説明

運賃箱

【課題】内部スペースを確保することができる運賃箱を提供する。
【解決手段】金庫21は筐体12の内底部における後端側の隅部に配置した。ベルトコンベヤ15の搬送方向を運賃箱11の前端側から後端側へ向かう方向とした。券銭分離機構14は、分離された硬貨Cがベルトコンベヤ15の搬送方向の逆方向に向けて落下するように設けるようにした。硬貨シュート19は、ベルトコンベヤ15の近端部下方から落下する硬貨Cを受け入れ可能にベルトコンベヤ15の下方に設け、券類シュート20は、ベルトコンベヤ15の近端部側方から落下する券類Tを受け入れ可能にベルトコンベヤ15の側方に設けるようにした。これにより、金庫21までの搬送経路の短縮化が図られ、筐体12内にスペースを確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば投入された券類と硬貨とを分離して収納する運賃箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワンマンバスに搭載される運賃箱としては例えば特許文献1に示される構成が知られている。図5(a)に示すように、この従来の運賃箱51の上部には、投入口52が設けられている。この投入口52に投入された運賃としての硬貨C並びに整理券及び回数券等の券類Tは、一対の分離ローラ53a,53bからなる券銭分離機構53により分離される。分離ローラ53a,53bは、それらの間を券類Tのみが通過可能となるように微少間隔をおいて、且つ斜状に配置されている。このため、投入口52に投下された券類Tは2つの分離ローラ53a,53b間を通過して落下するとともに、硬貨Cは分離ローラ53a,53b間を通過することなく2つの分離ローラ53a,53bの外周面間に形成される溝に沿って転がり斜め下方へ落下する。
【0003】
運賃箱51において、券銭分離機構53の下方には、ベルトコンベヤ54が配置されている。このベルトコンベヤ54は、その搬送面が斜状をなすように配置されるとともに、当該搬送面に対向するようにカバー55が設けられている。カバー55は例えば透明なアクリル板により形成されるとともに、当該カバー55を介してベルトコンベヤ54の搬送面を目視可能とされている。カバー55の内面には、複数個のブラシ56が横方向(図5(a)における左右方向)において所定間隔おきに配置されている。図5(b)に示されるように、ブラシ56の先端はベルトコンベヤ54の搬送面に当接している。
【0004】
図5(b)に示されるように、券銭分離機構53の2つの分離ローラ53a,53b間から落下してきた券類Tはカバー55により下方へ案内される。券類Tの下方への移動はブラシ56により阻まれるとともに、当該券類Tは、ブラシ56の先端とベルトコンベヤ54の搬送面との間を通過することなく、当該ベルトコンベヤ54の搬送面に寄りかかった状態でブラシ56上に保持される。券類Tはこの状態を保ちながら、ベルトコンベヤ54の作動により運賃箱51の前方(図5(a)における右方向)へ搬送されるとともに、図6に示される券類シュート57を介して金庫58の図示しない券類収容室に収容される。
【0005】
また、券銭分離機構53の2つの分離ローラ53a,53bの下流側から落下してきた硬貨Cは、カバー55により下方へ案内されるとともに、ブラシ56を撓ませながら、当該ブラシ56の先端とベルトコンベヤ54の搬送面との間を通過して、当該カバー55の下部に形成されたガイド壁59上に落下する。このガイド壁59上の硬貨Cは、ベルトコンベヤ54の作動により、ガイド壁59の上面を転動しながら運賃箱51の前方へ搬送されるとともに、図6に示される硬貨シュート60を介して金庫58の図示しない硬貨収容室に収容される。
【0006】
このように、投入口52に投入された券類T及び硬貨Cは、ブラシ56の上と下とに分かれた状態で、ベルトコンベヤ54により横方向へ搬送される。その際、運転手は、ベルトコンベヤ54により搬送される券類T及び硬貨Cを、運賃箱51のカバー55に対向する側壁に設けられた図示しない確認窓から目視確認可能とされている。また、券銭分離機構53は、分離した券類T及び硬貨Cがベルトコンベヤ54の搬送方向と反対側である後端側に落下するように配置されている。このため、券銭分離機構53により分離された券類T及び硬貨Cは、ベルトコンベヤ54の搬送面の後端側から前端側のほぼ全長にわたって搬送される。即ち、ベルトコンベヤ54で搬送される券類T及び硬貨Cを目視確認するのに十分な搬送距離が確保される。
【0007】
一方、図6に示すように、運賃箱51の後壁外面の上部には紙幣挿入口61が設けられている。当該紙幣挿入口61には両替用の紙幣Pが挿入されるとともに、当該紙幣Pは運賃箱51内において紙幣挿入口61に対応するように設けられた紙幣識別機構62により真贋及び金種が識別等される。その後、当該紙幣Pは紙幣シュート63を介して金庫58に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−317122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、前記従来の運賃箱には、次のような問題があった。即ち、図6に示されるように、金庫58は運賃箱51の内底部における中央付近に配置されていた。そして、ベルトコンベヤ54の搬送方向は運賃箱51の前方とされるとともに、券類シュート57及び硬貨シュート60は、それぞれ運賃箱51の前端側からベルトコンベヤ54の下方を通って運賃箱51の中央側へ延出されて金庫58の上部に接続されていた。また、紙幣シュート63は、運賃箱51の内頂部における後端側に設けられた紙幣識別機構62の図示しない出口付近から下方へ延出されて金庫58の側部に接続されていた。
