説明

過分極129Xeの製造法

本発明は、過分極129Xeの製造法及び造影剤の製造法に関する。過分極129Xeの製造法では、a)キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調整し、b)上記混合物をDNP法で過分極して過分極129Xeを得、c)適宜、混合物の他の成分から上記キセノンを分離する。造影剤として使用するには、凝縮キセノンを使用前に適宜加熱する。本発明は、ヒト又はヒト以外の動物の身体、好ましくはヒト又はヒト以外の動物の肺の、磁気共鳴イメージング用の造影剤の製造のためのDNP−過分極129Xeの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過分極129Xeの製造法及び造影剤の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
129Xeは室温では気体である。その原子核は1/2のスピン量子数と、−1.347494という適度な大きさの核磁気モーメントを有する。129Xeは肺に取込んで、血液又は組織内に吸収させることができる。129Xeは磁気共鳴イメージング(MRI)によって体内で画像化する潜在的可能性をもつことが認識されている。しかし、気相は生体物質の凝縮相(例えば血液、組織)よりも約1000倍密度が低い(mol/l)ので、その核磁気共鳴(NMR)シグナルは、凝縮生体物質中のプロトンのシグナルよりもはるかに弱い。これを克服すべく、過分極129Xeが調製されている。この場合、核磁化(MRI感度はこれに依存する。)は、5桁も増大させることができ、129Xeで得られるコントラストは、たとえ気相中であっても、その平衡室温凝縮相のプロトンからのものよりも大きくなる。スピンは1/2であるので、過分極129Xeの非平衡高度分極状態の保持時間(スピン格子緩和時間Tと呼ばれる。)はたとえ体温においても充分に長く、コントラスト増強MRイメージを得るのに充分な時間129Xeは過分極状態に保たれる。したがって、過分極129Xeガスは、肺の磁気共鳴イメージング用の吸入可能な造影剤として、高い関心を集めてきた。
【0003】
W.Happer et al., Phys. Rev. A29, 3092(1984)には、光ポンプレーザー法を用いた過分極129Xeの生産について記載されている。この方法の短所は、分極が低密度気相中でなされるため生成率が低いことである。例えば、1時間当たりわずか数リットルの速度が達成可能であるにすぎない。
【0004】
国際公開第99/35508号には、「ブルートフォース」法又は動的核分極(DNP)法を用いた固体状態のキセノンの過分極が開示されている。
【0005】
国際公開第00/23797号には、常磁性酸素分子でのキセノンのドーピング、電離放射線でのキセノン照射、又はキセノン中に置かれたポリマーに封入された小さな磁化粒子の分散のような、固体状態のキセノンの追加の過分極法が開示されている。
【特許文献1】国際公開第99/35508号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/23797号パンフレット
【非特許文献1】W.Happer et al., Phys. Rev. A29, 3092(1984)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
今回、固体状態でのキセノンのDNP過分極の際に添加剤が存在すると、分極のエンハンスメントが劇的に増大するという予想外の知見が得られた。
【0007】
本発明は、過分極129Xeの生産方法であって、
a)キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調整し、
b)上記混合物をDNP法で過分極して過分極129Xeを得、
c)適宜、混合物の他の成分から上記キセノンを分離する
ことを含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
段階a)では、キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調製する。
【0009】
本発明では、キセノンはその天然の形態、つまり131Xe(21.2%)と129Xe(26.4%)を含む幾つかの同位体の混合物として使用することができる。別法として、129Xe濃縮キセノンを使用することができる。
