遠心力を用いる微細流体処理基板内で少なくとも二種類の流体を混合する方法
【課題】遠心力を用い微細流体処理基板内で少なくとも二種類の流体を速く混合する方法を提供する。
【解決手段】微細流体処理基板のミキシングチャンバ15に少なくとも二種類の流体を順次に収容し、少なくとも二種類の流体が混合されるまで基板10を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させる。
また、一種類の流体を微細流体処理基板のミキシングチャンバ15に収容し、流体と異なる少なくとも一種類の流体を遠心力によって供給チャンバからミキシングチャンバに流動して、混合されるまで基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させる。
【解決手段】微細流体処理基板のミキシングチャンバ15に少なくとも二種類の流体を順次に収容し、少なくとも二種類の流体が混合されるまで基板10を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させる。
また、一種類の流体を微細流体処理基板のミキシングチャンバ15に収容し、流体と異なる少なくとも一種類の流体を遠心力によって供給チャンバからミキシングチャンバに流動して、混合されるまで基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細流体処理基板内に収容された少なくとも二種類の流体を遠心力を利用して速く混合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラボオンチップ(lab−on−a−chip)のような微細流体処理基板には、流体が収容されるチャンバと、流体の流路となるチャンネルとが多様な形態で形成されている。前記微細流体処理基板に収容される流体のレイノルズ数(Renolds number)が小さく、チャンネルとチャンバで流体が層流で流れるため、微細流体処理基板に少なくとも二種類の液体を収容し、それらを混合する過程は、速く進められないことが知られており、CD形態の基板のように遠心力を利用して収容された流体をポンピングする微細流体処理基板の場合にも同様であることが知られている。
【0003】
特許文献1には、二種類の流体が出合うマイクロキャビティと、前記マイクロキャビティから曲がって延びたミキシングチャンネルとを備えて、さらに速く流体を混合できるCD形態の微細流体処理基板が提示されている。しかし、前記ミキシングチャンネルが占める面積が広いため、微細流体処理基板を集積化し難く、混合される流体種類の数が増加することによって、前記マイクロキャビティとミキシングチャンネルとがさらに必要となって、前記微細流体処理基板を大きく形成しなければならないという問題点がある。
【0004】
一方、非特許文献1には、流体に複数の磁性ビーズをさらに注入し、CD形態の微細流体処理基板を回転させると同時に、磁力によって前記磁性ビーズを刺激してさらに速く流体を混合できる方法が提示されている。しかし、流体に磁性ビーズを追加で注入する必要があり、微細流体処理基板の周辺に磁石を適切に配置しなければならないという不便さがある。
【特許文献1】米国特許第6,919,058号明細書
【非特許文献1】Lab chip, vol.5,pp.560−565(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、微細流体処理基板内に収容された少なくとも二種類の流体を適切な回転プログラムを通じて速く混合する方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の技術的課題を達成するために本発明は、微細流体処理基板のミキシングチャンバに少なくとも二種類の流体を順次に収容し、前記少なくとも二種類の流体が混合されるまで前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法を提供する。
【0007】
また、本発明は、一種類の流体を微細流体処理基板のミキシングチャンバに収容し、前記流体と異なる少なくとも一種類の流体を前記ミキシングチャンバにチャンネルを介して連結された少なくとも一つの供給チャンバに収容し、遠心力によって前記供給チャンバに収容された流体が前記ミキシングチャンバに流動して、前記ミキシングチャンバに収容された流体と混合されるまで、前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に、他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法を提供する。
【0008】
なお、本明細書において「回転周波数」なる用語を用いるが、これは回転速度と同意語であり、1秒間に1回転する回転速度を1ヘルツ(Hz)として用いる。
【0009】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布と逆時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布が、対称または非対称でありうる。
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間での最大回転周波数は、5〜60Hzでありうる。
【0010】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間の各開始時点で、0Hzより大きく、前記最大回転周波数より小さい開始回転周波数を有しうる。
【0011】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間内で、それぞれ加速区間を有しうる。
【0012】
望ましくは、前記加速区間で回転周波数の上昇率は、20〜150Hz/sでありうる。
【0013】
望ましくは、互いに混合される前記少なくとも二種類の流体のうち、少なくとも一種類の流体は、0より大きく、10μm以下の直径を有する複数の粒子を含みうる。
【0014】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間は、1秒以内でありうる。
【0015】
望ましくは、本発明の流体混合方法は、前記ミキシングチャンバの内側面に突出部を形成して、前記ミキシングチャンバ内部で流体の渦流発現を促進できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遠心力を用いる微細流体処理基板に収容された異なる種類の流体を急速に混合できる。
【0017】
また、流体の速い混合のために、微細流体処理基板を拡大するか、磁石などの追加的な構成を付加する必要がないので、基板の集積化に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の一例を示す平面図である。
【0020】
図1を参照すれば、本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板10は、CD形態の基板であり、中央の通孔11に挟まれるスピンドルモータ(図示せず)によって時計回り方向または逆時計回り方向に高速回転する。このような高速回転による遠心力が、微細流体処理基板10内に収容された流体を基板10の外周方向にポンピングする。前記スピンドルモータの回転プログラムによって、前記基板10の回転方向、回転速度などを多様に変化させることができる。
【0021】
前記微細流体処理基板10には、異なる二種類の流体がそれぞれ収容される第1供給チャンバ20及び第2供給チャンバ30と、前記異なる二種類の流体が混合されるミキシングチャンバ15とが設けられる。前記二種類の流体が、基板10の回転による遠心力によって第1及び第2供給チャンバ20、30からミキシングチャンバ15に向かってポンピングされるように、前記ミキシングチャンバ15は、第1及び第2供給チャンバ20、30より基板10の中央から遠く配置される。集積化のために前記微細流体処理基板10には、第1及び第2供給チャンバ20、30とミキシングチャンバ15とを含んでなったユニットが5組設けられる。
