配線基板の製造方法
【課題】複数の絶縁層と該絶縁層の間に形成された配線層とを交互に積層した配線基板において、上記配線層を構成する隣接する配線導体同士の間に絶縁材の樹脂が隙間なく充填され、且つ配線導体の位置ズレやこれに伴う変形や断線などの不具合を皆無とした配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂からなるベース絶縁層1と、該ベース絶縁層1の表面および裏面に形成された熱可塑性樹脂からなる接着層2a,2bとを含む絶縁層3と、上記ベース絶縁層1の表面側における接着層2aの上に形成され、厚みが5μm超である複数の配線導体4からなり且つ隣接する配線導体4同士の間隔が100μm以下の配線層4と、を交互に積層してなる配線基板の製造方法であって、上記配線層4において隣接する配線導体4同士の隙間6に硬化性樹脂9aを充填する工程と、充填された硬化性樹脂9aを硬化処理する工程と、を含む、配線基板の製造方法。
【解決手段】熱硬化性樹脂からなるベース絶縁層1と、該ベース絶縁層1の表面および裏面に形成された熱可塑性樹脂からなる接着層2a,2bとを含む絶縁層3と、上記ベース絶縁層1の表面側における接着層2aの上に形成され、厚みが5μm超である複数の配線導体4からなり且つ隣接する配線導体4同士の間隔が100μm以下の配線層4と、を交互に積層してなる配線基板の製造方法であって、上記配線層4において隣接する配線導体4同士の隙間6に硬化性樹脂9aを充填する工程と、充填された硬化性樹脂9aを硬化処理する工程と、を含む、配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の樹脂絶縁層とこれらの間に形成された配線層とを交互に有する配線基板、あるいは該配線基板を含む電子部品検査装置用配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、多層配線基板やIC検査装置用基板を得るために、厚さ25μmの樹脂フイルムの表面に厚さ9μmの銅箔を貼り付け、該樹脂フイルムの裏面側から厚み方向に沿ってYAGレーザを照射してビア孔を形成し、該ビア孔が開設された突出部を含む上記銅箔の表面上に感光性ドライフィルムを貼り付け、該ドライフィルムを露光および現像してパターニングし、該パターニングにより除去された上記ドライフィルム間に露出する上記銅箔をエッチングして配線層を形成し、上記ビア孔に形成したビア導体の溝部に上記配線層の突出部を嵌め込むことで、上記樹脂フイルム、配線層、およびビア導体からなる樹脂絶縁層を形成する。そして、複数の該樹脂絶縁層を厚み方向に沿って積層および圧着することによって、前記多層配線基板やIC検査装置用基板を得るための製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、特許文献1に開示された前記製造法のように、厚みが9μmの配線層を片面に個別に有する複数の樹脂絶縁層を積層および圧着した際には、隣接する配線同士の隙間に前記樹脂フィルムが未充填となる空間が生じ、該空間内のエアが後工程や使用時に外部へ抜け出すことで、上記樹脂絶縁層が局所的にめくれたり、剥がれるなどの不具合を生じる場合がある。更に、個々の配線導体の位置が幅方向に沿って不用意に移動したことで平面視の形状が変形し、該変形に伴って上記配線導体が断線に至る場合もあった。その結果、前記多層配線基板や電子部品検査装置用配線基板の小型化や高密度を図るための配線の微細化が困難となったり、隣接する配線導体同士間の絶縁が不十分となり得る、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−76873(第1〜20頁、図6〜11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、複数の絶縁層と該絶縁層の間に形成された所定厚み以上で且つ隣接する配線導体同士の間隔が所定幅以下の配線層とを交互に積層した配線基板において、上記配線層を構成する隣接する配線導体同士の間に絶縁材の樹脂が隙間なく充填され、且つ配線導体の移動やこれに伴う変形ないし断線などの不具合を皆無とした配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、複数の樹脂絶縁層間に形成される配線導体の厚みが5μm超で且つ隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の配線層を構成する配線導体同士の隙間に硬化性樹脂を充填し且つ硬化処理する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による配線基板の製造方法(請求項1)は、熱硬化性樹脂からなるベース絶縁層と、該ベース絶縁層の表面および裏面に形成された熱可塑性樹脂からなる接着層とを含む絶縁層と、上記ベース絶縁層の表面側における接着層の上に形成され、厚みが5μm超である複数の配線導体からなり且つ隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の配線層と、を交互に積層してなる配線基板の製造方法であって、前記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に硬化性樹脂を充填する工程と、かかる充填された硬化性樹脂を硬化処理する工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記ベース絶縁層の表面側における接着層の上に形成された厚みが5μm超の配線導体からなる配線層において、隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の隙間に、硬化性樹脂を充填した後、該硬化性樹脂を硬化処理している。その結果、底面の接着層と隣接する一対の配線導体とに囲まれた上記隙間には、上記硬化性樹脂が隙間なく充填された状態で硬化している。
従って、上記隙間に不用意な空間が形成されないので、従来のような樹脂絶縁層の局所的なめくれや剥がれを生じないと共に、前記配線層を構成する個々の配線導体も幅方向に沿って移動し難くされているので、従来のような配線導体の変形やこれに伴う該配線導体の断線を皆無とすること可能となる。
【0008】
尚、 前記硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂(光硬化性樹脂)、あるいは感光性熱硬化性樹脂(光硬化性熱硬化性樹脂)の何れかからなる。
また、上記熱硬化性樹脂、感光性樹脂、感光性熱硬化性樹脂は、例えば、熱硬化性ポリイミド(PI)、感光性ポリイミド、あるいは感光性熱硬化性ポリイミドからなる。
更に、上記感光性熱硬化性樹脂の硬化処理には、紫外線などの光の照射および透過による硬化処理のほか、加熱による硬化処理を施しても良い。
また、複数の配線導体を含む前記配線層、かかる配線層を形成するために用いる無電解金属メッキ膜、電解金属メッキ膜、上記配線層の形成に用いる導電性ペーストに含まれる金属粉末、あるいは上記絶縁層を貫通して上下の配線層同士を接続するためのビア導体は、例えば、CuまたはAgなどが用いられる。
加えて、前記配線層に含まれる配線導体の厚みを5μm超としたのは、5μm以下の場合には、前記硬化性樹脂の充填を前記隙間にしなくても、複数の単位基板層を積層して加熱処理することで、配線導体同士の隙間に未充填の空間が形成されにくくなるためである。一方、隣接する配線導体同士の間隔を100μm以下としたのも、上記と同様の理由による。
【0009】
また、本発明には、前記絶縁層、配線層、および該配線層を構成する複数の配線導体の隙間に形成した硬化性樹脂を備えた複数の単位基板層を、厚み方向に積層し且つ圧着する工程を、更に含む、配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、複数の前記単位基板層を積層して圧着することで、樹脂製の多層配線基板を精度良く確実に形成することができる。尚、樹脂製あるいはセラミック製のコア基板の片面あるいは両面に対し、複数の前記単位基板層を積層して圧着することでも、上記同様の多層配線基板を形成することも可能である。