【0010】
本発明における「添加剤」という用語にも、適当な添加剤混合物が包含される。好ましくは、1種以上の溶媒又は溶媒混合物を、本発明の方法で添加剤として使用する。さらに好ましくは、使用する1種以上の溶媒又は溶媒混合物は、エタノールもしくはプロパノールなどの単鎖アルコール又はグリコールのような良好なガラス形成能を有するもの及び/又はトルエン又はメチルシクロヘキサンのように親油性を有するものである。さらに好ましいのは、H、19F、31Pその他のNMR活性核を多量に含んだ溶媒又は溶媒混合物である。特に好ましくは、添加剤は、直鎖又は枝分れC〜C12−アルカン、C〜C12−シクロアルカン、脂肪アルコール、脂肪エステル、トルエンもしくはキシレンのような置換ベンゼン誘導体、テトラデカフルオロヘキサンもしくはヘキサフルオロイソプロパノールのようなモノ−もしくはポリフッ素化溶媒、エタノール、プロパノールもしくブタノールのような単鎖アルコール及びグリコールなる群から選択される1種以上の溶媒である。最も好ましい添加剤は、シクロペンタン、トルエン、キシレン、エタノール、プロパノール及び2−ブタノールである。
【0011】
ある好ましい実施形態では、添加剤は、その添加剤とキセノンが共に同時に液体状態となる温度/圧力領域が存在するように選択される。プロパノール及びエタノールがかかる添加剤の好適な具体例である。
【0012】
別の好ましい実施形態では、キセノンと添加剤の混合物中のキセノンの濃度が増すと、得られる129Xeの分極が減少するので、キセノンと添加剤の混合物中のキセノンの量を低く保つ。ただし、NMRシグナルの強度は、分極(希釈によって増大)と129Xeスピン数(希釈によって減少)の両者によって決まるので、DNP分極のためのキセノン量を選択する際には、これら2つの因子のバランスをとる必要がある。
【0013】
段階a)の混合物中のフリーラジカルは、ニトロキシド又はトリチルラジカルのような安定フリーラジカルでもよいし、段階b)の過分極の直前のラジカル生成段階で、或いは別法として電離放射線の使用によって、安定ラジカル前駆体からその場で調製したフリーラジカルであってもよい。適当なフリーラジカルは、トリアリールメチルのような有機フリーラジカル、ポルフィレキシド(porphyrexide)、TEMPO、TEMPONE、TEMPOL(下記参照)のようなニトロキシド、ガルビノキシル(下記参照)のような酸素中心ラジカル、トリチル及びアリルのような炭素中心ラジカル、Cr(V)、例えば、BHHA−Cr(V)及びEHBA−Cr(V)(下記参照)、Mn(II)、例えばMnCl、Tm(II)、Yb(III)、Nd(III)、V(IV)、Ni(II)及びFe(III)イオンのような不対電子を有する金属イオン、又は放射線発生ラジカル中心及びビラジカル、例えば国際公開第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号及び同第96/39367号に記載されたものである。好ましいフリーラジカルは、添加剤及び/又は液体キセノン中に溶解するものである。特に好ましいフリーラジカルは、トリチル及びニトロキシドラジカル、例えばtert−アミル−tert−ブチルニトロキシドである。
【0014】
【化1】

【0015】
好ましい実施形態では、適当な反応容器内で、好ましくは液体窒素浴を用いて、キセノンガスを添加剤及びフリーラジカルの上に凝縮させる。反応容器を次いで密閉し、成分が液体状態になるまで温める。添加剤及びフリーラジカルは、均一混合物が得られるまで液体キセノンと混合する。均一混合物の形成は、撹拌、振盪、かきまぜなどの当技術分野で周知の幾つかの手段で達成し得る。得られる混合物を次いで例えば液体窒素浴中で急速に冷却し、得られた固体を過分極に使用する。
【0016】
段階b)では、段階a)の混合物をDNP法で過分極し、過分極129Xeを得る。
【0017】
好適には、DNP過分極に使用できる固体を得るため、混合物を例えば液体窒素中で冷却する。
【0018】
