運動変換機構及びそれを備えた車両用ワイパ装置
【課題】 従来のように連結板を設ける必要なしに揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を維持できるようにすることで、運動変換機構の構造を簡素化する。
【解決手段】 モータ出力軸Msの回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構であって、ハウジングケース1に対し回転自在に支持され、モータ出力軸の外周部のウォームMgと噛合する歯部2gを有するとともに、回転中心から所定量離間した部位に第1突起体2pを備えたウォームホイール2と、第1突起体と係合する第1係合部3kを有しウォームホイールの回転で往復動作する揺動ギヤ3と、該揺動ギヤのラック歯部3gと噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車4とを備え、揺動ギヤに第2突起体3pが、ハウジングケースに第2係合部1kが、それぞれ設けられており、第2突起体と第2係合部とが互いにガイドしながら係合することで揺動ギヤが往復揺動動作を行う。
【解決手段】 モータ出力軸Msの回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構であって、ハウジングケース1に対し回転自在に支持され、モータ出力軸の外周部のウォームMgと噛合する歯部2gを有するとともに、回転中心から所定量離間した部位に第1突起体2pを備えたウォームホイール2と、第1突起体と係合する第1係合部3kを有しウォームホイールの回転で往復動作する揺動ギヤ3と、該揺動ギヤのラック歯部3gと噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車4とを備え、揺動ギヤに第2突起体3pが、ハウジングケースに第2係合部1kが、それぞれ設けられており、第2突起体と第2係合部とが互いにガイドしながら係合することで揺動ギヤが往復揺動動作を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構、及びかかる運動変換機構を備えた車両用ワイパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、車両のウインドウガラスを払拭するための車両用ワイパ装置では、ウインドウガラスを払拭する払拭部材をワイパアームで支持し、このワイパアームをモータ駆動の駆動装置で往復揺動させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、ワイパ装置に組み込まれる駆動装置では、モータ出力軸の回転動作をワイパ駆動装置内の所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構が必要である。
【0003】
前記特許文献1に開示されたワイパ装置では、モータ出力軸の外周部に形成されたウォームと噛み合うウォームホイール、クランクアーム、セクタギヤ及びワイパアームに結合されたピニオンギヤをハウジングケース内に備え、更に、揺動動作を行うセクタギヤ(揺動ギヤ)とピニオンギヤとを連結する合成樹脂製の連結板が設けられており、この連結板の最先端部が、ハウジングケースの内側面の一部で形成される支持壁に摺接するように構成されている。
【0004】
この従来の構成によれば、ピニオンギヤに大きな外部負荷が加わり揺動ギヤに対してその噛み合いを外すような力が発生すると、この力は連結板に掛かることとなるが、連結板は前記支持壁に摺接しているので、この連結板に掛かる力は、連結板が単独で受け止めるのではなく、連結板と支持壁とで協働して力を受け止めるようにできる。その結果、連結板の強度・剛性を従前のように高く保つ必要がなくなり、モータ装置の小型軽量化を図ることができる、とされている。
【特許文献1】特開2000−310309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来技術においても、揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を確実に維持するために、やはり連結板が必要であり、運動変換機構の構造、ひいてはワイパ装置の駆動系の構造を簡素化する上では、これが1つのネックになっていた。
【0006】
そこで、この発明は、従来のように連結板を設ける必要なしに揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を維持できるようにすることで、運動変換機構の構造を簡素化することを、基本的な目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本願発明に係る運動変換機構は、モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構であって、モータ出力軸の外周部に形成されたウォームと、ハウジングケースに対し回転自在に支持され、前記ウォームと噛合する歯部を有するとともに、回転中心から所定量離間した部位に第1突起体が設けられたウォームホイールと、前記第1突起体と係合する第1係合部を有し、前記ウォームホイールの回転によって往復動作する往復動作部材と、該往復動作部材に設けられたラック歯部と噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車とを備え、前記ハウジングケース及び前記往復動作部材の何れか一方に第2突起体が設けられるとともに何れか他方に該第2突起体と係合する第2係合部が設けられており、前記第2突起体と前記第2係合部とが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材が往復動作を行うことを特徴としたものである。
【0008】
この場合において、前記往復動作部材は、前記ラック歯部を有し略直線状に延びるギヤ本体部と、前記第1係合部を有し略直線状に延びる係合本体部とを備え、前記ギヤ本体部と前記係合本体部とは、略直角に交わるように連結されており、前記第1係合部が溝状に形成されるとともに、前記第1突起体は、前記溝状の第1係合部に摺動自在にガイドされるピン状に形成されていることが好ましい。
【0009】
また、この場合において、前記係合本体部と前記ギヤ本体部とが略T字状をなしていることがより好ましい。
【0010】
また、本願発明に係る車両用ワイパ装置は、車両のウインドウガラスを払拭する払拭部材と、該払拭部材を支持するワイパアームと、該ワイパアームを駆動するモータを有する駆動装置とを備えた車両用ワイパ装置であって、前記駆動装置は、請求項1〜3の何れか一に記載の運動変換機構を備えており、前記ピニオン歯車が前記ワイパアームに結合されていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本願発明にかかる運動変換機構によれば、ウォームホイールの第1突起体と係合する第1係合部を有してウォームホイールの回転によって往復動作する往復動作部材は、ハウジングケース及び往復動作部材の何れか一方に設けられた第2突起体と何れか他方に設けられた第2係合部とが互いにガイドしながら係合することにより、往復動作を行うので、この往復動作部材に設けられたラック歯部は、従来のように連結板を設ける必要なしに、ピニオン歯車との噛み合い状態を確実に維持することができる。
従って、従来に比して部品点数を削減することができ、これにより、運動変換機構の構造の簡素化を図り、また、組立工数も少なくすることができ、製造コストの低減に寄与することができる。
【0012】
