説明

遠方監視制御装置

【課題】ネットワークの常時伝送負荷の抑制、親局の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握ができる遠方監視制御装置を得る。
【解決手段】親局にネットワークを通じて接続された遠方監視制御装置であって、予め設定された、伝送基準となる基準値61、基準値以上の計測値の変化幅64、及び基準値未満の計測値の変化幅65を格納するメモリ6と、入力された計測値が前記基準値以上で変化幅64以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が前記基準値未満で変化幅65以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送するCPU1とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークの伝送負荷、および遠方監視制御装置(親局)の処理負荷を抑制するための計測情報の伝送方式を持つ遠方監視制御装置(子局)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遠方監視制御装置(子局)においては、計測値の範囲、および遠方監視制御装置(子局)の選択状態に関わらず、一定周期、または一定の変化幅を定義し変化幅を越えた場合、遠方監視制御装置(子局)から遠方監視制御装置(親局)に当該計測情報を伝送している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−105376号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遠方監視制御装置(子局)で行っている計測情報の変化値伝送は、変化幅が一定であるため、変化幅を小さくすると計測値のきめ細やかな変化の把握は可能であるが、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、および遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制の効果は小さくなる。
【0005】
また、変化幅を大きくすると、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、および遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制の効果は大きくなるが、計測値のきめ細やかな変化の把握は困難となる。
【0006】
そのため、変化幅により効果を得ることができる反面、問題点が生じるという課題がある。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握ができる遠方監視制御装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る遠方監視制御装置は、親局にネットワークを通じて接続された遠方監視制御装置であって、予め設定された伝送基準となる基準値、予め設定された前記基準値以上の計測値の第1の変化幅、及び予め設定された前記基準値未満の計測値の第2の変化幅を格納するメモリと、入力された計測値が前記基準値以上で前記第1の変化幅以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が前記基準値未満で前記第2の変化幅以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送するCPUとを設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る遠方監視制御装置は、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、親局の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握ができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置について図1から図3までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0011】
図1において、この実施の形態1に係る遠方監視制御装置は、処理を行うCPU1と、アナログ入力基板3と、複数の各種入出力基板4と、遠方監視制御装置(親局)にネットワークを通じてデータを送信するデータ送/受信基板5と、メモリ6とが設けられている。
【0012】
内部バス2は、CPU1と、各種基板3〜5と、メモリ6を接続する。また、メモリ6には、伝送基準となる基準値データ61と、送信の計測値(送信バッファ)62と、前回送信の計測値(前回送信バッファ)63と、基準値以上の計測値の変化幅データ64と、基準値未満の計測値の変化幅データ65と、その他データが格納されている。
【0013】
つぎに、この実施の形態1に係る遠方監視制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。また、図3は、この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0014】
図2において、縦軸は計測値、横軸は丸数字(明細書では、都合により括弧数字で表記する。)で送信タイミングをそれぞれ示す。また、「基準値」、「基準値以上の計測値の変化幅」、及び「基準値未満の計測値の変化幅」を示す。なお、「基準値以上の計測値の変化幅」よりも「基準値未満の計測値の変化幅」が大きい。
【0015】
0の送信タイミングで当該計測値を送信した場合、送信タイミング(1)、(2)、(3)の計測値は、「前回送信の計測値」(0の送信タイミングの計測値)から「基準値未満の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値を送信しない。
【0016】
送信タイミング(4)の計測値は、「前回送信の計測値」から「基準値未満の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。送信タイミング(5)も同様である。
【0017】
送信タイミング(6)では、計測値が基準値を超え、かつ「前回送信の計測値」が基準値未満であるため、変化幅の大小に関わらず当該計測値を送信する。
【0018】
送信タイミング(7)、(8)、(9)の計測値は、「前回送信の計測値」(送信タイミング(6)の計測値)から「基準値以上の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値を送信しない。
【0019】
送信タイミング(10)の計測値は、「前回送信の計測値」から「基準値以上の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。
【0020】
「基準値」、「基準値以上の計測値の変化幅」、「基準値未満の計測値の変化幅」を設けて、前回送信の計測値との変化により当該計測値の送信の要否を判定し、送信判定が否の場合、当該計測値の送信を行わないことにより、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握が可能となる。
【0021】
ここで、フローチャートを用いて、この実施の形態1に係る遠方監視制御装置の動作を説明する。
