説明

部品ライブラリ作成装置及び部品ライブラリ作成方法

【課題】
本発明は、ライセンスキーの紛失を予防することで、確実にライブラリを作成できる部品ライブラリ作成装置または部品ライブラリ作成方法を提供することである
【解決手段】
本発明は、電子部品を撮像する部品撮像装置と前記撮像結果から前記電子部品の部品ライブラリデータを作成する処理プログラムを有するデータ作成装置とを有し、前記処理プログラムを起動するのに必要なライセンスキーを前記部品撮像装置に固定して設けたことを特徴とする。また、部品撮像装置は前記処理プログラムを起動するのに必要なライセンスキーを前記データ作成装置に送り、前記データ作成装置は送られてくるはずの前記ライセンスキーの存在を判断し、存在すれば前記処理プログラムを起動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品ライブラリ作成装置または部品ライブラリ作成方法に係わり、特に、確実に使用可能な部品ライブラリ作成装置または部品ライブラリ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板上に電子部品の実装を行う産業用ロボットであるチップマウンタでは、電子部品の実装前に部品ライブラリを作成する必要がある。部品ライブラリの作成はチップマウンタ上でもできるが、マウンタの稼動を停止させないために、マウンタから独立した専用の部品ライブラリ作成装置が開発されている。部品ライブラリ作成装置では、ライブラリを作るために必要な処理プログラムを起動するのにライセンスキーが必要である。ライセンスキーはUSBメモリに収められ、部品ライブラリ作成装置のパソコン本体PCのUSBポートに接続することで処理プログラムの起動を可能としていた。特許文献1にはパソコン本体側にライセンスキーを設ける方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−50160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品ライブラリ作成装置は、特許文献1に示すように、部品ライブラリデータを作成する処理プログラムが不正に使用されないように、処理プログラムを処理するパソコンにライセンスキーを格納したUSBメモリを接続し、部品ライブラリデータを作成するのが一般的であった。
しかしながら、ライセンスキーをUSBメモリなどでパソコンに接続する方式ではライセンスキーを紛失する恐れがあった。ライセンスキーがないと部品ライブラリを作成できず、顧客工場の生産に多大なる悪影響を与える恐れがあった。
【0005】
本発明の目的は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、ライセンスキーの紛失を予防することで、確実にライブラリを作成できる部品ライブラリ作成装置または部品ライブラリ作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、少なくとも以下の特徴を有する。
本発明は、電子部品を撮像する部品撮像装置と前記撮像結果から前記電子部品の部品ライブラリデータを作成する処理プログラムを有するデータ作成装置とを有し、前記処理プログラムを起動するのに必要なライセンスキーを前記部品撮像装置に固定して設けたことを第1の特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記部品撮像装置は前記データ作成装置とのインターフェイスの役目をする照明コントロールボードを有し、前記ライセンスキーを前記照明コントロールボードに設けたことを第2の特徴とする。
さらに、前記ライセンスキーは前記照明コントロールボードに固定された前記USBメモリまたはROMに内蔵されていることを第3の特徴とする。
【0008】
また、本発明は、部品撮像装置は前記処理プログラムを起動するのに必要なライセンスキーを前記データ作成装置に送り、前記データ作成装置は送られてくるはずの前記ライセンスキーの存在を判断し、存在すれば前記処理プログラムを起動することを第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ライセンスキーの紛失を予防でき、確実に部品ライブラリを作成できる部品ライブラリ作成装置または部品ライブラリ作成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態である部品ライブラリ作成装置を示す図である。
【図2】部品ライブラリデータの作成フローを示す図である。
【図3】部品ライブラリデータの一例としてSOPタイプのICの場合を示す図である。
【図4】本発明の特徴であるラインセンスキーを有する照明コントロールボードの第1の実施例1を示す。
