説明

酢酸ビニルの単離法

【課題】 本発明の課題は、気相においてパラジウムまたはパラジウム化合物含有触媒に接してエチレンと酢酸および酸素とを反応させる際に生じるガス混合物から酢酸ビニルを分離する新規な方法の提供にある。
【解決手段】 この課題は、循環ガス洗浄器で生じる酢酸溶液を第一の蒸留塔(予備脱水塔)に還流することによって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気相においてパラジウムまたはパラジウム化合物含有触媒に接してエチレンと酢酸および酸素とを反応させる際に生じるガス混合物から酢酸ビニルを、循環ガス洗浄器で生じる酢酸溶液を第一の蒸留塔に還流しながら分離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気相において固定床触媒に接してエチレンと酢酸および酸素または酸素含有ガスとを反応させて酢酸ビニルを製造することは既に公知である。この反応は一般に1〜2.5MPaの圧力および100〜250℃の温度で行われる。適する触媒は希土類金属および活性化剤成分を含有している。希土類金属はパラジウムおよび/またはそれの化合物よりなる。追加的に金またはそれの化合物も存在していてもよい。活性化剤成分は第一主族および/または第二主族の元素の化合物および/またはカドミウムの化合物よりなる。これらの活性成分は微粉末状で担体に担持されており、その際に担体材料としては一般に珪酸または酸化アルミニウムが使用される。
【0003】
一般に触媒中のパラジウム含有量は0.5〜5重量%である。
【0004】
金あるいはそれの化合物を使用する場合には、それらは0.01〜4重量%の割合で添加される。
【0005】
個々の活性化剤のいずれも一般に0.01〜4重量%の割合で添加される。三つの全ての百分率表示の場合、各成分の金属の割合は担持触媒の総質量を規準として示されている。特に以下の触媒が有利である:パラジウム/アルカリ金属元素/カドミウム並びにパラジウム/金/アルカリ金属元素。ただしパラジウムあるいは金は完成触媒中に金属または化合物として存在していてもよくそしてアルカリ金属元素としてはカリウムが特に有利である。カリウムはカルボン酸塩の状態で、特に酢酸塩として使用される。
【0006】
酢酸パラジウム/酢酸カリウム/酢酸カドミウム並びに酢酸パラジウム/アセト金酸バリウム/酢酸カドミウム並びに酢酸パラジウム/アセト金酸バリウム/酢酸カリウムが特に有利である。
【0007】
多段階接触法では酢酸ビニルおよび水が以下の実験式に示す様に等モル量で生じる。
【0008】
(触媒)
C=CH+CH−COOH+0.5HO → HC=CH−O−CO−CH+H
完全には避けることができないエチレンの完全酸化でCOと水が生じる:
C=CH+3O → 2CO+2H
それ故に1モルの酢酸ビニル当たり1モルより多い水が生じる。一般には水の重量は生じる酢酸ビニルの重量の約1/4に成る。
【0009】
COの他に僅かな量で他の副生成物、中でも酢酸エチルも,生じる酢酸ビニルを基準として約1000〜2000重量ppmの割合で生じる。
【0010】
酢酸エチルは純粋な酢酸ビニル中に最大250重量ppmの僅かな割合でしか含まれるべきでない。酢酸エチルの分離は多大なエネルギー消費を必要としそして従来技術では、酢酸エチルおよび他の副生成物を分離しながら酢酸ビニルを精製する際のエネルギー消費量を減らす種々の方法が行なわれている。
【0011】
反応に使用される混合物は化学量論的に必要とされるエチレン量の何倍も含有している。従って、エチレン転化率は比較的に少なく(約10%)、そして未反応のエチレンは反応域に戻さなければならない。酢酸ビニルは、ガス状で得られる反応生成物の混合物から一般に多段階法で分離される。
【0012】
ドイツ特許出願公開第3422575A1号明細書に従う方法の場合には酢酸ビニル反応を離れる熱いガス混合物は追加加熱処理せずに、予備脱水塔と称される第一の蒸留塔に導入される。このガス混合物は実質的にエチレン、酢酸、酢酸ビニル、水、二酸化炭素、酸素および不活性ガス、例えば窒素およびアルゴンよりなりそして酢酸エチレンを含有している。この蒸留塔の塔頂部から出るガス混合物を最初に熱交換器において予備脱水塔への再循環液と接触させ、その際にこのガス混合物は冷やされそして再循環液は相応して加温される。このガス混合物は次いで熱交換器から凝縮器に導入される。その際に液化成分は収集容器に集められ、そこにおいて水性相と有機相に分離される。水性相は排出され、他方有機相の全部または一部は予備脱水塔の塔頂部に再循環液として戻される。
【0013】