DNP機構には、オーバーハウザー効果、いわゆる固体効果及び熱混合効果が包含される。DNPプロセスでは、エネルギー(通常はマイクロ波照射の形態にある)を与える。フリーラジカルの特性及び/又は照射するマイクロ波の周波数に依存して、ラジカルの不対電子から129Xe及び/又は添加剤のNMR活性核への分極の移動がある。添加剤のNMR活性核が分極されると、この分極は次いで適当な交差分極で129Xeに移動し得る。DNP法では、例えばDNPプロセスを液体ヘリウム及び約1T以上の磁場で実施することによって、中又は高磁場及び極低温を使用し得る。温度は極低温、例えば100K以下とすべきであり、好ましくは4.2K以下、さらに好ましくは1.5K以下、特に好ましくは1K以下であり、さらに一段と好ましくは100mK以下とする。用いる磁場の強さは、できる限り高くすべきであり、好適には0.1T超、好ましくは1T超、さらに好ましくは5T以上、特に好ましくは15T以上、最も好ましくは20T以上とする。別法として、充分なエンハンスメントが達成される中程度の磁場と任意の温度を使用し得る。好ましくは、分極は1%以上とすべきであり、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは25%以上、最も好ましくは50%以上である。
【0019】
過分極後、単にキセノンが気体状態になるまで混合物を温めて適当な容器内にガスを回収することによって、キセノンを混合物の他の成分から分離してもよい。混合物の加温は、混合物を水のような熱い液体と接触させたり、或いはレーザー又はマイクロ波エネルギーを用いて混合物を融解することを始めとする様々な手段で達成できる。過分極固体試料を溶解及び融解するための手段は、国際公開第02/37132号及び同第02/36006号に記載されている。適宜、得られたキセノンガスを再度凝縮して「キセノンアイス」を得ることもでき、これは永久磁石及び液体窒素浴を用いて輸送することができる。好ましくは、かかる輸送のための磁場の強さはできる限り高くすべきであり、好適には10mT以上、好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.2T以上、特に好ましくは0.3T以上である。かかる輸送のための温度は、キセノンの沸点未満、すなわち大気圧で166.05K未満とすべきである。
【0020】
造影剤として使用するには、凝縮キセノンを使用前に適宜加熱する。
【0021】
そこで、本発明の別の態様は、造影剤の製造方法であって、
a)キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調整し、
b)上記混合物をDNP法で過分極して過分極129Xeを得、
c)混合物の他の成分から上記キセノンを分離し、
d)分離したキセノンを適宜再凝縮する
ことを含む方法である。
【0022】
本発明のもう一つの態様は、ヒト又はヒト以外の動物の身体、好ましくはヒト又はヒト以外の動物の肺の、磁気共鳴イメージング用の造影剤の製造のためのDNP−過分極129Xeの使用である。
【0023】
本発明のさらに別の態様は、ヒト又はヒト以外の動物身体の肺の磁気共鳴イメージング法であって、
a)キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調整し、
b)上記混合物をDNP法で過分極して過分極129Xeを得、
c)混合物の他の成分から上記キセノンを分離し、
d)分離したキセノンを適宜凝縮及び加熱し、
e)上記キセノンを、ヒト又はヒト以外の動物の身体の肺に投与し、
f)上記身体の磁気共鳴イメージを得る
ことを含む方法である。
【0024】
本発明のさらに別の態様は、造影剤、さらに好ましくは肺の磁気共鳴イメージング用造影剤としての、本発明の方法で過分極した129Xeの使用である。
【実施例】
【0025】
例1(比較例)
反応容器中の10μlのt−アミル−t−ブチル−ニトロキシドを、液体窒素浴中で冷却した。750mlの気体キセノン(天然存在比129Xe、STP(=標準温度及び圧力))を反応容器中に凝縮させた。反応容器を密封し、温度を195Kに調整した。内容物を均一な液体が形成されるまで撹拌し、次いで液体窒素浴中で冷却した。反応溶液及び液体窒素浴をNグローブボックスに移動した。反応容器を開けて液体窒素を添加した。反応容器の固形内容物をスパチュラで粉砕し、予冷しておいたサンプルホルダーに移した。試料を次いで素早くクライオスタットに入れ、DNP分極を磁場3.35T、照射周波数93.3GHz及び温度1.6Kで実施した。
【0026】
を1.6K及び3.35Tで約10時間測定した。DNPの影響は全く認められなかった。
【0027】
例2(比較例)
