説明

遊離HDIモノマーの含有量を低減したHDIプレポリマーから調製したポリウレタンエラストマー

【課題】ポリウレタンエラストマーから得られる耐久性、弾性、耐変色性のあるゴルフボールカバー、ロール、ホイール及びタイヤを提供する。
【解決手段】未反応ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)モノマーの量を低減したポリウレタンプレポリマーとし、未反応HDIモノマーの量を低減したポリウレタンプレポリマーとアミン及び/又はヒドロキシ鎖延長剤とを混合することによって得られるポリウレタンエラストマーとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の技術分野
本発明は一般に、低減したレベルの未反応ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)モノマーを含むキャスタブルポリウレタンプレポリマーを調製することに関する。より詳細には、本発明は、ジオール及び/又はジアミンで延長した高性能HDI系注型ポリウレタンエラストマー鎖を形成することを対象としている。これらの系により、産業衛生の改善、より容易な注入成形、及び機械的特性の改善がもたらされる。こうした系から製造したゴルフボールカバーは、弾性、耐久性(溝剪断抵抗)及び耐変色性の驚くべき組合せを示す。低ヒステリシスのロール、タイヤ及びホイールもこうした系から製造することができる。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
キャスタブルポリウレタンエラストマーはよく知られており、モル過剰のジイソシアネートモノマー、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、若しくはパラ−フェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ジイソシアネート又はジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)若しくはトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)などの脂肪族ジイソシアネートと、有機ポリオール、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエステル若しくはポリカプロラクトングリコール(PE)、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのホモポリマー及びコポリマー(E/PO)との反応に基づくポリウレタンプレポリマー、並びに鎖延長剤、例えば、1,4−ブタンジオール(BD)などの脂肪族ジオール若しくはジエチルトルエンジアミン(DETDA)などの芳香族ジアミンから形成することができる。トリエチレンジアミン(TEDA)などの触媒を使用して、成分の反応性を高めることができる。例えば、UV安定剤、酸化防止剤、色素及び帯電防止剤などの追加の成分も加えることができる。
【0003】
ポリウレタンプレポリマーを形成する際にモル過剰のジイソシアネートモノマーを使用すると、残余未反応モノマーが残り、潜在的な産業衛生問題がもたらされる。したがって、ジイソシアネートモノマーを、遊離ジイソシアネートモノマーの含有量を低減したポリウレタンプレポリマーに変換する努力がなされてきた。例えば、英国特許第1,101,410号並びに米国特許第4,182,825号;第4,288,577号;第4,892,920号;第5,202,001号及び第5,703,193号を参照のこと。注型エラストマーを調製する際に、遊離ジイソシアネートモノマーの含有量を低減したポリウレタンプレポリマーとすることは、より優れた衛生、加工の容易さ、及びエラストマーの機械的性能が得られるという点で有利である。蒸気圧が最も高く、したがって衛生的な関心が最も高いこれらのジイソシアネートモノマー、例えば、TDI、PPDI、及びIPDIから調製されたプレポリマーは、Crompton Corp.、Baxenden及びAir Productsなどの供給源から低遊離モノマー形態で市販されてきた。
【0004】
ジイソシアネートモノマーの皮膚接触と吸入のどちらも注意深く回避すべきであることはよく知られている。プレポリマーからの未反応TDIの除去にも深い注意が払われている。プレポリマーの未反応TDIレベルを低下させるための様々な方法が周知であり、例えば、米国特許第3,248,372号、第3,384,624号及び第4,061,662号に開示されている。残余モノマーが0.1%未満の市販のTDIプレポリマーは入手可能である。
【0005】
プレポリマー中の未反応ジイソシアネートモノマーレベルの量を減らす試みで開発された様々な方法には、薄膜流下式蒸発装置、ワイパー式薄膜蒸発装置、蒸留技術、溶媒抽出、及びモレキュラーシーブを使用する方法などがある。例えば、米国特許第4,182,825号では、減圧条件下でプレポリマー反応生成物を蒸留することによってジイソシアネート(TDI)の量を減らす方法が開示されている。米国特許第4,385,171号では、ジイソシアネートの沸点よりも高い温度で沸騰する化合物とプレポリマー反応生成物を共蒸留することによって、プレポリマーから未反応ジイソシアネートモノマー(TDI)を除去する方法が開示されている。米国特許第5,703,193号では、第1の不活性溶媒の沸点がジイソシアネートモノマーの沸点未満であり、第2の不活性溶媒の沸点がジイソシアネートモノマーの沸点より高い、2種類の不活性溶媒の組合せの存在下で反応生成物を共蒸留することによって、プレポリマー中の残余有機ジイソシアネートモノマー(PPDI)の量を減らす方法が開示されている。米国特許第4,061,662号では、モレキュラーシーブを含むカラムにプレポリマー反応生成物を通過させることによって、プレポリマーから未反応トルエンジイソシアネートを除去する方法が開示されている。米国特許第4,288,577号では、ヘキサンを用いた溶媒抽出による未反応メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)(MDI)の除去が開示されている。
【0006】
これらの方法の中では、溶媒抽出又はモレキュラーシーブ吸着よりも蒸留の方がより簡単でより経済的である。(可燃性)ヘキサン溶媒又はモレキュラーシーブから引き続きモノマーを分離する必要がない。しかし、ポリウレタンプレポリマーからジイソシアネートモノマーを蒸留する際、プレポリマーの分解反応を防止するために高温を回避しなければならない。それでも溶媒を使用しない蒸留がより簡単である。
【0007】
別の脂肪族ジイソシアネートは、モノマー1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)である。芳香族モノマーTDI及びMDIだけがより広範に使用されている。しかし、HDIにはポリウレタンコーティングにおいて広範囲に及ぶ商業用途が考えられるが、未反応HDIモノマーの健康被害がよく知られているので、注型エラストマーにはめったに使用されない。HDIは、低沸点並びにTDI、PPDI、及びIPDIと類似した高蒸気圧を有するため、一般に販売する前により高い分子量付加物に転化させる。これらの付加物は、高官能価(例えば、約3)を有するのが典型的である。これらはウレタン結合を含まないのでポリウレタン付加物ではない。どちらかと言えば、これらはイソシアヌレート結合又はビウレット結合を含んでいる。揮発性HDIモノマーは、より揮発性の低い付加物から撹拌式薄膜減圧蒸留によって除去されるのが典型的である。例えば、官能価が約2.5よりも高いこのような付加物を開示している米国特許第4,888,442号を参照のこと。
【0008】
