説明

配置管理システム、場所情報保持装置、無線タグおよび管理装置

【課題】設備の負担や管理者にかかる負担を軽減する。
【解決手段】教室の各机(D−1〜D−9)を特定するための机情報を保持している机情報保持装置(10−1〜10−9)と、所持している学生(S−1,S−2,S−4〜S−9)を特定するための学生情報を保持しており机情報保持装置から机情報を読み取り該机情報および学生情報を電波で送信する無線タグ(20−1〜20−9)と、無線タグが送信する電波を受信するためのアンテナ(31)と、アンテナで受信した電波から机情報および学生情報を検出し両者を関連付けて記憶する制御装置(32)とを具備する。
【効果】机情報保持手段に対する通信線の設備が不要になる。複数の無線タグに対してアンテナを共用できる。管理者が無線タグ用リーダ・ライタを持って各机を巡回することが不要になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配置管理システム、場所情報保持装置、無線タグおよび管理装置に関し、さらに詳しくは、管理対象場所に管理対象体が配置されているか否かを管理するための配置管理システム、場所情報保持装置、無線タグおよび管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ICカードリーダを教室の各机に設置し、着座した学生が所持するICカードをICカードリーダに読み込ませると、当該ICカードリーダのIDと当該ICカードのIDとが通信線でサーバに送信される「着座管理システム」が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、至近距離に受信圏を持つアンテナを教室の各机に設置し、着座した学生が所持するIDカードをアンテナにかざすと、当該アンテナに通信線で接続された無線タグ用リーダ・ライタがIDカードから当該IDカードのIDを読み取る「出席管理システム」が知られおり、また、至近距離に送信圏を持つ無線タグシートを教室の各机に設置し、管理者が無線タグ用リーダ・ライタを持って各机を巡回し、各机の無線タグシートから座席IDを読み取ると共に着座した学生が所持するIDカードから当該IDカードのIDを読み取る「出席管理システム」が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2007−87172号公報
【特許文献2】特開2005−267355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記「着座管理システム」では、教室の各机に設置したICカードリーダとサーバとを接続する通信線の設備が負担になる問題点がある。
また、上記「出席管理システム」では、教室の各机に設置したアンテナと無線タグ用リーダ・ライタとを接続する通信線の設備が負担になる問題点があり、また、各机を巡回する管理者に負担がかかる問題点がある。
そこで、本発明の目的は、設備の負担や管理者にかかる負担を軽減できる配置管理システム、場所情報保持装置、無線タグおよび管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、本発明は、管理対象場所(D)に設置され前記管理対象場所(D)を特定するための場所情報を保持している場所情報保持手段(10)と、管理対象体(S)に付随して移動可能であり前記管理対象体(S)を特定するための対象体情報を保持しており前記場所情報保持手段(10)から前記場所情報を読み取り該場所情報および前記対象体情報を電波で送信する無線タグ(20)と、前記無線タグ(20)が送信する電波を受信するためのアンテナ(31)と、前記アンテナ(31)で受信した電波から前記場所情報および前記対象体情報を検出し両者を関連付けて記憶する情報関連付け記憶手段(32)とを具備したことを特徴とする配置管理システム(100)を提供する。
上記第1の観点による配置管理システム(100)では、管理対象場所(D)に設置される場所情報保持手段(10)に対する通信線の設備が不要になり、また、複数の無線タグ(20)に対してアンテナ(31)を共用できるから、設備の負担を軽減できる。また、管理者が無線タグ用リーダ・ライタを持って各机を巡回することが不要になるから、管理者にかかる負担を軽減できる。
【0005】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による配置管理システムにおいて、前記場所情報保持手段(10)は、前記場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(12)と、無線タグ(20)から給電された状態で無線タグ(20)へ前記場所情報を送信する手段(13)とを有し、前記無線タグ(20)は、電池(29)を電源とし、前記管理対象体(S)を特定するための対象体情報を保持する手段(26)と、前記場所情報保持手段(10)へ給電する手段(24)と、前記場所情報保持手段(10)へ給電した状態で前記場所情報保持手段(10)から送信される前記場所情報を読み取る手段(25)と、前記場所情報および前記対象体情報を電波で送信する手段(27)とを有することを特徴とする配置管理システムを提供する。