この場合において、好ましくは、往復動作部材が、前記ラック歯部を有し略直線状に延びるギヤ本体部と前記第1係合部を有し略直線状に延びる係合本体部とを備え、ギヤ本体部と係合本体部とを略直角に交わるように連結するとともに、第1係合部を溝状に形成し、第1突起体をピン状に形成して前記溝状の第1係合部に摺動自在にガイドされるようにすることで、往復動作部材の往復動作をよりスムースかつ低騒音で行えるようにすることができる。
【0013】
また、この場合において、より好ましくは、往復動作部材の係合本体部とギヤ本体部とが略T字状をなすように構成することで、往復動作部材のバランスが良くなり、よりスムースな往復動作が得られる。また、ピニオン歯車周辺のレイアウト性が向上し、設計自由度を高めることができる。
【0014】
また、本願発明に係る車両用ワイパ装置によれば、ワイパアームを駆動するモータを有する駆動装置は、以上に述べた運動変換機構を備えることにより、該ピニオン歯車に結合されたワイパアームの往復動作でウインドウガラスを払拭するに際して、以上に述べた場合と同様の作用効果を奏することができる。これにより、ワイパ装置の構造を簡素化して、その小型軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の運動変換機構の実施形態について、車両用ワイパ装置の駆動系に適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る駆動装置は、所要の駆動要素を収容するハウジングケース1を備え、このハウジングケース1の外部近傍には、ハウジングケース1内の駆動要素に動力を付与する電動モータMが固定されている。この電動モータMの出力軸Msの外周部には、ウォームMgが形成されている。
【0017】
前記ハウジングケース1内には、枢支軸2sを介してハウジングケース1に対し回転自在に支持され、前記ウォームMgと噛合する歯部2gを有するウォームホイール2が配設されている。このウォームホイール2には、その回転中心(枢支軸2sの中心)から所定量離間した部位にピン状の突起体2p(第1突起体)が一体的に設けられている。
【0018】
また、ハウジングケース1内には、前記第1突起体2pと係合する係合部3k(第1係合部)を有し、前記ウォームホイール2の回転によって往復動作する往復動作部材としての揺動ギヤ3が配設されている。前記第1係合部3kは、具体的には、ピン状の第1突起体2pを挿入させる挿入穴を備えて構成されている。
この揺動ギヤ3にはラック歯部3gが形成されており、このラック歯部3gと噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車4が、揺動ギヤ3の近傍に配設されている。
【0019】
このピニオン歯車4は、歯車軸4sを介してハウジングケース1に対し回転自在に支持されており、前記歯車軸4sに、車両のウインドウガラス(不図示)を払拭する払拭部材(不図示)を支持するワイパアームWが結合されている。
従って、ピニオン歯車4が往復回動動作を行うことで、ワイパアームWが往復回動動作を行い、払拭部材(不図示)により車両のウインドウガラス(不図示)が払拭される。
【0020】
本実施形態では、揺動ギヤ3に、図における裏面側に突出するピン状の突起体3p(第2突起体)が一体的に設けられるとともに、ハウジングケース1には、この第2突起体3pと係合する係合部1k(第2係合部)が設けられている。この第2係合部1kは、具体的には、ピン状の前記第2突起体3pを摺動自在にガイドする凹状のガイド溝部として構成されている。
そして、ウォームホイール2が回転した際には、第2突起体3pと第2係合部1kとが互いにガイドしながら係合することにより、前記揺動ギヤ3が所定の軌跡に沿って往復揺動動作を行うようになっている。
【0021】
図1は、ワイパアームWが中立位置から図における左方に傾斜した左傾斜位置にある状態を示しており、この状態から、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール2の第1突起体2pが(つまり、揺動ギヤ3の第1係合部3kが)矢印A1方向に回転し、これに伴う揺動ギヤ3の揺動動作により、ラック歯部3gが矢印A2方向に揺動する。このとき、揺動ギヤ3の第2突起体3pとハウジングケース1の第2係合部1k(凹状ガイド溝)とが互いにガイドしながら係合していることにより、揺動ギヤ3は所定の軌跡に沿って揺動動作を行う。
【0022】
そして、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール2の第1突起体2pが矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、図2に示す中立位置(第1中立位置)を経て、図3に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に至る。更に、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール2の第1突起体2pが矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、反転して図4に示す中立位置(第2中立位置)を経て、図1に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に戻る。モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車4の往復回動動作に変換され、以上のような図1から図4の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0023】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ウォームホイール2の第1突起体2pと係合する第1係合部3kを有してウォームホイール2の回転によって往復揺動動作する揺動ギヤ3は、当該揺動ギヤ3に設けられた第2突起体3pとハウジングケース1第2係合部1k(凹状ガイド溝部)とが互いにガイドしながら係合することにより、往復揺動動作を行うので、この揺動ギヤ3に設けられたラック歯部3gは、従来のように連結板を設ける必要なしに、ピニオン歯車4との噛み合い状態を確実に維持することができる。
【0024】
従って、従来に比して部品点数を削減することができ、これにより、モータ出力軸Msの回転動作をピニオン歯車4の往復回動動作に変換する運動変換機構の構造を簡素化することができ、また、組立工数も少なくすることができ、製造コストの低減に寄与することができる。この結果、ピニオン歯車4に結合されたワイパアームWの往復動作でウインドウガラス(不図示)を払拭するワイパ装置について、その構造を簡素化して小型軽量化を図ることができるのである。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述の第1実施形態では、揺動ギヤ3にピン状の第2突起体3pを設け、ハウジングケース1に、第2突起体3pと係合する凹状溝部でなる第2係合部1kを設けたものであったが、この第2実施形態は、ハウジングケースに第2突起体を設け、揺動ギヤに第2係合部を設けるようにしたものである。
尚、以下の説明において、上記第1実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
【0026】
図5〜図8は、本発明の第2実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態では、ハウジングケース11にピン状の第2突起体11pが一体的に設けられており、揺動ギヤ13に、第2突起体11pを係合させる第2係合部13k2が設けられている。この第2係合部13k2は、具体的には、ピン状の前記第2突起体11pを挿通させて摺動自在にガイドするガイドスロット部として構成されている。
そして、ウォームホイール2が回転した際には、第2突起体11pと第2係合部13k2とが互いにガイドしながら係合することにより、前記揺動ギヤ13が所定の軌跡に沿って往復揺動動作を行い、これに伴って、揺動ギヤ13のラック歯部13gと噛み合うピニオン歯車14が往復回動動作を行うようになっている。
