説明

遠隔制御装置、電子機器、テレビジョン受像機、制御方法、プログラム及び記録媒体

【課題】ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】遠隔制御装置20は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有しており、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定部25と、操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号を送信する送信部27と、を備え、上記設定部25は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象機器を遠隔操制御するための遠隔制御装置に関する。また、遠隔制御装置によって制御される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BD(blue-ray disc)レコーダー、DVD(digital versatile disc)レコーダー等を内蔵させた複合的な機能を有するテレビジョン受像機が開発されている。また、インターネットに接続する機能を有するテレビジョン受像機も開発されている。
【0003】
このような多機能なテレビジョン受像機を操作するためのリモートコントローラ(リモコン)は、通常、単に放送番組視聴機能に関する操作だけでなく、当該テレビジョン受像機の備える他の機能に関する操作も行えるように構成されている。このように構成されたリモコンにおいては、操作性を低減させることなく、多くの機能に関する操作を、リモコンの有する限られた表面積で如何に実現するかが重要となる。
【0004】
特許文献1には、傾斜センサーから出力される検出信号に基づいて、操作ボタンに対し、本体の傾斜状態に応じて異なる機能を割り当てるリモートコントローラが開示されている。同文献に記載された技術を用いれば、同一の操作ボタンに複数の機能を割り当てることができるので、操作ボタンの総数を減少させることができる。
【0005】
また、リモコンの表面及び裏面の双方に操作ボタンを配置し、加速度センサー、傾斜センサー、重力センサー等のセンサーによってリモコンの姿勢を判別し、鉛直方向上側となっている面に配置された操作ボタンを操作有効状態とする技術も知られている。この技術を用いれば、操作性を過度に損ねることなく、より多くの操作ボタンを配置することができる。
【0006】
なお、重力センサーに関しては、例えば、特許文献2には、電子機器本体の重力方向に対する姿勢を検知する重力センサーを備え、前記重力センサーが検知した姿勢に基づいて受信センサーを制御する電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−228136号公報(2007年9月6日公開)
【特許文献2】特開2005−341423号公報(2005年12月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、同一の操作ボタンに複数の機能を割り当てるので、ユーザが誤操作し易く、操作性の面で問題がある。
【0009】
また、リモコンの表面及び裏面の双方に操作ボタンを配置し、センサーによってリモコンの姿勢を判別する構成では、例えばユーザが寝転んだ姿勢で操作を行おうとしても、実際に操作したい面が、操作有効状態になっていないなどの問題が生じ易く、ユーザの利便性が十分に図られていない。また、センサーを備える代わりに、操作有効状態である面を切り替えるためのマニュアルスイッチをリモコンに設けておくことも考えられるが、このような構成では、通常の操作では用いないスイッチをわざわざ操作する必要があるため、やはりユーザの利便性を十分に図ることはできない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来に比べてユーザの利便性を向上させることのできる遠隔制御装置及び電子機器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明に係る遠隔制御装置は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有し、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を対象機器に送信する遠隔制御装置であって、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定手段と、上記設定手段によって操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号を送信する送信手段と、を備え、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことを特徴としている。
【0012】
上記構成を有する遠隔制御装置は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを当該所定の態様にて操作することによって操作有効な面を切り替えることができる。
【0013】
したがって、上記の構成によれば、操作有効な面を切り替えるためのマニュアルスイッチや、リモコンの姿勢を検出するためのセンサーを要することなく、操作有効な面を切り替えることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
なお、上記所定の態様の操作とは、上記電子機器を操作するための操作ボタンの通常の操作態様と区別できる操作であればどのようなものであってもよい。例えば、通常の操作態様が、所定時間以内の1回の押下であるとすれば、上記所定の態様の操作とは、当該所定時間以内の1回の押下とは異なる操作態様であればどのようなものであってもよい。予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下すること、及び予め定められた時間以上押下し続けることは、何れも上記所定の態様の操作の一例である。
【0015】