上記第2の観点による配置管理システムでは、場所情報保持手段(10)への給電線の設備も不要になり、設備の負担をさらに軽減できる。
【0006】
第3の観点では、本発明は、前記第2の観点による配置管理システムにおいて、前記管理対象場所(D)またはその近傍に前記管理対象体(S)または前記管理対象体(S)と推定されるものが存在するか否かを検知する存在検知手段(40)を具備し、前記場所情報保持手段(10)は、前記存在検知手段(40)で存在を検知しければ前記場所情報を前記無線タグ(20)へ送信しないことを特徴とする配置管理システムを提供する。
上記第3の観点による配置管理システムでは、無線タグ(20)だけが配置され、管理対象体(S)が配置されていない場合に、管理対象体(S)が配置されていると誤認することを防止できる。
【0007】
第4の観点では、本発明は、前記第1の観点による配置管理システムにおいて、前記管理対象場所(D)またはその近傍に前記管理対象体(S)または前記管理対象体(S)と推定されるものが存在するか否かを検知する存在検知手段(40)を具備し、前記場所情報保持手段(10)は、電池(29)を電源とし、前記存在検知手段(40)で存在を検知しければ前記電池(29)から給電しないことを特徴とする配置管理システムを提供する。
上記第4の観点による配置管理システムでは、無線タグ(20)だけが配置され、管理対象体(S)が配置されていない場合には、場所情報保持手段(10)の電池(29)から給電しないため、無駄な電池の消耗を防止することが出来る。
【0008】
第5の観点では、本発明は、前記第1または第4の観点による配置管理システムにおいて、前記場所情報保持手段(10)は、電池(29)を電源とし、近傍に無線タグ(20)が存在するか否かを検知する無線タグ存在検知手段(18d)を具備し、前記無線タグ存在検知手段(18d)で無線タグ(20)の存在を検知しければ前記電池(29)から給電しないことを特徴とする配置管理システムを提供する。
上記第5の観点による配置管理システムでは、無線タグ(20)が配置されていない場合には、場所情報保持手段(10)の電池(29)から給電しないため、無駄な電池の消耗を防止することが出来る。また、無線タグ(20)が配置されていない場合および無線タグ(20)が配置されても管理対象体(S)が配置されていない場合には、場所情報保持手段(10)の電池(29)から給電しないため、無駄な電池の消耗を防止することが出来る。
【0009】
第6の観点では、本発明は、前記第1の観点による配置管理システムにおいて、前記場所情報保持手段(10)は、前記場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(16)であり、前記無線タグ(20)は、前記場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(16)から前記場所情報を読み取るセンサ手段(210〜219)を有することを特徴とする配置管理システムを提供する。
上記第6の観点による配置管理システムでは、場所情報保持手段(10)の構成が著しく簡単になる。
【0010】
第7の観点では、本発明は、管理対象場所(D)に設置され、前記管理対象場所(D)を特定するための場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(12)と、外部(20)から給電された状態で外部(20)へ前記場所情報を送信する手段(13)とを具備したことを特徴とする場所情報保持装置(10)を提供する。
上記第7の観点による場所情報保持装置(10)では、給電線の設備も不要になり、設備の負担をさらに軽減できる。
【0011】
第8の観点では、本発明は、管理対象体(S)に付随して移動可能であり、電池(29)を電源とし、前記管理対象体(S)を特定するための対象体情報を保持する手段(26)と、場所情報保持装置(10)へ給電する手段(24)と、前記場所情報保持装置(10)へ給電した状態で前記場所情報保持装置(10)から送信される前記場所情報を読み取る手段(25)と、前記場所情報および前記対象体情報を電波で送信する手段(27)とを具備したことを特徴とする無線タグ(20)を提供する。
上記第8の観点による無線タグ(20)では、無線タグ(20)から場所情報保持装置(10)へ給電するため、場所情報保持装置(10)に対する給電線の設備を不要に出来る。
【0012】
第9の観点では、本発明は、無線タグ(20)が送信する電波を受信するためのアンテナ(31)と、前記アンテナ(31)で受信した電波から場所情報および前記対象体情報を検出し両者を関連付けて記憶する情報関連付け記憶手段(32)と、予め登録されている複数の管理対象場所およびそれら管理対象場所の対象場所情報に関連付けて記憶されている対象体情報に対応する管理対象体を表示する表示手段(33)と具備したことを特徴とする管理装置(30)を提供する。