【0027】
尚、モータ出力軸MsのウォームMgと噛合する歯部12gを有するウォームホイール12が、枢支軸12sを介してハウジングケース11に対し回転自在に支持される点、このウォームホイール12に、その回転中心(枢支軸12sの中心)から所定量離間した部位にピン状の第1突起体12pが一体的に設けられている点、揺動ギヤ13が第1突起体12pと係合する第1係合部13k1を有する点、ピニオン歯車14が歯車軸14sを介してハウジングケース11に対し回転自在に支持されている点などについては、前述の第1実施形態と同様である。
【0028】
図5に示すように、ワイパアームWが中立位置から図における左方に傾斜した左傾斜位置にある状態から、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール12の第1突起体12pが矢印A1方向に回転し、これに伴って揺動ギヤ13のラック歯部13gが矢印A2方向に移動する。このとき、揺動ギヤ13の第2係合部13k2とハウジングケース11の第2突起体11pとが互いにガイドしながら係合していることにより、揺動ギヤ13は所定の軌跡に沿って揺動動作を行う。
【0029】
そして、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール12の第1突起体12pが矢印A1方向に回転し続けることにより、揺動ギヤ13は矢印A2方向に移動し、ワイパアームWは、図6に示す中立位置(第1中立位置)を経て、図7に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に至る。更に、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール12が矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、反転して図8に示す中立位置(第2中立位置)を経て、図5に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に戻る。モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車14の往復回動動作に変換され、以上のような図5から図8の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0030】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図9〜図12は、本発明の第3実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、この第3実施形態では、ウォームホイール22の回転によって往復動作する往復動作部材23は、ピニオン歯車24と噛み合うラック歯部23gを有し略直線状に延びるギヤ本体部23Hと、ウォームホイール22の第1突起体22pと係合する第1係合部23kを有し略直線状に延びる係合本体部23Jとを備えており、これらギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとは、略直角に交わるように連結されている。
【0031】
具体的には、ギヤ本体部23Hの図における左端と係合本体部23Jの上端とが略直角に交わるように連結されており、ギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとは、正面視で略L字形を形成している。
そして、係合本体部23Jの第1係合部23kが溝状に形成されるとともに、ウォームホイール22の第1突起体22pは、前記溝状の第1係合部23kに摺動自在にガイドされるピン状に形成されている。
【0032】
往復動作部材23のギヤ本体部23Hには、図における裏面側に突出する一対のピン状の突起体23p(第2突起体)が一体的に設けられるとともに、ハウジングケース21には、これら第2突起体23pと係合する係合部21k(第2係合部)が設けられている。この第2係合部21kは、具体的には、ピン状の前記一対の第2突起体23pを摺動自在にガイドする凹状の直線ガイド溝部として構成されている。
そして、ウォームホイール22が回転した際には、第2突起体23pと第2係合部21kとが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材23が第2係合部21kの直線軌跡に沿って往復動作を行うようになっている。
【0033】
尚、モータ出力軸MsのウォームMgと噛合する歯部22gを有するウォームホイール22が、枢支軸22sを介してハウジングケース21に対し回転自在に支持される点、このウォームホイール22に、その回転中心(枢支軸22sの中心)から所定量離間した部位にピン状の第1突起体22pが一体的に設けられている点、往復動作部材23が第1突起体22pと係合する第1係合部23kを有する点、ピニオン歯車24が歯車軸24sを介してハウジングケース21に対し回転自在に支持されている点などについては、前述の実施形態と同様である。
【0034】
図9に示すように、ワイパアームWが中立位置から図における左方に傾斜した左傾斜位置にある状態から、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール22の第1突起体22pが矢印A1方向に回転し、これに伴って往復動作部材23のラック歯部23gが移動する。このとき、往復動作部材23の第2突起体23pとハウジングケース21の第2係合部21kとが互いにガイドしながら係合していることにより、往復動作部材23は第2係合部21kの直線軌跡に沿って往復動作を行う。
【0035】
そして、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール22の第1突起体22pが矢印A1方向に回転し続けることにより、往復動作部材23は第2係合部21kの直線軌跡に沿って移動し、ワイパアームWは、図10に示す中立位置(第1中立位置)を経て、図11に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に至る。更に、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール22が矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、反転して図12に示す中立位置(第2中立位置)を経て、図9に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に戻る。モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車24の往復回動動作に変換され、以上のような図9から図12の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0036】
本実施形態によれば、前述の各実施形態と同様の作用効果を奏することができる上、往復動作部材23が、ラック歯部23gを有し略直線状に延びるギヤ本体部23Hと第1係合部23kを有し略直線状に延びる係合本体部23Jとを備え、ギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとを略直角に交わるように連結するとともに、第1係合部23kを溝状に形成し、第1突起体22pをピン状に形成して前記溝状の第1係合部23kに摺動自在にガイドされるようにすることで、往復動作部材23の往復動作をよりスムーズかつ低騒音で行えるようにすることができる。
【0037】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
