイにおいて、「ワゴンサービス中」の表示が行われ、持球数表示部31に表示される持球数の値は変化しないが、持球数の表示やその背景色が変化するようになっている。これは、持球数が携帯情報端末60で処理されている間、持球数の管理がカードユニット20から携帯情報端末60に移行した状態となっており、カードユニット20側で持球数を変更できないことを遊技者に報知するものである。
【0217】
一方、遊技機1の発射可能球数表示部8における発射可能球数は、景品交換の処理により減少することなく、遊技球の発射により1個ずつ減少し、遊技球の入賞毎に賞球数分増加する。
そして、この状態で、携帯情報端末60においては、景品の選択が行われる。ここで、携帯情報端末60においては、例えば、メニューボタン64を押下すると、表示画面モードの一覧が表示され、この一覧には、少なくとも、景品情報の一覧と、図14に図示する選択景品画面とがある。そして、表示画面モードの一覧において、カーソル移動ボタン67を押下することで各表示画面モードの一覧から例えば景品情報の一覧をカーソルにより選択し、選択ボタン65を押下すると、景品情報の一覧が選択されて表示される。ここで、各景品情報の一覧から遊技者が希望する景品をカーソルで選択し、選択ボタン65を押下すると、選択景品画面が表示される。ここでは、上述のように選択された景品情報として景品名と交換に必要な遊技媒体数が表示される。さらに、景品交換前の持球数と、景品交換用の遊技媒体数を減算した景品交換後の残り持球数が表示される。
ここで、再び、メニューボタンを押下して景品情報の一覧を表示させ、再び、景品情報をカーソルで選択して選択ボタン65を押下すると、選択景品画面が表示され、先に選択された景品に加えて、今選択された景品の情報が追加表示され、これら景品を交換するのに必要な遊技媒体数の和が表示されるとともに、この和を減算した景品交換後の残り持球数が表示されるようになっている。なお、選択景品画面では、同じ景品が二度以上選択されると、景品名に対応して表示される個数の情報が増加するとともに、個数分の交換用遊技媒体数が表示される。
【0218】
また、選択景品画面において、選択されたいずれかの景品情報の表示にカーソルを合わせた状態でキャンセルボタン66を押下すると、選択された景品がキャンセルされ、キャンセルされた景品情報の表示が消えるとともに、キャンセルされた景品情報の遊技媒体数が残り持球数に加算された状態の残り持球数が表示される。
また、選択景品画面では、カードユニット20から送信された遊技機番号が表示され、サービス員が景品交換を要求した遊技者が遊技する遊技機1に対応したカードユニット20と正しく通信しているか否かを判定できる。
また、上述の選択景品画面を遊技者に見せることにより、実際に遊技媒体数を景品交換に応じて減算する前に、遊技者は、自分が望む景品が交換対象になっているかと、景品交換に必要な遊技媒体数と、景品交換後の持球数とを確認することができる。
【0219】
そして、景品交換ボタン68を押下すると、前記残り持球数として表示されていた景品交換後の持球数情報がカードユニット20に送信され、カードユニット20おいて、受信された景品交換後の持球数情報が更新記憶されるとともに、持球数表示部31に表示されることになる。この際に持球数の表示色が通常の表示色に戻り、遊技者に持球数が使用可能となったことが報知される。また、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61においては、対応する遊技媒体数が景品交換球数から減算された景品を注文された景品として表示する注文画面となり、景品受渡ボタン69が押下されるまで、注文画面を表示可能となっている。
【0220】
上述のワゴンサービス処理においては、持球数情報の管理が携帯情報端末60に移行されることにより、カードユニット20において持球数の更新が禁止された状態となった際に、発射可能球数に賞球数(ファール球数の場合も有り)が加算されて、発射可能球数が上限値を超えると、超過球数をカードユニット20に送信して持球数に加算することができないので、例外的に発射可能球数が上限値の超過を許可し、発射可能球数を上限値以上とする。
すなわち、通常時は、図15(A)に示すように、発射可能球数の上限値を250とした場合に、例えば、発射可能球数が上限値より僅かに低い例えば245となっているとともに、持球数が例えば1756となっている状態で、賞球が10個発生すると、遊技機1において、245に10を加算して、上限値250を減算することにより、超過球数として5を求め、これを超過球数情報として遊技機1からカードユニット20に出力する。
カードユニット20においては、図15(B)に示すように、現状の持球数1756に超過球数5を加算して更新記憶することで、持球数が1761となり、この持球数が持球数表示部31に表示される。
一方、遊技機1の発射可能球数は、持球数に賞球数を加算した値から超過球数を減算した値である上限値250となり、250となった発射可能球数が発射可能球数情報として更新記憶され、発射可能球数表示部8に表示される。従って、通常時は、上述の超過球数処理により、発射可能球数は上限値以内となるように常時制御されている。
【0221】
一方、ワゴンサービス処理中は、超過球数を持球数に加算できない状態となっており、図15(C)に示すように、操作表示パネル23のディスプレイにおいてワゴンサービス中の表示が行われ、持球数の表示をワゴンサービス中の持球数が変更できない状態を示す表示色とし、発射可能球数が上限値近くの245となった状態で、賞球が10個発生すると、図15(D)に示すように、持球数に超過球数分を加算せず、かつ、発射可能球数に賞球数を加算して上限値を超えた255とした後に、超過球数を減算することなく、上限値を超えた発射可能球数を更新記憶し、上限値を超えた発射可能球数をそのまま発射可能球数に表示する。この際には、上述のようにワゴンサービス中に例外的に発射可能球数が上限値を超えたことを遊技者に報知するための、発射可能球数の表示色を通常時に対して変更する。
【0222】
なお、図15(E)に示すように発射可能球数表示部8aに隣接して超過球数表示部8bを設け、ワゴンサービス中に発射可能球数が上限値を超える場合に、上限値までの発射可能球数を発射可能球数表示部8aに表示し、発射可能球数の上限値を超えた分である超過球数を超過球数表示部8bに表示するようにしても良い。すなわち、上限値を超える発射可能球数を上述の超過球数処理と同様に、上限値となる発射可能球数と、上限値を超えた分となる超過球数とに分け、遊技機1においてこれらを別々に表示するものとしても良い。
この場合に、遊技球の発射毎に遊技媒体数を1減算する際に、超過球数がある場合には、先に超過球数が0となるまで、超過球数を減算し、超過球数が0となった後に発射可能球数を減算する。このようにすれば、見かけ上、ワゴンサービス処理中も発射可能球数が上限値を超えることがなく、通常上限値を超えることがない発射可能球数がワゴンサービス中に上限値を超えることへの違和感を解消することができる。
【0223】
次ぎに、上述の球貸処理において、操作表示パネル23の球貸ボタンを押して直ぐ(所定時間より短い時間で)手を離す通常の押し方と、所定時間以上連続して押す長押しとで処理を変えた状態を操作表示パネル23の表示と、発射可能球数表示部8の表示とで説明する。
図16(A)に示すように、カードユニット20の操作表示パネル23の金額(入金額)表示部30に、例えば、金額情報として記憶されている金額である8500円が表示された状態で、通常の押し方で球貸ボタン(球貸操作部33)を押すと、予め設定された所定額である500が金額情報として記憶されている8500から減算され、減算結果としての8000が金額情報として更新記憶されるとともに、図16(B)に示すように、金額表示部30に表示される。また、所定金額としての500もしくは500を遊技媒体数に変換した125(遊技媒体数1を金額4円として換算した場合)がカードユニット20から遊技機1に送信される。
【0224】
一方、遊技機1では、例えば、図16(A)に示すように、現状の発射可能球数が15であった状態で、カードユニット20から球貸処理により遊技媒体数125を示す球貸数情報が受信され、これが現在の発射可能球数に加算されて140となり、この加算結果が発射可能球数として更新記憶されるとともに、発射可能球数表示部8に表示される。
【0225】
一方、図16(A)に示す状態と同様の状態である図16(C)に示される状態で、球貸ボタンを長押しすると、図16(D)に示すように、通常の押し方の場合と同様にカードユニット20に記憶されている金額情報に示される8500から所定金額として500が減算されるが、遊技機に金額としての500(遊技媒体数として125)に対応する情報が送信されることなく、金額の500が遊技媒体数125に変換された後に、カードユニット20内において、変換された遊技媒体数が現状で0となっている持球数情報の持球数に加算され、持球数が125とされ、この数値を示す持球数情報が更新記憶されるとともに、更新された持球数が持球数表示部31に表示される。
【0226】
以上の処理により、通常の短い押し方で球貸ボタン(球貸操作部33)を押下するか、それより長い長押しで球貸ボタンを押下するかで、遊技者は、挿入した入金額から遊技媒体数に変換した金額が減算されて表示されている金額情報を遊技媒体数に変換する際に、そのまま遊技に使用可能に遊技機1に記憶され、かつ、上限値を有する発射可能球数に変換するか、それともカードユニット20に記憶され、遊技に使用するのに例えば持球移動ボタン(持球移動操作部32)の押下を必要とするが、上限値のない持球数に変換するかを選択することができる。
【0227】
基本的には、金額情報が示す金額を発射可能球数に返還して遊技を行うことになるが、発射可能球数には、上限値があるので、それ以上の金額を遊技媒体数に返還すると自動的に、上限値以上の金額が持球数に変換される。
ここで、本実施形態において、持球数が最低景品交換球数より少ない場合に景品交換できないが、金額情報を持球数に変換することで、持球数を最低景品交換球数より多くして景品交換可能となる。これにより、未だ、持球数が増えていない場合に、遊技機1を離れてお金で飲み物やタバコ等を買いに行くようなことをせずに、ワゴンサービスを利用して飲み物やタバコを手に入れることができ、遊技者が手間を省くことができる。
また、例えば、一つの遊技機で遊技する際に、予め所定の金額(例えば、2000円遊技媒体数で500)だけ遊技し、その金額分の遊技を行っても大当たりが発生しない場合は、遊技機を移動するような遊技の仕方を行う場合に、持球数が500となるまで、球貸処理を行わせ、その後は、球貸ボタンを押すことなく、持球移動ボタンだけ押して遊技し、持球数が0となり発射可能球数も0となったときに遊技機1での遊技を終了し、他の遊技機1に移動するようなことを行うことができる。
【0228】
また、発射可能球数が所定数(例えば、10個)以下となった場合に、持球移動ボタンを押下しなくても自動的に持球数から発射可能球数に所定の遊技媒体数が移動させられるような構成とすることも可能であり、このような場合に、発射可能球数の上限値より多くの遊技媒体数を持球数としておけば、発射可能球数の上限値以上の遊技媒体数を特に、球貸ボタンや持球移動ボタンを操作することなく発射可能となり、球貸ボタンや持球移動ボタンを比較的頻繁に押すことが煩わしいと思うような遊技者が、煩わされることなく遊技を実行可能となる。
【0229】
次ぎに、上述の持球移動処理において、操作表示パネル23の持球移動ボタン(持球移動操作部32)を押して直ぐ(所定時間より短い時間で)手を離す通常の押し方と、所定時間以上連続して押す長押しとで処理を変えた状態を操作表示パネル23の表示と、発射可能球数表示部8の表示とで説明する。
図17(A)に示すように、カードユニット20の操作表示パネル23の持球数表示部31に、例えば、持球数情報として記憶されている遊技媒体数である2543個が表示された状態で、通常の押し方で持球移動ボタンを押すと、予め設定された所定数である250が持球数情報として記憶されている2543から減算され、減算された250を示す遊技媒体数情報がカードユニット20から遊技機1に送信される。これにより、持球数は、一旦2293とされる。
【0230】
そして、遊技媒体数情報として250を受信した遊技機1においては、現在の発射可能球数として記憶されるとともに発射可能球数表示部8に表示されている15個に250個を加算して265を算出した後に、超過球数処理を行い、上述の加算結果としての265から発射可能球数の上限値である250を減算して超過球数15を得る。そして、得られた超過球数を超過球数情報としてカードユニット20に送信する。なお、この例では、持球数か移動される所定数と、発射可能球数の上限値とが一致されるので、持球数が移動する遊技媒体の所定数以上ならば、超過球数は、移動前の発射可能球数と同じ値となり、移動前の発射可能球数を超過球数としてカードユニット20に送信するものとしても良い。
そして、発射可能球数を上限値である250として更新記憶するとともに、更新された発射可能球数としての250を図17(B)に示すように発射可能球数表示部に表示する。
【0231】
また、超過球数情報を受信したカードユニット20においては、上述の減算結果である
2293に受信した超過球数情報である15を加算し、加算結果である2308を新たな持球数情報として更新記憶するとともに、更新された持球数情報が示す数値を図17(B)に示すように持球数表示部31に表示する。
【0232】
一方、持球移動ボタンを長押しする場合は、図17(A)に示す状態と同様の状態である図17(C)に示される状態で、持球移動ボタンを長押しすると、カードユニット20から遊技機1に発射可能球数送信要求が送信され、遊技機1に記憶されている発射可能球数情報が示す遊技媒体数である15を示す遊技媒体数情報がカードユニット20に送信される。
また、発射可能球数が0とされて発射可能球数情報が更新記憶され、図17(D)に示すように、更新記憶された発射可能球数として0が発射可能球数表示部8に表示される。
【0233】
一方、現状の発射可能球数と同じ遊技媒体数を示す遊技媒体数情報を受信したカードユニット20は、この遊技媒体数情報に示される遊技媒体数15を持球数情報が示す数値2543に加算し、加算結果である2558を更新記憶するとともに、図17(D)に示すように更新記憶された持球数を持球数表示部に表示する。
【0234】
以上の処理により、通常の短い押し方で持球移動ボタン(持球移動操作部32)を押下するか、それより長い長押しで持球移動ボタンを押下するかで、遊技者は、持球数から所定数以下の遊技媒体数を発射可能球数に移動させるか、全ての発射可能球数を持球数に移動させるかを選択することが可能となる。
【0235】
基本的には、持球数を発射可能球数に移動して遊技を行うことになる。
しかし、上述のように持球数が最低景品交換球数より少ない場合に、発射可能球数を持球数に移動して加えることにより、持球数を最低景品交換球数より多くして、景品交換を行うことが可能となる。
また、例えば、そろそろ遊技を終了しようと思っているような場合に、一旦現状の持球数と発射可能球数の合計を知りたいような場合に、持球数に発射可能球数を加算することで、現状の総持球数を知ることができる。
また、休憩ボタン(休憩操作部34)を押して休憩するような場合にも、一旦、発射可能球数を持球数に加算して、現状の総持球数を表示させてから、休憩ボタンを操作するようなことも可能である。
【0236】
なお、総持球数を表示するような表示部を設けても良いが、この場合に、総持球数を算出する処理を総持球数が変化するたびに行う必要があり、持球数をカードユニット20側で管理し、発射可能球数を遊技機1側で管理することで、カードユニット20及び遊技機1での処理を簡略化するとともに、カードユニット20と遊技機1とでの通信回数を減少させたことが総持球数の算出のための処理の追加により処理や前記通信回数が増加して相殺されてしまう。
【0237】
以上のような遊技店システムは、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機1と、前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機としてのカードユニット20とを備えた遊技装置21と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバ40と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60と、を備えたものである。
【0238】
前記遊技装置21は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値(発射可能球数)と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値(持球数)とに分けて記憶し、前記遊技機1は、前記第1遊技価値としての発射可能球数を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段として機能する本体制御装置14のRAM143を備える。
そして、遊技機1の本体制御装置14は、前記発射可能球数から遊技に使用した遊技価値量としての発射球数(発射された遊技媒体数)を減算し、且つ、前記発射可能球数に入賞に対応した遊技価値としての賞球数(賞として支払われた遊技媒体数)を加算する第1遊技価値演算手段と、前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段と、前記上限値判定手段で前記演算結果が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値として前記遊技設備機へ送信する超過遊技価値送信手段と、としての機能を有する。
さらに、遊技機1は、前記第1遊技価値記憶手段に記憶されている第1遊技価値を表示する第1遊技価値表示手段としての発射可能球数表示部8を有する。
【0239】
また、遊技装置21の前記遊技設備機としてのカードユニット20は、前記第2遊技価値としての持球数を記憶する第2遊技価値記憶手段として機能するカードユニット制御装置24のRAM243を備える
また、遊技設備機としてのカードユニット20のカードユニット制御装置24は、前記超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値としての超過球数を受信する超過遊技価値受信手段と、前記超過遊技価値受信手段が受信した超過球数と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている持球数とを加算する第2遊技価値演算手段と、としての機能を有する。また、カードユニット20は、前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値としての持球数を表示する第2遊技価値表示手段を備える。
前記景品交換端末装置としての携帯情報端末60は、前記第2遊技価値としての持球数に基づいて景品交換可能となっている。
【0240】
以上のことから、例えば、カードユニット20に上述のようにICカードを挿入することで、遊技者を特定する情報としてのIDを入力し、遊技機1において、入力された情報で特定される遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技が実行される。
そして、遊技が実行されるのに対応して、遊技機1の第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14によって、遊技価値のうちの遊技機1の第1遊技価値記憶手段としてのRAM143に記憶される発射可能球数から遊技に使用される発射球数が減算され、かつ、遊技において入賞が発生すると、発生した入賞に対応する賞球数が発射可能球数に加算される。
【0241】
また、第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14により遊技価値量(遊技球数)を発射可能球数に加算する場合に、遊技機1の上限値判定手段としての本体制御装置14は、加算後の発射可能球数が、この発射可能球数に設定された上限値を超えるか否かを判定し、上限値を超えると判定された場合に、遊技機1の超過遊技価値送信手段としての本体制御装置14が、加算後の発射可能球数の上限値を超えた部分を超過球数としてカードユニット20の超過遊技価値受信手段としてのカードユニット制御装置24に送信する。
この場合に、超過球数は、遊技球数を加算後の発射可能球数から上限値を減算した値となり、超過球数を送信後の発射可能球数は、その上限値となる。
【0242】
一方、遊技設備機としてのカードユニット20では、カードユニット20の超過遊技価値受信手段としてのカードユニット制御装置24が受信した超過球数がカードユニット制御装置24の第2遊技価値演算手段としての機能により、カードユニット制御装置24のRAM243により記憶されている持球数に加算される。
従って、遊技者が保有する遊技価値(遊技球数)は、遊技機1とカードユニット20とからなる遊技装置21で管理されるが、遊技機1で管理される発射可能球数と、カードユニット20で管理される持球数とに分けられる。また、発射可能球数は遊技機1の発射可能球数表示部8で表示され、持球数はカードユニットの持球数表示部31で表示される。なお、後述するように、遊技機1と、カードユニット20とは別体とされた遊技設備機とが一体に設けられて遊技装置21とされた場合に、見かけ上は、遊技機1に発射可能球数表示部8と持球数表示部31とが設けられた状態となる。
【0243】
そして、遊技者の保有する遊技価値(遊技球数)内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60は、遊技価値を景品に交換する場合に、持球数に基づいて景品交換を行う。すなわち、景品交換においては、景品に対応する遊技媒体数(遊技球数)を持球数から減算する。そして、上述のような景品交換の処理が行われた後に、景品がサービス員から遊技者に引き渡されることになる。なお、携帯情報端末60による景品交換は、例えば、遊技中として、遊技装置21で遊技者を特定する情報を入力してから遊技を終了するまで、例えば、カードユニット20のICカードリーダライタ21にICカードが挿入された後でICカードが排出される前に行われる。
【0244】
従って、遊技者の保有する遊技媒体数を、遊技を実行するための発射可能球数と、該発射球数以外の持球数とに分けて記憶し、持球数に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる。従来の遊技機と同じ感覚とは、例えば、発射可能球数が従来のパチンコ遊技機の上皿に貯留されて発射位置に誘導される遊技球数に対応し、持球数が下皿もしくは球箱の遊技球に対応し、持球数が景品交換により減少しても、直ぐに遊技球の発射には影響を与えない点である。
【0245】
また、直接遊技に使用できない持球数を景品交換に利用するので、直接遊技に使用される発射可能球数は、なんら景品交換によって影響を受けることがなく、景品交換の処理が遊技に影響を与えることがないので、上述のように景品交換の処理を行っている間、遊技を続行することができる。
言い換えれば、発射可能球数としての遊技価値量に加えて、景品交換可能な持球数としての遊技価値量が有るということは、遊技者の保有する遊技媒体数が、景品交換により減少しても、遊技者が保有する遊技媒体数にある程度の期間遊技を実行可能な余裕がある可能性が高く、保有する遊技媒体数が少ないことに気付かずに、景品交換してしまい、大当たりが発生した場合に、大当たり開始時の遊技を実行するための遊技媒体数が不足したり、景品として飲み物の注文を行った後に直ぐに遊技媒体数が無くなって、飲み物が届くまで遊技できない状態で待っていたりすることを防止することができる。
【0246】
更に、封入球式遊技機としての遊技機1で発射可能球数を記憶して表示するとともに、カードユニット20で持球数を記憶して表示するようにしたので、直接遊技に使用可能な発射可能球数と直接は遊技に使用できない持球数とをはっきりと区別して、遊技価値を把握できる。また、発射可能球数は、基本的に、上限値までの数値となり、桁数等にも大きく差がでる可能性がある遊技者が保有する遊技媒体数の全体に対して、遊技者が把握しやすい数値となる。
【0247】
また、持球数はカードユニット20側で管理し、遊技機1は発射可能球数だけを管理するので、遊技価値を2つに分けて処理するものとしても、発射可能球数と持球数との両方を遊技機1で管理する場合に比較して遊技機1の処理負担を小さくできる。
また、景品交換に関して発射可能球数を記憶する遊技機1は、全く関与しなくていいので、例えば、携帯情報端末60が、遊技機1と直接通信する必要はなく、遊技機1に対する不正防止を強化できる。
【0248】
また、この実施形態の遊技店システムにおいて、前記RAM243に記憶されている全ての持球数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する景品交換遊技価値送信手段として機能する携帯情報端末送受信部26を有する。
また、前記カードユニット制御装置24は、携帯情報端末60から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバ40に送信する景品注文送信手段と、RAM243に記憶された持球数が景品交換球数として携帯情報端末60に移動している景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)は、持球数と前記超過球数との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段と、としての機能を有する。
【0249】
また、携帯情報端末60の制御装置は、携帯情報端末送受信部26から送信された前記景品交換球数を記憶する景品交換遊技価値記憶手段と、複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段と、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている前記景品交換球数から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、前記景品減算手段の減算結果を第2遊技価値とし、当該第2遊技価値と前記景品選択手段に選択された景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記遊技設備機に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段としての機能を有する。
【0250】
そして、本体制御装置14においてCPU142に制御されるRAM143は、前記超過遊技価値加算不能動化手段としての本体制御装置14で前記超過球数の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶するようにしている。
【0251】
従って、遊技中に景品交換を行う際に、カードユニット20の携帯情報端末送受信部26が、RAM243に記憶されている全ての持球数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する。
そして、景品交換球数を受信した携帯情報端末60において、受信した景品交換球数が景品交換遊技価値記憶手段に記憶される。
【0252】
この際、すなわち、RAM243に記憶された持球数が景品交換球数として前記携帯情報端末60に送信されることで、持球数がカードユニット20から携帯情報端末60に移動している状態である景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)は、遊技機1及びカードユニット20からなる遊技装置21において、カードユニット20の超過遊技価値加算不能動化手段としてのカードユニット制御装置24により、持球数と超過球数との加算が不能動化され、かつ、遊技機1のCPU142に制御され、発射可能球数を記憶するRAM143は、超過球数の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて発射可能球数を記憶する。
【0253】
すなわち、ワゴンサービス中は、実質的に持球数の管理がカードユニット20から携帯情報端末60に移行しているので、カードユニット20では、持球数を増減するような処理を行わない。この場合に、超過球数が発生した場合の処理が行えないので、遊技機1側で、超過球数をカードユニット20に送らずに、例外的にRAM143に、上限値を超える発射可能球数を記憶可能とするようになっている。
【0254】
なお、遊技に直接使用されているのは発射可能球数なので、持球数が景品交換中に完全に遊技から切り離された状態(カードユニット20で加減できない状態)となっても、発射可能球数が無くなるまで遊技続行可能となる。
そして、ワゴンサービス中に、遊技者の要望に対応して、例えば、携帯情報端末60を操作するサービス員によって景品選択手段を介して選択された景品に対応する遊技価値が、携帯情報端末60の景品減算手段により景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技球数から減算される。なお、景品の選択は、景品交換遊技価値(持球数)の移動前に行うものとしても良いし、移動後に行うものとしても良い。
【0255】
次いで、携帯情報端末60の景品注文実行手段が、選択された景品に対応する遊技媒体数が減算された景品交換球数を持球数として遊技設備機に送信するとともに、選択された景品の情報(景品の品種を特定可能(識別可能)な情報)をカードユニット20に送信する。
一方、カードユニット20では、景品に対応する遊技価値が減算されて携帯情報端末60から送信された持球数と、選択された景品を識別する情報とを景品注文に関する情報として景品注文受信手段として携帯情報端末送受信部26が受信する。
【0256】
そして、カードユニット20では、減算された景品交換球数を持球数として受信することになり、持球数が景品交換に使用された遊技媒体数だけ減少した状態の受信した持球数に更新されることになる。これにより、ワゴンサービス中の超過遊技価値加算不能動化状態が解除されることになり、カードユニット20において、持球数への超過球数の加算等の処理が許可された状態となる。従って、遊技機1においても、超過遊技球数をカードユニット20側に送信可能となり、発射可能球数が上限値を超えることが禁止された状態に戻る。例えば、発射可能球数は、遊技球の発射により減算されて上限値内に復帰するか、上限値を超えた状態で発射可能球数に賞球が加算される場合に、上限値を超えた超過球数が持球数に移動されることで上限値以下となる。
【0257】
また、カードユニット20で受信された景品の情報は、カードユニット20の景品注文送信手段としてのカードユニット制御装置24により管理サーバ40に送られ、管理サーバ40が、景品交換が行われたことを記憶して管理する。なお、景品自体は、例えば、ワゴン等の搬送手段により遊技者のそばまで搬送されている場合に、サービス員から遊技者に手渡されるが、そうでない場合に、管理サーバ40に送られた際に、管理サーバ40側にいるサービス員が管理サーバ40に受信された景品の情報を確認して遊技者のところまで景品を搬送して手渡すものとしても良い。
【0258】
全て持球数を携帯情報端末60に移動するので、現在景品交換できる上限まで景品交換することができる。また、持球数を遊技から完全に切り離した状態とし、景品交換分の遊技球数を減算するので、処理中に遊技の進行状況に対応して持球数が増減することがなく、処理を単純化することができるとともに、景品交換による持球数の減少量を明確に遊技者が把握することができる。
また、持球数が遊技から完全に切り離された状態でも、ワゴンサービス中は、超過球数は発射可能球数に加算されていくので、景品交換球数と発射可能球数とを見ることで、遊技者の保有する遊技価値を容易に把握できる。
【0259】
この実施形態において、携帯情報端末60は、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数と、前記景品選択手段で選択した景品の情報と、前記景品減算手段の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段としての液晶ディスプレイ61を備えている。
【0260】
従って、携帯情報端末の液晶ディスプレイ61の表示により、景品の情報とともに、景品交換後にカードユニット20に持球数もしくはその一部として戻される遊技価値(減算された景品交換球数)を見ることができ、かつ、景品交換による遊技価値の減少量(景品交換球数から減算後の景品交換球数を差し引いた値)を容易に把握することができる。
すなわち、景品交換が実行される前に、景品交換の内容を液晶ディスプレイ61の表示により確認できる。なお、携帯情報端末60に設けられる液晶ディスプレイ61は、例えば、サービス員が遊技者に提示することで、遊技者が見ることも可能である。
【0261】
また、この実施形態において、前記遊技機1の本体制御装置14は、遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記発射可能球数が所定値以下の場合に、カードユニット20に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段としての機能を有している。
カードユニット制御装置24は、ワゴンサービス中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、携帯情報端末60に景品交換球数の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段として機能する。
そして、携帯情報端末60の制御装置は、前記強制返送要求送信手段からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数をカードユニット20に送信する景品交換遊技価値返送手段として機能する。
【0262】
従って、遊技機1において大当たりが発生した場合に、発射可能球数が所定値以下の場合に、遊技機1の遊技価値不足送信手段としての本体制御装置14により、カードユニット20に発射可能球数が所定値以下であることを示す遊技価値不足情報が送信される。なお、ここでの所定値とは、例えば、大当たり状態の開始時に遊技球を確実に入賞させる個数以下であり、例えば、遊技球として10個程度の遊技価値量である。
そして、カードユニット20においては、遊技価値不足情報が受信され際に、ワゴンサービス中である場合に、強制返送要求送信手段としてのカードユニット制御装置24が携帯情報端末60に景品交換球数をカードユニット20に返送することを指示する強制返送要求を送信する。
なお、遊技価値不足送信手段は、大当たりが発生した場合で、かつ、景品交換遊技価値移動中の場合に遊技価値不足情報を遊技設備機に送信するものとしても良い。
【0263】
そして、強制返送要求を受信した携帯情報端末60の景品交換遊技価値変動手段は、携帯情報端末60の景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数をカードユニット20に送信する。なお、この場合に、景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数は0とされる。また、例えば、携帯情報端末60で、景品の選択等や景品交換球数の減算が行われていた場合には、これを無効とし、減算される前の景品交換球数をカードユニット20の持球数に移動するものとしても良い。
また、カードユニット20に返送された景品交換球数は、第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24により、RAM243に記憶されている持球数に加算される。