【0010】
このように、従来の運賃箱51においては、その内底部の中央付近に配置された金庫58に、運賃箱51の両側から券類T、硬貨C及び紙幣Pが案内されるようになっていた。その結果、券類シュート57、硬貨シュート60及び紙幣シュート63が運賃箱51内の全体にわたって配設されることとなり、それらシュートを避けるようにして運賃箱51に内蔵される各種の機器(図示しない制御装置等)を配置する必要があった。各シュートの運賃箱51内における占有率も大きく、運賃箱51の内部スペース逼迫の一因となっていた。
【0011】
特に、紙幣シュート63は広げられた状態の紙幣Pを円滑に案内するために、その広げられた状態の紙幣Pの大きさに合わせて通路面積が設定されるため、当該紙幣シュート63は、券類シュート57及び硬貨シュート60に比べて長大化及び大型化する傾向にあった。しかも、紙幣シュート63は金庫58の側部に接続される構成とされていたために、金庫58の側部には、紙幣シュート63からの紙幣Pを金庫58内に押し込むための押し込み機構64を設ける必要があった。この押し込み機構64の配置スペースを運賃箱51内に確保すること必要があることも、運賃箱51内のスペースを逼迫する要因となっていた。
【0012】
近年では、例えば非接触ICカードシステムが組み込まれる等、運賃箱51はますます多機能化の傾向にある。そうした機能を追加する際には、当該機能を提供するための機器及び当該機器を制御する制御装置等を運賃箱51の内部に追加して組み込む必要がある。しかし、前述したように、従来の運賃箱51においては、内部スペースに余裕がなく、前記追加する機器の配置スペースを確保することは困難であった。なお、車両内の通路スペースを確保するために、運賃箱51の体格の大型化については限界があるという現状もある。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、内部スペースを確保することができる運賃箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、筐体の上部に設けられた投入口から投入された硬貨と券類とを券銭分離手段で分離するとともに、その分離された硬貨及び券類を券銭分離手段の下方において搬送面が斜状に配置されたベルトコンベヤにより横方向へ搬送し、硬貨シュート及び券類シュートを介して金庫に収納するようにした運賃箱であって、前記金庫は、筐体の内底部における一端側の隅部に配置し、前記ベルトコンベヤの搬送方向は、筐体の横方向において金庫から遠い位置にある遠端部から金庫に近い位置にある近端部へ向かう方向とし、前記券銭分離手段は、分離された硬貨がベルトコンベヤの搬送方向の逆方向に向けて落下するように設け、前記硬貨シュートは、前記ベルトコンベヤの近端部下方から落下する硬貨を受け入れ可能に前記ベルトコンベヤの下方に設け、前記券類シュートは、前記ベルトコンベヤの近端部側方から落下する券類を受け入れ可能に前記ベルトコンベヤの側方に設けるようにしたことをその要旨とする。
【0015】
この構成によれば、券銭分離手段により分離された硬貨は、ベルトコンベヤの搬送方向の逆方向に向けて落下することによって、ベルトコンベヤにより、筐体の横方向において金庫から遠い位置にある遠端部から金庫に近い位置にある近端部へ向かう方向へ搬送されるとともに、硬貨シュートを介して金庫に収容される。券銭分離手段により分離された券類も、同様にベルトコンベヤにより、搬送されて券類シュートを介して金庫に収容される。このため、券銭分離手段により分離された券類及び硬貨を、金庫に近い近端部から金庫から遠い遠端部へ向かう方向へ搬送するようにした場合と異なり、当該券類及び硬貨の金庫までの搬送経路の短縮化が図られる。この券類及び硬貨の搬送経路の短縮化に伴って、券類シュート及び硬貨シュートの短縮化、ひいてはそれらシュートの簡素化が図られる。また、筐体内における券類シュート及び硬貨シュートの占有割合が減少するので、その分、筐体の内部スペースも確保可能となる。特に、本発明によれば、ベルトコンベヤの近端部下方から落下する硬貨を受け入れ可能にベルトコンベヤの下方に硬貨シュートを設け、ベルトコンベヤの近端部側方から落下する券類を受け入れ可能にベルトコンベヤの側方に券類シュートを設けるので、硬貨シュート及び券類シュートの両方をベルトコンベヤの下方に設ける場合に比べて、券類シュートの分、筐体内にスペースを確保することができる。このため、筐体内におけるベルトコンベヤの下方に、まとまったスペースを確保可能となる。
【0016】