また、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、上記設定手段は、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下することによって操作有効な面を切り替えることができる。したがって、上記の構成によれば、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
また、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間以上押下し続けられた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、上記設定手段は、予め定められた時間以上押下し続けられた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを、予め定められた時間以上押下し続けることによって操作有効な面を切り替えることができる。したがって、上記の構成によれば、ユーザの利便性が向上する。
【0019】
また、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた操作ボタンが上記所定の態様にて操作された場合に、当該予め定められた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、上記設定手段は、予め定められた操作ボタンが上記所定の態様にて操作された場合に、当該予め定められた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンのうち、予め定められた操作ボタンを上記所定の態様にて操作することによって操作有効な面を切り替える。
【0021】
上記の構成によれば、上記予め定められた操作ボタン以外の操作ボタンを上記所定の態様にて操作したとしても操作有効な面が切り替わることはない。したがって、上記の構成によれば、ユーザによる誤動作を抑制することができるので、操作性が向上する。
【0022】
本発明に係る電子機器は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有する遠隔制御装置から送信される制御信号によって制御される電子機器であって、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を受信する受信手段と、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定手段と、上記設定手段によって操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号に基づいて当該電子機器の各部を制御する制御手段と、を備え、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことを特徴としている。
【0023】
上記構成を有する電子機器は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを当該所定の態様にて操作することによって操作有効な面を切り替えることができる。
【0024】
したがって、上記の構成によれば、操作有効な面を切り替えるためのマニュアルスイッチや、リモコンの姿勢を検出するためのセンサーを要することなく、操作有効な面を切り替えることができることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0025】
なお、上記所定の態様の操作とは、上記電子機器を操作するための操作ボタンの通常の操作態様と区別できる操作であればどのようなものであってもよい。例えば、通常の操作態様が、所定時間以内の1回の押下であるとすれば、上記所定の態様の操作とは、当該所定時間以内の1回の押下とは異なる操作態様であればどのようなものであってもよい。予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下すること、及び予め定められた時間以上押下し続けることは、何れも上記所定の態様の操作の一例である。
【0026】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、上記設定手段は、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下することによって操作有効な面を切り替えることができる。したがって、上記の構成によれば、ユーザの利便性が向上する。
【0028】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間以上押下し続けられた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、上記設定手段は、予め定められた時間以上押下し続けられた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを、予め定められた時間以上押下し続けることによって操作有効な面を切り替えることができる。したがって、上記の構成によれば、ユーザの利便性が向上する。
【0030】
本発明に係るテレビジョン受像機は、上記電子機器を備えている、ことを特徴としている。
【0031】
上記の構成を有するテレビジョン受像機は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するので、ユーザは、操作したい面に配置された操作ボタンを当該所定の態様にて操作することによって操作有効な面を切り替えることができる。したがって、上記の構成によれば、ユーザの利便性を向上させることのできるテレビジョン受像機を実現することができる。
【0032】
本発明に係る遠隔制御装置の制御方法は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有し、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を対象機器に送信する遠隔制御装置の制御方法であって、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定工程と、上記設定工程にて操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号を送信する送信工程と、を含み、上記設定工程は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するものである、ことを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、上記遠隔制御装置と同様の効果を奏する。