凝縮器で液化されていない成分は未だガス状の酢酸ビニルを含有している。これを洗浄液としての酢酸を用いて運転される、循環ガス洗浄器とも称される洗浄塔においてガス混合物から洗去される。残る残留ガスは反応器に戻される。循環ガス洗浄器の塔底部流出液並びに予備脱水塔の凝縮液からの液化有機相の残りは、該凝縮液からの液化有機相が再還流液として予備脱水塔において全て使用されていない限り別の容器に集められる。
【0014】
予備脱水塔の塔底部では酢酸ビニル、酢酸および半分ほどの反応水並びに副生成物よりなる混合物が得られる。反応水の他の半分はエネルギー供給することなく既に分離されそして予備脱水塔の塔頂部蒸気を冷却する際に生じる凝縮液の水性相を形成する。
【0015】
予備脱水塔の搭底部生成物は最初に、粗酢酸ビニル収集容器とも称される収集容器に供給し、次に共沸蒸留塔として知られる第二の蒸留塔で処理される。塔頂部生成物としての水で飽和された酢酸ビニル、酢酸エチル含有側流、並びに循環流酢酸として系に戻される搭底部生成物が得られる。酢酸エチル含有側流は放出される。再還流液として第二の蒸留塔の搭頂部に供給されない水含有酢酸ビニルは、循環ガス洗浄器の塔底部流出液および予備脱水塔の凝縮物からの液化有機相の残りと一緒にされる。
【0016】
次いでこの混合物は、いわゆる脱水塔として知られる別の第三の蒸留塔に供給される。この塔の塔頂部蒸気は凝縮後に殆ど完全に再還流液として戻される。側流流出液は水性相と有機相に分離される。次にその水性相は排出されそして有機相は塔に再び供給される。脱水塔の塔底部から乾燥した酢酸ビニル/酢酸−混合物が引き出されそして純粋酢酸ビニル塔として知られる別の第四の塔に供給される。この塔では塔頂生成物として酢酸エチレンを殆ど含まない酢酸ビニルが得られ、他方この塔の塔底部液は酢酸、高沸点成分および痕跡量の酢酸ビニルおよび酢酸エチルを含有しており、部分流を排出しながら方法系に再び戻される。
【0017】
酢酸ビニルを後処理する公知の方法の別の変法はヨーロッパ特許出願公開第0,423,658A2号明細書から公知である。このヨーロッパ特許出願公開明細書れによると、循環ガス洗浄器の搭底部生成物は共沸蒸留塔で得られる水含有酢酸ビニルと直接的に一緒にせず、最初に、塔頂生成物として酢酸ビニル−水共沸混合物がそして搭底部生成物として方法系に戻される酢酸が得られる別の塔に導く。この追加的な塔で得られる水性酢酸ビニルを共沸蒸留塔から得られる、水で飽和された酢酸ビニルと一緒にしそしてドイツ特許出願公開第第3,422,575A1号明細書に相応して後続の脱水塔および純粋酢酸ビニル塔で後処理する。ヨーロッパ特許出願公開第0,423,658A2号明細書に従う方法は酢酸エチルの分離のためにドイツ特許出願公開第第3,422,575A1号明細書に従う方法と同程度の蒸留エネルギー経費を必要とするが、ただし僅かな数の塔段数しか必要とせず、このことは投下資本が僅かであることを意味する。循環ガス洗浄器において酢酸で洗去されそして酢酸溶液として得られる、予備脱水塔からの酢酸ビニルの未凝縮部分並びに予備脱水塔からの凝縮液の有機相は実質的に酢酸エチルをもはや含有しておらず、この酢酸ビニルから酢酸エチルをエネルギーを掛けて除去する必要がない。しかしながらこの変法は、循環ガス洗浄器からの塔底部流出液を分別するために追加的な蒸留塔を運転する必要がある。
【0018】
純粋な酢酸ビニルを製造するための公知の後処理方法は依然として若干の欠点を有している。循環ガス洗浄器の塔底部流出液および予備脱水塔の塔底部流出液は顕著な量のガス、特にエチレンを溶解含有している。それ故に、予備脱水塔および循環ガス洗浄器からの塔底部流出液を粗酢酸ビニル収集容器中で圧力開放する際に、かなりの量の再循環ガスが放出され、このガスは反応循環系に戻す前に再循環ガス圧縮機において多大なエネルギー費を掛けて圧縮すべきである。一般に粗酢酸ビニルは0.5〜2.0MPaの範囲内の圧力から0.025〜0.2MPaの圧力段階に圧力開放される。圧力開放の際に生じるガスは主としてエチレン並びに二酸化炭素、窒素およびその他の不活性ガス、例えばアルゴン並びに有機成分、例えば酢酸および僅かな量の酢酸ビニルおよび酢酸エチルを含有している。このガスを、方法系に戻される再循環ガスとも称されている。
【0019】
公知の後処理法の特徴は、循環ガス洗浄器の塔底部流出液から得られる酢酸溶液を共沸蒸留塔の塔頂生成物からの水飽和酢酸ビニルおよび予備脱水塔の凝縮物からの液化有機相の残りと一緒にすることである。それ故に、後に接続された脱水塔および純粋酢酸ビニル塔で行われる更なる精製段階に酢酸混合物が供給され、そこから多大なエネルギー経費を掛けて酢酸を分離しなければならない。更に脱水塔および純粋酢酸ビニル塔は、酢酸に対して過敏でない耐蝕性材料を用いて製作しなければならない。
【0020】