HDIが長年広範囲に工業的にポリウレタンに使用されてきたこと、及びこうした低モノマーポリウレタンプレポリマー技術がずっと以前から開示され、商業的に実施されてきたことにもかかわらず、実質的に二官能価のポリオールからの低遊離HDIポリウレタンプレポリマーの調製が開示されたことはなく、未反応HDIモノマーの含有レベルを低減したHDI系ポリウレタンプレポリマーから調製した注型エラストマーは知られていない。
【0009】
芳香族及び脂肪族ジイソシアネートの両方のプレポリマーは熱感受性である。しかし、芳香族ジイソシアネートに基づくプレポリマーは、脂肪族ジイソシアネートに基づくプレポリマーよりもはるかに熱的に不安定である。脂肪族ジイソシアネートから作製したポリウレタンプレポリマーは、芳香族ジイソシアネートから作製したものよりも熱分解に対してより耐性があり、蒸留による脂肪族ジイソシアネートモノマーの除去がより容易になる。しかし、脂肪族ジイソシアネートに基づくポリウレタンは一般に機械的特性の低下を伴う。ハードセグメントに芳香族ジイソシアネートが存在すると、より高い融点を有する、より剛いポリマー鎖が形成するのが典型的である。例えば、米国特許第6,046,297号では、H12MDIに基づくプレポリマーが、TDI又はTDIとH12MDIの混合物から調製したものに劣ることが開示されている。
【0010】
したがって、非常に優れた機械的特性を有する注型ポリウレタンエラストマーを形成するのに適した脂肪族ジイソシアネートに基づくポリウレタンプレポリマーを提供することが望ましい。ゴルフボールカバーに対する応用が特に望ましいと思われる。芳香族ジイソシアネートから作製した既存の注型ポリウレタンカバーは時間が経つと黄変する好ましくない傾向を示すからである。
【0011】
TDI系固体ポリウレタンエラストマーは最も一般的には、液状プレポリマーを芳香族ジアミン、例えば、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロアニリン)(MBCA)と反応させて満足できる特性を与えることによって作製されている。ジオール硬化剤は、一般にTDIプレポリマーに劣った特性を与える。MBCAは発癌物質と疑われており、注入成形中に産業衛生に対して慎重な配慮が求められる。
【0012】
産業安全のために、(a)ジイソシアネートモノマーレベルが低く、かつ(b)発癌性の疑いのないジオール鎖延長剤又は芳香族ジアミン鎖延長剤と一緒に使用できるプレポリマーとすることが特に望ましい。アミン基に対してオルトの4つの位置で完全にアルキル化されたメチレンジアニリン誘導体は、エイムス陰性で潜在的な発癌物質としての疑いが低い種類として報告されている。このような芳香族ジアミンの例には、それぞれLonzacure MCDEA及びLonzacure MDEAとしてLonza,Inc.(スイス、Basel)から入手可能な4,4’−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)及び4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)がある。(例えば、Voelkerら、「Journal of Elastomers and Plastics」、20、1988年及び前掲書、30th Annual Polyurethane/Technical Marketing Conference、1986年を参照のこと)。
【0013】
「グリコール延長ポリウレタンは、アミン延長類似体よりも柔らかく、弱い」とLambaら、17頁、「生物医学用途用ポリウレタン(Polyurethanes in Biomedical Applications)」、CRC Press LLC、17頁、(1998年)に開示されているように、多くの用途において、芳香族アミン鎖延長剤はジオール(グリコール)鎖延長剤よりも好ましく、一般により高いヒステリシスを与える。その結果、アミン延長ポリウレタンは、一般に、例えば、ヒステリシスによる過熱によって不良になりやすいタイヤ及びロールなどの用途で使用されている。したがって、ジアミン硬化剤によって鎖延長され得る脂肪族ジイソシアネート系プレポリマーを提供して、低ヒステリシスの注型エラストマーを得ることが望ましいと思われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発明の概要
したがって、未反応HDIの含有量を低減した、新規で、実質的に二官能価のHDIのポリウレタンプレポリマーを提供することが本発明の目的であり、それにより、該ポリウレタンプレポリマーは、ジアミン硬化剤、例えばトリメチレングリコールジ−p−アミノ−ベンゾエート又はジオール硬化剤によって鎖延長できるようになっている。
【0015】
HDIモノマーとポリオールの反応によって調製したプレポリマー反応生成物の混合物からHDIモノマーを除去するための新規な蒸留法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0016】
本発明の別の目的は、衛生的に安全であり、容易に注型され、非常に優れた機械的特性を有するエラストマーを与えるキャスタブルポリウレタンエラストマー系を提供することである。
【0017】
他の目的は、非常に優れた機械的特性、例えば、弾性及び剪断抵抗並びに経時変化に対する耐変色性を有するゴルフボールカバーを提供することであり、それによって、かかるプレポリマー及びそれらのエラストマーから得られたカバーに対する塗料コーティングを省くことが可能になる。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、かかるプレポリマー及びそれらのエラストマーから得られる、非常に優れた機械的性能を有するホイール、例えばフォークリフトに用いられているもの、タイヤ及びローラーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、二官能価ポリオールから低遊離HDIポリウレタンプレポリマーを調製すること、及びそれらをヒドロキシ又はアミン硬化剤、例えば、脂肪族ジオール又は芳香族ジアミンから注型エラストマーに即座に転化させることに関する。得られるエラストマーは、ゴルフボールカバーとして驚くほど優れた動的機械的特性を有し、例えば、長い飛距離に必要な高弾性を提供しつつ、ゴルフクラブの溝の剪断作用による機械的損傷に耐えるものである。
【0020】
本発明はまた、二官能価プレポリマー反応生成物中の未反応HDIモノマーの含有量を、撹拌式薄膜蒸発装置中で反応生成物を減圧下で蒸留することによって減らすことに関する。HDIジイソシアネートモノマー対1種又は複数のポリオールのモル比(すなわち、NCO基対OH基の比)は、約2:1〜約30:1、好ましくは約8:1〜約20:1の範囲とすることができる。ポリオール又はポリオール混合物のOH官能価は、約1.9〜約2.3、好ましくは約1.98〜約2.1、最も好ましくは約2.0である。
【0021】
好ましい実施形態では、順次より強力な減圧下で連続して2段階以上の蒸留段階を用いて、順次プレポリマー中のモノマー含有量を約2重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満までに減らす。
【0022】
本発明はさらに、HDIモノマーの含有濃度が低い、低HDIモノマー含有プレポリマーを鎖延長することによって得られるポリウレタンエラストマーに関する。鎖延長剤は、脂肪族ジオール又は芳香族ジアミンなどのヒドロキシ又はアミン官能性とすることができる。延長剤/プレポリマー化学量論比(すなわち、ヒドロキシル又はアミン基対イソシアネート基のモル比)は、約70%〜約120%、最も好ましくは約90%〜約105%の範囲とすることができる。
【0023】
したがって、本発明は、1種又は複数の撹拌式薄膜蒸発装置中で連続して反応生成物を減圧下で蒸留して、未反応HDIモノマーのレベルを約2重量%未満に減らす工程を含む、ポリウレタンプレポリマー反応生成物中の残余1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)モノマーの量を減らす方法を対象としている。