【0034】
本発明に係る電子機器の制御方法は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有する遠隔制御装置から送信される制御信号によって制御される電子機器の制御方法であって、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を受信する受信工程と、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定工程と、上記設定工程にて操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号に基づいて当該電子機器の各部を制御する制御工程と、を含み、上記設定工程は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するものである、ことを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、上記電子機器と同様の効果を奏する。
【0036】
また、上記遠隔制御装置または上記電子機器が備えている各手段としてコンピュータを動作させるためのプログラム、及びそのようなプログラムを記録しているコンピュータ読取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る遠隔制御装置は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有し、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を対象機器に送信する遠隔制御装置であって、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定手段と、上記設定手段によって操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号を送信する送信手段と、を備え、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する。
【0038】
また、本発明に係る電子機器は、複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有する遠隔制御装置から送信される制御信号によって制御される電子機器であって、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を受信する受信手段と、上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定手段と、上記設定手段によって操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号に基づいて当該電子機器の各部を制御する制御手段と、を備え、上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する。
【0039】
上記の構成によれば、従来に比べてユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係るリモコン及びテレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るリモコンの外観を示す外観図であり、(a)は、当該リモコンの表面の構成を示しており、(b)は、当該リモコンの裏面の構成を示している。
【図3】本発明の第1実施形態に係るリモコンによる操作有効面切替処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るテレビジョン受像機によって表示される選択画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るリモコン及びテレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るテレビジョン受像機による操作有効面切替処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係るリモコン及びテレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、本発明の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る遠隔制御装置は、対象機器に対して制御信号を送信することによって当該電子機器を制御するものである。以下の実施形態においては、遠隔制御装置がテレビジョン受像機を制御するものとして説明を行うが、これは本実施形態を限定するものではなく、テレビジョン受像機以外の電子機器一般を制御する構成としてもよい。
【0042】
〔第1実施形態〕
<リモコン>
まず、図2(a)〜(b)を参照して、本実施形態に係るリモコン(遠隔制御装置)20の外観について説明する。
【0043】
図2(a)は、リモコン20の表面の構成を示す図であり、図2(b)は、リモコン20の裏面の構成を示す図である。
【0044】
リモコン20は、表面及び裏面の両面がそれぞれ操作面21及び22となっており、それぞれの面には複数の操作ボタン23、24が配置されている。以下では、表面に配置された操作ボタン23を「表面操作ボタン23」とも表記し、裏面に配置された操作ボタン24を「裏面操作ボタン24」とも表記する。
【0045】
リモコン20は、各操作ボタンを押下することによって、それぞれに関連付けられた制御信号をテレビジョン受像機等の対象機器に送付し、対象機器の機能を発揮させるための遠隔制御装置である。制御信号とは、テレビジョン受像機などの対象機器が、遠隔制御装置等から受信する信号であり、当該信号を対象機器が受信した場合には、対象機器は当該信号に関連付けられた制御を行う。
【0046】
