遠隔操縦ロボットシステム用の外科手術マニピュレーター
【課題】コントローラーによりロボット駆動されるよう適応されたマニピュレーターアセンブリを提供する。
【解決手段】マニピュレーターアセンブリ2は、表面に固定可能なサポートベース6、ベースに移動自在に連結され、且つ、外科手術用具を開放可能に保持するためのマウントを有する用具ホルダー4、用具に少なくとも二自由度を与えるため用具ホルダーに作動連結されるドライブアセンブリ7、用具ホルダー及びドライブアセンブリの末端のサポートベースに装着されたスリーブであって、用具のシャフトを受け入れるための軸方向通路を有するスリーブ、及びスリーブに連結され、用具シャフトの末端エンド部分によりスリーブに伝えられる横方向の力を検出するための力感知エレメント52であって、横方向の力を表す信号をコントローラーに伝送するようにコントローラーに作動連結される力感知エレメントを含む。
【解決手段】マニピュレーターアセンブリ2は、表面に固定可能なサポートベース6、ベースに移動自在に連結され、且つ、外科手術用具を開放可能に保持するためのマウントを有する用具ホルダー4、用具に少なくとも二自由度を与えるため用具ホルダーに作動連結されるドライブアセンブリ7、用具ホルダー及びドライブアセンブリの末端のサポートベースに装着されたスリーブであって、用具のシャフトを受け入れるための軸方向通路を有するスリーブ、及びスリーブに連結され、用具シャフトの末端エンド部分によりスリーブに伝えられる横方向の力を検出するための力感知エレメント52であって、横方向の力を表す信号をコントローラーに伝送するようにコントローラーに作動連結される力感知エレメントを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は外科手術マニピュレーターに係り、特に外科手術で使用するロボット支援型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的な腹腔鏡外科手術では、患者の腹部にガスが吹き入れられ、腹腔鏡外科手術用具のための入口を形成する小さな切り口(約1/2インチ)を通ってトロカール・スリーブが送られる。一般に腹腔鏡外科手術用具は、外科手術する部位を視るための腹腔鏡、並びにクランプ、把持器、はさみ、ホチキス及び針ホルダーのような作業用具を含む。これらの作業用具は、各用具の作業端が延長チューブに沿って約12インチだけそのハンドルから離れていることを除けば、従来の(オープン)外科手術で用いられる用具と同じである。外科手術を行うため、外科医はトロカール・スリーブを通して用具を送り、また、スリーブを通じてそれらを入れたり出したりスライドさせ、スリーブ内でそれらを回転させ、腹部壁内でスリーブにてこ入れし(即ち旋回させ)、そして用具の末端にあるエンドエフェクターを作動させることにより、腹部内においてそれらの用具を操作する。
【0003】
ロボットに支援された遠隔操縦ロボット外科手術(オープン及び内視鏡処置)では、外科手術用具の位置は、手で直接制御するか又は固定クランプで制御するよりむしろ、サーボモーターにより制御される。外科医が患者から離れた所にて表示イメージを通じて手術を見ながら入力制御装置を操作する際には、サーボモーターは外科医の手の動きに追随する。サーボモーターは、外科手術用具を支持及び制御する電気機械的装置又は外科手術マニピュレーターの典型的な一部であり、この外科手術用具は、オープン外科手術部位に直接導入されるか又はトロカール・スリーブを通して患者の腹部のような体腔内に導入される。手術の間、外科手術用具により、組織つかみ器、針ドライバーなどのような種々の外科手術用具が機械的作動され且つ制御される。これらの外科手術用具の各々は外科医のために種々の機能を行う、即ち、針を保持又は駆動したり、血管をつかんだり、組織を切開したりする。
【0004】
リモート操作により遠隔外科手術を行うこの新しい方法では、多くの新しい試みが為される。そのような試みの一つは、外科医が遠隔操縦ロボットシステムを操作するとき、位置、力及び触覚を外科手術用具から外科医の手に伝え返すことである。リモート操作の他の技術とは違って、遠隔外科手術により外科医には直接手で外科手術用具を操作している感じを与えることができる。例えば、用具が患者の組織構造又は器官に作用しているとき、システムは用具に対する反作用の力を検出してこの力を入力制御装置に伝えることが可能でなければならない。このようにして、外科医は表示イメージ上で組織構造に接触している用具を見て、入力制御装置上でこの接触による圧力を直接感じることができる。しかしながら、適当なフィードバックを与えることには、システムに作用する他の力が起因する問題をはらみうる。このような力としては、例えば、遠隔操縦ロボット機構内の摩擦、外科手術マニピュレーターに作用する重力及び慣性力、又は外科手術切り口によりトロカール・スリーブに働く力などが挙げられる。
【0005】
さらに、効果的な遠隔外科手術を可能にするためには、マニピュレーターは高い応答性を有しなければならず、また外科医が外科手術を行う際にしばしば現れる最も速い手の動きでさえ正確に追随できなければならない。この迅速で応答性の高い性能を達成するために、遠隔操縦ロボットサーボシステムは、適度に高いサーボ帯域を有するように設計されねばならず、このことは、マニピュレーターが低い慣性を有し且つ相対的に低いギヤ比のドライブモーター又はプーリーカップリングを用いるようにマニピュレーターを設計することを要求する。
【0006】
遠隔外科手術に関する他の試みは、電気機械式外科手術マニピュレーターの一部が外科手術用具と直接接触してしまうこと、及び作業部位に隣接して配置されることから生じる。従って、外科手術マニピュレーターは外科手術中に汚染されるかもしれないし、一般には処分されるか又は手術と手術の間に消毒される。もちろん、コストの観点からは装置を消毒するのが好ましいであろう。しかしながら、サーボモーター、センサー、及びモーターをロボット制御するのに必要な電気接続は、一般には従来の方法(例えば蒸気、熱及び圧力、又は化学薬品)を用いて消毒することはできない。というのは、それらが消毒工程で損傷を受けるか又は破壊されてしまうからである。
【0007】
別の試みとしては、異なる外科手術用具が1回の手術中に数回同じ用具ホルダーに取付けられ、取り外されることである。例えば腹腔鏡処置では、患者の腹部内への入口の数は、患者に必要のない切り口を開けないという要望はもちろんのことスペースの制約ゆえに、その手術中は一般に制限される。よって、一般には幾つかの異なる外科手術用具が、手術中は同じトロカール・スリーブを通って導入される。同様に、オープン外科手術では、一般に外科手術部位の周りには1又は2以上の外科手術マニピュレーターを置く十分な空間が無く、そのため外科医の助手はホルダーから用具を取り外して他の外科手術機器を取り替えることをしばしば強いられる。
【0008】
従って、必要なのは、リモート制御により外科手術用具を保持し操作し、且つ、外科手術用具を用具ホルダーに取り外し可能に連結するためのシステム及び方法である。本装置は、手術中に汚染された後でも再使用できるように容易に消毒できる構成とすべきである。さらに、本装置は、遠隔操縦ロボット操作の間外科手術用具に対して伝えられ且つ該用具から伝えられる力から、適当なフィードバックを外科医に与えることができなければならず、また、本装置は、装置に作用する重力が外科医に感じられないようにこれらの力を補償するよう構成すべきである。加えて、本装置は高い応答性を有しなければならず、外科医が外科手術を行う際にしばしば現れる最も速い手の動きにさえ正確に追随できなければならない。さらに、内視鏡外科手術の間用具をホルダーに素早く且つ容易に取り付け、取り外しできて、用具交換の時間を最小にするよう構成されたシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来のオープン外科手術中又は腹腔鏡検査のような内視鏡処置の間外科手術用具を開放可能に保持し操作するための装置及び方法が提供される。本装置は、用具ホルダーを有するマニピュレーターアセンブリを含み、この用具ホルダーは、消毒できるようにドライブアセンブリに取り外し可能に連結される。マニピュレーターアセンブリは、さらに、ホルダー末端に取り付けられた力感知エレメントと、外科手術用具に働く力を検出して外科医にフィードバックするためのドライブアセンブリとを含む。本発明はまた、外科手術用具を開放可能に保持するためのシステム及び方法に関する。システムは、用具側の装着ピンを用具ホルダー側のロックスロットに自動的にロックして用具をホルダーに開放可能に連結するための用具サポートを含む。ツイストロック動作により、オープン外科手術、腹腔鏡検査又は胸腔鏡検査のような外科処置の間、外科医は種々の用具をホルダーに素早く取付け、取り外すことができる。
【0010】
一態様では、装置は、作業テーブルのような面に対する種々の受動又はパワー駆動位置決め装置により固定可能なサポートベースと、ベース上に移動可能に取り付けられた用具ホルダーとを含む。用具ホルダーは本体と用具サポートから成り、用具サポートは、本体に移動自在に連結され、外科手術用具と係合するインターフェースを有して用具を用具ホルダーに開放可能に装着する。ドライブアセンブリは用具ホルダーに作動連結されて、少なくとも二自由度を用具に与える。ドライブアセンブリは、用具サポートを動かすための第1ドライブと、サポートベースに対して用具ホルダーを動かすための第2ドライブとを含む。本装置は、ベース及びドライブアセンブリから取り外し可能に用具ホルダーを連結するための手段を含み、それにより、外科処置の後ホルダーは装置の残りの部分から分離して消毒できる。
【0011】
特定の構成では、サポートベースは、末端及び基部のサポート部材を備えたフレームと、サポート部材内に回転可能に取り付けられた一対のシャフトとを含む。用具ホルダーは、用具が軸方向移動できるようにサポートシャフト上にスライド可能に取り付けられる。加えて、シャフトは各々ドライブモーターに連結され、第2及び第3の自由度(例えば回転やエンドエフェクターの作動)を用具に与える。ドライブモーターは、外科手術中に汚染されないように、基部サポート部材に連結される。回転可能シャフトは、それらを上方にスライドさせてそれらのベアリング及び用具ホルダーとの係合を外すことにより取り外すことができ、そのため用具ホルダーをサポートベースから容易に取り外して消毒できる。サポートベースの下部(末端サポート部材を含む)も、消毒して用具ホルダーに接触した部分を浄化できる。このようにして、サーボモーターや遠隔操縦ロボットシステムに要求される電気接続に損傷を与えることなく、外科処置の後に外科手術マニピュレーターを容易に消毒できる。
【0012】
サポートベースはさらに、末端サポート部材に取り付けられたカニューレ又はトロカール・スリーブのようなスリーブを含む。スリーブは、用具をその中に受け入れるための軸方向通路と、スリーブの末端エンド近くの軸方向通路内に取り付けられた力感知エレメントとを有する。力感知エレメントは、外科手術中に用具の末端部分によりエレメントに作用する横方向の力を検出するように構成される。力感知エレメントは装置の残りの末端に取り付けられるので、外科手術の切り口により又は用具ホルダーに作用する重力及び慣性力によりカニューレに働く力からこのエレメントは影響されない。位置決め装置により支持される際には外科手術マニピュレーターはクリノメーターと共に使用でき、ローカル重力場の方向に対する用具ホルダーの真の方向が求まる。マニピュレーターと共にクリノメーター及び力センサーを使用することにより、遠隔操縦ロボット機構に作用する外部の力に影響されずに、用具端に対して作用する力を外科医が直接感知するような遠隔操縦ロボットシステムを設計するのが容易になる。換言すれば、外科医は、用具が力感知エレメントに接触している地点においてまるで自分の手が用具を保持している様に感じるのである。
【0013】
本発明は、用具シャフトの末端エンドに連結されたエンドエフェクター(例えば一対の顎部)を有する外科手術用具を保持し操作するのに特に有効である。このために、用具ホルダーはさらにアクチュエーター・ドライバーを含み、これは用具上のエンドエフェクターと係合できるインターフェースを備える。アクチュエーター・ドライバーはカップリングを含み、このカップリングは、ドライバーの一部をサポートベースに対して軸方向に移動させるためのドライブアセンブリに、ドライバーを連結し、それにより、用具のエンドエフェクターを作動させる。好適な構成では、カップリングは同心螺旋アクチュエーターであり、ドライブモーターの回転をエンドエフェクター・アクチュエーターの軸方向の運動に変換する。螺旋アクチュエーターの対称設計ゆえに、ドライブモーターにより与えられる作動力は用具に対して如何なる有効な側面負荷をも発生せず、このことにより、用具の軸方向運動や回転のような他の自由度との摩擦連結が避けられる。
【0014】
本発明の別の態様では、用具は、基部エンド及び末端エンドを有する延長シャフトと、シャフトから径方向に基部及び末端エンド間に延在する突起を有する装着手段とを含む。用具ホルダーはサポートを含み、サポートは、用具シャフトを受け入れる軸方向通路を備えた本体と、突起を受け入れるための軸方向通路に連通した第1穴とを有する。第2穴は本体において第1穴まで横方向に切り込まれて連通し、突起が第2穴内で回転できる。外科手術の間に用具が偶然に捻られて用具ホルダーから外れないようにするため、ホルダーはさらに本体に連結されたロック手段を含み、このロック手段は第2穴内で突起を自動的にロックし、それにより、用具を用具ホルダーに開放可能にロックする。
【0015】