【0024】
本発明の別の実施形態では、1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーとのNCO:OH比約2:1〜約30:1の範囲での反応生成物を含むポリウレタンプレポリマーが提供され、その未反応HDIジイソシアネートモノマーは、1種又は複数の撹拌式薄膜蒸発装置中で連続して反応生成物を減圧下で蒸留する工程を含む方法によって除去される。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態では、1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーとのNCO:OH比約2:1〜約30:1の範囲での反応生成物を含むポリウレタンプレポリマーが提供され、その未反応HDIジイソシアネートモノマーは、1種又は複数の撹拌式薄膜蒸発装置中で連続して反応生成物を減圧下で蒸留する工程を含む方法によって除去される。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態では、ポリウレタンエラストマーは、(a)約2重量%以下の遊離HDI、及び純粋なABA構造についての理論NCO含有量の少なくとも70%を含む、HDI末端プレポリマーと、(b)ヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤との反応生成物を含み、その鎖延長剤対プレポリマーの当量比は、約0.7:1〜約1.2:1の範囲である。
【0027】
本発明の好ましい実施形態は、(a)全官能価が約1.9〜約2.3の1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーのNCO:OH比約2:1〜約30:1の範囲での反応生成物を含むHDI末端プレポリマーであって、未反応HDIジイソシアネートモノマーが、1種又は複数の撹拌式薄膜蒸発装置中で連続して前記反応生成物を減圧下で蒸留する工程を含む方法によって除去されるものと、(b)脂肪族ジオール、芳香族ジアミン又はそれらの組合せからなる群より選択される鎖延長剤との反応生成物を含むポリウレタンエラストマーであり、プレポリマー対鎖延長剤の当量比は、約0.7:1〜約1.2:1の範囲である。
【0028】
本発明の別の好ましい実施形態は、芯及びカバーを含むゴルフボールカバーであって、そのカバーが、(a)1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーの反応生成物を含むHDI末端プレポリマーであって、未反応HDIジイソシアネートモノマーが、約2重量%未満まで除去されているものと、(b)少なくとも1種のヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤との反応生成物を含むポリウレタンエラストマーを含むものである。
【0029】
本発明のさらに別の好ましい実施形態は、芯及びポリウレタンカバーを含むホイール又はロールであって、そのカバーが、(a)1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーとの反応生成物を含むHDI末端プレポリマーであって、未反応HDIジイソシアネートモノマーが、約2重量%未満まで除去されているものと、(b)少なくとも1種のヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤との反応生成物を含むポリウレタンエラストマーを含むものである。
【0030】
発明の詳細な説明
本発明は、プレポリマー反応生成物からのジイソシアネートHDIモノマーの除去を対象とする。本明細書では、「プレポリマー反応生成物」という表現は、1種又は複数のポリオールと1種又は複数のジイソシアネートの反応から得られる生成物を意味するものと理解されるべきである。本明細書におけるポリウレタンプレポリマーは、当該技術分野で公知の手順により1種又は複数のポリオールとジイソシアネートモノマーを反応させることによって得ることができる。本発明によれば、プレポリマーは、1種又は複数のポリオール(例えば、ポリエーテル及び/又はポリエステル)と、大過剰の(HDIなどの)ジイソシアネートモノマーとの反応によって形成される。
【0031】
米国特許第4,858,442号では、蒸留による、ポリイソシアネート付加物の混合物及び低沸点の溶媒からの低沸点の脂肪族モノマーである4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)及び1,6−ジイソシアナトヘキサンの除去について開示されている。この方法によれば、ポリイソシアネート付加物は溶媒を使用せずに調製されていた。未反応ジイソシアネートレベルは、まず1度溶媒を使用せずに反応生成物を蒸留することによって低下させ、さらに処理した反応生成物を2〜30%の不活性溶媒存在下で蒸留することによって低下させた。この方法は、溶媒及び/又はジイソシアネートを再利用すべき場合、ジイソシアネートから不活性溶媒を分離することが必要であり、追加の不必要なコストが生じていた。HDIの付加物は、イソシアヌレート及びビウレット型であったが、ポリウレタンプレポリマー型ではなかった。これらは、ウレタン結合を含まず、ポリオールから誘導されなかった。
【0032】
本発明によれば、溶媒を使用しないで、HDI含有量を約2重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満まで低減したポリウレタンプレポリマーを調製することが実用的である。プレポリマーは、連続して2段階以上の撹拌式薄膜減圧蒸留段階に徐々に低くなる減圧下で通して、HDI含有量を0.1重量%未満まで低下させることが好ましい。
【0033】
本発明のポリウレタンプレポリマーは、化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーと1種又は複数のポリオールを反応させることによって調製することができる。所望により、本発明においては他のジイソシアネートモノマーを少量、例えば、約15重量パーセント以下、好ましくは約5重量パーセント以下、最も好ましくはほとんど0重量パーセントの量で使用することができる。他のジイソシアネートの例には、TDI及びMDIなどの芳香族ジイソシアネートがある。MDIは、Mondur MP及びBayerなどの供給源から純粋な異性体である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとして、またMondur ML、Bayer、Lupranate MI及びBASFなどの供給源から異性体の混合物として市販されている。他の芳香族ジイソシアネートモノマーには、PPDI、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、スチルベン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、及びそれらの混合物がある。脂肪族ジイソシアネートモノマーには、ジベンジル−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3及び1,4−キシレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシルジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、1,1’−メチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)(H12MDI)の3種の幾何異性体、並びにそれらの混合物がある。
【0034】