前述の第3実施形態では、往復動作部材23のギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとが、正面視で略L字形を形成するように構成したものであったが、この第4実施形態は、ギヤ本体部と係合本体部とが正面視で略T字形を形成するように構成したものである。
尚、この第4実施形態の説明において、上記第3実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
【0038】
図13〜図16は、本発明の第4実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態では、往復動作部材33のギヤ本体部33Hと係合本体部33Jとが正面視で略T字形を形成するように構成され、一対のピン状の第2突起体33pはギヤ本体部33Hの両端部近傍に設けられている。従って、第1係合部33kは、ラック歯部33gの略中央において該ラック歯部33gに対して略直角に延びている。
【0039】
また、ピニオン歯車24は、ハウジングケース31の第2係合部31kの略中央の上方に位置している。尚、この第2係合部31kは、第3実施形態における場合と同様に、具体的には、ピン状の前記一対の第2突起体33pを摺動自在にガイドする凹状の直線ガイド溝部として構成されている。
そして、モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車24の往復回動動作に変換され、図13から図16の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0040】
本実施形態によれば、往復動作部材33のギヤ本体部33Hと係合本体部33Jとが正面視で略T字形を形成するように構成することで、往復動作部材のバランスが良くなり、よりスムースな往復動作が得られる。また、ピニオン歯車24の周辺のレイアウト性が向上し、設計自由度を高めることができるのである。
【0041】
尚、第3及び第4実施形態では、往復動作部材23,33のギヤ本体部23H,33Hに、各図における裏面側に突出する一対のピン状の第2突起体23p,33pが一体的に設けられるとともに、ハウジングケース21,31に、これら第2突起体23p,33pと係合する第2係合部21k,31kが設けられており、この第2係合部21k,31kは、具体的には、ピン状の前記一対の第2突起体23p,33pを摺動自在にガイドする凹状の直線ガイド溝部として構成されていたが、この代わりに、ハウジングケースに第2突起体を設け、往復動作部材のギヤ本体部に第2係合部を設けるようにしても良い。
【0042】
図17は第4実施形態の変形例に係る駆動装置の構造を概略的に示す正面説明図である。この変形例では、ハウジングケース31に、レール状の第2突起体31rが一体的に設けられる一方、往復動作部材33のギヤ本体部33Hに、前記レール状の第2突起体31rを摺動自在にガイドするガイド溝状の第2係合部33mが設けられている。
そして、ウォームホイール22が回転した際には、第2突起体31rと第2係合部33mとが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材33が第2突起体31r及び第2係合部33mの直線軌跡に沿って往復動作を行うようになっている。
【0043】
尚、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構、及びかかる運動変換機構を備えた車両用ワイパ装置に関するものであり、従来のように連結板を設ける必要なしに揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を維持できるようにすることで、運動変換機構の構造を簡素化することができ、例えば、普通乗用車などの自動車のワイパ装置、及びかかるワイパ装置に組み込まれる運動変換機構として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図2】第1実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図3】第1実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図4】第1実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図6】第2実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図7】第2実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図8】第2実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図10】第3実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図11】第3実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図12】第3実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図14】第4実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図15】第4実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図16】第4実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図17】前記第4実施形態の変形例に係る駆動装置の構造を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1,11,21,31 ハウジングケース
1k,13k2,21k,31k,33m 第2係合部
2,12,22 ウォームホイール
2g,12g,22g (ウォームホイールの)歯部
2p,12p,22p (ウォームホイールの)第1突起体
3,13 揺動ギヤ
3g,13g (揺動ギヤの)ラック歯部
3k,13k (揺動ギヤの)第1係合部
3p,11p,23p,33p,31r 第2突起体
4,14,24 ピニオン歯車
23,33 往復動作部材
23H,33H (往復動作部材の)ギヤ本体部
23J,33J (往復動作部材の)係合本体部
M 電動モータ
Mg (モータ出力軸の)ウォーム
Ms モータ出力軸
W ワイパアーム
【技術分野】
【0001】
この発明は、モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構、及びかかる運動変換機構を備えた車両用ワイパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、車両のウインドウガラスを払拭するための車両用ワイパ装置では、ウインドウガラスを払拭する払拭部材をワイパアームで支持し、このワイパアームをモータ駆動の駆動装置で往復揺動させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、ワイパ装置に組み込まれる駆動装置では、モータ出力軸の回転動作をワイパ駆動装置内の所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構が必要である。
【0003】
前記特許文献1に開示されたワイパ装置では、モータ出力軸の外周部に形成されたウォームと噛み合うウォームホイール、クランクアーム、セクタギヤ及びワイパアームに結合されたピニオンギヤをハウジングケース内に備え、更に、揺動動作を行うセクタギヤ(揺動ギヤ)とピニオンギヤとを連結する合成樹脂製の連結板が設けられており、この連結板の最先端部が、ハウジングケースの内側面の一部で形成される支持壁に摺接するように構成されている。
