説明

遠心ロータ用のディスクパッケージ

本発明は、供給された媒体中の複数の成分を分離するように構成されている遠心分離機の遠心ロータのディスクパッケージに関する。ディスクパッケージは、ディスクパッケージ内に互いに重ね合わせて設けられた複数の分離ディスク(20)を有する。各分離ディスクは、遠心ロータの回転軸の周りを延び、かつ回転軸に沿って内側表面(22)および外側表面(21)を含む先細り形状を有する。各分離ディスクは、分離ディスクの中央開口部を形作る内縁部と、外縁部とを有する。各分離ディスクは、ある材料から製造される。複数の分離ディスクは、内側表面および/または外側表面から離れる方向に延びるいくつかの距離部材(25)を有する複数の第1の分離ディスク(20’)を含む。各距離部材は、それぞれディスクパッケージ内の隣接する分離ディスクの外側表面および内側表面に当接する少なくとも1つの接触ゾーン(33)を有する。接触ゾーンは、断面で見たときに連続的な凸形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提記載部分による、供給された媒体中の複数の成分を分離するように構成された遠心分離機の遠心ロータのディスクパッケージであって、ディスクパッケージ内に互いに重ね合わせて設けられた複数の分離ディスクを有するディスクパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭に定義された種類のディスクパッケージは米国特許第2028955号に記載されている。
【0003】
今日、遠心ロータ内のディスクパッケージ用の分離ディスクは通常、平面状のディスクを所望の先細り形状、たとえば円錐状に加圧旋削することによって製造されている。ディスクパッケージ内の分離ディスク間の距離を定める距離部材は通常、スポット溶接によって分離ディスクの外側表面にゆるく取り付けられた平坦な部材によって形成される。このような距離部材の1つの特性は、ディスクパッケージ内の隣接する分離ディスクの内側表面との接触面積が比較的大きいことである。もう一つの特性は、距離部材とその距離部材が溶接された分離ディスクの外側表面との間に隙間またはわずかな空間が形成されることである。これらの特性はどちらも、粒子および微生物が容易に収集される比較的大きい領域を形成するのに寄与する。これらの領域はまた、ディスクパッケージを洗浄する際に手を届かせるのが困難であり、すなわち、多くの用途では、要求される衛生要件を満たすのが困難になることがある。これらの公知の距離部材のもう一つの欠点は、各距離部材を後から取り付ける必要があるため、分離ディスクの製造コストが高くなることである。
【0004】
米国特許第2028955号は、ディスクが、1枚おきに平坦であり、かつ1枚おきにディスクの突出部およびくぼみの形をしたいくつかの距離部材を有するように、交互に設けられた2種類の円錐状分離ディスクを有するディスクパッケージを開示している。突出部およびくぼみはある種のプレス加工法によって設けられている。米国特許第2098955号では、突出部およびくぼみは、ディスクに平行な平面部分を有するものと定義されており、すなわち、この公知の技術でも、距離部材と隣接する分離ディスクの表面との間に大きい接触面積が形成される。
【0005】
さらに、突出部およびくぼみは、半径方向において突出部の後にくぼみが位置するように設けられる。さらに、米国特許第2028955号によれば、1つの突出部がディスクパッケージ内の隣接するディスクのくぼみの反対側に位置し、それによって、ディスクパッケージ内に交互に配置されたたくさんの突出部およびくぼみが形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、容易に清潔な状態に維持することができ、かつ良好な衛生特性を示すディスクパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、冒頭に定義されたディスクパッケージであって、距離部材が隣接する分離ディスクにぴったりと当接するように分離ディスクが予張力によって互いに押し付けられ、接触ゾーンが、零に近づく接触面積を有するように、断面で見たときに連続的な凸形状を有することを特徴とするディスクパッケージによって実現される。
【0008】
接触ゾーンのそのような連続的な凸形状によって、接触ゾーンと隣接する分離ディスクとの間に非常に小さい接触面積が確保され、すなわち接触面積は零に近づく。接触ゾーンは、隣接する分離ディスクの内側表面または外側表面と点または線当接部あるいは実質的な点または線当接部を形成するように形作ることができる。
【0009】
このように接触面積を最小化することによって、ディスクパッケージの良好な衛生特性が得られる。というのは、このディスクパッケージは洗浄が容易であるからである。接触面積を最小化すると、距離部材の領域に蓄積することがある粒子および細菌などの微生物の量が著しく少なくなる。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、各接触ゾーンは、回転軸に対して外側への伸長部を有する。このように、接触ゾーンの伸長部に沿った線当接部あるいは実質的な線当接部が実現される。したがって、この接触ゾーンに沿って、複数の分離ディスクは互いにぴったりと接触してよく、このことは効率的な分離を行ううえで有利である。この場合、各距離部材は、内縁部からではなく内縁部近傍から外縁部までではなく外縁部近傍までの伸長部を有してよい。有利なことに、接触ゾーンは、距離部材の伸長部のほとんど全体にわたって延びるかあるいは実質的に全体に沿って延びる。突起は、外側表面および/または内側表面への緩やかに屈曲した遷移部を端部の所に有してよく、接触ゾーンは、突起の伸長部全体に沿って延びてはいない。
【0011】