【0264】
そして、遊技者は、景品交換球数が加算された持球数を発射可能球数に移動することで、発射可能球数を所定値以上にすることが可能となり、大当たり開始時に遊技機に使用可能な遊技媒体数が少ないことにより、大当たり中の遊技を続行できない状態となるのを防止することができる。なお、この発明は、請求項2に記載の発明のように第2遊技価値の全てを景品交換球数として携帯情報端末60に移動してしまうこの実施形態の場合に特に有効となる。
【0265】
また、前記実施形態においては、携帯情報端末60は、前記景品注文実行手段で注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段(景品受渡ボタン69)と、前記受渡操作手段が操作されたことをカードユニット20に送信する受渡送信手段とを備え、カードユニット制御装置24は、前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、前記景品注文実行手段からの情報を受信してから前記受渡送信手段からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技媒体数をサービスとして前記持球数に加算する景品価値加算手段としての機能を有する。
【0266】
従って、上述のように遊技中の景品交換の処理を行うとともに、サービス員が遊技者に景品を受け渡した場合に、携帯情報端末60の景品受渡ボタン69をサービス員が操作すると、携帯情報端末60の受渡送信手段がカードユニット20に景品受渡ボタン69が操作されたことを示す情報が送信される。これによりカードユニット20において、景品の受け渡しが終了したことを確認可能となっている。なお、景品受渡ボタン69の操作を示す情報をカードユニット20からさらに管理サーバ40に送信するものとしても良い。
また、カードユニット20では、遊技機1から大当たり状態を示す情報が送信されると、この情報を大当たり状態受信手段としてのカードユニット制御装置24が受信する。なお、遊技機には、基本的に大当たり状態を示す情報を送信する機能(大当たり状態送信手段)を備えている。
【0267】
そして、カードユニット20においては、景品交換する景品が選択された後に景品交換端末の景品注文実行手段から景品の情報や、景品交換球数が景品交換に関する情報として受信されてから、上述のよう景品の受け渡しが終了して受渡送信手段から景品受渡操作手段が操作されたことを示す情報が受信されるまでの間に、大当たり状態受信手段が遊技機1での遊技が大当たり状態となったことを示す情報を受信すると、景品価値加算手段としてのカードユニット制御装置24が、選択されて注文された景品に対応する遊技媒体数を持球数に加算する。
これにより、遊技者は、景品交換をしても所有する遊技価値が減少せず、特典を受けたことになる。
【0268】
従って、遊技者は、例えば、景品を注文してから景品が届くまで時間がかかっても、その間に大当たりが発生すれば、特典を得られることから、景品が届くのが遅くなった場合に、遊技者が不満を抱くのを防止することができる。
また、遊技中の景品交換により特典が得られるチャンスが発生することから、遊技者への景品交換を促すことができる。なお、遊技店では、通常、遊技者が所有する遊技価値で長い期間に亘って遊技を続行されてしまうと、その間、遊技者は新たに遊技価値を借りるための支払いを行わないことになり、利益が得られにくい可能性があり、遊技者に景品交換を促すことで、遊技店の利益を確保しやすくなる。
また、サービス員は、景品交換の受け渡しが遅くなって、その間に大当たりが発生してしまうと、遊技店の利益が減少してしまうことから、景品の受け渡しを早く行うようになる。
【0269】
なお、全ての大当たりに対して、景品価値加算手段が遊技価値を加算する必要はなく、所謂初当たりの場合にだけ、遊技価値を加算するようにしても良い。
なお、初当たりとは、例えば、遊技が所謂確率変動中や時短中でない場合の大当たりである。ここで、確率変動中及び時短中、特に確率変動中は、通常時よりも時間当たりの大当たりとなる確率が極めて高くなっているので、確率変動中に遊技者が景品注文を行うと、上述の期間中に大当たりが発生する確率がかなり高くなり、遊技者が上述の得点を得られる確率が高くなりすぎてしまい、遊技店側が不利になりすぎてしまう可能性がある。
【0270】
次ぎに、本実施形態の変形例を説明する。上述の例では、ワゴンサービス中は、カードユニット20で管理されている持球数を全て携帯情報端末60側に送信し、持球数を携帯情報端末60で管理した状態に移行することから、カードユニット20において、持球数移動ボタンの押下による持球数の遊技機1への移動や、金額情報から持球数情報へ(金額情報から遊技媒体数への変換を含む)の移動や、発射可能球数の上限値を超えた分となる超過球数の持球数への移動が全て停止した状態となっていた。
それに対して、変形例では、持球数うちの所定数だけをカードユニット20から携帯情報端末60に移動することとし、残った持球数をカードユニット20で管理する状態となり、上述の持球数に関する処理をワゴンサービス中も通常時と同様に実行可能とするものである。
【0271】
この変形例において、カードユニット20(カードユニット制御装置24)と遊技機1(本体制御装置14)で行われる処理は、ワゴンサービスフラグに関係する処理のうちのワゴンサービス処理以外での全ての処理を省略したものとなり、カードユニット20においては、図6,図7,図9,図10に示される球貸処理、持球移動処理、超過球処理、遊技終了処理のフローチャートにおいて、ワゴンサービスフラグの有無を判定する処理と、ワゴンサービスフラグの有無を判定した後のワゴンサービス有りの場合に行われる処理を省略するものとなる。また、カードユニット20の図11,12で示されるワゴンサービス処理において、持球数を送信するステップC86の処理において、持球数を送信する場合に、持球数のうちの予め設定された所定数(例えば、125や250)を送信するものとする。
【0272】
一方、遊技機1においても、図9に示される超過球処理において、上述のことからカードユニット20において省略されるワゴンサービス中送信処理が省略されることで、ワゴンサービス中情報が受信されることなく、ワゴンサービス中の受信に関する処理が省略され、かつ、ワゴンサービス中を受信したと判定された場合に行われる処理が省略される。
【0273】
より具体的には、図6のカードユニットの球貸処理において、球貸ボタンが長押された場合の処理として、ステップC43のワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグが有る場合に、球貸ボタンが長押しされてもこれを認めないように、球貸ボタンが通常の押し方をされた場合と同様の処理を行う処理が省略される。
【0274】
すなわち、変形例では、ワゴンサービス中でも球貸ボタン(球貸操作部33)が長押しされれば、金額情報のうちの所定金額に対応する遊技媒体数を持球数に加算して表示する処理を行う。これによりワゴンサービス中でも持球数に関する処理が禁止されることなく、金額情報に残額がある場合に、金額情報を遊技媒体数に変換して持球数に加算することができる。
【0275】
図7のカードユニットの持球移動処理において、ステップC51のワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグが有る場合に、持球移動ボタンが押下されたか否かを判定することなく、現状の持球数を表示する処理に移行する処理が省略される。すなわち、ワゴンサービス中は、持球移動ボタンの操作を無効とし、持球数と発射可能球数との間の遊技媒体数の移動を禁止する処理が行われることがない。なお、カードユニット20において、ワゴンサービス中に持球移動ボタンの操作を無効とすると、遊技機1においては、持球移動ボタンの押下に基づいてカードユニット20から送信される情報を受信することがなく、実質的に持球移動処理が行われないことになるが、この変形例では、持球移動ボタンの押下がワゴンサービス中も有効とされ、ワゴンサービス中においても通常時と同様に持球移動処理が行われる。
【0276】
すなわち、変形例では、ワゴンサービス中でも持球移動ボタン(持球移動操作部32)が通常の押し方をされれば、持球数から所定の遊技媒体数を減算し、減算された遊技媒体数を遊技機1に送信して発射可能球数に加算する処理を行う。また、ワゴンサービス中に持球移動ボタンが長押しされた場合には、現状の発射可能球数を遊技機1からカードユニット20に送信するとともに発射可能球数を0とし、カードユニット20において、持球数に発射可能球数を加算した値が新たな持球数とされる。
【0277】
図9のカードユニットの超過球処理において、ステップC62のワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグが有る場合に、超過球が発生して遊技機1から超過球数を示す超過球数情報を受信しても超過球数を持球数に加算することなく超過球処理を終了する処理が省略される。すなわち、ワゴンサービス中は、持球数への超過球数の加算を禁止し、発射可能球数で超過球数が発生した場合に例外的に発射可能球数の上限値を超えた分となる超過球数を発射可能球数から減算することなく、そのまま発射可能球数が上限値を超えた状態となる処理が行われない。
【0278】
従って、ワゴンサービス中に通常時と同様に遊技機1で管理される発射可能球数において上限値を超える超過球数が発生した場合に、発射可能球数を上限値として超過球数を持球数に加算する処理が行われる。
なお、遊技機1の超過球処理において、ステップY55で、ワゴンサービス中を受信した場合にステップY58で行われる発射可能球数の上限値に超過球数を加算する処理及びステップY59で上限値を超過した発射可能球数を通常時と異なる色で表示する処理が行われることなく、これら処理が省略されることになる。
【0279】
また、図10の遊技終了処理のステップC71において、ワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグ有りの場合に、遊技終了ボタン(遊技終了操作部35)の押下の有無を判定することなく、遊技終了ボタンの押下を無効とする処理を省略し、遊技終了ボタンの押下を有効とする。なお、この場合に、携帯情報端末60において景品交換で未使用である持球数の残数(残り持球数)が存在すると、残り持球数が携帯情報端末60に取り残されてしまうので、ワゴンサービス処理において、カードユニット20で景品情報と残り持球数が受信されるまで、すなわち、ステップC8Cで、カードユニット20が景品情報と持球数を受信したと判定するまで、ステップC76の持球数に発射可能球数を加算して持球数を確定する処理を行えないようにする必要がある。
なお、遊技終了処理においては、変形例においても、ワゴンサービスフラグ有りの判定を省略せずに、ワゴンサービス中は、遊技終了ボタンを無効とするものとしても良い。
【0280】
そして、変形例においては、図18に示すように、携帯情報端末60において(ワゴン)サービスボタン63を押下すると、カードユニット20に記憶された持球数のうちの所定数(例えば500)を示す遊技媒体数情報と景品交換を行う遊技者が遊技する遊技機番号がカードユニット20から携帯情報端末60に送信され、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に遊技機番号と、この遊技機番号が示す遊技機1から移動させられた所定数の持球数が表示される。
一方、カードユニット20の操作表示パネル23のディプレイにおいて、持球数の表示は、携帯情報端末60に移動させた所定数の持球数500を減算したものとなる。すなわち、カードユニット20においては、携帯情報端末60に移動した持球数が持球数情報として記憶されている持球数から減算され、持球数情報が更新記憶される。
また、操作表示パネル23には、新たに移動球数表示部36が表示され、移動される遊技媒体数としての所定数500が表示される。
【0281】
一方、遊技機1の発射可能球数表示部8における発射可能球数は、景品交換の処理により減少することなく、遊技球の発射により1個ずつ減少し、遊技球の入賞毎に賞球数分増加する。
そして、この状態で、携帯情報端末60においては、景品の選択が行われる。ここで、携帯情報端末60においては、持球数が所定数とされている以外は、前記実施形態の場合と同様の表示が行われる。
【0282】
そして、景品交換ボタン68を押下すると、前記残り持球数として表示されていた景品交換後の携帯情報端末60の残り持球数がカードユニット20に送信され、カードユニット20おいて、受信された景品交換後の残り持球数情報がカードユニット20に記憶された持球数情報が示す持球数に加算され、携帯情報端末に送信された所定数の持球数のうちの未使用分の遊技媒体数がカードユニット20に戻された状態となる。
【0283】
以上のような変形例によれば、ワゴンサービス中も持球数の加算、減算が可能となり、ワゴンサービス中に発射可能球数が上限値を超えることがあるとともに、ワゴンサービス中は、持球数から発射可能球数に遊技媒体数を移動できないなどの例外的な処理を行わなくても良く、遊技者を戸惑わせるようなことがない。
【0284】
以上のような変形例において、遊技機1の本体制御装置14は、カードユニット20から送信された遊技価値を受信する遊技価値受信手段としての機能を有し、且つ、前記第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14は、発射可能球数に前記遊技価値受信手段で受信した遊技価値を加算する。すなわち、カードユニット20の持球数のうちの少なくとも一部となる遊技媒体数を遊技機1に送信して発射可能球数に加算可能とされている。
また、カードユニット制御装置24は、所定操作により、RAM243に記憶されている持球数のうち所定数の遊技媒体数を前記発射可能球数として遊技機1に送信する遊技価値移動手段と、携帯情報端末60にRAM243に記憶されている持球数のうちの所定数の遊技媒体数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する景品交換遊技価値送信手段と、携帯情報端末60から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバ40に送信する景品注文送信手段と、として機能する。
且つ、前記第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24は、前記RAM243に記憶される持球数に、前記景品注文受信手段で受信した前記景品注文に関する情報に含まれる前記景品交換球数を加算し、且つ、前記持球数から前記遊技価値移動手段で送信した遊技媒体数と、前記景品交換遊技価値送信手段で送信した景品交換球数とを減算する。
前記携帯情報端末60は、前記景品交換遊技価値送信手段から送信された前記景品交換球数を記憶する景品交換遊技価値記憶手段(図示しない携帯情報端末60の制御装置)と、複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段(選択ボタン65)と、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段(前記制御装置)と、前記景品選択手段に選択された景品の情報と、前記景品減算手段により減算された景品交換遊技価値とを含む前記景品注文に関する情報をカードユニット20に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段(景品交換ボタン68)とを備え、前記RAM243に記憶されている持球数のうちの所定数の遊技価値を景品交換球数として携帯情報端末60に移動している景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)でも、前記持球数に係わる前記超過球数の加算と、前記遊技価値移動手段で送信される所定数の遊技価値の減算を可能にしている。
【0285】
従って、遊技中に発射可能球数が残り少なくなったり、無くなったりした場合に、例えば、遊技者の操作や、遊技者の操作に基づく遊技機1の制御により、カードユニット20の遊技価値移動手段としてのカードユニット制御装置24により、RAM243に記憶されている持球数のうちの所定数の遊技媒体数を遊技機1に送信し、遊技機1では、カードユニット20から送信された遊技媒体数を遊技価値受信手段としての本体制御装置14が受信し、受信した遊技媒体数を第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14が、RAM143に記憶されている発射可能球数に加算して更新記憶させる。
また、カードユニット20では、第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24が、そのRAM243に記憶されている持球数から遊技価値移動手段としてのカードユニット制御装置24により遊技機1に送信した所定数の遊技媒体数を減算する。
なお、ここでの所定数は、発射可能球数の上限値以下の一定の数値であるが、例えば、持球数が所定数となる一定の数値より小さい場合に、所定数は、例えば、現状の持球数の全量となる数値とする。
これにより、カードユニット20で管理されている持球数を遊技機1で管理されている発射可能球数に移動して遊技に使用することができる。
【0286】
また、遊技中の景品交換を行う場合に、カードユニット20において、景品交換遊技価値送信手段としてのカードユニット制御装置24が持球数のうちの所定数の遊技媒体数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する。また、カードユニット20においては、第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24が、そのRAM243に記憶されている持球数から、景品交換遊技価値送信手段としてのカードユニット制御装置24により景品交換球数として携帯情報端末60に送信された所定数の遊技媒体数を減算する。
この場合には、前記実施形態のように、持球数の管理を携帯情報端末60に移行せずに、持球数の管理はカードユニット20で続行される。なお、ここでの所定数は、通常、ワゴンサービスでサービスされる景品としての飲み物、タバコ等と十分に交換可能な遊技媒体数であり、例えば、一定数であるが、RAM243に記憶されている持球数の量が一定数より少な場合は、現状の持球数の全てを所定数としても良いし、持球数が一定数より少ない場合には、景品交換を中止するようにしても良い。
【0287】
従って、持球数のうちの所定数の遊技媒体数を景品交換球数として携帯情報端末60に移動した後も、カードユニット制御装置24により、そのRAM243に記憶された持球数から遊技機1のRAM143に記憶される発射可能球数へ所定数の遊技媒体数を移動するための減算処理と、遊技機1から送信される発射可能球数の上限値を超えた超過球数を持球数に移動するための加算処理が行われる。
【0288】
そして、携帯情報端末60において、カードユニット制御装置24から携帯情報端末送受信部26を介して送信された景品交換球数を携帯情報端末60の制御装置のRAMに記憶する。また、携帯情報端末60の制御装置が、遊技者の要望に応じてサービス員が選択手段を介して選択した景品に対応する遊技価値を前記制御装置のRAMに記憶された景品交換球数から減算する。なお、景品の選択の操作は、持球数から所定の数の遊技媒体数が景品交換球数として携帯情報端末60に受信される前であっても後であっても良い。
【0289】
そして、携帯情報端末60の制御装置が、減算された景品交換球数と、景品の情報とを景品注文に関する情報としてカードユニット20に送信する。
カードユニット制御装置24が携帯情報端末60の制御装置が送信した景品交換球数と、景品の情報を景品注文に関する情報として受信する。
そして、カードユニット制御装置24が、そのRAM243に記憶される持球数に、上述のように減算されて受信された景品交換球数を加算する。
また、カードユニット20で受信された景品の情報は、カードユニット制御装置24により管理サーバ40に送られ、管理サーバ40が、景品交換が行われたことを記憶して管理する。
【0290】
以上のことから、遊技者の保有する遊技媒体数が、遊技中の景品交換に際しては、遊技機1で記憶される発射可能球数と、カードユニット20で記憶される持球数(所定数の遊技媒体数が除かれたもの)と、携帯情報端末60で記憶される景品交換球数(持球数から移動された所定数の遊技媒体数)の3つに分かれることになるが、持球数の管理はカードユニット20で行われたまま、持球数のうちの所定数の遊技媒体数を携帯情報端末60に移動するようにしているので、ワゴンサービス中でもカードユニット20と遊技機1とで遊技価値の移動ができる。
【0291】
従って、発射可能球数を遊技中の景品交換の際に、上限値以上とすることを可能とする例外的処理を行う必要がなく、また、景品交換中に発射可能球数が残り少なくなったり、無くなったりした場合に、景品交換球数が携帯情報端末60からカードユニット20に戻ってくるのを待たなくても、持球数を発射可能球数に移動して、遊技を続行することができる。
【0292】
図19は、実施形態の別の変形例を示すものである。
図19に示される遊技装置21は、カードユニット20から操作表示パネル23を取り除き、操作表示パネル23に設けられていた金額表示部30、持球数表示部31、持球移動操作部32(持球移動ボタン)、球貸操作部33(球貸ボタン)、休憩操作部34(休憩ボタン)、遊技終了操作部35(遊技終了ボタン)を遊技機1の操作表示パネル7に設けたものである。従って、遊技機1の前面の操作表示パネル7には、発射可能球数と持球数と金額情報が表示されることになり、発射可能球数と持球数との区別をそれらの表示場所の違い(カードユニット20か遊技機1かの違い)により直感的に判断することができなくなるが、発射可能球数と持球数と金額情報を同時に見やすい状態とすることができる。また、持球数表示部30と発射可能球数表示部31との間に持球移動操作部32を配置することで、持球数から発射可能球数への遊技媒体数の移動を直感しやすいレイアウトとなっている。
【0293】
また、遊技機1の操作表示パネル7に設けられた金額表示部30、持球数表示部31、持球移動操作部32、球貸操作部33、休憩操作部34、遊技終了操作部35は、遊技機1内部に設けられた中継基板を介してカードユニット20のカードユニット制御装置24に接続されており、これらの制御の処理は、上述の実施形態と同様に行われる。
【0294】
別の変形例においては、カードユニット20の前面パネルに、操作表示パネル23が無くなった代わりに、投入された紙幣の入金額等を表示する表示部38や、暗証番号を入力するためのテンキーである暗証番号入力ボタン39が設けられている。暗証番号入力ボタン39は、例えば、会員用のICカード(会員カード)のIDに対応付けられて記憶された金額情報や景品交換球数情報などを利用する場合に、暗証番号の入力を行わせるためのものである。これにより会員カードを落としても、会員カードに記憶されるIDに対応して管理サーバ40に記憶された金額情報や遊技媒体数情報としての景品交換球数情報が会員カードを拾った第三者に利用されるのを防止することができる。
【0295】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0296】
1 遊技機
14 本体制御装置(第1遊技価値演算手段、上限値判定手段、超過遊技価値送信手段、遊技価値受信手段、遊技価値不足送信手段)
143 RAM(第1遊技価値記憶手段)
20 カードユニット(遊戯設備機)
21 遊技装置
24 カードユニット制御装置(超過球遊技価値受信手段、第2遊技価値演算手段、景品交換遊技価値送信手段、景品注文受信手段、景品注文送信手段、超過遊技価値加算不能動化手段、遊技価値移動手段、強制返送要求送信手段、大当たり状態受信手段、景品価値加算手段)
243 RAM(第2遊技価値記憶手段)
31 持球数表示部(第2遊技価値表示手段)
40 管理サーバ
60 携帯情報端末(景品交換端末装置、景品交換遊技価値記憶手段、景品選択手段、景品減算手段、景品注文実行手段、景品交換遊技価値返送手段、受渡送信手段)
61 液晶ディスプレイ(景品交換表示手段)
69 景品受渡ボタン(受渡操作手段)
8 発射可能球数表示部(第1遊技価値表示手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機、及び前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機を備えた遊技装置と、前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバと、前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置と、を備えた遊技店の遊技店システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチンコ機など設置される遊技店では、サービス員が遊技店内を巡回して遊技中の遊技者から飲み物やタバコなどの景品と遊技者の保有する遊技媒体(遊技球、メダル)との交換で注文を受け、注文された景品を遊技中の遊技者に届けるサービス(例えば、所謂ワゴンサービス)が行われている。すなわち、計数して景品交換用の遊技球数に確定される前の遊技に使用可能な遊技媒体を、遊技中に景品と交換するサービスが行われている。なお、交換に使用された遊技球は、その後、計数されて景品交換された遊技球として処理される。
この場合、パチンコ機であれば下皿又は球箱に貯留されている遊技球をサービス員に渡し、スロットマシンであれば受け皿又はメダル箱に貯留されているメダルをサービス員に渡すことになる。
【0003】
一方、遊技者が遊技で獲得した遊技媒体数を計数した際に、ICカード等の記憶媒体に記憶されたIDに対応づけて計数された遊技媒体数を貯球数として記憶可能とするとともに、前記IDに基づいて記憶された貯球数を読み出し可能とし、該貯球数を遊技に使用する遊技媒体もしくは景品に交換可能な遊技場の景品交換システムが知られている。
なお、ここで、交換とは、交換すべき遊技媒体数や景品に対応する遊技媒体数を記憶されている貯球数から減算し、それに応じて遊技媒体や景品を遊技者に引き渡すことである。
【0004】
そして、上述のような景品交換システムにおいて、遊技中の遊技者が、サービス員を呼び出して景品を注文するとともに、前記IDに対応して記憶された貯球数を注文した景品と交換可能とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、この場合は、遊技に使用可能な遊技媒体ではなく、計数されて景品交換用(遊技に使用可能な遊技媒体数に変換可能)に確定された貯球数を景品と交換することになり、遊技者が景品交換カウンタに出向かないことを除いては、通常の景品交換と同様の処理となる。
【0005】
また、遊技媒体を払い出すことなく、遊技機内に封入された遊技球を循環使用し、データとしての、遊技者が所有する持球数を遊技球の発射に応じて減算し、当該持球数に遊技における入賞の発生に基づく賞球数を加算する封入球式遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記封入球式遊技機においては、遊技者が保有する全ての持球数が表示され、遊技者はこの表示により自分の持球数を知ることができ、また、持球数が0となるまで遊技球の発射が可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−276519号公報
【特許文献2】特開平9−000725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、封入球式遊技機の場合には、遊技媒体が払い出されないため遊技媒体と景品を交換するサービスが利用できない。
そこで、特許文献1におけるデータとしての貯球数を用いて遊技中の遊技者が景品交換を行う構成を、データとしての持球数で遊技を行う特許文献2の封入球式遊技機の構成に組合わせることで、封入球式遊技機を遊技中の遊技者が、その場で持球数のデータを用いて景品交換を可能とすることが考えられる。
しかしながら、この場合次のような問題が有る。
ここで、従来、遊技中に景品と遊技媒体を交換するワゴンサービスを利用する場合には、通常、そのままの状態で発射可能な上皿上の遊技球ではなく、上皿に移動しないと発射できない下皿又は球箱に貯留されている遊技球をサービス員に渡していたので、景品交換により上皿上の遊技球が一度に大きく減ってしまい遊技球が発射できなくなるようなことがなく、かつ、上皿や下皿や球箱にある遊技球が遊技者の目に入り、特に注意していなくても遊技球の量がだいたいわかるので、遊技球があまりないことに気付かずに誤って遊技者がワゴンサービスを利用する可能性は極めて低い。
【0008】
それに対して、封入球式遊技機では、遊技者が所有する全ての持球数が一つの数値(複数桁の数値)として表示されているだけなので、持球数の表示を見ていなかったり、持球数の数値を見誤っていたりした状態で、景品を注文してしまう可能性がある。特に、従来のように所有する遊技球が多くなった場合に、上皿以外に下皿や球箱に遊技球が貯留される場合と異なり、遊技球数が少なくても多くても一つの持球数として表示されるだけなので、下皿や球箱等の遊技球を交換する場合とことなり、直接、発射可能な遊技球数が景品交換により減少してしまうことになる。
【0009】
このような場合に持球数が残り少ないにも拘わらず、ワゴンサービスを利用して持球数を景品と交換してしまい、さらに、持球数が減ってしまうことで、持球数がほとんど無い状態で大当たりが発生し、持球数がほとんどないことにより大当たりでの遊技ができなくなったり、大当たりでの遊技を実行するために、さらにお金を払って遊技球を借りなければならなくなったりする可能性がある。さらに、大当たりが発生しなくても、注文した飲み物が届く前に持球数が無くなってしまい遊技をせずに飲み物が届くのを待っていなければならなくなる可能性もある。
また、遊技中に、遊技球の発射や遊技球の入賞に基づいて持球数は常に変動しており、この状態で景品に対応する球数を持球数から減算されても正規の球数が減算されたか確認するのが困難である。
【0010】
更に、持球数が少ない状態であえて景品交換するような場合に、景品の交換に必要な球数に近い持球数が遊技中に増減していると、景品と交換可能な持球数があるか否かが分からず、遊技を中断して、持球数を確認してから景品交換しなければならない。
また、景品交換の際に、サービス員によって景品交換による持球数の減算の操作を可能とするためには、例えば、封入球式遊技機に外部から通信して持球数の減算を行わせる必要があるが、外部から封入球式遊技機に直接通信できるようにした場合、すなわち、外部からの通信により、直接、封入球式遊技機に記憶されている持球数の数値を変更可能とした場合には、不正防止の面で問題になる。
【0011】
また、安全性を高めるために、封入球式遊技機と直接通信せずに、例えば、封入球式遊技機に隣設して設けられた遊技媒体変換装置(例えば、球貸機等)を介して封入球式遊技機に記憶された持球数を減算するようにした場合には、通信が煩雑になり処理時間がかかる。すなわち、景品交換のために、遊技媒体変換装置と通信し、かつ、遊技媒体変換装置と封入球式遊技機との間での通信が必要となり、さらに、安全性を高めるためには、遊技店の管理装置(管理サーバ)とも通信してデータの確認やバックアップを行う必要がある。
【0012】
本発明の目的は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、第2遊技価値に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる遊技店システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機と、
前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機と、
を備えた遊技装置と、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバと、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置と、
を備えた遊技店の遊技店システムにおいて、
前記遊技装置は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、
前記遊技機は、
前記第1遊技価値を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段と、
前記第1遊技価値から遊技に使用した遊技価値量を減算し、且つ、前記第1遊技価値に入賞に対応した遊技価値を加算する第1遊技価値演算手段と、
前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段と、
前記上限値判定手段で前記演算結果が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値として前記遊技設備機へ送信する超過遊技価値送信手段と、
前記第1遊技価値記憶手段に記憶されている第1遊技価値を表示する第1遊技価値表示手段と、
遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記第1遊技価値が所定値以下の場合に、前記遊技設備機に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記第2遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、
前記超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値を受信する超過遊技価値受信手段と、
前記超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値とを加算する第2遊技価値演算手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値を表示する第2遊技価値表示手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている全ての第2遊技価値を、景品交換するための景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信する景品交換遊技価値送信手段と、
前記景品交換遊技価値移動中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、前記景品交換端末装置に景品交換遊技価値の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値送信手段から送信された前記景品交換遊技価値を記憶する景品交換遊技価値記憶手段と、
前記強制返送要求送信手段からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値を前記遊技設備機に送信する景品交換遊技価値返送手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、遊技機は、例えば、発射位置に供給した遊技球を発射装置が遊技領域に向けて発射するように制御し、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環使用する封入球式遊技機、または、メダルを払い出さないカード式スロットマシン等である。