【0010】
更に、本発明には、前記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に前記硬化性樹脂を充填する工程では、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコータまたはスピンコータを用いる塗布印刷の何れかの方法により、前記硬化性樹脂を上記隙間に充填している、配線基板の製造方法(請求項3)も含まれる。
これによれば、配線導体同士間の隙間の大きさ、複数の配線導体のパターン、あるいは充填すべき硬化性樹脂の性状に応じて、最適の充填方法を選択することによって、上記隙間に硬化性樹脂を隙間なく確実に充填することが可能となる。
【0011】
また、本発明には、前記隙間に充填する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、あるいは感光性熱硬化性樹脂の何れかである、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。
これによれば、隣接する配線導体同士間の前記隙間の大きさ、複数の配線導体のパターン、あるいは前記ベース絶縁層や接着層の性状に応じて、加熱による硬化処理を要する熱硬化性樹脂を用い、あるいは、光を照射し透過させて化学反応による硬化処理を生じる感光性樹脂を用いることが選択できる。更に、感光性熱硬化性樹脂を用いた場合、加熱による硬化処理と、光の照射による硬化処理とを、充填すべき隙間の位置などに応じて、あるいは前記単位基板層ごとに対応して、自在に選択することが可能となる。
【0012】
更に、本発明には、前記硬化性樹脂が感光性樹脂または感光性熱硬化性樹脂の場合、前記ベース絶縁層側から照射した光を透過することによって硬化処理が行われる、配線基板の製造方法(請求項5)も含まれる。
これによれば、隣接する配線導体同士間の隙間内に充填した硬化性樹脂に対して、前記ベース絶縁層側から照射した紫外線などの光が正確に透過する反面、個々の配線導体の上方に印刷ないし塗布した硬化性樹脂に対しては、光が透過しない。そのため、上記隙間内およびその真上の位置する硬化性樹脂のみを精度良く硬化処理することができる。従って、上記隙間内の容積よりも多い量の硬化性樹脂を、前記ロールコータやスピンコータなどを用いる塗布印刷などによって一括して充填および塗布印刷できるため、充填工程の生産性を高めることが可能となる。しかも、露光用のパターン孔を開設したマスクを省略することもできる。
尚、前記光には、紫外線のほか、可視領域の光も含まれる。
【0013】
加えて、本発明には、複数の前記単位基板層を厚み方向に積層し且つ圧着する工程は、該複数の単位基板層のうち最下層の単位基板層に下層側に、更に複数のセラミック層あるいは複数の樹脂層からなる多層配線部が併せて積層および圧着される、配線基板の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、例えば、複数の前記単位基板層の下層側にセラミックからなる多層配線部を積層および圧着することで、軸方向に沿って比較的長いビア導体が貫通する多層セラミックの多層配線部と、該多層配線部の上層側に形成される複数の単位基板層とからなり、最上層となる単位基板層の表面に設けた複数のパッド上に、プローブを個別に立設した電子部品検査装置用配線基板としても使用することが可能となる。
あるいは、複数の単位基板層をオーダーメード部分とし、複数のセラミック層または樹脂層からなる多層配線部をレディメード部分として予め設定しておくことで、多様なニーズに対して比較的短い納期により製造することも可能となる。
【0014】
尚、前記絶縁層を貫通するビアホールおよびビア導体を形成する工程は、例えば、複数の導体配線を含む前記配線層と前記絶縁層とを積層した単位基板層に対して、打ち抜き加工および導電性ペーストの充填を行うことで可能となる。
また、前記絶縁層を貫通するビアホールを形成し、該ビアホールに金属粉末を含む導電性ペーストを充填し且つ加熱・硬化処理してビア導体を形成した工程の後に、前記複数の配線導体を含む配線層を形成する工程を行うようにしても良い。
更に、前記絶縁層を貫通するビアホールを形成し、該ビアホールの内壁面と絶縁層の表面側の接着層の表面とに無電解金属メッキ膜を形成した後、該無電解金属メッキ膜の上に電解金属メッキを施して、上記ビアホール内に位置するビア導体を一体に有する配線導体を含む前記配線層を形成する工程を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に用いる絶縁層とその表面に貼り付けた銅箔とを示す断面図。
【図2】上記導体層の表面にドライフィルムを貼り付けた工程を示す断面図。
【図3】上記ドライフィルムをパターニングした工程を示す断面図。
【図4】上記導体層をパターニングして配線層を形成した工程を示す断面図。
【図5】パターニングされた上記ドライフィルムを除去した工程を示す断面図。
【図6】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填する1つの工程を示す断面図。
【図7】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填する別の工程を示す断面図。
【図8A】上記隙間に感光性樹脂を充填した後の硬化処理工程を示す断面図。
【図8B】上記感光性樹脂を硬化処理した後の状態を示す断面図。
【図8C】未硬化部分の上記感光性樹脂を除去した工程を示す断面図。
【図9】上記配線層および絶縁層にビアホールを設けた工程を示す断面図。
【図10】以上の各工程により得られた一形態の単位基板層を示す断面図。
【図11】異なる方法における絶縁層にビアホールを設けた工程を示す断面図。
【図12】上記ビアホールにビア導体を形成した工程を示す断面図。
【図13】上記絶縁層の表面に無電解Cuメッキ膜を設けた工程を示す断面図。
【図14】上記メッキ膜の上にドライフィルムを貼り付けた工程を示す断面図。
【図15】上記ドライフィルムをパターニングした工程を示す断面図。
【図16】上記メッキ膜の上に電解Cuメッキ膜を被覆して配線層を形成した工程を示す断面図。
【図17】パターニング後の上記ドライフィルムを除去した工程を示す断面図。
【図18】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填して得られた異なる形態の単位基板層を示す断面図。
【図19】別の方法における絶縁層にビアホールを設けた工程を示す断面図。
【図20】上記絶縁層の表面とビアホールの内面に無電解Cuメッキ膜を設けた工程を示す断面図。
【図21】上記メッキ膜の上にドライフィルムを貼り付けた工程を示す断面図。
【図22】上記ドライフィルムをパターニングした工程を示す断面図。
【図23】上記メッキ膜の上に電解Cuメッキ膜を被覆して配線層を形成した工程を示す断面図。
【図24】パターニング後の上記ドライフィルムを除去した工程を示す断面図。
【図25】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填して得られた更に異なる形態の単位基板層を示す断面図。
【図26】前記3形態の単位基板層を積層し且つ圧着する工程を示す断面図。
【図27】本発明により得られた一形態の配線基板を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
