説明

還元剤タンク

【解決手段】本発明は自動車の還元剤タンクに関し、フィラー開口部(4)が与えられた少なくとも1つのフィラーパイプ(3)を有し、充填脱気のための少なくとも1つの装置を備え、及び充填の間、充填レベルを制限するための装置を備え、前記充填脱気のための装置は、フィラーパイプ及び/又はタンクの中で最大充填レベルより上に少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの充填脱気ライン(7)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の還元剤タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車工学において、主に実用車において、ディーゼル車の汚染物質の排気を削減するために、いわゆるSCRプロセスがしばしば用いられている。SCRは、アンモニアにより窒素酸化物が削減されるいわゆる選択的触媒還元(Selective Catalytic Reduction)につき言及する。ここで、必要とされるアンモニアは、SCR触媒コンバータの排出ガス部上流へと、例えば水溶性尿素溶液の形式で注入される。アンモニアと二酸化炭素は加水分解反応により尿素水溶液から作られる。相当する温度で触媒コンバータの中、アンモニアは排出ガスの窒素酸化物と反応することができる。
【0003】
この目的の為に、還元剤タンクは、水溶液に存在する尿素のために問題の車両に提供される必要がある。その後、尿素がアンモニアを放出すると、不快な臭いの排気を導いてしまうことがある。溶液の乾燥は、極めて強い結晶成長やボリュームの増加に関連する。それゆえに、自動車に携行される還元剤タンクは乾燥が起こらないようにしなければならない。さらに、洗浄補充或いは充填は、確実にされなければならない。
【0004】
液化炭化水素又は燃料とは対照的に、水溶性尿素溶液は凍結(frost)の危険にさらされており、還元剤が凍結しないことが保証されるか、又はこの目的のために提供されるタンクが尿素のボリュームの対応する増加が、特に車両が停止しているとき、補償されることができるように設計されなければならない。
【0005】
さらに、いくらかの作動液タンクと同様に、特に充填の間のタンクの脱気において、対応するタンクの給気及び脱気を確実なものとする必要がある。その上に不可避的に提供されなければならない充填開口部を介して、還元剤タンクを脱気することは、基本的には考えられるし可能である。例えば実用車の場合のように、自動車の外部に提供されるタンクの場合、この場合はほとんど問題とならない。充填の間の有害臭だけが、より少ないことが望まれる。乗用自動車で還元剤タンクを使うとき、しかし、これはより問題となる。乗用自動車の場合、還元剤タンクは、通常のサービス間隔で、ワークショップ訪問の間、一般に充填され/補充される。サービス間隔は現今では比較的長くできるので、乗用自動車の還元剤は、実用車の場合よりも、還元剤タンクの中でより長い残留時間を有する。これは、一般により高いアンモニア濃度という結果を招き、そしていくつかの環境下、これは結果的に有害臭の増加を招く。
【0006】
さらに、還元剤タンクを補充するとき、特に液体の尿素が凍結するときのボリューム増加量のせいで、確かな充填量を超えないことが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、それ故に、シンプルでクリーンな充填を可能とするように設計されている自動車の還元剤タンクを生成するとの目的に基づいており、還元剤タンクの過補充は、衛生の理由のため、及び霜除けの目的のためにも、避けられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、フィラー開口部が与えられた少なくとも1つのフィラーパイプを有し、充填脱気のための少なくとも1つの装置を備え、及び充填の間、充填レベルを制限するための装置を備え、前記充填脱気のための装置は、フィラーパイプ及び/又はタンクの中で最大充填レベルより上に少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの充填脱気ラインを備えている、自動車の還元剤タンクにより達成される。