上記第9の観点による管理装置(30)では、複数の無線タグ(20)に対して1つのアンテナ(31)を共用できるから、設備の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の配置管理システム、場所情報保持装置、無線タグおよび管理装置によれば、管理対象場所(D)に設置される場所情報保持手段(10)に対する通信線の設備が不要になり、また、複数の無線タグ(20)に対してアンテナ(31)を共用できるから、設備の負担を軽減できる。また、管理者が無線タグ用リーダ・ライタを持って各机を巡回することが不要になるから、管理者にかかる負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る着席管理システム100を示す構成図である。
この着席管理システム100は、教室内の各机D−1〜D−9にそれぞれ設置され各机D−1〜D−9を特定するための机情報を保持している机情報保持装置10−1〜10−9と、学生S−1,S−2,S−4〜S−9が携帯し各学生S−1,S−2,S−4〜S−9を特定するための学生情報を保持しており机情報保持装置10−1〜10−9から机情報を読み取り該机情報および自分が保持している学生情報を電波で送信する無線タグ20−1〜20−9と、教室内の無線タグ20−1〜20−9が送信する電波を受信するためのアンテナ31と、アンテナ31で受信した電波から机情報および学生情報を検出し両者を関連付けて記憶する制御装置32と、教室内の各机およびそれら机の机情報に関連付けて制御装置32に記憶されている学生情報に対応する学生を表示するタッチパネル付きディスプレイ33と具備している。
【0016】
アンテナ31と、制御装置32と、タッチパネル付きディスプレイ33とが、管理装置30を構成する。
【0017】
なお、図1において、机D−1には学生が着席しておらず、机情報保持装置10−1には無線タグがセットされていない。また、机D−2には学生S−2が着席しているが、机情報保持装置10−2には無線タグ20−2がセットされていない。また、机D−3には学生が着席していないが、机情報保持装置10−3には無線タグ20−3がセットされている。さらに、机D−4〜D−9には学生S−2が着席しており、机情報保持装置10−4〜10−9には無線タグ10−4〜10−9がセットされている。
【0018】
図2は、実施例1に係る机情報保持装置10(=10−1〜10−9の任意の一つ)の上面図である。
11aは電源用コンタクト、11bは信号用コンタクト、11cはグランド用コンタクトである。
【0019】
図3は、実施例1に係る机情報保持装置10のブロック図である。
コンタクト11a,11b,11cはインタフェース12に接続され、インタフェース12はマイコン(マイクロコンピュータ)13に接続され、マイコン13にはディップスイッチ14が接続されている。
ディップスイッチ14の設定は、机情報保持装置10が設置される机にユニークに対応する机情報になっている。
【0020】
図4は、給電されている状態での実施例1に係る机情報保持装置10の動作を示すフロー図である。
ステップP1では、マイコン13は、セットされている無線タグ20(=20−1〜20−9の任意の一つ)から送信要求があるのを待ち、送信要求があるとステップP2へ進む。
ステップP2では、マイコン13は、ディップスイッチ14の設定すなわち机情報を読み取る。
ステップP3では、マイコン13は、セットされている無線タグ20へ机情報を送信する。そして、ステップP1に戻る。
【0021】
図5は、実施例1に係る無線タグ20の裏面図である。
21aは電源用コンタクト、21bは信号用コンタクト、21cはグランド用コンタクトである。
【0022】
図6は、実施例1に係る無線タグ20の表面図である。
22aは第1LED、22bは第2LED、22cは第3LEDであり、23aは第1ボタン(スイッチ)、23bは第2ボタン、23cは第3ボタンである。
【0023】
図7は、実施例1に係る机情報保持装置10に実施例1に係る無線タグ20をセットした状態を示す上面図である。
【0024】
図8は、実施例1に係る無線タグ20のブロック図である。
コンタクト21a〜21cおよびLED22a〜22cおよびボタン23a〜23cはインタフェース24に接続され、インタフェース24はマイコン25に接続され、マイコン25にはメモリ26および送信部27および電池寿命検知部28が接続されている。
メモリ26は、不揮発性であり、無線タグにユニークな無線タグIDを記憶している。無線タグIDは、管理装置30の制御装置32において、無線タグ20を所持する学生の氏名等と対応付けられている。すなわち、無線タグIDが学生情報になっている。
29は、電池である。
【0025】