注型エラストマー用のプレポリマーを調製するために本発明において使用するのに適当なポリオールは、以下に限られるわけではないが、典型的には、ポリエーテル、例えば、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートなどのポリエステルを含む高分子量ポリオール、又は約100〜約12,000の範囲の分子量を有する炭化水素ポリオールである。本明細書では、分子量及び当量は数平均であると理解すべきである。所望により、分子量が62〜400の低分子量グリコール又はトリオールを含めることができる。全官能価が約1.9〜約2.3、好ましくは約1.95〜約2.2、最も好ましくは約1.98〜約2.1のポリオール又はポリオールの組合せとのプレポリマー。
【0035】
数平均分子量が少なくとも約250の適当な高分子量ポリオールを使用して本発明のプレポリマーを調製する。好ましくはポリオールの分子量は約400〜約6000、最も好ましくは分子量が約500〜約4000である。しかし高分子量ポリオールの分子量は、12,000と高く、又は100と低くすることができる。
【0036】
好ましいポリエーテルポリオールは、一般式HO(RO)H(式中、Rはアルキレン基であり、nはポリエーテルポリオールの数平均分子量を少なくとも250にするのに十分大きな整数である)で表されるポリアルキレンエーテルポリオールである。これらのポリアルキレンエーテルポリオールは、ポリウレタン製品のよく知られた成分であり、当該技術分野で知られた方法により環状エーテル、例えば、酸化アルキレン及びグリコール、ジヒドロキシエーテルなどの重合によって調製することができる。例には、DupontからテラタンPTMEGポリオールとして、又Arch ChemicalからプロピレンオキシドとエチレンオキシドのポリGポリオールとして入手可能なポリエーテルポリオールがある。
【0037】
ポリエステルポリオールは、直鎖状ポリマー部分を必要とする場合、二塩基酸(例えば、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸、又はフタル酸)とジオール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)との反応によって調製する。グリセロール又はトリメチロールプロパンなどのより高い官能価の単位を少量使用することもできる。ポリエステルポリオールは、CromptonからFomrezポリエステルポリオールとして、又BayerからRucoflexポリエステルポリオールとして入手可能である。
【0038】
ポリエステルポリオールによっては、それらの製造においてカプロラクトン又は二量体化不飽和脂肪酸を使用するものもある。ポリカプロラクトンポリオールは、DowからTONEポリオールとして入手可能である。ポリカーボネートポリオールは、Bayerからデスモフェン2020Eとして入手可能である。他の供給業者には、Daicel(日本)及びUbe(日本)がある。適当な炭化水素ポリオールには、SartomerからPoly−Bdとして、又Kaucuk(チェコ共和国)からKrasolとして入手可能なブタジエンから製造したものがある。
【0039】
本発明の好ましいポリオールには、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、及びアジピン酸からのポリエステルがある。
【0040】
本発明の全ポリオール混合物部分は、既に記載したような高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの組合せとすることができる。脂肪族グリコールは、好ましい低分子量ポリオールである。適当な脂肪族ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどである。一般に、低分子量ポリオールの重量は、高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの組合せの20%以下であるべきである。組合せの好ましい範囲は0〜15%、より好ましくは0〜8%である。
【0041】
ポリウレタンプレポリマー反応生成物を形成する場合、通常約2:1〜約30:1 HDI/ポリオール、好ましくは約8:1〜約20:1 HDI/ポリオールの範囲のモル比が推奨される。反応は、約50℃〜約120℃の範囲の反応温度で実施するのが典型的である。反応は、撹拌しながら反応温度を約70〜約110℃で維持することによって実施することが好ましい。
【0042】
好ましいHDI対ポリオールのモル比を使用すると、反応生成物は低粘度のものとすることができ、主にHDI−ポリオール−HDI構造(本明細書では「ABA」構造と呼ぶ。式中、AはHDIを示し、Bはポリオールを示す)のウレタン結合付加物を含む。2種以上のポリオール部分を含む、より高分子量の付加物(本明細書では、ウレタン結合構造「ABABA」、「ABABABA」などの「オリゴマー」と呼ぶ)は、典型的には望ましくない。HDI:ポリオールモル比が少なくとも約8:1又はそれ以上の場合、NCO含有量が純粋なABA構造についての理論NCO含有量の少なくとも70%、好ましくは純粋なABA構造についての理論NCO含有量の少なくとも80%である最終プレポリマー(遊離HDIモノマー除去後)の形成に有利である。
【0043】
ポリオールBの官能価が2の場合、各ABA及びABABA付加物には、2つの未反応NCO基がそれぞれの末端A基上に1つずつある。ABABA付加物の内部A基には、残留未反応NCO基はない。したがって、ABABA付加物は、ABA付加物よりもNCO含有量が低い。したがって、実質的に未反応Aを含まないプレポリマー反応生成物混合物では、より高分子量の付加物に対するABAの相対含有量は、混合物のNCO含有量によって決定することができる。ポリオールに対してモル大過剰のHDIを使用することによって、オリゴマー形成は最小になる。
【0044】
例示として、数平均分子量(「mw」)が1000の二官能価ポリオール及びmwが168のHDIを考えてみる。ABA付加物のmwは、168+1000+168=1336である。これには、それぞれ42ダルトンの2つのNCO末端基もあるはずである。したがって、NCO含有量は、ABA構造について2(42)/1336=6.3%である。同様に、ABABA構造のmwは2504であり、NCO含有量は2(42)/2504=3.35%である。
【0045】
ポリオール数平均当量(「ew」)は、ASTM法E222、E326、及びD4274に記載のようにヒドロキシル(OH)基の滴定によって得ることができる。この量から、1アボガドロ数のOH基に必要とされるグラム(又は他の質量単位)数が得られる。数平均分子量は、Ewにポリオールの官能価を乗じることによって得られる。すなわち、官能価が2のポリオール(すなわち、ポリオール分子当りOH基2個)では、数平均分子量(mw)がewの2倍である。
【0046】
プレポリマーのNCO含有量は、ASTM法D2572に記載の滴定法によって得ることができる。
【0047】
本発明に従って調製した粗製反応生成物は大量の未反応HDIを含み、それを蒸留によって除去する。高真空、中温、及び短い滞留時間で効率的に操作できる任意の蒸留装置をこのようなステップで使用することができる。例えば、この目的でPope Scientific,Inc.;Artisan Industries,Inc.;GEA Canzler GmbH & Co.;Pfaudler−U.S.,Inc.;InCon Technologies,L.L.C.;Luwa Corp.;UIC Inc.;又はBuss−SMS GmbHなどの供給源によって市販されている撹拌式薄膜蒸留システムを使用することができる。約0.001〜約1トールというより低い動作真空度に達し得るので、内部コンデンサーを備えた連続装置が好ましい。
【0048】
