説明

運用方法選択装置、電池運用システム、運用方法選択方法、電池運用方法及びコンピュータプログラム

【課題】より効率的に蓄電池の運用を行うこと。
【解決手段】蓄電池に関する情報及び蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータが、設定値記憶部及び劣化特性記憶部から情報を読み出して、評価指標に基づいて、劣化に関する情報にしたがって蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出し、演算結果に基づいて蓄電池の運用方法を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池の充電や放電などの運用を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自然エネルギーを用いた創エネルギーおよび節電による省エネルギーへの関心・必要性が高まっている。その一方で、蓄電池を用いた負荷平準化への期待も高まっている。ただし、蓄電池は依然高価であり、コストダウンが開発課題となっている。また充放電サイクルにより充放電できる容量が劣化することも大きな開発課題となっている。そのため、蓄電池の容量が劣化する特性(劣化特性)を考慮した蓄電池の運用についての研究が行われている。
【0003】
一般的に、充電終止電圧を高くして充電率を高くすると、蓄電池の劣化が促進されて寿命が短くなってしまう。例えば、SOC(State Of Charge)の上限を100%として運用すると、蓄電池の劣化が促進されてしまう。また、SOCの下限を0%として運用しても劣化が促進されてしまう。そのため、推奨的な運用として、SOCの範囲を10〜90%や20〜80%として蓄電池の劣化を抑えることが行われている。蓄電池の劣化特性を考慮した運用技術の具体例としては、特許文献1に開示された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4019734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、蓄電池のSOCの範囲をむやみに制限してしまうと、蓄電池の寿命は延びるものの、充放電できる電気容量が少なくなってしまうという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、より効率的に蓄電池の運用を行うための技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、蓄電池の運用方法を選択する運用方法選択装置であって、前記蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算部と、前記演算部の演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択部と、を備える運用方法選択装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記運用方法選択装置であって、前記劣化特性記憶部は、前記運用方法の種別毎に前記劣化に関する情報を記憶しており、前記演算部は、前記運用方法の種別毎に前記評価指標値を演算し、前記選択部は、前記評価指標値に基づいて前記運用方法の種別の中から運用方法を選択する。
【0008】
本発明の一態様は、上記運用方法選択装置と、前記選択部によって選択された運用方法にしたがって前記蓄電池を制御する制御部と、を備える電池運用システムである。
【0009】
本発明の一態様は、蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータが、前記蓄電池の運用方法を選択する運用方法選択方法であって、コンピュータが、前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算ステップと、コンピュータが、前記演算ステップの演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択ステップと、を有する運用方法選択方法である。
【0010】
本発明の一態様は、蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータが、前記蓄電池の運用方法を選択する運用方法選択方法であって、コンピュータが、前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算ステップと、コンピュータが、前記演算ステップの演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択ステップと、コンピュータが、前記選択ステップによって選択された運用方法にしたがって前記蓄電池を制御する制御ステップと、を有する電池運用方法である。
【0011】
