説明

部材の固定構造

【課題】ギヤ部材とシャフト部材との固定の耐久性維持や固定の精度維持を可能とする部材の固定構造を提供する。
【解決手段】ギヤ部材1とシャフト部材3とを固定する部材の固定構造であって、シャフト部材3に設けられた外周圧入面13及びギヤ部材1に設けられ外周圧入面13に圧入された内周圧入面15とからなる圧入部5と、圧入部5とは異なる箇所で、シャフト側接合面37とギヤ側接合面25とが軸方向に互いに当接して溶接結合された接合部7と、圧入部5と接合部7との間でギヤ部材1側とシャフト部材3側との間に形成された空隙部9と、シャフト部材3のフランジ部33に設けられ圧入部5と接合部7との間で空隙部9を外部に開放する連通路11とからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などに供される部材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の部材の固定構造として、特許文献1に記載されたものがある。この部材の固定構造は、ギヤ部材としての入力ギヤがシャフト部材としての入力軸に嵌合し、入力ギヤが入力軸のフランジ部に溶接による接合部を介して一体回転可能に固着されたものである。
【0003】
かかる部材の固定構造では、接合部の溶接の際に接合部内周側の空隙部の温度及び内圧が上昇し、接合部間に外向きの圧力が働き、溶接時の溶け込み深さに影響を与える原因となっていた。
【0004】
このため、入力ギヤと入力軸との固定の耐久性や固定の精度に影響を与えるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−286011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、ギヤ部材とシャフト部材との固定の耐久性や固定の精度に影響を与える点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ギヤ部材とシャフト部材との固定の耐久性維持や固定の精度維持を可能とするために、ギヤ部材とシャフト部材とを固定する部材の固定構造であって、前記ギヤ部材とシャフト部材との一方に設けられた外周圧入面及び他方に設けられ前記外周圧入面に圧入された内周圧入面とからなる圧入部と、この圧入部とは異なる箇所で互いに当接して溶接結合された接合部と、前記圧入部と接合部との間で前記ギヤ部材側とシャフト部材側との間に形成された空隙部と、前記ギヤ部材とシャフト部材との一方に設けられ前記圧入部と前記接合部との間で前記空隙部を外部に開放する連通路とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記構成であるから、圧入部と接合部とを異なる箇所に設けることで、シャフト部材に対するギヤ部材の支持剛性及び支持精度を高く確保できる。
【0009】
このため、ギヤ部材とシャフト部材との固定の耐久性維持や固定の精度維持を可能とする。
【0010】
また、空隙部を外部に開放する連通路による簡素な構造で目的を達することができる。
【0011】
溶接強度を上げても、ギヤ部材1の支持精度が維持され、且つ接合部7の溶接の溶け込み不良を防止することができる。
【0012】
よって、溶接品質を向上させ、ギヤ部材とシャフト部材との組合せ品の不良発生を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す断面図である。(実施例1)
【図2】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。(実施例1)
【図3】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す断面図である。(実施例2)
【図4】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。(実施例2)
【図5】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。(実施例3)
【図6】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。(実施例4)
【図7】ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。(実施例5)
【発明を実施するための形態】
【0014】
ギヤ部材とシャフト部材との固定の耐久性維持や固定の精度維持を可能にするという目的を、シャフト部材に設けられた外周圧入面及びギヤ部材に設けられ前記外周圧入面に圧入された内周圧入面とからなる圧入部と、この圧入部とは異なる箇所でギヤ部材の背面とシャフト部材のフランジ部とが互いに当接して溶接結合された接合部と、前記圧入部と接合部との間で前記ギヤ部材側とシャフト部材側との間に形成された空隙部と、前記シャフト部材のフランジ部に設けられ前記圧入部と前記接合部との間で前記空隙部を外部に開放する連通路とにより実現した。
【実施例1】
【0015】
図1、図2は、本発明の実施例1に係り、図1は、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す断面図、図2は、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。なお、以下の説明において、軸方向とは、ギヤ部材及びシャフト部材の回転軸芯方向であり、径方向とは、回転軸芯に直行する方向とする。
【0016】