また、遊技設備機は、例えば、遊技者を特定する情報として、会員カード等のICカードに記憶されたIDを遊技店システムに入力する機能を有するものである。なお、遊技設備機は、例えば、ICカードのID等の遊技者を特定する情報を入力するものとして、前記情報を例えば管理サーバに送信可能となっていれば良く、カードリーダ等の情報入力装置が外部に別対として配置されていても良い。また、遊技設備機が球貸機(ここでは、入金に対してデータとしての遊技価値を貸し出す)としての機能を有していても良い。また、遊技設備機が遊技機に内蔵された状態となっていても良い。すなわち、遊技機と遊技設備機とが一体の遊技装置となっていても良い。
【0015】
この発明によれば、例えば、遊技設備機に遊技者を特定する情報を入力し、遊技機において、入力された情報で特定される遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技が実行される。
そして、遊技が実行されるのに対応して、遊技機の第1遊技価値演算手段によって、遊技価値のうちの遊技機の第1遊技価値記憶手段に記憶される第1遊技価値から遊技に使用される遊技価値量が減算され、かつ、遊技において入賞が発生すると、発生した入賞に対応する遊技価値量が前記第1遊技価値に加算される。
【0016】
また、第1遊技価値演算手段により遊技価値量を第1遊技価値に加算する場合に、遊技機の上限値判定手段は、加算後の第1遊技価値が、第1遊技価値に設定された上限値を超えるか否かを判定し、上限値を超えると判定された場合に、遊技機の超過遊技価値送信手段が、加算後の第1遊技価値の上限値を超えた部分を超過遊技価値として遊技設備機の超過遊技価値受信手段に送信する。
この場合に、超過遊技価値は、加算後の第1遊技価値から上限値を減算した値となり、超過遊技価値を送信後の第1遊技価値は、その上限値となる。
【0017】
一方、遊技設備機では、当該遊技設備機の超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値が遊技設備機の第2遊技価値演算手段により、遊技設備機の第2遊技価値記憶手段により記憶されている第2遊技価値に加算される。
従って、遊技者が保有する遊技価値は、遊技機と遊技設備機とからなる遊技装置で管理されるが、遊技機で管理される第1遊技価値と、遊技設備機で管理される第2遊技価値とに分けられる。また、第1遊技価値は遊技機の第1遊技価値表示手段で表示され、第2遊技価値は遊技設備機の第2遊技価値表示手段で表示される。なお、遊技機と、遊技設備機とが一体の場合に、見かけ上は、遊技機に第1遊技価値表示手段と第2遊技価値表示手段とが設けられた状態となる。
【0018】
そして、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置は、遊技価値を景品に交換する場合に、第2遊技価値に基づいて景品交換を行う。すなわち、景品交換においては、景品に対応する遊技価値量を第2遊技価値から減算する。そして、上述のような景品交換の処理が行われた後に、景品がサービス員から遊技者に引き渡されることになる。なお、景品交換端末装置による景品交換は、例えば、遊技中として、遊技装置で遊技者を特定する情報を入力してから遊技を終了するまで、例えば、遊技設備機にカードリーダを設け、カードリーダにICカードが挿入された後でICカードが排出される前に行われる。
【0019】
従って、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、第2遊技価値に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる。従来の遊技機と同じ感覚とは、例えば、第1遊技価値が従来のパチンコ遊技機の上皿に貯留されて発射位置に誘導される遊技球数に対応し、第2遊技価値が下皿もしくは球箱の遊技球に対応し、第2遊技価値が景品交換により減少しても、直ぐに遊技球の発射には影響を与えない点である。
【0020】
また、直接遊技に使用できない第2遊技価値を景品交換に利用するので、直接遊技に使用される第1遊技価値は、なんら景品交換によって影響を受けることがなく、景品交換の処理が遊技に影響を与えることがないので、上述のように景品交換の処理を行っている間、遊技を続行することができる。
言い換えれば、第1遊技価値の遊技価値量に加えて、第2遊技価値に景品交換可能な遊技価値量が有るということは、遊技者の保有する遊技価値量が、景品交換により減少しても、遊技者が保有する遊技価値量にある程度の期間遊技を実行可能な余裕がある可能性が高く、保有する遊技価値量が少ないことに気付かずに、景品交換してしまい、大当たりが発生した場合に、大当たり開始時の遊技を実行するための遊技価値量が不足したり、景品として飲み物の注文を行った後に直ぐに遊技価値量が無くなって、飲み物が届くまで遊技できない状態で待っていたりすることを防止することができる。
【0021】
更に、封入球式遊技機で第1遊技価値を記憶して表示するとともに、遊技設備機で第2遊技価値を記憶して表示するようにしたので、直接遊技に使用可能な第1遊技価値と直接は遊技に使用できない第2遊技価値とをはっきりと区別して持ち球数(遊技価値)を把握できる。また、第1遊技価値は、基本的に、上限値までの数値となり、桁数等にも大きく差がでる可能性がある遊技者が保有する遊技価値量の全体に対して、遊技者が把握しやすい数値となる。
【0022】
また、第2遊技価値は遊技設備機側で管理し、遊技機は第1遊技価値だけを管理するので、遊技価値を2つに分けて処理するものとしても、第1遊技価値と第2遊技価値との両方を遊技機で管理する場合に比較して遊技機の処理負担を小さくできる。
また、景品交換に関して第1遊技価値を記憶する遊技機は、全く関与しなくていいので、例えば、景品交換端末装置が、遊技機と直接通信する必要はなく、遊技機に対する不正防止を強化できる。また、景品交換端末装置と遊技設備機が更新して景品交換する際に、特に問題がなければ、遊技設備機と遊技機との間で通信する必要もなく、通信は景品交換端末と遊技設備機とだけで行えば良く、通信が煩雑になるのを防止することができる。
【0023】
なお、第2遊技価値は、従来の景品交換用の遊技価値(貯球数)に同等のものではない。すなわち、第2遊技価値は、所謂ワゴンサービス(遊技に使用可能な遊技価値を遊技中に景品に交換するサービス)以外での景品交換に使用するためのものではなく、あくまでも遊技に使用する遊技価値のうち、上限値を超えるなどして第1遊技価値として記憶されなかった分の遊技価値である。従って、第1遊技価値が残り少なくなったり、無くなったりした場合に、遊技者の操作により、随時第1遊技価値に第2遊技価値の遊技価値量を移動可能となっていることが好ましい。また、第2遊技価値は、遊技終了後に、第1遊技価値と合わせて、景品交換にも使用可能な遊技価値(例えば、貯球数と同等で、さらに、遊技に使用可能であっても良い)となることが好ましい。すなわち、本発明では、遊技者が所有する遊技価値を遊技中(特に第1遊技価値が上限値を超えた後)だけ、第1遊技価値と第2遊技価値とに分けて管理するが、遊技終了後の景品交換時等においては、再び、第1遊技価値と第2遊技価値とを合わせて遊技者の所有する遊技価値としても良い。
【0024】
さらに、この発明によれば、遊技機において大当たりが発生した場合に、第1遊技価値が所定値以下の場合に、遊技機の遊技価値不足送信手段により、遊技設備機に第1遊技価値が所定値以下であることを示す遊技価値不足情報が送信される。なお、ここでの所定値とは、例えば、大当たり状態の開始時に遊技球を確実に入賞させる個数以下であり、例えば、遊技球として10個程度の遊技価値量である。
そして、遊技設備機は、遊技価値不足情報が受信され際に、景品交換中、すなわち、上述の景品交換遊技価値移動中である場合に、強制返送要求送信手段が景品交換端末装置に景品交換遊技価値を遊技設備機に返送することを指示する強制返送要求を送信する。
なお、遊技価値不足送信手段は、大当たりが発生した場合で、かつ、景品交換遊技価値移動中の場合に遊技価値不足情報を遊技設備装置に送信するものとしても良い。
【0025】
そして、強制返送要求を受信した景品交換端末装置の景品交換遊技価値変動手段は、景品交換端末の景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値を遊技設備機に送信する。なお、この場合に、景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値は0とされる。また、例えば、景品交換端末で、景品の選択等や景品交換遊技価値の減算が行われていた場合には、これを無効とし、減算される前の景品交換遊技価値を遊技設備機の第2遊技価値に移動するものとしても良い。すなわち、実際に景品が遊技者に受け渡される前であれば、減算される前の景品交換遊技価値を返送可能である。
なお、大当たり状態では、発射された遊技球が高い確率で入賞し、直ぐに遊技者の保有する遊技価値量が増加するので、大当たり状態が開始した後に遊技価値量が増加し始めるまでの間、遊技球を発射可能とする比較的僅かな遊技価値があれば、大当たり状態の遊技を実行可能となるので、景品交換遊技価値が減算された後の場合に、減算された景品交換遊技価値を返送するものとしても良い。
【0026】
また、遊技設備機に返送された景品交換遊技価値は、第2遊技価値演算手段により、第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値に加算される。
【0027】
そして、遊技者は、景品交換遊技価値が加算された第2遊技価値を第1遊技価値に移動することで、第1遊技価値を所定値以上にすることが可能となり、大当たり開始時に遊技機に使用可能な遊技価値が少ないことにより、大当たり中の遊技を続行できない状態となるのを防止することができる。なお、この発明は、第2遊技価値の全てを景品交換遊技価値として景品交換端末装置に移動してしまう場合に特に有効となる。従って、第2遊技価値から第1遊技価値への遊技価値の移動が可能となっていることが好ましい。
【0028】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技店システムにおいて、
前記遊技設備機は、
前記景品交換端末装置から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、
前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバに送信する景品注文送信手段と、
前記第2遊技価値記憶手段の第2遊技価値が景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に移動している景品交換遊技価値移動中は、前記第2遊技価値と前記超過遊技価値との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段と、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている前記景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、
前記景品減算手段の減算結果を第2遊技価値とし、当該第2遊技価値と前記景品選択手段に選択された景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記遊技設備機に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段と、
を備え、
前記第1遊技価値記憶手段は、
前記超過遊技価値加算不能動化手段で前記超過遊技価値の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶するようにしたことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、遊技中に景品交換を行う際に、遊技設備機の景品交換遊技価値送信手段が、第2遊技価値記憶手段に記憶されている全ての第2遊技価値を景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信する。
そして、景品交換遊技価値を受信した景品交換端末装置において、受信した景品交換遊技価値が景品交換遊技価値記憶手段に記憶される。
【0030】
この際、すなわち、第2遊技価値記憶手段の第2遊技価値が景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信されることで、第2遊技価値が遊技設備機から景品交換端末装置に移動している状態である景品交換遊技価値移動中は、遊技機及び遊技設備機からなる遊技装置において、遊技設備機の超過遊技価値加算不能動化手段により、前記第2遊技価値と前記超過遊技価値との加算が不能動化され、かつ、遊技機の第1遊技価値記憶手段は、超過遊技価値加算不能動化手段で前記超過遊技価値の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶する。
【0031】
すなわち、景品交換遊技価値移動中は、実質的に第2遊技価値の管理が遊技設備機から景品交換端末に移行しているので、遊技設備機では、第2遊技価値を増減するような処理(超過遊技価値の加算や第1遊技価値への移動)を行わない。この場合に、超過遊技価値が発生した場合の処理が行えないので、遊技機側で、超過遊技価値を遊技設備機に送らずに、例外的に第1遊技価値記憶手段に、上限値を超える遊技価値を記憶可能とするようになっている。
【0032】
なお、遊技に直接使用されているのは第1遊技価値なので、第2遊技価値が景品交換中に完全に遊技から切り離された状態(遊技設備機で加減できない状態)となっても、第1遊技価値が無くなるまで遊技続行可能となる。
【0033】
そして、景品交換遊技価値移動中に、遊技者の要望に対応して、例えば、景品交換端末装置を操作するサービス員によって景品選択手段を介して選択された景品に対応する遊技価値が、景品交換端末装置の景品減算手段により景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値から減算される。なお、景品の選択は、景品交換遊技価値(第2遊技価値)の移動前に行うものとしても良いし、移動後に行うものとしても良い。
【0034】
次いで、景品交換端末装置の景品注文実行手段が、選択された景品に対応する遊技価値が減算された景品交換遊技価値を第2遊技価値として遊技設備機に送信するとともに、選択された景品の情報(景品の品種を特定可能(識別可能)な情報)を遊技設備機に送信する。
【0035】
一方、遊技設備機では、景品に対応する遊技価値が減算されて景品交換端末装置から送信された第2遊技価値と、選択された景品を識別する情報とを景品注文に関する情報として景品注文受信手段が受信する。
【0036】
そして、遊技設備機では、減算された景品交換遊技価値を第2遊技価値として受信することになり、第2遊技価値が景品交換に使用された遊技価値だけ減少した状態の受信した第2遊技価値に更新されることになる。これにより、景品交換遊技価値移動中の超過遊技価値加算不能動化状態が解除されることになり、遊技設備機において、第2遊技価値への超過遊技価値の加算等の処理が許可された状態となる。
【0037】
従って、遊技機においても、超過遊技価値を遊技設備機側に送信可能となり、第1遊技価値が上限値を超えることが禁止された状態に戻る。例えば、第1遊技価値は、遊技球の発射により減算されて上限値内に復帰するか、上限値を超えた状態で第1遊技価値に賞球が加算される場合に、上限値を超えた超過遊技価値が第2遊技価値に移動されることで上限値以下となる。
【0038】
また、遊技設備機で受信された景品の情報は、遊技設備機の景品注文送信手段により管理サーバに送られ、管理サーバが景品交換が行われたことを記憶して管理する。なお、景品自体は、例えば、ワゴン等の搬送手段により遊技者のそばまで搬送されている場合に、サービス員から遊技者に手渡されるが、そうでない場合に、管理サーバに送られた際に、管理サーバ側にいるサービス員が管理サーバに受信された景品の情報を確認して遊技者のところまで景品を搬送して手渡すものとしても良い。
【0039】
全ての第2遊技価値を景品交換端末装置に移動するので、現在景品交換できる上限まで景品交換することができる。また、第2遊技価値を遊技から完全に切り離した状態とし、景品交換分の遊技価値を減算するので、処理中に遊技の進行状況に対応して第2遊技価値が増減することがなく、処理を単純化することができるとともに、景品交換による第2遊技価値の減少量を明確に遊技者が把握することができる。
【0040】
また、第2遊技価値が遊技から完全に切り離された状態でも、景品交換遊技価値の移動中は、超過遊技価値は第1遊技価値に加算されていくので、景品交換遊技価値と第1遊技価値とを見ることで、遊技者の保有する遊技価値を容易に把握できる。
【0041】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技店システムにおいて、
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値と、前記景品選択手段で選択した景品の情報と、前記景品減算手段の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段を備えたことを特徴とする。
【0042】
この発明によれば、景品交換表示手段の表示により、景品の情報とともに、景品交換後に遊技設備機に第2遊技価値もしくはその一部として戻される遊技価値(減算された景品交換遊技価値)を見ることができ、かつ、景品交換による遊技価値の減少量(景品交換遊技価値から減算後の景品交換遊技価値を差し引いた値)を容易に把握することができる。
すなわち、景品交換が実行される前に、景品交換の内容を景品交換表示手段の表示により確認できる。なお、景品交換端末装置に設けられる景品交換表示手段は、例えば、サービス員が遊技者に提示することで、遊技者が見ることも可能である。
【0043】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技店システムにおいて、
前記景品交換端末装置は、
前記景品注文実行手段で注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段と、
前記受渡操作手段が操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、
前記景品注文実行手段からの情報を受信してから前記受渡送信手段からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技価値をサービスとして前記第2遊技価値に加算する景品価値加算手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0044】
この発明によれば、上述のように遊技中の景品交換の処理を行うとともに、サービス員が遊技者に景品を受け渡した場合に、景品交換端末装置の受渡操作手段をサービス員が操作し、受渡操作手段が操作されると、景品交換端末装置の受渡送信手段が遊技設備機に受渡操作手段が操作されたことを示す情報が送信される。これにより遊技設備機において、景品の受け渡しが終了したことを確認可能となっている。なお、受渡操作手段の操作を示す情報を遊技設備機からさらに管理サーバに送信するものとしても良い。
【0045】
また、遊技設備機では、遊技機から大当たり状態を示す情報が送信されると、この情報を大当たり状態受信手段が受信する。なお、遊技機には、基本的に大当たり状態を示す情報を遊技設備機に送信する機能(大当たり状態送信手段)を備えている。
【0046】
そして、遊技設備機においては、景品交換する景品が選択された後に景品交換端末の景品注文実行手段から景品の情報や、景品交換遊技価値が景品交換に関する情報として受信されてから、上述のよう景品の受け渡しが終了して受渡送信手段から景品受渡操作手段が操作されたことを示す情報が受信されるまでの間に、大当たり状態受信手段が遊技機での遊技が大当たり状態となったことを示す情報を受信すると、景品価値加算手段が、選択されて注文された景品に対応する遊技価値を第2遊技価値に加算する。
これにより、遊技者は、景品交換をしても所有する遊技価値が減少せず、特典を受けたことになる。
【0047】
従って、遊技者は、例えば、景品を注文してから景品が届くまで時間がかかっても、その間に大当たりが発生すれば、特典を得られることから、景品が届くのが遅くなった場合に、遊技者が不満を抱くのを防止することができる。
【0048】
また、遊技中の景品交換により特典が得られるチャンスが発生することから、遊技者への景品交換を促すことができる。なお、遊技店では、通常、遊技者が所有する遊技価値で長い期間に亘って遊技を続行されてしまうと、その間、遊技者は新たに遊技価値を借りるための支払いを行わないことになり、利益が得られにくい可能性があり、遊技者に景品交換を促すことで、遊技店の利益を確保しやすくなる。
【0049】
また、サービス員は、景品交換の受け渡しが遅くなって、その間に大当たりが発生してしまうと、遊技店の利益が減少してしまうことから、景品の受け渡しを早く行うようになる。
【0050】
なお、全ての大当たりに対して、景品価値加算手段が遊技価値を加算する必要はなく、所謂初当たりの場合にだけ、遊技価値を加算する用にしても良い。
なお、初当たりとは、例えば、遊技が所謂確率変動中や時短中でない場合の大当たりである。ここで、確率変動中及び時短中、特に確率変動中は、通常時よりも時間当たりの大当たりとなる確率が極めて高くなっているので、確率変動中に遊技者が景品注文を行うと、上述の期間中に大当たりが発生する確率がかなり高くなり、遊技者が上述の得点を得られる確率が高くなりすぎてしまい、遊技店側が不利になりすぎてしまう可能性がある。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、第2遊技価値に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる。
更に、封入球式遊技機で第1遊技価値を記憶して表示するとともに、遊技設備機で第2遊技価値を記憶して表示するようにしたので、直接遊技に使用可能な第1遊技価値と直接は遊技に使用できない第2遊技価値とをはっきりと区別して持ち球数(遊技価値)を把握できる。
また、第2遊技価値は遊技設備機側で管理し、遊技機は第1遊技価値だけを管理するので、第1遊技価値と第2遊技価値との両方を遊技機で管理する場合に比較して遊技機の処理負担を小さくできる。
景品交換に関して第1遊技価値を記憶する遊技機は、全く関与しなくていいので、例えば、景品交換端末装置が、遊技機と直接通信する必要はなく、遊技機に対する不正防止を強化できる。
【0052】
さらに、遊技者は、景品交換遊技価値が加算された第2遊技価値を第1遊技価値に移動することで、第1遊技価値を所定値以上にすることが可能となり、大当たり開始時に遊技機に使用可能な遊技価値が少ないことにより、大当たり中の遊技を続行できない状態となるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の遊技店システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記遊技店システムの遊技装置を構成する遊技機及びカードユニットを示す正面図である。
【図3】前記遊技機及びカードユニットの制御系を説明するためのブロック図である。
【図4】前記カードユニットのカードユニット制御装置及び遊技機の本体制御装置のメインフローとなる処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】前記カードユニット制御装置によるカード処理及び入金処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による球貸処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による持球移動処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】前記本体制御装置による遊技処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による超過球処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置による遊技終了処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】前記カードユニット制御装置及び本体制御装置によるワゴンサービス処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートの続きとなるフローチャートである。
【図13】前記ワゴンサービス処理における情報の移動を説明するためのブロック図である。
【図14】前記ワゴンサービス処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図15】前記超過球処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図16】前記球貸処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図17】前記持球移動処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図18】本発明の実施形態の変形例となるワゴンサービス処理におけるカードユニット及び携帯情報端末の表示を説明するための図面である。
【図19】本発明の実施形態の別の変形例となる遊技装置を構成する遊技機及びカードユニットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技店システムは、図1に示すように、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な複数の遊技機1,1と、前記遊技機1,…と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機としての複数のカードユニット20,20とを備えた遊技装置21を有する。
【0055】
また、遊技店システムは、カードユニット20,20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバ40と、前記カードユニット20,20と通信可能で、遊技中の遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60を備える。
また、遊技システムは、携帯情報端末60により後述のように選択された景品の情報(景品を識別するための景品名や景品コード等)を表示するための景品モニタ装置81と、主に遊技終了後に景品交換の処理を行う景品POS端末82と、後述するようにカードユニット20に投入した貨幣のうちの未使用分の金額を精算して払い出す精算機83とを有する。
【0056】
また、遊技システムでは、各カードユニット20,20と、管理サーバ40、景品モニタ装置81、景品POS端末82、精算機83等がハブ84を介して互いに通信可能に接続(LANを構成するように接続)されている。また、携帯情報端末60は、カードユニット20(もしくは管理サーバ40)と無線通信可能とされており、カードユニット20(もしくは管理サーバ40)には、無線通信ユニット(例えば、後述の携帯情報端末送受信部26)が設けられている。
【0057】
次ぎに、図2及び図3を参照して、遊技機1とカードユニット20とからなる遊技装置21を説明する。
遊技装置21は、この例において、遊技機1と遊技機1とは別体に設けられるとともに、遊技機1と隣設して配置されるカードユニット20とからなるが、カードユニット20の後述する第2遊技価値(持球数)に関する処理を行う遊技設備機としての部分が遊技機1内に内蔵され、遊技装置21と遊技設備機の少なくとも一部とが一体となった状態で遊技装置21を構成しても良い。
【0058】
遊技機1は、この例において、パチンコ遊技機であるが、発射位置(図示略)に供給した遊技球を発射装置(図示略)が遊技領域(図示略)に向けて発射するように制御し、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環使用する封入球式遊技機となっている。なお、遊技機1がメダルを排出することなくデータとしての遊技価値で遊技可能なスロットマシン(パチスロ遊技機)であっても良い。
この遊技機1は、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。
【0059】
また、遊技機1は、球貸機等(例えば、カードユニット20)への現金の投入等により発生する遊技価値を示す情報(例えば、金額情報)を入力し、この金額情報を、遊技価値を示す情報であり、かつ、遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)を示す遊技媒体数情報に変換し、この遊技媒体数情報(遊技者が保有する遊技価値としての後述の発射可能球数及び持球数の情報のうちの発射可能球数)に対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して遊技媒体数情報(発射可能球数)の値を減算するようになっている。
また、この例では、遊技装置21が、遊技者の保有する遊技価値情報である遊技媒体数情報を遊技を実行するための発射可能球数情報(第1遊技価値)と、発射可能球数以外の持球数情報(第2遊技価値)とに分けて記憶するようになっている。なお、後述するように発射可能球数情報は、遊技機1に記憶されて遊技機1で管理され、持球数情報は、遊技設備機としてのカードユニット20で記憶されて管理されるようになっている。
【0060】
従って、発射可能球数情報に示される発射可能球数が0以上の場合に遊技球を発射可能となり、遊技球を一球発射する毎に、発射可能球数から1が減算されるようになっている。また、遊技球が入賞すると、この入賞により発生する賞球数が発射可能球数に加算されるようになっているが、発射可能球数には上限値が設定されており、賞球数の加算により発射可能球数が上限値を超えてしまう場合には、発射可能球数の上限値を超えた部分を、超過球数(超過遊技価値)とし、この超過球数を持球数情報の持球数に加算し、発射可能球数を上限値の数とするようになっている。
【0061】
また、後述するように遊技者の操作により、持球数情報の持球数から発射可能球数情報の発射可能球数に遊技媒体数を移動可能となっており、発射可能球数が残り少なくなったり、無くなったりしたような場合に、持球数から遊技媒体数を発射可能球数に移動することで、持球数を減らして発射可能球数を上限値の範囲内で増やすことが可能となっている。
【0062】
そして、発射可能球数情報に基づいて発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域(図示略)に入賞して遊技盤(図示略)の裏面側に導かれてセーフ球として回収されるとともに、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機としての遊技機1内で循環するようになっている。
【0063】
また、所謂ファールとなった遊技球も循環流路に回収されるとともに、ファールとなった遊技球は発射された後に遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、発射可能球情報の発射可能球数にファール球数が加算される。これは、封入球式でない通常の遊技機において、ファール球が再び発射位置に戻されて発射されることに対応している。
【0064】
本実施形態の遊技機1は、後述の封入球循環ユニットを備え、外部からの遊技球の供給と外部への遊技球の排出を行わないこと以外は、従来の遊技機と同様の構成を有したものとなっている。
すなわち、遊技機1は、矩形枠状に構成された機枠(図示略)と、該機枠内に嵌め込まれるとともに、該機枠に対し回動可能に矩形状の前面枠(図示略)が軸支されている。すなわち、前面枠は、機枠に対してドア状に開閉可能とされている。また、遊技盤等の各種部材が取り付けられた前面枠の本体である前面枠本体には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部が設けられ、該開口部に前面側が遊技領域とされた遊技盤が嵌め込込まれている。
【0065】
また、前面枠本体には、該前面枠本体に取り付けられた遊技盤の前面の遊技領域を視認可能な開口窓部2を有し、この開口窓部2を覆う透明部材としての二重のガラス板3を保持する透明部材保持枠としてのガラス枠4が設けられている。
前面枠本体に嵌め込まれた遊技盤の前面と前記ガラス枠4に嵌め込まれた二重のガラス板3の裏面との間で、遊技盤の前面に設けられたガイドレールに囲まれた部分が遊技球が発射されて流下する遊技領域とされている。
【0066】
また、ガラス枠4の前面側には、遊技領域の視認を妨げない位置に、複数の装飾ランプ5,…、スピーカ6,6等が設けられている。
【0067】
前面枠本体の遊技盤が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体の下部の前面側、すなわち、ガラス枠4の下側には、操作表示パネル7が設けられ、操作表示パネル7の上部の中央部には、上述の前記第1遊技価値記憶手段としてのRAM143に記憶されている発射可能球数情報の発射可能球数(第1遊技価値)を表示する第1遊技価値表示手段としての発射可能球数表示部8が設けられている。
また、操作表示パネル7の下部の例えば向かって右側部分には、遊技者が遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル9が設けられている。操作ハンドル9は、遊技者の手が触れていることを検出するタッチセンサ9a(図3に図示)を備え、遊技者がタッチセンサ9aにタッチすることで遊技球の発射を行うとともに、遊技者が操作ハンドル9を回転操作することで遊技球の発射勢を調整可能としたものである。
【0068】
また、図示しない前面枠本体の下部の前面側には、遊技球を発射する遊技球発射装置(図示略)が設けられ、該遊技球発射装置の発射位置から遊技球が遊技領域に向けて発射されるようになっている。発射装置は、遊技球を発射させる際の駆動源となる発射モータ2g(図3に図示)を備える。また、前面枠本体の下部の裏面側には、遊技領域に向けて発射された遊技球のうちの何れの入賞領域(入賞口、入賞装置)にも入賞せずに、図示しないアウト口から回収されたアウト球と、入賞領域に入賞したセーフ球と、発射されたにも拘わらず入賞領域に入賞することもアウト口に回収されることもなく発射装置側に戻ってしまったファール球とを回収し、再び、発射位置に誘導する封入球循環ユニット(図示略)が設けられている。
【0069】
この封入球循環ユニットは、遊技領域に発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口と、回収口から発射装置の遊技球の発射位置まで遊技球を導いて遊技球を循環使用する循環流路と、この循環流路の上流側の一部として、回収口から後述の待機流路まで遊技球を流下させる回収球流路と、この回収球流路を流下する遊技球を検出する入球検出センサ1a(図3に図示)と、循環流路の下流側の一部分であり、発射位置に送られる前の遊技球を待機させる待機流路と、待機流路に待機する遊技球の量を検出する球量検出センサ1b(図3に図示)と、待機流路の下流側の端部に設けられ、発射装置の遊技球の発射位置に遊技球の発射のタイミングに応じて順次遊技球を一個宛送球する球送り装置(図示略)とを備える。
【0070】
また、封入球循環ユニットは、発射装置により遊技領域に向けて発射したにも係わらず、再び発射装置側に向かって戻ってしまったファール球を回収するファール球回収口(図示略)と、回収されたファール球を検知する戻り球検出センサ1c(図3に図示)と、ファール球回収口から回収されたファール球(遊技球)を待機流路(循環流路)に流下させるファール球流路とを備える。
