説明

酒粕液の製造方法

【課題】
香味良好、かつ多用途に活用できる均質で異物のない高品質の酒粕液を効率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】
酒粕に対し、その重量の1〜5倍量の水を加えて酒粕をスラリー化する工程(A)、酒粕スラリーを粉砕してペースト化する工程(B)、及びペースト状酒粕を20〜55メッシュパスの条件でろ過する工程(C)を順次行うことを特徴とする酒粕液の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒粕液の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、酒粕を特定のスラリー化工程、ペースト化工程、及びろ過工程に付することにより、香味良好、かつ多用途に活用できる均質で異物のない高品質の酒粕液を効率よく製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、酒粕成分には各種の人体活性機能物質が含有されていることが分っており、酒粕には生活習慣病の予防効果があるという報告もなされている。
酒粕は清酒の製造過程で得られる副産物であり、約8重量%のアルコール分の他、固形分として約20質量%の炭水化物、約15%質量のタンパク質、約1.5質量%の脂肪のほか、数多くの発酵生産物を含み、カロリ−も高く、滋養分に富んだ食品である。したがって、酒粕は、甘酒原料のほか、生姜湯、カリン湯、かす汁、酒まんじゅうなどの食用、パンなどの風味増強剤、白みそ、みりん風調味料の原材料として用いられるのみならず、奈良漬、わさび漬、魚肉類のかす漬などの漬物原材料としても用いられている。
しかし、酒粕には、原料となる玄米中に混入されている砂、小石のほか、清酒の製造過程における未発酵米、繊維片、木片、毛髪、まれに金属片などの異物が混入していることが往々にしてあるという現実問題がある。酒粕中にこのような異物が混入したまま使用すると、製品の安全性が損なわれるという問題が生ずる。
【0003】
一方、甘酒は、本来、米飯に米麹を混合し、繁殖するコウジカビが生産する糖化酵素を利用して、米の澱粉質をブドウ糖、麦芽糖に変化させ、それを水に溶解、分散させた飲料である。しかし、現在の工業的に生産されている甘酒は、米麹、酒粕、又はそれらの混合物などに甘味料を加え、更に香味料、酸味料などを加えて作られたものが主流となっている。そして、凍結乾燥された甘酒も市販されている。
【0004】
凍結乾燥甘酒については、近年、より高品質なものが求められており、その要請を満たすためには、均質でより高品質の酒粕を提供する必要がある。
酒粕の加工方法としては、酒粕と水とを混合し、ホモミキサーを用いて高速回転させながら60メッシュパスまで細粒化してペースト化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1の方法では、ホモミキサーを高速回転させながら60メッシュパスまで細粒化するため、この方法で得られた酒粕を甘酒の原料とすると、酒粕本来の風味が不十分で、舌触りも単調になるという問題点があった。
【特許文献1】特開平3−247261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況に鑑み、上記の問題点を解決するためになされたものであり、栄養豊富な食品としての潜在的価値を有しながらも、活用しきれていなかった酒粕を高品質の健康食品として提供するために、香味良好、かつ多用途に活用できる均質で異物のない高品質の酒粕液を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酒粕を特定の工程に付して処理すれば前記目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)酒粕に対し、その重量の1〜5倍量の水を加えて酒粕をスラリー化する工程(A)、酒粕スラリーを粉砕してペースト化する工程(B)、及びペースト状酒粕を20〜55メッシュパスの条件でろ過する工程(C)を順次行うことを特徴とする酒粕液の製造方法、
