説明

遠投用天秤付きコマセ籠

【課題】釣りの熟練者のみならず、初心者でも容易に遠方まで遠投でき、また浮きとコマセ籠との結合及び離脱を簡単な構成にして確実に行える遠投用天秤付きコマセ籠を提供する。
【解決手段】遠投時に、天秤の先端部に係止手段を設け、この係止手段により天秤をコマセ籠と略平行状態に保持すると同時に、開口部に嵌合した浮きの離合方向への動きを規制し、着水後に上記係止手段を外して、天秤を自らの弾性力によりコマセ籠の周方向に突出する状態に復帰させると同時に、浮きの離合方向への動き規制を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠投カゴ釣りに使用する遠投用天秤付きコマセ籠に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、磯釣りや堤防などで行われる遠投カゴ釣りは、遠投用のリール付き竿、道糸、浮き、コマセ籠、ハリスなどから成る釣具を用い、磯や堤防から数十m、例えば40m〜80m離れた位置まで遠投し、しかる後一定の深さまでコマセ籠を沈めて同コマセ籠からコマセを放出し、ハリスにより魚を釣るようにしている。
【0003】
また、遠投時、着水後コマセ籠が所定のタナに到達するまでの水没時、コマセ籠が所定のタナに到達した後、竿をシャクルことで同コマセ籠を上下させて内部に収納したコマセを放出させる時などに、ハリスと道糸及びコマセ籠の動線が近いとその動きの中で同ハリスが道糸やコマセ籠と絡み易い。このため、一般には天秤を用いてハリスと道糸及びコマセ籠との間に所要の間隔を保ちこれを防止することが行われており、例えば特開平9−233982号公報(特許文献1)などのように天秤をコマセ籠に取り付けた天秤付きコマセ籠も提案されている。
【0004】
また、遠投時の空気抵抗を軽減してより遠くに飛ぶように、例えば実開平7−30063号公報(特許文献2)、特開平10−290652号公報(特許文献3)、実開平1−66872号公報(特許文献4)など、遠投時に浮きとコマセ籠を一体化するようにした釣具も種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−233982号公報
【特許文献2】実開平7−30063号公報
【特許文献3】特開平10−290652号公報
【特許文献4】実開平1−66872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記一般に用いられている遠投カゴ釣りの釣具では、道糸に浮きとコマセ籠をそれぞれ別個に設けるようにしているため、遠投時に同浮き及びコマセ籠が受ける空気抵抗や風の影響で、目的とする遠くのポイントまで容易に遠投できないばかりか、該浮きとコマセ籠が受ける空気抵抗も個々に違うため、方向性も定まらず困難を要していた。特に、釣りの熟練者は未だよいが素人では非常に困難を要するものであった。
また、絡み防止のために天秤を用いた場合には、遠投時にこの天秤が周方向上に突出した状態で飛ぶため、同天秤が受ける空気抵抗によって遠投性能の低下やバランスの悪化を招き、一段と遠方のポイント位置に的確に飛ばすことが難しかった。そのため、遠方のポイント位置へできるだけ的確に飛ばしたい場合には、天秤の使用を控える釣り人も多かった。
【0007】
なお、上記特許文献2乃至特許文献4に示す遠投時に浮きとコマセ籠を一体化するようにした釣具は、上述した一般に用いられている遠投カゴ釣りの釣具に比し遠投時の空気抵抗を極力抑えることができると共に、方向性も向上させることができ望ましいが、何れも浮きの一部をコマセ籠の連結具若しくは一端開口部に単に嵌合して両者を連結するようにしているため、例えば両者の嵌合状態をきつくすると、遠投時の離脱は防止できるものの着水後の離脱が難しく、逆に両者の嵌合状態を緩めにすると、着水後の離脱は良くなるものの遠投時に不用意に離脱するなど、両者の連結及び離脱が不安定で殆ど使用されていないのが実情である。
また、遠投時に浮きとコマセ籠を一体化するようにした釣具に上記天秤を用いた場合、浮きとコマセ籠との一体化による遠投性能や方向性が図れる反面、天秤による遠投性能の低下は避けられず、総合的な遠投性能や方向性の改善は不十分なものであった。
【0008】
なお、特許文献2においては、浮きとコマセ籠との離脱をより確実にするため、浮きの内部に長手方向に移動する錘を設けたり、接続具部位に水圧導入孔を設けているが、これで十分且つ安定なものとは言い難く、逆に浮きなどの構造が複雑となってコスト高となるなどの問題を招き実用化に至っていない。
【0009】
また、スプリング等を用いたロック/ロック解除機構を浮き若しくはコマセ籠に設けたものも一部提案されているが、部品点数が増して構造が複雑となりコスト高となるばかりか、海水中で使用するため錆の発生による動作不良を招くなど信頼性に欠け実用化に至っていない。
【0010】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、釣りの熟練者のみならず、初心者でも容易に遠方まで遠投でき、また浮きとコマセ籠との結合及び離脱を簡単な構成にして確実に且つ安価な遠投用天秤付きコマセ籠を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1に、内部にコマセ収納部を有し、一端に遠投時に浮きが嵌合して閉塞される開口部を設ける一方、他端に錘を有する有底部を設けた断面略U形状のコマセ籠と、同コマセ籠の有底部に設けた周方向に突出且つ弾性力を有する天秤とから構成してなる遠投用天秤付きコマセ籠において、
