説明

配線検査装置および配線検査方法

【課題】装置(動作ユニット)の設置場所と制御装置との間の誤配線(誤接続)を防止することのできる配線検査装置および配線検査方法を提供する。
【解決手段】自動写真作成装置において、複数のストロボ(動作ユニット)は制御装置としてのストロボドライバの各ポートに接続される。各ストロボの設置場所には電子タグが取り付けられ、その電子タグには設置場所を識別するためのIDが書き込まれる。ストロボに対して明るさの設定が行われた(ステップS300)後、当該ストロボの設置場所の電子タグに書き込まれているIDの取得が行われ(ステップS310)、そのIDに基づいて、ストロボドライバのポートに接続されているストロボの設置場所が本来の設置場所であるか否かが検査される(ステップS320)。その結果、配線(接続)が正しく行われていなければ、エラーメッセージが表示される(ステップS340)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の装置のそれぞれの設置場所とそれら複数の装置を制御する制御装置との間の配線が正しく行われているかを検査する配線検査装置および配線検査方法に関し、例えば、自動写真作成装置に設けられている複数の照明装置のそれぞれの設置場所とそれらを制御する制御装置との間の配線状態の検査を行う配線検査装置および配線検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種装置のコンピュータ化が進み、複数個の或る動作ユニットが1つの制御装置によって制御されるという構成が一般化している。そのような構成において、各動作ユニットと制御装置とが無線で接続されるものもあるが、昨今でもそれらが有線で接続されるものが数多くある。有線で接続されるものについては、例えば、制御装置の各ポートと各動作ユニットとがそれぞれケーブルによって接続されている。
【0003】
ところで、従来より、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真シール(あるいは写真カード等)として出力する自動写真作成装置(遊戯用写真作成装置)が知られている。このような自動写真作成装置においては、利用者(被写体)を撮影する際に充分な光が必要とされるため、一般的に複数のストロボ(フラッシュ)が設けられている。図26は、従来の自動写真作成装置において、照明に関する構成を示した模式図である。図26に示すように、自動写真作成装置においては、複数のストロボ911,912,913(ここでは、ストロボが3つの例を示している)がカメラ900およびパソコン901と接続されたストロボドライバ(ストロボ制御装置)902に接続されている。なお、以下においては、図26で正面左方に設置されたストロボを第1のストロボ911といい、正面上方に設置されたストロボを第2のストロボ912といい、正面右方に設置されたストロボを第3のストロボ913という。それら第1〜第3のストロボ911,912,913の設置場所とストロボドライバ902の各ポートとの対応関係は予め定められている。そして、例えば、第1のストロボ911が「ポート番号=1」のポートに接続され、第2のストロボ912が「ポート番号=2」のポートに接続され、第3のストロボ913が「ポート番号=3」のポートに接続されているとき、それぞれのストロボを所望の明るさ(光量)で発光させるために、当該明るさを表す指示信号がパソコン901からストロボドライバ902の各ポートに与えられる。例えば図27に示すように各ポートに対して明るさを表す指示信号が与えられると、第1のストロボ911は「明るさ=5」に対応する光量で発光し、第2のストロボ912は「明るさ=10」に対応する光量で発光し、第3のストロボ913は「明るさ=5」に対応する光量で発光する。以上のようにして、自動写真作成装置に設けられている複数のストロボに対する明るさの設定が行われている。なお、特開2007−322509号公報には、写真撮影装置においてストロボユニットが4つのストロボの発光タイミングや発光量を制御するという構成が開示されている。
【特許文献1】特開2007−322509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、自動写真作成装置の周囲には多数のケーブルが敷設されていることが多く、配線の際にケーブル同士が錯綜するなどしてストロボの設置場所とストロボドライバのポートとの対応関係を誤ってしまうことが多々ある。例えば、図26に示すような配線(接続)がなされなければならないときに、図28に示すような配線(第1のストロボ911が接続されるべきポートに第2のストロボ912が接続され、第2のストロボ912が接続されるべきポートに第1のストロボ911が接続されている)がなされることがある。このとき、第1のストロボ911は、本来「明るさ=5」に対応する光量で発光すべきであるが、「明るさ=10」に対応する光量で発光し、第2のストロボ912は、本来「明るさ=10」に対応する光量で発光すべきであるが、「明るさ=5」に対応する光量で発光する。このため、(撮影の際の)複数のストロボ間の光量のバランスが悪くなどして、所望の撮影結果が得られない。
【0005】
上述のような誤配線(誤接続)を防止する手法として、ストロボとストロボドライバとを接続するコネクタの形状をそれぞれ異ならせるという手法が考えられる。しかし、この手法によると、ストロボの数だけコネクタの形状(種類)を増やさなければならない。このため、例えば、保守のために多種類の部品を用意しなければならない。
【0006】
そこで、本発明は、例えば自動写真作成装置においてストロボの設置場所とストロボドライバのポートとの間の誤配線(誤接続)が防止されるように、装置(動作ユニット)の設置場所と制御装置との間の誤配線(誤接続)を防止することのできる配線検査装置および配線検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、設置場所に応じて所定の動作を行う複数の動作手段と、少なくとも前記複数の動作手段の数に等しいだけの複数の接続部を有し配線部材を介して各接続部に接続された動作手段の動作を制御する動作制御手段とを備えた装置に設けられ、前記複数の接続部に接続された配線部材の配線状態を検査する配線検査装置であって、
前記複数の動作手段の設置場所を識別するための第1の識別情報の格納または生成を行うために各設置場所に設けられた第1の識別手段と、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報を取得する第1の識別情報取得手段と、
前記第1の識別情報取得手段によって取得された第1の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する第1の検査手段と
を備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第1の検査手段による検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続されている動作手段の設置場所が当該或る接続部に予め対応付けられた設置場所でなかったときに、設置場所と動作手段によって行われるべき動作との予め保持された対応関係に基づいて当該或る接続部に接続されている動作手段の動作を制御する動作再制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記第1の検査手段による検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続されている動作手段の設置場所が当該或る接続部に予め対応付けられた設置場所でなかったときに、接続に誤りがある旨のメッセージを所定の表示手段に表示する第1のエラーメッセージ表示手段を備えることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明において、
前記複数の動作手段の種類を識別するための第2の識別情報の格納または生成を行うために各動作手段に設けられた第2の識別手段と、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段に設けられた第2の識別手段から前記第2の識別情報を取得する第2の識別情報取得手段と、
前記第2の識別情報取得手段によって取得された第2の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段が当該各接続部に予め対応付けられた種類の動作手段であるか否かを検査する第2の検査手段と
を更に備えることを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、
前記第2の検査手段による検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続された動作手段が当該或る接続部に予め対応付けられた種類の動作手段でなかったときに、接続に誤りがある旨のメッセージを所定の表示手段に表示する第2のエラーメッセージ表示手段を備えることを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、第4または第5の発明において、
前記第2の識別手段は、記憶素子を有する電子タグであって、
前記第2の識別情報は、前記記憶素子に記録されたIDであることを特徴とする。
【0013】
第7の発明は、第4または第5の発明において、
前記第2の識別手段は、抵抗器であって、
前記第2の識別情報は、前記抵抗器に電流を流すことによって生ずる電圧であることを特徴とする。
【0014】
第8の発明は、第4または第5の発明において、
前記第2の識別手段は、設置場所毎に異なる電気配線のパターンであって、
前記第2の識別情報は、前記電気配線のパターンに応じて生ずる前記電気配線上の所定点の電位または前記電気配線上の所定の2点間の電圧であることを特徴とする。
【0015】
第9の発明は、第1から第8までのいずれかの発明において、