本発明の一態様は、蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータに対して、前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算ステップと、前記演算ステップの演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択ステップと、を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0012】
本発明の一態様は、前記選択ステップによって選択された運用方法にしたがって前記蓄電池を制御する制御ステップをさらに前記コンピュータに実行させるための、請求項6に記載のコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、より効率的に蓄電池の運用を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態である蓄電池システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】劣化特性記憶部が記憶する劣化特性テーブルの具体例を示す図である。
【図3】電池運用装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】蓄電池の使用予定期間を10年とし、その期間における蓄電池の一回当たりに充放電可能な電力量を表す図である。
【図5】蓄電池の使用予定期間を10年とし、その期間経過時点における蓄電池の積算放電量を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態である蓄電池システム900のシステム構成を表すシステム構成図である。蓄電池システム900は、電池運用装置200、蓄電池300、商用系統電源600、自家発電機700を備える。電池運用装置200は、蓄電池300の運用方法を選択する。電池運用装置200は、例えばSOCの範囲を選択することによって運用方法を選択する。そして、電池運用装置200は、選択した運用方法に従って蓄電池300を運用する。
【0016】
蓄電池300は、充電することによって電気を蓄えて繰り返し電池として使用できる装置であり、電池運用装置200によって充電及び放電を制御可能であればどのように構成されても良い。
商用系統電源600は、商用系統から供給される電力を、電池運用装置200を介して蓄電池300及び負荷800に供給する装置である。
【0017】
自家発電機700は、蓄電池システム900のユーザが商用系統から電力を購入することなく電力を発生させるための装置である。例えば、自家発電機700は、PV(Photovoltaic)発電(太陽光発電)機器や風力発電機器などの装置である。
負荷800は、蓄電池システム900のユーザが使用する電気製品であり、制御部201を介して蓄電池300又は商用系統電源600から供給される電力を消費することによって動作する装置である。負荷800は、例えば照明器具、家電製品、コンピュータなどである。
【0018】
次に、電池運用装置200について詳細に説明する。電池運用装置200は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータやセットトップボックスなどの情報処理装置を用いて構成される。電池運用装置200は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、電池運用プログラムを実行する。電池運用プログラムの実行によって、電池運用装置200は、運用方法選択装置100、制御部201を備える装置として機能する。なお、電池運用装置200の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。電池運用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。電池運用プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0019】
運用方法選択装置100は、蓄電池300の運用方法を選択する。例えば、運用方法選択装置100は、SOC使用範囲を選択する。
制御部201は、運用方法選択装置100によって選択された運用方法及び設定値記憶部102に記憶されている全て又は一部の設定値に従って、蓄電池300の充電を制御する。運用方法選択装置100がSOC使用範囲を選択する場合には、制御部201は、選択されたSOC使用範囲で蓄電池300を充電及び放電するように蓄電池300を制御する。すなわち、制御部201は、選択されたSOC使用範囲にしたがって、蓄電池300の充電を開始すべき蓄電容量と、蓄電池300の充電を終了すべき蓄電容量とを判定し、充電及び放電を制御する。制御部201は、蓄電池300を充電させる際には、商用系統電源600又は自家発電機700から供給される電力によって蓄電池300を充電する。また、例えば設定値として一日に行われる充放電の回数がN回と設定されている場合には、制御部201は蓄電池300の一日の充放電回数がN回となるように制御する。また、例えば設定値として一日の充電スケジュールが設定されている場合には、制御部201はこのスケジュールに従って蓄電池300の充電を制御する。
