説明

遠隔装置の遠隔管理方法および対応するビデオ装置

【課題】遠隔地の遠隔管理サーバが少なくとも1つの遠隔装置を管理できるようにする遠隔管理方法において、簡略で信頼性の高い管理を行う。
【解決手段】方法は、装置23からのビデオストリームの受信に関連する統計データであって、装置23に引き起こされる、コンテンツデリバリにおいて発生する問題の性質の検出を可能にする統計データの受信ステップ、装置23のリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)転送ジッタ除去関連パラメータまたはビデオジッタ除去関連パラメータのコンフィギュレーションを要求するCWMPコマンドの送出ステップ、装置23からの統計データの検索を要求するCWMPコマンドの送出ステップであって、該統計データにより、上記コンフィギュレーションによって上記問題を解決したかをチェックすることが可能になる、ステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビジョンの分野に関し、より正確には、ビデオ装置(例えば、セットトップボックス(すなわちSTB))の遠隔管理に関する。
【背景技術】
【0002】
CWMPとも呼ばれるCPE(すなわち顧客宅内機器(Customer Premises Equipment))WAN(すなわち広域ネットワーク(Wide Area Network))遠隔管理プロトコルは、TR−069と呼ばれるDSL(すなわちデータ加入者線(Data Subscriber Line))フォーラム技術報告書で定義される。TR−069(例えば、非特許文献1参照)は、遠隔管理プロトコルスタックおよびインターネットゲートウェイ装置(基本的にはDSLモデム)用のデータモデルを定義する。TR 106(以前はWT106:TR−069に準拠のジェネリックデータモデル)(あらゆる種類の装置に対するデータモデルにまで及び、装置に対して一般的なあらゆるものを収集する)は、ジェネリックデータモデルを開示する。TR111(以前はWT111:経路指定されたIGD(DSLモデム)を介してLAN装置の遠隔管理を実行するのに必要となる機構)は、家庭ゲートウェイの背後の家庭内装置を遠隔サーバから管理するための2つの機構を開示する。
【0003】
TR−069に準拠した、STB向けの遠隔管理の規格は存在しない。STBのどんな遠隔管理も、現在は、所有権を有するソリューションに基づき、基本的にはSNMP(すなわち「簡易ネットワーク管理プロトコル(Simple Network Management Protocol)」)に基づくが、SNMPは、十分に信頼性が高く柔軟性を有するわけではない(SNMPは、UDPを介するメッセージ交換を使用している)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"CPE WAN Management Protocol", DSL Forum Technical Report, published on May 2004
【非特許文献2】TR106 DSL Forum Technical Report (entitled "Home Network Data Model Template for TR-069-Enabled Devices")
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術のこれら不利な点を軽減することである。
【0006】
より正確には、本発明の目的は、管理の実装形態が簡略でありながら、ビデオ装置の管理の信頼性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、遠隔地の遠隔管理サーバが、少なくとも1つの遠隔装置を管理することができるようにする遠隔管理方法を提供する。簡略で信頼性の高い管理を行うために、この方法は、トランスポート層および/またはジッタ除去層(dejittering layers)のコンフィギュレーションを要求するCWMPコマンドの送出ステップを含む。
【0008】
有利な特徴によれば、コンフィギュレーションは、少なくとも1つの遠隔装置におけるRTPおよび/またはビデオストリームのジッタ除去のイネーブルまたはディスエーブルを含む。
【0009】
有利には、コンフィギュレーションは、少なくとも1つのビデオ装置内の少なくとも1つのバッファの初期レベルを含む。1つまたは複数のバッファは、RTPまたはビデオストリーム(例えば、MPEG−TS)のバッファであって良い。
【0010】
特定の特徴によれば、コンフィギュレーションは、少なくとも1つのビデオ装置のクロック復元の設定を含む。
【0011】
他の特徴によれば、コンフィギュレーションは、セットトップボックスによってトリガされるジッタ警報(jittering alarm)のコンフィギュレーションを含む。ジッタ警報は、パケットの損失を避けるためのサービスレベルアグリーメント(Service Level Agreement)を示すソフトな警報であって良い。
【0012】
有利な特徴によれば、コンフィギュレーションは、セットトップボックスから発行されるIGMPトラフィックのプライオリティのコンフィギュレーションを含む。この特徴はザッピング時の遅延(zapping delay)に影響を及ぼすことがあり、アップリンク上でのトラフィック負荷が大きい場合に、より効率的なザッピングを行うことが可能になる。
【0013】
特定の特徴によれば、この方法は、統計データを要求するCWMPメッセージの送出ステップを含む。
【0014】
本発明はまた、ビデオ装置を遠隔地の管理サーバによって管理できるようにする遠隔管理方法に関し、簡略で信頼性の高いビデオ装置を可能にするために、この方法は、トランスポート層および/またはジッタ除去層のコンフィギュレーションを要求するCWMPメッセージを受け取るステップを含む。
【0015】
特定の特徴によれば、この方法は、CWMPメッセージによって要求されるコンフィギュレーションステップを含む。
【0016】
本発明はまた、受信されたオーディオ/ビデオのデータを記憶するためのバッファを備えるビデオ装置に関する。遠隔地のサーバにより、容易かつ確実に管理するために、ビデオ装置は、トランスポート層および/またはジッタ除去層のコンフィギュレーションを要求するCWMPメッセージを受け取る手段、およびCWMPメッセージにしたがって装置をコンフィギュレーションするための手段を含む。
【0017】
このビデオ装置は、例えば、セットトップボックスおよび/またはプロキシである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付の図面を参照しながら以下の説明を読むことで、本発明はよりよく理解され、他の特徴および利点が明らかになろう。
【図1】本発明の具体的な一実施形態によるビデオ装置のオブジェクト構造を示す図である。
【図2】図1によるビデオ装置のオブジェクト構造を実装するネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図3】本発明の具体的な実施形態による、図2のネットワークに属するコンフィギュレーションサーバを示す図である。
【図4】本発明の具体的な実施形態による、図2のネットワークに属するビデオ装置を示す図である。
【図5】本発明の具体的な実施形態による、図3のサーバに実装される方法を示す図である。
【図6】本発明の具体的な実施形態による、図4のビデオ装置に実装される方法を示す図である。