【0022】
また、前記微細流体処理基板10には、前記第1供給チャンバ20と第2供給チャンバ30とに流体を注入するための第1インレットホール21と第2インレットホール31とが設けられ、前記第1供給チャンバ20とミキシングチャンバ15とを連結する第1チャンネル23と、前記第2供給チャンバ30とミキシングチャンバ15とを連結する第2チャンネル33とが設けられる。前記第1チャンネル23と第2チャンネル33とは、それぞれ第1バルブ25と第2バルブ35とによって開放可能に閉鎖される。参照番号43は、混合された流体を抽出するためのアウトレットであり、参照番号45は、ミキシングチャンバ15とアウトレット43とを連結するアウトレットチャンネルである。
【0023】
図2は、微細流体処理基板の回転によってミキシングチャンバの流体に渦流が形成された様子を示す平面図であり、図3は、微細流体処理基板の回転方向転換によってミキシングチャンバの流体にひっくり返り(flip−over)が形成された様子を示す平面図である。
【0024】
微細流体処理基板10(図1参照)のミキシングチャンバ15で乱流が持続的に維持されれば、流体が速く混合できるという仮定下に、発明者は、前記ミキシングチャンバ15に流体F0を注入し、0Hzの回転周波数から始めて、60Hz/sの回転周波数の上昇率で一方向(例えば、時計回り方向)に前記基板10を回転させてみた。その結果、0.15秒までは、図2に示すように渦流Vが発生するが、以後には渦流Vが安定する現象を確認することができた。これから、前記渦流Vが安定して消滅する前に前記基板10の回転方向を転換すれば、渦流Vによる乱流が持続的に維持されると推論し、実験を通じて確認した。合わせて、前記基板10の回転方向を転換するときに、ミキシングチャンバ15には、図3に示すように流体F0のひっくり返りが発生するが、このようなひっくり返りも流体の速い混合に肯定的な作用を起こす。
【0025】
前記流体混合方法の有効性を確認するために発明者は、ミキシングチャンバ15に異なる色の二種類の流体を注入し、微細流体処理基板10を方向転換回転して流体を混合する実験を実施した。図4Aないし図4Dは、前記実験に適用された回転周波数分布グラフである。図1を参照して具体的な実験過程を説明すれば、次の通りである。
【0026】
まず、第1インレットホール21を介して第1供給チャンバ20に一色相の第1流体を注入し、第2インレットホール31を介して第2供給チャンバ30に他の色相の第2流体を注入する。前記第2流体には、第1流体と第2流体との混合を促進する複数のビーズ粒子が混合されている。実験では直径1μmのビーズ粒子が使われたが、第2チャンネル33を介した第2流体の流れを妨害しなければ、さらに大きい粒子も適用可能であり、望ましくは、0より大きくて10μm以下の直径を有する粒子が使われうる。次に、第1チャンネル23を閉鎖している第1バルブ25を開放し、基板10を回転させて遠心力によって前記第1流体をミキシングチャンバ15に移動させ、第2チャンネル33を閉鎖している第2バルブ35を開放し、基板10を回転させて前記第2流体をミキシングチャンバ15に移動させる。前記ミキシングチャンバ15の深さは、3mmであり、第1流体と第2流体とがそれぞれ100μmずづ投入された。
【0027】
この状態で、前記基板10を図4Aに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に100Hz/sの回転周波数の上昇率で0.1秒の加速区間の間に加速し、以後0.3秒の等速区間の間に10Hzの回転周波数で回転させ、その後、0.1秒の減速区間の間に−100Hz/sの回転周波数の低下率で減速した。その結果、0.5秒間一方向(例えば、時計回り方向)に回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
【0028】
一方、他の実験例によれば、図4Bに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に20Hz/sの回転周波数の上昇率で0.25秒の加速区間の間に加速し、その後、0.25秒の減速区間の間に−20Hz/sの回転周波数の低下率で減速し、連続して他方向(例えば、逆時計回り方向)に0.25秒の加速区間の間に20Hz/sの回転周波数の上昇率で加速し(図4Bのグラフでは(−)勾配で表示される)、その後、0.25秒の減速区間の間に−20Hz/sの回転周波数の低下率で減速した(図4Bのグラフでは(+)勾配で表示される)。その結果、1.0秒間1回方向転換して回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
【0029】
さらに他の実験例によれば、図4Cに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に80Hz/sの回転周波数の上昇率で0.25秒の加速区間の間に加速し、その後、0.25秒の減速区間の間に−80Hz/sの回転周波数の低下率で減速した。その結果、0.5秒間一方向(例えば、時計回り方向)に回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
【0030】
さらに他の実験例によれば、図4Dに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に40Hz/sの回転周波数の上昇率で0.25秒の加速区間の間に加速し、その後、0.25秒の減速区間の間に−40Hz/sの回転周波数の低下率で減速し、連続して他方向(例えば、逆時計回り方向)に0.25秒の加速区間の間に40Hz/sの回転周波数の上昇率で加速し(図4Dのグラフでは(−)勾配で表示される)、その後、0.25秒の減速区間の間に−40Hz/sの回転周波数の低下率で減速した(図4Dのグラフでは(+)勾配で表示される)。その結果、1.0秒間1回方向転換して回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
前述の流体混合実験を通じて、ビーズ粒子が含まれた流体は、1秒以内に完全に混合され、回転周波数の上昇率が大きいほどさらに速い時間内に完全に混合される傾向を確認することができる。
【0031】
発明者は、少なくとも二種類の流体をミキシングチャンバに投入した後に混合する前記の方法以外に、流体をミキシングチャンバに投入すると同時に混合する方法も考慮して、これを裏付ける実験を実施した。図5A及び図5Bは、このような流体混合方法を説明するための平面図であり、図6A及び図6Bは、前記流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。図1を参照して具体的な実験過程を説明すれば、次の通りである。
【0032】
まず、第1インレットホール21を介して第1供給チャンバ20に一色相の第1流体を注入し、第2インレットホール31を介して第2供給チャンバ30に他の色相の第2流体を注入した後、第1チャンネル23を閉鎖している第1バルブ25を開放し、基板10を回転させて遠心力によって前記第1流体をミキシングチャンバ15に移動させる。次に、第2チャンネル33を閉鎖している第2バルブ35を開放し、図6Aまたは図6Bで示された回転周波数プログラムによって、基板10を回転させて第2流体をミキシングチャンバ15に移動させると同時に混合させる。図5Aに示すように、基板10を回転させ始めれば、第2流体F2が開放された第2チャンネル33を介して第1流体F1のあるミキシングチャンバ15に流入され始める。続いて、前記基板10を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させれば、図5Bに示すように第2流体F2は、ミキシングチャンバ15に継続的に流入され、ミキシングチャンバ15には、第1流体と第2流体とが混合された混合流体F1+F2の量が増大する。