前記第1の識別手段は、記憶素子を有する電子タグであって、
前記第1の識別情報は、前記記憶素子に記録されたIDであることを特徴とする。
【0016】
第10の発明は、第1から第8までのいずれかの発明において、
前記第1の識別手段は、抵抗器であって、
前記第1の識別情報は、前記抵抗器に電流を流すことによって生ずる電圧であることを特徴とする。
【0017】
第11の発明は、第1から第8までのいずれかの発明において、
前記第1の識別手段は、設置場所毎に異なる電気配線のパターンであって、
前記第1の識別情報は、前記電気配線のパターンに応じて生ずる前記電気配線上の所定点の電位または前記電気配線上の所定の2点間の電圧であることを特徴とする。
【0018】
第12の発明は、所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像手段と、前記撮像手段による撮影の際に閃光を放つことにより前記被写体を照明する前記複数の動作手段としての複数の照明装置と、前記複数の照明装置の発光量を制御する前記動作制御手段としての照明装置制御手段と、前記撮像手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを有する、第1から第11までのいずれかの発明に係る配線検査装置を備える自動写真作成装置であって、
前記第1の識別情報取得手段は、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報を取得し、
前記第1の検査手段は、前記第1の識別情報取得手段によって取得された第1の識別情報に基づいて、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査することを特徴とする。
【0019】
第13の発明は、設置場所に応じて所定の動作を行う複数の動作手段と、少なくとも前記複数の動作手段の数に等しいだけの複数の接続部を有し配線部材を介して各接続部に接続された動作手段の動作を制御する動作制御手段とを備えた装置における配線検査方法であって、
前記複数の接続部に接続された配線部材の配線状態を検査する配線検査ステップを備え、
前記複数の動作手段の設置場所を識別するための第1の識別情報の格納または生成を行うための第1の識別手段が各設置場所に設けられ、
前記配線検査ステップは、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報を取得する第1の識別情報取得ステップと、
前記第1の識別情報取得ステップで取得された第1の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する第1の検査ステップと
を含むことを特徴とする。
【0020】
第14の発明は、第13の発明において、
前記配線検査ステップは、前記第1の検査ステップでの検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続されている動作手段の設置場所が当該或る接続部に予め対応付けられた設置場所でなかったときに、設置場所と動作手段によって行われるべき動作との予め保持された対応関係に基づいて当該或る接続部に接続されている動作手段の動作を制御する動作再制御ステップを更に含むことを特徴とする。
【0021】
第15の発明は、第13または第14の発明において、
前記複数の動作手段の種類を識別するための第2の識別情報の格納または生成を行うための第2の識別手段が各動作手段に設けられ、
前記配線検査ステップは、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段に設けられた第2の識別手段から前記第2の識別情報を取得する第2の識別情報取得ステップと、
前記第2の識別情報取得ステップで取得された第2の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段が当該各接続部に予め対応付けられた種類の動作手段であるか否かを検査する第2の検査ステップと
を更に含むことを特徴とする。
【0022】
第16の発明は、第13から第15までのいずれかの発明において、
所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像手段と、前記撮像手段による撮影の際に閃光を放つことにより前記被写体を照明する前記複数の動作手段としての複数の照明装置と、前記複数の照明装置の発光量を制御する前記動作制御手段としての照明装置制御手段と、前記撮像手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを有する自動写真作成装置における配線検査方法であって、
前記第1の識別情報取得ステップでは、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報が取得され、
前記第1の検査ステップでは、前記第1の識別情報取得ステップで取得された第1の識別情報に基づいて、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かが検査されることを特徴とする。
【0023】
第17の発明は、第13から第16までのいずれかの発明に係る配線検査方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
上記第1の発明によれば、各動作手段の設置場所には他の設置場所と識別するための識別手段(第1の識別手段)が設けられ、その識別手段から得られる情報(第1の識別情報)に基づいて、(複数の動作手段の動作を制御する)動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所が本来の設置場所であるか否かが検査される。このため、動作制御手段の各接続部と各動作手段の設置場所との間の配線に誤りがあっても、当該誤りが検知される。これにより、1つの動作制御手段によって複数の動作手段を制御している装置において、動作制御手段の各接続部と各動作手段の設置場所との間の誤配線が防止される。
【0025】
上記第2の発明によれば、動作制御手段の各接続部と各動作手段の設置場所との間に誤配線がある場合に、誤配線されている動作手段の設置場所についての予め定められた動作に基づいて、動作手段の動作が制御される。これにより、1つの動作制御手段によって複数の動作手段を制御している装置において、動作制御手段の各接続部と各動作手段の設置場所との間の配線に誤りがあっても、配線のやり直しをすることなく、各動作手段は予め定められたとおりに動作する。
【0026】
上記第3の発明によれば、動作制御手段の各接続部と各動作手段の設置場所との間の配線に誤りがあればエラーメッセージが表示されるので、効果的に誤配線が防止される。
【0027】
上記第4の発明によれば、各動作手段には動作手段の種類を識別するための識別手段(第2の識別手段)が設けられ、その識別手段から得られる情報(第2の識別情報)に基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段が当該各接続部に本来接続されるべき種類の動作手段であるか否かが検査される。このため、動作制御手段の各接続部に誤った種類の動作手段が接続されていても、当該誤りが検知される。また、上記第1の発明によれば動作制御手段の各接続部と各動作手段の設置場所との間の誤配線が検知されることから、各動作手段の設置場所に誤った種類の動作手段が設置(配置)されていても、当該誤りが検知される。これにより、1つの動作制御手段によって複数の動作手段を制御している装置において、各動作手段の設置場所への動作手段の誤配置が防止される。
【0028】
上記第5の発明によれば、動作制御手段の各接続部に誤った種類の動作手段が接続されていればエラーメッセージが表示されるので、効果的に誤配置が防止される。
【0029】
上記第6の発明によれば、各動作手段には電子タグが設けられ、その電子タグ内に記録されているIDに基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の種類の識別が行われる。これにより、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段が当該各接続部に本来接続されるべき種類の動作手段であるか否かの検査が可能となる。
【0030】
上記第7の発明によれば、各動作手段には抵抗器が設けられ、その抵抗器に電流を流したときに生ずる電圧に基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の種類の識別が行われる。これにより、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段が当該各接続部に本来接続されるべき種類の動作手段であるか否かの検査が可能となる。
【0031】
上記第8の発明によれば、各動作手段には特有の電気配線パターンが設けられ、その電気配線パターンに応じて生ずる電位または電圧に基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の種類の識別が行われる。これにより、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段が当該各接続部に本来接続されるべき種類の動作手段であるか否かの検査が可能となる。
【0032】
上記第9の発明によれば、各動作手段の設置場所には電子タグが設けられ、その電子タグ内に記録されているIDに基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所の識別が行われる。これにより、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所が本来の設置場所であるか否かの検査が可能となる。
【0033】