【0022】
CPU1は、計測データの送信タイミング(定周期)で、例えばアナログ入力基板3から入力した各計測値について、メモリ6から読み出した基準値61以上か判定する(図3のステップ100〜101)。
【0023】
基準値以上の場合(ステップ101のYES)、メモリ6から読み出した当該計測項目の前回送信した計測値63が基準値以上か判定する(ステップ102)。
【0024】
基準値未満の場合(ステップ102のNO)は、当該計測値をメモリ6の送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ104)。
【0025】
基準値以上の場合(ステップ102のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「基準値以上の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ103)。なお、「前回送信した計測値」、「基準値以上の計測値の変化幅」は、メモリ6から読み出す。
【0026】
変化している場合(ステップ103のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ104)。送信バッファ62に格納された計測値は、CPU1の制御の下、データ送/受信基板5によって、遠方監視制御装置(親局)に送信される(以降同様である。)。
【0027】
変化していない場合(ステップ103のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ100)。
【0028】
基準値未満の場合(ステップ101のNO)、メモリ6から読み出した当該計測項目の前回送信した計測値が基準値未満か判定する(ステップ105)。
【0029】
基準値以上の場合(ステップ105のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ104)。
【0030】
基準値未満の場合(ステップ105のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「基準値未満の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ106)。なお、「前回送信した計測値」、「基準値未満の計測値の変化幅」は、メモリ6から読み出す。
【0031】
変化している場合(ステップ106のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ104)。
【0032】
変化していない場合(ステップ106のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ100)。
【0033】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る遠方監視制御装置について図4及び図5を参照しながら説明する。この発明の実施の形態2に係る遠方監視制御装置の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0034】
つぎに、この実施の形態2に係る遠方監視制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。また、図5は、この発明の実施の形態2に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0035】
図4において、伝送基準となる「基準値」、基準値から所定範囲の「安定範囲」、「安定範囲内の計測値の変化幅」、及び「安定範囲外の計測値の変化幅」を示し、丸数字で送信タイミングを示している。なお、「安定範囲内の計測値の変化幅」よりも「安定範囲外の計測値の変化幅」が小さい。また、「基準値」、「安定範囲」、「安定範囲内の計測値の変化幅」、及び「安定範囲外の計測値の変化幅」は、それぞれメモリ6の所定の領域に格納されている。
【0036】
0の送信タイミングで当該計測値を送信した場合、送信タイミング(1)の計測値は、「前回送信の計測値」(0の送信タイミングの計測値)から「安定範囲外の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値を送信しない。
【0037】
送信タイミング(2)の計測値は、「前回送信の計測値」から「安定範囲外の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。送信タイミング(3)の計測値は、「前回送信の計測値」から「安定範囲外の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値を送信しない。
【0038】
送信タイミング(4)では、計測値が安定範囲内、かつ「前回送信の計測値」が安定範囲外であるため、変化幅の大小に関わらず当該計測値を送信する。
【0039】
送信タイミング(5)の計測値は、「前回送信の計測値」(送信タイミング(4)の計測値)から「安定範囲内の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値を送信しない。
【0040】
送信タイミング(6)の計測値は、「前回送信の計測値」から「安定範囲内の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。
【0041】
「基準値」、「安定範囲」、「安定範囲内の計測値の変化幅」、「安定範囲外の計測値の変化幅」を設けて、前回送信の計測値との変化により当該計測値の送信の要否を判定し、送信判定が否の場合、当該計測値の送信を行わないことにより、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握が可能となる。
【0042】
ここで、フローチャートを用いて、この実施の形態2に係る遠方監視制御装置の動作を説明する。なお、CPU1のメモリ6からのデータの読み出しや、メモリ6へのデータの格納等の基本的動作は、上記実施の形態1と同様であるので、それらの基本的動作の説明を省略する。
【0043】
CPU1は、計測データの送信タイミング(定周期)で、各計測値について安定範囲内の計測値か判定する(図5のステップ200〜201)。
【0044】
安定範囲内の場合(ステップ201のYES)、当該計測項目の前回送信した計測値が安定範囲内か判定する(ステップ202)。
【0045】
安定範囲外の計測値の場合(ステップ202のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ204)。
【0046】
安定範囲内の場合(ステップ202のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「安定範囲内の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ203)。
【0047】
変化している場合(ステップ203のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ204)。
【0048】
変化していない場合(ステップ203のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ200)。