約0.04トールの圧力及び約100℃〜約175℃の温度、好ましくは約0.02トール以下の圧力及び約150℃以下の温度で過剰HDIを取り除くことが実用的である。ポリウレタンプレポリマーの高温分解を最小限にすることの重要性は、英国特許第1,101,410号に記載されているが、そこでは、蒸留を減圧下で好ましくは蒸発温度175℃未満で実施することが推奨されている。米国特許第4,182,825号には、TDIプレポリマーに対する蒸発ジャケット温度150〜160℃の使用が記載されている。米国特許第5,703,193号では、ジャケット温度120℃が推奨されている。
【0049】
経験則としては、撹拌式薄膜蒸留装置を操作する場合、流出物に対するコンデンサー温度は、蒸発温度よりも少なくとも約100℃低いことが望ましい。コンデンサーはさらに、実質的にすべてのHDI蒸気を効率的に凝縮させるのに十分なほど冷たくなければならない。コンデンサー温度約20℃以下が好ましい。
【0050】
推奨される除去条件を遵守すると、残留物(プレポリマー)は、約2重量%未満の遊離HDI、好ましくは約0.5%未満の遊離HDI、最も好ましくは約0.1重量%未満の遊離HDIを含むことができ、その流出物は、不純物を含まない状態で抜き出し、室温で透明性を維持することができる。この流出物は、その後、さらにプレポリマーを生成するために再利用することができる。一般に、得られたプレポリマーは、低粘度、低HDIモノマーレベル及び高NCO含有量(好ましくはABA構造についての理論NCO含有量の80%以上)とすることができる。このプレポリマーは、様々な鎖延長剤によって穏和な処理温度で容易に鎖延長することができる。鎖延長剤は、例えば、水、脂肪族ジオール、芳香族ジアミン、又はそれらの混合物とすることができる。
【0051】
好ましい鎖延長剤の代表は、脂肪族ジオール及び芳香族ジアミンである。本発明で使用するのに適した脂肪族ジオールには、1,4−ブタンジオール(BDO)、ジ(ベータ−ヒドロキシエチル)エーテル(HER)、ジ(ベータ−ヒドロキシプロピル)エーテル(HPR)、ヒドロキノン−ビス−ヒドロキシエチルエーテル(HQEE)、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)など及びそれらの組合せがあるが、それだけには限定されない。本発明で使用するのに適した芳香族ジアミンには、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロアニリン)(MBCA)、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)(MDEA)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA、Albemarle Corporation製のEthacure(商標)100)、第3級ブチルトルエンジアミン(TBTDA)、ジメチルチオ−トルエンジアミン(Albemarle Corporation製のEthacure(商標)300)、トリメチレングリコールジ−p−アミノ−ベンゾエート(Uniroyal Chemical Company,Inc.製のVibracure(登録商標)A157又はAir Products and Chemicals製のVersalink 740M)、メチレンジアニリン(MDA)及びメチレンジアニリン−塩化ナトリウム複合体(Uniroyal Chemical Company,Inc.製のCaytur(登録商標)21及び31)があるが、それだけには限定されない。所望により、脂肪族トリオール及びテトロール、例えば、トリメチロールプロパン、並びにプロピレンオキシドの付加物、並びに/又は様々なグレードのVoranol(Dow Chemical)、Pluracol(BASF Corp.)及びQuadrol(BASF Corp.)など分子量が190〜500のエチレンオキシドを使用することもできる。
【0052】
最も好ましい鎖延長剤は、BDO、HQEE、MBCA、MDEA、トリメチレングリコールジ−p−アミノ−ベンゾエート、MCDEA、及びDETDAである。
【0053】
本発明のポリウレタンエラストマーは、当該技術分野で知られた方法により前述の鎖延長剤を用いて前述の低HDIモノマー含有量のプレポリマーを鎖延長することによって作製することができる。アミン又はジオール鎖延長剤とプレポリマーを一緒に混合して重合させるのが典型的である。重合における鎖延長温度は、通常約20℃〜約150℃の範囲である。そのようにして得た試験片を室温で約4週間熟成させてから、目的とする用途又は機械的特性についての標準試験にかける。
【0054】
工業用の注入成形操作では、プレポリマーと鎖延長剤を混合し、その混合物を泡立たせずに型に注ぐためには、少なくとも60秒の作業寿命(注ぎ寿命)が必要とされるのが典型的である。多くの場合、約5〜約10分間の作業寿命が好ましい。本発明の目的に対しては、作業寿命(注ぎ寿命)は、各成分を粘度が約15ポアズ以下、好ましくは約10ポアズ以下になる温度まで「予熱」した場合に、プレポリマーと鎖延長剤の混合物の粘度がブルックフィールド型粘度計で約200ポアズの粘度に達するまでの時間を意味すると理解すべきである。
【0055】
以下の非限定的な例は、本発明の例示である。
【実施例】
【0056】

例では以下の材料を使用した:
PTMEG 1000:mw=951、ew=476、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(官能価2.0)
Fomrez 66〜112:mw=998、ew=499、Crompton Corp.、ヘキサンジオールとアジピン酸のポリエステル(官能価2.0)(「PHAG 1000」)
デスモフェン2020E:mw=2004、ew=1002、Bayer Corp.、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(官能価2.0)(「PC 2000」)
Luxate 脂肪族イソシアネートHM、Lyondell Chemical Company、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」)
デスモジュールW、Bayer Corp.、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(「H12MDI」)
アジプレン(登録商標)LF 90:Crompton Corp.、本質的にPTMEGとTDIからなり、0.1%未満のTDIモノマーを含む、プレポリマー、NCO約3.8%
アジプレン(登録商標)LF 95:Crompton Corp.、本質的にPTMEGとTDIからなり、0.1%未満のTDIモノマーを含む、プレポリマー、NCO約6.1%
アジプレン(登録商標)LW 570:Crompton Corp.、本質的にPTMEGとH12MDIからなり、未反応H12MDIモノマー(10重量%)についてのモノマー除去ステップを行っていないプレポリマー
Lonzacure(登録商標)MCDEA:Lonza、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)
Lonzacure(登録商標)MDEA:Lonza、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)
MBCA:4,4’−メチレン−ビス(3−クロロアニリン)
1,4−ブタンジオール:BASF Corporation
Vibracure(登録商標)A250:Crompton Corp.、1,4−ブタンジオールと痕跡量の混合補助剤の混合物;
HQEE:ヒドロキノリン−ビス−ヒドロキシエチルエーテル(Arch Chemical)
Ethacure(商標)100、Albemarle Corporation、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」)