本発明の他の実施態様によれば、距離部材の伸長部は直線状である。他の実施態様によれば、距離部材の伸長部は曲線状であってもよい。たとえば、距離部材の伸長部は、半径方向からわずかにずれた緩やかに屈曲した経路に沿って延びてよい。直線状の伸長部が、伸長部を回転軸の方向から見たときに半径方向であっても半径方向からずれていてもよいことに留意されたい。
【0012】
本発明の他の実施態様によれば、各距離部材は、内側表面および/または外側表面の法線方向から見たときに内側表面および/または外側表面において幅を有し、少なくともいくつかの距離部材の幅は、回転軸からの距離に応じて増減する。幅のこのような構成は、場合によっては、たとえば個々の分離ディスクの強度を高くするうえで有利であるかもしれない。しかし、距離部材の幅が増減する場合でも、距離部材が、点または線当接部あるいは実質的な点または線当接部を形成する接触ゾーンを有してよいことに留意されたい。
【0013】
本発明の他の実施態様によれば、各接触ゾーンは、周方向を横切る断面で見たときに連続的な凸形状を有する。したがって、このような接触ゾーンは、すべての方向で連続的な凸形状を有し、隣接する分離ディスクと点当接部あるいは実質的な点当接部を形成する。複数の距離部材のこのような点状伸長部は、各距離部材の適切な補助当接部を確保することができる。
【0014】
本発明の他の実施態様によれば、距離部材は、数対の突起を有している。その突起の各対は、外側表面から離れる方向に延びる第1の突起と内側表面から離れる方向に延びる第2の突起とを有しており、第1および第2の突起は、周方向において互いに対してずれている。有利なことに、第1および第2の突起は、周方向において互いに隣接するように設けることができる。
【0015】
本発明の他の実施態様によれば、第1の突起は、内側表面の溝状くぼみを形成し、このくぼみは、内側表面上の半径方向外側または内側向きの上記の複数の成分の一つを収集し、運ぶように構成される。さらに、第2の突起は、外側表面の溝状くぼみを形成してもよい。このくぼみは、外側表面上の半径方向外側または内側向きの上記の複数の成分の一つを収集し、運ぶように構成される。
本発明の他の実施態様によれば、分離ディスクは複数の第2の分離ディスクを有し、第1および第2の分離ディスクは、ディスクパッケージ内に交互に設けられる。この場合、第2の分離ディスクは距離部材を有さなくてもよい。したがって、この実施態様によれば、第2の分離ディスクは、突起を有さないという意味で平坦である。したがって、各突起の接触ゾーンは、ディスクパッケージ内の隣接する分離ディスクの実質的に平坦な外側表面または内側表面に当接するだろう。
【0016】
本発明の他の実施態様によれば、距離部材は、外側表面に対して同じ方向に延びる突起を有し、各突起は、分離ディスクの外縁部の方へ延びる向かい合う2本のサイドラインによって画定される。この場合、すべての分離ディスク、すなわち、第1の分離ディスクと第2の分離ディスクの両方が同一であってもよい。
【0017】
本発明の他の実施態様によれば、第1の分離ディスクの先細り形状および突起は、プレス加工された分離ディスクの突起を含む先細り形状に対応する形状を有する型に材料の素材片をプレス加工することによって設けられている。このように、第1の分離ディスクをコストに関して効率的にかつ有利に製造することができる。
【0018】
本発明の他の実施態様によれば、複数の分離ディスクの外側表面および/または内側表面は表面の粗さを有する。
【0019】
次に、様々な実施形態を記述することによって、および添付の図面を参照することによって本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】遠心ロータを有する遠心分離機の部分断面側面図である。
【図2】図1の遠心分離機のディスクパッケージの断面側面図である。
【図3】第1の実施形態によるディスクパッケージの分離ディスクの、上から見た図である。
【図4】図3の分離ディスクの側面図である。
【図5】図2のディスクパッケージの断面図である。
【図6】第2の実施形態によるディスクパッケージの一部の図5と同様の断面図である。
【図7】第3の実施形態による分離ディスクの図3と同様の図である。
【図8】第4の実施形態による分離ディスクの図3と同様の図である。
【図9】第4の実施形態による分離ディスクを含むディスクパッケージの図5と同様の断面図である。
【図10】第5の実施形態による分離ディスクを含むディスクパッケージの図5と同様の断面図である。
【図11】第6の実施形態による分離ディスクを含むディスクパッケージの図5と同様の断面図である。
【図12】分離ディスクをプレス加工するためのプレス型の第1の変形の断面図である。
【図13】分離ディスクをプレス加工するためのプレス型の第1の変形の断面図である。
【図14】分離ディスクをプレス加工するためのプレス型の第1の変形の断面図である。
【図15】図12〜14のプレス型の型の平面図である。
【図16】分離ディスクをプレス加工するプレス型の第1の変形の断面図である。
【図17】分離ディスクをプレス加工するプレス型の第1の変形の断面図である。
【図18】分離ディスクをプレス加工するプレス型の第1の変形の断面図である。
【図19】図16〜18のプレス型の型の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、供給された媒体の少なくとも第1の成分および第2の成分を分離するように構成されている遠心分離機を開示している。開示された遠心分離機は一例として開示されたものであり、その構成は変えてもよいことに留意されたい。遠心分離機は、回転不能にするかあるいは固定することができるフレーム1と、上部軸受3および下部軸受4に回転可能に支持されたスピンドル2とを有している。スピンドル2は、遠心ロータ5を保持しており、フレーム1に対して回転軸xの周りを遠心ロータ5と一緒に回転するように構成されている。スピンドル2は、スピンドル2に適切に連結され、たとえば駆動ベルト7または歯車伝動装置を介すかあるいは直接駆動によってスピンドル2を高速に回転させる駆動部材6によって駆動されている。すなわち、駆動部材6のロータ(不図示)は、スピンドル2または遠心ロータ5に直接連結されている。ここで、同じ機能を有する部材は後に述べる様々な実施形態において同一の参照符号を備えていることに留意されたい。