同様に、予備脱水塔の塔頂部に再循環液として戻されない予備脱水塔の凝縮液は若干量の酢酸エチルを未だ含有している。この物質流は共沸蒸留塔の後で始めてそこで塔頂生成物として生じる水飽和酢酸ビニルと一緒にされるので、後続の脱水塔および純粋酢酸ビニル塔に酢酸エチル含有物質流が供給され、それから酢酸エチルが多大なエネルギー経費を掛けてはじめて分離することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
最後に、後処理法全体に亙って持ち続ける不所望の物質の量をできるだけ減少させそしてそれに伴うエネルギー経費を掛けての排除を純粋酢酸ビニル蒸留の際に避けるために、できるだけ上流の後処理段階において水および酢酸エチルを除くように改善することが切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
それ故に本発明は、気相においてパラジウムまたはパラジウム化合物含有触媒に接してエチレンと酢酸および酸素とを反応させる際に生じるガス混合物から酢酸ビニルを分離するに際して、
a)反応域から出るガス混合物を第一の蒸留塔に導入し、
b)第一の蒸留塔の塔頂部から出るガス混合物を−20〜+50℃ に冷却し、その際に生じる凝縮物を水性相と有機相とに分離し、
c)段階b)で生じた水性相を除去し、
d)段階b)で生じる有機相の全部または一部を段階a)で利用した第一蒸留塔の塔頂部に再循環液として戻しそして有機相の、再循環液として利用しない部分を取り出し、
e)段階b)で凝縮されない酢酸ビニル含有ガスを洗浄塔において少なくとも90%濃度の水性酢酸で洗浄しそしてその際に塔底部の所で酢酸ビニル含有の酢酸溶液を得、
f)酢酸ビニル、酢酸エチル、酢酸および水を含有する、段階a)の搭底部生成物を収集容器に供給しそして加圧下にある該液体を圧力開放し、その際にガスが生じ、
g)段階f)での圧力開放の際に生じる液体を第二の蒸留塔に供給しそしてそれの塔底部の上方の富化域から酢酸エチル含有側流を引き出し、
h)酢酸および水を含有する、段階g)の搭底部生成物の全部または一部を段階e)でガス洗浄のために利用し、
i)段階g)の塔頂部の蒸気を冷却し、その際に生じる凝縮液を水性相と有機相とに分離し、
j)段階i)で生じた水性相を除去し、
k)段階i)で生じる有機相の一部を再還流液として段階g)で利用する第二の蒸留塔の塔頂部に戻しそして残りの部分を引き出す
の各段階を行う酢酸ビニルの分離方法において、
l)段階e)で利用する洗浄塔の搭底部生成物の一部をポンプ循環下に最初に冷却しそして段階e)で利用する洗浄塔の塔底部に戻し、残りの部分を引出しそしてその引き出された部分を少なくとも30℃の温度に加熱しそして段階a)で利用した最初の蒸留塔の下方部分に供給し、
m)段階d)で引き出された残りの有機相を圧力開放し、その圧力開放の際に生じるガスを段階f)で生じるガスと一緒にしそしてその一緒にしたガスを再び方法系に戻し、
n)段階m)で得られる有機相を段階i)で得られる有機相と一緒にしそして段階k)で引き出されそして再循環液として使用されない残りの有機相を第三の蒸留塔に導入し、
o)段階n)の第三の蒸留塔の塔頂留出物を冷却しそしてその際に得られる低沸点留分とその際に生じる水とに分離し、
p)段階n)の第三の蒸留塔の搭底部生成物を第四の蒸留塔に導入し、
q)段階p)で利用した第四の蒸留塔の塔頂から純粋酢酸ビニルを引き出す
ことを特徴とする、上記方法である。
【0023】
段階a)では、反応域から得られるガス混合物を好ましくは最初に向流式熱交換器において冷たい循環ガスで115〜150℃に冷却する。従って該循環ガスは加熱されそして反応のために戻される。この段階では、液化可能な成分の凝縮は未だ生じず、ガス混合物は予備脱水塔とも称される第一の蒸留塔に導入される。
【0024】
段階b)で生じた有機相の量は、この段階で如何なる温度まで冷却するかに左右される。段階d)のための再循環液として利用されない、段階b)からの有機相のその部分を引出しそして段階m)において0.5〜2.0MPaの圧力段階から0.02〜0.2MPa、好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力段階に圧力開放する。この場合に生じる液体を段階n)において共沸蒸留塔とも称される第二の蒸留塔の凝縮された塔頂生成物からの有機相と一緒にする(段階i)。好ましくは両方の有機相を共沸蒸留塔の相分離器において一緒にする。段階n)において再循環液として共沸蒸留塔の塔頂部に供給される有機相成分は脱水塔とも称される第三の蒸留塔に導入する。
【0025】
段階b)における冷却温度および再循環液として段階d)で利用する、段階b)で生じる有機相の割合を、できるだけ少ない酢酸ビニルしか含まないが段階a)の塔底部生成物の全部の酢酸エチルをできるだけ含有する様に選択するのが有利である。
