説明

遮熱シート

【課題】遮熱性に優れ、長期間使用しても遮熱性が低下し難い遮熱シートを提供する。
【解決手段】遮熱シート1は、表層2と遮熱層3とを有し、前記表層2が紫外線吸収剤を含み、前記遮熱層3が赤外線反射剤を含む。好ましくは前記遮熱層3の下方に下層5が設けられる。前記下層5は発泡樹脂層又はマイクロバルーンを含み、前記表層2が透明である。また前記表層2の表面にエンボス凹凸が形成される。表層に紫外線吸収剤を含むので、下方に設けられた遮熱層が太陽光の紫外線により劣化することを防止できる。そして表層を透過した赤外線は、遮熱層に含まれる赤外線反射剤によって、反射又は散乱されるので遮熱シートの温度上昇を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光などの照射による温度上昇を抑制できる遮熱シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、マンションのベランダ、ルーフバルコニー及び通路、建物の屋根及び外壁などには、シートが敷設されている。
該シートは、ベランダなどの表面の保護や、該表面に化粧を施すなどの目的で敷設されている。
【0003】
また、マンションのベランダ及びルーフバルコニー、建物の屋根などには、太陽光が当たるため、ベランダなどの温度上昇に伴って、その階下の温度も上昇する。
なお、上記ルーフバルコニーは、マンションなどの屋根部分を利用したバルコニーを意味する。ルーフバルコニーは、一般に、階下の住戸の屋根部分を利用して設けられている場合が多い。従って、ルーフバルコニーに当たった太陽光によって温度上昇したルーフバルコニーの熱が、階下の住戸に直接影響する。
【0004】
かかる温度上昇を抑制するために、遮熱性を付与したシートが建物の屋根などに敷設されている場合もある。
該遮熱シートとして、混合顔料と熱可塑性樹脂とを含み、前記混合顔料が、780〜2100nmの波長域における日射反射率が40%以上の白色顔料、同日射反射率が7%以上である青色顔料、同日射反射率が8%以上である赤色顔料、同日射反射率が7%以上である緑色顔料、同日射反射率が10%以上である黄色顔料、同日射反射率が6%以上である黒色顔料からなる群から選択される2種以上の顔料である遮熱性カラーフィルムが知られている(特許文献1)。
【0005】
この遮熱性カラーフィルムは、遮熱性を有し、さらに、調色上での自由度が向上するので、意図する美観に必要な色彩や色相を有する。
【特許文献1】特開2002−12679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記遮熱性カラーフィルムは、遮熱性と意匠性の双方を両立させる目的で混合顔料が用いられている。このため、上記遮熱性カラーフィルムは、優れた意匠を表すために特定の顔料を選択した場合、遮熱性が十分でない場合がある。
さらに、太陽光の中には紫外線が含まれているため、上記遮熱性カラーフィルムは、長期間使用している間に、紫外線によって上記混合顔料や熱可塑性樹脂が劣化する虞がある。上記混合顔料や熱可塑性樹脂が劣化すると、遮熱効果が低下するため、その改善が求められる。
【0007】
特に、マンションのベランダ、ルーフバルコニー及び通路などに、床材として遮熱シートを敷設する場合、歩行によって、該遮熱シートが磨耗しやすい。従って、遮熱シートの表面に存在する顔料が、磨耗によって少なくなるため、遮熱効果が低下する。特に、マンションのベランダなどに遮熱塗料を直接塗布する場合は、その劣化が顕著である。
【0008】
本発明の目的は、遮熱性に優れ、長期間使用しても遮熱性が低下し難い遮熱シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遮熱シートは、表層と、遮熱層と、を少なくとも有し、前記表層が、紫外線吸収剤を含み、前記遮熱層が、赤外線反射剤を含む。
上記遮熱シートは、表層に紫外線吸収剤が含まれているので、表層よりも下方に設けられた遮熱層が太陽光に含まれる紫外線によって劣化することを防止できる。そして、表層を透過した赤外線は、遮熱層に含まれる赤外線反射剤によって、反射又は散乱されるので、遮熱シートの温度上昇を抑制できる。かかる遮熱シートをマンションのベランダ、ルーフバルコニー及び通路などの施工面に敷設することにより、その階下の空間の温度上昇も抑制できる。
【0010】
本発明の好ましい遮熱シートは、前記遮熱層の下方に下層を有する。