図9は、実施例1に係る無線タグ20の動作を示すフロー図である。
ステップM1では、マイコン25は、メモリ26から学生情報を読み取り、その学生情報を含む送信データを作成する。
【0026】
ステップM2では、図10の電池・ボタン処理を実行する。
【0027】
ステップM3では、マイコン25は、信号用コンタクト21bから見たインピーダンスの違いにより信号用コンタクト21bが机情報保持装置10の信号用コンタクト11bに接続されているか否をチェックし、接続されているならステップM6へ進み、接続されていないならステップM4へ進む。
ステップM4では、マイコン25は、前回の送信から所定の送信周期Tf(例えば60秒)以上経過したかチェックし、経過していたらステップM5へ進み、経過していないならステップM2に戻る。
ステップ12では、マイコン25は、送信部27から送信データを電波で送信する。そして、ステップM2に戻る。
【0028】
ステップM6では、マイコン25は、机情報保持装置10への給電を開始する。
【0029】
ステップM7では、マイコン25は、机情報保持装置10に机情報の送信を要求する。
ステップM8では、マイコン25は、要求から所定時間内に机情報を読み取れたかチェックし、読み取れたらステップM9へ進み、読み取れなかったらステップM12へ進む。
ステップM9では、マイコン25は、机情報が送信データに付加されていないなら付加し、既に付加されているなら最新の机情報に更新する。そして、
【0030】
ステップM10では、図10の電池・ボタン処理を実行する。
【0031】
ステップM11では、マイコン25は、前回の送信から所定の送信周期Ts(例えば1秒)以上経過したかチェックし、経過していたらステップM12へ進み、経過していないならステップM7に戻る。
ステップ12では、マイコン25は、送信部27から送信データを電波で送信する。そして、ステップM2に戻る。
【0032】
ステップM13では、信号用コンタクト21bが机情報保持装置10の信号用コンタクト11bに接続されているか否をチェックし、接続されているなら図示せぬエラー処理へ進み、接続されていないならステップM14へ進む。
ステップM14では、マイコン25は、机情報保持装置10への給電を停止する。
ステップM15では、マイコン25は、机情報を送信データから除去する。そして、ステップM2に戻る。
【0033】
図10は、実施例1に係る無線タグ20の電池・ボタン処理を示すフロー図である。
ステップM21では、マイコン25は、電池寿命検知部28から電池電圧情報を読み取り、電池電圧が所定の限界値まで下がっていたらステップM22へ進み、所定の限界値まで下がっていないならステップM23へ進む。
ステップM22では、マイコン25は、LED22a〜22cを所定パターンで点灯する。例えば、LED22aを0.5秒点灯し、次にLED22bを0.5秒点灯し、次にLED22cを0.5秒点灯することを3回繰り返す。
【0034】
ステップM23では、マイコン25は、電池電圧情報が送信データに付加されていないなら付加し、既に付加されているなら最新の電池電圧情報に更新する。
ステップM24では、マイコン25は、ボタン23a〜23cが押されたかチェックし、押されていたらステップM25へ進み、いずれのボタンも押されていなければステップM26へ進む。
ステップM25では、マイコン25は、ボタン23aが押されたのならLED22aを所定パターンで点灯し、ボタン23bが押されたのならLED22bを所定パターンで点灯し、ボタン23cが押されたのならLED22cを所定パターンで点灯する。例えば、0.4秒点灯し、0.2秒消灯し、0.4秒点灯し、0.2秒消灯し、0.4秒点灯し、消灯する。
【0035】
ステップM26では、マイコン25は、ボタン23a〜23cの状態からボタン情報を作成し、送信データに付加する。
ステップM27では、マイコン25は、送信部27から送信データを電波で送信する。そして、電池・ボタン処理を呼び出したステップの次のステップへリターンする。
【0036】
図11は、実施例1に係る管理装置30の動作を示すフロー図である。
ステップK1では、制御装置32は、無線タグ20からの電波をアンテナ31で受信するまで待ち、受信したらステップK2へ進む。
ステップK2では、制御装置32は、受信した電波から送信データを取得する。
ステップK3では、制御装置32は、送信データに含まれる学生情報、電池電圧情報、ボタン情報を取り出す。また、送信データに机情報が含まれていたら、机情報を取り出す。
ステップK4では、制御装置32は、学生情報に基づく処理を行う。この処理は、例えば教室内に居る学生(=教室内に在る無線タグ20)の把握処理である。
ステップK5では、制御装置32は、電池電圧情報を基に電池電圧が所定の限界値まで下がっていたらステップK6へ進み、所定の限界値まで下がっていないならステップK7へ進む。
ステップK6では、制御装置32は、図12に例示するように学生(ここではS−3)に対する電池寿命の警告をタッチパネル付きディスプレイ33に表示する。