【図7】図2のネットワークの各要素間での情報のやり取りの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明によれば、本明細書は、TR−069(2004年5月発行)で定義される機構を使用して、ビデオ装置(例えば、STBすなわちセットトップボックス)のコンフィギュレーションを可能にする遠隔サーバ(例えば、自動コンフィギュレーションサーバ(Auto-Configuration Server)(ACS))による、ビデオ装置(例えば、セットトップボックス(STB)CPE装置)のプロビジョニングのためのデータモデルを定義する。
【0020】
この文書全体を通して、以下の専門用語が使用される。
−ACSすなわち自動コンフィギュレーションサーバ。これは、高度なサービスのために、CPEの自動コンフィギュレーションを担当する、広帯域ネットワーク内の構成部品である。
−CPEすなわち顧客宅内機器。
−パラメータ:読込みおよび/または書込みのためにACSからアクセスできるように作成される、管理可能なCPEパラメータを表す名前と値の対。
−STBすなわちセットトップボックス。この装置は、オーディオビデオデコーダを備え、アナログTVおよび/またはホームシアターに接続されるものである。
【0021】
この文書は、STB CPE、すなわちSTBを使用するCPE、についてのプロビジョニングの対象物に関連する入れもの(container)としてSTB装置を定義する。有利には、装置オブジェクトは、TR106で定義されるデータ階層要求のうちのすべてに従う。TR106との関連で、STBの装置オブジェクトは、トップレベルの特定用途向けオブジェクト(形式的なデータ階層定義で定義されるアプリケーションオブジェクト)である。したがって、個々のCPE装置は、WT106で定義される一般的なデータオブジェクトとともに、それらのルートオブジェクト内に1つまたは複数のこれらのオブジェクトを含んでもよい。CPE装置が、他のTR−069非対応のSTB CPEに対して管理プロキシの役割を果たす場合、2つ以上のSTBの装置オブジェクトが存在するならば、本質的に適切である。例えば、インターネットゲートウェイ装置は、1つまたは複数のTR069非対応のSTB(無料放送の(free to air)STBなど)のための管理プロキシの役割を果たすことがある。次いで、ビデオ装置がTR069に準拠していない場合、(ローカルゲートウェイまたは他のビデオ装置内の)ローカルプロキシは、TR069の要求および応答を扱うことができ、ビデオ装置を遠隔サーバにより遠隔操作で管理することができるように、プロトコル変換を管理することができる。
【0022】
図1には、本発明の具体的な一実施形態による装置オブジェクト構造1(装置は、例えばセットトップボックス)が示してある。
【0023】
各STBまたはビデオ装置は、図1による、そのコンフィギュレーションおよびデータを管理することができる。図1に示すように、遠隔サーバは、それが制御することのできる幾つかのまたはすべてのビデオ装置について、(そっくりそのまま、または部分的に)オブジェクト構造を有することができる。
【0024】
ソフトウェアまたはハードウェアに実装することができるオブジェクト構造1は、2つの主要な下部構造機能10およびオーディオ/ビデオプロファイル11を含む。
【0025】
各機能は、MPEG2−Part 2および/またはMPEG4 part 4(両方とも、ビデオ復号化に関係がある)、ならびに/またはMPEG4 part 10(ビデオH264規格に関係がある)、ならびに/またはPVR(すなわち、パーソナルビデオレコーダ)に関係がある。次いで、STBデコーダは、オーディオビデオ(すなわち、AV)規格(H264/MPEG2)を自動的に認識することができ、その規格について遠隔操作でコンフィギュレーションされる必要はない。プロファイルおよびレベルを指定するのに表が使用される。各機能は、プロファイル@レベルのエントリの表として記述される。オーディオフォーマットによっては、どんなビデオフォーマットでも再生できないような制限が存在することもあるので、オーディオは、ビデオデコーダのパラメータとして指定される。しかし、ビデオ規格(MPEG2 Part2またはMPEG4 Part2またはMPEG4 part10)に対して、どんなオーディオ規格も、あらゆるプロファイル(または、プロファイル@レベル)で再生することができるとみなされる。
【0026】
オーディオ/ビデオプロファイル11は、幾つかのタイプの機能、特に以下に関係するデータを含む。
−IGMP(すなわち、「インターネットグループ管理プロトコル」)プロファイルデータ110(IGMPプライオリティを含む)。
−サービスプロバイダ情報111。
−PVRプロファイル112。
−ミドルウェアプロファイル113。
−視聴者統計114。および、
−AV(すなわち、オーディオ/ビデオ)プレーヤのプロファイル115。
【0027】
AVプレーヤのプロファイル115は、以下を含む。
−MPEG2−Part2のプロファイル1150。
−MPEG4−Part2のプロファイル1151。
−MPEG4−part10のプロファイル1152。
−それぞれ、ジッタ除去、統計およびRTCP(すなわち、リアルタイムトランスポートコントロールプロトコル)に関係する各プロファイルを含む、UDP/IP(ユーザデータグラムプロトコルオーバーインターネットプロトコル)のプロファイル1153上に実装されるRTP(すなわち、リアルタイムトランスポートコントロールプロトコル)。および、
−それぞれジッタ除去および統計に関係するプロファイルを含む(MPEG2−TSの場合には、MPEG2−TSストリーム(すなわちIPアドレス)毎にジッタ除去バッファが使用される)、MPEG2−TS(すなわち、Motion Picture Expert Group2−トランスポートストリーム)のプロファイル1154。
【0028】
本発明によれば、これらのプロファイルのうちの幾つか、特にIGMPプロファイル110、視聴者統計プロファイル114、RTPプロファイル1153、およびMPEG2−TSプロファイル1154は、遠隔サーバ(例えば、ACS)により、遠隔操作で管理することができる。
【0029】
図2には、以下を含むネットワークアーキテクチャ2が示してある。
−少なくとも1つのコンフィギュレーションサーバ(例えば、ACS)20。
−基幹ネットワーク21(例えば、広域ネットワーク(例えば、ADSL(非対称デジタル加入者線)ネットワーク))。
−各々ゲートウェイ22に関連する1つまたは好ましくは幾つかのビデオ装置23(例えば、セットトップボックス)(ビデオ装置23および関連するゲートウェイ22は、TR−069に定義されるように、インターネットゲートウェイ装置の一部分として埋め込まれるか、または独立型の装置である。すなわち装置23およびゲートウェイ22は、1つまたは2つの別個の装置内に作製することができる)(本発明の一変形形態として、ビデオ装置23がTR069に準拠していない場合は、専用のプロキシをゲートウェイ22と装置23の間に挿入することができる)。
【0030】
ビデオ装置23およびコンフィギュレーションサーバは、ゲートウェイ22および基幹ネットワーク21を介して通信している。ビデオ装置23は、図1によるビデオ装置のオブジェクト構造を実装している。
【0031】
図3には、コンフィギュレーションサーバ20が概略的に示してある。サーバ21は以下を含む。
−マイクロプロセッサ30(すなわち、CPU)。
−不揮発性メモリタイプのROM(読取り専用メモリ)(またはハードディスク)31。
−ランダムアクセスメモリすなわちRAM32。および、
−ユーザまたは制御マシンとの通信を可能にするアプリケーションインターフェース35。
−基幹ネットワーク21を介する、ビデオ装置23とのデータフレームまたは制御フレーム(通常は、CWPMフレーム)の交換(送出および/または受取り)を可能にするネットワークインターフェース34。
−要素30を、32、34および35にリンクするデータおよびアドレスのバス33。
【0032】