上記第10の発明によれば、各動作手段の設置場所には抵抗器が設けられ、その抵抗器に電流を流したときに生ずる電圧に基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所の識別が行われる。これにより、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所が本来の設置場所であるか否かの検査が可能となる。
【0034】
上記第11の発明によれば、各動作手段の設置場所には特有の電気配線パターンが設けられ、その電気配線パターンに応じて生ずる電位または電圧に基づいて、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所の識別が行われる。これにより、動作制御手段の各接続部に接続されている動作手段の設置場所が本来の設置場所であるか否かの検査が可能となる。
【0035】
上記第12の発明によれば、自動写真作成装置において、各照明装置の設置場所には他の設置場所と識別するための識別手段(第1の識別手段)が設けられ、その識別手段から得られる情報(第1の識別情報)に基づいて、複数の照明装置の発光量を制御する照明装置制御手段の各接続部に接続されている照明装置の設置場所が本来の設置場所であるか否かが検査される。このため、照明装置制御手段の各接続部と各照明装置の設置場所との間の配線に誤りがあっても、当該誤りが検知される。これにより、自動写真作成装置において、照明装置制御手段の各接続部と各照明装置の設置場所との間の誤配線が防止される。
【0036】
上記第13の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。
【0037】
上記第14の発明によれば、上記第2の発明と同様の効果を奏することができる。
【0038】
上記第15の発明によれば、上記第4の発明と同様の効果を奏することができる。
【0039】
上記第16の発明によれば、上記第12の発明と同様の効果を奏することができる。
【0040】
上記第17の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0042】
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用写真作成装置は、利用者Uが入る撮影室2と、利用者Uを撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者Uによる落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4とを備えている。図2は、撮影ユニット3の正面図であり、図3は、編集ユニット4の正面図である。以下、図1から図3を参照しつつ、本実施形態における遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
【0043】
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者Uから見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置される。なお、撮影室2左右両側面の一部には、それぞれ利用者Uが出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者Uから見て後ろの面である背面には電動ロールカーテン装置25が備えられている。この電動ロールカーテン装置25にはクロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されたロールカーテンが収納されており、撮影の開始とともに当該ロールカーテンが展開され終了とともに巻き取られる。なお、電動ロールカーテン装置25は、クロマキー合成処理が行われない場合、所定の模様や風景などがそれぞれ描かれた複数のロールカーテンを適宜展開し巻き取る構成であってもよい。また、撮影室2の床面が撮影対象となる場合には、当該床面にも上記単一の色が付される。
【0044】
撮影ユニット3は、利用者Uを撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上下左右の適宜の位置に配置され閃光を発する照明装置としてのストロボ11,12,13L,13R,14と、当該カメラ10の下方に配置され利用者Uからの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20とを備えている。
【0045】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者Uを撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光を得るために利用者Uに向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者Uによる各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号の表す画像をリアルタイムで表示するように構成されている。図4は、撮影操作用タッチパネル20の画面構成を示す模式図である。図4に示すように、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが含まれている。
【0046】
また撮影ユニット3は、コンピュータ(パソコン)を中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および編集ユニット4と通信を行うためのネットワークアダプタなどを内蔵しているほか、合成画像を写真シール(または写真カード)として出力する出力手段としてのネットワークプリンタ35を備えている。さらに、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を、側面に写真シールの取出口28をそれぞれ備えている。
【0047】
編集ユニット4は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および撮影ユニット3等と通信を行うためのネットワークアダプタなどを内蔵している。また、編集ユニット4は、図1(b)に示すように、2組の利用者Uがプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含む編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0048】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者Uが同時に落書きを行えるような画面構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者Uが使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者Uが使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。
【0049】
図5は、編集操作用タッチパネル400の画面構成を示す模式図である。この編集操作用タッチパネル400には、左右の利用者Uそれぞれが使用する構成要素として、編集用の撮影画像の中から選択された画像を落書き対象画像として表示し(仮想的な)落書きを行える領域である落書き領域41L、41Rと、利用者Uが落書きを行うためのツールすなわち落書き対象画像に対する編集指示のためのツールの集合であって使用可能に表示したものとしてのパレット42L、42Rと、それらパレット42L、42Rに含まれるツールの種類を切り替えるためのモード選択ボタン群44L、44Rと、パレット42L、42Rに含まれうるツール以外で落書きに関する操作を行うためのボタン群45L、45Rとが含まれている。パレット42L、42Rにはタブ43L、43Rが設けられており、タブを切り替えることによって多種類のアイテムの表示、選択が可能となっている。また、編集操作用タッチパネル400には、左右の利用者が共通に使用する構成要素として、落書き時間の残り時間を表示するためのタイマー46と、編集用の複数の撮影画像を落書き対象画像として小さく一覧表示した画像群である候補画像サムネイル47と、タブやアイテムなどの選択が行われたときに当該選択されたものについての使用説明などを表示するためのガイド画面表示領域48とが含まれている。
【0050】
なお、図5に示す編集操作用タッチパネル400において、モード選択ボタン群44L、44Rによって、パレットモードを例えば「ペン」、「スタンプ」、「フレーム」、および「背景」のいずれかに切り替えることができる。また、ボタン群45L、45Rによって、例えば「らくがき終了」、「らくがき全消去」、「一つ戻る」、「消しゴム」、「背景消しゴム」、「太いペン」、「中ぐらいのペン」、および「細いペン」というような機能が提供される。
【0051】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより撮影画像に対して落書きを行い、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタ35から印刷出力する。
【0052】
<2.照明のための構成>
図6は、本実施形態において、照明に関する構成を示した模式図である。図6に示すように、この遊戯用写真作成装置においては、複数のストロボ11,12,13L,13R,および14が、カメラ10およびパソコン15と接続されたストロボドライバ16にケーブル(配線部材)5で接続されている。ストロボドライバ16には、ストロボとの接続用の複数のポート(接続部)が設けられており、それぞれポート番号が割り当てられている。なお、図6で正面から見てカメラ10の上方に設置されたストロボ11、撮影操作用タッチパネル20のすぐ下方に設置されたストロボ12、カメラ10の左方に設置されたストロボ13L、カメラ10の右方に設置されたストロボ13R、および筐体の下方に設置されたストロボ14は、ポート番号が「1」,「2」,「3」,「4」,および「5」のポートにそれぞれ本来的に接続されるべきものと仮定する。また、典型的には、それら複数のストロボ11,12,13L,13R,および14は全て同じ種類(タイプ)のストロボである。