【0009】
本発明に従った還元剤タンクの設計は、異なる経路が充填及び脱気のいずれの場合にも提供され、本発明に従った態様で還元剤タンクに接続されている充填脱気ラインは開かれ得るという利点を有しており、還元剤タンクの充填の間、実質的に加圧されていない。これは、また充填脱気ラインが還元剤タンクから離れたその端において閉じられ得るという利点をとりわけ有している。このような方法で、還元剤タンクの中に、例えばバルブといった、可動部を備えることを避けることが可能となる。これは、特に、充填脱気ラインに入った尿素が結晶化する可能性があり、及びおそらく充填脱気ラインを閉鎖し、或いはタンク接続の領域でそこに提供される可動部の動きを妨げる、という事実を考慮する。
【0010】
充填脱気ラインが、フィラーネックにより形成された充填ダクトから少なくも実質的に分離した脱気経路を形成することが、便利上、提供される。この方法により、バックサージなしに、ゴボゴボ音を立てずに波立たない充填を得ることが可能となる。
【0011】
本発明に従った還元剤タンクの一つの変形において、充填脱気ラインが充填レベル作動方法で閉じられ得ることが提供されてよい。これは、液体のレベルで作動される対応する切換部材によって明らかに起こってもよい。
【0012】
変形例は、充填脱気ラインが、タンクの内側の最大充填レベルの近くで、液浸パイプとして設計されるプロジェクションに導かれることが、しかしながら特に望ましく、最大許容充填レベルに到達すると、前記充填脱気ラインは液体のレベルにより閉じられる。これは、還元剤タンクの更なる充填の間に使用するならば、フィラーパイプの液柱の上昇を引き起こす。これは、ノズルの非活性化、或いはフィラーコンテナの閉鎖のいずれかを導くかもしれない。充填が、例えばボトル又はその種の他のもののような容器から実行されるならば、フィラーパイプの上昇する液柱は容器の開口部を閉鎖し、後者が通気されその結果更に空にされることを妨げる。
【0013】
本発明に従った還元剤タンクが可動金具を有していないのならば、特に有利である。
【0014】
本発明に従った還元剤タンクは、便宜上、その上に提供される、空気に関して充填脱気ラインを閉ざし、そして充填脱気ラインのタンク接続から少し離れて配置される少なくとも1つのバルブを有している。前記タイプのバルブは、還元剤タンクの中に提供されなければならない水溶液が乾燥するのを確実に防ぐ。
【0015】
バルブは、例えば、充填脱気ラインが閉ざされる位置に、バネ仕掛けの方法で押されてもよい。これは、例えば、スプリング素子を用いて物理的に実現されてよい。もう一つの方法として、前記タイプのバルブは、例えば、バルブ本体自体の伸縮自在で弾力的な性質により閉ざされた位置に保持されるいわゆるマッシュルームバルブとして設計されていてよい。
【0016】
もう一つの方法として、バルブは機械的に作動されることができるように設計されていてよい。
【0017】
本発明に従った還元剤タンクの一つの有利な改良例では、バルブは、フィラーパイプの閉鎖カバーにより作動されることができる。例えば、充填脱気ラインは、この目的のために、いわゆるフィラーヘッドを介してガイドされてよい。ここで、充填脱気ラインの締めるポイント(fastening point)にとって、フィラーパイプの開口部の近くに、或いはフィラーパイプを締める閉鎖カバーの近くに提供されることは、有利に可能である。
【0018】
もう一つの方法として、バルブは、ボーデンケーブルにより作動されることができることとしてよい。
【0019】
バルブは、充填脱気ラインが閉じられる位置において、回収給気及び/又は運転可能な脱気ラインを開く、スイッチングバルブとして設計されているならば、特に都合がよい。
【0020】
本発明に従った還元剤タンクは、例えば、押し出しブロー成形タンクとして熱可塑性物質から形成されてよい。前記タンクは、少なくとも前記充填脱気手段のフィラーパイプ及びパーツがタンクに一体化されて形成されているように生成されてよい。本発明に従った還元剤タンクは、一層或いは多層設計により、押し出しブロー成形により熱可塑性物質から形成されてよい。