要素30から35の各々は、当業者にはよく知られている。本明細書で使用される《レジスタ(Register)》という用語は、RAM320またはROM310において、小さいサイズのメモリ領域(幾つかの2進データ)または大きいメモリ領域(例えば、プログラムまたはオーディオ/ビデオのデータ)に対応することができる。
【0033】
ROM31は、プログラム310を含む。図4の方法を実施するアルゴリズムは、方法の各ステップを実施するサーバ20に関連するROM 61内に記憶される。電源投入時に、CPU30は、プログラム310をRAM32にダウンロードし、その命令を実行する。
【0034】
RAM32は、特に以下のものを含む。
−レジスタ320における、サーバ20の電源投入時にダウンロードされる、CPU30が使用するプログラム。
−レジスタ321内の様々な状況(例えば、1つまたは幾つかのビデオ装置23に関係する視聴者統計)。および、
−レジスタ322内の様々なコンフィギュレーションデータ(例えば、1つまたは幾つかのビデオ装置23に関係するプロファイル110、1153および1154の統計量)。
【0035】
図4には、ビデオ装置23が概略的に示してある。ビデオ装置23は以下のものを含む。
−マイクロプロセッサ40(すなわち、CPU)。
−不揮発性メモリタイプのROM(または、ハードディスク)41。
−RAM42。および、
−ユーザ、ディスプレイ、ならびに/またはオーディオ/ビデオの復号化、記録および/または再生用の装置との通信を可能にするアプリケーションインターフェース45。
−基幹ネットワーク21、およびビデオ装置と関連するゲートウェイ20を介する、コンフィギュレーションサーバ20とのデータフレームまたは制御フレーム(通常は、CWPMフレーム)の交換(送出および/または受取り)を可能にするネットワークインターフェース44。
−要素40を、42、44および45にリンクするデータおよびアドレスのバス43。
【0036】
要素40から45の各々は、当業者にはよく知られている。
【0037】
ROM41は、プログラム410を含む。図5の方法を実施するアルゴリズムは、方法の各ステップを実施する装置23に関連するROM41内に記憶される。電源投入時に、CPU40は、プログラム410をRAM42にダウンロードし、その命令を実行する。
【0038】
RAM42は、特に以下のものを含む。
−レジスタ420における、装置23の電源投入時にダウンロードされる、CPU40が使用するプログラム。
−レジスタ421内の様々な状況(例えば、装置23が受け取るオーディオ/ビデオのデータに関係する視聴者統計)。および、
−レジスタ422内の様々なコンフィギュレーションデータ(例えば、装置23に関係するプロファイル110、1153および1154)。
−(インターフェース45を介して)アプリケーションに転送する前に、遠隔地のビデオサーバまたは放送から受け取るオーディオ/ビデオのデータを記憶する、オーディオ/ビデオのデータバッファ423。および、
−送出すべきRTPフレーム、およびRTP受信フレームを記憶するRTPバッファ424(RTPが使用される場合、追加のジッタ除去バッファ424を使用することができる)。
【0039】
図5は、本発明の具体的な各実施形態によるコンフィギュレーションサーバ20において実装される方法を開示する。
【0040】
この方法は、リセットのステップ50から始まり、サーバ20自体の様々なコンフィギュレーションデータが初期化される(例えば、装置23のIPアドレス、それらのプロファイル、オーディオ/ビデオの放送業者、ユーザおよび/または制御マシンに関係するコンフィギュレーションデータ)。
【0041】
次いで、ステップ51で、サーバ20は待機し、アプリケーションインターフェース35を介して、ユーザまたは制御マシンからコマンドを受け取る。
【0042】
次いで、ステップ52で、サーバ20は、ステップ51で受け取ったコマンドに従ったCWMP要求を作成し、(そのコマンドに従って)それを1つまたは幾つかのビデオ装置23に送る。
【0043】
次いで、ステップ53で、サーバ20は待機し、ステップ52で送られたCWMP要求の宛先の各々からの応答を受け取る。一変形形態として、ステップ52でタイムアウトを設定することができ、サーバは、予想されるすべての答を受け取るまで、またはタイムアウトの満了時点まで応答を待つ。
【0044】
次いで、ステップ54で、サーバは、ステップ51でコマンドを送るユーザまたは制御マシンに、例えば表示装置についての状況を送る。最後に、ステップ51は反復される。
【0045】
本発明によれば、ステップ51で、サーバは、幾つかのコマンド、特に以下のコマンドを受け取ることができる。
−ビデオ装置のバッファ、例えば、RTPバッファ424またはオーディオ−ビデオバッファ423(通常はMPEG−TSバッファ)におけるジッタ除去のコンフィギュレーション。このコンフィギュレーションは、特定のコンフィギュレーションをイネーブルまたはディスエーブルにし、かつ/または最小閾値(または、空にし始める前のこれらバッファの初期レベル)を定義し、かつ/またはこれらバッファの最小および/または最大のサイズを定義する。
−セットトップボックスのクロック復元機構のコンフィギュレーション(機構およびバッファの初期レベルは、一貫していなければならない)。
−セットトップボックスによってトリガされるジッタ警報(パケットの損失を避けるためにサービスレベルの合意を表示するソフトな警報)のコンフィギュレーション。
−ザッピング時の遅延に影響を及ぼし、アップリンク上に輻輳がある場合に、その遅延をより効率的にすることができる、セットトップボックスによって発行されるIGMPトラフィックのプライオリティのコンフィギュレーション。および、
−ビデオ装置の使用、または引渡し問題の推定原因の識別に関連する視聴者統計などのデータの遠隔検索。
【0046】
CWMP要求は、以下のように、TR−069で定義される標準のコマンドの構造に従っている。
−ステップ51のコマンドに従って、1つまたは幾つかのビデオ装置にコンフィギュレーション要求を送るための、TR−069のセクションA.3.2.1の表9で定義されるSetParameterValuesに基づく要求。
−ビデオ装置の使用または引渡し問題の推定原因の識別に関連する視聴者統計などのデータを検索するために、1つまたは幾つかのビデオ装置に要求を送るための、TR−069のセクションA.3.2.5の表20で定義されるGetParameterAttributesに基づく要求。
【0047】
ステップ53に関係する対応するCWMP応答は、以下のように、TR−069で定義される標準応答の構造に従う。
−1つまたは幾つかのビデオ装置からのコンフィギュレーション要求の状況を検索するための、TR−069のセクションA.3.2.1の表10で定義されるSetParameterValuesResponseに基づく応答。
−ビデオ装置の使用または引渡し問題の推定原因の識別に関連する視聴者統計などのデータを検索するための、TR−069のセクションA.3.2.5の表21で定義されるGetParameterAttributesResponseの引き数に基づく応答。
【0048】
各コマンドおよび/または応答について、具体的なタイプの情報およびフォーマットが表1に示してある。この説明の終わりに、完全なデータモデルが、表1にリストしてある。上記リストに記載されたコマンドに関係するデータモデルの主たるオブジェクトを、以下に詳細に述べる。
【0049】