【0037】
ステップK7では、制御装置32は、学生情報とボタン情報とに基づく処理を行う。この処理は、例えば何もしない、三択問題に対する学生の答えを得る、アンケートの集計を行う等の処理である。
【0038】
ステップK8では、制御装置32は、机情報が送信データに含まれていたらステップK9へ進み、含まれていなければステップK1に戻る。
ステップK9では、制御装置32は、学生情報と机情報とに基づく処理を行う。そして、ステップK1に戻る。
学生情報と机情報とに基づく処理は、例えば日時と教室名と講師名と学生情報と机情報とを関連付けて記憶する処理である。また、図12に示すように、予め登録されている机D−1〜D−9のレイアウト図形を表示し、各机の机情報に関連付けてある学生情報があればそれら学生の着席を示す図形を表示し、各机の机情報に関連付けてある学生情報がなければ着席されていない状態を示す図形を表示する処理である。
【0039】
図12は、実施例1に係るタッチパネル付きディスプレイ33における表示例であり、図1の教室状態に対応している。
講師Tは、検知されている無線タグ20の数(ここでは9個)と教室内に居る学生数(ここでは8人)とを比べて、数が合わない場合は原因(ここでは教室に居ない学生の無線タグ20−3が机D−3の机情報保持装置10−3にセットされている)を探り、原因に応じた処理を手動で行う。また、画面における着席状態(図12では机D−3〜D9に学生S−3〜S9が着席している)と実際の着席状態(図1では机D−2にも学生が着席しており、机D−3には学生が着席していない)を比べて、一致しない場合は原因(ここでは机D−2に着席している学生が無線タグ20−2を机情報保持装置10−2にセットしておらず、教室に居ない学生の無線タグ20−3が机D−3の机情報保持装置10−3にセットされている)を探り、原因に応じた処理を手動で行う。
【0040】
実施例1に係る着席管理システム100によれば次の効果が得られる。
(1)教室内の各机Dにどの学生が着席したかのデータを容易に収集できる。
(2)講師がディスプレイの表示と実際の着席状況とを比較することにより容易に不正を発見することが出来る。
(3)机D−1〜D−9に設置される机情報保持装置10−1〜10−9に対する通信線や給電線の設備が不要になる。
(4)1つの教室に1つのアンテナ31で済むから、設備の負担を軽減できる。
(5)管理者が無線タグ用リーダ・ライタを持って各机を巡回することが不要になるから、管理者にかかる負担を軽減できる。
【0041】
なお、教室の出入口近傍のみに感度エリアをもつアンテナを設け、そのアンテナを利用して学生の出入りを監視してもよい。
【実施例2】
【0042】
図13は、実施例2に係る机情報保持装置10の上面図である。
コンタクト11a〜11cに加えて、第1LED17a、第2LED17b、第3LED17cおよび第1ボタン18a、第2ボタン18b、第3ボタン18cを備えている。
【0043】
図14は、実施例2に係る机情報保持装置10のブロック図である。
コンタクト11a〜11c、LED17a〜17c、ボタン18a〜18cはインタフェース12に接続され、インタフェース12はマイコン13に接続され、マイコン13にはディップスイッチ14が接続されている。
ディップスイッチ14の設定は、机情報保持装置10が設置される机にユニークに対応する机情報になっている。
【0044】
図15は、給電されている状態での実施例2に係る机情報保持装置10の動作を示すフロー図である。
ステップP11では、マイコン13は、給電が開始されたことを示す所定のパターンでLED17a〜17cを点灯する。
【0045】
ステップP12では、マイコン13は、セットされている無線タグ20から送信要求があるのを待ち、送信要求があったならステップP13へ進む。
ステップP13では、マイコン13は、ボタン18a〜18cの状態からボタン情報を作成する。
ステップP14では、マイコン13は、ボタン18a〜18cが押されたかチェックし、押されていたらステップP15へ進み、いずれのボタンも押されていなければステップP16へ進む。
ステップP15では、マイコン13は、ボタン18aが押されたのならLED17aを所定パターンで点灯し、ボタン18bが押されたのならLED17bを所定パターンで点灯し、ボタン18cが押されたのならLED17cを所定パターンで点灯する。
【0046】
ステップP16では、マイコン13は、ディップスイッチ14の設定すなわち机情報を読み取る。
ステップP17では、マイコン13は、セットされている無線タグ20へボタン情報および机情報を送信する。そして、ステップP12に戻る。
【0047】
無線タグ20の処理は、図9のステップM9における「机情報」を「ボタン情報および机情報」にすればよい。
【0048】
実施例2に係る着席管理システムによれば、実施例1と同じ効果が得られる。さらに、無線タグ20のLEDやボタンを省略可能となるので、無線タグ20の上面に学生の顔写真などを貼り付けることも可能となる。