上記天秤の先端部に上記コマセ籠の開口部端部若しくはコマセ籠の開口部に嵌合した浮きに係止する止手段を設け、
遠投時には、上記天秤の係止手段をコマセ籠の開口部端部若しくは同コマセ籠の開口部に嵌合した浮きに係止して、該天秤をコマセ籠と略平行状態に保持すると同時に、同係止手段にて該コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後、上記天秤の係止手段の係止を外して、同天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方向の動き規制を解除するようにしたことを主要な特徴とする。
【0012】
第2に、上記天秤の係止手段を、同天秤の先端部に設けられ、一端に上記コマセ籠の開口部内側面に係止するフック部と、一側面に浮きと係合する凸部を設けた翼部とを有する羽根片により構成してなり、
上記羽根片のフック部をコマセ籠の開口部内側面に係止して、上記天秤及び羽根片を上記コマセ籠及び開口部に嵌合した浮きと略平行状態に保持すると同時に、上記羽根片の凸部を該コマセ籠の開口部に嵌合した浮きに係合して同浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後竿のシャクリに伴う水の抵抗により上記羽根片を回動し、この羽根片の回動動作により上記羽根片のフック部を外して、上記天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、羽根片の凸部の係合を解除して上記浮きの離脱方法への動き規制を解除するようにしたことを主要な特徴とする。
【0013】
第3に、上記天秤の係止手段を、同天秤の先端部に設けられ、一端に内外に湾曲させて形成したフック部を有する羽根片にて構成する一方、
上記浮きの嵌合部位に径大部を形成してなり、
この浮きをコマセ籠の開口部に嵌合した状態において、該開口部と浮きとの隙間に位置して上記羽根片のフック部を装着することにより、上記天秤及び羽根片をコマセ籠及び開口部に嵌合した浮きと略平行状態に保持すると同時に、上記浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後竿のシャクリに伴う水の抵抗により上記羽根片を回動し、この羽根片の回動動作により上記羽根片のフック部を外して、上記天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方法への動き規制を解除するようにしたことを主要な特徴とする。
【0014】
第4に、上記天秤の係止手段を、同天秤の先端部に設けられたフック部と、コマセ籠の開口端部外側面に回動自在に設けられ、その一端に鉤部を、他端に一側面に浮きと係合する凸部を設けた翼部とを有する羽根片とにより構成してなり、
上記コマセ籠の開口部に浮きを嵌合した状態で、上記天秤のフック部を回動自在な羽根片の鉤部に係止して、同天秤及び羽根片をコマセ籠及び開口部に嵌合した浮きと略平行状態に保持すると同時に、同羽根片の凸部を該浮きに係合して同浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後竿のシャクリに伴う水の抵抗により上記羽根片を回動し、この羽根片の回動動作により上記天秤のフック部を外して、上記天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方法への動き規制を解除するようにしたことを主要な特徴とする。
【0015】
第5に、上記天秤の係止手段を、同天秤の先端に形成したフック部により構成してなり、
このフック部をコマセ籠の開口部に対し嵌合方向に所要量移動可能に嵌合された状態の浮きに係止し、上記天秤をコマセ籠と略平行状態に保持すると同時に、該浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水時の衝撃による浮きの嵌合方向への移動動作によって、上記天秤のフック部を該浮きの係止部から外して、該天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記浮きの離脱方向への動き規制を解除するようにしたことを主要な特徴とする。
【0016】
第6に、上記コマセ籠は、その有底部側に道糸が接続され、着水後所定タナに到達するまでは有底部を下にして水没し、所定タナに到達後に反転するようにした反転式コマセ籠であって、
上記天秤は、コマセ籠の周方向に突出する状態において、所要角度コマセ籠側に傾斜した状態に構成し、この天秤に移動自在にハリスを設けてなり、