上記好ましい遮熱シートは、下層によって遮熱層が補強されるので、遮熱層を薄く形成することも可能である。このように遮熱層を比較的薄く形成することができるので、遮熱シート全体として、赤外線反射剤の使用量を抑えることができる。なお、下層に赤外線反射剤を含有させず、且つ遮熱層を薄く形成しても、遮熱性に優れた遮熱シートを提供できる。赤外線反射剤は、主として遮熱シートの上方部近辺(表面側)で機能するため、遮熱シートの下方部に赤外線反射剤を含有させても、この下方部の赤外線反射剤による遮熱効果は余り上がらないからである。
【0011】
本発明の好ましい遮熱シートは、前記下層が、発泡樹脂層又はマイクロバルーンを含む。
上記好ましい遮熱シートは、下層に発泡樹脂層又はマイクロバルーンが含まれているので、遮熱層に生じる熱が下層よりも下方に伝わることを抑制できる。このため、上記遮熱シートの施工面に熱が伝わり難く、階下の温度上昇を更に抑制できる。
【0012】
本発明の他の好ましい遮熱シートは、前記表層の表面に、凹凸が形成されている。
上記他の好ましい遮熱シートは、表層に凹凸が形成されているので、表層に当たる光を乱反射して、遮熱層に入射する光量を低減できる。
【0013】
本発明の他の好ましい遮熱シートは、前記表層が、樹脂チップを含む。
上記他の好ましい遮熱シートは、表層に樹脂チップが含まれているので、意匠性に優れている。さらに、樹脂チップが表層に当たる光を乱反射するので、遮熱層に入射する光量を低減できる。
【0014】
本発明の他の好ましい遮熱シートは、前記表層と前記遮熱層の間に、化粧印刷層を有し、前記表層が透明又は有色透明である。
上記他の好ましい遮熱シートは、表層と前記遮熱層の間に化粧印刷層が設けられているので、意匠性に優れ、又、表層によって紫外線の入射が低減されるので、遮熱シートの優れた意匠を長期間維持できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の遮熱シートは、その表面温度が高くならないだけでなく、熱が伝わることを効果的に防止でき、この効果を長期間に亘って持続できる。従って、本発明の遮熱シートをマンションのベランダ、ルーフバルコニー及び通路、或いは建物の屋根などに敷設することにより、階下の空間の温度上昇を長期間に亘って抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の遮熱シートは、表層及び遮熱層の少なくとも2層を有する層構成である。該遮熱シートは、この2層以外に、下層などの他の層を有していてもよい。
表層は、少なくとも紫外線吸収剤を含み、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
遮熱層は、赤外線反射剤を含み、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
【0017】
[遮熱シートの層構成について]
本発明の遮熱シートの層構成の代表例は、下記の通りである。
図1に示す遮熱シート1は、上から順に、表層2と、遮熱層3と、補強層4と、下層5と、を有する。
図2に示す遮熱シート1は、上から順に、表層2と、遮熱層3と、補強層4と、下層5と、を有し、表層2の表面に凹凸が形成されている。
図3に示す遮熱シート1は、上から順に、表層2と、遮熱層3と、補強層4と、下層5と、接地層6と、を有する。
図4に示す遮熱シート1は、上から順に、表層2と、遮熱層3と、補強層4と、下層5と、接地層6と、を有し、表層2の表面に凹凸が形成されている。
図5に示す遮熱シート1は、上から順に、表層2と、化粧印刷層7と、遮熱層3と、補強層4と、下層5と、を有し、表層2の表面に凹凸が形成されている。
【0018】
ただし、本発明の遮熱シートは、図1〜図5の例示に限定されず、適宜に設計変更可能である。
例えば、図1〜図5の遮熱シート1において、下層5及び/又は補強層4が設けられていなくてもよい。さらに、図4及び図5に示す遮熱シート1において、その表層2に凹凸が形成されていなくてもよい。また、図1に示す遮熱シート1において、その表層2と遮熱層3の間に、化粧印刷層が設けられていてもよい。
【0019】
[表層について]
表層は、遮熱シートの表面部を保護し、更に、これよりも下方の層に紫外線が入射することを防止するために遮熱シートに設けられる。
表層は、通常、合成樹脂を主成分とする塗膜又はフィルムが用いられる。表層には、紫外線吸収剤が含有されている。
表層に紫外線吸収剤が含まれていることにより、表層よりも下方の層に紫外線が入射することを防止できる。このため、例えば、遮熱層の赤外線反射剤などが劣化し難く、長期間に亘って、遮熱シートの遮熱性を維持できる。更に、遮熱層や化粧印刷層の退色を防止できるので、長期間に亘って、遮熱シートの意匠を維持できる。
【0020】
