酵素検出
サンプル中の酵素の存在を検出するための酵素検出製品(1)。製品(1)は、サンプルを受け取るための反応ゾーン(16);酵素の活性の検出に応じてシグナルを提示するための明視化ゾーン(10);および膜(11)を含む。膜(11)は、反応ゾーン(16)と明視化ゾーン(10)の間に挿入可能であり、ならびに閾値サイズより大きいサイズを有する成分の反応ゾーン(16)から明視化ゾーン(10)への通過を妨げる。反応ゾーン(16)は、酵素と反応して閾値サイズより小さいサイズを有する反応生成物を生成することができる反応体を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素検出製品およびまた酵素の存在を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な状況下での酵素の存在の検出は、当該技術分野において公知である。検査室手法に加えて、専門家用機器なしに特定の酵素または酵素のタイプを検出することができるキットが提供されている。
【0003】
例えば、患者の歯肉溝液をプロテアーゼ酵素の存在について分析するために歯科医が使用するためのキットの提供が開示されている。歯肉溝液のサンプルを患者から採取し、濾紙、すなわち、第一反応体、すなわちBANA(Na−ベンゾイル−dl−Arg β−ナフチルアミド)として知られている合成ペプチド、を付加した濾紙、の上に置く。図1に示すように、プロテアーゼが存在する場合、BANAペプチドからナフチルアミン部分が切断される。その濾紙の別の部分には、第二反応体DMAC(ジメチルアミノシンナムアルデヒド)が付加される。切断されたナフチルアミン部分およびHCLの存在に応じて、DMACは色を変える(無色からピンク/赤へ)。使用の際、その濾紙を折り重ね、それによって、DMACが付加された領域をBANAおよびサンプルが付加された領域と接触させて、それらを混合させ、あらゆる変色を観察する。変色が生じた場合、これは、その患者のサンプル中にプロテアーゼが存在するというしるしである。
【0004】
こうした先行技術検出システムは、十分満足できる程度に働くが、より広い適用可能性の点で幾つかの問題を有する。1つの問題は、歯肉溝液は一般に透明であるが、他のサンプルは透明でないこともあり、それ故、発生しているかもしれない変色の観察がより難しいという問題である。例えば、サンプルが血液である、または血液で汚染されている場合、それは、反応中に呈示される色をわかりにくくし得る固有の強いバックグラウンドカラーを有する。
【0005】
こうした先行技術システムでのもう1つの問題は、サンプル、それ自体が、第二の反応体と反応して変色または他のシグナルを生じさせる成分を含有することがあるため、間違った陽性結果をもたらし易いという問題である。幾つかの色素生産システムでは、アミノ酸または短いペプチド(例えば、ニンヒドリン)との反応によって色を生じさせることがある。例えば、上の例について引き続いて述べると、歯肉溝液サンプルは、プロテーゼが存在せず、BANAペプチドが切断されなかったときでさえ、DMACと反応して変色を生じさせることができる、遊離第一芳香族アミン基またはその類似体を含有し得る。
【0006】
本発明は、上の問題の1つ以上を解決しようとするものである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、
サンプルを受け取るための反応ゾーンと、
酵素の活性の検出に応答してシグナルを提示するための明視化ゾーン
を含む、サンプル中の酵素の存在を検出するための酵素検出製品を提供し、この場合、反応ゾーンは、酵素と反応して反応生成物を生成することができる反応体を含む。
【0008】
前記反応ゾーンは前記反応体で前処理される。
【0009】
好ましくは、前記製品は、前記反応ゾーンと前記明視化ゾーンの間に挿入できる膜(この膜は、閾値サイズより大きいサイズを有する成分の該反応ゾーンから該明視化ゾーンへの通過を妨げる)をさらに含み、ならびにその反応生成物は、該閾値サイズより小さいサイズを有する。
【0010】
前記膜は分子量閾値を有する。これは、好ましくは、100kDa、50kDa、10kDa、5kDa、1kDaまたは500Daより小さい。
【0011】
前記膜が不透明であると好都合である。
【0012】
好ましくは、前記反応ゾーンおよび/または前記明視化ゾーンは、水和するが水の存在下で溶解しない吸収材料で製造されたフィルムを含む。
【0013】
前記フィルムは、PVA、ペクチン、アクリルアミド、アガロース、プルランまたはカラゲナンから製造されるのが有利である。
【0014】
前記明視化ゾーンは、均一に顕色することができる材料から製造されるのが好都合である。
【0015】
好ましくは、前記反応ゾーンおよび前記明視化ゾーンは、互いに蝶番式に接続され、その蝶番の周りで曲げることにより互いを接触させることができる。
【0016】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方は、その反応ゾーンをその明視化ゾーンと密封式に接触させるための、その外周の周囲に広がる接着領域を有するのが有利である。
【0017】
前記明視化ゾーンは、リーフ上に据え付けられ、このリーフにはその明視化ゾーンを見るための開口部が設けられるのが好都合である。
【0018】
好ましくは、前記開口部は透明窓によって覆われる。
【0019】
前記反応ゾーンは、それに隣接して位置する、吸収材料から製造された液だめを有するのが有利である。
【0020】
好ましくは、前記反応ゾーンと前記液だめの間に接着層などの層がある。この層は、その反応ゾーンの外側に横方向に広がっていることが好ましい。例えば、反応ゾーンおよび層が円形である場合には、その層は、その反応ゾーンより大きい直径を有する。
【0021】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方は、脱着可能な保護フィルムによって覆われるのが好都合である。
【0022】
好ましくは、前記明視化ゾーンは、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせることができる第二反応体を含む。
【0023】
前記酵素は、プロテアーゼであり、前記第一反応体は、BANAペプチドであり、前記第二反応体は、D−MACであるのが有利である。
【0024】
前記サンプル検出製品は、サンプルの横方向の動きを助長し、前記反応ゾーンの表面を破壊し、その中に流路を形成してそれを通してサンプルを導くサンプル分散手段をさらに含むのが好都合である。
【0025】
本発明のもう1つの態様によれば、サンプル中の酵素の存在を検出する方法が提供され、この方法は、
i)サンプルを第一反応体と接触させる段階(この反応体は、酵素が存在する場合、反応生成物を生成する)と、
ii)混合物中の閾値サイズより小さい成分の少なくとも一部を明視化ゾーンへと分離する段階(前記反応生成物は、その閾値サイズより小さい)と、
iii)明視化ゾーンにおいて前記反応生成物の存在を検出する段階
とを含む。
【0026】
段階ii)は、選択膜を使用して前記混合物中の成分を分離することを含むのが好都合である。
【0027】
好ましくは、段階ii)は、前記反応生成物または前記反応生成物によって放出されるシグナルを観察することを含む。
【0028】
段階i)は反応支持層上で行われ、段階iii)は、明視化支持層上で行われるのが有利である。
【0029】
本方法は、段階i)の後、前記反応支持層を前記明視化支持層と接触させる段階をさらに含むのが好都合である。
【0030】
好ましくは、段階iii)は、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせる第二反応体を供給することを含む。
【0031】
本方法は本発明の酵素検出製品を使用するのに有利である。
【0032】
本発明をより容易に説明することができるように、且つ本発明のさらなる特徴を理解できるように、今度は例として添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明しよう。
【0033】
図2を参照すると、酵素検出製品1は、背5で接続された同じ形およびサイズの第一および第二リーフ3、4を有する紙またはボール紙のブック2から成る。従って、背5は、第一リーフ3と第二リーフ4の間の蝶番としての働きをする。
【0034】
第一リーフ3の中央には、ブック2における第一の開口部6が設けられている。第一リーフ3の上には、その開口部6を覆って、明視化パッド7が設けられており、これは、使用前は保護フィルムによって覆われている(図示されていない)。
【0035】
図3Aを参照して、明視化パッド7をもっと詳細に説明しよう。第一リーフ3の内側の面は第一接着フィルム8を有し、これには、第一開口部6に位置を合わせた、しかし第一開口部6より大きい開口部9がある。第一接着フィルム8の上には、水和するが水の存在下で溶解しない、ポリビニルアルコール(PVA)製の明視化フィルム10が設けられている。この明視化フィルム10は、その構造内にDMACおよびHCLを含有する。明視化フィルム10は、開口部6を中心にして配置されるが、第一接着フィルム8より小さい。明視化フィルム10は光学的に透明であり、固有の色を有さず、均一に顕色することができるが、使用前は無孔質である。
【0036】
明視化フィルム10の上には膜11が設けられており、この膜11はそのフィルム10より大きく、従って、明視化フィルム10より一部外にはみ出しており、その端で第一接着フィルム8に接続している。それにもかかわらず、膜11は、第一接着フィルム8より小さいので、第一接着フィルム8の端12は、膜11から外側に延びている。膜11は不透明であり、好ましくは白色である。それは多数の細孔を含む(図示されていない)。これらの細孔によって、この膜はそれを通過できる分子について選択的になる。より具体的には、500ダルトンの閾値サイズより上の分子量を有する分子は膜11を通過できないが、500ダルトンより小さい分子量を有する分子はこの膜を通過することができる。代替実施形態において、前記閾値サイズは500Daより大きく、例えば、1kDaまたは5kDaであり得る。
【0037】