なお、券銭分離手段により分離された券類及び硬貨を、金庫に近い近端部から金庫から遠い遠端部へ向かう方向へ搬送するようにした場合には、券類及び硬貨をそれらの搬送方向とは反対側に位置する金庫へ戻す必要がある。この場合、ベルトコンベヤの下方のスペースを、券類シュート及び硬貨シュートの配置スペースとして確保することが考えられる。これに対して、本発明によれば、券類及び硬貨は金庫側へ搬送されることにより、券類及び硬貨をベルトコンベヤの搬送方向と反対側へ戻す必要はない。特に、硬貨は、ベルトコンベヤの搬送方向の逆方向に向けて落下することから、金庫から遠い遠端部から金庫に近い近端部に向けて搬送されるベルトコンベヤによる搬送距離を確保することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運賃箱において、前記筐体の側壁には、前記ベルトコンベヤの搬送面が外部から目視可能な確認窓を設けるようにしたことをその要旨とする。
【0018】
この構成によれば、ベルトコンベヤ上の硬貨や券類を確認窓から目視確認することができる。即ち、硬貨は、ベルトコンベヤの搬送方向の逆方向に向けて落下することから、金庫から遠い遠端部から金庫に近い近端部に向けて搬送されるベルトコンベヤによる搬送距離を確保することが可能となり、ベルトコンベヤにより搬送される硬貨の目視確認可能な十分な搬送距離を確保されたなかで目視確認することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の運賃箱において、前記筐体内における金庫の上方には、両替のための紙幣が挿入される紙幣識別手段を設けるとともに、当該紙幣識別手段により識別処理された後の紙幣を、紙幣シュートを介して前記金庫の上部から収容するようにしたことをその要旨とする。
【0020】
例えば紙幣識別手段により識別処理された後の紙幣を、金庫の側部から収容するようにした場合には、当該紙幣を金庫に押し込むための手段が必要となるとともに、当該手段の設置スペースを筐体内に確保する必要がある。本発明によれば、紙幣識別手段により識別処理された後の紙幣を、金庫の上部から収容するようにしたことにより、紙幣を自重により金庫内に落下させることが可能となる。このため、当該紙幣を金庫の側部から押し込むための手段は不要となるとともに、当該手段の設置スペースを筐体内に確保する必要もない。そしてその分、筐体の内部スペースを確保することができる。また、紙幣を金庫の側部から収容するようにした場合には、紙幣シュートを金庫の側部に対応する位置まで延出する必要がある。しかし、本発明のように、紙幣を金庫の上部から収容するようにすれば、紙幣シュートは金庫の上部近傍まで延出すれよいことから、紙幣シュートの短縮化が図られる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運賃箱において、券銭分離手段及びベルトコンベヤを制御する副制御手段、及び当該副制御手段が接続されるとともに運賃箱全体を統括的に制御する主制御手段を備え、前記副制御手段は筐体内における券銭分離手段及びベルトコンベヤの近傍に、また前記主制御手段は筐体内におけるベルトコンベヤの下方に配置して、前記副制御手段から前記券類分離手段及び前記ベルトコンベヤに配設される配線数よりも、前記副制御手段から前記主制御手段に配設される配線数を少なくするようにしたことをその要旨とする。
【0022】
この構成によれば、筐体内においては、主に副制御手段と主制御手段とを接続するための配線スペースを確保するだけでよい。また、副制御手段は券銭分離手段及びベルトコンベヤの近傍に配置されるので、副制御手段と券銭分離手段及びベルトコンベヤとを接続する配線スペースはわずかなものとなる。このため、券銭分離手段及びベルトコンベヤの制御、並びに運賃箱全体の統括的な制御を全て単一の制御手段で行うようにした場合に比べて、筐体内における上部から下部へ向かって配設される配線数を少なくすることが可能となる。従って、筐体内に確保すべき配線スペースが減少し、その分、筐体の内部スペースを確保することができる。ちなみに、券銭分離手段及びベルトコンベヤの制御を全て単一の制御手段で行うようにした場合には、筐体内の上部に配置された券銭分離手段及びベルトコンベヤから筐体内の下部に配置された前記単一の制御手段へそれぞれ配線する必要がある。
【0023】
また、主制御手段は副制御手段に比べて機能が多く、その結果、副制御手段よりも大型となりやすい。この大型の主制御手段を、筐体内におけるベルトコンベヤの下方にまとまって形成される内部スペースに配置するようにしたことにより、当該主制御手段を筐体内に余裕を持って配置可能となる。このため、主制御手段を筐体内の狭いスペースに配置するようにした場合と異なり、組み付けが容易になる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の運賃箱において、請求項3に記載の運賃箱において、前記筐体は、上部が開口した有底箱体状の筐体本体と、当該筐体本体の上部開口部を開閉する下部が開口した有蓋箱体状の蓋体とを備えるとともに、当該蓋体は筐体本体の長手方向に延びる上縁部において回動可能に連結するようにし、前記蓋体の上面には、所定の表示を行う表示手段を前記筐体本体内における主制御手段の位置に対応するように設けるとともに、当該表示手段のケース内には前記副制御手段を収容するようにし、前記副制御手段と前記主制御手段とを接続する配線は、前記蓋体の内面における短手方向へ延びるように配設して筐体本体内に導入するようにしたことをその要旨とする。
