説明

部品検索システム

【課題】現物から必要な情報を得ることで、部品のデータ検索を短時間で容易に行なえるようにする。
【解決手段】部品Pを設置するテーブル2と、テーブル2に設置された部品Pの重量を計測する重量計3と、テーブル2に設置された部品Pに光を照射する光源4と、光源4から光を照射することによって部品Pが投影される透視可能な透過型スクリーン5と、部品Pが光によって透過型スクリーン5に投影されることで当該透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIを、当該透過型スクリーン5を挟んで光源とは反対側から撮像するカメラ6と、光源4、透過型スクリーン5及びカメラ6が固定されている計測用アーム7と、計測用アーム7を移動させるロボット8と、ロボット8を制御すると共にカメラ6で撮像された部品Pの投影像PIに基づき部品Pの3次元形状を得るために画像処理を施す部品検索装置9とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部品検索システムに係り、特に、パーソナル・コンピュータなどの部品検索装置によって部品情報を入力することで、その部品情報に該当する部品をデータベースから検索することができる部品検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大容量の部品データをデータベースから検索できる部品検索システムや部品検索装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。このような部品検索システムや部品検索装置は、大容量の部品データをデータベースから検索するために、例えばパーソナル・コンピュータの入力デバイスで部品の品番や形式のテキスト情報を入力したり、部品の3次元形状の情報を入力したりして、その情報を検索対象である部品に関するキーワードとして利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−128682号公報
【特許文献2】特開2008−234101号公報
【特許文献3】特開2007−140810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術に記載した部品検索システムや部品検索装置では、例え検索対象である部品の現物があっても、その部品をデータ検索するためのキーワードを入力デバイスで一つ一つ入力しなければならないので、検索する事前段階においてキーワードを構築する作業が必要になったり、検索対象である部品のキーワードが判らない場合には部品検索を行なうことができなかったりする難点があった。また、パーソナル・コンピュータを操作できない者の場合には、部品のデータ検索自体を行なうことができなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、部品のデータ検索時のキーワードとなる品番、品名などのテキスト情報や、部品の3次元形状の情報を事前に調べることなく、現物から必要な情報を得ることで部品のデータ検索を短時間で容易に行なうことができる部品検索システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成する第1の態様である部品検索システムは、被検索対象物を設置するテーブルと、テーブルに設置された被検索対象物の重量を計測する重量計と、テーブルに設置された被検索対象物に光を照射する光源と、光源から光を照射することによって被検索対象物が投影される透視可能な透過型スクリーンと、被検索対象物が光によって透過型スクリーンに投影されることで当該透過型スクリーンの裏側に映し出される被検索対象物の投影像を、当該透過型スクリーンを挟んで光源とは反対側から撮像するカメラと、光源、透過型スクリーン及びカメラが固定されている計測用アームと、計測用アームを移動させるロボットと、カメラで撮像された被検索対象物の投影像に基づき被検索対象物の3次元形状を得るために、ロボットを制御して計測用アームを移動することでカメラによる撮像方向を変えてその都度、投影像を当該カメラで撮像する制御部と、制御部でカメラの撮像方向が変えられた回数だけカメラで撮像した被検索対象物の投影像の2次元画像データを画像処理して3次元形状データを生成する3次元形状データ生成部と、3次元形状データ生成部で生成された3次元形状データに基づき被検索対象物の体積を算出し、且つ重量計で計測された被検索対象物の重量を質量に換算して、体積及び質量に基づき被検索対象物の密度を算出して当該被検索対象物の材質を判別する材質判別部と、データベースを有し、複数の部品それぞれの3次元形状データ、質量データ及び材質データがデータベースに格納され、部品の3次元形状データ及び質量データにはそれぞれ、複数の部品から被検索対象物と類似する部品を検索するための閾値が設定され当該閾値がデータベースに格納されている記憶部と、被検索対象物の3次元形状データがデータベースに格納された3次元形状データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索する第1の部品検索機能と、第1の部品検索機能で検索された部品群の中から、被検索対象物の材質の材質データと同一のデータベースに格納された材質データを有する部品群を当該データベースから検索する第2の部品検索機能とを有する部品検索部とを備えたものである。
【0007】