予め、図1に示すように、絶縁層3の表面に銅箔(導体層)4aを貼り付けた複合シートを用意した。上記絶縁層3は、厚みが25μmの熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリイミド)からなるベース絶縁層1と、その表面1aおよび裏面1bに個別に積層した厚みが5μmで且つ熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリイミド)からなる一対の接着層2a,2bとからなる。また、上記銅箔4aの厚みは、18μm(5μm超)である。
次に、図2に示すように、上記銅箔4a上の全面に対して、感光性樹脂からなるドライフィルム5aを貼り付けた。該フィルム5aは、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)からなる。
次いで、上記ドライフィルム5aに対し、上方から紫外線の露光およびエッチング(現像)を施して、図3に示すように、所定パターンに倣った前記ドライフィルム5aからなるレジストパターン5bとする共に、該パターン5b,5b間の隙間に露出する前記銅箔4aをエッチングした。その結果、図4に示すように、上記同様の所定パターンに倣った複数の配線導体4からなる配線層4を形成した。
【0017】
更に、図5に示すように、配線導体4ごとの上に残っていた前記レジストパターン5bを、剥離液に接触させることにより剥離して除去した。尚、上記配線導体4の厚みtは、18μmであり、隣接する配線導体4,4間に位置する隙間6の間隔wは、約25〜60μm(100μm以下)であった。
次に、図6に示すように、配線層4を構成する複数の配線導体4の上に、該配線導体4のパターンに倣ったメタルマスク7を配置した後、スキージ9を該メタルマスク9の表面に沿って摺動することにより、熱硬化性ポリイミドからなる熱硬化性樹脂9aを配線導体4,4間の隙間6ごとに順次充填するスクリーン印刷を行った。その後、充填した上記熱硬化性樹脂9aを加熱(約150℃×1時間)する硬化処理を行った(硬化性樹脂の充填・硬化処理工程)。
尚、上記印刷方法に替えて、図7に示すように、インクジェットノズルNを絶縁層3に沿って走査し、配線導体4,4の隙間6ごとに適量ずつの熱硬化性樹脂9aを順次充填し、更に加熱する硬化処理する方法によっても行うこともできた。
【0018】
あるいは、図8A〜図8Cに示す方法により行うことも可能であった。
先ず、図8Aに示すように、配線導体4,4間の各隙間6を含む配線層4全体の上方位置まで感光性樹脂(光硬化性樹脂)9bを充填・塗布した後、絶縁層3における裏面側の接着層2b側全体から紫外線などの光Lを、絶縁層3の厚み方向に沿って照射した。その結果、図8Bに示すように、上記光Lは、隙間6ごとに充填された感光性樹脂9bを透過した際に、該樹脂9bを硬化させて硬化性樹脂9cとした。一方、各配線導体4によって上記光Lが遮られた該配線導体4上の感光性樹脂9bには透過しなかたので、当初の状態に保たれていた。
そして、図8Cに示すように、配線導体4上の感光性樹脂9bを除去することによって、上端面が配線導体4の上面よりも若干高くなった硬化性樹脂9cを、配線導体4,4の各隙間6に充填することができた。
【0019】
尚、前記図6,7に示した充填工程によっても、図8Cに示すように、熱硬化性樹脂9aを上記同様の形態にして充填することができた。また、以下の各工程においては、前記硬化性樹脂9a,9cは、単に硬化性樹脂9として示す。
次いで、前記隙間6に硬化性樹脂9が充填された配線導体4および絶縁層3における所定の位置に対し、レーザ加工あるいはパンチングを施して、図9に示すように、ビアホールhを貫通させた。更に、該ビアホールh内にAg粉末を含む導電性ペーストをスクリーン印刷により充填した後、該導電性ペーストを加熱(約150℃×1時間)した。その結果、図10に示すように、ビアホールh内に充填され且つ両端面が若干突出したAg製のビア導体V1が形成されると共に、これによって、本発明における一形態の単位基板層10aを得ることができた。
【0020】
図11〜図18は、異なる形態の単位基板層10bを得るための前記方法とは異なる製造方法に関する。
先ず、前記同様のベース絶縁層1と、その表面1aおよび裏面1bに積層した接着層2a,2bからなる絶縁層3における所定の位置に対し、レーザ加工を厚み方向に沿って施し、図11に示すように、ビアホールhを貫通させた。
次に、該ビアホールh内に前記同様の導電性ペーストを充填し且つ加熱して、図12に示すように、表面1a側にのみ突出したビア導体V2を形成した。
次いで、図13に示すように、図示しないマスクを被せた上記ビア導体V2を除いた接着層2a上の全面に、無電解Cu(金属)メッキを施して、厚みが約10μmの比較的薄いCu(金属)メッキ膜4bを被覆した。
更に、図14に示すように、上記Cuメッキ膜4b上およびビア導体V2上に前記同様のドライフィルム5aを貼り付けた。
【0021】
次に、上記ドライフィルム5aに対し、上方から紫外線の露光およびエッチング(現像)を施して、図15に示すように、所定パターンに倣った前記ドライフィルム5aからなるレジストパターン5bを形成した。
次いで、上記レジストパターン5b,5b間に露出する前記Cuメッキ膜4bごとの上、およびビア導体V2の上に対し、電解Cuメッキを施した。その結果、図16に示すように、比較的厚いCuメッキ膜4cが形成された。
更に、図17に示すように、前記レジストパターン5bを剥離して除去すると共に、その真下に位置していた前記Cuメッキ膜4bをエッチングによって除去した。その結果、前記同様の厚みtであり且つ間隔wの隙間6を挟んだ複数の配線導体4からなる配線層4が形成された。このうち、一部の配線導体4には、前記ビア導体部V2の上端部が食い込んだ形態で接続されていた。
そして、隣接する配線導体4,4の各隙間6に、前記同様の熱硬化性樹脂9を前記同様の印刷などにより充填した後、充填した該熱硬化性樹脂9を加熱するか、光Lを照射する硬化処理を行った(硬化性樹脂の充填・硬化処理工程)。その結果、図18に示すように、異なる形態の単位基板層10bを得ることができた。
【0022】
図19〜図25は、更に異なる形態の単位基板層10cを得るための前記の各方法とは異なる製造方法に関する。
先ず、前記同様のベース絶縁層1と、その表面1aおよび裏面1bに積層した接着層2a,2bからなる絶縁層3における所定の位置に対し、レーザ加工を厚み方向に沿って施し、図19に示すように、ビアホールhを貫通させた。
次に、該ビアホールhの内壁面と、表面1a側の接着層2aの全面とに対し、それぞれ前記同様の無電解Cuメッキを施して、図20に示すように、円筒状の筒形導体vaおよびCuメッキ膜4bを被覆した。次いで、図21に示すように、該Cuメッキ膜4bの上に、前記同様のドライフィルム5aを貼り付けた。
更に、上記ドライフィルム5aに対し、上方から紫外線の露光およびエッチングを施して、図22に示すように、所定パターンに倣った前記同様のレジストパターン5bを形成した。
【0023】
次に、上記レジストパターン5b,5b間に露出する前記Cuメッキ膜4bごとの上、および筒形導体vaの内側(中空部)に対し、電解Cuメッキを施した。その結果、図23に示すように、前記パターンに倣ったCuメッキ膜4cが形成された。この際、一部のCuメッキ膜4cは、筒形導体vaの内側に形成された軸状導体vbと一体に接続されていた。
次いで、図24に示すように、前記レジストパターン5bを剥離して除去すると共に、その真下に位置していた前記Cuメッキ膜4bをエッチングによって除去した。その結果、前記同様の厚みtを有し且つ間隔wの隙間6を含む複数の配線導体4からなる配線層4が形成された。また、前記筒形導体vaと軸状導体vbとは、Cuからなる一体のビア導体V3となった。
そして、隣接する配線導体4,4の各隙間6に、前記同様の熱硬化性樹脂9を前記同様の方法により充填した後、充填した該熱硬化性樹脂9を加熱するか、光Lを照射する硬化処理を行った(硬化性樹脂の充填・硬化処理工程)。その結果、図25に示すように、更に異なる形態の単位基板層10cを得ることができた。