上記合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリロニトリル−スチレン、ナイロン、ポリアセタール、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、これらの共重合体、及びエポキシ樹脂などの反応型樹脂等が挙げられる。
これらの合成樹脂は、1種単独で又は2種以上を併用することもできる。
好ましくは、表層の主たる合成樹脂は、ポリ塩化ビニルである。ポリ塩化ビニルは、本発明の遮熱シートの加工に適しており、更に、経済的にも有利である。
【0021】
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、ベンゾエート誘導体等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール誘導体としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)べンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0022】
トリアジン誘導体としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
ベンゾフェノン誘導体としては、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられる。
【0023】
パラアミノ安息香酸誘導体としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等が挙げられる。
ベンゾエート誘導体としては、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−t−オクチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、1種単独で又は2種以上を併用することもできる。
【0024】
紫外線吸収剤は、少なくとも200〜400nm、好ましくは250〜320nmに吸収ピークを有するものが好適に使用できる。
また、耐候安定性を付与するために、紫外線吸収剤にヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)を添加してもよい。
【0025】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ポリ[{6−モルフォリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノヘキサメチレン}{4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ}]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
【0026】
紫外線吸収剤の配合量は、表層の全量中、0.01質量%〜5.0質量%であり、好ましくは0.5質量%〜2.0質量%である。紫外線吸収剤の配合量が少なすぎると紫外線吸収効果が低下し、一方、それを必要以上に多く入れてもその効果は殆ど変わらない。
なお、表層には、樹脂の種類に応じて、各種添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、可塑剤、充填材、滑剤、熱安定剤、防曇剤、安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0027】
上記合成樹脂及び紫外線吸収剤を含む組成物を遮熱層などの上に塗工し、該組成物を硬化させることによって、表層を形成できる。ポリ塩化ビニルを用いる場合、表層は、通常、ペーストゾルのゲル化、又は、カレンダー成形若しくは押出成形などによって形成される。
【0028】
また、表層を構成する合成樹脂として、樹脂チップを用いてもよい。
樹脂チップは、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を主成分とする小さな塊である。樹脂チップは、例えば、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、無機充填材、可塑剤、安定剤などを混合し、これをカレンダー成形又は押出成形などの任意の成形法によって厚み0.3〜3mm程度のシート状に成形した後、このシートを破砕機で粉砕した後、篩い機でふるい分けをすることによって、得ることができる。
樹脂チップの大きさは、所望する意匠に応じて適宜設定される。もっとも、樹脂チップの大きさが直径5mm以上であると表層の厚みが厚くなり過ぎて光が透過し難くなり、一方、0.5mm以下であると紫外線を吸収するのに十分な厚みの表層を形成できない場合がある。これらを考慮すると、樹脂チップの大きさは、直径1〜3mm程度が好ましい。