ステップ51で、RTPバッファのジッタ除去のコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドにより、RTPバッファ424のジッタ除去をイネーブルまたはディスエーブルにするためのブーリアンセット(boolean set)とともに、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer.{i}.RTP.DejitteringEnable(RTPを介して送られるAVストリームに関係するAVプロファイルパラメータを表すSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer.{i}.RTP.)を含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
【0050】
ステップ51で、オーディオ/ビデオバッファのジッタ除去のコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドにより、オーディオ/ビデオバッファ423のジッタ除去をイネーブルまたはディスエーブルするためのブーリアンセットとともに、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer.{i}.MPEG−TS.DejitteringEnableを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。定義されたオブジェクトでは、{i}は、ビデオ装置でとり得る1つのインスタンスを指す(幾つかのインスタンスが使用されている場合)。一般に、オブジェクト.{i}は、オブジェクトで幾つかのインスタンスをとり得ることを示すのに使用される。
【0051】
本発明によれば、MPEG2 TSカプセル化およびRTPカプセル化を別々に管理することが可能である(MPEG2TSのみ、またMPEG2TSオーバーRTPの両方を可能にする)。具体的には、MPEG2TSだけのモード、およびMPEG2TSオーバーRTPに対して、MPEG2TS部分を複製しないことは有利である。これにより、遠隔管理サーバ(アクセスおよび制御のサーバとしてのACS)から、トランスポート層、すなわちMPEG2TSだけ、またはMPEG2TSオーバーRTPを選択することができる。
【0052】
本発明によれば、MPEG2TSまたはMPEG2−TSオーバーRTPは、アクティブにされ、またはされないことがある。次いで、オペレータまたはビデオ放送業者は、ビデオ装置における完全なトランスポート層のスタックをダウンロードすることなしに、RTPのトランスポートスタックをアクティブにすることができる(RTPタイムスタンプの処理を含むRTPジッタ除去のアクティブ化または非アクティブ化)。この場合、この操作は、実施するのに簡略であり安価である。
【0053】
本発明によれば、やはりザッピング時間に直接影響を与える初期のジッタ除去バッファレベル(例えば、RTPジッタ除去および/またはMPEG2−TSジッタ除去)を変更することも可能である。ビデオレンダリングを開始するとき、セットトップボックスは、ビデオの復号化を開始する前に、所与のレベルのRTPまたはビデオストリーム(MPEG2−TS)のバッファ充てんを待つ。このパラメータを変更できるようにすることにより、パラメータに依存するザッピング時間を最適化することが可能である。初期のジッタ除去のバッファレベルは、ネットワークのジッタ(パケット遅延のばらつき)に依存し、バッファが空になるのを防止するのに使用される。有利には、このパラメータは、パケット遅延のばらつきに応じて、遠隔操作で変更することができる。
【0054】
ステップ51で、オーディオ/ビデオバッファの初期サイズのコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、再生を開始できるようになる前にバッファ423に存在するバイト数の値に数を設定して、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Dejittering.BufferInitialLevel(MPEG2−TSトランスポートを使用するAVストリームのジッタ除去に関係するAVプロファイルパラメータを表すSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Dejittering)を含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。この値は、パケット遅延のばらつきに依存し、ザッピング時の遅延に影響を及ぼすことが好ましい。最新技術によれば、初期サイズは固定される。
【0055】
本発明によれば、(場合によっては、ジッタ除去レベルと同時に)初期バッファサイズを変更することも可能である。
【0056】
ステップ51で、オーディオ/ビデオバッファのサイズのコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、数(MPEG2 TSジッタ除去バッファサイズのバイト数)をバッファ423のサイズの値に設定して、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Dejittering.BufferSizeを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
【0057】
本発明により、ビデオ装置内のデコーダクロック復元機構(最新技術によれば、この機構はデコーダ内に焼き付けられている)を遠隔操作で選択することも可能となる。PCR(すなわち、プログラムクロックリファレンス)クロック制御を使用するかしないかを動的に選択することが可能である。最新技術によれば、古典的方法に対してIPネットワークのジッタが大きすぎるので、デコーダのクロックは自走する(自由(FREE)モード)。次いで、最新技術によれば、デコーダのクロックは、ドリフトすることがあり、バッファは、空になるまたはあふれることがある。最新技術によれば、CBR(定ビットレート)のみを使用して、ビデオを転送することができる。本発明によれば、このモードをPCR_LOCKEDモードに変更することが可能である。PCRクロック復元(PCR_LOCKED)により、より小さい初期バッファレベルを使用すること(および、ザッピング時の遅延を低減させること)が可能になる。これは、VBR(可変ビットレート)にも適用可能である。本発明によれば、コンフィギュレーションサーバは、ビデオ装置のクロックは自走でき、またはPCRからくる情報を考慮に入れることができることを、ビデオ装置に示す。
【0058】
ステップ51で、オーディオ/ビデオバッファの初期サイズのコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、ストリングを「PCR LOCKED」(バッファの読取りを受信されたPCRにロックすることを意味する)または「FREE」(読取りが自走クロックに基づくことを意味する。自由モードが使用されるとき、ビットレートパラメータを使用して、再生クロックを決定する)に設定して、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Dejittering.OperationModeを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
【0059】
本発明によれば、警報の閾値をプログラムする(警報を生成するようにバッファレベルをコンフィギュレーションする)ことも可能であり、これは、SLA(サービスレベルの合意)の違反を検出するのに使用されてもよく、警報閾値を遠隔操作で微調整することを可能にする。
【0060】
ステップ51で、警報の閾値のコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、各整数を、それぞれフローイベント(flow event)を下回るまたは上回るバッファを生成することになるバッファレベルの値(バイト数)に設定して、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Dejittering.BufferAlarmLowLevelおよびSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Dejittering.BufferAlarmHighLevelを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