第二リーフ4はその中央に反応パッド13を有する。この反応パッド13は、第一リーフ3の明視化パッド7と向かい合う第二リーフ4上の位置にある。反応ゾーン13は、脱着可能なホイルラップ(図示されていない)で覆われている。次に図3Bを参照して反応パッド13をさらに詳細に説明しよう。
【0038】
反応パッド13は、第二リーフ4に取り付けられた第二接着フィルム14を含む。この接着フィルム14の上に吸収性液だめ15(接着フィルム14より小さいサイズのものだが)が設けられている。その吸収パッド15上には、ポリビニルアルコール(PVA)製で、その中に合成ペプチドBANAおよびサンプル分散材料が含浸された反応フィルム16が設けられている。このサンプル分散材料は、反応フィルム16の表面を破壊し、その中にサンプルを伝達することができる流路を形成することによって、その反応フィルム16上でのサンプルの横方向の動きを助長する布である。反応フィルム16は、明視化フィルム10と同じサイズであり、吸収性液だめ15より小さいので、第二接着フィルム14の端17は反応フィルム16の外側に延びている。
【0039】
酵素検出製品1を使用するためには、ブック2を開いて第一リーフ3と第二リーフ4を離し、明視化パッド7および反応パッド13を覆う保護フィルム(図示されていない)を取り外す。試験すべきサンプル(例えば、血液)を反応フィルム16の上に乗せる。サンプルからの溢れ液は液だめ15によって吸収する。適切な反応時間(例えば、60秒)の後、第一接着フィルム8の端12が第二接着フィルム14の端17と接するように、ブック2の第一リーフ3と第二リーフ4とを互いに押し付け、第一リーフ3と第二リーフ4とが接着するようにする。第一リーフ3と第二リーフ4との接着により、サンプルはブック2の中に密封されるので、サンプルは衛生的に収容される。
【0040】
リーフ3とリーフ4を一体にする前でも、サンプルを反応フィルム16上に置くやいなや、そのサンプル中のいずれかのプロテアーゼ酵素活性が、BANAペプチドの加水分解およびナフチルアミン部分の放出を開始させることに留意しなければならない。ナフチルアミン部分は、膜11を通って明視化フィルム10に達するほど十分小さい。500ダルトンの閾値サイズより大きい分子量を有するサンプルの他の成分は、膜11を通過することができない。
【0041】
ナフチルアミン部分が明視化フィルム10に到達すると、DMACおよびナフチルアミンは濃縮され、赤/ピンクへと変色する(図1参照)。明視化フィルム10は、第一リーフ3の第1開口部6および第一接着フィルム8の第2開口部9を通して見えるので、観察者は発生した変色を見ることができる。膜11は、好ましくは、白色不透明であり、明視化フィルム10に対するバックグラウンドとなるため、観察者が、サンプルに由来する干渉色にかかわらず偏りなく変色を評定する助けとなる。変色は、サンプル中のプロテアーゼ酵素の存在を示す。変色度(色相、彩度および吸光度)および変色速度(必ずしも両方ではないが)は、サンプル中の酵素濃度および反応時間に依存する。
【0042】
プロテアーゼ活性を有さないサンプルでは、ナフチルアミン部分は、反応フィルム16から放出されず、そのため、ブック1の2つのリーフ3、4を接触させると、DMAC化合物は、その液体サンプルの存在下、明視化フィルム10の中に存在するHCLと反応して、黄色い色をした生成物を生成する。
【0043】
本発明の別の実施形態では、第一リーフ3の第一接着フィルム8とは反対側に、第一リーフ3に透明スライドまたは窓を取り付けて、第一開口部6を覆う。この透明スライドは、明視化フィルム10の目視を可能にするが、不純物の進入およびサンプルの退出を許さない。
【0044】
また別の実施形態においては、反応フィルム16および明視化フィルム10は、水和するが水に溶解しない他の材料、例えばアクリルアミド、アガロース、プルランまたはカラゲナンから製造される。
【0045】
反応フィルム16にBANAペプチドを含浸させ、明視化フィルム10にDMACを含浸させる実施形態に本発明が限定されないことは、理解されるはずである。代わりに、反応フィルム16および明視化フィルム10上に反応体の異なるセットをそれぞれ設けててもよい。
【0046】
例えば、DMACの代わりにFastGarnet(亜鉛安定化ジアゾニウム塩)またはFast Blackを使用することもできる。
【0047】
あるいは、特定のプロテアーゼの検出を可能にするために選択される任意のアミノ酸配列に、BANAのナフチルアミド基を付けることができる。例えば、酵素好中球エラスターゼの存在について試験するために、BANAの代わりにH−DL−Ala−bNA(Bachem)を使用する。
【0048】
ナフチルアミドまたはナフチルアミドエステル標識を使用して、特定のプロテアーゼ酵素の活性の存在を検出するために、反応体を設計および合成することができる。
【0049】
別の実施形態では、反応体カゼインをBANAの代わりに反応フィルム上に供給し、反応体ニンヒドリンをDMACの代わりに明視化フィルム上に供給する。
【0050】
実際、いずれの反応体を明視化フィルム10上に供給することも本発明にとって本質的なことではない。例えば、図4を参照してもう1つの実施形態を概略的に示す。図4において、同様の成分は前の実施形態と同じ番号を有する。従って、この実施形態において、第一および第二リーフ3、4は、選択膜11によってそれぞれ覆われた明視化フィルム10と反応フィルム16をそれぞれ有する。明視化フィルム10の上の第一リーフ3には開口部6が設けられている。反応フィルム16には切断可能なペプチド18が含浸されており、このペプチド18は、その一方の末端20に共有結合で付いている蛍光体基19と、そのペプチドの他方の末端22に付いているクエンチャー基21とを有する。ペプチド18は、プロテアーゼ酵素に対して感受性がある。すなわち、プロテアーゼ酵素は、ペプチド18を切断し、蛍光体基19がコンジュゲートしている第一末端20とクエンチャー基21がコンジュゲートしている探索末端22とを分離する。切断された第一末端20は、残りのペプチド18上にあるクエンチャー23から離れて、膜11を通過し、明視化フィルム10(ここで、入射光23のもと、可視光24の蛍光発生を観察することができる)へと進むのに十分小さい。しかし、サンプル中にプロテアーゼが不在である場合、ペプチドは切断されず、その未切断ペプチド18は、大きすぎて膜11を通過できない。従って、この実施形態では、明視化フィルム10は、いずれかの他の成分と反応する成分を含有せず、その代わり、反応生成物(すなわち、第一末端20に結合した蛍光体基21)のための容器および目視領域としての機能を果す。
【0051】
適する蛍光体基の例は、Mca(7−メトキシクマリン−4−アセチル)であり、適するクエンチャーは、Dpa(2,4−ジニトロフェニル)である。Mcaは、Dpaに近接していない場合、392nm(励起325nm)で蛍光計により検出することができる。
【0052】
別の実施形態において、反応フィルム16中の反応体は、カルボキシ末端がアミド結合によってp−ニトロアニリン基に連結されているペプチドである。このペプチドがプロテアーゼ酵素によって切断されると、p−ニトロアニリン基を放出し、それが膜11を通過し、それは黄色であるように見える。
【0053】
もう1つの実施形態では、BANAを反応フィルム16上に供給するが、DMACは明視化フィルム10に供給しない。プロテアーゼ酵素が存在する場合、ナフチルアミンが放出され、UV線のもとでは明視化フィルムにおいてそれが見える。さらなる実施形態において、反応フィルム16上に供給される反応体は、DLアルギニンアミノメチルLクマリンであり、これも、プロテアーゼ酵素が存在する場合、蛍光性切断生成物を放出する。
【0054】
本発明がプロテアーゼ酵素の検出用の製品に限定されないことも理解されるはずである。他の実施形態において、サンプル中の他の酵素に応答する反応体が、反応フィルム16上に、場合によっては明視化フィルム10上にも供給される。例えば、1つの実施形態では、反応フィルム16中のアミロースからのグルコースの放出によって、アミラーゼを検出する。この実施形態において、明視化フィルム10は、当業者には公知のタイプのグルコースオキシダーゼおよび適切な色原体を含有する。
実施例
【実施例1】
【0055】
ブックレット形式のエラスターゼ基質
材料(フィルム作製)
H−Ala−β−ナフチルアミド(H−Ala−βNA)
50mM トリス緩衝液pH8
脱イオン水中の10% Brij 35
脱イオン水中の5% PVA
ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)
綿ガーゼ
ジメチルスルホキシド(DMSO)
3M HCL
メタノール(MEOH)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
材料(装置組み立ておよび酵素アッセイ)
厚手画用紙
両面接着テープ
DMACフィルム
H−Ala−βNAフィルム
ブタ膵臓エラスターゼ
PCに接続される小さな測色計(図6)
方法(フィルム作製)
H−Ala−βNAフィルムは次のように作製した:ガーゼを円盤状に切り取って、標準的な18cm微生物学用ペトリ皿の底の内側に取り付けた。さらに、20mgのH−Ala−βNAを量り取り、1mLのDMSOが入っている汎用ボトルに添加して溶解した。その溶解した基質に次の試薬を添加した:1.5mLのトリス緩衝液、100μLのBrij35および7.5mLの5%PVA。そのチューブを穏やかに反転させて、成分の混合を助長し、その後、その懸濁液をペトリ皿にそのガーゼにかぶせるように注入した。空けたままの皿をドラフトの中に置いて、約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0056】
DMACフィルムは次のように作製した:15mgのDMACを量り取り、1.5mLのMeOHが入っている汎用容器に添加して溶解した。3.75mLのHCLを添加し、その後2.25mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVAを添加した。そのチューブを反転させることによってそれらの成分を混合し、その後清浄な空のペトリ皿に注入した。そのフィルムをドラフトの中で約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0057】
方法(装置組み立て)