【0033】
図6Aで示された回転周波数プログラムによれば、前記基板10は、開始周波数12Hz、回転周波数の上昇率0.8Hz/sで0.075秒の加速区間の間に一方向(例えば、時計回り方向)に加速され、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.8Hz/sの回転周波数の低下率で12Hzまで減速される。続いて、開始周波数12Hz、回転周波数の上昇率0.8Hz/sで0.075秒の加速区間の間に他方向(例えば、逆時計回り方向)に加速され(他方向の回転であるため、図6Aのグラフには、開始周波数が(−)大きさで、回転周波数の上昇率が(−)勾配で表示される)、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.8Hz/sの回転周波数の低下率で12Hzまで減速される(他方向の回転であるため、図6Aのグラフには、回転周波数の上昇率が(+)勾配で、従属周波数が(−)大きさで表示される)。このように一方向(例えば、時計回り方向)と他方向(例えば、逆時計回り方向)に対して対称的な回転周波数分布で、第1流体(図5AのF1参照)と第2流体(図5AのF2)とが完全に混合されるまで方向を転換して基板10の回転を繰返す。
【0034】
図6Bで示された回転周波数プログラムによれば、前記基板10は、開始周波数12Hz、回転周波数の上昇率0.8Hz/sで0.075秒の加速区間の間に一方向(例えば、時計回り方向)に加速され、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.8Hz/sの回転周波数の低下率で12Hzまで減速される。続いて、開始周波数54Hz、回転周波数の上昇率0.1Hz/sで0.075秒の加速区間の間に他方向(例えば、逆時計回り方向)に加速され(他方向の回転であるため、図6Bのグラフには、開始周波数が(−)大きさで、回転周波数の上昇率が(−)勾配で表示される)、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.1Hz/sの回転周波数の低下率で54Hzまで減速される(他方向の回転であるため、図6Bのグラフには、回転周波数の上昇率が(+)勾配で、従属周波数が(−)大きさで表示される)。このように、一方向(例えば、時計回り方向)と他方向(例えば、逆時計回り方向)とに対して非対称の回転周波数分布で、第1流体(図5AのF1参照)と第2流体(図5AのF2)とが完全に混合されるまで方向を転換して基板10の回転を繰返す。
【0035】
図7Aないし図7Dは、流体投入と混合を同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【0036】
流体投入と混合とを同時に行う実験の第1実験例で、前記ミキシングチャンバ15の深さは2mm、ミキシングチャンバ15の容積は100μl、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積は、それぞれ30μlであり、図6Aで示された回転周波数プログラム(いわゆる“対称的回転周波数プログラム”)によって基板10が回転した。その結果、図7Aに示すように、0.3秒間基板10を1回方向転換して回転させた後に、第2流体F2が全部ミキシングチャンバ15に移動され、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0037】
第2実験例では、ミキシングチャンバ15の深さが0.5mm、ミキシングチャンバ15の容積が25μlであり、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積がそれぞれ7.5μmに設定され、図6Aで示された回転周波数プログラムによって基板10が回転した。その結果、図7Bに示すように、1.5秒間基板10を9回方向転換して回転させた後に、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0038】
第3実験例では、ミキシングチャンバ15の深さが0.5mm、ミキシングチャンバ15の容積が25μlであり、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積がそれぞれ7.5μlに設定され、図6Bで示された回転周波数プログラム(いわゆる“非対称的回転周波数プログラム”)によって基板10が回転した。その結果、図7Cに示すように、1.2秒間基板10を7回方向転換して回転させた後に、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0039】
一方、第4実験例では、ミキシングチャンバ15の深さが0.125mm、ミキシングチャンバ15の容積が6.25μlであり、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積がそれぞれ1.875μlに設定され、図6Aで示された回転周波数プログラムによって基板10が回転した。その結果、図7Dに示すように、9秒以上基板10を回転させた後に、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0040】
前記第1、第2、及び第4実験例の比較を通じて、ミキシングチャンバ15の深さが浅くなるほど流体混合にかかる時間が延長することを推論できる。望ましいミキシングチャンバ15の深さは0.5〜3mmでありうる。また、前記第2及び第4実験例の比較を通じて、一方向(例えば、時計回り方向)と他方向(例えば、逆時計回り方向)との回転周波数分布が、対称的な場合より非対称の場合にさらに迅速な流体混合が可能となることを推論できる。一方、流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法が、流体投入と混合とを分離して行う流体混合方法に比べて、流体投入時間が別途にかからないため、さらい速い流体混合を可能にする。
【0041】
図8は、本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の他の一例を示す断面図であって、図1に示す微細流体処理基板の変形例である。以下、図1の微細流体処理基板と区別される構成について詳細に説明する。
【0042】
図8を参照すれば、微細流体処理基板10のミキシングチャンバ15の内側面に流体の渦流発現を促進する突出部16が備えられる。前記突出部16は、ミキシングチャンバ15の内側面から不定形または定形的に突出した複数の突起であってもよく、前記内側面で浮き彫りにされた所定のパターンであってもよい。前記突出部16によってミキシングチャンバ15に流入された少なくとも二種類の流体には、前記基板10が回転することによって渦流の発現が促進されるだけでなく、形成される渦流の規模も大きくなって、さらに迅速に流体が混合されうる。
【0043】
前述の本発明の実験例では、回転方向を転換するまで時計回り方向または逆時計回り方向に回転する各区間の所要時間が1秒以内であるが、回転角速度を適切に調節すれば、一方向に回転する各区間の所要時間が10秒程度である場合にもミキシングチャンバに形成された渦流が消えないようにして効率的に流体を混合できる。
【0044】
本発明は、図示された実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならばこれから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが理解できるであろう。例えば、本発明は三種類以上の異なる流体を混合することにも適用されうる。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、流体混合関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の一例を示す平面図である。