操作面21は、テレビジョン受像機のチャンネル、音量等を変更するために用いられ、操作面22はキーボード形式になっている。そのため、リモコン20は、インターネット接続機能を備えたテレビジョン受像機のリモコンとして好適に用いることができる。なお、両面リモコンの操作面の構成としては、上記の例に限定されず、テレビジョン受像機の操作面とBDレコーダーの操作面とを備えた、BD内蔵型テレビジョンに好適に適用可能なものであってもよく、またテレビジョン受像機の操作面とビデオゲームの操作面とを備えた、ゲーム機内蔵型テレビジョン受像機に好適に適用可能なものであってもよい。つまり、リモコンの操作面の操作ボタンの構成、用途等は特に限定されず、対象機器に合わせて適宜変更可能である。
【0047】
図1は、本実施形態に係るリモコン20、及びリモコン20による制御対象機器の一例であるテレビジョン受像機40の構成を示すブロック図である。
【0048】
図1に示すように、リモコン20は、表面操作ボタン23、裏面操作ボタン24、設定部(設定手段)25、制御部26、及び送信部(送信手段)27を備えている。
【0049】
表面操作ボタン23及び裏面操作ボタン24は、それぞれリモコン20の表面及び裏面に配置された複数の操作ボタンであり、ユーザが各操作ボタンを操作すると、各操作ボタン及び各操作ボタンの操作の態様に関連付けられた各操作信号が、設定部25及び制御部26に伝達される。
【0050】
設定部25は、表面操作ボタン23及び裏面操作ボタン24のうち、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタンが、所定の態様にて操作された場合に、それまで操作有効状態にあった操作面を操作無効状態に設定し、それまで操作無効状態にあった操作面を操作有効状態に設定する。また、設定部25は、操作有効面が切り替わったことを示す操作有効面切替信号を制御部26に供給する。
【0051】
制御部26は、表面操作ボタン23及び裏面操作ボタン24のうち、設定部25によって操作有効状態に設定された操作面に配置された操作ボタンからの操作信号に基づき、テレビジョン受像機40を制御するための制御信号を生成する。また、生成した制御信号を、送信部27を介して送信する。送信された制御信号は、テレビジョン受像機40の備える受信部41によって受信される。
【0052】
また、制御部26は、リモコン20の備える操作面21、22のうち何れの面が操作有効状態にあり、何れの面が操作無効状態にあるかを、設定部25からの操作有効面切替信号に基づいて管理する。制御部26は、操作有効状態にある操作面に配置された操作ボタンに関連付けられた制御信号のみを送信部27を介して送信し、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタンに関連付けられた制御信号は送信しない。
【0053】
図3は、リモコン20による操作有効面切替に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
(ステップS101)
まず、リモコン20の備える設定部25は、表面操作ボタン23及び裏面操作ボタン24から操作信号を受けると、当該操作信号が、操作有効状態にある操作面からのものであるのか、操作無効状態にある操作面からのものであるのかを判別する。当該操作信号が、操作無効状態にある操作面からのものである場合、ステップS102へ進み、そうでない場合には処理の最初に戻る。
【0055】
(ステップS102)
上記操作信号が、操作無効状態にある操作面からのものである場合(ステップS101でYES)、設定部25は、当該操作信号が、所定の態様の操作を示す信号であるか否かを判別する。当該操作信号が、所定の態様の操作を示す信号である場合、ステップS103へ進み、そうでない場合には処理の最初に戻る。
【0056】
(ステップS103)
上記操作信号が、所定の態様の操作を示す信号である場合(ステップS102でYES)、設定部25は、それまで操作有効状態にあった操作面を操作無効状態へと切り替え、それまで操作無効状態にあった操作面を操作有効状態へと切り替える。また、設定部25は、制御部26に対して、操作有効面切替信号を供給する。
【0057】
<テレビジョン受像機>
続いて、本実施形態に係るテレビジョン受像機40について、再び図1を参照して説明する。
【0058】
図1に示すように、テレビジョン受像機40は、受信部41、制御部42、表示ドライバ43及び表示部44を備えている。
【0059】
テレビジョン受像機40は、受信部41において、リモコン20の送信部27から送信される制御信号を受信する。そして、受信部41は受信した制御信号を制御部42に送信する。
【0060】
制御部42は、受信した制御信号に基づいてテレビジョン受像機40の各部を制御する。例えば、制御部42は、受信した制御信号に基づいて、アンテナ入力信号及び外部入力信号の何れかを選択すると共に、選択した入力信号を表示ドライバ43に供給する。また、制御部42がアンテナ入力信号を選択する場合、制御部42は受信した制御信号に基づいて、当該アンテナ入力信号から所定のチャンネルに関する放送信号を抽出し、抽出した放送信号を表示ドライバ43に供給する。
【0061】
表示ドライバ43は、制御部42から供給される入力信号に基づいて表示部の各画素を駆動し、表示部44に当該入力信号によって表される画像を表示させる。
【0062】
なお、アンテナ入力信号の例としては地上デジタル放送信号や衛星デジタル放送信号等が挙げられ、外部入力信号の例としては、テレビジョン受像機40に接続された映像機器、通信機器、音響機器等から供給される画像信号が挙げられる。
【0063】
また、テレビジョン受像機40がハードディスク等の着脱不能な記録媒体を具備する構成としておき、制御部42には当該記録媒体から読み出された画像データが供給される構成としておき、制御部42は、上記受信した制御信号に基づいて、当該画像データを表示ドライバ43に供給する構成としてもよい。また、テレビジョン受像機40は、上記着脱不能な記録媒体に代えてBD等の着脱可能な記録媒体から画像データを読み取り可能な構成としておき、制御部42が、上記受信した制御信号に基づいて、当該着脱可能な記録媒体から読み出した画像データを表示ドライバ43に供給する構成としてもよい。
【0064】
<所定の態様の操作の例>