上記コマセ籠が所定タナに到達して反転した後に、ハリスが天秤の下方向の傾斜によって天秤の基端部側から先端部側に移動するようにした事を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による遠投用天秤付きコマセ籠においては、遠投時にコマセ籠の開口部に浮きを嵌合して両者を一体化すると共に、天秤が同コマセ籠と略平行状態となるように保持してなるので、その相乗効果により、コマセ籠や浮き及び天秤への空気抵抗を極力抑えると共に、方向性も一段と向上させることができ、遠投性能の向上を著しく図ることができる。よって、釣りの熟練者のみならず、初心者でも所望の遠くのポイント位置まで容易に遠投させることができる利点がある。
【0018】
また、天秤の先端部に形成した係止手段を、浮き又はコマセ籠の開口部又コマセ籠の開口端部外側面に設けた羽根片に係止して、同天秤や羽根片をコマセ籠や浮きと略平行状態に保持すると同時に、開口部に嵌合した浮きの離脱法の動きを規制し、着水時の衝撃による浮きの嵌合方向への移動動作、若しくはシャクリによる羽根片の回動動作により係止手段を外して、同天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、浮きの離脱方向の動き規制を解除するようにしてなるので、コマセ籠と浮きとの離脱防止及び着水後の確実な離脱を極めて簡単な構成にして安定して行わせることができる。しかも、釣り時には本来の天秤機能が作用しハリスと道糸及びコマセ籠との絡みを防止することができるという利点がある。
【0019】
また、ハリスを天秤に移動自在に設け、遠投時からコマセ籠が予定タナに到達するまで、ハリスを天秤の基端部側に位置するようにしたものにおいては、ハリスを弛みがない状態でコマセ籠外周面に巻回して留めることができ、巻回したハリスが勝手に緩むのを防止できる。よって、複数の針を有するハリスを用いた場合に、最下端側の釣り針はコマセ籠内に収納するが、他の釣り針をコマセ籠の外周面にハリスで巻回して留めたとしても、ハリスが緩んで釣り針が外れて絡むと云った不具合もなく、複数の釣り針を有するハリスに対応できる効果を奏する利点がある。
【0020】
しかも、本発明の遠投用天秤付きコマセ籠に使用する浮きは、コマセ籠の開口部に嵌合し同開口部を閉塞するものでよいため、市販の棒状又は砲弾型の遠投ウキをそのまま利用することができると共に、遠投性能に優れ且つ天秤機能も損なうこともない信頼性の高い遠投用天秤付きコマセ籠を極めて簡単な構成にして安価に提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例を示す遠投用天秤付きコマセ籠の斜視図である。(実施例1)
【図2】図1遠投用天秤付きコマセ籠の側面図である。(実施例1)
【図3】図1の遠投用天秤付きコマセ籠における天秤を係止した時の状態を示す天秤付きコマセ籠の断面図である。(実施例1)
【図4】図3の天秤の係止手段の要部拡大断面図である。(実施例1)
【図5】図1の遠投用天秤付きコマセ籠の上面図である。(実施例1)
【図6】本発明の一実施例の遠投用天秤付きコマセ籠を用いた釣具を示し、(a)は通常時の釣具の全体構成を示す説明図、(b)は遠投時の釣具の全体構成を示す説明図である。(実施例1)
【図7】本発明の一実施例の遠投用天秤付きコマセ籠の着水時を示し、(a)着水直後の状態を示す説明図、(b)は天秤が元の状態に復帰した状態を示す説明図、(c)はコマセ籠と浮きが離脱した状態を示す説明図である。(実施例1)
【図8】図7の離脱した天秤付きコマセ籠が水没する時の状態を示す説明図である。(実施例1)
【図9】図8の天秤付きコマセ籠が所定タナに到達した後の状態を示す説明図である。(実施例1)
【図10】本発明の他の実施例を示す遠投用天秤付きコマセ籠を示す要部断面図である。(実施例2)
【図11】本発明の他の実施例を示す遠投用天秤付きコマセ籠の斜視図である。(実施例3)
【図12】図11の遠投用天秤付きコマセ籠の要部拡大断面図である。(実施例3)
【図13】本発明の他の実施例を示す遠投用天秤付きコマセ籠の斜視図である。(実施例4)
【図14】図13の遠投用天秤付きコマセ籠の断面図である。(実施例4)
【図15】図13の天秤の係止状態を示し、(a)は天秤のフック部が浮きの係止部に係止した時の状態を示す要部拡大断面図、(b)は天秤のフック部が浮きの係止部から外れた時の状態を示す要部拡大断面図である。(実施例4)
【図16】図13の遠投用天秤付きコマセ籠の上面図である。(実施例4)
【図17】図13の遠投用天秤付きコマセ籠を用いた釣具の遠投時前の釣具全体構成を示す説明図である。(実施例4)
【図18】図17の遠投用天秤付きコマセ籠の着水時を示し、(a)はコマセ籠の着水直後の状態を示す説明図、(b)は天秤が元の状態に復帰した状態を示す説明図、(c)は離脱したコマセ籠が水没する状態を示す説明図である。(実施例4)
【図19】図18のコマセ籠の所定タナ到達後の様子を示し、(a)は所定タナに到達したコマセ籠が反転した状態を示す説明図、(b)は反転したコマセ籠から巻回したハリスが解けて釣りの状態となった時の説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