【0025】
例えば、蓋体の閉じ状態において、表示手段と主制御手段とが運賃箱の長手方向において互いに反対側に位置するように表示手段を配置するようにした場合であって、蓋体を筐体本体の短手方向に延びる上縁部において回動可能に連結するようにしたときには、次のような問題が懸念される。即ち、前記副制御手段と前記主制御手段とを接続する配線を、蓋体の内面における長手方向の全長にわたって配設する必要があるため、どうしても配線長が長くなる。
【0026】
これに対して、本発明によれば、蓋体の閉じ状態において、表示手段と主制御手段とが筐体の長手方向において互いに同じ側に位置するように、当該表示手段は配置される。また、蓋体は筐体本体の長手方向に延びる上縁部において回動可能に連結されるとともに、副制御手段と主制御手段とを接続する配線は、蓋体の内面における短手方向へ延びるように配設される。このため、蓋体の長手方向の全長にわたって配線する必要はない。また、表示手段を主制御手段と対応するように配置したことにより、副制御手段と主制御手段との間の配線距離の短縮化が図られる。さらに、副制御手段を筐体の外部、即ち、表示手段のケース内に設けるようにしたことにより、その副制御手段の分だけ筐体の内部スペースを確保することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、運賃箱の内部スペースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)は、第1の実施の形態における運賃箱の概略斜視図、(b)は、同じくベルトコンベヤ及びカバーの断面図。
【図2】同じく運賃箱の内部機器の配置状態を示す概略構成図。
【図3】第2の実施の形態における運賃箱の内部機器の配置状態を示す概略構成図。
【図4】(a)は、第3の実施の形態における運賃箱の概略斜視図、(b)は、同じく蓋体を開放した状態を示す運賃箱の概略斜視図。
【図5】(a)は、従来の運賃箱の概略斜視図、(b)は、同じくベルトコンベヤ及びカバーの断面図。
【図6】同じく運賃箱の内部機器の配置状態を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を、例えばワンマンバスに搭載される運賃箱に具体化した第1の実施の形態を図1(a),(b)及び図2に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、運賃箱11の筐体12の上部には、運賃としての硬貨C並びに整理券及び回数券等の券類Tが投入される投入口13が設けられている。筐体12内において、投入口13の直下には一対の分離ローラ14a,14bからなる券銭分離機構14が配置されている。分離ローラ14a,14bは、それらの間を券類Tのみが通過可能となるように微少間隔をおいて配置されるとともに、筐体12の前端側へ向かうにつれて斜状に配置されている。即ち、投入口13に投下された券類Tは2つの分離ローラ14a,14b間を通過して落下するとともに、硬貨Cは分離ローラ14a,14b間を通過することなく2つの分離ローラ14a,14bの外周面間に形成される溝に沿って転がり斜め下方へ落下するようになっている。本実施の形態では、筐体12の前端側において硬貨Cが落下するように分離ローラ14a,14bは配置されている。
【0030】
券銭分離機構14の下方において、筐体12の内頂部における前端側の隅部寄りには、ベルトコンベヤ15が配置されている。ベルトコンベヤ15は、一対のローラ15a,15bと、両ローラ15a,15b間に巻掛けられたベルト15cと、を備えている。このベルトコンベヤ15は、ベルト15cの搬送面が上方へ向かうにつれて内方に傾くとともに、分離ローラ14a,14bにより分離された硬貨Cがベルト15cの搬送面の前端側に落下するように配置されている。ベルトコンベヤ15の搬送方向は筐体12の後端側とされている。即ち、図示しないモータの駆動によりベルト15cの搬送面は筐体12の後端側(図1(a)における左側)へ移動する。筐体12内には、ベルトコンベヤ15の搬送面に対向するようにカバー16が固定されている。カバー16は例えば透明なアクリル板により形成されるとともに、筐体12の側壁に形成された図示しない確認窓及び当該カバー16を介してベルトコンベヤ15の搬送面を目視可能とされている。
【0031】
カバー16の内面には、可撓性を有する複数個のブラシ17が横方向(図1(a)における左右方向)において所定間隔毎に配置されている。図1(b)に示されるように、このブラシ17の先端はベルトコンベヤ15の搬送面に当接している。ブラシ17の可撓性は、券銭分離機構14の2つの分離ローラ14a,14bの前端側から落下してきた硬貨Cが当該ブラシ17の先端とベルト15cの搬送面との間を通過可能となるように設定されている。また、ブラシ17の可撓性は、券銭分離機構14の2つの分離ローラ14a,14b間から落下してきた券類Tが、当該ブラシ17の先端とベルト15cの搬送面との間を通過しないように設定されている。また、筐体12内には、ベルトコンベヤ15の下端縁及びカバー16の下端縁に対応するガイド壁18が配置固定されている。このガイド壁18により、ブラシ17の先端とベルト15cの搬送面との間を通過してきた硬貨Cが受け止められる。