上記「所定の態様の操作」とは、操作ボタンの通常の操作(例えば、チャンネルを変更するために、操作ボタンを1回押下する操作等)と区別できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0065】
例えば、予め定められた時間内に予め定められた回数以上操作ボタンを押下することや、予め定められた時間以上操作ボタンを押下し続けること等は、上記の所定の態様の操作の一例である。
【0066】
さらに上記の場合に、同一操作面の操作ボタンであれば、操作する操作ボタンは特に限定されず、例えば、操作面に配置された操作ボタンを不特定に、予め定められた時間内に予め定められた回数以上操作ボタンを押下することも、所定の態様として挙げられる。
【0067】
また、所定の態様において操作する1または複数の操作ボタンを、特定の操作ボタンとして予め設定しておく構成としてもよい。このような構成の場合、設定部25は、当該特定の操作ボタンについて、所定の態様の操作が行われたか否かを判別する構成となる。
【0068】
例えば、操作面21については「1」が付された操作ボタンを上記特定の操作ボタンに設定し、操作面22については「A」が付された操作ボタンを上記特定の操作ボタンに設定してもよい。また、特定の複数の操作ボタンを所定の態様において操作することとしておいてもよい。例えば、操作面21については「1」、「2」、「3」がそれぞれ付された操作ボタンを特定の操作ボタンに設定しておき、設定部25は、これら特定の操作ボタンが順番に押下されたか否か、または、順不同に押下されたか否かによって、操作有効面を切り替える構成としてもよい。
【0069】
なお、「予め定められた時間内に予め定められた回数以上」とは、操作面を切り替えるまでにかかる時間及び連打する回数として不都合なものでなければ任意に定めてよい。例えば、2秒以内に3回押下する等と任意に定めればよい。
【0070】
なお、押下する回数を定める場合において、予め定められた時間内に2回押下するという条件では、誤って操作面を切り替えてしまうことが多くなるため、誤操作防止の観点からは、3回以上に設定することが好ましい。
【0071】
さらに、所定の回数以上連打することによって、操作有効状態の操作面を切り替えることができる操作ボタンを、予め特定して設定する場合には、当該特定の操作ボタンを、連打されにくい操作ボタンに設定することが好ましい。
【0072】
このように、操作有効状態の操作面を切り替えることができる操作ボタンを、予め特定の操作ボタンに設定しておくと、不特定の操作ボタンを用いる場合と比較して、ユーザが意図せずに操作有効状態を切り替えてしまう可能性を低下させることができる。
【0073】
操作ボタンがジョイスティック等である操作面をリモコンが有している場合には、所定の態様としては、上記のように押下する代わりに、予め定められた時間内に予め定められた回数以上、当該ジョイスティックを弾くこと、予め定められた時間以上、当該ジョイスティックを傾斜させ続けること等がある。
【0074】
なお、上記の「予め定められた時間(所定の時間)」、「予め定められた回数(所定の回数)」、「特定の操作ボタン」については、リモコンの製造段階において予め定めておいてもよく、また、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0075】
また、ユーザが任意に設定できる構成とする場合、テレビジョン受像機40の制御部42は、表示部44に例えば、図4に示すような選択画面を表示させ、ユーザが任意に選択できる構成とすることが好ましい。
【0076】
以上のように、本実施形態におけるリモコン20は、ある操作面を操作有効状態に設定し、かつ所定の態様において操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するため、操作有効面を切り替えるためのスイッチや、リモコンの姿勢を検知するセンサー等を別途設けることなく、リモコンの操作面を切り替えることができる。よって、コストの上昇を抑制しつつ、ユーザの利便性の高いリモコンを実現することができる。
【0077】
(第1の実施形態に関する付記事項)
設定部25からの操作有効面切替信号が送信部27を介してテレビジョン受像機40に送信される構成としてもよい。例えば、操作有効状態を切り替えた旨の切替信号がテレビジョン受像機40に送信され、テレビジョン受像機40が、当該切替信号に基づき、操作有効状態が切り替わったことをユーザに通知する構成としてもよい。
【0078】
例えば、テレビジョン受像機40は、操作有効状態が切り替わったことを示す画像を、表示部44に表示する構成としてもよいし、音声によってユーザに通知する構成としてもよい。また、テレビジョン受像機40の備えるLEDを点灯または点滅させることによってユーザに通知する構成としてもよい。
【0079】
また、リモコン20がLEDを備える構成としておき、操作有効状態が切り替わった場合には、当該LEDが点灯または点滅することによってユーザに通知する構成としてもよい。
【0080】
また、図1においては設定部25及び制御部26を別々のブロックとして記載したが、制御部26に設定部25を統合する構成としてもよい。
【0081】
また、本実施形態においては、リモコンからの制御信号を受信する電子機器をテレビジョン受像機として説明しているが、これに限定されず、両面リモコンが操作において使用され得る電子機器であれば任意の電子機器に使用することができる。
【0082】
また、本実施形態においては、操作面を2つ有しているリモコンで説明しているが、3つ以上の操作面を有しているリモコンであっても良い。つまり、複数の操作面のいずれかを操作有効状態に設定し、他の操作面を操作無効状態に設定するように設定部25から設定信号を制御部26に送信すればよい。また、操作有効状態でない何れかの操作面に備えられた操作ボタンを上記のような所定の態様にて操作することで、当該操作ボタンを備えた操作面を操作有効状態に設定し、他の操作面を操作無効状態になるように設定信号を設定部25から制御部26に送信すればよい。当該設定信号を受信した制御部26は、当該設定信号に基づき、操作有効状態である操作面の操作ボタンに関連付けられた制御信号のみを送信部27を介して送信する。
【0083】
〔第2実施形態〕