好適な構成では、装着手段の突起は、用具シャフトから外方向に延在する一対の対向アーム(例えば装着ピン)を含む。第1穴は軸方向に延びたスロットであり、これは装着ピンを受け入れる。第2穴は垂直ロックスロットであり、これは軸方向スロットに整列した第1部分と、用具サポートの本体の回りを周方向に延在する第2部分とを有する。この構成により、装着ピンは軸方向スロットをスライドしてロックスロット内に回転でき、用具をホルダーに取り付けられる。用具は、同じ2工程を逆の順に行うことにより外すことができる。このツイスト−ロック動作により、外科手術中に外科医は種々の用具を用具ホルダーに迅速に嵌めたり外したりできる。
【0016】
好ましくは、ロック手段は、装着ピンを用具ホルダーにロックするための開放可能ラッチアセンブリから成る。ラッチアセンブリはラッチに連結されたバネ負荷プランジャを含み、これは装着ピンをロックスロット内に捕獲することにより用具を適所に正常にロックする。プランジャは用具ホルダーから外方向に延在するボタンを有し、このボタンはラッチをロックスロットから出すためのものである。このボタンはマニュアルで又は自動的に押すことができ、外科医が用具に容易にアクセスできるとき装着ピンを開放して用具を取り替え可能にする。
【0017】
本発明は、小さな経皮貫通で体空洞(例えば腹部又は胸部空洞)内に導入するよう構成された内視鏡用具を開放可能に保持するのに特に有効である。このために、好ましくは用具は、体空洞内で組織構造と係合する末端エンドと連結したエンドエフェクター(例えば一対の顎部)を含む。エンドエフェクターを作動するため、用具はアクチュエーターピンのような第2のアーム対を有し、これはシャフトから横方向に延在しエンドエフェクターに作動連結する。好ましくは、アクチュエーターピンはシャフトに対して軸方向に変位できてエンドエフェクターを作動する(例えば顎部を開閉する)。用具ホルダーはさらに、エンドエフェクターを作動するための外部ドライバーとアクチュエーターアームに開放可能に連結したアクチュエータードライバーを含む。好ましくは、アクチュエータードライバーは、用具サポートについて説明したのと同様の横方向スロットを備えたツイスト−ロックインターフェースを含み、用具サポートとアクチュエータードライバーの両方に同時に用具を嵌めたり外したりできる。
本発明の他の特徴や利点は以下の記載から明らかとなり、好適実施態様が添付図面に関連して詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるマニピュレーターアセンブリに装着されたロボット内視鏡外科手術用具の部分断面立面図である。
【図1A】図1のマニピュレーターアセンブリの部分断面立面図であり、用具ホルダーがアセンブリの残りの部分から取り除かれているのを示す。
【図2A】図1の外科手術用具の拡大された側断面図である。
【図2B】図1の外科手術用具の拡大された前面断面図である。
【図3】図3Aと図3Bは、それぞれ用具サポートとアクチュエーターピンキャッチの斜視図であり、外科手術用具をマニピュレーターアセンブリに開放可能に装着するものである。
【図4】図3Aと図3Bの用具サポートとアクチュエーターピンキャッチ内に装着された外科手術用具の前面立面図である。
【図5】図3Bのアクチュエーターピンキャッチを軸方向に移動させるためのアクチュエータードライバーの前面立面図である。
【図6】図6Aと図6Bは、図5のアクチュエーターキャリッジアセンブリと螺旋アクチュエーターの拡大断面図である。
【図7】図1のマニピュレーターアセンブリのフレームの一部の拡大詳細図であり、フレームからシャフトを取り外すための連結機構を示す。
【図8】図3Aの用具サポートの部分断面図であり、本発明によるツイストロックインターフェースのためのロック機構を示す。
【図9】図1のマニピュレーターアセンブリを保持するためのリモート中心位置決め器の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を詳細に参照すると、同じ番号は同じ要素を示しており、マニピュレーターアセンブリ2が本発明の原理に従って描かれている。一般に、マニピュレーターアセンブリ2は、ベース6に取り外し可能に装着された用具ホルダー4と、用具ホルダー4に開放可能に連結された外科手術用具14を操作するためのドライブアセンブリ7とを含む。
図1を参照すると、ベース6は、基部及び末端の長サポート部材17、19を有するフレーム16と、ベアリング22を介してサポート部材17、19に回転可能に連結された第1及び第2ボールスプラインシャフト18、20とから成る。以下に詳細に述べるように(図9参照)、フレーム16はさらに、マニピュレーターアセンブリ2をリモート中心位置決め器300に取り付けるためのサポートブラケット24を含む。ドライブアセンブリ7は第1、第2及び第3ドライブ8、10、12を含み、これらはフレーム16に装着され外科手術用具14に三自由度を与えるように構成される。好適実施態様では、第1ドライブ8は用具14をそれ自身の軸を中心として回転させ、第2ドライブ10は用具14の末端のエンドエフェクター120を作動させ、そして第3ドライブ12は用具14をフレーム16に対して軸方向に変位させる。もちろん、他の構成が可能なことは当業者には容易に分かるであろう。例えば、アセンブリ2は、外科手術用具14に別の自由度(例えば用具手首の回転や屈曲)を与えるための更なるドライブを含むことができる。
【0020】
第1ドライブ8はフレーム16に固定された回転ドライブモーター26を含み、この回転ドライブモーター26は、第1シャフト18をフレーム16に対して回転させるためのドライブベルト28により第1シャフト18に連結される。第2ドライブ10はフレーム16に固定されたグリッパードライブモーター30を含み、このモーター30は、第2シャフト20をフレーム16に対して回転させるためのドライブベルト32により第2シャフト20に連結される。第3ドライブ12は垂直ドライブモーター34を含み、このモーター34は、用具ホルダー4をフレーム16に対して軸方向に変位するためのドライブベルト36及び2つのプーリー38を介して用具ホルダー4に連結される。好ましくは、ドライブモーター26、30、34はサーボ制御エレクトロニクス(図示せず)を介してコントローラー機構に連結されて、リモート制御で外科手術用具14を操作するための遠隔操縦システムを形成する。患者から遠隔位置にて外科医が入力制御装置を操作するとき、ドライブモーターは外科医の手の動きに追随する。ドライブモーターを制御するための適当な遠隔操縦ロボットシステムは、1992年1月21日提出の一般譲渡された同時係属出願第08/823,932号である「臨場感を伴った遠隔操作システム及び方法 (TELEOPERATOR SYSTEM AND METHOD WITH TELEPRESENCE) 」に記載されており、参考のためここに添付する。
【0021】
好ましくは、上記遠隔操縦ロボットサーボシステムは、少なくとも10hzの3dBカットオフ周波数を示すサーボ帯域を有し、システムが外科医の素早い手の動きに迅速かつ正確に応答できるようにする。このシステムを効果的に操作するために、用具ホルダー4は相対的に小さな慣性を有し、ドライブモーター26、30、34は相対的に小さい比のギヤ又はプーリー連結を有する。
【0022】
特定の実施態様では、外科手術用具14は内視鏡用具であり、これは経皮貫通して腹部又は胸部空洞のような体空洞内に導入するように構成される。この実施態様では、マニピュレーターアセンブリ2はフレーム16の末端サポート部材19上のカニューレ50を支持し、これは内視鏡外科手術処置の間は入口用の切り口内に配置される(図1ではカニューレ50は概略的に描かれており、一般にはずっと長いことに留意せよ)。好ましくは、カニューレ50は、結腸切除やニセン・ファンドプリケーション(Nissen fundoplication) のような胸部内視鏡外科手術に適応した従来の気密トロカールスリーブである。
【0023】
図1に示されているように、好ましくはカニューレ50は、カニューレ50内の環状ベアリング54に装着された力感知エレメント52(例えば歪みゲージ又は力感知抵抗器)を含む。外科手術中ベアリング54は用具14を支持し、用具が回転し且つベアリング54の中心穴を通って軸方向に移動できるようにする。ベアリング54は、用具14により与えられる横方向の力を力感知エレメント52に伝え、この力感知エレメント52は、コントローラー機構に作動連結され、遠隔操縦ロボットシステムにおいて外科医が保持している入力制御装置(図示せず)にこれらの力を伝える。このようにして、外科手術切り口を取り囲む組織のようなカニューレ50に作用する力により妨害されることなく、又はマニピュレーターアセンブリ2に作用する重力や慣性力により妨害されることなく、用具14に作用する力が検出できる。このことにより、ロボットシステムにおいてマニピュレーターアセンブリを使用するのが容易になる。というのは、外科医は用具14の端に作用する力を直接感知するからである。もちろん、用具14の末端エンドに作用する重力も力感知エレメント52により検出される。しかしながら、これらの力は、用具の直接操作中においても外科医により感知されるものである。
【0024】
図1に示されているように、用具ホルダー4はボールスプラインベアリング62、64を介してシャフト18、20上に装着されたシャシー60を含み、シャシー60はシャフト18、20に対して軸方向に動くことは出来るがシャフト18、20と共に回転することは防止される。好ましくは、シャシー60は、ステンレス鋼のように高温消毒工程での膨張に耐える材料から構成されるので、シャシー60は外科手術処置の後に消毒できる。シャシー60は、外科手術用具14を受け入れるための中心空洞66と、シャシー60から横方向に延在するアーム68を含む。アーム68はドライブベルト36に固定され、ドライブベルト36の回転により用具ホルダー4をシャフト18、20に沿って軸方向に移動させる。
【0025】
用具ホルダー4はベース6及びドライブモーターに取り外し可能に連結され、ホルダー4全体を取り外して蒸気、熱圧力、化学薬品などのような従来の方法により消毒できる。好適な構成では、アーム68は、回転できドライブベルト36からアームを開放するトグルスイッチ69を含む(図1)。加えて、図1Aに示されているように、シャフト18、20はベアリング22に取り外し可能に連結され、フレーム16のサポート部材17、19からシャフトを軸方向に引っ込められる。このために、好ましくは末端ベアリング22は、シャフト18、20の取り外しを可能にするための連結機構を含む。図7に示されているように、末端サポート部材19は各末端ベアリング22内にサポートカラー71を含み、この末端ベアリング22は、シャフト18、20の一つに対する通路用の内部穴72を備える。各サポートカラー71は内部溝73を有し、シャフト18、20の各々はそれらの下端部近くに環状溝74を有し(図1A参照)、この環状溝74は、シャフトがフレーム16内に適切に装着されると内部溝73と整列する(図1)。バネクリップ75は各内部溝73内に置かれ、それぞれのサポートカラー71内に各シャフト18、20を保持する。バネクリップ75は切れ目(図示せず)を有し、シャフトに軸方向の閾値力が働く際にシャフト18、20の取り外しを可能にする。
【0026】
用具ホルダー4をベース6から取り外すため、オペレーターはトグルスイッチ69を回転してドライブベルト36からアーム68を開放しドライブ8、10からドライブベルト28、32を取り外す。図1Aに示されているように、オペレーターは用具ホルダー4を保持しシャフト18、20を上方に引っ張って、バネクリップ75を開放するのに十分な力を与える。シャフト18、20は末端ベアリング22から外れてボールスプラインベアリング62、64を介してスライドし、その結果用具ホルダー4はベース6から分離される。本発明は、用具ホルダー4をベース6及びドライブアセンブリ7に取り外し可能に連結するための上記手段に制限されるものでないことは理解すべきである。例えば、外科医が単純に部材19を取り外してホルダーを下方にシャフト18、20からスライドさせるように、末端サポート部材19はフレーム16の残りの部分と取り外し可能に連結できる。同様に、基部サポート部材17をフレーム16に取り外し可能に連結できる。あるいは、ドライブモーターは、ベース6に取り外し可能に取り付けられた別のサーボボックス(図示せず)内に収容できる。この構成では、サーボボックスはベース6から取り外されて、ベース6全体がホルダー4と共に消毒できる。
【0027】
ベース6の下部(末端サポート部材19を含む)も、(例えばベース6の下部を消毒槽に浸すことにより)消毒でき、ホルダー4又は用具14と接触する部分を浄化できる。この種の消毒を容易にするために、好ましくはシャフト18、20は図1に示されているものより幾らか長くし、ベース6の下部(ドライブアセンブリ7を含む)をホルダー4及び用具14から十分に離して配置する。この様にして、遠隔操縦ロボットシステムで求められるドライブモーター又は電気接続を損傷することなく、外科手術処置の後に外科手術マニピュレーターを容易に消毒できる。
【0028】
用具ホルダー4はさらに、外科手術用具14をマニピュレーターアセンブリに開放可能に連結するための用具サポート70(詳細は図3A参照)を含む。用具サポート70は装着ベアリング74を介してシャシー60内に回転可能に取り付けられ、サポート70及び用具はそこで回転できる。図1に示されているように、サポート70は環状リングギア76と外接し、この環状リングギアの歯は、第1シャフト18に装着されたドライブギア78の歯と噛み合う。ドライブギア78は第1シャフト18と共に回転するように第1シャフト18の回りに構成され、それと共に用具サポート70と外科手術用具を回転させる。ドライブギア78は第1シャフト18に対して軸方向にも動くよう構成され、用具ホルダー4をフレーム16に対して軸方向に移動可能とする。