釣りの熟練者のみならず、初心者でも容易に遠方まで遠投でき、また浮きとコマセ籠との結合及び離脱を簡単な構成にして確実に且つ安価な遠投用天秤付きコマセ籠を提供するために、天秤の先端部に設けた係止手段にて、遠投時は天秤をコマセ籠と略平行状態に位置させると同時に、嵌合した浮きの離脱方向への動きを規制し、着水後はこの係止手段を外して天秤の自らの弾性力によりコマセ籠の円周方向に突出する状態に復帰させると同時に、嵌合した浮きの離脱方向への動き規制を解除するようにした。
【実施例1】
【0023】
天秤の係止手段を羽根片を用いて行うようにした本発明の実施例1の遠投用天秤付きコマセ籠を図1乃至図9を用いて以下詳述する。
図1及び図2に示す遠投コマセ籠本体1は、断面略U形状のコマセ籠2と、このコマセ籠2の有底部5に設けた弾性力を有する天秤10とから大略構成している。
上記コマセ籠2は、図1及び図3に示すように内部にコマセ収納部3を、その一端に浮き17が嵌合する開口部4を、他端に錘6を内蔵する有底部5から構成している。そして、このコマセ籠2の開口端側外壁に図1及び図3に示すように道糸Mをコマセ籠2の内部に導くためのスリット7を、開口端内側面に図1、図3及び図5に示すように該開口部4に嵌合される浮き17との摩擦を軽減し安定して保持するための複数個のリブ8を、更には同開口端内側面の一部に図4に示すように上記天秤10を係止するための係止凹部9を形成している。また、上記コマセ籠2の下端部にはサルカン等の結着部16を設け、この結着部16に上記浮き17を介して導かれた道糸Mを接続している。
【0024】
上記天秤10は、錆び難い1本の針金部材によって弾性力を有して構成されており、図1及び図2に示すようにコマセ籠2に対して周方向に突出するように設けられ、同天秤10先端部10aがコマセ籠2から所定間隔離間するようにしている。そして、この天秤10の先端部10aには係止手段となる羽根片11を設けている。この羽根片11は、図4に示すように同羽根片11の外側面に形成したリング部15に天秤10の先端部10aを連結し同羽根片11を回動自在に軸支されている。また、同羽根片11は、その一端に設けた上記コマセ籠2の係止凹部9に係止するフック部12と、他端に設けた翼部13とから構成している。また、この翼部13のコマセ籠2側となる一側面に、上記コマセ籠2の開口部4に嵌合した浮き17と係合する凸部14を設けている。なお、上記リング部15には釣り針19を有するハリスSが装着されている。
よって、図2及び図6(a)に示すように道糸Mには、浮き止め18、浮き17、上記遠投用天秤付きコマセ籠本体1、ハリスS等が順次取り付けられた状態となっている。
【0025】
次ぎに、その使用時について以下詳述する。
先ず、図3に示すようにコマセ籠2のコマセ収納部3内に開口部4から撒き餌(コマセ)aを入れ、その上に餌を付けた釣り針19を入れ、浮き17下部の道糸Mをスリット7を介してコマセ籠2内に通した後に、図2及び図3に示すように浮き17の下端部をコマセ籠2の開口部4に嵌合する。この際、コマセ籠2の開口部4は上記浮き17にて閉塞される。なお、浮き17はコマセ籠2の開口端内側面に設けられた複数のリブ6によって保持されるので、嵌合時の摩擦が軽減されスムーズに嵌合作業が行えると共に、適度な力で保持される。
【0026】
そして、羽根片11の翼部13を把持し、図1乃至図4に示すようにフック部12をコマセ籠2の開口部4と浮き17との隙間に差し込んで同開口端内側面に設けた係止凹部9に係止すると、図2及び図3に示すように天秤10及び羽根片11はコマセ籠2及び開口部4に嵌合された浮き17の外側面に沿った略平行状態に保持される。又この際、図4に示すように羽根片11の翼部13の一側面に形成した凸部14が、浮き17の外側面と係合する。これにより、同浮き17は羽根片11の凸部14によりその動きを規制され、安易に開口部4から抜けなくなる。
【0027】
次に、図6(b)に示す状態において竿を振りかざして遠投すると、コマセ籠2は錘6を内蔵する有底部5を先頭として飛行する。この際、コマセ籠2と浮き17は略直線上に一体化された結合状態で飛行すると共に、天秤10及び羽根片11もこのコマセ籠2及び浮き17と略平行状態に保持されて一緒に飛行するので、遠投時の空気抵抗も大幅に低減し、風の影響も受け難く且つ方向性も安定するので、遠投性能を著しく向上することができる。よって、釣りの熟練者のみならず初心者でも容易に遠方まで遠投できる。
【0028】
そして、着水後は、結合状態の上記コマセ籠2と浮き17は、図7(a)に示すように海面上で天秤10及び羽根片11の重量により同天秤10及び羽根片11を下にして横転した状態や、コマセ籠2が重いため一時的に起立した状態で浮かんでいるが、道糸Mの弛みをなくして竿をシャクルと図7(a)に示す横転状態で引っ張られる。このため、図7(b)に示すように翼部13が水の抵抗によって回動、即ち羽根片11が回動してフック部12がコマセ籠2の係止凹部9から外れるので、天秤10は自身の弾性力によりコマセ籠2に対して周方向に突出する元の状態に復帰し、ハリスSと道糸M及びコマセ籠2とを所要間隔離間せしめ本来の天秤機能が作用することとなる。
【0029】
この際、羽根片11の翼部13の一側面に形成した凸部14も、同羽根片11の回動動作と同時に浮き17から外れ、同浮き17の動き規制を解除する。これにより、開口部4に嵌合している浮き17は、浮き17の浮力とコマセ籠2の自重とによって離脱し、図7(c)に示すように同浮き17は海面に浮かび、コマセ籠2は有底部5を下にして水中に沈んでいく。