【0049】
安定範囲外の場合(ステップ201のNO)、当該計測項目の前回送信した計測値が安定範囲外か判定する(ステップ205)。
【0050】
安定範囲内の場合(ステップ205のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ204)。
【0051】
安定範囲外の場合(ステップ205のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「安定範囲外の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ206)。
【0052】
変化している場合(ステップ206のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ204)。
【0053】
変化していない場合(ステップ206のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ200)。
【0054】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置について図6から図8までを参照しながら説明する。この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0055】
つぎに、この実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。図6及び図7は、この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。また、図8は、この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0056】
図6は、選択計測(遠方監視制御装置(親局)から当該遠方監視制御装置(子局)、または当該機器を選択している場合の計測)、図7は、選択計測でない通常の定周期計測を示す。
【0057】
図6は、「選択計測時の計測値の変化幅」を示し、丸数字で送信タイミングを示している。なお、「選択計測時の計測値の変化幅」は、メモリ6の所定の領域に格納されている。
【0058】
0の送信タイミングで当該計測値を送信した場合、送信タイミング(1)の計測値は、「前回送信の計測値」(0の送信タイミングの計測値)から「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。送信タイミング(2)の計測値も送信タイミング(1)で送信した計測値から「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。
【0059】
送信タイミング(3)、(4)、(5)では、送信タイミング(2)で送信した計測値から「選択計測時の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値は送信しない。
【0060】
図7は、「定周期計測時の計測値の変化幅」を示し、丸数字で送信タイミングを示している。なお、「選択計測時の計測値の変化幅」よりも「定周期計測時の計測値の変化幅」が大きい。また、「定周期計測時の計測値の変化幅」は、メモリ6の所定の領域に格納されている。
【0061】
0の送信タイミングで当該計測値を送信した場合、送信タイミング(1)の計測値は、「前回送信の計測値」(0の送信タイミングの計測値)から「定周期計測時の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値を送信しない。
【0062】
送信タイミング(2)の計測値は、0の送信タイミングで送信した計測値から「定周期計測時の計測値の変化幅」以上変化しているため当該計測値を送信する。
【0063】
送信タイミング(3)〜(11)では、送信タイミング(2)で送信した計測値から「定周期計測時の計測値の変化幅」より小さい変化のため当該計測値は送信しない。
【0064】
「選択計測時の計測値の変化幅」と「定周期計測時の計測値の変化幅」の2種類の変化幅を持つことにより、詳細な計測値の変化を把握することが可能となる。そのため、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握が可能となる。
【0065】
ここで、フローチャートを用いて、この実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作を説明する。なお、CPU1のメモリ6からのデータの読み出しや、メモリ6へのデータの格納等の基本的動作は、上記実施の形態1と同様であるので、それらの基本的動作の説明を省略する。
【0066】
CPU1は、計測データの送信タイミングで、各計測値について選択計測中か判定する(図8のステップ300〜301)。
【0067】
選択計測中の場合(ステップ301のYES)、当該計測項目が|前回送信した計測値−今回の計測値|が「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ302)。
【0068】
変化している場合(ステップ302のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ303)。
【0069】
変化していない場合(ステップ302のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ300)。
【0070】
選択計測中でない場合(ステップ301のNO)、当該計測項目が|前回送信した計測値−今回の計測値|が「定周期計測時の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ304)。
【0071】
変化している場合(ステップ304のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ303)。
【0072】
変化していない場合(ステップ304のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ300)。
【0073】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る遠方監視制御装置について図9を参照しながら説明する。この発明の実施の形態4に係る遠方監視制御装置の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0074】
つぎに、この実施の形態4に係る遠方監視制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。図9は、この発明の実施の形態4に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
この実施の形態4は、選択計測と定周期計測の複合とするもので、定周期計測は上記実施の形態1の方式とする、上記実施の形態1と上記実施の形態3の複合型とする。
【0076】
上記実施の形態1に選択計測時の処理を追加することにより機器操作時等に上記実施の形態1より詳細な計測値の変化を把握することが可能となる。そのため、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握が可能となる。