【0029】
用具ホルダー4はさらに、軸方向ガイドスロット82内でシャシー60のどちらかの側面に移動可能に取り付けられたアクチュエータードライバー80を含む(詳細は図5を参照)。アクチュエータードライバー80はリングギア86を有する螺旋アクチュエーター84(詳細は図6B参照)を含み、このリングギア86は、第2シャフト20に装着されたグリッパードライブギア88と噛み合う。第2シャフト20が回転することにより、グリッパードライブギア88が回転し、それによりシャシー60内でリングギア86及び螺旋アクチュエーター84を回転させる。アクチュエータードライバー80はさらに、外科手術用具14のエンドエフェクターアクチュエーターを用具ホルダー4に開放可能に連結するためのアクチュエーターキャリッジアセンブリ90(詳細は図6A参照)を含む(図2参照)。以下において更に詳細に述べるように、キャリッジアセンブリ90は螺旋アクチュエーター84及びシャシー60内に装着され、螺旋アクチュエーター84が回転することに応じてキャリッジアセンブリ90がシャシー60に対して軸方向に移動する。
【0030】
図2A及び図2Bには、遠隔操縦ロボット外科手術のためのマニピュレーターアセンブリ2のようなモーター駆動マニピュレーターにより操作できる内視鏡外科手術用具14の特定の実施例が示される。外科手術用具14は、経皮貫通を通して体腔内に送るのに適した従来の種々の内視鏡用具(例えば組織把持器、針ドライバー、マイクロ鋏、電気メス解剖用具など)とできる。好適実施態様では、用具14は、基部エンド102、末端エンド104及びそれらの間の長手方向軸106を有するシャフト100を含む組織把持器である。刻み付きハンドル114がシャフト100の基部エンド102に取り付けられ、用具14の操作を容易にする。
【0031】
好ましくは、シャフト100は2〜10mmの範囲(通常は4〜8mm)の外径を有するステンレス鋼管であり、2〜15mmの範囲の内径を有するカニューレ内に嵌まる。シャフトもまた患者の経皮切り口を通して直接導入される。シャフト100は、腹部のような体腔内の目標場所にとどき且つ体腔から十分に延びるような長さに設定され、外科手術用具14を容易に操作できるようにする。よって、シャフト100は少なくとも10〜40cmの間、好ましくは17〜30cmの間とすべきである。図面ではシャフト100は円形の断面形状を有して示されているが、その他矩形、三角形、楕円または溝状の断面形状とできる。
【0032】
特定の構成では、シャフト100は、用具サポート70及びマニピュレーターアセンブリ2の第1ドライブ8に対して開放可能に外科手術用具14を連結するための装着手段を含む。好適実施態様では、装着手段はシャフト100から横方向外側に延在する1対の対向装着ピン116から成る。装着ピン116はシャフト100にしっかりと接続され、以下で詳細に説明するように用具サポート70上のツイスト−ロック・インターフェースと係合するのに適している。本発明は一対の対向ピンに限定されるものではなく、装着手段には一つの装着ピン又はシャフトの周囲に延在する複数のピンを含み得ることも分かる。その他、ピン116はもし望めば球状や環状のような様々な別の形状を有し得る。
【0033】
用具14はエンドエフェクター120を含み、これは末端エンド104から延在し、腹腔鏡外科手術の間、腹部のような患者の組織構造に係合する。好適実施態様では、エンドエフェクター120は1対の顎部122、124を含み、これらは開閉位置間で移動可能で血管を掴んだり、縫合用縫糸を保持したりする。好ましくは、顎部122、124は横方向溝又は対向表面上に別の構造特徴(図示せず)を有し、組織構造を掴むのを容易にする。顎部122、124により組織を損傷するのを避けるために、顎部は、顎部122、124を包むゴム製のエラストマースリーブ、フォーム又は外科手術ガーゼのような非外傷性手段(図示せず)をも含む。
【0034】
顎部122、124を開閉位置間で移動させるために、用具14はエンドエフェクターアクチュエーターを含み、これはアクチュエータードライバー80及びマニピュレーターアセンブリ2の第2ドライブ10に開放可能に連結される(図4参照)。好適実施態様では、エンドエフェクターアクチュエーターは一対の対向アクチュエーターピン132を含み、これらのピンはシャフト100内で軸方向に延在するスロット134から横方向に突出している。アクチュエーターピン132は長ロッド136に連結され、この長ロッドはシャフト100の内腔138内にスライド可能に配置される。アクチュエーターピン132はスロット134内でスライド可能であり、そのため、ロッド136はシャフト100及び装着ピン116に対して軸方向に移動可能であり従来技術のように顎部122、124を開閉する。長ロッド136は、シャフト100内の内腔142内に配置された基部部分140を有し、アクチュエーターピン132が横方向に動くのを防ぎ、外科手術処置の間、ロッド136がシャフト100内で一般に中心に確実に残るようにする。
【0035】
好ましくは、顎部122、124は環状圧縮バネ144により閉位置に置かれ、この環状圧縮バネはシャフト100内においてアクチュエーターピン132とシャフト100の内面に固定された環状ディスク146の間に配置される。このことにより、内視鏡処置の間、外科手術チームはカニューレ50内に組織を突き刺すことなく、又は周囲の組織を損傷することなく、カニューレ50(又は他のタイプの経皮貫通)を通って体腔内に顎部122、124を導入できる。
【0036】
図3A、図3B、図4にはツイストロック機構が示されており、これは外科手術用具14をマニピュレーターアセンブリ2に開放可能に接続し、内視鏡外科手術処置の間、異なる用具を素早く交換できるようになっている。図3Aに示されているように、用具サポート70は環状カラー200を含み、これは外科手術用具14のシャフト100を受け入れるための中心穴202を定める。カラー200はさらに軸方向に延在し穴202と連通したスロット204を定め、このスロットは、装着を可能にし且つ用具14のアクチュエーターピン116、132がそれを通ってスライドできるようなサイズにされる(図4参照)。2つのロックスロット206が横断角度(好ましくは90゜)にて環状カラー200内に軸方向延在スロット204まで切り込まれる(ロックスロットのうちの一つだけが図3Aには示されている)。以下で議論するように、ロックスロット206は環状カラー200の中心近くにてスロット204と交差し、穴202の周囲(好ましくは約90゜)に延在し両方の装着ピン116がそれを介して回転できる。
【0037】
図3A、図8に示されているように、用具サポート70はさらに、装着ピン116をロックスロット206内にロックするための手段を含み、それにより、外科手術中に用具が偶然に捻られて用具サポート70から外れることはない。好ましくは、図3Aに示されているように、ロック手段はプランジャ210を有するラッチアセンブリを含み、このプランジャがカラー200の穴212内にスライド可能に配置される。プランジャ210はL型ラッチ213を含み、このL型ラッチは、穴212を通って延在するロッド215により開放ボタン214に連結される。プランジャ210は第1位置と第2位置の間で移動可能である。この第1位置では、ラッチ213はロックスロット206内に配置されて装着ピン116はそれを通して自由に回転でき、上記第2位置では、ラッチ213はロックスロット206の一つ内に少なくとも部分的に配置されて装着ピン116が回転するのを防ぐ。好ましくは、ラッチ213は圧縮バネ216により第2位置、即ちロック位置に置かれる。
【0038】
外科医によるマニュアル操作又はベース6による自動操作のためのボタン214が、サポート70の上面に設けられる。好ましくは、用具ホルダー4がその最も基部の位置に動かされたとき(図1参照)、フレーム16の基部サポート部材17は開放スイッチ214を押し下げてラッチ213を第1位置即ち開放位置に移動させる。この構成により、用具ホルダー4が最も基部の位置にあり用具14のシャフト100が容易にアクセス可能なときにのみ、用具を交換できる。加えて、このことにより、用具の末端がカニューレ50に貫通して体腔内にあるとき用具が偶然に開放されることが防げる。
【0039】
交差する軸方向スロット及びロックスロット204、206は、外科手術用具14の装着ピン116を用具ホルダー4に開放可能に連結するためのインターフェースを形成する。図4に示されるように、用具14を挿入するために、外科医は装着ピン116を軸方向スロット204に整列させ、装着ピン116がロックスロット206に整列するまで環状カラー200の穴202を通して用具をスライドさせる。それから、用具はロックスロット206を通して十分なだけ(好ましくは約1/4回転)回転され、ピンが軸方向スロット204にもはや整列しないようにする。用具14が末端に移動すると、スイッチ214が開放され(図1)、ラッチ213がロックスロット206内に移動し、装着ピン116が回転し戻り軸方向スロット204に整列することを防ぎ、用具14が用具サポート70に固定される。一つの装着ピンを上記構成と共に用いて外科手術用具をサポートにロックできることに留意すべきである。しかしながら、2つの対向ピンが好ましい。というのは、この構成によりロックスロット206の内面に作用する捩り力が減じられるからである。
【0040】
好ましくは、図8に示されているように、ロック手段はカラー200内に配置されたボール止め金217を含む。ボール止め金217はバネ218によりロックスロット206の一つ内上方に置かれる。ボール止め金217は、軸方向スロット204に整列した位置から約90゜回転した位置に装着ピン116を一時的に捕獲する働きをする。このことにより、用具14が用具ホルダー内にツイストされた際、装着ピンが完全に回転されて適切な位置におかれる(即ちラッチ213から離れる)。さもなければ、スイッチ214が開放された際、ラッチ213が装着ピン216と係合してラッチがロック位置に完全に移動することが出来なくなり、それにより外科手術の間に用具14が偶然外れる可能性が生じてしまう。
【0041】
図3B、図4、図5に示されているように、用具ホルダー4のアクチュエータードライバー80はさらに、用具14のアクチュエーターピン132を開放可能に保持し移動させるためのアクチュエーターピンキャッチ220を含む。アクチュエーターピンキャッチ220は用具サポート70と同様に構成され(図3A)、環状カラー222を含み、この環状カラーは、シャフト100を受け入れる穴224及びアクチュエーターピン132を受け入れる軸方向延在スロット226を定める。装着ピンに関して上記議論したように、ロックスロット228は90゜の角度にてアクチュエーターピンキャッチ220内に切り込まれ、アクチュエーターピンはロックスロット内に回転できアクチュエーターピン132をアクチュエータードライバー66に連結する。アクチュエーターピン132は装着ピン116の末端に位置するので(好ましくは用具はまず顎部が挿入される)、スロット226はカラー222を通って完全に延在する必要はない。もちろん、アクチュエーターピン132及び装着ピン116は、もし望めば装着ピンがアクチュエーターピンの末端にくるように逆にできる。
【0042】
図6Aを参照すると、アクチュエーターピンキャッチ220はアクチュエーターキャリッジアセンブリ90内のボールベアリング230に回転可能に取り付けられる。ベアリング230により、ピンキャッチ220は軸方向の相対的な運動を防ぎつつキャリッジアセンブリ90内で自由に回転できる。よって、用具14が第1ドライブ8により回転される際、アクチュエーターピン132はキャリッジアセンブリ90内で回転する。キャリッジアセンブリ90はさらに、一対の内部ローラー236及び一対の外部ローラー238を回転可能に支持するための2組の心棒232を含む。図1に示されているように、外部ローラー238はシャシー60の軸方向ガイドスロット82内にスライド可能に配置され、キャリッジアセンブリ90がシャシー60に対して回転するのを防ぐ。内部及び外部ローラー236、238は螺旋アクチュエーター84及び用具ホルダー4のシャシー60と協働してホルダーに対して軸方向に移動し、それにより、ピンキャッチ220及びアクチュエーターピン132をそれらと共に用具14のシャフト100に対して軸方向に移動させる(上述のようにこのシャフトは顎部122、124を作動させる)。
【0043】
図6Bに示されているように、螺旋アクチュエーター84は、キャリッジアセンブリ90及び外科手術用具14を受け入れる中心穴240と、2つの対向螺旋溝242、244を含み、これらの溝の各々は螺旋アクチュエーター84の周囲に延在し(好ましくは180゜より僅かに小さく)て図5に示されるようにキャリッジアセンブリ90の内部ローラー236を受け入れる。シャシー60の軸方向ガイドスロット82内に拘束された外部ローラー238により、螺旋アクチュエーター84が回転することでキャリッジアセンブリ90(及びアクチュエーターピンキャッチ220)が回転の感度に依存して上下に移動する。螺旋アクチュエーター84の対称的な設計ゆえに、第2ドライバー10により作用する作動力は用具14の如何なる効果的な側面負荷も発生させず、このことにより、軸方向(第3ドライバー12)及び回転(第1ドライバー)のような他の自由度との摩擦連結が避けられる。好適実施態様では、螺旋溝242、244のピッチは、機構が容易に後方駆動できるように設定され、位置サーボ遠隔操作システムにおいて掴み力を感知することが可能となる。