【0032】
図2に示すように、筐体12内において、ベルト15cの後端側の下方には両端が開口した筒状の硬貨シュート19が配置されている。この硬貨シュート19はベルトコンベヤ15の後端下部から落下してきた硬貨Cを上部開口部から受け入れ可能となるように設けられている。また、ベルト15cの後端側の側部には両端が開口した筒状の券類シュート20が配置されている。この券類シュート20はベルトコンベヤ15の後端中間部から落下してきた券類を上部開口部から受け入れ可能となるように設けられている。そして、硬貨シュート19及び券類シュート20は、筐体12の内底部における後端側の隅部へ向かうように下方へ延出されている。
【0033】
筐体12の内底部における後端側の隅部には、金庫21が配置されるとともに、当該金庫21の上部には、硬貨シュート19及び券類シュート20の下端開口部が接続されている。硬貨シュート19及び券類シュート20内を通過してきた硬貨C及び券類Tは、当該硬貨シュート19及び券類シュート20の下部開口部を介して金庫21内の図示しない硬貨収容室及び券類収容室に収容される。
【0034】
一方、運賃箱11の後壁外面の上部には、両替用の紙幣Pが挿入される紙幣挿入口22が設けられている。また、筐体12の内頂部における後端側の隅部近傍、即ち金庫21の上方には、紙幣挿入口22から供給された紙幣Pを受け取るとともに、当該紙幣Pの真贋及び金種等を識別する紙幣識別機構23が配置されている。紙幣識別機構23において、紙幣Pが供給される側の端部と反対側の端部に設けられた図示しない出口の下方には、両端が開口した筒状の紙幣シュート24が配置されている。紙幣シュート24の上部開口部は、広げられた状態の紙幣Pを取りこぼさないように大きく拡開されている。紙幣シュート24は、下方へ延出されるとともに、当該紙幣シュート24の下端開口部は金庫21の上部に接続されている。紙幣シュート24内を通過してきた紙幣Pは、当該紙幣シュート24の下端開口部を介して金庫21内の図示しない紙幣収容室に収容される。
【0035】
そして、図2に示されるように、本実施の形態では、券銭分離機構14、ベルトコンベヤ15、硬貨シュート19、券類シュート20、金庫21、紙幣識別機構23及び紙幣シュート24を、筐体12内における内頂部から内側部の後端側にわたる領域に集中して配置することにより、当該筐体12内の前端側の下部にまとまった内部スペースSが確保されている。
【0036】
<実施形態の作用>
次に、前述のように構成した運賃箱の動作を説明する。
図2に示されるように、投入口13に投入された運賃としての硬貨C並びに整理券及び回数券等の券類Tは、一対の分離ローラ14a,14bからなる券銭分離機構14により分離される。券類Tは2つの分離ローラ14a,14b間を通過して落下するとともに、硬貨Cは2つの分離ローラ14a,14b間を通過することなく2つの分離ローラ14a,14bの外周面間に形成される溝に沿って運賃箱11の前端側へ転がり斜め下方へ落下する。
【0037】
2つの分離ローラ14a,14b間から落下してきた券類Tはカバー16により下方へ案内される。券類Tの下方への移動はブラシ17により阻まれるとともに、当該券類Tは、ブラシ17の先端とベルトコンベヤ15の搬送面との間を通過することなく、当該ベルトコンベヤ15の搬送面に寄りかかった状態でブラシ17上に保持される。券類Tはこの状態を保ちながら、ベルトコンベヤ15の作動により運賃箱11の後端側(図2における左方向)へ搬送されるとともに、券類シュート20を介して金庫21の券類収容室に収容される。
【0038】
また、2つの分離ローラ14a,14bの下流側から落下してきた硬貨Cは、カバー16により下方へ案内されるとともに、その自重によりブラシ17を撓ませながら、当該ブラシ17の先端とベルトコンベヤ15の搬送面との間を通過して、ガイド壁18の上面における前端側に落下する。このガイド壁18上の硬貨Cは、ベルトコンベヤ15の作動により、ガイド壁18の上面を転動しながら運賃箱11の後端側(図2における左方向)へ搬送されるとともに、硬貨シュート19を介して金庫21の硬貨収容室に収容される。
【0039】
このように、投入口13に投入された券類T及び硬貨Cは、ブラシ17の上と下とに分かれた状態で、ベルトコンベヤ15により運賃箱11の後方へ搬送される。その際、運転手は、ベルトコンベヤ15により搬送される券類T及び硬貨Cを、運賃箱11のカバー16に対向する側壁に設けられた図示しない確認窓を介して目視可能である。硬貨Cは、ガイド壁18の上面における前端側に落下することにより、ベルトコンベヤ15の前端側から後端側のほぼ全長にわたって搬送される。即ち、ベルトコンベヤ15により搬送される硬貨Cを目視確認するのに十分な搬送距離が確保される。
【0040】