以下では、図4〜図6を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、リモコンによってテレビジョン受像機が制御される場合を例にとり説明を行うが、これは本実施形態を限定するものではなく、リモコンによって電子機器が制御され、本実施形態に係るテレビジョン受像機はこのような電子機器を備えているものであると捉えることもできるし、本実施形態に係るテレビジョン受像機はこのような電子機器自身であると捕らえることもできる。
【0084】
第1実施形態においては、リモコン内に設定部25及び制御部26を設けておき、操作有効状態に設定されている操作面の操作ボタンの操作に基づく制御信号のみを送信部27から送信する構成を取り扱ったが、第2実施形態では、テレビジョン受像機内において、リモコンの操作有効面を切り替える構成を取り扱う。
【0085】
本実施形態に係るリモコンは、何れの操作面に配置された操作ボタンであっても、当該操作ボタンが操作された場合には、当該操作ボタンに関連付けられた制御信号をテレビジョン受像機に送信する。
【0086】
なお、第1実施形態において説明した部分と同様の部分についてはその説明を省略する。
【0087】
<テレビジョン受像機及びリモコン>
本実施形態に係るテレビジョン受像機50は、複数の操作ボタンが配置された2つの操作面を有するリモコン30から送信される制御信号によって制御される電子機器である。
【0088】
図5は、本実施形態に係るリモコン30及びテレビジョン受像機50の構成を示すブロック図である。
【0089】
リモコン30の外観は、リモコン20と同様であるため、その説明は省略する。また、操作面31、32及び操作ボタン33、34については、それぞれ操作面21、22及び操作ボタン23、34に対応するため、その説明を省略する。
【0090】
本実施形態に係るリモコン(遠隔制御装置)30は、表面操作ボタン33、裏面操作ボタン34、制御部35、及び送信部36を備えている。
【0091】
本実施形態においては、テレビジョン受像機50内において、操作有効状態の操作面か否かが判断されるため、リモコン30は、第1実施形態において説明した設定部をリモコン内に備えている必要はない。
【0092】
そのため、リモコン30の操作ボタン33の操作に関連付けられる制御信号及び操作ボタン34に関連付けられる制御信号は、何れも、送信部36を介して送信される。送信部36が送信した制御信号は、テレビジョン受像機50の受信部51によって受信される。
【0093】
テレビジョン受像機50は、受信部(受信手段)51、設定部(設定手段)53、制御部(制御手段)52、表示ドライバ54及び表示部55を備えている。なお、受信部51、表示ドライバ54及び表示部55はそれぞれ、第1実施形態における受信部41、表示ドライバ43及び表示部44に対応するためその説明を省略する。
【0094】
まず、受信部51は、リモコン30の送信部36から送信される制御信号を受信し、当該制御信号を、設定部53及び制御部52に伝達する。設定部53及び制御部52において、リモコン30の操作面31、32のうち、一方の操作面が操作有効状態に設定されており、もう一方の操作面が操作無効状態に設定されている。
【0095】
本実施形態に係るテレビジョン受像機50は、リモコン30から送信される制御信号が、どの操作ボタンのどのような態様の操作に関連付けられた制御信号であるかだけでなく、どちらの操作面に関連する制御信号であるかも識別できる構成になっている。
【0096】
このような構成を実現するためには、例えば、テレビジョン受像機50の備えるメモリに、各操作ボタンと当該操作ボタンが配置された操作面とを対応付ける対応情報を保持しておき、テレビジョン受像機50の備える制御部52は、当該対応情報を参照して、受信信号が何れの操作面に対応するものであるかと識別する構成とすればよい。
【0097】
設定部53は、受信部51によって受信したリモコン30からの制御信号を解析し、当該制御信号が、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタン関連付けられた制御信号であって、かつ所定の態様にて操作されたことを示す制御信号である場合に、それまで操作有効状態にあった操作面を操作無効状態に設定し、それまで操作無効状態にあった操作面を操作有効状態に設定する。また、設定部53は、操作有効面が切り替わったことを示す操作有効面切替信号を制御部52に供給する。
【0098】
制御部52は、リモコン30の備える操作面31、32のうち何れの面が操作有効状態にあり、何れの面が操作無効状態にあるかを、設定部53からの操作有効面切替信号に基づいて管理する。制御部52は、操作有効状態にある操作面に配置された操作ボタンに関連付けられた制御信号に基づいて、表示ドライバ54及び表示部55を制御する。一方で、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタンに関連付けられた制御信号は、表示ドライバ54及び表示部55を制御するために用いられることはない。
【0099】
なお、本実施形態に係る「所定の態様の操作」は、実施形態1において既に説明したものと同様であるのでここでは説明を省略する。
【0100】
図5は、テレビジョン受像機50による操作有効面切替に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0101】
(ステップS201)
まず、テレビジョン受像機50の備える設定部53は、受信部51を介して受信した制御信号を解析する。
【0102】
(ステップS202)
続いて、設定部53は、上記受信信号が、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタン関連付けられた制御信号であるか否かを判別する。上記受信信号が、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタン関連付けられた制御信号である場合、ステップS203へ進み、そうでない場合には処理の最初に戻る。
【0103】
(ステップS203)
上記受信信号が、操作無効状態にある操作面に配置された操作ボタン関連付けられた制御信号である場合(ステップS202でYES)、上記制御信号が、所定の態様にて操作ボタンが操作されたことを示しているか否かを判別する。上記制御信号が、所定の態様にて操作ボタンが操作されたことを示している場合には、ステップS204へ進み、そうでない場合には、処理の最初に戻る。