【0071】
また、封入球循環ユニットは、封入球循環ユニット内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球の球量が減少したことを上述の球量検出センサ1bからの信号に基づいて検出した場合に、貯量した遊技球を待機流路に補給する球補充装置を備え、該球補充装置には、遊技球を貯留する貯留部を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補給する状態との間で切り替える球量調節ソレノイド1d(図3に図示)が設けられている。
【0072】
また、待機流路に待機する遊技球を発射装置の発射位置に1個ずつ発送する球送り装置には、遊技球を発射位置に送るために球送り装置を駆動する球送りソレノイド1e(図3に図示)と、発射位置に送られて発射される遊技球を検出する発射球検出センサ1f(図3に図示)とが設けられている。
そして、発射球検出センサ1fが発射される遊技球(発射球)を検出すると、上述の発射可能球数が1減算される。また、戻り球検出センサがファール球となった遊技球を検出すると発射可能球数に1加算されるが、この際に発射可能球数がその上限値となっている場合には、発射可能球数に代えて持球数に1加算され、発射可能球数は上限値を超えることなく上限値のままとされる。
【0073】
そして、以上のような遊技機1において、遊技盤の前面側の遊技領域において遊技が行われることになる。
すなわち、遊技機1では、遊技盤のガイドレールで囲まれた遊技領域内に遊技球(遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域には、図示しないが普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を付与するための普図始動ゲート(図示略)、この普図始動ゲートを遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普図変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与する普通変動入賞装置、この普通変動入賞装置に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特図変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置10(図3に図示)、特別変動入賞装置(図示略)、一般入賞口(図示略)、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)、遊技領域をその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球としてのアウト球を回収するアウト口などが設けられている。
【0074】
前記普通変動入賞装置は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド2a(図3に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が特別の停止表示態様(例えば、普通図柄としての識別情報が変動表示された後に停止した際に識別情報として「7」が表示された状態など)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ2b(図3に図示)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0075】
また、普図始動ゲート内には、該普図始動ゲートを通過した遊技球を検出するためのゲートセンサ2c(図3に図示)が設けられている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート内を通過してゲートセンサ2cに検出されると、普図変動表示器において普図変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などの識別情報)の変動表示ゲームは、普図変動表示器で普通図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が上述のような特別の停止表示態様(結果態様)となれば、普図変動表示ゲームの当たりとなって、普通変動入賞装置の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0076】
また、特図の変動表示装置10は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示画面を有している。この表示画面における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置11(図3に図示)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置へ進入して始動口センサ2bに検出されて始動条件が成立することに基づき、表示画面にて複数種類の特図としての識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームを実行可能となっている。
そして、この特図変動表示ゲームの結果として、表示画面の表示態様が特別の停止表示対応(結果態様として例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れかなど)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
【0077】
ここで、特別変動入賞装置は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド2d(図3に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ2e(図3に図示)が配設されている。
なお、各一般入賞口の内部(入賞領域)には、該入賞口に入った遊技球を検出するための入賞口センサ2f(図3に図示)が配設されている。
【0078】
前記サイクル遊技とは、大入賞口が開いてから所定の時間が経過するか、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するかの条件のうち、いずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定のラウンド回数繰り返して行う遊技の形態である。
また、遊技領域を構成する遊技盤や変動表示装置10の液晶ディスプレイの周囲等には、遊技を光により演出するためのランプ・LED2hが設けられている。
【0079】
ここで、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口、普通変動入賞装置、特別変動入賞装置の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の発射可能球数に加算される。なお、賞球数の加算により発射可能球数が上限値を超える場合には、上述のように、上限値を超える部分となる超過球数が持球数に加算され、発射可能球数はその上限値を超えることなく上限値とされる。
【0080】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は多くの遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式の遊技機1はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態(特別遊技状態)を発生可能に構成されている。
【0081】
次に、以上のような遊技機1の制御系について図3の制御ブロック図を参照して説明する。
遊技機1の制御系としては、遊技の進行を制御する遊技制御装置12と、この遊技制御装置12の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置11と、遊技球の発射を制御する発射制御装置13とを備え、さらに、上述の封入球循環ユニット及び発射制御装置13の制御を行うとともに、上述の発射可能球数を管理する処理を行う本体制御装置14を備える。また、これら、遊技制御装置12、演出制御装置11、発射制御装置13、本体制御装置14に電力を供給する電源装置15が備えられるとともに、電源装置15には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源16が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存された第1遊技価値などのデータの消失を防止するようになっている。
【0082】
このうち遊技制御装置12は、CPU,RAM,ROM等を有するパチンコ遊技機において周知のものであり、遊技の制御として、遊技における入賞の発生の検出や各変動入賞装置の作動等の制御の他に、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。
例えば、各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置12は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
【0083】
また、遊技制御装置12には、入出力インターフェースを介して各入賞口センサ2fゲートセンサ2c、始動口センサ2b、カウントセンサ2eが接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ2f、始動口センサ2b、カウントセンサ2e等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになる。
遊技制御装置12は、各入賞領域に設けられたセンサの遊技球の検出信号に基づいて、各センサ毎にあらかじめ設定された数値(賞球数)を示す賞球に関する情報を発生して出力する。
遊技機1においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が本体制御装置14に出力されるようになっており、本体制御装置14においては、賞球に関する情報に基づいて、後述のように発射可能球数に上限値まで賞球数を加算する処理と、上限値を超えた分をカードユニット20に送信する処理が行われる。
また、遊技制御装置12においては、ゲートセンサ2c、始動口センサ2bから入力される信号に基づいて、上述のように特図及び普図の変動表示ゲームの進行(始動)の制御が行われる。
【0084】
また、遊技制御装置12には、I/Oを介して普電ソレノイド2a、大入賞口ソレノイド2dが接続されて制御されるようになっており、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、上述のように特別変動入賞装置や普通変動入賞装置の開閉が制御される。なお、普電ソレノイド2aが普通変動入賞装置を開閉駆動するもので、大入賞口ソレノイド2dが特別変動入賞装置を開閉駆動するものである。
また、遊技制御装置12は、I/Oを介して本体制御装置14及び演出制御装置11に接続され、本体制御装置14及び演出制御装置11に後述する各種データを遊技機情報として送信している。
【0085】
例えば、遊技制御装置12は、上述の賞球に関するデータとして、遊技球の入賞に基づく賞球がある場合に、賞球数を示す賞球数コマンドを遊技機情報の1つとして本体制御装置14に出力する。
【0086】
また、遊技制御装置12は、特図の始動入賞に基づく特図の変動表示ゲームの開始及び停止、大当り外れの判定等の制御に基づいて、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の開始(確変での大当り開始)、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の開始(非確変での大当り開始)、その他変動表示ゲームの停止図柄や変動表示時間等を含む変動表示ゲームの演出に関するデータを演出制御装置11に送信する。
【0087】
また、遊技制御装置12は、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ2b及びゲートセンサ2cから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で特図及び普図の変動表示ゲームを始動する始動条件の成立の回数を特図及び普図の始動記憶数(保留数)としてカウントするようになっている。そして、遊技制御装置12は、特図もしくは普図の始動入賞が有る度に上限値の範囲内で特図もしくは普図の始動記憶数を1増加し、特図もしくは普図の変動表示ゲームを開始する度に特図もしくは普図の始動記憶数を1減少する制御を行っており、この始動記憶数に関するデータを、演出制御装置11に送信している。
【0088】
演出制御装置11は、CPU,ROM,RAM等を備えるとともに、ビデオ出力制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置12における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置10における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤等に設けられたランプ・LED2hを有する装飾基板におけるランプ・LED2hの発光による演出制御等を行う。また、演出制御装置11は、音声出力制御用の各種ICを備え、例えば、スピーカ6から出力される音声による演出の制御を行う。
【0089】
本体制御装置14は、例えば、マイコンチップからなる主制御部141を備え、主制御部141には、CPU142,RAM143,ROM144等を備えている。
このうち、CPU142は、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、封入球循環ユニット及び発射制御装置13の制御、発射可能球数の管理、カードユニット20との通信の制御を行う。
RAM143は、各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU142の作業領域等を備えている。また、RAM143には、発射可能球数を示す発射可能球数情報が記憶されて、CPU142の処理により後述のように発射可能球数が更新記憶されるようになっている。従って、本体制御装置14のRAM143は、遊技者の保有する遊技価値のうちの第1遊技価値となる発射可能球数情報を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段となる。
【0090】
ROM144には、封入球循環ユニット及び発射制御装置13の制御、通信の制御、発射可能球数の処理に関するプログラムやデータ等が記憶されている。
【0091】
そして、本体制御装置14は、I/Oを介して、封入球循環ユニットの発射球検出センサ1f、戻り球検出センサ1c、入球検出センサ1a、球量検出センサ1b、球量調節ソレノイド1dが接続されている。
そして、本体制御装置14は、球量検出センサ1bからの信号に基づいて、封入球循環ユニット内で待機する遊技球が不足していることを検出した場合には、球量調節ソレノイド1dを作動させて、封入球循環ユニット内で、循環使用されることなく貯留されている遊技球を貯留状態から供給状態とし、封入球循環ユニットの循環経路に遊技球を補充する処理を行う。
【0092】
さらに、本体制御装置14は、I/Oを介して発射制御装置13に接続され、発射可能球数が0より大きければ、発射制御装置13を介して発射装置による遊技球の発射を許可し、発射可能球数が0となった場合に、遊技球の発射を禁止する。
【0093】
また、本体制御装置14は、上述のように発射球検出センサ1fからの遊技球の検出信号が入力した場合に、発射可能球数を1減算し、戻り球検出センサ1cから遊技球の検出信号が入力した場合に、発射可能球数を1加算するが、発射可能球数が上限値の場合には、発射可能球数の上限値を上回って超過した遊技媒体数としての超過球数(ここでは1)の情報をカードユニット20に送信する。本体制御装置14は、遊技制御装置12から賞球数を示す賞球数コマンドが入力した場合に、賞球数コマンドに示される賞球数を発射可能球数に加算し、加算結果が発射可能球数の上限値を超える場合に、上限値を超えた部分の遊技媒体数、すなわち、加算結果から上限値を除算した遊技媒体数を超過球数として、カードユニット20に送信し、発射可能球数を上限値とする。
【0094】
また、本体制御装置14は、カードユニット20を介して管理サーバ40に上述の各種情報を外部情報として送信可能であり、例えば、遊技制御装置12から入力される特図の変動表示ゲームの実行(例えば、開始)を示す信号、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の実行(開始)を示す信号、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の実行(開始)を示す信号等と、上述の入球検出センサ1aからの信号入力に基づく入球信号、発射球検出センサ1fから信号入力に基づく出球信号、戻り球検出センサ1cからの信号入力に基づく戻り球信号を送信する。これにより、管理サーバ40側で各遊技機1の変動表示ゲームの実行回数、非確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、入球数、出球数、戻り球数、入球数から出球数を減算した差球数を管理可能としている。なお、後述するように発射可能球数も本体制御装置14からカードユニット20を介して管理サーバ40に送られる。そして、上述の各情報が管理サーバ40で例えば、遊技機毎、会員遊技者毎で管理されるとともに、各情報を管理サーバ40においてバックアップすることができる。
【0095】
発射制御装置13は、CPU,RAM,ROM等を有するマイコンチップを備えるとともに、発射装置の発射モータ2gのドライバ回路を備え、このドライバ回路が発射モータ2gに接続されている。また、発射制御装置13には、封入球循環ユニットに設けられ封入された遊技球を発射位置に送るための球送りソレノイド1eが接続されている。また、発射制御装置13には、操作ハンドル9のタッチセンサ9aが接続されている。
そして、発射制御装置13は、図示しないROMに記憶されたプログラムに基づいて、本体制御装置14からの発射許可の制御信号を受信した状態で、タッチセンサ9aにおいて、遊技者の手が検出された場合(タッチセンサ9aから信号が入力した場合)に、発射モータ2gを制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置13は、発射装置による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送りソレノイド1eを作動させて、封入球循環ユニットから発射装置の発射位置に遊技球を供給する制御を行う。
【0096】
カードユニット20は、遊技機1の左右側方のうちの一方側に隣設して配置される所謂サンド装置(台間機)であり、IDを記憶したICカード、すなわち、記憶媒体としてのICカードから記憶されているデータとしてのIDを読み取り可能となったものであり、ICカードとして、会員遊技者の会員カードと、会員以外の遊技者のゲストカートから遊技者を特定する情報としてのIDを読み取り可能となっている。なお、会員カードの場合は、予め登録された遊技者の情報とIDとが管理サーバ40で対応づけられて記憶されていることで、いつでも遊技者を特定可能であるが、ゲストカードの場合は、ゲストカードのIDを会員でない遊技者のものとして特定するものであり、例えば、カードユニット20にゲストカードを挿入してゲストとしての遊技者が遊技中の場合に遊技者とゲストカードのIDが対応付けられ、遊技者を特定可能となる。なお、本発明を会員遊技者だけに適用するものとして、会員でない遊技者には本発明を適用しないものとしても良い。また、この例において、カードユニット20は、後述するように球貸機としての機能も有するものとなっている。
【0097】
カードユニット20は、作動状態を示すパイロットランプ27と、上述のICカードのデータの読み込み及びデータのICカードへの書き出しが可能なICカードリーダライタ21(図3に図示)と、球貸機として紙幣が挿入される紙幣識別機22(図3に図示)と、後述の各種表示を行うディスプレイと各種操作用のボタンとを備える操作表示パネル23(図2に図示)と、カードユニット20に備えられた各装置を制御するカードユニット制御装置24と、カードユニット制御装置24等に電力を供給する電源装置25と、携帯情報端末60との無線通信を可能とする携帯情報端末送受信部26とを備える。
【0098】
ICカードリーダライタ21は、周知のものであり、カード挿入口21aから挿入されたICカードのデータを読み取ってカードユニット制御装置24に出力するとともに、カードユニット制御装置24の制御の下にカードユニット制御装置24から入力したデータをICカードに書き込み可能となっている。また、ICカードに入出力される情報は、カードユニット制御装置24から管理サーバ40に送信される。すなわち、ICカードがカードユニット20に挿入されると、IDが読み取られて、IDが管理サーバ40に送信され、以後、ICカードが排出されるまで、カードユニット20から管理サーバ40に送信される情報(遊技機1から送信されるカードユニット20を介して送信される情報を含む)は、前記IDに対応づけて管理サーバ40に記憶される。従って、カードユニット20は、遊技者を特定する情報としてのIDを遊技店システムに入力するためのICカードリーダライタ21を備える遊技設備機である。
なお、遊技に関する各種情報のうちの一部を、情報のバックアップの一つとしてICカードに書き込んでも良い。
【0099】
紙幣識別機22は、球貸機に設けられる周知のもので、紙幣挿入口22aから挿入された紙幣の金額を識別してカードユニット制御装置24に出力し、かつ、挿入された紙幣を保持する。これによりカードユニット20は球貸機として機能する。
操作表示パネル23は、外観が矩形板状で、カードユニット20に隣設する遊技機1の遊技領域より下側に設けられ、カードユニット20から遊技機1側に延出するように設けられている。なお、カードユニット20の前面部に対して操作表示パネル23を例えば回動移動可能としても良く、遊技機1の前面側からどけるように移動可能となっていても良い。
【0100】
操作表示パネル23には、例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイからなる入金表示部29(図3に図示)と、金額(度数)表示部30と、持球数表示部31とが備えられている。
入金表示部29は、紙幣挿入口22aに紙幣を挿入して紙幣識別機22で識別された金額、すなわち、遊技者が支払った金額を表示するためのものである。
【0101】
金額(度数)表示部30は、入金表示部29に表示された入金額に対して、球貸操作により金額を示す遊技価値から遊技媒体数を示す遊技価値に変換した場合の残額を表示するもので、例えば、1万円札を挿入し、入金額が10000の状態で、金額情報としての1000を例えば遊技媒体数情報として250に変換すると、金額表示部30では、10000が表示されていたものが1000だけ減算され9000となる。なお、この例では、上述のように球貸操作により金額情報を遊技媒体数情報に変換した場合に、遊技媒体数情報は、第1遊技価値としての発射可能球数か第2遊技価値としての持球数かのいずれかに選択的に加算される。
【0102】
持球数表示部31は、遊技者が所有する遊技価値である遊技媒体数情報(金額情報を含まない)のうちの発射可能球数を除いた第2遊技価値としての持球数を表示するものである。従って、持球数表示部31は、後述する前記第2遊技価値記憶手段としてのカードユニット制御装置24のRAM243に記憶されている第2遊技価値を表示する第2遊技価値表示手段となる。
【0103】
なお、操作表示パネル23のディスプレイは、一つの液晶ディスプレイであっても良く、入金表示部29(図3に図示)と、金額(度数)表示部30と、持球数表示部31は、一つの液晶ディスプレイの表示画面のそれぞれ一部の表示領域を示すものであっても良い。この場合に、入金表示部29は、カードユニット20に紙幣が投入された場合に一時的に短時間だけ液晶ディスプレイに表示されるものであっても良い。また、操作表示パネル23のディスプレイを一つの液晶ディスプレイとした場合に、後述するワゴンサービス中や景品待ち等の表示を行うことも可能となっている。また、操作表示パネル23のディスプレイが一つの液晶ディスプレイでない場合に、ワゴンサービス中等の遊技者に情報を報知するための情報表示部を操作表示パネル23に設けることが好ましい。
【0104】
また、操作表示パネル23には、操作ボタン(スイッチ)である持球移動操作部32(持球移動ボタン)、球貸操作部33(球貸ボタン)、休憩操作部34(休憩ボタン)、遊技終了操作部35(遊技終了ボタン)が備えられている。持球移動操作部32は、カードユニット20で管理している第2遊技価値としての持球数情報の持球数のうちの所定数の持球数を、遊技機1で管理している第1遊技価値としての発射可能球数情報の発射可能球数に移動するためのものであり、基本的には、持球移動操作部32を操作するとカードユニット20において持球数から所定数が減算され、遊技機において発射可能球数に所定数が加算される。しかし、発射可能球数には上限値があるため、発射可能球数に所定数を加算した場合に上限値を超過してしまう場合には、発射可能球数の上限値から現在の発射可能球数を減算した値を持球数から減算し、発射可能球数を上限値とする。
【0105】
球貸操作部33は、上述の入金に基づく金額情報を遊技媒体数情報である持球数情報もしくは発射可能球数情報に変換するものであり、球貸操作部33を操作することで、金額情報から所定額が減算され、持球数に所定額に対応する所定数の遊技媒体数が加算される。
休憩操作部34は、遊技者が休憩等のために席を離れる際に用いられるもので、休憩操作部34を操作すると、例えば、カードユニット20のカード挿入口21aからICカードを排出させるとともに、その後、所定期間内は、排出されたICカード以外のICカード(IDの異なるICカード)が挿入されるとICカードを排出するように設定され、所定期間だけ遊技が行われていないにも係わらず、休憩操作部34を操作した際に挿入されていたICカードを保有する遊技者に遊技機を占有できるようにしたものである。
【0106】
これにより、カードユニット20のカード挿入口21aにICカードを挿入したまま遊技機1を離れることで、ICカードを取られるようなことがなく、また、ICカードを排出して遊技機1を離れることで遊技機1を他の遊技者に取られてしまうことがなく、遊技者は安心して休憩等のために遊技機を離れることができる。
【0107】
遊技終了操作部35は、遊技者が遊技を終了し、カードユニット20から遊技者のICカードを排出させる処理を開始するためのスイッチである。遊技終了操作部35の操作により、管理サーバ40で前記IDに対応して管理されている遊技者の遊技価値において、例えば、第1遊技価値としての発射可能球数と第2遊技価値としての持球数とが合算されるものとしても良いし、さらに、この合算された遊技媒体数が景品交換用の遊技媒体数としての景品交換遊技球数に変換されるものとしても良い。また、発射可能球数と持球数とに分けたまま管理されるものとしても良い。
【0108】
また、携帯情報端末送受信部26は、携帯情報端末60とのデータ通信を行う無線通信装置であり、この例では、カードユニット20で管理される持球数情報の持球数を携帯情報端末60に送信し、携帯情報端末60において受信された持球数に基づいて景品交換の処理を可能にし、景品交換後に携帯情報端末60から送信される景品交換のために減算された景品交換球数(持球数)と交換された景品を特定する景品情報を受信するためのものである。
【0109】
カードユニット20の制御装置24は、CPU242,RAM243,ROM244等を有する主制御部241を備え、主制御部241にI/Oを介して、上述の操作表示パネル23の入金表示部29、金額表示部30、持球数表示部31、持球移動操作部32、球貸操作部33、休憩操作部34、遊技終了操作部35が接続され、さらに、ICカードリーダライタ21、紙幣識別機22が接続されている。そして、カードユニット制御装置24には、ICカードリーダライタ21からICカードが挿入された際にIDが入力され、紙幣識別機22から紙幣が挿入された際に金額情報が入力される。そして、カードユニット制御装置24では、ICカードリーダライタ21から遊技者を特定する情報としてIDが入力される処理、紙幣識別機22から入力される入金額情報に示される金額を金額情報に加算する処理、入金額情報を入金表示部29に表示する処理、持球移動操作部32からの操作信号に基づき金額情報を持球数情報に変換する処理、金額情報を金額表示部30に表示する処理、遊技機1から送信される超過球数情報の超過球数を持球数情報の持球数に加算する処理、持球数情報を遊技機1に送信する処理、持球数情報を携帯情報端末60に送信する処理、携帯情報端末60から送信される景品交換球数情報(景品交換後の残り持球数)を受信して、このデータに示される景品交換球数を持球数に加算する処理、持球数を持球数表示部31に表示する処理等を行う。
【0110】
また、RAM243には、上述の入金額情報、金額情報、第2遊技価値としての持球数情報が記憶され、上述の各処理により更新記憶されるととともに、表示等のために出力されるようになっている。RAM243は、第2遊技価値としての持球数情報を記憶することから、第2遊技価値を記憶する第2遊技価値憶手段となる。なお、RAM243に記憶される上述の各データは、管理サーバ40に出力され、管理サーバ40でも上述のIDに対応して記憶される。
【0111】
電源装置25は、カードユニット20の各装置に電力を供給するとともに、バックアップ電源251を備え、バックアップ電源251によって停電時等のように外部からの電力が遮断された際に、カードユニット制御装置24に電力を供給し、RAM243に記憶された上述のデータの消失を防止するようになっている。
【0112】
景品POS端末82は、例えば、ICカードリーダライタ及びバーコードリーダを備え、後述するように記憶媒体であるICカードに記憶されたIDに対応して管理サーバ40に記憶された景品交換媒体数情報を抽出可能となっているとともに、景品に付けられたバーコードに対応して景品のデータ(景品を交換するのに必要な遊技媒体数を含む)を抽出可能となっている。そして、景品POS端末82は、景品交換媒体数を景品に交換した際に、景品交換媒体数から交換した景品に対応する遊技媒体数を減算して、景品交換による遊技媒体数の精算と、景品の管理(在庫管理等)を行うものである。
【0113】
精算機83は、ICカードからIDを読み取り、IDに対応して管理サーバ40に記憶されている金額情報を読み出し、遊技媒体数に変換されることなく未使用状態の金額情報がある場合に、該金額情報に対応する貨幣を払い出すことにより、金額情報の精算を行うものである。なお、精算機83でIDに対応する金額情報が精算されると管理サーバ40において、IDに対応する金額情報が0とされる。
【0114】
携帯情報端末60は、カードユニット20の携帯情報端末送受信部26から送信される持球数情報の持球数を景品交換球数情報の景品交換球数として記憶し、記憶された景品交換球数に基づいて景品交換を行うもので、演算処理を行うCPU,RAM,ROM等を備えた制御部(図示略)と、カードユニット20とのデータの無線通信を行う通信部(図示略)と、図14等に示すように、景品の情報等の表示を行う液晶ディスプレイ61と、景品の選択等を行う操作部62とを有する。操作部62には、押下された際に景品交換を開始するものとし、カードユニット20に景品交換を開始することを示す信号を送信するように指示するためのサービスボタン63と、景品名等の景品の情報を液晶ディスプレイ61に表示させるメニューボタン64と、液晶ディスプレイ61上に表示され、かつ、カーソルにより指示された景品(情報)を選択する選択ボタン65と、選択された景品をキャンセルして選択されていない状態に戻すキャンセルボタン66と、液晶ディスプレイ61上のカーソルを移動するカーソル移動ボタン67と、選択された景品を景品球数と交換することを決定するための交換ボタン68と、景品球数と交換された景品を遊技者に手渡した際に押下して景品交換が終了したことを入力するための景品受渡ボタン69とを有する。
【0115】
そして、携帯情報端末60は、前記第2遊技価値(持球数)に基づいて景品交換可能とする装置であり、例えば、フラッシュROM等のメモリに、複数の景品の景品情報として、各景品毎に、景品の種類を特定する景品名、景品コード、景品の交換に必要な景品交換球数(遊技媒体数)等を記憶し、これらの情報を液晶ディスプレイ61に表示する処理を行う。なお、景品情報は、管理サーバ40等からカードユニット20を経由して受信して記憶するものとしても良い。景品また、液晶ディスプレイ61上で操作部62の操作に基づき、交換する景品を選択する処理を行う。また、カードユニット20から受信された持球数情報の持球数を景品交換球数情報として記憶し、かつ、景品が選択されて、景品交換球数と交換することが決定された場合に、景品に対応する遊技媒体数を景品交換球数から減算し、減算された景品交換球数を選択されて交換される景品の情報とともにカードユニット20に送信する処理を行う。
【0116】
また、表示部として液晶ディスプレイ61においては、減算された景品交換球数をカードユニット20に送信する前に、表示部に選択された景品の情報と、減算された景品交換球数を表示する処理を行う景品交換表示手段としての機能を有する。また、景品受渡ボタンは、注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段として機能する。
【0117】
そして、図示しない携帯情報端末60の制御部には、カードユニット20から景品交換用に送信される持球数(遊技媒体数)を受信して景品交換球数(景品交換遊技価値)として記憶する景品交換遊技価値記憶手段としてのRAMを有する。また、前記制御部は、後述する処理に示されるように、景品を選択する景品選択手段と、前記景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、減算結果となる残り持球数と前記景品選択手段に選択された景品の情報とを含む景品注文に関する情報をカードユニット20に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段と、受渡ボタンが操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段と、として機能する。
【0118】
以上のような遊技店システムは、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機1と前記遊技機1と1対1に設けられ遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機としてのカードユニット20とを備えた遊技装置21と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバ40と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60とを備えた遊技店の遊技店システムである。
【0119】
次に、以上のような遊技店システムにおける遊技中の景品交換処理を含む遊技者の保有する遊技価値の処理について説明する。