一方、紙幣挿入口22から挿入された両替用の紙幣Pは、紙幣識別機構23により真贋及び金種等が識別されるとともに、その後、当該紙幣Pは紙幣シュート24を介して金庫21の前記紙幣収容室に収容される。また、識別された紙幣の金額分の硬貨が、図示しない払い出し機構から、筐体12の後壁外面に設けられた硬貨返却口に供給される。
【0041】
<実施形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)金庫21は、筐体12の内底部における後端側の隅部に配置するようにした。また、ベルトコンベヤ15は、筐体12内の金庫が設けられた隅部と対角をなす隅部寄りに配置するとともに、当該ベルトコンベヤ15の搬送方向を、筐体12の横方向(図2における左右方向)において金庫21から遠い位置にある端部(前端、遠端)から金庫21に近い位置にある端部(後端、近端)へ向かう方向とした。そして、券銭分離機構14は、ベルトコンベヤ15の前記遠い位置にある端部(前端、遠端)側に硬貨Cが落下するように設けるようにした。
【0042】
このため、券銭分離機構14により分離された券類T及び硬貨Cは、ベルトコンベヤ15により、筐体12の横方向において金庫21から遠い位置にある端部から金庫21に近い位置にある端部へ向かう方向へ搬送されるとともに、券類シュート20及び硬貨シュート19を介して金庫21に収容される。従って、券銭分離機構14により分離された券類T及び硬貨Cを、筐体12の横方向において金庫21から近い位置にある端部から金庫21に遠い位置にある端部へ向かう方向へ搬送するようにした場合と異なり、当該券類T及び硬貨Cの金庫21までの搬送経路の短縮化が図られる。この券類T及び硬貨Cの搬送経路の短縮化に伴って、券類シュート20及び硬貨シュート19の短縮化、ひいてはそれらシュートの簡素化が図られる。また、筐体12内における券類シュート20及び硬貨シュート19の占有割合が減少するので、その分、筐体12の内部スペースを確保することができる。特に、筐体12内におけるベルトコンベヤ15の下方、且つ金庫21の側部にはまとまったスペースを確保可能となる。
【0043】
ちなみに、券銭分離機構14により分離された券類T及び硬貨Cを、ベルトコンベヤ15の後端側に落下させるとともに、筐体12の横方向において金庫21から遠い位置にある端部(前端、遠端)から金庫21に近い位置にある端部(後端、近端)へ向かう方向へ搬送するようにした場合には、次のような問題が懸念される。即ち、券類シュート20及び硬貨シュート19を、ベルトコンベヤ15の下方における前端側から後端側へ延びるように配設する必要がある。このため、ベルトコンベヤ15の下方の内部スペースSは、券類シュート20及び硬貨シュート19の分だけ狭くなる。
【0044】
(2)筐体12内における金庫21の上方には、両替のための紙幣が挿入される紙幣識別機構23を設けるとともに、当該紙幣識別機構23により識別処理された後の紙幣Pを、紙幣シュート24を介して金庫21の上部から収容するようにした。
【0045】
例えば紙幣識別機構23により識別処理された後の紙幣Pを、金庫21の側部から収容するようにした場合には、当該紙幣Pを金庫21に押し込むための押し込み機構等が必要となるとともに、当該機構の設置スペースを筐体12内に確保する必要がある。これに対して、本実施の形態によれば、紙幣識別機構23により識別処理された後の紙幣Pを、金庫21の上部から収容するようにしたことにより、紙幣Pを自重により金庫21内に落下させることが可能となる。このため、当該紙幣Pを金庫21の側部から押し込むための押し込み機構は不要となるとともに、当該機構の設置スペースを筐体12内に確保する必要もない。そしてその分、筐体12の内部スペースを確保することができる。また、紙幣Pを金庫21の側部から収容するようにした場合には、紙幣シュート24を金庫21の側部に対応する位置まで延出する必要がある。しかし、本実施の形態のように、紙幣Pを金庫21の上部から収容するようにすれば、紙幣シュート24は金庫21の上部近傍まで延出すれよいことから、紙幣シュート24の短縮化が図られる。また、紙幣シュート24を途中で屈曲させる必要性も少なくなるので、紙幣シュート24の構成の簡素化も図られる。
【0046】
(3)近年では、例えば非接触ICカードシステムが組み込まれる等、運賃箱11はますます多機能化の傾向にある。そうした機能を追加する際には、当該機能を提供するための機器及び当該機器を制御する制御装置等を運賃箱11の内部に追加して組み込む必要がある。そうした現状において、本実施の形態によれば、筐体12内におけるベルトコンベヤ15の下方には、まとまった内部スペースSが形成される。このため、非接触ICカードシステム等の追加機器を筐体12内に簡単に組み込むことができる。従って、近年の多機能化にも十分に対応することができる。
【0047】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3に示すように、筐体12内におけるベルトコンベヤ15の下方に形成された内部スペースSには、運賃箱11の全体を統括的に制御する主制御基板31が配置されている。主制御基板31はその一方面が筐体12の側壁に対向するように配置されている。主制御基板31は筐体12の側壁に形成されたメンテナンス口32を介して保守及び点検が可能とされている。