【0022】
遠心分離機は、フレーム1に連結され、かつ遠心ロータ5を取り囲むケーシング8を有してよい。さらに、遠心分離機は、ケーシング8を貫通して、遠心ロータ5によって形成され遠心分離すべき媒体を供給する分離空間10内へ延びる少なくとも1つの入口9を有し、かつ少なくとも、媒体から分離された第1の成分を分離空間10から排出する第1の出口と、媒体から分離された第2の成分を分離空間10から排出する第2の出口と、を有している。
【0023】
分離空間10には、遠心ロータ5と一緒に回転するディスクパッケージ19がある。ディスクパッケージ19は、ディスクパッケージ19内で互いに積み重ねられた複数の分離ディスク20を有するかあるいは複数の分離ディスク20を組み立てることによって形成されている(図2参照)。第1の実施形態による分離ディスク20は、図3および4に、より詳しく示されている。各分離ディスク20は、回転軸xの周りを延びており、回転軸xの周りを回転方向Rに回転する。各分離ディスク20は、回転軸xに沿って先細りする回転対称的な面またはほぼ回転対称的な表面に沿って延びており、凸状の外側表面21および凹状の内側表面22を持つ回転軸xに沿った先細り形状を有している。分離ディスク20の先細り形状は、円錐状であってもあるいは実質的に円錐状であってもよいが、分離ディスク20の先細り形状に、内側または外側に屈曲した母線を有させることも可能である。したがって、分離ディスク20は回転軸xに対する傾斜角αを有している(図2参照)。傾斜角度αは20−70度であってよい。各分離ディスク20は、分離ディスク20の半径方向外周に沿った外縁部23と、分離ディスク20の半径方向内周に沿って延び、かつ分離ディスク20の中央開口部を形作る内縁部24も有している。
【0024】
分離ディスク20の間には、外側表面21および/または内側表面22上に設けられ、かつディスクパッケージ19内の隣接する分離ディスク20の間に空間26を確実に形成するように配置された距離部材25がある(図5参照)。各分離ディスク20は、外側表面21および/または内側表面22上に距離部材25を有さない少なくとも1つの部分を有している。分離ディスク20は、いわゆるディストリビュータ27の周りに設けられていてもよい。複数の分離ディスク20は、ある分離ディスクの距離部材25が隣接する分離ディスク20を密封するように該分離ディスク20に当接し、特に隣接する分離ディスク20の上述の部分に当接するようにディスクパッケージ19内で予張力によって互いに押し付けられる。たとえばろう付けによって、複数の分離ディスク20を互いに固定的に連結することもできる。
【0025】
図1および2を見ると分かるように、遠心ロータ5は、ディストリビュータ27の中央に設けられたいくつかの入口ディスク28も有している。これらの入口ディスク28は、分離ディスク20と同様の方法で製造することができる。入口ディスク28は、図1および2に示されているように平面状であっても、あるいは円錐状であってもよい。入口ディスク28は、分離ディスク20の距離部材25と同様の構成を有する距離部材を有してよい。
【0026】
分離ディスク20の先細り形状は、材料の素材片を型にプレス加工することによって設けられている。材料は任意のプレス加工可能な材料、たとえばスチール、アルミニウム、チタン、様々な合金などのような金属材料、及び適切なプラスチック材料であってもよい。以下により詳しく説明する型は、プレス加工された分離ディスク20の先細り形状に対応する形状を有している。しかしながら、このようなプレス加工の結果としての分離ディスク20が、回転軸xからの距離に応じて変化する厚さtを得てもよいことに留意されたい。
【0027】
図3〜5により詳しく示す第1の実施形態では、距離部材25は、材料の突起として形成され、分離ディスク20の先細り形状および突起は、プレス加工された分離ディスク20の突起を含む先細り形状に対応する形状を有する型に素材片をプレス加工することによって製造されている。第1の実施形態では、距離部材25は、第1の突起31の形をした第1の距離部材25と第2の突起32の形をした第2の距離部材25とを有している。したがって、複数の突起は、数対の突起を有し、各突起対は、外側表面21から離れる方向に延びる第1の突起31と内側表面22から離れる方向に延びる第2の突起32とを有している。第1および第2の突起31、32は、外側表面21の法線方向から見たときに互いにずれている。開示される実施形態では、第1および第2の突起31、32は、分離ディスク20の周方向において互いに隣接するか、あるいはすぐ隣に位置するように設けられている。距離部材25、すなわち開示される実施形態では第1および第2の突起31、32を、各対で互いにかなりの距離を置いて、たとえば第1の突起31が2つの第2の突起32の中央に配置されるように、設けることが可能である。場合によっては、突起31、32はより広い形状を与えられてもよく、極端な場合には、突起31、32は、第1の突起31の頂部から隣接する第2の突起32の頂部まで実質的に直線状に延びてよく、それはすなわち、距離部材25にははっきりした始端部分またははっきりした終端部分が無いことを意味する。
【0028】