【0020】
また、制御部201は、蓄電池300を放電させることによって負荷800に対し電力を供給する。また、制御部201は、蓄電池300から放電できない場合(蓄電池300の蓄電容量がSOC使用範囲の最小値となっている場合など)には、商用系統電源600から供給される電力を負荷800に供給する。
【0021】
運用方法選択装置100は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータやセットトップボックスなどの情報処理装置を用いて構成される。運用方法選択装置100は、制御部201を実現するハードウェアとは異なるハードウェアによって構成されても良いし、全て又は一部が同一のハードウェアによって構成されても良い。
【0022】
運用方法選択装置100は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、運用方法選択プログラムを実行する。運用方法選択プログラムの実行によって、運用方法選択装置100は、入力部101、設定値記憶部102、劣化特性記憶部103、演算部104、選択部105を備える装置として機能する。なお、運用方法選択装置100の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。運用方法選択プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。運用方法選択プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0023】
入力部101は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部101は、設定値を運用方法選択装置100に入力する際にユーザによって操作される。
設定値記憶部102は、半導体記憶装置や磁気ハードディスク装置などの記憶装置を用いて構成される。設定値記憶部102は、入力部101によって入力された設定値を記憶する。
【0024】
設定値とは、運用方法選択装置100が蓄電池300の運用方法に関する評価指標値を演算するために必要となる情報である。設定値は、例えば蓄電池300に関する情報や、蓄電池300の使用に関する情報や、蓄電池300の運用方法を評価する際の指標(評価指標)である。評価指標は、運用方法を選択する際に基準となる指標であり、例えば積算放電量、積算買電力量、エネルギー自給率、自家発電機有効利用率、積算光熱費、積算CO2排出量などである。
【0025】
設定値の内容は評価指標に応じて変化する。例えば、評価指標が積算放電量である場合には、設定値は、蓄電池300の初期最大蓄電容量、一日の充放電回数、蓄電池300の使用予定期間、評価指標である。初期最大蓄電容量とは、蓄電池300が劣化する前の状態における蓄電容量の最大値を表す。
【0026】
劣化特性記憶部103は、半導体記憶装置や磁気ハードディスク装置などの記憶装置を用いて構成される。劣化特性記憶部103は、蓄電池300の劣化特性に関する情報を記憶する。
【0027】
図2は、劣化特性記憶部103が記憶する劣化特性テーブルの具体例を示す図である。劣化特性テーブルは、複数のレコード400を有する。各レコード400は、SOC使用範囲の値と、容量劣化の度合いの値とを有する。
SOC使用範囲の値は、蓄電池300の充電を行う際の蓄電容量の最小値と最大値とを表す。例えば、SOC使用範囲の値が10〜90%である場合には、蓄電池300の蓄電容量がその時点における最大蓄電容量の10%になったら充電を開始し、蓄電池300の蓄電容量がその時点における最大蓄電容量の90%になるまで充電を行う事を示す。なお、その時点における最大蓄電容量とは、蓄電池300の使用開始から経過した期間に応じて初期最大蓄電容量から劣化した場合の最大蓄電容量を表す。この値は、初期最大蓄電容量と、経過した期間と、容量劣化の度合いとに基づいて算出される。
【0028】
容量劣化の度合いは、蓄電池300の蓄電容量の劣化の程度を表す値である。図2の例では、容量劣化の度合いの値は、1日1回の充放電を1年間繰り返した場合の蓄電池300の最大蓄電容量の減少率を表す。例えば、容量劣化の度合いが4%/年である場合には、1日1回の充放電を繰り返した場合には1年後に最大蓄電容量が96%になっている事を示す。
なお、図2に示される各値やレコード400の数やレコード400の項目は具体例にすぎない。したがって、劣化特性テーブルは、蓄電池300の劣化特性を表す限りで他の構成となっても良い。
【0029】
図1に戻って運用方法選択装置100の説明を続ける。