【0029】
上記樹脂チップに紫外線吸収剤を配合したチップ組成物を、シート状に成形し(例えば、カレンダー成形又は押出成形など)、このシートを遮熱層の上に積層することによって、表層を形成することができる。
【0030】
表層が樹脂チップを含む場合、樹脂チップに起因する斑模様が表層の表面に表れるので、意匠性に優れた遮熱シートを提供できる。
【0031】
表層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1mm〜2.0mmであり、更に好ましくは0.2mm〜1.0mmであり、より好ましくは0.4mm〜0.6mmである。
【0032】
また、表層の赤外光吸収が低いほど熱の発生が低減できるので、表層を構成する材料の光線透過率は高いことが望ましい。
例えば、表層は、その全光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
【0033】
このような光線透過率を有する表層は、透明性に優れており、透明又は有色透明である。
表層が透明であれば、これよりも下方に設けられた遮熱層又は化粧印刷層を透視することができる。特に、表層と遮熱層の間に化粧印刷層が設けられ、且つ表層が透明である場合、遮熱シートの表面から化粧印刷層の意匠を透視できるので、意匠性に優れた遮熱シートを提供できる。
【0034】
また、表層に、赤外線反射剤が含まれていてもよい。赤外線反射剤の具体例については後述する。
なお、表層に赤外線反射剤を配合する場合、表層の透明性を低下させ難い赤外線反射剤を用いることが好ましい。ただし、表層が一見して透明でない場合であっても、発熱に寄与する赤外線が表層を透過すれば、遮熱層による赤外線反射効果を発揮できる。
このような赤外線反射剤としては、ガラスなどからなるセラミックバルーン、ガラスビーズなどが挙げられる。表層に赤外線反射剤を含有させることにより、太陽光に含まれる赤外線の一部を表層にて反射し、且つ残る赤外線を遮熱層にて反射できる。従って、より遮熱効果の高い遮熱シートを提供できる。
【0035】
さらに、表層の表面に凹凸が形成されている場合、凹部の深さ(凹凸の凸部と凹部の高さの差)は、0.05mm〜1.5mmであり、更に好ましくは0.1mm〜1.0mmであり、より好ましくは0.3mm〜0.6mmである。凹部の深さが深すぎると、凹部の底面に対応する表層の厚みが薄くなるため紫外線吸収効果が十分に得られない虞がある。一方、凹部の深さが浅すぎると、凹凸による光拡散効果及び熱放散効果が十分に得られない虞がある。
【0036】
表層の表面が凹凸状に形成されていることにより、表層の表面に当たった光が乱反射し易く、遮熱シートの内部へと入射し得る光の量を低減できる。また、凹凸状に形成されていることにより、表層の表面積が増加するので、遮熱シート内からの熱放散が促進される。このため、遮熱シートの温度上昇を抑制できる。
【0037】
表層の表面に凹凸を形成する方法としては、金属ブラシ、サンドペーパー、サンドブラストなどを用いて表層の表面を研磨する方法;エンボス加工、レーザー加工などで表層の表面形状を変形させる方法;フレキソ印刷加工、グラビア印刷加工、樹脂コーティング加工、エッチング加工、微粒子の固着などによって表層の表面に凸部を付着させる方法等が挙げられる。
【0038】
好ましくは、表層の凹凸は、表層の表面にエンボス加工を施すことで形成される。エンボス加工によれば、凹部の深さを所望する値に容易に形成できる。
エンボス加工は、表層の表面に、突出型部を有するエンボスロールを押圧することにより実施できる。
表層の凹凸の形状は特に限定されず、例えば、平面視円形状、平面視多角形状、平面視格子状などの凸部が規則的配列で突設された形状、平面視不定形状などの凸部が不規則的配列で突設された形状等が挙げられる。
【0039】
[遮熱層について]
遮熱層は、主として赤外線を反射するために設けられる。
遮熱層は、通常、合成樹脂を主成分とする樹脂層が用いられる。この遮熱層には、赤外線反射剤が含有されている。
遮熱層に赤外線反射剤が含まれていることにより、表層を透過した赤外線を反射できる。
【0040】
太陽光の中で、波長700nm〜2500nmの光は赤外線と呼ばれる(近赤外線と呼ばれる場合もあるが、本発明では、波長700nm〜2500nmを赤外線という)。一般に、赤外線が物質に当たると、そのエネルギーが物質を構成する分子の振動を活性化し、分子振動に伴う熱エネルギーが発生し、物質の温度を上昇させる。