【0048】
また、券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15の近傍、具体的には筐体12の内頂部における前端側には、券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15を制御する副制御基板33がその一面を筐体12の前端側を向けるようにして配置されている。副制御基板33は、配線W1を介して主制御基板31に接続されている。配線W1は、筐体12の前壁の内面に沿うように、当該筐体12の内頂部から底部へ向かって配設されている。また、副制御基板33は、配線W2,W3により券銭分離機構14(正確には図示しないモータ)及びベルトコンベヤ15(正確には図示しないモータ)に接続されている。
【0049】
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)筐体12内においては、主に主制御基板31と副制御基板33とを接続するための配線スペースを確保するだけでよい。副制御基板33は券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15の近傍に配置されるので、副制御基板33と券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15とを接続する配線スペースはわずかなものとなる。このため、券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15の制御、並びに運賃箱全体の統括的な制御を全て単一の主制御基板31で行うようにした場合に比べて、筐体12内における上部から下部へ向かって配設される配線数を少なくすることが可能となる。従って、筐体12内に確保すべき配線スペースも減少し、その分、筐体12の内部スペースを確保することができる。また、筐体12内において上部から下部へ向かって配設される配線数が減少することにより、筐体12内の構成の簡素化が図られる。ちなみに、券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15の制御、並びに運賃箱全体の統括的な制御を全て単一の主制御基板31で行うようにした場合には、筐体12内の上部に配置された券銭分離機構14及びベルトコンベヤ15から筐体12内の下部に配置された主制御基板31へそれぞれ配線する必要がある。
【0050】
(2)また、主制御基板31は副制御基板33に比べて機能が多く、その結果、副制御基板33よりも大型となりやすい。この大型の主制御基板31を、筐体12内におけるベルトコンベヤ15の下方、且つ金庫21の側部に形成される内部スペースSに配置するようにしたことにより、当該主制御基板31を筐体12内に余裕を持って配置することができる。このため、主制御基板31を筐体12内の狭いスペースに配置するようにした場合と異なり、組み付けが容易になる。また、その組み付けに際して、主制御基板31を筐体12内の他の機器にぶつけるようなこともない。
【0051】
(3)さらに、主制御基板31の一方面をメンテナンス口32側に向けて配置することにより、当該主制御基板31のメンテナンスを簡単に行うことができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図4(a),(b)に示すように、筐体12は、上部が開口した有底箱体状の筐体本体41と、当該筐体本体41の上部開口部を開閉する下部が開口した有蓋箱体状の蓋体42とを備えている。蓋体42は筐体本体41の長手方向に延びる上縁部において回動可能に連結されている。そして、蓋体42の上面には、運賃の表示等を行う表示装置43が設けられている。表示装置43は蓋体42の上面において、主制御基板31に対応する位置、即ち蓋体42の前端寄りに配置されている。また、表示装置43のケース43a内には前記副制御基板33が収容されている。そして、主制御基板31と副制御基板33とを接続する配線W1は、蓋体42の内面における短手方向へ延びるように配設して筐体本体41内に導入されている。筐体本体41の上部開口部を介して導入された配線W1は、当該筐体本体41の高さ方向(図4(a),(b)における上下方向)においてまっすぐ下方へ配設されて主制御基板31に接続されている。
【0052】
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)蓋体42の閉じ状態において、表示装置43と主制御基板31とが運賃箱11の長手方向において互いに同じ側に位置するように、当該表示装置43を配置するようにした。また、蓋体42は筐体本体41の長手方向に延びる上縁部において回動可能に連結するとともに、主制御基板31と副制御基板33とを接続する配線W1は、蓋体42の内面における短手方向へ延びるように配設するようにした。このため、蓋体42の長手方向の全長にわたって配線する必要はない。また、表示装置43を主制御基板31と対応するように配置したことにより、主制御基板31と副制御基板33との間の配線距離の短縮化が図られる。