【0024】
図26は、前記3種類の単位基板層10a,10b,10cを、厚み方向に沿って積層し、且つこれらを圧着する工程を示す概略図である。尚、上記単位基板層10a,10b,10cにおけるビア導体V1〜V3の位置は、適宜変更した。
図26中の矢印で示すように、単位基板層10a,10b,10cを積層し且つ圧着する工程を行うに際し、更に、図27に示すように、最下層の単位基板層10cの下層側に、予め別途に形成した複数のセラミック層s1,s2を含む多層配線部Sを、併せて積層および圧着を行った。この工程は、約350℃に1時間程度加熱し且つ加圧して行った。尚、該工程の後で、外部に露出する配線導体4などの導体部分の表面に、電解Niメッキと電解Auメッキとを順次施した。
上記多層配線部Sは、アルミナなどの高温焼成セラミックからなる複数のセラミック層s1,s2…と、これらの間に形成したWまたはMoからなる配線層12と、Wなどからなるビアカバー13を介して上記セラミック層s1,s2を貫通する上記Wなどからなるビア導体14と、を含んでおり、予め別途に製作しておいたものである。尚、上記セラミック層s2の下層側には、図示しない別のセラミック層sxや配線層など形成され、積層されている。
【0025】
その結果、図27に示すように、単位基板層10a,10b,10cを積層した上層部と、下層側の前記多層配線部Sとを併有する配線基板20を得ることができた。
上記配線基板20は、最上層の単位基板層10aにおいて上向きに突出している複数の配線導体(パッド)4の上面ごとに、図示しないプローブを植設することで、例えば、図示しないシリコンウェハ内において縦横に沿って併設された多数のICチップなどの電子部品ごとの電気的性能を検査するための電子部品検査装置用配線基板として活用することが可能である。
尚、複数の単位基板層を積層して圧着する前記工程は、同じ種類である複数の単位基板層10a同士、単位基板層10b同士、あるいは単位基板層10c同士を積層し且つ圧着する形態としても良い。
また、前記多層配線部Sは、低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックからなる複数のセラミック層と、これらの間に形成されたAgまたはCuからなる配線層と、該Agなどからなる前記同様のビア導体などからなる形態でも良い。あるいは、前記多層配線部Sを、エポキシ系などからなる複数の樹脂層と、これらの間に形成したCu製の配線層と、上下の該配線層を接続し且つ上記樹脂層を貫通するCu製のビア導体とを含む樹脂製の多層配線基板としても良い。
【0026】
以上において説明した配線基板20の製造方法によれば、前記ベース絶縁層1の表面1a側における接着層2a上に形成された厚みtが5μm超の配線導体4からなる配線層4において、隣接する配線導体同士4,4の間隔wが100μm以下の隙間6に、硬化性樹脂9を充填した後、該硬化性樹脂9を硬化処理する工程を行った。その結果、底面の接着層2aと隣接する配線導体同士4,4に囲まれた隙間6には、上記硬化性樹脂9が隙間なく充填された状態で硬化していた。
従って、上記隙間6に不用意な空間が形成されないので、従来のような樹脂絶縁層の局所的なめくれや剥がれを生じないと共に、前記配線層4を構成する個々の配線導体4もその幅方向に沿って移動し難くされているので、従来のような配線導体4の変形やこれに伴う断線を皆無とすることができた。
【0027】
また、配線導体同士4,4の隙間6に硬化性樹脂9を充填する工程は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコータまたはスピンコータを用いる塗布印刷の何れかの方法により行えるので、上記隙間6の大きさ、複数の配線導体4のパターン、あるいは充填すべき硬化性樹脂9の性状に応じて、最適の充填方法を選択することで、上記隙間6に硬化性樹脂9を隙間なく確実に充填できた。
更に、前記硬化性樹脂9として感光性樹脂9bまたは感光性熱硬化性樹脂9bを用いた場合、前記ベース絶縁層1側から照射した光Lを透過させることによって硬化処理が精度良く行えた。従って、上記隙間6内の容積よりも多い量の硬化性樹脂9を、精緻な計量行うことなく、前記ロールコータを用いる塗布印刷などによって一括して充填および塗布印刷することができたので、硬化性樹脂9の充填工程の生産性を高められた。しかも、この方法では、露光用のマスクを省略することもできた。
【0028】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記絶縁層3を構成する接着層2a,2bは、互いに異なる熱可塑性樹脂からなるものでも良い。
また、前記単位基板層10a〜10cには、断面がほぼ円錐形状のビア導体を形成しても良い。
更に、前記隙間6に充填する硬化性樹脂9の上端部は、隣接する配線導体4の上面よりも頂部が高い曲面状を呈する形態でも良い。
加えて、本発明による配線基板の製造方法は、多数個取りの形態として行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、複数の絶縁層と該絶縁層の間に形成された厚み5μm超の配線層とを交互に積層した配線基板において、上記配線層を構成する隣接する配線導体同士の間に硬化性樹脂が隙間なく充填でき、且つ配線導体の位置ズレや該ズレに伴う変形や断線を皆無とした配線基板の製造方法を確実に提供できる。
【符号の説明】
【0030】
1…………………ベース絶縁層
1a………………表面
1b………………裏面
2a,2b………接着層
3…………………絶縁層
4…………………配線導体/配線層
6…………………隙間
9…………………硬化性樹脂
9a………………熱硬化性樹脂
9c………………感光性樹脂/感光性熱硬化性樹脂
10a〜10c…単位基板層
20………………配線基板
t…………………厚み
w…………………間隔
L…………………光
s1,s2………セラミック層
S…………………多層基板部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の樹脂絶縁層とこれらの間に形成された配線層とを交互に有する配線基板、あるいは該配線基板を含む電子部品検査装置用配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、多層配線基板やIC検査装置用基板を得るために、厚さ25μmの樹脂フイルムの表面に厚さ9μmの銅箔を貼り付け、該樹脂フイルムの裏面側から厚み方向に沿ってYAGレーザを照射してビア孔を形成し、該ビア孔が開設された突出部を含む上記銅箔の表面上に感光性ドライフィルムを貼り付け、該ドライフィルムを露光および現像してパターニングし、該パターニングにより除去された上記ドライフィルム間に露出する上記銅箔をエッチングして配線層を形成し、上記ビア孔に形成したビア導体の溝部に上記配線層の突出部を嵌め込むことで、上記樹脂フイルム、配線層、およびビア導体からなる樹脂絶縁層を形成する。そして、複数の該樹脂絶縁層を厚み方向に沿って積層および圧着することによって、前記多層配線基板やIC検査装置用基板を得るための製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、特許文献1に開示された前記製造法のように、厚みが9μmの配線層を片面に個別に有する複数の樹脂絶縁層を積層および圧着した際には、隣接する配線同士の隙間に前記樹脂フィルムが未充填となる空間が生じ、該空間内のエアが後工程や使用時に外部へ抜け出すことで、上記樹脂絶縁層が局所的にめくれたり、剥がれるなどの不具合を生じる場合がある。更に、個々の配線導体の位置が幅方向に沿って不用意に移動したことで平面視の形状が変形し、該変形に伴って上記配線導体が断線に至る場合もあった。