【0004】
この従来の構成によれば、ピニオンギヤに大きな外部負荷が加わり揺動ギヤに対してその噛み合いを外すような力が発生すると、この力は連結板に掛かることとなるが、連結板は前記支持壁に摺接しているので、この連結板に掛かる力は、連結板が単独で受け止めるのではなく、連結板と支持壁とで協働して力を受け止めるようにできる。その結果、連結板の強度・剛性を従前のように高く保つ必要がなくなり、モータ装置の小型軽量化を図ることができる、とされている。
【特許文献1】特開2000−310309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来技術においても、揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を確実に維持するために、やはり連結板が必要であり、運動変換機構の構造、ひいてはワイパ装置の駆動系の構造を簡素化する上では、これが1つのネックになっていた。
【0006】
そこで、この発明は、従来のように連結板を設ける必要なしに揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を維持できるようにすることで、運動変換機構の構造を簡素化することを、基本的な目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本願発明に係る運動変換機構は、モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構であって、モータ出力軸の外周部に形成されたウォームと、ハウジングケースに対し回転自在に支持され、前記ウォームと噛合する歯部を有するとともに、回転中心から所定量離間した部位に第1突起体が設けられたウォームホイールと、前記第1突起体と係合する第1係合部を有し、前記ウォームホイールの回転によって往復動作する往復動作部材と、該往復動作部材に設けられたラック歯部と噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車とを備え、前記ハウジングケース及び前記往復動作部材の何れか一方に第2突起体が設けられるとともに何れか他方に該第2突起体と係合する第2係合部が設けられており、前記第2突起体と前記第2係合部とが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材が往復動作を行うことを特徴としたものである。
【0008】
この場合において、前記往復動作部材は、前記ラック歯部を有し略直線状に延びるギヤ本体部と、前記第1係合部を有し略直線状に延びる係合本体部とを備え、前記ギヤ本体部と前記係合本体部とは、略直角に交わるように連結されており、前記第1係合部が溝状に形成されるとともに、前記第1突起体は、前記溝状の第1係合部に摺動自在にガイドされるピン状に形成されていることが好ましい。
【0009】
また、この場合において、前記係合本体部と前記ギヤ本体部とが略T字状をなしていることがより好ましい。
【0010】
また、本願発明に係る車両用ワイパ装置は、車両のウインドウガラスを払拭する払拭部材と、該払拭部材を支持するワイパアームと、該ワイパアームを駆動するモータを有する駆動装置とを備えた車両用ワイパ装置であって、前記駆動装置は、請求項1〜3の何れか一に記載の運動変換機構を備えており、前記ピニオン歯車が前記ワイパアームに結合されていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本願発明にかかる運動変換機構によれば、ウォームホイールの第1突起体と係合する第1係合部を有してウォームホイールの回転によって往復動作する往復動作部材は、ハウジングケース及び往復動作部材の何れか一方に設けられた第2突起体と何れか他方に設けられた第2係合部とが互いにガイドしながら係合することにより、往復動作を行うので、この往復動作部材に設けられたラック歯部は、従来のように連結板を設ける必要なしに、ピニオン歯車との噛み合い状態を確実に維持することができる。
従って、従来に比して部品点数を削減することができ、これにより、運動変換機構の構造の簡素化を図り、また、組立工数も少なくすることができ、製造コストの低減に寄与することができる。
【0012】
この場合において、好ましくは、往復動作部材が、前記ラック歯部を有し略直線状に延びるギヤ本体部と前記第1係合部を有し略直線状に延びる係合本体部とを備え、ギヤ本体部と係合本体部とを略直角に交わるように連結するとともに、第1係合部を溝状に形成し、第1突起体をピン状に形成して前記溝状の第1係合部に摺動自在にガイドされるようにすることで、往復動作部材の往復動作をよりスムースかつ低騒音で行えるようにすることができる。
【0013】
また、この場合において、より好ましくは、往復動作部材の係合本体部とギヤ本体部とが略T字状をなすように構成することで、往復動作部材のバランスが良くなり、よりスムースな往復動作が得られる。また、ピニオン歯車周辺のレイアウト性が向上し、設計自由度を高めることができる。
【0014】
また、本願発明に係る車両用ワイパ装置によれば、ワイパアームを駆動するモータを有する駆動装置は、以上に述べた運動変換機構を備えることにより、該ピニオン歯車に結合されたワイパアームの往復動作でウインドウガラスを払拭するに際して、以上に述べた場合と同様の作用効果を奏することができる。これにより、ワイパ装置の構造を簡素化して、その小型軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の運動変換機構の実施形態について、車両用ワイパ装置の駆動系に適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る駆動装置は、所要の駆動要素を収容するハウジングケース1を備え、このハウジングケース1の外部近傍には、ハウジングケース1内の駆動要素に動力を付与する電動モータMが固定されている。この電動モータMの出力軸Msの外周部には、ウォームMgが形成されている。
【0017】
前記ハウジングケース1内には、枢支軸2sを介してハウジングケース1に対し回転自在に支持され、前記ウォームMgと噛合する歯部2gを有するウォームホイール2が配設されている。このウォームホイール2には、その回転中心(枢支軸2sの中心)から所定量離間した部位にピン状の突起体2p(第1突起体)が一体的に設けられている。
【0018】
また、ハウジングケース1内には、前記第1突起体2pと係合する係合部3k(第1係合部)を有し、前記ウォームホイール2の回転によって往復動作する往復動作部材としての揺動ギヤ3が配設されている。前記第1係合部3kは、具体的には、ピン状の第1突起体2pを挿入させる挿入穴を備えて構成されている。
この揺動ギヤ3にはラック歯部3gが形成されており、このラック歯部3gと噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車4が、揺動ギヤ3の近傍に配設されている。
【0019】
このピニオン歯車4は、歯車軸4sを介してハウジングケース1に対し回転自在に支持されており、前記歯車軸4sに、車両のウインドウガラス(不図示)を払拭する払拭部材(不図示)を支持するワイパアームWが結合されている。
従って、ピニオン歯車4が往復回動動作を行うことで、ワイパアームWが往復回動動作を行い、払拭部材(不図示)により車両のウインドウガラス(不図示)が払拭される。
【0020】
本実施形態では、揺動ギヤ3に、図における裏面側に突出するピン状の突起体3p(第2突起体)が一体的に設けられるとともに、ハウジングケース1には、この第2突起体3pと係合する係合部1k(第2係合部)が設けられている。この第2係合部1kは、具体的には、ピン状の前記第2突起体3pを摺動自在にガイドする凹状のガイド溝部として構成されている。