ここで、遊技中の景品交換処理(ワゴンサービス処理)を説明するが、遊技者の保有する遊技価値(遊技媒体数、金額として管理される遊技価値を含まず)を、遊技中は、遊技機1で管理する第1遊技価値である発射可能球数と、カードユニット20で管理する第2遊技価値である持球数とに分けて管理する処理の全体について説明する。なお、ここで説明する処理は、主に遊技機1の本体制御装置14、カードユニット20のカードユニット制御装置24、携帯情報端末60の図示しない制御部で行われる。
図4にカードユニット20のカードユニット制御装置24における処理のメインフローとなるフローチャート(図4(A))と、遊技機1の本体制御装置14における処理のメインフローとなるフローチャート(図4(B))を並記し、カードユニット20と遊技機1とで相互に関連して行われる遊技価値に関する処理を説明する。
【0120】
カードユニット制御装置24においては、電源投入時に各種設定を予め決められた初期状態とする初期設定処理を行う(ステップC1)。また、遊技機1においても、電源投入時に初期設定処理(ステップY1)が行われる。
次ぎに、カードユニット制御装置24において、遊技者が遊技を開始する際に、カードユニット20に会員カードもしくはゲストカードとしてのICカードを挿入した際の処理となるカード処理が行われる(ステップC2)。なお、本発明の遊技機1は、この遊技機1に隣接して設けられた対応するカードユニット20にIDを記憶した記憶媒体としてのICカードを挿入すること(IDに対応する遊技価値が存在し、さらに遊技価値の少なくとも一部が発射可能球数とされていること)で遊技可能となる。従って、カードユニット20のICカードリーダライタ21にICカードが挿入されている状態が基本的にICカードを所有する遊技者に遊技機1が占有され、遊技機1が遊技中の状態となる(より厳密には、遊技球がほぼ所定時間毎に発射されている際に遊技中となる)。
【0121】
そして、図5(A)のフローチャートに示すように、カード処理では、ICカードがセットされているか、すなわち、既に、ICカードがカードユニット20に挿入され、挿入されたICカードに対するカード処理が終了しているか否かが判定される(ステップC21)。
そして、ICカードがセットされている場合には、現在の遊技機1で遊技する遊技者のICカードに関してカード処理が終了していることになり、カード処理を終了し、メインフローに戻る。
【0122】
一方、カードがセットされていない場合には、ICカードが挿入されたか否かを判定し(ステップC22)、ICカードが挿入されていない場合には、処理を終了してメインフローに戻る。
また、ICカードが挿入された場合には、ICカードに記憶されたIDをICカードリーダライタ21で読み取り(ステップC23)、管理サーバ40に送信する。管理サーバ40では、受信したIDを発行済みICカードのIDが登録されたデータベース(例えば、管理サーバ40の記憶装置に記憶されたもの)から検索してデータベース中にIDが存在するか否か、もしくは、予め設定されたIDの生成方法(ICカードのIDを生成するときに用いた方法)に対応したIDか否か等の周知のID(キー・コード)の確認方法で、IDの真偽を判定する。なお、カードユニット20と管理サーバ40とのデータ通信においては、各カードユニット20(カードユニット20に1対1で対応する遊技機1)を個別に特定可能な情報が含まれているものとし、管理サーバ40においては、受信されたIDとこのIDを送信されたカードユニット20を特定する情報とが対応付けられた状態となっている。
【0123】
そして、管理サーバ40は、IDの真偽の判定結果をカードユニット20に送信し、カードユニット20は、受信した真偽の判定結果に対応してICカードの真偽を確認する(ステップC24)。すなわち、受信した判定結果が真の場合に挿入されたICカードを真とし、受信した判定結果が偽の場合に挿入されたICカードを偽とする。
そして、確認された判定結果が真か否かを判定し(ステップC25)、真でない場合に、カード挿入口21aからICカードを排出する(ステップC26)。
【0124】
一方、ICカードが真と判定された場合には、管理サーバ40からICカードのIDに対応して記憶された金額情報及び持球数情報(ここでは、例えば、遊技終了時に持球数に発射可能球数を加算したもの)を読み出し、これをRAM243に記憶するとともに、記憶された金額情報の金額の値を金額表示部30に表示し、記憶された持球数情報の持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC27)。なお、IDに対応する金額情報や持球情報が無い場合(0の場合)には、これらに対応して0が表示される。以上のことからカードユニット20は、遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報(ID)を入力するための遊技設備機となる。
【0125】
そして、カードユニット20においてカード処理が終了すると、次ぎに、図5(B)のフローチャートに示す、入金処理が行われる(ステップC3)。
入金処理では、まず、ICカードがカードユニット20のカード挿入口21aに挿入され、上述のカード処理が終了した状態、すなわち、ICカードがセットされた状態か否かを判定する(ステップC31)。そして、ICカードがセットされていなければ処理を終了してメインフローに戻る。
すなわち、カードユニット20にICカードがセットされていなければ、紙幣挿入口22aへの紙幣の挿入を受け付けず、ICカードなしでの遊技を受け付けないようになっている。
【0126】
そして、ICカードがセットされている場合には、紙幣挿入口22aに紙幣が挿入(投入)されたか否かが判定される(ステップC32)。
そして、紙幣が投入されていない場合は、処理を終了してメインフローに戻る。
紙幣が挿入された場合には、紙幣識別機22で挿入された紙幣の金額が識別され、識別された金額が入金額情報として管理サーバ40に送信される。なお、この処理では、実際には入金額情報が送信用データとしてメモリ(RAM243等)にセットされ(ステップC33)、メインフローのステップC9の管理サーバ送信処理において入金額情報が管理サーバ40に送信される。上述のID等の情報も実際には、送信処理において送信される。
【0127】
また、紙幣識別機22において、紙幣の識別ができなかった場合には、挿入された紙幣を排出して処理を終了する。
また、管理サーバ40において、入金額情報が受信された場合には、前記IDに対応づけて入金額情報を記憶するとともに、入金額情報に示される金額を前記IDに対応する金額情報の金額に加算して金額情報を更新記憶する。
【0128】
なお、金額情報の管理は、カードユニット20にICカードが挿入されている間は、カードユニット20側で行うものとしても良い。すなわち、カード処理時にIDに対応する金額情報を管理サーバ40からカードユニット20に読み込み、カードユニット20で紙幣の投入や後述の貸球処理により金額情報の金額の加算及び減算の演算処理を行い、後述の遊技終了処理でICカードを排出する際に、演算処理結果となる金額情報を管理サーバ40に送信し、管理サーバ40において受信した金額情報を、IDに対応する金額情報として更新記憶するものとしても良い。この例では、基本的に遊技価値に関する各情報の全てを管理サーバ40で記憶するとともに、遊技価値情報のうちの入金額情報、金額情報、持球数情報をカードユニット20(制御装置24)で管理記憶し、遊技価値情報のうちの発射可能球数情報を遊技機1(本体制御装置14)で管理記憶する。
【0129】
次に、カードユニット20において、識別された入金額情報が示す金額を入金表示部29に表示するとともに、管理サーバ40もしくはカードユニット20において、IDに対応する金額情報の金額に入金額情報の金額を加算した結果を新たな金額情報とし、この金額情報を金額表示部30に表示する(ステップC34)。そして、入金処理を終了してメインフローに戻る。
【0130】
次に、カードユニット20と遊技機1とで図6のフローチャートに示す球貸処理(ステップC4、ステップY2)が行われる。
まず、カードユニット20において、球貸操作部33が操作されて、それによる操作信号がカードユニット制御装置24に入力したか否かを判定する(ステップC41)。球貸操作部33が操作されていない場合には、処理を終了しメインフローに戻る。
ここで、球貸操作部33は、自動復帰する押しボタン式のスイッチである球貸ボタンとなっており、球貸操作部33の操作とは、球貸ボタンの押下となる。そして、球貸ボタンが押されている間、球貸ボタンからカードユニット制御装置24にON信号が続けて出力される。
【0131】
そして、球貸ボタンが押下された場合には、球貸ボタンからのON信号が所定時間以上連続して入力される状態となる長押しがされたか否か、すなわち、所定時間内にON信号が途切れなかったか否かが判定される(ステップC42)。
この例においては、遊技者の保有する遊技価値としての遊技媒体数が遊技機1で管理される第1遊技価値である発射可能球数と、カードユニット20で管理される第2遊技価値である持球数とに分けられるが、球貸処理において、金額情報を遊技媒体数に変換する場合に、変換された遊技媒体数としての貸球数を発射可能球数にするか持球数にするか遊技者が選択可能となっている。
【0132】
そして、球貸ボタンを長押しした場合には、貸球数が持球数に加算され、球貸ボタンを長押しせずに、短時間だけ押下した場合には、貸球数が発射可能球数に加算される。なお、発射可能球数には上限値があり、発射可能球数に貸球数を加算した場合に発射可能球数が上限値を超える場合には、遊技者が発射可能球数への加算を選択しても、後述のワゴンサービスフラグが有る場合を除いて上限値を超える分の遊技媒体数が超過球数として、持球数に加算される。
【0133】
そして、長押しではない場合に、金額情報の金額から500を減算し、貸球数125を遊技機1に送信する(ステップC43)。なお、ここでは、遊技媒体数(遊技球数)1個を4円としたものとする。なお、遊技球の換算レートは、4円に限定されるものではなく、決められた範囲の中で任意に設定可能である。なお、カードユニット20と遊技機1との通信は、1対1で接続された配線で行われるので、送信データを一旦セットした後に送信処理で送信されるのではなく、送信用データが作成された際に、カードユニット制御装置24から遊技機1に送信される。また、この例において、入金は紙幣により行われ最低単位が1000円となるが、球貸処理における金額情報から貸球数への変換は、500円単位となる。従って、球貸処理において、金額情報に500より小さい端数が生じることがない。なお、球貸ボタンが押下された際に記憶された金額情報に示される金額が0の場合は球貸処理を終了し、メインフローに戻る。
【0134】
次に、減算された金額情報を更新記憶するとともに、金額表示部に表示する(ステップC44)。また、減算された金額情報を管理サーバ40に送信するためにセットし(ステップC45)、管理サーバ送信処理で送信する。
一方、球貸ボタンを押下した際に、それが長押しの場合に、ワゴンサービスフラグ有りか否かが判定される(ステップC46)。ワゴンサービスフラグは、後述のワゴンサービス処理で、持球数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信して景品交換に関する処理を行っていることを示すものである。なお、後述の変形例では、ワゴンサービスフラグの有無を判定しないものとなっており、ステップC46のブロックが破線で図示されている。これ以降に説明するフローチャートにおいても、変形例で使用しないブロックが破線で図示されている。
【0135】
そして、ワゴンサービスフラグがある場合には、後述するようにカードユニット20で管理されていた持球数情報が、携帯情報端末60で景品交換のために管理されるようになっており、ワゴンサービスフラグが有る間、カードユニット20では、持球数に対する加算や減算の処理を行わない。従って、ワゴンサービスフラグが有る間は、遊技者が貸球数を持球数に加算することを選択しても貸球数が持球数に加算されずに遊技機1に送信されて発射可能球数に加算されることになる。
すなわち、ワゴンサービスフラグが有る場合には、長押しでない場合と同様にステップC43に進む。
【0136】
一方、ワゴンサービスフラグが無い場合には、持球数情報の持球数に上述の貸球数125個が加算される(ステップC47)。なお、上述の金額情報の減算も行われる。そして、加算された持球数を持球数情報として更新記憶するとともに、更新された持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC48)。次ぎに、ステップC44に移行して上述のように減算された金額情報を表示し、ステップC45で減算された金額情報を管理サーバ40に送信するための処理を行い、球貸処理を終了してメインフローに戻る。
【0137】
一方、遊技機1の本体制御装置の球貸処理においては、カードユニット20のステップC43で、貸球数が送信され、この貸球数が受信されたか否かを判定する(ステップY21)。そして、貸球数が受信されていない場合には、処理を終了してメインフローに戻る。
貸球数が受信された場合には、記憶されている発射可能球数情報の発射可能球数に所定の貸球数として125を加算する(ステップY22)。
【0138】
ここで、発射可能球数に貸球数を加算した加算結果が予め設定された発射可能球数の上限値としての250を超えているか否かを判定する(ステップY23)。
そして、加算後の発射可能球数が上限値を超えていない場合は、発射可能球数を確定し、加算後の発射可能球数を示す発射可能球数情報を更新記憶し、更新された発射可能球数を遊技機1の発射可能球数表示部8に表示し(ステップY24)、球貸処理を終了してメインフローに戻る。
【0139】
一方、発射可能球数が上限値を超えている場合には、後述の超過球処理により発射可能球数を確定するものとし、超過球処理を開始するための超過球フラグをセットして(ステップY25)、遊技機1における球貸処理を終了し、発射可能球数が未確定のままメインフローに戻る。
【0140】
次ぎに、カードユニット20と遊技機1において、カードユニット20の持球数のうちの所定数を遊技機1の発射可能球数に移動する持球移動処理が行われる(ステップC5、ステップY3)。
図7のフローチャートに示すように、カードユニット20においては、持球移動処理として最初にワゴンサービスフラグが有るか否かを判定する(ステップC51)。この例では、景品交換中の処理を行っている場合は、上述のように持球数情報の管理が携帯情報端末60に移管されており、カードユニット20で持球数情報の持球数の加算、減算ができない状態なので、ワゴンサービスフラグが有る場合には、後述のステップC5Cで現状の持球数を持球数表示部31に表示し、ステップC5Dで管理サーバ40に送信する持球数をセットして持球移動処理を終了しメインフローに戻る。
【0141】
ワゴンサービスフラグが無い場合には、持球移動操作部32が操作されたか否かを判定する。なお、持球移動操作部32も球貸ボタンと同様の構成の持球移動ボタンとなっており、持球移動ボタンからON信号が入力したか否かを判定する(ステップC52)。持球移動ボタンが押下されていない場合には、上述のステップC5C及びC5Dの処理を行ってから持球移動処理を終了しメインフローに戻る。
また、この例では、持球数と発射可能球数との間の移動が持球数から発射可能球数への一方向ではなく、双方向となっており、遊技者が持球数から発射可能球数に遊技媒体数を移動するか、発射可能球数から持球数に遊技媒体数を移動するかを選択できるようになっている。
また、持球移動ボタンも球貸ボタンと同様の制御で、長押しを判定できるようになっている。
そして、持球移動ボタンが押下された場合には、発射可能球数と持球数との間でどちらに向かって遊技媒体数を移動するかを長押しか否かで選択可能となっており、持球移動ボタンが長押しされたか否かが判定される(ステップC53)。
【0142】
そして、持球移動ボタンの操作が長押しでなく、短時間の押下の場合には、持球数から発射可能球数への遊技媒体数の移動となり、持球数が発射可能球数への持球移動時に設定されている一定数としての所定数である例えば250以上か否かを判定する(ステップC54)。そして、持球数が所定数以上ある場合には、持球数のうちの所定数を遊技機1に送信し(ステップC55)、記憶さている持球数情報が示す持球数から所定数の持球数を減算し、減算結果を新たな持球数情報として更新記憶する(ステップC56)。
【0143】
また、記憶されている持球数情報が示す持球数が所定数より小さい場合には、所定数ではなく所定数より小さい現状の持球数を遊技機1に送信し(ステップC57)、全ての持球数を遊技機1に移動したものとして持球数を0とした新たな持球数情報を更新記憶する(ステップC58)。
一方、所定数もしくは所定数以下の現状の持球数が送信された遊技機1(本体制御装置14)の持球移動処理(ステップY3)においては、持球数を受信したか否かが判定される(ステップY31)。持球数が受信されない場合には、後述の発射可能球数から持球数に遊技媒体数を移動するためのステップY36以降の処理に進む。
【0144】
そして、持球数が受信された場合には、遊技機1(RAM143)に記憶されている発射可能球数情報が示す発射可能球数に受信した持球数を加算する(ステップY32)。
従って、カードユニット制御装置24は、所定操作により、前記第2遊技価値記憶手段(RAM243)に記憶されている第2遊技価値(持球数)のうち所定数の遊技価値(遊技媒体数)を前記第1遊技価値(発射可能球数)として前記遊技機1に送信する遊技価値移動手段としての機能を有する。一方、遊技機1の本体制御装置14は、カードユニット20から送信された遊技価値(遊技媒体数)を受信する遊技価値受信手段として機能し、且つ、前記第1遊技価値演算手段として、前記第1遊技価値(発射可能球数)に前記遊技価値受信手段で受信した遊技価値(遊技媒体数)を加算する。
【0145】
次に持球数を加算された発射可能球数が上限値より大きいか否かを判定する(ステップY33)。そして、発射可能球数が上限値以下の場合には、持球数が加算された発射可能球数を確定し、加算された発射可能球数を示す新たな発射可能球数情報を更新記憶し、更新された発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示し(ステップY34)、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動の処理となるステップY36に進む。
【0146】
発射可能球数が上限値より大きい場合には、発射可能球数を確定せずに、超過球フラグをセットし(ステップY35)、後述の超過球処理で発射可能球数を決定する。また、超過球フラグをセットした後に、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動の処理となるステップY36に進む。
【0147】
一方、カードユニット20の処理において、ステップC53で、持球移動ボタンを長押ししたと判定された場合には、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動が行われることになり、カードユニット20(カードユニット制御装置24)から遊技機1(本体制御装置14)に、発射可能球数移動要求が送信される(ステップC59)。
遊技機1の処理においては、発射可能球数から持球数への遊技媒体数の移動の処理として、カードユニット20からの発射可能球数移動要求が受信されたか否かを判定する(ステップY36)。
【0148】
そして、発射可能球数移動要求が受信されない場合には、持球移動処理を終了し、メインフローに戻る。
発射可能球数移動要求が受信された場合には、現在の発射可能球数情報の発射可能球数をカードユニット20に送信する(ステップY37)。また、現在の発射可能球数を全てカードユニット20に移動したものとしてて、発射可能球数を0とするとともに、この0となった発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY38)。なお、ここでは、現在の発射可能球数を全て持球数に移動するものとしたが、発射可能球数が予め決められた所定数(例えば、100)以上の場合に、所定数だけカードユニット20に移動するものとしても良い。また、発射可能球数が0の場合には、発射可能球数として0であることを示す信号を出力する。
【0149】
カードユニット20では、発射可能球数移動要求を送信した後に、発射可能球数が受信されたか否かを判定し(ステップC5A)、受信されない場合に、この判定を繰り返して行うことで、発射可能球数の受信を待機する状態となる。そして、発射可能球数が受信された場合には、現在記憶されている持球数情報の持球数に受信された発射可能球数を加算し、加算結果を新たな持球数情報として更新記憶する(ステップC5B)。
そして、持球移動処理の以上の処理で確定した持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC5C)。
この新たな持球数情報を管理サーバ40に送信するようにセットし(ステップC5D)、管理サーバ送信処理で管理サーバ40に送信する。管理サーバ40では、新たな持球数情報を持球数情報として更新記憶する。
カードユニット20では、持球移動処理を終了し、メインフローに戻る。
【0150】
次ぎに、遊技機1では、図8のフローチャートに示す遊技処理(ステップY4)が行われる。
遊技処理では、発射可能か否かが判定される(ステップY41)。ここで発射可能な状態とは、カードユニット20にICカードがセットされていること、発射可能球数が1以上であること、操作ハンドル9のタッチセンサ9aに遊技者の手が触れていることなどの遊技球の発射に必要な条件が揃っていることである。発射可能で無い場合には、後述のステップY4Bに進み、現状の発射可能球数等の情報をカードユニット20に送信する。
【0151】
次に、発射球発生か否かが判定される(ステップY42)。ここでは、発射球検出センサ1fからの遊技球の検出信号が入力された場合に発射球発生(遊技球発射)と判定される。
そして、発射球が発生した場合にだけ、記憶されている発射可能球数情報の発射可能球数を1デクリメントする(ステップY43)。
【0152】
次ぎに、ファール球発生か否かが判定される(ステップY44)。ここでは、戻り球検出センサ1cから遊技球の検出信号が入力された場合にファール球発生と判定される。
そして、ファール球が発生した場合にだけ、発射可能球数を1インクリメントする(ステップY45)。
次ぎに、賞球発生か否かが判定される(ステップY46)。ここでは、遊技機1において、遊技制御装置12から本体制御装置14に賞球数を示す賞球コマンドが入賞した場合に賞球発生と判定される。そして、賞球が発生した場合にだけ、賞球コマンドに示される賞球数が発射可能球数に加算される(ステップY47)。なお、以上の処理では、発射可能球数の加算、減算を行っても発射可能球数は確定されていない状態となっている。
【0153】
次ぎに、発射可能球数がその上限値である250を超えたか否かが判定され(ステップY48)、発射可能球数が250以下の場合にだけ、発射可能球数を確定して、発射可能球数情報として更新記憶し、確定した発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY49)。
また、発射可能球数が250を超えている場合には、超過球フラグをセットし(ステップY4A)、後述の超過球処理で発射可能球数を確定する。
次ぎに、発射可能球数、エラーが発生した場合のエラー情報、その他の情報をカードユニット20に送信し(ステップY4B)、カードユニット20を介して管理サーバ40に情報を送信する。そして、遊技処理を終了してメインフローに戻る。
この遊技処理を行う本体制御装置14は、前記第1遊技価値(発射可能球数)から遊技に使用した遊技価値量(発射球数)を減算し、且つ、前記第1遊技価値に入賞に対応した遊技価値(賞球数)を加算する第1遊技価値演算手段として機能する。また、本体制御装置14は、前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段として機能する。
【0154】
次ぎに、カードユニット20及び遊技機1において、図9のフロチャートに示す超過球処理が行われる(ステップC6、ステップY5)。
遊技機1の超過球処理においては、発射可能球数への遊技媒体数の加算により発射可能球数が上限値を超える場合にセットされる上述の超過球フラグが有るか否かが判定される(ステップY51)。超過球フラグが無い場合には、超過球処理を終了し、メインフローに戻る。
超過球フラグがある場合には、超過球フラグをクリアし(ステップY52)、上述のように数値が加算された後に上限値としての250より大きいことにより、未確定状態だった発射可能球数から上限値である250を減算して(ステップY53)、発射可能球数の上限値を超えた部分としての超過球数を算出する。
そして、算出された超過球数を超過球数情報としてカードユニットに送信する(ステップY54)。
【0155】
一方、カードユニット20では、超過球数情報受信したか否かが判定され(ステップC61)、超過球数情報を受信しない場合には、超過球処理を終了する。
超過球数情報を受信した場合には、次ぎに上述のワゴンサービスフラグが有るか否かを判定し(ステップC62)、ワゴンサービスフラグがセットされている場合には、ワゴンサービス中情報を遊技機1に送信して(ステップC63)、超過球処理を終了する。従って、ワゴンサービス中すなわち、遊技中の景品交換の処理を携帯情報端末60を用いて行うために、携帯情報端末60に持球数情報を移動している場合には、超過球数情報を受信しても持球数に超過球数を加算することなく、超過球処理を終了する。従って、持球数情報を景品交換のために携帯情報端末60に移動している間は、カードユニット20において持球数情報に対する演算処理を行なわず、カードユニット20のカードユニット制御装置24は、前記第2遊技価値記憶手段としてのRAM243に記憶された第2遊技価値としての持球数が景品交換遊技価値(景品交換球数)として前記景品交換端末装置としての携帯情報端末60に移動している景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)は、持球数と前記超過遊技価値としての超過球数との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段として機能する。
【0156】
遊技機1においては、超過球数情報を送信した後に、ワゴンサービス中情報を受信したか否かが判定され(ステップY55)、ワゴンサービス中情報が受信されない場合には、カードユニット20において後述のように持球数に超過球数を加算する処理が行われるものとして、発射可能球数を超過球数を含まない上限値(例えば250)として、この上限値の発射可能球数を発射可能球数情報として更新記憶し(ステップY56)、更新された発射可能球数を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY57)。
【0157】
また、ワゴンサービス中情報を受信した場合には、後述のようにカードユニット20において持球数に超過球数が加算されないことから発射可能球数をその上限値(250)に超過球数を加算したもの、すなわち、発射可能球数に遊技媒体数を加算して上限値を超過した場合の加算結果として発射可能球数情報を更新記憶し(ステップY58)、更新された発射可能球数を通常の表示色とは異なる表示色で発射可能球数表示部8に表示する(ステップY59)。
【0158】
このような処理により、カードユニット20において景品交換中は、持球数情報に関する演算処理を行わず、発射可能球数の上限値を超えた分となる超過球数を持球数に加算できない場合に、例外的に発射可能球数が上限値を超えるようにし、遊技中の景品交換により遊技に支障が生じるのを防止することができる。
すなわち、前記第1遊技価値記憶手段としてのカードユニット制御装置24のRAM243は、前記超過遊技価値加算不能動化手段としてのカードユニット制御装置24により持球数への前記超過遊技価値としての超過球数の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値としての発射可能球数を記憶する。
【0159】
また、発射可能球数が例外的に上限値を超えた場合に、発射可能球数の表示の表示色を発射可能球数が上限値以下の場合と異なるものとすることにより、遊技者に発射可能球数が上限値を超えていることを報知することができる。なお、遊技者に発射可能球数が上限値を超えていることを報知する方法としては、表示色を変更するだけではなく、発射可能球数の表示を点滅させたり、数字を示す書体を太字にするなど変更したり、上限値を超えていることを示すメッセージを表示したり、音や音声により報知したりしても良い。
【0160】
そして、カードユニット20において、ワゴンサービスフラグがセットされていない場合には、カードユニット20に記憶されている持球数情報の持球数に受信した超過球情報の超過球数を加算し、加算結果を持球数情報として更新記憶し(ステップC64)、更新された持球数情報を持球数表示部31に表示する(ステップC65)。また、管理サーバ40に対して、更新された持球数と、発射可能球数をセットし(ステップC66)、管理サーバ送信処理で送信する。なお、この際の発射可能球数は、ワゴンサービス中でないかぎり、超過球数を除いた発射可能球数の上限値となることが決まっているので、特に、遊技機1から発射可能球数を送信される必要はなく、発射可能球数を上限値として送信すれば良い。
【0161】
以上の超過球処理により、遊技機1の本体制御装置14は、前記上限値判定手段(本体制御装置14)で前記演算結果(発射可能球数へ遊技媒体数を加算した結果)が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値(超過球数)として前記遊技設備機(カードユニット20)へ送信する超過遊技価値送信手段としての機能を有する。また、カードユニット20のカードユニット制御装置24は、超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値を受信する超過遊技価値受信手段と、前記超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値とを加算する第2遊技価値演算手段として機能する。
【0162】
次ぎに、カードユニット20及び遊技機1における遊技終了処理(ステップC7、ステップY6)を説明する。
遊技終了処理は、カードユニット20の操作表示パネル23の遊技終了操作部35(遊技終了ボタン)が操作(押下)された場合に、発射可能球数を持球数に加算して、発射可能球数を0とし、カードユニット20からICカードを排出して遊技機1での遊技を禁止する状態とする処理である。
【0163】
カードユニット20においては、ワゴンサービスフラグが有るか否かが判定される(ステップC71)。ここで、遊技中の景品交換処理を行っている場合には、カードユニット20における持球数の演算処理が禁止された状態となっているので、遊技終了処理が行えない状態となっており、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。従って、遊技中の景品交換処理においては、遊技終了操作部35が無効となっており、遊技者が遊技終了操作部35を操作しても、遊技終了処理は開始されず、遊技を終了することはできない。
【0164】
ワゴンサービスフラグがセットされていない場合には、遊技終了操作部35が操作されたか否か、すなわち、遊技終了操作部35からの操作信号がカードユニット制御装置24で受信されたか否かが判定され(ステップC72)、受信されていない場合には、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
遊技終了操作部35から操作信号を受信した場合には、遊技機1に対して遊技終了要求を送信する(ステップC73)。
【0165】
遊技機1においては、遊技終了処理において、カードユニット20から遊技終了要求を受信したか否かが判定され(ステップY61)、遊技終了要求が受信されない場合には、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
遊技終了要求を受信した場合には、遊技動作終了か否かを判定する(ステップY62)。ここで、遊技終了ボタンを押下した遊技者は、基本的に、操作ハンドル9から手を離して遊技を辞めた状態となっており、操作ハンドル9に設けられたタッチセンサ9aから発射制御装置13への信号がオフ(タッチしていないことを示す信号状態)となっており、発射制御装置13の制御により発射装置の発射モータ2gが停止した状態となる。これを例えば、発射制御装置13からの信号や、発射球検出センサ1fから所定時間以上遊技球の検出信号の出力がないことなどにより、本体制御装置14において、遊技動作終了を判定する。また、遊技動作終了の判定として、発射された後に未だ回収されていない浮遊球(遊技領域に発射されてから回収されるまでの遊技球)数を監視し、浮遊球数が0となった場合に、遊技動作終了と判定しても良い。なお、浮遊球数の監視は、上述のICカード挿入による遊技開始時から、発射球検出センサ1fからの検出信号によりカウントされる発射球数(発射した遊技球数)と、入球検出センサ1a及び戻り球検出センサ1cからの検出信号によりカウントされる回収球数(回収された遊技球数)との差を算出して浮遊球数とし、この浮遊球数が0になるのを監視する。
【0166】
なお、遊技者が遊技終了ボタンを押下したにも拘わらず、操作ハンドル9から手を離すことなく、遊技球の発射操作を行っている場合には、遊技動作終了とならず、遊技動作終了を待機する状態となる。なお、実際の処理としては、ここで、一旦、遊技終了処理を終了してメインフローに戻り、再び、遊技処理(ステップY4)が可能な状態とし、再び、メインフローにおいて遊技終了処理が開始された際に、再び、遊技動作終了か否かを判定し、遊技動作が終了していたら次ぎの処理に以降するようになっていることが好ましい。
【0167】
そして、遊技動作が終了した場合には、遊技動作終了を送信し(ステップY63)、現状の発射可能球数をカードユニット20に送信する(ステップY64)とともに、発射可能球数情報として記憶されている発射可能球数を0として更新記憶し、更新された発射可能球数すなわち0を発射可能球数表示部8に表示する(ステップY65)。これにより、遊技動作を終了した時点で、発射可能球数が0となり、再び、遊技者が操作ハンドル9を持つことにより、タッチセンサ9aから発射制御装置13にタッチを示す信号が入力しても、発射制御装置13は、本体制御装置14により、発射可能球数が0となっていることから発射を禁止するように制御されており遊技動作(遊技球の発射)が再開されることはない。そして、遊技機1における遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
【0168】
遊技終了要求を送信したカードユニット20においては、次ぎに、遊技機1から上述の遊技動作終了情報を受信したか否かを判定し(ステップC74)、遊技動作終了情報を受信しない場合には、遊技動作終了情報の受信を待機する状態となる。ここで、遊技動作終了を判定する遊技機1側と同様に、遊技動作終了情報が受信できない場合には、一旦、遊技終了処理を終了し、次回以降の遊技動作終了処理において、遊技動作終了情報を受信できた際に、次ぎの処理に以降し、受信できない場合は、遊技動作処理を終了するものとしても良い。
【0169】
そして、遊技動作終了情報を受信した場合は、次ぎに発射可能球数情報を受信したか否かを判定し(ステップC75)、発射可能球数情報の受信を待機する状態となる。そして、発射可能球数を受信した場合には、持球数情報として記憶された現状の持球数に受信した発射可能球数情報の発射可能球数を加算し、加算結果を持球数情報として更新記憶し(ステップC76)、更新された持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC77)。