Ethacure(商標)300、Albemarle Corporation、ジメチルチオ−トルエンジアミン
Vibracure(登録商標)A157:Crompton Corp.、トリメチレングリコールジ−p−アミノ−ベンゾエート(「TMGDAB」)
トリメチロールプロパン:(Celanese Chemical Corporation)
【0057】
比較例A〜E
MCDEA硬化剤とプレポリマーからのエラストマーの調製
比較例A〜Eは、米国特許第6,046,297号の例O、P、R、S及び9からとっている。その教示は参照により本明細書の開示の一部とする。これらの例は、低ヒステリシスの製紙工業ロールなどの工業ロール、工業ホイール、及び工業タイヤの製造を対象としている。
【0058】
硬化エラストマーは、Lonzacure MCDEA硬化剤と以下のプレポリマーから調製した:
比較例A:アジプレン(登録商標)LF 90:本質的にPTMEGとTDIからなり、減圧蒸留による遊離TDIの除去によって0.1%未満のTDIモノマーを含むプレポリマー;NCO約3.8%。
比較例B:アジプレン(登録商標)LF 95:本質的にPTMEGとTDIからなり、減圧蒸留による遊離TDIの除去によって0.1%未満のTDIモノマーを含むプレポリマー;NCO約6.1%。
比較例C:アジプレン(登録商標)LW 570:本質的にPTMEGとH12MDIからなり、未反応H12MDIモノマー(10%)についてのモノマー除去ステップを行っていないプレポリマー:NCO約7.4%。
比較例D:低遊離H12MDIプレポリマー。10モルのH12MDIと1モルのPTMEGの反応生成物、650mw、をワイパー式薄膜蒸発装置で減圧蒸留することによって未反応H12MDIモノマーを除去したもの。NCO含有量6.7%。
比較例E:86重量部のアジプレンLF 90(比較例AのLFTDIプレポリマー)と14重量部の未反応H12MDIモノマーの物理的混合物。NCO含有量7.8%。
【0059】
これらのエラストマーの動的機械的特性は米国特許第6,046,297号に記載されているように測定し、その結果を以下の表Iに示した。
【0060】
以下の一般的なプレポリマー合成手順によって、本発明の低HDIモノマー含有量プレポリマーを調製した。
【0061】
例1
PTMEG 1000を用いたHDIプレポリマーの調製
窒素スイープ、撹拌機、温度計、加熱マントル、及び真空源を備えたバッチ反応フラスコに、最初に1680部のHDI、次いで952部のPTMEG 1000(952mw)を充填することによってプレポリマーを調製した。HDI対PTMEGのモル比(したがってNCO基対OH基の当量比)は、10:1であった。反応混合物を80℃の温度で6時間煮沸するとともに、同伴ガスを除去するために終了間際に1〜10トールの減圧にした。この粗製反応混合物のNCO含有量は、3時間目に28.4%に達し、6時間目にもそのままであった。
【0062】
次いで、粗製反応混合物をワイパー式薄膜蒸発装置によって処理して、未反応HDIモノマーを除去した。真空度は0.04トール以下であった。ジャケット温度は140℃であり、コンデンサー温度は5℃であった。
【0063】
取り出したプレポリマーは、0.1%未満の遊離HDIを含んでいた。そのNCO含有量は6.12%であり、純粋なABA構造(Bが952mwの場合に1288mw)のプレポリマーについての理論値6.53%の94%であった。実質的に純粋なHDIモノマーについて期待される通りに、流出物のNCO含有量は50%であった。
【0064】
例2
PHAG 1000を用いたHDIプレポリマーの調製
PTMEG 1000の代わりに1000mwのポリヘキサメチレンアジペートグリコールをポリオールとして用いて、例1の手順によってプレポリマーを調製した。このポリエステルポリオールは、Fomrez 66−112(Crompton Corp.)として市販されている。その特定のロットは449ewであり、官能価が2.0なので、998mwであった。リン酸を15ppmで加えた。
【0065】
得られたプレポリマーのNCO含有量は5.80%であり、純粋なABA構造(Bが998mwの場合に1166mw)のプレポリマーについての理論値6.30%の92%であった。また、得られたプレポリマーは、遊離HDI含有量0.14%を含んでいた。
【0066】
例3
ポリカーボネート2000を用いたHDIプレポリマーの調製
2000mwのポリヘキサメチレンカーボネートグリコールをポリオールとして用いて、例1の手順によってプレポリマーを調製した。このポリカーボネートポリオールは、デスモフェン2020E(Bayer Corp.)として入手可能である。その特定のロットは1002ewであり、官能価が2.0なので、2004mwであった。リン酸を15ppmで加えた。得られたプレポリマーのNCO含有量は3.84%であり、遊離HDI含有量0.08%を含んでいた。
【0067】
以下の一般的な合成手順に従って、本発明の低HDIモノマー含有量プレポリマーから形成したポリウレタンエラストマーを調製した。
【0068】
例4
HDI/PTMEGプレポリマーとMCDEAから調製したエラストマー
比較例A〜Eで使用した手順により、例1のHDIプレポリマーとLonzacure MCDEAを混合することによってエラストマーを調製した。すなわち、100重量部のプレポリマーを27重量部のMCDEA(プレポリマー中のイソシアネート基1個当りアミン基1個を与えるために必要なMCDEAの98%)と混合した。
【0069】
次いで、このエラストマーの動的機械的特性を測定した。測定の結果を以下の表Iに記載する。
【0070】
【表1】

【0071】
ひずみ1%及び振動数10Hzの条件下で、動的機械的特性をRheometrics製動的機械的分光計で測定した。測定した特性には、貯蔵弾性率、損失弾性率、及びタンジェントデルタが含まれていた。これらの特性から、比較力損も計算することができる。
【0072】
表Iの貯蔵弾性率G’は、ダイン/cmの単位で示されている。製紙工業ロール及び他の動的用途などの実際の応用において、30℃〜230℃、特に30℃〜150℃の範囲にわたってG’が一定のままであることが望ましい。G’がこの範囲で減少し過ぎると、動的サービスにある製品が発熱によって破損し得る。
【0073】
タンジェントデルタは、ヒステリシスを示す無次元数である。30℃〜200℃、特に30℃〜150℃の温度範囲全体にわたって、より低い値が典型的には望ましい。
【0074】
データが示すように、本発明の範囲内に含まれるエラストマー(例4)の動的機械的特性は、従来技術である比較例A〜E、芳香族TDIに基づくものの動的機械的特性よりも優れている。例えば、貯蔵弾性率(G’)は、30〜200℃の温度範囲全体にわたってあまり低下せず、その結果、その30℃における値の66%が200℃で保持されていた。また、タンジェントデルタはこの範囲全体にわたって低いままであった。これは、非常に望ましく全く予期されないことである。
【0075】
例5
HDI/PHAGプレポリマーとMCDEAから調製したエラストマー
比較例A〜Eで使用した手順により、例2のHDIプレポリマーとLonzacure MCDEAを混合することによってポリウレタンエラストマーを調製した。すなわち、100重量部のプレポリマーを26重量部のMCDEA(プレポリマー中のイソシアネート基1個当りアミン基1個を与えるために必要なMCDEAの98%)と混合した。
【0076】
例6
HDI/ポリカーボネートプレポリマーとMCDEAから調製したエラストマー
比較例A〜Eで使用した手順により、例3のHDIプレポリマーとLonzacure(登録商標)MCDEAを混合することによってポリウレタンエラストマーを調製した。すなわち、100重量部のプレポリマーを17重量部のMCDEA(プレポリマー中のイソシアネート基1個当りアミン基1個を与えるために必要なMCDEAの98%)と混合した。