その結果、前記多層配線基板や電子部品検査装置用配線基板の小型化や高密度を図るための配線の微細化が困難となったり、隣接する配線導体同士間の絶縁が不十分となり得る、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−76873(第1〜20頁、図6〜11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、複数の絶縁層と該絶縁層の間に形成された所定厚み以上で且つ隣接する配線導体同士の間隔が所定幅以下の配線層とを交互に積層した配線基板において、上記配線層を構成する隣接する配線導体同士の間に絶縁材の樹脂が隙間なく充填され、且つ配線導体の移動やこれに伴う変形ないし断線などの不具合を皆無とした配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、複数の樹脂絶縁層間に形成される配線導体の厚みが5μm超で且つ隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の配線層を構成する配線導体同士の隙間に硬化性樹脂を充填し且つ硬化処理する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による配線基板の製造方法(請求項1)は、熱硬化性樹脂からなるベース絶縁層と、該ベース絶縁層の表面および裏面に形成された熱可塑性樹脂からなる接着層とを含む絶縁層と、上記ベース絶縁層の表面側における接着層の上に形成され、厚みが5μm超である複数の配線導体からなり且つ隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の配線層と、を交互に積層してなる配線基板の製造方法であって、前記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に硬化性樹脂を充填する工程と、かかる充填された硬化性樹脂を硬化処理する工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記ベース絶縁層の表面側における接着層の上に形成された厚みが5μm超の配線導体からなる配線層において、隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の隙間に、硬化性樹脂を充填した後、該硬化性樹脂を硬化処理している。その結果、底面の接着層と隣接する一対の配線導体とに囲まれた上記隙間には、上記硬化性樹脂が隙間なく充填された状態で硬化している。
従って、上記隙間に不用意な空間が形成されないので、従来のような樹脂絶縁層の局所的なめくれや剥がれを生じないと共に、前記配線層を構成する個々の配線導体も幅方向に沿って移動し難くされているので、従来のような配線導体の変形やこれに伴う該配線導体の断線を皆無とすること可能となる。
【0008】
尚、 前記硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂(光硬化性樹脂)、あるいは感光性熱硬化性樹脂(光硬化性熱硬化性樹脂)の何れかからなる。
また、上記熱硬化性樹脂、感光性樹脂、感光性熱硬化性樹脂は、例えば、熱硬化性ポリイミド(PI)、感光性ポリイミド、あるいは感光性熱硬化性ポリイミドからなる。
更に、上記感光性熱硬化性樹脂の硬化処理には、紫外線などの光の照射および透過による硬化処理のほか、加熱による硬化処理を施しても良い。
また、複数の配線導体を含む前記配線層、かかる配線層を形成するために用いる無電解金属メッキ膜、電解金属メッキ膜、上記配線層の形成に用いる導電性ペーストに含まれる金属粉末、あるいは上記絶縁層を貫通して上下の配線層同士を接続するためのビア導体は、例えば、CuまたはAgなどが用いられる。
加えて、前記配線層に含まれる配線導体の厚みを5μm超としたのは、5μm以下の場合には、前記硬化性樹脂の充填を前記隙間にしなくても、複数の単位基板層を積層して加熱処理することで、配線導体同士の隙間に未充填の空間が形成されにくくなるためである。一方、隣接する配線導体同士の間隔を100μm以下としたのも、上記と同様の理由による。
【0009】
また、本発明には、前記絶縁層、配線層、および該配線層を構成する複数の配線導体の隙間に形成した硬化性樹脂を備えた複数の単位基板層を、厚み方向に積層し且つ圧着する工程を、更に含む、配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、複数の前記単位基板層を積層して圧着することで、樹脂製の多層配線基板を精度良く確実に形成することができる。尚、樹脂製あるいはセラミック製のコア基板の片面あるいは両面に対し、複数の前記単位基板層を積層して圧着することでも、上記同様の多層配線基板を形成することも可能である。
【0010】
更に、本発明には、前記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に前記硬化性樹脂を充填する工程では、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコータまたはスピンコータを用いる塗布印刷の何れかの方法により、前記硬化性樹脂を上記隙間に充填している、配線基板の製造方法(請求項3)も含まれる。
これによれば、配線導体同士間の隙間の大きさ、複数の配線導体のパターン、あるいは充填すべき硬化性樹脂の性状に応じて、最適の充填方法を選択することによって、上記隙間に硬化性樹脂を隙間なく確実に充填することが可能となる。
【0011】
また、本発明には、前記隙間に充填する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、あるいは感光性熱硬化性樹脂の何れかである、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。
これによれば、隣接する配線導体同士間の前記隙間の大きさ、複数の配線導体のパターン、あるいは前記ベース絶縁層や接着層の性状に応じて、加熱による硬化処理を要する熱硬化性樹脂を用い、あるいは、光を照射し透過させて化学反応による硬化処理を生じる感光性樹脂を用いることが選択できる。更に、感光性熱硬化性樹脂を用いた場合、加熱による硬化処理と、光の照射による硬化処理とを、充填すべき隙間の位置などに応じて、あるいは前記単位基板層ごとに対応して、自在に選択することが可能となる。
【0012】
更に、本発明には、前記硬化性樹脂が感光性樹脂または感光性熱硬化性樹脂の場合、前記ベース絶縁層側から照射した光を透過することによって硬化処理が行われる、配線基板の製造方法(請求項5)も含まれる。
これによれば、隣接する配線導体同士間の隙間内に充填した硬化性樹脂に対して、前記ベース絶縁層側から照射した紫外線などの光が正確に透過する反面、個々の配線導体の上方に印刷ないし塗布した硬化性樹脂に対しては、光が透過しない。そのため、上記隙間内およびその真上の位置する硬化性樹脂のみを精度良く硬化処理することができる。従って、上記隙間内の容積よりも多い量の硬化性樹脂を、前記ロールコータやスピンコータなどを用いる塗布印刷などによって一括して充填および塗布印刷できるため、充填工程の生産性を高めることが可能となる。しかも、露光用のパターン孔を開設したマスクを省略することもできる。
尚、前記光には、紫外線のほか、可視領域の光も含まれる。
【0013】
加えて、本発明には、複数の前記単位基板層を厚み方向に積層し且つ圧着する工程は、該複数の単位基板層のうち最下層の単位基板層に下層側に、更に複数のセラミック層あるいは複数の樹脂層からなる多層配線部が併せて積層および圧着される、配線基板の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、例えば、複数の前記単位基板層の下層側にセラミックからなる多層配線部を積層および圧着することで、軸方向に沿って比較的長いビア導体が貫通する多層セラミックの多層配線部と、該多層配線部の上層側に形成される複数の単位基板層とからなり、最上層となる単位基板層の表面に設けた複数のパッド上に、プローブを個別に立設した電子部品検査装置用配線基板としても使用することが可能となる。