【実施例3】
【0049】
図16は、実施例3に係る着席管理システム100を示す構成図である。
この着席管理システム100は、実施例1の着席管理システム100に、各イスC−1〜C−9に着座するとオンになる着座スイッチ40−1〜40−9を加えた構成である。
【0050】
図17は、実施例3に係る机情報保持装置10および着座スイッチ40(=40−1〜40−9の任意の一つ)を示すブロック図である。
電源用コンタクト11aは、着座スイッチ40と直列接続になっている。
【0051】
実施例3に係る着席管理システム100によれば、机情報保持装置10に無線タグ20をセットしたまま忘れて帰っても、イスCから離席すると給電されなくなるので、無駄な給電を防止することが出来る。
【実施例4】
【0052】
図18は、実施例4に係る机情報保持装置10および着座スイッチ40を示す構成説明図である。
机情報保持装置10は、無線タグ検知スイッチ18dおよび着座スイッチ40と直列接続になっている電池19で駆動される。
電池19は、ボタン電池、リチウム電池、太陽電池などを使用できる。
【0053】
実施例4に係る着席管理システムによれば、無線タグ検知スイッチ18dがオンになるように適正に机情報保持装置10に無線タグ20をセットし且つイスCに着席しなければ給電されないので、電池19の無駄な消耗を防止することが出来る。
【実施例5】
【0054】
図19は、実施例5に係る机情報保持装置10を示す上面図である。
机情報保持装置10は、バイナリーコードを表すように1個〜10個の磁石16を内部に配列したものであり、バイナリーコードが机情報である。
【0055】
図20は、実施例5に係る無線タグ20を示す裏面図である。
無線タグ20は、磁気センサ210〜219の配列を内部に有しており、机情報保持装置10の磁石配列すなわちバイナリーコードを読み取れるようになっている。
【0056】
実施例5に係る着席管理システムによれば、机情報保持装置10は電源が全く不要となる。
【0057】
なお、磁石配列の代わりにバーコードを印刷した机情報保持装置10を用いると共に、磁気センサの代わりにバーコードリーダを内蔵した無線タグ20を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の配置管理システム、場所情報保持装置、無線タグおよび管理装置は、教室の机に対する学生の着席管理、工場の機械や作業台に対する作業者の配置管理、病院の治療台に対する看護士や医師の配置管理、病院のベッドに対する患者の着床管理、倉庫における商品の保管場所管理などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1に係る着席管理システムを示す構成説明図である。
【図2】実施例1に係る机情報保持装置の上面図である。
【図3】実施例1に係る机情報保持装置の機能ブロック図である。
【図4】実施例1に係る机情報保持装置の動作フロー図である。
【図5】実施例1に係る無線タグの裏面図である。
【図6】実施例1に係る無線タグの表面図である。
【図7】実施例1に係る机情報保持装置に実施例1に係る無線タグをセットした状態を示す上面図である。
【図8】実施例1に係る無線タグの機能ブロック図である。
【図9】実施例1に係る無線タグの動作フロー図である。
【図10】実施例1に係る無線タグの電池・ボタン処理を示すフロー図である。
【図11】実施例1に係る管理装置の動作フロー図である。
【図12】実施例1に係るディスプレイ表示の例示図である。
【図13】実施例2に係る机情報保持装置の上面図である。
【図14】実施例2に係る机情報保持装置の機能ブロック図である。
【図15】実施例2に係る机情報保持装置の動作フロー図である。
【図16】実施例3に係る着席管理システムを示す構成説明図である。
【図17】実施例3に係る着座スイッチと机情報保持装置の接続を示す機能ブロック図である。
【図18】実施例4に係る着座スイッチと机情報保持装置の接続を示す機能ブロック図である。
【図19】実施例5に係る机情報保持装置の上面図である。
【図20】実施例5に係る無線タグの裏面図である。
【符号の説明】
【0060】
10,10−1〜10−9 机情報保持装置
16 マグネット
20,20−1〜30−9 無線タグ
30 管理装置
31 アンテナ
32 制御装置
33 タッチパネル付きディスプレイ
40−1〜40−9 着座検知スイッチ
100 着席管理システム