【図2】微細流体処理基板の回転によってミキシングチャンバの流体に渦流が形成された様子を示す平面図である。
【図3】微細流体処理基板の回転方向転換によってミキシングチャンバの流体にひっくり返りが形成された様子を示す平面図である。
【図4A】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図4B】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図4C】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図4D】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図5A】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を説明するための平面図である。
【図5B】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を説明するための平面図である。
【図6A】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図6B】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図7A】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図7B】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図7C】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図7D】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図8】本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 微細流体処理基板、
11 通孔、
15 ミキシングチャンバ、
20、30 第1及び第2供給チャンバ、
21、31 第1及び第2インレットホール、
23、33 第1及び第2チャンネル、
25、35 第1及び第2バルブ、
43 アウトレット、
45 アウトレットチャンネル、
F0、F1、F2 流体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細流体処理基板内に収容された少なくとも二種類の流体を遠心力を利用して速く混合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラボオンチップ(lab−on−a−chip)のような微細流体処理基板には、流体が収容されるチャンバと、流体の流路となるチャンネルとが多様な形態で形成されている。前記微細流体処理基板に収容される流体のレイノルズ数(Renolds number)が小さく、チャンネルとチャンバで流体が層流で流れるため、微細流体処理基板に少なくとも二種類の液体を収容し、それらを混合する過程は、速く進められないことが知られており、CD形態の基板のように遠心力を利用して収容された流体をポンピングする微細流体処理基板の場合にも同様であることが知られている。
【0003】
特許文献1には、二種類の流体が出合うマイクロキャビティと、前記マイクロキャビティから曲がって延びたミキシングチャンネルとを備えて、さらに速く流体を混合できるCD形態の微細流体処理基板が提示されている。しかし、前記ミキシングチャンネルが占める面積が広いため、微細流体処理基板を集積化し難く、混合される流体種類の数が増加することによって、前記マイクロキャビティとミキシングチャンネルとがさらに必要となって、前記微細流体処理基板を大きく形成しなければならないという問題点がある。
【0004】
一方、非特許文献1には、流体に複数の磁性ビーズをさらに注入し、CD形態の微細流体処理基板を回転させると同時に、磁力によって前記磁性ビーズを刺激してさらに速く流体を混合できる方法が提示されている。しかし、流体に磁性ビーズを追加で注入する必要があり、微細流体処理基板の周辺に磁石を適切に配置しなければならないという不便さがある。
【特許文献1】米国特許第6,919,058号明細書
【非特許文献1】Lab chip, vol.5,pp.560−565(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、微細流体処理基板内に収容された少なくとも二種類の流体を適切な回転プログラムを通じて速く混合する方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の技術的課題を達成するために本発明は、微細流体処理基板のミキシングチャンバに少なくとも二種類の流体を順次に収容し、前記少なくとも二種類の流体が混合されるまで前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法を提供する。
【0007】
また、本発明は、一種類の流体を微細流体処理基板のミキシングチャンバに収容し、前記流体と異なる少なくとも一種類の流体を前記ミキシングチャンバにチャンネルを介して連結された少なくとも一つの供給チャンバに収容し、遠心力によって前記供給チャンバに収容された流体が前記ミキシングチャンバに流動して、前記ミキシングチャンバに収容された流体と混合されるまで、前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に、他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法を提供する。
【0008】
なお、本明細書において「回転周波数」なる用語を用いるが、これは回転速度と同意語であり、1秒間に1回転する回転速度を1ヘルツ(Hz)として用いる。
【0009】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布と逆時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布が、対称または非対称でありうる。
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間での最大回転周波数は、5〜60Hzでありうる。
【0010】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間の各開始時点で、0Hzより大きく、前記最大回転周波数より小さい開始回転周波数を有しうる。
【0011】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間内で、それぞれ加速区間を有しうる。
【0012】
望ましくは、前記加速区間で回転周波数の上昇率は、20〜150Hz/sでありうる。
【0013】
望ましくは、互いに混合される前記少なくとも二種類の流体のうち、少なくとも一種類の流体は、0より大きく、10μm以下の直径を有する複数の粒子を含みうる。
【0014】
望ましくは、時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間は、1秒以内でありうる。
【0015】
望ましくは、本発明の流体混合方法は、前記ミキシングチャンバの内側面に突出部を形成して、前記ミキシングチャンバ内部で流体の渦流発現を促進できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遠心力を用いる微細流体処理基板に収容された異なる種類の流体を急速に混合できる。
【0017】