【0030】
また、浮き17の離脱に伴いコマセ籠2の開口部4が開放されるので、コマセ収納部3内に収納していた餌を付けた釣り針19が外部に放出されるが、天秤10にて道糸M及びコマセ籠2と所要間隔離間された状態とされているため、図8に示すようにコマセ籠2が有底部5を下にして水中に沈んでいく過程で釣り針19が道糸M及びコマセ籠2と絡むのを防止できる。
やがて所定タナに達すると、図9に示す如くコマセ籠2は反転し、水中での釣りの仕掛けは完了する。そして、竿をシャクってコマセ籠2を上下動させてコマセ収納部3内の撒き餌(コマセ)aを適量放出して釣りを楽しむ。
【実施例2】
【0031】
天秤10の係止手段となる羽根片11のフック部12にて直接浮き17の動き規制を行うようにするようにした実施例2について、以下図10を用いて以下詳述する。なお、実施例1と同一部品には同一番号を付し説明を省略する。
図10に示すように、浮き17にはコマセ籠2への嵌合部位に位置して外周方向に突出する径大部20を形成している。例えば同図10に示すように筒状の係止環21を装着して形成する。なお、実施例1にてコマセ籠2の開口端内側面に形成したリブ8をこの係止環21と一体的に形成し、コマセ籠2側には形成不要としている。
【0032】
一方、羽根片11には、図10に示すようにその一端を内外に湾曲させて、先端にコマセ籠2の開口部4部位に係止するフック部12を形成すると共に、その反対面側にカール状のリング部15を形成し、このリング部15に天秤10の先端を接続する。また、他端の翼部13の先端にハリスSを接続している。
【0033】
次ぎにその使用について説明する。図10に示すように上記羽根片11のフック部12をコマセ籠2の開口部4の端部に引っ掛け、その後浮き17を同コマセ籠2の開口部4に嵌合する。なお、コマセ籠2の開口部4に浮き17を嵌合した後に、上記羽根片11のフック部12を同開口部4と浮き17との間に差し込んで装着するようにしても何等問題ない。
【0034】
そして、同浮き17の径大部20がフック部12を乗り越えた状態まで押し込み径大部20の段差部分にフック部12の先端が係合するようにすることにより、天秤10及び羽根片11をコマセ籠2及び浮き17に対して略平行状態に保持すると同時に、上記フック部12と径大部20の段差部分との係合により同浮き17の離脱方向への動きを規制する。
【0035】
着水後、実施例1同様に竿をシャクルことにより翼部13が水の抵抗によって回動、即ち羽根片11が回動してフック部12がコマセ籠2の開口部4から外れるので、天秤10は自身の弾性力によりコマセ籠2に対して周方向に突出する元の状態に復帰し、ハリスSと道糸M及びコマセ籠2とを所要間隔離間せしめ本来の天秤機能が作用する。また、これによりフック部12と浮き17の径大部20との係合も外れ同浮き17の離脱方向への動き規制も解除されることになる。
【0036】
この場合、羽根片11の翼部13の一側面に浮き17に係合する凸部14が不要となるので、同浮き17の外側面が傷付つくこともない。また、単にコマセ籠2の開口部4の端縁の任意位置にフック部12を引っ掛けた後に浮き17を嵌合すればよいので、例えば夜間における暗闇時でも作業性が良く、素早くセットすることができるなど操作性も向上できるものである。
【0037】
なお、図10に示すように羽根片11の自由端側先端(翼部13の先端部)にハリスSを接続した場合、天秤10に対して自由に回動する羽根片11の回動支点の近くで接続した場合には、自由に回動する羽根片11とハリスSが絡むことも考えられるが、両者の絡みも極力防止することができる。
【実施例3】
【0038】
天秤10の係止手段となる羽根片11をコマセ籠2の開口端部外側面に設けた第3の実施例について図11及び図12を用いて以下詳述する。なお、実施例1と同一部品については同一符号を付記し説明を省略する。
図11及び図12に示すように、コマセ籠2の開口端部外側面に回動自在に羽根片11を軸支している。この羽根片11には、回動支点を中心としてその一端側に鉤部21を、他端側に一側面に凸部14を有する翼部13を形成している。なお、天秤10の先端部には上記鉤部22に係止するための止輪23を形成し、この止輪23にハリスSを接続している。
【0039】
次ぎにその使用時について説明する。先ず、図11に示すようにコマセ籠2の開口部4に浮き17を嵌合した後、天秤10の止輪23を羽根片11の鉤部22に引っ掛けると、同天秤10及び同羽根片11をコマセ籠2及び浮き17の外側面に沿った平行状態に保持すると同時に、羽根片11の翼部13の凸部14が浮き17の外側面と係合し同浮き17の動きを規制する。
【0040】
着水後、実施例同様に竿をシャックルことにより翼部13が水の抵抗によって回動、即ち羽根片11が回動して止輪23が鉤部22から外れるので、天秤10は自身の弾性力によりコマセ籠2に対して周方向に突出する元の状態に復帰し、ハリスSと道糸M及びコマセ籠2とを所要間隔離間せしめ本来の天秤機能が作用するまた、これにより翼部13の凸部14が浮き17の外側面から外れ同浮き17の動き規制も解除されることになる。
【実施例4】
【0041】