【0061】
本発明によれば、DSCPまたはアップストリームのIGMPパケットのイーサネット(登録商標)タグを遠隔操作で管理し(そして、それらのプライオリティを変更し)、その結果、ザッピングの性能を変更することも可能である。この選択肢を提供することにより、ボイスオーバーIPのトラフィック、テレビ会議のトラフィック、またはゲームのトラフィックと比較して、ザッピング向けに使用されるIGMPパケットに与えられるプライオリティをオペレータが修正することが可能である。
【0062】
ステップ51で、IGMPプライオリティのコンフィギュレーションに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.IGMP.field(チャネルザッピングのために使用されるときに、IGMPクライアントに特有のオーディオ/ビデオのプロファイルパラメータ)を含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。フィールド(field)は、以下の引き数のうちの1つである。
−出力IGMPパケット向けに使用されるDiffservのコードポイントを表す整数DSCPMark。
−このプロファイルについて、出力IGMPパケット向けに使用される識別子VLAN ID(IEEE802.1Qで定義される)を表す整数VLANIDMark。−1の値は、デフォルト値が使用されることを示す。および、
−このプロファイルについて、出力IGMPパケット向けに使用されるイーサネット(登録商標)のプライオリティコード(IEEE802.1Dで定義される)を表す整数Ethernet(登録商標)PriorityMark。−1の値は、デフォルト値が使用されることを示す。VLANIDMarkまたはEthernet(登録商標)PriorityMarkのどちらかが、ゼロよりも大きい場合、出力フレームにはタグが付けられ、そうでない場合、出力フレームにはタグを付けても付けなくてもよい。
【0063】
本発明によれば、視聴者統計を取るために、ユーザ視聴者(ユーザが視聴しているもの)を記録することも可能である。
【0064】
ステップ51で、視聴者統計に関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、以下の引き数とともに、オブジェクトSTB.Device.{i}.AVProfile.AudienceStats(視聴者測定を記述する表。この表の目的は、ビデオ装置が受信してきているものを記録することである。持続時間は、主画面で受信されているサービスについてのみ記録される。各エントリは、所与のサービスに対応する)を含む要求GetParameterAttributesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
−この表中の各エントリに対する一意な識別子を表す整数EntryID。および、
−TVチャネルを記述するストリングServiceName。
【0065】
ステップ53で、1つまたは複数のビデオ装置は、応答GetParameterAttributesResponseで応答し、STB.Device.{i}.AVProfile.AudienceStatsは、以下のデータのアレイである。
−この表中の各エントリに対する一意な識別子を表す整数EntryID。
−TVチャネルを記述するストリングServiceName。
−このサービスの累積持続時間を秒で記述する、整数Duration。
【0066】
ステップ51で、視聴者統計のリセットに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、オブジェクトSTB.Device.{i}.AVProfile.AudienceStats.Resetを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
【0067】
本発明によれば、損失パケットの数だけでなく、CRCを失敗して受け取るパケットの数を取り出すことも可能である。こうすることにより、コンテンツデリバリにおいて発生する問題の推定原因を識別することが可能になる。ネットワークの輻輳により、パケットを損失することになるが、CRCを失敗して受け取るパケットが多いということは、ADSLリンクの状態が悪い可能性があることを示すことになる。次いで、AVストリームに関係する統計量を取り出すとき、問題の診断、またはすべてが正常動作していることの確認を行うことが可能である。有利には、これは、本発明による前述のコンフィギュレーション要求と一致して実行することができる。より一般的には、本発明は、STBなどのビデオ装置をオープンな方式で管理するための幾つかのツールをサービスプロバイダに提供する。ビデオ装置を管理することにより、ユーザトラブルシューティングが可能になり(ユーザがヘルプデスクに電話するとき、故障の識別を加速する)、故障が以下の原因からくるのかどうか判定する助けとなる。
−ユーザの問題(STBを接続しなかったなど、何か間違ったことをした)。
−装置の問題(装置が故障している)。および/または、
−ネットワークの問題。
【0068】
ステップ51で、MPEG2−TSの統計量に関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Stats(AVストリームのインスタンスについての統計量)を含む要求GetParameterAttributesを、以下の引き数のうちの少なくとも1つとともに、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
−このストリームで受け取るMPEG2 TSパケットの合計数を表す、整数PacketsReceived。
−このストリームで失われたMPEG2 TSパケットの合計数を表す、整数PacketsLost。
−このストリームで受信ジッタバッファがオーバーランした合計回数を表す、整数Overruns。および、
−このストリームで受信ジッタバッファがアンダーランした合計回数を表す、整数Underruns。
【0069】
ステップ53で、1つまたは複数のビデオ装置は、前述の引き数に関連するSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Statsとともに、応答GetParameterAttributesResponseで応答する。
【0070】
ステップ51で、AVストリームの統計量のリセットに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Stats.ResetStatisticsを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。有利には、AVストリームの統計量は、読み取るときにリセットされてもよい。
【0071】
ステップ51で、RTPの統計量に関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.RTP.RTCP.Stats(このオブジェクトは、RTPのストリームのインスタンスについての統計量に関連する)を含む要求GetParameterAttributesを、以下の引き数のうちの少なくとも1つとともに、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。