図5を見ると分かるように、第1の突起31は隣接する分離ディスク20の内側表面22に当接し、一方、第2の突起32は隣接する分離ディスク20の外側表面21に当接する。したがって、第1の突起31は内側表面22の溝状くぼみを形成し、このくぼみは、上記の成分の1つを収集し、内側表面22上の半径方向外側または内側に運ぶように構成されている。これに対応して、第2の突起32は、外側表面21の溝状くぼみを形成し、このくぼみは、上記の成分の1つを収集し、外側表面21上の半径方向外側または内側に運ぶように構成されている。第1の実施形態では、第2の突起32は回転方向Rに関して第1の突起31の後に位置している。したがって、外側表面21に対して、溝状くぼみは、上向きに突き出る第1の突起31より前に位置している。内側表面22に対して、溝状くぼみは、その代わりに、下向きに突き出る第2の突起32より後に位置している。回転方向が反対の場合には逆の関係が生じる。
【0029】
第1および第2の突起31および32はそれぞれ、外側表面21および内側表面22より高い高さhを有している(図5参照)。この高さhは、ディスクパッケージ19内の分離ディスク20間の空間26の高さも決定する。分離ディスク20の厚さtが回転軸xからの距離に応じて増減してもよいため、有利なことに、第1および第2の突起31および32を高さhが回転軸xからの距離に応じて増減するように構成してもよい。図3を見ると分かるように、距離部材25、すなわち第1および第2の突起31および32は、半径方向内側位置から半径方向外側位置までの伸長部を有し、高さhはこの伸長部に沿って増減し、この増減する高さが、増減する厚さを補う。このように、突起31、32の伸長部全体または実質的に全体に沿って、第1および第2の突起31および32の間の、それぞれ内側表面22および外側表面21とのぴったりとした一様な当接を実現することができる。
【0030】
実際のプレス加工方法に応じて、分離ディスク20の厚さtを回転軸からの距離が遠くなるにつれて厚くしてもよく、この場合、高さhは回転軸xからの距離が遠くなるにつれて低くなる。分離ディスク20の厚さtを回転軸からの距離が遠くなるにつれて薄くしてもよく、この場合、距離部材25の高さは回転軸xからの距離が遠くなるにつれて高くなる。分離ディスク20がプレス加工方法で製造され、対応する形状を有する型にプレス加工されるため、高さhを増減することができると有利であることに留意されたい。したがって、型は、それぞれ、突起を形成するように構成され、型製造に関連して適用されるプレス加工法に従って増減する高さhが与えられた突出部およびくぼみを有してよい。
【0031】
このプレス加工法では、少なくとも突起31、32を回転軸xの方向から見た場合に、突起31、32の伸長部を直線状でかつ半径方向向きまたは実質的に半径方向向きにするか、直線状であるが半径方向に対して傾斜させるか、あるいは屈曲させるのを容易に可能にもする。第1の実施形態では、突起31、32の伸長部は、内縁部24の近傍から外縁部23の近傍まで延びている。
【0032】
このプレス加工法では、距離部材25、すなわち第1および第2の突起31、32を、内側表面または外側表面21の法線方向から見たときに内側表面および/または外側表面21における幅を有するように構成することも可能であり、少なくともいくつかの距離部材25のこの幅は、回転軸xからの距離に応じて増減する。
【0033】
さらに、このプレス加工法は、分離ディスク20の凝固ひだ部または型押し部(不図示)を形成することも可能にする。このようなひだ部は直線状または曲線状であっても、あるいは適切な方向に延びていてもよい。
【0034】
第1および第2の突起31および32の各々は、それぞれ、ディスクパッケージ19内の隣接する分離ディスク20の内側表面22および外側表面21に当接するようになっている少なくとも1つの接触ゾーン33を有している。図5を見ると分かるように、接触ゾーン33は、断面で見たときに、第1の実施形態では実質的な半径方向を横切る断面で見たときに、連続的な凸形状を有している。第1の実施形態では、接触ゾーン33は、第1および第2の突起31および32の伸長部の全体あるいは実質的に全体に沿って延びている。接触ゾーン33のこのような連続的な凸形状によって、接触ゾーン33と隣接する分離ディスク20との間の接触面積は確かに小さくなり、すなわち接触面積は零に近づく。接触ゾーン33は、第1の実施形態では、突起31および32の伸長部全体に沿って隣接する分離ディスク20のそれぞれ内側表面22および外側表面21との線当接部かあるいは実質的な線当接部を形成するように形作ることができる。
【0035】
図2および5を見ると分かるように、分離ディスク20は、第1の分離ディスク20’と第2の分離ディスク20”とを有する。第1の分離ディスク20’は、上述の第1および第2の突起31および32を有する。第2の分離ディスク20”は、そのような突起を有さず、すなわち、距離部材25を有さない上述の部分のただ1つのみを有するかあるいは上述の部分のただ1つのみから成っている。したがって、第2の分離ディスク20”は平坦なあるいは実質的に平坦な先細り形状を有している。第1および第2の分離ディスク20’および20”はディスクパッケージ19内に交互に設けられ、すなわち分離ディスク20は、1枚おきに第1の分離ディスク20’および第2の分離ディスク20”になっている。
【0036】
図3を見ると分かるように、各分離ディスク20は内縁部24に沿って1つまたはいくつかのくぼみ35を有している。このようなくぼみは、ディスクパッケージ19内の分離ディスク20の中心位置決めを可能にするという目的を有してよい。さらに、各分離ディスク20は外縁部23に沿って1つまたはいくつかのくぼみ36を有している。くぼみ36は、媒体をディスクパッケージ19を通して移送するのを可能にし、かつ媒体を様々な空間26に送り込むという目的を有してよい。くぼみ35および36が、プレス加工された分離ディスク20内の材料における固有の応力を低下させるのに有利でありうることに留意されたい。くぼみ36は、本来公知のように分離ディスク20を貫通して延び、内縁部24および外縁部23からある距離に設けられる穴で置き換えてよい。
【0037】