【0077】
例4〜6で得られたエラストマーの物理的特性を以下の表IIにまとめて示す。
【0078】
【表2】

【0079】
例7〜12
HDI/PTMEGプレポリマーと様々な硬化剤から調製したエラストマー
例1のHDIプレポリマーを様々なジアミン及びジオール硬化剤と混合することによってエラストマーを調製した。ジアミンは、プレポリマー中のイソシアネート基1個当りアミン基1個を与えるために必要な重量の98%で使用した。ジオールは、プレポリマー中のイソシアネート基1個当りヒドロキシル基1個を与えるために必要な重量の95%で使用した。すべての場合において、エラストマーは127℃で24時間硬化させた。
【0080】
【表3】

【0081】
ポリウレタンエラストマーのゴルフボールカバーとしての試験
米国特許第5,334,673号に開示されているように、ポリウレタンは、バラタ被覆ボールの感触及び打球音を有し、切断抵抗がはるかに大きいため、ゴルフボールカバーの製造に有利である。さらに、ポリウレタンは、一般にバラタよりも弾性があり、良好な感触と良好な距離の両方をもつボールの作製が可能になる。弾性は、高さ1メートルから落下して平坦なエラストマー試料上で跳ね上がる鋼球の弾性反発パーセントとして測定することができる。この試料は、厚さが少なくとも0.5インチであり、ずれを防止するためにしっかりと固定してある。SURLYN(登録商標)などのイオノマーカバーは良好な弾性をもつが、より硬く、ポリウレタン及びバラタカバーの打球音及び感触を与えない。
【0082】
米国特許第5,908,358号に開示されているように、ポリウレタン配合物の別の有利な特徴は剪断抵抗である。剪断抵抗は、カバーの小片を引き剥がし得る鋭い溝があるクラブの衝撃によるカバーへの損傷の尺度となるものである。これに対して、切断抵抗は、アイアンの先端がカバーに直接食い込むミスヒットショットによるカバーへの損傷に対する抵抗力の尺度となるものである。ポリウレタン配合物の剪断抵抗は変えることができる。ポリウレタン配合物の剪断抵抗を改善するのに使用できるそのような一つの方法は、米国特許第5,908,358号に開示されている。
【0083】
米国特許第6,309,313号では、ゴルフボールカバーとしてのポリウレタン配合物の弾性及び溝剪断抵抗を評価する便利な方法が開示されており、その内容は参照により本明細書の記載の一部とする。
【0084】
例13
再生HDI流出物を用いたHDIプレポリマーの調製
新品のHDIの代わりに例1のHDI流出物を使用して、例1の手順によりプレポリマーを調製した。さらに、異なるバッチのPTMEG 1000を使用した。このバッチは988mwを有していた。
【0085】
取り出したプレポリマーのNCO含有量は5.70%であり、純粋なABA構造(Bが988mwの場合に1324mw)のプレポリマーについての理論値6.35%の90%であった。
【0086】
例14
HDIプレポリマーと1,4−ブタンジオールのエラストマーから作製したゴルフボール
例13のHDIプレポリマーと1,4−ブタンジオールを100/6.0の重量比で混合し、ヒドロキシル基対イソシアネート基の比98/100を得た。市販の白色顔料ペーストも、混合物中にプレポリマー100部当り2部で含めた。得られた混合物を脱気し、ゴルフボールの芯を含む型穴に注いで、標準サイズのゴルフボールを形成した。このゴルフボールを70℃で16時間硬化させた。
【0087】
例15
HDIプレポリマー及び1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンのエラストマーから作製したゴルフボール
純粋な1,4−ブタンジオールを1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンの重量基準で80/20の混合物に置換え、その混合物を例13のHDIプレポリマーと混合して、例14の手順によりゴルフボールを調製した。(注型ポリウレタンエラストマーを形成する場合、2つの成分のどちらも、ew45の混合物を形成するのに特に有利である)。プレポリマー/硬化剤の重量比は、100/6.0であり、ヒドロキシル基対イソシアネート基の比98/100を得た。得られた混合物を脱気し、ゴルフボールの芯を含む型穴に注いで、標準サイズのゴルフボールを形成した。このゴルフボールを70℃で16時間硬化させた。
【0088】
例14及び15のゴルフボールは、3種類の市販のゴルフボール:(1)熱可塑性ポリウレタンカバーを有するNike Tour Accuracy;(2)バラタカバーを有するStrata Professional Balata;及び(3)イオノマーカバーを有するNike Precision Distanceと一緒に試験した。すべてのボールをゴルフプロに鋭い溝があるピッチングウェッジで打たせ、その接触点に印を付けた。ボールの損傷を1から10段階で評価した。10の場合、接触点に傷跡がなく、そのボールは新しいボールと見分けがつかない。5は、接触点でカバーにかなりの損傷があるが、材料が失われていないボールを示す。1は、接触点でカバー材料が失われているボールを示す。3人の異なる観察者がボールを評価し、その評点を平均したところ以下のようであった:
例14: 7.3
例15: 6.7
Nike Tour Accuracy 5.0
Strata Professional Balata 4.9
Nike Precision Distance 1.0
【0089】
本発明のポリウレタンエラストマーを含む例14及び15のゴルフボールは、ウェザーオメーター中で5500ワットの紫外線曝露下にゴルフボールを36時間曝すことによって、それらの耐変色性についても試験した。この試験の結果から、ゴルフボールのポリウレタンエラストマーカバーは変色又は退色しなかったことが示された。
【0090】
本発明のポリウレタンエラストマーを含む例14及び15のゴルフボールは、エラストマー上に鋼球を落とし、弾性反発の高さを測定することによって、弾性についても試験した。この試験では、落高の少なくとも50%の回復が良好と考えられる。2種のエラストマーはそれぞれ70%の弾性を示した。
【0091】
本発明を構成する原理から逸脱することなく作製できる多くの修正形態及び変更形態を考慮し、本発明に与えられる保護の範囲を理解するためには、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)溶媒を使用しないで、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート及び炭化水素ポリオールからなる群より選択される1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIを反応させる工程;及び
b)複数の撹拌式薄膜蒸発装置中で連続して反応生成物を減圧下で蒸留する工程
を含む、残余1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートモノマー(HDI)が2重量%未満のポリウレタンプレポリマーを調製するための方法。
【請求項2】
未反応HDIのレベルを0.5重量%未満に低減した、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリオールが、アジピン酸のポリエステル、エチレンオキシドのポリエーテル、プロピレンオキシド又はテトラヒドロフラン、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、炭化水素ポリオール及びそれらの混合物からなる群より選択され、前記ポリオールの分子量が100〜12,000であり、官能価が1.9〜2.3である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記蒸留ステップが、連続した少なくとも3段階の撹拌式薄膜真空蒸発器蒸留段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