−このストリームで受け取るRTPパケットの合計数を表す、整数PacketsReceived。
−このストリームで受け取るRTPのペイロードのバイト合計数を表す、整数BytesReceived。
−このストリームで失われたRTPのペイロードのバイト合計数を表す、整数PacketsLost。
−下位8ビットの左側に2進小数点を有する固定小数点数として表される、予想されるパケットの数で除算される損失パケットの合計数を表す、整数FractionLost。複製により損失が負になる場合、FractionLostは0にセットされる。
−トランスポート層のCRCのために破棄されたRTPパケットの合計数を表す、整数CorruptedPackets。PacketLostおよびCorruptedのパケットにより、損失の原因について知ることができる。
−このストリームで受信ジッタバッファがオーバーランした合計回数を表す、整数Overruns。
−このストリームで受信ジッタバッファがアンダーランした合計回数を表す、整数Underruns。
−現在の受信インターアライバルジッタをマイクロ秒で表す、整数ReceiveInterarrivalJitter。これは、RFC3550のセクション6.4で定義されるJ(i)から計算され、単位はマイクロ秒に変換される。および、
−カレントコールの開始からの平均受信インターアライバルジッタをマイクロ秒で表す、整数AverageReceiveInterarrivalJitter。これは、RFC3550のセクション6.4で定義されるD(i,j)の平均として計算され、単位はマイクロ秒に変換される。
【0072】
ステップ53で、1つまたは複数のビデオ装置は、前述の引き数に関連するSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.RTP.RTCP.Statsとともに、応答GetParameterAttributesResponseで応答する。
【0073】
ステップ51で、RTPの統計量のリセットに関係するコマンドを受け取るとき、コンフィギュレーションサーバ20は、ステップ51のコマンドに従って、オブジェクトSTBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.RTP.RTCP.Stats.ResetStatisticsを含む要求SetParameterValuesを、対応する1つまたは複数のビデオ装置23に送る。有利には、RTPの統計量は、読み取るときにリセットされてもよい。
【0074】
図6には、本発明の具体的な各実施形態によるビデオ装置23に実施される方法が開示してある。
【0075】
この方法は、リセットのステップ60から始まり、ビデオ装置自体の様々なコンフィギュレーションデータ(例えば、サーバ20のIPアドレス、そのデフォルトプロファイル、オーディオ/ビデオ放送業者、ユーザ、内部の統計量のリセットに関係するデータ....)が初期化される。
【0076】
次いで、ステップ61で、ビデオ装置23は、サーバ60からのCWMP要求を待ち、受け取る。
【0077】
次いで、テスト62で、装置23は、コマンドが、コンフィギュレーションのセット、すなわち前述のコンフィギュレーションに対して使用されるオブジェクトのうちの1つに関係する要求SetParameterValuesに対応するかどうか検査する。
【0078】
対応する場合、ステップ63で、装置23は、受け取ったコンフィギュレーション要求で使用されるオブジェクトおよび引き数に従って、コンフィギュレーションを設定する。次いで、ステップ64で、装置24は、コンフィギュレーションが完了したことを示す応答をサーバ20に送る。ステップ64の後、ステップ61は反復される。
【0079】
テスト62の後、コマンドがコンフィギュレーションのセットに対応しない場合、テスト65で、装置23は、コマンドが、統計検索、すなわち前述の統計検索(視聴者統計またはAVストリームの統計量)で使用されるオブジェクトのうちの1つに関係する要求GetParameterAttributesに対応するかどうか検査する。
【0080】
対応する場合、ステップ66で、装置23は、受け取った要求で使用されるオブジェクトおよび引き数に従って、要求された統計量を送る。次いで、ステップ67で、装置23は、要求された統計データとともに、応答をサーバ20に送る。ステップ67の後、ステップ61は反復される。
【0081】
対応しない場合、ステップ68で、装置23は、CWMP要求を実行し、ステップ61は反復される。
【0082】
図7には、サーバ20と装置23とユーザまたは制御マシン70との間の情報交換の例が提示してある。
【0083】
ユーザまたはマシン70が送ったコンフィギュレーションコマンド71を受け取ると、サーバ20は、図5のステップ52に示すように、CWMPコマンド72を作成し、ビデオ装置23に送る。
【0084】
次いで、ビデオ装置23は、図5のステップ64に示すように、応答73を作成し、ビデオ装置23に戻し、コンフィギュレーションの結果74は、サーバ20により、ユーザまたは制御マシン70に与えられる。
【0085】
ユーザまたはマシン70が送った統計要求コマンド71を受け取るとサーバ20は、図5のステップ52に示すようにCWMPコマンド76を作成し、ビデオ装置23に送る。
【0086】
次いで、ビデオ装置23は、図5のステップ67に示すように、応答77を作成し、ビデオ装置23に戻し、コンフィギュレーションの要求された統計データ78は、サーバ20により、ユーザまたは制御マシン70に与えられる。
【0087】
有利には、本発明によれば、多くのシナリオを定義することができ、様々なコンフィギュレーション要求および/または統計量検索の間には相乗効果が存在する。例えば、ビデオストリームバッファ(STBDevice.{i}.AVProfile.AVPlayer{i}.MPEG2−TS.Statsオブジェクトの引き数PacketsLost)に関係する統計量の要求を送った後に、パケットの損失が検出される場合、対応する統計量を要求する(または(例えば、既定のストリングまたは整数を用いて)問題の正確な内容のアップロードを要求する一般的なCWMPコマンドを要求する)ことにより、問題の正確な内容(例えば、バッファのオーバーラン)を検出することができる。次いで、コンフィギュレーションサーバ20は、適切なCWMPコマンドで、ビデオストリームバッファの初期レベルおよび/またはバッファのサイズをコンフィギュレーションし、新規のコンフィギュレーションで問題が解決したかどうか検査するために、CWMPコマンドで、統計量を再びアップロードすることができる。
【0088】
したがって、有利には、本発明の一実装形態は、ゲートウェイおよびSTBについて同一のプロトコルを有することができる。ゲートウェイに対してTR069が使用されるとき、両方の装置に対して使用される場合でも、ビデオ装置(STB)およびゲートウェイの遠隔マネジメントシステム全体は簡略化される。さらに、TCP上で、(メッセージ交換ではなく)RPC(遠隔手続き呼出し)が使用されるとき、プロトコルは信頼性が高い。取得パラメータおよび設定パラメータ(get and set parameter)の機能は、遠隔操作で作成される。より一般的には、本発明により、コンフィギュレーションサーバ(例えば、ACS)からの、STBの遠隔トラブルシューティングおよび遠隔コンフィギュレーションが可能になる。本発明によるデータモデルは、TR−069の枠組みに準拠し、TR−069プロトコルを使用する遠隔管理の様々な操作を可能にする。
【0089】