分離ディスク20は、第1の分離ディスク20’の第1の突起31が回転軸xの方向から見たときにディスクパッケージ19内で互いに整列するように中心位置決めされる(図5参照)。ディスクパッケージ19のこのような構成は、ディスクパッケージ19が取り付けられるときにディスクパッケージ19に予張を含めることを可能にするため有利である。第2の分離ディスク20”は、ディスクパッケージ19の圧縮時に、隣接する分離ディスク20’の第1および第2の突起31および32によって交互に上向きおよび下向きに弾性変形される。遠心分離機の動作時には、第2の分離ディスク20”に力が生じ、その力は弾性変形を解消しようとする。その結果、ディスクパッケージ19内の分離ディスク20間の当接力が増大する。開示される実施形態では、第1の分離ディスク20’と第2の分離ディスク20”は同じ厚さtを有する。しかし、第1の分離ディスク20’と第2の分離ディスク20”が異なる厚さtを有してもよいことに留意されたい。特に、第2の分離ディスク20”は、突起を有しておらず、第1の分離ディスク20’の厚さtより著しく小さい厚さtを有してよい。第1の分離ディスク20’の各距離部材25の高さhが、第1の分離ディスク20’の増減する厚さtおよび隣接する第2の分離ディスク20”の増減する厚さtを補うように増減することにも留意されたい。
【0038】
ディスクパッケージ19の第2の実施形態によれば(図6参照)、それぞれの第2の分離ディスク20”も、プレス加工された第1および第2の突起31および32の形をしたいくつかの距離部材を有してよく、すなわち、すべての分離ディスク20は第1および第2の突起31および32を備えている。この場合、分離ディスク20は、第1の分離ディスク20’の第1の突起31が、回転軸xの方向から見たときにディスクパッケージ19内の第2の分離ディスク20”の第1の突起31に対してずれるように中心位置決めをしてもよい。
【0039】
ディスクパッケージ19内で上述の予張を実現するには、変形できない距離部材25であって、たとえば、分離ディスク20にろう付けまたは溶接されるが第1および第2の突起31および32に対応するように配置される従来の距離部材によって形成することができる距離部材25をディスクパッケージ19に備えることが可能であることに留意されたい。このような従来の距離部材は、上述のような連続的な凸状接触ゾーンを有してもよい。
【0040】
図7は、距離部材25が点状伸長部を有する第3の実施形態を示している。この実施形態でも、距離部材25の高さは、点状距離部材25の回転軸xからの距離に応じて異なっていてよい。これらの距離部材25は有利なことに、外側表面21から離れる方向に延びる第1の突起31および内側表面22から離れる方向に延びる第2の突起32として構成してもよい。各突起31、32は有利なことに、周方向を横切りかつ半径方向を横切る断面で見たときに連続する凸形状を有してよい。この実施形態では、隣接する分離ディスク20の内側表面22または外側表面21との点当接部を形成するかあるいは実質的に点当接部を形成するように接触ゾーン33を形作ることができる。突起31および32は、互いに対してずれており、互いにある距離離して設けるかあるいは互いに隣接するように設けることができる。さらに、他の実施形態による分離ディスク20は、点状距離部材25と細長い距離部材25の両方を有してよいということをここで述べておくべきである。
【0041】
図8および9は、距離部材25が、すべての突起が外側表面21から離れる同じ方向に延びる突起50によって形成される、プレス加工された分離ディスク20の第4の実施形態を示している。各突起50は、分離ディスク20の外縁部23の方へ延びる互いに向かい合う2本のサイドライン51によって画定されている。この実施形態では、すべての分離ディスク20または実質的にすべての分離ディスク20が同一である。図9は、分離ディスク20がどのように中心位置決めされており、互いと当接するかを示している。各サイドライン51の周りの領域において、突起50は外側表面21上の接触ゾーン53と内側表面22上の接触ゾーン53とを有している。ディスクパッケージ19内で、分離ディスク20の接触ゾーン53は隣接する分離ディスク20の接触ゾーン53に当接している。この場合も、各接触ゾーン53は、実質的な半径方向を横切る断面で見たときに連続的な凸形状を有する。接触ゾーン53は、突起50の伸長部全体に沿って延びるかあるいは実質的に全体に沿って延びており、分離ディスク20間に線当接部を形成するかあるいは実質的に線当接部を形成するように形作ることができる。
【0042】
第4の実施形態では、突起50は、突起50間の領域と実質的に同じ幅を有する。しかし、突起50の幅がこれらの領域の幅より大きくてもあるいは小さくてもよいことに留意されたい。図8を見ると分かるように、突起50は、半径方向にあるいは実質的に半径方向に、内縁部24の近傍から外縁部23の近傍まで延びている。突起50を半径方向に対して傾斜させること、および/または内縁部24までおよび/または外縁部23まで延ばすことが可能である。第4の実施形態でも、プレス加工された分離ディスク20の増減する厚さを補うために突起50の高さを増減させることが可能である。
【0043】
図5および6に示されている方法以外に多数の異なる方法で分離ディスク20の中心位置決めを変化させてもよいことを理解されたい。図10は、2つの第1の分離ディスク20’が互いに近くに設けられ、かつ第1の分離ディスク20’のそのような各対が第2の分離ディスク20”によって分離される第5の実施形態を示している。このような対の第1の分離ディスク20’の第1の突起31は、この対の第2の第1の分離ディスク20’の第2の突起32と向かい合い、かつ残りの対の対応するディスク20’の第1の突起31と向かい合うように配置されている。
【0044】