【0053】
本実施形態においては、上記複数のストロボ11,12,13L,13R,および14の設置場所に、すなわち、図6で正面から見てカメラ10の上方、撮影操作用タッチパネル20のすぐ下方、カメラ10の左方、カメラ10の右方、および筐体の下方に、それぞれ電子タグ(「IDタグ」,「ICタグ」などとも呼ばれる。)171,172,173,174,および175が予め取り付けられている。そして、各ストロボが設置される際に、ストロボと電子タグとがコネクタ等を介して接続される。例えば、カメラ10の上方の(ストロボの)設置場所に着目すると、ストロボ11の交換が行われる際、図7(a)に示すように古いストロボ11と電子タグ171とが接続された状態から当該古いストロボ11が取り外される。このとき、図7(b)に示すように、電子タグ171はこの遊戯用写真作成装置に取り付けられたままである。そして、新しいストロボ11が取り付けられ、図7(c)に示すように、当該新しいストロボ11と電子タグ171とが接続された状態となる。
【0054】
また、各ストロボの設置場所には場所を識別するためのID(場所のID)が仮想的に割り当てられている。本実施形態においては、図6に示すように、カメラ10の上方、撮影操作用タッチパネル20のすぐ下方、カメラ10の左方、カメラ10の右方、および筐体の下方に、それぞれ「1」,「2」,「3」,「4」,および「5」という場所のIDが割り当てられている。
【0055】
上述の電子タグには記憶素子としての半導体メモリが内蔵されており、ストロボの設置場所を識別するための識別子としてのID(上述の「場所のID」)が半導体メモリに書き込まれている。本実施形態においては、各ストロボの設置場所に取り付けられた電子タグの半導体メモリには、図6に示すようにIDが書き込まれている。例えば、カメラ10の上方に取り付けられた電子タグ171の半導体メモリには「ID=1」が書き込まれている。なお、本実施形態においては、上記電子タグによって第1の識別手段が実現され、上記IDによって第1の識別情報が実現されている。
【0056】
ところで、ストロボドライバ16に設けられたストロボとの接続用のポートは入出力兼用のポートとなっている。このため、ストロボドライバ16による各ストロボ11,12,13L,13R,および14の制御が可能となっているとともに、各ストロボ11,12,13L,13R,および14とストロボドライバ16とを介した各電子タグ171,172,173,174,および175からパソコン15への上述したIDのデータの転送が可能となっている。
【0057】
以上のような構成において、各ストロボの設置場所とストロボドライバ16の各ポートとの間の誤配線(誤接続)を検出するために、各ストロボの設置場所に取り付けられた電子タグの半導体メモリに書き込まれたIDを用いて、ストロボドライバ16の各ポートに接続されているストロボの設置場所が当該各ポートに予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する照明装置配線検査処理が行われる。なお、照明装置配線検査処理についての詳しい説明は後述する。
【0058】
<3.機能的構成>
図8は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この遊戯用写真作成装置は、機能的には、主として利用者Uを撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部7と、主として撮影画像に対する利用者Uの落書き操作に応じて当該撮影画像の編集処理を行うための編集処理部8と、印刷出力を行う出力処理部9とから構成されている。撮影処理部7は、第1の制御部70と撮像部71と第1の表示・操作部72とストロボ制御部73と照明部74と第1の通信部75とによって構成されている。編集処理部8は、第2の制御部80と第2の表示・操作部81、82と第2の通信部83とによって構成されている。出力処理部9は、出力部90によって構成されている。ネットワークアダプタである第1および第2の通信部75,83とネットワークプリンタ35である出力部90とは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0059】
第1の制御部70は、撮影ユニット3に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置などを含むコンピュータ(パソコン15)を中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、撮影処理に関する全体の制御を行う。
【0060】
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。
【0061】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者Uの操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者Uを撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者Uのための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11〜14から閃光が放たれる。そのとき、利用者Uの撮影画像を表す信号として撮像部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディス装置等に撮影画像データとして格納される。
【0062】
照明部74は、カメラ10の上下左右の適宜の位置に配置されたストロボ11,12,13L,13R,14に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきストロボ制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。ストロボ制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるストロボドライバ16に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。第1の通信部75は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、データ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0063】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者Uに所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書きなど、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0064】
第2の制御部80は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置などを含むコンピュータ(パソコン)を中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集処理に関する全体の制御を行う。また、第2の制御部80は、第1の制御部70から送られてきた合成画像に対する落書き処理のための操作信号に基づき、当該合成画像に落書きを付加した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は第2の表示・操作部81,82に表示される。上記のような画像合成が終了すると、当該合成画像は出力部90に送信される。なお、出力部90が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送信される。
【0065】
第2の表示・操作部81、82は、編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペン49L,49Rを用いた利用者Uの操作を受け付ける。第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、データ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0066】
出力部90は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、第2の制御部80から受け取った利用者Uの落書きに応じて画像処理された上記撮影画像データの表す画像を写真シール(または写真カード)として出力する。出力された写真シール等は、撮影ユニット3の側面に設けられた取出口28から取り出される。
【0067】
なお、制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが制御装置内に補助記憶装置として内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用写真作成装置の起動のための所定操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0068】
<4.遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には撮影ユニット3と編集ユニット4とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では編集処理が行われる。なお、或る利用者Uが編集ユニット4でプレイしている時に他の利用者Uは撮影ユニット3でプレイすることができるように構成されている。すなわち、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と編集処理とを並行して行うことができる。以下に、撮影処理と編集処理の処理手順の概要について説明する。
【0069】
<4.1 撮影処理>