【0044】
図3A、図3Bに示されるように、用具ホルダー4はさらに、用具サポート70に固定された一対の軸方向ガイドピン250、252を含む。アクチュエーターピンキャッチ220は、ガイドピン250、252を受け入れる一対の開口254、256を有する。ガイドピン250、252は、ピンキャッチ220とサポート70の間での相対的な回転を防ぎ(その結果、アクチュエーター及び装着ピン116、132は両方とも用具と共に回転できる)、そして互いに相対的な軸方向の運動を可能にする(その結果、エンドエフェクター120はアクチュエーターピン132の軸方向移動により作動され得る)。
【0045】
図9はリモート中心位置決め器300の立面図であり、これは患者の上でマニピュレーターアセンブリ2を支持するのに用いることができる(サポートマニピュレーター2は図8には示されていないことに留意)。リモート中心位置決め器300はマニピュレーターアセンブリ2に対して2自由度を与え、入り口切り口に一致する地点308の回りに回転するよう拘束する。好ましくは、地点308はカニューレ50内のベアリング54のほぼ中心となる(図1)。リモート中心位置決め器300の更に完全な説明は、一般譲渡された同時係属出願第08/062,404号、1993年5月14日提出、「リモート中心位置決め器」に記載されており、参考のためここに添付する。
【0046】
第1リンク手段は参照番号321により一般的に示され、平行四辺形の形式の第2リンクは参照番号323により示される。第1リンク手段はベースプレート上に旋回自在に装着されてx−x軸の回りを回転する。第2リンク手段は第1リンク手段に旋回自在に接続され、第1リンクと平行な面内を移動するよう適合される。5つのリンク部材(その延長部を含む)311、312、313、314、315は、ピボット継ぎ手316−320と共に接続される。エレメント313の一部は平行四辺形リンクのピボット320を越えて延在する。平行四辺形リンクは、リンク部材313において操作エンドを有し、リンク部材312において駆動エンドを有する。後に望まれるように、延長されたエレメント313は、外科手術用具、又はマニピュレーターアセンブリ2のサポートブラケット24のような他の装置を支持できる。ピボット継ぎ手により、リンク部材を含む平面内でのみリンク部材の相対的な運動が可能となる。
【0047】
平行四辺形リンクは、対応するリンク部材314、315及びリンク部材312、313により形成される。平行四辺形のリンク部材314、315の部分は、平行四辺形の部材312、313の部分と同じ長さである。これらの部材は平行四辺形内で共に接続され、それらの部材により形成される平面内でのみ相対的な運動を行う。参照番号322により一般に示された回転自在継ぎ手は、適当なベース324に接続される。回転自在継ぎ手322は、ベースサポート手段324に固定装着するのに適応したベースプレート326上に取り付けられる。ピボットプレート328は、例えばピボット330、332において適当な手段によりベースプレート326に旋回自在に取り付けられる。よって、ピボットプレート328は所望の角度θ2だけ軸x−xの回りを回転できる。これは、マニュアルまたは適当なピボットドライブモーター334により行うことができる。
【0048】
第1リンクは、回転自在継ぎ手322のピボットプレート328上に旋回自在に取り付けられる。リンクエレメント311、312及びリンク部材は相対的に固くて曲がらず、そのため外科手術で用いられる用具を適切に支持できる。アルミニウムや他の金属製のロッドはそのようなリンクとして有効である。リンクエレメント311、312はベースプレート328上に旋回自在に取り付けられ、ピボット336、338により回転自在継ぎ手に対して回転する。少なくとも一つのピボット336、338が、回転のその軸がx−x軸に垂直となり且つx−x軸と交差するように、位置決めされる。移動はマニュアルでも行えるし、リンクドライブモーター340を用いても行える。第1リンクもまた、リンクエレメント311、312、ピボット316、318によりそれらに接続されたリンク部材315の部分、及びベースプレート328により形成された平行四辺形の形式の形状とされる。よって、リンク部材315の一つは、第1及び第2リンク手段321、323の両方において使用される。リンクエレメント312はまた、第1及び第2リンク手段321、323の両方の共通リンクを形成する。本発明に従い、リンクエレメント311が回転する際、及び/又はピボットプレート328が軸x−xの回りを回転する際、上記実施態様の装置により球回転のリモート中心308が与えられる。よって、エレメント313のエンドは所望の角度θ1及びθ2だけ移動でき、またはそれ自身の軸の回りに回転できる一方、回転のリモート中心は同じ配置のままである。
【0049】
図9には、リモート中心位置決め器300のベースに取り付けられたクリノメーター350も示されている。リモート中心位置決め器は、実行される特定の外科手術に依存して、垂直に対して任意の方向に取り付けることができ、クリノメーター350はこの方向を測定するのに用いることができる。測定された方向は、遠隔操縦ロボットシステムを制御するのに必要なサーボ制御信号を計算して実行するのに用いることができ、外科医がシステム機構に作用する重力を感じないようにする。
【0050】
本発明の精神を逸脱することなく他の人により改変及び変更は為し得る。例えば、本発明は内視鏡外科手術に制限されないことを理解すべきである。実際、遠隔操縦ロボット制御機構に従った用具ホルダー4は特にオープン外科手術処置の間有効であり、異なる部屋又は完全に違う病院のような遠隔場所から外科医が手術するのを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】米国特許出願第08/823,932号
【特許文献2】米国特許出願第08/062,404号
【技術分野】
【0001】
この発明は外科手術マニピュレーターに係り、特に外科手術で使用するロボット支援型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的な腹腔鏡外科手術では、患者の腹部にガスが吹き入れられ、腹腔鏡外科手術用具のための入口を形成する小さな切り口(約1/2インチ)を通ってトロカール・スリーブが送られる。一般に腹腔鏡外科手術用具は、外科手術する部位を視るための腹腔鏡、並びにクランプ、把持器、はさみ、ホチキス及び針ホルダーのような作業用具を含む。これらの作業用具は、各用具の作業端が延長チューブに沿って約12インチだけそのハンドルから離れていることを除けば、従来の(オープン)外科手術で用いられる用具と同じである。外科手術を行うため、外科医はトロカール・スリーブを通して用具を送り、また、スリーブを通じてそれらを入れたり出したりスライドさせ、スリーブ内でそれらを回転させ、腹部壁内でスリーブにてこ入れし(即ち旋回させ)、そして用具の末端にあるエンドエフェクターを作動させることにより、腹部内においてそれらの用具を操作する。
【0003】
ロボットに支援された遠隔操縦ロボット外科手術(オープン及び内視鏡処置)では、外科手術用具の位置は、手で直接制御するか又は固定クランプで制御するよりむしろ、サーボモーターにより制御される。外科医が患者から離れた所にて表示イメージを通じて手術を見ながら入力制御装置を操作する際には、サーボモーターは外科医の手の動きに追随する。サーボモーターは、外科手術用具を支持及び制御する電気機械的装置又は外科手術マニピュレーターの典型的な一部であり、この外科手術用具は、オープン外科手術部位に直接導入されるか又はトロカール・スリーブを通して患者の腹部のような体腔内に導入される。手術の間、外科手術用具により、組織つかみ器、針ドライバーなどのような種々の外科手術用具が機械的作動され且つ制御される。これらの外科手術用具の各々は外科医のために種々の機能を行う、即ち、針を保持又は駆動したり、血管をつかんだり、組織を切開したりする。
【0004】
リモート操作により遠隔外科手術を行うこの新しい方法では、多くの新しい試みが為される。そのような試みの一つは、外科医が遠隔操縦ロボットシステムを操作するとき、位置、力及び触覚を外科手術用具から外科医の手に伝え返すことである。リモート操作の他の技術とは違って、遠隔外科手術により外科医には直接手で外科手術用具を操作している感じを与えることができる。例えば、用具が患者の組織構造又は器官に作用しているとき、システムは用具に対する反作用の力を検出してこの力を入力制御装置に伝えることが可能でなければならない。このようにして、外科医は表示イメージ上で組織構造に接触している用具を見て、入力制御装置上でこの接触による圧力を直接感じることができる。しかしながら、適当なフィードバックを与えることには、システムに作用する他の力が起因する問題をはらみうる。このような力としては、例えば、遠隔操縦ロボット機構内の摩擦、外科手術マニピュレーターに作用する重力及び慣性力、又は外科手術切り口によりトロカール・スリーブに働く力などが挙げられる。
【0005】
さらに、効果的な遠隔外科手術を可能にするためには、マニピュレーターは高い応答性を有しなければならず、また外科医が外科手術を行う際にしばしば現れる最も速い手の動きでさえ正確に追随できなければならない。この迅速で応答性の高い性能を達成するために、遠隔操縦ロボットサーボシステムは、適度に高いサーボ帯域を有するように設計されねばならず、このことは、マニピュレーターが低い慣性を有し且つ相対的に低いギヤ比のドライブモーター又はプーリーカップリングを用いるようにマニピュレーターを設計することを要求する。
【0006】
遠隔外科手術に関する他の試みは、電気機械式外科手術マニピュレーターの一部が外科手術用具と直接接触してしまうこと、及び作業部位に隣接して配置されることから生じる。従って、外科手術マニピュレーターは外科手術中に汚染されるかもしれないし、一般には処分されるか又は手術と手術の間に消毒される。もちろん、コストの観点からは装置を消毒するのが好ましいであろう。しかしながら、サーボモーター、センサー、及びモーターをロボット制御するのに必要な電気接続は、一般には従来の方法(例えば蒸気、熱及び圧力、又は化学薬品)を用いて消毒することはできない。というのは、それらが消毒工程で損傷を受けるか又は破壊されてしまうからである。
【0007】
別の試みとしては、異なる外科手術用具が1回の手術中に数回同じ用具ホルダーに取付けられ、取り外されることである。例えば腹腔鏡処置では、患者の腹部内への入口の数は、患者に必要のない切り口を開けないという要望はもちろんのことスペースの制約ゆえに、その手術中は一般に制限される。よって、一般には幾つかの異なる外科手術用具が、手術中は同じトロカール・スリーブを通って導入される。同様に、オープン外科手術では、一般に外科手術部位の周りには1又は2以上の外科手術マニピュレーターを置く十分な空間が無く、そのため外科医の助手はホルダーから用具を取り外して他の外科手術機器を取り替えることをしばしば強いられる。
【0008】
従って、必要なのは、リモート制御により外科手術用具を保持し操作し、且つ、外科手術用具を用具ホルダーに取り外し可能に連結するためのシステム及び方法である。本装置は、手術中に汚染された後でも再使用できるように容易に消毒できる構成とすべきである。さらに、本装置は、遠隔操縦ロボット操作の間外科手術用具に対して伝えられ且つ該用具から伝えられる力から、適当なフィードバックを外科医に与えることができなければならず、また、本装置は、装置に作用する重力が外科医に感じられないようにこれらの力を補償するよう構成すべきである。加えて、本装置は高い応答性を有しなければならず、外科医が外科手術を行う際にしばしば現れる最も速い手の動きにさえ正確に追随できなければならない。さらに、内視鏡外科手術の間用具をホルダーに素早く且つ容易に取り付け、取り外しできて、用具交換の時間を最小にするよう構成されたシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来のオープン外科手術中又は腹腔鏡検査のような内視鏡処置の間外科手術用具を開放可能に保持し操作するための装置及び方法が提供される。本装置は、用具ホルダーを有するマニピュレーターアセンブリを含み、この用具ホルダーは、消毒できるようにドライブアセンブリに取り外し可能に連結される。マニピュレーターアセンブリは、さらに、ホルダー末端に取り付けられた力感知エレメントと、外科手術用具に働く力を検出して外科医にフィードバックするためのドライブアセンブリとを含む。本発明はまた、外科手術用具を開放可能に保持するためのシステム及び方法に関する。システムは、用具側の装着ピンを用具ホルダー側のロックスロットに自動的にロックして用具をホルダーに開放可能に連結するための用具サポートを含む。ツイストロック動作により、オープン外科手術、腹腔鏡検査又は胸腔鏡検査のような外科処置の間、外科医は種々の用具をホルダーに素早く取付け、取り外すことができる。
【0010】
一態様では、装置は、作業テーブルのような面に対する種々の受動又はパワー駆動位置決め装置により固定可能なサポートベースと、ベース上に移動可能に取り付けられた用具ホルダーとを含む。用具ホルダーは本体と用具サポートから成り、用具サポートは、本体に移動自在に連結され、外科手術用具と係合するインターフェースを有して用具を用具ホルダーに開放可能に装着する。ドライブアセンブリは用具ホルダーに作動連結されて、少なくとも二自由度を用具に与える。ドライブアセンブリは、用具サポートを動かすための第1ドライブと、サポートベースに対して用具ホルダーを動かすための第2ドライブとを含む。本装置は、ベース及びドライブアセンブリから取り外し可能に用具ホルダーを連結するための手段を含み、それにより、外科処置の後ホルダーは装置の残りの部分から分離して消毒できる。