そして、ウォームホイール2が回転した際には、第2突起体3pと第2係合部1kとが互いにガイドしながら係合することにより、前記揺動ギヤ3が所定の軌跡に沿って往復揺動動作を行うようになっている。
【0021】
図1は、ワイパアームWが中立位置から図における左方に傾斜した左傾斜位置にある状態を示しており、この状態から、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール2の第1突起体2pが(つまり、揺動ギヤ3の第1係合部3kが)矢印A1方向に回転し、これに伴う揺動ギヤ3の揺動動作により、ラック歯部3gが矢印A2方向に揺動する。このとき、揺動ギヤ3の第2突起体3pとハウジングケース1の第2係合部1k(凹状ガイド溝)とが互いにガイドしながら係合していることにより、揺動ギヤ3は所定の軌跡に沿って揺動動作を行う。
【0022】
そして、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール2の第1突起体2pが矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、図2に示す中立位置(第1中立位置)を経て、図3に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に至る。更に、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール2の第1突起体2pが矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、反転して図4に示す中立位置(第2中立位置)を経て、図1に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に戻る。モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車4の往復回動動作に変換され、以上のような図1から図4の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0023】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ウォームホイール2の第1突起体2pと係合する第1係合部3kを有してウォームホイール2の回転によって往復揺動動作する揺動ギヤ3は、当該揺動ギヤ3に設けられた第2突起体3pとハウジングケース1第2係合部1k(凹状ガイド溝部)とが互いにガイドしながら係合することにより、往復揺動動作を行うので、この揺動ギヤ3に設けられたラック歯部3gは、従来のように連結板を設ける必要なしに、ピニオン歯車4との噛み合い状態を確実に維持することができる。
【0024】
従って、従来に比して部品点数を削減することができ、これにより、モータ出力軸Msの回転動作をピニオン歯車4の往復回動動作に変換する運動変換機構の構造を簡素化することができ、また、組立工数も少なくすることができ、製造コストの低減に寄与することができる。この結果、ピニオン歯車4に結合されたワイパアームWの往復動作でウインドウガラス(不図示)を払拭するワイパ装置について、その構造を簡素化して小型軽量化を図ることができるのである。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述の第1実施形態では、揺動ギヤ3にピン状の第2突起体3pを設け、ハウジングケース1に、第2突起体3pと係合する凹状溝部でなる第2係合部1kを設けたものであったが、この第2実施形態は、ハウジングケースに第2突起体を設け、揺動ギヤに第2係合部を設けるようにしたものである。
尚、以下の説明において、上記第1実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
【0026】
図5〜図8は、本発明の第2実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態では、ハウジングケース11にピン状の第2突起体11pが一体的に設けられており、揺動ギヤ13に、第2突起体11pを係合させる第2係合部13k2が設けられている。この第2係合部13k2は、具体的には、ピン状の前記第2突起体11pを挿通させて摺動自在にガイドするガイドスロット部として構成されている。
そして、ウォームホイール2が回転した際には、第2突起体11pと第2係合部13k2とが互いにガイドしながら係合することにより、前記揺動ギヤ13が所定の軌跡に沿って往復揺動動作を行い、これに伴って、揺動ギヤ13のラック歯部13gと噛み合うピニオン歯車14が往復回動動作を行うようになっている。
【0027】
尚、モータ出力軸MsのウォームMgと噛合する歯部12gを有するウォームホイール12が、枢支軸12sを介してハウジングケース11に対し回転自在に支持される点、このウォームホイール12に、その回転中心(枢支軸12sの中心)から所定量離間した部位にピン状の第1突起体12pが一体的に設けられている点、揺動ギヤ13が第1突起体12pと係合する第1係合部13k1を有する点、ピニオン歯車14が歯車軸14sを介してハウジングケース11に対し回転自在に支持されている点などについては、前述の第1実施形態と同様である。
【0028】
図5に示すように、ワイパアームWが中立位置から図における左方に傾斜した左傾斜位置にある状態から、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール12の第1突起体12pが矢印A1方向に回転し、これに伴って揺動ギヤ13のラック歯部13gが矢印A2方向に移動する。このとき、揺動ギヤ13の第2係合部13k2とハウジングケース11の第2突起体11pとが互いにガイドしながら係合していることにより、揺動ギヤ13は所定の軌跡に沿って揺動動作を行う。
【0029】
そして、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール12の第1突起体12pが矢印A1方向に回転し続けることにより、揺動ギヤ13は矢印A2方向に移動し、ワイパアームWは、図6に示す中立位置(第1中立位置)を経て、図7に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に至る。更に、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール12が矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、反転して図8に示す中立位置(第2中立位置)を経て、図5に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に戻る。モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車14の往復回動動作に変換され、以上のような図5から図8の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0030】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図9〜図12は、本発明の第3実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、この第3実施形態では、ウォームホイール22の回転によって往復動作する往復動作部材23は、ピニオン歯車24と噛み合うラック歯部23gを有し略直線状に延びるギヤ本体部23Hと、ウォームホイール22の第1突起体22pと係合する第1係合部23kを有し略直線状に延びる係合本体部23Jとを備えており、これらギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとは、略直角に交わるように連結されている。