【図5】本発明の特徴であるラインセンスキーを有する照明コントロールボードの第2の実施例2を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態である部品ライブラリ作成装置1を図1を用いて説明する。
部品ライブラリ作成装置1は、大別して電子部品21を撮像する部品撮像装置2と前記撮像結果に基づいて部品ライブラリデータを作成するデータ作成装置3とを有する。
【0012】
部品撮像装置2は、照明装置13と、部品載置高さレベル調整装置14と、両者を固定する設置スタンド12とを有する。
照明装置13は、円筒状の装置本体15内と、部品認識カメラ16と、レンズ17が配設された鏡筒18と、複数個のリング状の反射LED照明装置19を備えた反射照明本体20と、電源スイッチ7を備えた照明コントロールボード8とを有する。
一方、部品載置高さレベル調整装置14は、部品載置台24と、基礎台25と、部品載置台24と基礎台25の間に照明方法や電子部品21の高さに応じて高さを調節する複数の段数を有する調整台23と、設置スタンド12に固定するための固定台22とを有する。なお、10はコンセントに接続されるACアダプタであり、9は電源ケーブルである。
【0013】
データ作成装置3は、キーボード、マウス等の入力装置6と、制御装置としてのマイクロコンピュータ等を内部に備えたパソコン本体4と、報知装置としてのモニター5とを有する。
部品撮像装置2とデータ作成装置3との間には、部品認識カメラ16の撮像データをパソコン本体4に送るUSBケーブル11と、コントロールボックス8Bに収納されている照明コントロールボード8とパソコン本体4との制御信号等のやり取りのためのUSBケーブル6が接続されている。
【0014】
以上の構成により、電子部品装着装置の運転中においてもオフラインで部品ライブラリデータを作成することができる。図2は部品ライブラリデータの作成フローを示す。
まず、作業者は、これから部品ライブラリデータを作成しようとする電子部品の厚さを計測して、パソコン本体4の入力装置6を操作して、モニター5に表示された画面に部品厚みを入力すると共に、教示条件、例えば、照明方法などを入力する(Step1)。
【0015】
すると、パソコン本体4の内部メモリ(図示せず)に部品厚さと調整台23の段数の対応表を格納しているので、前記入力された厚さに基づいて、調整台23の段数等の指示がモニター5に表示され、作業員はその指示に従い作業を実施する(Step2)。例えば厚さが15.0mmで照明方法が反射照明である場合には基礎台25上に調整台23を2段載置する必要がある旨がモニター5に表示される。厚さが8.0mmで照明方法が透過照明である場合には基礎台50上に調整台(図示せず)が2段及び最上段として透過用調整台(図示せず)を載置する必要がある旨を表示する。
【0016】
次に、この状態で、パソコン本体4及びACアダプタ10を商用電源に接続し、照明コントロールボード8の電源スイッチ7をオンにして、電子部品を調整台に載置する(Step3)。このとき、入力装置6を操作して、照明方法が反射照明である場合には、部品撮像装置2の反射照明本体20を点灯させて、部品認識カメラ16で部品載置台24上の電子部品21を撮像する(Step4)。なお、照明方法が透過照明である場合には、最上段の透過用調整台(図示せず)内に配設された透過用の照明灯(図示せず)を点灯させて、透過用調整台上の電子部品に照射した状態として、部品認識カメラ16で透過像を撮像する。
【0017】
次に、パソコン本体4は、作業者が処理プログラムの使用権限を有しているかをライセンスキー有無で判断する(Step5)。なお、この判断は、Step3の電源スイッチのON動作を実施することを条件にStep1の前に実施してもよい。Step5において、ライセンスキーがなければ処理は終了となる。有れば次のStep6へ行く。
【0018】
Step6では、部品ライブラリこの撮像された画像についてパソコン本体4が認識処理すると共に、この認識処理結果に基づいて、当該電子部品21の部品ライブラリデータを作成する。即ち、パソコン本体4のマイクロコンピュータを構成するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)に格納された処理プログラムに従い、部品ライブラリデータを作成する。その後、部品ライブラリデータを保存する(Step6)。
【0019】
このようにして作成された部品ライブラリデータの一例としてSOPタイプのICの場合を図3に示す。図3(a)は、図3(b)に示すデータ項目に対する部品ライブラリデータを示す。
【0020】
図4は、本発明の特徴であるラインセンスキーを有する照明コントロールボード8の第1の実施例1を示す。