【0011】
特定の構成では、サポートベースは、末端及び基部のサポート部材を備えたフレームと、サポート部材内に回転可能に取り付けられた一対のシャフトとを含む。用具ホルダーは、用具が軸方向移動できるようにサポートシャフト上にスライド可能に取り付けられる。加えて、シャフトは各々ドライブモーターに連結され、第2及び第3の自由度(例えば回転やエンドエフェクターの作動)を用具に与える。ドライブモーターは、外科手術中に汚染されないように、基部サポート部材に連結される。回転可能シャフトは、それらを上方にスライドさせてそれらのベアリング及び用具ホルダーとの係合を外すことにより取り外すことができ、そのため用具ホルダーをサポートベースから容易に取り外して消毒できる。サポートベースの下部(末端サポート部材を含む)も、消毒して用具ホルダーに接触した部分を浄化できる。このようにして、サーボモーターや遠隔操縦ロボットシステムに要求される電気接続に損傷を与えることなく、外科処置の後に外科手術マニピュレーターを容易に消毒できる。
【0012】
サポートベースはさらに、末端サポート部材に取り付けられたカニューレ又はトロカール・スリーブのようなスリーブを含む。スリーブは、用具をその中に受け入れるための軸方向通路と、スリーブの末端エンド近くの軸方向通路内に取り付けられた力感知エレメントとを有する。力感知エレメントは、外科手術中に用具の末端部分によりエレメントに作用する横方向の力を検出するように構成される。力感知エレメントは装置の残りの末端に取り付けられるので、外科手術の切り口により又は用具ホルダーに作用する重力及び慣性力によりカニューレに働く力からこのエレメントは影響されない。位置決め装置により支持される際には外科手術マニピュレーターはクリノメーターと共に使用でき、ローカル重力場の方向に対する用具ホルダーの真の方向が求まる。マニピュレーターと共にクリノメーター及び力センサーを使用することにより、遠隔操縦ロボット機構に作用する外部の力に影響されずに、用具端に対して作用する力を外科医が直接感知するような遠隔操縦ロボットシステムを設計するのが容易になる。換言すれば、外科医は、用具が力感知エレメントに接触している地点においてまるで自分の手が用具を保持している様に感じるのである。
【0013】
本発明は、用具シャフトの末端エンドに連結されたエンドエフェクター(例えば一対の顎部)を有する外科手術用具を保持し操作するのに特に有効である。このために、用具ホルダーはさらにアクチュエーター・ドライバーを含み、これは用具上のエンドエフェクターと係合できるインターフェースを備える。アクチュエーター・ドライバーはカップリングを含み、このカップリングは、ドライバーの一部をサポートベースに対して軸方向に移動させるためのドライブアセンブリに、ドライバーを連結し、それにより、用具のエンドエフェクターを作動させる。好適な構成では、カップリングは同心螺旋アクチュエーターであり、ドライブモーターの回転をエンドエフェクター・アクチュエーターの軸方向の運動に変換する。螺旋アクチュエーターの対称設計ゆえに、ドライブモーターにより与えられる作動力は用具に対して如何なる有効な側面負荷をも発生せず、このことにより、用具の軸方向運動や回転のような他の自由度との摩擦連結が避けられる。
【0014】
本発明の別の態様では、用具は、基部エンド及び末端エンドを有する延長シャフトと、シャフトから径方向に基部及び末端エンド間に延在する突起を有する装着手段とを含む。用具ホルダーはサポートを含み、サポートは、用具シャフトを受け入れる軸方向通路を備えた本体と、突起を受け入れるための軸方向通路に連通した第1穴とを有する。第2穴は本体において第1穴まで横方向に切り込まれて連通し、突起が第2穴内で回転できる。外科手術の間に用具が偶然に捻られて用具ホルダーから外れないようにするため、ホルダーはさらに本体に連結されたロック手段を含み、このロック手段は第2穴内で突起を自動的にロックし、それにより、用具を用具ホルダーに開放可能にロックする。
【0015】
好適な構成では、装着手段の突起は、用具シャフトから外方向に延在する一対の対向アーム(例えば装着ピン)を含む。第1穴は軸方向に延びたスロットであり、これは装着ピンを受け入れる。第2穴は垂直ロックスロットであり、これは軸方向スロットに整列した第1部分と、用具サポートの本体の回りを周方向に延在する第2部分とを有する。この構成により、装着ピンは軸方向スロットをスライドしてロックスロット内に回転でき、用具をホルダーに取り付けられる。用具は、同じ2工程を逆の順に行うことにより外すことができる。このツイスト−ロック動作により、外科手術中に外科医は種々の用具を用具ホルダーに迅速に嵌めたり外したりできる。
【0016】
好ましくは、ロック手段は、装着ピンを用具ホルダーにロックするための開放可能ラッチアセンブリから成る。ラッチアセンブリはラッチに連結されたバネ負荷プランジャを含み、これは装着ピンをロックスロット内に捕獲することにより用具を適所に正常にロックする。プランジャは用具ホルダーから外方向に延在するボタンを有し、このボタンはラッチをロックスロットから出すためのものである。このボタンはマニュアルで又は自動的に押すことができ、外科医が用具に容易にアクセスできるとき装着ピンを開放して用具を取り替え可能にする。
【0017】
本発明は、小さな経皮貫通で体空洞(例えば腹部又は胸部空洞)内に導入するよう構成された内視鏡用具を開放可能に保持するのに特に有効である。このために、好ましくは用具は、体空洞内で組織構造と係合する末端エンドと連結したエンドエフェクター(例えば一対の顎部)を含む。エンドエフェクターを作動するため、用具はアクチュエーターピンのような第2のアーム対を有し、これはシャフトから横方向に延在しエンドエフェクターに作動連結する。好ましくは、アクチュエーターピンはシャフトに対して軸方向に変位できてエンドエフェクターを作動する(例えば顎部を開閉する)。用具ホルダーはさらに、エンドエフェクターを作動するための外部ドライバーとアクチュエーターアームに開放可能に連結したアクチュエータードライバーを含む。好ましくは、アクチュエータードライバーは、用具サポートについて説明したのと同様の横方向スロットを備えたツイスト−ロックインターフェースを含み、用具サポートとアクチュエータードライバーの両方に同時に用具を嵌めたり外したりできる。
本発明の他の特徴や利点は以下の記載から明らかとなり、好適実施態様が添付図面に関連して詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるマニピュレーターアセンブリに装着されたロボット内視鏡外科手術用具の部分断面立面図である。
【図1A】図1のマニピュレーターアセンブリの部分断面立面図であり、用具ホルダーがアセンブリの残りの部分から取り除かれているのを示す。
【図2A】図1の外科手術用具の拡大された側断面図である。
【図2B】図1の外科手術用具の拡大された前面断面図である。
【図3】図3Aと図3Bは、それぞれ用具サポートとアクチュエーターピンキャッチの斜視図であり、外科手術用具をマニピュレーターアセンブリに開放可能に装着するものである。
【図4】図3Aと図3Bの用具サポートとアクチュエーターピンキャッチ内に装着された外科手術用具の前面立面図である。
【図5】図3Bのアクチュエーターピンキャッチを軸方向に移動させるためのアクチュエータードライバーの前面立面図である。
【図6】図6Aと図6Bは、図5のアクチュエーターキャリッジアセンブリと螺旋アクチュエーターの拡大断面図である。
【図7】図1のマニピュレーターアセンブリのフレームの一部の拡大詳細図であり、フレームからシャフトを取り外すための連結機構を示す。
【図8】図3Aの用具サポートの部分断面図であり、本発明によるツイストロックインターフェースのためのロック機構を示す。
【図9】図1のマニピュレーターアセンブリを保持するためのリモート中心位置決め器の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を詳細に参照すると、同じ番号は同じ要素を示しており、マニピュレーターアセンブリ2が本発明の原理に従って描かれている。一般に、マニピュレーターアセンブリ2は、ベース6に取り外し可能に装着された用具ホルダー4と、用具ホルダー4に開放可能に連結された外科手術用具14を操作するためのドライブアセンブリ7とを含む。
図1を参照すると、ベース6は、基部及び末端の長サポート部材17、19を有するフレーム16と、ベアリング22を介してサポート部材17、19に回転可能に連結された第1及び第2ボールスプラインシャフト18、20とから成る。以下に詳細に述べるように(図9参照)、フレーム16はさらに、マニピュレーターアセンブリ2をリモート中心位置決め器300に取り付けるためのサポートブラケット24を含む。ドライブアセンブリ7は第1、第2及び第3ドライブ8、10、12を含み、これらはフレーム16に装着され外科手術用具14に三自由度を与えるように構成される。好適実施態様では、第1ドライブ8は用具14をそれ自身の軸を中心として回転させ、第2ドライブ10は用具14の末端のエンドエフェクター120を作動させ、そして第3ドライブ12は用具14をフレーム16に対して軸方向に変位させる。もちろん、他の構成が可能なことは当業者には容易に分かるであろう。例えば、アセンブリ2は、外科手術用具14に別の自由度(例えば用具手首の回転や屈曲)を与えるための更なるドライブを含むことができる。
【0020】
第1ドライブ8はフレーム16に固定された回転ドライブモーター26を含み、この回転ドライブモーター26は、第1シャフト18をフレーム16に対して回転させるためのドライブベルト28により第1シャフト18に連結される。第2ドライブ10はフレーム16に固定されたグリッパードライブモーター30を含み、このモーター30は、第2シャフト20をフレーム16に対して回転させるためのドライブベルト32により第2シャフト20に連結される。第3ドライブ12は垂直ドライブモーター34を含み、このモーター34は、用具ホルダー4をフレーム16に対して軸方向に変位するためのドライブベルト36及び2つのプーリー38を介して用具ホルダー4に連結される。好ましくは、ドライブモーター26、30、34はサーボ制御エレクトロニクス(図示せず)を介してコントローラー機構に連結されて、リモート制御で外科手術用具14を操作するための遠隔操縦システムを形成する。患者から遠隔位置にて外科医が入力制御装置を操作するとき、ドライブモーターは外科医の手の動きに追随する。ドライブモーターを制御するための適当な遠隔操縦ロボットシステムは、1992年1月21日提出の一般譲渡された同時係属出願第08/823,932号である「臨場感を伴った遠隔操作システム及び方法 (TELEOPERATOR SYSTEM AND METHOD WITH TELEPRESENCE) 」に記載されており、参考のためここに添付する。
【0021】
好ましくは、上記遠隔操縦ロボットサーボシステムは、少なくとも10hzの3dBカットオフ周波数を示すサーボ帯域を有し、システムが外科医の素早い手の動きに迅速かつ正確に応答できるようにする。このシステムを効果的に操作するために、用具ホルダー4は相対的に小さな慣性を有し、ドライブモーター26、30、34は相対的に小さい比のギヤ又はプーリー連結を有する。
【0022】
特定の実施態様では、外科手術用具14は内視鏡用具であり、これは経皮貫通して腹部又は胸部空洞のような体空洞内に導入するように構成される。この実施態様では、マニピュレーターアセンブリ2はフレーム16の末端サポート部材19上のカニューレ50を支持し、これは内視鏡外科手術処置の間は入口用の切り口内に配置される(図1ではカニューレ50は概略的に描かれており、一般にはずっと長いことに留意せよ)。好ましくは、カニューレ50は、結腸切除やニセン・ファンドプリケーション(Nissen fundoplication) のような胸部内視鏡外科手術に適応した従来の気密トロカールスリーブである。
【0023】
図1に示されているように、好ましくはカニューレ50は、カニューレ50内の環状ベアリング54に装着された力感知エレメント52(例えば歪みゲージ又は力感知抵抗器)を含む。外科手術中ベアリング54は用具14を支持し、用具が回転し且つベアリング54の中心穴を通って軸方向に移動できるようにする。ベアリング54は、用具14により与えられる横方向の力を力感知エレメント52に伝え、この力感知エレメント52は、コントローラー機構に作動連結され、遠隔操縦ロボットシステムにおいて外科医が保持している入力制御装置(図示せず)にこれらの力を伝える。このようにして、外科手術切り口を取り囲む組織のようなカニューレ50に作用する力により妨害されることなく、又はマニピュレーターアセンブリ2に作用する重力や慣性力により妨害されることなく、用具14に作用する力が検出できる。このことにより、ロボットシステムにおいてマニピュレーターアセンブリを使用するのが容易になる。というのは、外科医は用具14の端に作用する力を直接感知するからである。もちろん、用具14の末端エンドに作用する重力も力感知エレメント52により検出される。しかしながら、これらの力は、用具の直接操作中においても外科医により感知されるものである。
【0024】