あるいは、複数の単位基板層をオーダーメード部分とし、複数のセラミック層または樹脂層からなる多層配線部をレディメード部分として予め設定しておくことで、多様なニーズに対して比較的短い納期により製造することも可能となる。
【0014】
尚、前記絶縁層を貫通するビアホールおよびビア導体を形成する工程は、例えば、複数の導体配線を含む前記配線層と前記絶縁層とを積層した単位基板層に対して、打ち抜き加工および導電性ペーストの充填を行うことで可能となる。
また、前記絶縁層を貫通するビアホールを形成し、該ビアホールに金属粉末を含む導電性ペーストを充填し且つ加熱・硬化処理してビア導体を形成した工程の後に、前記複数の配線導体を含む配線層を形成する工程を行うようにしても良い。
更に、前記絶縁層を貫通するビアホールを形成し、該ビアホールの内壁面と絶縁層の表面側の接着層の表面とに無電解金属メッキ膜を形成した後、該無電解金属メッキ膜の上に電解金属メッキを施して、上記ビアホール内に位置するビア導体を一体に有する配線導体を含む前記配線層を形成する工程を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に用いる絶縁層とその表面に貼り付けた銅箔とを示す断面図。
【図2】上記導体層の表面にドライフィルムを貼り付けた工程を示す断面図。
【図3】上記ドライフィルムをパターニングした工程を示す断面図。
【図4】上記導体層をパターニングして配線層を形成した工程を示す断面図。
【図5】パターニングされた上記ドライフィルムを除去した工程を示す断面図。
【図6】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填する1つの工程を示す断面図。
【図7】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填する別の工程を示す断面図。
【図8A】上記隙間に感光性樹脂を充填した後の硬化処理工程を示す断面図。
【図8B】上記感光性樹脂を硬化処理した後の状態を示す断面図。
【図8C】未硬化部分の上記感光性樹脂を除去した工程を示す断面図。
【図9】上記配線層および絶縁層にビアホールを設けた工程を示す断面図。
【図10】以上の各工程により得られた一形態の単位基板層を示す断面図。
【図11】異なる方法における絶縁層にビアホールを設けた工程を示す断面図。
【図12】上記ビアホールにビア導体を形成した工程を示す断面図。
【図13】上記絶縁層の表面に無電解Cuメッキ膜を設けた工程を示す断面図。
【図14】上記メッキ膜の上にドライフィルムを貼り付けた工程を示す断面図。
【図15】上記ドライフィルムをパターニングした工程を示す断面図。
【図16】上記メッキ膜の上に電解Cuメッキ膜を被覆して配線層を形成した工程を示す断面図。
【図17】パターニング後の上記ドライフィルムを除去した工程を示す断面図。
【図18】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填して得られた異なる形態の単位基板層を示す断面図。
【図19】別の方法における絶縁層にビアホールを設けた工程を示す断面図。
【図20】上記絶縁層の表面とビアホールの内面に無電解Cuメッキ膜を設けた工程を示す断面図。
【図21】上記メッキ膜の上にドライフィルムを貼り付けた工程を示す断面図。
【図22】上記ドライフィルムをパターニングした工程を示す断面図。
【図23】上記メッキ膜の上に電解Cuメッキ膜を被覆して配線層を形成した工程を示す断面図。
【図24】パターニング後の上記ドライフィルムを除去した工程を示す断面図。
【図25】上記配線層の隙間に硬化性樹脂を充填して得られた更に異なる形態の単位基板層を示す断面図。
【図26】前記3形態の単位基板層を積層し且つ圧着する工程を示す断面図。
【図27】本発明により得られた一形態の配線基板を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
予め、図1に示すように、絶縁層3の表面に銅箔(導体層)4aを貼り付けた複合シートを用意した。上記絶縁層3は、厚みが25μmの熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリイミド)からなるベース絶縁層1と、その表面1aおよび裏面1bに個別に積層した厚みが5μmで且つ熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリイミド)からなる一対の接着層2a,2bとからなる。また、上記銅箔4aの厚みは、18μm(5μm超)である。
次に、図2に示すように、上記銅箔4a上の全面に対して、感光性樹脂からなるドライフィルム5aを貼り付けた。該フィルム5aは、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)からなる。
次いで、上記ドライフィルム5aに対し、上方から紫外線の露光およびエッチング(現像)を施して、図3に示すように、所定パターンに倣った前記ドライフィルム5aからなるレジストパターン5bとする共に、該パターン5b,5b間の隙間に露出する前記銅箔4aをエッチングした。その結果、図4に示すように、上記同様の所定パターンに倣った複数の配線導体4からなる配線層4を形成した。
【0017】
更に、図5に示すように、配線導体4ごとの上に残っていた前記レジストパターン5bを、剥離液に接触させることにより剥離して除去した。尚、上記配線導体4の厚みtは、18μmであり、隣接する配線導体4,4間に位置する隙間6の間隔wは、約25〜60μm(100μm以下)であった。
次に、図6に示すように、配線層4を構成する複数の配線導体4の上に、該配線導体4のパターンに倣ったメタルマスク7を配置した後、スキージ9を該メタルマスク9の表面に沿って摺動することにより、熱硬化性ポリイミドからなる熱硬化性樹脂9aを配線導体4,4間の隙間6ごとに順次充填するスクリーン印刷を行った。その後、充填した上記熱硬化性樹脂9aを加熱(約150℃×1時間)する硬化処理を行った(硬化性樹脂の充填・硬化処理工程)。
尚、上記印刷方法に替えて、図7に示すように、インクジェットノズルNを絶縁層3に沿って走査し、配線導体4,4の隙間6ごとに適量ずつの熱硬化性樹脂9aを順次充填し、更に加熱する硬化処理する方法によっても行うこともできた。
【0018】
あるいは、図8A〜図8Cに示す方法により行うことも可能であった。
先ず、図8Aに示すように、配線導体4,4間の各隙間6を含む配線層4全体の上方位置まで感光性樹脂(光硬化性樹脂)9bを充填・塗布した後、絶縁層3における裏面側の接着層2b側全体から紫外線などの光Lを、絶縁層3の厚み方向に沿って照射した。その結果、図8Bに示すように、上記光Lは、隙間6ごとに充填された感光性樹脂9bを透過した際に、該樹脂9bを硬化させて硬化性樹脂9cとした。一方、各配線導体4によって上記光Lが遮られた該配線導体4上の感光性樹脂9bには透過しなかたので、当初の状態に保たれていた。
そして、図8Cに示すように、配線導体4上の感光性樹脂9bを除去することによって、上端面が配線導体4の上面よりも若干高くなった硬化性樹脂9cを、配線導体4,4の各隙間6に充填することができた。
【0019】
尚、前記図6,7に示した充填工程によっても、図8Cに示すように、熱硬化性樹脂9aを上記同様の形態にして充填することができた。また、以下の各工程においては、前記硬化性樹脂9a,9cは、単に硬化性樹脂9として示す。