演算部104は、設定値記憶部102に記憶される設定値及び劣化特性記憶部103に記憶される劣化特性に基づいて、複数のSOC使用範囲に関して、評価指標の優劣を表す値(以下、「評価指標値」という。)を演算する。例えば、演算部104は、劣化特性記憶部103に記憶される劣化特性テーブルのレコード400のSOC使用範囲毎に、評価指標値を演算する。
選択部105は、演算部104の演算結果と、設定値記憶部102に記憶されている評価指標とに基づいて、評価指標値が最も優れているSOC使用範囲を選択する。
【0030】
図3は、電池運用装置200の動作の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ユーザが入力部101を操作することによって設定値を電池運用装置200に入力する(ステップS101)。設定値記憶部102は、入力された設定値を記憶する。演算部104は、劣化特性記憶部103からレコード400を読み出し、読み出したレコードに記録されているSOC使用範囲及び容量劣化の度合いに関して、評価指標値を算出する(ステップS103)。このとき、演算部104は、設定値記憶部102に記憶されている設定値を読み出して演算に用いる。演算が終わると、演算部104は、劣化特性記憶部103に記憶されている全てのレコード400について演算が終わったか否か判定する(ステップS104)。演算されていないレコード400が残っている場合には(ステップS104−NO)、演算部104は、演算されていないレコード400を読み出し(ステップS102)、読み出したレコード400について演算を行う(ステップS103)。
【0031】
全てのレコードについて演算が終わった場合(ステップS104−YES)、選択部105は演算結果に基づいて、評価指標値が最も優れているSOC使用範囲を選択する(ステップS105)。そして、制御部201は、選択部105によって選択されたSOC使用範囲で蓄電池300の充放電の制御を開始する(ステップS106)。
【0032】
図4は、蓄電池300の使用予定期間を10年とし、その期間における蓄電池300の一回当たりに充放電可能な電力量(以下、「充放電量」という。)を表す図である。SOC使用範囲を広く設定して(例えば10〜90%)蓄電池300を運用し続けた場合は、SOC使用範囲を狭く設定して運用し続けた場合に比べて容量劣化が顕著である。一方、SOC使用範囲が狭ければ狭いほど、容量劣化は抑制される。そのため、当初はSOC使用範囲が10〜90%である場合が最も充放電量が多いものの、経過年数5年目を境にしてSOC使用範囲20〜80%の場合と充放電量が逆転する。さらに、SOC使用範囲が10〜90%である場合は、経過年数8年目を境にしてSOC30〜70%の場合と充放電量が逆転する。このように、充放電量は、SOC使用範囲及び経過年数(経過期間)と関連している。
【0033】
図5は、蓄電池300の使用予定期間を10年とし、その期間経過時点における蓄電池300の積算放電量を表す図である。図5における積算放電量は、使用予定期間の間、一日1回の充放電を繰り返した場合の充放電量の積算値である。図5の劣化なし(理想)と記載された側のグラフは、蓄電池300の最大蓄電容量の劣化が無い場合の積算放電量を表す。この場合、蓄電池300の最大蓄電容量は、経過期間にかかわらず初期最大蓄電容量のままである。当然のことながら、劣化がない場合はSOC使用範囲が広いものほど積算放電量が多い。
【0034】
しかしながら、実際には上述したように蓄電池300の最大蓄電容量には劣化特性に応じた劣化が生じるため、劣化に応じて積算放電量は変化する。図5の劣化あり(現実)と記載された側のグラフは、蓄電池300の最大蓄電容量の劣化が生じる場合の積算放電量を表す。蓄電池300の最大蓄電容量は経過期間に応じて減少するため、蓄電池300の充放電量もそれに応じて減少する。そのため、使用予定期間が長ければ長いほど、SOC使用範囲が広いものとSOC使用範囲が狭いものとの積算放電量の差が狭まり、場合によっては逆転する。図5の場合は、SOC使用範囲10〜90%である場合は、SOC使用範囲20〜80%の場合に比べて、積算放電量は僅かに少ない。
次に、評価指標毎に演算部104及び選択部105の処理について説明する。
【0035】
[積算放電量]
まず、評価指標が積算放電量である場合の演算部104及び選択部105の処理について説明する。この場合、演算部104は、設定値及び劣化特性に基づいて使用予定期間経過時点での積算放電量をSOC使用範囲の種類毎に算出する。例えば、初期最大蓄電容量M、一日の充放電回数N、蓄電池300の使用予定期間がY年であり、あるSOC使用範囲L%における容量劣化の度合いがX%/年である場合、積算放電量A1は以下のような式1によって算出される。なお、Lの値は、SOC使用範囲における最大値と最小値との差を表す。例えば、SOC使用範囲が20%〜80%であれば、L=80−20=60である。
【0036】
【数1】

【0037】