上記遮熱層には、赤外線を反射する赤外線反射剤が含まれているので、表層から入射した赤外線の多くは、遮熱層において反射され、表層から外部へと出射される。このため、射熱シートの温度上昇を抑制できる。特に、赤外線反射剤は、赤外線吸収剤とは異なり、赤外線を反射するため、遮熱層が蓄熱することを防止できる。よって、本発明の射熱シートを階下に居住空間がある場所(例えば、マンションのベランダ、ルーフバルコニー及び通路、並びに、建物の屋根など)に敷設することにより、その居住空間の温度上昇を抑制できる。
【0041】
上記遮熱層を構成する合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ナイロン、ポリアセタール、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、これらの共重合体、及びエポキシ樹脂などの反応型樹脂等が挙げられる。
これらの合成樹脂は、1種単独で又は2種以上を併用することもできる。
好ましくは、遮熱層の主たる合成樹脂は、ポリ塩化ビニルである。ポリ塩化ビニルは、本発明の遮熱シートの加工に適しており、更に、経済的にも有利である。
【0042】
上記赤外線反射剤としては、顔料、マイクロバルーン、ガラスビーズ等が挙げられる。中でも、700〜2500nmの波長領域における日射反射率が50%以上の赤外線反射剤が好ましく、60%以上の赤外線反射剤が更に好ましい。なお、日射反射率は、JIS K 5602の「塗膜の日射反射率の求め方」に記載の日射反射率の測定方法に準じて、波長300nm〜2500nmにおいて波長5nm間隔で分光反射率を測定し(測定機器:分光光度計。島津製作所製の製品名「UV−3600」)、これから計算した値である。
【0043】
顔料としては、フタロシアニン系、イソインドリノン系、ペリレン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、アニリンブラック系、トリフェニルメタン系、ジオキサジン系、酸化チタン系、酸化鉄系、酸化クロム系、クロム酸鉛系などの顔料が挙げられる。 また、顔料として、複数の金属酸化物の固溶体からなる複合酸化物顔料を用いることもできる。複合酸化物顔料としては、Cu−Cr−Mn系、Cu−Mn−Fe系、Ti−Sb−Ni系、Ti−Sb−Cr系、Ti−Zn−Co−Ni系、Zn−Fe系、Zn−Fe−Cr系、Co−Al系、Co−Al−Cr系、Co−Al−Cr−Ti系、Fe−Cr系等が挙げられる。これらの複合酸化物顔料は、複数の金属酸化物を配合し、強固な結晶構造を形成する。このため、複合酸化物顔料は、耐熱性、耐候性、耐薬品性、安全性等にも優れている。
【0044】
上記顔料は、赤外線反射顔料とも呼ばれ、赤外線領域で光反射効果を有する顔料である。該顔料は、太陽から地表に到達する光エネルギーの内、赤外線を反射することによって、遮熱シートの温度上昇を抑えることができる。
上記のうちで最も効率的に赤外線を反射することができる顔料は、酸化チタン系、又は、酸化チタン系と他の顔料の併用である。
酸化チタン系顔料(白色系顔料)や他の淡色系顔料(例えば、酸化チタンと他の顔料の併用など)は、赤外線反射効果が高い。その反面、白色系顔料や淡色系顔料は、紫外線による退色、及び歩行による遮熱シートの摩耗に起因して、赤外線反射効果が低下する虞がある。
【0045】
本発明の遮熱シートは、表層に含まれる紫外線吸収剤が紫外線を吸収するので、遮熱層が退色し難い。このため、上記白色系顔料や淡色系顔料を遮熱層に含有させた場合でも、赤外線反射効果を長期間維持できる。また、本発明の遮熱シートは、遮熱層の上に表層を有するので、歩行によって遮熱層が摩耗することを防止できる。このため、本発明の遮熱シートは、長期間に渡って遮熱効果を維持することができる。
【0046】
マイクロバルーンは、内部に空洞を有する透明又は半透明の中空無機微粒子又は中空有機微粒子である。マイクロバルーンの中空構造は、クローズドポア構造、オープンコア構造、セミオープンポア構造、又は、多孔構造の何れでもよい。このうち、クローズドポア構造のマイクロバルーンは、断熱性に優れているので好ましい。
【0047】
マイクロバルーンとしては、ガラスやチタニア複合物などからなるセラミックバルーン、シラスバルーンなどの天然素材からなるバルーン、樹脂製マイクロカプセルなどの有機バルーン等が挙げられる。マイクロバルーンは、その平均粒径が1〜300μm程度のものが好ましく、平均粒径が10〜100μm程度のものが更に好ましい。本明細書において、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定された値をいう。
マイクロバルーンは、その空隙率が50〜80%程度のものが好ましい。空隙率が低すぎると断熱効果が低下し、一方、空隙率が高すぎるとマイクロバルーンの強度が低下する。なお、空隙率とは、(空隙の体積/マイクロバルーンの体積)×100で求められる。