【0026】
本発明の方法の特徴は、段階e)で使用する洗浄塔を本発明に従って運転することおよび洗浄塔からの搭底部流出液を段階a)で利用する第一の蒸留塔の下方部分に再循環することである。循環ガス洗浄器とも称される洗浄塔からの塔底部液の一部がポンプ搬送により循環され、その際に洗浄塔からのポンプ搬送により循環供給される、塔底部生成物の一部が冷却される。塔底部生成物を冷却するために、当業者に慣用される手段、例えば熱交換器が使用される。塔底部生成物の、ポンプ搬送で供給されない部分は洗浄塔から引き出され、少なくとも30℃、好ましくは60℃〜120℃、特に好ましくは60℃〜100℃の温度に加熱されそして段階a)で使用された第一蒸留塔の下方部分に供給される。好ましくは加熱するために、洗浄塔からポンプ搬送された塔底部生成物を熱交換器に導入する。
【0027】
段階l)からの加熱された塔底部流出液は第一の蒸留塔の、該塔の塔底から数えて2〜15段、好ましくは5〜10段に供給するのが有利である。
【0028】
洗浄塔からの加熱された搭底部生成物を段階e)から段階a)で使用される第一の蒸留塔の下方部分へ循環することによって洗浄塔の搭底部流出液の温度は著しく高められる。この手段を用いないと該搭底部流出液の温度は一般に30〜50℃である。この場合、最初に第一段階において搭底部流出液は例えば熱交換器において少なくとも30℃、好ましくは60℃〜120℃、特に60℃〜100℃に高められる。循環ガス洗浄器のこうして加熱された塔底部流出液を第一の蒸留塔の下方部分に供給した場合に、この物質流は再度加熱され、一般に80℃〜150℃の温度に加熱される。この温度は第一の蒸留塔の塔底部流出液の温度にも相当する。洗浄塔の塔底部流出液をこの様に加熱することによって酢酸性粗酢酸ビニル中へのガス状成分の溶解が減少する。このガス状成分、特にエチレンおよび二酸化炭素は第一蒸留塔の塔頂部を通して相当に追い出されそして後処理工程の非常に上流の場所でガス再循環物に戻される。それ故に粗生成物を圧力開放する際には僅かなガスしか生じない。その際に、圧力開放は粗酢酸ビニル収集容器とも称される収集容器において0.5〜2.0MPaの圧力段階から0.02〜0.2MPa、好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力段階にして行われる。圧力開放の際に生じるガスは再循環ガスとも称され、主としてエチレンおよびその他に二酸化炭素および他の不活性ガス、例えば窒素およびアルゴン、並びに有機成分、例えば酢酸および僅かな量の酢酸ビニルおよび酢酸エチルを含有している。それ故に再循環ガスを方法系に戻す際に、再循環ガスを反応器の加圧段階で再び圧縮するために、僅かなエネルギー消費が必要とされる。それ故に段階e)の洗浄塔からの塔底部流出液を本発明に従って戻すことによって再循環ガス圧縮器は負担を軽減される。このことは明らかなエネルギーの節約をもたらす。
【0029】
更に洗浄塔からの酢酸溶液を第一の蒸留塔の下方部分、好ましくは塔底から数えて第2〜15段、特に好ましくは第5〜10段に供給することによって洗浄効果が達成される。酢酸エチルは第一の蒸留塔の塔底部で洗浄されそして塔底部から放出される。
【0030】
酢酸ビニルは、第一の蒸留塔の塔底部生成物中、即ち、段階e)で生成された酢酸性洗浄溶液中に存在しておりそして段階l)で第一の蒸留塔の下方部分におよび段階b)で生成された有機相の、段階d)で再循環液として利用されない部分中に戻される。これらの三つの物質流中の酢酸ビニル含有量はプラントの運転様式に依存しており、本発明の方法を実施するのには重要なことではない。
【0031】
第一の蒸留塔の塔頂生成物は非常に僅かな量の酢酸エチルだけ未だ含有しており、段階d)に戻された再循環液並びに有機相の、再循環液として使用されない部分は酢酸エチレン含有量が少なく、酢酸エチレンを分離する別の手段を講ずることなく更に加工することができる。この目的のためには、段階m)の後で引き出された有機相を圧力開放しそしてその際に生じる液体を、共沸蒸留塔とも称される第二の蒸留塔の塔頂生成物から得られる、段階i)で生じる有機相と一緒にする。一緒に供給される有機相はその一部を再循環液として共沸蒸留塔の塔頂部に戻される。残りは脱水塔とも称される第三の蒸留塔に供給される(段階n)。
【0032】
段階m)での圧力開放の際に生じるガスは再循環ガスとも称され、段階f)で生じる再循環ガスとほぼ同じ組成を有している。両方の再循環ガスを一緒にし、次いで再循環ガス圧縮器において圧縮しそして次に方法系に戻される。一緒にされた再循環ガスを段階e)で酢酸洗浄の際に生じる、循環ガスとも称される残留ガスと一緒にするのが有利である。一緒にされたガス流を圧縮しそして不活性物質含有成分の放出後に再び酢酸ビニル反応器に戻す。