厚手画用紙を約10×5cmの長方形に切り、これらを半分に折り畳み、表表紙の中心点に鉛筆で印をつけた。丸パンチを使用して、それらのブックレットの表表紙に直径約12mmの開口部を切り取った。その後、その穴を用いて、この構成の反対側のリーフの内側の中心位置に印をつけた。
【0058】
数片の両面テープを内方左および右手側に貼った。(上で説明した)フィルムを丸パンチで切り取った;H−Ala−βNAを直径12mmのパンチで切り取り、その内方右手側の粘着テープに貼り付けて、サンプル適用領域を得た。DMACフィルムは、直径約15mmのわずかに大きいパンチで切り取り、開口部を覆うように内方左手側の両面テープで固定した。
【0059】
酵素アッセイ
ブタ膵臓エラスターゼ(Sigma)を、トリス緩衝液pH8中、約20mg/mLになるように調製した。
【0060】
2つの装置を動作させ、酵素陰性サンプルは装置1に適用し、エラスターゼ陽性サンプルは第二装置に適用した。40μLのサンプルを基質パッド(H−Ala−βNA)に適用し、室温で10分間インキュベートすることによって、これらの装置を継続的に動作させた。インキュベーション期間の後、DMACフィルムが基質パッドに接触するようにその装置を閉じ、両面テープによって閉じた状態を維持した。
【0061】
基本測色計の上にその装置の覗き窓を配置することによって、顕色をモニターした。合計5分の間、2秒に1回、読み取りを行った。得られたデータを、次の等式を用いることによって色相(H)および彩度(S)について比較した:1/H × S。データは、図5で見ることができる。陽性サンプルで処理した装置から生じた色が強いほど(青線)、Hの数値は低く、多くの場合、彩度、すなわちS値は大きい。従って、陰性サンプルは、陽性サンプルより低く平坦な傾向を有する(ピンク線)。
【0062】
その測色計を図6に示す。これは、白色LED光源および色探知チップ、例えば周囲光を除去するために黒いプラスチックケースに入った検出器から成る。この測色計の構成要素は次のとおりである:白色LEDで装置を読み取るための開口部30;電源31;コンピュータへの接続32;オン/オフスイッチ33;および適所に装置を保持するためのゴムバンド。埋め込み型ソフトウェアによって生データを変換して、色相(H)、彩度(S)および強度(V)値ならびに赤(R)、緑(G)および青(B)を端末エミュレーターアプリケーションに与える。この装置からの読取値は、カラーホイール原理に基づく。
【実施例2】
【0063】
基質の酵素的切断後の蛍光標識検出
A.蛍光体としてのβNAの検出
材料
脱イオン水中の5%PVA
綿ガーゼ
ジメチルスルホキシド(DMSO)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
250mM ホスフェート 25mM EDTA pH7.2
ベンゾイルアルギニンβナフチルアミド・HCL(BANA)
ペトリ皿
厚手画用紙
両面粘着テープ
方法
BANAフィルムを、微妙な違いはあるが、前記H−Ala−βNAフィルムどおりに作製した。綿ガーゼを円盤状に切り取って、標準的な18cm 微生物学用ペトリ皿の内側に取り付けた。20mgのBANAを汎用容器に添加し、1mLのDMSOに溶解した。次の試薬を添加した:1mLのホスフェート/EDTA緩衝液、0.5mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVA。その懸濁液を穏やかに混合し、その後、そのガーゼの上に注ぎ、ドラフトの中に置いて、約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0064】
試験
5つの小さな穴(直径約5mm)を有する厚手画用紙片 約12×5cmを用意した。それらの穴をそれぞれ小さな正方形の両面テープで覆った。BANAフィルムを切り取って、穴の上のテープに合わせ、貼り付けた。0.01%システインを伴う脱イオン水、希釈剤、中、700、350、70および7μgmLで、パパイン酵素標準物質を調製した。希釈剤のみの陰性対照も使用した。それらの酵素および対照サンプルをBANAフィルム1つにつき20μLで適用し、室温でインキュベートした。蛍光発現の進行を、UV線ボックスで、約5分間隔でチェックした。約14分後の結果を図7に与え、表1に作表する。
【0065】
【表1】
350および700μgmLのパパインと共にインキュベートしたフィルムにおいてバックグラウンドより高い蛍光が検出された。
【0066】
B.切断されたBz−DL−Arg−アミノメチルクマリン・HCLの検出
材料
Bz−DL−Arg_AMC・HCL(Bachem 1−1076)
脱イオン水中の5% PVA
綿ガーゼ
ジメチルスルホキシド(DMSO)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
250mM ホスフェート 25mM EDTA pH7.2
ペトリ皿
厚手画用紙
両面粘着テープ
方法
次のことを除き、「A」において説明したとおりフィルムを作製した:10mgのBz−DL−Arg_AMC・HCLをBANAの代わりにDMSOに添加した。
【0067】
試験
次のことを除き、前に「A」において説明したとおり試験装置のセットアップをした:4片のフィルムの3つの列を5片の1列の代わりに覗き窓の上に取り付けた。
【0068】
新たなパパイン標準物質を次の濃度で適用した、10000、1000、100μgmLおよび0。前のとおりシグナル生成をモニターした。結果を図8に示し、表2に作表する。
【0069】
【表2】
試験した酵素のすべてのレベルで蛍光が検出された。
【実施例3】
【0070】
記憶データを使用するBANA/DMACプロテアーゼアッセイの例示
BANAおよびDMACフィルムの作製
標準的手順は次のとおりである:
材料
目の詰まった綿ガーゼ
脱イオン水中の5%PVA
ジメチルスルホキシド(DMSO)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
250mM ホスフェート 25mM EDTA pH7.2
ベンゾイルアルギニンβナフチルアミド・HCL(BANA)
ペトリ皿
3M HCL
メタノール(MEOH)
DMAC
BANA/PVA/ガーゼフィルム
1)綿ガーゼを円盤状に切り取って、20cm ペトリ皿の内側に取り付けた。
【0071】
2)20mgのBANAを清浄な汎用容器に添加し、1mLのDMSOに溶解した。
【0072】
3)(2)において調製したBANA原液に次のものを添加した:1mLのホスフェート/EDTA緩衝液、0.5mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVA。
【0073】
4)その溶液を穏やかに混合し、その後、そのガーゼの上に注ぎ、ドラフトの中に置いて、約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0074】
DMAC/PVAフィルム
1)15mgのDMACを量り取り、1.5mLのMeOHが入っている清浄な汎用容器に添加して溶解した。
【0075】
2)(1)において調製したDMAC原液に次のものを添加した:3.75mLのHCLを添加し、その後、2.25mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVAを添加した。
【0076】
3)チューブを反転させることによってそれらの成分を混合し、その後、清浄な空のペトリ皿に注入した。そのフィルムを、ドラフトの中で、約20時間、乾燥させた。
【0077】
パパイン標準物質の調製
1)必要とする各日に原液を新たに調製して、0.1%システインを伴う脱イオン水中10mgmLの酵素を得る。その後、この原液は、脱イオン水でさらに希釈することにより作業濃度の標準物質を調製するために使用する。
【0078】
ブックレット装置の作製
1)約5×5cmのブックレットが得られるように厚手画用紙を折り畳むことによって、ブックレットを作製した。
【0079】
2)表表紙の中央に、直径12cmの穴(覗き窓6)をあけた。
【0080】
3)約25mmの正方形の2片の両面テープを、接着フィルム8および14として、そのブックレットの両方のリーフ内側の中央に配置した。
【0081】
4)直径12mmの円盤状のBANA/PVA/ガーゼフィルム16を、サンプル適用領域となる接着フィルム14の中央に配置する。
【0082】
5)直径15mmの円盤状のDMAC/PVAフィルム10を接着フィルム8の中央に配置して、覗き窓6を覆う。
【0083】
酵素アッセイ
上で説明して本発明者らの標準的な方法論に従って、装置材料を作製し、組み立てる。第0日(材料を乾燥させ、装置組み立ての用意が整った日と定義する)に、装置を動作させて、保管材料と比較することができる第0日の結果を得た。500および5μgmLの濃度でパパインを含有する溶液および希釈剤のみの陰性対照(試験1回につき50μLの量)を、10分間のインキュベーション時間のために装置に適用した。ブックレットを閉じ、以下のパラメータを1秒間隔で測定するMologicブックレット装置測色計を使用して顕色をモニターした:色相(H)、彩度(S)、明度(V)、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)。
【0084】
装置を乾燥させずに4℃で保管し、その後28日間にわたってアッセイした。第0日および第28日のデータを下に列挙する。
【0085】
データ操作
次の等式を用いて、色相および彩度についての測色計出力測定データを操作した:1/H × S。これらのデータを図9および10に示す。図9は、第0日装置で試験したパパイン標準物質についての重複測定データを示すグラフを示している。図10は、第28日に試験したパパイン標準物質についての重複測定データを示すグラフを示している。
【0086】
【表3】
これらのデータは、第28日陽性サンプルにおける低減されたシグナル発生率を例証するものである。しかし、平均データの比較は、最終シグナル値にほとんど有意な変化がなく、陽性サンプルの場合、これは、わずかに長い時間枠内に達成されることを示す。
【実施例4】
【0087】
ブックレットアッセイへの選択膜の評価
標準的BANA/DMAC形式ブックレット(実施例3において説明したとおり)を使用して、図3Aに従って以下の「選択」膜をその装置に組み込んだが、但し、基質インキュベーション中の蒸発を最小にするために明視化窓6を接着フィルム8で完全に密封したので開口部9はここにない。