図1に示されているように、用具ホルダー4はボールスプラインベアリング62、64を介してシャフト18、20上に装着されたシャシー60を含み、シャシー60はシャフト18、20に対して軸方向に動くことは出来るがシャフト18、20と共に回転することは防止される。好ましくは、シャシー60は、ステンレス鋼のように高温消毒工程での膨張に耐える材料から構成されるので、シャシー60は外科手術処置の後に消毒できる。シャシー60は、外科手術用具14を受け入れるための中心空洞66と、シャシー60から横方向に延在するアーム68を含む。アーム68はドライブベルト36に固定され、ドライブベルト36の回転により用具ホルダー4をシャフト18、20に沿って軸方向に移動させる。
【0025】
用具ホルダー4はベース6及びドライブモーターに取り外し可能に連結され、ホルダー4全体を取り外して蒸気、熱圧力、化学薬品などのような従来の方法により消毒できる。好適な構成では、アーム68は、回転できドライブベルト36からアームを開放するトグルスイッチ69を含む(図1)。加えて、図1Aに示されているように、シャフト18、20はベアリング22に取り外し可能に連結され、フレーム16のサポート部材17、19からシャフトを軸方向に引っ込められる。このために、好ましくは末端ベアリング22は、シャフト18、20の取り外しを可能にするための連結機構を含む。図7に示されているように、末端サポート部材19は各末端ベアリング22内にサポートカラー71を含み、この末端ベアリング22は、シャフト18、20の一つに対する通路用の内部穴72を備える。各サポートカラー71は内部溝73を有し、シャフト18、20の各々はそれらの下端部近くに環状溝74を有し(図1A参照)、この環状溝74は、シャフトがフレーム16内に適切に装着されると内部溝73と整列する(図1)。バネクリップ75は各内部溝73内に置かれ、それぞれのサポートカラー71内に各シャフト18、20を保持する。バネクリップ75は切れ目(図示せず)を有し、シャフトに軸方向の閾値力が働く際にシャフト18、20の取り外しを可能にする。
【0026】
用具ホルダー4をベース6から取り外すため、オペレーターはトグルスイッチ69を回転してドライブベルト36からアーム68を開放しドライブ8、10からドライブベルト28、32を取り外す。図1Aに示されているように、オペレーターは用具ホルダー4を保持しシャフト18、20を上方に引っ張って、バネクリップ75を開放するのに十分な力を与える。シャフト18、20は末端ベアリング22から外れてボールスプラインベアリング62、64を介してスライドし、その結果用具ホルダー4はベース6から分離される。本発明は、用具ホルダー4をベース6及びドライブアセンブリ7に取り外し可能に連結するための上記手段に制限されるものでないことは理解すべきである。例えば、外科医が単純に部材19を取り外してホルダーを下方にシャフト18、20からスライドさせるように、末端サポート部材19はフレーム16の残りの部分と取り外し可能に連結できる。同様に、基部サポート部材17をフレーム16に取り外し可能に連結できる。あるいは、ドライブモーターは、ベース6に取り外し可能に取り付けられた別のサーボボックス(図示せず)内に収容できる。この構成では、サーボボックスはベース6から取り外されて、ベース6全体がホルダー4と共に消毒できる。
【0027】
ベース6の下部(末端サポート部材19を含む)も、(例えばベース6の下部を消毒槽に浸すことにより)消毒でき、ホルダー4又は用具14と接触する部分を浄化できる。この種の消毒を容易にするために、好ましくはシャフト18、20は図1に示されているものより幾らか長くし、ベース6の下部(ドライブアセンブリ7を含む)をホルダー4及び用具14から十分に離して配置する。この様にして、遠隔操縦ロボットシステムで求められるドライブモーター又は電気接続を損傷することなく、外科手術処置の後に外科手術マニピュレーターを容易に消毒できる。
【0028】
用具ホルダー4はさらに、外科手術用具14をマニピュレーターアセンブリに開放可能に連結するための用具サポート70(詳細は図3A参照)を含む。用具サポート70は装着ベアリング74を介してシャシー60内に回転可能に取り付けられ、サポート70及び用具はそこで回転できる。図1に示されているように、サポート70は環状リングギア76と外接し、この環状リングギアの歯は、第1シャフト18に装着されたドライブギア78の歯と噛み合う。ドライブギア78は第1シャフト18と共に回転するように第1シャフト18の回りに構成され、それと共に用具サポート70と外科手術用具を回転させる。ドライブギア78は第1シャフト18に対して軸方向にも動くよう構成され、用具ホルダー4をフレーム16に対して軸方向に移動可能とする。
【0029】
用具ホルダー4はさらに、軸方向ガイドスロット82内でシャシー60のどちらかの側面に移動可能に取り付けられたアクチュエータードライバー80を含む(詳細は図5を参照)。アクチュエータードライバー80はリングギア86を有する螺旋アクチュエーター84(詳細は図6B参照)を含み、このリングギア86は、第2シャフト20に装着されたグリッパードライブギア88と噛み合う。第2シャフト20が回転することにより、グリッパードライブギア88が回転し、それによりシャシー60内でリングギア86及び螺旋アクチュエーター84を回転させる。アクチュエータードライバー80はさらに、外科手術用具14のエンドエフェクターアクチュエーターを用具ホルダー4に開放可能に連結するためのアクチュエーターキャリッジアセンブリ90(詳細は図6A参照)を含む(図2参照)。以下において更に詳細に述べるように、キャリッジアセンブリ90は螺旋アクチュエーター84及びシャシー60内に装着され、螺旋アクチュエーター84が回転することに応じてキャリッジアセンブリ90がシャシー60に対して軸方向に移動する。
【0030】
図2A及び図2Bには、遠隔操縦ロボット外科手術のためのマニピュレーターアセンブリ2のようなモーター駆動マニピュレーターにより操作できる内視鏡外科手術用具14の特定の実施例が示される。外科手術用具14は、経皮貫通を通して体腔内に送るのに適した従来の種々の内視鏡用具(例えば組織把持器、針ドライバー、マイクロ鋏、電気メス解剖用具など)とできる。好適実施態様では、用具14は、基部エンド102、末端エンド104及びそれらの間の長手方向軸106を有するシャフト100を含む組織把持器である。刻み付きハンドル114がシャフト100の基部エンド102に取り付けられ、用具14の操作を容易にする。
【0031】
好ましくは、シャフト100は2〜10mmの範囲(通常は4〜8mm)の外径を有するステンレス鋼管であり、2〜15mmの範囲の内径を有するカニューレ内に嵌まる。シャフトもまた患者の経皮切り口を通して直接導入される。シャフト100は、腹部のような体腔内の目標場所にとどき且つ体腔から十分に延びるような長さに設定され、外科手術用具14を容易に操作できるようにする。よって、シャフト100は少なくとも10〜40cmの間、好ましくは17〜30cmの間とすべきである。図面ではシャフト100は円形の断面形状を有して示されているが、その他矩形、三角形、楕円または溝状の断面形状とできる。
【0032】
特定の構成では、シャフト100は、用具サポート70及びマニピュレーターアセンブリ2の第1ドライブ8に対して開放可能に外科手術用具14を連結するための装着手段を含む。好適実施態様では、装着手段はシャフト100から横方向外側に延在する1対の対向装着ピン116から成る。装着ピン116はシャフト100にしっかりと接続され、以下で詳細に説明するように用具サポート70上のツイスト−ロック・インターフェースと係合するのに適している。本発明は一対の対向ピンに限定されるものではなく、装着手段には一つの装着ピン又はシャフトの周囲に延在する複数のピンを含み得ることも分かる。その他、ピン116はもし望めば球状や環状のような様々な別の形状を有し得る。
【0033】
用具14はエンドエフェクター120を含み、これは末端エンド104から延在し、腹腔鏡外科手術の間、腹部のような患者の組織構造に係合する。好適実施態様では、エンドエフェクター120は1対の顎部122、124を含み、これらは開閉位置間で移動可能で血管を掴んだり、縫合用縫糸を保持したりする。好ましくは、顎部122、124は横方向溝又は対向表面上に別の構造特徴(図示せず)を有し、組織構造を掴むのを容易にする。顎部122、124により組織を損傷するのを避けるために、顎部は、顎部122、124を包むゴム製のエラストマースリーブ、フォーム又は外科手術ガーゼのような非外傷性手段(図示せず)をも含む。
【0034】
顎部122、124を開閉位置間で移動させるために、用具14はエンドエフェクターアクチュエーターを含み、これはアクチュエータードライバー80及びマニピュレーターアセンブリ2の第2ドライブ10に開放可能に連結される(図4参照)。好適実施態様では、エンドエフェクターアクチュエーターは一対の対向アクチュエーターピン132を含み、これらのピンはシャフト100内で軸方向に延在するスロット134から横方向に突出している。アクチュエーターピン132は長ロッド136に連結され、この長ロッドはシャフト100の内腔138内にスライド可能に配置される。アクチュエーターピン132はスロット134内でスライド可能であり、そのため、ロッド136はシャフト100及び装着ピン116に対して軸方向に移動可能であり従来技術のように顎部122、124を開閉する。長ロッド136は、シャフト100内の内腔142内に配置された基部部分140を有し、アクチュエーターピン132が横方向に動くのを防ぎ、外科手術処置の間、ロッド136がシャフト100内で一般に中心に確実に残るようにする。
【0035】
好ましくは、顎部122、124は環状圧縮バネ144により閉位置に置かれ、この環状圧縮バネはシャフト100内においてアクチュエーターピン132とシャフト100の内面に固定された環状ディスク146の間に配置される。このことにより、内視鏡処置の間、外科手術チームはカニューレ50内に組織を突き刺すことなく、又は周囲の組織を損傷することなく、カニューレ50(又は他のタイプの経皮貫通)を通って体腔内に顎部122、124を導入できる。
【0036】
図3A、図3B、図4にはツイストロック機構が示されており、これは外科手術用具14をマニピュレーターアセンブリ2に開放可能に接続し、内視鏡外科手術処置の間、異なる用具を素早く交換できるようになっている。図3Aに示されているように、用具サポート70は環状カラー200を含み、これは外科手術用具14のシャフト100を受け入れるための中心穴202を定める。カラー200はさらに軸方向に延在し穴202と連通したスロット204を定め、このスロットは、装着を可能にし且つ用具14のアクチュエーターピン116、132がそれを通ってスライドできるようなサイズにされる(図4参照)。2つのロックスロット206が横断角度(好ましくは90゜)にて環状カラー200内に軸方向延在スロット204まで切り込まれる(ロックスロットのうちの一つだけが図3Aには示されている)。以下で議論するように、ロックスロット206は環状カラー200の中心近くにてスロット204と交差し、穴202の周囲(好ましくは約90゜)に延在し両方の装着ピン116がそれを介して回転できる。
【0037】
図3A、図8に示されているように、用具サポート70はさらに、装着ピン116をロックスロット206内にロックするための手段を含み、それにより、外科手術中に用具が偶然に捻られて用具サポート70から外れることはない。好ましくは、図3Aに示されているように、ロック手段はプランジャ210を有するラッチアセンブリを含み、このプランジャがカラー200の穴212内にスライド可能に配置される。プランジャ210はL型ラッチ213を含み、このL型ラッチは、穴212を通って延在するロッド215により開放ボタン214に連結される。プランジャ210は第1位置と第2位置の間で移動可能である。この第1位置では、ラッチ213はロックスロット206内に配置されて装着ピン116はそれを通して自由に回転でき、上記第2位置では、ラッチ213はロックスロット206の一つ内に少なくとも部分的に配置されて装着ピン116が回転するのを防ぐ。好ましくは、ラッチ213は圧縮バネ216により第2位置、即ちロック位置に置かれる。
【0038】
外科医によるマニュアル操作又はベース6による自動操作のためのボタン214が、サポート70の上面に設けられる。好ましくは、用具ホルダー4がその最も基部の位置に動かされたとき(図1参照)、フレーム16の基部サポート部材17は開放スイッチ214を押し下げてラッチ213を第1位置即ち開放位置に移動させる。この構成により、用具ホルダー4が最も基部の位置にあり用具14のシャフト100が容易にアクセス可能なときにのみ、用具を交換できる。加えて、このことにより、用具の末端がカニューレ50に貫通して体腔内にあるとき用具が偶然に開放されることが防げる。
【0039】
交差する軸方向スロット及びロックスロット204、206は、外科手術用具14の装着ピン116を用具ホルダー4に開放可能に連結するためのインターフェースを形成する。図4に示されるように、用具14を挿入するために、外科医は装着ピン116を軸方向スロット204に整列させ、装着ピン116がロックスロット206に整列するまで環状カラー200の穴202を通して用具をスライドさせる。それから、用具はロックスロット206を通して十分なだけ(好ましくは約1/4回転)回転され、ピンが軸方向スロット204にもはや整列しないようにする。用具14が末端に移動すると、スイッチ214が開放され(図1)、ラッチ213がロックスロット206内に移動し、装着ピン116が回転し戻り軸方向スロット204に整列することを防ぎ、用具14が用具サポート70に固定される。一つの装着ピンを上記構成と共に用いて外科手術用具をサポートにロックできることに留意すべきである。しかしながら、2つの対向ピンが好ましい。というのは、この構成によりロックスロット206の内面に作用する捩り力が減じられるからである。
【0040】