2重量%未満の未反応HDIモノマーを含むポリウレタンプレポリマーであって、当該プレポリマーはポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート及び炭化水素ポリオールからなる群より選択される1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーのNCO:OH比2:1〜30:1の範囲で、溶媒を使用しないで調製した反応生成物を含み、その未反応HDIジイソシアネートモノマーは前記反応生成物を複数の撹拌式薄膜蒸発装置中で連続して減圧下で蒸留することを含む方法によって除去されている、上記ポリウレタンプレポリマー。
【請求項6】
0.5重量%未満の未反応HDIモノマーを含む、請求項5に記載のポリウレタンプレポリマー。
【請求項7】
2重量%未満の未反応HDIモノマーを含み、NCO含有量が純粋なABA構造についての理論NCO含有量の70%よりも高い、請求項5に記載のポリウレタンプレポリマー。
【請求項8】
0.1重量%未満の未反応HDIモノマーを含み、NCO含有量が純粋なABA構造についての理論NCO含有量の80%よりも高い、請求項5に記載のポリウレタンプレポリマー。
【請求項9】
前記ポリオール成分が、官能価が1.9〜2.3のポリオールである、請求項5に記載のポリウレタンプレポリマー。
【請求項10】
前記ポリオールが、アジピン酸のポリエステル、エチレンオキシドのポリエーテル、プロピレンオキシド又はテトラヒドロフラン、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、炭化水素ポリオール及びそれらの混合物からなる群より選択され、そのポリオールの分子量は100〜12,000であり、官能価は1.9〜2.3である、請求項5に記載のポリウレタンプレポリマー。
【請求項11】
2重量%以下の遊離HDIを含み、純粋なABA構造についての理論NCO含有量の少なくとも70%を有する、溶媒を使用しないで調製したHDI末端ポリウレタンプレポリマー。
【請求項12】
(a)2重量%以下の遊離HDIを含み、純粋なABA構造についての理論NCO含有量の少なくとも70%を有する、溶媒を使用しないで調製したHDI末端プレポリマー、及び
(b)1種又は複数のヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤
の反応生成物を含み、その鎖延長剤対プレポリマーの当量比が0.7:1〜1.2:1の範囲である、ポリウレタンエラストマー。
【請求項13】
前記HDI末端プレポリマーが、0.5重量%未満の未反応HDIモノマーを含む、請求項12に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項14】
前記ポリオールが、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、炭化水素ポリオール及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項12に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項15】
前記ポリオールが、アジピン酸のポリエステル、エチレンオキシドのポリエーテル、プロピレンオキシド又はテトラヒドロフラン、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、炭化水素ポリオール及びそれらの混合物からなる群より選択され、前記ポリオールの分子量が100〜12,000であり、官能価が1.9〜2.3である、請求項12に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項16】
前記鎖延長剤が、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ヒドロキノン−ビス−ヒドロキシエチルエーテル、レゾルシノールジ(ベータ−ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルシノールジ(ベータ−ヒドロキシプロピル)エーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、脂肪族トリオール、脂肪族テトロール、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、ジエチルトルエンジアミン、第3級ブチルトルエンジアミン、ジメチルチオ−トルエンジアミン、トリメチレングリコールジ−p−アミノ−ベンゾエート、メチレンジアニリン、メチレンジアニリン−塩化ナトリウム複合体及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項12に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項17】
芯及びカバーを含むゴルフボールであって、そのカバーがポリウレタンエラストマーを含み、そのポリウレタンエラストマーが
(a)ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート及び炭化水素ポリオールからなる群より選択される1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーの反応生成物を含む、溶媒を使用しないで調製したHDI末端プレポリマーであって、未反応HDIジイソシアネートモノマーが2重量%未満まで除去されているもの、及び
(b)少なくとも1種のヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤
の反応生成物を含む、ゴルフボール。
【請求項18】
芯及びポリウレタンカバーを含むホイールであって、そのカバーが、
(a)ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート及び炭化水素ポリオールからなる群より選択される1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーの反応生成物を含む、溶媒を使用しないで調製したHDI末端プレポリマーであって、未反応HDIジイソシアネートモノマーが2重量%未満まで除去されているもの、及び
(b)少なくとも1種のヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤
の反応生成物を含む、上記ホイール。
【請求項19】
芯及びポリウレタンカバーを含むロールであって、そのカバーが、
(a)ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート及び炭化水素ポリオールからなる群より選択される1種又は複数のポリオールと化学量論的に過剰なHDIジイソシアネートモノマーの反応生成物を含む、溶媒を使用しないで調製したHDI末端プレポリマーであって、未反応HDIジイソシアネートモノマーが2重量%未満まで除去されているもの、及び
(b)少なくとも1種のヒドロキシ又はアミン官能基鎖延長剤
の反応生成物を含む、上記ロール。

【公開番号】特開2008−195955(P2008−195955A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94639(P2008−94639)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【分割の表示】特願2003−587860(P2003−587860)の分割
【原出願日】平成15年4月8日(2003.4.8)
【出願人】(505365356)ケムチュア コーポレイション (50)
【Fターム(参考)】