【0021】
本発明は、図面において図示された例示的な実施形態に基づいて、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明に従った還元剤タンクの第1の改良例を示し、還元剤タンクの部品のみが図示されている。
【図2】図2は、本発明に従った還元剤タンクの第2の例示的な実施形態を示し、タンクは極めて簡素化されたフォームで図示されている。
【図3】図3は、本発明の第3の例示的な実施形態に従った還元剤タンクを示す。
【図4】図4は、第4の例示的な実施形態に従った本発明の還元剤タンクを示す。
【図5】図5は、本発明に従った還元剤タンクの第5の例示的な実施形態を示す。
【図6】図6は、本発明に従った還元剤タンクの第6の例示的な実施形態を示す。
【図7】図7は、本発明に従った還元剤タンクの第7の例示的な実施形態を示す。
【図8】図8は、本発明に従った還元剤タンクの第8の例示的な実施形態を示す。
【図9】図9は、本発明の第9の例示的な実施形態に従った還元剤タンクを示す。
【図10】図10は、還元剤タンクの更なる改良例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
第1に、略図で本発明に従った完全なる還元剤タンク1を示す図2は参照される。本発明に従った還元剤タンク1は、全ての側面によって囲まれている実際の充填ボリューム2と、前記充填ボリューム2に接続され、フィラーヘッド5の上に提供されるフィラー開口部4を有するフィラーパイプ3と、を備えている。フィラーヘッド5は、拡大された倍率で、部分的に断面で、図1に図示されている。しかしながら、図1及び2に従った例示的な実施形態は、以下に述べられるように相違する。
【0024】
本発明に従った還元剤タンクは、押し出しブロー成形プラスチックタンクとして便宜上形成されており、いわゆるSCR触媒コンバータのディーゼル車上流の排気ガスに供給され、或いは注入される水溶性尿素溶液の形式で液体の還元剤を保持する役目をはたしている。
【0025】
図は、取り付け位置における還元剤タンク1を基本的には示す。
【0026】
図2からわかるように、フィラーパイプ3は、前記還元剤タンク1のおよそ低い領域において、後者が取り付け位置にあるとき、還元剤タンク1に接続されている。そのような改良は、サブ表面充填(sub-surface filling)とも呼ばれる。
【0027】
フィラーヘッド5には、閉鎖キャップ(不図示)がネジ止めされ得るネジ環6が与えられている。フィラーヘッド5は、後者の上側にて還元剤タンク1に接続されている、充填脱気ライン7のためのライン分岐として設計されている。フィラー開口部4は、充填がノズル装置或いはコンテナを介して行われるように寸法付けられており、ノズル装置の或いはコンテナのパイプスタブ或いは注ぎ口は、充填脱気ライン7の接続の下、フィラーヘッド5の中に広がるような範囲でフィラーヘッド5の中に突出する。このようにして、充填脱気ライン7により形成された脱気経路は、フィラーパイプ3により形成された充填経路から完全に分離されることが確実なものとされる。
【0028】
充填脱気ライン7には、充填ボリューム2の中へ突き出るその端にて、充填ボリューム2の中の液体レベルの高さ、ひいては還元剤タンク1の最大充填高さを決める液浸パイプ8が提供される。
【0029】
充填脱気ライン7は、充填ボリューム2の上の端からフィラーヘッド5まで及びそこからスイッチングバルブ9まで延びている。スイッチングバルブ9によって、充填脱気ライン7ひいては脱気経路は、充填プロセスが終了した後に閉じられることができる。
【0030】
拡大された倍率で、フィラーヘッド5、及びその上に配置されたスイッチングバルブ9を図示する図1がいま参照される。図1はスイッチングバルブ9の第1の変形を示し、スイッチングバルブ9は、フィラーパイプ3のための閉鎖キャップ(不図示)により作動されることができる。スイッチングバルブ9は、プランジャ11の端に提供されるバルブボディ12によって閉鎖されることができるバルブ開口部10を備えている。バルブ開口部10は充填脱気ライン7により定義される脱気経路の中に位置しており、当該バルブ開口部10は、フィラーパイプ3或いはフィラーヘッド5の中の最大許容液体レベルより上に位置する。この方法により、どんなことがあっても、液体尿素がスイッチングバルブ9の領域の中を通過しないことが確実なものとされる。流れ方向のスイッチングバルブ9の下流では、充填脱気ライン7は空気と連絡している。