(2)ペースト化する工程(B)を経て得られたペースト状酒粕の50℃における粘度が、700〜1600cpである前記(1)に記載の酒粕液の製造方法、
(3)ペースト化する工程(B)において、平坦摩砕面を有する回転砥石と固定砥石とを同心的に相対向させ、その対向平坦摩砕面の相互間隔を2〜20mmに設定した融砕機を用いて、該回転砥石を500〜3000rpmで回転させながら、酒粕スラリーを粉砕する前記(1)又は(2)に記載の酒粕液の製造方法、
(4)ろ過する工程(C)において、回転ブレードと、該回転ブレードの先端に付設したスクレーパーと、該スクレーパーの外周にメッシュフィルターを設けた回転式圧搾装置を用いて、該回転ブレードを500〜1800rpmで回転させながら、ペースト状酒粕をろ過する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の酒粕液の製造方法、及び
(5)酒粕液が甘酒用である前記(1)〜(4)のいずれかの酒粕液の製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明方法によれば、香味良好、かつ多用途に活用できる均質で異物のない高品質の酒粕液を効率よく製造することができる。
また、本発明方法により得られる酒粕液は、水分含有量の点および酒粕繊維の大きさの点から凍結乾燥甘酒の原料に最適である。この酒粕液を用いて、凍結乾燥甘酒を製造すると、復元性が良好で、コクや風味が豊かで、舌触り、喉越しが非常に良好な美味しい高品質の甘酒を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の製造方法は、酒粕に対し、その重量の1〜5倍量の水を加えて酒粕をスラリー化する工程(A)、酒粕スラリーを粉砕してペースト化する工程(B)、及びペースト状酒粕を20〜55メッシュパスの条件でろ過する工程(C)の3つの工程を順次行うことを特徴とする。
原料となる酒粕としては、一般に酒造工場で副産する酒粕が用いられる。かかる酒粕は一般に板状あるいは塊状で、往々にして前記の異物の混入した不均質で保存安定性に欠けるものである。この酒粕をまず、スラリー化工程(A)に付す。スラリー化工程(A)においては、原料の酒粕に対し、その重量の1〜5倍量、好ましくは2〜3倍量の水、又は40℃以上、好ましくは60〜90℃のお湯を加え、酒粕を軽くほぐす。酒粕を軽くほぐした後、酒粕スラリーの品温を40〜80℃に調整することが好ましい。次いで、ミキサーで1〜15分、好ましくは2〜10分間撹拌混合して、酒粕を水に粗溶解させてスラリーとする。
【0009】
次に、この粗溶解した酒粕スラリーを、微粉砕装置を用いて微粉砕してペースト状に粗均質化する(工程(B))。微粉砕装置としては、特に制限はなく、各種の擂潰機、融砕機、ミルを使用することができる。これらの中では、物性の点でジューサーミルが好ましいが、工業生産の効率性の観点からは擂潰機、融砕機が好ましく、特にマスコロイダー(商品名)として市販されているものを好適に用いることができる。
マスコロイダーとは、挽臼原理を採用した融砕機であり、外周部に平坦摩砕面を有する回転砥石と固定砥石とを同心的に相対向させ、該回転砥石の回転下に固定砥石の開口部より被粉砕原料を供給しながら、両砥石の対向平坦摩砕面間より該被粉砕原料を摩砕、粉砕して排出する装置である。回転砥石と固定砥石の相対向する面には、それぞれ砥石回転方向とは反対の方向に多少傾斜した放射状の深型送り溝が設けられている。回転砥石と固定砥石の対向する平坦摩砕面間の相互間隔(間隙)は自由に調整することができる。
【0010】
両砥石の間隔は、酒粕の分散性と異物除去の観点から、2〜20mm、特に4〜16mm、さらに6〜12mmに設定することが好ましい。両砥石の間隔が2mmより短い場合は、両砥石により異物が擂り潰され、後工程であるろ過工程(C)におけるメッシュフィルターをすり抜け易くなり問題となる。一方、両砥石の間隔が20mmより長い場合は、ペースト状酒粕中の酒粕の分散が悪くなり、後工程であるろ過工程におけるメッシュフィルターに酒粕残渣が大量に付着、堆積して酒粕液の回収率が大幅に減少するおそれがある。