次ぎに、天秤10先端に形成した係止手段となるフック部を直接浮き17に係止して、天秤10の平行状態保持と浮き17の動き規制を行うようにした実施例4について、以下図13乃至図19を用いて詳述する。なお、実施例1と同一部品は同一番号を付記する。
図13及び図14に示す遠投コマセ籠本体1は、断面略U形状のコマセ籠2と、このコマセ籠2の有底部5に設けた弾性力を有する天秤10とから大略構成している。
【0042】
上記コマセ籠2は、図13及び図14に示すように内部にコマセ収納部3を、その一端に浮き17が嵌合される開口部4を、他端に錘6を内蔵する有底部5から構成している。そして、このコマセ籠2の開口端側外壁に図13及び図16に示すように道糸Mをコマセ籠2の内部に導くためのスリット7を複数個形成し、上記開口部4部位に後述する浮きを嵌合する際の所要の弾性力を付与するようにしている。また、コマセ籠2の外周壁及び有底部5には必要に応じて複数の水抜き孔24を形成している。
【0043】
上記コマセ籠2の開口部4に嵌合する浮き17は、例えば図13に示すように内部に道糸Mを通す貫通孔25を有する棒状中通し式の遠投浮きが用いられる。この浮き17の下端部にはコマセ籠2の開口部4の内径と略同一外径且つ所要長さとした嵌合部27と、その上部に外周に突出する係止部28を有する係止環26が設けられている。
なお、浮き17の貫通孔25を通して導出された道糸Mは結着部(サルカンなど)16を介して上記コマセ籠2の有底部5に接続されている。
【0044】
上記コマセ籠2の有底部5に設けられた天秤10は、錆び難い1本の針金部材によって弾性力を有して構成され、通常時には図13及び図14に示すようにコマセ籠2に対して周方向に突出すると共に、同コマセ籠2側に所要角度傾斜した状態に形成されている。
【0045】
そして、この天秤10の先端部10aには、上記浮き17の係止部28に係止するフック部12を形成している。また、同天秤10には結着部(サルカンなど)16を介してハリスSが移動自在に設けられており、このハリスSが天秤10の基端部10bと先端部10aとの間で移動可能としている。なお、ハリスSは1個又は複数個の釣り針を有するものであってもよく、図13及び図14においては複数個の釣り針19を有するハリスSを示している。
【0046】
なお、図14及び図17に示すように道糸Mには浮き17の前後に位置して浮き止め18・18を設けると共に、下部側の浮き止め18の下方に位置して更に上記スリット7の幅と略同じ太さとした回転止め29を設けている。
【0047】
次ぎに、その使用時について以下詳述する。
先ず、図14に示すようにコマセ籠2のコマセ収納部3内に開口部4から撒き餌(コマセ)aを入れた後、ハリスSの結着部16を天秤10の基端部10b側に位置させた状態で、図17に示すようにハリスSをコマセ籠2の外周面に巻回して図15に示すように最下端となる餌を付けた釣り針19を上記スリット7を介してコマセ収納部3内に入れる。
この際、複数個の釣り針19が設けられたハリスSを使用した場合には、図17に示すように順次上側に位置する釣り針19をコマセ籠2外周面に置いた上からハリスSを巻回して同ハリスSと一緒にコマセ籠2外周面に留めるようにし、最後に最下端の釣り針19をスリット7を介してコマセ収納部3内に入れるようにする。
【0048】
この際、例えば天秤10の先端にハリスSを設けた場合には、同天秤10がコマセ籠2の外側面に沿わせた略平行状態から周方向に突出する状態に復帰動作するために、ハリスSに所要の弛みを付与する必要があるが、この状態でハリスSをコマセ籠2外周面に巻回すると、該弛みによってハリスSの巻回が緩み解けてしまう。これによりコマセ籠2外周面に留めていた釣り針19も外れてハリスSやコマセ籠2や天秤10と絡んでしまう畏れがあるが、ハリスSの接続部12が天秤10の基端部10bに位置しハリスSの弛みがない状態で巻回できるため、巻回したハリスSが緩むこともなく釣り針19が外れて絡むことも未然に防止できる。
【0049】
しかる後、図13及び図14に示すように回転止め29をスリット7に強制的に通して浮き17下部の道糸Mをコマセ籠2内に導出する。この際、図15(a)に示すようにスリット7下端の内側にハリスSを上から押さえるようにして回転止め29が位置するため、コマセ収納部3内に収納した最下端に位置する釣り針19が誤ってスリット7から抜け出るのを防止することができると共に、道糸Mの緩みも防止することができる。
【0050】
そして、浮き17をコマセ籠2の開口部4に嵌合すると、コマセ籠2の開口部4は上記浮き17にて閉塞される。この際、コマセ籠2の開口部4の内径と浮き17の嵌合部27の外径寸法とを略同一にしてなるので、コマセ籠2の開口端部の弾性力と相まって適度なフリクションを有して嵌合されることになる。
【0051】
ここで、浮き17を図15(b)に示すように係止環26の係止部28の段差部がコマセ籠2の開口部4の開口端と接するまで押し込んだ状態において、図14に示す周方向に突出した状態の天秤10を図15(b)に示すようにコマセ籠2側面近くまで回動し、図15(a)に示すように浮き17を離脱方向に若干移動すると天秤10のフック部12が浮き17の係止部28に係止し、該天秤10はコマセ籠2の外側面に沿わせた略平行状態に保持される。これと同時に浮き17はこれ以上の離脱方向への動きが規制され、開口部4から抜けるのを阻止される。この状態において、上記浮き17は同図15(a)に示すように係止部28の段差部とコマセ籠2の開口部4の開口端との間隙X分だけ嵌合方向に移動可能な状態とされている。