【0031】
図1は、開口状態にあるバルブ本体12を図示しており、即ちバルブ開口部10は開かれている。バルブ本体12は、例えば、バネ押しの態様で開口状態が維持されるようにしてもよい。
【0032】
閉鎖キャップがフィラーヘッド5のネジ環6にネジ止めされるならば、脱気経路が閉鎖されるように、前記閉鎖キャップは例えば機械的にバルブプランジャ11を作動させることができて、バルブ本体12を、バルブシートを形成する、バルブ開口部10に押しやることができる。
【0033】
図2に示される還元剤タンク1の変形において、スイッチングバルブ9はボーデンケーブル(指示のために単に図示される)によって作動される。図2の第2の例示的な実施形態に従った還元剤タンクの設計原理は、その他の点では、第1の例示的な実施形態のそれに対応する。
【0034】
図2において、13は、回収給気装置として、及び/又は動作可能な給気装置としての圧力補償素子を示している。圧力補償素子13は、バルブ又はその種の他のものにより、還元剤が回収されるとき、還元剤タンクの給気を確実なものとする。還元剤が回収されないならば、給気或いは脱気は、大気に関する気圧傾度次第で発生する。図示を簡素化するために回収ラインは図示されていない。
【0035】
フィラーパイプ3のフィラー開口部4を介した還元剤タンク1の充填の間、初めに充填ボリューム2の中の液体レベルは上昇し、還元剤タンク1の中に提供されるガスボリュームは、フィラーヘッド5及びスイッチングバルブ9を介して充填脱気ライン7を介して大気に放出される。充填脱気ライン7の大気接続は、フィラー開口部4から便宜上離れているので、還元剤タンク1を充填する人は有害臭の被害を受けない。
【0036】
還元剤タンク1の脱気は、液体のレベルが充填脱気ライン7の液浸パイプ8を閉じるまで可能である。更なる充填は、それゆえに、フィラーパイプ3の中の液柱の上昇をもたらす。ノズルによって補充が実行されるとき、上昇する液柱はノズルの通気孔を閉鎖し、補充プロセスは停止するだろう。コンテナ、例えばいわゆる'クルーゼボトル'により、補充が実行されるとき、上昇した液体は、後者はもはや通気せず、そして更なる液体がもはや流出できないように、コンテナのネックを閉じるだろう。本発明に従った還元剤タンク1の過補充は、それゆえに困難である。補充プロセス或いは充填プロセスの終了後、フィラー開口部4は閉ざされ、スイッチングバルブ9は還元剤タンク1の乾燥が確実に防止されるように作動される。圧力補償素子13により、還元剤タンク1の給気は、還元剤が回収されている間は、確実なものとされることができる。これは、マッシュルームバルブ、バネ仕掛けのバルブ、その種の他のもののいずれかにより可能である。図2に図示されている還元剤タンク1の改良においても、スイッチングバルブ9及びフィラーヘッド5から延びている充填脱気ライン7のその一部は、フィラーパイプ3の最大許容充填レベルの上に配置されている。
【0037】
この際、全ての模範的な実施形態で、可能な所で、同じ構成要素が同じ参照符号によって意味されると指摘される。
【0038】
図3に図示される本発明に従った還元剤タンクの変形例では、充填脱気ライン7は充填ボリューム2に公然と接続されている。バルブ14は、充填脱気ライン7の大気側端に提供されている。充填脱気ライン7は、フィラーパイプ3の最大充填レベルの上に延びている上側のライン部15を備えている。前述した例示的な実施形態との比較において、還元剤タンク1のこの変形は、タンクカバー領域の中、より小さな取り付けスペースで済むという利点を有する。更に、フィラーヘッド5へのラインのルーティングが不要とされる。
【0039】