【0048】
ガラスビーズは、ガラスからなる中実微粒子である。ガラスビーズは、その平均粒径が1〜300μm程度のものを用いることが好ましい。
【0049】
上記赤外線反射剤は、1種単独で又は2種以上を併用することもできる。
赤外線反射剤として顔料を用いる場合、その配合量は、遮熱層の全量中、0.1質量%〜10質量%であり、好ましくは1質量%〜3質量%である。
赤外線反射剤としてマイクロバルーン又はガラスビーズを用いる場合、その配合量は、遮熱層の全量中、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜8質量%が更に好ましい。
赤外線反射剤の配合量が少なすぎると充分な赤外線反射効果が得られず、一方、その配合量が多すぎると、遮熱層の強度が低下する。
【0050】
なお、遮熱層の下方に下層を設けた場合、遮熱層の強度を補強できるので、遮熱シート全体に占める遮熱層の厚みを薄く形成することができる。このため、遮熱シート全体として、赤外線反射剤の使用量を抑えることができる。
ここで、遮熱シートの温度上昇を抑制するためには、遮熱シートの上方部に赤外線反射剤が含まれていればよい。換言すると、遮熱シートの上方部及び下方部(遮熱シートの略全体)に赤外線反射剤を含有させても、遮熱シートに入射した赤外線は該遮熱シートの上方部の赤外線反射剤によって反射されるため、遮熱シートの下方部における赤外線反射剤は、実際には殆ど機能しない。
上記下層を設けた遮熱シートは、下層よりも上に位置する遮熱層によって赤外線が反射されるので、必ずしも下層に赤外線反射剤を含有させる必要はなく、このため、遮熱シート全体として、赤外線反射剤の使用量を抑えることができる。
【0051】
また、遮熱層には、樹脂の種類に応じて、各種添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、可塑剤、充填材、滑剤、熱安定剤、防曇剤、安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0052】
上記合成樹脂及び赤外線反射剤を含む組成物を下層などの上に塗工し、該組成物を硬化させることによって、遮熱層を形成できる。ポリ塩化ビニルを用いる場合、遮熱層は、通常、ペーストゾルのゲル化、又は、カレンダー成形若しくは押出成形などによって形成される。
【0053】
遮熱層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1mm〜2.0mmであり、更に好ましくは0.3mm〜1.5mmであり、より好ましくは0.4mm〜1.0mmである。
【0054】
[補強層について]
補強層は、遮熱シートの機械的強度(寸法安定性、剛性など)を高めるために遮熱シートに設けられる。
補強層としては、例えば、ガラス繊維不織布やポリエステル不織布などの不織布、ガラスネットなどの編み物、基布などの織物等が挙げられる。また、補強層は、これらの不織布、編み物、織物などに樹脂を含浸させた樹脂含浸シートでもよい。
【0055】
[下層について]
下層は、遮熱シートの機械的強度、重量付与、遮熱層の保護などを目的として、遮熱シートに設けられる。
下層は、通常、合成樹脂を主成分とする樹脂層が用いられる。
下層の合成樹脂としては、上記遮熱層で例示した合成樹脂を適宜用いることができる。好ましくは、下層の主たる合成樹脂は、ポリ塩化ビニルである。
【0056】
上記合成樹脂を含む組成物をシート状に成形することによって、下層を形成できる。ポリ塩化ビニルを用いる場合、下層は、通常、ペーストゾルのゲル化、又は、カレンダー成形若しくは押出成形などによって形成される。
【0057】
下層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.3mm〜2.0mmであり、更に好ましくは0.5mm〜1.5mmであり、より好ましくは0.8mm〜1.2mmである。
【0058】
好ましくは、下層は、樹脂発泡層又はマイクロバルーンを含む。下層が樹脂発泡層又はマイクロバルーンを含む場合、下層は断熱効果を有する。このため、遮熱シートが敷設された施工面及びその階下に、熱が伝わり難くなる。
【0059】
下層が発泡樹脂層を含む場合、下層全体が発泡されていることが好ましいが(この場合、下層が、発泡樹脂層からなる)、下層の一部分が発泡されていてもよい。発泡倍率は、通常、1.1倍〜20倍であり、好ましくは1.2倍〜4.0倍である。
発泡方法は、化学的発泡法、機械的発泡法、物理的発泡法の何れでもよい。
【0060】