【0088】
下に列挙するような0.22μm細孔径フィルターからMWCO 3500Da透析膜に及ぶ広範な膜を、プロテアーゼブックレットにおいて評価した。
Millipore Isopore膜 − 0.1μm、25μm厚 VCTP
Millipore MF膜 − 0.2μm、150μm厚 GSPW
Millipore Durapore膜 − 0.22μm、150μm厚GV
Whatman ナイロン膜 − 0.2μm細孔、150μm厚
Degussa セラミック複合膜 − タイプS240 P25 − 25μm厚
透析膜 − Pierce Snakeskin prod # 68035、MWCO 3,500、および
Spectra/Por cat # 132723、MWCO 3,500
Amicon NMWL膜 − cat # PBCC 04310、NMWL 5,000
上で説明したとおりのそれぞれの膜を用いてブックレットを作製し、その後、すべてのブックレット成分を湿潤させるために十分な液体が確実に装置に添加されるように対照装置については40μLおよび膜を内蔵している装置については80μLのサンプル量を用いて、0、50および250μg/mL パパイン標準物質で試験した。標準物質をBANAフィルムに添加し、10分間、インキュベートした。その後、それらのブックレットを閉じ、30分間にわたってデジタル画像を取り込むことによって顕色を記録した。
【0089】
図11は、15分インキュベートした後の、選択膜を有さないブックレット(対照ブックレット)およびMWCO 3,500透析膜を有するブックレットのデジタル画像を示すものである。結果を表4に作表する。
【0090】
【表4】
【実施例5】
【0091】
ブックレットにおけるシンクの評価
様々なシンク形式をブックレットタイププロテーゼで試験し、ここではすべての場合、シンクは、BANAフィルムより大きく、BANAフィルムの真下に位置した(両面テープを使用して、そのシンクの上にBANAフィルムを保持した)。2つの材料、Fisherbrand QL 100濾紙およびBibby Sterilin Bench
Guard、を試験し、二番目の材料のほうが、はるかに大きい吸収度および気孔率を有した。
【0092】
両面テープが、BANAフィルムと同じ直径またはそれより小さいもの(直径12mm以下)である場合、−例えば、図3Bの場合−、には、「サンプル」は、サンプルパッドから、ガーゼ繊維によってまたは直接PVAフィルムによってシンクへと運ばれるので、BANAフィルムは、最初のサンプルインキュベーション後、ほぼ乾燥していることとなり、それが一様でない劣ったシグナル生成をもたらすことがわかった。図12は、40および70μLサンプル量を用いる、シンクを有するおよび有さない図3Bのブックレットのデジタル画像であり、サンプルパッドからの液体除去の影響および減少したシグナルを示している。結果を表5に作表する。
【0093】
【表5】
両面テープが、BANAフィルム全体の周囲に最低1mmの余分があるように、BANAフィルムより大きいとき(下に示すとおり)、装置は、サンプルの40から200μLというサンプル量にうまく対処し、シンクによってぬぐわれない過剰量がないことが判明した。こうした実施形態の図を図13に示す。図13の構成要素は次のとおりである:DMAC/PVAフィルム35;両面テープ36;BANA/PVA/ガーゼフィルム37;およびシンク/液だめ38。150μLサンプル量を用いて試験した、シンクを有するおよび有さないブックレットのデジタル画像を図14に示す。結果を表6に作表する。
【0094】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】プロテアーゼ酵素、BANAとDMACの反応の概略図である。
【図2】本発明の1つの実施形態の酵素検出製品の斜視図である。
【図3A】図2に示す酵素検出製品の線A−Aに沿った断面図である。
【図3B】図2に示す酵素検出製品の線B−Bに沿った断面図である。
【図4】別の実施形態の酵素検出製品の概略断面図である。
【図5】1つの実施形態の酵素検出製品の顕色を示すグラフである。
【図6】結果を図5に示す試験において使用した測色計の平面図である。
【図7】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図8】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図9】もう1つの実施形態の酵素検出製品の顕色を示すグラフである。
【図10】もう1つの実施形態の酵素検出製品の顕色を示すグラフである。
【図11】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図12】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図13】さらなる実施形態の酵素検出製品の断面図である。
【図14】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素検出製品およびまた酵素の存在を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な状況下での酵素の存在の検出は、当該技術分野において公知である。検査室手法に加えて、専門家用機器なしに特定の酵素または酵素のタイプを検出することができるキットが提供されている。
【0003】
例えば、患者の歯肉溝液をプロテアーゼ酵素の存在について分析するために歯科医が使用するためのキットの提供が開示されている。歯肉溝液のサンプルを患者から採取し、濾紙、すなわち、第一反応体、すなわちBANA(Na−ベンゾイル−dl−Arg β−ナフチルアミド)として知られている合成ペプチド、を付加した濾紙、の上に置く。図1に示すように、プロテアーゼが存在する場合、BANAペプチドからナフチルアミン部分が切断される。その濾紙の別の部分には、第二反応体DMAC(ジメチルアミノシンナムアルデヒド)が付加される。切断されたナフチルアミン部分およびHCLの存在に応じて、DMACは色を変える(無色からピンク/赤へ)。使用の際、その濾紙を折り重ね、それによって、DMACが付加された領域をBANAおよびサンプルが付加された領域と接触させて、それらを混合させ、あらゆる変色を観察する。変色が生じた場合、これは、その患者のサンプル中にプロテアーゼが存在するというしるしである。
【0004】
こうした先行技術検出システムは、十分満足できる程度に働くが、より広い適用可能性の点で幾つかの問題を有する。1つの問題は、歯肉溝液は一般に透明であるが、他のサンプルは透明でないこともあり、それ故、発生しているかもしれない変色の観察がより難しいという問題である。例えば、サンプルが血液である、または血液で汚染されている場合、それは、反応中に呈示される色をわかりにくくし得る固有の強いバックグラウンドカラーを有する。
【0005】
こうした先行技術システムでのもう1つの問題は、サンプル、それ自体が、第二の反応体と反応して変色または他のシグナルを生じさせる成分を含有することがあるため、間違った陽性結果をもたらし易いという問題である。幾つかの色素生産システムでは、アミノ酸または短いペプチド(例えば、ニンヒドリン)との反応によって色を生じさせることがある。例えば、上の例について引き続いて述べると、歯肉溝液サンプルは、プロテーゼが存在せず、BANAペプチドが切断されなかったときでさえ、DMACと反応して変色を生じさせることができる、遊離第一芳香族アミン基またはその類似体を含有し得る。
【0006】
本発明は、上の問題の1つ以上を解決しようとするものである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、
サンプルを受け取るための反応ゾーンと、
酵素の活性の検出に応答してシグナルを提示するための明視化ゾーン
を含む、サンプル中の酵素の存在を検出するための酵素検出製品を提供し、この場合、反応ゾーンは、酵素と反応して反応生成物を生成することができる反応体を含む。
【0008】
前記反応ゾーンは前記反応体で前処理される。
【0009】
好ましくは、前記製品は、前記反応ゾーンと前記明視化ゾーンの間に挿入できる膜(この膜は、閾値サイズより大きいサイズを有する成分の該反応ゾーンから該明視化ゾーンへの通過を妨げる)をさらに含み、ならびにその反応生成物は、該閾値サイズより小さいサイズを有する。
【0010】
前記膜は分子量閾値を有する。これは、好ましくは、100kDa、50kDa、10kDa、5kDa、1kDaまたは500Daより小さい。
【0011】
前記膜が不透明であると好都合である。
【0012】
好ましくは、前記反応ゾーンおよび/または前記明視化ゾーンは、水和するが水の存在下で溶解しない吸収材料で製造されたフィルムを含む。
【0013】
前記フィルムは、PVA、ペクチン、アクリルアミド、アガロース、プルランまたはカラゲナンから製造されるのが有利である。
【0014】
前記明視化ゾーンは、均一に顕色することができる材料から製造されるのが好都合である。
【0015】
好ましくは、前記反応ゾーンおよび前記明視化ゾーンは、互いに蝶番式に接続され、その蝶番の周りで曲げることにより互いを接触させることができる。
【0016】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方は、その反応ゾーンをその明視化ゾーンと密封式に接触させるための、その外周の周囲に広がる接着領域を有するのが有利である。
【0017】
前記明視化ゾーンは、リーフ上に据え付けられ、このリーフにはその明視化ゾーンを見るための開口部が設けられるのが好都合である。
【0018】
好ましくは、前記開口部は透明窓によって覆われる。
【0019】
前記反応ゾーンは、それに隣接して位置する、吸収材料から製造された液だめを有するのが有利である。
【0020】
好ましくは、前記反応ゾーンと前記液だめの間に接着層などの層がある。この層は、その反応ゾーンの外側に横方向に広がっていることが好ましい。例えば、反応ゾーンおよび層が円形である場合には、その層は、その反応ゾーンより大きい直径を有する。
【0021】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方は、脱着可能な保護フィルムによって覆われるのが好都合である。