【0033】
段階e)のガス洗浄において第二の蒸留塔の塔底部生成物の少なくとも一部分(段階g)を使用する。この塔底部生成物は主として酢酸よりなりそして最大10重量%の水を含有している。塔底部生成物の、段階e)で必要されない成分は、高沸点成分およびポリマーを除去するために少ない部分を放出した後に、再循環酢酸として反応器に戻す。
【0034】
段階n)では段階i)およびm)からの一緒にされた有機相を再循環液として、第二の蒸留塔の塔頂蒸気ができるだけ僅かな酢酸エチルしか含まない程度で戻すのが好ましい。この目的のために必要でないその有機相の部分は脱水塔とも称される第三の蒸留塔に導入する。
【0035】
段階o)では第三の蒸留塔の凝縮された塔底部生成物を再循環液として全部利用せず、低沸点成分および水の分離のために十分な部分を排除する。
【0036】
段階p)では、実質的に乾燥酢酸ビニルよりなる、第三の蒸留塔の塔頂部流出液を純粋酢酸ビニル塔とも称される第四の蒸留塔に供給する(段階q)。
【0037】
酢酸ビニルを特許請求の範囲の後処理法で利用する第一、第二、第三および第四の蒸留塔は、プラントの能力を利用するために適する温度、圧力および還流比で運転される。
【0038】
本発明の方法を図1によって説明する。公知の手段、例えば安定剤の添加は図示されてない。
【0039】
エチレン、酸素およびCO並びに不活性物質および僅かな量の有機成分、例えば酢酸よりなる循環されるガス混合物(循環ガスとも称する)を導管(1)を通して棚段式塔として形成された酢酸蒸発器(2)に導入し、そこにおいてそのガス流に導管(3)を通して供給される酢酸を負荷させる。酢酸蒸発器(2)を離れるガス混合物を水蒸気で加熱された導管(4)を通して酢酸ビニル反応器(5)に供給する。
【0040】
酢酸ビニル反応器(5)を離れる、実質的にエチレン、酢酸、酢酸ビニル、水、二酸化炭素、酸素並びに不活性ガス、例えば窒素およびアルゴンよりなるガス混合物を、導管(6)を通して第一の蒸留塔、即ち予備脱水塔(7)に導入する。予備脱水塔(7)は自体公知のように設計されている。
【0041】
予備脱水塔(7)から塔頂を通して流出するガス混合物は導管(8)を通して熱交換器(9)に至り、そこにおいて、導管(16)を通して入りそして導管(10)を通って予備脱水塔(7)に戻される再循環液と向流熱交換される。ガス混合物は熱交換器(9)から導管(11)を通って水冷式凝縮器(12)に到達し、そこにおいて約35℃に冷却される。その際に液化される成分を導管(13)を通して容器(14)に至り、そこに集められる。収集容器(14)で一定水準を超える液体成分はポンプ(15)によって導管(16)、熱交換器(9)および導管(10)を通って予備脱水塔(7)にポンプ搬送で戻される。しばらく経った後に収集容器(14)に得られる凝縮液を二つの相(17)および(18)に分離する。それらの内の水性相(17)は導管(19)を通って排出されそして有機相(18)の全部または一部は導管(16)、熱交換器(9)および導管(10)を通って予備脱水塔(7)の塔頂部に再循環液としてポンプ搬送により戻される。
【0042】
凝縮器(12)を導管(20)を通って離れるガス混合物は導管(51)を通って導入される酢酸にて洗浄塔(21)(循環ガス洗浄器)において洗浄されそして凝縮していない酢酸ビニル成分が除かれる。循環ガス洗浄器(21)からの塔底部流出液が分離され、その一部は導管(22)を通ってポンプ再循環されそして熱交換器(23)による冷却下に循環ガス洗浄器(21)の下方部分に戻され、塔底部流出液の他の部分は導管(24)を通って熱交換器(25)に導かれ、そこにおいて塔底部流出液は少なくとも30℃、好ましくは60〜120℃、特に好ましくは60〜100℃に加熱される。こうして加熱された塔底部流出液は次いで予備脱水塔(7)の下方部分に、好ましくは塔底から数えて第2〜15番目、特に好ましくは第5〜10番目の段にポンプ搬送により戻される。
【0043】
洗浄塔(21)を導管(26)を通って離れる残留ガスまたは循環ガス(エチレン、未反応酸素および副生成物として生じるCO)は導管(35)を通ってもたらされる再循環ガスと一緒にされ、循環ガス圧縮器(27)によって圧縮されそして導管(1)および酢酸蒸発器(2)を通って反応器(5)に戻される。該再循環ガスは主のエチレンとその他にCO、不活性ガス、例えば窒素およびアルゴン、並びに酢酸および少量の酢酸ビニルおよび酢酸エチルを含有している。循環ガスの一部は不活性成分を放出するために導管(28)を通して排ガスとして除去される。導管(29)を通して新鮮なエチレンがそして導管(30)を通して新鮮な酸素が供給される。