図9は、本実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。この遊戯用写真作成装置が利用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像(デモンストレーション用の画像)が表示されている。デモ画像の表示中に利用者Uがコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0070】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者Uによる撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。なお、本実施形態においては、撮影モードとして、利用者Uにとって自動的に撮影が行われる「オート撮影モード」と、背景等を利用者Uが選択する「こだわり撮影モード」とが用意されているものとして説明する。ステップS110では、第1の制御部70は、いずれかのモードを利用者Uに選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者Uがいずれのモードを選択したのかを判定する。判定の結果、オート撮影モードが選択されていればステップS120に進み、こだわり撮影モードが選択されていればステップS130に進む。
【0071】
ステップS120では、撮影用テーマの選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中からいずれか(1または複数)の撮影用テーマを利用者Uに選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者Uの選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。その後、ステップS122に進み、撮影が行われる。このステップS122では、所定枚数の撮影が行われるところ、撮影の都度、撮影画像が撮影操作用タッチパネル20に表示される。ステップS122の終了後、ステップS140に進む。
【0072】
ステップS130では、利用者Uによって、フレームと背景との組み合わせが選択される。具体的には、第1の制御部70は、予め用意された複数のフレームの中からいずれかのフレームを利用者Uに選択させるための画面、および予め用意された複数の背景の中からいずれかの背景を利用者Uに選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者Uの選択操作に基づいて、選択情報を取得する。その後、ステップS132に進み、撮影が行われる。このステップS132では、選択されたフレームと背景との組み合わせに必要な枚数の撮影が行われるところ、撮影の都度、撮影画像が撮影操作用タッチパネル20に表示される。
【0073】
ステップS132の終了後、ステップS134に進む。ステップS134では、第1の制御部70は、プレイの開始から或いは撮影モードが選択されてから所定の時間が経過しているか否かの判定を行う。判定の結果、所定の時間が経過していればステップS140に進み、所定の時間が経過していなければステップS130に戻る。
【0074】
ステップS140では、編集画像(落書き対象画像)の選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書き(編集)および印刷に使用する撮影画像を利用者Uに選択させるために、撮影画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者Uによって選択された撮影画像を落書き対象画像として第2の制御部80に転送する。ステップS140の終了後、ステップS150に進む。ステップS150では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者Uを編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0075】
<4.2 編集処理>
図10は、本実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は、ネットワーク6を介して第1の制御部70から送られる落書き対象画像(図9のステップS140で利用者Uによって選択された撮影画像)を取得する(ステップS200)。その後、タイマー46が所定の時間(利用者Uに落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS210)。
【0076】
タイマー46のカウントダウン開始後、編集ユニット4では、利用者Uによる落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS220)。利用者Uに落書きを許可する残り時間が60秒になると、第2の制御部80は、落書き時間を延長するか否かを判定する(ステップS230)。落書き時間を延長するか否かは、次にこのユニット4aまたは4bでプレイすることになる利用者Uが撮影室2にいるか否か(撮影ユニット3で撮影処理が行われているか否か)によって判定される。その結果、落書き時間を延長する旨の判定がなされると、ステップS240に進む。一方、落書き時間を延長しない旨の判定がなされると、ステップS250に進む。ステップS240では、タイマーが所定の時間(利用者Uに更に落書きを許可する時間)に設定され、再度カウントダウンが開始される。ステップS240の終了後、ステップS250に進む。
【0077】
ステップS250では、ステップS220と同様、編集ユニット4で利用者Uによる落書き操作が受け付けられる。落書き時間が0になる(終了する)と、出力される写真の分割パターンの選択が行われる(ステップS260)。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者Uに選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者Uの選択操作に基づいて、選択情報を取得する。ステップS260の終了後、ステップS270に進む。
【0078】
ステップS270では、第2の制御部80は、落書き終了済みの落書き対象画像を所定のサーバに登録するか否かの判定を行う。具体的には、第2の制御部80は、落書き対象画像を所定のサーバに登録するか否かを利用者Uに選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者Uがいずれを選択したのか判定する。判定の結果、サーバに登録する旨の選択が行われていればステップS280に進み、サーバに登録しない旨の選択が行われていればステップS290に進む。
【0079】
ステップS280では、所定のサーバへの落書き対象画像の画像データの送信が行われる。ステップS280の終了後、ステップS290に進む。ステップS290では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者Uを写真シールの取出口28に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、編集処理が終了する。
【0080】
<5.照明装置配線検査処理>
次に、照明装置配線検査処理について説明する。本実施形態に係る遊戯用写真作成装置においては、電源投入後に、ストロボドライバ16の各ポートに接続されているストロボの設置場所が当該各ポートに予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する照明装置配線検査処理が行われる。図11は、本実施形態における照明装置配線検査処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、第1の制御部70には、図12に示すような「ポート番号と場所のIDとの対応関係」を示すデータと、図13に示すような「場所のIDと明るさとの対応関係」を示すデータとが予め保持されている。
【0081】
この遊戯用写真作成装置の電源が投入されると、第1の制御部70は、ストロボに対する明るさの設定を行う(ステップS300)。明るさの設定は、第1の制御部70が各ストロボの設置場所に対応するポートに明るさ(光量)を表す指示信号を与えることによって行われる。例えば、図12に示したデータより「ポート番号=1」のポートには「場所のID=1」の場所に設置されているストロボ11が接続されるべきであって、図13に示したデータより当該ストロボ11は「明るさ=10」に対応する光量で発光すべきであるので、図14に示すように「ポート番号=1」のポートには「明るさ=10」を表す指示信号が第1の制御部70によって与えられる。なお、図11のステップS300からステップS350までの処理は、ストロボと接続されている(ストロボドライバ16の)ポートの数だけ繰り返され、各ループでは1つのポートに対する処理が行われる。
【0082】
ステップS300の終了後、ステップS310に進み、第1の制御部70は、処理対象のポートに接続されているストロボの設置場所に取り付けられている電子タグより当該ストロボを介してIDを取得する。次にステップS320に進み、第1の制御部70は、ステップS310で取得したIDが処理対象のポートに対応付けられている「場所のID」に等しいものであるか否かを検査する。本実施形態においては、ステップS310で取得したIDと図12に示したデータより取得される「処理対象のポートのポート番号に対応する場所のID」とが同じであるか否かが検査される。
【0083】
ステップS320の終了後、ステップS330に進み、第1の制御部70は、上記検査の結果の判定を行う。判定の結果、処理対象のポートに接続されているストロボの設置場所が当該ポートに予め対応付けられた場所(本来の設置場所)であればステップS350に進み、処理対象のポートに接続されているストロボの設置場所が当該ポートに予め対応付けられた場所でなければステップS340に進む。ステップS340では、第1の制御部70は、ストロボドライバ16のポートとストロボの設置場所との間の配線が正しく行われていない旨のエラーメッセージを表示する。ステップS350では、第1の制御部70は、ストロボと接続されている全てのポートに対する処理が終了したか否かを判定する。判定の結果、処理が終了していなければステップS300に戻り、処理が終了していれば照明装置配線検査処理は終了する。