選択部105は、各SOC使用範囲における積算放電量A1を比較し、積算放電量A1の値が最も大きいSOC使用範囲を選択する。
【0038】
[積算買電力量]
次に、評価指標が積算買電力量である場合の演算部104及び選択部105の処理について説明する。積算買電力量とは、蓄電池300のユーザが商用系統から購入した電力量の積算値である。ユーザが商用系統から電力を購入する事象は、例えば以下のような状況で生じる。蓄電池300のユーザが、電力の単価が安い時間帯に商用系統から電力を購入し蓄電池300を充電する状況。蓄電池300のユーザの消費電力量が、蓄電池300により放電される電力量だけでは足りなくなった状況。
【0039】
評価指標が積算買電力量である場合、評価指標以外の設定値として、例えば蓄電池300の初期最大蓄電容量、一日の充電スケジュール、一日の自家発電量スケジュール、蓄電池300の充電速度、蓄電池300の使用予定期間、一日に必要となる消費電力量のスケジュール、などが入力される。一日の充電スケジュールとは、一日における充電のタイミングを表す。一日の自家発電量スケジュールとは、各時刻において自家発電機700が発電する電力量を表す。蓄電池300の充電速度とは、蓄電池300が単位時間当たりに充電できる電力量を表す。一日に必要となる消費電力量のスケジュールは、各時刻における負荷800の消費電力量を表す。
【0040】
ある時刻において、蓄電池300が放電できる電力量(放電電力量)よりも負荷800の消費電力量が多い場合には、商用系統から電力を購入する必要が生じる。そのため、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量と、一日の充電スケジュールと、一日の自家発電量スケジュールと、蓄電池300の充電速度と、一日に必要となる消費電力量のスケジュールと、に基づいて、その日の各時刻における放電電力量及び買電力量を算出する事ができる。このようにして購入された電力量と、蓄電池300の充電に用いられた電力量との積算量が積算買電力量に相当する。なお、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量は、蓄電池300の使用開始からその日までに経過した日数と劣化特性と初期最大蓄電容量と、に基づいて算出することができる。したがって、蓄電池300の容量の劣化に伴い、最大蓄電容量は減少する。そのため、劣化に伴って買電力量が増大してしまう。
【0041】
演算部104は、上述した算出方法により、設定値及び劣化特性に基づいて使用予定期間経過時点での積算買電力量をSOC使用範囲の種類毎に算出する。
選択部105は、各SOC使用範囲における積算買電力量を比較し、積算買電力量の値が最も小さいSOC使用範囲を選択する。
【0042】
[エネルギー自給率]
次に、評価指標がエネルギー自給率である場合の演算部104及び選択部105の処理について説明する。エネルギー自給率とは、自家発電機700により自家発電された電力で、負荷800の消費電力を賄った割合を表す。
【0043】
評価指標がエネルギー自給率である場合、評価指標以外の設定値として、例えば蓄電池300の初期最大蓄電容量、一日の充電スケジュール、一日の自家発電量スケジュール、蓄電池300の充電速度、蓄電池300の使用予定期間、一日に必要となる消費電力量のスケジュール、などが入力される。一日の充電スケジュールとは、一日における充電のタイミングを表す。一日の自家発電量スケジュールとは、各時刻において自家発電機700が発電する電力量を表す。蓄電池300の充電速度とは、蓄電池300が単位時間当たりに充電できる電力量を表す。一日に必要となる消費電力量のスケジュールは、各時刻における負荷800の消費電力量を表す。
【0044】
ある時刻において、蓄電池300が放電できる電力量(放電電力量)よりも負荷800の消費電力量が多い場合には、商用系統から電力を購入する必要が生じる。そのため、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量と、一日の充電スケジュールと、一日の自家発電量スケジュールと、蓄電池300の充電速度と、一日に必要となる消費電力量のスケジュールと、に基づいて、その日の各時刻における放電電力量及び買電力量を算出する事ができる。このようにして購入された電力量を、蓄電池300の使用予定期間にわたって積算した値が、積算買電力量である。一方で、一日に必要となる消費電力量のスケジュールに基づいて、蓄電池300の使用予定期間にわたって消費される電力量を積算した値が積算消費電力量である。そして、以下の式に基づいてエネルギー自給率(単位:%)を算出することができる。
エネルギー自給率=(積算消費電力量−積算買電力量)/積算消費電力量×100
【0045】
なお、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量は、蓄電池300の使用開始からその日までに経過した日数と劣化特性と初期最大蓄電容量と、に基づいて算出することができる。