【0104】
(ステップS204)
上記制御信号が、所定の態様にて操作ボタンが操作されたことを示している場合(ステップS203でYES)、設定部53は、それまで操作有効状態にあった操作面を操作無効状態へと切り替え、それまで操作無効状態にあった操作面を操作有効状態へと切り替える。また、設定部53は、制御部52に対して、操作有効面切替信号を供給する。
【0105】
以上のように、本実施形態におけるテレビジョン受像機50は、リモコンのある操作面を操作有効状態に設定し、かつ所定の態様において操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するため、リモコンが、操作有効面を切り替えるためのスイッチや、当該リモコンの姿勢を検知するセンサー等を別途設けることなく、リモコンの操作面を切り替えることができる。よって、コストの上昇を抑制しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0106】
(第2の実施形態に関する付記事項)
制御部52は、設定部53から操作有効面切替信号を受けた場合、操作有効状態が切り替わったことをユーザに通知する構成としてもよい。
【0107】
例えば、テレビジョン受像機50は、操作有効状態が切り替わったことを示す画像を、表示部55に表示する構成としてもよいし、音声によってユーザに通知する構成としてもよい。また、テレビジョン受像機50の備えるLEDを点灯または点滅させることによってユーザに通知する構成としてもよい。
【0108】
また、設定部53は、受信部51を介して、操作有効面切替信号を、リモコン30に送信する構成としておき、リモコン30は、自身の備えるLED等を点灯または点滅させることによって、操作有効面が切り替わったことをユーザに通知する構成としてもよい。
【0109】
また、図5においては設定部53及び制御部52を別々のブロックとして記載したが、制御部52に設定部53を統合する構成としてもよい。
【0110】
なお、本実施形態においては、リモコンからの制御信号を受信する電子機器をテレビジョン受像機として説明しているが、これに限定されず、両面リモコンが操作において使用され得、当該リモコンの操作有効状態の操作面を切り替えられる構成を有する電子機器であれば、特に限定されない。
【0111】
本実施形態においては、操作面を2つ有しているリモコンで説明しているが、3つ以上の操作面を有しているリモコンであっても良い。つまり、複数の操作面のいずれかを操作有効状態に設定し、他の操作面を操作無効状態に設定する設定信号を設定部53から制御部52に送信すればよい。また、操作有効状態でない何れかの操作面に備えられた操作ボタンを所定の態様にて操作することで、当該操作ボタンを備えた操作面を操作有効状態に設定し、他の操作面を操作無効状態になるような設定信号を設定部53から制御部52に送信すればよい。
【0112】
〔第3実施形態〕
以下では、本発明の第3の実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態に係るリモコン20’は、図7に示すように、第1実施形態において説明したリモコン20の備える各部に加えて、加速度センサー28を備えている。
【0113】
加速度センサー28は、リモコン20の姿勢を検知し、検知した結果を示す検知信号を設定部25に供給する。
【0114】
本実施形態に係る設定部25は、第1実施形態において既に説明したように、表面操作ボタン23及び裏面操作ボタン24から供給される操作信号が所定の態様の操作を示しているか否かに応じて、操作有効面を切り替える。
【0115】
さらに、本実施形態に係る設定部25は、加速度センサー28から供給される検知信号に基づいて、リモコン20’の操作有効面を切り替える。例えば、本実施形態に係る設定部25は、鉛直方向上側に位置する操作面を操作有効状態に設定する。
【0116】
ここで、本実施形態に係る設定部25は、表面操作ボタン23及び裏面操作ボタン24から供給される操作信号が所定の態様の操作を示しているか否かに応じて、優先的に操作有効面を切り替えることが好ましい。例えば、設定部25が、一旦、加速度センサー28から供給される検知信号に基づいて、直方向上側に位置する操作面を操作有効状態に設定し、他の操作面を操作無効状態に設定した場合であっても、操作無効面に配置された操作ボタンが所定の態様にて操作された場合には、操作有効面を切り替える構成とすることが好ましい。
【0117】
このような構成とすることによって、加速度センサー28による操作有効面の切り替えが、ユーザにとって不本意である場合には、ユーザは、操作ボタンを所定の態様によって操作することにより、容易に操作有効面を切り舞えることができるので、ユーザの利便性を大きく向上させることができる。
【0118】
また、本実施形態と同様の構成を、第2実施形態に適用してもよい。そのような構成とすることによっても、加速度センサーによる操作有効面の切り替えが、ユーザにとって不本意である場合には、ユーザは、操作ボタンを所定の態様によって操作することにより、容易に操作有効面を切り舞えることができるので、ユーザの利便性を大きく向上させることができる。
【0119】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、リモコン20、30、及びテレビジョン受像機40、50の備える各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0120】
すなわち、モコン20、30、及びテレビジョン受像機40、50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるモコン20、30、及びテレビジョン受像機40、50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、モコン20、30、及びテレビジョン受像機40、50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0121】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0122】