また、流体の速い混合のために、微細流体処理基板を拡大するか、磁石などの追加的な構成を付加する必要がないので、基板の集積化に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の一例を示す平面図である。
【0020】
図1を参照すれば、本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板10は、CD形態の基板であり、中央の通孔11に挟まれるスピンドルモータ(図示せず)によって時計回り方向または逆時計回り方向に高速回転する。このような高速回転による遠心力が、微細流体処理基板10内に収容された流体を基板10の外周方向にポンピングする。前記スピンドルモータの回転プログラムによって、前記基板10の回転方向、回転速度などを多様に変化させることができる。
【0021】
前記微細流体処理基板10には、異なる二種類の流体がそれぞれ収容される第1供給チャンバ20及び第2供給チャンバ30と、前記異なる二種類の流体が混合されるミキシングチャンバ15とが設けられる。前記二種類の流体が、基板10の回転による遠心力によって第1及び第2供給チャンバ20、30からミキシングチャンバ15に向かってポンピングされるように、前記ミキシングチャンバ15は、第1及び第2供給チャンバ20、30より基板10の中央から遠く配置される。集積化のために前記微細流体処理基板10には、第1及び第2供給チャンバ20、30とミキシングチャンバ15とを含んでなったユニットが5組設けられる。
【0022】
また、前記微細流体処理基板10には、前記第1供給チャンバ20と第2供給チャンバ30とに流体を注入するための第1インレットホール21と第2インレットホール31とが設けられ、前記第1供給チャンバ20とミキシングチャンバ15とを連結する第1チャンネル23と、前記第2供給チャンバ30とミキシングチャンバ15とを連結する第2チャンネル33とが設けられる。前記第1チャンネル23と第2チャンネル33とは、それぞれ第1バルブ25と第2バルブ35とによって開放可能に閉鎖される。参照番号43は、混合された流体を抽出するためのアウトレットであり、参照番号45は、ミキシングチャンバ15とアウトレット43とを連結するアウトレットチャンネルである。
【0023】
図2は、微細流体処理基板の回転によってミキシングチャンバの流体に渦流が形成された様子を示す平面図であり、図3は、微細流体処理基板の回転方向転換によってミキシングチャンバの流体にひっくり返り(flip−over)が形成された様子を示す平面図である。
【0024】
微細流体処理基板10(図1参照)のミキシングチャンバ15で乱流が持続的に維持されれば、流体が速く混合できるという仮定下に、発明者は、前記ミキシングチャンバ15に流体F0を注入し、0Hzの回転周波数から始めて、60Hz/sの回転周波数の上昇率で一方向(例えば、時計回り方向)に前記基板10を回転させてみた。その結果、0.15秒までは、図2に示すように渦流Vが発生するが、以後には渦流Vが安定する現象を確認することができた。これから、前記渦流Vが安定して消滅する前に前記基板10の回転方向を転換すれば、渦流Vによる乱流が持続的に維持されると推論し、実験を通じて確認した。合わせて、前記基板10の回転方向を転換するときに、ミキシングチャンバ15には、図3に示すように流体F0のひっくり返りが発生するが、このようなひっくり返りも流体の速い混合に肯定的な作用を起こす。
【0025】
前記流体混合方法の有効性を確認するために発明者は、ミキシングチャンバ15に異なる色の二種類の流体を注入し、微細流体処理基板10を方向転換回転して流体を混合する実験を実施した。図4Aないし図4Dは、前記実験に適用された回転周波数分布グラフである。図1を参照して具体的な実験過程を説明すれば、次の通りである。
【0026】
まず、第1インレットホール21を介して第1供給チャンバ20に一色相の第1流体を注入し、第2インレットホール31を介して第2供給チャンバ30に他の色相の第2流体を注入する。前記第2流体には、第1流体と第2流体との混合を促進する複数のビーズ粒子が混合されている。実験では直径1μmのビーズ粒子が使われたが、第2チャンネル33を介した第2流体の流れを妨害しなければ、さらに大きい粒子も適用可能であり、望ましくは、0より大きくて10μm以下の直径を有する粒子が使われうる。次に、第1チャンネル23を閉鎖している第1バルブ25を開放し、基板10を回転させて遠心力によって前記第1流体をミキシングチャンバ15に移動させ、第2チャンネル33を閉鎖している第2バルブ35を開放し、基板10を回転させて前記第2流体をミキシングチャンバ15に移動させる。前記ミキシングチャンバ15の深さは、3mmであり、第1流体と第2流体とがそれぞれ100μmずづ投入された。
【0027】
この状態で、前記基板10を図4Aに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に100Hz/sの回転周波数の上昇率で0.1秒の加速区間の間に加速し、以後0.3秒の等速区間の間に10Hzの回転周波数で回転させ、その後、0.1秒の減速区間の間に−100Hz/sの回転周波数の低下率で減速した。その結果、0.5秒間一方向(例えば、時計回り方向)に回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
【0028】
一方、他の実験例によれば、図4Bに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に20Hz/sの回転周波数の上昇率で0.25秒の加速区間の間に加速し、その後、0.25秒の減速区間の間に−20Hz/sの回転周波数の低下率で減速し、連続して他方向(例えば、逆時計回り方向)に0.25秒の加速区間の間に20Hz/sの回転周波数の上昇率で加速し(図4Bのグラフでは(−)勾配で表示される)、その後、0.25秒の減速区間の間に−20Hz/sの回転周波数の低下率で減速した(図4Bのグラフでは(+)勾配で表示される)。その結果、1.0秒間1回方向転換して回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
【0029】
さらに他の実験例によれば、図4Cに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に80Hz/sの回転周波数の上昇率で0.25秒の加速区間の間に加速し、その後、0.25秒の減速区間の間に−80Hz/sの回転周波数の低下率で減速した。その結果、0.5秒間一方向(例えば、時計回り方向)に回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
【0030】
さらに他の実験例によれば、図4Dに示すように一方向(例えば、時計回り方向)に40Hz/sの回転周波数の上昇率で0.25秒の加速区間の間に加速し、その後、0.25秒の減速区間の間に−40Hz/sの回転周波数の低下率で減速し、連続して他方向(例えば、逆時計回り方向)に0.25秒の加速区間の間に40Hz/sの回転周波数の上昇率で加速し(図4Dのグラフでは(−)勾配で表示される)、その後、0.25秒の減速区間の間に−40Hz/sの回転周波数の低下率で減速した(図4Dのグラフでは(+)勾配で表示される)。その結果、1.0秒間1回方向転換して回転させた後に、第1流体と第2流体とが完全に混合されたことを確認できた。
前述の流体混合実験を通じて、ビーズ粒子が含まれた流体は、1秒以内に完全に混合され、回転周波数の上昇率が大きいほどさらに速い時間内に完全に混合される傾向を確認することができる。
【0031】
発明者は、少なくとも二種類の流体をミキシングチャンバに投入した後に混合する前記の方法以外に、流体をミキシングチャンバに投入すると同時に混合する方法も考慮して、これを裏付ける実験を実施した。図5A及び図5Bは、このような流体混合方法を説明するための平面図であり、図6A及び図6Bは、前記流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。図1を参照して具体的な実験過程を説明すれば、次の通りである。