実施例2は、100μlのt−アミル−t−ブチル−ニトロキシドを用いて実施例1と同様に実施した。Tを、1.6K及び3.35Tで約1時間測定した。DNPの影響は全く認められなかった。
【0028】
実施例3
実施例3は、1.2mlのトルエン中10μlのt−アミル−t−ブチル−ニトロキシド及び800mlの気体129Xeを用いて、実施例1と同様に実施した。DNP分極を、磁場3.35T、照射周波数93.3GHz及び温度1.44Kで実施した。1.44K及び3.35Tで24倍の分極エンハンスメントが測定されたが、これは1.6%の129Xeの分極に相当する。
【0029】
実施例4
試料:
1.5mlのプロパノール、26mgのトリス−(8−エトキシカルボニル−2,2,6,6−テトラキス−(メチルベンゾ[1,2−d:4,5−d′]ビス(1,3)ジチオール)メチル(以下、「ラジカル」と呼ぶ。)、500mlの(STP)天然同位体存在比のキセノン。
【0030】
実験:
ラジカル及びプロパノールを丸底フラス内に入れ、次いでフラスコを真空脱気し、ヘリウムガスを数回フラッシュして系内の酸素量を低減した。次いでフラスコを液体窒素浴に浸し、キセノンガスをフラスコ中に凝縮させた。フラスコを密閉した後、液体窒素浴をエタノール/CO浴で置き換えた。フラスコの内容物を磁気攪拌子で撹拌した。エタノール/CO浴を、次にエタノール浴で置き換え、さらに液体窒素を用いて163Kに冷却した。この温度でプロパノールとキセノンは共に液相にあり、フラスコの内容物は粘稠な液体であった。磁気攪拌子でさらに撹拌を行った後、液体窒素浴中で急速に冷却した。フラスコを開け、液体窒素を添加した。得られたフラスコの固形内容物を、予冷しておいたスパチュラで粉砕し、予冷しておいたサンプルホルダーに移した。試料を次いで素早くクライオスタットに入れ、 DNP分極を磁場3.354T、照射周波数93.93GHz(200mW)及び温度1.08Kで実施した。
【0031】
結果:
得られたDNPエンハンスメントは熱平衡シグナルに比べて82倍であり、7.2%の分極に相当した。分極のビルドアップのための時間定数は1.2時間であり、Tは4.2時間と推定された。
【0032】
実施例5
試料:
3.85mlのプロパノール、52mgのラジカル、500mlの(STP)天然同位体存在比のキセノン(0.85mlの液体キセノンに相当)。
【0033】
実験:
実験は、実施例4と同様の方法で実施した。
【0034】
結果:
得られたDNPエンハンスメントは熱平衡シグナルに比べて263.4倍であり、23.2%の分極に相当した。分極のビルドアップのための時間定数は2.2時間であり、Tは4.6時間と推定された。
【0035】
実施例6
試料:
1.0mlのプロパノール、20.5mgのラジカル、500mlの(STP)天然同位体存在比のキセノン。
【0036】
実験:
実験は、実施例4と同様の方法で実施した。
【0037】
結果:
得られたDNPエンハンスメントは熱平衡シグナルに比べて26倍であり、2.3%の分極に相当した。分極のビルドアップのための時間定数は1.2時間であり、Tは2.5時間と推定された。
【0038】
実施例7
試料:
3.85mlのプロパノール、52.7mgのラジカル、500mlの129Xe濃縮キセノン(82.3%129Xe)。
【0039】
実験:
実験は、実施例4と同様の方法で実施した。
【0040】
結果:
得られたDNPエンハンスメントは熱平衡シグナルに比べて197倍であり、17.4%の分極に相当した。分極のビルドアップのための時間定数は1.7時間であり、Tは6.2時間と推定された。
【0041】
実施例8
試料:
3.85mlのエタノール(99.5%)、52.2mgのラジカル、500mlの(STP)天然同位体存在比のキセノン。
【0042】
実験:
実験は、実施例4と同様の方法で実施した。
【0043】
結果:
得られたDNPエンハンスメントは熱平衡シグナルに比べて171.6倍であり、15.2%の分極に相当した。分極のビルドアップのための時間定数は4.1時間であり、Tは4.4時間と推定された。
【0044】
実施例9
試料:
3.85mlの2−ブタノール、51.4mgのラジカル、500mlの(STP)天然同位体存在比のキセノン。
【0045】
実験:
実験は、実施例4と同様の方法で実施した。
【0046】
結果:
得られたDNPエンハンスメントは熱平衡シグナルに比べて23倍であり、2.0%の分極に相当した。分極のビルドアップのための時間定数は1.5時間であり、Tは3.9時間と推定された。