図11は、第5の実施形態に類似しているが、第1の分離ディスク20’の一つが修正され、第1の突起31を有するが第2の突起32を有さない第3の分離ディスク20”’になっているため第5の実施形態とは異なる第6の実施形態を示している。各対の第3の分離ディスクの第1の突起31は、各対の第1の分離ディスク20’の第2の突起32と向かい合うように配置されている。第5の実施形態では、断面において閉じている空間が形成される。第3の分離ディスク20”’の第2の突起32がないため、この空間に横方向の開口部が形成される。突起の伸長部に沿った長さを増減させることによって、図10に示されているこの閉鎖空間を両端部の所で開放することができると言ってもよい。
【0045】
図12〜15は、上に定義されたような分離ディスクを製造するプレス型の第1の変形実施形態を示している。このプレス型は、適切な構成のプレス(不図示)に導入されるようになっている。プレス型は、第1の型61および第2の型62を有している。第1の型61は、分離ディスク20の外側表面21がプレス加工の終了後に当接する凹形状を有している。第1の型61は、実質的に平面状の底面と、底面を囲む先細り側面、開示される例では底面を囲む実質的に円錐状の側面とを有している。したがって、第1の型61は、プレス加工された分離ディスク20の先細り形状に対応する形状を有している。分離ディスク20が突起31、32、50を備えている場合、第1の型61は、底面を囲む先細り側面上に配置され、これらの突起、開示されるプレス型では突起31および32の形状に対応する第1のフォーム部材63も有している。プレス型は、第1の型61にプレス加工するべき素材片90を保持力によって保持するように構成された保持部材64を有するかあるいは保持部材64に結合される。分離ディスク20が突起を有さない場合、第1のフォーム部材63を含まない第1の型61が使用される。
【0046】
さらに、プレス型は、素材片90と第2の型62との間に、圧力をかけながら液体を供給するのを可能にするように構成された供給装置を有している。供給装置は、第2の型62を貫通し素材片90に面する第2の型62の表面を貫通して延びる溝65を有している。
【0047】
第1の型61は、プレス加工された素材片90の1つまたはいくつかの心合わせ部材を形成し、後で、素材片90の以後の処理に関連して素材片90の心合わせを可能にする1つまたはいくつかの第2のフォーム部材66(図15参照)も有している。フォーム部材66は底面上に配置されており、すなわち、心合わせ部材は素材片90の中央領域に設けられている。心合わせ部材を素材片90の縁部領域に設けることも可能であり、その場合、対応する第2のフォーム部材は先細り側面の外側に配置される。
【0048】
さらに、第1の型61は、素材片90と第1の型61との間に存在する気体を排出する複数の通路67を有している。排出通路67は、非常に小さい流路面積を有し、第1の型61の底面および底面を囲む先細り側面を貫通して延びるように設けられている。特に、第1および第2の突起31および32を形成する第1のフォーム部材63ならびに心合わせ部材を形成する第2のフォーム部材66の所に上記の表面を貫通して延びる排出通路67があることが重要である。
【0049】
プレス型は、充填位置において、プレス加工すべき素材片90を第1の型61と第2の型62との間に導入するのを可能にするように構成されている。その後、素材片90は第1の型61と保持部材64との間に固定される(図12参照)。次に、第1の部分ステップで、第1の型61および/または第2の型62は互いに向かって最終位置まで動かされる(図13参照)。第1の部分ステップは機械プレスステップと考えることができる。その後、第2の部分ステップで、圧力を有する液体が、溝65を通じて素材片90と第2の型62との間の空間に供給され、素材片90が、第1の型61にプレス加工されて当接しその最終形状をとる(図14参照)。第2の部分ステップの間、素材片90と第1の型61との間に存在する気体が排出通路67を介して排出される。第2の部分ステップをハイドロホーミング法のステップと考えることができる。
【0050】
図16〜18は、上に定義された分離ディスクを製造するプレス型の第2の変形実施形態を示している。プレス型は、適切な構成のプレス(不図示)に導入されるようになっている。プレス型は、第1の型61および第2の型62を有している。第1の型61は、分離ディスク20の外側表面21がプレス加工の終了後に当接する凹形状を有している。第1の型61は、底面を囲む先細り側面、開示される例では底面を囲む実質的に円錐状の側面を有している。したがって、第1の型61は、プレス加工された分離ディスク20の先細り形状に対応する形状を有している。分離ディスク20が突起31、32、50を備えている場合、第1の型61は、底面を囲む先細り側面上に配置され、これらの突起、開示されるプレス型では突起31および32の形状に対応する第1のフォーム部材63も有している。プレス型は、第1の型61にプレス加工するべき素材片を保持力によって保持するように構成された保持部材64を有するかあるいは保持部材64に結合される。分離ディスク20が突起を有さない場合、第1のフォーム部材63を含まない第1の型61が使用される。
【0051】
第2の型62は、プレス加工すべき素材片90の中央開口部を貫通して延びて、この中央開口部に嵌るように構成された突出中央部80を有している。この中央部80によって、プレス加工の前に素材片90をプレス型内に位置させることができる。第1および第2の型61および62はさらに、それぞれ、第1および第2の型61、62が互いに向かって移動させられたときに互いに協働して中央開口部の周りに領域を形成し、この領域内の材料が、円筒状または少なくとも部分的に円筒状に延び、かつ回転軸xに同心円状に延びる心合わせ部材91を形成するように構成された、それぞれのフォーム部材81および82を有している(図18参照)。第2の型62は、突出中央部80の半径方向外側に設けられた密封部材83も有している。密封部材83は、中央部の周りを中央部からある距離をおいて延びている。密封部材83は、中央開口部の周りで素材片90にぴったりと当接するように構成されている。密封部材83の内側の素材片90の中央がマスクされており、したがって、プレス加工を受けないため、総プレス力は弱められる。中央部80は、素材片90を位置決めするとともに、素材片90の中央および素材片90の周縁部からどれだけの量の材料が移送されるかに関する、プレス加工の最初の段階での素材片90における材料の流れの案内も可能にする。材料の流れの案内は、中央開口部のサイズを増減させることおよび/または保持力を増減させることによって実現することができる。