【0022】
好ましくは、前記明視化ゾーンは、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせることができる第二反応体を含む。
【0023】
前記酵素は、プロテアーゼであり、前記第一反応体は、BANAペプチドであり、前記第二反応体は、D−MACであるのが有利である。
【0024】
前記サンプル検出製品は、サンプルの横方向の動きを助長し、前記反応ゾーンの表面を破壊し、その中に流路を形成してそれを通してサンプルを導くサンプル分散手段をさらに含むのが好都合である。
【0025】
本発明のもう1つの態様によれば、サンプル中の酵素の存在を検出する方法が提供され、この方法は、
i)サンプルを第一反応体と接触させる段階(この反応体は、酵素が存在する場合、反応生成物を生成する)と、
ii)混合物中の閾値サイズより小さい成分の少なくとも一部を明視化ゾーンへと分離する段階(前記反応生成物は、その閾値サイズより小さい)と、
iii)明視化ゾーンにおいて前記反応生成物の存在を検出する段階
とを含む。
【0026】
段階ii)は、選択膜を使用して前記混合物中の成分を分離することを含むのが好都合である。
【0027】
好ましくは、段階ii)は、前記反応生成物または前記反応生成物によって放出されるシグナルを観察することを含む。
【0028】
段階i)は反応支持層上で行われ、段階iii)は、明視化支持層上で行われるのが有利である。
【0029】
本方法は、段階i)の後、前記反応支持層を前記明視化支持層と接触させる段階をさらに含むのが好都合である。
【0030】
好ましくは、段階iii)は、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせる第二反応体を供給することを含む。
【0031】
本方法は本発明の酵素検出製品を使用するのに有利である。
【0032】
本発明をより容易に説明することができるように、且つ本発明のさらなる特徴を理解できるように、今度は例として添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明しよう。
【0033】
図2を参照すると、酵素検出製品1は、背5で接続された同じ形およびサイズの第一および第二リーフ3、4を有する紙またはボール紙のブック2から成る。従って、背5は、第一リーフ3と第二リーフ4の間の蝶番としての働きをする。
【0034】
第一リーフ3の中央には、ブック2における第一の開口部6が設けられている。第一リーフ3の上には、その開口部6を覆って、明視化パッド7が設けられており、これは、使用前は保護フィルムによって覆われている(図示されていない)。
【0035】
図3Aを参照して、明視化パッド7をもっと詳細に説明しよう。第一リーフ3の内側の面は第一接着フィルム8を有し、これには、第一開口部6に位置を合わせた、しかし第一開口部6より大きい開口部9がある。第一接着フィルム8の上には、水和するが水の存在下で溶解しない、ポリビニルアルコール(PVA)製の明視化フィルム10が設けられている。この明視化フィルム10は、その構造内にDMACおよびHCLを含有する。明視化フィルム10は、開口部6を中心にして配置されるが、第一接着フィルム8より小さい。明視化フィルム10は光学的に透明であり、固有の色を有さず、均一に顕色することができるが、使用前は無孔質である。
【0036】
明視化フィルム10の上には膜11が設けられており、この膜11はそのフィルム10より大きく、従って、明視化フィルム10より一部外にはみ出しており、その端で第一接着フィルム8に接続している。それにもかかわらず、膜11は、第一接着フィルム8より小さいので、第一接着フィルム8の端12は、膜11から外側に延びている。膜11は不透明であり、好ましくは白色である。それは多数の細孔を含む(図示されていない)。これらの細孔によって、この膜はそれを通過できる分子について選択的になる。より具体的には、500ダルトンの閾値サイズより上の分子量を有する分子は膜11を通過できないが、500ダルトンより小さい分子量を有する分子はこの膜を通過することができる。代替実施形態において、前記閾値サイズは500Daより大きく、例えば、1kDaまたは5kDaであり得る。
【0037】
第二リーフ4はその中央に反応パッド13を有する。この反応パッド13は、第一リーフ3の明視化パッド7と向かい合う第二リーフ4上の位置にある。反応ゾーン13は、脱着可能なホイルラップ(図示されていない)で覆われている。次に図3Bを参照して反応パッド13をさらに詳細に説明しよう。
【0038】
反応パッド13は、第二リーフ4に取り付けられた第二接着フィルム14を含む。この接着フィルム14の上に吸収性液だめ15(接着フィルム14より小さいサイズのものだが)が設けられている。その吸収パッド15上には、ポリビニルアルコール(PVA)製で、その中に合成ペプチドBANAおよびサンプル分散材料が含浸された反応フィルム16が設けられている。このサンプル分散材料は、反応フィルム16の表面を破壊し、その中にサンプルを伝達することができる流路を形成することによって、その反応フィルム16上でのサンプルの横方向の動きを助長する布である。反応フィルム16は、明視化フィルム10と同じサイズであり、吸収性液だめ15より小さいので、第二接着フィルム14の端17は反応フィルム16の外側に延びている。
【0039】
酵素検出製品1を使用するためには、ブック2を開いて第一リーフ3と第二リーフ4を離し、明視化パッド7および反応パッド13を覆う保護フィルム(図示されていない)を取り外す。試験すべきサンプル(例えば、血液)を反応フィルム16の上に乗せる。サンプルからの溢れ液は液だめ15によって吸収する。適切な反応時間(例えば、60秒)の後、第一接着フィルム8の端12が第二接着フィルム14の端17と接するように、ブック2の第一リーフ3と第二リーフ4とを互いに押し付け、第一リーフ3と第二リーフ4とが接着するようにする。第一リーフ3と第二リーフ4との接着により、サンプルはブック2の中に密封されるので、サンプルは衛生的に収容される。
【0040】
リーフ3とリーフ4を一体にする前でも、サンプルを反応フィルム16上に置くやいなや、そのサンプル中のいずれかのプロテアーゼ酵素活性が、BANAペプチドの加水分解およびナフチルアミン部分の放出を開始させることに留意しなければならない。ナフチルアミン部分は、膜11を通って明視化フィルム10に達するほど十分小さい。500ダルトンの閾値サイズより大きい分子量を有するサンプルの他の成分は、膜11を通過することができない。
【0041】
ナフチルアミン部分が明視化フィルム10に到達すると、DMACおよびナフチルアミンは濃縮され、赤/ピンクへと変色する(図1参照)。明視化フィルム10は、第一リーフ3の第1開口部6および第一接着フィルム8の第2開口部9を通して見えるので、観察者は発生した変色を見ることができる。膜11は、好ましくは、白色不透明であり、明視化フィルム10に対するバックグラウンドとなるため、観察者が、サンプルに由来する干渉色にかかわらず偏りなく変色を評定する助けとなる。変色は、サンプル中のプロテアーゼ酵素の存在を示す。変色度(色相、彩度および吸光度)および変色速度(必ずしも両方ではないが)は、サンプル中の酵素濃度および反応時間に依存する。
【0042】
プロテアーゼ活性を有さないサンプルでは、ナフチルアミン部分は、反応フィルム16から放出されず、そのため、ブック1の2つのリーフ3、4を接触させると、DMAC化合物は、その液体サンプルの存在下、明視化フィルム10の中に存在するHCLと反応して、黄色い色をした生成物を生成する。
【0043】
本発明の別の実施形態では、第一リーフ3の第一接着フィルム8とは反対側に、第一リーフ3に透明スライドまたは窓を取り付けて、第一開口部6を覆う。この透明スライドは、明視化フィルム10の目視を可能にするが、不純物の進入およびサンプルの退出を許さない。
【0044】
また別の実施形態においては、反応フィルム16および明視化フィルム10は、水和するが水に溶解しない他の材料、例えばアクリルアミド、アガロース、プルランまたはカラゲナンから製造される。
【0045】
反応フィルム16にBANAペプチドを含浸させ、明視化フィルム10にDMACを含浸させる実施形態に本発明が限定されないことは、理解されるはずである。代わりに、反応フィルム16および明視化フィルム10上に反応体の異なるセットをそれぞれ設けててもよい。
【0046】
例えば、DMACの代わりにFastGarnet(亜鉛安定化ジアゾニウム塩)またはFast Blackを使用することもできる。
【0047】
あるいは、特定のプロテアーゼの検出を可能にするために選択される任意のアミノ酸配列に、BANAのナフチルアミド基を付けることができる。例えば、酵素好中球エラスターゼの存在について試験するために、BANAの代わりにH−DL−Ala−bNA(Bachem)を使用する。
【0048】
ナフチルアミドまたはナフチルアミドエステル標識を使用して、特定のプロテアーゼ酵素の活性の存在を検出するために、反応体を設計および合成することができる。
【0049】
別の実施形態では、反応体カゼインをBANAの代わりに反応フィルム上に供給し、反応体ニンヒドリンをDMACの代わりに明視化フィルム上に供給する。
【0050】
実際、いずれの反応体を明視化フィルム10上に供給することも本発明にとって本質的なことではない。例えば、図4を参照してもう1つの実施形態を概略的に示す。図4において、同様の成分は前の実施形態と同じ番号を有する。従って、この実施形態において、第一および第二リーフ3、4は、選択膜11によってそれぞれ覆われた明視化フィルム10と反応フィルム16をそれぞれ有する。明視化フィルム10の上の第一リーフ3には開口部6が設けられている。反応フィルム16には切断可能なペプチド18が含浸されており、このペプチド18は、その一方の末端20に共有結合で付いている蛍光体基19と、そのペプチドの他方の末端22に付いているクエンチャー基21とを有する。ペプチド18は、プロテアーゼ酵素に対して感受性がある。すなわち、プロテアーゼ酵素は、ペプチド18を切断し、蛍光体基19がコンジュゲートしている第一末端20とクエンチャー基21がコンジュゲートしている探索末端22とを分離する。切断された第一末端20は、残りのペプチド18上にあるクエンチャー23から離れて、膜11を通過し、明視化フィルム10(ここで、入射光23のもと、可視光24の蛍光発生を観察することができる)へと進むのに十分小さい。しかし、サンプル中にプロテアーゼが不在である場合、ペプチドは切断されず、その未切断ペプチド18は、大きすぎて膜11を通過できない。従って、この実施形態では、明視化フィルム10は、いずれかの他の成分と反応する成分を含有せず、その代わり、反応生成物(すなわち、第一末端20に結合した蛍光体基21)のための容器および目視領域としての機能を果す。