【0084】
なお、本実施形態においては、上記ステップS310によって第1の識別情報取得手段(ステップ)が実現され、上記ステップS320によって第1の検査手段(ステップ)が実現され、上記ステップS340によって第1のエラーメッセージ表示手段が実現されている。また、上記第1の識別手段としての電子タグと上記各ステップを実行する第1の制御部70(パソコン15)とによって配線検査装置が実現されている。
【0085】
<6.効果>
以上のように、本実施形態によると、遊戯用写真作成装置の各ストロボの設置場所にはその場所を識別(特定)するための第1の識別手段としての電子タグが設けられ、その電子タグに内蔵されている半導体メモリに書き込まれたIDに基づいて、複数のストロボの発光量を制御するストロボドライバの各ポートに接続されているストロボの設置場所が当該各ポートに予め対応付けられた本来の設置場所であるか否かが検査される。このため、ストロボドライバの各ポートと各ストロボの設置場所との間の配線に誤りがあっても、当該誤りが検知される。これにより、遊戯用写真作成装置において、各ストロボの設置場所とストロボドライバの各ポートとの間の誤配線(誤配線された状態で遊戯用写真作成装置が実稼働されること)が防止される。特に、ストロボ側から延びるケーブル(配線部材)をストロボドライバのポートに接続する際に誤ったポートに接続されること(誤接続)が多々あるが、本実施形態によれば、そのような誤接続が効果的に防止される。
【0086】
例えば、図6に示すような配線(接続)がなされなければならないときに、図15に示すような配線(カメラ右方のストロボ13Rが接続されるべきポートに筐体下方のストロボ14が接続され、筐体下方のストロボ14が接続されるべきポートにカメラ右方のストロボ13Rが接続されている)がなされた場合、次のようにして誤配線(誤接続)が検知される。上述した照明装置配線検査処理(図11参照)で処理対象のポートのポート番号が「4」のとき、ステップS310では、「ポート番号=4」のポートに接続されているストロボ(すなわち筐体下方のストロボ14)の設置場所に取り付けられた電子タグ175からIDが取得される。従って、「ID=5」が取得される。ステップS320ではIDの検査が行われるところ、図12に示したデータより取得される「処理対象のポートのポート番号に対応する場所のID」は「4」である。ところが、ステップS310で取得されたIDは「5」である。従って、ステップS330では「処理対象のポートに接続されているストロボの設置場所は、当該ポートに予め対応付けられた場所(本来の設置場所)ではない」と判断される。その結果、ステップS340でエラーメッセージが表示される。このようにして誤配線(誤接続)が検知されるので、遊戯用写真作成装置が実稼働される前に、ストロボドライバ16の各ポートと各ストロボの設置場所との間の配線状態を確実に正しい状態にすることができる。
【0087】
<7.変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0088】
<7.1 第1の変形例>
図16は、上記実施形態の第1の変形例における照明装置配線検査処理の処理手順を示すフローチャートである。上記実施形態においては、処理対象のポートとストロボの設置場所との間の配線状態が正しくなければエラーメッセージが表示されたが(図11のステップS340)、本変形例においては処理対象のポートに接続されているストロボに対して明るさの再設定が行われる。詳しくは、図16のステップS430で「処理対象のポートに接続されているストロボの設置場所は、当該ポートに予め対応付けられた場所(本来の設置場所)ではない」と判定されるとステップS440に進み、第1の制御部70は、処理対象のポートに接続されているストロボの設置場所に対応する明るさのデータを取得する。例えば、「ポート番号と場所のID」が図12に示すようなものであって、「場所のIDと明るさとの対応関係」が図13に示すようなものであるときに、処理対象のポートのポート番号が「1」であるにもかかわらず、「場所のID=2」の場所に設置されたストロボが当該ポートに接続されていたと仮定する。このとき、ステップS440では、第1の制御部70は、図13に示したデータより「明るさ=5」というデータ(「場所のID=2」に対応するデータ)を取得する。ステップS440の終了後、ステップS442に進み、第1の制御部70は、「ポート番号=1」のポートに「明るさ=5」を表す指示信号を与える。これにより、「場所のID=2」の場所に設置されたストロボは、予め定められている「明るさ=5」に対応する光量で発光する。なお、本変形例においては、上記ステップS440,S442によって動作再制御手段(ステップ)が実現されている。
【0089】
本変形例によれば、ストロボドライバの各ポートと各ストロボの設置場所との間に誤配線があった場合に、誤配線されたポートに接続されているストロボの設置場所についての予め定められた明るさのデータに基づいて、再度、明るさを表す指示信号が当該ポートに与えられる。これにより、遊戯用写真作成装置において、ストロボドライバの各ポートと各ストロボの設置場所との間に誤配線があっても、配線(接続)のやり直しをすることなく、設置場所に応じて予め定められた明るさ(光量)で各ストロボが発光する。
【0090】
<7.2 第2の変形例>
上記実施形態においては、ストロボドライバ16の各ポートに接続されているストロボは全て同じ種類のものであることを前提にしていた。ところが、遊戯用写真作成装置によっては複数の種類のストロボが撮影ユニット3に取り付けられることがある。それら複数の種類のストロボに関し、発光部ユニットの取付形状が異なっていたりコネクタの形状が異なっている場合には、取付時に間違いを発見することができる。しかし、複数の種類のストロボに関し、同一形状あるいは同一コネクタである場合などには、取り付けた段階で間違いに気づかないこともありえる。例えば、図17(a)に示すようにタイプAのストロボ101がカメラ10の上方に設置されるべきであるにもかかわらず、図17(b)に示すように誤ってタイプBのストロボ102がカメラ10の上方に設置されることがある。このとき、「ポート番号=1」のポートとストロボの設置場所(「場所のID=1」の場所)との間の配線状態(接続状態)は正しいが、本来設置されるべき種類のストロボが設置されていないためストロボは正しく動作(発光)しない。そこで、本変形例では、以下のようにして、ストロボドライバ16の各ポートに接続されているストロボが当該各ポートに予め対応付けられた種類のストロボであるか否かを検査する処理が行われる。
【0091】
図18は、本変形例において、照明に関する構成を示した模式図である。図18に示すように、本変形例においては、各ストロボの設置場所に予め電子タグ171〜175が取り付けられるのに加えて、各ストロボに第2の識別手段としての電子タグ181〜185が予め取り付けられる。これらの電子タグ181〜185の半導体メモリには、ストロボの種類を識別するための第2の識別情報としてのIDが書き込まれている。図18に示す例では、3種類のストロボが使用されており、ストロボの種類に応じたIDが当該ストロボに取り付けられた電子タグの半導体メモリに書き込まれている。また、第1の制御部70には、図19に示すような「ポート番号とストロボの種類のIDとの対応関係」を示すデータが予め保持されている。
【0092】
次に、図20を参照しつつ、本変形例における照明装置配線検査処理の処理手順について説明する。なお、ステップS500〜S540の処理については、上記実施形態におけるステップS300〜S340(図11参照)と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
ステップS550では、第1の制御部70は、処理対象のポートに接続されているストロボに取り付けられた電子タグ(電子タグ181〜185のいずれか)よりIDを取得する。次にステップS560に進み、第1の制御部70は、ステップS550で取得したIDが処理対象のポートに対応付けられている「ストロボの種類のID」に等しいものであるか否かを検査する。本実施形態においては、ステップS550で取得したIDと図19に示したデータより取得される「処理対象のポートのポート番号に対応するストロボの種類のID」とが同じであるか否かが検査される。
【0094】
ステップS560の終了後、ステップS570に進み、第1の制御部70は、上記検査の結果の判定を行う。判定の結果、処理対象のポートに接続されているストロボが当該ポートに予め対応付けられた種類のストロボであればステップS590に進み、処理対象のポートに接続されているストロボが当該ポートに予め対応付けられた種類のストロボでなければステップS580に進む。ステップS580では、第1の制御部70は、ストロボドライバ16のポートに誤った種類のストロボが接続されている旨のエラーメッセージを表示する。ステップS590では、第1の制御部70は、ストロボと接続されている全てのポートに対する処理が終了したか否かを判定する。判定の結果、処理が終了していなければステップS500に戻り、処理が終了していれば照明装置配線検査処理は終了する。
【0095】
なお、本変形例においては、上記ステップS550によって第2の識別情報手段(ステップ)が実現され、上記ステップS560によって第2の検査手段(ステップ)が実現され、上記ステップS580によって第2のエラーメッセージ表示手段が実現されている。
【0096】