【0032】
まず、第1インレットホール21を介して第1供給チャンバ20に一色相の第1流体を注入し、第2インレットホール31を介して第2供給チャンバ30に他の色相の第2流体を注入した後、第1チャンネル23を閉鎖している第1バルブ25を開放し、基板10を回転させて遠心力によって前記第1流体をミキシングチャンバ15に移動させる。次に、第2チャンネル33を閉鎖している第2バルブ35を開放し、図6Aまたは図6Bで示された回転周波数プログラムによって、基板10を回転させて第2流体をミキシングチャンバ15に移動させると同時に混合させる。図5Aに示すように、基板10を回転させ始めれば、第2流体F2が開放された第2チャンネル33を介して第1流体F1のあるミキシングチャンバ15に流入され始める。続いて、前記基板10を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させれば、図5Bに示すように第2流体F2は、ミキシングチャンバ15に継続的に流入され、ミキシングチャンバ15には、第1流体と第2流体とが混合された混合流体F1+F2の量が増大する。
【0033】
図6Aで示された回転周波数プログラムによれば、前記基板10は、開始周波数12Hz、回転周波数の上昇率0.8Hz/sで0.075秒の加速区間の間に一方向(例えば、時計回り方向)に加速され、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.8Hz/sの回転周波数の低下率で12Hzまで減速される。続いて、開始周波数12Hz、回転周波数の上昇率0.8Hz/sで0.075秒の加速区間の間に他方向(例えば、逆時計回り方向)に加速され(他方向の回転であるため、図6Aのグラフには、開始周波数が(−)大きさで、回転周波数の上昇率が(−)勾配で表示される)、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.8Hz/sの回転周波数の低下率で12Hzまで減速される(他方向の回転であるため、図6Aのグラフには、回転周波数の上昇率が(+)勾配で、従属周波数が(−)大きさで表示される)。このように一方向(例えば、時計回り方向)と他方向(例えば、逆時計回り方向)に対して対称的な回転周波数分布で、第1流体(図5AのF1参照)と第2流体(図5AのF2)とが完全に混合されるまで方向を転換して基板10の回転を繰返す。
【0034】
図6Bで示された回転周波数プログラムによれば、前記基板10は、開始周波数12Hz、回転周波数の上昇率0.8Hz/sで0.075秒の加速区間の間に一方向(例えば、時計回り方向)に加速され、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.8Hz/sの回転周波数の低下率で12Hzまで減速される。続いて、開始周波数54Hz、回転周波数の上昇率0.1Hz/sで0.075秒の加速区間の間に他方向(例えば、逆時計回り方向)に加速され(他方向の回転であるため、図6Bのグラフには、開始周波数が(−)大きさで、回転周波数の上昇率が(−)勾配で表示される)、その後、0.075秒の減速区間の間に−0.1Hz/sの回転周波数の低下率で54Hzまで減速される(他方向の回転であるため、図6Bのグラフには、回転周波数の上昇率が(+)勾配で、従属周波数が(−)大きさで表示される)。このように、一方向(例えば、時計回り方向)と他方向(例えば、逆時計回り方向)とに対して非対称の回転周波数分布で、第1流体(図5AのF1参照)と第2流体(図5AのF2)とが完全に混合されるまで方向を転換して基板10の回転を繰返す。
【0035】
図7Aないし図7Dは、流体投入と混合を同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【0036】
流体投入と混合とを同時に行う実験の第1実験例で、前記ミキシングチャンバ15の深さは2mm、ミキシングチャンバ15の容積は100μl、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積は、それぞれ30μlであり、図6Aで示された回転周波数プログラム(いわゆる“対称的回転周波数プログラム”)によって基板10が回転した。その結果、図7Aに示すように、0.3秒間基板10を1回方向転換して回転させた後に、第2流体F2が全部ミキシングチャンバ15に移動され、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0037】
第2実験例では、ミキシングチャンバ15の深さが0.5mm、ミキシングチャンバ15の容積が25μlであり、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積がそれぞれ7.5μmに設定され、図6Aで示された回転周波数プログラムによって基板10が回転した。その結果、図7Bに示すように、1.5秒間基板10を9回方向転換して回転させた後に、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0038】
第3実験例では、ミキシングチャンバ15の深さが0.5mm、ミキシングチャンバ15の容積が25μlであり、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積がそれぞれ7.5μlに設定され、図6Bで示された回転周波数プログラム(いわゆる“非対称的回転周波数プログラム”)によって基板10が回転した。その結果、図7Cに示すように、1.2秒間基板10を7回方向転換して回転させた後に、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0039】
一方、第4実験例では、ミキシングチャンバ15の深さが0.125mm、ミキシングチャンバ15の容積が6.25μlであり、無色の第1流体F1と赤色の第2流体F2との容積がそれぞれ1.875μlに設定され、図6Aで示された回転周波数プログラムによって基板10が回転した。その結果、図7Dに示すように、9秒以上基板10を回転させた後に、第1流体F1と第2流体F2とが完全に混合されたことを確認した。
【0040】
前記第1、第2、及び第4実験例の比較を通じて、ミキシングチャンバ15の深さが浅くなるほど流体混合にかかる時間が延長することを推論できる。望ましいミキシングチャンバ15の深さは0.5〜3mmでありうる。また、前記第2及び第4実験例の比較を通じて、一方向(例えば、時計回り方向)と他方向(例えば、逆時計回り方向)との回転周波数分布が、対称的な場合より非対称の場合にさらに迅速な流体混合が可能となることを推論できる。一方、流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法が、流体投入と混合とを分離して行う流体混合方法に比べて、流体投入時間が別途にかからないため、さらい速い流体混合を可能にする。
【0041】
図8は、本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の他の一例を示す断面図であって、図1に示す微細流体処理基板の変形例である。以下、図1の微細流体処理基板と区別される構成について詳細に説明する。
【0042】
図8を参照すれば、微細流体処理基板10のミキシングチャンバ15の内側面に流体の渦流発現を促進する突出部16が備えられる。前記突出部16は、ミキシングチャンバ15の内側面から不定形または定形的に突出した複数の突起であってもよく、前記内側面で浮き彫りにされた所定のパターンであってもよい。前記突出部16によってミキシングチャンバ15に流入された少なくとも二種類の流体には、前記基板10が回転することによって渦流の発現が促進されるだけでなく、形成される渦流の規模も大きくなって、さらに迅速に流体が混合されうる。