また、回転砥石の回転速度は500〜3000rpm、特に1000〜2000rpmに設定することが好ましい。回転砥石の回転速度が500rpmより遅いと、酒粕が色づき、また酒粕がこねられてだんご状になり、3000rpmより速いと、滞留時間が短くなることによって繊維が荒くなりすぎて、後工程であるろ過工程(C)におけるメッシュフィルターに酒粕残渣が大量に付着、体積して酒粕液の回収率が大幅に減少するおそれがある。
酒粕スラリーを粉砕してペースト化する工程(B)においても、酒粕スラリーの粘度調整の観点から、酒粕スラリーの品温を40〜80℃に調整することが好ましい。
【0011】
ペースト化する工程(B)を経て得られたペースト状酒粕は、50℃における粘度が700〜1600cp(センチポアズ)であることが好ましく、900〜1400cpであることが更に好ましい。ペースト状酒粕の粘度が700cp未満だと、水分含有量が多すぎるためフリーズドライ製品の原料には適さない。一方、粘度が1600cpを超えると、次工程であるろ過工程(C)において目詰まりを起こしたり、回収率が悪くなるため適当でない。
なお、本発明において、ペースト状酒粕の粘度は、50℃のペースト状酒粕を、B型粘度計により、ナンバー3番のローターを用いて回転速度30rpmで60秒間回転させて測定した粘度をいう。B型粘度計は簡便な汎用機器であり、B型粘度計の測定原理は、製造所や型式によってそれほど変わるものではないため、B型粘度計の製造所や型式は特に限定されない。
【0012】
融砕機などで粗均質化したペースト状酒粕は、次にろ過工程(C)に付する。ろ過工程(C)において使用するろ過装置の方式としては、特に制限はなく、真空ろ過、加圧ろ過、遠心ろ過、圧搾ろ過などを採用することができる。なかでも回転式ろ過装置が生産効率上好ましく、特に自動掻取式の回転式圧搾ろ過装置が好ましい。より具体的には、スクレーパー排出型の自動回転式圧搾装置が好ましく、パルパーフィニッシャー(商品名)として市販されているものを用いることができる。
スクレーパー排出型の自動掻取式回転式圧搾装置は、回転ブレードと、該回転ブレードの先端に付設したスクレーパーと、該スクレーパーの外周にメッシュフィルターを設けた回転式圧搾装置である。
【0013】
図1は、本発明方法において使用する、スクレーパー排出型の自動掻取式回転式圧搾装置の一例を示す正面の縦断面図であり、図2は、その側面の縦断面図である。
回転式圧搾ろ過機1において、カバー2内に、ドラムフィルター3が設置されており、ドラムフィルター3の内部中心を貫通するように、回転ブレード軸4が駆動装置(図示せず)により回動可能に設置してある。回転ブレード軸4には、押出スクリュー5と回転ブレード6が設けられており、回転ブレード6の先端にはスクレーパー7が付設されている。スクレーパー7は、合成樹脂などからなるブラシ状又は板状片であり、回転ブレード6の回転により、ドラムフィルター3の内表面に付着、堆積した固形物残渣を物理的に掻き取り、掻き落とすように構成されている。
【0014】
ペースト状酒粕は、投入口8から回転式圧搾機1内に投入され、押出スクリュー5により、押し出され、圧搾され、ろ過される。ろ過された酒粕液は、ロート状に形成された回収シュート9を経て、取出し口10から回収される。
ドラムフィルター3の内表面には、固形物残渣が付着、堆積する。その固形物残渣は、スクレーパー7により剥離され、ドラムフィルター3の内側に集積されて、ドラムフィルター3の片側のダストホッパー(図示せず)に排出される。ドラムフィルター3の一部又は全部には、パンチングメタル又はステンレス製のメッシュ篩が設けられている。メッシュフィルター3のフルイ目は、喉越しの良い酒粕液を得るという観点及び異物除去の観点から、20〜55メッシュ、特に30〜50メッシュの範囲とすることが好ましい。
【0015】
なお、ドラムフィルター3の両側面の径は同じでもよいが、ペースト状酒粕の押出し、圧搾効率を高めるために、原料投入口側の面の径を小さくし、下流側の面の径を大きくして、下流側に向かって若干傾斜をつけることが好ましい。