【0051】
適する蛍光体基の例は、Mca(7−メトキシクマリン−4−アセチル)であり、適するクエンチャーは、Dpa(2,4−ジニトロフェニル)である。Mcaは、Dpaに近接していない場合、392nm(励起325nm)で蛍光計により検出することができる。
【0052】
別の実施形態において、反応フィルム16中の反応体は、カルボキシ末端がアミド結合によってp−ニトロアニリン基に連結されているペプチドである。このペプチドがプロテアーゼ酵素によって切断されると、p−ニトロアニリン基を放出し、それが膜11を通過し、それは黄色であるように見える。
【0053】
もう1つの実施形態では、BANAを反応フィルム16上に供給するが、DMACは明視化フィルム10に供給しない。プロテアーゼ酵素が存在する場合、ナフチルアミンが放出され、UV線のもとでは明視化フィルムにおいてそれが見える。さらなる実施形態において、反応フィルム16上に供給される反応体は、DLアルギニンアミノメチルLクマリンであり、これも、プロテアーゼ酵素が存在する場合、蛍光性切断生成物を放出する。
【0054】
本発明がプロテアーゼ酵素の検出用の製品に限定されないことも理解されるはずである。他の実施形態において、サンプル中の他の酵素に応答する反応体が、反応フィルム16上に、場合によっては明視化フィルム10上にも供給される。例えば、1つの実施形態では、反応フィルム16中のアミロースからのグルコースの放出によって、アミラーゼを検出する。この実施形態において、明視化フィルム10は、当業者には公知のタイプのグルコースオキシダーゼおよび適切な色原体を含有する。
実施例
【実施例1】
【0055】
ブックレット形式のエラスターゼ基質
材料(フィルム作製)
H−Ala−β−ナフチルアミド(H−Ala−βNA)
50mM トリス緩衝液pH8
脱イオン水中の10% Brij 35
脱イオン水中の5% PVA
ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)
綿ガーゼ
ジメチルスルホキシド(DMSO)
3M HCL
メタノール(MEOH)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
材料(装置組み立ておよび酵素アッセイ)
厚手画用紙
両面接着テープ
DMACフィルム
H−Ala−βNAフィルム
ブタ膵臓エラスターゼ
PCに接続される小さな測色計(図6)
方法(フィルム作製)
H−Ala−βNAフィルムは次のように作製した:ガーゼを円盤状に切り取って、標準的な18cm微生物学用ペトリ皿の底の内側に取り付けた。さらに、20mgのH−Ala−βNAを量り取り、1mLのDMSOが入っている汎用ボトルに添加して溶解した。その溶解した基質に次の試薬を添加した:1.5mLのトリス緩衝液、100μLのBrij35および7.5mLの5%PVA。そのチューブを穏やかに反転させて、成分の混合を助長し、その後、その懸濁液をペトリ皿にそのガーゼにかぶせるように注入した。空けたままの皿をドラフトの中に置いて、約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0056】
DMACフィルムは次のように作製した:15mgのDMACを量り取り、1.5mLのMeOHが入っている汎用容器に添加して溶解した。3.75mLのHCLを添加し、その後2.25mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVAを添加した。そのチューブを反転させることによってそれらの成分を混合し、その後清浄な空のペトリ皿に注入した。そのフィルムをドラフトの中で約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0057】
方法(装置組み立て)
厚手画用紙を約10×5cmの長方形に切り、これらを半分に折り畳み、表表紙の中心点に鉛筆で印をつけた。丸パンチを使用して、それらのブックレットの表表紙に直径約12mmの開口部を切り取った。その後、その穴を用いて、この構成の反対側のリーフの内側の中心位置に印をつけた。
【0058】
数片の両面テープを内方左および右手側に貼った。(上で説明した)フィルムを丸パンチで切り取った;H−Ala−βNAを直径12mmのパンチで切り取り、その内方右手側の粘着テープに貼り付けて、サンプル適用領域を得た。DMACフィルムは、直径約15mmのわずかに大きいパンチで切り取り、開口部を覆うように内方左手側の両面テープで固定した。
【0059】
酵素アッセイ
ブタ膵臓エラスターゼ(Sigma)を、トリス緩衝液pH8中、約20mg/mLになるように調製した。
【0060】
2つの装置を動作させ、酵素陰性サンプルは装置1に適用し、エラスターゼ陽性サンプルは第二装置に適用した。40μLのサンプルを基質パッド(H−Ala−βNA)に適用し、室温で10分間インキュベートすることによって、これらの装置を継続的に動作させた。インキュベーション期間の後、DMACフィルムが基質パッドに接触するようにその装置を閉じ、両面テープによって閉じた状態を維持した。
【0061】
基本測色計の上にその装置の覗き窓を配置することによって、顕色をモニターした。合計5分の間、2秒に1回、読み取りを行った。得られたデータを、次の等式を用いることによって色相(H)および彩度(S)について比較した:1/H × S。データは、図5で見ることができる。陽性サンプルで処理した装置から生じた色が強いほど(青線)、Hの数値は低く、多くの場合、彩度、すなわちS値は大きい。従って、陰性サンプルは、陽性サンプルより低く平坦な傾向を有する(ピンク線)。
【0062】
その測色計を図6に示す。これは、白色LED光源および色探知チップ、例えば周囲光を除去するために黒いプラスチックケースに入った検出器から成る。この測色計の構成要素は次のとおりである:白色LEDで装置を読み取るための開口部30;電源31;コンピュータへの接続32;オン/オフスイッチ33;および適所に装置を保持するためのゴムバンド。埋め込み型ソフトウェアによって生データを変換して、色相(H)、彩度(S)および強度(V)値ならびに赤(R)、緑(G)および青(B)を端末エミュレーターアプリケーションに与える。この装置からの読取値は、カラーホイール原理に基づく。
【実施例2】
【0063】
基質の酵素的切断後の蛍光標識検出
A.蛍光体としてのβNAの検出
材料
脱イオン水中の5%PVA
綿ガーゼ
ジメチルスルホキシド(DMSO)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
250mM ホスフェート 25mM EDTA pH7.2
ベンゾイルアルギニンβナフチルアミド・HCL(BANA)
ペトリ皿
厚手画用紙
両面粘着テープ
方法
BANAフィルムを、微妙な違いはあるが、前記H−Ala−βNAフィルムどおりに作製した。綿ガーゼを円盤状に切り取って、標準的な18cm 微生物学用ペトリ皿の内側に取り付けた。20mgのBANAを汎用容器に添加し、1mLのDMSOに溶解した。次の試薬を添加した:1mLのホスフェート/EDTA緩衝液、0.5mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVA。その懸濁液を穏やかに混合し、その後、そのガーゼの上に注ぎ、ドラフトの中に置いて、約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0064】
試験
5つの小さな穴(直径約5mm)を有する厚手画用紙片 約12×5cmを用意した。それらの穴をそれぞれ小さな正方形の両面テープで覆った。BANAフィルムを切り取って、穴の上のテープに合わせ、貼り付けた。0.01%システインを伴う脱イオン水、希釈剤、中、700、350、70および7μgmLで、パパイン酵素標準物質を調製した。希釈剤のみの陰性対照も使用した。それらの酵素および対照サンプルをBANAフィルム1つにつき20μLで適用し、室温でインキュベートした。蛍光発現の進行を、UV線ボックスで、約5分間隔でチェックした。約14分後の結果を図7に与え、表1に作表する。
【0065】
【表1】
350および700μgmLのパパインと共にインキュベートしたフィルムにおいてバックグラウンドより高い蛍光が検出された。
【0066】
B.切断されたBz−DL−Arg−アミノメチルクマリン・HCLの検出
材料
Bz−DL−Arg_AMC・HCL(Bachem 1−1076)
脱イオン水中の5% PVA
綿ガーゼ
ジメチルスルホキシド(DMSO)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
250mM ホスフェート 25mM EDTA pH7.2
ペトリ皿
厚手画用紙
両面粘着テープ
方法
次のことを除き、「A」において説明したとおりフィルムを作製した:10mgのBz−DL−Arg_AMC・HCLをBANAの代わりにDMSOに添加した。
【0067】
試験
次のことを除き、前に「A」において説明したとおり試験装置のセットアップをした:4片のフィルムの3つの列を5片の1列の代わりに覗き窓の上に取り付けた。
【0068】
新たなパパイン標準物質を次の濃度で適用した、10000、1000、100μgmLおよび0。前のとおりシグナル生成をモニターした。結果を図8に示し、表2に作表する。
【0069】
【表2】
試験した酵素のすべてのレベルで蛍光が検出された。
【実施例3】
【0070】
記憶データを使用するBANA/DMACプロテアーゼアッセイの例示
BANAおよびDMACフィルムの作製
標準的手順は次のとおりである:
材料
目の詰まった綿ガーゼ
脱イオン水中の5%PVA
ジメチルスルホキシド(DMSO)
ペトリ皿 20cm
脱イオン水
250mM ホスフェート 25mM EDTA pH7.2
ベンゾイルアルギニンβナフチルアミド・HCL(BANA)