このような第1の態様である部品検索システムは、被検索対象物をテーブルに設置して、制御部で、カメラで撮像された被検索対象物の投影像に基づき被検索対象物の3次元形状を得るために、ロボットを制御して計測用アームを移動することでカメラによる撮像方向を変えてその都度、投影像を当該カメラで撮像すると、3次元形状データ生成部は、制御部でカメラの撮像方向が変えられた回数だけカメラで撮像した被検索対象物の投影像の2次元画像データを画像処理して3次元形状データを生成することができ、材質判別部は、3次元形状データ生成部で生成された3次元形状データに基づき被検索対象物の体積を算出し、且つ重量計で計測された被検索対象物の重量を質量に換算して、体積及び質量に基づき被検索対象物の密度を算出して当該被検索対象物の材質を判別することができる。そして、部品検索部は第1の部品検索機能によって、被検索対象物の3次元形状データがデータベースに格納された3次元形状データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索し、第2の部品検索機能によって、第1の部品検索機能で検索された部品群の中から、被検索対象物の材質の材質データと同一のデータベースに格納された材質データを有する部品群を当該データベースから検索することができる。したがって、第1の態様である部品検索システムは、被検索対象物の情報を現物から短時間で容易に得ることができるようになる。
【0008】
本発明の第2の態様は第1の態様である部品検索システムにおいて、部品検索部は、第2の部品検索機能で検索された部品群の中から、被検索対象物の質量の質量データがデータベースに格納された質量データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索する第3の部品検索機能を有するものである。
【0009】
このような第2の態様である部品検索システムによれば、さらに、被検索対象物に該当する部品群を絞り込むことができる。
【0010】
本発明の第3の態様は第1の態様又は第2の態様である部品検索システムにおいて、部品検索部で質量に基づき検索された部品群を表示するための表示部を備えたものである。
【0011】
このような第3の態様である部品検索システムによれば、部品検索を行っている作業者は最適な部品を容易に選択することができるようになる。
【0012】
本発明の第4の態様は第1の態様から第3の態様のうち何れか1つの態様である部品検索システムにおいて、テーブルは被検索対象物を設置する部位が透明の材質から成るものである。
【0013】
このような第4の態様である部品検索システムを適用するのは、光源で被検索対象物に光を照射する際に、被検索対象物を設置する部位によって影ができることを防ぐためで、この影がカメラの撮像位置によっては当該カメラの撮像に悪影響を及ぼす虞があるからである。
【0014】
本発明の第5の態様は第1の態様から第4の態様のうち何れか1つの態様である部品検索システムにおいて、ロボットは、多関節型の産業用ロボットである。
【0015】
このような第5の態様である部品検索システムによれば、光源、透過型スクリーン及びカメラが固定されている計測用アームを最適な最小軌跡で移動させることができるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の部品検索システムによれば、部品のデータ検索時のキーワードとなる品番、品名などのテキスト情報や、部品の3次元形状の情報を事前に調べることなく、現物から必要な情報を得ることで部品のデータ検索を短時間で容易に行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の部品検索システムの好ましい実施の形態例を示す説明図である。
【図2】本発明の部品検索システムの構成要素であるロボットの具体例である産業用ロボットを示す図で、(A)は産業用ロボットを示す全体斜視図、(B)、(C)は産業用ロボットの先端のアームと、このアームに設けられた固定部とを示す部分斜視図である。
【図3】本発明の部品検索システムの構成要素である光源、透過型スクリーン及びカメラが固定されている計測用アームの動作説明図で、(A)はロボットを起動した時に計測用アームが水平方向の所定位置に停止した図、(B)は計測用アームが(A)の位置から水平方向において90度回転して停止した図、(C)は計測用アームが(B)の位置から垂直方向において90度回転して停止した図である。
【図4】本発明の部品検索システムの動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の部品検索システムを実施するための形態例について、図面を参照して説明する。
【0019】
本発明の部品検索システムは図1に示すように、被検索対象物である部品Pを設置するテーブル2と、テーブル2に設置された部品Pの重量を計測する重量計3と、テーブル2に設置された部品Pに光を照射する光源4と、光源4から光を照射することによって部品Pが投影される透視可能な透過型スクリーン5と、部品Pが光によって透過型スクリーン5に投影されることで当該透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIを、当該透過型スクリーン5を挟んで光源4とは反対側から撮像するカメラ6と、光源4、透過型スクリーン5及びカメラ6が固定されている計測用アーム7と、計測用アーム7を移動させるロボット8と、重量計3、カメラ6及びロボット8と電気的に接続されている部品検索装置9とを備えている。
【0020】