【0016】
回転ブレードの回転速度、ろ過温度は、ペースト状酒粕の粘度、処理量などにより異なるが、通常、回転ブレードの回転速度は500〜1800rpm、好ましくは600〜1500rpmであり、ろ過温度は、常温〜95℃、好ましくは40〜90℃、特に好ましくは50〜85℃である。上記のような条件下でろ過操作を行うことにより、粘調なペースト状酒粕を撹拌しつつ、送り圧力や圧搾力の上昇、局所加熱を防止して、変質のない高品質の酒粕液を得ることが可能となる。
回転式圧搾機から取り出された酒粕液は、香味良好で、異物のない均質化された高品質の酒粕液である。
【0017】
本発明で得られた酒粕液は、水分含有量の点および酒粕繊維の大きさの点から凍結乾燥酒粕の原料に最適である。この酒粕液を用いて、凍結乾燥甘酒を製造すると、復元が良好で、舌触り、喉越しが良い香味良好な異物のない高品質の凍結乾燥甘酒とすることができる。
次に、本発明で得られた酒粕液を用いて、甘酒用の凍結乾燥食品を製造する方法について説明する。まず、酒粕液を、加熱殺菌処理した後、米麹を含み50〜70℃程度の温度で糖化処理された水性スラリーを加え、再度加熱殺菌処理した後、好ましくは80℃以下の温度に冷却する。次に、この再加熱殺菌処理液に、アスパルテーム、スクラロース等の高感度甘味料や砂糖のような糖質甘味料及び所望により香料、調味料、場合により水を加え凍結乾燥用組成物を調製する。
凍結乾燥用組成物は、通常、−20〜−40℃の範囲の温度において予備凍結した後、0.0005〜2Torr程度の真空下で、室温〜70℃程度まで昇温して乾燥させ、凍結乾燥品とすることができる。
このようにして、得られる凍結乾燥甘酒は、物理的、化学的変化を受けにくく、復元が良好で、甘酒本来のコクや風味の良好な高品質の甘酒となる。
【実施例】
【0018】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
原料の酒粕(固形分50重量%)60kgに75℃のお湯150kgを混合し、軽く撹拌した後、ハンドミキサーを用いて3〜5分間撹拌混合してスラリー化した。これをマスコロイダー(砥石の対向平坦摩砕面の相互間隔9mm、回転砥石の回転速度1500rpm)に供給し、ペースト状酒粕を製造した。このペースト状酒粕の50℃における粘度を株式会社東京計器製のB型粘度計(BM型式)で測定した結果、1080cpであった。
得られたペースト状酒粕を、図1に示すパルパーフィニッシャー(メッシュフィルターの軸長610mm、入口内径210mm、出口内径300mm、スクリュー羽根の最大外径60mm、フルイ目40メッシュ)を用いて、回転ブレードの回転速度を900rpmに調節し、ペースト状酒粕をろ過して、酒粕液を得た。
得られた酒粕液に砂糖を添加して簡易甘酒にすると、喉越しが良好で飲みやすい簡易甘酒となった。
【0019】
応用例1
実施例1で得られた酒粕液450gを加熱殺菌処理した後、米麹(固形分90重量%)80gに80℃のお湯150gを注ぎ糖化処理した米麹懸濁液を加えたのち、この混合物を再加熱殺菌処理した。この再加熱殺菌処理後の温度80℃の混合物に、砂糖120g、食塩5g及びアスパルテーム1gを順次加えてよく混合したのち、これに全体重量が1100g(乾燥固形分273g含有)になるように水374gを加え、かつブリックス糖度を20%に調整した。
次に、この調整物60gをポリプロピレン製容器に注ぎ、−20℃で24時間凍結させた。この凍結物をフリーズドライ製造装置に供し、0.03〜0.3Torrに減圧後、50℃に加温して2時間30分維持した後、70℃に加温し、減圧開始から24時間後に常温に戻して、目的の甘酒用のフリーズドライ製品を製造した。なお、凍結乾燥品の製造に問題はなかった。また、得られたリーズドライ製品を90℃のお湯100ミリリットル注いで甘酒の復元を行った結果、お湯によく溶け、喉越しが良好で、コクのある美味しい甘酒となった。
【0020】
比較例1