ペトリ皿
3M HCL
メタノール(MEOH)
DMAC
BANA/PVA/ガーゼフィルム
1)綿ガーゼを円盤状に切り取って、20cm ペトリ皿の内側に取り付けた。
【0071】
2)20mgのBANAを清浄な汎用容器に添加し、1mLのDMSOに溶解した。
【0072】
3)(2)において調製したBANA原液に次のものを添加した:1mLのホスフェート/EDTA緩衝液、0.5mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVA。
【0073】
4)その溶液を穏やかに混合し、その後、そのガーゼの上に注ぎ、ドラフトの中に置いて、約20時間、周囲温度で乾燥させた。
【0074】
DMAC/PVAフィルム
1)15mgのDMACを量り取り、1.5mLのMeOHが入っている清浄な汎用容器に添加して溶解した。
【0075】
2)(1)において調製したDMAC原液に次のものを添加した:3.75mLのHCLを添加し、その後、2.25mLの脱イオン水および7.5mLの5% PVAを添加した。
【0076】
3)チューブを反転させることによってそれらの成分を混合し、その後、清浄な空のペトリ皿に注入した。そのフィルムを、ドラフトの中で、約20時間、乾燥させた。
【0077】
パパイン標準物質の調製
1)必要とする各日に原液を新たに調製して、0.1%システインを伴う脱イオン水中10mgmLの酵素を得る。その後、この原液は、脱イオン水でさらに希釈することにより作業濃度の標準物質を調製するために使用する。
【0078】
ブックレット装置の作製
1)約5×5cmのブックレットが得られるように厚手画用紙を折り畳むことによって、ブックレットを作製した。
【0079】
2)表表紙の中央に、直径12cmの穴(覗き窓6)をあけた。
【0080】
3)約25mmの正方形の2片の両面テープを、接着フィルム8および14として、そのブックレットの両方のリーフ内側の中央に配置した。
【0081】
4)直径12mmの円盤状のBANA/PVA/ガーゼフィルム16を、サンプル適用領域となる接着フィルム14の中央に配置する。
【0082】
5)直径15mmの円盤状のDMAC/PVAフィルム10を接着フィルム8の中央に配置して、覗き窓6を覆う。
【0083】
酵素アッセイ
上で説明して本発明者らの標準的な方法論に従って、装置材料を作製し、組み立てる。第0日(材料を乾燥させ、装置組み立ての用意が整った日と定義する)に、装置を動作させて、保管材料と比較することができる第0日の結果を得た。500および5μgmLの濃度でパパインを含有する溶液および希釈剤のみの陰性対照(試験1回につき50μLの量)を、10分間のインキュベーション時間のために装置に適用した。ブックレットを閉じ、以下のパラメータを1秒間隔で測定するMologicブックレット装置測色計を使用して顕色をモニターした:色相(H)、彩度(S)、明度(V)、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)。
【0084】
装置を乾燥させずに4℃で保管し、その後28日間にわたってアッセイした。第0日および第28日のデータを下に列挙する。
【0085】
データ操作
次の等式を用いて、色相および彩度についての測色計出力測定データを操作した:1/H × S。これらのデータを図9および10に示す。図9は、第0日装置で試験したパパイン標準物質についての重複測定データを示すグラフを示している。図10は、第28日に試験したパパイン標準物質についての重複測定データを示すグラフを示している。
【0086】
【表3】
これらのデータは、第28日陽性サンプルにおける低減されたシグナル発生率を例証するものである。しかし、平均データの比較は、最終シグナル値にほとんど有意な変化がなく、陽性サンプルの場合、これは、わずかに長い時間枠内に達成されることを示す。
【実施例4】
【0087】
ブックレットアッセイへの選択膜の評価
標準的BANA/DMAC形式ブックレット(実施例3において説明したとおり)を使用して、図3Aに従って以下の「選択」膜をその装置に組み込んだが、但し、基質インキュベーション中の蒸発を最小にするために明視化窓6を接着フィルム8で完全に密封したので開口部9はここにない。
【0088】
下に列挙するような0.22μm細孔径フィルターからMWCO 3500Da透析膜に及ぶ広範な膜を、プロテアーゼブックレットにおいて評価した。
Millipore Isopore膜 − 0.1μm、25μm厚 VCTP
Millipore MF膜 − 0.2μm、150μm厚 GSPW
Millipore Durapore膜 − 0.22μm、150μm厚GV
Whatman ナイロン膜 − 0.2μm細孔、150μm厚
Degussa セラミック複合膜 − タイプS240 P25 − 25μm厚
透析膜 − Pierce Snakeskin prod # 68035、MWCO 3,500、および
Spectra/Por cat # 132723、MWCO 3,500
Amicon NMWL膜 − cat # PBCC 04310、NMWL 5,000
上で説明したとおりのそれぞれの膜を用いてブックレットを作製し、その後、すべてのブックレット成分を湿潤させるために十分な液体が確実に装置に添加されるように対照装置については40μLおよび膜を内蔵している装置については80μLのサンプル量を用いて、0、50および250μg/mL パパイン標準物質で試験した。標準物質をBANAフィルムに添加し、10分間、インキュベートした。その後、それらのブックレットを閉じ、30分間にわたってデジタル画像を取り込むことによって顕色を記録した。
【0089】
図11は、15分インキュベートした後の、選択膜を有さないブックレット(対照ブックレット)およびMWCO 3,500透析膜を有するブックレットのデジタル画像を示すものである。結果を表4に作表する。
【0090】
【表4】
【実施例5】
【0091】
ブックレットにおけるシンクの評価
様々なシンク形式をブックレットタイププロテーゼで試験し、ここではすべての場合、シンクは、BANAフィルムより大きく、BANAフィルムの真下に位置した(両面テープを使用して、そのシンクの上にBANAフィルムを保持した)。2つの材料、Fisherbrand QL 100濾紙およびBibby Sterilin Bench
Guard、を試験し、二番目の材料のほうが、はるかに大きい吸収度および気孔率を有した。
【0092】
両面テープが、BANAフィルムと同じ直径またはそれより小さいもの(直径12mm以下)である場合、−例えば、図3Bの場合−、には、「サンプル」は、サンプルパッドから、ガーゼ繊維によってまたは直接PVAフィルムによってシンクへと運ばれるので、BANAフィルムは、最初のサンプルインキュベーション後、ほぼ乾燥していることとなり、それが一様でない劣ったシグナル生成をもたらすことがわかった。図12は、40および70μLサンプル量を用いる、シンクを有するおよび有さない図3Bのブックレットのデジタル画像であり、サンプルパッドからの液体除去の影響および減少したシグナルを示している。結果を表5に作表する。
【0093】
【表5】
両面テープが、BANAフィルム全体の周囲に最低1mmの余分があるように、BANAフィルムより大きいとき(下に示すとおり)、装置は、サンプルの40から200μLというサンプル量にうまく対処し、シンクによってぬぐわれない過剰量がないことが判明した。こうした実施形態の図を図13に示す。図13の構成要素は次のとおりである:DMAC/PVAフィルム35;両面テープ36;BANA/PVA/ガーゼフィルム37;およびシンク/液だめ38。150μLサンプル量を用いて試験した、シンクを有するおよび有さないブックレットのデジタル画像を図14に示す。結果を表6に作表する。
【0094】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】プロテアーゼ酵素、BANAとDMACの反応の概略図である。
【図2】本発明の1つの実施形態の酵素検出製品の斜視図である。
【図3A】図2に示す酵素検出製品の線A−Aに沿った断面図である。
【図3B】図2に示す酵素検出製品の線B−Bに沿った断面図である。
【図4】別の実施形態の酵素検出製品の概略断面図である。
【図5】1つの実施形態の酵素検出製品の顕色を示すグラフである。
【図6】結果を図5に示す試験において使用した測色計の平面図である。
【図7】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図8】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図9】もう1つの実施形態の酵素検出製品の顕色を示すグラフである。
【図10】もう1つの実施形態の酵素検出製品の顕色を示すグラフである。
【図11】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図12】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【図13】さらなる実施形態の酵素検出製品の断面図である。
【図14】使用後の、もう1つの実施形態の酵素検出製品の画像である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを受け取るための反応ゾーンと、
酵素の活性の検出に応じてシグナルを提示するための明視化ゾーンと、
該反応ゾーンと該明視化ゾーンの間に挿入できる膜(該膜は、閾値サイズより大きいサイズを有する成分の該反応ゾーンから該明視化ゾーンへの通過を妨げる)と
を含む製品であって、
前記反応ゾーンが、前記酵素と反応して前記閾値サイズより小さいサイズを有する反応生成物を生成することができる反応体を含む、
サンプル中の酵素の存在を検出するための酵素検出製品。
【請求項2】
前記膜が、不透明である請求項1に記載の酵素検出製品。
【請求項3】
前記反応ゾーンおよび/または明視化ゾーンが、水和するが水の存在下で溶解しない吸収材料で製造されたフィルムを含む請求項1または2に記載の酵素検出製品。
【請求項4】
前記フィルムが、PVA、ペクチン、アクリルアミド、アガロース、プルランまたはカラゲナンから製造される請求項3に記載の酵素検出製品。
【請求項5】