演算部104は、上述した算出方法により、設定値及び劣化特性に基づいて使用予定期間経過時点でのエネルギー自給率をSOC使用範囲の種類毎に算出する。
選択部105は、各SOC使用範囲におけるエネルギー自給率を比較し、エネルギー自給率の値が最も高いSOC使用範囲を選択する。
【0046】
[自家発電機有効利用率]
次に、評価指標が自家発電機有効利用率である場合の演算部104及び選択部105の処理について説明する。自家発電機有効利用率とは、蓄電池300のユーザが、自家発電機700によって発電された電力を有効に活用した割合を表す値である。
【0047】
評価指標が自家発電機有効利用率である場合、評価指標以外の設定値として、例えば蓄電池300の初期最大蓄電容量、一日の充電スケジュール、一日の自家発電量スケジュール、蓄電池300の充電速度、蓄電池300の使用予定期間、一日に必要となる消費電力量のスケジュールなどが入力される。一日の充電スケジュールとは、一日における充電のタイミングを表す。一日の自家発電量スケジュールとは、各時刻において自家発電機700が発電する電力量を表す。蓄電池300の充電速度とは、蓄電池300が単位時間当たりに充電できる電力量を表す。一日に必要となる消費電力量のスケジュールは、各時刻における負荷800の消費電力量を表す。
【0048】
ある時刻において、蓄電池300の蓄電容量が最大である場合(SOC使用範囲の最大である場合)には、蓄電池300はそれ以上充電することはできない。したがって、自家発電機700によって発電された電力は破棄されてしまう。そのため、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量と、一日の充電スケジュールと、一日の自家発電量スケジュールと、蓄電池300の充電速度と、一日に必要となる消費電力のスケジュールとに基づいて、その日の各時刻における破棄電力量を算出する事ができる。このように算出される破棄電力量を、蓄電池300の使用予定期間にわたって積算した値が、積算破棄電力量である。また、一日の自家発電量スケジュールに基づいて、その日の総発電量を算出する事ができる。このように算出される総発電量を、蓄電池300の使用予定期間にわたって積算した値が、積算自家発電電力量である。そして、以下の式に基づいて自家発電機有効利用率(単位:%)を算出することができる。
自家発電機有効利用率=
(積算自家発電電力量−積算破棄電力量)/積算自家発電電力量×100
【0049】
なお、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量は、蓄電池300の使用開始からその日までに経過した日数と劣化特性と初期最大蓄電容量と、に基づいて算出することができる。
演算部104は、上述した算出方法により、設定値及び劣化特性に基づいて使用予定期間経過時点での自家発電機有効利用率をSOC使用範囲の種類毎に算出する。
選択部105は、各SOC使用範囲における自家発電機有効利用率を比較し、自家発電機有効利用率の値が最も高いSOC使用範囲を選択する。
【0050】
[積算光熱費]
次に、評価指標が積算光熱費である場合の演算部104及び選択部105の処理について説明する。積算光熱費とは、蓄電池300のユーザが商用系統から電力を購入する際に要する費用の積算値である。
【0051】
評価指標が積算光熱費である場合、評価指標以外の設定値として、例えば蓄電池300の初期最大蓄電容量、一日の充電スケジュール、一日の自家発電量スケジュール、蓄電池300の充電速度、蓄電池300の使用予定期間、一日に必要となる消費電力量のスケジュール、一日の各時刻における商用系統の電力の単価などが入力される。一日の充電スケジュールとは、一日における充電のタイミングを表す。一日の自家発電量スケジュールとは、各時刻において自家発電機700が発電する電力量を表す。蓄電池300の充電速度とは、蓄電池300が単位時間当たりに充電できる電力量を表す。一日に必要となる消費電力量のスケジュールは、各時刻における負荷800の消費電力量を表す。
【0052】
ある時刻において、蓄電池300が放電できる電力量(放電電力量)よりも負荷800の消費電力量が多い場合には、商用系統から電力を購入する必要が生じる。そのため、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量と、一日の充電スケジュールと、一日の自家発電量スケジュールと、蓄電池300の充電速度と、一日に必要となる消費電力量のスケジュールと、に基づいて、その日の各時刻における放電電力量及び買電力量を算出する事ができる。このようにして購入された電力量と、購入された時刻における単価とに基づいて、その日に商用系統から購入された電力の費用が算出される。このように算出される費用を、蓄電池300の使用予定期間にわたって積算した値が、積算光熱費である。なお、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量は、蓄電池300の使用開始からその日までに経過した日数と劣化特性と初期最大蓄電容量と、に基づいて算出することができる。また、商用系統から電力を購入する場合に月額の基本料金や所定の割引を受ける事ができる場合には、それらの値も演算に用いられても良い。