【0044】
予備脱水塔(7)の塔底部で得られる液体は主として酢酸ビニル、酢酸および水よりなり、殆ど全ての酢酸エチルを含有している。この液体を導管(31)を通して、粗酢酸ビニル収集容器とも称する容器(32)に供給されそして好ましくは0.02〜0.2MPa、特に好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力に圧力開放する。その際に、主のエチレンとその他にCO、不活性ガス、例えば窒素およびアルゴン、並びに有機成分、例えば酢酸を含有している生じる再循環ガスを導管(33)を通して引き出し、導管(57)からもたらされる殆ど同じ組成を持つ再循環ガスと一緒にされそして再循環ガス圧縮器(34)で圧縮した後に導管(35)を通って、導管(26)を通って供給される循環ガス洗浄器(21)からの循環ガスと一緒にされる。粗酢酸ビニル収集容器(32)での圧力開放の後に得られる有機相は導管(36)を通して引き出されそして共沸蒸留塔とも称する第二の蒸留塔(37)に導入される。
【0045】
第二の蒸留塔(37)の塔頂部蒸気は導管(38)を通って冷却器(39)に導入されそしてそこで凝縮される。導管(40)を通って相分離器(41)に到達する凝縮液は、導管(43)を通って引き出される水性相(42)および導管(58)から供給される有機相と一緒にされる有機相(44)に分離する。相分離器(41)で一緒にされた有機相はポンプ(45)によって引き出される。相分離器(41)で一緒にされた有機相をポンプ(45)によって排出する。排出された有機相の一部は導管(46)を通して共沸蒸留塔(37)の塔頂部に供給しそしてそこで再循環液として利用する。再循環液として利用しない部分は導管(47)を通って排出して脱水塔の第三の蒸留塔(48)に供給する。導管(36)を通って塔(37)に至る酢酸エチルは塔(37)の塔底部の上方の富化域から導管(49)を通って引き出される。塔(37)の塔底部生成物は酢酸ビニル後処理段階で生じる殆ど全ての酢酸、最高10重量%の水並びに僅かな量の高沸点成分あるいはポリマーおよび痕跡量の酢酸ビニルおよび酢酸エチルを含有している。
【0046】
この水性酢酸は塔(37)の塔底から導管(50)を通して引き出されそして分配される。洗浄塔(21)のデザインおよび洗浄すべきガスの温度次第で色々な量の酢酸を洗浄液として利用する。段階e)で酢酸洗浄のために必要とされる量は導管(51)およびポンプ(52)を通して洗浄塔(21)に供給される。残りはポンプ(53)および導管(3)を通って酢酸蒸発器(2)に供給される。新鮮な酢酸は導管(54)を通って、反応で消費された酢酸の量に相応して酢酸蒸発器(2)の塔頂部に供給されそして導管(3)を通してもたらされる回収酢酸のための洗浄液としても同時に役立つ。この回収酢酸は再循環酢酸とも称する。
【0047】
収集容器(14)からの有機相(18)の残りは、有機相(18)の全てが再循環液として予備脱水塔(7)において利用されていない場合には、導管(55)を通して圧力開放容器(56)に供給する。0.02〜0.2MPa、好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力への圧力開放の際に生じる再循環ガスは導管(57)を通して引き出され、導管(33)を通して引き出される再循環ガスと一緒にされそして再循環ガス圧縮器(34)によって圧縮された後に導管(35)をとって方法系に戻される。
【0048】
容器(56)で生じる液体は導管(58)を通して相分離器(41)に供給し、そこから集められた有機相の一部は再循環液として導管(46)を通って共沸蒸留塔(37)に供給されそして一部は供給物として導管(47)を通して脱水塔とも言う第三の蒸留塔(48)に供給される。脱水塔への供給物は酢酸を殆ど含有していない。
【0049】
塔(48)の塔頂蒸気に含まれる低沸点成分および最後の残留水は導管(59)を通して引き出されそしてこの後処理法から放出される。
【0050】
塔(48)の塔底で得られる殆ど水を含まない酢酸ビニルは導管(60)を通して、純粋酢酸ビニル塔とも称する第四の蒸留塔(61)に供給する。この塔の塔頂蒸気は導管(62)を通して凝縮器(63)に行く。生じる凝縮液は酢酸エチルを含まない純粋の酢酸ビニルである。この酢酸ビニルの非常に僅かな部分は再循環液として導管(64)を通して塔(61)に戻される。純粋な酢酸ビニルは導管(65)を通して引き出される。僅かな量の酢酸エチル、ポリマーおよび高沸点成分を含有する、塔(61)の塔底部生成物は導管(66)およびポンプ(67)を通って塔(37)に戻される。最後に全ての高沸点成分およびポリマーが戻される酢酸蒸発器(2)から導管(67)を通って、ポリマー放出のために部分流を引き出す。