【0077】
ここで、フローチャートを用いて、この実施の形態4に係る遠方監視制御装置の動作を説明する。なお、CPU1のメモリ6からのデータの読み出しや、メモリ6へのデータの格納等の基本的動作は、上記実施の形態1と同様であるので、それらの基本的動作の説明を省略する。
【0078】
CPU1は、計測データの送信タイミングで、各計測値について選択計測中か判定する(図9のステップ400〜401)。
【0079】
選択計測中で無い場合(ステップ401のNO)、計測値が基準値以上か判定する(ステップ402)。
【0080】
基準値以上の場合(ステップ402のYES)、当該計測項目の前回送信した計測値が基準値以上か判定する(ステップ403)。
【0081】
基準値未満の場合(ステップ403のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0082】
基準値以上の場合(ステップ403のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「基準値以上の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ404)。
【0083】
変化している場合(ステップ404のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0084】
変化していない場合(ステップ404のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ400)。
【0085】
基準値未満の場合(ステップ402のNO)、当該計測項目の前回送信した計測値が基準値未満か判定する(ステップ406)。
【0086】
基準値以上の場合(ステップ406のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0087】
基準値未満の場合(ステップ406のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「基準値未満の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ407)。
【0088】
変化している場合(ステップ407のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0089】
変化していない場合(ステップ407のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ400)。
【0090】
選択計測中の場合(ステップ401のYES)、計測値が基準値以上か判定する(ステップ408)。
【0091】
基準値以上の場合(ステップ408のYES)、当該計測項目の前回送信した計測値が基準値以上か判定する(ステップ409)。
【0092】
基準値未満の場合(ステップ409のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0093】
基準値以上の場合(ステップ409のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ410)。なお、「選択計測時の計測値の変化幅」は、例えば「基準値以上の計測値の変化幅」や「基準値未満の計測値の変化幅」よりも小さい。
【0094】
変化している場合(ステップ410のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0095】
変化していない場合(ステップ410のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ400)。
【0096】
基準値未満の場合(ステップ408のNO)、当該計測項目の前回送信した計測値が基準値未満か判定する(ステップ411)。
【0097】
基準値以上の場合(ステップ411のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0098】
基準値未満の場合(ステップ411のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ410)。
【0099】
変化している場合(ステップ410のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ405)。
【0100】
変化していない場合(ステップ410のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ400)。
【0101】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る遠方監視制御装置について図10を参照しながら説明する。この発明の実施の形態5に係る遠方監視制御装置の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0102】
つぎに、この実施の形態5に係る遠方監視制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態5に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0103】
この実施の形態5は、選択計測と定周期計測の複合とするもので、定周期計測は上記実施の形態2の方式とする、上記実施の形態2と上記実施の形態3の複合型とする。
【0104】
上記実施の形態2に選択計測時の処理を追加することにより機器操作時等に上記実施の形態2より詳細な計測値の変化を把握することが可能となる。そのため、ネットワークの常時伝送負荷の抑制、遠方監視制御装置(親局)の計測情報の受信による処理抑制、および計測値のきめ細やかな変化の把握が可能となる。
【0105】
ここで、フローチャートを用いて、この実施の形態5に係る遠方監視制御装置の動作を説明する。なお、CPU1のメモリ6からのデータの読み出しや、メモリ6へのデータの格納等の基本的動作は、上記実施の形態1と同様であるので、それらの基本的動作の説明を省略する。
【0106】
CPU1は、計測データの送信タイミングで、各計測値について選択計測中か判定する(図10のステップ500〜501)。
【0107】
選択計測中で無い場合(ステップ501のNO)、計測値が安定範囲内か判定する(ステップ502)。
【0108】
安定範囲内の場合(ステップ502のYES)、当該計測項目の前回送信した計測値が安定範囲内か判定する(ステップ503)。
【0109】
安定範囲外の計測値の場合(ステップ503のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0110】
安定範囲内の場合(ステップ503のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「安定範囲内の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ504)。
【0111】
変化している場合(ステップ504のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0112】
変化していない場合(ステップ504のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ500)。