【0047】
実施例10
試料:
実施例5と同じ標品。
【0048】
実験:
実験の最初の部分は、照射周波数が93.945GHzであった点を除いて、実施例5と同様に実施した。試料を2時間分極し、次いで熱水(約95℃)を用いてその場で融解した。キセノンガスを、過分極ヘリウムガスの貯蔵に常用されるバッグ内に回収した。次にキセノンガスを、予めアルゴンで満たしておいた10mmのNMRチューブに移した。NMRチューブをキャップで密閉し、9.4TのNMR分光計に移して検出した。
【0049】
結果:
固体状態でのDNPエンハンスメントは求めなかった。分極のビルドアップのための時間定数は約1時間であった。気相で得られた分極エンハンスメントは室温での熱平衡シグナルに比べて4752倍であり、4.3%の分極に相当した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過分極129Xeの生産方法であって、
a)キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調整し、
b)上記混合物をDNP法で過分極して過分極129Xeを得、
c)適宜、混合物の他の成分から上記キセノンを分離する
ことを含む方法。
【請求項2】
前記添加剤が、良好なガラス形成能及び/又は親油性を有する1種以上の溶媒又は溶媒混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記添加剤が、直鎖又は枝分れC〜C12−アルカン、C〜C12−シクロアルカン、脂肪アルコール、脂肪エステル、置換ベンゼン誘導体、モノ−もしくはポリフッ素化溶媒、単鎖アルコール及びグリコールからなる群から選択される1種以上の溶媒又は溶媒の混合物である、請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
段階a)の混合物が液体キセノンから調製される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
段階a)の混合物が、キセノンガスを添加剤及びフリーラジカルの上に凝縮し、キセノンと添加剤が液体状態になるまで成分を温め、均一混合物が得られるまで成分を混合することによって調製される、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
段階b)で、129Xeを直接に過分極する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
段階b)で、添加剤のNMR活性核を過分極し、この分極を交差分極によって129Xeに移動させる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
129Xe濃縮キセノンを使用する、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
段階c)で、キセノンが気体状態になるまで混合物を温め、適当な容器にキセノンを回収することによって、混合物の他の成分からキセノンを分離する、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
造影剤の製造方法であって、
a)キセノンと添加剤とフリーラジカルの混合物を調整し、
b)上記混合物をDNP法で過分極して過分極129Xeを得、
c)混合物の他の成分から上記キセノンを分離し、
d)分離したキセノンを適宜再凝縮する
ことを含む方法。
【請求項11】
ヒト又はヒト以外の動物の身体、好ましくはヒト又はヒト以外の動物の肺の、磁気共鳴イメージング用の造影剤の製造のためのDNP−過分極129Xeの使用。

【公表番号】特表2006−503638(P2006−503638A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546566(P2004−546566)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/NO2003/000352
【国際公開番号】WO2004/037296
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(396019387)アメルシャム ヘルス アクスイェ セルスカプ (82)
【Fターム(参考)】