以上のように、本変形例によると、遊戯用写真作成装置の各ストロボにはそのストロボの種類を識別(特定)するための第2の識別手段としての電子タグが設けられ、その電子タグに内蔵されている半導体メモリに書き込まれた第2の識別情報としてのIDに基づいて、ストロボドライバの各ポートに接続されているストロボが当該各ポートに予め対応付けられた種類のストロボであるか否かが検査される。また、上記実施形態と同様、各ストロボの設置場所に取り付けられた第1の識別手段としての電子タグの半導体メモリに書き込まれた第1の識別情報としてのIDを用いて、ストロボドライバの各ポートと各ストロボの設置場所との間の配線状態が正しいか否かが検査される。すなわち、第1の識別情報を用いて、ストロボドライバのポートとストロボの設置場所との対応関係が正しいか否かが検査され、第2の識別情報を用いて、ストロボドライバのポートとストロボの種類との対応関係が正しいか否かが検査される。このことから、ストロボの設置場所とストロボの種類との対応関係が正しいか否かについても把握される。このようにして、各ストロボの設置場所に誤った種類のストロボが設置(配置)されても、当該誤りが検知される。これにより、遊戯用写真作成装置において、各ストロボの設置場所へのストロボの誤配置(誤配置された状態で遊戯用写真作成装置が実稼働されること)が防止される。
【0097】
例えば、図18に示すような配置で各ストロボが設置されなければならないときに、図21に示すような配置で各ストロボが設置(カメラ上方に設置されるべきストロボ11が筐体下方に設置され、筐体下方に設置されるべきストロボ14がカメラ上方に設置)された場合、次のようにして誤配置が検知される。上述した照明装置配線検査処理(図20参照)で処理対象のポートのポート番号が「1」のとき、ステップS550では、「ポート番号=1」のポートに接続されているストロボ14に取り付けられた電子タグ185からIDが取得される。従って、「ID=13」が取得される。ステップS560ではIDの検査が行われるところ、図19に示したデータより取得される「処理対象のポートのポート番号に対応するストロボの種類のID」は「11」である。ところが、ステップS550で取得されたIDは「13」である。従って、ステップS570では「処理対象のポートに接続されているストロボは、当該ポートに予め対応付けられた種類のストロボではない」と判断される。その結果、ステップS580でエラーメッセージが表示される。このようにして誤配置(誤設置)が検知されるので、遊戯用写真作成装置が実稼働される前に、各設置場所に正しい種類のストロボを確実に設置することができる。
【0098】
<7.3 第3の変形例>
図22は、上記実施形態の第3の変形例において、照明に関する構成を示した模式図である。なお、図22では、パソコンおよびストロボドライバについては省略している。本変形例においては、ストロボの設置場所を識別するための第1の識別手段として、各設置場所には抵抗器191,192,193,194,および195が設けられている。それら抵抗器191〜195はそれぞれ異なる抵抗値X1〜X5オームを有している。このような構成において、ストロボの設置場所の識別は、各設置場所に設けられた抵抗器に定電流を流すことによって抵抗器の両端に生ずる電圧を測定することによって行われる。なお、ストロボの種類を識別するための第2の識別手段としても、本変形例に係る構成を採用することができる。
【0099】
<7.4 第4の変形例>
上記実施形態の第4の変形例においては、ストロボの設置場所を識別するための第1の識別手段として、設置場所毎に異なるパターンの電気配線が設けられている。これについて、図23を参照しつつ説明する。例えば、図23(a)に示すような電気配線のパターンがあるとき、P1,P2,およびP3の各点における電位はいずれも0である。従って、P1,P2,およびP3の各点の電位の和は0となる。一方、図23(b)に示すような電気配線のパターンがあるとき、P1およびP3の各点における電位については0であるが、P2の点における電位は2Vである。従って、P1,P2,およびP3の各点の電位の和は2Vとなる。このように、本変形例においては、設置場所毎に異なるパターンの電気配線が設けられ、電気配線のパターンに応じて生じる電位によって各ストロボの設置場所の識別が行われる。なお、ストロボの種類を識別するための第2の識別手段としても、本変形例に係る構成を採用することができる。
【0100】
<7.5 その他の変形例>
上記実施形態においては遊戯用写真作成装置の電源投入後に照明装置配線検査処理が行われるものとして説明しているが、本発明はこれに限定されず、例えば撮影処理の開始前に照明装置配線検査処理が行われる構成にしても良い。また、ストロボの設置場所を識別するための第1の識別手段やストロボの種類を識別するための第2の識別手段についても、上記実施形態および各変形例で説明したものには限定されない。
【0101】
<8.他の実施形態>
上記実施形態においては遊戯用写真作成装置における配線検査を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、様々な装置における配線検査に適用することができる。これについて、図24および図25を参照しつつ説明する。或る3つの動作手段501,502,および503を動作制御手段としての1つのマイコン510によって制御する装置500があるとき、図24に示すように、上記3つの動作手段501,502,および503が設置されるべき場所(設置場所A,設置場所B,および設置場所C)に、上述した電子タグなどの第1の識別手段504,505,および506をそれぞれ取り付ける。そして、マイコン510の各ポートに接続された動作手段の設置場所に取り付けられた第1の識別手段からIDなどの第1の識別情報を取得する処理と、その取得された第1の識別情報に基づいてマイコン510の各ポートに接続された動作手段の設置場所が当該各ポートに予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する処理とを実行するプログラムをメモリ(ROM)512に書き込んでおき、当該プログラムをCPU511によって実行させると良い。例えば、図25に示すように、設置場所A,B,およびCにおける回転数をX,Y,およびZとする3つのモータ601,602,および603を1つのマイコン610によって制御する装置600において本発明を適用することができる。また、図24および図25に示す構成において、上記実施形態の第1の変形例や第2の変形例のようにして、誤配線があった場合に動作手段の動作を再制御(モータの回転数を再設定)することもできるし、各ポートに接続されている動作手段(モータ)が本来接続されるべき種類の動作手段(モータ)であるかを検査することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。
【図2】上記実施形態における撮影ユニットの正面図である。
【図3】上記実施形態における編集ユニットの正面図である。
【図4】上記実施形態において、撮影操作用タッチパネルの画面構成を示す模式図である。
【図5】上記実施形態において、編集操作用タッチパネルの画面構成を示す模式図である。
【図6】上記実施形態において、照明に関する構成を示した模式図である。
【図7】上記実施形態において、電子タグとストロボとの接続について説明するための図である。
【図8】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図9】上記実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】上記実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記実施形態における照明装置配線検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】上記実施形態において、ポート番号と場所のIDとの対応関係を示す図である。
【図13】上記実施形態において、場所のIDと明るさとの対応関係を示す図である。
【図14】上記実施形態において、ポート番号と明るさとの対応関係を示す図である。
【図15】上記実施形態における効果について説明するための図である。
【図16】上記実施形態の第1の変形例における照明装置配線検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】上記実施形態の第2の変形例について説明するための図である。
【図18】上記第2の変形例において、照明に関する構成を示した模式図である。
【図19】上記第2の変形例において、ポート番号とストロボの種類のIDとの対応関係を示す図である。
【図20】上記第2の変形例における照明装置配線検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】上記第2の変形例における効果について説明するための図である。
【図22】上記実施形態の第3の変形例において、照明に関する構成を示した模式図である。
【図23】上記実施形態の第4の変形例における識別手段について説明するための図である。
【図24】上記実施形態の他の実施形態について説明するための図である。
【図25】上記実施形態の他の実施形態について説明するための図である。
【図26】従来例において、照明に関する構成を示した模式図である。
【図27】従来例において、パソコンからストロボドライバの各ポートに与えられる指示信号について説明するための図である。
【図28】従来例において、ストロボとストロボドライバとの間の誤配線(誤接続)について説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
2…撮影室
3…撮影ユニット
4…編集ユニット
5…配線部材(ケーブル)
10…カメラ
11,12,13L,13R,14…ストロボ
15…パソコン
16…ストロボドライバ
20…撮影操作用タッチパネル
70…第1の制御部(パソコン)
71…撮像部(カメラ)
72…第1の表示・操作部(撮影操作用タッチパネル)
73…ストロボ制御部(ストロボドライバ)
74…照明部(照明装置)(ストロボ)