図1、図2のように、ギヤ部材1とシャフト部材3とを固定する部材の固定構造は、圧入部5と、接合部7と、空隙部9と、連通路11とを備えている。
【0017】
圧入部5は、シャフト部材3に設けられた外周圧入面13とギヤ部材1に設けられた内周圧入面15とからなり、内周圧入面15が外周圧入面13に圧入されて構成されている。
【0018】
ギヤ部材1は、ギヤ部17とボス部19とを備えている。ギヤ部17は、傘歯車の一種としハイポイド・ギヤである。但し、他の傘歯車や円筒歯車など各種のギヤも適用可能である。ボス部19の内周には、前記内周圧入面15が形成されている。内周圧入面15の軸方向両側端に、第1、第2のギヤ側面取り部21,23が形成されている。
【0019】
第1のギヤ側面取り部21は、シャフト部材3の外周圧入面13の先端から軸方向へ突出して位置している。第2のギヤ側面取り部23は、外周圧入面13の軸方向基部側に位置している。
【0020】
ボス部19の背面には、ギヤ側接合面25が形成されている。ギヤ側接合面25は、ギヤ部材1の回転軸芯に直交している。
【0021】
ギヤ側接合面25の内周側に第1、第2のギヤ側傾斜面27,29が形成され、第2の傾斜面29が第2のギヤ側面取り部21に連続している。第1、第2のギヤ側傾斜面27,29により、ボス部19の背面が、ギヤ側接合面25よりも軸方向へ凹んだ形状となっている。
【0022】
ギヤ側接合面25の外周側には、ボス部外周面31が連続している。
【0023】
シャフト部材3は、前記外周圧入面13の一側にフランジ部33を備えている。フランジ部33のフランジ外周面35は、ボス部外周面31と同径であり、フランジ外周面35の端部側に、シャフト側接合面37が形成されている。シャフト側接合面37は、シャフト部材3の回転軸芯に直交している。
【0024】
このシャフト側接合面37と前記ギヤ側接合面25とが軸方向に当接し、外周側からの溶接作業により溶接接合されて接合部7が形成されている。この接合部7は、圧入部5とは異なる箇所でシャフト側接合面37とギヤ側接合面25とが互いに当接して溶接結合された構成となっている。
【0025】
シャフト側接合面37の内周側に第1のシャフト側傾斜面41、フランジ面43が形成され、フランジ面43が第1のアール部45を介して外周圧入面13に連続している。
【0026】
第1のシャフト側傾斜面41及びフランジ面43により、フランジ部33の前面が、シャフト側接合面37よりも軸方向へ凹んだ形状となっている。
【0027】
したがって、第1、第2のギヤ側傾斜面27,29、及び第2のギヤ側面取り部23と第1のシャフト側傾斜面41、フランジ面43、及び第1のアール部45との対向間に前記空隙部9が形成されている。
【0028】
フランジ部33の背面には、フランジ傾斜面51が形成されている。
【0029】
外周圧入面13の軸方向他端にシャフト側面取り部49が形成されている。シャフト側面取り部49は、シャフト部材3の第2のアール部51に連続している。
【0030】
連通路11は、圧入部5と接合部7との間でシャフト部材3のフランジ部33を貫通する孔で構成されている。連通路11の一端は、フランジ部33のフランジ面43で空隙部9に開放され、他端は、フランジ傾斜面51で外部に解放されている。
【0031】
したがって、連通路11により空隙部9が外部に開放されている。また、連通路11は、接合部7の溶接方向に交差して指向され、接合部7及び連通路11は、ギヤ部17の背後側に形成され、連通路11は、シャフト部材3に形成された構成となっている。
【0032】
なお、シャフト部材3は、中空段付き状に形成され、軸受け嵌合部55,57、シール支持及び受け部59、結合用のスプライン61などが形成されている。
【0033】
このシャフト部材3は、4輪駆動車のトランスファに用いられ、例えばフロント・デファレンシャル装置のデフ・ケースにスプライン61が結合され、中空部内にフロント・デファレンシャル装置のサイドギヤに結合された中間軸が貫通する。
【0034】
ギヤ部材1をシャフト部材3に固定するに際しては、先ずギヤ部材1をシャフト部材3のスプライン61側から挿入し、第2のギヤ側面取り部23を、シャフト側面取り部49に対向させる。
【0035】
ギヤ部材1をさらに軸方向へ移動させ、第2のギヤ側面取り部23及びシャフト側面取り部49のガイド等を介して内周圧入面15を外周圧入面13に圧入させる。この圧入で、ギヤ側接合面25をシャフト側接合面37に軸方向に当接させ、圧入部5を構成する。
【0036】
ギヤ側接合面25及びシャフト側接合面37の外周部では、ボス部外周面31及びフランジ外周面35が同径で連続し、ギヤ側接合面25及びシャフト側接合面37間を外周側から溶接する。
【0037】
この溶接時に、空隙部9内の温度が上昇する。この温度上昇による圧力は、連通路11から外部へ逃がされ、内圧の上昇は抑制できる。
【0038】
このため、ギヤ側接合面25及びシャフト側接合面37間での溶接による溶け込み深さを適正に形成することができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例の部材の固定構造は、ギヤ部材1とシャフト部材3とを固定する部材の固定構造であって、シャフト部材3に設けられた外周圧入面13及びギヤ部材1に設けられ前記外周圧入面13に圧入された内周圧入面15とからなる圧入部5と、この圧入部5とは異なる箇所で、シャフト側接合面37とギヤ側接合面25とが軸方向に互いに当接して溶接結合された接合部7と、圧入部5と接合部7との間で前記ギヤ部材1側とシャフト部材3側との間に形成された空隙部9と、シャフト部材3のフランジ部33に設けられ前記圧入部5と前記接合部7との間で前記空隙部9を外部に開放する連通路11とからなる。