【0031】
具体的には、ギヤ本体部23Hの図における左端と係合本体部23Jの上端とが略直角に交わるように連結されており、ギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとは、正面視で略L字形を形成している。
そして、係合本体部23Jの第1係合部23kが溝状に形成されるとともに、ウォームホイール22の第1突起体22pは、前記溝状の第1係合部23kに摺動自在にガイドされるピン状に形成されている。
【0032】
往復動作部材23のギヤ本体部23Hには、図における裏面側に突出する一対のピン状の突起体23p(第2突起体)が一体的に設けられるとともに、ハウジングケース21には、これら第2突起体23pと係合する係合部21k(第2係合部)が設けられている。この第2係合部21kは、具体的には、ピン状の前記一対の第2突起体23pを摺動自在にガイドする凹状の直線ガイド溝部として構成されている。
そして、ウォームホイール22が回転した際には、第2突起体23pと第2係合部21kとが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材23が第2係合部21kの直線軌跡に沿って往復動作を行うようになっている。
【0033】
尚、モータ出力軸MsのウォームMgと噛合する歯部22gを有するウォームホイール22が、枢支軸22sを介してハウジングケース21に対し回転自在に支持される点、このウォームホイール22に、その回転中心(枢支軸22sの中心)から所定量離間した部位にピン状の第1突起体22pが一体的に設けられている点、往復動作部材23が第1突起体22pと係合する第1係合部23kを有する点、ピニオン歯車24が歯車軸24sを介してハウジングケース21に対し回転自在に支持されている点などについては、前述の実施形態と同様である。
【0034】
図9に示すように、ワイパアームWが中立位置から図における左方に傾斜した左傾斜位置にある状態から、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール22の第1突起体22pが矢印A1方向に回転し、これに伴って往復動作部材23のラック歯部23gが移動する。このとき、往復動作部材23の第2突起体23pとハウジングケース21の第2係合部21kとが互いにガイドしながら係合していることにより、往復動作部材23は第2係合部21kの直線軌跡に沿って往復動作を行う。
【0035】
そして、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール22の第1突起体22pが矢印A1方向に回転し続けることにより、往復動作部材23は第2係合部21kの直線軌跡に沿って移動し、ワイパアームWは、図10に示す中立位置(第1中立位置)を経て、図11に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に至る。更に、モータ出力軸Msの回転によってウォームホイール22が矢印A1方向に回転し続けることにより、ワイパアームWは、反転して図12に示す中立位置(第2中立位置)を経て、図9に示す右方へ傾斜した右傾斜位置に戻る。モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車24の往復回動動作に変換され、以上のような図9から図12の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0036】
本実施形態によれば、前述の各実施形態と同様の作用効果を奏することができる上、往復動作部材23が、ラック歯部23gを有し略直線状に延びるギヤ本体部23Hと第1係合部23kを有し略直線状に延びる係合本体部23Jとを備え、ギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとを略直角に交わるように連結するとともに、第1係合部23kを溝状に形成し、第1突起体22pをピン状に形成して前記溝状の第1係合部23kに摺動自在にガイドされるようにすることで、往復動作部材23の往復動作をよりスムーズかつ低騒音で行えるようにすることができる。
【0037】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
前述の第3実施形態では、往復動作部材23のギヤ本体部23Hと係合本体部23Jとが、正面視で略L字形を形成するように構成したものであったが、この第4実施形態は、ギヤ本体部と係合本体部とが正面視で略T字形を形成するように構成したものである。
尚、この第4実施形態の説明において、上記第3実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
【0038】
図13〜図16は、本発明の第4実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態では、往復動作部材33のギヤ本体部33Hと係合本体部33Jとが正面視で略T字形を形成するように構成され、一対のピン状の第2突起体33pはギヤ本体部33Hの両端部近傍に設けられている。従って、第1係合部33kは、ラック歯部33gの略中央において該ラック歯部33gに対して略直角に延びている。
【0039】
また、ピニオン歯車24は、ハウジングケース31の第2係合部31kの略中央の上方に位置している。尚、この第2係合部31kは、第3実施形態における場合と同様に、具体的には、ピン状の前記一対の第2突起体33pを摺動自在にガイドする凹状の直線ガイド溝部として構成されている。
そして、モータ出力軸Msが回転し続ける間、モータ出力軸Msの回転動作がピニオン歯車24の往復回動動作に変換され、図13から図16の一連の動作が繰り返されるようになっている。
【0040】
本実施形態によれば、往復動作部材33のギヤ本体部33Hと係合本体部33Jとが正面視で略T字形を形成するように構成することで、往復動作部材のバランスが良くなり、よりスムースな往復動作が得られる。また、ピニオン歯車24の周辺のレイアウト性が向上し、設計自由度を高めることができるのである。
【0041】
尚、第3及び第4実施形態では、往復動作部材23,33のギヤ本体部23H,33Hに、各図における裏面側に突出する一対のピン状の第2突起体23p,33pが一体的に設けられるとともに、ハウジングケース21,31に、これら第2突起体23p,33pと係合する第2係合部21k,31kが設けられており、この第2係合部21k,31kは、具体的には、ピン状の前記一対の第2突起体23p,33pを摺動自在にガイドする凹状の直線ガイド溝部として構成されていたが、この代わりに、ハウジングケースに第2突起体を設け、往復動作部材のギヤ本体部に第2係合部を設けるようにしても良い。
【0042】
図17は第4実施形態の変形例に係る駆動装置の構造を概略的に示す正面説明図である。この変形例では、ハウジングケース31に、レール状の第2突起体31rが一体的に設けられる一方、往復動作部材33のギヤ本体部33Hに、前記レール状の第2突起体31rを摺動自在にガイドするガイド溝状の第2係合部33mが設けられている。
そして、ウォームホイール22が回転した際には、第2突起体31rと第2係合部33mとが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材33が第2突起体31r及び第2係合部33mの直線軌跡に沿って往復動作を行うようになっている。
【0043】