下層がマイクロバルーンを含む場合、マイクロバルーンの配合量は、下層の全量中、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
なお、下層のマイクロバルーンは、上記遮熱層で例示した各種マイクロバルーンの中から適宜選択される。特に、下層に用いるマイクロバルーンは、空隙率が50%〜90%であることが好ましく、空隙率が70%〜80%が更に好ましい。下層に用いられるマイクロバルーンは、遮熱層に用いられるマイクロバルーンよりも、空隙率が高い(断熱効果が高い)ものが好ましい。
上記合成樹脂及びマイクロバルーンを含む組成物をシート状に成形することによって、マイクロバルーンを含む下層を形成できる。
【0061】
[接地層について]
接地層は、遮熱シートの裏面を保護すると共に、遮熱シートを施工面に係合させ易くするために、遮熱シートに設けられる。
接地層としては、上記補強層で例示した不織布、編み物、織物などを用いることができ、好ましくは、不織布である。
【0062】
[化粧印刷層について]
化粧印刷層は、遮熱シートに所望の意匠を表すために、遮熱シートに設けられる。
化粧印刷層は、通常、遮熱層の表面に直接印刷を行うことによって設けられる。また、印刷フィルムを表層と遮熱層の間に積層することによって、化粧印刷層を設けてもよい。
化粧印刷層が設けられる場合、その意匠を目視できるようにするため、表層は、透明又は有色透明とされる。
【0063】
本発明の遮熱シートは、表層に紫外線吸収剤が含まれているので、化粧印刷層の退色を防止できる。また、化粧印刷層を設けることにより、遮熱層に意匠性が要求されないので、遮熱層の色彩を考慮せず、遮熱性に優れた赤外線反射剤を遮熱層に含有させることが可能となる。従って、遮熱性に優れた赤外線反射剤(例えば、酸化チタン系顔料などの白色系顔料、又は、酸化チタン系顔料と他の顔料の併用などの淡色系顔料など)を遮熱層に含有させても、意匠的に優れた遮熱シートを提供できる。
【0064】
[遮熱シートの用途]
本発明の遮熱シートは、マンションのベランダ、ルーフバルコニー及び通路、マンションやオフィスビルの屋根及び外壁、一般住宅の屋根及び屋根材の下地などの各種施工面に敷設される。特に、本発明の遮熱シートは、歩行による摩耗が生じても遮熱効果を維持できるので、マンションのベランダ、ルーフバルコニー、通路及び共同廊下などのように、床材として好適に使用できる。
遮熱シートは、通常、施工面に接着剤を用いて貼り付けられる。また、施工面に断熱材(例えば、発泡シートなど)を貼り付けた後、この断熱材の上に本発明の遮熱シートを敷設することにより、更に、階下の温度上昇を抑制できる。
【実施例】
【0065】
本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。
【0066】
[実施例1]
(下層の作製)
平均重合度1000の塩化ビニル樹脂18質量部、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)13質量部、充填材(平均粒径5.0μmの炭酸カルシウム)65質量部、マイクロバルーン(平均粒径25〜75μm。太平洋セメント社製、商品名「E−SPHERES」)10質量部を、バンバリミキサーで十分に混練した。この組成物を、押出成形機を用いてシート状に押出成形し、そのシートの上にガラスネット(倉敷紡績社製、商品名「クレネット」)を積層した。次に、この積層体を、80℃のカレンダーロール間に通し、圧延した。この押出成形とカレンダー成形によって、厚み1.2mmのガラスネット積層済み下層を得た。
【0067】
(遮熱層及び表層の作製)
次に、上記ガラスネット積層済み下層のガラスネット上に、下記組成物1からなるシートと、下記組成物2からなるシートとを、この順で積層した。なお、組成物1及び組成物2からなるシートは、何れもカレンダー成形機を用いて作製した。この積層体を、80℃のカレンダーロール間に通し、圧延した。
このようにして、上から順に、表層(厚み:0.5mm)、遮熱層(厚み:0.6mm)、ガラスネット及び下層(厚み:1.2mm)の4層構造のシート材を得た。
【0068】
(組成物1)
平均重合度1000の塩化ビニル樹脂40質量部、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)25質量部、充填材(平均粒径5.0μmの炭酸カルシウム)20質量部、顔料(黒色遮熱顔料(Fe−Cr系)。アサヒ化成工業社製、商品名「Black6350」)2質量部、を十分に混練したもの。
【0069】
(組成物2)