重量計3は、テーブル2と共に部品Pの重量を計測する場合には、テーブル2の重量を差し引いた値でデータ信号を出力してもよいが、後述する部品検索装置9でテーブル2の重量を差し引くようにしてもよい。透過型スクリーン5は、光源4の光によって投影された部品Pの投影像PIを、透過型スクリーン5を挟んで光源4とは反対側から視認することができる。カメラ6は、後述する部品検索装置9で透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIを画像処理するために、CCDやCMOSなどの撮像素子を用いてデジタル画像データを生成するデジタルカメラが好適である。このように、透過型スクリーン5に光源4の光によって投影された部品Pの投影像PIをカメラ6で撮像することができるように、光源4、透過型スクリーン5及びカメラ6は計測用アーム7に配置されている。例えば、光源4が単独で計測用アーム7に固定され、透過型スクリーン5及びカメラ6が計測用アーム7に固定されたフレーム10にそれぞれ固定されている。
【0021】
この計測用アーム7が固定されるロボット8は、カメラ6で撮像された部品Pの投影像PIに基づき部品Pの3次元形状を得ることができるように計測用アーム7を移動させる。即ち、部品Pを少なくとも3方向から2次元画像として捉えることができるように、透過型スクリーン5に投影される部品Pの投影像PIをカメラ6で撮像しなければ部品Pの3次元形状を得ることができないので、ロボット8は3軸以上の自由度を持つ自動制御、プログラム可能なマニピュレータが好ましい。したがって、カメラ6による撮像方向が多いほど、複雑な形状の物品の3次元形状を正確に得ることができる。このようなロボット8は、複数のアームがそれぞれ関節部にて連結され先端のアームには、計測用アーム7を固定するための固定部が回動可能に設けられた多関節型の産業用ロボットが該当する。このような多関節型の産業用ロボットを使用することで、光源4、透過型スクリーン5及びカメラ6が固定されている計測用アーム7を最適な最小軌跡で移動させることができるようになる。
【0022】
産業用ロボット8は例えば図2に示すように、6軸ロボットで基台81上に1軸を中心にして水平方向で回動する回転台82と、1軸に直交する2軸で回転台82の先端に連結され当該2軸を中心にして回動する第1のアーム83と、2軸と平行な3軸で第1のアーム83の先端に連結され当該3軸を中心にして回動する第2のアーム84と、第2のアーム84に回動可能に設けられ3軸に直交する4軸と、4軸の先端に固定された第3のアーム85と、4軸と直交する5軸で第3のアーム85の先端に連結され当該5軸を中心にして回動する第4のアーム86と、5軸に直交する6軸で第4のアーム86の先端に連結され当該6軸を中心にして回動する固定部87とから構成され、固定部87に計測用アーム7が固定される。
【0023】
部品検索装置9は、制御部91、3次元形状データ生成部92、材質判別部93、記憶部94、部品検索部95、操作部96及び表示部97を備え、制御部91はロボット8に電気信号を伝送できるように電気的に接続され、制御部91には3次元形状データ生成部92、材質判別部93、記憶部94、部品検索部95、操作部96及び表示部97がそれぞれ電気信号を伝送できるように電気的に接続され、さらに、3次元形状データ生成部92はカメラ6に電気信号を伝送できるように電気的に接続され、材質判別部93は重量計3に電気信号を伝送できるように電気的に接続されている。
【0024】
制御部91は、カメラ6で撮像された部品Pの投影像PIに基づき部品Pの3次元形状を得るために、ロボット8を制御して計測用アーム7を移動することでカメラ6による撮像方向を変えてその都度、投影像PIを当該カメラ6で撮像する制御処理機能を有している。
【0025】
3次元形状データ生成部92は、制御部91でカメラ6の撮像方向が変えられた回数だけカメラ6で撮像した部品Pの投影像PIの2次元画像データを画像処理して3次元形状データを生成する画像処理機能を有している。
【0026】
材質判別部93は、3次元形状データ生成部92で生成された3次元形状データに基づき部品Pの体積を算出し、且つ重量計3で計測された部品Pの重量を質量に換算して、これら体積及び質量に基づき部品Pの密度を算出して当該部品Pの材質を判別する演算処理機能を有している。この演算処理機能は、3次元形状データから3次元形状の体積(cm)を求め、質量を体積で除算することで密度(g/cm)を求めるものである。なお、密度と材質との関係を示すデータベースは後述する記憶部94に予め登録され、そのデータベースに基づき材質判別部93は部品Pの材質を判別することができる。
【0027】
記憶部94はデータベースを有し、そのデータベースには複数の部品それぞれの3次元形状データ、質量データ及び材質データが格納され、部品の3次元形状データ及び質量データにはそれぞれ、複数の部品から被検索対象物である部品Pと類似する部品を検索するための閾値が設定され当該閾値もデータベースに格納されている。3次元形状データの閾値は、形状が実質的に同一で大きさが異なるものを選択できるような値に設定されている。この3次元形状データの閾値は例えば、入力された2次元形状データによる輪郭形状の特徴を数値化した形状特徴パラメータである。質量データの閾値は、質量で該当する部品を絞り込むことができるような値に設定されている。この質量データの閾値としては例えば、自動車業界や社内で規格化された部品の技術標準書に記載されている当該部品の許容誤差が用いられる。
【0028】