尚、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構、及びかかる運動変換機構を備えた車両用ワイパ装置に関するものであり、従来のように連結板を設ける必要なしに揺動ギヤとピニオンギヤの噛み合い状態を維持できるようにすることで、運動変換機構の構造を簡素化することができ、例えば、普通乗用車などの自動車のワイパ装置、及びかかるワイパ装置に組み込まれる運動変換機構として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図2】第1実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図3】第1実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図4】第1実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図6】第2実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図7】第2実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図8】第2実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図10】第3実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図11】第3実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図12】第3実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る車両用ワイパ装置の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図14】第4実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図15】第4実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図16】第4実施形態の駆動装置の構造および一連の作動を概略的に示す説明図の一部である。
【図17】前記第4実施形態の変形例に係る駆動装置の構造を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1,11,21,31 ハウジングケース
1k,13k2,21k,31k,33m 第2係合部
2,12,22 ウォームホイール
2g,12g,22g (ウォームホイールの)歯部
2p,12p,22p (ウォームホイールの)第1突起体
3,13 揺動ギヤ
3g,13g (揺動ギヤの)ラック歯部
3k,13k (揺動ギヤの)第1係合部
3p,11p,23p,33p,31r 第2突起体
4,14,24 ピニオン歯車
23,33 往復動作部材
23H,33H (往復動作部材の)ギヤ本体部
23J,33J (往復動作部材の)係合本体部
M 電動モータ
Mg (モータ出力軸の)ウォーム
Ms モータ出力軸
W ワイパアーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構であって、
前記モータ出力軸の外周部に形成されたウォームと、
ハウジングケースに対し回転自在に支持され、前記ウォームと噛合する歯部を有するとともに、回転中心から所定量離間した部位に第1突起体が設けられたウォームホイールと、
前記第1突起体と係合する第1係合部を有し、前記ウォームホイールの回転によって往復動作する往復動作部材と、
該往復動作部材に設けられたラック歯部と噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車と、を備え、
前記ハウジングケース及び前記往復動作部材の何れか一方に第2突起体が設けられるとともに何れか他方に該第2突起体と係合する第2係合部が設けられており、前記第2突起体と前記第2係合部とが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材が往復動作を行う、
ことを特徴とする運動変換機構。
【請求項2】
前記往復動作部材は、前記ラック歯部を有し略直線状に延びるギヤ本体部と、前記第1係合部を有し略直線状に延びる係合本体部とを備え、
前記ギヤ本体部と前記係合本体部とは、略直角に交わるように連結されており、
前記第1係合部が溝状に形成されるとともに、前記第1突起体は、前記溝状の第1係合部に摺動自在にガイドされるピン状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の運動変換機構。
【請求項3】
前記係合本体部と前記ギヤ本体部とが略T字状をなしていることを特徴とする請求項2記載の運動変換機構。
【請求項4】
車両のウインドウガラスを払拭する払拭部材と、該払拭部材を支持するワイパアームと、該ワイパアームを駆動するモータを有する駆動装置とを備えた車両用ワイパ装置であって、
前記駆動装置は、請求項1〜3の何れか一に記載の運動変換機構を備えており、前記ピニオン歯車が前記ワイパアームに結合されていることを特徴とする車両用ワイパ装置。
【請求項1】
モータ出力軸の回転動作を所定の構成要素の往復動作に変換する運動変換機構であって、
前記モータ出力軸の外周部に形成されたウォームと、
ハウジングケースに対し回転自在に支持され、前記ウォームと噛合する歯部を有するとともに、回転中心から所定量離間した部位に第1突起体が設けられたウォームホイールと、
前記第1突起体と係合する第1係合部を有し、前記ウォームホイールの回転によって往復動作する往復動作部材と、
該往復動作部材に設けられたラック歯部と噛合して往復回動動作を行うピニオン歯車と、を備え、
前記ハウジングケース及び前記往復動作部材の何れか一方に第2突起体が設けられるとともに何れか他方に該第2突起体と係合する第2係合部が設けられており、前記第2突起体と前記第2係合部とが互いにガイドしながら係合することにより、前記往復動作部材が往復動作を行う、
ことを特徴とする運動変換機構。
【請求項2】
前記往復動作部材は、前記ラック歯部を有し略直線状に延びるギヤ本体部と、前記第1係合部を有し略直線状に延びる係合本体部とを備え、
前記ギヤ本体部と前記係合本体部とは、略直角に交わるように連結されており、
前記第1係合部が溝状に形成されるとともに、前記第1突起体は、前記溝状の第1係合部に摺動自在にガイドされるピン状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の運動変換機構。
【請求項3】
前記係合本体部と前記ギヤ本体部とが略T字状をなしていることを特徴とする請求項2記載の運動変換機構。
【請求項4】
車両のウインドウガラスを払拭する払拭部材と、該払拭部材を支持するワイパアームと、該ワイパアームを駆動するモータを有する駆動装置とを備えた車両用ワイパ装置であって、
前記駆動装置は、請求項1〜3の何れか一に記載の運動変換機構を備えており、前記ピニオン歯車が前記ワイパアームに結合されていることを特徴とする車両用ワイパ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−196935(P2007−196935A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20167(P2006−20167)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(300084421)ジー・ピー・ダイキョー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(300084421)ジー・ピー・ダイキョー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】
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