【0053】
演算部104は、上述した算出方法により、設定値及び劣化特性に基づいて使用予定期間経過時点での積算光熱費をSOC使用範囲の種類毎に算出する。
選択部105は、各SOC使用範囲における積算光熱費を比較し、積算光熱費の値が最も小さいSOC使用範囲を選択する。
【0054】
[積算CO2排出量]
次に、評価指標が積算CO2排出量である場合の演算部104及び選択部105の処理について説明する。積算CO2排出量とは、蓄電池300のユーザが商用系統から購入した電力を生成するのに生じたCO2(二酸化炭素)の積算値である。ユーザが商用系統から電力を購入する事象は、例えば以下のような状況で生じる。蓄電池300のユーザが、電力の単価が安い時間帯に商用系統から電力を購入し蓄電池300を充電する状況。蓄電池300のユーザの消費電力量が、蓄電池300により放電される電力量だけでは足りなくなった状況。
【0055】
評価指標が積算CO2排出量である場合、評価指標以外の設定値として、例えば蓄電池300の初期最大蓄電容量、一日の充電スケジュール、一日の自家発電量スケジュール、蓄電池300の充電速度、蓄電池300の使用予定期間、一日に必要となる消費電力量のスケジュール、単位当たりの電力生成で生じるCO2の量(例えば0.39[kg-CO2/kWh])などが入力される。一日の充電スケジュールとは、一日における充電のタイミングを表す。一日の自家発電量スケジュールとは、各時刻において自家発電機700が発電する電力量を表す。蓄電池300の充電速度とは、蓄電池300が単位時間当たりに充電できる電力量を表す。一日に必要となる消費電力量のスケジュールは、各時刻における負荷800の消費電力量を表す。
【0056】
ある時刻において、蓄電池300が放電できる電力量(放電電力量)よりも消費電力量が多い場合には、商用系統から電力を購入する必要が生じる。そのため、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量と、一日の充電スケジュールと、一日の自家発電量スケジュールと、蓄電池300の充電速度と、一日に必要となる消費電力量のスケジュールと、に基づいて、その日の各時刻における放電電力量及び買電力量を算出する事ができる。このようにして購入された電力量と、蓄電池300の充電に用いられた電力量との積算量が積算買電力量に相当する。そして、積算買電力量に対して、単位当たりの電力生成で生じるCO2の量を乗じることによって、積算CO2排出量を算出することができる。なお、ある日の蓄電池300の最大蓄電容量は、蓄電池300の使用開始からその日までに経過した日数と劣化特性と初期最大蓄電容量と、に基づいて算出することができる。
【0057】
演算部104は、上述した算出方法により、設定値及び劣化特性に基づいて使用予定期間経過時点での積算CO2排出量をSOC使用範囲の種類毎に算出する。
選択部105は、各SOC使用範囲における積算CO2排出量を比較し、積算CO2排出量の値が最も少ないSOC使用範囲を選択する。
【0058】
<変形例>
電池運用装置200と運用方法選択装置100とは異なる筐体のハードウェアとして構成されても良い。この場合、運用方法選択装置100は、自身が選択された運用方法を有線又は無線の通信によって電池運用装置200へ送信する。電池運用装置200は、運用方法選択装置100から運用方法を受信し、受信した運用方法に基づいて蓄電池300を制御する。この場合は、本発明の一実施形態は、電池運用装置200と運用方法選択装置100とを合わせて電池運用システムとして構成される。なお、上述した電池運用装置200は、筐体が同一であるか否かの違いのみであり、電池運用システムの一態様である。
【0059】
入力部101は、設定値のみならず、劣化特性を運用方法選択装置100に入力する際にユーザによって操作されても良い。この場合、入力部101の操作によって入力された劣化特性は、劣化特性記憶部103によって記憶される。
選択部105は、評価指標とは異なる条件に基づいて、評価指標値が最も優れているSOC使用範囲以外のSOC使用範囲を選択するように構成されても良い。
【0060】
運用方法選択装置100は、選択部105を備えない装置(評価指標値演算装置)として構成されても良い。評価指標値演算装置は、上述した入力部101、設定値記憶部102、劣化特性記憶部103、演算部104、出力部を備える。出力部は、演算部104による演算結果を出力する。出力部は、例えば他の情報処理装置に対して演算結果を送信する通信装置を用いて構成されても良い。出力部は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成され、演算結果を表示しても良い。出力部は、演算結果を印字するプリンタとして構成されても良い。出力部は、演算結果を出力する事ができればどのような態様で構成されても良い。