【0043】
前述の本発明の実験例では、回転方向を転換するまで時計回り方向または逆時計回り方向に回転する各区間の所要時間が1秒以内であるが、回転角速度を適切に調節すれば、一方向に回転する各区間の所要時間が10秒程度である場合にもミキシングチャンバに形成された渦流が消えないようにして効率的に流体を混合できる。
【0044】
本発明は、図示された実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならばこれから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが理解できるであろう。例えば、本発明は三種類以上の異なる流体を混合することにも適用されうる。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、流体混合関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の一例を示す平面図である。
【図2】微細流体処理基板の回転によってミキシングチャンバの流体に渦流が形成された様子を示す平面図である。
【図3】微細流体処理基板の回転方向転換によってミキシングチャンバの流体にひっくり返りが形成された様子を示す平面図である。
【図4A】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図4B】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図4C】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図4D】本発明の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図5A】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を説明するための平面図である。
【図5B】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を説明するための平面図である。
【図6A】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図6B】本発明の他の望ましい実施形態による流体混合方法を実行するための回転周波数分布グラフである。
【図7A】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図7B】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図7C】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図7D】流体投入と混合とを同時に行う流体混合方法の実験結果を撮像した写真である。
【図8】本発明の流体混合方法に使われる微細流体処理基板の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 微細流体処理基板、
11 通孔、
15 ミキシングチャンバ、
20、30 第1及び第2供給チャンバ、
21、31 第1及び第2インレットホール、
23、33 第1及び第2チャンネル、
25、35 第1及び第2バルブ、
43 アウトレット、
45 アウトレットチャンネル、
F0、F1、F2 流体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細流体処理基板のミキシングチャンバに少なくとも二種類の流体を順次に収容し、前記少なくとも二種類の流体が混合されるまで前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法。
【請求項2】
時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布と逆時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布とが、対称または非対称であることを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項3】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間での最大回転周波数は、5〜60Hzであることを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項4】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間の各開始時点で、0Hzより大きく、前記最大回転周波数より小さい開始回転周波数を有することを特徴とする請求項3に記載の流体混合方法。
【請求項5】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間内でそれぞれ加速区間を有することを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項6】
前記加速区間で回転周波数の上昇率は、20〜150Hz/sであることを特徴とする請求項5に記載の流体混合方法。
【請求項7】
互いに混合される前記少なくとも二種類の流体のうち、少なくとも一種類の流体は、0より大きく、10μm以下の直径を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項8】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、10秒以内であることを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項9】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、1秒以内であることを特徴とする請求項8に記載の流体混合方法。
【請求項10】
前記ミキシングチャンバの内側面に突出部を形成して、前記ミキシングチャンバ内部で流体の渦流発現を促進することを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項11】
一種類の流体を微細流体処理基板のミキシングチャンバに収容し、前記流体と異なる少なくとも一種類の流体を前記ミキシングチャンバにチャンネルを介して連結された少なくとも一つの供給チャンバに収容し、遠心力によって前記供給チャンバに収容された流体が前記ミキシングチャンバに流動して、前記ミキシングチャンバに収容された流体と混合されるまで前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に、他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法。
【請求項12】
時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布と逆時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布が、対称または非対称であることを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項13】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間での最大回転周波数は、5〜60Hzであることを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項14】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間の各開始時点で、0Hzより大きく、前記最大回転周波数より小さい開始回転周波数を有することを特徴とする請求項13に記載の流体混合方法。