次いで、前記隙間6に硬化性樹脂9が充填された配線導体4および絶縁層3における所定の位置に対し、レーザ加工あるいはパンチングを施して、図9に示すように、ビアホールhを貫通させた。更に、該ビアホールh内にAg粉末を含む導電性ペーストをスクリーン印刷により充填した後、該導電性ペーストを加熱(約150℃×1時間)した。その結果、図10に示すように、ビアホールh内に充填され且つ両端面が若干突出したAg製のビア導体V1が形成されると共に、これによって、本発明における一形態の単位基板層10aを得ることができた。
【0020】
図11〜図18は、異なる形態の単位基板層10bを得るための前記方法とは異なる製造方法に関する。
先ず、前記同様のベース絶縁層1と、その表面1aおよび裏面1bに積層した接着層2a,2bからなる絶縁層3における所定の位置に対し、レーザ加工を厚み方向に沿って施し、図11に示すように、ビアホールhを貫通させた。
次に、該ビアホールh内に前記同様の導電性ペーストを充填し且つ加熱して、図12に示すように、表面1a側にのみ突出したビア導体V2を形成した。
次いで、図13に示すように、図示しないマスクを被せた上記ビア導体V2を除いた接着層2a上の全面に、無電解Cu(金属)メッキを施して、厚みが約10μmの比較的薄いCu(金属)メッキ膜4bを被覆した。
更に、図14に示すように、上記Cuメッキ膜4b上およびビア導体V2上に前記同様のドライフィルム5aを貼り付けた。
【0021】
次に、上記ドライフィルム5aに対し、上方から紫外線の露光およびエッチング(現像)を施して、図15に示すように、所定パターンに倣った前記ドライフィルム5aからなるレジストパターン5bを形成した。
次いで、上記レジストパターン5b,5b間に露出する前記Cuメッキ膜4bごとの上、およびビア導体V2の上に対し、電解Cuメッキを施した。その結果、図16に示すように、比較的厚いCuメッキ膜4cが形成された。
更に、図17に示すように、前記レジストパターン5bを剥離して除去すると共に、その真下に位置していた前記Cuメッキ膜4bをエッチングによって除去した。その結果、前記同様の厚みtであり且つ間隔wの隙間6を挟んだ複数の配線導体4からなる配線層4が形成された。このうち、一部の配線導体4には、前記ビア導体部V2の上端部が食い込んだ形態で接続されていた。
そして、隣接する配線導体4,4の各隙間6に、前記同様の熱硬化性樹脂9を前記同様の印刷などにより充填した後、充填した該熱硬化性樹脂9を加熱するか、光Lを照射する硬化処理を行った(硬化性樹脂の充填・硬化処理工程)。その結果、図18に示すように、異なる形態の単位基板層10bを得ることができた。
【0022】
図19〜図25は、更に異なる形態の単位基板層10cを得るための前記の各方法とは異なる製造方法に関する。
先ず、前記同様のベース絶縁層1と、その表面1aおよび裏面1bに積層した接着層2a,2bからなる絶縁層3における所定の位置に対し、レーザ加工を厚み方向に沿って施し、図19に示すように、ビアホールhを貫通させた。
次に、該ビアホールhの内壁面と、表面1a側の接着層2aの全面とに対し、それぞれ前記同様の無電解Cuメッキを施して、図20に示すように、円筒状の筒形導体vaおよびCuメッキ膜4bを被覆した。次いで、図21に示すように、該Cuメッキ膜4bの上に、前記同様のドライフィルム5aを貼り付けた。
更に、上記ドライフィルム5aに対し、上方から紫外線の露光およびエッチングを施して、図22に示すように、所定パターンに倣った前記同様のレジストパターン5bを形成した。
【0023】
次に、上記レジストパターン5b,5b間に露出する前記Cuメッキ膜4bごとの上、および筒形導体vaの内側(中空部)に対し、電解Cuメッキを施した。その結果、図23に示すように、前記パターンに倣ったCuメッキ膜4cが形成された。この際、一部のCuメッキ膜4cは、筒形導体vaの内側に形成された軸状導体vbと一体に接続されていた。
次いで、図24に示すように、前記レジストパターン5bを剥離して除去すると共に、その真下に位置していた前記Cuメッキ膜4bをエッチングによって除去した。その結果、前記同様の厚みtを有し且つ間隔wの隙間6を含む複数の配線導体4からなる配線層4が形成された。また、前記筒形導体vaと軸状導体vbとは、Cuからなる一体のビア導体V3となった。
そして、隣接する配線導体4,4の各隙間6に、前記同様の熱硬化性樹脂9を前記同様の方法により充填した後、充填した該熱硬化性樹脂9を加熱するか、光Lを照射する硬化処理を行った(硬化性樹脂の充填・硬化処理工程)。その結果、図25に示すように、更に異なる形態の単位基板層10cを得ることができた。
【0024】
図26は、前記3種類の単位基板層10a,10b,10cを、厚み方向に沿って積層し、且つこれらを圧着する工程を示す概略図である。尚、上記単位基板層10a,10b,10cにおけるビア導体V1〜V3の位置は、適宜変更した。
図26中の矢印で示すように、単位基板層10a,10b,10cを積層し且つ圧着する工程を行うに際し、更に、図27に示すように、最下層の単位基板層10cの下層側に、予め別途に形成した複数のセラミック層s1,s2を含む多層配線部Sを、併せて積層および圧着を行った。この工程は、約350℃に1時間程度加熱し且つ加圧して行った。尚、該工程の後で、外部に露出する配線導体4などの導体部分の表面に、電解Niメッキと電解Auメッキとを順次施した。
上記多層配線部Sは、アルミナなどの高温焼成セラミックからなる複数のセラミック層s1,s2…と、これらの間に形成したWまたはMoからなる配線層12と、Wなどからなるビアカバー13を介して上記セラミック層s1,s2を貫通する上記Wなどからなるビア導体14と、を含んでおり、予め別途に製作しておいたものである。尚、上記セラミック層s2の下層側には、図示しない別のセラミック層sxや配線層など形成され、積層されている。
【0025】
その結果、図27に示すように、単位基板層10a,10b,10cを積層した上層部と、下層側の前記多層配線部Sとを併有する配線基板20を得ることができた。
上記配線基板20は、最上層の単位基板層10aにおいて上向きに突出している複数の配線導体(パッド)4の上面ごとに、図示しないプローブを植設することで、例えば、図示しないシリコンウェハ内において縦横に沿って併設された多数のICチップなどの電子部品ごとの電気的性能を検査するための電子部品検査装置用配線基板として活用することが可能である。
尚、複数の単位基板層を積層して圧着する前記工程は、同じ種類である複数の単位基板層10a同士、単位基板層10b同士、あるいは単位基板層10c同士を積層し且つ圧着する形態としても良い。
また、前記多層配線部Sは、低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックからなる複数のセラミック層と、これらの間に形成されたAgまたはCuからなる配線層と、該Agなどからなる前記同様のビア導体などからなる形態でも良い。あるいは、前記多層配線部Sを、エポキシ系などからなる複数の樹脂層と、これらの間に形成したCu製の配線層と、上下の該配線層を接続し且つ上記樹脂層を貫通するCu製のビア導体とを含む樹脂製の多層配線基板としても良い。
【0026】
以上において説明した配線基板20の製造方法によれば、前記ベース絶縁層1の表面1a側における接着層2a上に形成された厚みtが5μm超の配線導体4からなる配線層4において、隣接する配線導体同士4,4の間隔wが100μm以下の隙間6に、硬化性樹脂9を充填した後、該硬化性樹脂9を硬化処理する工程を行った。その結果、底面の接着層2aと隣接する配線導体同士4,4に囲まれた隙間6には、上記硬化性樹脂9が隙間なく充填された状態で硬化していた。
従って、上記隙間6に不用意な空間が形成されないので、従来のような樹脂絶縁層の局所的なめくれや剥がれを生じないと共に、前記配線層4を構成する個々の配線導体4もその幅方向に沿って移動し難くされているので、従来のような配線導体4の変形やこれに伴う断線を皆無とすることができた。
【0027】