部品検索部95は、部品Pの3次元形状データがデータベースに格納された3次元形状データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索する第1の部品検索機能を有するものである。また、部品検索部95は、第1の部品検索機能で検索された部品群の中から、部品Pの材質データと同一のデータベースに格納された材質データを有する部品群を当該データベースから検索する第2の部品検索機能を有するものである。さらに、部品検索部95は、第2の部品検索機能で検索された部品群の中から、部品Pの質量データがデータベースに格納された質量データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索する第3の部品検索機能を有するものである。
【0029】
表示部97は、部品検索部95で質量に基づき検索された部品群を表示するものである。部品検索部95で質量に基づき検索された部品群を表示部97に表示させることで、部品検索を行っている作業者は最適な部品を容易に選択することができるようになる。
【0030】
このように構成された部品検索装置9は、内部にCPU等の演算処理装置を備えると共に、液晶ディスプレイ等の表示画面を有する表示装置や、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイス、さらに、ハードディスクドライブ、ROM、RAM等の記憶装置で構成されているパーソナル・コンピュータが好ましい。
【0031】
このような光源4、透過型スクリーン5及びカメラ6が固定された計測用アーム7と、ロボット8と、部品検索装置9とを備えた部品検索システム1の動作について、図3に示す計測用アーム7の動作説明図、図4に示すフローチャート図に基づき説明する。
【0032】
被検索対象物である対象部品PIをテーブル2に設置すると(ステップ101)、重量計3が部品Pの重量を計測する(ステップ102)。ここで、部品検索装置9の操作部96で部品検索を開始する操作を行うと、部品検索装置9の制御部91は図2(A)に示すように、水平方向L方向において部品Pを光源4と透過型スクリーン5との間に位置するように計測用アーム7をロボット8で移動させる(ステップ103)。
【0033】
この位置において、制御部91は部品Pが光によって透過型スクリーン5に投影されることで当該透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIを撮像する(ステップ104)。この位置での撮像が終了すると、制御部91は図2(B)に示すように、水平方向Lに対して水平面において直交する水平方向Wにおいて部品Pを光源4と透過型スクリーン5との間に位置するように計測用アーム7をロボット8で移動させる(ステップ105)。この位置において、制御部91は部品Pが光によって透過型スクリーン5に投影されることで当該透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIを撮像する(ステップ104)。この位置での撮像が終了すると、制御部91は図2(C)に示すように、水平方向Wに対して垂直面において直交する垂直方向Hにおいて部品Pを光源4と透過型スクリーン5との間に位置するように計測用アーム7をロボット8で移動させる(ステップ105)。この位置において、制御部91は部品Pが光によって透過型スクリーン5に投影されることで当該透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIを撮像する(ステップ104)。これら3つの位置で透過型スクリーン5の裏側に映し出される部品Pの投影像PIをカメラ6で撮像することで、部品Pの3次元形状を得ることができる3方向からの2次元画像データを部品検索装置9の3次元形状データ生成部92は取得する(ステップ106)。なお、テーブル2の部品Pを設置する部位は、透明の材質から成るものが好ましい。これは、光源4で部品Pに光を照射する際に、部品Pを設置する部位によって影ができることを防ぐためで、この影がカメラ6の撮像位置によっては当該カメラ6の撮像に悪影響を及ぼす虞があるからである。
【0034】
3次元形状データ生成部92は部品Pの3次元形状を得ることができる3方向からの2次元画像データを取得すると、その3つの2次元画像データを画像処理して3次元形状を形成し(ステップ107、108)、この3次元形状から3次元形状データを生成する(ステップ109)。この画像処理としては、2値化処理及びエッジ検出処理が好適で、エッジを強調するように検出処理することで、部品Pの2次元形状を精度よく検出することができる。
【0035】
3次元形状データ生成部92で部品Pの3次元形状データを生成されると、部品検索装置9の部品検索部95は、第1の部品検索機能で部品Pの3次元形状データが記憶部94が有するデータベースに格納された3次元形状データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索する(ステップ110)。これにより、データベースに格納された複数の部品の中から部品Pに形状において類似している部品群に絞り込むことができる。
【0036】
また、ステップ102において重量計3が部品Pの重量を計測すると、部品検索装置9の材質判別部93は、部品Pの重量を質量に換算し(ステップ111)、且つ3次元形状データ生成部92で生成された3次元形状データに基づき部品Pの体積を算出して、これら質量及び体積に基づき部品Pの密度を算出して当該部品Pの材質を判別する(ステップ112、113)。