また、リモコン20、30、及びテレビジョン受像機40、50を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0123】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明に係る遠隔制御装置は、テレビジョン受像機等の電子機器を制御するためのリモコンに好適に適用することができる。また、本発明に係る電子機器の一例としてはテレビジョン受像機が挙げられる。
【符号の説明】
【0125】
21、22、31、32 操作面
23、24、33、34 操作ボタン
25 設定部(設定手段)
26、35 制御部
27 送信部(送信手段)
28 加速度センサー
36 送信部
41、51 受信部(受信手段)
42 制御部
43、54 表示ドライバ
44、55 表示部
52 制御部(制御手段)
53 設定部(設定手段)
20、20’、30 リモコン(遠隔制御装置)
40、50 テレビジョン受像機(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有し、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を対象機器に送信する遠隔制御装置であって、
上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定手段と、
上記設定手段によって操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号を送信する送信手段と、
を備え、
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、
ことを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項2】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御装置。
【請求項3】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間以上押下し続けられた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御装置。
【請求項4】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた操作ボタンが上記所定の態様にて操作された場合に、当該予め定められた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遠隔制御装置。
【請求項5】
複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有する遠隔制御装置から送信される制御信号によって制御される電子機器であって、
各操作ボタンに関連付けられた制御信号を受信する受信手段と、
上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定手段と、
上記設定手段によって操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号に基づいて当該電子機器の各部を制御する制御手段と、
を備え、
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間内に予め定められた回数以上押下された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
上記設定手段は、上記複数の操作ボタンのうち、予め定められた時間以上押下し続けられた操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定する、ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
請求項5から7の何れか1項に記載の電子機器を備えている、ことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項9】
複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有し、各操作ボタンに関連付けられた制御信号を対象機器に送信する遠隔制御装置の制御方法であって、
上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定工程と、
上記設定工程にて操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号を送信する送信工程と、
を含み、
上記設定工程は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するものである、
ことを特徴とする遠隔制御装置の制御方法。
【請求項10】
複数の操作ボタンが配置された複数の操作面を有する遠隔制御装置から送信される制御信号によって制御される電子機器の制御方法であって、
各操作ボタンに関連付けられた制御信号を受信する受信工程と、
上記複数の操作面の何れかを操作有効状態に設定する設定工程と、
上記設定工程にて操作有効状態に設定されている操作面に配置された各操作ボタンに関連付けられた制御信号に基づいて当該電子機器の各部を制御する制御工程と、
を含み、
上記設定工程は、上記複数の操作ボタンのうち所定の態様にて操作された操作ボタンを有する操作面を操作有効状態に設定するものである、
ことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項11】
請求項1に記載の遠隔制御装置または請求項5に記載の電子機器が備えている各手段としてコンピュータを動作させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−110527(P2013−110527A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253193(P2011−253193)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】