【請求項15】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間内でそれぞれ加速区間を有することを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項16】
前記加速区間で回転周波数の上昇率は、20〜150Hz/sであることを特徴とする請求項15に記載の流体混合方法。
【請求項17】
互いに混合される前記少なくとも二種類の流体のうち、少なくとも一種類の流体は、0より大きく、10μm以下の直径を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項18】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、10秒以内であることを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項19】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、1秒以内であることを特徴とする請求項18に記載の流体混合方法。
【請求項20】
前記ミキシングチャンバの内側面に突出部を形成して、前記ミキシングチャンバ内部で流体の渦流発現を促進することを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項1】
微細流体処理基板のミキシングチャンバに少なくとも二種類の流体を順次に収容し、前記少なくとも二種類の流体が混合されるまで前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法。
【請求項2】
時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布と逆時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布とが、対称または非対称であることを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項3】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間での最大回転周波数は、5〜60Hzであることを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項4】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間の各開始時点で、0Hzより大きく、前記最大回転周波数より小さい開始回転周波数を有することを特徴とする請求項3に記載の流体混合方法。
【請求項5】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間内でそれぞれ加速区間を有することを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項6】
前記加速区間で回転周波数の上昇率は、20〜150Hz/sであることを特徴とする請求項5に記載の流体混合方法。
【請求項7】
互いに混合される前記少なくとも二種類の流体のうち、少なくとも一種類の流体は、0より大きく、10μm以下の直径を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項8】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、10秒以内であることを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項9】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、1秒以内であることを特徴とする請求項8に記載の流体混合方法。
【請求項10】
前記ミキシングチャンバの内側面に突出部を形成して、前記ミキシングチャンバ内部で流体の渦流発現を促進することを特徴とする請求項1に記載の流体混合方法。
【請求項11】
一種類の流体を微細流体処理基板のミキシングチャンバに収容し、前記流体と異なる少なくとも一種類の流体を前記ミキシングチャンバにチャンネルを介して連結された少なくとも一つの供給チャンバに収容し、遠心力によって前記供給チャンバに収容された流体が前記ミキシングチャンバに流動して、前記ミキシングチャンバに収容された流体と混合されるまで前記基板を時計回り方向及び逆時計回り方向に交互に回転させるが、時計回り方向及び逆時計回り方向のうちいずれかの回転によって、前記ミキシングチャンバに形成された渦流が消える前に、他方向に回転方向を転換させることを特徴とする流体混合方法。
【請求項12】
時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布と逆時計回り方向に回転する時間区間の回転周波数分布が、対称または非対称であることを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項13】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間での最大回転周波数は、5〜60Hzであることを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項14】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間の各開始時点で、0Hzより大きく、前記最大回転周波数より小さい開始回転周波数を有することを特徴とする請求項13に記載の流体混合方法。
【請求項15】
時計回り方向に回転する時間区間及び逆時計回り方向に回転する時間区間内でそれぞれ加速区間を有することを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項16】
前記加速区間で回転周波数の上昇率は、20〜150Hz/sであることを特徴とする請求項15に記載の流体混合方法。
【請求項17】
互いに混合される前記少なくとも二種類の流体のうち、少なくとも一種類の流体は、0より大きく、10μm以下の直径を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項18】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、10秒以内であることを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【請求項19】
時計回り方向に回転する各時間区間及び逆時計回り方向に回転する各時間区間の所要時間が、1秒以内であることを特徴とする請求項18に記載の流体混合方法。
【請求項20】
前記ミキシングチャンバの内側面に突出部を形成して、前記ミキシングチャンバ内部で流体の渦流発現を促進することを特徴とする請求項11に記載の流体混合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図8】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図8】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【公開番号】特開2008−55405(P2008−55405A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165904(P2007−165904)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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