さらに、本発明は、遠隔地の遠隔管理サーバが遠隔地のオーディオ/ビデオ装置を管理できるようにする遠隔管理方法を提案している。有利には、この管理方法は、ザッピング時間の管理に関連するコマンドおよび/または対応する応答(例えば、CWMPコマンドおよび/または応答)の送信および/または受信のステップを含む。このザッピング時間は、サービス変更と実際のビデオ再生との間の時間であって良い。ザッピング時間は、バッファリングレベル、ジッタ除去および/またはIGMPのプライオリティに依存する。サーバ(例えば、コンフィギュレーションサーバ)によって回収することができ、有利には、コンフィギュレーションプロトコルと同じプロトコルによってアップロードされる様々な統計量に従って、これらのパラメータを正確に調整することができる。
【0090】
もちろん、本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではない。
【0091】
具体的には、他のタイプまたはフォーマットの、要求または応答のコマンドを、本発明に従って使用することができる。説明の中で、TR069に基づく各例を示した。実際には、TR069に準拠または準拠しない他の機能を、本発明に従って実施できる。
【0092】
さらに、(コンフィギュレーションまたは統計量にリンクする)オブジェクトの構造、フォーマットおよび名前は、表1の例に限定されるものではなく、本発明の具体的な実装形態に従って変更することができる。例えば、論理フォーマットは、ストリングまたは整数のフォーマットに変更することができる。整数(それぞれがストリング)フォーマットは、ストリング(それぞれが整数フォーマット、すなわち既定の引き数に対応する整数)に変更することができる。オブジェクトの他の構造も、本発明に準拠する。例えば、表1に定義される構造の幾つかは、幾つかの構造に分割することができ(例えば、考え得る多くの引き数を有する統計量に関係する構造は、幾つかの構造で定義することができ、各々は、1つまたは幾つかの特定の引き数に関係する)、または逆に、1つの構造にまとめることもできる。オブジェクトおよび引き数の名前を示して、具体的な実施形態を説明する。もちろん、名前は、具体的な実装形態に応じて変更することができる。さらに、他のコンフィギュレーションコマンドまたは統計量の検索機能を、上記リストに加えることができる。
【0093】
さらに、上記で定義されるすべてのオブジェクトは、特定の実装形態によっては必須ではない。例えば、IGMPプライオリティのコンフィギュレーションが実施されていてもいなくても、ジッタ除去のコンフィギュレーションを実施することができる。デュアル方式では、ジッタ除去のコンフィギュレーションが実施されていてもいなくても、IGMPプライオリティのコンフィギュレーションを実施することができる。例えば、ビデオストリーム(それぞれがRTP)ジッタ除去のコンフィギュレーションが実施されていてもいなくても、RTP(それぞれがビデオストリーム)ジッタ除去のコンフィギュレーションを実施することができる。やはり、上記に定義したコンフィギュレーション(それぞれが統計量の検索)が実施される間、上記で定義した統計量(それぞれがコンフィギュレーションである)の検索を実施してもしなくてもよい。
【0094】
さらに、本発明は、CWMPプロトコルの使用には限定されず、サーバが、コンフィギュレーションおよび/またはデータ検索の機能を、遠隔地のビデオ装置内のオブジェクトに、遠隔操作で直接加えることができるようにするどんなプロトコルにも関する。
【0095】
本発明は、図2のネットワーク構造には限定されず、1つまたは幾つかの遠隔装置にコマンドを送ることができる1つまたは幾つかの管理サーバを備える様々な構造に関し、これらの遠隔装置は、直接にまたはゲートウェイを介して、1つまたは幾つかのビデオ装置に関連するビデオ装置またはプロキシである。ビデオ装置は、セットトップボックスには限定されず、テレビ受像機、コンピュータ、ラップトップ、固定通信装置または移動体通信装置...にも関する。
【0096】
本発明はまた、コンピュータプログラム、或いは、本発明による上記に定義した管理方法を(サーバ側および/またはビデオ装置側に)実装するように適合された命令を含むようなプログラムを備える媒体に関する。
【0097】
本発明はまた、上記(例えば、表1)に定義され、CWMPなどのプロトコルとともに使用される遠隔管理モデルに関する。
【0098】
具体的には、本発明は、デジタルプログラムを受け取るためにセットトップボックスが使用するMPEG2 TSカプセル化を、オペレータが動的に管理できるようにする、ビデオ装置(例えば、STB)向けの遠隔管理モデルに関する。本発明はまた、ビデオ装置のクロック復元機構を遠隔操作で選択することを可能にする、ビデオ装置(例えば、STB)向けの遠隔管理モデルに関する。さらに、本発明は、ビデオ装置から発行されるIGMPトラフィックのプライオリティを遠隔操作で変更することを可能にする、ビデオ装置(例えば、STB)向けの遠隔管理モデルに関する。本発明はまた、ビデオ装置によってトリガされる、ビデオ装置の入力バッファ充てんレベルに関連する警報のコンフィギュレーションを可能にする、ビデオ装置(例えば、STB)向けの遠隔管理モデルに関する。さらに、本発明は、ビデオ装置の使用に関連する視聴者統計を遠隔操作で記録することを可能にする、ビデオ装置(例えば、STB)向けの遠隔管理モデルに関する。本発明はまた、引渡し問題の推定原因の識別を可能にする、ビデオ装置(例えば、STB)向けの遠隔管理モデルに関する。
【0099】
本発明はまた、本明細書に記載の遠隔管理モデルを実施する手段を備えるサーバ、ゲートウェイ、プロキシまたはビデオ装置(例えば、STB)に関し、より全般的には、こうしたサーバおよび/またはビデオ装置を備えるネットワークまたは通信システムに関する。
【0100】
パラメータの定義 付録に示す表1は、本発明の一実施形態による、STB CPE装置およびそれらに関するパラメータに関連するオブジェクトをリストする。各パラメータのデータタイプを示すのに使用される表記法、およびマルチインスタンスオブジェクトに関連する表記法は、(例えば、非特許文献2参照)で定義される表記法に従う。
【0101】
表1の第1列は、パラメータのフルネームを表し、パラメータは、TR106 DSLフォーラム技術報告書に定義されるルートオブジェクトの名前、黄色のヘッダに示されるオブジェクトの名前、および個々のパラメータの名前の連結である。
【0102】
表1の第2列は、パラメータのタイプ(例えば、オブジェクト(1つまたは幾つかのパラメータを含む)、256文字のストリング(string(256)、ブーリアン、符号のない整数(unsignedIntで示す)で示す)を表す。
【0103】
第3列および第4列は、それぞれ書込みおよび読取りの状況を表し、「R」、「O」、「C」および「−」は、それぞれ、Required(必要)、Optional(任意選択)、Conditional(条件付き)、およびNot present(なし)を意味する。オブジェクトがすべて(「C])でサポートされる場合、オブジェクトに対する書込みアクセスは、AddObjectおよびDeleteObjectの動作が許可されない(「−」)のか、場合によっては許可される(「O」)のか、必要となる(「R])のか、または条件付きで必要となるのかを示す。CPEが、関係する機能をサポートする場合、またはそれを含むオブジェクトが存在する場合、オブジェクトに対する読取りアクセスは、オブジェクトが任意選択(「O])なのか、必要となる(「R])のか、または条件付きで必要となる(「C])のかを示す。
【0104】
第5列は、対応するパラメータを記述する。
【0105】
第6列は、TR−069を用いてオブジェクトのインスタンスを作成する際の、パラメータのデフォルト値を表す。デフォルト値が空ストリングである場合、これはシンボル<Empty>で表される。
【0106】
さらに、本発明による管理方法で使用されるメインオブジェクトは太字である。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】