好ましくは、図8に示されているように、ロック手段はカラー200内に配置されたボール止め金217を含む。ボール止め金217はバネ218によりロックスロット206の一つ内上方に置かれる。ボール止め金217は、軸方向スロット204に整列した位置から約90゜回転した位置に装着ピン116を一時的に捕獲する働きをする。このことにより、用具14が用具ホルダー内にツイストされた際、装着ピンが完全に回転されて適切な位置におかれる(即ちラッチ213から離れる)。さもなければ、スイッチ214が開放された際、ラッチ213が装着ピン216と係合してラッチがロック位置に完全に移動することが出来なくなり、それにより外科手術の間に用具14が偶然外れる可能性が生じてしまう。
【0041】
図3B、図4、図5に示されているように、用具ホルダー4のアクチュエータードライバー80はさらに、用具14のアクチュエーターピン132を開放可能に保持し移動させるためのアクチュエーターピンキャッチ220を含む。アクチュエーターピンキャッチ220は用具サポート70と同様に構成され(図3A)、環状カラー222を含み、この環状カラーは、シャフト100を受け入れる穴224及びアクチュエーターピン132を受け入れる軸方向延在スロット226を定める。装着ピンに関して上記議論したように、ロックスロット228は90゜の角度にてアクチュエーターピンキャッチ220内に切り込まれ、アクチュエーターピンはロックスロット内に回転できアクチュエーターピン132をアクチュエータードライバー66に連結する。アクチュエーターピン132は装着ピン116の末端に位置するので(好ましくは用具はまず顎部が挿入される)、スロット226はカラー222を通って完全に延在する必要はない。もちろん、アクチュエーターピン132及び装着ピン116は、もし望めば装着ピンがアクチュエーターピンの末端にくるように逆にできる。
【0042】
図6Aを参照すると、アクチュエーターピンキャッチ220はアクチュエーターキャリッジアセンブリ90内のボールベアリング230に回転可能に取り付けられる。ベアリング230により、ピンキャッチ220は軸方向の相対的な運動を防ぎつつキャリッジアセンブリ90内で自由に回転できる。よって、用具14が第1ドライブ8により回転される際、アクチュエーターピン132はキャリッジアセンブリ90内で回転する。キャリッジアセンブリ90はさらに、一対の内部ローラー236及び一対の外部ローラー238を回転可能に支持するための2組の心棒232を含む。図1に示されているように、外部ローラー238はシャシー60の軸方向ガイドスロット82内にスライド可能に配置され、キャリッジアセンブリ90がシャシー60に対して回転するのを防ぐ。内部及び外部ローラー236、238は螺旋アクチュエーター84及び用具ホルダー4のシャシー60と協働してホルダーに対して軸方向に移動し、それにより、ピンキャッチ220及びアクチュエーターピン132をそれらと共に用具14のシャフト100に対して軸方向に移動させる(上述のようにこのシャフトは顎部122、124を作動させる)。
【0043】
図6Bに示されているように、螺旋アクチュエーター84は、キャリッジアセンブリ90及び外科手術用具14を受け入れる中心穴240と、2つの対向螺旋溝242、244を含み、これらの溝の各々は螺旋アクチュエーター84の周囲に延在し(好ましくは180゜より僅かに小さく)て図5に示されるようにキャリッジアセンブリ90の内部ローラー236を受け入れる。シャシー60の軸方向ガイドスロット82内に拘束された外部ローラー238により、螺旋アクチュエーター84が回転することでキャリッジアセンブリ90(及びアクチュエーターピンキャッチ220)が回転の感度に依存して上下に移動する。螺旋アクチュエーター84の対称的な設計ゆえに、第2ドライバー10により作用する作動力は用具14の如何なる効果的な側面負荷も発生させず、このことにより、軸方向(第3ドライバー12)及び回転(第1ドライバー)のような他の自由度との摩擦連結が避けられる。好適実施態様では、螺旋溝242、244のピッチは、機構が容易に後方駆動できるように設定され、位置サーボ遠隔操作システムにおいて掴み力を感知することが可能となる。
【0044】
図3A、図3Bに示されるように、用具ホルダー4はさらに、用具サポート70に固定された一対の軸方向ガイドピン250、252を含む。アクチュエーターピンキャッチ220は、ガイドピン250、252を受け入れる一対の開口254、256を有する。ガイドピン250、252は、ピンキャッチ220とサポート70の間での相対的な回転を防ぎ(その結果、アクチュエーター及び装着ピン116、132は両方とも用具と共に回転できる)、そして互いに相対的な軸方向の運動を可能にする(その結果、エンドエフェクター120はアクチュエーターピン132の軸方向移動により作動され得る)。
【0045】
図9はリモート中心位置決め器300の立面図であり、これは患者の上でマニピュレーターアセンブリ2を支持するのに用いることができる(サポートマニピュレーター2は図8には示されていないことに留意)。リモート中心位置決め器300はマニピュレーターアセンブリ2に対して2自由度を与え、入り口切り口に一致する地点308の回りに回転するよう拘束する。好ましくは、地点308はカニューレ50内のベアリング54のほぼ中心となる(図1)。リモート中心位置決め器300の更に完全な説明は、一般譲渡された同時係属出願第08/062,404号、1993年5月14日提出、「リモート中心位置決め器」に記載されており、参考のためここに添付する。
【0046】
第1リンク手段は参照番号321により一般的に示され、平行四辺形の形式の第2リンクは参照番号323により示される。第1リンク手段はベースプレート上に旋回自在に装着されてx−x軸の回りを回転する。第2リンク手段は第1リンク手段に旋回自在に接続され、第1リンクと平行な面内を移動するよう適合される。5つのリンク部材(その延長部を含む)311、312、313、314、315は、ピボット継ぎ手316−320と共に接続される。エレメント313の一部は平行四辺形リンクのピボット320を越えて延在する。平行四辺形リンクは、リンク部材313において操作エンドを有し、リンク部材312において駆動エンドを有する。後に望まれるように、延長されたエレメント313は、外科手術用具、又はマニピュレーターアセンブリ2のサポートブラケット24のような他の装置を支持できる。ピボット継ぎ手により、リンク部材を含む平面内でのみリンク部材の相対的な運動が可能となる。
【0047】
平行四辺形リンクは、対応するリンク部材314、315及びリンク部材312、313により形成される。平行四辺形のリンク部材314、315の部分は、平行四辺形の部材312、313の部分と同じ長さである。これらの部材は平行四辺形内で共に接続され、それらの部材により形成される平面内でのみ相対的な運動を行う。参照番号322により一般に示された回転自在継ぎ手は、適当なベース324に接続される。回転自在継ぎ手322は、ベースサポート手段324に固定装着するのに適応したベースプレート326上に取り付けられる。ピボットプレート328は、例えばピボット330、332において適当な手段によりベースプレート326に旋回自在に取り付けられる。よって、ピボットプレート328は所望の角度θ2だけ軸x−xの回りを回転できる。これは、マニュアルまたは適当なピボットドライブモーター334により行うことができる。
【0048】
第1リンクは、回転自在継ぎ手322のピボットプレート328上に旋回自在に取り付けられる。リンクエレメント311、312及びリンク部材は相対的に固くて曲がらず、そのため外科手術で用いられる用具を適切に支持できる。アルミニウムや他の金属製のロッドはそのようなリンクとして有効である。リンクエレメント311、312はベースプレート328上に旋回自在に取り付けられ、ピボット336、338により回転自在継ぎ手に対して回転する。少なくとも一つのピボット336、338が、回転のその軸がx−x軸に垂直となり且つx−x軸と交差するように、位置決めされる。移動はマニュアルでも行えるし、リンクドライブモーター340を用いても行える。第1リンクもまた、リンクエレメント311、312、ピボット316、318によりそれらに接続されたリンク部材315の部分、及びベースプレート328により形成された平行四辺形の形式の形状とされる。よって、リンク部材315の一つは、第1及び第2リンク手段321、323の両方において使用される。リンクエレメント312はまた、第1及び第2リンク手段321、323の両方の共通リンクを形成する。本発明に従い、リンクエレメント311が回転する際、及び/又はピボットプレート328が軸x−xの回りを回転する際、上記実施態様の装置により球回転のリモート中心308が与えられる。よって、エレメント313のエンドは所望の角度θ1及びθ2だけ移動でき、またはそれ自身の軸の回りに回転できる一方、回転のリモート中心は同じ配置のままである。
【0049】
図9には、リモート中心位置決め器300のベースに取り付けられたクリノメーター350も示されている。リモート中心位置決め器は、実行される特定の外科手術に依存して、垂直に対して任意の方向に取り付けることができ、クリノメーター350はこの方向を測定するのに用いることができる。測定された方向は、遠隔操縦ロボットシステムを制御するのに必要なサーボ制御信号を計算して実行するのに用いることができ、外科医がシステム機構に作用する重力を感じないようにする。
【0050】
本発明の精神を逸脱することなく他の人により改変及び変更は為し得る。例えば、本発明は内視鏡外科手術に制限されないことを理解すべきである。実際、遠隔操縦ロボット制御機構に従った用具ホルダー4は特にオープン外科手術処置の間有効であり、異なる部屋又は完全に違う病院のような遠隔場所から外科医が手術するのを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】米国特許出願第08/823,932号
【特許文献2】米国特許出願第08/062,404号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部エンド、末端エンド、該基部エンドと末端エンドの間の長手方向中心線、及び該末端エンドに連結するエンドエフェクターを備えた長尺部材を有する用具を含むと共に、二つ以上の係合可能なドライブ連結用エレメントを備えた用具ホルダーを含む、前記用具の支持用外科手術用具アセンブリであって、前記外科手術用具の少なくとも末端エンド及びエンドエフェクターは消毒可能であり、患者の経皮切り口を通して患者の身体又は体内の目標部位に挿入できるように構成された前記外科手術用具アセンブリと、
前記用具ホルダー及びこれと一緒に前記外科手術用具を操作するためのアクチュエータードライブであって、
少なくとも二つの動作作動を前記アクチュエータードライブから前記用具に伝達するため、前記用具アセンブリの用具ホルダーの係合可能なドライブ連結用エレメントに取り外し可能に連結するように構成された該アクチュエータードライブを含むマニピュレーターアセンブリと、
を含む外科手術システム。
【請求項2】
前記エンドエフェクターが作動可能な手首部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が、前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、前記手首部材を旋回させることを含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項3】
前記エンドエフェクターが手首軸を有する作動可能な手首部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、手首軸を中心として前記手首部材を回転させることを含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項4】
前記エンドエフェクターが消毒可能な屈曲性部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記用具アセンブリが該屈曲性部材を前記マニピュレーターアセンブリのアクチュエータードライブに開放可能に連結する少なくとも一つの制御エレメントをさらに含み、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、前記屈曲性部材を操縦することを含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項5】
前記エンドエフェクターが移動自在に作動でき、前記動作作動が前記長尺部材の長手方向中心線を中心とした前記用具の回転、及び前記エンドエフェクターの作動を含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項6】
前記ドライブアセンブリが、前記用具を用具中心線の回りに回転させるための第1制御可能モーター、前記エンドエフェクターを前記用具上で作動させるための第2制御可能モーター、及び前記用具アセンブリを軸方向に変換するための第3制御可能モーターを含み、前記用具ホルダーは動作作動を前記第3モーターから用具アセンブリに伝達するための第3リンクを含む請求項5記載の外科手術システム。
【請求項7】
前記用具ホルダーが電気信号をマニピュレーターアセンブリから用具アセンブリに、及び/又は用具アセンブリからマニピュレーターアセンブリに伝達するための一つ以上の電気的貫通接続をさらに含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項8】