図4に図示される本発明に従った還元剤タンク1の変形は、図3に示される変形と、バルブ14が3ウェイバルブとして設計されており、圧力補償素子13の給気ライン16がそれに接続されている、という点において異なっている。この方法により、還元剤タンク(回収)の作動状態、及び充填脱気状態の間のトグルスイッチは、簡素な態様で実現される。
【0040】
図5に図示される本発明に従った還元剤タンク1の変形は、基本的には、図3に図示される還元剤タンク1の変形と対応しており、バルブ14は充填ボリューム2の周辺部に、しかし充填ボリューム2から十分な距離で位置している。
【0041】
図6に図示されている本発明に従った還元剤タンクの変更において、バネ仕掛けのバルブ14は充填脱気ライン7に提供され、バルブ14は、その弾性力により閉じた状態としておき、及び充填ボリューム2の対応する圧力の上昇の場合にのみ開く、例えばいわゆるマッシュルームバルブとして設計されている。この変形において、圧力補償素子13にとって、還元剤タンク1が加圧されないように圧力維持バルブが装備されることは必要である。充填脱気ライン7の液浸パイプ8による充填プロセスの終了或いは非活性化の後、フィラーパイプ3の中に未だ存在している液柱は還元剤タンクの内側に圧力をかける。圧力補償素子13の圧力維持機能は、ここでは過補充を避ける役目を果たす。
【0042】
還元剤タンク1の前記変形は、スイッチングバルブが必要とされないので、特に安価であり、充填脱気ラインのルーティングのために多大な自由を提供する。
【0043】
図7に従った本発明の典型的な実施形態では、充填脱気ライン7にバルブ14が提供され、当該バルブ14は給気ライン16にも接続されている3ウェイバルブとして設計されている。バルブ14は、図7(拡大された詳細A)に図解的に描かれている2つのスイッチングポジションを有し、図示の左手側は作動可能な脱気を記号で表し、図示の右手側は充填脱気を記号で示している。本発明の第1の模範的な実施形態では、バルブ14は、例えば、閉鎖キャップにより、相互のスイッチングが機械的に可能なように、フィラーヘッド5の空間的周辺に配置されてよい。バルブは、バルブ本体として、例えば、互いと逆の動作をする2つのマッシュルームバルブを備えていてよい。還元剤タンク1の充填の間、給気ライン16は閉ざされるのに対して、充填脱気ライン7の経路は大気に開かれている。
動作の間は、大気から給気ライン16を介した充填ボリューム2への経路は開かれるのに対して、充電脱気ライン7を介した大気への経路は閉ざされる。この場合において、バルブ14は、充填ボリューム2が乾燥するのを避けるために、圧力維持機能を備えていなければならない。本発明に従った還元剤タンク1のこの変更でも、充填脱気ライン7のライン部15はフィラーパイプ3の最大充填レベルより上に配置されている。
【0044】
図8に図示される本発明に従った還元剤タンク1の変形において、バルブ14は充填脱気ライン7に提供されており、バルブ17はまた給気ライン16に提供されている。給気ライン16のバルブ17の概略図は拡大された倍率の図Bで図示されている。バルブ17は、第1のバルブ本体17aと第2のバルブ本体17bを備えており、第1のバルブ本体17aはバネ仕掛けのボールとして設計されており、第2のバルブ本体17bはマッシュルームバルブとして設計されている。第1のバルブ本体17aは還元剤タンク1の圧力維持機能を実現する役割を果たし、第2のバルブボディ17bは、還元剤が回収されているときに充填ボリュームが通気されることを可能とする。
【0045】
本発明に従った還元剤タンク1の更なる変形は、最終的に図9に図示される。前記還元剤タンク1において、ダブルマッシュルームバルブとしてのバルブ14は、自動車の渡河ラインの上の充填脱気ライン7に配置されており、バルブ14は、また還元剤タンク1の脱気及び給気の双方を可能とする。バネ仕掛けのボールバルブとして、圧力維持機能を備えたバルブ18は、16で示される給気ラインの中に提供される。給気ライン16の水平に延びたライン部19は、フィラーパイプ3の中の最大充填レベルの上に延びている。
【0046】
図10に図示される還元剤タンク1の変形では、充填脱気及び運転中の脱気は何れの場合にもダイヤフラム20により実現される。
【符号の説明】
【0047】