また、更新された持球数情報を管理サーバ40に送信するようにセットし、管理サーバ送信処理で送信する(ステップC78)。なお、この際には、発射可能球数が0となっていることを示す情報も送信されるが、この情報とは、例えば、遊技終了時に発射可能球数を必ず0とするならば遊技終了を示す情報であっても良い。
【0170】
また、金額情報も管理サーバ40に送信されて管理される。管理サーバ40では、更新された持球数情報や金額情報を管理し、景品POS端末82でICカードからIDデータが読み取られた場合に、持球数情報に対応する持球数の範囲で景品交換可能とするとともに、景品交換された遊技媒体数を持球数情報の持球数から減算し、減算結果を更新記憶する。また、景品交換に際しては、持球数情報を景品交換媒体数情報(遊技後の景品交換用の遊技媒体数)に変換した後に景品交換可能とするものとしても良い。
【0171】
また、金額情報に関しては、精算機83においてICカードからIDデータが読み込まれた際に、管理サーバ40から精算機83にIDに対応する金額情報を送信し、精算機83で未使用分の金額情報を貨幣として払い出し、精算終了時に管理サーバ40では、金額情報を0として更新記憶する。
【0172】
次いで、カードユニット20のICカードリーダライタ21によりICカードにデータの書込が行合われる(ステップC79)。ここでの書込は、例えば、遊技終了を示す情報で、例えば、遊技した遊技機を示す遊技機番号(台番号)や遊技終了時刻等を含むものとしても良い。また、ICカードに持球数情報や金額情報を書き込むものとしても良い。なお、ICカードに持球数情報や金額情報等の遊技価値情報を書き込むものとした場合に、遊技価値情報を使用する場合に、ICカードに書き込まれた遊技価値情報と管理サーバ40でIDに対応づけて記憶している遊技価値情報とが異なる場合に、管理サーバ40に記憶されている遊技価値情報が使用される。なお、上述のように遊技価値情報が異なる場合に遊技価値情報の使用を一時的に禁止するものとしても良い。
そして、データの書込が行われたICカードを排出して(ステップC7A)、遊技終了処理を終了し、メインフローに戻る。
【0173】
ここで、遊技者がカードユニット20にICカードを挿入した状態での景品交換を可能とするワゴンサービス処理を説明する。遊技機1は、ワゴンサービス処理に直接関与せず、上述のようにワゴンサービスフラグがあり、ワゴンサービス処理が行われる状態で、発射可能球数の上限値を超える超過球が発生した場合に、発射可能球数を上限値以上とする例外的処理を行うだけである。そして、カードユニット20と携帯情報端末60との間で、無線通信を行いながら、カードユニット20(カードユニット制御装置24)と携帯情報端末60(制御部)とでワゴンサービス処理(ステップC8)が行われる。
【0174】
したがって、遊技機1と携帯情報端末60との間で無線通信を必要とせず、遊技機1には、無線通信機器が設けられず、遊技機1が外部からの無線信号により動作させられるようなことが起こりえないようになっており、無線通信に対応して携帯情報端末60を使用して遊技者が保有する遊技価値情報を用いて遊技中に景品交換可能としても、遊技機1のセキュリティが低下するのを防止することができる。
【0175】
まず、遊技中の景品交換を行うには、例えば、遊技者が巡回しているサービス員に景品交換を要求するか、もしくは、遊技者が、遊技機1が設置された島設備の遊技機1の上に設けられた呼出ボタンを押下してサービス員を呼び出し、サービス員に景品交換を要求する。
サービス員は、携帯情報端末60を携帯しており、携帯情報端末60のサービスボタン63を押下する。なお、この際に、景品交換を行う遊技者が遊技している遊技機1とそれに対応するカードユニット20を特定する必要がある。ここで、管理サーバにおいては、会員遊技者に対応するIDに関連して、会員登録時に設定された暗証番号を記憶しており、携帯情報端末60にテンキーを設け、遊技者に暗証番号を入力してもらうものとしても良い。
【0176】
この場合に、携帯情報端末60から近くカードユニット20に、携帯情報端末60毎に予め設定された端末IDと入力された暗証番号に対応する暗証番号情報が送信され、カードユニット20から管理サーバ40に端末IDと暗証番号が送信される。管理サーバ40では、暗証番号に対応するIDを検索して抽出し、次ぎに、抽出されたIDが記憶されたICカードがセットされているカードユニット20を検索する。そして、これにより暗証番号を入力した遊技者が遊技する遊技機1に対応するカードユニット20が特定され、該カードユニット20と、端末IDで特定される携帯情報端末60との通信を可能とする処理を行う。
【0177】
なお、暗証番号を用いずに例えば、サービスボタン63を押下する前に遊技機1毎に設定された遊技機番号のうち景品交換を要求している遊技者が遊技する遊技機1の遊技機番号を入力することで、景品交換を要求した遊技者が遊技する遊技機1に対応するカードユニット20を特定し、このカードユニット20と遊技機番号を入力した携帯情報端末60との間で通信を可能とするものとしても良い。なお、携帯情報端末60と通信するカードユニット20が特定されていない場合には、例えば、最初に通信状態が確立したカードユニット20と通信し、次いで、上述のように暗証番号や遊技機番号により特定されたカードユニット20と通信するものとしても良い。
【0178】
なお、複数の通信装置が存在する状態で、遊技機1とカードユニット20とで1対1で通信を行う場合には、例えば、複数の通信装置と通信可能なブルートゥース(商標)等の通信規格や、それに類似する周知の通信規格を用いるものとし、該通信規格に基づいて、通信相手を確定するものとしても良い。また、携帯情報端末60は、直接カードユニット20と無線通信を行うのではなく、管理サーバ40に接続された無線通信装置を介してカードユニット20と通信するようにしても良い。この場合には、管理サーバ40が携帯情報端末60から入力される暗証番号や遊技機番号等により、携帯情報端末60と通信するカードユニット20を特定する。
【0179】
そして、図11及び図12のフローチャートに示すように、携帯情報端末60において、前の処理で、後述の景品選択フラグがセットされているか否かが判定される(ステップK11)。ここでは、未だ景品選択フラグがセットされていないので、次ぎに、サービスボタン63が押下されたか、すなわち、携帯情報端末60において、サービスボタン63となるスイッチから制御部に信号が入力されたか否かが判定され(ステップK12)、サービスボタン63が押下されていなければ、後述のステップK1Gに進むことになるが、最終的に携帯情報端末60におけるワゴンサービス処理は終了する。サービスボタン63が押下されるとともに、通信相手となるカードユニット20が特定された際に、特定のカードユニット20に対して持球数移動要求が送信される(ステップK13)。
【0180】
カードユニット20においては、後述の処理により既にワゴンサービスフラグがセットされているか否かが判定される(ステップC81)。ここでは、未だワゴンサービスフラグがセットされていないものとして、持球数移動要求が受信されたか否かが判定される(ステップC82)。ここで、持球数移動要求が受信されていない場合には、ステップC8Jに進むが、最終的に持球数移動要求が受信されていないことによりカードユニット20におけるワゴンサービス処理を終了する。
【0181】
持球数移動要求が受信された場合には、カードユニット20に記憶されている持球数の値が、予め設定された最低景品交換球数以上であるか否かが判定される(ステップC83)。なお、遊技中に景品交換を行うサービスであるワゴンサービスにおいては、遊技店にある全ての景品を交換可能としても良いが、遊技者が遊技中に交換する可能性が高いものだけを交換可能としても良く、例えば、ジュース、珈琲等の飲料や、タバコを交換可能としても良い。どちらにしても、景品交換に必要な遊技媒体数が少ないのは、例えば、ジュースなどであり、ジュースが交換可能な遊技媒体数、例えば、30を最低景品交換球数としても良い。
【0182】
そして、持球数が最低景品交換球数より少ない場合には、携帯情報端末60に球不足情報を送信し(ステップC84)、ステップC8Jに進むが、基本的に球不足情報を送信した場合には、ワゴンサービス処理を終了する。
最低景品交換球数が有ると判定された場合には、ワゴンサービスフラグをセットし(ステップC85)、持球数、遊技機番号(台番号)を携帯情報端末60に送信する(ステップC86)。また、操作表示パネル23の表示部にワゴンサービス中であることを示す表示を行うための情報をセットする(ステップC87)。なお、カードユニット制御装置24は、セットされた情報に基づいて、操作表示パネル23の表示部にワゴンサービス中を示す表示を行う。従って、カードユニット制御装置24は、第2遊技価値記憶手段(RAM243)に記憶されている全ての第2遊技価値(持球数)を景品交換遊技価値(景品交換球数)として前記景品交換端末装置に送信する景品交換遊技価値送信手段として機能する。
【0183】
携帯情報端末60においては、持球数移動要求を送信した後に、球不足情報を受信したか否かを判定し(ステップK14)、球不足情報を受信した場合には、球不足であることを報知する。この際には、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に球不足であることを表示して、球不足を報知する。そして、球不足を報知した後に、後述のステップK1Gに進むことになるが、最終的に携帯情報端末60におけるワゴンサービス処理は終了する。
一方、球不足情報を受信していない場合には、持球数、遊技機番号(台番号)を受信したか否か判定し(ステップK16)、受信していない場合には、ステップK14に戻る。すなわち、球不足情報も、持球数及び遊技機番号も受信していない場合は、球不足情報もしくは持球数及び遊技機番号のいずれかを受信するまで待機する状態となる。
【0184】
なお、受信した遊技機番号は、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に表示されるようになっており、サービス員が景品交換を行う遊技者が遊技する遊技機1が設置された島設備の遊技機1の近傍(例えば、上)に表示されている遊技機番号と、携帯情報端末60に表示された遊技機番号とを見比べて一致しているか否かを確認することができる。すなわち、携帯情報端末60とカードユニット20とが正しい組合わせで無線通信を行っているか否かを判断することができる。
そして、持球数等を受信した場合には、景品選択フラグをセットする(ステップK17)。次いで、景品選択処理を行う(ステップK18)。ここでは、例えば、図14に示すように、持球数を受信した携帯情報端末60において、サービス員が携帯情報端末60のメニューボタン64を押下することで、景品名等の景品を特定する情報の一覧が液晶ディスプレイ61に表示する処理を行う。また、遊技者からの要望に応じてサービス員が、カーソル移動ボタン67を操作して、一覧として表示された景品を特定する情報から交換する景品を特定する情報の表示にカーソルを合わせて選択ボタン65を押下することにより交換する景品を選択する処理を行う。なお、携帯情報端末60の景品を特定する情報の一覧が表示された液晶ディスプレイ61を遊技者に見せて、遊技者に景品を選択させるようにしても良い。
この処理により、携帯情報端末60の制御部は、複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段として機能する。
【0185】
カードユニット20では、ワゴンサービス中表示のセットを行った後(ワゴンサービスフラグをセットした後)に、フローチャートには図示しないが、カードユニット20から遊技機1にワゴンサービス中情報(超過球処理の場合とは別)が送信され、ワゴンサービス中情報を受信した遊技機1は、発射可能球数が予め設定されたワゴンサービス中最低遊技媒体数以上か否かを判定し、ワゴンサービス中最低遊技媒体数以上でない場合に、遊技価値不足情報を送信する。なお、最低遊技媒体数は、ここでは、例えば、景品交換時に景品の選択等のため遊技者が遊技球の発射を停止していたとしても、変動表示ゲームが行われ、変動表示ゲームが大当たりとなる可能性があるので、大当たりが発生しても大当たり発生後に遊技球を入賞させることが可能な遊技媒体数であり、例えば、10個が設定されている。
【0186】
なお、遊技価値不足情報は、遊技機1において、大当たり状態が発生した際にだけ送信するものとすることが好ましい。
従って、カードユニット制御装置24は、遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記第1遊技価値(発射可能球数)が所定値以下の場合に、カードユニット20に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段として機能する。
【0187】
そして、カードユニット20においては、遊技機1に対するワゴンサービス中の送信に対して遊技価値不足情報が返信されるか否かを判定する(ステップC88)。
そして、遊技価値不足情報を受信した場合には、ワゴンサービス処理を中止するために、持球数を送信し、持球数を携帯情報端末60に移動した状態となっているのを解消するため、強制返送要求を携帯情報端末60に送信する(ステップC89)。
すなわち、カードユニット制御装置24は、前記景品交換遊技価値移動中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、前記景品交換端末装置に景品交換遊技価値の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段として機能する。
【0188】
それに対して、携帯情報端末60では、強制返送要求を受信したか否かを判定し(ステップK19)、強制返送要求を受信した場合には、先に受信した持球数をカードユニット20に送信し(ステップK1A)、ワゴンサービス処理を終了する(次ぎに景品選択フラグがセットされるまで、景品選択処理を行わない)ために景品選択フラグをクリアする(ステップK1B)。従って、携帯情報端末60の制御部は、強制返送要求送信手段としてのカードユニット制御装置24からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段として記憶している景品交換遊技価値(景品交換遊技球数)をカードユニット20に送信する景品交換遊技価値返送手段としての機能を有する。
【0189】
なお、強制返送要求を受信した場合には、例えば、携帯情報端末60において、その制御部の処理により、景品を選択するための前記一覧の表示が消されたり、景品交換中止を示すような表示が行われたりすることで、景品交換を続行できない状態となる。
その後、ステップK1C、ステップK1Gに進むことになるが、強制返送要求を受信した場合には、最終的にワゴンサービス処理を終了することになる。
【0190】
強制返送要求を送信したカードユニット20においては、通信等にエラーが発生しない限り携帯情報端末60から強制返送要求に対応して持球数が受信されるので、持球数が受信されたか否かを判定し(ステップC8A)、持球数が受信されない場合は、持球数の受信を待機する状態となる。
そして、持球数を受信した場合には、ワゴンサービス処理を終了する(次ぎにサービスフラグがセットされるまで、以下に説明する景品情報及び持球数の受信を行わない)ために、ワゴンサービスフラグをクリアする(ステップC8B)。なお、携帯情報端末60から受信された持球数は、先に携帯情報端末60に送信した持球数と同じ値となっており、カードユニット20に記憶される持球数情報の持球数は変化せず、持球数表示部31における持球数の表示も変化しない。従って、カードユニット20と携帯情報端末60とにおいて、ワゴンサービス処理(遊技中の景品交換処理)がキャンセルされた状態となれば、必ずしも携帯情報端末60からカードユニット20に持球数を送信する必要がないが、携帯情報端末60から送信される持球数によりエラーのチェックを行うものとしても良い。
カードユニット20のワゴンサービス処理においては、ワゴンサービスフラグをクリアされた後、ステップC8C、ステップC8J、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。
【0191】
そして、携帯情報端末60において、景品選択処理後、強制返送要求を受信することがなかった場合には、景品交換ボタン68が押下されたか否か、すなわち、景品交換ボタン68からその押下に対応する信号が制御部に受信されたか否かを判定する(ステップC8C)。
なお、この段階で、強制変換要求を受信していない場合には、液晶ディスプレイ61に上述の景品を特定する情報の一覧が表示されるとともに、景品を特定する情報の少なくとも一つが選択ボタン65により選択された状態となっており、景品交換ボタン68を押下すると、カードユニット20から受信した持球数から景品の情報に含まれる交換用の遊技媒体数を減算する処理が行われるようになっている。すなわち、携帯情報端末60の制御部は、前記景品交換遊技価値記憶手段として記憶している前記景品交換遊技価値(景品交換球数)から前記選択した景品に対応する遊技価値(遊技媒体数)を減算する景品減算手段として機能する。
【0192】
また、景品交換ボタン68が押下されない場合は、ステップK1Gに進み最終的にワゴンサービス処理を終了することになるが、この場合には、景品選択フラグがクリアされず残った状態となる。従って、次回のワゴンサービス処理のステップK11において、景品選択フラグ有りと判定され、景品選択処理を行うことになる。従って、景品選択フラグがセットされた後は、ワゴンサービス処理が繰り返し行われる度に、強制返送要求を受信するかと、景品交換ボタン68が押下されるかを判定することになり、強制返送要求の受信と景品交換ボタン68の押下を待機する状態となる。そして、強制返送要求を受信するか、景品交換ボタン68が押下されると景品選択フラグがクリアされ、これらを待機する状態が終了することになる。また、携帯情報端末においては、上述の景品選択処理において、景品の情報の一覧をカーソルで選択した際に、景品交換前の持球数、景品を示す景品名、選択された景品の交換に必要な遊技媒体数、景品交換後の持球数として景品交換前の持球数から景品交換に必要な遊技媒体数を減算した値を景品交換ボタン68を押下する前に液晶ディスプレイ61に表示するようになっている。
【0193】
従って、液晶ディスプレイ61は、景品交換遊技価値記憶手段(携帯情報端末60の制御部)に記憶されている景品交換遊技価値(景品交換球数としての持球数)と、前記景品選択手段(携帯情報端末60の制御部)で選択した景品の情報と、前記景品減算手段(携帯情報端末60の制御部)の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段として機能する。
【0194】
そして、景品交換ボタン68が押下されると、上述のように持球数が景品交換分だけ減算され、減算された持球数と、交換される景品に関する景品情報(例えば、景品を特定する景品名、コード等と交換に必要な遊技媒体数)とが景品注文に関する情報としてカードユニット20に送信され(ステップK1D)、持球数移動要求送信後に受信した遊技機番号を実際に景品が受け渡されるのを待っている景品待ち遊技機番号としてディスプレイに表示するように表示データをセットし(ステップK1E)、景品選択フラグをクリアする(ステップK1F)。すなわち、携帯情報端末60の制御部は、前記景品減算手段としての減算結果を第2遊技価値(持球数)とし、当該持球数と前記景品選択手段として選択した景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記カードユニット20に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段として機能する。
【0195】
カードユニット20においては、携帯情報端末60から交換される景品の景品情報と、交換される景品に対応する遊技媒体数が減算された持球数情報が受信されたか否かが判定される(ステップC8C)。ここで、景品情報及び持球数情報が入力されないと、ステップC8J、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。そして、次回のワゴンサービス処理のステップC81において、ワゴンサービスフラグ有りとされて、ステップC88を経た後に、再び、ステップC8Cで、景品情報及び持球情報の受信を待つ状態となり、ワゴンサービス処理が繰り返される度に、景品情報及び持球数の受信を判定して景品情報及び持球数の受信を待つ状態となる。
この処理により、カードユニット制御装置24は、前記携帯情報端末60から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段として機能する。
【0196】
景品情報及び持球数を受信した場合には、持球数情報が戻ってきたことにより景品交換処理が終了することから、遊技中の景品交換を示すワゴンサービス中表示をクリアする(ステップC8D)。
そして、景品交換用に交換する景品に対応する遊技媒体数が減算された持球数を新たな持球数として持球数情報を更新記憶するとともに、更新された持球数を持球数表示部31に表示する(ステップC8E)。
【0197】
また、持球数情報と景品情報を管理サーバ40に送信し(ステップC8F)、管理サーバ40で更新された持球数を管理させるとともに、識別情報により特定される遊技者が景品情報に示される景品名、景品コード、交換に必要な遊技媒体数等を有する景品交換を行ったことを管理させるようにする。この処理により、カードユニット制御装置24は、景品注文受信手段として受信した景品注文に関する情報を管理サーバ40に送信する景品注文送信手段として機能する。
【0198】
また、管理サーバ40を介して、景品情報は、景品モニタ装置81及び景品POS端末82にも送信される。景品モニタ装置81は、例えば、景品交換カウンタや珈琲等の飲料を用意するカウンタに設けられ、景品情報が受信されると、そのモニタに景品情報が表示されることになり、例えば、ワゴンサービス用のワゴンには常備されていない景品が選択されたような場合に、景品モニタ装置81を見たサービス員が交換用の景品を用意する。なお、遊技機番号も景品モニタ装置81に送信するようにし、サービス員が用意した景品を遊技機番号で指定された遊技機1の遊技者まで運ぶようにしても良い。
【0199】
また、景品情報を受信した景品POS端末では、受信した景品情報に示される景品を遊技者に渡すものとして、景品情報に示される景品の景品交換処理を行い、景品が引き渡されて在庫が減少したこと、景品交換に持球数が使用されたことなど、景品の管理の処理を行う。
【0200】
次ぎに、上述のように景品交換の処理が終了することからワゴンサービスフラグをクリアする(ステップC8G)。ここで、ワゴンサービスを行うサービス員が遊技者に持球数と交換された景品を引き渡した際に、サービス員が携帯情報端末60の景品受渡ボタン69を押下し、それを示す景品受渡情報が携帯情報端末60からカードユニット20に送信されるようになっている。
これにより、カードユニット20及び携帯情報端末60における景品交換の処理と、実際の景品交換とが終了することになるが、景品受渡情報を待つ間、カードユニット20の操作表示パネル23の表示部において景品待ち表示を行うように景品待ち表示をセットする(ステップC8H)。また、景品受渡情報の受信を待っている状態であることを示す景品待ちフラグをセットする(ステップC8I)。
【0201】
次ぎに、景品待ちフラグがセットされているか否かを判定する(ステップC8J)。ここで、ステップC81でワゴンサービスフラグ無しと判定され、かつ、ステップC82で持球数移動要求を受信していないと判定された場合、すなわち、景品交換を行っていない場合と、ステップC8Cで景品情報及び持球数情報を受信していないと判定され、景品情報及び持球数情報の受信を待機している場合に、ステップC8Jに至るが、この場合は、ステップC8Iで景品待ちフラグがセットされていないので、ステップ8jで景品待ちフラグ無しと判定され、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。
【0202】
景品待ちフラグがセットされている場合には、大当たり状態が発生したか否かが判定され(ステップC8K)、大当たり状態が発生していない場合には、ステップC8Mに進むことになるが、最終的にワゴンサービス処理を終了する。
ここで、景品待ちフラグがある状態、すなわち、景品交換処理が行われた後に、実際に景品が遊技者に引き渡されていない場合には、記憶された持球数情報が示す持球数に景品情報に示される景品の交換に必要な遊技媒体数が加算されて(ステップC8L)、加算結果となる持球数が持球情報として更新記憶され、更新記憶された持球数が持球数表示部31に表示され、さらに、更新された持球数情報が管理サーバ40に送信される。
【0203】
従って、カードユニット制御装置24は、前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、前記景品注文実行手段(携帯情報端末60の制御部)からの景品注文に関する情報を受信してから後述の受渡送信手段としての携帯情報端末60の制御部からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技価値をサービスとして前記第2遊技価値(持球数)に加算する景品価値加算手段と、として機能する。
【0204】
ここで、景品交換に必要な遊技媒体数を持球数に加算したのは、交換した景品を受け取るのを待っている間に、大当たりを発生させたことに対する特典(サービス)を与えるためである。これにより、遊技者は、景品交換を行うことにより特典を得られる可能性が生じることから、遊技者に景品交換を促すことになる。
また、ワゴンサービスの場合には、ワゴンに商品の在庫があれば、珈琲、茶等のポットに入れられた飲料も含めて短時間で商品を引き渡せるようになっており、たまたま在庫がなかった場合に、商品を取りに戻ったり、珈琲や紅茶を入れ直したりすると、景品交換に時間がかかる場合がある。また、注文を受けてから珈琲や紅茶を入れる場合にも時間がかかる場合がある。
【0205】
この場合に、遊技者が長い時間景品が引き渡されるのを待つことになり、遊技者が不満を抱く可能性があるが、待ち時間が長くなるほど、その間に大当たりが発生し、持球数を減らすことなく、景品を得られる可能性が高くなるので、前記不満を抑制することができる。また、ワゴンサービスのサービス員もできるだけ早く景品を受け渡すように努力するようになる。
【0206】
携帯情報端末60においては、景品選択フラグがクリアされた後、携帯情報端末60の景品受渡ボタン69が押下されたか否かが判定され(ステップK1G)、押下されない場合にワゴンサービス処理を終了する。なお、ステップK11で景品選択フラグ無しと判定され、かつ、ステップK12で、サービスボタン63が押下されていないと判定された場合、すなわち、サービスボタン63が押下されず景品交換が行われない場合と、ステップK14でカードユニット20から球不足情報を受信し、ステップK15で球不足を報知した場合、すなわち、景品交換が中止されて景品交換が行われない場合と、ステップK1Cで景品交換ボタン68が押下されないと判定された場合、すなわち、景品交換において景品選択の後に景品交換を確定する景品交換ボタン68が押下されるのを待機している場合に、ステップK1Gに至るが、これらの場合は、景品交換が行われないか、未だ、景品交換ボタン68の押下を待っている状態なので、景品受渡ボタン69が押下されることなく、ワゴンサービス処理を終了する。なお、実際には、これらの場合は、景品受渡ボタン69が無効にされる処理が行われており、誤ってこのタイミングで景品受渡ボタン69が押下されてもそれ以後の処理は行われずワゴンサービス処理が終了する。
【0207】
景品受渡ボタンが押下された場合には、景品待ち遊技機番号の表示がクリアされ(ステップK1H)、景品受渡情報を送信して(ステップK1I)ワゴンサービス処理を終了する。
すなわち、携帯情報端末60の制御部は、受渡操作手段が操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段として機能する。
【0208】
そして、カードユニット20においては、景品受渡情報を受信したか否かが判定され(ステップC8M)、受信しない場合には、ワゴンサービス処理を終了する。なお、上述のように景品交換を行っていない場合と、景品情報及び持球数の受信待ちの場合にもステップC8Mに至るが、この場合は、景品受渡情報を受信することなく、ワゴンサービス処理を終了する。なお、景品待ちフラグが有る状態で処理を終了した場合には、ワゴンサービス処理が行われるたびに景品受渡情報の受信を待機する状態となる。また、景品受渡情報を受信した場合には、景品待ち表示をクリアし(ステップC8N)、景品待ちフラグをクリア(ステップC8O)してワゴンサービス処理を終了し、メインフローに戻る。
【0209】
メインフローにおいては、カードユニット20において、ステップC9の管理サーバ送信処理が行われ、メインフローの各処理で管理サーバ40に送信するデータがセット(メモリに一時記憶)された際に、これを管理サーバ40に送信する処理が行われる。
以上で、カードユニット20及び遊技機1のメインフローの処理が終了し、所定の割り込みの発生によりメインフローの処理を、例えば、数十msec毎に繰り返し行うために、カートユニット20及び遊技機1において、ステップC10、ステップY7で割り込み発生を待機し、割り込みが発生した場合に再びメインフローの処理を行う。
【0210】
以上のような遊技機1、カードユニット20及び携帯情報端末60における発射可能球数及び持球数に関する処理うちの遊技中の景品交換を行うためのワゴンサービス処理を説明するための処理ブロックを図13に示す。
上述のように、携帯情報端末60では、遊技者からの依頼に基づいて、サービスボタン63を押下する(丸1)が、この際には、携帯情報端末60を操作するサービス員に対応して設定された暗証番号を入力してから(ワゴン)サービスボタン63を押下するものとしても良い。このようにすれば、どのサービス員が操作したかを特定することができ、これによりワゴンサービスに関する労働負荷を各サービス員毎に算出したり、各サービス員の業務状況等をワゴンサービスを行った回数から推測したりすることができる。これにより、必要なサービス員の数を算出したり、サービス員を査定するための資料を作成したりすることができる。
また、暗証番号を入力するようにすることで、サービス員以外のものが、携帯情報端末60を不正利用するのを防止することができる。
【0211】
また、携帯情報端末60においてサービスボタン63が押下されると、持球数移動要求がカードユニット20に送られるが、この際に携帯情報端末60毎に予め設定された端末識別番号を、持球移動要求とともに、カードユニット20に送信しても良い。携帯情報端末60を識別可能な端末識別番号をカードユニット20に送信することで、カードユニット20からさらに管理サーバに携帯識別番号を送信して、この携帯識別番号に対応する携帯情報端末を使用しているサービス員やサービス業務を外部委託された業者毎に景品交換等の業務に関するデータを管理することができる。
これにより、携帯情報端末60において、サービスボタン63が押下されると、持球数要求情報とともに、入力された暗証番号、携帯情報端末識別番号が送られる(丸2)。
【0212】
なお、携帯情報端末60の通信相手となるカードユニット20は、遊技店では、比較的に互いに近接して多数配置されることになり、サービスボタン63が押下された携帯情報端末60と通信するカードユニット20を特定する必要があり、上述のように携帯情報端末60を遊技者に渡して、会員登録した遊技者に設定された暗証番号を、入力させるようにして、遊技者を特定し、特定された遊技者のIDから、該IDが読み取られたICカードが挿入されているカードユニット20を特定しても良い。
また、サービスボタン63の押下時に、遊技機番号を入力することで、カードユニット20を特定するものとしても良いし、カードユニット20側に景品交換を要請するボタン等の操作部を設け、該操作部が操作されたカードユニット20を特定するものとしても良い。
【0213】
そして、携帯情報端末60から持球移動要求があると、カードユニット20は、上述のように現在の持球数を示す持球数情報と、カードユニット20に1対1で対応する遊技機1に付されかつ遊技機1近傍に表示された遊技機番号とを携帯情報端末60に送信する(丸3)。
持球数と遊技機番号とを受信した携帯情報端末60では、液晶ディスプレイ61上に表示される景品の情報を用いて景品の選択を行う(丸4)。
そして、景品の選択が終了した後に、景品交換ボタン68を押下することにより(丸5)、選択された景品の景品情報と、選択された景品の交換に必要な遊技媒体数を減算した持球数を示す持球数情報(残り持球数)がカードユニット20に送信される(丸6)。
そして、この持球数情報及び景品情報を受信したカードユニット20は、記憶されている持球数を受信した持球数情報の持球数に更新するとともに、受信した持球数情報及び景品情報は、管理サーバ40に送信される(丸7)。
【0214】
管理サーバ40では、識別情報に基づいて遊技者毎に管理されている持球数情報を受信した持球数情報に更新する。また、景品情報を景品モニタ装置81及び景品POS端末82に送信し(丸8)、景品モニタ装置81に景品を表示させることで、景品モニタ装置81の設置場所にいるサービス員に交換される景品を知らせる。また、景品POS端末82では、景品の在庫等のデータを送信された景品情報に基づいて更新する。
【0215】
そして、サービス員は、実際の景品を前記カードユニット20に対応する遊技機1で遊技する遊技者に引き渡す(丸9)。
その際に、サービス員は、携帯情報端末60の景品受渡ボタン69を押下して、景品受渡ボタン69がONとなる(丸10)。これにより、携帯情報端末60からカードユニット20に景品受渡情報が送信され、一連のワゴンサービス処理が終了する。
【0216】
次ぎに、ワゴンサービス処理をカードユニット20の操作表示パネル23のディスプレイ及び操作部と、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61及び操作部62とを図示した図14を参照して説明する。
上述のように携帯情報端末60において(ワゴン)サービスボタン63を押下すると、カードユニット20に記憶された持球数を示す持球数情報と景品交換を行う遊技者が遊技する遊技機番号がカードユニット20から携帯情報端末60に送信され、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に遊技機番号と、この遊技機番号の現在の持球数が表示される。
一方、カードユニット20の操作表示パネル23のディプレイにおいて、「ワゴンサービス中」の表示が行われ、持球数表示部31に表示される持球数の値は変化しないが、持球数の表示やその背景色が変化するようになっている。これは、持球数が携帯情報端末60で処理されている間、持球数の管理がカードユニット20から携帯情報端末60に移行した状態となっており、カードユニット20側で持球数を変更できないことを遊技者に報知するものである。
【0217】
一方、遊技機1の発射可能球数表示部8における発射可能球数は、景品交換の処理により減少することなく、遊技球の発射により1個ずつ減少し、遊技球の入賞毎に賞球数分増加する。