【0052】
さらに、プレス型は、素材片90と第2の型62との間に、圧力をかけながら液体を供給するのを可能にするように構成された供給装置を有している。供給装置は、第2の型62を貫通し素材片90に面する第2の型62の表面を貫通して延びる溝65を有している。
【0053】
さらに、第1の型61は、素材片90と第1の型61との間に存在する気体を排出する複数の通路67を有している。排出通路67は、非常に小さい流路面積を有し、第1の型61の底面および底面を囲む先細り側面を貫通して延びるように設けられている。特に、第1および第2の突起31、32を形成する第1のフォーム部材63ならびに心合わせ部材を形成する第2のフォーム部材66の所に上記の表面を貫通して延びる排出通路67があることが重要である。
【0054】
プレス型は、突出中央部が中央開口部を通って延びるように、充填位置において、プレス加工すべき素材片90を第1の型61と第2の型62との間に導入するのを可能にするように構成されている。その後、素材片90は第1の型61と保持部材64との間に固定される(図16参照)。次に、第1の部分ステップで、第1の型61および/または第2の型62は互いに向かって最終位置まで動かされる(図17参照)。第1の部分ステップは機械プレスステップと考えることができる。その後、第2の部分ステップで、ある圧力の液体が、溝65を通じて素材片90と第2の型62との間の空間に供給され、素材片90が、第1の型61にプレス加工されて当接しその最終形状をとる(図18参照)。すると、密封部材83は液体が中央開口部に到達するのを妨げる。第2の部分ステップの間、素材片90と第1の型61との間に存在する気体が排出通路67を介して排出される。第2の部分ステップをハイドロホーミング法のステップと考えることができる。
【0055】
プレス加工の後、素材片90がプレス型から取り除かれ、任意の適切な加工機(不図示)に移される。素材片90は、加工機において1つまたは複数の心合わせ部材によって心合わせされる。次に、加工機が、以後の加工ステップにおいて分離ディスク20の内縁部24および外縁部23を形成するように構成される。
【0056】
この以後の加工ステップは、内縁部24に沿って上述の1つまたはいくつかのくぼみ35を形成し、外縁部23に沿って上述の1つまたはいくつかのくぼみ36を形成することを含む。この以後の加工ステップは任意の適切な切削またはせん断工程を含んでよい。
【0057】
第1の型61が凹形状ではなく凸形状を有してよく、その場合、分離ディスク20の内側表面22がプレス加工の終了後に第1の型61に当接することに留意されたい。
【0058】
分離ディスク20が外側表面および/または内側表面にある表面粗さを有してよいことに留意されたい。このような表面粗さは、外側表面21および/または内側表面22の全体あるいは1つまたは2つ以上の部分を事前に処理しておくことによって与えることができ、たとえば、分離ディスクをプレス加工する前に実際の表面がエッチングされるという点でそうである。この表面粗さはプレス加工の後に残る。型61、62の一方または両方を表面粗さを持つように構成することも可能であり、その場合、プレス加工によって、分離ディスクの外側表面および/または内側表面に所望の表面粗さが与えられる。この表面粗さの適切な例はスウェーデン特許第457612号に開示されている。したがって、この表面粗さは、実際の表面の上方にある高さを有し、かつ相互にある距離離れた、複数の流れ作用部材を含んでよい。このある高さとある距離との関係は、0.2〜0.5の範囲にある関係であってよい。上で指摘したように、選択された部分に粗さを与えることが可能である。実際の表面の異なる部分が異なる粗さを有してもよい。有利なことに、外側表面21と内側表面22の一方のみに粗さが与えられる。好適には、突起31、32と、突起31、32が当接する表面部は粗さを有さない。
【0059】
本発明は、開示された実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲内で変形し修正することができる。特に、たとえば遠心ロータがスラッジを半径方向に排出する固定開口部または断続的に開放可能なそのような開口部を有するような(図1参照)、実質的にすべての種類の遠心分離機で前述の分離ディスクを使用することができることに留意されたい。本発明は、液体や気体のようなすべての種類の媒体を分離し、たとえば気体から固体または液体の粒子を分離するように構成されている遠心分離機に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された媒体中の複数の成分を分離するように構成されている遠心分離機の遠心ロータ(5)のディスクパッケージであって、
前記ディスクパッケージが、前記ディスクパッケージ内に互いに重ね合わせて設けられた複数の分離ディスクを有し、
各分離ディスク(20)が、前記遠心ロータ(5)の回転軸(x)の周りを延び、かつ内側表面(22)および外側表面(21)を含む先細り形状を前記回転軸(x)に沿って有し、
各分離ディスク(20)が、前記分離ディスクの中央開口部を形作る内縁部(24)と、外縁部(23)とを有し、
各分離ディスク(20)が、ある材料から製造され、複数の前記分離ディスクが、前記内側表面(22)および/または前記外側表面(21)から離れる方向に延びるいくつかの距離部材(25)を有する複数の第1の分離ディスク(20’)を含み、