75,83…第1および第2の通信部(ネットワークアダプタ)
80…第2の制御部
81,82…第2の表示・操作部(編集操作用タッチパネル)
171〜175,181〜185…電子タグ
U…利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置場所に応じて所定の動作を行う複数の動作手段と、少なくとも前記複数の動作手段の数に等しいだけの複数の接続部を有し配線部材を介して各接続部に接続された動作手段の動作を制御する動作制御手段とを備えた装置に設けられ、前記複数の接続部に接続された配線部材の配線状態を検査する配線検査装置であって、
前記複数の動作手段の設置場所を識別するための第1の識別情報の格納または生成を行うために各設置場所に設けられた第1の識別手段と、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報を取得する第1の識別情報取得手段と、
前記第1の識別情報取得手段によって取得された第1の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する第1の検査手段と
を備えることを特徴とする、配線検査装置。
【請求項2】
前記第1の検査手段による検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続されている動作手段の設置場所が当該或る接続部に予め対応付けられた設置場所でなかったときに、設置場所と動作手段によって行われるべき動作との予め保持された対応関係に基づいて当該或る接続部に接続されている動作手段の動作を制御する動作再制御手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の配線検査装置。
【請求項3】
前記第1の検査手段による検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続されている動作手段の設置場所が当該或る接続部に予め対応付けられた設置場所でなかったときに、接続に誤りがある旨のメッセージを所定の表示手段に表示する第1のエラーメッセージ表示手段を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線検査装置。
【請求項4】
前記複数の動作手段の種類を識別するための第2の識別情報の格納または生成を行うために各動作手段に設けられた第2の識別手段と、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段に設けられた第2の識別手段から前記第2の識別情報を取得する第2の識別情報取得手段と、
前記第2の識別情報取得手段によって取得された第2の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段が当該各接続部に予め対応付けられた種類の動作手段であるか否かを検査する第2の検査手段と
を更に備えることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の配線検査装置。
【請求項5】
前記第2の検査手段による検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続された動作手段が当該或る接続部に予め対応付けられた種類の動作手段でなかったときに、接続に誤りがある旨のメッセージを所定の表示手段に表示する第2のエラーメッセージ表示手段を備えることを特徴とする、請求項4に記載の配線検査装置。
【請求項6】
前記第2の識別手段は、記憶素子を有する電子タグであって、
前記第2の識別情報は、前記記憶素子に記録されたIDであることを特徴とする、請求項4または5に記載の配線検査装置。
【請求項7】
前記第2の識別手段は、抵抗器であって、
前記第2の識別情報は、前記抵抗器に電流を流すことによって生ずる電圧であることを特徴とする、請求項4または5に記載の配線検査装置。
【請求項8】
前記第2の識別手段は、設置場所毎に異なる電気配線のパターンであって、
前記第2の識別情報は、前記電気配線のパターンに応じて生ずる前記電気配線上の所定点の電位または前記電気配線上の所定の2点間の電圧であることを特徴とする、請求項4または5に記載の配線検査装置。
【請求項9】
前記第1の識別手段は、記憶素子を有する電子タグであって、
前記第1の識別情報は、前記記憶素子に記録されたIDであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線検査装置。
【請求項10】
前記第1の識別手段は、抵抗器であって、
前記第1の識別情報は、前記抵抗器に電流を流すことによって生ずる電圧であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線検査装置。
【請求項11】
前記第1の識別手段は、設置場所毎に異なる電気配線のパターンであって、
前記第1の識別情報は、前記電気配線のパターンに応じて生ずる前記電気配線上の所定点の電位または前記電気配線上の所定の2点間の電圧であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線検査装置。
【請求項12】
所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像手段と、前記撮像手段による撮影の際に閃光を放つことにより前記被写体を照明する前記複数の動作手段としての複数の照明装置と、前記複数の照明装置の発光量を制御する前記動作制御手段としての照明装置制御手段と、前記撮像手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の配線検査装置を備える自動写真作成装置であって、
前記第1の識別情報取得手段は、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報を取得し、
前記第1の検査手段は、前記第1の識別情報取得手段によって取得された第1の識別情報に基づいて、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査することを特徴とする、自動写真作成装置。
【請求項13】
設置場所に応じて所定の動作を行う複数の動作手段と、少なくとも前記複数の動作手段の数に等しいだけの複数の接続部を有し配線部材を介して各接続部に接続された動作手段の動作を制御する動作制御手段とを備えた装置における配線検査方法であって、
前記複数の接続部に接続された配線部材の配線状態を検査する配線検査ステップを備え、
前記複数の動作手段の設置場所を識別するための第1の識別情報の格納または生成を行うための第1の識別手段が各設置場所に設けられ、
前記配線検査ステップは、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報を取得する第1の識別情報取得ステップと、
前記第1の識別情報取得ステップで取得された第1の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かを検査する第1の検査ステップと
を含むことを特徴とする、配線検査方法。
【請求項14】
前記配線検査ステップは、前記第1の検査ステップでの検査の結果、前記動作制御手段の或る接続部に接続されている動作手段の設置場所が当該或る接続部に予め対応付けられた設置場所でなかったときに、設置場所と動作手段によって行われるべき動作との予め保持された対応関係に基づいて当該或る接続部に接続されている動作手段の動作を制御する動作再制御ステップを更に含むことを特徴とする、請求項13に記載の配線検査方法。
【請求項15】
前記複数の動作手段の種類を識別するための第2の識別情報の格納または生成を行うための第2の識別手段が各動作手段に設けられ、
前記配線検査ステップは、
前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段に設けられた第2の識別手段から前記第2の識別情報を取得する第2の識別情報取得ステップと、
前記第2の識別情報取得ステップで取得された第2の識別情報に基づいて、前記動作制御手段の各接続部に接続された動作手段が当該各接続部に予め対応付けられた種類の動作手段であるか否かを検査する第2の検査ステップと
を更に含むことを特徴とする、請求項13または14に記載の配線検査方法。
【請求項16】
所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像手段と、前記撮像手段による撮影の際に閃光を放つことにより前記被写体を照明する前記複数の動作手段としての複数の照明装置と、前記複数の照明装置の発光量を制御する前記動作制御手段としての照明装置制御手段と、前記撮像手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを有する自動写真作成装置における配線検査方法であって、
前記第1の識別情報取得ステップでは、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所に設けられた第1の識別手段から前記第1の識別情報が取得され、
前記第1の検査ステップでは、前記第1の識別情報取得ステップで取得された第1の識別情報に基づいて、前記照明装置制御手段の各接続部に接続された照明装置の設置場所が当該各接続部に予め対応付けられた設置場所であるか否かが検査されることを特徴とする、請求項13から15までのいずれか1項に記載の配線検査方法。
【請求項17】
請求項13から16までのいずれか1項に記載の配線検査方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−63050(P2010−63050A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229291(P2008−229291)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】