前記明視化ゾーンが、均一に顕色することができる材料から製造される、前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項6】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンが互いに蝶番式に接続され、該蝶番の周りで曲げることにより互いを接触させることができる前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項7】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方が、該反応ゾーンを該明視化ゾーンと密封式に接触させるための、その外周の周囲に広がる接着領域を有する前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項8】
前記明視化ゾーンが、リーフ上に据え付けられ、該リーフには該明視化ゾーンを見るための開口部が設けられている前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項9】
前記開口部が、透明窓によって覆われる請求項8に記載の酵素検出製品。
【請求項10】
前記反応ゾーンが、それに隣接して位置する吸収材料から製造された液だめを有する前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項11】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方が、脱着可能な保護フィルムによって覆われる前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項12】
前記明視化ゾーンが、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせることができる第二反応体を含む前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項13】
前記酵素がプロテアーゼであり、前記第一反応体がBANAペプチドであり、前記第二反応体がDMACである、請求項12に記載の酵素検出製品。
【請求項14】
サンプルの横方向の動きを助長し、前記反応ゾーンの表面を破壊し、その中に流路を形成してそれを通してサンプルを導くサンプル分散手段をさらに含む前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項15】
i)サンプルを第一反応体と接触させる段階(該反応体は、酵素が存在する場合、反応生成物を生成する)と、
ii)混合物中の閾値サイズより小さい成分の少なくとも一部を明視化ゾーンへと分離する段階(前記反応生成物は、該閾値サイズより小さい)と、
iii)明視化ゾーンにおいて前記反応生成物の存在を検出する段階と
を含む、サンプル中の酵素の存在を検出する方法。
【請求項16】
段階ii)が、選択膜を使用して前記混合物中の成分を分離することを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
段階ii)が、前記反応生成物または前記反応生成物によって放出されるシグナルを観察することを含む請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
段階i)が、反応支持層上で行われ、段階iii)が、明視化支持層上で行われる請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
段階i)の後、前記反応支持層を前記明視化支持層と接触させる段階をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
段階iii)が、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせる第二反応体を供給することを含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1から14のいずれか一項に記載の酵素検出製品を使用する、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
サンプルを受け取るための反応ゾーンと、
酵素の活性の検出に応じてシグナルを提示するための明視化ゾーンと、
該反応ゾーンと該明視化ゾーンの間に挿入できる膜(該膜は、閾値サイズより大きいサイズを有する成分の該反応ゾーンから該明視化ゾーンへの通過を妨げる)と
を含む製品であって、
前記反応ゾーンが、前記酵素と反応して前記閾値サイズより小さいサイズを有する反応生成物を生成することができる反応体を含む、
サンプル中の酵素の存在を検出するための酵素検出製品。
【請求項2】
前記膜が、不透明である請求項1に記載の酵素検出製品。
【請求項3】
前記反応ゾーンおよび/または明視化ゾーンが、水和するが水の存在下で溶解しない吸収材料で製造されたフィルムを含む請求項1または2に記載の酵素検出製品。
【請求項4】
前記フィルムが、PVA、ペクチン、アクリルアミド、アガロース、プルランまたはカラゲナンから製造される請求項3に記載の酵素検出製品。
【請求項5】
前記明視化ゾーンが、均一に顕色することができる材料から製造される、前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項6】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンが互いに蝶番式に接続され、該蝶番の周りで曲げることにより互いを接触させることができる前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項7】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方が、該反応ゾーンを該明視化ゾーンと密封式に接触させるための、その外周の周囲に広がる接着領域を有する前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項8】
前記明視化ゾーンが、リーフ上に据え付けられ、該リーフには該明視化ゾーンを見るための開口部が設けられている前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項9】
前記開口部が、透明窓によって覆われる請求項8に記載の酵素検出製品。
【請求項10】
前記反応ゾーンが、それに隣接して位置する吸収材料から製造された液だめを有する前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項11】
前記反応ゾーンおよび明視化ゾーンの少なくとも一方が、脱着可能な保護フィルムによって覆われる前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項12】
前記明視化ゾーンが、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせることができる第二反応体を含む前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項13】
前記酵素がプロテアーゼであり、前記第一反応体がBANAペプチドであり、前記第二反応体がDMACである、請求項12に記載の酵素検出製品。
【請求項14】
サンプルの横方向の動きを助長し、前記反応ゾーンの表面を破壊し、その中に流路を形成してそれを通してサンプルを導くサンプル分散手段をさらに含む前記請求項のいずれか一項に記載の酵素検出製品。
【請求項15】
i)サンプルを第一反応体と接触させる段階(該反応体は、酵素が存在する場合、反応生成物を生成する)と、
ii)混合物中の閾値サイズより小さい成分の少なくとも一部を明視化ゾーンへと分離する段階(前記反応生成物は、該閾値サイズより小さい)と、
iii)明視化ゾーンにおいて前記反応生成物の存在を検出する段階と
を含む、サンプル中の酵素の存在を検出する方法。
【請求項16】
段階ii)が、選択膜を使用して前記混合物中の成分を分離することを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
段階ii)が、前記反応生成物または前記反応生成物によって放出されるシグナルを観察することを含む請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
段階i)が、反応支持層上で行われ、段階iii)が、明視化支持層上で行われる請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
段階i)の後、前記反応支持層を前記明視化支持層と接触させる段階をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
段階iii)が、前記反応生成物と反応してシグナルを生じさせる第二反応体を供給することを含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1から14のいずれか一項に記載の酵素検出製品を使用する、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−527246(P2009−527246A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555875(P2008−555875)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000643
【国際公開番号】WO2007/096642
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508257348)モロジック リミテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000643
【国際公開番号】WO2007/096642
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508257348)モロジック リミテッド (6)
【Fターム(参考)】
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