また、配線導体同士4,4の隙間6に硬化性樹脂9を充填する工程は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコータまたはスピンコータを用いる塗布印刷の何れかの方法により行えるので、上記隙間6の大きさ、複数の配線導体4のパターン、あるいは充填すべき硬化性樹脂9の性状に応じて、最適の充填方法を選択することで、上記隙間6に硬化性樹脂9を隙間なく確実に充填できた。
更に、前記硬化性樹脂9として感光性樹脂9bまたは感光性熱硬化性樹脂9bを用いた場合、前記ベース絶縁層1側から照射した光Lを透過させることによって硬化処理が精度良く行えた。従って、上記隙間6内の容積よりも多い量の硬化性樹脂9を、精緻な計量行うことなく、前記ロールコータを用いる塗布印刷などによって一括して充填および塗布印刷することができたので、硬化性樹脂9の充填工程の生産性を高められた。しかも、この方法では、露光用のマスクを省略することもできた。
【0028】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記絶縁層3を構成する接着層2a,2bは、互いに異なる熱可塑性樹脂からなるものでも良い。
また、前記単位基板層10a〜10cには、断面がほぼ円錐形状のビア導体を形成しても良い。
更に、前記隙間6に充填する硬化性樹脂9の上端部は、隣接する配線導体4の上面よりも頂部が高い曲面状を呈する形態でも良い。
加えて、本発明による配線基板の製造方法は、多数個取りの形態として行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、複数の絶縁層と該絶縁層の間に形成された厚み5μm超の配線層とを交互に積層した配線基板において、上記配線層を構成する隣接する配線導体同士の間に硬化性樹脂が隙間なく充填でき、且つ配線導体の位置ズレや該ズレに伴う変形や断線を皆無とした配線基板の製造方法を確実に提供できる。
【符号の説明】
【0030】
1…………………ベース絶縁層
1a………………表面
1b………………裏面
2a,2b………接着層
3…………………絶縁層
4…………………配線導体/配線層
6…………………隙間
9…………………硬化性樹脂
9a………………熱硬化性樹脂
9c………………感光性樹脂/感光性熱硬化性樹脂
10a〜10c…単位基板層
20………………配線基板
t…………………厚み
w…………………間隔
L…………………光
s1,s2………セラミック層
S…………………多層基板部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化性樹脂からなるベース絶縁層と、該ベース絶縁層の表面および裏面に形成された熱可塑性樹脂からなる接着層とを含む絶縁層と、
上記ベース絶縁層の表面側における接着層の上に形成され、厚みが5μm超である複数の配線導体からなり且つ隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の配線層と、を交互に積層してなる配線基板の製造方法であって、
上記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に硬化性樹脂を充填する工程と、
上記充填された硬化性樹脂を硬化処理する工程と、を含む、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁層、配線層、および該配線層を構成する複数の配線導体の隙間に形成した硬化性樹脂を備えた複数の単位基板層を、厚み方向に積層し且つ圧着する工程を、更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に前記硬化性樹脂を充填する工程では、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコータまたはスピンコータを用いる塗布印刷の何れかの方法により、前記硬化性樹脂を上記隙間に充填している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記隙間に充填する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、あるいは感光性熱硬化性樹脂の何れかである、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記硬化性樹脂が感光性樹脂または感光性熱硬化性樹脂の場合、前記ベース絶縁層側から照射した光を透過することによって硬化処理が行われる、
ことを特徴とする請求項4に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
複数の前記単位基板層を厚み方向に積層し且つ圧着する工程は、該複数の単位基板層のうち最下層の単位基板層に下層側に、更に複数のセラミック層あるいは複数の樹脂層からなる多層配線部が併せて積層および圧着される、
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項1】
熱硬化性樹脂からなるベース絶縁層と、該ベース絶縁層の表面および裏面に形成された熱可塑性樹脂からなる接着層とを含む絶縁層と、
上記ベース絶縁層の表面側における接着層の上に形成され、厚みが5μm超である複数の配線導体からなり且つ隣接する配線導体同士の間隔が100μm以下の配線層と、を交互に積層してなる配線基板の製造方法であって、
上記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に硬化性樹脂を充填する工程と、
上記充填された硬化性樹脂を硬化処理する工程と、を含む、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁層、配線層、および該配線層を構成する複数の配線導体の隙間に形成した硬化性樹脂を備えた複数の単位基板層を、厚み方向に積層し且つ圧着する工程を、更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記配線層において隣接する配線導体同士の隙間に前記硬化性樹脂を充填する工程では、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコータまたはスピンコータを用いる塗布印刷の何れかの方法により、前記硬化性樹脂を上記隙間に充填している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記隙間に充填する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、あるいは感光性熱硬化性樹脂の何れかである、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記硬化性樹脂が感光性樹脂または感光性熱硬化性樹脂の場合、前記ベース絶縁層側から照射した光を透過することによって硬化処理が行われる、
ことを特徴とする請求項4に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
複数の前記単位基板層を厚み方向に積層し且つ圧着する工程は、該複数の単位基板層のうち最下層の単位基板層に下層側に、更に複数のセラミック層あるいは複数の樹脂層からなる多層配線部が併せて積層および圧着される、
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−8809(P2013−8809A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140102(P2011−140102)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】
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