【0053】
例えば蓋体42の閉じ状態において、表示装置43と主制御基板31とが運賃箱11の長手方向において互いに反対側に位置するように、表示装置43を配置するようにした場合であって、蓋体42を筐体本体41の短手方向に延びる上縁部において回動可能に連結するようにしたときには、次のような問題が懸念される。即ち、主制御基板31と副制御基板33とを接続する配線W1を、蓋体42の内面における長手方向の全長にわたって配設する必要があるため、どうしても配線長が長くなる。
【0054】
(2)また、副制御基板33を筐体12の外部、即ち、表示装置43のケース内に設けるようにしたことにより、その副制御基板33の分だけ筐体12内のスペースを確保することができる。
【0055】
<他の技術的思想>
次に、前記各実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
請求項3又は請求項4に記載の運賃箱において、前記主制御手段の一方面を筐体の側壁に形成されたメンテナンス口側に向けて配置するようにした運賃箱。この構成によれば、主制御手段のメンテナンスを簡単に行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
11…運賃箱、12…筐体、13…投入口、14…券銭分離機構(券銭分離手段)、15…ベルトコンベヤ、19…硬貨シュート、20…券類シュート、21…金庫、
23…紙幣識別機構(紙幣識別手段)、24…紙幣シュート、
31…主制御基板(主制御手段)、33…副制御基板(副制御手段)、41…筐体本体、42…蓋体、43…表示装置(表示手段)、43a…ケース、C…硬貨、P…紙幣、T…券類、W1…配線。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の上部に設けられた投入口から投入された硬貨と券類とを券銭分離手段で分離するとともに、その分離された硬貨及び券類を券銭分離手段の下方において搬送面が斜状に配置されたベルトコンベヤにより横方向へ搬送し、硬貨シュート及び券類シュートを介して金庫に収納するようにした運賃箱であって、
前記金庫は、筐体の内底部における一端側の隅部に配置し、
前記ベルトコンベヤの搬送方向は、筐体の横方向において金庫から遠い位置にある遠端部から金庫に近い位置にある近端部へ向かう方向とし、
前記券銭分離手段は、分離された硬貨がベルトコンベヤの搬送方向の逆方向に向けて落下するように設け、
前記硬貨シュートは、前記ベルトコンベヤの近端部下方から落下する硬貨を受け入れ可能に前記ベルトコンベヤの下方に設け、
前記券類シュートは、前記ベルトコンベヤの近端部側方から落下する券類を受け入れ可能に前記ベルトコンベヤの側方に設けるようにした運賃箱。
【請求項2】
前記筐体の側壁には、前記ベルトコンベヤの搬送面が外部から目視可能な確認窓を設けるようにした請求項1に記載の運賃箱。
【請求項3】
前記筐体内における金庫の上方には、両替のための紙幣が挿入される紙幣識別手段を設けるとともに、当該紙幣識別手段により識別処理された後の紙幣を、紙幣シュートを介して前記金庫の上部から収容するようにした請求項1又は請求項2に記載の運賃箱。
【請求項4】
券銭分離手段及びベルトコンベヤを制御する副制御手段、及び当該副制御手段が接続されるとともに運賃箱全体を統括的に制御する主制御手段を備え、
前記副制御手段は筐体内における券銭分離手段及びベルトコンベヤの近傍に、また前記主制御手段は筐体内におけるベルトコンベヤの下方に配置して、
前記副制御手段から前記券類分離手段及び前記ベルトコンベヤに配設される配線数よりも、前記副制御手段から前記主制御手段に配設される配線数を少なくするようにした請求項1〜3のいずれか一項に記載の運賃箱。
【請求項5】
請求項4に記載の運賃箱において、
前記筐体は、上部が開口した有底箱体状の筐体本体と、当該筐体本体の上部開口部を開閉する下部が開口した有蓋箱体状の蓋体とを備えるとともに、当該蓋体は筐体本体の長手方向に延びる上縁部において回動可能に連結するようにし、
前記蓋体の上面には、所定の表示を行う表示手段を前記筐体本体内における主制御手段の位置に対応するように設けるとともに、当該表示手段のケース内には前記副制御手段を収容するようにし、
前記副制御手段と前記主制御手段とを接続する配線は、前記蓋体の内面における短手方向へ延びるように配設して筐体本体内に導入するようにした運賃箱。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−146346(P2012−146346A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109097(P2012−109097)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【分割の表示】特願2006−897(P2006−897)の分割
【原出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(000144544)レシップホールディングス株式会社 (179)
【Fターム(参考)】