【0039】
このため、圧入部5と接合部7とを異なる箇所に設けることで、シャフト部材3に対するギヤ部材1の支持剛性及び支持精度を高く確保できる。
【0040】
すなわち、溶接部とインロー部(ギヤ支持部)とを個別に形成するため、ギヤ支持が高精度になって、強度、ノイズに有利となり、且つ溶接強度を上げてもその支持精度を維持することができる。
【0041】
したがって、ギヤ部材1とシャフト部材3との固定の耐久性維持や固定の精度維持を可能とする。
【0042】
また、空隙部9を外部に開放する連通路11による簡素な構造で目的を達することができる。
【0043】
連通路11は、周方向に均等に複数個所(例えば、3箇所)に形成されており、空隙部9の減圧効率を向上させ、ギヤ部材1等の変形を抑制できる。
【0044】
溶接強度を上げても、ギヤ部材1の支持精度が維持され、且つ接合部7の溶接の溶け込み不良を防止することができる。
【0045】
よって、溶接品質が格段に向上し、ギヤ部材1とシャフト部材3との組合せ品の不良発生を防止することができる。
【0046】
接合部7及び連通路11は、ギヤ部17の背後側に形成され、接合部7の溶接時にギヤ部17に影響を与えることがない。また、ギヤ諸元と独立して接合部7の溶接形状の設定が可能であるため、部品形状の最適化、軽量化が可能である。
【0047】
連通路11は、接合部7の溶接方向に交差して指向させた。
【0048】
このため、空隙部9と連通する連通路11が、スパッタによる直接の影響を受けないので、空隙部9の内圧を的確に低減することができる。
【0049】
連通路11は、シャフト部材3に形成された。
【0050】
このため、溶接時にギヤ部17に影響を与えることがない。ギヤ部17の形状の設定自由度が向上する。また、ギヤ部材1に高強度化の熱処理を行っても、連通路11による変形を生じることがない。
【0051】
接合部7の溶接にレーザー溶接を採用すると、相互の部材の材質、形状を自由に選択できる。
【0052】
接合部7の溶接を径方向から行っているので、部品や設備の振れが溶接品質に影響しないので、品質を向上させることができる。
【実施例2】
【0053】
図3、図4は、本発明の実施例2に係り、図3は、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す断面図、図4は、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。
【0054】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にAを付して説明し、重複した説明は省略する。
【0055】
図3、図4のように、本実施例のギヤ部材1とシャフト部材3Aとを固定する部材の固定構造は、連通路11Aを、外周圧入面13に形成した。この連通路11Aは、外周圧入面13の周方向の一部に軸方向に沿って形成された溝で構成されている。
【0056】
連通路11Aの一端は、シャフト側面取り部49で外部に開放され、同他端は、第1のアール部45側で空隙部9に開放されている。
【0057】
したがって、連通路11Aにより空隙部9が外部に開放されている。また、連通路11Aは、接合部7の溶接方向に交差して指向され、連通路11Aは、シャフト部材3に形成された構成となっている。
【0058】
こうして、本実施例でも、実施例1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
【実施例3】
【0059】
図5は、本発明の実施例3に係り、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。
【0060】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にBを付して説明し、重複した説明は省略する。
【0061】
図5のように、本実施例のギヤ部材1とシャフト部材3Bとを固定する部材の固定構造は、連通路11Bを、フランジ部33の先端に形成した。この連通路11Bは、フランジ部33の先端を周方向の一部で凹状に切り欠いた切欠部で構成されている。
【0062】
連通路11Bの一端は、フランジ部33の先端で外部に開放され、同他端は、接合部7の内端側で空隙部9に開放されている。
【0063】
したがって、連通路11Bにより空隙部9が外部に開放されている。また、連通路11Bは、シャフト部材3に形成された構成となっている。
【0064】
こうして、本実施例でも、実施例1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
【実施例4】
【0065】
図6は、本発明の実施例4に係り、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。
【0066】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にCを付して説明し、重複した説明は省略する。
【0067】
図6のように、本実施例のギヤ部材1とシャフト部材3Cとを固定する部材の固定構造は、連通路11Cを、外周圧入面13の軸方向一端側に形成した。この連通路11Cは、シャフト部材3の中空内外を回転半径方向に貫通する孔で構成されている。
【0068】