【0109】
【表3】

【0110】
【表4】

【0111】
【表5】

【0112】
【表6】

【0113】
【表7】

【0114】
【表8】

【0115】
【表9】

【0116】
【表10】

【0117】
【表11】

【0118】
【表12】

【0119】
【表13】

【0120】
【表14】

【符号の説明】
【0121】
11 オーディオ/ビデオプロファイル
20 コンフィギュレーションサーバ(ACS)
21 基幹ネットワーク
22 ゲートウェイ
23 ビデオ装置
115 プロファイル
322,422 レジスタ
423 オーディオ/ビデオデータバッファ
424 RTPバッファ
1153 RTPプロファイル
1154 MPEG2−TSプロファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのビデオ装置の管理のための遠隔管理方法であって、遠隔地の遠隔管理サーバが実施する遠隔管理方法において、
前記少なくとも1つのビデオ装置からのビデオストリームの受信に関連する統計データであって、該少なくとも1つのビデオ装置に引き起こされる、コンテンツデリバリにおいて発生する問題の性質を検出することを可能にする統計データの受信ステップと、
前記少なくとも1つのビデオ装置への、該少なくとも1つのビデオ装置のリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)転送ジッタ除去関連パラメータまたはビデオジッタ除去関連パラメータのコンフィギュレーションを要求するCWMPコマンドの送出ステップと、
前記少なくとも1つのビデオ装置への、前記少なくとも1つのビデオ装置からの統計データの検索を要求するCWMPコマンドの送出ステップであって、該統計データにより、前記コンフィギュレーションによって前記問題を解決したかをチェックすることが可能になる、ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コンフィギュレーションは、前記少なくとも1つのビデオ装置でのRTPジッタ除去のイネーブルまたはディスエーブルを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンフィギュレーションは、前記少なくとも1つのビデオ装置でのビデオストリームのジッタ除去のイネーブルまたはディスエーブルを含むことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記コンフィギュレーションは、前記少なくとも1つのビデオ装置内の少なくとも1つのバッファの初期レベルを含むことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記コンフィギュレーションは、前記少なくとも1つのビデオ装置のクロック復元設定を含むことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記コンフィギュレーションは、前記少なくとも1つのビデオ装置によってトリガされるジッタ警報のコンフィギュレーションを含むことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記コンフィギュレーションは、前記少なくとも1つのビデオ装置から発行されるIGMPトラフィックのプライオリティのコンフィギュレーションを含むことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−9383(P2013−9383A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−168744(P2012−168744)
【出願日】平成24年7月30日(2012.7.30)
【分割の表示】特願2008−505834(P2008−505834)の分割
【原出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】