実施例1において、マスコロイダーを使用せず、パルパーフィニッシャーのみを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、一定時間内のパルパーフィニッシャーにおける圧搾工程において、メッシュフィルターを通過しない酒粕残渣が大量に発生し、酒粕液の回収率が大幅に減少し、生産効率が悪かった。得られた酒粕液には、不均一な固形物が含まれていた。
【0021】
比較例2
実施例1において、マスコロイダーのみを使用し、パルパーフィニッシャーを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたペースト状酒粕には異物の存在が認められた。
【0022】
比較応用例2
比較例2で得られたペースト状酒粕を用いて、応用例1と同様の操作を行った。その結果、得られた比較製品は、甘酒に復元する際、復元性が不均一となり、また異物の存在が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明方法によれば、均質で高品質の酒粕液を、特殊な設備を必要とせずに、効率よく製造することができる。得られる酒粕液は、水分含有量の点および酒粕繊維の大きさの点から凍結乾燥酒粕の原料に最適である。この酒粕液を用いて、凍結乾燥甘酒を製造すると、復元が良好で、舌触り、喉越しが良い香味良好な異物のない高品質の凍結乾燥甘酒とすることができる。
また、得られる酒粕液は香味良好で、多用途に活用できる均質で高品質のものなので、従来活用しきれていなかった酒粕を、健康食品として多用途に活用できる途を開く。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明方法において使用する自動掻取式の回転式圧搾ろ過装置の一例を示す正面の縦断面図である。
【図2】本発明方法において使用する自動掻取式の回転式圧搾ろ過装置の一例を示す側面の縦断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1.回転式圧搾ろ過機
2.カバー
3.ドラムフィルター
4.回転ブレード軸
5.押出しスクリュー
6.回転ブレード
7.スクレーパー
8.酒粕スラリー投入口
9.酒粕液回収シュート
10.酒粕液取出し口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酒粕に対し、その重量の1〜5倍量の水を加えて酒粕をスラリー化する工程(A)、酒粕スラリーを粉砕してペースト化する工程(B)、及びペースト状酒粕を20〜55メッシュパスの条件でろ過する工程(C)を順次行うことを特徴とする酒粕液の製造方法。
【請求項2】
ペースト化する工程(B)を経て得られたペースト状酒粕の50℃における粘度が、700〜1600cpである請求項1に記載の酒粕液の製造方法。
【請求項3】
ペースト化する工程(B)において、平坦摩砕面を有する回転砥石と固定砥石とを同心的に相対向させ、その対向平坦摩砕面の相互間隔を2〜20mmに設定した融砕機を用いて、該回転砥石を500〜3000rpmで回転させながら、酒粕スラリーを粉砕する請求項1又は2に記載の酒粕液の製造方法。
【請求項4】
ろ過する工程(C)において、回転ブレードと、該回転ブレードの先端に付設したスクレーパーと、該スクレーパーの外周にメッシュフィルターを設けた回転式圧搾装置を用いて、該回転ブレードを500〜1800rpmで回転させながら、ペースト状酒粕をろ過する請求項1〜3のいずれかに記載の酒粕液の製造方法。
【請求項5】
酒粕液が甘酒用である請求項1〜4のいずれかに記載の酒粕液の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−14701(P2006−14701A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198110(P2004−198110)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)
【出願人】(391063075)アスザックフーズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】