各分離ディスク(20)が、前記内側表面(22)および前記外側表面(21)上に前記距離部材を有さない部分を有し、
各距離部材(25)が、前記ディスクパッケージ内の隣接する分離ディスクのそれぞれ外側表面(21)および内側表面(22)に当接する少なくとも1つの接触ゾーン(33、53)を有し、
各距離部材(25)が、前記ディスクパッケージ内の隣接する分離ディスクのそれぞれ外側表面(21)および内側表面(22)の、前記距離部材を有さない前記部分の1つに当接するディスクパッケージであって、
前記複数の分離ディスク(20)は、前記距離部材が前記隣接する分離ディスクにぴったりと当接するように予張力によって互いに押し付けられ、
前記接触ゾーン(33、53)は、零に近づいていく接触面積を有するように、断面で見たときに連続的な凸形状を有することを特徴とするディスクパッケージ。
【請求項2】
各接触ゾーン(33、53)は、前記回転軸(x)に対して外側への伸長部を有する、請求項1に記載のディスクパッケージ。
【請求項3】
各距離部材(25)は、前記内縁部(24)からではなく前記内縁部(24)の近傍から、前記外縁部(23)までではなく前記外縁部(23)の近傍までの、伸長部を有する、請求項2に記載のディスクパッケージ。
【請求項4】
前記接触ゾーン(33、53)は、前記距離部材(25)の前記伸長部の実質的に全体にわたって延びている、請求項3に記載のディスクパッケージ。
【請求項5】
前記距離部材(25)の前記伸長部は直線状である、請求項2から4のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項6】
前記距離部材(25)の前記伸長部は曲線状である、請求項2から4のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項7】
各距離部材(25)は、前記内側表面(22)および/または前記外側表面(21)の法線方向から見たときに前記内側表面および/または前記外側表面において幅を有し、少なくともいくつかの前記距離部材(25)の幅は、前記回転軸(x)からの距離に応じて増減している、請求項1から6のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項8】
各接触ゾーン(33、53)は、周方向を横切る断面で見たときに連続的な凸形状を有する、請求項1に記載のディスクパッケージ。
【請求項9】
前記距離部材(25)は、各々が、前記外側表面(21)から離れる方向に延びる第1の突起(31)と前記内側表面(22)から離れる方向に延びる第2の突起(32)とを有する数対の突起を有し、前記第1および第2の突起(31、32)は、周方向において互いに対してずれている、請求項1から8のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項10】
前記第1および第2の突起(31、32)は、前記周方向において互いに隣接して設けられる、請求項9に記載のディスクパッケージ。
【請求項11】
前記第1の突起(31)は、前記内側表面(22)の溝状くぼみを形成し、このくぼみは、前記複数の成分の1つを収集し、前記内側表面(22)上の半径方向外側または内側に運ぶように構成されている、請求項10に記載のディスクパッケージ。
【請求項12】
前記第2の突起(22)は、前記外側表面(21)の溝状くぼみを形成し、このくぼみは、前記複数の成分の1つを収集し、前記外側表面(21)上の半径方向外側または内側に運ぶように構成されている、請求項10および11のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項13】
前記複数の分離ディスク(20)は複数の第2の分離ディスク(20”)を有し、前記第1および第2の分離ディスク(20’、20”)は、前記ディスクパッケージ(19)内に交互に設けられている、請求項1から12のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項14】
前記複数の第2の分離ディスク(20”)は距離部材を備えていない、請求項13に記載のディスクパッケージ。
【請求項15】
前記複数の距離部材は、前記外側表面(21)に対して同じ方向に延びる複数の突起(50)を有し、各突起(50)は、前記分離ディスク(20)の前記外縁部(23)の方へ延びる向かい合う2本のサイドライン(51)によって画定されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。
【請求項16】
前記第1の分離ディスク(20’)の前記先細り形状および前記突起(31、32、50)は、前記プレス加工された第1の分離ディスク(20’)の前記突起を含む前記先細り形状に対応する形状を有する型(61)に前記材料の素材片(90)をプレス加工することによって設けられている、請求項9または15に記載のディスクパッケージ。
【請求項17】
前記分離ディスクの前記外側表面(21)および/または前記内側表面(22)は表面粗さを有する、請求項1から16のいずれか一項に記載のディスクパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−504051(P2012−504051A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530027(P2011−530027)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/SE2009/051083
【国際公開番号】WO2010/039095
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(500515565)アルファ ラヴァル コーポレイト アクチボラゲット (90)
【Fターム(参考)】