前記外科手術用具アセンブリから遠く離れて配置された入力制御装置と、前記用具ホルダー及び入力制御装置に連結され、前記外科手術用具を該入力制御装置で遠隔制御するためのサーボ機構とをさらに含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項9】
内視鏡処置中、異なる外科手術用具が使用できるように、前記マニピュレーターアセンブリに連続的に連結可能な複数の異なる外科手術用具をさらに含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項10】
基部エンド、末端エンド、該基部エンドと末端エンドの間の長手方向中心線、該末端エンドに連結するエンドエフェクター及び装着インターフェースを備えた長尺部材を含む外科手術用具であって、該外科手術用具の少なくとも一部は消毒可能である前記外科手術用具と、第1及び第2エンドを備えたサポート本体を含む用具ホルダーであって、該用具ホルダーは前記用具と開放可能に係合し、且つ該用具ホルダーの少なくとも一部は消毒可能である前記用具ホルダーと、前記用具ホルダー及び用具に連結可能なドライブアセンブリであって、該ドライブアセンブリは少なくとも二つの動作作動をドライブアセンブリから前記用具に伝達するための複数のアクチュエーターエレメントを含む前記ドライブアセンブリと、を含むと共に、前記外科手術用具アセンブリの少なくとも末端部分は患者の経皮切り口を通して患者の体内の目標部位に挿入できるように構成された外科手術システム。
【請求項11】
前記エンドエフェクターが前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、手首部材を旋回させることを含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項12】
前記エンドエフェクターが手首軸を有する作動可能な手首部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、手首軸を中心として前記手首部材を回転させることを含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項13】
前記エンドエフェクターが消毒可能な屈曲性部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記用具アセンブリが該屈曲性部材を前記マニピュレーターアセンブリのアクチュエータードライブに開放可能に連結する少なくとも一つの制御エレメントをさらに含み、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、前記屈曲性部材を操縦することを含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項14】
前記少なくとも一つの制御エレメントが複数のケーブルを含む請求項13記載の外科手術システム。
【請求項15】
前記エンドエフェクターが移動自在に作動でき、前記動作作動が前記長尺部材の長手方向中心線を中心とした前記用具の回転及び前記エンドエフェクターの作動を含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項16】
前記ドライブアセンブリが、前記用具を用具中心線の回りに回転させるための第1制御可能モーター、前記エンドエフェクターを前記用具上で作動させるための第2制御可能モーター、及び前記用具アセンブリを軸方向に変換するための第3制御可能モーターを含み、前記用具ホルダーは動作作動を前記第3モーターから用具アセンブリに伝達するための第3リンクを含む請求項15記載の外科手術システム。
【請求項17】
前記用具ホルダーが電気信号をマニピュレーターアセンブリから用具アセンブリに、及び/又は用具アセンブリからマニピュレーターアセンブリに伝達するための一つ以上の電気的貫通接続をさらに含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項18】
前記外科手術用具アセンブリから遠く離れて配置された入力制御装置と、前記用具ホルダー及び入力制御装置に連結され、前記外科手術用具を該入力制御装置で遠隔制御するためのサーボ機構とをさらに含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項19】
内視鏡処置中、異なる外科手術用具が使用できるように、前記マニピュレーターアセンブリに連続的に連結可能な複数の異なる外科手術用具をさらに含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項1】
基部エンド、末端エンド、該基部エンドと末端エンドの間の長手方向中心線、及び該末端エンドに連結するエンドエフェクターを備えた長尺部材を有する用具を含むと共に、二つ以上の係合可能なドライブ連結用エレメントを備えた用具ホルダーを含む、前記用具の支持用外科手術用具アセンブリであって、前記外科手術用具の少なくとも末端エンド及びエンドエフェクターは消毒可能であり、患者の経皮切り口を通して患者の身体又は体内の目標部位に挿入できるように構成された前記外科手術用具アセンブリと、
前記用具ホルダー及びこれと一緒に前記外科手術用具を操作するためのアクチュエータードライブであって、
少なくとも二つの動作作動を前記アクチュエータードライブから前記用具に伝達するため、前記用具アセンブリの用具ホルダーの係合可能なドライブ連結用エレメントに取り外し可能に連結するように構成された該アクチュエータードライブを含むマニピュレーターアセンブリと、
を含む外科手術システム。
【請求項2】
前記エンドエフェクターが作動可能な手首部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が、前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、前記手首部材を旋回させることを含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項3】
前記エンドエフェクターが手首軸を有する作動可能な手首部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、手首軸を中心として前記手首部材を回転させることを含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項4】
前記エンドエフェクターが消毒可能な屈曲性部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記用具アセンブリが該屈曲性部材を前記マニピュレーターアセンブリのアクチュエータードライブに開放可能に連結する少なくとも一つの制御エレメントをさらに含み、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、前記屈曲性部材を操縦することを含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項5】
前記エンドエフェクターが移動自在に作動でき、前記動作作動が前記長尺部材の長手方向中心線を中心とした前記用具の回転、及び前記エンドエフェクターの作動を含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項6】
前記ドライブアセンブリが、前記用具を用具中心線の回りに回転させるための第1制御可能モーター、前記エンドエフェクターを前記用具上で作動させるための第2制御可能モーター、及び前記用具アセンブリを軸方向に変換するための第3制御可能モーターを含み、前記用具ホルダーは動作作動を前記第3モーターから用具アセンブリに伝達するための第3リンクを含む請求項5記載の外科手術システム。
【請求項7】
前記用具ホルダーが電気信号をマニピュレーターアセンブリから用具アセンブリに、及び/又は用具アセンブリからマニピュレーターアセンブリに伝達するための一つ以上の電気的貫通接続をさらに含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項8】
前記外科手術用具アセンブリから遠く離れて配置された入力制御装置と、前記用具ホルダー及び入力制御装置に連結され、前記外科手術用具を該入力制御装置で遠隔制御するためのサーボ機構とをさらに含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項9】
内視鏡処置中、異なる外科手術用具が使用できるように、前記マニピュレーターアセンブリに連続的に連結可能な複数の異なる外科手術用具をさらに含む請求項1記載の外科手術システム。
【請求項10】
基部エンド、末端エンド、該基部エンドと末端エンドの間の長手方向中心線、該末端エンドに連結するエンドエフェクター及び装着インターフェースを備えた長尺部材を含む外科手術用具であって、該外科手術用具の少なくとも一部は消毒可能である前記外科手術用具と、第1及び第2エンドを備えたサポート本体を含む用具ホルダーであって、該用具ホルダーは前記用具と開放可能に係合し、且つ該用具ホルダーの少なくとも一部は消毒可能である前記用具ホルダーと、前記用具ホルダー及び用具に連結可能なドライブアセンブリであって、該ドライブアセンブリは少なくとも二つの動作作動をドライブアセンブリから前記用具に伝達するための複数のアクチュエーターエレメントを含む前記ドライブアセンブリと、を含むと共に、前記外科手術用具アセンブリの少なくとも末端部分は患者の経皮切り口を通して患者の体内の目標部位に挿入できるように構成された外科手術システム。
【請求項11】
前記エンドエフェクターが前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、手首部材を旋回させることを含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項12】
前記エンドエフェクターが手首軸を有する作動可能な手首部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、手首軸を中心として前記手首部材を回転させることを含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項13】
前記エンドエフェクターが消毒可能な屈曲性部材により前記用具の長尺部材の末端エンドに連結され、前記用具アセンブリが該屈曲性部材を前記マニピュレーターアセンブリのアクチュエータードライブに開放可能に連結する少なくとも一つの制御エレメントをさらに含み、前記少なくとも二つの動作作動が前記長尺部材に対して少なくとも一自由度のエンドエフェクターを与えるため、前記屈曲性部材を操縦することを含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項14】
前記少なくとも一つの制御エレメントが複数のケーブルを含む請求項13記載の外科手術システム。
【請求項15】
前記エンドエフェクターが移動自在に作動でき、前記動作作動が前記長尺部材の長手方向中心線を中心とした前記用具の回転及び前記エンドエフェクターの作動を含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項16】
前記ドライブアセンブリが、前記用具を用具中心線の回りに回転させるための第1制御可能モーター、前記エンドエフェクターを前記用具上で作動させるための第2制御可能モーター、及び前記用具アセンブリを軸方向に変換するための第3制御可能モーターを含み、前記用具ホルダーは動作作動を前記第3モーターから用具アセンブリに伝達するための第3リンクを含む請求項15記載の外科手術システム。
【請求項17】
前記用具ホルダーが電気信号をマニピュレーターアセンブリから用具アセンブリに、及び/又は用具アセンブリからマニピュレーターアセンブリに伝達するための一つ以上の電気的貫通接続をさらに含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項18】
前記外科手術用具アセンブリから遠く離れて配置された入力制御装置と、前記用具ホルダー及び入力制御装置に連結され、前記外科手術用具を該入力制御装置で遠隔制御するためのサーボ機構とをさらに含む請求項10記載の外科手術システム。
【請求項19】
内視鏡処置中、異なる外科手術用具が使用できるように、前記マニピュレーターアセンブリに連続的に連結可能な複数の異なる外科手術用具をさらに含む請求項10記載の外科手術システム。
【図1】
【図1A】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−99556(P2013−99556A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−2463(P2013−2463)
【出願日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【分割の表示】特願2010−173758(P2010−173758)の分割
【原出願日】平成8年6月5日(1996.6.5)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【分割の表示】特願2010−173758(P2010−173758)の分割
【原出願日】平成8年6月5日(1996.6.5)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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