【0051】
本発明の後処理法のための本質的手段は、洗浄塔(21)からの熱せられた酢酸性塔底液を予備脱水塔(7)の下方部分に再循環し、その際に洗浄塔からの既に熱せられている酢酸性塔底液が再度熱せられることにある。驚くべきことにこの手段は色々な利益に関連している。
【0052】
この手段によって、循環洗浄器の塔底液中に含まれるガス状成分、特にエチレンおよび二酸化炭素の溶解性が低下し、それらが第一の蒸留塔の塔頂部を通って引き出されそして方法系の早い段階で再び循環ガス中に戻される。
【0053】
これによって、僅かなエネルギー経費で再循環ガス圧縮器(34)において圧縮されそして方法系に戻される僅かな再循環ガスしか圧力開放の際に生じない。従って再循環ガス圧縮器は省かれる。
【0054】
洗浄塔(21)からの熱せられた酢酸性塔底流出液を予備脱水塔(7)の下方部分に供給することによって洗浄効果が達成されそして殆ど全ての酢酸エチルが予備脱水塔(7)の塔底液中に洗い出されそして塔底部から放出される。非常に僅かな割合の酢酸エチルしか、収集容器(14)中に集められた有機相(18)中に入り込まない。それ故に導管(55)を通して引き出される物質流には殆ど酢酸エチルが含まれていない。それ故に公知の処理法に比較してその割合は非常に少なく、その結果として共沸蒸留塔(37)の負荷が軽減され、それ故に公知の後処理法に比較して著しく低い還流比で共沸蒸留塔を運転できる。
【0055】
同様に公知の後処理法に比較して多量の水が予備脱水塔(7)の塔頂部から引き出され、それによって容器(14)中で得られる水の量は増加し得る。それ故に予備脱水塔(7)による水の除去操作をより効果的に運転できる。従って水は方法系の早い段階で相当な程度で除去されそして水除去のための後の方法段階の負担が軽減される。
【0056】
更に全ての酢酸は共沸蒸留塔(37)の塔底液と一緒に放出されるので、脱水塔(48)への供給物およびまた純粋酢酸ビニル塔(61)への供給物は酢酸を含有していない。それ故にプラントのこの部分では酢酸によって引き起こされる腐食現象が回避されそしてあまり耐蝕性でない材料も使用できる。純粋酢酸ビニル塔(61)への供給液中に酢酸が含まれることを避けることによって、純粋の酢酸ビニルを製造するために、酢酸の痕跡残留物を酢酸ビニルから分離することが非常に困難なことから掛かる蒸留経費も軽減される。それ故に純粋の酢酸ビニルを単離するための蒸留を、僅かなエネルギー経費でそして小さい還流比で運転することができ、このことは一般に水蒸気の著しい節約を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】は本発明の方法をの1実施態様を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0058】
2・・・酢酸蒸発器
5・・・酢酸ビニル反応器
7・・・予備脱水器
21・・・洗浄搭
34・・・再生循環ガス圧縮器
37・・・第二の蒸留搭
41・・・相分離器
48・・・第三の蒸留器
61・・・第四の蒸留搭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相においてパラジウムまたはパラジウム化合物含有触媒に接してエチレンと酢酸および酸素とを反応させる際に生じるガス混合物から酢酸ビニルを分離するに際して、
a)反応域から出るガス混合物を第一の蒸留塔に導入し、
b)第一の蒸留塔の塔頂部から出るガス混合物を−20〜+50℃ に冷却し、その際に生じる凝縮物を水性相と有機相とに分離し、
c)段階b)で生じた水性相を除去し、
d)段階b)で生じる有機相の全部または一部を段階a)で利用した第一蒸留塔の塔頂部に再循環液として戻しそして有機相の、再循環液として利用しない部分を取り出し、
e)段階b)で凝縮されない酢酸ビニル含有ガスを洗浄塔において少なくとも90%濃度の水性酢酸で洗浄しそしてその際に塔底部の所で酢酸ビニル含有の酢酸溶液を得、
f)酢酸ビニル、酢酸エチル、酢酸および水を含有する、段階a)の搭底部生成物を収集容器に供給しそして加圧下にある該液体を圧力開放し、その際にガスが生じ、
g)段階f)での圧力開放の際に生じる液体を第二の蒸留塔に供給しそしてそれの塔底部の上方の富化域から酢酸エチル含有側流を引き出し、
h)酢酸および水を含有する、段階g)の搭底部生成物の全部または一部を段階e)でガス洗浄のために利用し、
i)段階g)の塔頂部の蒸気を冷却し、その際に生じる凝縮液を水性相と有機相とに分離し、
j)段階i)で生じた水性相を除去し、
k)段階i)で生じる有機相の一部を再還流液として段階g)で利用する第二の蒸留塔の塔頂部に戻しそして残りの部分を引き出す