そして、この状態で、携帯情報端末60においては、景品の選択が行われる。ここで、携帯情報端末60においては、例えば、メニューボタン64を押下すると、表示画面モードの一覧が表示され、この一覧には、少なくとも、景品情報の一覧と、図14に図示する選択景品画面とがある。そして、表示画面モードの一覧において、カーソル移動ボタン67を押下することで各表示画面モードの一覧から例えば景品情報の一覧をカーソルにより選択し、選択ボタン65を押下すると、景品情報の一覧が選択されて表示される。ここで、各景品情報の一覧から遊技者が希望する景品をカーソルで選択し、選択ボタン65を押下すると、選択景品画面が表示される。ここでは、上述のように選択された景品情報として景品名と交換に必要な遊技媒体数が表示される。さらに、景品交換前の持球数と、景品交換用の遊技媒体数を減算した景品交換後の残り持球数が表示される。
ここで、再び、メニューボタンを押下して景品情報の一覧を表示させ、再び、景品情報をカーソルで選択して選択ボタン65を押下すると、選択景品画面が表示され、先に選択された景品に加えて、今選択された景品の情報が追加表示され、これら景品を交換するのに必要な遊技媒体数の和が表示されるとともに、この和を減算した景品交換後の残り持球数が表示されるようになっている。なお、選択景品画面では、同じ景品が二度以上選択されると、景品名に対応して表示される個数の情報が増加するとともに、個数分の交換用遊技媒体数が表示される。
【0218】
また、選択景品画面において、選択されたいずれかの景品情報の表示にカーソルを合わせた状態でキャンセルボタン66を押下すると、選択された景品がキャンセルされ、キャンセルされた景品情報の表示が消えるとともに、キャンセルされた景品情報の遊技媒体数が残り持球数に加算された状態の残り持球数が表示される。
また、選択景品画面では、カードユニット20から送信された遊技機番号が表示され、サービス員が景品交換を要求した遊技者が遊技する遊技機1に対応したカードユニット20と正しく通信しているか否かを判定できる。
また、上述の選択景品画面を遊技者に見せることにより、実際に遊技媒体数を景品交換に応じて減算する前に、遊技者は、自分が望む景品が交換対象になっているかと、景品交換に必要な遊技媒体数と、景品交換後の持球数とを確認することができる。
【0219】
そして、景品交換ボタン68を押下すると、前記残り持球数として表示されていた景品交換後の持球数情報がカードユニット20に送信され、カードユニット20おいて、受信された景品交換後の持球数情報が更新記憶されるとともに、持球数表示部31に表示されることになる。この際に持球数の表示色が通常の表示色に戻り、遊技者に持球数が使用可能となったことが報知される。また、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61においては、対応する遊技媒体数が景品交換球数から減算された景品を注文された景品として表示する注文画面となり、景品受渡ボタン69が押下されるまで、注文画面を表示可能となっている。
【0220】
上述のワゴンサービス処理においては、持球数情報の管理が携帯情報端末60に移行されることにより、カードユニット20において持球数の更新が禁止された状態となった際に、発射可能球数に賞球数(ファール球数の場合も有り)が加算されて、発射可能球数が上限値を超えると、超過球数をカードユニット20に送信して持球数に加算することができないので、例外的に発射可能球数が上限値の超過を許可し、発射可能球数を上限値以上とする。
すなわち、通常時は、図15(A)に示すように、発射可能球数の上限値を250とした場合に、例えば、発射可能球数が上限値より僅かに低い例えば245となっているとともに、持球数が例えば1756となっている状態で、賞球が10個発生すると、遊技機1において、245に10を加算して、上限値250を減算することにより、超過球数として5を求め、これを超過球数情報として遊技機1からカードユニット20に出力する。
カードユニット20においては、図15(B)に示すように、現状の持球数1756に超過球数5を加算して更新記憶することで、持球数が1761となり、この持球数が持球数表示部31に表示される。
一方、遊技機1の発射可能球数は、持球数に賞球数を加算した値から超過球数を減算した値である上限値250となり、250となった発射可能球数が発射可能球数情報として更新記憶され、発射可能球数表示部8に表示される。従って、通常時は、上述の超過球数処理により、発射可能球数は上限値以内となるように常時制御されている。
【0221】
一方、ワゴンサービス処理中は、超過球数を持球数に加算できない状態となっており、図15(C)に示すように、操作表示パネル23のディスプレイにおいてワゴンサービス中の表示が行われ、持球数の表示をワゴンサービス中の持球数が変更できない状態を示す表示色とし、発射可能球数が上限値近くの245となった状態で、賞球が10個発生すると、図15(D)に示すように、持球数に超過球数分を加算せず、かつ、発射可能球数に賞球数を加算して上限値を超えた255とした後に、超過球数を減算することなく、上限値を超えた発射可能球数を更新記憶し、上限値を超えた発射可能球数をそのまま発射可能球数に表示する。この際には、上述のようにワゴンサービス中に例外的に発射可能球数が上限値を超えたことを遊技者に報知するための、発射可能球数の表示色を通常時に対して変更する。
【0222】
なお、図15(E)に示すように発射可能球数表示部8aに隣接して超過球数表示部8bを設け、ワゴンサービス中に発射可能球数が上限値を超える場合に、上限値までの発射可能球数を発射可能球数表示部8aに表示し、発射可能球数の上限値を超えた分である超過球数を超過球数表示部8bに表示するようにしても良い。すなわち、上限値を超える発射可能球数を上述の超過球数処理と同様に、上限値となる発射可能球数と、上限値を超えた分となる超過球数とに分け、遊技機1においてこれらを別々に表示するものとしても良い。
この場合に、遊技球の発射毎に遊技媒体数を1減算する際に、超過球数がある場合には、先に超過球数が0となるまで、超過球数を減算し、超過球数が0となった後に発射可能球数を減算する。このようにすれば、見かけ上、ワゴンサービス処理中も発射可能球数が上限値を超えることがなく、通常上限値を超えることがない発射可能球数がワゴンサービス中に上限値を超えることへの違和感を解消することができる。
【0223】
次ぎに、上述の球貸処理において、操作表示パネル23の球貸ボタンを押して直ぐ(所定時間より短い時間で)手を離す通常の押し方と、所定時間以上連続して押す長押しとで処理を変えた状態を操作表示パネル23の表示と、発射可能球数表示部8の表示とで説明する。
図16(A)に示すように、カードユニット20の操作表示パネル23の金額(入金額)表示部30に、例えば、金額情報として記憶されている金額である8500円が表示された状態で、通常の押し方で球貸ボタン(球貸操作部33)を押すと、予め設定された所定額である500が金額情報として記憶されている8500から減算され、減算結果としての8000が金額情報として更新記憶されるとともに、図16(B)に示すように、金額表示部30に表示される。また、所定金額としての500もしくは500を遊技媒体数に変換した125(遊技媒体数1を金額4円として換算した場合)がカードユニット20から遊技機1に送信される。
【0224】
一方、遊技機1では、例えば、図16(A)に示すように、現状の発射可能球数が15であった状態で、カードユニット20から球貸処理により遊技媒体数125を示す球貸数情報が受信され、これが現在の発射可能球数に加算されて140となり、この加算結果が発射可能球数として更新記憶されるとともに、発射可能球数表示部8に表示される。
【0225】
一方、図16(A)に示す状態と同様の状態である図16(C)に示される状態で、球貸ボタンを長押しすると、図16(D)に示すように、通常の押し方の場合と同様にカードユニット20に記憶されている金額情報に示される8500から所定金額として500が減算されるが、遊技機に金額としての500(遊技媒体数として125)に対応する情報が送信されることなく、金額の500が遊技媒体数125に変換された後に、カードユニット20内において、変換された遊技媒体数が現状で0となっている持球数情報の持球数に加算され、持球数が125とされ、この数値を示す持球数情報が更新記憶されるとともに、更新された持球数が持球数表示部31に表示される。
【0226】
以上の処理により、通常の短い押し方で球貸ボタン(球貸操作部33)を押下するか、それより長い長押しで球貸ボタンを押下するかで、遊技者は、挿入した入金額から遊技媒体数に変換した金額が減算されて表示されている金額情報を遊技媒体数に変換する際に、そのまま遊技に使用可能に遊技機1に記憶され、かつ、上限値を有する発射可能球数に変換するか、それともカードユニット20に記憶され、遊技に使用するのに例えば持球移動ボタン(持球移動操作部32)の押下を必要とするが、上限値のない持球数に変換するかを選択することができる。
【0227】
基本的には、金額情報が示す金額を発射可能球数に返還して遊技を行うことになるが、発射可能球数には、上限値があるので、それ以上の金額を遊技媒体数に返還すると自動的に、上限値以上の金額が持球数に変換される。
ここで、本実施形態において、持球数が最低景品交換球数より少ない場合に景品交換できないが、金額情報を持球数に変換することで、持球数を最低景品交換球数より多くして景品交換可能となる。これにより、未だ、持球数が増えていない場合に、遊技機1を離れてお金で飲み物やタバコ等を買いに行くようなことをせずに、ワゴンサービスを利用して飲み物やタバコを手に入れることができ、遊技者が手間を省くことができる。
また、例えば、一つの遊技機で遊技する際に、予め所定の金額(例えば、2000円遊技媒体数で500)だけ遊技し、その金額分の遊技を行っても大当たりが発生しない場合は、遊技機を移動するような遊技の仕方を行う場合に、持球数が500となるまで、球貸処理を行わせ、その後は、球貸ボタンを押すことなく、持球移動ボタンだけ押して遊技し、持球数が0となり発射可能球数も0となったときに遊技機1での遊技を終了し、他の遊技機1に移動するようなことを行うことができる。
【0228】
また、発射可能球数が所定数(例えば、10個)以下となった場合に、持球移動ボタンを押下しなくても自動的に持球数から発射可能球数に所定の遊技媒体数が移動させられるような構成とすることも可能であり、このような場合に、発射可能球数の上限値より多くの遊技媒体数を持球数としておけば、発射可能球数の上限値以上の遊技媒体数を特に、球貸ボタンや持球移動ボタンを操作することなく発射可能となり、球貸ボタンや持球移動ボタンを比較的頻繁に押すことが煩わしいと思うような遊技者が、煩わされることなく遊技を実行可能となる。
【0229】
次ぎに、上述の持球移動処理において、操作表示パネル23の持球移動ボタン(持球移動操作部32)を押して直ぐ(所定時間より短い時間で)手を離す通常の押し方と、所定時間以上連続して押す長押しとで処理を変えた状態を操作表示パネル23の表示と、発射可能球数表示部8の表示とで説明する。
図17(A)に示すように、カードユニット20の操作表示パネル23の持球数表示部31に、例えば、持球数情報として記憶されている遊技媒体数である2543個が表示された状態で、通常の押し方で持球移動ボタンを押すと、予め設定された所定数である250が持球数情報として記憶されている2543から減算され、減算された250を示す遊技媒体数情報がカードユニット20から遊技機1に送信される。これにより、持球数は、一旦2293とされる。
【0230】
そして、遊技媒体数情報として250を受信した遊技機1においては、現在の発射可能球数として記憶されるとともに発射可能球数表示部8に表示されている15個に250個を加算して265を算出した後に、超過球数処理を行い、上述の加算結果としての265から発射可能球数の上限値である250を減算して超過球数15を得る。そして、得られた超過球数を超過球数情報としてカードユニット20に送信する。なお、この例では、持球数か移動される所定数と、発射可能球数の上限値とが一致されるので、持球数が移動する遊技媒体の所定数以上ならば、超過球数は、移動前の発射可能球数と同じ値となり、移動前の発射可能球数を超過球数としてカードユニット20に送信するものとしても良い。
そして、発射可能球数を上限値である250として更新記憶するとともに、更新された発射可能球数としての250を図17(B)に示すように発射可能球数表示部に表示する。
【0231】
また、超過球数情報を受信したカードユニット20においては、上述の減算結果である
2293に受信した超過球数情報である15を加算し、加算結果である2308を新たな持球数情報として更新記憶するとともに、更新された持球数情報が示す数値を図17(B)に示すように持球数表示部31に表示する。
【0232】
一方、持球移動ボタンを長押しする場合は、図17(A)に示す状態と同様の状態である図17(C)に示される状態で、持球移動ボタンを長押しすると、カードユニット20から遊技機1に発射可能球数送信要求が送信され、遊技機1に記憶されている発射可能球数情報が示す遊技媒体数である15を示す遊技媒体数情報がカードユニット20に送信される。
また、発射可能球数が0とされて発射可能球数情報が更新記憶され、図17(D)に示すように、更新記憶された発射可能球数として0が発射可能球数表示部8に表示される。
【0233】
一方、現状の発射可能球数と同じ遊技媒体数を示す遊技媒体数情報を受信したカードユニット20は、この遊技媒体数情報に示される遊技媒体数15を持球数情報が示す数値2543に加算し、加算結果である2558を更新記憶するとともに、図17(D)に示すように更新記憶された持球数を持球数表示部に表示する。
【0234】
以上の処理により、通常の短い押し方で持球移動ボタン(持球移動操作部32)を押下するか、それより長い長押しで持球移動ボタンを押下するかで、遊技者は、持球数から所定数以下の遊技媒体数を発射可能球数に移動させるか、全ての発射可能球数を持球数に移動させるかを選択することが可能となる。
【0235】
基本的には、持球数を発射可能球数に移動して遊技を行うことになる。
しかし、上述のように持球数が最低景品交換球数より少ない場合に、発射可能球数を持球数に移動して加えることにより、持球数を最低景品交換球数より多くして、景品交換を行うことが可能となる。
また、例えば、そろそろ遊技を終了しようと思っているような場合に、一旦現状の持球数と発射可能球数の合計を知りたいような場合に、持球数に発射可能球数を加算することで、現状の総持球数を知ることができる。
また、休憩ボタン(休憩操作部34)を押して休憩するような場合にも、一旦、発射可能球数を持球数に加算して、現状の総持球数を表示させてから、休憩ボタンを操作するようなことも可能である。
【0236】
なお、総持球数を表示するような表示部を設けても良いが、この場合に、総持球数を算出する処理を総持球数が変化するたびに行う必要があり、持球数をカードユニット20側で管理し、発射可能球数を遊技機1側で管理することで、カードユニット20及び遊技機1での処理を簡略化するとともに、カードユニット20と遊技機1とでの通信回数を減少させたことが総持球数の算出のための処理の追加により処理や前記通信回数が増加して相殺されてしまう。
【0237】
以上のような遊技店システムは、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機1と、前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機としてのカードユニット20とを備えた遊技装置21と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバ40と、前記カードユニット20と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60と、を備えたものである。
【0238】
前記遊技装置21は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値(発射可能球数)と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値(持球数)とに分けて記憶し、前記遊技機1は、前記第1遊技価値としての発射可能球数を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段として機能する本体制御装置14のRAM143を備える。
そして、遊技機1の本体制御装置14は、前記発射可能球数から遊技に使用した遊技価値量としての発射球数(発射された遊技媒体数)を減算し、且つ、前記発射可能球数に入賞に対応した遊技価値としての賞球数(賞として支払われた遊技媒体数)を加算する第1遊技価値演算手段と、前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段と、前記上限値判定手段で前記演算結果が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値として前記遊技設備機へ送信する超過遊技価値送信手段と、としての機能を有する。
さらに、遊技機1は、前記第1遊技価値記憶手段に記憶されている第1遊技価値を表示する第1遊技価値表示手段としての発射可能球数表示部8を有する。
【0239】
また、遊技装置21の前記遊技設備機としてのカードユニット20は、前記第2遊技価値としての持球数を記憶する第2遊技価値記憶手段として機能するカードユニット制御装置24のRAM243を備える
また、遊技設備機としてのカードユニット20のカードユニット制御装置24は、前記超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値としての超過球数を受信する超過遊技価値受信手段と、前記超過遊技価値受信手段が受信した超過球数と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている持球数とを加算する第2遊技価値演算手段と、としての機能を有する。また、カードユニット20は、前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値としての持球数を表示する第2遊技価値表示手段を備える。
前記景品交換端末装置としての携帯情報端末60は、前記第2遊技価値としての持球数に基づいて景品交換可能となっている。
【0240】
以上のことから、例えば、カードユニット20に上述のようにICカードを挿入することで、遊技者を特定する情報としてのIDを入力し、遊技機1において、入力された情報で特定される遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技が実行される。
そして、遊技が実行されるのに対応して、遊技機1の第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14によって、遊技価値のうちの遊技機1の第1遊技価値記憶手段としてのRAM143に記憶される発射可能球数から遊技に使用される発射球数が減算され、かつ、遊技において入賞が発生すると、発生した入賞に対応する賞球数が発射可能球数に加算される。
【0241】
また、第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14により遊技価値量(遊技球数)を発射可能球数に加算する場合に、遊技機1の上限値判定手段としての本体制御装置14は、加算後の発射可能球数が、この発射可能球数に設定された上限値を超えるか否かを判定し、上限値を超えると判定された場合に、遊技機1の超過遊技価値送信手段としての本体制御装置14が、加算後の発射可能球数の上限値を超えた部分を超過球数としてカードユニット20の超過遊技価値受信手段としてのカードユニット制御装置24に送信する。
この場合に、超過球数は、遊技球数を加算後の発射可能球数から上限値を減算した値となり、超過球数を送信後の発射可能球数は、その上限値となる。
【0242】
一方、遊技設備機としてのカードユニット20では、カードユニット20の超過遊技価値受信手段としてのカードユニット制御装置24が受信した超過球数がカードユニット制御装置24の第2遊技価値演算手段としての機能により、カードユニット制御装置24のRAM243により記憶されている持球数に加算される。
従って、遊技者が保有する遊技価値(遊技球数)は、遊技機1とカードユニット20とからなる遊技装置21で管理されるが、遊技機1で管理される発射可能球数と、カードユニット20で管理される持球数とに分けられる。また、発射可能球数は遊技機1の発射可能球数表示部8で表示され、持球数はカードユニットの持球数表示部31で表示される。なお、後述するように、遊技機1と、カードユニット20とは別体とされた遊技設備機とが一体に設けられて遊技装置21とされた場合に、見かけ上は、遊技機1に発射可能球数表示部8と持球数表示部31とが設けられた状態となる。
【0243】
そして、遊技者の保有する遊技価値(遊技球数)内で景品交換可能な景品交換端末装置としての携帯情報端末60は、遊技価値を景品に交換する場合に、持球数に基づいて景品交換を行う。すなわち、景品交換においては、景品に対応する遊技媒体数(遊技球数)を持球数から減算する。そして、上述のような景品交換の処理が行われた後に、景品がサービス員から遊技者に引き渡されることになる。なお、携帯情報端末60による景品交換は、例えば、遊技中として、遊技装置21で遊技者を特定する情報を入力してから遊技を終了するまで、例えば、カードユニット20のICカードリーダライタ21にICカードが挿入された後でICカードが排出される前に行われる。
【0244】
従って、遊技者の保有する遊技媒体数を、遊技を実行するための発射可能球数と、該発射球数以外の持球数とに分けて記憶し、持球数に基づいて景品交換可能としたので、従来の遊技機と同じ感覚で持球数を把握して景品交換でき、また、遊技を中断することなく景品交換できる。従来の遊技機と同じ感覚とは、例えば、発射可能球数が従来のパチンコ遊技機の上皿に貯留されて発射位置に誘導される遊技球数に対応し、持球数が下皿もしくは球箱の遊技球に対応し、持球数が景品交換により減少しても、直ぐに遊技球の発射には影響を与えない点である。
【0245】
また、直接遊技に使用できない持球数を景品交換に利用するので、直接遊技に使用される発射可能球数は、なんら景品交換によって影響を受けることがなく、景品交換の処理が遊技に影響を与えることがないので、上述のように景品交換の処理を行っている間、遊技を続行することができる。
言い換えれば、発射可能球数としての遊技価値量に加えて、景品交換可能な持球数としての遊技価値量が有るということは、遊技者の保有する遊技媒体数が、景品交換により減少しても、遊技者が保有する遊技媒体数にある程度の期間遊技を実行可能な余裕がある可能性が高く、保有する遊技媒体数が少ないことに気付かずに、景品交換してしまい、大当たりが発生した場合に、大当たり開始時の遊技を実行するための遊技媒体数が不足したり、景品として飲み物の注文を行った後に直ぐに遊技媒体数が無くなって、飲み物が届くまで遊技できない状態で待っていたりすることを防止することができる。
【0246】
更に、封入球式遊技機としての遊技機1で発射可能球数を記憶して表示するとともに、カードユニット20で持球数を記憶して表示するようにしたので、直接遊技に使用可能な発射可能球数と直接は遊技に使用できない持球数とをはっきりと区別して、遊技価値を把握できる。また、発射可能球数は、基本的に、上限値までの数値となり、桁数等にも大きく差がでる可能性がある遊技者が保有する遊技媒体数の全体に対して、遊技者が把握しやすい数値となる。
【0247】
また、持球数はカードユニット20側で管理し、遊技機1は発射可能球数だけを管理するので、遊技価値を2つに分けて処理するものとしても、発射可能球数と持球数との両方を遊技機1で管理する場合に比較して遊技機1の処理負担を小さくできる。
また、景品交換に関して発射可能球数を記憶する遊技機1は、全く関与しなくていいので、例えば、携帯情報端末60が、遊技機1と直接通信する必要はなく、遊技機1に対する不正防止を強化できる。
【0248】
また、この実施形態の遊技店システムにおいて、前記RAM243に記憶されている全ての持球数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する景品交換遊技価値送信手段として機能する携帯情報端末送受信部26を有する。
また、前記カードユニット制御装置24は、携帯情報端末60から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバ40に送信する景品注文送信手段と、RAM243に記憶された持球数が景品交換球数として携帯情報端末60に移動している景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)は、持球数と前記超過球数との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段と、としての機能を有する。
【0249】
また、携帯情報端末60の制御装置は、携帯情報端末送受信部26から送信された前記景品交換球数を記憶する景品交換遊技価値記憶手段と、複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段と、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている前記景品交換球数から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、前記景品減算手段の減算結果を第2遊技価値とし、当該第2遊技価値と前記景品選択手段に選択された景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記遊技設備機に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段としての機能を有する。
【0250】
そして、本体制御装置14においてCPU142に制御されるRAM143は、前記超過遊技価値加算不能動化手段としての本体制御装置14で前記超過球数の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶するようにしている。
【0251】
従って、遊技中に景品交換を行う際に、カードユニット20の携帯情報端末送受信部26が、RAM243に記憶されている全ての持球数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する。
そして、景品交換球数を受信した携帯情報端末60において、受信した景品交換球数が景品交換遊技価値記憶手段に記憶される。
【0252】
この際、すなわち、RAM243に記憶された持球数が景品交換球数として前記携帯情報端末60に送信されることで、持球数がカードユニット20から携帯情報端末60に移動している状態である景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)は、遊技機1及びカードユニット20からなる遊技装置21において、カードユニット20の超過遊技価値加算不能動化手段としてのカードユニット制御装置24により、持球数と超過球数との加算が不能動化され、かつ、遊技機1のCPU142に制御され、発射可能球数を記憶するRAM143は、超過球数の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて発射可能球数を記憶する。
【0253】
すなわち、ワゴンサービス中は、実質的に持球数の管理がカードユニット20から携帯情報端末60に移行しているので、カードユニット20では、持球数を増減するような処理を行わない。この場合に、超過球数が発生した場合の処理が行えないので、遊技機1側で、超過球数をカードユニット20に送らずに、例外的にRAM143に、上限値を超える発射可能球数を記憶可能とするようになっている。
【0254】
なお、遊技に直接使用されているのは発射可能球数なので、持球数が景品交換中に完全に遊技から切り離された状態(カードユニット20で加減できない状態)となっても、発射可能球数が無くなるまで遊技続行可能となる。
そして、ワゴンサービス中に、遊技者の要望に対応して、例えば、携帯情報端末60を操作するサービス員によって景品選択手段を介して選択された景品に対応する遊技価値が、携帯情報端末60の景品減算手段により景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技球数から減算される。なお、景品の選択は、景品交換遊技価値(持球数)の移動前に行うものとしても良いし、移動後に行うものとしても良い。
【0255】
次いで、携帯情報端末60の景品注文実行手段が、選択された景品に対応する遊技媒体数が減算された景品交換球数を持球数として遊技設備機に送信するとともに、選択された景品の情報(景品の品種を特定可能(識別可能)な情報)をカードユニット20に送信する。
一方、カードユニット20では、景品に対応する遊技価値が減算されて携帯情報端末60から送信された持球数と、選択された景品を識別する情報とを景品注文に関する情報として景品注文受信手段として携帯情報端末送受信部26が受信する。
【0256】
そして、カードユニット20では、減算された景品交換球数を持球数として受信することになり、持球数が景品交換に使用された遊技媒体数だけ減少した状態の受信した持球数に更新されることになる。これにより、ワゴンサービス中の超過遊技価値加算不能動化状態が解除されることになり、カードユニット20において、持球数への超過球数の加算等の処理が許可された状態となる。従って、遊技機1においても、超過遊技球数をカードユニット20側に送信可能となり、発射可能球数が上限値を超えることが禁止された状態に戻る。例えば、発射可能球数は、遊技球の発射により減算されて上限値内に復帰するか、上限値を超えた状態で発射可能球数に賞球が加算される場合に、上限値を超えた超過球数が持球数に移動されることで上限値以下となる。
【0257】
また、カードユニット20で受信された景品の情報は、カードユニット20の景品注文送信手段としてのカードユニット制御装置24により管理サーバ40に送られ、管理サーバ40が、景品交換が行われたことを記憶して管理する。なお、景品自体は、例えば、ワゴン等の搬送手段により遊技者のそばまで搬送されている場合に、サービス員から遊技者に手渡されるが、そうでない場合に、管理サーバ40に送られた際に、管理サーバ40側にいるサービス員が管理サーバ40に受信された景品の情報を確認して遊技者のところまで景品を搬送して手渡すものとしても良い。
【0258】
全て持球数を携帯情報端末60に移動するので、現在景品交換できる上限まで景品交換することができる。また、持球数を遊技から完全に切り離した状態とし、景品交換分の遊技球数を減算するので、処理中に遊技の進行状況に対応して持球数が増減することがなく、処理を単純化することができるとともに、景品交換による持球数の減少量を明確に遊技者が把握することができる。
また、持球数が遊技から完全に切り離された状態でも、ワゴンサービス中は、超過球数は発射可能球数に加算されていくので、景品交換球数と発射可能球数とを見ることで、遊技者の保有する遊技価値を容易に把握できる。
【0259】
この実施形態において、携帯情報端末60は、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数と、前記景品選択手段で選択した景品の情報と、前記景品減算手段の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段としての液晶ディスプレイ61を備えている。
【0260】
従って、携帯情報端末の液晶ディスプレイ61の表示により、景品の情報とともに、景品交換後にカードユニット20に持球数もしくはその一部として戻される遊技価値(減算された景品交換球数)を見ることができ、かつ、景品交換による遊技価値の減少量(景品交換球数から減算後の景品交換球数を差し引いた値)を容易に把握することができる。
すなわち、景品交換が実行される前に、景品交換の内容を液晶ディスプレイ61の表示により確認できる。なお、携帯情報端末60に設けられる液晶ディスプレイ61は、例えば、サービス員が遊技者に提示することで、遊技者が見ることも可能である。
【0261】
また、この実施形態において、前記遊技機1の本体制御装置14は、遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記発射可能球数が所定値以下の場合に、カードユニット20に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段としての機能を有している。
カードユニット制御装置24は、ワゴンサービス中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、携帯情報端末60に景品交換球数の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段として機能する。
そして、携帯情報端末60の制御装置は、前記強制返送要求送信手段からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数をカードユニット20に送信する景品交換遊技価値返送手段として機能する。
【0262】
従って、遊技機1において大当たりが発生した場合に、発射可能球数が所定値以下の場合に、遊技機1の遊技価値不足送信手段としての本体制御装置14により、カードユニット20に発射可能球数が所定値以下であることを示す遊技価値不足情報が送信される。なお、ここでの所定値とは、例えば、大当たり状態の開始時に遊技球を確実に入賞させる個数以下であり、例えば、遊技球として10個程度の遊技価値量である。
そして、カードユニット20においては、遊技価値不足情報が受信され際に、ワゴンサービス中である場合に、強制返送要求送信手段としてのカードユニット制御装置24が携帯情報端末60に景品交換球数をカードユニット20に返送することを指示する強制返送要求を送信する。
なお、遊技価値不足送信手段は、大当たりが発生した場合で、かつ、景品交換遊技価値移動中の場合に遊技価値不足情報を遊技設備機に送信するものとしても良い。
【0263】
そして、強制返送要求を受信した携帯情報端末60の景品交換遊技価値変動手段は、携帯情報端末60の景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数をカードユニット20に送信する。なお、この場合に、景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換球数は0とされる。また、例えば、携帯情報端末60で、景品の選択等や景品交換球数の減算が行われていた場合には、これを無効とし、減算される前の景品交換球数をカードユニット20の持球数に移動するものとしても良い。
また、カードユニット20に返送された景品交換球数は、第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24により、RAM243に記憶されている持球数に加算される。
【0264】
そして、遊技者は、景品交換球数が加算された持球数を発射可能球数に移動することで、発射可能球数を所定値以上にすることが可能となり、大当たり開始時に遊技機に使用可能な遊技媒体数が少ないことにより、大当たり中の遊技を続行できない状態となるのを防止することができる。なお、この発明は、請求項2に記載の発明のように第2遊技価値の全てを景品交換球数として携帯情報端末60に移動してしまうこの実施形態の場合に特に有効となる。
【0265】
また、前記実施形態においては、携帯情報端末60は、前記景品注文実行手段で注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段(景品受渡ボタン69)と、前記受渡操作手段が操作されたことをカードユニット20に送信する受渡送信手段とを備え、カードユニット制御装置24は、前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、前記景品注文実行手段からの情報を受信してから前記受渡送信手段からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技媒体数をサービスとして前記持球数に加算する景品価値加算手段としての機能を有する。