【0052】
次に、図17に示す状態において竿を振りかざして遠投すると、コマセ籠2は錘6を内蔵する有底部5側を先頭として飛行する。この際、コマセ籠2と浮き17は略直線上に一体化された結合状態で飛行すると共に、天秤10もこのコマセ籠2の外側面に沿った略平行状態に保持されて一緒に飛行するので、遠投時の空気抵抗も大幅に低減し、風の影響も受け難く且つ方向性も安定するので、遠投性能を著しく向上することができる。よって、釣りの熟練者のみならず初心者でも目的とする遠方のポイントまで容易に遠投することができる。
【0053】
そして、着水時には、図18(a)に示すように結合状態のコマセ籠2と浮き17は同コマセ籠2の有底部5を下にして着水するが、この着水時の衝撃によって該浮き17が図15(a)に示す位置から図5(b)に示す位置に移動、即ち嵌合方向に間隙X分移動する。これにより、天秤10のフック部12と浮き17の係止部28との係止が外れ、図18(b)に示すように天秤10は自身の弾性力により元のコマセ籠2に対して周方向に突出する状態に復帰すると同時に、浮き17の離脱方向の動き規制も解除される。
【0054】
これにより、浮き17は、浮き自身の浮力とコマセ籠2のコマセ収納部3内に浸入してきた海水の水圧などによってコマセ籠2の開口部4から離脱するので、離脱した浮き17は海面に浮かぶ一方、コマセ籠2は図18(c)に示すように有底部5を下にした状態で水中に沈んでいく。
【0055】
やがて所定タナに到達し、コマセ籠2が図19(a)に示すように反転すると、コマセ収納部3内に収納されていた最下端の釣り針19が外部に放出される。これによりコマセ籠2の外周面に巻回していたハリスSが解けるので、ハリスSと一緒に留められていた他の釣り針19も順次開放されることとなる。
【0056】
ハリスSが全て解けると、ハリスSの結着部16は、天秤10の下方向の傾斜によって基端部10b側から先端部10a側に移動するので、同天秤10の先端部10aに最終的に達し本来の天秤機能が作用することとなる。以上により、水中での釣りの仕掛けは完了し、以後は竿をシャクってコマセ籠2を上下動しコマセ収納部3内の撒き餌(コマセ)aを適量放出して釣りを楽しむ。
【0057】
上述したように、遠投時は無論のこと、着水時から所定タナに達してコマセ籠2が反転するまでは、ハリスSは緩みのない状態でコマセ籠2の外周面に巻回してなるので、この過程で勝手にハリスSが緩んで道糸Mやコマセ籠2と絡むのを防止することができる。
【0058】
なお、反転式コマセ籠とし、天秤10を所要角度コマセ籠側に傾斜させると共に、この天秤10にハリスSを移動自在に設けるようにした構成を、上記実施例1乃至実施例3の遠投用天秤付きコマセ籠に適用しても構わず、この場合複数の釣り針19を有するハリスSに対応できることは言うまでもない。
【0059】
また、上記各実施例においては浮き17に一般的な棒状中通し式の遠投浮きを用いたものについて説明したが、これに限定されるものではなく例えば図10に示すように一般的な環付き遠投浮きを用いても何等構わない。また、棒状タイプの浮きに限らず、コマセ籠2の開口部4に嵌合して同開口部4を閉塞すると共に、羽根片11の係合部14が係合できる形状であれば砲弾型タイプの浮きであっても構わない。
【0060】
上述のように遠投性能に優れ、浮きとコマセ籠との結合及び離脱を確実に行わせることができ、絡みも防止できる遠投用天秤付きコマセ籠を、極めて簡単な構成にして安価な提供することができるものである。
【符号の説明】
【0061】
1 遠投用天秤付きコマセ籠本体
2 コマセ籠
3 コマセ収納部
4 開口部
5 有底部
6 錘
7 スリット
8 リブ
9 係止凹部
10 天秤
10a 先端部
10b 基端部
11 羽根片
12 フック部
13 翼部
14 凸部
15 リング部
16 結着部(サルカンなど)
17 浮き
18 浮き止め
19 釣り針
20 径大部
21、26 係止環
22 鉤部
23 止輪
24 水抜き孔
25 貫通孔
27 嵌合部
28 係止部
29 回転止め
a 撒き餌
M 道糸
S ハリス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にコマセ収納部を有し、一端に遠投時に浮きが嵌合して閉塞される開口部を設ける一方、他端に錘を有する有底部を設けた断面略U形状のコマセ籠と、同コマセ籠の有底部に設けた周方向に突出且つ弾性力を有する天秤とから構成してなる遠投用天秤付きコマセ籠において、
上記天秤の先端部に上記コマセ籠の開口部端部若しくはコマセ籠の開口部に嵌合した浮きに係止する係止手段を設け、
遠投時には、上記天秤の係止手段をコマセ籠の開口部端部若しくは同コマセ籠の開口部に嵌合した浮きに係止して、該天秤をコマセ籠と略平行状態に保持すると同時に、同係止手段にて該コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後、上記天秤の係止手段の係止を外して、同天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方向の動き規制を解除するようにしたことを特徴とする遠投用天秤付きコマセ籠。