210〜219 磁気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象場所(D)に設置され前記管理対象場所(D)を特定するための場所情報を保持している場所情報保持手段(10)と、管理対象体(S)に付随して移動可能であり前記管理対象体(S)を特定するための対象体情報を保持しており前記場所情報保持手段(10)から前記場所情報を読み取り該場所情報および前記対象体情報を電波で送信する無線タグ(20)と、前記無線タグ(20)が送信する電波を受信するためのアンテナ(31)と、前記アンテナ(31)で受信した電波から前記場所情報および前記対象体情報を検出し両者を関連付けて記憶する情報関連付け記憶手段(32)とを具備したことを特徴とする配置管理システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の配置管理システムにおいて、前記場所情報保持手段(10)は、前記場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(12)と、前記無線タグ(20)から給電された状態で前記無線タグ(20)へ前記場所情報を送信する手段(13)とを有し、前記無線タグ(20)は、電池(29)を電源とし、前記管理対象体(S)を特定するための対象体情報を保持する手段(26)と、前記場所情報保持手段(10)へ給電する手段(24)と、前記場所情報保持手段(10)へ給電した状態で前記場所情報保持手段(10)から送信される前記場所情報を読み取る手段(25)と、前記場所情報および前記対象体情報を電波で送信する手段(27)とを有することを特徴とする配置管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の配置管理システムにおいて、前記管理対象場所(D)またはその近傍に前記管理対象体(S)または前記管理対象体(S)と推定されるものが存在するか否かを検知する存在検知手段(40)を具備し、前記場所情報保持手段(10)は、前記存在検知手段(40)で存在を検知しければ前記場所情報を前記無線タグ(20)へ送信しないことを特徴とする配置管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の配置管理システムにおいて、前記管理対象場所(D)またはその近傍に前記管理対象体(S)または前記管理対象体(S)と推定されるものが存在するか否かを検知する存在検知手段(40)を具備し、前記場所情報保持手段(10)は、電池(29)を電源とし、前記存在検知手段(40)で存在を検知しければ前記電池(29)から給電しないことを特徴とする配置管理システム。
【請求項5】
請求項1または請求項4に記載の配置管理システムにおいて、前記場所情報保持手段(10)は、電池(29)を電源とし、近傍に無線タグ(20)が存在するか否かを検知する無線タグ存在検知手段(18d)を具備し、前記無線タグ存在検知手段(18d)で無線タグ(20)の存在を検知しければ前記電池(29)から給電しないことを特徴とする配置管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の配置管理システムにおいて、前記場所情報保持手段(10)は、前記場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(16)であり、前記無線タグ(20)は、前記場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(16)から前記場所情報を読み取るセンサ手段(210〜219)を有することを特徴とする配置管理システム。
【請求項7】
管理対象場所(D)に設置され、前記管理対象場所(D)を特定するための場所情報を無電源状態でも保持しうる手段(12)と、外部(20)から給電された状態で外部(20)へ前記場所情報を送信する手段(13)とを具備したことを特徴とする場所情報保持装置(10)。
【請求項8】
管理対象体(S)に付随して移動可能であり、電池(29)を電源とし、前記管理対象体(S)を特定するための対象体情報を保持する手段(26)と、場所情報保持装置(10)へ給電する手段(24)と、前記場所情報保持装置(10)へ給電した状態で前記場所情報保持装置(10)から送信される前記場所情報を読み取る手段(25)と、前記場所情報および前記対象体情報を電波で送信する手段(27)とを具備したことを特徴とする無線タグ(20)。
【請求項9】
無線タグ(20)が送信する電波を受信するためのアンテナ(31)と、前記アンテナ(31)で受信した電波から場所情報および前記対象体情報を検出し両者を関連付けて記憶する情報関連付け記憶手段(32)と、予め登録されている複数の管理対象場所およびそれら管理対象場所の対象場所情報に関連付けて記憶されている対象体情報に対応する管理対象体を表示する表示手段(33)と具備したことを特徴とする管理装置(30)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−146258(P2009−146258A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324451(P2007−324451)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】