【0037】
材質判別部93で部品Pの材質が判別されると部品検索部95は、第2の部品検索機能で、第1の部品検索機能で検索された部品群の中から、部品Pの材質データと同一の記憶部94が有するデータベースに格納された材質データを有する部品群を当該データベースから検索する(ステップ114)。これにより、第1の部品検索機能で部品Pに形状において類似している部品群に絞り込まれた部品群の中から、部品Pと材質が同一である部品群に絞り込むことができる。
【0038】
また、部品Pと材質が同一である部品群に絞り込まれると、部品検索部95は、第3の部品検索機能で、第2の部品検索機能で検索された部品群の中から、材質判別部93で得られた部品Pの質量データが、記憶部94が有するデータベースに格納された質量データの閾値内にある部品群を当該データベースから検索する(ステップ115)。これにより、第2の部品検索機能で部品Pと材質が同一である部品群に絞り込まれた部品群の中から、さらに、部品Pに質量において類似している部品群に絞り込むことができる。
【0039】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0040】
1……部品検索システム
2……テーブル
3……重量計
4……光源
5……透過型スクリーン
6……カメラ
7……計測用アーム
8……ロボット
91……制御部
92……3次元形状データ生成部
93……材質判別部
94……記憶部
95……部品検索部
97……表示部
P……部品(被検索対象物)
PI……投影像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検索対象物を設置するテーブルと、
前記テーブルに設置された前記被検索対象物の重量を計測する重量計と、
前記テーブルに設置された被検索対象物に光を照射する光源と、
前記光源から前記光を照射することによって前記被検索対象物が投影される透視可能な透過型スクリーンと、
前記被検索対象物が前記光によって前記透過型スクリーンに投影されることで当該透過型スクリーンの裏側に映し出される前記被検索対象物の投影像を、当該透過型スクリーンを挟んで前記光源とは反対側から撮像するカメラと、
前記光源、前記透過型スクリーン及び前記カメラが固定されている計測用アームと、
前記計測用アームを移動させるロボットと、
前記カメラで撮像された前記被検索対象物の前記投影像に基づき前記被検索対象物の3次元形状を得るために、前記ロボットを制御して前記計測用アームを移動することで前記カメラによる撮像方向を変えてその都度、前記投影像を当該カメラで撮像する制御部と、
前記制御部で前記カメラの撮像方向が変えられた回数だけ前記カメラで撮像した前記被検索対象物の前記投影像の2次元画像データを画像処理して3次元形状データを生成する3次元形状データ生成部と、
前記3次元形状データ生成部で生成された前記3次元形状データに基づき前記被検索対象物の体積を算出し、且つ前記重量計で計測された前記被検索対象物の重量を質量に換算して、前記体積及び前記質量に基づき前記被検索対象物の密度を算出して当該被検索対象物の材質を判別する材質判別部と、
データベースを有し、複数の部品それぞれの3次元形状データ、質量データ及び材質データが前記データベースに格納され、前記部品の前記3次元形状データ及び前記質量データにはそれぞれ、前記複数の部品から前記被検索対象物と類似する部品を検索するための閾値が設定され当該閾値が前記データベースに格納されている記憶部と、
前記被検索対象物の前記3次元形状データが前記データベースに格納された前記3次元形状データの前記閾値内にある部品群を当該データベースから検索する第1の部品検索機能と、前記第1の部品検索機能で検索された前記部品群の中から、前記被検索対象物の前記材質の材質データと同一の前記データベースに格納された前記材質データを有する部品群を当該データベースから検索する第2の部品検索機能とを有する部品検索部とを備えたことを特徴とする部品検索システム。
【請求項2】
前記部品検索部は、前記第2の部品検索機能で検索された前記部品群の中から、前記被検索対象物の前記質量の質量データが前記データベースに格納された前記質量データの前記閾値内にある部品群を当該データベースから検索する第3の部品検索機能を有することを特徴とする請求項1記載の部品検索システム。
【請求項3】
前記部品検索部で検索された前記部品群を表示するための表示部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の部品検索システム。
【請求項4】
前記テーブルは前記被検索対象物を設置する部位が透明の材質から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の部品検索システム。
【請求項5】
前記ロボットは、多関節型の産業用ロボットであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載の部品検索システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−103957(P2012−103957A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252809(P2010−252809)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】