連通路11Cの一端は、シャフト部材3の中空内径部に開放され、この中空内径部の軸方向端部で外部に開放され、同他端は、外周圧入面13の軸方向一端側で空隙部9に開放されている。
【0069】
したがって、連通路11Cにより空隙部9が外部に開放されている。また、連通路11Cは、シャフト部材3に形成された構成となっている。
【0070】
こうして、本実施例でも、実施例1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
【実施例5】
【0071】
図7は、本発明の実施例5に係り、ギヤ部材とシャフト部材との固定構造を示す要部拡大断面図である。
【0072】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にDを付して説明し、重複した説明は省略する。
【0073】
図7のように、本実施例のギヤ部材1Dとシャフト部材3Dとを固定する部材の固定構造は、接合部7D及び空隙部9Dの形態を変更し、連通路11Dを、ギヤ部材1D側に形成した。
【0074】
ギヤ部材1Dのボス部19Dには、嵌合部19Daが周回状に形成され、この嵌合部19Daの端縁部内周に、ギヤ側接合面25が周面で形成されている。第1、第2のギヤ側傾斜面27,29d間には、ギヤ側内周面63が形成され、ボス部19Dの背面19Dbには、突当面65が形成されている。
【0075】
シャフト部材3Dは、フランジ部33Dの外周にシャフト側接合面37を備えている。第1のシャフト側傾斜面41には、シャフト側外周面67が形成され、ギヤ側内周面63に対向している。シャフト側外周面67は、凸アール部69を介してフランジ面43に連続している。
【0076】
そして、シャフト側接合面37にギヤ側接合面25が径方向に嵌合当接し、軸方向の端部側からの溶接作業により溶接接合されて接合部7Dが形成されている。
【0077】
したがって、接合部7Dの溶接方向は、実施例1とは異なり、軸方向となっている。
【0078】
また、ボス部19Dの突当面65は、フランジ面43に突き当り、第1、第2のギヤ側傾斜面27,ギヤ側内周面63、第2のギヤ側傾斜面29D、及びボス部19Dの背面19Dbと第1のシャフト側傾斜面41、シャフト側外周面67、及び凸アール部69との対向間に前記空隙部9Dが形成されている。
【0079】
連通路11Dは、嵌合部19Daを径方向に貫通する孔で構成されている。連通路11Dの一端は、ギヤ側内周面63で空隙部9に開放され、他端は、嵌合部19Daの外面で外部に解放されている。
【0080】
したがって、連通路11Dにより空隙部9Dが外部に開放されている。また、連通路11Dは、接合部7Dの溶接方向である軸方向に交差して径方向に指向し、接合部7D及び連通路11Dは、ギヤ部17の背後側に形成された構成となっている。
【0081】
こうして、本実施例でも、実施例1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
[その他]
なお、外周圧入面をギヤ部材側に設け、内周圧入面をシャフト部材側に設けることも可能である。
本発明は、各種動力伝達装置に適用することができる。車両の動力伝達装置としては、トランスミッション、四輪駆動車用のパワーテイクオフユニット、ファイナルデフユニットなどのギヤ機構に広く適用できる。
【0082】
連通路11,11D等は、ギヤ部材1,1Dに形成しても良く、ギヤ部材1,1D及びシャフト部材3,3A,3B,3C,3Dの双方に形成しても良い。
【符号の説明】
【0083】
1,1D ギヤ部材
3,3A,3B,3C,3D シャフト部材
5 圧入部
7,7D 接合部
9,9D 空隙部
11,11D 連通路
13 外周圧入面
15 内周圧入面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤ部材とシャフト部材とを固定する部材の固定構造であって、
前記ギヤ部材とシャフト部材との一方に設けられた外周圧入面及び他方に設けられ前記外周圧入面に圧入された内周圧入面とからなる圧入部と、
この圧入部とは異なる箇所で互いに当接して溶接結合された接合部と、
前記圧入部と接合部との間で前記ギヤ部材側とシャフト部材側との間に形成された空隙部と、
前記ギヤ部材とシャフト部材との一方に設けられ前記圧入部と前記接合部との間で前記空隙部を外部に開放する連通路と、
を備えたことを特徴とする部材の固定構造。
【請求項2】
請求項1記載の部材の固定構造であって、
前記接合部及び連通路は、前記ギヤ部材に形成されているギヤ部の背後側に形成された、
ことを特徴とする部材の固定構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の部材の固定構造であって、
前記連通路は、前記接合部の溶接方向に交差して指向させた、
ことを特徴とする部材の固定構造。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の部材の固定構造であって、
前記連通路は、前記シャフト部材に形成された、
ことを特徴とする部材の固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−189116(P2012−189116A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51852(P2011−51852)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000225050)GKNドライブラインジャパン株式会社 (409)
【Fターム(参考)】