【0061】
設定値の内容は、上述したものに限定される必要は無く、他の値であっても良い。
上述した各評価指標における演算部104の演算処理は例であり、他の演算によって各評価指標値が演算されても良い。例えば、式1では、年ごとに劣化が生じるという前提で積算放電量Aが算出されている。しかし、月毎、日毎、放電毎に劣化が生じるという前提でより細かな演算が行われても良い。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0063】
100…運用方法選択装置, 200…電池運用装置, 101…入力部, 102…設定値記憶部, 103…劣化特性記憶部, 104…演算部, 105…選択部, 201…制御部, 300…蓄電池, 400…レコード, 600…商用系統電源, 700…自家発電機, 800…負荷, 900…蓄電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の運用方法を選択する運用方法選択装置であって、
前記蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、
前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、
前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算部と、
前記演算部の演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択部と、
を備える運用方法選択装置。
【請求項2】
前記劣化特性記憶部は、前記運用方法の種別毎に前記劣化に関する情報を記憶しており、
前記演算部は、前記運用方法の種別毎に前記評価指標値を演算し、
前記選択部は、前記評価指標値に基づいて前記運用方法の種別の中から運用方法を選択する、
請求項1に記載の運用方法選択装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の運用方法選択装置と、
前記選択部によって選択された運用方法にしたがって前記蓄電池を制御する制御部と、
を備える電池運用システム。
【請求項4】
蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータが、前記蓄電池の運用方法を選択する運用方法選択方法であって、
コンピュータが、前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算ステップと、
コンピュータが、前記演算ステップの演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択ステップと、
を有する運用方法選択方法。
【請求項5】
蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータが、前記蓄電池の運用方法を選択する運用方法選択方法であって、
コンピュータが、前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算ステップと、
コンピュータが、前記演算ステップの演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択ステップと、
コンピュータが、前記選択ステップによって選択された運用方法にしたがって前記蓄電池を制御する制御ステップと、
を有する電池運用方法。
【請求項6】
蓄電池に関する情報及び前記蓄電池の運用方法の評価指標を記憶する設定値記憶部と、前記蓄電池の蓄電容量の劣化に関する情報を記憶する劣化特性記憶部と、を備えるコンピュータに対して、
前記設定値記憶部及び前記劣化特性記憶部から情報を読み出して、前記評価指標に基づいて、前記劣化に関する情報にしたがって前記蓄電池が劣化した場合における評価指標値を算出する演算ステップと、
前記演算ステップの演算結果に基づいて前記蓄電池の運用方法を選択する選択ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記選択ステップによって選択された運用方法にしたがって前記蓄電池を制御する制御ステップをさらに前記コンピュータに実行させるための、請求項6に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−51839(P2013−51839A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188898(P2011−188898)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】