の各段階を行う酢酸ビニルの分離方法において、
l)段階e)で利用する洗浄塔の搭底部生成物の一部をポンプ循環下に最初に冷却しそして段階e)で利用する洗浄塔の塔底部に戻し、残りの部分を引出しそしてその引き出された部分を少なくとも30℃の温度に加熱しそして段階a)で利用した最初の蒸留塔の下方部分に供給し、
m)段階d)で引き出された残りの有機相を圧力開放し、その圧力開放の際に生じるガスを段階f)で生じるガスと一緒にしそしてその一緒にしたガスを再び方法系に戻し、
n)段階m)で得られる有機相を段階i)で得られる有機相と一緒にしそして段階k)で引き出されそして再循環液として使用されない残りの有機相を第三の蒸留塔に導入し、
o)段階n)の第三の蒸留塔の塔頂留出物を冷却しそしてその際に得られる低沸点留分とその際に生じる水とに分離し、
p)段階n)の第三の蒸留塔の搭底部生成物を第四の蒸留塔に導入し、
q)段階p)で利用した第四の蒸留塔の塔頂から純粋酢酸ビニルを引き出す
ことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
段階l)において洗浄塔から引き出される搭底部生成物を60℃〜120℃、特に60℃〜100℃に加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階l)において引き出される搭底部生成物を段階a)において利用する第一の蒸留塔の、該塔の塔底部から数えて2〜15段、好ましくは5〜10段に供給する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
段階l)で引き出される搭底部生成物の、段階a)で利用する第一の蒸留塔への還流を、第一の蒸留塔の塔底部留出物が80℃〜150℃の温度を有する様に行う、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
段階f)において段階a)からの搭底部生成物を収集容器で0.02〜0.2MPa、好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力に圧力開放する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
段階m)において段階d)で引き出される残留有機相を圧力開放容器に供給しそして0.02〜0.2MPa,好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力に圧力開放する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
段階b)での冷却温度、および段階b)で生じる有機相の、段階d)で再還流液として利用する部分を、全ての酢酸エチルが段階a)の第一の蒸留塔の搭底部生成物中にできるだけ含まれる様に選択する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
有機相の、段階d)で再還流液として使用しない部分を増やし、その際に段階n)において相分離器で一緒にした有機相ができるだけ少ない酢酸エチル含有量である請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
段階n)において、第二の蒸留塔の塔頂部蒸気ができるだけ少ない酢酸および酢酸エチルしか含まない様な量でしか、一緒にされた有機相を再還流液として戻さない、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
段階o)において、低沸点留分および水の十分な部分を分離するために、冷却された塔頂生成物を再還流液としてそれだけ第三の蒸留塔に供給する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
段階a)で、反応領域から流出するガス混合物を最初に向流式熱交換器において、より冷たい循環ガスで115〜150℃に冷却しそして次いで始めて第一の蒸留塔に導入する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−45821(P2007−45821A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211544(P2006−211544)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(398010667)セラニーズ・ケミカルズ・ヨーロッパ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (11)
【Fターム(参考)】