【0266】
従って、上述のように遊技中の景品交換の処理を行うとともに、サービス員が遊技者に景品を受け渡した場合に、携帯情報端末60の景品受渡ボタン69をサービス員が操作すると、携帯情報端末60の受渡送信手段がカードユニット20に景品受渡ボタン69が操作されたことを示す情報が送信される。これによりカードユニット20において、景品の受け渡しが終了したことを確認可能となっている。なお、景品受渡ボタン69の操作を示す情報をカードユニット20からさらに管理サーバ40に送信するものとしても良い。
また、カードユニット20では、遊技機1から大当たり状態を示す情報が送信されると、この情報を大当たり状態受信手段としてのカードユニット制御装置24が受信する。なお、遊技機には、基本的に大当たり状態を示す情報を送信する機能(大当たり状態送信手段)を備えている。
【0267】
そして、カードユニット20においては、景品交換する景品が選択された後に景品交換端末の景品注文実行手段から景品の情報や、景品交換球数が景品交換に関する情報として受信されてから、上述のよう景品の受け渡しが終了して受渡送信手段から景品受渡操作手段が操作されたことを示す情報が受信されるまでの間に、大当たり状態受信手段が遊技機1での遊技が大当たり状態となったことを示す情報を受信すると、景品価値加算手段としてのカードユニット制御装置24が、選択されて注文された景品に対応する遊技媒体数を持球数に加算する。
これにより、遊技者は、景品交換をしても所有する遊技価値が減少せず、特典を受けたことになる。
【0268】
従って、遊技者は、例えば、景品を注文してから景品が届くまで時間がかかっても、その間に大当たりが発生すれば、特典を得られることから、景品が届くのが遅くなった場合に、遊技者が不満を抱くのを防止することができる。
また、遊技中の景品交換により特典が得られるチャンスが発生することから、遊技者への景品交換を促すことができる。なお、遊技店では、通常、遊技者が所有する遊技価値で長い期間に亘って遊技を続行されてしまうと、その間、遊技者は新たに遊技価値を借りるための支払いを行わないことになり、利益が得られにくい可能性があり、遊技者に景品交換を促すことで、遊技店の利益を確保しやすくなる。
また、サービス員は、景品交換の受け渡しが遅くなって、その間に大当たりが発生してしまうと、遊技店の利益が減少してしまうことから、景品の受け渡しを早く行うようになる。
【0269】
なお、全ての大当たりに対して、景品価値加算手段が遊技価値を加算する必要はなく、所謂初当たりの場合にだけ、遊技価値を加算するようにしても良い。
なお、初当たりとは、例えば、遊技が所謂確率変動中や時短中でない場合の大当たりである。ここで、確率変動中及び時短中、特に確率変動中は、通常時よりも時間当たりの大当たりとなる確率が極めて高くなっているので、確率変動中に遊技者が景品注文を行うと、上述の期間中に大当たりが発生する確率がかなり高くなり、遊技者が上述の得点を得られる確率が高くなりすぎてしまい、遊技店側が不利になりすぎてしまう可能性がある。
【0270】
次ぎに、本実施形態の変形例を説明する。上述の例では、ワゴンサービス中は、カードユニット20で管理されている持球数を全て携帯情報端末60側に送信し、持球数を携帯情報端末60で管理した状態に移行することから、カードユニット20において、持球数移動ボタンの押下による持球数の遊技機1への移動や、金額情報から持球数情報へ(金額情報から遊技媒体数への変換を含む)の移動や、発射可能球数の上限値を超えた分となる超過球数の持球数への移動が全て停止した状態となっていた。
それに対して、変形例では、持球数うちの所定数だけをカードユニット20から携帯情報端末60に移動することとし、残った持球数をカードユニット20で管理する状態となり、上述の持球数に関する処理をワゴンサービス中も通常時と同様に実行可能とするものである。
【0271】
この変形例において、カードユニット20(カードユニット制御装置24)と遊技機1(本体制御装置14)で行われる処理は、ワゴンサービスフラグに関係する処理のうちのワゴンサービス処理以外での全ての処理を省略したものとなり、カードユニット20においては、図6,図7,図9,図10に示される球貸処理、持球移動処理、超過球処理、遊技終了処理のフローチャートにおいて、ワゴンサービスフラグの有無を判定する処理と、ワゴンサービスフラグの有無を判定した後のワゴンサービス有りの場合に行われる処理を省略するものとなる。また、カードユニット20の図11,12で示されるワゴンサービス処理において、持球数を送信するステップC86の処理において、持球数を送信する場合に、持球数のうちの予め設定された所定数(例えば、125や250)を送信するものとする。
【0272】
一方、遊技機1においても、図9に示される超過球処理において、上述のことからカードユニット20において省略されるワゴンサービス中送信処理が省略されることで、ワゴンサービス中情報が受信されることなく、ワゴンサービス中の受信に関する処理が省略され、かつ、ワゴンサービス中を受信したと判定された場合に行われる処理が省略される。
【0273】
より具体的には、図6のカードユニットの球貸処理において、球貸ボタンが長押された場合の処理として、ステップC43のワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグが有る場合に、球貸ボタンが長押しされてもこれを認めないように、球貸ボタンが通常の押し方をされた場合と同様の処理を行う処理が省略される。
【0274】
すなわち、変形例では、ワゴンサービス中でも球貸ボタン(球貸操作部33)が長押しされれば、金額情報のうちの所定金額に対応する遊技媒体数を持球数に加算して表示する処理を行う。これによりワゴンサービス中でも持球数に関する処理が禁止されることなく、金額情報に残額がある場合に、金額情報を遊技媒体数に変換して持球数に加算することができる。
【0275】
図7のカードユニットの持球移動処理において、ステップC51のワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグが有る場合に、持球移動ボタンが押下されたか否かを判定することなく、現状の持球数を表示する処理に移行する処理が省略される。すなわち、ワゴンサービス中は、持球移動ボタンの操作を無効とし、持球数と発射可能球数との間の遊技媒体数の移動を禁止する処理が行われることがない。なお、カードユニット20において、ワゴンサービス中に持球移動ボタンの操作を無効とすると、遊技機1においては、持球移動ボタンの押下に基づいてカードユニット20から送信される情報を受信することがなく、実質的に持球移動処理が行われないことになるが、この変形例では、持球移動ボタンの押下がワゴンサービス中も有効とされ、ワゴンサービス中においても通常時と同様に持球移動処理が行われる。
【0276】
すなわち、変形例では、ワゴンサービス中でも持球移動ボタン(持球移動操作部32)が通常の押し方をされれば、持球数から所定の遊技媒体数を減算し、減算された遊技媒体数を遊技機1に送信して発射可能球数に加算する処理を行う。また、ワゴンサービス中に持球移動ボタンが長押しされた場合には、現状の発射可能球数を遊技機1からカードユニット20に送信するとともに発射可能球数を0とし、カードユニット20において、持球数に発射可能球数を加算した値が新たな持球数とされる。
【0277】
図9のカードユニットの超過球処理において、ステップC62のワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグが有る場合に、超過球が発生して遊技機1から超過球数を示す超過球数情報を受信しても超過球数を持球数に加算することなく超過球処理を終了する処理が省略される。すなわち、ワゴンサービス中は、持球数への超過球数の加算を禁止し、発射可能球数で超過球数が発生した場合に例外的に発射可能球数の上限値を超えた分となる超過球数を発射可能球数から減算することなく、そのまま発射可能球数が上限値を超えた状態となる処理が行われない。
【0278】
従って、ワゴンサービス中に通常時と同様に遊技機1で管理される発射可能球数において上限値を超える超過球数が発生した場合に、発射可能球数を上限値として超過球数を持球数に加算する処理が行われる。
なお、遊技機1の超過球処理において、ステップY55で、ワゴンサービス中を受信した場合にステップY58で行われる発射可能球数の上限値に超過球数を加算する処理及びステップY59で上限値を超過した発射可能球数を通常時と異なる色で表示する処理が行われることなく、これら処理が省略されることになる。
【0279】
また、図10の遊技終了処理のステップC71において、ワゴンサービスフラグの有無を判定し、ワゴンサービスフラグ有りの場合に、遊技終了ボタン(遊技終了操作部35)の押下の有無を判定することなく、遊技終了ボタンの押下を無効とする処理を省略し、遊技終了ボタンの押下を有効とする。なお、この場合に、携帯情報端末60において景品交換で未使用である持球数の残数(残り持球数)が存在すると、残り持球数が携帯情報端末60に取り残されてしまうので、ワゴンサービス処理において、カードユニット20で景品情報と残り持球数が受信されるまで、すなわち、ステップC8Cで、カードユニット20が景品情報と持球数を受信したと判定するまで、ステップC76の持球数に発射可能球数を加算して持球数を確定する処理を行えないようにする必要がある。
なお、遊技終了処理においては、変形例においても、ワゴンサービスフラグ有りの判定を省略せずに、ワゴンサービス中は、遊技終了ボタンを無効とするものとしても良い。
【0280】
そして、変形例においては、図18に示すように、携帯情報端末60において(ワゴン)サービスボタン63を押下すると、カードユニット20に記憶された持球数のうちの所定数(例えば500)を示す遊技媒体数情報と景品交換を行う遊技者が遊技する遊技機番号がカードユニット20から携帯情報端末60に送信され、携帯情報端末60の液晶ディスプレイ61に遊技機番号と、この遊技機番号が示す遊技機1から移動させられた所定数の持球数が表示される。
一方、カードユニット20の操作表示パネル23のディプレイにおいて、持球数の表示は、携帯情報端末60に移動させた所定数の持球数500を減算したものとなる。すなわち、カードユニット20においては、携帯情報端末60に移動した持球数が持球数情報として記憶されている持球数から減算され、持球数情報が更新記憶される。
また、操作表示パネル23には、新たに移動球数表示部36が表示され、移動される遊技媒体数としての所定数500が表示される。
【0281】
一方、遊技機1の発射可能球数表示部8における発射可能球数は、景品交換の処理により減少することなく、遊技球の発射により1個ずつ減少し、遊技球の入賞毎に賞球数分増加する。
そして、この状態で、携帯情報端末60においては、景品の選択が行われる。ここで、携帯情報端末60においては、持球数が所定数とされている以外は、前記実施形態の場合と同様の表示が行われる。
【0282】
そして、景品交換ボタン68を押下すると、前記残り持球数として表示されていた景品交換後の携帯情報端末60の残り持球数がカードユニット20に送信され、カードユニット20おいて、受信された景品交換後の残り持球数情報がカードユニット20に記憶された持球数情報が示す持球数に加算され、携帯情報端末に送信された所定数の持球数のうちの未使用分の遊技媒体数がカードユニット20に戻された状態となる。
【0283】
以上のような変形例によれば、ワゴンサービス中も持球数の加算、減算が可能となり、ワゴンサービス中に発射可能球数が上限値を超えることがあるとともに、ワゴンサービス中は、持球数から発射可能球数に遊技媒体数を移動できないなどの例外的な処理を行わなくても良く、遊技者を戸惑わせるようなことがない。
【0284】
以上のような変形例において、遊技機1の本体制御装置14は、カードユニット20から送信された遊技価値を受信する遊技価値受信手段としての機能を有し、且つ、前記第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14は、発射可能球数に前記遊技価値受信手段で受信した遊技価値を加算する。すなわち、カードユニット20の持球数のうちの少なくとも一部となる遊技媒体数を遊技機1に送信して発射可能球数に加算可能とされている。
また、カードユニット制御装置24は、所定操作により、RAM243に記憶されている持球数のうち所定数の遊技媒体数を前記発射可能球数として遊技機1に送信する遊技価値移動手段と、携帯情報端末60にRAM243に記憶されている持球数のうちの所定数の遊技媒体数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する景品交換遊技価値送信手段と、携帯情報端末60から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバ40に送信する景品注文送信手段と、として機能する。
且つ、前記第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24は、前記RAM243に記憶される持球数に、前記景品注文受信手段で受信した前記景品注文に関する情報に含まれる前記景品交換球数を加算し、且つ、前記持球数から前記遊技価値移動手段で送信した遊技媒体数と、前記景品交換遊技価値送信手段で送信した景品交換球数とを減算する。
前記携帯情報端末60は、前記景品交換遊技価値送信手段から送信された前記景品交換球数を記憶する景品交換遊技価値記憶手段(図示しない携帯情報端末60の制御装置)と、複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段(選択ボタン65)と、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段(前記制御装置)と、前記景品選択手段に選択された景品の情報と、前記景品減算手段により減算された景品交換遊技価値とを含む前記景品注文に関する情報をカードユニット20に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段(景品交換ボタン68)とを備え、前記RAM243に記憶されている持球数のうちの所定数の遊技価値を景品交換球数として携帯情報端末60に移動している景品交換遊技価値移動中(ワゴンサービス中)でも、前記持球数に係わる前記超過球数の加算と、前記遊技価値移動手段で送信される所定数の遊技価値の減算を可能にしている。
【0285】
従って、遊技中に発射可能球数が残り少なくなったり、無くなったりした場合に、例えば、遊技者の操作や、遊技者の操作に基づく遊技機1の制御により、カードユニット20の遊技価値移動手段としてのカードユニット制御装置24により、RAM243に記憶されている持球数のうちの所定数の遊技媒体数を遊技機1に送信し、遊技機1では、カードユニット20から送信された遊技媒体数を遊技価値受信手段としての本体制御装置14が受信し、受信した遊技媒体数を第1遊技価値演算手段としての本体制御装置14が、RAM143に記憶されている発射可能球数に加算して更新記憶させる。
また、カードユニット20では、第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24が、そのRAM243に記憶されている持球数から遊技価値移動手段としてのカードユニット制御装置24により遊技機1に送信した所定数の遊技媒体数を減算する。
なお、ここでの所定数は、発射可能球数の上限値以下の一定の数値であるが、例えば、持球数が所定数となる一定の数値より小さい場合に、所定数は、例えば、現状の持球数の全量となる数値とする。
これにより、カードユニット20で管理されている持球数を遊技機1で管理されている発射可能球数に移動して遊技に使用することができる。
【0286】
また、遊技中の景品交換を行う場合に、カードユニット20において、景品交換遊技価値送信手段としてのカードユニット制御装置24が持球数のうちの所定数の遊技媒体数を景品交換球数として携帯情報端末60に送信する。また、カードユニット20においては、第2遊技価値演算手段としてのカードユニット制御装置24が、そのRAM243に記憶されている持球数から、景品交換遊技価値送信手段としてのカードユニット制御装置24により景品交換球数として携帯情報端末60に送信された所定数の遊技媒体数を減算する。
この場合には、前記実施形態のように、持球数の管理を携帯情報端末60に移行せずに、持球数の管理はカードユニット20で続行される。なお、ここでの所定数は、通常、ワゴンサービスでサービスされる景品としての飲み物、タバコ等と十分に交換可能な遊技媒体数であり、例えば、一定数であるが、RAM243に記憶されている持球数の量が一定数より少な場合は、現状の持球数の全てを所定数としても良いし、持球数が一定数より少ない場合には、景品交換を中止するようにしても良い。
【0287】
従って、持球数のうちの所定数の遊技媒体数を景品交換球数として携帯情報端末60に移動した後も、カードユニット制御装置24により、そのRAM243に記憶された持球数から遊技機1のRAM143に記憶される発射可能球数へ所定数の遊技媒体数を移動するための減算処理と、遊技機1から送信される発射可能球数の上限値を超えた超過球数を持球数に移動するための加算処理が行われる。
【0288】
そして、携帯情報端末60において、カードユニット制御装置24から携帯情報端末送受信部26を介して送信された景品交換球数を携帯情報端末60の制御装置のRAMに記憶する。また、携帯情報端末60の制御装置が、遊技者の要望に応じてサービス員が選択手段を介して選択した景品に対応する遊技価値を前記制御装置のRAMに記憶された景品交換球数から減算する。なお、景品の選択の操作は、持球数から所定の数の遊技媒体数が景品交換球数として携帯情報端末60に受信される前であっても後であっても良い。
【0289】
そして、携帯情報端末60の制御装置が、減算された景品交換球数と、景品の情報とを景品注文に関する情報としてカードユニット20に送信する。
カードユニット制御装置24が携帯情報端末60の制御装置が送信した景品交換球数と、景品の情報を景品注文に関する情報として受信する。
そして、カードユニット制御装置24が、そのRAM243に記憶される持球数に、上述のように減算されて受信された景品交換球数を加算する。
また、カードユニット20で受信された景品の情報は、カードユニット制御装置24により管理サーバ40に送られ、管理サーバ40が、景品交換が行われたことを記憶して管理する。
【0290】
以上のことから、遊技者の保有する遊技媒体数が、遊技中の景品交換に際しては、遊技機1で記憶される発射可能球数と、カードユニット20で記憶される持球数(所定数の遊技媒体数が除かれたもの)と、携帯情報端末60で記憶される景品交換球数(持球数から移動された所定数の遊技媒体数)の3つに分かれることになるが、持球数の管理はカードユニット20で行われたまま、持球数のうちの所定数の遊技媒体数を携帯情報端末60に移動するようにしているので、ワゴンサービス中でもカードユニット20と遊技機1とで遊技価値の移動ができる。
【0291】
従って、発射可能球数を遊技中の景品交換の際に、上限値以上とすることを可能とする例外的処理を行う必要がなく、また、景品交換中に発射可能球数が残り少なくなったり、無くなったりした場合に、景品交換球数が携帯情報端末60からカードユニット20に戻ってくるのを待たなくても、持球数を発射可能球数に移動して、遊技を続行することができる。
【0292】
図19は、実施形態の別の変形例を示すものである。
図19に示される遊技装置21は、カードユニット20から操作表示パネル23を取り除き、操作表示パネル23に設けられていた金額表示部30、持球数表示部31、持球移動操作部32(持球移動ボタン)、球貸操作部33(球貸ボタン)、休憩操作部34(休憩ボタン)、遊技終了操作部35(遊技終了ボタン)を遊技機1の操作表示パネル7に設けたものである。従って、遊技機1の前面の操作表示パネル7には、発射可能球数と持球数と金額情報が表示されることになり、発射可能球数と持球数との区別をそれらの表示場所の違い(カードユニット20か遊技機1かの違い)により直感的に判断することができなくなるが、発射可能球数と持球数と金額情報を同時に見やすい状態とすることができる。また、持球数表示部30と発射可能球数表示部31との間に持球移動操作部32を配置することで、持球数から発射可能球数への遊技媒体数の移動を直感しやすいレイアウトとなっている。
【0293】
また、遊技機1の操作表示パネル7に設けられた金額表示部30、持球数表示部31、持球移動操作部32、球貸操作部33、休憩操作部34、遊技終了操作部35は、遊技機1内部に設けられた中継基板を介してカードユニット20のカードユニット制御装置24に接続されており、これらの制御の処理は、上述の実施形態と同様に行われる。
【0294】
別の変形例においては、カードユニット20の前面パネルに、操作表示パネル23が無くなった代わりに、投入された紙幣の入金額等を表示する表示部38や、暗証番号を入力するためのテンキーである暗証番号入力ボタン39が設けられている。暗証番号入力ボタン39は、例えば、会員用のICカード(会員カード)のIDに対応付けられて記憶された金額情報や景品交換球数情報などを利用する場合に、暗証番号の入力を行わせるためのものである。これにより会員カードを落としても、会員カードに記憶されるIDに対応して管理サーバ40に記憶された金額情報や遊技媒体数情報としての景品交換球数情報が会員カードを拾った第三者に利用されるのを防止することができる。
【0295】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0296】
1 遊技機
14 本体制御装置(第1遊技価値演算手段、上限値判定手段、超過遊技価値送信手段、遊技価値受信手段、遊技価値不足送信手段)
143 RAM(第1遊技価値記憶手段)
20 カードユニット(遊戯設備機)
21 遊技装置
24 カードユニット制御装置(超過球遊技価値受信手段、第2遊技価値演算手段、景品交換遊技価値送信手段、景品注文受信手段、景品注文送信手段、超過遊技価値加算不能動化手段、遊技価値移動手段、強制返送要求送信手段、大当たり状態受信手段、景品価値加算手段)
243 RAM(第2遊技価値記憶手段)
31 持球数表示部(第2遊技価値表示手段)
40 管理サーバ
60 携帯情報端末(景品交換端末装置、景品交換遊技価値記憶手段、景品選択手段、景品減算手段、景品注文実行手段、景品交換遊技価値返送手段、受渡送信手段)
61 液晶ディスプレイ(景品交換表示手段)
69 景品受渡ボタン(受渡操作手段)
8 発射可能球数表示部(第1遊技価値表示手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機と、
前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機と、
を備えた遊技装置と、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバと、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置と、
を備えた遊技店の遊技店システムにおいて、
前記遊技装置は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、
前記遊技機は、
前記第1遊技価値を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段と、
前記第1遊技価値から遊技に使用した遊技価値量を減算し、且つ、前記第1遊技価値に入賞に対応した遊技価値を加算する第1遊技価値演算手段と、
前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段と、
前記上限値判定手段で前記演算結果が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値として前記遊技設備機へ送信する超過遊技価値送信手段と、
前記第1遊技価値記憶手段に記憶されている第1遊技価値を表示する第1遊技価値表示手段と、
遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記第1遊技価値が所定値以下の場合に、前記遊技設備機に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記第2遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、
前記超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値を受信する超過遊技価値受信手段と、
前記超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値とを加算する第2遊技価値演算手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値を表示する第2遊技価値表示手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている全ての第2遊技価値を、景品交換するための景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信する景品交換遊技価値送信手段と、
前記景品交換遊技価値移動中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、前記景品交換端末装置に景品交換遊技価値の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値送信手段から送信された前記景品交換遊技価値を記憶する景品交換遊技価値記憶手段と、
前記強制返送要求送信手段からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値を前記遊技設備機に送信する景品交換遊技価値返送手段と、
を備えたことを特徴とする遊技店システム。
【請求項2】
前記遊技設備機は、
前記景品交換端末装置から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、
前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバに送信する景品注文送信手段と、
前記第2遊技価値記憶手段の第2遊技価値が景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に移動している景品交換遊技価値移動中は、前記第2遊技価値と前記超過遊技価値との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段と、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている前記景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、
前記景品減算手段の減算結果を第2遊技価値とし、当該第2遊技価値と前記景品選択手段にて選択された景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記遊技設備機に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段と、
を備え、
前記第1遊技価値記憶手段は、
前記超過遊技価値加算不能動化手段で前記超過遊技価値の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技店システム。
【請求項3】
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値と、前記景品選択手段で選択した景品の情報と、前記景品減算手段の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技店システム。
【請求項4】
前記景品交換端末装置は、
前記景品注文実行手段で注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段と、
前記受渡操作手段が操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、
前記景品注文実行手段からの情報を受信してから前記受渡送信手段からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技価値をサービスとして前記第2遊技価値に加算する景品価値加算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技店システム。
【請求項1】
遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な遊技機と、
前記遊技機と1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力するための遊技設備機と、
を備えた遊技装置と、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理サーバと、
前記遊技設備機と通信可能で、遊技者の保有する遊技価値内で景品交換可能な景品交換端末装置と、
を備えた遊技店の遊技店システムにおいて、
前記遊技装置は、遊技者の保有する遊技価値を、遊技を実行するための第1遊技価値と、該第1遊技価値以外の第2遊技価値とに分けて記憶し、
前記遊技機は、
前記第1遊技価値を所定の上限値まで記憶する第1遊技価値記憶手段と、
前記第1遊技価値から遊技に使用した遊技価値量を減算し、且つ、前記第1遊技価値に入賞に対応した遊技価値を加算する第1遊技価値演算手段と、
前記第1遊技価値演算手段の演算結果が前記上限値を超えたか否かを判定する上限値判定手段と、
前記上限値判定手段で前記演算結果が上限値を超えた場合に、前記演算結果の前記上限値を超えた部分の遊技価値を超過遊技価値として前記遊技設備機へ送信する超過遊技価値送信手段と、
前記第1遊技価値記憶手段に記憶されている第1遊技価値を表示する第1遊技価値表示手段と、
遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生した際に、前記第1遊技価値が所定値以下の場合に、前記遊技設備機に遊技価値不足情報を送信する遊技価値不足送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記第2遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、
前記超過遊技価値送信手段により送信された超過遊技価値を受信する超過遊技価値受信手段と、
前記超過遊技価値受信手段が受信した超過遊技価値と前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値とを加算する第2遊技価値演算手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている第2遊技価値を表示する第2遊技価値表示手段と、
前記第2遊技価値記憶手段に記憶されている全ての第2遊技価値を、景品交換するための景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に送信する景品交換遊技価値送信手段と、
前記景品交換遊技価値移動中に前記遊技価値不足情報を受信した場合は、前記景品交換端末装置に景品交換遊技価値の強制返送要求を送信する強制返送要求送信手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値送信手段から送信された前記景品交換遊技価値を記憶する景品交換遊技価値記憶手段と、
前記強制返送要求送信手段からの強制返送要求を受信した場合に、前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値を前記遊技設備機に送信する景品交換遊技価値返送手段と、
を備えたことを特徴とする遊技店システム。
【請求項2】
前記遊技設備機は、
前記景品交換端末装置から送信される景品注文に関する情報を受信する景品注文受信手段と、
前記景品注文受信手段で受信した景品注文に関する情報を管理サーバに送信する景品注文送信手段と、
前記第2遊技価値記憶手段の第2遊技価値が景品交換遊技価値として前記景品交換端末装置に移動している景品交換遊技価値移動中は、前記第2遊技価値と前記超過遊技価値との加算を不能動化する超過遊技価値加算不能動化手段と、
を備え、
前記景品交換端末装置は、
複数種類の景品のうちから景品を選択する景品選択手段と、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている前記景品交換遊技価値から前記選択した景品に対応する遊技価値を減算する景品減算手段と、
前記景品減算手段の減算結果を第2遊技価値とし、当該第2遊技価値と前記景品選択手段にて選択された景品の情報とを含む前記景品注文に関する情報を前記遊技設備機に送信して景品注文を実行する景品注文実行手段と、
を備え、
前記第1遊技価値記憶手段は、
前記超過遊技価値加算不能動化手段で前記超過遊技価値の加算が不能動化されている場合に、前記上限値を超えて遊技価値を記憶するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技店システム。
【請求項3】
前記景品交換端末装置は、
前記景品交換遊技価値記憶手段に記憶されている景品交換遊技価値と、前記景品選択手段で選択した景品の情報と、前記景品減算手段の減算結果とを、前記景品注文実行手段が景品注文を実行する前に表示可能な景品交換表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技店システム。
【請求項4】
前記景品交換端末装置は、
前記景品注文実行手段で注文した景品を遊技者に受け渡した場合に、操作する受渡操作手段と、
前記受渡操作手段が操作されたことを前記遊技設備機に送信する受渡送信手段と、
を備え、
前記遊技設備機は、
前記遊技者が多くの遊技価値を獲得可能な大当たり状態が発生したことを受信する大当たり状態受信手段と、
前記景品注文実行手段からの情報を受信してから前記受渡送信手段からの情報を受信するまでの間に前記大当たり状態受信手段が大当たり状態を受信した場合には、前記景品注文実行手段で注文した景品に対応する遊技価値をサービスとして前記第2遊技価値に加算する景品価値加算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技店システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−104441(P2011−104441A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51170(P2011−51170)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2009−17677(P2009−17677)の分割
【原出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2009−17677(P2009−17677)の分割
【原出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
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