【請求項2】
上記天秤の係止手段を、同天秤の先端部に設けられ、一端に上記コマセ籠の開口部内側面に係止するフック部と、一側面に浮きと係合する凸部を設けた翼部とを有する羽根片により構成してなり、
上記羽根片のフック部をコマセ籠の開口部内側面に係止して、上記天秤及び羽根片を上記コマセ籠及び開口部に嵌合した浮きと略平行状態に保持すると同時に、上記羽根片の凸部を該コマセ籠の開口部に嵌合した浮きに係合して同浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後竿のシャクリに伴う水の抵抗により上記羽根片を回動し、この羽根片の回動動作により上記羽根片のフック部を外して、上記天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、羽根片の凸部の係合を解除して上記浮きの離脱方法への動き規制を解除するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遠投用天秤付きコマセ籠。
【請求項3】
上記天秤の係止手段を、同天秤の先端部に設けられ、一端に内外に湾曲させて形成したフック部を有する羽根片にて構成する一方、
上記浮きの嵌合部位に径大部を形成してなり、
この浮きをコマセ籠の開口部に嵌合した状態において、該開口部と浮きとの隙間に位置して上記羽根片のフック部を装着することにより、上記天秤及び羽根片をコマセ籠及び開口部に嵌合した浮きと略平行状態に保持すると同時に、上記浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後竿のシャクリに伴う水の抵抗により上記羽根片を回動し、この羽根片の回動動作により上記羽根片のフック部を外して、上記天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方法への動き規制を解除するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遠投用天秤付きコマセ籠。
【請求項4】
上記天秤の係止手段を、同天秤の先端部に設けられたフック部と、コマセ籠の開口端部外側面に回動自在に設けられ、その一端に鉤部を、他端に一側面に浮きと係合する凸部を設けた翼部とを有する羽根片とにより構成してなり、
上記コマセ籠の開口部に浮きを嵌合した状態で、上記天秤のフック部を回動自在な羽根片の鉤部に係止して、同天秤及び羽根片をコマセ籠及び開口部に嵌合した浮きと略平行状態に保持すると同時に、同羽根片の凸部を該浮きに係合して同浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水後竿のシャクリに伴う水の抵抗により上記羽根片を回動し、この羽根片の回動動作により上記天秤のフック部を外して、上記天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記コマセ籠の開口部に嵌合した浮きの離脱方法への動き規制を解除するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遠投用天秤付きコマセ籠。
【請求項5】
上記天秤の係止手段を、同天秤の先端に形成したフック部により構成してなり、
このフック部をコマセ籠の開口部に対し嵌合方向に所要量移動可能に嵌合された状態の浮きに係止し、上記天秤をコマセ籠と略平行状態に保持すると同時に、該浮きの離脱方向への動きを規制し、
着水時の衝撃による浮きの嵌合方向への移動動作によって、上記天秤のフック部を該浮きの係止部から外して、該天秤を自らの弾性力により元の状態に復帰させると同時に、上記浮きの離脱方向への動き規制を解除するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遠投用天秤付きコマセ籠。
【請求項6】
上記コマセ籠は、その有底部側に道糸が接続され、着水後所定タナに到達するまでは有底部を下にして水没し、所定タナに到達後に反転するようにした反転式コマセ籠であって、
上記天秤は、コマセ籠の周方向に突出する状態において、所要角度コマセ籠側に傾斜した状態に構成し、この天秤に移動自在にハリスを設けてなり、
上記コマセ籠が所定タナに到達して反転した後に、ハリスが天秤の下方向の傾斜によって天秤の基端部側から先端部側に移動するようにした特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の遠投用天秤付きコマセ籠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−90622(P2012−90622A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18025(P2011−18025)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(592227807)
【Fターム(参考)】