【0113】
安定範囲外の場合(ステップ502のNO)、当該計測項目の前回送信した計測値が安定範囲外か判定する(ステップ506)。
【0114】
安定範囲内の場合(ステップ506のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0115】
安定範囲外の場合(ステップ506のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「安定範囲外の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ507)。
【0116】
変化している場合(ステップ507のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0117】
変化していない場合(ステップ507のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ500)。
【0118】
選択計測中の場合(ステップ501のYES)、計測値が安定範囲内か判定する(ステップ508)。
【0119】
安定範囲内の場合(ステップ508のYES)、当該計測項目の前回送信した計測値が安定範囲内か判定する(ステップ509)。
【0120】
安定範囲外の場合(ステップ509のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0121】
安定範囲内の場合(ステップ509のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ510)。なお、「選択計測時の計測値の変化幅」は、例えば「安定範囲内の計測値の変化幅」や「安定範囲外の計測値の変化幅」よりも小さい。
【0122】
変化している場合(ステップ510のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0123】
変化していない場合(ステップ510のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ500)。
【0124】
安定範囲外の場合(ステップ508のNO)、当該計測項目の前回送信した計測値が安定範囲外か判定する(ステップ511)。
【0125】
安定範囲内の場合(ステップ511のNO)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0126】
安定範囲外の場合(ステップ511のYES)は、|前回送信した計測値−今回の計測値|が「選択計測時の計測値の変化幅」以上変化しているか判定する(ステップ510)。
【0127】
変化している場合(ステップ510のYES)は、当該計測値を送信バッファ62、および前回送信バッファ63に格納する(ステップ505)。
【0128】
変化していない場合(ステップ510のNO)は、次の計測項目の処理を行う(ステップ500)。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態4に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5に係る遠方監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0130】
1 CPU、2 内部バス、3 アナログ入力基板、4 各種入出力基板、5 データ送/受信基板、6 メモリ、61 基準値データ、62 送信の計測値(送信バッファ)、63 前回送信の計測値(前回送信バッファ)、64 基準値以上の計測値の変化幅データ、65 基準値未満の計測値の変化幅データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局にネットワークを通じて接続された遠方監視制御装置であって、
予め設定された伝送基準となる基準値、予め設定された前記基準値以上の計測値の第1の変化幅、及び予め設定された前記基準値未満の計測値の第2の変化幅を格納するメモリと、
入力された計測値が前記基準値以上で前記第1の変化幅以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が前記基準値未満で前記第2の変化幅以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送するCPUと
を備えたことを特徴とする遠方監視制御装置。
【請求項2】
親局にネットワークを通じて接続された遠方監視制御装置であって、
予め設定された伝送基準となる基準値から所定範囲の安定範囲、予め設定された前記安定範囲内の計測値の第1の変化幅、及び予め設定された前記安定範囲外の計測値の第2の変化幅を格納するメモリと、
入力された計測値が前記安定範囲内で前記第1の変化幅以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が前記安定範囲外で前記第2の変化幅以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送するCPUと
を備えたことを特徴とする遠方監視制御装置。
【請求項3】
親局にネットワークを通じて接続された遠方監視制御装置であって、
予め設定された選択計測時の計測値の第1の変化幅、及び予め設定された定周期計測時の計測値の第2の変化幅を格納するメモリと、
入力された計測値が選択計測中の場合で前記第1の変化幅以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が選択計測中でない場合で前記第2の変化幅以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送するCPUと
を備えたことを特徴とする遠方監視制御装置。
【請求項4】
前記メモリは、予め設定された選択計測時の計測値の第3の変化幅をさらに格納し、
前記CPUは、入力された計測値が選択計測中でない場合かつ前記基準値以上で前記第1の変化幅以上変化した場合、前記入力された計測値が選択計測中でない場合かつ前記基準値未満で前記第2の変化幅以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が選択計測中の場合で前記第3の変化幅以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送する
ことを特徴とする請求項1記載の遠方監視制御装置。
【請求項5】
前記メモリは、予め設定された選択計測時の計測値の第3の変化幅をさらに格納し、
前記CPUは、入力された計測値が選択計測中でない場合かつ前記安定範囲内で前記第1の変化幅以上変化した場合、前記入力された計測値が選択計測中でない場合かつ前記安定範囲外で前記第2の変化幅以上変化した場合、あるいは前記入力された計測値が選択計測中の場合で前記第3の変化幅以上変化した場合に前記入力された計測値を前記親局に伝送するCPUと
ことを特徴とする請求項2記載の遠方監視制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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