照明コントロールボード8は、ねじ32により照明コントロールボード8に固定されたライセンスキー内蔵USBメモリ31と、ライセンスキー内蔵USBメモリ31を接続するUSBコネクタ30と、外部電源であるACアダプタ10から電源をON/OFFする電源スイッチ7と、電源スイッチ7からのDC電源を照明コントロールボード8内外の必要なDC電源に変換するDC/DCコンバータ35、反射LED照明装置19などの照明装置への電流源36、外部機器である部品認識カメラ16や反射LED照明装置19への電源等供給用コネクタ37a、37bと、パソコン本体4との信号授受の為のUSBコネクタ38、ROM34a、RAM34bを有し照明コントロールボード8内の機器を制御するCPU34とを有する。なお、VccはCPU34、USBコネクタ30などの電源である。
【0021】
この構成において、電源スイッチ7をONすると、CPU34はUSBコネクタ30からライセンスキー31のライセンスキーデータを読取り、パソコン本体4にライセンスキーデータを送信する。パソコン本体4は、受信したライセンスキーデータに基づき図2のステップ5に示すライセンスの有無を判断し、その後の処理を行う。
【0022】
以上説明した実施形態によれば、ライセンスキー内蔵USBメモリ31を照明コントロールボード8に設けることによって、部品撮像装置2にライセンスキーを常備しているので、ライセンスキーを紛失することない。その結果、ライセンスキーを有する部品撮像装置2をライセンスの必要な部品ライブラリデータ処理プログラムを有するパソコンと接続することにより、確実に部品ライブラリ作成装置及び部品ライブラリ作成を提供できる。
【0023】
図5は、本発明の特徴であるラインセンスキーを有する照明コントロールボード8の第2の実施例2を示す。
実施例2の実施例1と異なる点は、ライセンスキー内蔵USBメモリ31の代わりにライセンスキーデータが書き込まれたライセンスキー内蔵ROM33を有している点である。その他の点については実施例1と同様である。
実施例2を有する本実施形態においても、部品撮像装置2にライセンスキーを常備しているので、実施例1と有する場合と同じ効果を奏することができる。
【0024】
また、実施例2に示すように、USBメモリだけでなく、ライセンスキーを書き換え不可能な状態で、照明コントロールボード8などの部品撮像装置2側に固定的に設けることが本発明の課題の解決手段となる。
以上のように本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0025】
1:部品ライブラリ作成装置 2:部品撮像装置
3:データ作成装置 4:パソコン本体
5:モニター 6:入力装置
7:電源スイッチ 8:照明コントロールボード
14:部品載置高さレベル調整装置 16:部品認識カメラ
19:反射LED照明装置 20:反射照明本体
21:電子部品 30:USBコネクタ
31:ライセンスキー内蔵USBメモリ 33:ライセンスキー内蔵ROM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を撮像する部品撮像装置と前記撮像結果から前記電子部品の部品ライブラリデータを作成する処理プログラムを有するデータ作成装置とを有する部品ライブラリ作成装置において、
前記処理プログラムを起動するのに必要なライセンスキーを前記部品撮像装置に固定して設けたことを特徴とする部品ライブラリ作成装置。
【請求項2】
前記部品撮像装置は前記データ作成装置とのインターフェイスの役目をする照明コントロールボードを有し、前記ライセンスキーを前記照明コントロールボードに設けたことを特徴とする請求項1に記載の部品ライブラリ作成装置。
【請求項3】
前記ライセンスキーは前記照明コントロールボードに固定されたUSBメモリに内蔵されていることを特徴とする請求項2に記載の部品ライブラリ作成装置。
【請求項4】
前記ライセンスキーは前記照明コントロールボードに固定されたROMに内蔵されていることを特徴とする請求項2に記載の部品ライブラリ作成装置。
【請求項5】
電子部品を撮像する部品撮像装置と前記撮像結果から前記電子部品の部品ライブラリデータを作成する処理プログラムを有するデータ作成装置とを有し、前記処理プログラムを起動して前記部品ライブラリデータを作成する部品ライブラリ作成方法において、
部品撮像装置は前記処理プログラムを起動するのに必要なライセンスキーを前記データ作成装置に送り、前記データ作成装置は送られてくるはずの前記ライセンスキーの存在を判断し、存在すれば前記処理プログラムを起動することを特徴とする部品ライブラリ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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