1 還元剤タンク
2 充填ボリューム
3 フィラーパイプ
4 フィラー開口部
5 フィラーヘッド
6 ネジ環
7 充填脱気ライン
8 液浸パイプ
9 スイッチングバルブ
10 バルブ開口部
11 バルブプランジャ
12 バルブ本体
13 圧力補償素子
14 バルブ
15 ライン部
16 給気ライン
17 バルブ
17a 第1バルブ本体
17b 第2バルブ本体
18 バルブ
19 ライン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラー開口部(4)が与えられた少なくとも1つのフィラーパイプ(3)を有し、充填脱気のための少なくとも1つの装置を備え、及び充填の間、充填レベルを制限するための装置を備え、前記充填脱気のための装置は、フィラーパイプ及び/又はタンクの中で最大充填レベルより上に少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの充填脱気ライン(7)を備えている、自動車の還元剤タンク。
【請求項2】
前記充填脱気ライン(7)は、前記フィラーパイプ(3)により形成された充填ダクトから少なくとも実質的に分離された脱気経路を形成することを特徴とする請求項1に従った還元剤タンク。
【請求項3】
前記充填脱気ライン(7)は、充填レベル作動態様の中、閉じられることができることを特徴とする請求項1又は2のうちの1つに従った還元剤タンク。
【請求項4】
最大許容充填レベルに到達すると、前記充填脱気ライン(7)は液体レベルにより閉じられるように、前記充填脱気ライン(7)は、液浸パイプ(8)として形成されているプロジェクションに、タンクの内部の最大充填レベルの領域の中、導かれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに従った還元剤タンク。
【請求項5】
前記還元剤タンクは、可動金具を備えていないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに従った還元剤タンク。
【請求項6】
空気に関して充填脱気ラインを閉ざし、そして充填脱気ライン(7)のタンク接続から少し離れて配置される少なくとも1つのバルブ(9,14)で特徴付けられる請求項1乃至5のいずれか1つに従った還元剤タンク。
【請求項7】
前記バルブ(9,14)は、充填脱気ライン(7)が閉ざされる位置に、バネ仕掛けの方法で押されることを特徴とする請求項6に従った還元剤タンク。
【請求項8】
前記バルブ(9,14)は、機械的に作動されることができることを特徴とする請求項6に従った還元剤タンク。
【請求項9】
前記バルブ(9,14)は、前記フィラーパイプ(3)の閉鎖カバーにより作動されることができることを特徴とする請求項8に従った還元剤タンク。
【請求項10】
前記バルブ(9,14)は、ボーデンケーブルにより作動されることができることを特徴とする請求項7又は8に従った還元剤タンク。
【請求項11】
前記バルブ(9,14)は、前記充填脱気ライン(7)が閉じられる位置において、回収給気及び/又は運転可能な脱気ライン(16)を開く、スイッチングバルブとして設計されていることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1つに従った還元剤タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−519789(P2012−519789A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552351(P2011−552351)
【出願日】平成22年2月27日(2010.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001231
【国際公開番号】WO2010/099908
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(510169365)コーテックス テクストロン ジーエムビーエイチ アンド シーオー ケージー (12)
【Fターム(参考)】