平均重合度1000の塩化ビニル樹脂54質量部、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)25質量部、充填材(平均粒径5.0μmの炭酸カルシウム)18質量部、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。シプロ化成株式会社製、商品名「SEESORB701」)2質量部、を十分に混練したもの。
【0070】
[比較例1]
組成物1の黒色遮熱顔料をカーボンブラックに代えたこと、及び、組成物2に紫外線吸収剤を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、4層構造のシート材を作製した。
【0071】
[遮熱試験]
(遮熱試験で使用した器材)
・縦横高=300mm×400mm×270mm、厚み=23mmの発泡スチロール製の市販の上部開放型の断熱容器。
・厚み3mmの市販のスレート板(平板)。
・250Wの赤外線ランプ(東芝社製、商品名「赤外線電球IR110V250WRHE」)。
・非接触型温度計(堀場製作所社製、商品名「放射温度計IT530」)。
・市販のガラス製温度計。
【0072】
(試験方法)
図6に示すように、断熱容器8内の空気温度を測定するため、断熱容器8の一側壁面に、ガラス製温度計12をさし込んだ。この断熱容器8の上部開放部分を塞ぐように、断熱容器8の上部に、スレート板9を載せた。そのスレート板9の表面全体を覆うように、スレート板9の上に、試験用シート材13(実施例1又は比較例1のシート材)を両面粘着テープを介して貼り付けた。この試験用シート材13の表面に対して垂直な方向に光が当たるように、赤外線ランプ10を約60cm離して配置した。他方、試験用シート材13の表面温度を測定するため、非接触型温度計11を、赤外線ランプ10の光が直接当たらない位置に配置した。
そして、赤外線ランプ10を照射しながら、10分毎に、試験用シート材13の表面温度、及び、断熱容器8内の空気温度を測定した。
【0073】
実施例1及び比較例1のシート材についての上記遮熱試験の結果を、図7及び図8のグラフに示す。
なお、図7は、シート材の表面温度の変化を示し、図8は、断熱容器内の温度の変化を示す。
【0074】
図7及び図8から明らかなように、実施例1のシート材は、比較例1に比して、温度が上がり難いことがわかる。特に、図8の結果から、実施例1のシート材は、そのシート材の下方における空間の温度上昇を効果的に抑制できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の遮熱シートの層構成の1つの実施形態を示す一部省略断面図。
【図2】本発明の遮熱シートの層構成の他の実施形態を示す一部省略断面図。
【図3】本発明の遮熱シートの層構成の更に他の実施形態を示す一部省略断面図。
【図4】本発明の遮熱シートの層構成の更に他の実施形態を示す一部省略断面図。
【図5】本発明の遮熱シートの層構成の更に他の実施形態を示す一部省略断面図。
【図6】遮熱試験の測定装置を示す概略図。
【図7】実施例1及び比較例1のシート材の表面温度の変化を示すグラフ図。
【図8】実施例1及び比較例1のシート材の下方空間の変化を示すグラフ図。
【符号の説明】
【0076】
1…遮熱シート
2…表層
3…遮熱層
4…補強層
5…下層
6…接地層
7…化粧印刷層
8…断熱容器
9…スレート板
10…赤外線ランプ
11…非接触型温度計
12…ガラス製温度計
13…試験用シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表層と、遮熱層と、を少なくとも有し、
前記表層が、紫外線吸収剤を含み、
前記遮熱層が、赤外線反射剤を含むことを特徴とする遮熱シート。
【請求項2】
前記遮熱層の下方に、下層を有する請求項1に記載の遮熱シート。
【請求項3】
前記下層が、発泡樹脂層又はマイクロバルーンを含む請求項2に記載の遮熱シート。
【請求項4】
前記表層の表面に、凹凸が形成されている請求項1〜3の何れかに記載の遮熱シート。
【請求項5】
前記表層が、樹脂チップを含む請求項1〜4の何れかに記載の遮熱シート。
【請求項6】
前記表層と前記遮熱層の間に、化粧印刷層を有し、前記表層が透明又は有色透明である請求項1〜5の何れかに記載の遮熱シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−89441(P2010−89441A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263494(P2008−263494)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】